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特表2022-541334抗がん剤への耐性を消失させるための剤としての選択的BCRP/ABCG2トランスポーター阻害剤
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-22
(54)【発明の名称】抗がん剤への耐性を消失させるための剤としての選択的BCRP/ABCG2トランスポーター阻害剤
(51)【国際特許分類】
   C07D 311/66 20060101AFI20220914BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20220914BHJP
   A61K 31/352 20060101ALI20220914BHJP
   A61K 31/405 20060101ALI20220914BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20220914BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20220914BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20220914BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220914BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220914BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220914BHJP
   A61K 38/05 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
C07D311/66 CSP
C07D405/12
A61K31/352
A61K31/405
A61K45/00
A61P3/06
A61P1/04
A61P29/00
A61P43/00 121
A61P35/00
A61K38/05
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505245
(86)(22)【出願日】2020-06-01
(85)【翻訳文提出日】2022-02-15
(86)【国際出願番号】 IB2020055168
(87)【国際公開番号】W WO2021014229
(87)【国際公開日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】1908485
(32)【優先日】2019-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517017399
【氏名又は名称】ウニヴェルシテ・グルノーブル・アルプ
(71)【出願人】
【識別番号】506316557
【氏名又は名称】サントル ナショナル ドゥ ラ ルシェルシュ シアンティフィック
(71)【出願人】
【識別番号】512089645
【氏名又は名称】ウニヴェルシテ クロード ベルナール リヨン 1
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITE CLAUDE BERNARD LYON 1
【住所又は居所原語表記】43 Boulevard du 11 novembre 1918,F-69622 Villeurbanne Cedex,France
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボーメンディエル、アーセーヌ
(72)【発明者】
【氏名】ファルソン、ピエール
(72)【発明者】
【氏名】モレノ、アレクシス
(72)【発明者】
【氏名】ペレス、バジーレ
(72)【発明者】
【氏名】ルーセル、エミール
【テーマコード(参考)】
4C063
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB09
4C063CC79
4C063DD06
4C063EE01
4C084AA19
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA14
4C084BA23
4C084BA32
4C084CA59
4C084MA02
4C084NA05
4C084ZB112
4C084ZB262
4C084ZC332
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086BA08
4C086BC14
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZC41
4C086ZC75
(57)【要約】
本発明は、式(I)の化合物
【化1】


又はエナンチオマー、この化合物の薬学的に許容される、塩若しくは溶媒和物、又はそれらの混合物に関し、核A、置換基Z、Y及びRは、本明細書で定義されるとおりである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物:
【化1】


又はその薬学的に許容されるエナンチオマー、塩若しくは溶媒和物、又はそれらの混合物、ここで:
・環Aが非置換であるか、又は2、3、4、5位でF;Cl;Br;I;ORの1つ又は2つによって置換されており、R=Me、Et、Pr、i-Pr、n-Bu;O-CH-(O-CHCH)n-O-CH、n=3、4、5、6である、
・Zは
【化2】


又は-CH-である、
・Y=-OH;-OMe;-OEt;-OPr;-NH;-NHMe;-N(Me);-N(Me)OCH;-NH-(CH-(3-インドリル);-NH(CH-3-((5-ヒドロキシ)インドリル);-NH-CH(R)-COR、Rは以下から選択される:
-OH;-OMe;-OEt;-OPr;-NH;-NHMe;-N(Me);-N(Me)OCH;3-(5-メトキシ)インドリル;-NH-(CH-(3-インドリル);-NH(CH-3-((5-ヒドロキシ)インドリル);-NH(CH-3-((5-メトキシ)インドリル)
式(I)中の
【化3】


及びYの置換基-NH-CH(R)-CORのRは、独立して、以下から選択される:H又は
【化4】


【化5】


【化6】


【化7】


ただし、環Aの4位にBrが同時に存在し、R=CH(CH又はCHCH(CH又はCH(CH)CHCH、Z=
【化8】


であり、Y=-OH又は-OMeである化合物は除く。
【請求項2】
環Aが2、3、4、5位で1つ又は2つのBrで置換され、Y=-OH;-OMe;-NH-(CH-(3-インドリル);-NH(CH-3-((5-ヒドロキシ)インドリル);-NH-CH(R)-COR、ここでR、R及びRは請求項1に定義した通りであることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Yが-NH-(CH-(3-インドリル)又は-NH(CH-3-((5-ヒドロキシ)インドリル)であり、ただし、
【化9】


は、
【化10】


又は
【化11】


であることを特徴とする、請求項1及び2の1つに記載の化合物。
【請求項4】
以下から選択される請求項1~3のいずれかに記載の化合物:
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシナート;
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-ロイシナート;
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-バリナート;
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-フェニルアラニナート;
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-フェニルアラニナート;
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-トリプトファナート;
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-トリプトファナート;
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-D-トリプトファナート;
(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシン;
(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-フェニルアラニン;
(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-フェニルアラニン;
(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-D-トリプトファン;
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシル-L-バリナート;
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシル-L-ロイシナート;
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシル-L-バリナート;
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシル-L-ロイシナート;
(S)-5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-N-(1-((2-(5-ヒドロキシ-1H-インドール-3-イル)エチル)アミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボキサミド;
(S)-N-(1-((2-(1H-インドール-3-イル)エチル)アミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)-5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボキサミド;及び
(R)-N-(1-((2-(1H-インドール-3-イル)エチル)アミノ)-3-(1H-インドール-3-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)-5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボキサミド。
【請求項5】
以下のステップを含むことを特徴とする、請求項1~4の1つに記載の化合物を得るための方法:
(a)式
【化12】


のアルキル化化合物、
ここで、環Aは請求項1に定義された通りであり、XはF、Cl、Br及びIから選択されるハロゲンである、
を、式
【化13】


の2,6-ジヒドロキシアセトフェノンで、アセトンの還流温度でアセトン中で反応させ、式
【化14】


の中間体を得る;
(b)ステップ(a)で得られた中間体を、式
【化15】


のシュウ酸ジエチルと、0℃~50℃の温度で、テトラヒドロフラン(THF)/エタノール(1:1)の混合物中で反応させ、式
【化16】


の中間体を得る;
(c)ステップ(b)で得られた中間体を、50℃の温度で、酸性又は塩基性媒体中、THF/エタノール/水溶媒(3:1:1.5)中で、エステル官能基の加水分解反応により反応させ、式
【化17】


の中間体を得る;
(d)ステップ(c)で得られた中間体を、式
【化18】


、ここで、R、Z及びYは請求項1に定義した通りである、
のカップリング化合物と無水DMF中で室温で反応させて、アミド結合を形成して式(I)の化合物を得る。
【請求項6】
乳がんの多剤耐性タンパク質(乳がん耐性タンパク質BCRP/ABCG2)の阻害に使用するための、式(I)の化合物:
【化19】


又はその薬学的に許容されるエナンチオマー、塩若しくは溶媒和物、又はそれらの混合物、ここで:
・環Aが非置換であるか、又は2、3、4、5位でF;Cl;Br;I;ORの1つ又は2つによって置換されており、R=Me、Et、Pr、i-Pr、n-Bu;O-CH-(O-CHCH)n-O-CH、n=3、4、5、6である、
・Zは
【化20】


又は-CH-である、
・Y=-OH;-OMe;-OEt;-OPr;-NH;-NHMe;-N(Me);-N(Me)OCH;-NH-(CH-(3-インドリル);-NH(CH-3-((5-ヒドロキシ)インドリル);-NH-CH(R)-COR、Rは以下から選択される:
-OH;-OMe;-OEt;-OPr;-NH;-NHMe;-N(Me);-N(Me)OCH;3-(5-メトキシ)インドリル;-NH-(CH-(3-インドリル);-NH(CH-3-((5-ヒドロキシ)インドリル);NH(CH-3-((5-メトキシ)インドリル)、
・式(I)中の
【化21】


及びYの置換基-NH-CH(R)-CORのRは、独立して、以下から選択される:H又は
【化22】


【化23】


【化24】


【化25】

【請求項7】
環Aが2、3、4、5位で1つ又は2つのBrで置換され、Y=-OH;-OMe;-NH-(CH-(3-インドリル);-NH(CH-3-((5-ヒドロキシ)インドリル);-NH-CH(R)-COR、R、R、Rは請求項6で定義した通りであることを特徴とする、請求項6記載の使用のための化合物。
【請求項8】
Yが-NH-(CH-(3-インドリル)又は-NH(CH-3-((5-ヒドロキシ)インドリル)であり、ただし、
【化26】


は、
【化27】


又は
【化28】


であることを特徴とする、請求項6及び7のいずれかに記載の使用のための化合物。
【請求項9】
以下から選択される、請求項6から8のいずれかに記載の使用のための化合物:
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシナート;
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシナート;
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-ロイシナート;
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-バリナート;
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-フェニルアラニナート;
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-フェニルアラニナート;
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-トリプトファナート;
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-トリプトファナート;
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-D-トリプトファナート;
(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシン;
(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-フェニルアラニン;
(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-フェニルアラニン;
(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-D-トリプトファン;
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシル-L-バリナート;
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシル-L-ロイシナート;
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシル-L-バリナート;
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシル-L-ロイシナート;
(S)-5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-N-(1-((2-(5-ヒドロキシ-1H-インドール-3-イル)エチル)アミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボキサミド;
(S)-N-(1-((2-(1H-インドール-3-イル)エチル)アミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)-5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボキサミド、及び
(R)-N-(1-((2-(1H-インドール-3-イル)エチル)アミノ)-3-(1H-インドール-3-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)-5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボキサミド。
【請求項10】
少なくとも1つの薬学的に許容される活性剤;及び
請求項1~4の1つに記載の少なくとも1つの化合物
を含む医薬組成物。
【請求項11】
薬学的に許容される活性剤が、抗がん剤、腸管抗炎症剤、コレステロール低下剤、抗脂質異常症剤及びキナーゼ阻害剤から選択されることを特徴とする、請求項10に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規化合物、その製造方法、及びBCRP/ABCG2阻害剤としてのその使用に関するものである。
【背景技術】
【0002】
これらの新しい有機化合物は、すべて天然化合物であるクロモンに由来する同じ化学ファミリーに属している。
【0003】
その主な目的は、抗がん剤に対する腫瘍の多剤耐性現象に関与するBCRPタンパク質(乳がん耐性タンパク質)(ABCG2としても知られる)を選択的に阻害することである。BCRPは排出ポンプとして働き、腫瘍細胞膜で過剰発現している。これらの化合物は、BCRP/ABCG2に対して選択的かつ非細胞毒性阻害剤として作用する。
【0004】
最後に、これらの化合物は、参照化合物であるKo143よりも阻害活性と選択性が高く、細胞毒性が低い一方で、有機合成が非常に単純であることがわかった。臨床では、これらの化合物を抗がん剤と併用することで、抗がん剤の効果を増強し、腫瘍の根絶を目的とした治療に対する腫瘍の抵抗性に対抗するためのアジュバントとして使用することができる。
【0005】
WHOによると、がんは世界第2位の死因で、年間約960万人が亡くなっている。この病気の治療費は、2010年には年間11,600億円と推定されている。現在、がんの治療には、ステージや種類に応じて、1)手術、2)放射線治療、3)化学療法という3つの主要な戦略がある。これらの戦略は、治療の全体的な効果を補完するために、互いに追加して使用することができることに留意する必要がある。
【0006】
しかし、化学療法では、同じ抗がん剤を繰り返し使用することで、腫瘍細胞は抗がん剤に対して防御・防衛の反応を起こす。残念ながら、これは様々な抗がん剤に対する腫瘍の感受性を低下させ、化学療法を効かなくし、患者への害を増大させることになる。腫瘍細胞による防御策の一つとして、ATP結合カセット(ABC)トランスポーターと呼ばれる膜貫通型タンパク質が細胞膜に過剰発現していることが挙げられる。(Borst,P.;Elferink,R.O.Mammalian ABC Transporters in Health and Disease.(健康時及び疾病時における哺乳類ABCトランスポーター)Annu.Rev.Biochem.2002,71(1),537-592.Linton,K.J. Struture and Function of ABC Transporters.(ABCトランスポーターの構造と機能).Physiology 2007,22(2),122-130.Sharom,F.J.ABC Multidrug Transporters:Structure,Function and Role in Chemoresistance.(ABC多剤トランスポーター:化学療法抵抗性における構造、機能及び役割)Pharmacogenomics 2-008,9(1),105-127).
【0007】
このスーパーファミリーの48の膜貫通型タンパク質のうち3つが化学療法の失敗において主要な役割を果たすことが明確にされている:P-gp/ABCB1、MRP1/ABCC1、BCRP/ABCG2(Leslie,E.M.;Deeley,R.G.;Cole,S.P.C.Multidrug Resistance Proteins: Role of P-Glycoprotein,MRP1,MRP2,and BCRP(ABCG2)in Tissue Defense.(多剤耐性タンパク質:組織防御におけるP-糖タンパク質、MRP1、MRP2、及びBCRP(ABCG2)の役割)Toxicol.Appl.Pharmacol.2005,204(3),216-237.Eckford,P.D.W.;Sharom,F.J.ABC Efflux Pump-Based Resistance to Chemotherapy Drugs.(化学療法薬に対するABC排出ポンプベースの耐性)Chem.Rev.2009,109(7),2989-3011.).
【0008】
これらの膜は、様々な種類の化学物質の輸送を可能にし、私たちの体内のほとんどの細胞膜や生理的バリアに自然に存在している。したがって、健康な人におけるその生理的役割は、外来物質及び/又は異種物質から小器官や組織を防御し保護することである。しかし、これらのABCトランスポーターが有効成分の吸収、分布、代謝、排泄を劇的に変化させることが明らかにされている。(Sharom,F.J.ABC Multidrug Transporters: Structure,Function and Role in Chemoresistance.(ABC多剤トランスポーター:化学療法抵抗性における構造、機能及び役割)Pharmacogenomics 2008,9(1),105-127).
【0009】
これらの機能により、これら3つのトランスポーターは、化学療法抵抗性の問題を抑制するための有効な治療解決策として、研究における有効、新規かつ主要な治療標的となっている。(Bugde,P.;Biswas,R.;Merien,F.;Lu,J.;Liu,D.-X.;Chen,M.;Zhou,S.;Li,Y.The Therapeutic Potential of Targeting ABC Transporters to Combat Multi-Drug Resistance.(多剤耐性を克服するためのABCトランスポーターを標的とする治療の可能性)Expert Opin.Ther.Targets2017,21(5),511-530.)
【0010】
Ko143は、3つの非対称中心を含有する多環式有機分子で、現在、BCRPの参照阻害剤として研究に使用されている。しかし、その最適化された5段階合成は、全体の収率が5%と面倒であり、3つの非対称中心の制御が依然として制限的なパラメーターである(Li,Y.;Hayman,E.;Plesescu,M.;Prakash,S.R.Synthesis of Potent BCRP Inhibitor- Ko143.(強力なBCRP阻害剤-Ko143の合成)Tetrahedron Lett.2008,49(9),1480-1483.)
【0011】
この化合物は、良好な活性(50%阻害濃度、IC50=0.09μM±0.01)にもかかわらず、比較的低い溶解度を有しており、これがバイオアベイラビリティに影響を及ぼしている。Ko143は、3級ブチルエステルの加水分解により速やかに代謝され(60分)、不活性代謝物を生成することが臨床試験で明らかにされている。(Liu,K;Zhu,J;Huang,Y;Li,C.;Lu,J;Sachar,M;Li,S.;Ma,X.Metabolism of KO143, an ABCG2 inhibitor.(ABCG2阻害剤KO143の代謝)Drug Metab.Pharmacokinet.2017,32(4),193-200.)その結果、臨床試験は中止となった。当初BCRPに選択的であると発表されたこの化合物は、最終的にABCG2に非選択的であることが判明した(Weidner,L.D.;Zoghbi,S.S.;Lu,S.;Shukla,S;Ambudkar,S.V.;Pike,V.W.;Mulder,J.;Gottesman,M.M.;Innis,R.B.;Hall,M.D.The Inhibitor Ko143 Is Not Specific for ABCG2.(阻害剤Ko143はABCG2に対して特異的ではない)J.Pharmacol.Exp.Ther.2015,354(3),384-393.Allen,J.D.;van Loevezijn,A.;Lakhai,J.M.;van der Valk,M.;van Tellingen,O.;Reid,G.;Schellens,J.H.M.;Koomen,G.-J.;Schinkel,A.H.Potent and Specific Inhibition of the Breast Cancer Resistance Protein Multidrug Transporter in Vitro and in Mouse Intestine by a Novel Analogue of Fumitremorgin C.(Fumitremorgin Cの新規アナログによるin vitro及びマウス腸管での乳がん耐性タンパク質多剤トランスポーターに対する強力かつ特異的な阻害作用。)Mol.Cancer Ther.2002,1(6),417.)
【0012】
本出願人は過去に、MBL-II-141と呼ばれる、選択的で毒性がなく、前臨床モデルで良好な活性を有する阻害剤を開発した。(Honorat,M;Guitton,J;Gauthier,C;Bouard,C;Lecerf-Schmidt,F;Peres,B;Terreux,R;Gervot,H;Rioufol,C;Boumendjel,A;et al.MBL-II-141,a Chromone Derivative,Enhances Irinotecan(CPT-11)Anticancer Efficiency in ABCG2-Positive Xenografts.(クロモン誘導体であるMBL-II-141がABCG2陽性異所性幹細胞のイリノテカン(CPT-11)抗がん効率を向上させる。)Oncotarget 2014,5(23),11957-11970.Henin,E;Honorat,M;Guitton,J;Di Pietro,A;Payen,L;Tod,M.Pharmacokinetic Interactions in Mice between Irinotecan and MBL-II-141,an ABCG2 Inhibitor:Irinotecan MBLI-II-141 Interaction.(イリノテカンとABCG2阻害剤MBL-II-141のマウスにおける薬物動態的相互作用:イリノテカンMBLI-II-141相互作用。)Biopharm.Drug Dispos.2017.Valdameri,G.;Genoux-Bastide,E.;Peres,B.;Gauthier,C.;Guitton,J.;Terreux,R.;Winnischofer,S.M.B.;Rocha,M.E.M.;Boumendjel,A.;Di Pietro,A. Substituted Chromones as Highly Potent Nontoxic Inhibitors, Specific for the Breast Cancer Resistance Protein.(乳がん抵抗性タンパク質に特異的な高活性・無毒の阻害剤としての置換クロモン類。)J.Med.Chem.2012,55(2),966-970.Lecerf-Schmidt,F.;Peres,B.;Valdameri,G.;Gauthier,C.;Winter,E.;Payen,L.;Di Pietro,A.;Boumendjel,A.ABCG2: Recent Discovery of Potent and Highly Selective Inhibitors(ABCG2:強力かつ高選択性の阻害剤に関する最近の発見。)Future Med.Chem.2013,5(9),1037-1045.Winter,E.;Lecerf-Schmidt,F.;Gozzi,G.;Peres,B.;Lightbody,M.;Gauthier,C.;Ozvegy- Laczka,C.;Szakacs,G.;Sarkadi,B.;Creczynski-Pasa,T.B.;et al.Structure-Activity Relationships of Chromone Derivatives toward the Mechanism of Interaction with and Inhibition of Breast Cancer Resistance Protein ABCG2.(クロモン誘導体の乳がん耐性蛋白質ABCG2との相互作用と阻害のメカニズムに関する構造活性相関。)J.Med.Chem.2013,56(24),9849-9860.Pires,A.do R.A.;Lecerf-Schmidt,F.;Guragossian,N.;Pazinato,J.;Gozzi,G.J.;Winter,E.;Valdameri,G.;Veale,A.;Boumendjel,A;Di Pietro,A.;et al.New,Highly Potent and Non-Toxic, Chromone Inhibitors of the Human Breast Cancer Resistance Protein ABCG2.(ヒト乳がん耐性タンパク質ABCG2に対する新規高力価かつ非毒性クロモンインヒビター)Eur.J.Med.Chem.2016,122,291-301.)。今回、この最近の刊行物において合成中間体として使用された化合物が、乳がんの多剤耐性タンパク質(乳がん耐性タンパク質BCRP/ABCG2)の阻害剤であることが判明した。
【0013】
市場に出回っている抗がん剤の更新が速やかに行われないため、化学療法抵抗性の問題が増加している。新しい抗がん剤の不足に対抗するためには、耐性問題の根源に位置づけることが、現実的で経済的な解決策となる。実際、腫瘍細胞の自己防衛能力を抑制することで、現在の抗がん剤の効果を維持し、その有効量を制限することができる。その結果、副作用を抑え、患者や社会にとって化学療法にかかる総費用を抑えることができる。さらに、MBL-II-141やKo143よりもさらに有効な新規化合物が見つかれば興味深いであろう。
【発明の概要】
【0014】
本発明は、式(I)の化合物:
【化1】


又はその薬学的に許容されるエナンチオマー、塩若しくは溶媒和物、又はそれらの混合物に関する。ここで:
・環Aが非置換であるか、又は2、3、4、5位でF;Cl;Br;I;ORの1つ又は2つによって置換されており、R=Me、Et、Pr、i-Pr、n-Bu;O-CH-(O-CHCH-O-CH、n=3、4、5、6である、
・Zは
【化2】


又は-CH-である、
・Y=-OH;-OMe;-OEt;-OPr;-NH;-NHMe;-N(Me);-N(Me)OCH;-NH-(CH-(3-インドリル);-NH(CH-3-((5-ヒドロキシ)インドリル);-NH-CH(R)-COR、Rは以下から選択される:
-OH;-OMe;-OEt;-OPr;-NH;-NHMe;-N(Me);-N(Me)OCH;3-(5-メトキシ)インドリル;-NH-(CH-(3-インドリル);-NH(CH-3-((5-ヒドロキシ)インドリル);-NH(CH-3-((5-メトキシ)インドリル)
式(I)中の
【化3】


及びYの置換基-NH-CH(R)-CORのRは、独立して、以下から選択される:H又は
【化4】


【化5】


【化6】


【化7】


ただし、環Aの4位にBrが同時に存在し、R=CH(CH又はCHCH(CH又はCH(CH)CHCH、Z=
【化8】


であり、Y=-OH又は-OMeである化合物は除く。
【発明を実施するための形態】
【0015】
特に、環Aは2、3、4、5の位置で、1つ又は2つのBrで置換されていてもよく、Y=-OH;-OMe;-NH-(CH-(3-インドリル);-NH(CH-3-((5-ヒドロキシ)インドリル);-NH-CH(R)-COR、R、R及びRは上で定義した通りである。
【0016】
特定の実施形態において、Yは、-NH-(CH-(3-インドリル)又は-NH(CH-3-((5-ヒドロキシ)インドリル)であり、ただし、
【化9】



【化10】


又は
【化11】


である。
【0017】
特に、本発明による化合物は、以下から選択することができる。
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシナート;
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-ロイシナート;
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-バリナート;
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-フェニルアラニナート;
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-フェニルアラニナート;
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-トリプトファナート;
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-トリプトファナート;
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-D-トリプトファナート;
(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシン;
(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-フェニルアラニン;
(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-フェニルアラニン;
(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-D-トリプトファン;
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシル-L-バリナート;
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシル-L-ロイシナート;
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシル-L-バリナート;
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシル-L-ロイシナート;
(S)-5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-N-(1-((2-(5-ヒドロキシ-1H-インドール-3-イル)エチル)アミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボキサミド;
(S)-N-(1-((2-(1H-インドール-3-イル)エチル)アミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)-5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボキサミド;及び
(R)-N-(1-((2-(1H-インドール-3-イル)エチル)アミノ)-3-(1H-インドール-3-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)-5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボキサミド。
【0018】
本発明はまた、以下のステップを含むことを特徴とする、本発明による化合物を得るための方法に関する:
(a)式
【化12】


のアルキル化化合物、
ここで、環Aは請求項1に定義された通りであり、XはF、Cl、Br及びIから選択されるハロゲンである、
を、式
【化13】


の2,6-ジヒドロキシアセトフェノンで、アセトンの還流温度で、アセトン中で反応させ、式
【化14】


の中間体を得る;
(b)ステップ(a)で得られた中間体を、式
【化15】


のシュウ酸ジエチルと、0℃~50℃の温度で、テトラヒドロフラン(THF)/エタノール(1:1)の混合物中で反応させ、式
【化16】


の中間体を得る;
(c)ステップ(b)で得られた中間体を、50℃の温度で、酸性又は塩基性媒体中、THF/エタノール/水溶媒(3:1:1.5)中で、エステル官能基の加水分解反応により反応させ、式
【化17】


の中間体を得る;
(d)ステップ(c)で得られた中間体を、式
【化18】


ここで、R、Z及びYは請求項1に定義した通りである、
のカップリング化合物と、室温で無水DMF中で反応させ、アミド結合を形成して式(I)の化合物を得る。
【0019】
また、本発明は、乳がんの多剤耐性タンパク質(乳がん耐性タンパク質BCRP/ABCG2)の阻害に使用するための、式(I)の化合物:
【化19】


又はその薬学的に許容されるエナンチオマー、塩若しくは溶媒和物、又はそれらの混合物に関する。
式中、
・環Aが非置換であるか、又は2、3、4、5位でF;Cl;Br;I;ORの1つ又は2つによって置換されており、R=Me、Et、Pr、i-Pr、n-Bu;O-CH-(O-CHCH-O-CH、n=3、4、5、6である、
・Zは
【化20】


又は-CH-である、
・Y=-OH;-OMe;-OEt;-OPr;-NH;-NHMe;-N(Me);-N(Me)OCH;-NH-(CH-(3-インドリル);-NH(CH-3-((5-ヒドロキシ)インドリル);-NH-CH(R)-COR、Rは以下から選択される:
-OH;-OMe;-OEt;-OPr;-NH;-NHMe;-N(Me);-N(Me)OCH;3-(5-メトキシ)インドリル;-NH-(CH-(3-インドリル);-NH(CH-3-((5-ヒドロキシ)インドリル);-NH(CH-3-((5-メトキシ)インドリル)、
・式(I)中の
【化21】


及びYの置換基-NH-CH(R)-CORのRは、独立して、以下から選択される:H又は
【化22】


【化23】


【化24】


【化25】

【0020】
乳がんの多剤耐性タンパク質(乳がん耐性タンパク質BCRP/ABCG2)の阻害は、乳がん治療における役割に加え、腫瘍細胞の再感作や、治療効果を発揮するために血液脳関門や消化管関門などの生理学的膜やバリアを通過する必要がある薬剤の薬物動態や効果の改善を可能にする可能性がある。
【0021】
特に、環Aは2、3、4、5位で1つ又は2つのBrで置換されていてもよく、Y=-OH;-OMe;-NH-(CH-(3-インドリル);-NH(CH-3-((5-ヒドロキシ)インドリル);-NH-CH(R)-COR、R、R、Rは上で定義した通りである。
【0022】
特定の実施形態において、Yは、-NH-(CH-(3-インドリル)又は-NH(CH-3-((5-ヒドロキシ)インドリル)であり、ただし
【化26】


は、
【化27】


又は
【化28】


である。
【0023】
本発明による乳がんの多剤耐性タンパク質(乳がん耐性タンパク質BCRP/ABCG2)の阻害に使用するための化合物は、以下から選択することができる:
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシナート;
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシナート;
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-ロイシナート
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-バリナート;
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-フェニルアラニナート;
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-フェニルアラニナート;
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-トリプトファナート;
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-トリプトファナート;
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-D-トリプトファナート;
(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシン;
(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-フェニルアラニン;
(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-フェニルアラニン;
(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-D-トリプトファン;
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシル-L-バリナート;
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシル-L-ロイシナート;
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシル-L-バリナート。
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシル-L-ロイシナート;
(S)-5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-N-(1-((2-(5-ヒドロキシ-1H-インドール-3-イル)エチル)アミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボキサミド;
(S)-N-(1-((2-(1H-インドール-3-イル)エチル)アミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)-5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボキサミド、及び
(R)-N-(1-((2-(1H-インドール-3-イル)エチル)アミノ)-3-(1H-インドール-3-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)-5-(((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボキサミド。
【0024】
また、本発明は、
少なくとも1つの薬学的に許容される活性剤;及び
上記で定義された少なくとも1つの化合物
を含む医薬組成物に関する。
【0025】
特に、薬学的に許容される活性剤は、抗がん剤、腸管抗炎症剤、コレステロール低下剤、抗脂質血症剤及びキナーゼ阻害剤から選択され得る。
【0026】
例えば、腸管抗炎症剤としては、スルファサラジンを、コレステロール低下剤としては、アトルバスタチンを、抗脂質異常症剤としては、ロスバスタチンを、抗がん剤又はキナーゼ阻害剤としては、イマチニブメシル酸塩を使用することができる。
【0027】
天然アミノ酸又は天然アミノ酸のエナンチオマーがクロモンユニットに結合していることで区別できるこれらの化合物は、市販の2,6-ジヒドロキシアセトフェノン1(スキーム1)から4ステップで合成することができ、全体の収率は13~41%であった。中間体2は、アルキル化、コスタネキ反応、ケン化という標準的な3つのステップでアクセスでき、全体の収率は45%である。最後のステップは、カップリング反応、例えば、天然アミノ酸又は天然アミノ酸のエナンチオマーをクロモンユニットに結合させるペプチドカップリングによって行われ、反応を促進し、反応物の当量数を制限するカップリング剤によって支援される。
【0028】
試薬は安価であり、一般的に実験室で使用されている。さらに、この反応はエネルギーをあまり消費せず、沈殿や再結晶によって生成物を精製するため、有機溶媒の使用量や、それ故に廃棄物量が制限される。最終的に、化合物は純粋な形で単離され、様々な分析技術(NMR、質量分析、X線回折)により、その構造が確立され、検証された。なお、X線回折により、市販のアミノ酸の非対称中心のラセミ化がないことが確認された。
【0029】
スキーム1:本発明のBCRP阻害剤の合成経路。
【化29】

【0030】
以下の例は、本発明をその範囲を限定することなく説明するものである。
【0031】
これらの例では:
NMRスペクトルは、Bruker Avance-400 400 MHz装置(400MHz)又はBruker Avance-500 500 MHz装置(500MHz)で記録した。
【0032】
化学シフト(δ)は内部標準として用いたMeSiに対するppmで報告した。
【0033】
エレクトロスプレーイオン化(ESI)質量スペクトルは、グルノーブル大学分析学部がWaters Xevo G2-S Q TOF装置でナノスプレー入力により取得したものである。正確な質量はm/zで示された。
【0034】
HPLC分析は、ダイオードアレイ検出器とC18逆相カラム(Nucleosil C18、Macherey-Nagel、粒子径5mm、125mm×3mm)を用いたAgilent 1100シリーズシステムで、45℃で、A:水と0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)及びB:メタノール(MeOH)と0.1%TFAからなる移動相で、A:B勾配を85:15から0:100まで14分かけて、1mL/分、10μL注入、254nmで検出して実施した。
【0035】
摂氏(℃)で表す融点(m.p.)はBuchi B540融点で得た。
【0036】
薄層クロマトグラフィー(TLC)は、Merck F-254シリカゲルプレート(0.25mm厚)を用いて行った。
【0037】
特に断りのない限り,試薬は市販品(Alpha Aesar、Sigma-Aldrich及びTCI)から入手し,さらに精製することなく使用した。
【実施例
【0038】
例1~20
シリーズ1
【化30】

【0039】
注)以下のプロトコルにおいて、「分子番号+a」は臭素が芳香環の2位にある場合、「分子番号+b」は臭素が芳香環の4位にある場合を指す。
【0040】
一般的な手順A:
2,6-ジヒドロキシアセトフェノン1(1当量)のアセトン(6mL/mmol)中の溶液に、KCO(3当量)及びあらかじめ一緒に均質化したテトラ-n-ブチルアンモニウムブロミド(0.4当量)を同時に添加した。
【0041】
この溶液を30~60分間還流させた後、アセトン(15mL/mmol)中の対応するブロモベンジルブロミド(1当量)を滴下して加えた。
【0042】
その後、溶液を4~5時間還流し、TLC(酢酸エチル/シクロヘキサン3:7)でモニターした。この溶液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を集め、水とブラインで洗浄した後、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で蒸発させた。
【0043】
一般的手順B:
無水THF(10mL/mmol)中の2(1当量)の溶液に、0℃、不活性雰囲気下、無水エタノール(15mL/mmol)中のナトリウム(6当量)からin situ生成したナトリウムエタノラートの溶液を添加した。
【0044】
この溶液を室温で30分間撹拌し、シュウ酸ジエチル(4当量)を溶液に滴下して添加した。その後、溶液を沈殿するまで50℃に加熱し、2時間還流させた。反応はTLC(シクロヘキサン/酢酸エチル 1:1)でモニターした。
【0045】
その後、濃塩酸(37%)を数滴溶液に、形成された沈殿物が白色になるまで加えた。
【0046】
この溶液を1時間還流させた後、室温に冷却した。真空下で濃縮した後、溶液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を集め、水とブラインで洗浄した後、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で蒸発させた。
【0047】
一般的操作手順C:
THF(25mL/mmol)及びエタノール(8mL/mmol)中の3(1当量)の溶液に、水(12mL/mmol)中のKCO(1.3当量)の溶液を追加した。
【0048】
この溶液を50℃に4時間加熱し、TLC(酢酸エチル/シクロヘキサン 1:1)でモニターした。この溶液を真空下で濃縮し、次いで塩基性水(KCO20%)に注ぎ、酢酸エチルで洗浄した。塩基性水相を濃塩酸(37%)で酸性化し、酢酸エチルで抽出した。
【0049】
その後、有機相を集め、水とブラインで洗浄した後、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。
【0050】
一般的操作手順D:
カルボン酸誘導体4(1等量)の無水ジメチルホルムアミド(DMF)(20mL/mmol)溶液に、2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルアミニウムテトラフルオロボラート(TBTU)(2等量)を添加した。この溶液を室温で30分間攪拌した。
【0051】
次に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(4当量)の存在下、アミノ酸誘導体(2当量)のDMF(10mL/mmol)溶液を先のものに注意深く添加した。反応を室温で12時間又は24時間撹拌し、TLC(酢酸エチル/シクロヘキサン 1:1)でモニターした。この溶液を真空下で濃縮し、次いで酸性化した水(1M HCl)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。
【0052】
有機相を集め、NaHCO溶液(20%)、水、ブラインで洗浄した後、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、ろ過し、真空下で濃縮した。
【0053】
一般的操作モードE:
THF(25mL/mmol)及びメタノール(10mL/mmol)中のエステル誘導体5(1当量)の溶液に、HO(10mL/mmol)中のLiOH(1.5当量)の溶液を添加した。反応を室温で2時間撹拌し、TLC(酢酸エチル/シクロヘキサン 1:1)でモニターした。
【0054】
この溶液を塩基性水(20%NaHCO)に注ぎ、酢酸エチルで洗浄した。水相を濃塩酸(37%)で酸性化し、酢酸エチルで抽出した。
【0055】
次に、有機相を集め、ブラインで洗浄した後、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮した。
【0056】
例1
1-(2-((2-ブロモベンジル)オキシ)-6-ヒドロキシフェニル)エタン-1)オン(2a)の調製
【化31】

【0057】
1(1.500g,9.86mmol)から出発して一般的手順Aに従って粗製物を調製し、メタノール又は酢酸エチルでの再結晶により精製して2a(2.583g,82%)C1513BrOを得た。
【0058】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11,69 (s, 1H), 7,71 (dd, J = 8,0, 1,1 Hz, 1H), 7,61 (dd, J = 7,6, 1,6 Hz, 1H), 7,46 (td, J = 7,5, 1,2 Hz, 1H), 7,39 - 7,29 (m, 2H), 6,67 (dd, J = 8,4, 0,5 Hz, 1H), 6,56 (dd, J = 8,3, 0,7 Hz, 1H), 5,19 (s, 2H), 2,47 (s, 3H).
【0059】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 203,38, 159,60, 157,95, 135,31, 133,90, 132,72, 130,64, 130,41, 128,00, 123,04, 114,62, 109,83, 103,19, 70,02, 32,86.
【0060】
m. p.: 75,5 - 77,4 ℃.
【0061】
MS (ESI) m/z 321 (79Br), 323 (81Br) [M+H]+, 319 (79Br), 321 (81Br) [M-H]+.
【0062】
例2
1-(2-((4-ブロモベンジル)オキシ)-6-ヒドロキシフェニル)エタン-1-オン(2b)の調製
【化32】

【0063】
1(1.500g,9.86mmol)から出発して一般的手順Aに従って粗製物を調製し、酢酸エチルでの再結晶により精製して2b(2.321,73%)C1513BrOを得た。
【0064】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11,64 (s, 1H), 7,62 - 7,58 (m, 2H), 7,45 - 7,41 (m, 2H), 7,30 (t, J = 8,3 Hz, 1H), 6,62 (dd, J = 8,4, 0,5 Hz, 1H), 6,52 (dd, J = 8,3, 0,7 Hz, 1H), 5,14 (s, 2H), 2,48 (s, 3H).
【0065】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 203,43, 159,52, 157,94, 135,96, 133,77, 131,41, 129,98, 121,15, 114,75, 109,63, 103,41, 69,30, 33,04.
【0066】
m. p.: 114,8 - 116,8 ℃.
【0067】
MS (ESI) m/z 320 (79Br), 322 (81Br) [M]+.
【0068】
例3
エチル5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボキシレート(3a)の調製
【化33】

【0069】
2a(2.583g,8.04mmol)から出発して一般的手順Bに従って粗製物を調製し、メタノール又は酢酸エチルでの再結晶により精製して3a(2.478,76%)C1915BrOを得た。
【0070】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8,11 (dd, J = 7,7, 1,4 Hz, 1H), 7,79 (t, J = 8,4 Hz, 1H), 7,68 (dd, J = 8,0, 1,0 Hz, 1H), 7,51 (td, J = 7,6, 1,1 Hz, 1H), 7,33 (td, J = 7,8, 1,7 Hz, 1H), 7,30 - 7,25 (m, 1H), 7,18 - 7,13 (m, 1H), 6,79 (s, 1H), 5,23 (s, 2H), 4,40 (q, J = 7,1 Hz, 2H), 1,36 (t, J = 7,1 Hz, 3H).
【0071】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,40, 172,49, 160,01, 158,25, 157,43, 150,24, 135,70, 135,44, 132,17, 129,57, 129,12, 127,85, 121,05, 115,43, 114,62, 110,78, 108,85, 69,72, 62,61, 13,87.
【0072】
m. p.: 155,3 - 157,1 ℃.
【0073】
MS (ESI) m/z 403 (79Br), 405 (81Br) [M-H]+.
【0074】
例4
エチル5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボキシラート(3b)の調製
【化34】

【0075】
2b(1.718g,5.35mmol)から出発して一般的手順Bに従って粗製物を調製し、メタノール又は酢酸エチルでの再結晶により精製して3b(1.516,70%)C1915BrOを得た。
【0076】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7,74 (t, J = 8,4 Hz, 1H), 7,64 - 7,56 (m, 4H), 7,25 - 7,21 (m, 1H), 7,13 - 7,08 (m, 1H), 6,77 (s, 1H), 5,24 (s, 2H), 4,38 (q, J = 7,1 Hz, 2H), 1,34 (t, J = 7,1 Hz, 3H).
【0077】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,39, 160,01, 157,70, 157,23, 150,19, 136,23, 135,29, 131,21, 128,90, 120,61, 115,43, 114,68, 110,54, 109,02, 69,22, 62,59, 13,87.
【0078】
m. p.: 148,0 - 149,4 ℃.
【0079】
MS (ESI) m/z 402 (79Br), 404 (81Br) [M]+.
【0080】
例5
5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボン酸(4a)の調製
【化35】

【0081】
3a(1.000g,2.48mmol)から出発して一般的手順Cに従って粗製物を調製し、メタノールでトリチュレーションして精製し、ジエチルエーテルで洗浄して4a(0.777,84%)を得た。また、メタノールで再結晶することにより、目的の生成物を結晶として得ることができる。C1711BrO5。
【0082】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8,14 (dd, J = 7,7, 1,1 Hz, 1H), 7,77 (t, J = 8,4 Hz, 1H), 7,68 (dd, J = 8,0, 0,9 Hz, 1H), 7,51 (td, J = 7,6, 0,9 Hz, 1H), 7,32 (td, J = 7,8, 1,5 Hz, 1H), 7,26 (d, J = 8,1 Hz, 1H), 7,13 (d, J = 8,3 Hz, 1H), 6,74 (s, 1H), 5,23 (s, 2H).
【0083】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,70, 161,44, 157,42, 157,36, 151,31, 135,75, 135,24, 132,13, 129,52, 129,13, 127,82, 121,01, 115,17, 114,63, 110,80, 108,71, 69,71.
【0084】
m. p.: 244,3 ℃.
【0085】
MS (ESI) m/z 373 (79Br), 375 (81Br) [M-H]-.
【0086】
例6
5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボン酸(4b)の調製
【化36】

【0087】
3b(1.586g,3.93mmol)から出発して一般的手順Cに従って粗製物を調製し、メタノールでトリチュレーションして精製し、ジエチルエーテルで洗浄して4b(1.259,85%)を得た。目的物はメタノールで結晶化させ、白色結晶を得ることができる。C1711BrO5。
【0088】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7,76 (t, J = 8,4 Hz, 1H), 7,66 - 7,59 (m, 4H), 7,24 (dd, J = 8,4, 0,7 Hz, 1H), 7,14 - 7,10 (m, 1H), 6,76 (s, 1H), 5,27 (s, 2H).
【0089】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,69, 161,44, 157,69, 157,35, 151,15, 136,27, 135,14, 131,20, 128,89, 120,58, 115,21, 114,69, 110,58, 108,93, 69,23.
【0090】
m. p.: 204,6 - 205,3 ℃.
【0091】
MS (ESI) m/z 374 (79Br), 376 (81Br) [M]+.
【0092】
例7
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシナート(5a)の調製
【化37】

【0093】
4a(511mg,1.36mmol)とイソロイシンメチルエステル塩酸塩(0.485g,2.72mmol)から出発して一般的手順Dに従って粗製物を調製し、メタノール中で再結晶により精製して5a(0.352g,51%)C2424BrNOを得た。
【0094】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9,23 (d, J = 7,7 Hz, 1H), 8,14 (d, J = 7,4 Hz, 1H), 7,82 (t, J = 8,4 Hz, 1H), 7,69 (d, J = 7,9 Hz, 1H), 7,52 (t, J = 7,4 Hz, 1H), 7,40 (d, J = 8,4 Hz, 1H), 7,33 (t, J = 7,3 Hz, 1H), 7,17 (d, J = 8,3 Hz, 1H), 6,74 (s, 1H), 5,25 (s, 2H), 4,39 (t, J = 7,7 Hz, 1H), 3,70 (s, 3H), 2,10 - 1,99 (m, 1H), 1,60 - 1,48 (m, J = 11,6, 5,8 Hz, 1H), 1,33 - 1,23 (m, 1H), 0,97 - 0,86 (m, 6H).
【0095】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,44, 171,41, 159,61, 157,38, 157,05, 152,97, 135,76, 135,11, 132,17, 129,56, 129,14, 127,85, 121,04, 114,49, 112,75, 111,09, 108,81, 69,70, 57,26, 51,90, 35,48, 25,09, 15,37, 10,77.
【0096】
m. p.: 123,1 - 125,7 ℃.
【0097】
HRMS (ESI/QTOF) :
計算 C24H25BrNO6 (M+H+) : 502,0865,
実測 502,0860.
【0098】
純度(HPLC)>95%.
【0099】
例8
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシナート(5b)の調製
【化38】

【0100】
4b(300mg,0.80mmol)とL-イソロイシンメチルエステル塩酸塩(290mg,1.60mmol)から出発して一般的手順Dに従って粗製物を調製し、メタノール中での再結晶により精製して5b(318mg,79%)C2424BrNOを得た。
【0101】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9,17 (d, J = 7,9 Hz, 1H), 7,77 (t, J = 8,4 Hz, 1H), 7,64 - 7,56 (m, 4H), 7,34 (dd, J = 8,5, 0,7 Hz, 1H), 7,12 (d, J = 8,1 Hz, 1H), 6,70 (s, 1H), 5,25 (s, 2H), 4,37 (t, J = 7,7 Hz, 1H), 3,68 (s, 3H), 2,07 - 1,96 (m, 1H), 1,58 - 1,45 (m, 1H), 1,32 - 1,19 (m, 1H), 0,95 - 0,84 (m, 6H).
【0102】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,41, 171,40, 159,62, 157,63, 157,04, 152,91, 136,29, 134,95, 131,21, 128,92, 120,59, 114,54, 112,73, 110,86, 108,99, 69,19, 57,24, 51,88, 35,48, 25,09, 15,37, 10,77.
【0103】
例9
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-ロイシナート(5c)の調製
【化39】

【0104】
4a(500mg,1.33mmol)とL-ロイシンメチルエステル塩酸塩(0.483g,2.66mmol)から出発して一般的手順Dに従って粗製物を調製し、メタノール中での再結晶により精製して5c(234mg,35%)C2424BrNOを得た。
【0105】
1H NMR (400 MHz, CDCl 3) δ 8,13 (d, J = 7,4 Hz, 1H), 7,57 (t, J = 8,3 Hz, 1H), 7,48 (d, J = 7,9 Hz, 1H), 7,38 (t, J = 7,5 Hz, 1H), 7,18 - 7,05 (m, 3H), 6,98 (s, 1H), 6,90 (d, J = 8,3 Hz, 1H), 5,18 (s, 2H), 4,82 - 4,73 (m, 1H), 3,74 (s, 3H), 1,80 - 1,60 (m, 3H), 0,99 - 0,87 (m, 6H).
【0106】
13C NMR (101 MHz, CDCl 3) δ 177,52, 172,93, 159,05, 158,46, 157,33, 152,34, 135,55, 134,74, 132,10, 129,07, 128,79, 128,12, 120,82, 115,42, 114,21, 110,63, 108,66, 70,38, 52,73, 51,14, 41,81, 25,02, 22,82, 22,05.
【0107】
m. p.: 60,3 - 60,4 ℃.
【0108】
HRMS (ESI/QTOF) :
計算 C24H25BrNO6 (M+H+) : 502,0865,
実測 502,0865.
【0109】
純度(HPLC)>98%。
【0110】
例10
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-バリナート(5d)の調製
【化40】

【0111】
4a(0.200g,0.53mmol)とL-バリンメチルエステル塩酸塩(0.179g,1.07mmol)から出発し、一般的手順Dに従って粗製物を調製し、メタノール中での再結晶により精製して5d(0.126g,48%)C2322BrNOを得た。
【0112】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9,20 (d, J = 7,8 Hz, 1H), 8,12 (d, J = 7,4 Hz, 1H), 7,82 (t, J = 8,4 Hz, 1H), 7,69 (d, J = 7,8 Hz, 1H), 7,51 (t, J = 7,5 Hz, 1H), 7,39 (d, J = 8,4 Hz, 1H), 7,33 (t, J = 7,4 Hz, 1H), 7,16 (d, J = 8,3 Hz, 1H), 6,74 (s, 1H), 5,24 (s, 2H), 4,33 (t, J = 7,7 Hz, 1H), 3,70 (s, 3H), 2,32 - 2,19 (m, 1H), 1,06 - 0,92 (m, 6H).
【0113】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,42, 171,34, 159,69, 157,41, 157,07, 153,03, 135,76, 135,09, 132,17, 129,57, 129,18, 127,84, 121,07, 114,53, 112,74, 111,10, 108,88, 69,76, 58,56, 51,90, 29,46, 19,04, 18,95.
【0114】
m. p.: 127,0 - 128,2 ℃.
【0115】
HRMS (ESI/QTOF) :
計算 C23H23BrNO6 (M+H+) : 488,0709,
実測 488,0719.
【0116】
純度(HPLC)>98%。
【0117】
例11
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-フェニルアラニナート(5e)の調製
【化41】

【0118】
4a(0.194g,0.52mmol)とL-フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(0.223g,1.04mmol)から出発し、一般的手順Dに従って粗製物を調製し、ジエチルエーテルとシクロヘキサンでの沈殿により精製して5e(0.187g,70%)C2722BrNOを得た。
【0119】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9,47 (s, 1H), 8,13 (dd, J = 7,7, 1,5 Hz, 1H), 7,82 (t, J = 8,4 Hz, 1H), 7,68 (dd, J = 8,0, 1,1 Hz, 1H), 7,51 (td, J = 7,6, 1,1 Hz, 1H), 7,35 - 7,27 (m, 6H), 7,25 - 7,19 (m, 1H), 7,16 (d, J = 8,0 Hz, 1H), 6,64 (s, 1H), 5,24 (s, 2H), 4,77 - 4,71 (m, 1H), 3,69 (s, 3H), 3,26 (dd, J = 13,8, 5,4 Hz, 1H), 3,21 - 3,13 (m, 1H).
【0120】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,33, 171,26, 159,21, 157,42, 156,95, 152,77, 137,22, 135,74, 135,24, 132,15, 129,54, 129,11, 129,06, 128,31, 127,84, 126,62, 121,01, 114,43, 112,57, 110,82, 108,85, 69,69, 54,13, 52,20, 35,93, 30,67.
【0121】
m. p.: 145,5 - 147,5 ℃.
【0122】
HRMS (ESI/QTOF) :
計算 C27H23BrNO6 (M+H+) : 536,0709,
実測 536,0711.
【0123】
純度(HPLC)>97%.
【0124】
例12
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-フェニルアラニナート(5f)の調製
【化42】

【0125】
4b(0.472g,1.26mmol)とL-フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(0.453g,2.52mmol)から出発して一般的手順Dに従って粗製物を調製し、メタノール中での再結晶により精製して5f(0.551g,90%)C2722BrNOを得た。
【0126】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9,43 (d, J = 7,9 Hz, 1H), 7,79 (t, J = 8,4 Hz, 1H), 7,68 - 7,54 (m, 4H), 7,30 (d, J = 12,6 Hz, 5H), 7,23 (d, J = 6,1 Hz, 1H), 7,13 (d, J = 8,3 Hz, 1H), 6,63 (s, 1H), 5,26 (s, 2H), 4,73 (dd, J = 13,5, 9,1 Hz, 1H), 3,68 (s, 3H), 3,26 (dd, J = 13,8, 5,2 Hz, 1H), 3,16 (dd, J = 13,6, 10,3 Hz, 1H).
【0127】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,31, 171,22, 159,22, 157,68, 156,94, 152,71, 137,20, 136,26, 135,08, 131,20, 129,05, 128,91, 128,31, 126,62, 120,59, 114,50, 112,56, 110,60, 109,06, 69,21, 54,10, 52,20, 35,93.
【0128】
分解点: 153,1℃.
【0129】
HRMS (ESI/QTOF) :
計算 C27H23BrNO6 (M+H+) : 536,0709,
実測 536,0704.
【0130】
純度(HPLC)>96%。
【0131】
例13
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-トリプトファナート(5g)の調製
【化43】

【0132】
4a(0.100g,0.27mmol)とL-トリプトファンメチルエステル塩酸塩(0.136g,0.53mmol)から出発して一般的手順Dに従って粗製物を調製し、メタノール中での再結晶により精製して5g(0.043g,28%)C2923BrNを得た。
【0133】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10,89 (s, 2H), 9,36 (d, J = 7,8 Hz, 2H), 8,12 (d, J = 7,7 Hz, 2H), 7,83 (t, J = 8,4 Hz, 2H), 7,69 (dd, J = 8,0, 0,9 Hz, 2H), 7,62 (d, J = 7,8 Hz, 2H), 7,51 (td, J = 7,5, 0,9 Hz, 2H), 7,39 - 7,28 (m, 6H), 7,25 (d, J = 2,2 Hz, 2H), 7,17 (d, J = 8,3 Hz, 2H), 7,07 (td, J = 7,7, 0,9 Hz, 2H), 6,98 (t, J = 7,4 Hz, 2H), 6,65 (s, 2H), 5,24 (s, 4H), 4,80 - 4,70 (m, 2H), 3,69 (s, 7H).
【0134】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,36, 171,52, 159,18, 157,43, 156,95, 152,81, 136,09, 135,74, 135,21, 132,17, 129,57, 129,15, 127,85, 127,03, 123,79, 121,05, 121,02, 118,44, 118,04, 114,43, 112,55, 111,48, 110,83, 109,47, 108,89, 69,73, 53,80, 52,19, 26,38. 水のピークの下に2つのプロトンシグナル。
【0135】
m. p.: 250 - 252,8 ℃.
【0136】
HRMS (ESI/QTOF):
計算 C29H24BrN2O6(M+H+) : 575,0818,
実測 575,0821.
【0137】
純度(HPLC)>99%。
【0138】
例14
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-トリプトファナート(5h)の調製
【化44】

【0139】
4b(0.100g,0.27mmol)とL-トリプトファンメチルエステル塩酸塩(0.136g,0.533mmol)から出発して一般的手順Dに従って粗製物を調製し、メタノール中での再結晶により精製して5h(0.126g,82%)C2923BrNを得た。
【0140】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10,90 (s, 1H), 9,34 (d, J = 7,8 Hz, 1H), 7,79 (t, J = 8,4 Hz, 1H), 7,69 - 7,52 (m, 5H), 7,35 (d, J = 8,1 Hz, 1H), 7,29 (d, J = 8,1 Hz, 1H), 7,25 (d, J = 2,2 Hz, 1H), 7,12 (d, J = 8,3 Hz, 1H), 7,10 - 7,03 (m, 1H), 7,02 - 6,94 (m, 1H), 6,63 (s, 1H), 5,25 (s, 2H), 4,80 - 4,69 (m, 1H), 3,68 (s, 3H).
【0141】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,34, 171,50, 159,19, 157,67, 156,92, 152,76, 136,25, 136,10, 135,04, 131,20, 128,92, 127,03, 123,78, 121,02, 120,59, 118,44, 118,04, 114,48, 112,54, 111,48, 110,61, 109,47, 109,06, 69,23, 53,79, 52,18, 26,39.水のピークの下に2つのプロトンシグナル。
【0142】
m. p.: 235,3 - 236,2 ℃.
【0143】
HRMS (ESI/QTOF) :
計算 C29H24BrN2O6(M+H+) : 575,0818,
実測575,0807.
【0144】
純度(HPLC)>99%。
【0145】
例15
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-D-トリプトファナート(5i)の調製
【化45】

【0146】
4b(0.300g,0.80mmol)とD-トリプトファンメチルエステル塩酸塩(0.408g,1.60mmol)から出発して一般的手順Dに従って粗製物を調製し、酢酸エチル及びシクロヘキサンでの沈殿により精製して5i(0.375g,81%)C2923BrNを得た。
【0147】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10,90 (s, 1H), 9,34 (d, J = 7,8 Hz, 1H), 7,79 (t, J = 8,4 Hz, 1H), 7,66 - 7,57 (m, 5H), 7,35 (d, J = 8,1 Hz, 1H), 7,29 (d, J = 8,3 Hz, 1H), 7,25 (d, J = 2,1 Hz, 1H), 7,12 (d, J = 8,3 Hz, 1H), 7,07 (t, J = 7,2 Hz, 1H), 6,98 (t, J = 7,4 Hz, 1H), 6,63 (s, 1H), 5,25 (s, 2H), 4,79 - 4,70 (m, 1H), 3,69 (s, 3H), 3,43 - 3,38 (m, 1H), 3,33 - 3,27 (m, 1H).
【0148】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,33, 171,51, 159,18, 157,67, 156,93, 152,75, 136,26, 136,10, 135,04, 131,20, 128,91, 127,03, 123,78, 121,01, 120,59, 118,43, 118,04, 114,48, 112,54, 111,48, 110,60, 109,47, 109,04, 69,21, 53,79, 52,18, 26,38.
【0149】
m. p.: 236,2 - 237,9 ℃.
【0150】
HRMS (ESI/QTOF):
計算 C29H24BrN2O6(M+H+) : 575,0818,
実測 575,0822.
【0151】
純度(HPLC)>99%。
【0152】
例16
5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシン(6a)の調製
【化46】

【0153】
5a(0.256g,0.51mmol)から出発して一般的手順Eに従って粗製物を調製し、メタノール中での再結晶により精製して6a(0.114g,46%)C2322BrNOを得た。
【0154】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8,99 (d, J = 8,1 Hz, 1H), 8,14 (d, J = 7,5 Hz, 1H), 7,82 (t, J = 8,4 Hz, 1H), 7,69 (dd, J = 7,9, 0,8 Hz, 1H), 7,52 (td, J = 7,6, 0,8 Hz, 1H), 7,41 (d, J = 8,2 Hz, 1H), 7,33 (td, J = 7,8, 1,5 Hz, 1H), 7,17 (d, J = 8,2 Hz, 1H), 6,73 (s, 1H), 5,25 (s, 2H), 4,39 - 4,31 (m, 1H), 2,08 - 1,98 (m, 1H), 1,61 - 1,48 (m, 1H), 1,35 - 1,23 (m, 1H), 0,97 (d, J = 6,8 Hz, 3H), 0,90 (t, J = 7,4 Hz, 3H).
【0155】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,46, 172,23, 159,43, 157,39, 157,06, 153,18, 135,76, 135,07, 132,16, 129,57, 129,16, 127,84, 121,06, 114,49, 112,64, 111,12, 108,84, 69,73, 57,21, 35,62, 25,04, 15,52, 10,96.
【0156】
m. p.: 242,8 - 243,7 ℃.
【0157】
HRMS (ESI/QTOF) :
計算 C23H23BrNO6 (M+H+) : 488,0709,
実測 488,0712.
【0158】
純度(HPLC)>98%。
【0159】
例17
5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニル)-L-アロイソロイシン(6b)の調製
【化47】

【0160】
5b(671mg,0.51mmol)から出発して一般的手順Eに従って粗製物を調製し、メタノール中での再結晶により精製して6b(419mg,64%)C2322BrNOを得た。
【0161】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 12,91 (s, 1H), 8,98 (d, J = 8,1 Hz, 1H), 7,78 (t, J = 8,4 Hz, 1H), 7,67 - 7,57 (m, 4H), 7,37 (dd, J = 8,5, 0,6 Hz, 1H), 7,13 (d, J = 8,2 Hz, 1H), 6,72 (s, 1H), 5,26 (s, 2H), 4,40 - 4,29 (m, 1H), 2,07 - 1,96 (m, 1H), 1,61 - 1,45 (m, 1H), 1,38 - 1,20 (m, 1H), 0,96 (d, J = 6,8 Hz, 3H), 0,90 (t, J = 7,4 Hz, 3H). (ERO1-94)
【0162】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,44, 172,23, 159,44, 157,63, 157,04, 153,12, 136,28, 134,91, 131,20, 128,93, 120,59, 114,54, 112,63, 110,89, 108,99, 69,21, 57,19, 35,63, 25,04, 15,52, 10,96.
【0163】
m. p.: 230,1 - 230,4 ℃.
【0164】
HRMS (ESI/QTOF) :
計算 C23H23BrNO6 (M+H+) : 488,0709,
実測488,0715.
【0165】
純度(HPLC)>98%。
【0166】
例18
5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-フェニルアラニン(6c)の調製
【化48】

【0167】
5e(0.320g,0.60mmol)から出発して一般的手順Eに従って粗製物を調製し、メタノール中での再結晶により精製して6c(0.210g,67%)C2620BrNOを得た。
【0168】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9,29 (d, J = 8,2 Hz, 2H), 8,11 (dd, J = 7,6, 1,0 Hz, 2H), 7,82 (t, J = 8,4 Hz, 2H), 7,68 (dd, J = 7,9, 0,8 Hz, 2H), 7,50 (td, J = 7,6, 0,9 Hz, 2H), 7,37 - 7,25 (m, 11H), 7,24 - 7,10 (m, 4H), 6,63 (s, 2H), 5,23 (s, 4H), 4,72 - 4,58 (m, 2H), 3,14 (dd, J = 13,8, 10,3 Hz, 5H).水のシグナルの下に1つのピーク。
【0169】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,37, 172,20, 159,04, 157,44, 156,96, 153,00, 137,72, 135,73, 135,20, 132,16, 129,57, 129,17, 129,02, 128,25, 127,83, 126,47, 121,06, 114,45, 112,43, 110,85, 108,91, 69,75, 54,18, 36,01.
【0170】
m. p.: 240,4 - 241,7 ℃.
【0171】
HRMS (ESI/QTOF) :
計算 C26H21BrNO6 (M+H+) : 522,0552,
実測 522,0558
【0172】
例19
5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-フェニルアラニン(6d)の調製
【化49】

【0173】
5f(0.551g,1.03mmol)から出発して一般的手順Eに従って粗製物を調製し、メタノール中での再結晶により精製して6d(0.446g,83%)C2620BrNOを得た。
【0174】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8,51 (d, J = 6,8 Hz, 1H), 7,72 (t, J = 8,4 Hz, 1H), 7,66 - 7,57 (m, 4H), 7,24 - 7,16 (m, 5H), 7,16 - 7,07 (m, 2H), 6,62 (s, 1H), 5,24 (s, 2H), 4,24 (dd, J = 11,0, 5,9 Hz, 1H), 3,26 (dd, J = 13,5, 4,6 Hz, 1H), 3,11 (dd, J = 13,5, 6,8 Hz, 1H). (ERO1-71)
【0175】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,35, 172,19, 159,11, 157,67, 156,94, 152,89, 137,66, 136,26, 135,06, 131,20, 129,02, 128,91, 128,27, 126,50, 120,58, 114,47, 112,44, 110,62, 109,04, 69,21, 54,08, 35,94.
【0176】
分解点: 231,5 ℃.
【0177】
HRMS (ESI/QTOF) :
計算 C26H21BrNO6 (M+H+) : 522,0552,
実測 522,0559.
【0178】
純度(HPLC)>95%.
【0179】
例20
5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-D-トリプトファン(6e)の調製
【化50】

【0180】
5i(0.250g,0.27mmol)から出発して一般的手順Eに従って粗製物を調製し、酢酸エチル及びシクロヘキサンでの沈殿により精製して6e(0.158g,66%)C2821BrNを得た。
【0181】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10,87 (d, J = 1,4 Hz, 1H), 9,18 (d, J = 8,1 Hz, 1H), 7,79 (t, J = 8,4 Hz, 1H), 7,69 - 7,56 (m, 5H), 7,34 (d, J = 8,1 Hz, 1H), 7,29 (d, J = 8,2 Hz, 1H), 7,24 (d, J = 2,2 Hz, 1H), 7,13 (d, J = 8,3 Hz, 1H), 7,10 - 7,04 (m, 1H), 7,01 - 6,95 (m, 1H), 6,63 (s, 1H), 5,25 (s, 2H), 4,73 - 4,65 (m, 1H).水のピークの下に2つのシグナル。
【0182】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,37, 172,52, 159,06, 157,66, 156,92, 152,92, 136,26, 136,08, 135,04, 131,20, 128,91, 127,09, 123,66, 120,98, 120,58, 118,39, 118,16, 114,44, 112,42, 111,43, 110,59, 109,93, 109,00, 69,18, 53,73, 26,37.水のピークの下に2つのプロトンシグナル。
【0183】
m. p.: 185,5 - 186,7 ℃.
【0184】
HRMS (ESI/QTOF):
計算 C28H22BrN2O6(M+H+) : 561,0661,
実測 561,0672.
【0185】
純度(HPLC)>99%。
【0186】
例21~例27
シリーズ2
【化51】

【0187】
注)以下のプロトコルにおいて、「分子番号+a」は臭素が芳香環の2位にある場合、「分子番号+b」は臭素が芳香環の4位にある場合を指す。
【0188】
注:ステップeまではシリーズ1と同じ合成スキーム。化合物7へのアクセスを可能にするステップfだけが異なる。
【0189】
一般的操作手順F:
無水DMF(20mL/mmol)中のカルボン酸誘導体6(1当量)の溶液に、TBTU(1.5当量又は2当量)を加えた。この溶液を室温で30分間攪拌した。そこで、DIEA(5当量)の存在下、DMF(10mL/mmol)に溶かしたアミノ酸誘導体(1.5又は2当量)の溶液を、前記のものに注意深く添加した。反応物を室温で24時間撹拌し、TLC(シクロヘキサン/酢酸エチル3:2)でモニターした。この溶液を酸性化した水(1M HCl)に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を集め、20%NaHCO溶液及びブラインで洗浄した後、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空下で蒸発させた。
【0190】
例21
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシル-L-バリナート(7a)の調製
【化52】

【0191】
6a(0.091g,0.19mmol),L-バリンメチルエステル(0.064g,0.38mmol)から出発して一般的手順Fに従って粗製物を調製し、酢酸エチル及び最小量のシクロヘキサン中で沈殿させて精製し、ジエチルエーテルで洗浄して7a(0.042g,37%)C2933BrNを得た。
【0192】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8,79 (d, J = 8,4 Hz, 0,5H), 8,60 - 8,50 (m, 1H), 8,45 (d, J = 7,2 Hz, 0,5H), 8,13 (d, J = 7,5 Hz, 1H), 7,81 (t, J = 8,0 Hz, 1H), 7,69 (d, J = 7,8 Hz, 1H), 7,52 (t, J = 7,3 Hz, 1H), 7,40 (d, J = 8,1 Hz, 1H), 7,33 (t, J = 7,3 Hz, 1H), 7,16 (d, J = 8,4 Hz, 1H), 6,72 (d, J = 5,0 Hz, 1H), 5,25 (s, 2H), 4,73 - 4,65 (m, 0,5H), 4,54 - 4,45 (m, 0,5H), 4,27 - 4,21 (m, 0,5H), 4,21 - 4,14 (m, 0,5H), 3,65 (d, J = 4,7 Hz, 3H), 2,13 - 1,92 (m, 2H), 1,64 - 1,47 (m, 1H), 1,28 - 1,14 (m, 1H), 1,04 - 0,70 (m, 12H).
【0193】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 172,31, 171,91, 171,88, 157,84, 157,83, 157,82, 157,51, 157,49, 157,46, 157,43, 157,42, 153,69, 153,67, 153,65, 135,92, 132,79, 130,34, 129,78, 128,33, 121,94, 114,74, 114,72, 114,70, 114,66, 112,89, 112,87, 112,69, 111,52, 111,46, 109,48, 109,46, 109,37, 109,35, 70,33, 70,31, 58,31, 58,30, 58,21, 58,05, 58,02, 57,96, 52,33, 52,26, 52,23, 52,21, 36,32, 30,00, 25,02, 19,31, 19,17, 19,13, 18,66, 18,59, 15,29, 15,28, 10,85.
【0194】
HRMS (ESI/QTOF) :
計算 C29H34BrN2O7(M+H+) : 601,1549,
実測 601,1533.
【0195】
例22
メチル(5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシル-L-ロイシナート(7b)の調製
【化53】

【0196】
6a(0.082mg,0.16mmol),L-ロイシンメチルエステル(0.061g,0.32mmol)から出発して一般的手順Fに従って粗製物を調製し、酢酸エチル及び最小量のシクロヘキサン中で沈殿させて精製し、ジエチルエーテルで洗浄して7b(0.030g,31%)C3035BrNを得た。
【0197】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8,79 (d, J = 8,8 Hz, 0,5H), 8,64 (d, J = 7,6 Hz, 1H), 8,56 (d, J = 7,7 Hz, 0,5H), 8,13 (d, J = 7,6 Hz, 1H), 7,81 (t, J = 8,2 Hz, 1H), 7,69 (d, J = 8,0 Hz, 1H), 7,52 (t, J = 7,5 Hz, 1H), 7,40 (dd, J = 8,3, 4,4 Hz, 1H), 7,33 (t, J = 7,5 Hz, 1H), 7,16 (d, J = 8,1 Hz, 1H), 6,73 (d, J = 7,3 Hz, 1H), 5,25 (s, 2H), 4,64 - 4,56 (m, 0,5H), 4,41 (t, J = 8,7 Hz, 1H), 4,37 - 4,27 (m, 0,5H), 3,63 (s, 1H), 2,05 - 1,92 (m, 1H), 1,74 - 1,43 (m, 4H), 1,27 - 1,13 (m, 1H), 0,98 - 0,81 (m, 12H) ).
【0198】
13C NMR (126 MHz, DMSO) δ 177,64, 174,72, 173,46, 173,29, 171,55, 171,48, 159,81, 159,64, 157,82, 157,41, 153,65, 153,63, 135,89, 135,84, 132,77, 130,31, 129,75, 128,32, 121,89, 114,67, 112,93, 112,88, 111,50, 109,43, 70,31, 58,05, 57,49, 52,53, 52,42, 52,32, 51,52, 51,02, 50,90, 41,57, 40,89, 37,32, 36,39, 25,92, 24,96, 24,70, 24,64, 23,10, 23,01, 22,99, 21,82, 21,57, 21,44, 21,23, 15,31, 14,95, 11,64, 10,85.
【0199】
HRMS (ESI/QTOF):
計算 C30H36BrN2O7(M+H+) : 615,1690,
実測 615,1684.
【0200】
例23
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシル-L-バリナート(7c)の調製
【化54】

【0201】
6a(0.123g,0.25mmol),L-バリンメチルエステル(0.084g,0.50mmol)から出発して一般的手順Fに従って粗製物を調製し、ジエチルエーテル中で粉砕することにより精製して7c(0.061g,41%)C2933BrNを得た。
【0202】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8,76 (d, J = 8,6 Hz, 0,5H), 8,54 (d, J = 9,4 Hz, 1H), 8,43 (d, J = 7,5 Hz, 0,5H), 7,76 (t, J = 8,3 Hz, 1H), 7,60 (q, J = 8,6 Hz, 4H), 7,35 (d, J = 8,2 Hz, 1H), 7,11 (d, J = 8,3 Hz, 1H), 6,69 (d, J = 5,4 Hz, 1H), 5,25 (s, 2H), 4,67 (dd, J = 8,8, 6,9 Hz, 0,5H), 4,48 (t, J = 8,8 Hz, 0,5H), 4,22 (dd, J = 7,9, 6,9 Hz, 0,5H), 4,15 (t, J = 7,0 Hz, 0,5H), 3,63 (d, J = 4,9 Hz, 3H), 2,12 - 1,90 (m, 2H), 1,59 - 1,36 (m, 1H), 1,25 - 1,11 (m, 1H), 0,99 - 0,81 (m, 12H).
【0203】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,43, 171,93, 171,64, 170,88, 170,67, 159,10, 158,94, 157,64, 157,01, 153,21, 136,29, 134,90, 131,19, 128,91, 120,58, 114,52, 112,61, 112,54, 110,83, 109,00, 69,21, 57,66, 57,42, 57,24, 56,72, 51,72, 51,53, 37,09, 35,99, 29,85, 29,58, 25,65, 24,62, 19,02, 18,84, 18,35, 18,20, 14,95, 14,58, 11,37, 10,55.
【0204】
HRMS (ESI/QTOF):
計算 C29H34BrN2O7(M+H+) : 601,1549,
実測 601,1545.
【0205】
例24
メチル(5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボニルアミノ)-L-アロイソロイシル-L-ロイシナート(7d)の調製
【化55】

【0206】
6b(0.123g,0.25mmol),L-ロイシンメチルエステル(0.091mg,0.50mmol)から出発し、一般的手順Fに従って粗製物を調製し、ジエチルエーテル中で粉砕することにより精製して7d(0.052g,34%)C3035BrNを得た。
【0207】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8,76 (d, J = 8,7 Hz, 0,5H), 8,62 (d, J = 7,8 Hz, 0,5H), 8,54 (dd, J = 8,0, 4,5 Hz, 1H), 7,76 (t, J = 8,2 Hz, 1H), 7,66 - 7,56 (m, 4H), 7,35 (dd, J = 8,4, 4,2 Hz, 1H), 7,11 (d, J = 8,2 Hz, 1H), 6,70 (d, J = 7,5 Hz, 1H), 5,25 (s, 2H), 4,58 (dd, J = 8,6, 6,5 Hz, 0,5H), 4,39 (t, J = 8,6 Hz, 0,5H), 4,36 - 4,24 (m, 1H), 3,62 (d, J = 2,3 Hz, 3H), 2,03 - 1,89 (m, 1H), 1,70 - 1,55 (m, 2H), 1,55 - 1,45 (m, 2H), 1,24 - 1,10 (m, 1H), 0,96 - 0,79 (m, 12H).
【0208】
13C NMR 176,43, 172,81, 172,60, 170,56, 170,42, 159,14, 158,95, 157,63, 157,01, 153,19, 136,28, 134,90, 131,19, 128,91, 120,57, 114,51, 112,62, 112,54, 110,84, 109,00, 69,20, 57,29, 56,64, 51,86, 51,71, 50,39, 50,23, 36,98, 36,00, 25,59, 24,56, 24,23, 24,18, 22,78, 22,66, 21,28, 20,90, 14,99, 14,62, 10,54.
【0209】
HRMS (ESI/QTOF):
計算 C30H36BrN2O7(M+H+) : 615,1690,
実測 615,1690.
【0210】
例25
(S)-5-((2-ブロモベンジル)オキシ)-N-(1-((2-(5-ヒドロキシ-1H-インドール-3-イル)エチル)アミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボキサミド(7e)の調製
【化56】

【0211】
6c(0.127mg,0.24mmol)、5-ヒドロキシトリプタミン塩酸塩(0.103mg,0.48mmol)から出発して一般的手順Fに従って粗製物を調製し、メタノールで粉砕することにより精製し、続いてジエチルエーテルで洗浄して7e(0.063g,38%)C3630BrNを得た。
【0212】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10,49 (d, J = 1,6 Hz, 1H), 9,11 (d, J = 8,4 Hz, 1H), 8,61 (s, 1H), 8,31 (t, J = 5,5 Hz, 1H), 8,10 (dd, J = 7,7, 0,8 Hz, 1H), 7,79 (t, J = 8,4 Hz, 1H), 7,65 (dd, J = 8,0, 0,7 Hz, 1H), 7,48 (td, J = 7,6, 0,7 Hz, 1H), 7,37 - 7,23 (m, 6H), 7,18 (t, J = 7,2 Hz, 1H), 7,12 (d, J = 8,6 Hz, 2H), 7,04 (d, J = 2,1 Hz, 1H), 6,86 (d, J = 2,1 Hz, 1H), 6,63 (s, 1H), 6,60 (dd, J = 8,6, 2,2 Hz, 1H), 5,21 (s, 2H), 4,73 - 4,65 (m, 1H), 3,34 - 3,26 (m, 1H), 3,17 (dd, J = 13,7, 4,5 Hz, 1H), 3,05 (dd, J = 13,6, 10,2 Hz, 1H), 2,73 (t, J = 7,5 Hz, 2H).
【0213】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,46, 170,03, 158,99, 157,41, 156,99, 153,19, 150,16, 137,88, 135,74, 135,14, 132,15, 130,81, 129,55, 129,15, 128,14, 127,83, 126,38, 123,13, 121,06, 114,44, 112,36, 111,65, 111,27, 110,93, 110,64, 108,83, 102,20, 69,74, 54,91, 37,11, 25,14. 31C + 2EQ 3C消失.
【0214】
HRMS (ESI/QTOF):
計算 C36H31BrN3O6(M+H+) : 680,1396,
実測 680,1392.
【0215】
例26
(S)-N-(1-((2-(1H-インドール-3-イル)エチル)アミノ)-1-オキソ-3-フェニルプロパン-2-イル)-5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボキサミド(7f)の調製
【化57】

【0216】
6d(0.090g,0.17mmol),トリプタミン塩酸塩(0.067g,0.34mmol)から出発して一般的手順Fに従って粗製物を調製し、酢酸エチル及び最小量のシクロヘキサン中で粉砕し、ジエチルエーテルで洗浄することにより、7f(0.014g,12%)C3630BrNを得た。
【0217】
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8,20 (s, 1H), 7,68 (d, J = 7,7 Hz, 1H), 7,57 (t, J = 8,4 Hz, 1H), 7,54 - 7,44 (m, 5H), 7,32 - 7,15 (m, 6H), 7,12 - 7,06 (m, 2H), 7,06 - 7,01 (m, 1H), 6,89 (s, 1H), 6,85 (d, J = 8,2 Hz, 1H), 6,80 (s, 1H), 5,99 - 5,91 (m, 1H), 5,19 (s, 2H), 4,72 (dd, J = 13,5, 7,7 Hz, 1H), 3,53 (dd, J = 11,8, 5,9 Hz, 2H), 3,20 (dd, J = 13,4, 5,6 Hz, 1H), 3,06 (dd, J = 13,3, 8,4 Hz, 1H), 2,88 (dt, J = 13,1, 6,4 Hz, 1H), 2,84 - 2,73 (m, 1H).
【0218】
13C NMR (101 MHz, CDCl3) δ 177,67, 170,09, 159,03, 158,55, 157,39, 152,34, 136,50, 136,16, 135,38, 134,72, 131,87, 129,44, 128,91, 128,45, 127,44, 127,17, 122,32, 122,19, 121,84, 119,59, 118,58, 115,56, 113,88, 112,34, 111,42, 110,84, 109,06, 70,35, 60,54, 55,24, 39,94, 38,96, 29,82, 25,00, 21,18, 14,33. 32の代わりに36C。
【0219】
HRMS (ESI/QTOF):
計算 C36H31BrN3O5(M+H+) : 664,1447,
実測 664,1432.
【0220】
例27
(R)-N-(1-((2-(1H-インドール-3-イル)エチル)アミノ)-3-(1H-インドール-3-イル)-1-オキソプロパン-2-イル)-5-((4-ブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボキサミド(7g)の調製
【化58】

【0221】
6e(0.069g,0.13mmol),トリプタミン塩酸塩(0.048g,0.25mmol)から出発して一般的手順Fに従って粗製物を調製し、ジエチルエーテル中で粉砕することにより精製して7g(0.051mg,59%)C3831BrNを得た。
【0222】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10,83 (s, 2H), 8,98 (d, J = 8,2 Hz, 1H), 8,34 (t, J = 5,3 Hz, 1H), 7,78 (t, J = 8,4 Hz, 1H), 7,70 (d, J = 7,7 Hz, 1H), 7,60 (q, J = 8,6 Hz, 1H), 7,55 (d, J = 7,8 Hz, 1H), 7,36 - 7,26 (m, 3H), 7,18 (dd, J = 31,1, 0,9 Hz, 2H), 7,11 (d, J = 8,4 Hz, 1H), 7,08 - 7,01 (m, 2H), 7,00 - 6,92 (m, 2H), 6,61 (s, 1H), 5,24 (s, 2H), 4,72 - 4,63 (m, 1H), 3,30 - 3,14 (m, 2H), 2,82 (t, J = 7,3 Hz, 2H).水のピークの下に2つのシグナル。
【0223】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,46, 170,44, 158,90, 157,64, 156,94, 153,16, 136,27, 136,19, 136,04, 134,99, 131,20, 128,90, 127,24, 127,15, 123,76, 122,67, 120,89, 120,88, 120,58, 118,53, 118,21, 114,43, 112,31, 111,66, 111,33, 110,67, 110,08, 108,95, 69,17, 54,44, 27,38, 25,02. 32C + 2 EQ 4C消失.
【0224】
HRMS (ESI/QTOF) : 計算 C38H31BrN4O5(M+H+) : 703,1556, 実測 703,1553.
【0225】
例28~例36
シリーズ3
【化59】

【0226】
注)以下のプロトコルで、「分子番号+a」は芳香環の2位と4位に臭素がある場合、「分子番号+b」は芳香環の3位と5位に臭素がある場合を指す。
【0227】
一般的操作モードA:
2,5-ジヒドロキシアセトフェノン3(1等量)をアセトン(11mL/mmol)に溶解させた。次に、KCO(3等量)及びテトラ-n-ブチルアンモニウムブロミド(TBAB)(1.5等量)を混合し、計量して溶液に添加した。得られた懸濁液を30分間還流し、ジブロモ-1-(ブロモメチル)ベンゼン(1当量)のアセトン(4mL/mmol)中の溶液を加えた。この懸濁液を30分間還流した後、真空下で濃縮した。反応はTLC(シクロヘキサン/酢酸エチル 7:3)でモニターされた。
【0228】
反応混合物を酢酸エチル及び酸性水(1M HCl)に注いだ。水層を酢酸エチルで抽出し(3回)、次いで合わせた有機層を酸性水(1M HCl)及びブラインで洗浄した(1回)。合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、真空下で蒸発させた。最後に、この粗製物を高真空下で乾燥させた。
【0229】
一般的手順B:
ナトリウム(6当量)を冷たい無水エタノール(3mL/mmol)に溶解し、ナトリウムエタノアートの新鮮な溶液を得た。この溶液を、乾燥THF(エタノールと同量)中の4(1当量)の冷(0℃)溶液に滴下した。次にシュウ酸ジエチル(4等量)を溶液に加え、室温で30分間攪拌した。得られた溶液を50℃に温め、TLC(シクロヘキサン/酢酸エチル3:2)でモニターした。反応中に反応中間体の沈殿が発生した。
【0230】
4時間後、沈殿物が白色になるまで37%塩酸を溶液に滴下した。反応液を色が変わった後、1.5時間還流させた。その後、反応混合物を蒸発させ、酢酸エチル及び酸性水(1M HCl)に注いだ。水層を酢酸エチルで色が変わるまで抽出した(3回)。合わせた有機層を酸性水(1M HCl)及びブラインで洗浄し(1回)、MgSO上で乾燥させた後、蒸発させた。
【0231】
一般的操作手順C:
水(15mL/mmol)中のKCO(1.3等量)の溶液を、THF(30mL/mmol)及びエタノール(EtOH)(10mL/mmol)中の5(1等量)の溶液に追加した。得られた溶液を50℃に加熱し、1.5時間攪拌した。反応はTLC(シクロヘキサン/酢酸エチル 7:3)でモニターされた。反応混合物を濃縮し、ジクロロメタンと酸性水(1M HCl)に注いだ。
【0232】
有機層への目的生成物の溶解度を高めるために、メタノールを数滴加えた。水層をジクロロメタンで抽出し(3回)、合わせた有機層を酸性水(1M HCl)及びブラインで洗浄した(1回)。その後、合わせた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。
【0233】
例28
2,4-ジブロモ-1-(ブロモメチル)ベンゼン(2)の調製
【化60】

【0234】
2,4-ジブロモトルエン 1(1000g,4.00mmol)と精製したてのN-ブロモスクシンイミド(NBS)(0.925g,5.20mmol)を不活性雰囲気下で12mLの1,2-ジクロロエタンに溶解させた。この溶液を10分間還流し、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)(0.328g,2.00mmol)を添加した。得られた懸濁液を6時間攪拌還流させた。反応はTLC(100%シクロヘキサン)でモニターされた。その後、反応混合物を蒸発させ、冷えた1:1シクロヘキサン/ジクロロメタン溶液を加え、副生成物(白色固体)を沈殿させた。濾過及び蒸発後、粗生成物2(1.476g,4.49mmol)を精製せずにそのまま使用した。CBr
【0235】
例29
1-(2-((2,4-ジブロモベンジル)オキシ)-6-ヒドロキシフェニル)エタン-1-オン(4a)の調製
【化61】

【0236】
2(1.315g,4.00mmol)及び3(1.000g,4.00mmol)から出発して、一般的手順Aに従って粗製物を調製した。粗製物を1:1 シクロヘキサン/ジクロロメタン溶液で沈殿させ、次いでイソプロパノールで再結晶し、4a(0.793g,50%)C1512Brを得た。
【0237】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11,64 (s, 1H), 7,95 (d, J = 1,8 Hz, 1H), 7,66 (dd, J = 8,2, 1,8 Hz, 1H), 7,54 (d, J = 8,2 Hz, 1H), 7,32 (t, J = 8,3 Hz, 1H), 6,62 (d, J = 8,3 Hz, 1H), 6,55 (d, J = 8,2 Hz, 1H), 5,13 (s, 2H), 2,45 (s, 3H).
【0238】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 203,27, 159,54, 157,71, 134,92, 134,60, 133,83, 132,06, 131,01, 123,92, 122,19, 114,68, 109,93, 103,16, 69,38, 32,88.
【0239】
HRMS (ESI/LTQ Orbitrap) :
計算 C15H11O3Br2(M-H+) : 396,9080,
実測 396,9082.
【0240】
例30
1-(2-((3,5-ジブロモベンジル)オキシ)-6-ヒドロキシフェニル)エタン-1-オン(4b)の調製
【化62】

【0241】
1,3-ジブロモ-5-(ブロモメチル)ベンゼン(1.315g,4.00mmol)及び3(1.000g,4.00mmol)から一般的手順Aに従って粗製物を調製した。ジエチルエーテルで粉砕することにより精製し、4b(1.103g,70%)C1512Brを得た。
【0242】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11,53 (s, 1H), 7,79 (s, 1H), 7,69 (d, J = 1,5 Hz, 2H), 7,29 (t, J = 8,3 Hz, 1H), 6,58 (d, J = 8,3 Hz, 1H), 6,54 (d, J = 8,2 Hz, 1H), 5,17 (s, 2H), 2,53 - 2,46 (m, 5H).
【0243】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 203,16, 158,98, 157,30, 141,43, 133,41, 132,81, 129,45, 122,49, 115,30, 109,78, 103,40, 68,24, 32,91.
【0244】
HRMS (ESI/LTQ Orbitrap) :
計算 C15H11O3Br2(M-H+) : 396,9080,
実測 396,9078.
【0245】
例31
エチル5-((2,4-ジブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボキシラート(5a)の調製
【化63】

【0246】
4a(0.435g,1.09mmol)とシュウ酸ジエチル(0.636g,4.35mmol)から出発して、一般的手順Bに従って粗製物を調製した。得られたオイルを高真空下で固化し、イソプロパノールを加えて加熱した。
【0247】
得られた懸濁液を濾過し、ペースト状の生成物をジクロロメタンに溶解し、蒸発させた後、白色の固体を得た。目的の生成物5a(0.144g,27%)。C1914Br
【0248】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8,08 (d, J = 8,3 Hz, 1H), 7,94 (d, J = 1,9 Hz, 1H), 7,80 (t, J = 8,4 Hz, 1H), 7,74 (dd, J = 8,3, 1,9 Hz, 1H), 7,29 (d, J = 8,5 Hz, 1H), 7,15 (d, J = 8,3 Hz, 1H), 6,81 (s, 1H), 5,19 (s, 2H), 4,40 (q, J = 7,1 Hz, 2H), 1,36 (t, J = 7,1 Hz, 3H).
【0249】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,44, 159,99, 157,23, 157,22, 150,30, 135,46, 135,43, 134,04, 130,85, 130,60, 121,82, 121,29, 115,42, 114,59, 110,90, 108,90, 69,29, 62,62, 13,87.
【0250】
HRMS (ESI/LTQ Orbitrap):
計算 C19H15O5Br2(M+H+) : 480,9281,
実測 480,9271.
【0251】
例32
エチル5-((3,5-ジブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボキシラート(5b)の調製
【化64】

【0252】
4b(1.103g,2.76mmol)とシュウ酸ジエチル(1.612g,14.03mmol)から出発して、一般的手順Bに従って粗製物を調製した。ジエチルエーテルでトリチュレーションして精製し、5b(0.785g,59%)C1914Brを得た。
【0253】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7,91 (d, J = 1,6 Hz, 2H), 7,81 - 7,74 (m, 2H), 7,26 (d, J = 8,1 Hz, 1H), 7,08 (d, J = 8,3 Hz, 1H), 6,83 (s, 1H), 5,27 (s, 2H), 4,38 (q, J = 7,1 Hz, 2H), 1,34 (t, J = 7,1 Hz, 3H).
【0254】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,55, 159,99, 157,32, 157,22, 150,28, 141,68, 135,40, 132,26, 128,38, 122,44, 115,46, 114,62, 110,82, 108,83, 68,21, 62,60, 13,86.
【0255】
HRMS (ESI/LTQ Orbitrap):
計算 C19H15Br2O5(M+H+) : 480,9281,
実測 480,9274.
【0256】
例33
5-((2,4-ジブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボン酸(6a)の調製
【化65】

【0257】
5a(0.144g,0.30mmol)から出発して一般的手順Cに従って粗製物を調製し、1:1ジエチルエーテル/ジクロロメタンで粉砕することにより精製して6a(0.074g,55%)C1710Brを得た。
【0258】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8,07 (d, J = 8,3 Hz, 1H), 7,90 (d, J = 1,9 Hz, 1H), 7,76 (t, J = 8,4 Hz, 1H), 7,70 (dd, J = 8,3, 1,9 Hz, 1H), 7,24 (d, J = 8,3 Hz, 1H), 7,10 (d, J = 8,3 Hz, 1H), 6,75 (s, 1H), 5,15 (s, 2H).
【0259】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,72, 161,42, 157,30, 157,17, 151,21, 135,46, 135,28, 133,97, 130,81, 130,55, 121,71, 121,23, 115,20, 114,54, 110,90, 108,69, 69,23, 64,89.
【0260】
HRMS (ESI/LTQ Orbitrap):
計算 C17H11Br2O5(M+H+) : 454,8948,
実測 454,8937.
【0261】
例34
5-((3,5-ジブロモベンジル)オキシ)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボン酸(6b)の調製
【化66】

【0262】
5b(0.785g,1.63mmol)から出発して一般的手順Cに従って粗製物を調製し、1:1ジエチルエーテル/ジクロロメタンで粉砕することにより精製して6b(0.493g,67%)C1710Brを得た。
【0263】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 7,91 (s, 2H), 7,82 - 7,72 (m, 2H), 7,24 (d, J = 8,4 Hz, 1H), 7,06 (d, J = 8,3 Hz, 1H), 6,79 (s, 1H), 5,27 (s, 2H).
【0264】
13C NMR (101 MHz, DMSO) δ 176,82, 161,44, 157,31, 157,29, 151,21, 141,70, 135,23, 132,22, 128,34, 122,42, 115,23, 114,58, 110,83, 108,67, 68,19.
【0265】
HRMS (ESI/LTQ Orbitrap):
計算 C17H11Br2O5(M+H+) : 454,8948,
実測 454,8941.
【0266】
例35
5-((2,4-ジブロモベンジル)オキシ)-N-(2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボキサミド(7a)の調製
【化67】

【0267】
6a(0.074g,0.16mmol)を無水DMF2mLに溶解させた。その後、DIEA(0.084g,0.65mmol)及びTBTU(0.105g,0.33mmol)を順次溶液に添加した。完全に溶解した後、5-メトキシトリプタミン(0.074g,0.33mmol)を加え、得られた溶液を室温で24時間攪拌した。反応はTLC(シクロヘキサン/酢酸エチル 1:4)でモニターされた。
【0268】
反応混合物を酸性水(1M HCl)に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した(3回)。有機相を集め,酸性水(1M HCl)、塩基性水(10% NaOH)及びブラインで洗浄(1回)した後,MgSO上で乾燥し,ろ過して蒸発させた。得られたオイルを数滴のジエチルエーテルで沈殿させた。
【0269】
ろ過後、粗生成物を12gシリカカラムを用い、溶離液としてシクロヘキサン/ジクロロメタン4:1からジクロロメタン100%で精製した。最初の生成物を溶出した後、9:1ジクロロメタン/メタノールで目的の生成物を得た。所望の生成物7a(0.006g,5.6%)は固体である。C2822Br
【0270】
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8,12 (d, J = 8,4 Hz, 1H), 8,00 (s, 1H), 7,72 (d, J = 1,9 Hz, 1H), 7,60 - 7,55 (m, 2H), 7,31 (d, J = 8,8 Hz, 1H), 7,10 (dd, J = 9,8, 2,3 Hz, 2H), 7,05 (s, 1H), 6,95 - 6,89 (m, 3H), 6,85 (dd, J = 8,4, 0,5 Hz, 1H), 5,16 (s, 2H), 3,84 - 3,78 (m, 5H), 3,11 (t, J = 6,6 Hz, 2H).
【0271】
13C NMR (126 MHz, CDCl3) δ 177,59, 159,14, 158,11, 157,22, 154,32, 152,90, 134,78, 134,48, 134,36, 131,54, 131,28, 130,13, 127,80, 122,96, 121,80, 121,15, 115,29, 113,68, 112,63, 112,36, 112,17, 110,59, 108,41, 100,40, 69,86, 55,84, 40,52, 24,94.
【0272】
HRMS (ESI/LTQ Orbitrap) :
計算 C28H23Br2N2O5(M+H+) : 626,9948,
実測 626,9929.
【0273】
例36
((3,5-ジブロモベンジル)オキシ)-N-(2-(5-メトキシ-1H-インドール-3-イル)エチル)-4-オキソ-4H-クロメン-2-カルボキサミド(7b)の調製
【化68】

【0274】
6b(0.100g,0.22mmol)を無水DMF(10mL)に溶解し、完全に溶解するまで攪拌した。次に、(1H-ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)(トリ-1-ピロリジニル)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)カップリング剤(0.195g,0.44mmol)を溶液に加え、続いてDIEA(0.114g,0.88mmol)を添加した。この溶液を室温で1時間攪拌した。色の変化が現れた。
【0275】
次に、5-メトキシトリプタミン(0.100g,0.44mmol)を加え、溶液を室温で2日間攪拌した。シクロヘキサン/酢酸エチル 1:1 TLCに変化がない状態で、ビス(2-オキソ-1,3-オキサゾリジン-3-イル)ホスフィン酸クロリド(BOP-Cl)(0.112g,0.44mmol)を溶液に添加した。2日後、1:1シクロヘキサン/酢酸エチルTLCで生成物の生成を確認した。
【0276】
反応混合物を蒸発させ、酢酸エチルに注いだ。有機相を塩基性水(飽和KCO)、次いで酸性水(1M HCl)及び塩水で洗浄した(3回)。有機層をMgSO上で乾燥させ、蒸発させて茶色の固体を得た。
【0277】
この固体を、乾燥した試料と100%ジクロロメタンに続いて2.4:0.1 ジクロロメタン/メタノールなどの溶離液を用いたシリカカラムクロマトグラフィーで精製した。5 mL のフラクションをフュームフード内で一晩静置し、目的の生成物を沈殿させた。濾過後、目的物7b,(0.007g,6.6%)を得た。C2822Br
【0278】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10,71 (s, 1H), 9,23 (t, J = 5,8 Hz, 1H), 7,94 (d, J = 1,3 Hz, 2H), 7,85 - 7,79 (m, 2H), 7,30 (d, J = 8,4 Hz, 1H), 7,24 (d, J = 8,7 Hz, 1H), 7,19 (d, J = 2,1 Hz, 1H), 7,12 - 7,06 (m, 2H), 6,76 - 6,70 (m, 2H), 5,30 (s, 2H), 3,75 (s, 3H), 3,58 (dd, J = 14,2, 6,6 Hz, 2H), 2,97 (t, J = 7,4 Hz, 2H).
【0279】
13C NMR (126 MHz, DMSO) δ 177,14, 159,37, 157,83, 157,49, 154,21, 153,51, 142,26, 135,54, 132,78, 131,88, 128,94, 128,03, 123,91, 122,94, 114,95, 112,57, 112,53, 111,72, 111,56, 111,36, 109,32, 100,65, 68,76, 55,81, 25,35.
【0280】
HRMS (ESI/LTQ Orbitrap):
計算 C28H23O5N2Br2(M+H+) : 626,9948,
実測 626,9937.
【0281】
例37
生物学的評価
素材
GlutaMAX(商標)(Gibco)を添加した高グルコースDMEM(Dulbecco/Vogt modified Eagle’s minimal medium)及びウシ胎児血清(FBS,GE Healthcare Hyclone)は Fisher Scientificから購入した。ペニシリン/ストレプトマイシン(1mlあたり10,000U/10mg)、G418、トリプシン及びダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)はSigma Aldrich(フランス)から購入した。ミトキサントロン(MX)、ローダミン123(R123)、カルセイン-AM(cAM)及び3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)も同様である。市販品はすべて最高純度のものを使用した。
【0282】
化合物
すべてのクロモン誘導体はジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した後、高グルコースDMEMで希釈した。ストック溶液は-20℃で保存し、使用直前に25℃に加温した。
【0283】
細胞株と培養
ABCB1トランスフェクトNIH/3T3、ABCC1トランスフェクトFlp-In293及びABCG2トランスフェクトHEK293細胞及びそれらの空プラスミド対応物を、以前に記載されたように生成した(Borst,P.;Elferink,R.O.Mammalian ABC Transporters in Health and Disease.(健康時及び疾病時の哺乳類ABCトランスポーター。)Ann.Rev.Biochem.2002,71(1),537-592).
【0284】
具体的には、ABCG2トランスフェクトHEK293モノクローナル細胞株を、フィコエリスリン結合5D3抗体(Santa Cruz Biotech)を内因性発現レポーターとして用いて蛍光活性化細胞選別(FACS)の後に選択した。
【0285】
細胞は、10%熱不活性化ウシ胎児血清(FBS)と1%ペニシリン/ストレプトマイシンを添加したGlutaMAX(商標)入り高グルコースDMEMで、37℃、5%COの加湿雰囲気下で増殖・維持した。さらに、NIH/3T3、Flp-In293、又はHEK293トランスフェクト細胞の選択剤として、それぞれ200μg/mL ハイグロマイシンB、90ng/mL コルヒチン、又は750μg/mL G418を増殖培地に添加した。
【0286】
細胞毒性アッセイ
化合物の細胞毒性は、文献に報告されているように、比色MTTアッセイを用いて決定した(Linton,K.J.Structure and Function of ABC Transporters.(ABCトランスポーターの構造と機能。)Physiology2007,22(2),122-130.Sharom,F.J.ABC Multidrug Transporters: Structure,Function and Role in Chemoresistance(ABC多剤トランスポーター:化学療法抵抗性における構造、機能及び役割).Pharmacogenomics 2008,9(1),105-127)。
【0287】
簡単に説明すると、細胞を96ウェルプレートに1×10細胞/ウェルの密度で播種し、全増殖培地体積を100μLとし、一晩インキュベートした。次に、試験する化合物(DMSOに0、2、20μMの濃度範囲で溶解)の濃度を高めた新鮮な培地100μLを各ウェルに加え、一方DMSO対照は0.5%(v/v)に固定した。72時間インキュベートした後、PBS中のMTT色素(5mg/mL)22μLを各ウェルに加え、プレートを37℃でさらに4時間インキュベートした。培地を除去して乾燥させた後、200μLのDMSO/エタノール(1:1、v/v)でフォルマザン色素結晶を可溶化させた。吸光度は、分光光度計を用いて、570nmと690nmを基準波長として測定した。すべての細胞株における各化合物の細胞生存率への影響は、試験培地ウェルと対照培地ウェルの吸光度の差として計算された。
【0288】
本発明による化合物の細胞毒性結果を表1に示す。
【0289】
【表1】

【0290】
したがって、本発明による化合物は、非常に低い細胞毒性を示すか、又は細胞毒性を示さない。
【0291】
MDR関連薬物排出阻害試験
この細胞を96ウェルプレートに5×10細胞/ウェルの密度で200μLの培地に播種し、一晩インキュベートした。その後、増殖培地を化合物を含む新鮮な培地に変え、BCRPを介した排出のための蛍光プローブとして4μM MXの存在下で、最終濃度0.5%(v/v)DMSOとした。37℃で30分間インキュベートした後,培地を除去し,100μLのダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(DPBS)で細胞を洗浄し,その後25μLのトリプシンを介して37℃で5分間細胞を解離させた。最後に、トリプシンを2%ウシ血清アルブミン(BSA)を含む175μLの氷冷DPBSで中和し、細胞を注意深く再懸濁させた。選択性アッセイとして、MXの代わりに0.5μM R123又は0.2μM cAMをそれぞれの蛍光基質として、P-gp及びMRP1を介した排出について同じ実験を行った。
【0292】
細胞内蛍光は、MacsQUANT VRB Analyzerフローサイトメーター(Miltenyi Biotec)を用いて、少なくとも5000イベントを記録して測定した。MXは635nmで励起し、655~730nmのウィンドウで蛍光発光を記録したのに対し、R123とcAMは488nmで励起し、525/50nmのフィルターで記録した。化合物阻害収率は、以下の式で推定した。
【数1】


ここで、G2FAは、蛍光基質と試験物質とともにインキュベートした排出ポンプを発現している細胞における蓄積蛍光体の蛍光発光(a.u.)である。G2FBGは、ABCG2を導入した細胞で得られたバックグラウンド蛍光発光(a.u.)である(基質も試験物質もなし)。G2は、基質のみでインキュベートした排出ポンプを発現する細胞において蓄積された蛍光体の蛍光発光(a.u.)である。HEKFAは、基質及び試験物質でインキュベートした対照細胞に蓄積した蛍光色素の蛍光発光(a.u.)である。HEKFBGは、対照細胞(基質も試験物質もなし)で得られたバックグラウンド蛍光発光(a.u.)である。すべての値は、5000イベントにわたって測定された655~730nmのフィルター(635nmの励起)における幾何平均蛍光発光(a.u.)として与えられている。試験は3連で行った。
【0293】
ABCG2阻害剤としてのクロモン類の活性
【表2】

【0294】
上の表から、化合物は良好なIC50値を示していることがわかる。特に、シリーズ1の化合物5d、シリーズ2の化合物7a及び7b、シリーズIIIの化合物7aは、MBL-II-141阻害剤及び参照阻害剤Ko143よりも優れた結果を示している。
【0295】
BCRPvs.P-gp及びMRP1に対するクロモンの選択性
【表3】

【国際調査報告】