IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルテー−フィルターテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

<>
  • 特表-フィルター装置 図1
  • 特表-フィルター装置 図2
  • 特表-フィルター装置 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-22
(54)【発明の名称】フィルター装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 27/08 20060101AFI20220914BHJP
   B01D 27/10 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
B01D27/08
B01D27/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022504662
(86)(22)【出願日】2020-07-15
(85)【翻訳文提出日】2022-03-23
(86)【国際出願番号】 EP2020069966
(87)【国際公開番号】W WO2021013648
(87)【国際公開日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】102019005323.0
(32)【優先日】2019-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102019005325.7
(32)【優先日】2019-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102019005324.9
(32)【優先日】2019-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102019005326.5
(32)【優先日】2019-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513144501
【氏名又は名称】エルテー-フィルターテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ゲルハルト シュテーレ
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116AA07
4D116BB01
4D116BC13
4D116BC23
4D116BC45
4D116BC47
4D116BC77
4D116DD06
4D116KK04
4D116QA14C
4D116QA14D
4D116QA14F
4D116QB03
4D116QB17
4D116QB25
4D116QB32
4D116QB36
4D116QC49
4D116UU09
4D116VV05
(57)【要約】
フィルターハウジングを備えたフィルター装置であって、交換可能なフィルターエレメント(4)が収容され、蓋部材(2)を有し、エレメント部材(30)は端部において少なくとも一つのエンドキャップ(32)によって区画されているフィルター装置において、フィルターエレメント(4)の少なくとも一つのエンドキャップ(32)は流路(58)に装着され、一つのエンドキャップ(32)と流路(58)との間にフィルターエレメント(4)に対する横方向力を支持するための部品(84)が設けられ、フィルターエレメント(4)の内部に少なくとも部分的に端部で係合している流路(58)に対してフィルターエレメント(4)を支持する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルターハウジングを備えたフィルター装置であって、
交換可能なフィルターエレメント(4)が収容され、蓋部材(2)を有し、エレメント部材(30)は端部において少なくとも一つのエンドキャップ(32)によって境界を定められているフィルター装置において、
前記フィルターエレメント(4)の少なくとも一つのエンドキャップ(32)が流路(58)に装着され、前記フィルターエレメント(4)のための横方向力を支持するための部品(84)が、前記エンドキャップ(32)と前記流路(58)との間に設けられ、横方向力を支持するための前記部品(84)が、前記端部において少なくとも部分的に、前記フィルターエレメント(4)の内部に係合する前記流路(58)に対して前記フィルターエレメント(4)を支持する、ことを特徴とするフィルター装置。
【請求項2】
前記エンドキャップ(32)は、好ましくはエンドキャップ(32)と接続されているインサート部材として形成された横方向力を支持するための前記部品(84)を有することを特徴とする、請求項1に記載のフィルター装置。
【請求項3】
横方向力を支持するための前記部品(84)はスリーブから形成され、該スリーブは、一端において内方に曲がった縁部(90)を有し、他端において前記流路(58)のための案内部としての周壁をなし、桟状の環状フランジ(88)が前記周壁の外周に形成され、前記一つのエンドキャップ(32)内の段状凹部(70)内に係合している、ことを特徴とする、請求項1又は2に記載のフィルター装置。
【請求項4】
内方に曲がった縁部(90)が一種の停止部を成し、該停止部は静止して配置された流路(58)に対して前記フィルターエレメント(4)の可能なエンドストップをなす、ことを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載のフィルター装置。
【請求項5】
内方に曲がった縁部(90)によって区画された自由内径は、自由端部の領域における前記流路(58)の自由内径よりも小さい、ことを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載のフィルター装置。
【請求項6】
前記一つのエンドキャップ(32)に対面する前記エレメント部材(30)の1つの自由端部は、前記一つのエンドキャップ(32)の部分(62)と平面接触し、該部分(62)は、段状凹部(70)及び停止部の桟状の環状フランジ(88)に隣接する、ことを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載のフィルター装置。
【請求項7】
案内部の更なる部分として、受け入れ隆起部(92)が前記エンドキャップ(32)に突出して形成され、円錐状に収束する案内面(94)は、前記流路(58)が係合するための受け入れ開口部(56)の方を向いている、ことを特徴とする請求項1~6の何れか一項に記載のフィルター装置。
【請求項8】
前記エンドキャップ(32)は、前記流路(58)を所定の当接力で取り囲む環状シールリップを有することを特徴とする、請求項1~7の何れか一項に記載のフィルター装置。
【請求項9】
シールリップ(72)は、横方向力を支持するための前記部品(84)の別の部分として、所定の当接力で前記流路(58)をシールとして取り囲み、前記流路(58)に対して静止する、ことを特徴とする、請求項1~8の何れか一項に記載のフィルター装置。
【請求項10】
シールリップ(72)は半径方向張り出し部がフィルターエレメント(4)の内部(46)に向かって突出し、該半径方向張り出し部は前記流路(58)が前記エンドキャップ(4)に係合する際に小さくなる、ことを特徴とする請求項1~9の何れか一項に記載のフィルター装置。
【請求項11】
シールリップ(72)は、前記一つのエンドキャップ(32)の一体的な構成要素であり、弾性的な可撓性を有する、ことを特徴とする請求項1~10の何れか一項に記載のフィルター装置。
【請求項12】
前記流路(58)が係合するための受け入れ開口部(56)はシールリップ(72)によって区画されている、ことを特徴とする請求項1~11の何れか一項に記載のフィルター装置。
【請求項13】
前記流路(58)が前記エンドキャップ(4)に係合する前の初期状態で、環状シールリップ(72)の自由縁部(96)は、前記流路(58)の外径よりも小さい直径を有する、ことを特徴とする請求項1~12の何れか一項に記載のフィルター装置。
【請求項14】
案内受け入れ隆起部(92)の円錐度は、突出するシールリップ(72)の円錐度に対応していることを特徴とする、請求項1~13の何れか一項に記載のフィルター装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交換可能なフィルターエレメントが収容され、蓋部材を有し、エレメント部材が端部において少なくとも一つのエンドキャップによって区画されているフィルターハウジングを備えたフィルター装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種のフィルター装置は、様々な実施形態があり、異なる仕様に準拠した交換可能なフィルターエレメントを有するものが従来から開示されている。この種のフィルター装置では、フィルターエレメントは、特に油圧システムで流体のメンテナンスに利用される。冒頭に記載した種類のフィルター装置を開示している特許文献1に示されているように、そのようなフィルター装置は、いわゆるタンク内フィルター装置として有利に設計することができる。このような解決策では、フィルターエレメントは、流体を貯蔵する容器又はタンクの壁開口部の閉鎖部材を形成する蓋部材を開始点として、タンクの内部まで延びる。この場合、フィルターエレメントの長さは、下部エンドキャップが運転時に予想される最低液面レベルを下回るように寸法設定されている。濾過運転のために、未濾過液は、下部エンドキャップ内の開口部を通ってフィルターエレメントの内側フィルター中空室に進入する。流体はエレメント部材を内側から外側に貫流した後、濾液としてタンク内部に到達する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第102015003604(A1)号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、この先行技術から出発して、特に好適な運転特性によって特徴付けられる、冒頭に記載した種類の装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば上記の課題は、請求項1の特徴をその全体において有するフィルター装置によって解決される。
【0006】
請求項1の特徴部分によれば、本発明の本質的特徴は、フィルターエレメントの少なくとも一つのエンドキャップが流路に装着され、この一つのエンドキャップと流路との間にフィルターエレメントに対する横方向力を支持するための部品が設けられ、フィルターエレメントをこのフィルターエレメントの内部に少なくとも部分的に端部で係合している流路に対して支持することにある。フィルター装置が容器またはタンクに設置され、流路がタンク底に固定される場合、エンドキャップと流路の間に有効な横方向力の支持が、フィルターエレメントの外側に作用する力による変位またはねじれに対する安全装置を形成します。例えば、移動式作業設備で使用する場合、タンクの運動による流体のスロッシングによる流動力と、作用する加速度力による動的負荷がフィルターエレメントに作用するため、同様の負荷が生じることがある。
【0007】
本発明によるフィルター装置の好ましい実施形態では、エンドキャップが横方向力を支持するための装置を構成するように規定されており、この装置は、好ましくはインサート部材の形態でエンドキャップに接続されている。このようにして、横力支持のための装置は、製造技術の観点から特に好ましい態様で、エレメント部材の1つの端部としてエンドキャップに接続されることができる。横方向力を支持するための装置が割り当て可能なエンドキャップの一体化した部分である解決策も考えられる。
【0008】
本発明による装置のさらに好ましい実施形態では、横方向力を支持するための装置がスリーブから形成され、このスリーブは、一端が内向きに曲がる縁部を有し、他端が流路のための案内部の一部として周壁を形成し、周壁の外周に桟状の環状フランジが形成され、一つのエンドキャップにある段状凹部に係合することが規定されている。
【0009】
案内を改善するために、流路の外周の接触圧力位置を改善するために、周壁がその内方に曲がった縁部の方向にわずかに先細りになるように規定することも有利である。
【0010】
特に有利な実施形態では、スリーブの内方に曲がった縁部が、横方向力を支持する部分として一種の停止部を形成するように規定されており、この停止部は、好ましくはタンクハウジングの内部に突出する静止している流路に関してフィルターエレメントのための可能なエンドストップを形成している。このようにして、フィルターエレメントが意図せずにタンク内に落下することを防止する安全装置が形成され、これは特にフィルターエレメントがその反対側の端部で蓋から取り外し目的のために取り外される場合に起こり得ることである。さらに、フィルターエレメントが流路の外周に配置されたとき、停止部がエンドストップとなる可能性があります。
【0011】
この場合、内方に曲がった縁部によって区画された自由内径が、隣接する自由端部の領域における流路の自由内径よりも小さいことが好ましい。
【0012】
さらに有利には、一つのエンドキャップに対面するエレメント部材の1つの自由端部は、この一つのエンドキャップの凹部に隣接する部分及び停止部の桟状の環状フランジと平らに当接するように、配置することができる。そうすることによってエレメント部材の端面側の自由端部が両側で平面上に当接して支持される。
【0013】
有利な実施形態では、案内部品の更なる部分として、突出した受け入れ隆起部がエンドキャップに形成され、受け入れ隆起部の円錐状に収束する案内面が、流路の係合のために受け入れ開口部の方向に向けられる。従って、テーパー状の案内面は、エンドキャップが流路上に配置されたときに漏斗状のインサート補助具を形成する。
【0014】
横方向力を支持するための装置を備えたエンドキャップと、フィルターエレメント内に端部で係合する流路との間のシールを得るために、所定の当接力で流路を取り囲む環状シールリップが、これに関連するエンドキャップに設けられている。
【0015】
この場合、シールリップは好ましくは横方向力を支持するための装置の別の部分として設けることができ、一方では所定の当接力で流路をシールとして取り囲み、他方では流路に対して静止する。
【0016】
さらにシールを改善するために、シールリップは半径方向張り出し部がフィルターエレメントの内部に向かって突出していて、流路がエンドキャップ内に係合するに連れて縮小するようにされている。特に有利には、シールリップは一つのエンドキャップの一体的な構成要素であり、弾性的に可撓性であることができる。この場合、シールリップはエンドキャップの一体的な構成要素であるか、又はエンドキャップに成形できる、弾性特性を備えたプラスチックからなることができる。
【0017】
シールを改善するために、流路がエンドキャップ内に係合する前の初期状態で、環状シールリップの自由縁部は、流路の外径よりも小さい直径を有するように規定することが有利である。流路を割り当てられたエンドキャップ内に挿入しやすくできるように、有利には案内受け入れ隆起部の円錐度は内方に曲がったシールリップの円錐度に対応している。
【0018】
以下に本発明を図面に示した実施形態に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明によるフィルター装置の実施形態の斜視図を、中央垂直断面に沿って垂直に切断して示す図である。
図2図2は実施形態の下端部領域のみの斜視図を、中央垂直断面に沿って切断し、切り取った、拡大して示す図である。
図3図3は、図2に対応する流路に装着された実施形態の下端部領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
タンク内フィルター装置として構成された実施形態全体が表現されている図1で、蓋部材は2で示されている。蓋部材2は、フィルターエレメント4の外部ジャケットをなす流出管6と共に、フィルター装置のフィルターハウジングを形成する。円形状の蓋部材2は、わずかに凸状に湾曲した上面8と、トラフ形状の内室10を有し、その底部12は、上面8の湾曲に対応する凹状の湾曲を有する。内室10の側方は、雄ねじ16を有する円筒状の側壁14によって区画されている。フィルター装置を図示されていないタンク内に設置するために、蓋部材2を側壁14の雄ねじ16で、タンクの上部タンク壁内の壁開口部にある固定フランジ20とねじ締結可能である。
【0021】
蓋部材2と、別のハウジング部分であるフィルターエレメント4との間に取り外し可能な接続を形成するために、フィルターエレメント4は、上部エンドキャップ18に蓋部材の内室10にある保持手段と形状係合する固定手段を有する。エンドキャップ18の固定手段は、その上側の外周近傍に、120°の角度間隔で互いにずらされた3つの固定バー22を有しており、そのうちの1つだけが図1に見える。各固定バー22に対して、蓋部材2の内室10の底部12に保持部24が成形されており、その中に円弧セクションに沿って延びるブロッキングチャネル26がある。フィルターエレメント4と蓋部材を相対的に回転させて図1に示された固定位置に移動することにより、割り当てられた固定バー24から離れた角の付いたブロッキングストリップ28がブロッキングチャネル26内に進入できる。こうすることにより形状係合ロックのために一種のバヨネットロックが形成される。
【0022】
フィルターエレメント4は、通常のように上部エンドキャップ18と下部エンドキャップ32との間に延びる中空円筒形状のエレメント部材30を有する。エンドキャップ18及び32内には、エレメント部材30と共に、支持管34及び流体通過を可能にする貫通孔36(図2及び3を参照)を備えた流出管6の端部も受け入れられている。支持管34は、互いに間隔を置いた半径方向平面内にある複数の環状セグメント38と、これらを接続している長尺バー40(図3)を有する、格子状の流体透過性支持構造によって形成されている。
【0023】
環状セグメント38の間には、流出管6の内側へのスペーサとして円周方向に配設されたウィング42が平坦なストリップの形で延びているので、エレメント部材30の外側と流出管6との間には中間室44が形成されている。流体がエレメント部材30を内側フィルター中空室46から外側へ貫流する濾過運転時には中間室44がフィルター装置の濾液側をなし、そこから濾液が流出管6の貫通孔36を通ってタンクの内部に流出する。
【0024】
上部エンドキャップ18は、フィルター中空室46から蓋部材2の内室10への通過を可能にする中央開口部48を有するが、これは通常、蓋部材の内室10内にあるバイパス弁の閉鎖体50によって閉じられている。
【0025】
バイパス弁は、蓋部材2の底部12から同軸に突出している案内スリーブ52を有し、その内部に閉鎖体50のシャフトが変位可能に案内されている。バイパス弁は、案内スリーブ52を取り囲んで閉鎖体50を閉鎖位置に付勢する圧縮ばね54を有しており、これは閉鎖体50と底部12との間にクランプされている。
【0026】
図2及び図3は、下部エンドキャップ32の領域における実施形態の詳細を示す。下部エンドキャップ32は、未濾過液が内側フィルター中空室46内に流入するために中央開口部56を有する。未濾過液を供給するために、タンク(図示せず)の底部領域に流路が管ソケット58の形で設けられており、これは動かないように固定されて、自由端部に丸み付けした端縁部60を有する。下部エンドキャップ32は、エレメント部材30と支持管34の対面する端部に対する枠として上側に平坦な当接面62を有し、これは半径方向外側が軸方向上方に突出する周縁部64によって区画されている。周縁部64は内側に支持管34のラッチ突起66が係合可能なラッチ切欠き部65を有していて、支持管34が軸方向でエンドキャップ32に確保されている。当接面62は、周縁部64から半径方向内側に隣接して平面部を有しており、これに隣接して半径方向内側端部に段状に深くなった凹部70が開口部56への移行部をなしている。
【0027】
エンドキャップ52は、中央開口部56の凹部70から軸方向下方にずらした端部に成形された環状シールリップ72を形成し、これは断面が薄い舌片の形を有し、開口部56の壁から斜め下方に開いて、それから斜め上方にフィルターエレメント4に向かって延びている。シールリップ72は、エンドキャップ32を形成するプラスチック部材の弾性特性に応じて弾性的な可撓性を有する。エンドキャップ52は、周縁部64に半径方向外側に隣接する円周領域において深くなった凹状路74を形成し、その中に外側円周縁部76と内側環状体78との間にスロット状の環状室80が形成されていて、これに流出管6が挿入されて受け入れられている。
【0028】
エンドキャップ32は、その下側で凹部70に続いて流路状のセクション82で下方に延長しており、その端部にシールリップ72が成形されている。流路セクション82は、案内スリーブ84と共に管ソケット58に対する案内部を形成する。管ソケット58は、フィルターエレメント4を装着する際にエンドキャップ32の開口部56を通って内側フィルター中空室46内に延びる。スリーブ84はその下端部86の上方に半径方向外側に突出する環状フランジ88を有し、エンドキャップ32の開口部56に受け入れられている。このとき環状フランジ88は、環状フランジ88の上側と包囲する当接面62の平面が合致するように、凹部70内に適合して受け入れられている。スリーブ84の他方の上端部は、内方に曲がる縁部90を有し、これは管ソケット58の上側の端縁部60に対する停止部をなしている。
【0029】
フィルターエレメント4を装着する際の挿入補助を形成するために、エンドキャップ32は、開口部56の下端部に続く案内手段として、成形されて円周方向に配設された翼状の、軸方向下方に突出する案内隆起部92のリングを有する。案内隆起部92は、その半径方向内側の縁部が案内面94を形成し、これは変形していないシールリップ72の円錐度に対応する円錐度で上方及び内方に円錐状に延びている。このようにすることにより案内面94は全体として、フィルターエレメント4を管ソケット58に装着することを容易にする一種のインサート漏斗を画定する。
【0030】
開口部56の流路セクション82及びスリーブ84によって形成された案内部に装着及び挿入する際に、シールリップ72の縁部96の半径方向張り出しは図2に示された位置から減少し、図3に示された装着位置ではシールリップ72は管ソケット58に弾性シール力を加えてシールする。同時に、案内部はスリーブ84の内部でエンドキャップ32に対する横方向力の支持、ひいては静止して固定された管ソケット58におけるフィルターエレメント4の横方向力を支持する。横方向力の支持は下部エンドキャップ32について示されているが、必要があれば上部エンドキャップ18又は両方のエンドキャップ18、32にも提供することができる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】