(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-26
(54)【発明の名称】開放モード電極構成及び可撓な終端を備える積層コンデンサ
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20220915BHJP
【FI】
H01G4/30 511
H01G4/30 513
H01G4/30 517
H01G4/30 516
H01G4/30 201Z
H01G4/30 201F
H01G4/30 201G
H01G4/30 201C
H01G4/30 311D
H01G4/30 311E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021562984
(86)(22)【出願日】2020-04-17
(85)【翻訳文提出日】2021-11-17
(86)【国際出願番号】 US2020028737
(87)【国際公開番号】W WO2020219354
(87)【国際公開日】2020-10-29
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500047848
【氏名又は名称】キョーセラ・エイブイエックス・コンポーネンツ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】ホジキンソン,フランク
(72)【発明者】
【氏名】ボイル,エレイン
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC03
5E001AC06
5E001AF06
5E082AB03
5E082BC33
5E082EE04
5E082EE23
5E082EE35
5E082FF05
5E082FG04
5E082FG26
5E082FG46
5E082GG10
5E082GG11
5E082GG28
5E082JJ03
5E082JJ06
5E082JJ13
5E082JJ23
5E082LL02
5E082PP02
5E082PP09
(57)【要約】
積層セラミックコンデンサは、モノリシックボディーと、モノリシックボディーの第1及び第2の端部からそれぞれ、モノリシックボディーの反対側の端部に向かって延在する、交互に配置された第1及び第2の複数の電極とを備えることができる。第1のマージン距離及び第2のマージン距離はそれぞれ、電極とモノリシックボディーの反対側の端部との間に形成され得る。第1及び第2の外部終端はそれぞれ、モノリシックボディーの第1の端部及び第2の端部に沿って配置され、それぞれ第1及び第2の複数の電極に接続され得る。モノリシックボディーの長さと、第1のマージン距離及び/又は第2のマージン距離とのマージン比は、約10未満であり得る。第1の外部終端又は第2の外部終端のうちの少なくとも一方は、導電性高分子組成物を含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層セラミックコンデンサであって、
長手方向に垂直なZ方向に積み重ねられた複数の誘電体層を備えるモノリシックボディーであって、前記モノリシックボディーが、前記長手方向に、第1の端部及び前記第1の端部から離間された第2の端部を有する、モノリシックボディーと、
前記モノリシックボディーの前記第1の端部から前記第2の端部に向かって延在する、第1の複数の電極であって、前記第1の複数の電極が、前記モノリシックボディーの前記第2の端部から第1のマージン距離だけ離間されている、第1の複数の電極と、
前記モノリシックボディーの前記第2の端部から前記第1の端部に向かって延在する、第2の複数の電極であって、第2の複数の電極が、前記モノリシックボディーの前記第1の端部から第2のマージン距離だけ離間されている、第2の複数の電極と、
前記第1の端部に沿って配置され、前記第1の複数の電極に接続されている、第1の外部終端と、
前記第2の端部に沿って配置され、前記第2の複数の電極に接続されている、第2の外部終端と、を備え、
前記モノリシックボディーが、前記第1の端部と前記第2の端部との間の長手方向距離のボディー長さを有し、前記ボディー長さと前記第1のマージン距離又は前記第2のマージン距離のうちの少なくとも一方とのマージン比が、約10未満であり、且つ、
前記第1の外部終端又は前記第2の外部終端のうちの少なくとも一方が、導電性高分子組成物を含む、積層セラミックコンデンサ。
【請求項2】
前記導電性高分子組成物が、エポキシ樹脂を含む、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項3】
前記導電性高分子組成物が、導電性粒子を含む、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項4】
前記導電性粒子が、銀を含む、請求項3に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項5】
前記導電性高分子組成物が、ASTM D638-14にしたがって約23℃及び20%相対湿度で試験される場合、約3GPa未満のヤング率を有する、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項6】
前記導電性高分子組成物が、ASTM B193-16にしたがって約23℃及び20%相対湿度で試験される場合、約0.01オームセンチメートル未満の体積抵抗率を示す、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項7】
前記第1の外部終端が、前記モノリシックボディーの前記第1の端部を覆って形成されるベース層と、前記ベース層を覆って形成されるコンプライアント層とを更に備え、前記コンプライアント層が、前記導電性高分子組成物を含む、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項8】
前記モノリシックボディー内で、前記モノリシックボディーの前記第1の端部に配置される複数のアンカータブを更に備え、前記複数のアンカータブが、前記ベース層に接続されている、請求項7に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項9】
前記ベース層が導電性金属を含む、請求項7に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項10】
前記第1の外部終端が、コンプライアント層と、前記コンプライアント層を覆って形成される少なくとも1つのめっき層とを更に備え、前記コンプライアント層が、前記導電性高分子組成物を含む、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項11】
前記少なくとも1つのめっき層が、第1の導電性材料を含む第1のめっき層と、第2の導電性材料を含む第2のめっき層とを備え、前記第2の導電性材料が、前記第1の導電性材料とは相異なる、請求項10に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項12】
前記第1の外部終端及び前記第2の外部終端のそれぞれとの電気的接続がない、フローティング電極を更に備える、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項13】
前記コンデンサがフローティング電極を備えていない、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項14】
前記第1の外部終端が、前記長手方向に、約25μmから約150μmの範囲の総平均厚さを有する、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項15】
前記第1の外部終端が、前記導電性高分子組成物を含むコンプライアント層を更に備え、前記コンプライアント層が、約3μmから約125μmの範囲の平均厚さを有する、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項16】
前記第1の複数の電極が、前記第2の複数の電極と交互に配置されている、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項17】
積層セラミックコンデンサを形成する方法であって、
第1の複数の誘電体層上にそれぞれ、第1の複数の電極を形成するステップと、
第2の複数の誘電体層上に、第2の複数の電極を形成するステップと、
モノリシックボディーを形成するために、前記第1の複数の電極が、前記モノリシックボディーの第1の端部から延在し、前記モノリシックボディーの第2の端部から長手方向に第1のマージン距離だけ離間されるように、また前記第2の複数の電極が、前記モノリシックボディーの第2の端部から延在し、前記モノリシックボディーの前記第1の端部から前記長手方向に第2のマージン距離だけ離間されるように、前記第1の複数の誘電体層及び前記第2の複数の誘電体層を、前記長手方向に垂直なZ方向に積み重ねるステップと、
前記第1の複数の電極に接続された、前記モノリシックボディーの前記第1の端部に沿って、第1の外部終端を形成するステップと、
前記第2の複数の電極に接続された、前記モノリシックボディーの前記第2の端部に沿って、第2の外部終端を形成するステップと
を含み、
前記モノリシックボディーが、前記第1の端部と前記第2の端部との間の長手方向距離のボディー長さを有し、前記ボディー長さと前記第1のマージン距離又は前記第2のマージン距離のうちの少なくとも一方とのマージン比が、約10未満であり、且つ、
前記第1の外部終端又は前記第2の外部終端のうちの少なくとも一方が、導電性高分子組成物を含む、方法。
【請求項18】
前記導電性高分子組成物が、エポキシ樹脂を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記導電性高分子組成物が、導電性粒子を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
導電性粒子が、銀を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記導電性高分子組成物が、ASTM D638-14にしたがって約23℃及び20%相対湿度で試験される場合、約3GPa未満のヤング率を有する、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記導電性高分子組成物が、ASTM B193-16にしたがって約23℃及び20%相対湿度で試験される場合、約0.01オームセンチメートル未満の体積抵抗率を示す、請求項17に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の外部終端を形成するステップが、前記モノリシックボディーの前記第1の端部を覆って形成される、ベース層を形成するステップと、前記ベース層を覆う、前記導電性高分子組成物を含むコンプライアント層を形成するステップとを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記モノリシックボディー内で、前記モノリシックボディーの前記第1の端部に配置される複数のアンカータブを形成するステップを更に含み、前記複数のアンカータブが前記ベース層に接続されている、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1の外部終端を形成するステップが、前記コンプライアント層を覆う、少なくとも1つのめっき層をめっきするステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記少なくとも1つのめっき層をめっきするステップが、第1の導電性材料を含む第1のめっき層をめっきするステップと、第2の導電性材料を含む第2のめっき層をめっきするステップとを含み、前記第2の導電性材料が、前記第1の導電性材料とは相異なる、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記モノリシックボディー内にフローティング電極を形成する形成するステップを更に含み、前記フローティング電極が、前記第1の外部終端及び前記第2の外部終端のそれぞれとの電気的接続がない、請求項17に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の外部終端が、前記長手方向に、約25μmから約150μmの範囲の総平均厚さを有する、請求項17に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の外部終端を形成するステップが、前記導電性高分子組成物を含むコンプライアント層を形成するステップを含み、前記コンプライアント層が、約3μmから約125μmの範囲の平均厚さを有する、請求項17に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の複数の誘電体層及び前記第2の複数の誘電体層を積み重ねるステップが、前記第1の複数の電極及び前記第2の複数の電極を交互に配置するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2019年4月25日の出願日を有する米国仮特許出願第62/838,406号の優先権を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれている。
【0002】
技術分野
本主題は、概ね積層セラミックコンデンサに関する。本主題は、より詳細には、開放モード電極構成及び可撓な終端を備える積層コンデンサに関する。
【背景技術】
【0003】
多くの最新の電子部品は、モノリシックデバイスとしてパッケージ化されており、単一の構成要素又は単一のチップパッケージ内の複数の構成要素で構成され得る。かかるモノリシックデバイスの1つの具体例は、積層コンデンサ又はコンデンサアレイであり、開示されている技術に関して特に興味深い1つの具体例は、交互に組み合わされた内部電極層及び対応する電極タブを備えた積層コンデンサである。
【0004】
積層コンデンサは、事前に作製された、伸長された長さから切断されたセラミック誘電体の個々のシート、又はセラミック材料のテープを準備することによって、形成されてきた。個々のシートは、複数の電極パターンのセットを通して、電極インクでスクリーン印刷される。印刷されたシートは、次いで、複数の層に積み重ねられ、多くの場合パッドと呼ばれる固体層内に、層状に重ねられる。パッドは、次いで、個々の積層構成要素に切断され得、積層構成要素のさらなる処理、例えば、パッドの焼結及び個々の構成要素の終端処理が実行され得る。構成要素の終端処理は、事前にスクリーン塗装された電極の選択されたものと接触するように、金属塗料を塗布すること、続いて、金属塗料終端材料をコンデンサに固着するために、別の焼成を行うことを含むことができる。
【0005】
コンデンサなどの積層構成要素は、熱応力及び/又は曲げによる機械的応力によって、亀裂が生じる可能性がある。かかる亀裂が、コンデンサのマージン部近くで電極を交差させる可能性があり、場合によっては、反対側の終端に接続されている電極間に、好ましからざる電気的接続を引き起こす可能性がある。次いで、コンデンサの終端間で短絡が起こる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、積層セラミックコンデンサは、長手方向及び横方向のそれぞれに垂直であるZ方向に積み重ねられた、複数の誘電体層を備える、モノリシックボディーを備えることができる。モノリシックボディーは、第1の端部、及び長手方向に第1の端部から離間された第2の端部を有することができる。第1の複数の電極は、モノリシックボディーの第1の端部から第2の端部に向かって、延在することができる。第1の複数の電極は、モノリシックボディーの第2の端部から、第1のマージン距離だけ離間され得る。第2の複数の電極は、モノリシックボディーの第2の端部から第1の端部に向かって延在することができる。第2の複数の電極は、モノリシックボディーの第1の端部から、第2のマージン距離だけ離間され得る。第1の外部終端は、第1の端部に沿って配置され、第1の複数の電極に接続され得る。第2の外部終端は、第2の端部に沿って配置され、第2の複数の電極に接続され得る。モノリシックボディーは、第1の端部と第2の端部との間の長手方向の距離の、ボディー長さを有することができる。ボディー長さと、第1のマージン距離又は第2のマージン距離のうちの少なくとも一方とのマージン比は、約10未満であり得る。第1の外部終端又は第2の外部終端のうちの少なくとも一方は、導電性高分子組成物を含むことができる。
【0007】
本発明の別の態様によれば、積層セラミックコンデンサを形成する方法は、第1の複数の誘電体層上にそれぞれ、第1の複数の電極を形成するステップと、第2の複数の誘電体層上に第2の複数の電極を形成するステップとを含むことができる。この方法は、モノリシックボディーを形成するために、第1の複数の電極がモノリシックボディーの第1の端部から延在し、モノリシックボディーの第2の端部から長手方向に第1のマージン距離だけ離間されるように、第1の複数の誘電体層及び第2の複数の誘電体層を、長手方向に垂直なZ方向に積み重ねるステップを含むことができる。この方法は、第1の複数の電極に接続されたモノリシックボディーの第1の端部に沿って、第1の外部終端を形成するステップと、第2の複数の電極に接続されたモノリシックボディーの第2の端部に沿って、第2の外部終端を形成するステップとを含むことができる。モノリシックボディーは、第1の端部と第2の端部との間の長手方向の距離の、ボディー長さを有することができる。ボディー長さと第1のマージン距離とのマージン比は、約10未満であり得る。第1の外部終端又は第2の外部終端のうちの少なくとも一方は、導電性高分子組成物を含むことができる。
【0008】
本発明の他の特徴及び態様は、以下に、より詳細に記載されている。
【0009】
当業者に向けられた、本発明の最良のモードを含む、本発明の完全且つ有効な開示が、本明細書に記載されており、以下の添付の図を参照している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の態様による、コンプライアント層を備える積層コンデンサの一実施形態の断面図である。
【
図2】本開示の態様による、アンカータブを備える積層コンデンサの別の実施形態の断面図である。
【
図3】本開示の態様による、フローティング電極を備える積層コンデンサの別の実施形態の断面図である。
【
図4】本開示の態様による、積層セラミックコンデンサを形成する方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書及び添付図面全体を通して、参照符号を繰り返し使用することは、本発明の同一又は類似の特徴又は要素を表すことが意図されている。
【0012】
当業者には、本考察が例示的実施形態の説明にすぎず、また本発明のより広義の態様を制限することは意図されておらず、より広義の態様が、例示的な構造の中で具体化されていることを理解されたい。
【0013】
本発明は、全般的に、亀裂のリスクを低減又は防止するよう構成された特徴の組合せを使用する、積層セラミックコンデンサに関する。第1に、外部終端は、構成要素が受ける応力を低減するために、導電性高分子組成物を(例えば、コンプライアント層として)含むことができる。導電性高分子組成物は、ポリマー及び分散した導電性粒子を含むことができる。第2に、積層セラミックコンデンサは、大きなマージン距離を有することができる。亀裂は通常、終端の近くで伝播するので、マージン距離を大きくすると、亀裂が生じた場合に、亀裂が電極を交差させる見込みを減らすことができる。したがって、大きなマージン距離と柔軟な外部終端との組合せにより、構成要素が取り付けられている表面の屈曲によって引き起こされる、熱応力及び/又は機械的応力を含む応力に対して、より堅牢で弾力性のある構成要素が得られる。
【0014】
具体的には、本発明は、単一のモノリシックボディー内に交互の誘電層及び電極層を備える、積層セラミックコンデンサに関する。コンデンサのモノリシックボディーは、上面、及び上面と反対側にある下面を有することができる。モノリシックボディーはまた、上面と下面との間に延在する、少なくとも1つの側面も有することができる。モノリシックボディーは、上面と下面との間に延在する、少なくとも4つの側面を有することができる。一実施形態では、モノリシックボディーは、少なくとも合計6つの表面(例えば、1つの上面、1つの下面、4つの側面)を有する。例えば、コンデンサのモノリシックボディーは、長方形の平行六面体形状などの平行六面体形状を有することができる。
【0015】
コンデンサは、モノリシックボディーの第1の端部から第2の端部に向かって延在する、第1の複数の電極を備えることができる。第1の複数の電極は、モノリシックボディーの第2の端部から、第1のマージン距離だけ離間され得る。コンデンサは、モノリシックボディーの第2の端部から第1の端部に向かって延在し、複数の第1の電極と交互に配置される、第2の複数の電極を備えることができる。第2の複数の電極は、モノリシックボディーの第1の端部から、第2のマージン距離だけ離間され得る。積層セラミックコンデンサは、第1の端部と第2の端部との間の長手方向の距離の、コンデンサ長さを有することができる。マージン比は、コンデンサ長さと、第1のマージン距離又は第2のマージン距離のうちの少なくとも一方との間で形成され得る。いくつかの実施形態では、マージン比は、約10未満、いくつかの実施形態では約9未満、いくつかの実施形態では約8未満、いくつかの実施形態では約7未満、いくつかの実施形態では約6未満、いくつかの実施形態では約5未満、またいくつかの実施形態では約4未満であり得る。いくつかの実施形態では、マージン比は、約15未満、いくつかの実施形態では約20未満、いくつかの実施形態では約30未満、いくつかの実施形態では約50未満、いくつかの実施形態では約70未満、またいくつかの実施形態では約90未満であり得る。
【0016】
この構成は、過度の撓みにさらされたときのコンデンサの破損モードに関連して、「開放モード」と呼ばれ得る。より具体的には、コンデンサが破損するまで曲げられる場合、亀裂が電極を交差させることのないように、亀裂は、コンデンサの「マージン領域」に生じ得る。結果として、コンデンサは「破損時開放(fail open)」になることができ、その結果、第1の複数の電極は、第2の複数の電極から電気的に切り離された状態で保持される。これは、第1の複数の電極と第2の複数の電極との間の電気的接続、すなわち「短絡」を防ぐことができる。
【0017】
上記のように、1つ又は複数の外部終端は、導電性高分子組成物を含むことができる。導電性高分子組成物は、1つ又は複数の好適なポリマー材料を含むことができる。例は、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂などを含む。とりわけ、エポキシ樹脂が好適である。好適なエポキシ樹脂の例は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂及びビフェニル型エポキシ樹脂、環状脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、シクロペンタジエン型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂などを含む。ポリマーは、熱硬化性又は熱可塑性樹脂を含むことができる。
【0018】
導電性高分子組成物は、ポリマー内に分散され得(例えば、ポリマーマトリックスとして)、コンプライアント層の導電性を改善することができる、導電性粒子を含むことができる。導電性粒子は、銀、金、銅などの金属であるか、又は上記金属を含むことができる。例えば、導電性粒子は、銀、銅、金、ニッケル、スズ、チタン、若しくは他の導電性金属であり得るか、又は上記導電性金属を含むことができる。したがって、いくつかの実施形態では、コンプライアント層は、銀充填ポリマー、ニッケル充填ポリマー、銅充填ポリマーなどを含むことができる。
【0019】
しかしながら、他の実施形態では、導電性粒子は、アルミニウムの酸化物(例えば、アルミナ)及び/又はアルミニウムの窒化物などの、導電性セラミック材料を含むことができる。さらなる例は、チタンなどの、他の金属の酸化物又は窒化物を含む。いくつかの実施形態では、導電性粒子は、ベース材料の上に導電性材料の層を有することができる。例えば、導電性粒子は、卑金属(例えば、銅)の上に貴金属(例えば、銀、金など)の層を有することができる。
【0020】
導電性粒子は、約10W/(m・K)を超える、いくつかの実施形態では約20W/(m・K)を超える、いくつかの実施形態では約50W/(m・K)を超える、いくつかの実施形態では約100W/(m・K)を超える、いくつかの実施形態では約200W/(m・K)を超える、いくつかの実施形態では約200W/(m・K)を超える熱伝導率を有することができる。
【0021】
コンプライアント層は、ASTM D638-14にしたがって約23℃及び20%相対湿度で試験される場合、約3GPa未満、いくつかの実施形態では約1GPa未満、いくつかの実施形態では約500MPa未満、いくつかの実施形態では約100MPa未満、いくつかの実施形態では約50MPa未満、またいくつかの実施形態では約15MPa未満のヤング率を有することができる。
【0022】
コンプライアント層は、低い電気抵抗を示すことができる。例えば、コンプライアント層は、ASTM B193-16にしたがって試験される場合、約0.01オームセンチメートル未満、いくつかの実施形態では約0.001オームセンチメートル未満、またいくつかの実施形態では約0.0001オームセンチメートル以下である、体積抵抗率を示すことができる。
【0023】
外部終端のコンプライアント層は、モノリシックボディーを導電性高分子組成物溶液に浸漬し、導電性高分子組成物の厚膜層を形成することによって、形成され得る。
【0024】
外部終端は、モノリシックボディーとコンプライアント層との間に形成された、ベース層を備えることができる。ベース層は、例えば、モノリシックボディーのそれぞれの端部を覆って形成され得、コンプライアント層は、それぞれのベース層を覆って形成され得る。ベース層は、種々の好適な導電性材料を含むことができる。ベース層は、例えば、銅、ニッケル、スズ、銀、金などを含むことができる。ベース層は、モノリシックボディーを溶液に浸漬し、ベース層材料の厚膜層を形成することによって、形成され得る。しかしながら、他の実施形態では、ベース層は、例えば、以下で説明されているように、好適なめっき処理を使用して形成され得る。
【0025】
コンプライアント層を覆って形成された1つ又は複数のめっき層が形成される。例えば、いくつかの実施形態では、第1のめっき層は、コンプライアント層を覆って形成され得る。第2のめっき層は、第1のめっき層を覆って形成され得る。第1及び第2のめっき層は、ニッケル、スズ、銅などの、種々の好適な導電性金属を含むことができる。例えば、一実施形態では、第1のめっき層は、ニッケルを含むことができる。第2のめっき層は、スズを含むことができる。
【0026】
めっき層は、電気めっき及び無電解めっきを含む様々なめっき技法を使って形成されることにより、形成され得る。例えば、最初に無電解めっきが使用され、材料の初期層を堆積させることができる。次いで、めっき技法は、材料のより速い構築を可能にすることができる電気化学めっきシステムに切り替えられ得る。
【0027】
めっき溶液は、めっきされた終端を形成するために使用される、導電性金属などの導電材料を含む。かかる導電材料は、上記材料のうちのいずれか、又は当技術分野で広く知られている任意の材料であってもよい。めっき溶液は、例えば、めっきされた層及び外部終端がニッケルを含むように、スルファミン酸ニッケル槽溶液又は他のニッケル溶液であってもよい。別法として、めっき溶液は、めっきされた層及び外部終端が銅を含むように、銅酸槽又は他の好適な銅溶液であってもよい。
【0028】
加えて、めっき溶液は、当技術分野で広く知られている他の添加剤を含むことができることを理解されたい。添加剤は、例えば、めっき処理を補助することができる他の有機添加剤及び媒体を含むことができる。更に、添加剤は、めっき溶液を所望のpHで使用するために使用され得る。一実施形態では、コンデンサ、及びリードタブの露出された前縁に対する、完全なめっき被覆及びめっき材料の結合を補助するために、抵抗低減添加剤が溶液中に使用され得る。
【0029】
コンデンサは、所定の時間にわたって、めっき溶液に露出、浸水、又は浸漬され得る。かかる露出時間は、必ずしも制限されるものではないが、めっきされた終端を形成するために十分なめっき材料を堆積させることを可能にする、十分な時間であり得る。これに関して、時間は、一組の交互の誘電層及び電極層内のそれぞれの電極層の所与の極性のリードタブの、所望の露出された隣り合う前縁間の連続接続の形成を可能にするのに十分な時間でなければならない。
【0030】
一般的に、電解めっきと無電解めっきとの相違は、電解めっきが、外部電源の使用などによる電気的バイアスを使用していることである。電解めっき溶液は、典型的には、高電流密度範囲、例えば10から15amp/ft2(定格9.4ボルト)にさらされ得る。接続は、めっきされた終端の形成を必要とするコンデンサへの負の接続、及び同じめっき溶液中の固体材料(例えばCuめっき溶液中のCu)への正の接続によって、形成され得る。すなわちコンデンサは、めっき溶液の極性とは反対の極性にバイアスされる。かかる方法を使用して、めっき溶液の導電材料が、電極層のリードタブの露出された前縁の金属に引き付けられる。
【0031】
コンデンサをめっき溶液に浸す、又はさらす前に、様々な前処理ステップが使用され得る。かかるステップは、リードタブの前縁へのめっき材料の付着に触媒作用を及ぼすこと、付着を加速すること、及び/又は付着を改善することを含む様々な目的のために実施され得る。
【0032】
また、めっき又は任意の他の前処理ステップの前に、初期クリーニングステップが使用され得る。かかるステップは、電極層の露出されたリードタブの上に形成するあらゆる酸化物の蓄積を除去するために使用され得る。このクリーニングステップは、内部電極又は他の導電性素子がニッケルで形成される場合に、酸化ニッケルのあらゆる蓄積の除去を補助するためにとりわけ有用であり得る。構成要素のクリーニングは、酸クリーナを含むものなど、プレクリーン槽中への完全浸水によって達成され得る。一実施形態では、露出は、約10分程度などの所定の時間にわたり得る。また、クリーニングは、別法として化学研磨又はハーパライジングするステップによっても達成され得る。
【0033】
更に、導電材料の堆積を容易にするために、電極層のリードタブの露出された金属前縁を活性化するステップが実施され得る。活性化は、パラジウム塩、光パターン化パラジウム有機金属前駆体(マスク又はレーザを使って)、スクリーン印刷若しくはインクジェット堆積パラジウム化合物、又は電気泳動パラジウム堆積物中への浸水によって達成され得る。パラジウムベースの活性化は、ここでは、ニッケル又はニッケルの合金で形成された、露出されたタブ部分の活性化と多くの場合良好に作用する、活性化溶液の単なる例として開示されていることを認識されたい。しかしながら、他の活性化溶液もまた利用され得ることを理解されたい。
【0034】
更に、上記活性化ステップの代わりに、又は上記活性化ステップに加えて、コンデンサの電極層を形成する際に、導電材料中に活性化ドーパントが導入され得る。例えば電極層がニッケルを含み、また、活性化ドーパントがパラジウムを含んでいる場合、電極層を形成するニッケルインク又は組成物中にパラジウムドーパントが導入され得る。そうすることにより、パラジウム活性化ステップを除去することができる。有機金属前駆体など、上記活性化方法のうちのいくつかはまた、コンデンサの概ねセラミックのボディーへの付着を強化するためのガラス形成剤の共堆積にも適していることを、更に認識されたい。活性化ステップが上記のように実施される場合、終端めっきの前及び後に、露出された導電性部分に活性剤材料の痕跡がしばしば残り得る。
【0035】
更に、めっき後の後処理ステップもまた使用され得る。かかるステップは、材料の付着の強化及び/又は改善を含む様々な目的のために実施され得る。例えばめっきステップを実施した後に、加熱(又は焼きなまし)ステップが使用され得る。かかる加熱は、焼付け、レーザサブジェクション、UV露光、マイクロ波露出、アーク溶接などによって実施され得る。
【0036】
外部終端は、約35μm以上など、約50μm以上など、約75μm以上などの、約25μm以上の総平均厚さを有することができる。例えば外部終端は、約35μmから約125μmまでなど、約50μmから約100μmまでなどの、約25μmから約150μmまでの平均厚さを有することができる。
【0037】
外部終端は、約125μm以下など、約100μm以下など、約80μm以下などの、約150μm以下の最大厚さを有することができる。外部終端は、約35μm以上など、約50μm以上など、約75μm以上などの、約25μm以上の最大厚さを有することができる。例えば外部終端は、約35μmから約125μmまでなど、約50μmから約100μmまでなどの、約25μmから約150μmまでの最大厚さを有することができる。
【0038】
外部終端のベース層は、いくつかの実施形態では約5μmから約100μmまで、またいくつかの実施形態では約10μmから約80μmまでの、約3μmから約125μmまで、又はそれを超える範囲である、平均厚さを有することができる。コンプライアント層は、いくつかの実施形態では約5μmから約100μmまで、いくつかの実施形態では約10μmから約80μmまでの、約3μmから約125μmまで、又はそれを超える範囲である、平均厚さを有することができる。
【0039】
いくつかの実施形態では、コンプライアント層の最大厚さに対するマージン距離の比は、いくつかの実施形態では約10より大きく、いくつかの実施形態では約15より大きく、いくつかの実施形態では約20より大きく、またいくつかの実施形態では約40より大きい、約5より大きい比であり得る。
【0040】
これより、積層コンデンサの例示的な実施形態について、詳細に言及することにする。図面を参照すると、
図1は、本開示の態様による、積層コンデンサ100の一実施形態の断面図を示している。コンデンサ100は、第1の端部104、及び第1の端部104から長手方向108に離間された第2の端部106を有する、モノリシックボディー102を備えることができる。モノリシックボディー102は、モノリシックボディー102の第1の端部104から第2の端部106に向かって延在する、第1の複数の電極110を備えることができる。第1の複数の電極110は、モノリシックボディーの第2の端部106から、第1のマージン距離114だけ離間され得る。第2の複数の電極112は、モノリシックボディー102の第2の端部106から第1の端部104に向かって延在することができる。第2の複数の電極112は、複数の第1の電極110と交互に配置され得る。第2の複数の電極112は、モノリシックボディー102の第2の端部104から、第2のマージン距離116だけ離間され得る。モノリシックボディー102は、第1の端部104と第2の端部106との間の長手方向の距離108の、ボディー長さ118を有することができる。マージン比は、ボディー長さ118と、第1のマージン距離114又は第2のマージン距離116のうちの少なくとも一方との間で定義され得る。いくつかの実施形態では、マージン比は、約10未満であり得る。
【0041】
コンデンサの屈曲(例えば、矢印122で示されているような)に起因する亀裂120が生じ得る場合、亀裂120は、第1又は第2のマージン距離114、116内に留まるであろう。亀裂120は、第1の複数の電極110と第2の複数の電極112との両方を交差させることはなく、さもなければ電極間の電気的接続(例えば「短絡」)をもたらすことになる、第1の複数の電極110と第2の複数の電極112との接触を防止するであろう。
【0042】
コンデンサ100は、第1の端部104に沿って配置され、第1の複数の電極110に接続された、第1の外部終端140を備えることができる。コンデンサ100は、第2の端部106に沿って配置され、第2の複数の電極112に接続された、第2の外部終端142を備えることができる。第1の外部終端140は、第1のコンプライアント層144を備えることができる。第1のコンプライアント層144は、第1のベース層146を覆って形成され得る。第1の外部終端140の第1のベース層146は、第1の複数の電極110と電気的に接続され得る。
【0043】
コンデンサ100は、第2の端部106に沿って配置され、第2の複数の電極112に接続された、第2の外部終端142を備えることができる。第2の外部終端142は、第2のコンプライアント層145を備えることができる。第2のコンプライアント層145は、第2のベース層147を覆って形成され得る。第2の外部終端142の第2のベース層147は、第2の複数の電極112と電気的に接続され得る。
【0044】
コンプライアント層144、145は、例えば上記のように、ポリマー及び導電性粒子を含むことができる、導電性高分子組成物を含むことができる。いくつかの実施形態において、ポリマーは、エポキシ樹脂であるか、又はエポキシ樹脂を含むことができる。導電性粒子は、銀、金、銅などの金属であるか、又は上記金属を含むことができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、ベース層146、147は、モノリシックボディー102を浸漬して厚膜層を形成することによって、形成され得る。他の実施形態では、ベース層146、147は、めっきされ得る(例えば、電解めっき又は無電解めっきを使用して)。
【0046】
1つ又は複数のめっき層148は、コンプライアント層146、147を覆って形成され得る。例えば、第1の外部終端140のめっき層148は、コンプライアント層144、145を覆って形成された第1のめっき層と、第1のめっき層を覆って形成された第2のめっき層とを備えることができる。第1のめっき層及び第2のめっき層(存在する場合)は、種々の好適な金属で形成され得る。例えば、第1のめっき層は、ニッケルを含むことができる。第2のめっき層は、スズを含むことができる。
【0047】
コンプライアント層144、145は、長手方向108に、それぞれの厚さ150、152を有することができる。第1のコンプライアント層144の厚さ150に対する第1のマージン距離114の比は、約5より大きくなり得る。第2のコンプライアント層145の厚さ152に対する第2のマージン距離116の比は、約5より大きくなり得る。
【0048】
図2は、本開示の態様による、積層コンデンサ200の別の実施形態の断面図を示している。積層コンデンサ200は、概ね、
図1の積層コンデンサ100と同様に構成され得る。
図2の参照番号は、概ね
図1の参照番号と一致し得る。積層コンデンサ200は、モノリシックボディー202の第1の端部204に第1の複数のアンカータブ254、及び/又はモノリシックボディー202の第2の端部206に第2の複数のアンカータブ256を、追加的に備えることができる。
【0049】
アンカータブ254、256は、ベース層246、247をめっきする(例えば、無電解めっき)ための、核生成が起こる箇所として機能することができる。例えば、アンカータブ254、256は、安全で信頼性の高い外部めっきの形成を、容易にすることができる。通常、内部電気接続を有してしないアンカータブは、外部終端接続性の向上、より優れた機械的完全性及びめっき材料堆積のために設けられ得る。
【0050】
図3は、本開示の態様による、積層コンデンサ300の別の実施形態の断面図を示している。
図3の参照番号は、概ね
図1の参照番号と一致し得る。積層コンデンサ300は、1つ又は複数のフローティング電極358を追加的に備えることができる。例えば、第1の複数の電極310は、Z方向360に、第2の複数の電極312のうちのそれぞれの電極312と、ほぼ揃えられ得る。フローティング電極358は、電極310、312の揃えられた対のそれぞれと、交互に配置され得る。
【0051】
第1のマージン距離314は、長手方向308における、第1の複数の電極310とモノリシックボディー302の第2の端部306との間で画定され得る。第2のマージン距離316は、第2の複数の電極312とモノリシックボディー302の第1の端部304との間で画定され得る。ただし、いくつかの実施形態では、コンデンサは、フローティング電極がなくてもよいことを理解されたい。
【0052】
図4は、本開示の態様による、積層セラミックコンデンサを形成する方法400の流れ図である。概ね、
図1から
図3を参照して上記で説明された積層コンデンサ100、200、300を参照して、方法400について本明細書で説明することにする。しかしながら、開示される方法400は、任意の好適な積層コンデンサで実施され得ることを理解されたい。加えて、
図4は、例示及び考察する目的で、特定の順序で実行されるステップを示しているが、本明細書で論じられる方法は、どんな特定の順序又は配置にも限定されるものではない。当業者は、本明細書で提示される開示を使用して、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書で開示される方法の様々なステップが、様々なやり方で省略、再配置、組合せ、及び/又は適合され得ることを理解されよう。
【0053】
方法400は、(402)において、例えば上記で
図1から
図3を参照して説明されたように、第1の複数の誘電体層上にそれぞれ、第1の複数の電極を形成するステップと、第2の複数の誘電体層上に第2の複数の電極を形成するステップとを含むことができる。
【0054】
方法400は、(404)において、例えば上記で
図1から
図3を参照して説明されたように、第1及び第2の複数の電極がそれぞれ、モノリシックボディーの反対側の端部からそれぞれ第1及び第2のマージン距離だけ離間されるように、誘電体層を積み重ねるステップを含むことができる。より具体的には、第1の複数の電極は、モノリシックボディーの第1の端部から延在し、モノリシックボディーの第2の端部から長手方向に第1のマージン距離だけ離間され得る。第2の複数の電極は、モノリシックボディーの第2の端部から延在することができ、モノリシックボディーの第1の端部から長手方向に第2のマージン距離だけ離間され得る。ボディー長さと第1のマージン距離及び/又は第2のマージン距離とのマージン比は、約10未満であり得る。
【0055】
方法400は、(406)において、第1の複数の電極及び第2の複数の電極にそれぞれ接続されている、モノリシックボディーのそれぞれの端部に沿って、外部終端を形成するステップを含むことができる。外部終端のうちの少なくとも一方は、例えば上記で
図1から
図3を参照して説明されたように、導電性高分子組成物を含むことができる。
【0056】
本主題は、本主題の特定の実施形態に関して詳細に説明されてきたが、当業者は、前述の理解に達すると、かかる実施形態の変更形態、変形形態、及び同等物を容易に製造できることが理解されよう。したがって、本開示の範囲は、限定するためではなく例示するためのものであり、本開示は、当業者に容易に明らかとなるような本主題へのかかる修正形態、変形形態、及び/又は追加形態を含めることを、排除するものではない。
【国際調査報告】