IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カンパニー ジェネラレ デ エスタブリシュメンツ ミシュランの特許一覧

特表2022-541340高度に圧縮可能なオープン補強コード
<>
  • 特表-高度に圧縮可能なオープン補強コード 図1
  • 特表-高度に圧縮可能なオープン補強コード 図2
  • 特表-高度に圧縮可能なオープン補強コード 図3
  • 特表-高度に圧縮可能なオープン補強コード 図4
  • 特表-高度に圧縮可能なオープン補強コード 図5
  • 特表-高度に圧縮可能なオープン補強コード 図6
  • 特表-高度に圧縮可能なオープン補強コード 図7
  • 特表-高度に圧縮可能なオープン補強コード 図8
  • 特表-高度に圧縮可能なオープン補強コード 図9
  • 特表-高度に圧縮可能なオープン補強コード 図10
  • 特表-高度に圧縮可能なオープン補強コード 図11
  • 特表-高度に圧縮可能なオープン補強コード 図12
  • 特表-高度に圧縮可能なオープン補強コード 図13
  • 特表-高度に圧縮可能なオープン補強コード 図14
  • 特表-高度に圧縮可能なオープン補強コード 図15
  • 特表-高度に圧縮可能なオープン補強コード 図16
  • 特表-高度に圧縮可能なオープン補強コード 図17
  • 特表-高度に圧縮可能なオープン補強コード 図18
  • 特表-高度に圧縮可能なオープン補強コード 図19
  • 特表-高度に圧縮可能なオープン補強コード 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-22
(54)【発明の名称】高度に圧縮可能なオープン補強コード
(51)【国際特許分類】
   D07B 1/06 20060101AFI20220914BHJP
   B60C 9/00 20060101ALI20220914BHJP
【FI】
D07B1/06 A
B60C9/00 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505332
(86)(22)【出願日】2020-07-22
(85)【翻訳文提出日】2022-02-18
(86)【国際出願番号】 FR2020051334
(87)【国際公開番号】W WO2021014096
(87)【国際公開日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】1908425
(32)【優先日】2019-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514326694
【氏名又は名称】コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】バルゲ アンリ
(72)【発明者】
【氏名】レイクス オリヴィエ
(72)【発明者】
【氏名】パトー ガエル
【テーマコード(参考)】
3B153
3D131
【Fターム(参考)】
3B153AA06
3B153AA07
3B153AA18
3B153AA31
3B153CC52
3B153DD02
3B153FF16
3B153GG01
3D131AA39
3D131AA45
3D131AA48
3D131BB01
3D131BB03
3D131DA01
3D131DA31
(57)【要約】
本発明の主題は、螺旋に巻かれて外径Dを有して直径Dvのコードの内部エンクロージャ(58)を定めるN金属フィラメント状要素(54)で構成された単層(52)を含むコード(50)である。各金属フィラメント状要素(54)は、直径Dfと螺旋曲率半径Rfを有する。コード(50)は、D、Dv、Df、及びRfがミリメートルで表される時に以下を満足する:0.10≦Jr≦0.25、9≦Rf/Df≦30、及び1.60≦Dv/Df≦3.20、ここで、Jr=N/(π*(D-Df))×(Dh×Sin(π/N)-(Df/Cos(α×π/180)))であり、αは、各金属フィラメント状要素(54)の度で表される螺旋角度である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外径Dを有するN螺旋巻き金属フィラメント状要素(54)で形成された単層(52)を含み、該層(52)の各金属フィラメント状要素(54)が、コード(50、50’)が実質的に直線の方向に延びる時に、該実質的に直線の方向に対して実質的に平行な主軸線(A)の周りの螺旋経路を描き、そのために該主軸線(A)に対して実質的に垂直な断面平面内で該層(52)の各金属フィラメント状要素(54)の中心と該主軸線(A)の間の距離が、螺旋直径Dhの半分に等しく、かつ該層(52)の全ての該金属フィラメント状要素(54)に対して実質的に一定かつ同一あり、該金属フィラメント状要素(54)が、直径Dvのコードの内部エンクロージャ(58)を定め、各金属フィラメント状要素(54)が、直径Dfと、Rf=P/(π×Sin(2α))によって定められる螺旋曲率半径Rfとを有し、ここでPが、ミリメートルで表される各金属フィラメント状要素のピッチであり、αが、各金属フィラメント状要素(54)の螺旋角度であるコード(50、50’)であって、
Dh、D、Dv、Df、及びRfがミリメートルで表される時に:
0.10≦Jr≦0.25、
9≦Rf/Df≦30、かつ
1.60≦Dv/Df≦3.20、
であり、ここでJr=N/(π*(D-Df))×(Dh×Sin(π/N)-(Df/Cos(α×π/180)))であり、αは、各金属フィラメント状要素(54)の度で表される前記螺旋角度であり、かつDv=Dh-Dfである、
ことを特徴とするコード(50、50’)。
【請求項2】
0.14≦Jr≦0.25であることを特徴とする請求項1に記載のコード(50、50’)。
【請求項3】
9≦Rf/Df≦25、好ましくは、9≦Rf/Df≦22であることを特徴とする請求項1から請求項2のいずれか1項に記載のコード(50、50’)。
【請求項4】
1.70≦Dv/Df≦3.20、好ましくは、1.70≦Dv/Df≦3.05であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のコード(50、50’)。
【請求項5】
前記螺旋曲率半径Rfは、4.10mm≦Rf≦5.30mmであるようなものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のコード(50、50’)。
【請求項6】
各金属フィラメント状要素(54)の前記螺旋直径Dhは、0.70mm≦Dh≦1.60mm、好ましくは、0.75mm≦Dh≦1.60mm、より好ましくは、0.80mm≦Dh≦1.60mmであるようなものであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のコード(50、50’)。
【請求項7】
Dfは、0.10mm≦Df≦0.50mm、好ましくは、0.15mm≦Df≦0.50mm、より好ましくは、0.15mm≦Df≦0.45mmであるようなものであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のコード(50、50’)。
【請求項8】
Dvは、Dv≧0.50mm、好ましくは、0.50mm≦Dv≦1.20mmであるようなものであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のコード(50、50’)。
【請求項9】
各金属フィラメント状要素(54)が、3mm≦P≦15mm、好ましくは、5mm≦P≦13mm、より好ましくは、7mm≦P≦11mmであるようなピッチPで巻かれることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のコード(50、50’)。
【請求項10】
D≦2.10mm、好ましくは、0.90mm≦D≦2.10mm、より好ましくは、0.95mm≦D≦2.05mmであることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のコード(50、50’)。
【請求項11】
各金属フィラメント状要素(54)の前記直径Dfに対する前記ピッチPの比Kが、P及びDfがミリメートルで表される時に19≦K≦44、好ましくは、20≦K≦40、より好ましくは、23≦K≦39であるようなものであることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のコード(50、50’)。
【請求項12】
前記螺旋角度αは、13°≦α≦30°、好ましくは、17°≦α≦26°であるようなものであることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のコード(50、50’)。
【請求項13】
As≧1.5%、好ましくは、1.5%≦As≦5.0%、より好ましくは、1.9%≦As≦4.5%であるような構造的伸長Asを有し、
前記構造的伸長Asは、力-伸長曲線を取得するために2014年の規格ASTM D2969-04をコード(50、50’)に適用することによって決定され、該構造的伸長Asは、該力-伸長曲線の構造部分に対する接線と該力-伸長曲線の弾性部分に対する接線との間の交点の伸長軸線の上への投影に対応する%での伸長に等しい、
ことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のコード(50、50’)。
【請求項14】
5MPaから10MPaの範囲の10%伸長時の伸張弾性率を有する架橋された標準エラストマー母材に埋め込まれた状態で、100GPaよりも大きいか又はそれに等しい、好ましくは、100GPaから180GPa、より好ましくは、110GPaから180GPa、更により好ましくは、120GPaから180GPaの範囲の伸張弾性率を有し、
前記10%伸長時の伸張弾性率は、2014年の規格ASTM D2969-04に従って決定される、
ことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のコード(50、50’)。
【請求項15】
エラストマー母材に埋め込まれた請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のコード(50、50’)、
を含むことを特徴とするタイヤ(10、10’)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のためのタイヤのような物品を補強するのに使用可能である金属コードに関する。タイヤは、大気圧よりも高い圧力まで加圧することができるキャビティを支持要素、例えば、リムと協働することによって形成することを意図したケーシングを意味すると理解される。本発明によるタイヤは、実質的にドーナツ形状の構造を有する。
【背景技術】
【0002】
N=5螺旋巻き金属フィラメント状要素の単層を含む金属コードは、従来技術から公知である。各金属フィラメント状要素は、鋼鉄モノフィラメントで構成され、かつ0.38mmに等しい直径を有する。各金属フィラメント状要素は、ピッチp=6.7mmで巻かれ、かつ金属フィラメント状要素の最終螺旋組み立て段階の前に個々に事前形成される。金属フィラメント状要素は、コードの内部エンクロージャを定める。事前形成及び内部エンクロージャは、組み立てられた状態で、比較的有意な通気、言い換えれば、隣接金属フィラメント状要素の各対の間の比較的大きい空間をコードに与える。そのような通気は、2.3%に等しいコードの構造的伸長Asを引き起こす。そのようなコードは、特にタイヤに、例えば、重量タイプの車両のためのタイヤに使用されるように意図している。
【0003】
金属フィラメント状要素を個々に事前形成する段階を必要とするのに加えて、この従来技術のコードは、比較的低い長手圧縮性を有し、すなわち、コードが比較的小さい長手圧縮変形の下で座屈することを意味する。そのような座屈は、コードの局所曲げで発現し、コードの圧縮剛性を降下させるだけでなく、例えばタイヤが受ける循環効果の下で金属フィラメント状要素が損傷するリスクももたらす。
【0004】
螺旋巻き金属フィラメント状要素の単層を含む金属コードの別の例は、国際公開第2016/166056号に説明されている。国際公開第2016/166056号では、コード3.26は、N=3螺旋巻き金属フィラメント状要素の単層を含み、各金属フィラメント状要素は、鋼鉄モノフィラメントで構成され、かつ0.26mmに等しい直径を有する。上述のコード5.38と全く同様に、国際公開第2016/166056号でのコード3.26は、比較的低い長手圧縮性を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2016/166056号
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/006957号明細書
【特許文献3】欧州特許第1623819号
【特許文献4】仏国特許第1413102号
【特許文献5】国際公開第2016/083265号
【特許文献6】国際公開第2016/083267号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、優れた長手圧縮性と、コードがそれで構成された金属フィラメント状要素の直径と比較して比較的小さい直径と、可能な最も高い補強機能とを示すN螺旋巻き金属フィラメント状要素の単層を含むコードを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるコード
【0008】
この目的に対して、本発明は、N螺旋巻き金属フィラメント状要素の単層を含んで外径Dを有するコードに関するものであり、層の各金属フィラメント状要素は、コードが実質的に直線の方向に延びる時に、主軸線に対して実質的に垂直な断面平面内で層の各金属フィラメント状要素の中心と主軸線の間の距離が螺旋直径Dhの半分に等しく、かつ層の全ての金属フィラメント状要素に対して実質的に一定かつ同一であるような実質的に直線の方向に対して実質的に平行な主軸線の周りの螺旋経路を描き、金属フィラメント状要素は、直径Dvのコードの内部エンクロージャを定め、各金属フィラメント状要素は、直径Dfと螺旋曲率半径Rfとを有し、このコードでは、Dh、D、Dv、Df、及びRfは、ミリメートルで表され、
0.10≦Jr≦0.25、
9≦Rf/Df≦30、及び
1.60≦Dv/Df≦3.20
であり、ここで、Jr=N/(π*(D-Df))×(Dh×Sin(π/N)-(Df/Cos(α×π/180)))であり、αは、各金属フィラメント状要素の度で表される螺旋角度である。
【0009】
本発明によるコードは、下記で説明する比較試験によって明らかにされるように、優れた長手圧縮性と、他の全てが等しい時に、可能な最も高い補強機能に対して比較的小さい直径とを示す。
【0010】
本発明に関わる本発明者は、各金属フィラメント状要素の直径Dfに対して十分に大きい曲率半径Rfに起因してコードが十分に通気され、それによりコードの長手軸線からの各金属フィラメント状要素の比較的大きい間隔に起因して座屈のリスクが低減し、この間隔が、金属フィラメント状要素がそれらの螺旋に起因して比較的大きい長手圧縮変形に適応することを可能にすることを前提としている。それとは対照的に、従来技術のコードの各金属フィラメント状要素の曲率半径Rfは直径Dfに対して比較的小さいので、金属フィラメント状要素は、コードの長手軸線により近く、かつそれらの螺旋に起因して本発明によるコードよりも適応することができる長手圧縮変形がかなり小さい。
【0011】
更に、各金属フィラメント状要素の曲率半径Rfが過度に大きい場合に、本発明によるコードは、例えばタイヤに対する補強の役割を保証するのに不十分な長手圧縮剛性を有すると考えられる。
【0012】
これに加えて、過度に大きい内部エンクロージャ直径Dvの場合に、コードは、金属フィラメント状要素の直径に対して過度に大きい直径を有すると考えられる。それとは対照的に、過度に小さい内部エンクロージャ直径Dvの場合に、コードは、金属フィラメント状要素の間に後者が座屈せずに比較的大きい長手圧縮変形に適応することができるための過度に小さい空間を有すると考えられる。
【0013】
最後に、相対半径方向クリアランスJrは、金属フィラメント状要素を層上に位置決めするのに利用可能な長さ範囲内にもたらされた隣接金属フィラメント状要素の各対を分離する距離を表している。すなわち、Jrが大きいほど、層が受け入れることができると考えられる金属フィラメント状要素の最大数に対する2つの隣接金属フィラメント状要素を分離する空間は大きい。それとは逆に、Jrが小さいほど、層が受け入れることができると考えられる金属フィラメント状要素の最大数に対する2つの隣接金属フィラメント状要素を分離する空間は小さい。本発明による範囲内では、Jrは、層上に存在する金属フィラメント状要素の数を最大にすること、及び従って長手圧縮変形に適応する機能を犠牲にすることなくコードの補強機能を最大にすることを可能にする。
【0014】
これに加えて、0.25よりも大きい相対半径方向クリアランスJrを有するコードと比較して、本発明によるコードは、より高い伸張弾性率を取得することを可能にすることに注意しなければならない。具体的には、低減された相対半径方向クリアランスは、コード内の伸張応力の効果の下で隣接フィラメント状要素を互いに近づけて急速に接触させる。すなわち、本発明によるコードは、金属フィラメント状要素の単層を含む従来技術のコードと同等又は更により高い長手圧縮性を有し、一方で例えば互いの周りに螺旋に巻かれたフィラメント状要素の2つの層を含む伸張不能コードと呼ばれるコードと同等の伸張弾性率を有する。
【0015】
特性Dh、D、Df、Dv、Rf、及びα、及び下記で説明する他の特性の値は、コードが製造された直後に、すなわち、エラストマー母材内に埋め込むあらゆる段階の前で又はコードがエラストマー母材から例えばタイヤから抽出される、すなわち、コードからあらゆるエラストマー母材、特にコードの内側に存在するあらゆる材料が除去される洗浄段階を受けた状態でそのいずれかでコード上で測定されるか又はコードから決定される。オリジナル状態を保証するために、各金属フィラメント状要素とエラストマー母材の間の接着剤インタフェースは、例えば、炭酸ナトリウム浴での電気化学処理によって排除しなければならない。下記で説明するタイヤを製造する方法の成形段階に関連付けられた効果、特にコードの伸長は、プライ及びコードの抽出によって排除され、これらは、抽出中に、成形段階の前のそれらの特性をそこから実質的に回復する。
【0016】
本発明によるコードは、螺旋巻き金属フィラメント状要素の単層を含む。言い換えれば、本発明によるコードは、螺旋巻き金属フィラメント状要素の2又は2よりも多い層ではなく1つの層を含む。層は、金属フィラメント状要素で作られ、すなわち、1つだけの金属フィラメント状要素ではなく複数の金属フィラメント状要素で作られる。コードの一実施形態では、例えば、コードが製造工程を完了した時に、本発明によるコードは、巻かれた金属フィラメント状要素の層から構成され、言い換えれば、コードは、層内のもの以外のいずれの他の金属フィラメント状要素も含まない。
【0017】
本発明によるコードは一重螺旋を有する。定義により、一重螺旋コードは、各金属フィラメント状要素の軸線がコードの軸線の周りに第1の螺旋とコードの軸線によって描かれた螺旋の周りに第2の螺旋とを描く二重螺旋コードとは対照的に、層の各金属フィラメント状要素の軸線が一重螺旋を描くコードである。言い換えれば、コードが実質的に直線の方向に延びる時に、コードは、互いに螺旋に巻かれた金属フィラメント状要素の単層を含み、層の各金属フィラメント状要素は、主軸線に対して実質的に垂直な断面平面内で、層の各金属フィラメント状要素の中心と主軸線の間の距離が実質的に層の全ての金属フィラメント状要素に対して実質的に一定かつ同一であるように、実質的に直線の方向に対して実質的に平行な主軸線の周りの螺旋経路を描く。それとは対照的に、二重螺旋コードが実質的に直線の方向に延びる時に、層の各金属フィラメント状要素の中心と実質的に直線の方向との間の距離は、層の金属フィラメント状要素の全てに対して異なっている。
【0018】
本発明によるコードは、中心金属コアを持たない。これは、1×N構造コード又はオープンコードとも呼ばれる。上記で定めた本発明によるコードでは、内部エンクロージャは空であり、すなわち、いずれの充填材料も持たず、特に、いずれのエラストマー組成物も持たない。すなわち、これは、充填材料なしのコードと呼ばれる。
【0019】
本発明によるコードのエンクロージャは、金属フィラメント状要素によって区切られ、かつ一方で各金属フィラメント状要素の半径方向内側であり、他方で各金属フィラメント状要素に対して正接する理論円によって区切られた容積に対応する。この理論円の直径は、エンクロージャ直径Dvに等しい。
【0020】
フィラメント状要素は、主軸線に沿って長手に延び、かつ主軸線に対して垂直な断面を有する要素を意味し、その最大寸法Gは、主軸線に沿う寸法Lと比較して相対的に小さい。相対的に小さいという表現は、L/Gが100よりも大きいか又はそれに等しく、好ましくは1000よりも大きいか又はそれに等しいことを意味する。この定義は、円形断面を有するフィラメント状要素と非円形断面、例えば、多角形又は長円形断面を有するフィラメント状要素との両方を網羅する。非常に好ましくは、各金属フィラメント状要素は円形断面を有する。
【0021】
定義により、用語金属は、金属材料で主として(すなわち、その重量の50%超)又は全体的に(その重量の100%)構成されたフィラメント状要素を意味する。各金属フィラメント状要素は、好ましくは鋼鉄、より好ましくは当業者によって一般的に炭素鋼と呼ばれるパーライト又はフェライト-パーライト炭素鋼で作られ、又はステンレス鋼(定義により、少なくとも10.5%クロムを含む鋼鉄)で作られる。
【0022】
当業者に公知のパラメータである構造的伸長Asは、例えば、力-伸長曲線を取得するために試験されたコードに2014年の規格ASTM D2969-04を適用することによって測定される。Asは、力-伸長曲線の構造部分に対する接線と力-伸長曲線の弾性部分に対する接線との間の交点の伸長軸線の上への投影に対応する%での伸長として得られる曲線から導出される。力-伸長曲線は、増大する伸長の方向に構造部分、弾性部分、及び塑性部分を含むことを想起されるであろう。構造部分は、コードを構成する異なる金属フィラメント状要素の一緒の移動からもたらされるコードの構造的伸長に対応する。一部の実施形態では、N金属フィラメント状要素の層は、相対的に小さい相対半径方向クリアランスJrに起因して構造部分の端部でばらばらになり、コードの弾性率の1回限りの増大を引き起こす。弾性部分は、コードの構造、特に様々な層の角度及びスレッドの直径からもたらされる弾性伸長に対応する。塑性部分は、1又は2以上の金属フィラメント状要素の塑性(弾性限界を超える不可逆変形)からもたらされる塑性伸長に対応する。
【0023】
螺旋角度αは、当業者に公知のパラメータであり、かつ3回反復を含む以下の反復計算を用いて決定することができ、添字iは、反復の回数1、2、又は3を示す。%で表される構造的伸長Asを知ることにより、螺旋角度α(i)は、α(i)=Arcos[(100/(100+As)×Cos[Arctan((π×Df)/(P×Cos(α(i-1))×Sin(π/N))]]であるようなものであり、この公式では、Pは、各金属フィラメント状要素が巻かれるミリメートルで表されるピッチであり、Nは、層内の金属フィラメント状要素の数であり、Dfは、ミリメートルで表される各金属フィラメント状要素の直径であり、Arcos、Cos、Arctan、及びSinは、それぞれ、逆余弦関数、余弦関数、逆正接関数、及び正弦関数を指す。1回目の反復に対して、すなわち、α(1)の計算に対して、α(0)=0である。3回目の反復では、αが度で表される時に小数点以下に少なくとも1有効桁を有するα(3)=αが得られる。
【0024】
ミリメートルで表される螺旋直径Dhは、関係Dh=P×Tan(α)/πを用いて計算され、Pは、各金属フィラメント状要素が巻かれるミリメートルで表されるピッチであり、αは、上述のように決定される各金属フィラメント状要素の螺旋角度であり、Tanは、正接関数である。螺旋直径Dhは、コードの軸線に対して垂直な平面内で層の金属フィラメント状要素の中心を通過する理論円の直径に対応する。
【0025】
ミリメートルで表されるエンクロージャ直径Dvは、関係Dv=Dh-Dfを用いて計算され、Dfは、各金属フィラメント状要素の直径であり、Dhは、螺旋直径であり、これら両方がミリメートルで表される。
【0026】
ミリメートルで表される曲率半径Rfは、関係Rf=P/(π×Sin(2α))を用いて計算され、Pは、ミリメートルで表される各金属フィラメント状要素のピッチであり、αは、各金属フィラメント状要素の螺旋角度であり、Sinは、正弦関数である。
【0027】
Dで示す直径又は可視直径は、厚みゲージを用いて測定され、その接点の直径は、フィラメント状要素の巻き付けピッチPの少なくとも1.5倍に等しい(例えば、ミリメートルの1/100の精度を達成することを可能にし、あるタイプの接点が装備され、かつ0.6N付近の接触圧を有するKaeferからのモデルJD50に言及することができる)。測定プロトコルは、1組の3回測定(コードの軸線に対して垂直にかつゼロ引張の下で実施される)の3回反復から構成され、これらの測定の2回目及び3回目は、コードの軸線の周りの測定方向の回転によって1回転の3分の1だけ前回測定から角度的にオフセットされた方向に実施される。
【0028】
各金属フィラメント状要素が巻かれるピッチは、金属フィラメント状要素が位置付けられたコードの軸線と平行に測定されるこのフィラメント状要素によって覆われる長さであり、このピッチを有するフィラメント状要素コードは、この長さの後にこのコード軸線の周りに完全に一回転することを想起されるであろう。
【0029】
下記で説明する任意的特性は、技術的に適合する限り互いに組み合わせることができる。
【0030】
有利な実施形態では、全ての金属フィラメント状要素が同じ直径Dfを有する。
【0031】
「aとbの間」という表現によって表されるあらゆる値範囲は、a超からb未満の範囲(すなわち、限界値a及びbを除外した)を表し、それに対して「aからbまで」という表現によって表されるあらゆる値範囲は、aからbの範囲(すなわち、厳密な限界値a及びbを含む)を意味する。
【0032】
半径方向断面又は半径方向セクションは、本明細書ではタイヤの回転軸線を含有する平面内の横断面又は断面を意味する。
【0033】
軸線方向という表現は、タイヤの回転軸線に対して実質的に平行な方向を意味する。
【0034】
円周方向という表現は、タイヤの軸線方向と半径の両方に対して実質的に垂直な(言い換えれば、タイヤの回転軸線上に中心を置く円に接する)方向を意味する。
【0035】
半径方向という表現は、タイヤの半径に沿う方向、すなわち、タイヤの回転軸線に交わり、この軸線に対して実質的に垂直なあらゆる方向を意味する。
【0036】
子午面(Mと表示する)は、タイヤの回転軸線に対して垂直であり、2つのビードの間の中間に位置し、クラウン補強材の中心を通過する平面である。
【0037】
タイヤの赤道円周平面(Eと表示する)は、タイヤの赤道を通過し、子午面及び半径方向に対して垂直な理論上の平面である。タイヤの赤道は、円周断面(周方向に対して垂直であり、半径方向及び軸線方向と平行な)内でタイヤの回転軸線と平行であり、地面と接触することが意図されたタイヤのトレッドの半径方向最外点と支持体、例えば、リムと接触することが意図されたタイヤの半径方向最内点との間で等距離に位置付けられた軸線であり、これら2つの点の間の距離はHに等しい。
【0038】
角度の向きは、この角度を定める他方の直線に到達するための角度を定める基準直線から回転する必要がある時計周り又は反時計周りの方向、この場合はタイヤの円周方向である。
【0039】
好ましい実施形態では、0.14≦Jr≦0.25である。
【0040】
好ましい実施形態では、9≦Rf/Df≦25、好ましくは、9≦Rf/Df≦22である。
【0041】
乗用車に関するものであるが、自動二輪車のような二輪車のためのものでもあり、好ましくは乗用車に関するタイヤを補強することを目的としたコードの一実施形態では、12≦Rf/Df≦30、好ましくは、12≦Rf/Df≦25、より好ましくは、12≦Rf/Df≦22である。
【0042】
有蓋貨車、大型車、例えば、軽鉄道車両、バス、大型道路搬送車両(ローリー、トラクタ、トレーラ)から選択される産業車両のためのタイヤを補強することを目的としたコードの一実施形態では、9≦Rf/Df≦15である。
【0043】
好ましい実施形態では、1.70≦Dv/Df≦3.20、好ましくは、1.70≦Dv/Df≦3.05である。
【0044】
乗用車に関するものであるが、自動二輪車のような二輪車のためのものでもあり、好ましくは、乗用車に関するタイヤを補強することを目的としたコードの一実施形態では、1.70≦Dv/Df≦3.20である。
【0045】
有蓋貨車、大型車、例えば、軽鉄道車両、バス、大型道路搬送車両(ローリー、トラクタ、トレーラ)から選択される産業車両のためのタイヤを補強することを目的としたコードの一実施形態では、1.70≦Dv/Df≦2.50である。
【0046】
有利なことに、螺旋曲率半径Rfは、4.10mm≦Rf≦5.30mmであるようなものである。
【0047】
乗用車に関するものであるが、自動二輪車のような二輪車のためのものでもあり、好ましくは、乗用車に関するタイヤを補強することを目的としたコードの一実施形態では、4.10mm≦Rf≦4.25mmである。
【0048】
有蓋貨車、大型車、例えば、軽鉄道車両、バス、大型道路搬送車両(ローリー、トラクタ、トレーラ)から選択される産業車両のためのタイヤを補強することを目的としたコードの一実施形態では、4.10mm≦Rf≦5.30mmである。
【0049】
有利なことに、各金属フィラメント状要素の螺旋直径Dhは、0.70mm≦Dh≦1.60mm、好ましくは、0.75mm≦Dh≦1.60mm、より好ましくは、0.80mm≦Dh≦1.60mmであるようなものである。
【0050】
乗用車に関するものであるが、自動二輪車のような二輪車のためのものでもあり、好ましくは、乗用車に関するタイヤを補強することを目的としたコードの一実施形態では、0.70mm≦Dh≦0.90mm、好ましくは、0.75mm≦Dh≦0.90mm、より好ましくは、0.80mm≦Dh≦0.90mmである。
【0051】
有蓋貨車、大型車、例えば、軽鉄道車両、バス、大型道路搬送車両(ローリー、トラクタ、トレーラ)から選択される産業車両のためのタイヤを補強することを目的としたコードの一実施形態では、0.85mm≦Dh≦1.60mm、好ましくは、1.15mm≦Dh≦1.60mm、より好ましくは、1.20mm≦Dh≦1.60mmである。
【0052】
有利なことに、Dfは、0.10mm≦Df≦0.50mm、好ましくは、0.15mm≦Df≦0.50mm、より好ましくは、0.15mm≦Df≦0.45mmであるようなものである。
【0053】
乗用車に関するものであるが、自動二輪車のような二輪車のためのものでもあり、好ましくは、乗用車に関するタイヤを補強することを目的としたコードの一実施形態では、0.15mm≦Df≦0.35mmである。
【0054】
有蓋貨車、大型車、例えば、軽鉄道車両、バス、大型道路搬送車両(ローリー、トラクタ、トレーラ)から選択される産業車両のためのタイヤを補強することを目的としたコードの一実施形態では、0.22mm≦Df≦0.50mm、好ましくは、0.22mm≦Df≦0.45mm、より好ましくは、0.30mm≦Df≦0.45mmである。
【0055】
有利なことに、Dvは、Dv≧0.50mm、より好ましくは、0.50mm≦Dv≦1.20mmであるようなものである。
【0056】
乗用車に関するものであるが、自動二輪車のような二輪車のためのものでもあり、好ましくは、乗用車に関するタイヤを補強することを目的としたコードの一実施形態では、0.50mm≦Dv≦0.70mm、好ましくは、0.50mm≦Dv≦0.65mmである。
【0057】
有蓋貨車、大型車、例えば、軽鉄道車両、バス、大型道路搬送車両(ローリー、トラクタ、トレーラ)から選択される産業車両のためのタイヤを補強することを目的としたコードの一実施形態では、0.50mm≦Dv≦1.20mm、好ましくは、0.65mm≦Dv≦1.20mmである。
【0058】
有利なことに、各金属フィラメント状要素は、3mm≦P≦15mm、好ましくは、3mm≦P≦13mm、より好ましくは、7mm≦P≦11mmであるようなピッチPで巻かれる。
【0059】
乗用車に関するものであるが、自動二輪車のような二輪車のためのものでもあり、好ましくは、乗用車に関するタイヤを補強することを目的としたコードの一実施形態では、7mm≦P≦8.5mmである。
【0060】
有蓋貨車、大型車、例えば、軽鉄道車両、バス、大型道路搬送車両(ローリー、トラクタ、トレーラ)から選択される産業車両のためのタイヤを補強することを目的としたコードの一実施形態では、7.5mm≦P≦11mmである。
【0061】
有利なことに、Dは、D≦2.10mm、好ましくは、0.90mm≦D≦2.10mm、0.95mm≦D≦2.05mmであるようなものである。
【0062】
乗用車に関するものであるが、自動二輪車のような二輪車のためのものでもあり、好ましくは、乗用車に関するタイヤを補強することを目的としたコードの一実施形態では、0.95mm≦D≦1.20mmである。
【0063】
有蓋貨車、大型車、例えば、軽鉄道車両、バス、大型道路搬送車両(ローリー、トラクタ、トレーラ)から選択される産業車両のためのタイヤを補強することを目的としたコードの一実施形態では、1.15mm≦D≦2.10mm、好ましくは、1.15mm≦D≦2.05mmである。
【0064】
一実施形態では、各金属フィラメント状要素は、単一金属モノフィラメントを含む。この場合に、各金属フィラメント状要素は、金属モノフィラメントで有利に構成される。この実施形態の変形では、金属モノフィラメントには、銅、亜鉛、錫、コバルト、又はこれらの金属の合金を含む金属コーティング層が直接被覆される。この変形では、各金属フィラメント状要素は、この場合は、例えば、鋼鉄で製造された金属モノフィラメントを含み、金属コーティング層が直接被覆されたコアを形成する。
【0065】
この実施形態では、各金属要素モノフィラメントは、上述のように好ましくは鋼鉄で製造され、1000MPaから5000MPaの範囲の機械強度を有する。そのような機械強度は、タイヤの分野で一般的に遭遇する鋼鉄等級、すなわち、NT(標準引張)等級、HT(高引張)等級、ST(超引張)等級、SHT(超高引張)等級、UT(ウルトラ引張)等級、UHT(ウルトラ高引張)等級、及びMT(メガ引張)等級に対応し、高機械強度の使用は、コードを中に埋め込むことを目的とする母材の補強の改善及びこうして補強される母材の軽量化を潜在的に可能にする。
【0066】
有利なことに、層が、N螺旋巻き金属フィラメント状要素から構成される場合に、Nは、3から18、好ましくは、5から12、より好ましくは、6から9の範囲である。
【0067】
有利なことに、各金属フィラメント状要素の直径Dfに対するピッチPの比Kは、P及びDfがミリメートルで表される時に、19≦K≦44、好ましくは、20≦K≦40、より好ましくは、23≦K≦39であるようなものである。
【0068】
乗用車に関するものであるが、自動二輪車のような二輪車のためのものでもあり、好ましくは、乗用車に関するタイヤを補強することを目的としたコードの一実施形態では、23≦K≦40、好ましくは、25≦K≦39である。
【0069】
有蓋貨車、大型車、例えば、軽鉄道車両、バス、大型道路搬送車両(ローリー、トラクタ、トレーラ)から選択される産業車両のためのタイヤを補強することを目的としたコードの一実施形態では、19≦K≦35、好ましくは、23≦K≦30である。
【0070】
有利なことに、各金属フィラメント状要素の螺旋角度αは、13°≦α≦30°、好ましくは、17°≦α≦26°であるようなものである。
【0071】
過度に高い比Kの値の場合又は過度に小さい螺旋角度の値の場合に、コードの長手圧縮性が低下する。過度に低い比Kの値の場合又は過度に大きい螺旋角度の値の場合に、コードの長手剛性が低下し、従って、コードの補強機能が低下する。それにも関わらず、本発明による相対的に小さい相対半径方向クリアランスJr、及び従って層上での相対的に多い数の金属フィラメント状要素の存在に起因して、角度αの相対的に大きい値を使用することができる。
【0072】
乗用車に関するものであるが、自動二輪車のような二輪車のためのものでもあり、好ましくは、乗用車に関するタイヤを補強することを目的としたコードの一実施形態では、13°≦α≦19.5°、好ましくは、17°≦α≦19.5°である。
【0073】
有蓋貨車、大型車、例えば、軽鉄道車両、バス、大型道路搬送車両(ローリー、トラクタ、トレーラ)から選択される産業車両のためのタイヤを補強することを目的としたコードの一実施形態では、18.5°≦α≦30°、好ましくは、18.5°≦α≦26°である。
【0074】
有利なことに、コードは、力-伸長曲線を取得するために2014年の規格ASTM D2969-04をコードに適用することによって構造的伸長Asが決定されて、それが、力-伸長曲線の構造部分に対する接線と力-伸長曲線の弾性部分に対する接線との間の交点の伸長軸線上への投影に対応する%での伸長に等しい時に、As≧1.5%、好ましくは、1.5%≦As≦5.0%、より好ましくは、1.9%≦As≦4.5%であるような構造的伸長Asを有する。
【0075】
充填材料を用いないことにより、本発明によるコードは、2弾性率力-伸長曲線を有する。従って、上述のように、力-伸長曲線は、特に構造部分の伸張弾性率によって特徴付けられるこの構造部分と、特に弾性部分の伸張弾性率によって特徴付けられるこの弾性部分とを有する。
【0076】
非常に有利なことに、コードは、15GPaよりも小さいか又はそれに等しい、好ましくは、2GPaから15GPaの範囲の構造部分の伸張弾性率を有する。従って、コードは、1%から2.5%の範囲の中程度の構造的伸長を有する従来技術の伸長可能又は弾性のコードと同等の相対的に低い弾性率を有する。
【0077】
非常に有利なことに、コードは、50GPaよりも大きいか又はそれに等しい、好ましくは、50GPaから180GPaの範囲の弾性部分の伸張弾性率を有する。従って、コードは、本発明の有利なコードとは異なって1%未満の相対的に小さいAsを有する従来技術の伸張不能なコードと同等である相対的に高い弾性率を有する。
【0078】
例えば、中程度の曲げ剛性が求められる一実施形態では、コードは、相対的に低い弾性率を有し、この場合に、弾性部分の伸張弾性率は、80GPaから130GPaの範囲である。コードがより高い弾性率を有する別の実施形態では、弾性部分の伸張弾性率は、130GPaから180GPaの範囲である。
【0079】
コードの構造部分の伸張弾性率は、応力-伸長曲線を取得するために試験されたコードに2014年の規格ASTM D2969-04を適用することによって測定される。得られた曲線上での構造部分の伸張弾性率は、応力-伸長曲線の構造部分の傾きとして推定される。
【0080】
コードの弾性部分の伸張弾性率は、応力-伸長曲線を取得するために試験されたコードに2014年の規格ASTM D2969-04を適用することによって測定される。得られた曲線上でのこの伸張弾性率は、応力-伸長曲線の弾性部分の傾きとして推定される。
【0081】
非常に有利なことに、コードは、10%伸長時の伸張弾性率が2014年の規格ASTM D2969-04に従って決定される時に5MPaから10MPaの範囲の10%伸長時の伸張弾性率を有する架橋された標準エラストマー母材に埋め込まれた後に100GPaよりも大きいか又はそれに等しく、好ましくは、100GPaから180GPa、より好ましくは、110GPaから180GPa、更に好ましくは、120GPaから180GPaの範囲の伸張弾性率を有する。
【0082】
コードが相対的に低い弾性率を有する実施形態では、伸張弾性率は、100GPaから130GPaの範囲である。コードがより高い弾性率を有する別の実施形態では、伸張弾性率は、130GPaから180GPaの範囲である。
【0083】
エラストマー母材に埋め込まれたコードの伸張弾性率は、応力-伸長曲線を取得するために架橋された標準エラストマー母材に埋め込まれたこの試験されたコードに2014年の規格ASTM D2969-04を適用することによって測定される。得られた曲線上の伸張弾性率は、応力-伸長曲線の弾性部分の勾配として推定される。
【0084】
10%伸長時の公称正割伸張弾性率又は10%伸長時の伸張弾性率は、2回目の伸長時に測定される(すなわち、測定それ自体を目的とする伸長度での調節サイクルの後に)。これらの引張試験は、弾性応力及び破断時の特質を決定することを可能にする。これらの測定は、1988年9月のNF T 46-002フランス規格に従って実施される。公称正割伸張弾性率(又はMPaでの見かけ応力)は、10%伸長(MA10と表示する)時に23℃±2℃の通常の湿度測定条件下で2回目の伸長時に測定される(すなわち、測定自体を目的とする伸長度での調節サイクルの後に)。標準エラストマー母材は、天然ゴム、カーボンブラック、及び通常の添加物に基づくエラストマー組成物の160℃での15分間の硬化によって得られる。この場合に、エラストマー組成物は、100phrの天然ゴムと、50phrのカーボンブラック300シリーズと、1.5のN-1,3-ジメチルブチル-N-フェニル-パラ-フェニレンジアミンと、1phrのコバルト塩と、0.9phrのステアリン酸、6phrの不溶性分子硫黄、0.8phrのN,N’-ジシクロヘキシル-2-ベンゾチアゾール-スルフェンアミド、及び7.5phrのZnOを含む架橋系とを含み、硬化段階の終了時に6MPaに等しい10%伸長時の公称正割伸張弾性率を提供する。
【0085】
有利なことに、使用される方法に起因して各金属フィラメント状要素には、事前形成痕が存在しない。そのような事前形成痕は、特に平坦部を含む。更に、事前形成痕は、各金属フィラメント状要素がそれに沿って延びる主軸線に対して実質的に垂直な断面平面内を延びる亀裂を含む。そのような亀裂は、主軸線に対して実質的に垂直な断面平面内で各金属フィラメント状要素の半径方向外面から各金属フィラメント状要素の半径方向内側に向けて延びる。上述のように、そのような亀裂は、曲げ荷重に起因して、すなわち、各金属フィラメント状要素の主軸線と垂直に機械的事前形成ツールによって開始され、これらの亀裂は、耐久性に対して非常に有害なものになる。それとは対照的に、使用される方法では、金属フィラメント状要素は、一時的コア上で互いに同時に事前形成され、事前形成荷重は、捩り力で作用され、従って、各金属フィラメント状要素の主軸線と垂直には作用されない。発生するあらゆる亀裂は、各金属フィラメント状要素の半径方向外面から各金属フィラメント状要素の内側に向けて半径方向であるが各金属フィラメント状要素の半径方向外面に沿って延び、これらの亀裂は、耐久性に対してそれ程有害ではなくなる。
【0086】
本発明によるコードを製造する方法
【0087】
上記で定めたコードを製造する方法は、
・一時的コアの周りに螺旋に巻かれたM’>1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む一時的アセンブリを供給する段階、
・一時的アセンブリを少なくとも:
o一時的アセンブリのM1’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM1’≧1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む第1の分割アセンブリ、
o一時的アセンブリのM1’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM2’≧1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む第2の分割アセンブリ、
o一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、
に分離する段階、
を含み、本方法は、少なくとも第1の分割アセンブリを第2の分割アセンブリと共に再組み立てしてN螺旋巻き金属フィラメント状要素から構成される層を形成する段階を含む。
【0088】
一変形では、一時的アセンブリを分離する段階の終了時に、第2のアセンブリ及び一時的コアが得られ、一時的コアは、M1’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたいずれの他の金属フィラメント状要素からも切り離される。言い換えれば、この変形では、一時的アセンブリを分離する段階の終了時に第1のアセンブリ、第2のアセンブリ、及び一時的コアで構成されたアンサンブルが得られる。
【0089】
別の変形では、一時的アセンブリを分離する段階の終了時に、第1のアセンブリ、第2のアセンブリ、及び一時的コアを含むアンサンブルが得られ、アンサンブルは、一時的コアを含み、更に一時的アセンブリのM’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生された1又は2以上の金属フィラメント状要素を含む。言い換えれば、この変形では、一時的アセンブリを分離する段階の終了時に、第1のアセンブリ、第2のアセンブリ、及び一時的コアとM’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生された1又は2以上の金属フィラメント状要素とで構成されたアンサンブルが得られる。
【0090】
更に別の変形では、一時的アセンブリを分離する段階の終了時に、第1のアセンブリ、第2のアセンブリ、及び各々が一時的コアの一部分を含むいくつかのアンサンブルが得られ、各アンサンブルは、一時的コアの一部分を含み、更に一時的アセンブリのM’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生された1又は2以上の金属フィラメント状要素を含む。従って、アンサンブルは、一時的コア全体を含み、アンサンブルの一時的コアのこれらの部分は、一時的コアを全体的に形成する。言い換えれば、この変形では、第1のアセンブリ、第2のアセンブリ、及び一時的コアの一部分と一時的アセンブリのM’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生された1又は2以上の金属フィラメント状要素とで各々が構成されたいくつかのアンサンブルが得られ、一時的コアのこれらの部分は、一時的コアを構成する。
【0091】
本方法の再組み立て段階により、所与の幾何学特性に関して、金属フィラメント状要素の数が余儀なく制限される従来技術の方法と比較して本発明によるコードの線密度を増大させることができ、同時に一時的コアの抽出を可能にする。それとは逆に、所与の線密度に関して、従来技術の方法を使用する場合よりも大きい幾何学特性範囲を取得することができる。
【0092】
再組み立て段階は、N=M1’+M2’であるようなものである。この再組み立て段階中に、第1の分割アセンブリの層を形成するM1’螺旋巻き金属フィラメント状要素は、第2の分割アセンブリの層を形成するM2’螺旋巻き金属フィラメント状要素と共に再組み立てされる。これら2つの層の金属フィラメント状要素を再組み立てすることにより、本発明によるコードの層を取得することを可能にする。
【0093】
本発明によるコードを製造する方法では、各々のM1’金属フィラメント状要素とM2’金属フィラメント状要素とが一時的アセンブリの同じ層に由来するので、再組み立て段階は、N金属フィラメント状要素が同じ幾何学特質を有すること、及び従って金属フィラメント状要素の均一な層を形成する本発明によるコードを形成することを可能にする。従って、複数の金属フィラメント状要素が同一幾何学特性を有するコードを取得することを可能にするために、供給段階、分離段階、及び再組み立て段階は、全てのN金属フィラメント状要素が同じ直径Dfを有し、同じピッチPで螺旋に巻かれ、同じ螺旋直径Dhを有するように実施される。
【0094】
更に、上述のように、様々な実施形態により、分離段階及び再組み立て段階は、M’≧M1’+M2’=Nであるように実施される。
【0095】
本発明によるコードを製造する方法の一時的アセンブリは、M’金属フィラメント状要素で構成された層と一時的コアとで構成され、M’金属フィラメント状要素は、一時的コアの周りに螺旋に巻かれる。
【0096】
本発明によるコードを製造する方法は、有利なことに、連続的又は処理ライン方法である。従って、本方法中に一時的アセンブリを供給する段階と本発明によるコードを再組み立てする段階との間で生成される様々なアセンブリ及びアンサンブルの中間格納の段階がない。
【0097】
本方法では、初期物体をいくつかの最終物体に分割する段階は、この分割段階中に、初期物体が最終物体に分けられ、しかもただこれらの最終物体だけに分けられ、従って、初期物体の全てが最終物体の一部を形成し続けることを意味する。更に、分割段階では、初期物体は、最終物体に同時に分離され、すなわち、最終物体は、1つの同じ分割時点で切り離される。特に、少なくとも3つの最終物体に分割される初期物体の場合に、これら3つの最終物体は、分割段階中に同時に1つの同じ時点で互いに分離される。
【0098】
本方法では、初期物体をいくつかの最終物体に分離する段階は、これらの最終物体を取得するために少なくとも1つの分割段階を必要とすることを意味する。従って、最終物体を取得するために、分離段階は、初期物体を最終物体に分割する段階、又は他に初期物体を中間物体に分割する段階を含み、それに中間物体を最終物体に分割する1又は2以上の後続段階が続く。更に、分離段階では、アンサンブル又はアセンブリは1又は2以上の分割段階中に本方法から抽出されており、従って、後の分割段階では使用されない可能性があるので、初期物体は、必ずしもその全てが最終物体を形成し続けるとは限らない。最後に、分離段階は、他の中間物体、又は他に最終物体を取得するために分離段階の分割段階からもたらされたいくつかの中間物体を再組み立てする1又は2以上の段階を含むことができる。
【0099】
分離段階又は分割段階のいずれの最中であるかに関わらず、最終物体は、これらの段階の下流かつこれらの最終物体のうちの2又は3以上を再組み立てするあらゆる段階の上流で互いに物理的に分離され、すなわち、互いに接触状態にない。
【0100】
本発明によるコードは、一重螺旋を有する。定義により、一重螺旋アセンブリは、各金属フィラメント状要素の軸線がアセンブリの軸線の周りに第1の螺旋を描き、アセンブリの軸線によって描かれた螺旋の周りに第2の螺旋を示す二重螺旋アセンブリとは対照的に、各金属フィラメント状要素の軸線が一重螺旋を示すアセンブリである。
【0101】
言い換えれば、アセンブリが実質的に直線の方向に延び、螺旋巻きフィラメント状要素の1又は2以上の層を含む時に、当該又は各層の金属フィラメント状要素は、所与の層の各金属フィラメント状要素の中心と実質的に直線の方向の軸線との間の距離が実質的に一定であって各所与の層の全ての金属フィラメント状要素に対して等しいような螺旋経路を実質的に直線の方向の周りに示している。それとは対照的に、二重螺旋アセンブリが実質的に直線の方向に延びる時に、所与の層の各金属フィラメント状要素の中心と実質的に直線の方向との間の距離は、所与の層の金属フィラメント状要素の全てに関して異なる。
【0102】
M’金属フィラメント状要素の部分再組み立てのための第1の実施形態では、分離段階及び再組み立て段階は、M1’+M2’<M’であるように実施される。
【0103】
第1の実施形態の第1及び第2の変形では、一時的アセンブリを少なくとも第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブルとに分離する段階は、再組み立て段階の上流に:
・o一時的アセンブリのM’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM1’’>1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む前駆アンサンブル、
o第2の分割アセンブリ、及び
o一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コア、
に一時的アセンブリを分離する段階、
・o前駆アンサンブルのM1’’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM3≧1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含み、第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブル、及び
o前駆アンサンブルのM1’’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM3’≧1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む追加アンサンブル、
に前駆アンサンブルを分離する段階、
を含む。
【0104】
第1の実施形態のこれらの第1及び第2の変形では、M’>M1’’+M2’、M1’’≧M3+M3’、及びM1’=M3である。
【0105】
本発明によるコードを製造するための一実施形態では、前駆アンサンブルは、M1’’螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された層から構成され、主アンサンブルは、M3螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された層から構成され、追加アンサンブルは、M3’螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された層から構成される。
【0106】
これらの第1及び第2の変形実施形態では、一時的アセンブリを前駆アンサンブルと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離する段階は、前駆アンサンブルを主及び追加アンサンブルに分離する段階の上流で行われる。
【0107】
有利なことに、前駆アンサンブルを第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブルと追加アンサンブルとに分離する段階は、
・第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブル、及び
・追加アンサンブル、
に前駆アンサンブルを分割する段階を含む。
【0108】
従って、有利なことに、M1’’=M3+M3’及びM3=M1’である。
【0109】
一時的コアが第1の分割アセンブリから分離される第1の実施形態の第1の変形では、一時的アセンブリを前駆アンサンブルと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離する段階は、
・o一時的アセンブリのM’金属フィラメント状要素で構成された層に由来する一時的コアの周りに螺旋に巻かれたM4’>1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む分割アンサンブル、及び
o第2の分割アセンブリ、
に一時的アセンブリを分離する段階、
・o前駆アンサンブル、及び
o一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コア、
に分割アンサンブルを分離する段階、
を含む。
【0110】
すなわち、第1の実施形態の第1の変形では、有利なことに、M’≧M4’+M2’及びM4’>M1’’である。
【0111】
この第1の変形では、分割アンサンブルは、M4’金属フィラメント状要素で構成された層と一時的コアとで構成され、M4’金属フィラメント状要素は、一時的コアの周りに螺旋に巻かれる。
【0112】
この第1の変形では、分割アンサンブルを前駆アンサンブルと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離する段階は、前駆アンサンブルを主及び追加アンサンブルに分離する段階の上流で行われる。
【0113】
有利なことに、この第1の変形では、一時的アセンブリを分割アンサンブルと第2の分割アセンブリに分離する段階は、
・分割アンサンブル、及び
・第2の分割アセンブリ、
に一時的アセンブリを分割する段階を含む。
【0114】
従って、有利なことに、M’=M4’+M2’である。
【0115】
有利なことに、この第1の変形では、分割アンサンブルを前駆アンサンブルと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離する段階は、
・前駆アンサンブル、及び
・一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コア、
に分割アンサンブルを分割する段階を含む。
【0116】
すなわち、分割アンサンブルを前駆アンサンブルと一時的コアとに分割する段階の場合に、有利なことに、M4’=M1’’である。
【0117】
一時的コアが第2の分割アセンブリから分離される第1の実施形態の第2の変形では、一時的アセンブリを前駆アンサンブルと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離する段階は、
・o一時的アセンブリのM’>1金属フィラメント状要素で構成された層に由来する一時的コアの周りに螺旋に巻かれたM4’>1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む分割アンサンブル、及び
o前駆アンサンブル、
に一時的アセンブリを分離する段階、及び
・o第2の分割アセンブリ、及び
o一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コア、
に分割アンサンブルを分離する段階、
を含む。
【0118】
すなわち、第1の実施形態の第2の変形では、有利なことに、M’≧M4’+M1’’及びM4’≧M2’である。
【0119】
第1の変形の場合と同様に、この第2の変形でも、分割アンサンブルは、M4’金属フィラメント状要素で構成された層と一時的コアとで構成され、M4’金属フィラメント状要素は、一時的コアの周りに螺旋に巻かれる。
【0120】
この第2の変形では、一時的アセンブリを分割アンサンブルと前駆アンサンブルに分離する段階は、分割アンサンブルを第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離する段階の上流で行われる。
【0121】
有利なことに、この第2の変形では、一時的アセンブリを分割アンサンブルと前駆アンサンブルに分離する段階は、
・分割アンサンブル、及び
・前駆アンサンブル、
に一時的アセンブリを分割する段階を含む。
【0122】
すなわち、有利なことに、M’=M4’+M1’’である。
【0123】
有利なことに、この第2の変形では、分割アンサンブルを第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離する段階は、
・第2の分割アセンブリ、及び
・一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コア、
に分割アンサンブルを分割する段階を含む。
【0124】
すなわち、分割アンサンブルを第2の分割アセンブリと一時的コアとに分割する段階の場合に、有利なことに、M4’=M2’である。
【0125】
一時的コアが第1の分割アセンブリから分離される第1の実施形態の第3の変形では、一時的アセンブリを少なくとも第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブルとに分離する段階は、再組み立て段階の上流に:
・o一時的アセンブリのM’金属フィラメント状要素で構成された層に由来する一時的コアの周りに螺旋に巻かれたM4’>1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む分割アンサンブル、及び
o第2の分割アセンブリ、
に一時的アセンブリを分離する段階、
・o第1の分割アセンブリ、及び
o一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コア、
に分割アンサンブルを分離する段階、
を含む。
【0126】
第1の実施形態のこの第3の変形では、M’≧M4’+M2’及びM4’>M1’である。
【0127】
第1及び第2の変形の場合と同様に、この第3の変形でも、分割アンサンブルは、M4’金属フィラメント状要素で構成された層と一時的コアとで構成され、M4’金属フィラメント状要素は、一時的コアの周りに螺旋に巻かれる。
【0128】
この第3の変形では、一時的アセンブリを分割アンサンブルと第2の分割アセンブリに分離する段階は、分割アンサンブルを第1の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離する段階の上流で行われる。
【0129】
有利なことに、この第3の変形では、一時的アセンブリを分割アンサンブルと第2の分割アセンブリに分離する段階は、
・分割アンサンブル、及び
・第2の分割アセンブリ、
に一時的アセンブリを分割する段階を含む。
【0130】
すなわち、有利なことに、M’=M4’+M2’である。
【0131】
有利なことに、分割アンサンブルを第1の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離する段階は、
o分割アンサンブルのM4’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM3≧1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含み、第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブル、
o分割アンサンブルのM4’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM3’≧1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む追加アンサンブル、及び
o一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コア、
に分割アンサンブルを分離する段階を含む。
【0132】
すなわち、第1の実施形態の第3の変形では、有利なことに、M4’≧M3+M3’及びM3=M1’である。
【0133】
一実施形態では、主アンサンブルは、M3螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された層から構成され、追加アンサンブルは、M3’螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された層から構成される。
【0134】
有利なことに、分割アンサンブルを第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブルと追加アンサンブルと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離する段階は、
・o第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブル、
o分割アンサンブルのM4’>1金属フィラメント状要素で構成された層に由来する一時的コアの周りに螺旋に巻かれたM5’≧1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む導出アンサンブル、
に分割アンサンブルを分離する段階、
・o追加アンサンブル、
o一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コア、
に導出アンサンブルを分離する段階、
を含む。
【0135】
すなわち、第1の実施形態の第3の変形では、有利なことに、M4’≧M3+M5’、M3=M1’、及びM5’≧M3’である。
【0136】
好ましくは、導出アンサンブルは、M5’≧1巻き金属フィラメント状要素で構成された層と一時的コアとで構成され、M5’金属フィラメント状要素は、一時的コアの周りに螺旋に巻かれる。
【0137】
この第3の変形では、分割アンサンブルを主アンサンブルと導出アンサンブルに分離する段階は、導出アンサンブルを追加アンサンブルと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離する段階の上流で行われる。
【0138】
有利なことに、この第3の変形では、分割アンサンブルを第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブルと導出アンサンブルとに分離する段階は、
・第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブル、及び
・導出アンサンブル、
に分割アンサンブルを分割する段階を含む。
【0139】
すなわち、有利なことに、M4’=M3+M5’及びM3=M1’である。
【0140】
有利なことに、この第3の変形では、導出アンサンブルを追加アンサンブルと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離する段階は、
・追加アンサンブル、及び
・一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コア、
に導出アンサンブルを分割する段階を含む。
【0141】
すなわち、導出アンサンブルを追加アンサンブルと一時的コアに分割する段階の場合に、有利なことに、M5’=M3’である。
【0142】
第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コアとが同時に分離される第1の実施形態の第4の変形では、一時的アセンブリを少なくとも第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブルとに分離する段階は、再組み立て段階の上流に:
・第1の分割アセンブリ、
・第2の分割アセンブリ、
・一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コア、及び
・一時的アセンブリのM’金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM4’≧1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む分割アンサンブル、
に一時的アセンブリを分割する段階を含む。
【0143】
好ましくは、金属フィラメント状要素の層で構成された最終アセンブリを製造するための一実施形態では、分割アンサンブルは、M4’金属フィラメント状要素で構成された層から構成される。
【0144】
一時的コアが、第1及び第2の分割アセンブリを各々が有する2つの部品に分離される第1の実施形態の構成では、一時的アセンブリを少なくとも第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブルとに分離する段階は、再組み立て段階の上流に:
・o一時的アセンブリのM’金属フィラメント状要素で構成された層に由来する一時的コアの第1の部品の周りに螺旋に巻かれたM6’>1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む第1の分割アンサンブル、及び
o一時的アセンブリのM’金属フィラメント状要素で構成された層に由来する一時的コアの第2の部品の周りに螺旋に巻かれたM7’>1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む第2の分割アンサンブルであって、一時的コアの第1の部品及び一時的コアの第2の部品が一時的アセンブリを分離する段階の前に一時的コアを構成する前記第2の分割アンサンブル、
に一時的アセンブリを分離する段階、
・o第1の分割アセンブリ、
o一時的コアの第1の部品又は一時的コアの第1の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品、
に第1の分割アンサンブルを分離する段階、
・o第2の分割アセンブリ、及び
o一時的コアの第2の部品又は一時的コアの第2の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第2の部品、
に第2の分割アンサンブルを分離する段階、
を含む。
【0145】
第1の実施形態のこの構成では、M’≧M6’+M7’、M6’>M1’、及びM7’≧M2’である。
【0146】
第1の実施形態のこの構成では、第1の分割アンサンブルは、M6’金属フィラメント状要素で構成された層と一時的コアの第1の部品とで構成され、M6’金属フィラメント状要素は、一時的コアの第1の部品の周りに螺旋に巻かれる。
【0147】
同様に、第1の実施形態のこの構成では、第2の分割アンサンブルは、M7’金属フィラメント状要素で構成された層と一時的コアの第2の部品とで構成され、M7’金属フィラメント状要素は、一時的コアの第2の部品の周りに螺旋に巻かれる。
【0148】
第1の実施形態のこの構成では、一時的アセンブリを第1の分割アンサンブルと第2の分割アンサンブルに分離する段階は、第1の分割アンサンブルを第1の分割アセンブリと一時的コアの第1の部品又は一時的コアの第1の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品とに分離する段階の上流で行われる。
【0149】
第1の実施形態のこの構成では、一時的アセンブリを第1の分割アンサンブルと第2の分割アンサンブルに分離する段階は、第2の分割アンサンブルを第2の分割アセンブリと一時的コアの第2の部品又は一時的コアの第2の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第2の部品とに分離する段階の上流で行われる。
【0150】
有利なことに、第1の実施形態のこの構成では、一時的アセンブリを第1の分割アンサンブルと第2の分割アンサンブルに分離する段階は、
・第1の分割アンサンブル、及び
・第2の分割アンサンブル、
に一時的アセンブリを分割する段階を含む。
【0151】
すなわち、有利なことに、M’=M6’+M7’である。
【0152】
有利なことに、第1の実施形態のこの構成では、第2の分割アンサンブルを第2の分割アセンブリと一時的コアの第2の部品又は一時的コアの第2の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第2の部品とに分離する段階は、
・第2の分割アセンブリ、及び
・一時的コアの第2の部品又は一時的コアの第2の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第2の部品、
に第2の分割アンサンブルを分割する段階を含む。
【0153】
すなわち、有利なことに、M7’=M2’である。
【0154】
有利なことに、一時的コアが、第1及び第2の分割アセンブリを各々が有する2つの部品に分離される第1の実施形態の構成では、第1の分割アンサンブルを第1の分割アセンブリと一時的コアの第1の部品又は一時的コアの第1の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品とに分離する段階は、
・第1の分割アンサンブルのM6’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM3≧1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含み、第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブル、
・第1の分割アンサンブルのM6’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM3’≧1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む追加アンサンブル、及び
・一時的コアの第1の部品又は一時的コアの第1の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品、
に第1の分割アンサンブルを分離する段階を含む。
【0155】
一時的コアが、第1及び第2の分割アセンブリを各々が有する2つの部品に分離される第1の実施形態のこの構成では、有利なことに、M6’≧M3+M3’及びM3=M1’である。
【0156】
一実施形態では、主アンサンブルは、M3螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された層から構成され、追加アンサンブルは、M3’螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された層から構成される。
【0157】
一時的コアが、第1及び第2の分割アセンブリを各々が有する2つの部品に分離される第1の実施形態のこの構成の第1の変形では、第1の分割アンサンブルを第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブルと追加アンサンブルと一時的コアの第1の部品又は一時的コアの第1の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品とに分離する段階は、
・o第1の分割アンサンブルのM6’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM1’’>1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む前駆アンサンブル、
o一時的コアの第1の部品又は一時的コアの第1の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品、
に第1の分割アンサンブルを分離する段階、
・o第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブル、及び
o追加アンサンブル、
に前駆アンサンブルを分離する段階、
を含む。
【0158】
一時的コアが、第1及び第2の分割アセンブリを各々が有する2つの部品に分離される第1の実施形態の構成のこの第1の変形では、M6’≧M1’’、M1’’≧M3+M3’、及びM3=M1’である。
【0159】
一実施形態では、前駆アンサンブルは、M1’’螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された層から構成される。
【0160】
第1の実施形態のこの構成の第1の変形では、第1の分割アンサンブルを前駆アンサンブルと一時的コアの第1の部品又は一時的コアの第1の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品とに分離する段階は、前駆アンサンブルを第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブルと追加アンサンブルとに分離する段階の上流で行われる。
【0161】
有利なことに、第1の実施形態のこの構成のこの第1の変形では、第1の分割アンサンブルを前駆アンサンブルと一時的コアの第1の部品又は一時的コアの第1の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品とに分離する段階は、
・前駆アンサンブル、及び
・一時的コアの第1の部品又は一時的コアの第1の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品、
に第1の分割アンサンブルを分割する段階を含む。
【0162】
すなわち、第1の分割アンサンブルを前駆アンサンブルと一時的コアの第1の部品とに分割する段階の場合に、有利なことに、M6’=M1’’である。
【0163】
有利なことに、第1の実施形態のこの構成のこの第1の変形では、前駆アンサンブルを第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブルと追加アンサンブルとに分離する段階は、
・第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブル、及び
・追加アンサンブル、
に前駆アンサンブルを分割する段階を含む。
【0164】
すなわち、有利なことに、M1’’=M3+M3’及びM3=M1’である。
【0165】
一時的コアが、第1及び第2の分割アセンブリを各々が有する2つの部品に分離される第1の実施形態のこの構成の第2の変形では、第1の分割アンサンブルを第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブルと追加アンサンブルと一時的コアの第1の部品又は一時的コアの第1の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品とに分離する段階は、
・o第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブル、
o第1の分割アンサンブルのM6’>1金属フィラメント状要素で構成された層に由来する一時的コアの第1の部品の周りに螺旋に巻かれたM5’≧1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む導出アンサンブル、
に第1の分割アンサンブルを分離する段階、
・o追加アンサンブル、
o一時的コアの第1の部品又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品、
に導出アンサンブルを分離する段階、
を含む。
【0166】
一時的コアが、第1及び第2の分割アセンブリを各々が有する2つの部品に分離される第1の実施形態の構成のこの第2の変形では、M6’≧M3+M5’、M5’≧M3’、及びM3=M1’である。
【0167】
第1の実施形態のこの構成の第2の変形では、導出アンサンブルは、M5’≧1金属フィラメント状要素で構成された層と一時的コアの第1の部品とで構成され、M5’≧1金属フィラメント状要素は、一時的コアの第1の部品の周りに螺旋に巻かれる。
【0168】
第1の実施形態のこの構成のこの第2の変形では、第1の分割アンサンブルを主アンサンブルと導出アンサンブルに分離する段階は、導出アンサンブルを追加アンサンブルと一時的コアの第1の部品又は一時的コアの第1の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品とに分離する段階の上流で行われる。
【0169】
有利なことに、第1の実施形態のこの構成のこの第2の変形では、第1の分割アンサンブルを第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブルと導出アンサンブルとに分離する段階は、
・第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブル、及び
・導出アンサンブル、
に第1の分割アンサンブルを分割する段階を含む。
【0170】
すなわち、有利なことに、M6’=M3+M5’及びM3=M1’である。
【0171】
有利なことに、第1の実施形態のこの構成のこの第2の変形では、導出アンサンブルを追加アンサンブルと一時的コアの第1の部品又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品とに分離する段階は、
・追加アンサンブル、及び
・一時的コアの第1の部品又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品、
に導出アンサンブルを分割する段階を含む。
【0172】
すなわち、導出アンサンブルを追加アンサンブルと一時的コアの第1の部品とに分割する段階の場合に、有利なことに、M5’=M3’である。
【0173】
一時的コアが2つの部品に分離される第1の実施形態の別の構成では、一時的アセンブリを少なくとも第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブルとに分離する段階は、再組み立て段階の上流に:
・第1の分割アセンブリ、
・第2の分割アセンブリ、
・一時的コアの第1の部品と、
・一時的コアの第2の部品とであって、一時的アセンブリを分離する段階の前に一時的コアを構成する前記一時的コアの第1の部品及び一時的コアの第2の部品、
・一時的アセンブリのM’金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM4’≧1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む分割アンサンブル、
に一時的アセンブリを分割する段階を含む。
【0174】
好ましくは、金属フィラメント状要素の層で構成された最終アセンブリを製造するための一実施形態では、分割アンサンブルは、M4’金属フィラメント状要素で構成された層から構成される。
【0175】
M’金属フィラメント状要素の全体再組み立てのための第2の実施形態では、分離段階及び再組み立て段階は、M1’+M2’=M’であるように実施される。
【0176】
一時的コアが第1の分割アセンブリから分離される第2の実施形態の第1の変形では、一時的アセンブリを少なくとも第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブルとに分離する段階は、再組み立て段階の上流に:
・o一時的アセンブリのM’>1金属フィラメント状要素で構成された層に由来する一時的コアの周りに螺旋に巻かれたM4’≧1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む分割アンサンブル、及び
o第2の分割アセンブリ、
に一時的アセンブリを分離する段階、
・o第1の分割アセンブリ、及び
o一時的コア、
に分割アンサンブルを分離する段階、
を含む。
【0177】
第2の実施形態のこの第1の変形では、M’=M4’+M2’及びM4’=M1’である。
【0178】
第2の実施形態のこの第1の変形では、分割アンサンブルは、M4’金属フィラメント状要素で構成された層と一時的コアとで構成され、M4’金属フィラメント状要素は、一時的コアの周りに螺旋に巻かれる。
【0179】
第2の実施形態のこの第1の変形では、一時的アセンブリを分割アンサンブルと第2の分割アセンブリに分離する段階は、分割アンサンブルを第1の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離する段階の上流で行われる。
【0180】
有利なことに、第2の実施形態のこの第1の変形では、一時的アセンブリを分割アンサンブルと第2の分割アセンブリに分離する段階は、
・分割アンサンブル、及び
・第2の分割アセンブリ、
に一時的アセンブリを分割する段階を含む。
【0181】
有利なことに、第2の実施形態のこの第1の変形では、分割アンサンブルを第1の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離する段階は、
・第1の分割アセンブリ、及び
・一時的コア、
に分割アンサンブルを分割する段階を含む。
【0182】
一時的コアが第2の分割アセンブリから分離される第2の実施形態の第2の変形では、一時的アセンブリを少なくとも第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブルとに分離する段階は、再組み立て段階の上流に:
・o一時的アセンブリのM’>1金属フィラメント状要素で構成された層に由来する一時的コアの周りに螺旋に巻かれたM4’>1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む分割アンサンブル、及び
o第1の分割アセンブリ、
に一時的アセンブリを分離する段階、
・o第2の分割アセンブリ、及び
o一時的コア、
に分割アンサンブルを分離する段階、
を含む。
【0183】
第2の実施形態のこの第2の変形では、M’=M4’+M1’及びM4’=M2’である。
【0184】
第1の変形の場合と同様に、第2の実施形態のこの第2の変形でも、分割アンサンブルは、M4’金属フィラメント状要素で構成された層と一時的コアとで構成され、金属フィラメント状要素は、一時的コアの周りに螺旋に巻かれる。
【0185】
第2の実施形態のこの第2の変形では、一時的アセンブリを分割アンサンブルと第1の分割アセンブリに分離する段階は、分割アンサンブルを第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離する段階の上流で行われる。
【0186】
有利なことに、第2の実施形態のこの第2の変形では、一時的アセンブリを分割アンサンブルと第1の分割アセンブリに分離する段階は、
・分割アンサンブル、及び
・第1の分割アセンブリ、
に一時的アセンブリを分割する段階を含む。
【0187】
有利なことに、第2の実施形態のこの第2の変形では、分割アンサンブルを第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離する段階は、
・第2の分割アセンブリ、及び
・一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コア、
に分割アンサンブルを分割する段階を含む。
【0188】
一時的コアが、第1及び第2の分割アセンブリを各々が有する2つの部品に分離される第2の実施形態の第3の変形では、一時的アセンブリを少なくとも第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブルとに分離する段階は、再組み立て段階の上流に:
・o一時的アセンブリのM’金属フィラメント状要素で構成された層に由来する一時的コアの第1の部品の周りに螺旋に巻かれたM6’≧1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む第1の分割アンサンブルと、
o一時的アセンブリのM’金属フィラメント状要素で構成された層に由来する一時的コアの第2の部品の周りに螺旋に巻かれたM7’>1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む第2の分割アンサンブルとであって、一時的アセンブリを分離する段階の前に一時的コアの第1の部品及び一時的コアの第2の部品が一時的コアを構成する前記第1の分割アンサンブル及び第2の分割アンサンブル、
に一時的アセンブリを分離する段階、
・o第1の分割アセンブリ、及び
o一時的コアの第1の部品、
に第1の分割アンサンブルを分離する段階、
・o第2の分割アセンブリ、及び
o一時的コアの第2の部品、
に第2の分割アンサンブルを分離する段階、
を含む。
【0189】
第2の実施形態のこの第3の変形では、M’=M6’+M7’、M6’=M1’、及びM7’=M2’である。
【0190】
第2の実施形態のこの第3の変形では、第1の分割アンサンブルは、M6’金属フィラメント状要素で構成された層と一時的コアの第1の部品とで構成され、M6’金属フィラメント状要素は、一時的コアの第1の部品の周りに螺旋に巻かれる。
【0191】
同様に、第3の変形では、第2の分割アンサンブルは、M7’金属フィラメント状要素で構成された層と一時的コアの第2の部品とで構成され、M7’金属フィラメント状要素は、一時的コアの第2の部品の周りに螺旋に巻かれる。
【0192】
第2の実施形態のこの第3の変形では、一時的アセンブリを第1の分割アンサンブルと第2の分割アンサンブルに分離する段階は、第1の分割アンサンブルを第1の分割アセンブリと一時的コアの第1の部品に分離する段階の上流で行われる。
【0193】
第2の実施形態のこの構成では、一時的アセンブリを第1の分割アンサンブルと第2の分割アンサンブルに分離する段階は、第2の分割アンサンブルを第2の分割アセンブリと一時的コアの第2の部品に分離する段階の上流で行われる。
【0194】
有利なことに、第2の実施形態のこの第3の変形では、一時的アセンブリを第1の分割アンサンブルと第2の分割アンサンブルに分離する段階は、
・第1の分割アンサンブル、及び
・第2の分割アンサンブル、
に一時的アセンブリを分割する段階を含む。
【0195】
有利なことに、第2の実施形態のこの第3の変形では、第1の分割アンサンブルを第1の分割アセンブリと一時的コアの第1の部品に分離する段階は、
・第1の分割アセンブリ、及び
・一時的コアの第1の部品、
に第1の分割アセンブリを分割する段階を含む。
【0196】
有利なことに、第2の実施形態のこの第3の変形では、第2の分割アンサンブルを第2の分割アセンブリと一時的コアの第2の部品に分離する段階は、
・第2の分割アセンブリ、及び
・一時的コアの第2の部品、
に第2の分割アンサンブルを分割する段階を含む。
【0197】
第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コアとが同時に分離される第2の実施形態の第4の変形では、一時的アセンブリを少なくとも第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブルとに分離する段階は、再組み立て段階の上流に:
・第1の分割アセンブリ、
・第2の分割アセンブリ、及び
・一時的コア、
に一時的アセンブリを分割する段階を含む。
【0198】
一時的コアが2つの部品に分離される第2の実施形態の第5の変形では、一時的アセンブリを少なくとも第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブルとに分離する段階は、再組み立て段階の上流に:
・第1の分割アセンブリ、
・第2の分割アセンブリ、
・一時的コアの第1の部品と、
・一時的コアの第2の部品とであって、一時的アセンブリを分離する段階の前に一時的コアを構成する前記一時的コアの第1の部品と一時的コアの第2の部品、
に一時的アセンブリを分割する段階を含む。
【0199】
有利なことに、M’は、4から18、好ましくは、6から9の範囲である。
【0200】
有利なことに、一時的コアが第1の分割アセンブリから分離される実施形態での一時的コアの抽出を容易にするために:
・M’=4又はM’=5である事例では、M1’=1又は2であり、
・M’≧6である事例では、M1’≦0.75×M’、好ましくは、M1’≦0.70×M’である。
【0201】
有利なことにかつ同様に、一時的コアが第2の分割アセンブリから分離される実施形態での一時的コアの抽出を容易にするために:
・M’=4又はM’=5である事例では、M2’=1又は2であり、
・M’≧6である事例では、M2’≦0.75×M’、好ましくは、M2’≦0.70×M’である。
【0202】
有利なことにかつ同様に、一時的コアが第1及び第2の分割アセンブリを各々が有する2つの部品に分離される実施形態での一時的コアの抽出を容易にするために:
・M’=4又はM’=5である事例では、M1’=1、2、又は3及びM2’=1、2、又は3であり、
・M’≧6である事例では、M1’≦0.75×M’であり、
・M’≧6である事例では、M2’≦0.75×M’である。
【0203】
一時的コアが第1及び第2のアセンブリを各々が有する2つの部品に分離される実施形態での一時的コアの抽出を容易にするために、M’≧6である事例では、M1’≦0,70×M’及びM2’≦0,70×M’である。
【0204】
非常に好ましくは、一時的アセンブリを供給する段階は、一時的コアの周りに螺旋に巻かれたM’>1金属フィラメント状要素を捻転によって組み立てる段階を含む。
【0205】
有利なことに、一時的アセンブリを供給する段階は、一時的アセンブリを捻転均衡させる段階を含む。すなわち、捻転均衡段階は、M’金属フィラメント状要素と一時的コアとを含む一時的アセンブリに対して実施されるので、第1及び第2の分割アセンブリへの分離段階の上流で暗黙裏に実施される。これは、一時的アセンブリを組み立てる段階中に課せられる残留捻転を取りわけ誘導手段を通して、例えば、プーリーを通してこの組み立て段階の下流の様々なアセンブリが辿る経路内で管理する必要性を回避する。
【0206】
有利なことに、本方法は、再組み立て段階の下流で本発明によるコードを捻転均衡させる段階を含む。
【0207】
有利なことに、本方法は、本発明によるコードのそのそれぞれの進行方向の周りの回転を維持する段階を含む。回転を維持するこの段階は、一時的アセンブリを分離する段階の下流でかつ本発明によるコードを捻転均衡させる段階の上流で行われる。
【0208】
好ましいことに、本方法は、金属フィラメント状要素の各々を個々に事前形成する段階を持たない。金属フィラメント状要素の各々を個々に事前形成する段階を使用する従来技術の方法では、これらの要素は、事前形成ツール、例えば、ローラーによって課せられる形状を受け入れ、これらのツールは、金属フィラメント状要素の面上に欠陥を発生させる。これらの欠陥は、取りわけ金属フィラメント状要素の耐久性、従って、本発明によるコードの耐久性を低減する。
【0209】
本発明によるコードを製造するための設備は、
・一時的コアの周りに螺旋に巻かれたM’>1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む一時的アセンブリを供給するための手段、
・一時的アセンブリを少なくとも:
o一時的アセンブリのM1’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM1’≧1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む第1の分割アセンブリ、
o一時的アセンブリのM1’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM2’≧1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む第2の分割アセンブリ、
o一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、
に分離するための手段、
を含み、設備は、第1の分割アセンブリを第2の分割アセンブリと共に再組み立てしてN螺旋巻き金属フィラメント状要素から構成される層を形成するための手段を含む。
【0210】
金属フィラメント状要素が同一幾何学特性を有するアセンブリを取得するために、供給手段、分離手段、及び再組み立て手段は、全てのN金属フィラメント状要素が同じ直径Dfを有し、同じピッチPで螺旋に巻かれ、同じ螺旋直径Dhを有するように配置される。
【0211】
更に、上述のように、様々な実施形態により、分離手段及び再組み立て手段は、M’≧M1’+M2’=Nであるように配置される。
【0212】
この設備では、初期物体をいくつかの最終物体に分割するための手段は、これらの分割手段を実施することにより、初期物体が最終物体に、しかもただこれらの最終物体だけに分けられ、従って、初期物体の全てが最終物体の一部を形成し続けることを意味する。更に、分割手段を使用することにより、初期物体は、最終物体に同時に分離され、すなわち、最終物体は、1つの同じ分割時点で切り離される。特に、少なくとも3つの最終物体に分割される初期物体の場合に、これら3つの最終物体は、分割手段を用いて同時に1つの同じ時点で互いに分離される。
【0213】
この設備では、初期物体をいくつかの最終物体に分離するための手段は、これらの最終物体を取得するために少なくとも分割手段を必要とすることを意味する。従って、最終物体を取得するために、分離手段は、初期物体を最終物体に分割するための手段を含み、又は他に初期物体を中間物体に分割するための手段と、中間物体を最終物体に分割するための手段とを含む。分離手段の使用時に、アンサンブル又はアセンブリは分割手段の通過中に上述の方法から既に抽出されており、従って、後の分割手段の通過では使用されない可能性があるので、初期物体は、必ずしもその全てが最終物体を形成し続けるとは限らない。最後に、分離手段は、他の中間物体、又は他に最終物体を取得するために分離手段の分割手段からもたらされたいくつかの中間物体を再組み立てするための1又は2以上の手段を含むことができる。
【0214】
M’金属フィラメント状要素の部分再組み立てのための第1の実施形態では、分離手段及び再組み立て手段は、M1’+M2’<M’であるように配置される。
【0215】
第1の実施形態の第1及び第2の変形では、一時的アセンブリを少なくとも第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブルとに分離するための手段は、再組み立て手段の上流に:
・o一時的アセンブリのM’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM1’’>1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む前駆アンサンブル、
o第2の分割アセンブリ、及び
o一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コア、
に一時的アセンブリを分離するための手段、
・o前駆アンサンブルのM1’’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM3≧1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含み、第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブル、及び
o前駆アンサンブルのM1’’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM3’≧1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む追加アンサンブル、
に前駆アンサンブルを分離するための手段、
を含む。
【0216】
この第1の実施形態では、一時的アセンブリを前駆アンサンブルと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離するための手段は、前駆アンサンブルを主及び追加アンサンブルに分離するための手段の上流に配置される。
【0217】
有利なことに、前駆アンサンブルを第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブルと追加アンサンブルとに分離するための手段は、
・第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブル、及び
・追加アンサンブル、
に前駆アンサンブルを分割するための手段を含む。
【0218】
一時的コアが第1の分割アセンブリから分離される第1の実施形態の第1の変形では、一時的アセンブリを前駆アンサンブルと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離するための手段は、
・o一時的アセンブリのM’金属フィラメント状要素で構成された層に由来する一時的コアの周りに螺旋に巻かれたM4’>1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む分割アンサンブル、及び
o第2の分割アセンブリ、
に一時的アセンブリを分離するための手段、
・o前駆アンサンブル、及び
o一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コア、
に分割アンサンブルを分離するための手段、
を含む。
【0219】
この第1の変形では、分割アンサンブルを前駆アンサンブルと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離するための手段は、前駆アンサンブルを主及び追加アンサンブルに分離するための手段の上流に配置される。
【0220】
有利なことに、この第1の変形では、一時的アセンブリを分割アンサンブルと第2の分割アセンブリに分離するための手段は、
・分割アンサンブル、及び
・第2の分割アセンブリ、
に一時的アセンブリを分割するために手段を含む。
【0221】
有利なことに、この第1の変形では、分割アンサンブルを前駆アンサンブルと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離するための手段は、
・前駆アンサンブル、及び
・一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コア、
に分割アンサンブルを分割するための手段を含む。
【0222】
一時的コアが第2の分割アセンブリから分離される第1の実施形態の第2の変形では、一時的アセンブリを前駆アンサンブルと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離するための手段は、
・o一時的アセンブリのM’>1金属フィラメント状要素で構成された層に由来する一時的コアの周りに螺旋に巻かれたM4’>1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む分割アンサンブル、及び
o前駆アンサンブル、
に一時的アセンブリを分離するための手段、
・o第2の分割アセンブリ、及び
o一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コア、
に分割アンサンブルを分離するための手段、
を含む。
【0223】
この第2の変形では、一時的アセンブリを分割アンサンブルと前駆アンサンブルに分離するための手段は、分割アンサンブルを第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離するための手段の上流に配置される。
【0224】
有利なことに、この第2の変形では、一時的アセンブリを分割アンサンブルと前駆アンサンブルに分離するための手段は、
・分割アンサンブル、及び
・前駆アンサンブル、
に一時的アセンブリを分割するための手段を含む。
【0225】
有利なことに、この第2の変形では、分割アンサンブルを第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離するための手段は、
・第2の分割アセンブリ、及び
・一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コア、
に分割アンサンブルを分割するための手段を含む。
【0226】
一時的コアが第1の分割アセンブリから分離される第1の実施形態の第3の変形では、一時的アセンブリを少なくとも第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブルとに分離するための手段は、再組み立て手段の上流に:
・o一時的アセンブリのM’金属フィラメント状要素で構成された層に由来する一時的コアの周りに螺旋に巻かれたM4’>1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む分割アンサンブル、及び
o第2の分割アセンブリ、
に一時的アセンブリを分離するための手段、
・o第1の分割アセンブリ、及び
o一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コア、
に分割アンサンブルを分離するための手段、
を含む。
【0227】
この第3の変形では、一時的アセンブリを分割アンサンブルと第2の分割アセンブリに分離するための手段は、分割アンサンブルを第1の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離するための手段の上流に配置される。
【0228】
有利なことに、この第3の変形では、一時的アセンブリを分割アンサンブルと第2の分割アセンブリに分離するための手段は、
・分割アンサンブル、及び
・第2の分割アセンブリ、
に一時的アセンブリを分割するための手段を含む。
【0229】
有利なことに、分割アンサンブルを第1の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離するための手段は、
o分割アンサンブルのM4’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM3≧1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含み、第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブル、
o分割アンサンブルのM4’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM3’≧1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む追加アンサンブル、及び
o一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コア、
に分割アンサンブルを分離するための手段を含む。
【0230】
有利なことに、分割アンサンブルを第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブルと追加アンサンブルと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離するための手段は、
・o第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブル、
o分割アンサンブルのM4’>1金属フィラメント状要素で構成された層に由来する一時的コアの周りに螺旋に巻かれたM5’≧1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む導出アンサンブル、
に分割アンサンブルを分離するための手段、
・o追加アンサンブル、
o一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コア、
に導出アンサンブルを分離するための手段、
を含む。
【0231】
この第3の変形では、分割アンサンブルを主アンサンブルと導出アンサンブルに分離するための手段は、導出アンサンブルを追加アンサンブルと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離するための手段の上流に配置される。
【0232】
有利なことに、この第3の変形では、分割アンサンブルを第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブルと導出アンサンブルとに分離するための手段は、
・第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブル、及び
・導出アンサンブル、
に分割アンサンブルを分割するための手段を含む。
【0233】
有利なことに、この第3の変形では、導出アンサンブルを追加アンサンブルと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアとに分離するための手段は、
・追加アンサンブル、及び
・一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コア、
に導出アンサンブルを分割するための手段を含む。
【0234】
第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コアとが同時に分離される第1の実施形態の第4の変形では、一時的アセンブリを少なくとも第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブルとに分離するための手段は、再組み立て手段の上流に:
・第1の分割アセンブリ、
・第2の分割アセンブリ、
・一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コア、及び
・一時的アセンブリのM’金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM4’≧1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む分割アンサンブル、
に一時的アセンブリを分割するための手段を含む。
【0235】
一時的コアが、第1及び第2の分割アセンブリを各々が有する2つの部品に分離される第1の実施形態の構成では、一時的アセンブリを少なくとも第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブルとに分離するための手段は、再組み立て手段の上流に:
・o一時的アセンブリのM’金属フィラメント状要素で構成された層に由来する一時的コアの第1の部品の周りに螺旋に巻かれたM6’>1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む第1の分割アセンブリ、及び
o一時的アセンブリのM’金属フィラメント状要素で構成された層に由来する一時的コアの第2の部品の周りに螺旋に巻かれたM7’>1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む第2の分割アセンブリであって、一時的アセンブリを分離するための手段の上流で一時的コアの第1の部品及び一時的コアの第2の部品が一時的コアを構成する前記第1の分割アセンブリ及び第2の分割アセンブリ、
に一時的アセンブリを分離するための手段、
・o第1の分割アセンブリ、及び
o一時的コアの第1の部品又は一時的コアの第1の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品、
に第1の分割アセンブリを分離するための手段、
・o第2の分割アセンブリ、及び
o一時的コアの第2の部品又は一時的コアの第2の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第2の部品、
に第2の分割アセンブリを分離するための手段、
を含む。
【0236】
第1の実施形態のこの構成では、一時的アセンブリを第1の分割アンサンブルと第2の分割アンサンブルに分離するための手段は、第1の分割アンサンブルを第1の分割アセンブリと一時的コアの第1の部品又は一時的コアの第1の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品とに分離するための手段の上流に配置される。
【0237】
第1の実施形態のこの構成では、一時的アセンブリを第1の分割アンサンブルと第2の分割アンサンブルに分離するための手段は、第2の分割アンサンブルを第2の分割アセンブリと一時的コアの第2の部品又は一時的コアの第2の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第2の部品とに分離するための手段の上流に配置される。
【0238】
有利なことに、第1の実施形態のこの構成では、一時的アセンブリを第1の分割アンサンブルと第2の分割アンサンブルに分離するための手段は、
・第1の分割アンサンブル、及び
・第2の分割アンサンブル、
に一時的アセンブリを分割するための手段を含む。
【0239】
有利なことに、第1の実施形態のこの構成では、第2の分割アンサンブルを第2の分割アセンブリと一時的コアの第2の部品又は一時的コアの第2の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第2の部品とに分離するための手段は、
・第2の分割アセンブリ、及び
・一時的コアの第2の部品又は一時的コアの第2の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第2の部品、
に第2の分割アンサンブルを分割するための手段を含む。
【0240】
有利なことに、一時的コアが、第1及び第2の分割アセンブリを各々が有する2つの部品に分離される第1の実施形態のこの構成では、第1の分割アンサンブルを第1の分割アセンブリと一時的コアの第1の部品又は一時的コアの第1の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品とに分離するための手段は、
・第1の分割アンサンブルのM6’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM3≧1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含み、第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブル、
・第1の分割アンサンブルのM6’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM3’≧1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む追加アンサンブル、及び
・一時的コアの第1の部品又は一時的コアの第1の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品、
に第1の分割アンサンブルを分離するための手段を含む。
【0241】
一時的コアが、第1及び第2の分割アセンブリを各々が有する2つの部品に分離される第1の実施形態のこの構成の第1の変形では、第1の分割アンサンブルを第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブルと追加アンサンブルと一時的コアの第1の部品又は一時的コアの第1の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品とに分離するための手段は、
・o第1の分割アンサンブルのM6’>1金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM1’’>1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む前駆アンサンブル、
o一時的コアの第1の部品又は一時的コアの第1の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品、
に第1の分割アンサンブルを分離するための手段、
・o第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブル、及び
o追加アンサンブル、
に前駆アンサンブルを分離するための手段、
を含む。
【0242】
第1の実施形態のこの構成のこの第1の変形では、第1の分割アンサンブルを前駆アンサンブルと一時的コアの第1の部品又は一時的コアの第1の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品とに分離するための手段は、前駆アンサンブルを第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブルと追加アンサンブルとに分離するための手段の上流に配置される。
【0243】
有利なことに、第1の実施形態のこの構成のこの第1の変形では、第1の分割アンサンブルを前駆アンサンブルと一時的コアの第1の部品又は一時的コアの第1の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品とに分離するための手段は、
・前駆アンサンブル、及び
・一時的コアの第1の部品又は一時的コアの第1の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品、
に第1の分割アンサンブルを分割するための手段を含む。
【0244】
有利なことに、第1の実施形態のこの構成のこの第1の変形では、前駆アンサンブルを第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブルと追加アンサンブルとに分離するための手段は、
・第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブル、及び
・追加アンサンブル、
に前駆アンサンブルを分割するための手段を含む。
【0245】
一時的コアが、第1及び第2の分割アセンブリを各々が有する2つの部品に分離される第1の実施形態のこの構成の第2の変形では、第1の分割アンサンブルを第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブルと追加アンサンブルと一時的コアの第1の部品又は一時的コアの第1の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品とに分離するための手段は、
・o第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブル、
o第1の分割アンサンブルのM6’>1金属フィラメント状要素で構成された層に由来する一時的コアの第1の部品の周りに螺旋に巻かれたM5’≧1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む導出アンサンブル、
に第1の分割アンサンブルを分離するための手段、
・o追加アンサンブル、
o一時的コアの第1の部品又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品、
に導出アンサンブルを分離するための手段、
を含む。
【0246】
第1の実施形態のこの構成のこの第2の変形では、第1の分割アンサンブルを主アンサンブルと導出アンサンブルに分離するための手段は、導出アンサンブルを追加アンサンブルと一時的コアの第1の部品又は一時的コアの第1の部品を含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品とに分離するための手段の上流に配置される。
【0247】
有利なことに、第1の実施形態のこの構成のこの第2の変形では、第1の分割アンサンブルを第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブルと導出アンサンブルとに分離するための手段は、
・第1の分割アセンブリを形成する主アンサンブル、及び
・導出アンサンブル、
に第1の分割アンサンブルを分割するための手段を含む。
【0248】
有利なことに、第1の実施形態のこの構成のこの第2の変形では、導出アンサンブルを追加アンサンブルと一時的コアの第1の部品又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品とに分離するための手段は、
・追加アンサンブル、及び
・一時的コアの第1の部品又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブル、好ましくは一時的コアの第1の部品、
に導出アンサンブルを分割するための手段を含む。
【0249】
一時的コアが2つの部品に分離される第1の実施形態の別の構成では、一時的アセンブリを少なくとも第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブルとに分離するための手段は、再組み立て手段の上流に:
・第1の分割アセンブリ、
・第2の分割アセンブリ、
・一時的コアの第1の部品と、
・一時的コアの第2の部品とであって、一時的アセンブリを分離する段階の前に一時的コアを構成する前記一時的コアの第1の部品及び一時的コアの第2の部品、
・一時的アセンブリのM’金属フィラメント状要素で構成された層から発生されたM4’≧1螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む分割アンサンブル、
に一時的アセンブリを分割するための手段を含む。
【0250】
M’金属フィラメント状要素の全体再組み立てのための第2の実施形態では、分離手段及び再組み立て手段は、M1’+M2’=M’であるように配置される。
【0251】
一時的コアが第1の分割アセンブリから分離される第2の実施形態の第1の変形では、一時的アセンブリを少なくとも第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブルとに分離するための手段は、再組み立て手段の上流に:
・o一時的アセンブリのM’>1金属フィラメント状要素で構成された層に由来する一時的コアの周りに螺旋に巻かれたM4’≧1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む分割アンサンブル、及び
o第2の分割アセンブリ、
に一時的アセンブリを分離するための手段、
・o第1の分割アセンブリ、及び
o一時的コア、
に分割アンサンブルを分離するための手段、
を含む。
【0252】
第2の実施形態のこの第1の変形では、一時的アセンブリを分割アンサンブルと第2の分割アセンブリに分離するための手段は、分割アンサンブルを第1の分割アセンブリと一時的コアとに分離するための手段の上流に配置される。
【0253】
有利なことに、第2の実施形態のこの第1の変形では、一時的アセンブリを分割アンサンブルと第2の分割アセンブリに分離するための手段は、一時的アセンブリを分割アンサンブルと第2の分割アセンブリに分割するための手段を含む。
【0254】
有利なことに、第2の実施形態のこの第1の変形では、分割アンサンブルを第1の分割アセンブリと一時的コアとに分離するための手段は、
・第1の分割アセンブリ、及び
・一時的コア、
に分割アンサンブルを分割するための手段を含む。
【0255】
一時的コアが第2の分割アセンブリから分離される第2の実施形態の第2の変形では、一時的アセンブリを少なくとも第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブルとに分離するための手段は、再組み立て手段の上流に:
・o一時的アセンブリのM’>1金属フィラメント状要素で構成された層に由来する一時的コアの周りに螺旋に巻かれたM4’>1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む分割アンサンブル、及び
o第1の分割アセンブリ、
に一時的アセンブリを分離するための手段、
・o第2の分割アセンブリ、及び
o一時的コア、
に分割アンサンブルを分離するための手段、
を含む。
【0256】
第2の実施形態のこの第2の変形では、一時的アセンブリを分割アンサンブルと第1の分割アセンブリに分離するための手段は、分割アンサンブルを第2の分割アセンブリと一時的コアに分離するための手段の上流に配置される。
【0257】
有利なことに、第2の実施形態のこの第2の変形では、一時的アセンブリを分割アンサンブルと第1の分割アセンブリに分離するための手段は、
・分割アンサンブル、及び
・第1の分割アセンブリ、
に一時的アセンブリを分割するための手段を含む。
【0258】
有利なことに、第2の実施形態のこの第2の変形では、分割アンサンブルを第2の分割アセンブリと一時的コアに分離するための手段は、
・第2の分割アセンブリ、及び
・一時的コア、
に分割アンサンブルを分割するための手段を含む。
【0259】
一時的コアが、第1及び第2の分割アセンブリを各々が有する2つの部品に分離される第2の実施形態の第3の変形では、一時的アセンブリを少なくとも第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブルとに分離するための手段は、再組み立て手段の上流に:
・o一時的アセンブリのM’金属フィラメント状要素で構成された層に由来する一時的コアの第1の部品の周りに螺旋に巻かれたM6’≧1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む第1の分割アセンブリ、及び
o一時的アセンブリのM’金属フィラメント状要素で構成された層に由来する一時的コアの第2の部品の周りに螺旋に巻かれたM7’>1金属フィラメント状要素で構成された少なくとも1つの層を含む第2の分割アセンブリであって、一時的アセンブリを分離するための手段の上流で一時的コアの第1の部品及び一時的コアの第2の部品が一時的コアの構成要素を構成する前記第1の分割アセンブリ及び第2の分割アセンブリ、
に一時的アセンブリを分離するための手段、
・o第1の分割アセンブリ、及び
o一時的コアの第1の部品、
に第1の分割アンサンブルを分離するための手段、
・o第2の分割アセンブリ、及び
o一時的コアの第2の部品、
に第2の分割アンサンブルを分離するための手段、
を含む。
【0260】
第2の実施形態のこの第3の変形では、一時的アセンブリを第1の分割アンサンブルと第2の分割アンサンブルに分離するための手段は、第1の分割アンサンブルを第1の分割アセンブリと一時的コアの第1の部品に分離するための手段の上流に配置される。
【0261】
第2の実施形態のこの構成では、一時的アセンブリを第1の分割アンサンブルと第2の分割アンサンブルに分離するための手段は、第2の分割アンサンブルを第2の分割アセンブリと一時的コアの第2の部品に分離するための手段の上流に配置される。
【0262】
有利なことに、第2の実施形態のこの第3の変形では、一時的アセンブリを第1の分割アンサンブルと第2の分割アンサンブルに分離するための手段は、一時的アセンブリを第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリとに分割するための手段を含む。
【0263】
有利なことに、第2の実施形態のこの第3の変形では、第1の分割アンサンブルを第1の分割アセンブリと一時的コアの第1の部品に分離するための手段は、
・第1の分割アセンブリ、及び
・一時的コアの第1の部品、
に第1の分割アセンブリを分割するための手段を含む。
【0264】
有利なことに、第2の実施形態のこの第3の変形では、第2の分割アンサンブルを第2の分割アセンブリと一時的コアの第2の部品に分離するための手段は、
・第2の分割アセンブリ、及び
・一時的コアの第2の部品、
に第2の分割アンサンブルを分割するための手段を含む。
【0265】
第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コアとが同時に分離される第2の実施形態の第4の変形では、一時的アセンブリを少なくとも第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブルとに分離するための手段は、再組み立て手段の上流に:
・第1の分割アセンブリ、
・第2の分割アセンブリ、及び
・一時的コア、
に一時的アセンブリを分割するための手段を含む。
【0266】
一時的コアが2つの部品に分離される第2の実施形態の第5の変形では、一時的アセンブリを少なくとも第1の分割アセンブリと第2の分割アセンブリと一時的コア又は一時的コアを含む1又は2以上のアンサンブルとに分離するための手段は、再組み立て手段の上流に:
・第1の分割アセンブリ、
・第2の分割アセンブリ、
・一時的コアの第1の部品と、
・一時的コアの第2の部品とであって、一時的アセンブリを分離する段階の前に一時的コアを構成する前記一時的コアの第1の部品及び一時的コアの第2の部品、
に一時的アセンブリを分割するための手段を含む。
【0267】
非常に好ましくは、一時的アセンブリを供給するための手段は、一時的コアの周りに螺旋に巻かれたM’>1金属フィラメント状要素を捻転によって組み立てるための手段を含む。
【0268】
有利なことに、一時的アセンブリを供給するための手段は、一時的アセンブリを捻転均衡させるための手段を含む。
【0269】
一時的アセンブリを第1及び第2の分割アセンブリものよりも多く、例えば、3又は更に4の分割アセンブリに分離する段階、それぞれ分離するための手段を想定することも可能である。これらの実施形態では、再組み立て段階、それぞれ再組み立て手段は、第1及び第2の分割アセンブリよりも多く、例えば、3又は更に4の分割アセンブリの再組み立てを可能にすることができる。
【0270】
本発明の他の主題
【0271】
本発明の更に別の主題は、そのようなコードが埋め込まれたエラストマー母材を含む半仕上げ製品又は物品を補強するためのコードの使用である。
【0272】
そのような半仕上げ製品又は物品は、未硬化状態(すなわち、架橋又は加硫の前)と硬化状態(架橋又は加硫の後)の両方のパイプ、ベルト、コンベヤベルト、トラック、車両のためのタイヤである。好ましい実施形態では、そのような半仕上げ製品又は物品は、プライの形態を取る。
【0273】
本発明の更に別の主題は、上記で定めた少なくとも1つのコードが埋め込まれたエラストマー母材を含む半仕上げ製品又は物品である。
【0274】
本発明の更に別の主題は、上記で定めたコードを含むタイヤを補強するためのコードの使用である。
【0275】
最後に、本発明の別の主題は、エラストマー母材に埋め込まれた上記で定めたコードを含むタイヤ、言い換えれば、上記で定めたコードをエラストマー母材内に埋め込むことによって得られた補強フィラメント状要素を含むタイヤである。タイヤは、大気圧よりも高い圧力まで加圧することができるキャビティを支持要素、例えば、リムと協働することによって形成することを目的とするケーシングを意味すると理解される。本発明によるタイヤは、実質的にドーナツ形状の構造を有する。
【0276】
本発明によるタイヤ内では、コードは、エラストマー母材に埋め込まれる。従って、タイヤ内では、コードは、エラストマー組成物に基づくかつ充填を受けるコードの内部エンクロージャに存在する内部エンクロージャのための充填材料を含む。充填材料は、この場合に、コードが埋め込まれるエラストマー母材が基づくものと同じエラストマー組成物に基づいている。
【0277】
特性D、Df、Dv、Rf、及びα、並びに上述した他の特性の値は、タイヤから抽出されたプライ及びコードに対して測定され、又はこれらから決定される。上述したコードの特性は、タイヤを製造する方法の完了時に成形段階を所与としてタイヤが上述した利点を有することになることを保証する。
【0278】
エラストマー母材は、エラストマー組成物の架橋からもたらされるエラストマー挙動を有する母材を意味する。従って、エラストマー母材は、エラストマー組成物に基づいている。エラストマー母材と全く同様に、充填材料もエラストマー組成物に基づいており、この場合はコードが埋め込まれる母材と同じ組成物に基づいている。
【0279】
「基づいている」という表現は、組成物が、使用される様々な成分の化合物及び/又は原位置反応生成物を含み、これらの成分のうちの一部が組成物の製造の様々なフェーズ中に互いに少なくとも部分的に反応することができ、又は反応することが意図され、従って、組成物が完全又は部分的に架橋状態にあるか又は未架橋状態にあることが可能であることを意味するものと理解しなければならない。
【0280】
エラストマー組成物は、この組成物が少なくとも1つのエラストマーと少なくとも1つの他の成分とを含むことを意味するものと理解される。好ましくは、少なくとも1つのエラストマーと少なくとも1つの他の成分とを含む組成物は、エラストマーと、架橋系と、充填剤とを含む。上述のプライに使用される組成物は、フィラメント状補強要素のスキムコーティングのための従来の組成物であり、ジエンエラストマー、例えば、天然ゴム、補強充填剤、例えば、カーボンブラック及び/又はシリカ、架橋系、例えば、好ましくは、硫黄、ステアリン酸、及び酸化亜鉛、任意的に加硫促進剤及び/又は加硫遅延剤、及び/又は様々な添加剤を含む加硫系を含む。フィラメント状補強要素とこれらの要素が埋め込まれた母材との間の接着は、例えば、通常の接着剤組成物、例えば、RFLタイプ接着剤又は同等の接着剤によって保証される。
【0281】
破断力の15%に等しい力に対するプライの正割引張弾性率は、MA15と表示され、daN/mmで表される。弾性率MA15は、2014年の規格ASTM D2969-04をプライのコードに適用することによって得られた力伸長曲線に基づいている。コードの正割引張弾性率は、点(0,0)と破断力の15%に等しい縦座標値を有する曲線の点との間に引かれた直線の勾配を決定することによって計算される。弾性率MA15は、コードの正割引張弾性率にプライ1mm当たりのコードの密度を乗じることによって決定される。プライ内のフィラメント状補強要素の密度dは、フィラメント状補強要素がプライ内を延びる方向に対して垂直な方向にプライに存在するフィラメント状補強要素の数であることを想起されるであろう。密度dは、補強要素がプライ内を延びる方向に対して垂直な方向に連続する2つのフィラメント状補強要素の間の軸線間距離に等しいmmでの敷設ピッチpから決定することができる。dとpの間の関係は、d=100/pである。
【0282】
コードの破断力は、2014年の規格ASTM D2969-04に従って測定される。プライの破断力は、2014年の規格ASTM D2969-04をプライのコードに適用することによって得られた力伸長曲線に基づいて計算される。プライの破断力は、コードの破断力にプライの単位幅当たりの上記に定めたコード密度を乗じることによって決定される。
【0283】
下記で説明する任意的特性は、組合せが技術的に適合する限り互いに組み合わせることができると考えられる。
【0284】
本発明のタイヤは、乗用自動車(特に四輪駆動車及びSUV(スポーツ用多目的車)を含む)のためのものとすることができるが、自動二輪車のような二輪車のためのもの又は有蓋貨車、大型車、すなわち、軽鉄道車両、バス、大型道路搬送車両(ローリー、トラクタ、トレーラ)から選択される産業車両のためのものとすることができる。非常に好ましくは、本発明のタイヤは、乗用車を意図している。
【0285】
有利なことに、タイヤは、トレッドとクラウン補強材とを含むクラウンと、2つの側壁と、2つのビードとを含み、各側壁は、各ビードをクラウンに接続され、クラウン補強材は、クラウン内でタイヤの円周方向に延び、タイヤは、ビードの各々内に固定されて側壁及びクラウン内を延びるカーカス補強材を含み、クラウン補強材は、半径方向にカーカス補強材とトレッドの間に挟まれ、クラウン補強材は、上記で定めたコードをエラストマー母材内に埋め込むことによって得られたフィラメント状補強要素を含む。
【0286】
好ましくは、クラウン補強材は、少なくとも1つのフーピングプライ、好ましくは、単一フーピングプライを含むフープ補強材を含む。フープ補強材は、好ましくは、フーピングプライによって形成される。この実施形態は、乗用車と、二輪車と、有蓋貨車、大型車、例えば、軽鉄道車両、バス、大型道路搬送車両(ローリー、トラクタ、トレーラ)から選択される産業車両とのためのタイヤ、好ましくは、乗用車のためのタイヤに特に適している。
【0287】
好ましくは、クラウン補強材は、少なくとも1つの作動プライを含む作動補強材を含む。
【0288】
一実施形態では、フープ補強材は、半径方向に作動補強材とトレッドの間に挟まれる。従って、金属コードの使用により、フープ補強材は、そのフーピング機能に加えて繊維フーピングフィラメント状補強要素を含むフープ補強材よりもかなり有効である穿刺及び衝撃に対する保護機能を有する。
【0289】
有利なことに、フーピングプライは、上記で定めたコードをエラストマー母材内に埋め込むことによって得られた少なくとも1つのフーピングフィラメント状補強要素を含む。
【0290】
コードは、その小さい直径により、フーピングプライの厚み、その重量、タイヤのヒステリシス、従って、タイヤの転がり抵抗を低減することを可能にする。特に、全ての他が等しい場合に、フーピングプライの厚みが大きいほど、そのヒステリシスは大きい。直径を低減することにより、プライの全厚が低減され、それに対して各コードの裏側に存在する厚みは維持され、それによって一方でトレッドとフーピングプライの間の分離厚、及び他方で半径方向にフーピングプライの内側にあるプライとフーピングプライ自体の間の分離厚を維持することを可能にする。更に、各コードの裏側の厚みを一定に保つことにより、フーピングプライを貫通する腐食剤の通過に対する耐性が保持され、それによって作動補強材を保護することを可能にし、この保護は、作動補強材が単一作動プライのみを備える時によりも一層重要である。
【0291】
更に、コードは、その優れた長手圧縮性により、タイヤに優れた圧縮耐久性を与えることを可能にし、この耐久性は、作動プライの排除の場合に、米国特許出願公開第2007/006957号明細書に説明されている従来技術のタイヤと比較してより一層有利である。更に、国際公開第2016/166056号に説明されている従来技術の繊維フーピングフィラメント状補強要素と比較して、フープ補強材は、金属フィラメント状要素の使用に起因してそれ程高価ではなく、熱的により安定しており、タイヤに機械的保護を与える。更に、金属フィラメント状要素の使用は、フープ補強材を製造し終わった後にそれをX線撮影によって検査することを容易にする。最後に、国際公開第2016/166056号に説明されている従来技術のコード3.26と比較して本発明によるタイヤコードは、優れた長手圧縮性を提示し、従って、かなり良好な圧縮耐久性を提供する。
【0292】
最後に、金属コードの使用により、フープ補強材は、そのフーピング機能に加えて、繊維フーピングフィラメント状補強要素を含むフープ補強材よりもかなり有効である穿刺及び衝撃に対する保護機能を有する。
【0293】
有利なことに、当該又は各フーピングフィラメント状補強要素は、タイヤの円周方向と厳密に10°よりも小さく、好ましくは、7°よりも小さいか又はそれに等しく、より好ましくは、5°よりも小さいか又はそれに等しい角度を成す。
【0294】
有利なことに、当該又は各作動プライは、複数の作動フィラメント状補強要素を含む。好ましくは、各作動フィラメント状補強要素は、金属フィラメント状要素である。
【0295】
好ましくは、各プライの作動フィラメント状補強要素は、互いに対して実質的に平行な方式で隣り合って配置される。より好ましくは、各作動フィラメント状補強要素は、タイヤの作動補強材の一方の軸端からタイヤの作動補強材の他方の軸端まで軸線方向に延びる。
【0296】
好ましくは、クラウン補強材は、少なくとも1つのカーカスプライ、より好ましくは、単一カーカスプライを含む。従って、より好ましくは、カーカス補強材は、カーカスプライの他には、フィラメント状補強要素によって補強されるいずれのプライも持たない。タイヤのカーカス補強材から除外されるそのような補強プライのフィラメント状補強要素は、金属フィラメント状補強要素及び繊維フィラメント状補強要素を含む。非常に好ましくは、カーカス補強材は、カーカスプライによって形成される。この実施形態は、乗用車と、二輪車と、有蓋貨車、大型車、例えば、軽鉄道車両、バス、大型道路搬送車両(ローリー、トラクタ、トレーラ)から選択される産業車両とのためのタイヤ、好ましくは、乗用車のためのタイヤに特に適している。
【0297】
有利なことに、カーカスプライは、カーカスフィラメント状補強要素を含む。
【0298】
好ましくは、各カーカスフィラメント状補強要素は、繊維フィラメント状要素である。定義により、繊維は、接着剤組成物に基づく1又は2以上のコーティング層で任意的に被覆された1又は2以上の基本繊維モノフィラメントによって形成された非金属フィラメント状要素を意味する。各基本繊維モノフィラメントは、例えば、溶融紡糸、溶液紡糸、又はゲル紡糸によって得られる。各基本繊維モノフィラメントは、有機材料、特にポリマー材料、又は無機材料、例えば、ガラス又は炭素から製造される。ポリマー材料は、熱可塑型のもの、例えば、脂肪族ポリアミド6,6、及びポリエステル、取りわけ、ポリエチレンテレフタレートとすることができる。ポリマー材料は、非熱可塑型のもの、例えば、芳香族ポリアミド、取りわけ、アラミド、及び天然又は人工のいずれかのセルロース、取りわけ、レーヨンとすることができる。
【0299】
好ましくは、各カーカスフィラメント状補強要素は、タイヤの一方のビードからタイヤの他方のビードまで軸線方向に延びる。
【0300】
有利なことに、少なくとも作動フィラメント状補強要素及びカーカスフィラメント状補強要素は、赤道円周平面上へのタイヤの半径方向の投影内に三角形メッシュを定めるように配置される。
【0301】
有利な実施形態では、クラウン補強材は、作動補強材とフープ補強材によって形成される。従って、クラウン補強材は、作動補強材及びフープ補強材の他には、互いに対して実質的に平行に配置されてゴム化合物の母材に埋め込まれたフィラメント状補強要素によって補強されるいずれのプライも持たない。タイヤのクラウン補強材から除外されるそのような補強プライのフィラメント状補強要素は、金属フィラメント状補強要素及び繊維フィラメント状補強要素を含む。
【0302】
プライは、一方で1又は2以上のフィラメント状補強要素と、他方で1又は2以上のフィラメント状補強要素がエラストマー母材に埋め込まれたエラストマー母材とのアセンブリを意味する。
【0303】
有利なことに、各プライのフィラメント状補強要素は、エラストマー母材に埋め込まれる。異なるプライは、同じエラストマー母材又は異なるエラストマー母材を含むことができる。
【0304】
説明するタイヤでは、クラウンは、トレッドとクラウン補強材を含む。トレッドは、
・半径方向外側に向けて地面と接触状態になることが意図された面により、かつ
・半径方向に内側に向けてクラウン補強材により、
区切られたポリマー材料、好ましくは、エラストマー材料のストリップであると理解される。
【0305】
ポリマー材料のストリップは、ポリマー材料、好ましくは、エラストマー材料のプライから構成されるか、又は各々がポリマー材料、好ましくは、エラストマー材料で構成されたいくつかのプライのスタックから構成される。
【0306】
非常に好ましくは、クラウン補強材は、単一フープ補強材と単一作動補強材とを含む。従って、クラウン補強材は、フープ補強材及び作動補強材の他には、補強要素によって補強されたいずれの補強材も持たない。タイヤのクラウン補強材から除外されるそのような補強材の補強要素は、フィラメント状補強要素、編物、又は織布を含む。従って、上述したように、非常に好ましくは、クラウン補強材は、フープ補強材と作動補強材とで構成される。
【0307】
非常に好ましい実施形態では、クラウンは、クラウン補強材の他には、補強要素によって補強されたいずれの補強材も持たない。タイヤのクラウンから除外されるそのような補強材の補強要素は、フィラメント状補強要素、編物、又は織布を含む。非常に好ましくは、クラウンは、トレッドとクラウン補強材とで構成される。
【0308】
非常に好ましい実施形態では、カーカス補強材は、半径方向にクラウン補強材と直接接触状態になるように配置され、クラウン補強材は、半径方向にトレッドと直接接触状態になるように配置される。この非常に好ましい実施形態では、作動補強材が単一作動プライを含む場合に、単一フーピングプライ及び単一作動プライは、半径方向に互いに直接接触状態になるように有利に配置される。
【0309】
半径方向に直接接触状態という表現は、互いに半径方向に直接接触しているこのような物体、この場合はプライ、補強材、又はトレッドが、半径方向に互いに直接接触しているこのような物体間に挟まれたいずれの物体、例えば、いずれのプライ、補強材、又はストリップによっても半径方向に分離されないことを意味する。
【0310】
本発明によるタイヤの第1の実施形態では、作動補強材は、2つの作動プライを含み、好ましくは、2つの作動プライで構成される。
【0311】
この第1の実施形態では、作動フィラメント状補強要素及びカーカスフィラメント状補強要素は、赤道円周平面上へのタイヤの半径方向の投影内に三角形メッシュを定めるように配置される。この第1の実施形態では、フーピングフィラメント状補強要素は、三角形メッシュを定めるのに必要である。
【0312】
有利なことに、この第1の実施形態では、各作動プライ内の各作動フィラメント状補強要素は、タイヤの円周方向と10°から40°の範囲、好ましくは、20°から30°の範囲の角度を成す。
【0313】
有利なことに、一方の作動プライ内で作動フィラメント状補強要素がタイヤの円周方向と成す角度の向きは、他方の作動プライ内で作動フィラメント状補強要素がタイヤの円周方向と成す角度の向きと反対である。言い換えれば、一方の作動プライ内の作動フィラメント状補強要素は、他方の作動プライ内の作動フィラメント状補強要素と交差する。
【0314】
有利なことに、各カーカスフィラメント状補強要素は、タイヤの子午面内で、言い換えれば、タイヤのクラウン内でタイヤの円周方向と80°よりも大きいか又はそれに等しい、好ましくは、80°から90°の範囲の角度を成す。
【0315】
有利なことに、各カーカスフィラメント状補強要素は、タイヤの赤道円周平面内で、言い換えれば、各側壁内でタイヤの円周方向と80°よりも大きいか又はそれに等しい、好ましくは、80°から90°の範囲の角度を成す。
【0316】
本発明の第2の実施形態では、作動補強材は、単一作動プライを含む。従って、作動補強材は、作動プライの他には、フィラメント状補強要素によって補強されるいずれのプライも持たない。タイヤの作動補強材から除外されるそのような補強プライのフィラメント状補強要素は、金属フィラメント状補強要素及び繊維フィラメント状補強要素を含む。
【0317】
作動補強材は、好ましくは、作動プライによって形成される。この実施形態は、当該又は各フーピングフィラメント状補強要素が上記で定めたコードによって形成される時に特に有利である。この場合に、上述したフープ補強材の機械強度及び耐久性特質は、作動補強材から作動プライを排除することを可能にする。有意に軽量のタイヤが得られる。
【0318】
この第2の実施形態では、1又は2以上のフーピングフィラメント状補強要素、作動フィラメント状補強要素、及びカーカスフィラメント状補強要素は、赤道円周平面上へのタイヤの半径方向の投影内に三角形メッシュを定めるように配置される。この第2の実施形態では、第1の実施形態とは異なり、フーピングフィラメント状補強要素は、三角形メッシュを定めるのに必要である。
【0319】
有利なことに、各カーカス補強フィラメント状要素は、タイヤの子午面内で、言い換えれば、タイヤのクラウン内でタイヤの円周方向と55°よりも大きいか又はそれに等しい、好ましくは、55°から80°の範囲、より好ましくは、60°から70°の範囲の角度AC1を成す。従って、カーカスフィラメント状補強要素は、円周方向と成す角度に起因してタイヤのクラウンでの三角形メッシュの形成に関与する。
【0320】
一実施形態では、各カーカスフィラメント状補強要素は、タイヤの赤道円周平面内で、言い換えれば、タイヤの各側壁内でタイヤの円周方向と85°よりも大きいか又はそれに等しい角度AC2を成す。カーカスフィラメント状補強要素は、各側壁内で実質的に半径方向にあり、すなわち、円周方向に対して実質的に垂直であり、半径方向タイヤの利点を保持することを可能にする。
【0321】
一実施形態では、各作動フィラメント状補強要素は、タイヤの子午面内でタイヤの円周方向と10°よりも大きいか又はそれに等しい、好ましくは、30°から50°の範囲、より好ましくは、35°から45°の範囲の角度ATを成す。従って、作動フィラメント状補強要素は、円周方向と成す角度に起因してタイヤのクラウンでの三角形メッシュの形成に関与する。
【0322】
可能な限り有効な三角形メッシュを形成するために、角度ATの向きと角度AC1の向きは、タイヤの円周方向に関して好ましくは反対である。
【0323】
本発明によるタイヤを製造する方法
【0324】
本発明によるタイヤは、下記で説明する方法を用いて製造される。
【0325】
最初に、各カーカスプライ、各作動プライ、及び各フーピングプライが製造される。各プライは、そのフィラメント状補強要素を未架橋エラストマー組成物内に埋め込むことによって製造される。
【0326】
次いで、カーカス補強材、作動補強材、フープ補強材、及びトレッドが、生形態のタイヤを形成するように配置される。
【0327】
次いで、生形態のタイヤは、それを少なくとも半径方向に拡大するように成形される。この段階は、生形態のタイヤの各プライを円周方向に伸ばす効果を有する。この段階は、当該又は各フーピングフィラメント状補強要素をタイヤの円周方向に伸ばす効果を有する。従って、当該又は各フーピングフィラメント状補強要素は、成形段階の前では成形段階の後とは異なる特性を有する。
【0328】
上述のように、上述した充填材料を持たないコードの特性は、タイヤを製造する方法の完了時に、成形段階を所与として、タイヤが上述した利点を有することになることを保証する。
【0329】
最後に、成形された生形態のタイヤの組成物は、各組成物が架橋状態を示し、かつ組成物に基づくエラストマー母材を形成するタイヤを取得するように、例えば、硬化又は加硫によって架橋される。
【0330】
本発明は、単に非限定例として提供して図面を参照する以下の説明を読むことによってより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0331】
図1】本発明の第1の実施形態によるタイヤの半径方向断面図である。
図2】赤道円周平面Eの上へのフーピングフィラメント状補強要素、作動フィラメント状補強要素、及びカーカスフィラメント状補強要素の投影を示す図1のタイヤの切り欠き図である。
図3】子午面Mの上への投影での図1のタイヤの側壁に配置されたカーカスフィラメント状補強要素の図である。
図4】本発明の第1の実施形態によるコード(直線で静止状態にあると仮定)のその軸線に対して垂直な横断面図である。
図5図4のコードの応力-伸長曲線を示す図である。
図6】架橋された標準エラストマー母材に埋め込まれた図4のコードの応力-伸長曲線を示す図である。
図7図4のコードを製造するための設備及び方法を示す図である。
図8図4のコードを製造するための設備及び方法を示す図である。
図9図4のコードを製造するための設備及び方法を示す図である。
図10図4のコードを製造するための設備及び方法を示す図である。
図11図4のコードを製造するための設備及び方法を示す図である。
図12図4のコードを製造するための設備及び方法を示す図である。
図13図4のコードを製造するための設備及び方法を示す図である。
図14図4のコードを製造するための設備及び方法を示す図である。
図15】第2の実施形態によるコードの図4と類似の図である。
図16】第2の実施形態によるコードの図5及び図6のものと類似の曲線を示す図である。
図17】第2の実施形態によるコードの図5及び図6のものと類似の曲線を示す図である。
図18】本発明の第2の実施形態によるタイヤの図1のものと類似の図である。
図19】本発明の第2の実施形態による図18のタイヤの図2及び図3のものと類似の図である。
図20】本発明の第2の実施形態による図18のタイヤの図2及び図3のものと類似の図である。
【発明を実施するための形態】
【0332】
本発明の第1の実施形態によるタイヤ
【0333】
図1及び図2は、タイヤの通常の軸線方向(X)、半径方向(Y)、及び円周方向(Z)にそれぞれ対応する座標系X、Y、Zを示している。
【0334】
図1は、全体参照子10で表示する本発明によるタイヤの半径方向断面図を示している。タイヤ10は、軸線方向Xに対して実質的に平行な軸線の周りの回転を実質的に提供する。タイヤ10は、この場合は乗用車向けのものである。
【0335】
図1及び図2を参照すると、タイヤ10は、それぞれ作動フィラメント状補強要素46、47を含む2つの作動プライ16、18を含む作動補強材15と、少なくとも1つのフーピングフィラメント状補強要素48を含む単一フーピングプライ19を含むフープ補強材17とを含むクラウン補強材14を含むクラウン12を有する。クラウン補強材14は、この場合は作動補強材15とフープ補強材17で構成される。クラウン補強材14は、クラウン12内でタイヤ10の円周方向Zに延びる。クラウン12は、クラウン補強材14の半径方向外側に配置されたトレッド20を含む。この場合に、クラウン12は、トレッド20とクラウン補強材14で構成される。この場合に、フープ補強材17、この場合はフーピングプライ19は、半径方向に作動補強材15とトレッド20の間に挟まる。この場合に、作動補強材15は、2つの作動プライ16、18のみを含み、フープ補強材17は、単一フーピングプライ19を含む。この場合に、作動補強材15は、2つの作動プライ16、18を含み、フープ補強材17は、フーピングプライ19で構成される。クラウン補強材14は、作動補強材15とフープ補強材17で構成される。クラウン12は、この場合はトレッド20とクラウン補強材14で構成される。
【0336】
タイヤ10は、クラウン12を半径方向内側に向けて延ばす2つの側壁22を更に含む。タイヤ10はまた、側壁22の半径方向内側にある2つのビード24を有し、その各々は、環状補強構造体26、この場合は充填ゴム30の塊がその上に載ったビードワイヤ28を有するビード24と、同じく半径方向カーカス補強材32とを有する。各側壁22は、各ビード24をクラウン12に接続する。
【0337】
カーカス補強材32は、複数のカーカスフィラメント状補強要素44を含むカーカスプライ34を有し、カーカスプライ34は、ビードからクラウン12に向けて側壁を通って延びる主ストランド38と、環状補強構造体26の半径方向外側にある半径方向外端42を有する折り返しストランド40とを各ビード24内に形成するようなビードワイヤ28の周りの折り返しによってビード24の各々に係止される。従って、カーカス補強材32は、ビード24から側壁22内でそれを通って延び、クラウン12の中に延びる。カーカス補強材32は、クラウン補強材14及びフープ補強材17の半径方向内側に配置される。従って、クラウン補強材14は、半径方向にカーカス補強材32とトレッド20の間に挟まる。カーカス補強材32は、単一カーカスプライ34を含む。この場合に、カーカス補強材32は、カーカスプライ34によって形成される。カーカス補強材32は、半径方向にクラウン補強材14との直接接触状態になるように配置され、クラウン補強材14は、半径方向にトレッド20との直接接触状態になるように配置される。
【0338】
タイヤ10は、側壁22の軸線方向内側かつクラウン補強材14の半径方向内側に置かれて2つのビード24の間を延びる好ましくはブチルで製造された気密内部層を更に含む。
【0339】
各作動プライ16、18、フーピングプライ19、及びカーカスプライ34は、対応するプライの補強要素が埋め込まれたエラストマー母材を含む。作動プライ16、18、フーピングプライ19、及びカーカスプライ34の各エラストマー母材は、従来から、ジエンエラストマー、例えば、天然ゴム、補強充填剤、例えば、カーボンブラック及び/又はシリカ、架橋系、例えば、好ましくは、硫黄、ステアリン酸、及び酸化亜鉛、潜在的に加硫促進剤及び/又は加硫遅延剤、及び/又は様々な添加剤を含む加硫系を含む補強要素のスキムコーティングのための従来のエラストマー組成物に基づいている。
【0340】
図2及び図3を参照すると、各カーカスフィラメント状補強要素44は、タイヤ10の一方のビード24から他方のビード24まで軸線方向に延びる。各カーカスフィラメント状補強要素44は、タイヤ10の子午面M内及び赤道円周平面E内で、言い換えれば、クラウン12及び各側壁22内でタイヤ10の円周方向Zと80°よりも大きいか又はそれに等しい、好ましくは、80°から90°の範囲の角度ACを成す。
【0341】
図2を参照すると、各作動プライ16、18の作動フィラメント状補強要素46、47は、互いに対して実質的に平行方式で隣り合って配置される。各作動フィラメント状補強要素46、47は、タイヤ10の作動補強材15の一方の軸端から他方の軸端まで軸線方向に延びる。各作動フィラメント状補強要素46、48は、子午面M内でタイヤ10の円周方向Zと10°から40°、好ましくは、20°から30°の範囲、この場合は26°に等しい角度を成す。作動プライ16内で作動フィラメント状補強要素46とタイヤ10の円周方向Zとが成す角度Sの向きは、他方の作動プライ18内で作動フィラメント状補強要素47とタイヤ10の円周方向Zとが成す角度Qの向きと反対である。言い換えれば、一方の作動プライ16内の作動フィラメント状補強要素46に他方の作動プライ18内の作動フィラメント状補強要素47が交差する。
【0342】
図2を参照すると、単一フーピングプライ19は、そのエラストマー組成物に基づくエラストマー母材内に図4に例示して下記でより詳細に説明するようにコード50を埋め込むことによって得られたフーピングフィラメント状補強要素48を少なくとも含む。フーピングプライ19の母材に埋め込まれた状態で、タイヤ10内のコード50は、フーピングプライ19のエラストマー組成物に基づく内部エンクロージャ58のための充填材料を含み、この充填材料53は、コード50のこの内部エンクロージャ58に置かれる。この事例では、フーピングプライ19は、タイヤ10のクラウン12の軸線方向幅LFにわたって連続的に巻かれた単一フーピングフィラメント状補強要素48を含む。有利なことに、軸線方向幅LFは、作動プライ18の幅LTよりも小さい。フーピングフィラメント状補強要素48は、タイヤ10の円周方向Zと厳密に10°よりも小さく、好ましくは、7°よりも小さいか又はそれに等しい、より好ましくは、5°よりも小さいか又はそれに等しい角度AFを成す。この事例では、この角度は、この場合は5°に等しい。
【0343】
カーカスフィラメント状補強要素44及び作動フィラメント状補強要素46、47は、赤道円周平面Eの上へのタイヤの半径方向の投影内に三角形メッシュを定めるようにクラウン12に配置される。
【0344】
各カーカスフィラメント状補強要素44は、繊維フィラメント状要素であり、従来から2つのマルチフィラメントストランドを含み、各マルチフィラメントストランドは、ポリエステル、この場合はPETのモノフィラメントの紡績スレッドを含み、これら2つのマルチフィラメントストランドは、個々に240巻回.m-1で一方向に過剰捻転され、次いで、240巻回.m-1で反対方向に一緒に捻転される。これら2つのマルチフィラメントストランドは、互いの周りに螺旋に巻かれる。これらのマルチフィラメントストランドの各々は、220テクスに等しい番手を有する。
【0345】
各作動フィラメント状補強要素46、47は、金属フィラメント状要素であり、かつこの場合に各々が0.30mmに等しい直径を有する2つの鋼鉄モノフィラメントのアセンブリであり、これら2つの鋼鉄モノフィラメントは、14mmのピッチで互いに巻かれている。
【0346】
本発明の第1の実施形態によるコード
【0347】
図4を参照すると、本発明による各コード50は、螺旋巻き金属フィラメント状要素54の単層52を含む。この事例では、コード50は、単層52で構成され、言い換えれば、コード50は、層52のもの以外のいずれの他の金属フィラメント状要素も含まない。層52は、N螺旋巻き金属フィラメント状要素を含み、Nは、3から18、好ましくは、5から12、より好ましくは、6から9の範囲であり、この場合はN=9である。コード50は、それがその最大長さに沿って延びる方向に対して実質的に平行に延びる主軸線Aを有する。層52の各金属フィラメント状要素54は、コード50が実質的に直線の方向に延びる時に、この実質的に直線の方向に対して実質的に平行な主軸線Aに対して実質的に垂直な断面平面内で層52の各金属フィラメント状要素54の中心と主軸線Aの間の距離が層52の全ての金属フィラメント状要素54に関して実質的に一定で等しいような螺旋経路を主軸線Aの周りに示す。層52の各金属フィラメント状要素54の中心と主軸線Aの間のこの一定の距離は、螺旋直径Dhの半分に等しい。
【0348】
図示の実施形態では、各金属フィラメント状要素54は単一金属モノフィラメント56を含む。各金属フィラメント状要素54は、銅、亜鉛、錫、コバルト、又はこれらの金属の合金、この場合は黄銅を含む金属コーティングの層(図示せず)を更に含む。各金属モノフィラメント56は炭素鋼で製造され、この場合は3200MPaに等しい引張強度を有する。
【0349】
各金属フィラメント状要素54の直径Dfは、0.10≦Df≦0.50mm、好ましくは、0.15mm≦Df≦0.50mm、より好ましくは、0.15mm≦Df≦0.45mmであるようなものであり、この第1の実施形態では0.15mm≦Df≦0.35mmであるようなものである。この事例では、全ての金属フィラメント状要素54に関してDf=0.20mmである。各金属フィラメント状要素54には事前形成痕がない。
【0350】
コード50は、D≦2.10mm、好ましくは、0.90mm≦D≦2.10mm、より好ましくは、0.95mm≦D≦2.05mmであるような直径Dを有し、この第1の実施形態では0.95mm≦D≦1.20mmであるような直径Dを有する。この事例ではD=1.04mmである。
【0351】
有利なことに、各金属フィラメント状要素54は、3mm≦P≦15mm、好ましくは、5mm≦P≦13mm、より好ましくは、7mm≦P≦11mmであり、この第1の実施形態では7mm≦P≦8.5mmであるようなピッチPで巻かれる。この事例ではP=7.8mmである。
【0352】
P及びDfがミリメートルで表される時に、各金属フィラメント状要素の直径Dfに対するピッチPの比Kは、19≦K≦44、好ましくは、20≦K≦40、より好ましくは、23≦K≦39であるようなものであり、この第1の実施形態では23≦K≦40、好ましくは、25≦K≦39であるようなものである。この事例ではK=39である。
【0353】
第1の実施形態によるコード50は、As≧1.5%、好ましくは、1.5%≦As≦5.0%、より好ましくは、1.9%≦As≦4.5%であるような構造的伸長As、この場合は2.2%に等しい構造的伸長Asを有する。上述のように、値Asは、2014年の規格ASTM D2969-04を適用してコード50の力-伸長曲線をプロットすることによって決定される。得られた曲線を図5に示している。構造的伸長Asは、力-伸長曲線の構造部分に対する接線と力-伸長曲線の弾性部分に対する接線との間の交点の伸長軸線上への投影を決定することによって決定される。
【0354】
各金属フィラメント状要素の螺旋角度αは、13°≦α≦30°、好ましくは、17°≦α≦26°であるようなものであり、この第1の実施形態では13°≦α≦19.5°、好ましくは、17°≦α≦19.5°であるようなものである。この事例では、上述のように、コード50の特徴に関してα(1)=17.76°、α(2)=18.23°、及びα(3)=α=18.26°である。
【0355】
各金属フィラメント状要素54は、4.10mm≦Rf≦5.30mmであり、この第1の実施形態では4.10mm≦Rf≦4.25mmであるような螺旋曲率半径Rfを有する。曲率半径Rfは、Rf=P/(π×Sin(2α))という関係を用いて計算される。この場合に、P=7.8mm及びα=18.26°であるので、Rf=4.18mmである。
【0356】
各金属フィラメント状要素の螺旋直径Dhは、0.70mm≦Dh≦1.60mm、好ましくは、0.75mm≦Dh≦1.60mm、より好ましくは、0.80mm≦Dh≦1.60mmであるようなものであり、第1の実施形態では0.70mm≦Dh≦0.90mm、好ましくは、0.75mm≦Dh≦0.90mm、より好ましくは、0.80mm≦Dh≦0.90mmであるようなものである。螺旋直径Dhは、Dh=P×Tan(α)/πという関係を用いて計算される。この場合はP=7.8mm及びα=18.26°であるので、Dh=0.82mmである。
【0357】
金属フィラメント状要素54は、コード50の直径Dvの内部エンクロージャ58を定める。エンクロージャ直径Dvは、Dfが各金属フィラメント状要素の直径であり、Dhが螺旋直径である時にDv=Dh-Dfという関係を用いて計算される。有利なことに、Dvは、Dv≧0.50mm、好ましくは、0.50mm≦Dv≦1.20mmであり、第1の実施形態では0.50mm≦Dv≦0.70mm、好ましくは、0.50mm≦Dv≦0.65mmであるようなものである。この場合はDh=0.82mm及びDf=0.20mmであるので、Dv=0.62mmである。
【0358】
本発明により、9≦Rf/Df≦30、好ましくは、9≦Rf/Df≦25、より好ましくは、9≦Rf/Df≦22であり、第1の実施形態では12≦Rf/Df≦30、好ましくは、12≦Rf/Df≦25、より好ましくは、12≦Rf/Df≦22である。この場合はRf/Df=20.7である。本発明により、1.60≦Dv/Df≦3.20、好ましくは、1.70≦Dv/Df≦3.20であり、この場合はDv/Df=3.10である。
【0359】
同じく、Jr=N/(π*(D-Df))×(Dh×Sin(π/N)-(Df/Cos(α×π/180)))である時に、0.10≦Jr≦0.25、好ましくは、0.14≦Jr≦0.25であり、この場合はJr=0.24である。
【0360】
コード50は、15GPaよりも小さいか又はそれに等しい、好ましくは、2GPaから15GPa、この場合は5GPaに等しい構造部分の伸張弾性率を有する。更に、コード50は、50GPaよりも大きいか又はそれに等しい、好ましくは、50GPaから180GPaの範囲の構造部分の伸張弾性率を有する。第1の実施形態では、弾性部分の伸張弾性率は、130から180GPaであり、この場合は160GPaに等しい。
【0361】
図6を参照すると、上述したようにかつ5MPaから10MPaの範囲の10%伸長時の伸張弾性率を有する架橋された標準エラストマー母材に埋め込まれたコード50の弾性率は、100GPaよりも大きいか又はそれに等しい、好ましくは、100GPaから180GPa、より好ましくは、110GPaから180GPa、この場合は145GPaに等しい伸張弾性率を有する。
【0362】
第1の実施形態によるタイヤを製造する方法
【0363】
タイヤ10は、下記で説明する方法を用いて製造される。
【0364】
最初に、各プライのフィラメント状補強要素を互いに平行に配置し、これらのフィラメント状補強要素を少なくともエラストマーを含み、架橋後にエラストマー母材を形成することが意図された未架橋組成物内に例えばスキムコーティングによって埋め込むことにより、作動プライ18及びカーカスプライ34が製造される。プライのフィラメント状補強要素が互いに平行であり、かつプライの主方向と平行である直線プライとして公知のプライが得られる。次いで、必要に応じて、各直線プライの各部分がある切断角度で切断され、プライの複数のフィラメント状補強要素が互いに平行であり、プライの主方向と切断角度に等しい角度を形成する傾斜プライとして公知のプライが得られるようにこれらの部分が互いに対して当接される。
【0365】
次いで、フープ補強材17、この場合はフーピングプライ19が作動補強材15の半径方向外側に配置される組み立て方法が実施される。この事例では、第1の変形では、LFよりもかなり小さい幅Bを有するストリップが製造され、この製造では、コード50によって形成されたフーピングフィラメント状補強要素48がこのストリップの未架橋エラストマー組成物に基づくエラストマー母材に埋め込まれ、ストリップは、軸線方向幅LFが得られるように数回にわたって螺旋に巻かれる。第2の変形では、幅LFを有するフーピングプライ19が、カーカスプライ及び作動プライと類似の方式で製造され、作動補強材15の上で1巻回巻かれる。第3の変形では、コード50によって形成されたフーピングフィラメント状補強要素48は、作動プライ18の半径方向外側に巻かれ、次いで、その上にフーピングプライ19の未架橋エラストマー組成物に基づく層が堆積され、この層内に、コード50によって形成されたフーピングフィラメント状補強要素48がタイヤの硬化中に埋め込まれることになる。これら3つの変形では、タイヤを製造する方法の終了時にコード50によって形成されたフーピングフィラメント状補強要素48を含むフーピングプライ19を形成するために、コード50によって形成された結合補強要素48が組成物に埋め込まれる。
【0366】
次に、カーカス補強材、作動補強材、フープ補強材、及びトレッドが、エラストマー母材の組成物が依然として架橋されておらず、未硬化状態にある生形態のタイヤを形成するように配置される。
【0367】
次いで、生形態のタイヤは、それを少なくとも半径方向に拡大するように成形される。最後に、各組成物が架橋状態を示して当該組成物に基づくエラストマー母材を形成するタイヤを取得するために、成形された生形態のタイヤの組成物は、例えば、硬化又は加硫によって架橋される。
【0368】
第1の実施形態によるコードを製造するための設備及び方法
【0369】
図7は、コード50製造するための設備を示している。この設備を全体参照子100で表示している。
【0370】
設備100は、最初に、一時的コア160の周りに螺旋に巻かれたM’>1金属フィラメント状要素54で構成された少なくとも1つの層130を含んでこの場合はそれで構成される一時的アセンブリ220を供給するための手段110を含む。図9に示す一時的アセンブリ220は、M’金属フィラメント状要素54で構成された層130と、これらM’金属フィラメント状要素54が周囲に螺旋に巻かれた一時的コア160とを含む。この場合に、一時的アセンブリ220は、M’=7金属フィラメント状要素54で構成された層130と、これらM’金属フィラメント状要素54が周囲に螺旋に巻かれた一時的コア160とで構成される。一時的コアは、この場合は繊維フィラメント状要素、より具体的には334テックスの番手と約0.60mmに等しい直径とを有するポリエステル繊維マルチフィラメントストランドである。
【0371】
供給手段110は、M’金属フィラメント状要素54と一時的コア160とを連続的に導入するための手段120を含む。更に、供給手段110は、一時的アセンブリ220を形成するように一時的コア160の周りのM’金属フィラメント状要素54の層130内でこれらM’金属フィラメント状要素54を捻転することによって組み立てるための手段180を含む。更に、供給手段110は、一時的アセンブリ220を捻転均衡させるための手段200を含む。手段200を出る時に、一時的アセンブリ220の各金属フィラメント状要素54は、この場合は5mmの一時的ピッチで組み立てられる。一時的アセンブリ220の各金属フィラメント状要素54の一時的螺旋直径は、この場合は0.80mmに実質的に等しい。
【0372】
金属フィラメント状要素の進行方向に鑑みて供給手段110の下流で、設備100は、一時的アセンブリ220を第1の分割アセンブリ250と、第2の分割アセンブリ270と、一時的コア160又はそれを含む1又は2以上のアンサンブル、この場合は一時的コア160とに分離するための手段240を含む。
【0373】
図10に示す第1の分割アセンブリ250は、M1’≧1螺旋巻き金属フィラメント状要素54で構成された層260で構成される。この場合に、M1’=4である。M1’金属フィラメント状要素は、一時的アセンブリ220の層130に由来する。
【0374】
図12に示す第2の分割アセンブリ270は、M2’>1螺旋巻き金属フィラメント状要素54で構成された層330’で構成される。この場合に、M2’=5である。M2’金属フィラメント状要素は、一時的アセンブリ220の層130に由来する。
【0375】
供給手段110の下流で、一時的アセンブリ220を第1の分割アセンブリ250と第2の分割アセンブリ270と一時的コア160とに分離するための手段240は、一時的アセンブリ220を第1の分割アセンブリ250と、一時的コア160の周りに螺旋に巻かれて装一時的アセンブリ220のM’>1金属フィラメント状要素54で構成された層52に由来するM4’=3金属フィラメント状要素54で構成された少なくとも1つの層330’を含む分割アンサンブル330とに分離するための手段720を含む。従って、分割アンサンブル330は、層330’と、M4’金属フィラメント状要素540が周囲に螺旋に巻かれた一時的コア160とを含む。この場合に、分割アンサンブル330は、層330’と、M’4金属フィラメント状要素54が周囲に螺旋に巻かれた一時的コア160とで構成される。この場合に、分離手段720は、一時的アセンブリ220を第1の分割アセンブリ250と分割アンサンブル330とに分割するための手段720’を含む。
【0376】
一時的アセンブリ220を第1の分割アセンブリ250と第2の分割アセンブリ270と一時的コア160とに分離するための手段240は、分割アンサンブル330を第2の分割アセンブリ270と一時的コア160とに分離するための手段740を含む。この場合に、分離手段740は、分割アンサンブル330を第2の分割アセンブリ270と一時的コア160とに分割するための手段740’を含む。
【0377】
この実施形態では、分離手段720は、分離手段740の上流に配置される。
【0378】
分離手段240の下流で、設備100は、N螺旋巻き金属フィラメント状要素54で構成された層52を形成するために第1の分割アセンブリ250を第2の分割アセンブリ270と共に再組み立てするための手段370を含む。分離手段240及び再組み立て手段370は、M1’+M2’=M’であるように配置される。この特定の事例では、捻転段階に応答した各金属フィラメント状要素54の弾性スプリングバックに起因して、一時的アセンブリ220の各金属フィラメント状要素54のピッチは、5mmに等しい一時的ピッチから、この場合は7.8mmに等しいピッチPに変化する。望ましいピッチPを取得するためにどれほどの一時的ピッチが適用されるかを決定する方法は当業者に既知である。
【0379】
コード50内の各金属フィラメント状要素54の螺旋直径Dhは、この場合は弾性スプリングバックに起因して一時的アセンブリ220内の各フィラメント状要素54の一時的螺旋直径よりも実質的に大きい。捻転度が大きいほど、コード50内の各金属フィラメント状要素54の螺旋直径Dhが一時的アセンブリ220内の各フィラメント状要素54の一時的螺旋直径よりも大きい程度は大きい。望ましい螺旋直径Dhを取得するために適用される一時的螺旋直径を捻転度と一時的コアの性質とに依存して決定する方法は当業者に既知である。同じことがエンクロージャ直径に対して適用される。
【0380】
供給手段110、分離手段240、及び再組み立て手段370は、全てのN金属フィラメント状要素54が同じ直径Df=0.20mmを有し、同じピッチP=7.8mmで螺旋に巻かれ、同じ螺旋直径Dh=0.82mmを有するように配置される。
【0381】
金属フィラメント状要素54の進行方向に鑑みて再組み立て手段370の下流で、設備100は、コード50の進行方向の周りのコード50の回転を維持するための手段380を含む。
【0382】
金属フィラメント状要素54の進行方向に鑑みて回転維持手段380の下流で、設備100は、コード50を捻転均衡させるための手段390を含む。
【0383】
金属フィラメント状要素54の進行方向に鑑みて捻転均衡手段390の下流で、設備100は、コード50を格納するための手段400を含む。
【0384】
設備100はまた、当業者によって従来から使用されている例えばプーリー及びキャプスタンのようなフィラメント状要素及びアセンブリを誘導するための手段G、それを繰り出すための手段D、及びそれに引張を印加するための手段Tを含む。
【0385】
この場合の給送手段120は、各フィラメント状要素54を格納するための9つのスプール410と、一時的コア160を格納するための1つのスプール410とを含む。図7には、明瞭化の目的で、9つのスプール410のうちの2つしか示していない。
【0386】
組み立て手段180は、分配器420とアセンブリガイド440を含む。組み立て手段180は、M’金属フィラメント状要素54及び一時的コア160を捻転するための手段460を含む。捻転手段460は、より一般的に当業者に「捻転器」としても公知の捻転デバイス480、例えば、4プーリー捻転器を含む。これらの捻転手段460の下流で、捻転均衡手段200は、捻転器500、例えば、4プーリー捻転器を含む。最後に、捻転器480の下流で、組み立て手段180は、最終捻転均衡手段390及びストレージ手段400を担持するボウ520及びポッド530を含む。ボウ520及びポッド530は、コード50のアセンブリのピッチを保持するように回転する機能を有するように装着される。
【0387】
図13は、分割手段720を示している。一時的アセンブリ220は、上流進行方向Xに前進する。分割手段720を通った後に、分割アンサンブル330は下流進行方向X2に前進し、第1の分割アセンブリ250は下流方向X1に前進する。分割手段720は、一方で下流方向X2、X1のそれぞれ分割アンサンブル330及び第1の分割アセンブリ250の平行移動を可能にし、かつ他方で下流方向X2、X1の周りのそれぞれ分割アンサンブル330及び第1の分割アセンブリ250の回転を可能にする誘導手段570を含む。この特定の事例では、手段570は、傾斜した回転ローラー600を含む。分割手段740は、上述した分割手段720と同様である。本方法中に、第1の分割アセンブリ250は、分割アンサンブル330と第1の分割アセンブリ250とへの分割点の下流でローラー600と接触する。
【0388】
図14は、再組み立て手段370を示している。第1の分割アセンブリ250は、上流進行方向Y1に前進する。第2の分割アセンブリ270は、上流進行方向Y2に前進する。コード50は、下流進行方向Yに前進する。再組み立て手段370は、一方で下流方向Y1、Y2のそれぞれ第1及び第2の分割アセンブリ250、270の平行移動を可能にし、かつ他方で下流方向Y1、Y2の周りのそれぞれ第1及び第2の分割アセンブリ250、270の回転を可能にする誘導手段590を含む。この特定の事例では、手段590は、傾斜した回転ローラー610を含む。本方法中に、第1の分割アセンブリ250は、第1及び第2の分割アセンブリ250、270の再組み立て点の上流でローラー610と接触する。
【0389】
回転維持手段380は、それぞれ下流方向Yの周りのコード50の回転を維持するための捻転器620、例えば、4プーリー捻転器を含む。最後の捻転均衡手段390も、捻転器630、例えば、4プーリー捻転器を含む。この場合のストレージ手段400は、コード50を格納するためのスプール640を含む。
【0390】
一時的コア160を再利用するために、設備100は、一方をこの事例では分割手段740の下流にある分離手段240からの出口680とし、他方を組み立て手段180内への入口700とするその両方の間で一時的コア160を誘導するための誘導手段Gを含む。
【0391】
設備100は、事前形成手段、特に、組み立て手段180の上流に配置されてフィラメント状要素54を個々に事前形成するための手段を持たないことに注目されるであろう。
【0392】
様々な手段240、720、740、370、並びに様々なアセンブリ及びアンサンブル220、250、270、330を図8に示しており、この図では、矢印は、下流から上流に向うこれらのアセンブリ及びアンサンブルの進行方向を示している。
【0393】
次いで、上述した設備100の実施のための方法を以下に説明する。本方法は、上述したコード50の製造を可能にする。
【0394】
最初に、フィラメント状要素54及び一時的コア160が、給送手段120、この事例ではスプール410から繰り出される。
【0395】
次いで、本方法は、一方でM’金属フィラメント状要素54の単層内のM’金属フィラメント状要素54を一時的コア160の周りで捻転することによる組み立て段階を含み、かつ他方で捻転器500を用いて実施される一時的アセンブリ220を捻転均衡させる段階を含む一時的アセンブリ220を供給する段階1000を含む。
【0396】
本方法は、一時的アセンブリ220を第1の分割アセンブリ250と第2の分割アセンブリ270と一時的コア160とに分離するか又は第1の分割アセンブリ250と、一時的コア160又はそれを含む1又は2以上のアンサンブル、この場合は一時的コア160とに分離する段階1100を含む。
【0397】
供給段階1000の下流で、一時的アセンブリ220を第1の分割アセンブリ250と第2の分割アセンブリ270と一時的コア160とに分離する段階1100は、一時的アセンブリ220を第1の分割アセンブリ250と分割アンサンブル330とに分離する段階1210を含む。この場合に、分離段階1210は、一時的アセンブリ220を第1の分割アセンブリ250と分割アンサンブル330とに分割する段階1210’を含む。
【0398】
一時的アセンブリ220を第1の分割アセンブリ250と第2の分割アセンブリ270と一時的コア160とに分離する段階1100は、分割アンサンブル330を第2の分割アセンブリ250と一時的コア160とに分離する段階1230を含む。この場合に、分離段階1230は、分割アンサンブル330を第2の分割アセンブリ270と一時的コア160とに分割する段階1230’を含む。
【0399】
分離段階1210は、分離段階1230の上流で行われる。
【0400】
分離段階1100、並びに分割段階1210及び1230の下流で、本方法は、第1の分割アセンブリ250を第2の分割アセンブリ270と共に再組み立てして層52を形成する段階1400を含む。分離段階1100及び再組み立て段階1400は、M1’+M2’=M’であるように実施される。
【0401】
M’=6、M’=M4’+M1’、M4’=M2’、N=6、M1’=3、M2’=3であることにも注意されたい。
【0402】
本方法は、コード50の進行方向の周りのコード50の回転を維持する段階を更に含む。これらの回転維持段階は、一時的アセンブリ220を分離する段階の下流で手段380によって実施される。手段390を用いて最終捻転均衡段階が実施される。最後に、コード50は、ストレージスプール640上に格納される。
【0403】
一時的コア160に関して、本方法は、一時的コア160を再利用する段階を含む。この再利用段階中に、一時的コア160は、分離段階1100の下流で、この場合は分割段階1230の下流で回収され、既に回収された一時的コア160は、組み立て段階180の上流で再導入される。この再利用段階は連続的である。
【0404】
上述の方法は、金属フィラメント状要素54の各々を個々に事前形成する段階を持たないことに注目されるであろう。
【0405】
本発明の第2の実施形態によるコード
【0406】
次いで、本発明によるタイヤコードの第2の実施形態を以下に説明する。参照子50’で表示するこのコードを図15に示している。従来の図に示す第1の実施形態と類似の要素は同じ参照子で表示している。
【0407】
コード50’は、螺旋巻き金属フィラメント状要素54の層52を含む。層52は、N=8螺旋巻き金属フィラメント状要素で構成される。コード50’は、有蓋貨車、大型車、例えば、軽鉄道車両、バス、大型道路搬送車両(ローリー、トラクタ、トレーラ)から選択される産業車両のためのタイヤを補強することを目的としたものである。
【0408】
図示の実施形態では、各金属フィラメント状要素54は単一金属モノフィラメント56を含む。各金属フィラメント状要素54は、銅、亜鉛、錫、コバルト、又はこれらの金属の合金、この場合は黄銅を含む金属コーティングの層(図示せず)を更に含む。
【0409】
各金属フィラメント状要素54の直径Dfは、0.10mm≦Df≦0.50mm、好ましくは、0.15mm≦Df≦0.50mm、より好ましくは、0.15mm≦Df≦0.45mmであるようなものであり、この第2の実施形態では0.22mm≦Df≦0.50mm、好ましくは、0.22mm≦Df≦0.45mm、より好ましくは、0.30mm≦Df≦0.45mmであるようなものである。この事例では、全ての金属フィラメント状要素54に関してDf=0.35mmである。各金属フィラメント状要素54には事前形成痕がない。
【0410】
コード50’は、D≦2.10mm、好ましくは、0.90mm≦D≦2.10mm、より好ましくは、0.95mm≦D≦2.05mmであるような直径Dを有し、この第2の実施形態では1.15mm≦D≦2.10mm、好ましくは、1.15mm≦D≦2.05mmであるような直径Dを有する。この事例ではD=1.55mmである。
【0411】
有利なことに、各金属フィラメント状要素54は、3mm≦P≦15mm、好ましくは、5mm≦P≦13mm、より好ましくは、7mm≦P≦11mmであり、この第2の実施形態では7.5mm≦P≦11mmであるようなピッチPで巻かれる。この事例ではP=10.5mmである。
【0412】
直径Dfに対するピッチPの比Kは、19≦K≦44、好ましくは、20≦K≦40、より好ましくは、23≦K≦39であるようなものであり、この第2の実施形態では19≦K≦35、好ましくは、23≦K≦30であるようなものである。この事例ではK=30である。
【0413】
第2の実施形態によるコード50’は、As≧1.5%、好ましくは、1.5%≦As≦5.0%、より好ましくは、1.9%≦As≦4.5%であるような構造的伸長Asを有し、この場合は2.0%に等しい構造的伸長Asを有する。上述のように、値Asは、2014年の規格ASTM D2969-04を適用してコード50’の力-伸長曲線をプロットすることによって決定される。得られた曲線を図16に示している。
【0414】
各金属フィラメント状要素の螺旋角度αは、13°≦α≦30°、好ましくは、17°≦α≦26°であるようなものであり、第2の実施形態では18.5°≦α≦30°、好ましくは、18.5°≦α≦26°であるようなものである。この事例では、上述のように、コード50’の特徴に関してα(1)=18.99°、α(2)=19.66°、及びα(3)=α=19.71°である。
【0415】
各金属フィラメント状要素54は、4.10mm≦Rf≦5.30mmであるような螺旋曲率半径Rfを有する。この場合はP=10.5mm及びα=19.71°であるので、Rf=5.27mmである。
【0416】
各金属フィラメント状要素の螺旋直径Dhは、0.70mm≦Dh≦1.60mm、好ましくは、0.75mm≦Dh≦1.60mm、より好ましくは、0.80mm≦Dh≦1.60mmであるようなものであり、第2の実施形態では0.85mm≦Dh≦1.60mm、好ましくは、1.15mm≦Dh≦1.60mm、より好ましくは、1.20mm≦Dh≦1.60mmであるようなものである。この場合はP=10.5mm及びα=19.71°であるので、Dh=1.20mmである。
【0417】
有利なことに、Dvは、Dv≧0.50mm、好ましくは、0.50mm≦Dv≦1.20mmであり、第2の実施形態では0.50mm≦Dv≦1.20mm、好ましくは、0.65mm≦Dv≦1.20mmであるようなものである。この場合はDh=1.20mm及びDf=0.35mmであるので、Dv=0.85mmである。
【0418】
本発明により、9≦Rf/Df≦30、好ましくは、9≦Rf/Df≦25、より好ましくは、9≦Rf/Df≦22であり、第2の実施形態では9≦Rf/Df≦15である。この場合に、Rf/Df=15である。同様に、本発明により、1.60≦Dv/Df≦3.20、好ましくは、1.70≦Dv/Df≦3.20、より好ましくは、1.70≦Dv/Df≦3.05であり、この場合はDv/Df=2.42である。
【0419】
同様に、0.10≦Jr≦0.25、好ましくは、0.14≦Jr≦0.25であり、この場合はJr=0.18である。
【0420】
コード50’は、15GPaよりも小さいか又はそれに等しい、好ましくは、2GPaから15GPa、この場合は7GPaに等しい構造部分の伸張弾性率を有する。更に、コード50’は、50GPaよりも大きいか又はそれに等しい、好ましくは、50GPaから180GPaの範囲の構造部分の伸張弾性率を有する。第2の実施形態では、弾性部分の伸張弾性率は、80から130GPaの範囲であり、この場合は109GPaに等しい。
【0421】
図17を参照すると、上述のように5MPaから10MPaの範囲の10%伸張弾性率を有する架橋された標準エラストマー母材に埋め込まれたコード50’は、100GPaよりも大きいか又はそれに等しい、好ましくは、100GPaから180GPa、より好ましくは、110GPaから180GPa、更に好ましくは、120GPaから180GPaの範囲の伸張弾性率を有する。この実施形態では、コード50’は、140GPaに等しい伸張弾性率を有する。
【0422】
コード50’は、コード50の製造に使用されるものと類似の設備及び方法を必要な変更を加えて用いて製造される。
【0423】
本発明の第2の実施形態によるタイヤ
【0424】
図18から図20は、本発明の第2の第4の実施形態によるタイヤ10’を示している。これらの図では、第1の実施形態によるタイヤ10と類似の要素は同じ参照子で表示している。
【0425】
タイヤ10’は、軸線方向Xに対して実質的に平行な軸線の周りの回転を実質的に提供する。タイヤ10’は、この場合は乗用車向けのものである。
【0426】
タイヤ10’は、トレッド20を含むクラウン12と、クラウン12内で円周方向Zに延びるクラウン補強材14とを有する。
【0427】
クラウン補強材14は、単一作動プライ18を含む作動補強材15と、単一フーピングプライ19を含むフープ補強材17とを含む。この場合に、作動補強材15は作動プライ18を含み、フープ補強材17はフーピングプライ19で構成される。クラウン補強材14は、作動補強材15とフープ補強材17で構成される。
【0428】
クラウン補強材14には、トレッド20が載せられる。この場合に、フープ補強材17、この場合はフーピングプライ19は、半径方向に作動補強材15とトレッド20の間に挟まる。クラウン12は、この場合はトレッド20とクラウン補強材14で構成される。
【0429】
タイヤ10’は、クラウン12を半径方向内側に向けて延ばす2つの側壁22を含む。タイヤ10’はまた、側壁22の半径方向内側にある2つのビード24を有し、その各々は、充填ゴム30の塊が載った環状補強構造体26、この場合はビードワイヤ28と、同じく半径方向カーカス補強材32とを有する。クラウン補強材14は、半径方向にカーカス補強材32とトレッド20の間に置かれる。各側壁22は、各ビード24をクラウン12に接続する。
【0430】
カーカス補強材32は単一カーカスプライ34を有する。この場合に、カーカス補強材32は、カーカスプライ34によって形成される。カーカス補強材32は、ビード24から側壁22を通ってクラウン12の中に延びる主ストランド38と、環状補強構造体26の半径方向外側にある半径方向外端42を有する折り返しストランド40とを各ビード24の中に形成するようにビードワイヤ28の周りでカーカス補強材32を折り返すことによってビード24の各々内に係止される。従って、カーカス補強材32は、ビード24から側壁22を通ってクラウン12の中に延びる。この実施形態では、カーカス補強材32は、クラウン12を通って軸線方向にも延びる。クラウン補強材14は、半径方向にカーカス補強材32とトレッド20の間に挟まる。カーカス補強材32は、半径方向にクラウン補強材14との直接接触状態になるように配置され、クラウン補強材14は、半径方向にトレッド20との直接接触状態になるように配置される。より具体的には、単一フーピングプライ19と単一作動プライ18は、半径方向に互いに直接接触状態になるように有利に配置される。
【0431】
各作動プライ18、フーピングプライ19、及びカーカスプライ34は、対応するプライの1又は2以上の補強要素が埋め込まれたエラストマー母材を含む。
【0432】
図19を参照すると、単一カーカスプライ34は、カーカスフィラメント状補強要素44を含む。各カーカスフィラメント状補強要素44は、タイヤ10の一方のビード24からタイヤ10の他方のビード24まで軸線方向に延びる。各カーカスフィラメント状補強要素44は、タイヤ10’の子午面M内で、言い換えれば、クラウン12内でタイヤ10の円周方向Zと55°、好ましくは、55°から80°、より好ましくは、60°から70°の範囲の角度AC1を成す。所与の縮尺で全てのカーカスフィラメント状補強要素44が互いに平行に示されるような概略図である図20を参照すると、各カーカスフィラメント状補強要素44は、タイヤ10’の赤道円周平面E内で、言い換えれば、側壁22内でタイヤ10’の円周方向Zと85°よりも大きいか又はそれに等しい角度AC2を成す。
【0433】
この例では、基準直線から反時計周り方向、この場合は円周方向Zに向けられた角度が正符号を有し、基準直線から時計周り方向、この場合は円周方向Zに向けられた角度が負符号を有する慣例を採用した。この事例では、AC1=+67°及びAC2=+90°である。
【0434】
図19を参照すると、単一作動プライ18は、複数の作動フィラメント状補強要素46を含む。作動フィラメント状補強要素46は、互いに対して実質的に平行方式で隣り合って配置される。各作動フィラメント状補強要素46は、タイヤ10の作動補強材15の一方の軸端からタイヤ10の作動補強材15の他方の軸端まで軸線方向に延びる。各作動フィラメント状補強要素46は、子午面M内でタイヤ10’の円周方向Zと10°よりも大きいか又はそれに等しい、好ましくは、30°から50°、より好ましくは、35°から45°の範囲の角度ATを成す。上記で定めた向きを所与とすると、AT=-40°である。
【0435】
単一フーピングプライ19は、少なくとも1つのフーピングフィラメント状補強要素48を含む。この事例では、フーピングプライ19は、2つの隣接する巻回の間の軸線方向距離が1.3mmに等しくなるようにタイヤ10’のクラウン12の幅LFにわたって連続的に巻かれた単一フーピングフィラメント状補強要素48を含む。有利なことに、軸線方向幅LFは、作動プライ18の幅LTよりも小さい。フーピングフィラメント状補強要素48は、タイヤ10’の円周方向Zと厳密に10°よりも小さく、好ましくは、7°よりも小さいか又はそれに等しい、より好ましくは、5°よりも小さいか又はそれに等しい角度AFを成す。この事例ではAF=+5°である。
【0436】
カーカスフィラメント状補強要素44、作動フィラメント状補強要素46、及びフーピングフィラメント状補強要素48は、赤道円周平面Eの上へのタイヤの半径方向の投影内に三角形メッシュを定めるようにクラウン12に配置されることに注目されるであろう。この場合に、角度AFと、角度ATの向きと角度AC1の向きがタイヤ10’の円周方向Zに関して反対であることとが、三角形メッシュを取得することを可能にする。
【0437】
各カーカスフィラメント状補強要素44は、繊維フィラメント状要素であり、かつ従来から2つのマルチフィラメントストランドを含み、各マルチフィラメントストランドは、ポリエステル、この場合はPETのモノフィラメントの紡績スレッドを含み、これら2つのマルチフィラメントストランドは、個々に240巻回.m-1で一方向に過剰捻転され、次いで、互いに240巻回.m-1で反対方向に捻転される。これら2つのマルチフィラメントストランドは、互いの周りに螺旋に巻かれる。これらのマルチフィラメントストランドの各々は、220テクスに等しい番手を有する。
【0438】
各作動フィラメント状補強要素46は、金属フィラメント状要素であり、かつこの場合に各々が0.30mmに等しい直径を有する2つの鋼鉄モノフィラメントのアセンブリであり、これら2つの鋼鉄モノフィラメントは、14mmのピッチで互いに巻かれる。
【0439】
フーピングフィラメント状補強要素48は、コード50をフーピングプライ19のエラストマー組成物に基づくエラストマー母材内に埋め込むことによって得られる。
【0440】
タイヤ10’は、タイヤ10を製造する方法と類似の方法を実施することによって製造される。タイヤ10’の三角形メッシュを形成するために、欧州特許第1623819号又は仏国特許第1413102号に説明されているように特定の組み立て方法が実施される。
【0441】
比較試験
【0442】
乗用車のためのタイヤを補強することを目的とした様々なコードAからWを試験し、コードAからLは、乗用車に関するものであるが、二輪車のためのものでもあるタイヤを補強することを目的としたものであり、コードKからWは、好ましくは、産業車両のためのタイヤを補強することを目的としたものである。
【0443】
コードAからWの間で以下ものが区別される:
・本発明によるものではなく、従来技術の従来の配線組み立て方法を実施することによって得られたコードA、
・本発明によるものではなく、国際公開第2016/083265号及び国際公開第2016/083267号に説明されている従来技術の方法を実施することによって得られたコードDからI及びM、
・本発明によるものではなく、上述した再組み立て段階を含む方法を実施することによって得られたコードJ、K、N、T、U、及びV、
・本発明によるものであり、上述した再組み立て段階を含む方法を実施することによって得られたものであり、各コードC及びWが上述したコード50、50’をそれぞれ形成するコードB、C、L、O、P、Q、R、S、及びW。
【0444】
各金属コードに関してミリメートルで表される各金属フィラメント状要素の直径Df、金属フィラメント状要素の数N、Dfに対するピッチPの比に等しいピッチ係数K、度で表される螺旋角度α、ミリメートルで表される各金属フィラメント状要素のピッチP、ミリメートルで表される螺旋直径Dh、ミリメートルで表されるエンクロージャ直径Dv、ミリメートルで表される螺旋曲率半径Rf、比Rf/Df、比Dv/Df、%で表される構造的伸長As、ミリメートルで表されるコードの直径D、グラム毎メートルで表される線密度、相対半径方向クリアランスJr、及び以下の通りに決定される圧縮性インジケータεcを測定した。
【0445】
圧縮性インジケータεcは、12mm×8mmの面積を有する矩形断面と20mmに等しい高さとを有する試験片で測定される。試験片は、硬化状態で10MPaに等しい弾性率(この場合の弾性率は、タイヤに使用される組成物の弾性率を表し、他の分野では他の弾性率を考えることができる)を有し、かつコードの軸線が試験片の対称軸線と一致するように試験される金属コードが中に埋め込まれたエラストマー母材を含む。事前に慎重に研磨された試験片の矩形断面の各面に20mm×20mmの面積を有する支持板が接着的に結合される。次いで、各支持板は、引張状態又は圧縮状態に使用可能な可動クロスヘッドを有する試験機(例えば、Zwick又はInstronからの機械)に接続される。試験片(20mm×20mm板のうちの1つの上に載っている)は、水平支持面を有する直径30mmの支持体上に配置され、この支持体自体は、下側にある試験機のクロスヘッドに締結される。機械の可動クロスヘッドの下には、30mmに等しい直径を有する第2の支持体を担持する荷重センサが配置され、この第2の支持体の同じく水平な第2の支持面は、上記第1の支持面に対向するように配置される。従って、2つの水平支持体を分離する距離は、可動クロスヘッドの移動によって可変である。この距離は、第1の値として試験片が荷重を受けることなく直径30mmの2つの支持体の間に嵌り込むような値を取り、次いで、0.1Nの予備荷重を作用するための第2の値を取り、更に試験終了までに3mm/mnの速度まで減少することになり、試験片がその初期高さの10%だけ押し潰された後に停止される。20℃での力-圧縮曲線が得られる。試験片の荷重の値から対応する変形への母材の荷重の寄与が減算される(母材のみで製造された単一ブロックの力-圧縮曲線から始めて)。座屈が発生し、それを超えると試験片が曲がった時に荷重が減少する限界変形である最大変形の値は、この新しい曲線の最大荷重の値に対応する。圧縮性インジケータεcは、記録されたこの限界変形の値に等しい。
【0446】
これら全ての測定の結果を下記の表1にまとめている。圧縮性インジケータεcに関して、εc≧3.5の値に対して十分な長手圧縮性が得られると推定される。εcの値が高いほど、長手圧縮性は一層好ましい。指示子NTは、コードが試験されなかったことを示している。
【0447】
コードA、B、及びCを比較すると、コードAは、その直径に対して過度に低い線密度に起因して過度に大きい相対半径方向クリアランスを有することが注目される。コードCの相対半径方向クリアランスは、コードBのものよりも大きく、その結果、同じ線密度ではコードBのものよりも大きい直径がもたらされる。コードB及びCは、優れた長手圧縮性を有する。
【0448】
コードDからLを比較すると、コードLは、線密度と外径と長手圧縮性の間の最良の妥協点を有することが注目される。より具体的には、コードD、E、及びFは、コードLのものよりも大きい長手圧縮性を有するが、コードLと同程度の大きさの外径ではかなり低い線密度のみを有する。コードG、H、J、及びKは、遙かに小さいエンクロージャ直径に起因してコードLよりも低い長手圧縮性を有し、その結果、フィラメント状要素がコードの軸線に近づき、それによって座屈の影響を受けやすくなる。コードG及びHは、十分な長手圧縮性とコードLのものよりも小さい直径とを有するが、これらのコードの線密度は、十分な補強を提供するには遙かに不十分である。コードJ及びKは、コードLと同程度の大きさの直径を有するが、線密度がコードLよりも有意に低く、従って、提供する補強が不十分である。コードIに関して、このコードは、コードLのものよりも低い線密度と有意に大きい直径を有する。
【0449】
コードMからWを比較すると、コードOからS及びWは、線密度と外径と長手圧縮性の間の最良の妥協点を有することが注目される。コードM、N、T、及びUは、これらの直径としてはコードOからS及びWと比較して過度に低い線密度のみを有する。コードVに関して、このコードは、過度に小さい螺旋曲率半径及び相対半径方向クリアランスに起因して不十分な長手圧縮性のみを有し、座屈の影響を過度に受けやすくなる。
【0450】
コードPとQとSとを比較すると、コードP及びSは、より大きいエンクロージャ直径及び従って同じくより大きい相対半径方向クリアランスに起因してコードQのものよりも高い長手圧縮性を有することが注目されるであろう。
【0451】
コードRとSを比較すると、コードRは、コードSのものよりも有意に高い線密度、同じ直径、及び僅かに低い長手圧縮性を有することが注目されるであろう。
【0452】
【表1】
【符号の説明】
【0453】
50 本発明によるコード
52 螺旋巻き金属フィラメント状要素の単層
54 螺旋巻き金属フィラメント状要素
A 主軸線
Dh 螺旋直径
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【国際調査報告】