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特表2022-541375耐食性多機能コーティングの作成方法及びその構成
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-26
(54)【発明の名称】耐食性多機能コーティングの作成方法及びその構成
(51)【国際特許分類】
   C23C 28/00 20060101AFI20220915BHJP
   C09D 201/00 20060101ALI20220915BHJP
   C09D 7/62 20180101ALI20220915BHJP
   C09D 201/04 20060101ALI20220915BHJP
   C09D 7/63 20180101ALI20220915BHJP
   C09D 127/12 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
C23C28/00 A
C09D201/00
C09D7/62
C09D201/04
C09D7/63
C09D127/12
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021573340
(86)(22)【出願日】2019-06-12
(85)【翻訳文提出日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 US2019036858
(87)【国際公開番号】W WO2020251573
(87)【国際公開日】2020-12-17
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521539616
【氏名又は名称】オーシャニット ラボラトリーズ インク
【氏名又は名称原語表記】OCEANIT LABORATORIES, INC.
【住所又は居所原語表記】US 96813 Hawaii,Honolulu,828 Fort Street Mall,Suite 600
(74)【代理人】
【識別番号】100123559
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 俊和
(74)【代理人】
【識別番号】100177437
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 英子
(72)【発明者】
【氏名】アルムガム,ガネッシュ クマー
(72)【発明者】
【氏名】ヴィードゥ,ヴィノッド
(72)【発明者】
【氏名】ナカツカ,マシュー
【テーマコード(参考)】
4J038
4K044
【Fターム(参考)】
4J038EA011
4J038EA012
4J038GA12
4J038HA066
4J038HA216
4J038HA446
4J038JA09
4J038JA11
4J038JA17
4J038JA25
4J038JA55
4J038JA69
4J038JB01
4J038JC20
4J038JC30
4J038KA08
4J038KA15
4J038KA20
4J038NA04
4J038NA05
4J038PB06
4J038PC02
4K044AA06
4K044AB03
4K044BA02
4K044BA06
4K044BA21
4K044BB03
4K044BC02
4K044CA15
4K044CA18
(57)【要約】
多機能コーティング方法は、表面を洗浄し、表面に耐食性合金コーティングの層を適用し、耐食性合金コーティングの上からオレオ疎水性複合コーティングを適用することを含む。石油及びガスパイプは、多機能コーティング方法を用いて塗布された多機能コーティングを有する内面を有し、内側のオレオ疎水性複合コーティングを有し、内側のオレオ疎水性複合コーティングの下に耐食性合金コーティングを有し、耐食性合金コーティングの下に素材のパイプ又は任意の他の金属基材を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属表面に多機能コーティングを適用する方法であって、前記方法は、以下を含む:
前記金属表面を洗浄すること;
無電解めっき、ブラシめっき、及び電気めっきのうちの少なくとも1つにより前記金属表面へ耐食性合金コーティングの層を適用すること;
オレオ疎水性複合コーティングの適用前に、ヒドロキシル、エポキシ、アクリル、又はアミンの官能基の化学的及び/又は電気化学的エッチング及び付着により前記耐食性合金コーティングの層を改質及び官能化すること;
前記耐食性合金コーティングの上から前記オレオ疎水性複合コーティングを適用すること。
【請求項2】
前記金属表面が熱交換器の一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記熱交換器が発電設備内に配置される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記耐食性合金が、ニッケル、ニッケル-リン、ニッケル-コバルト、ニッケル-ホウ素、ニッケル-PTFE、及びクロムのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記オレオ疎水性複合コーティングが、パーフルオロポリマー及び/又はフルオロポリマーに埋め込まれた耐食性ナノ粒子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記オレオ疎水性複合コーティングが、コーティングマトリクス中に埋め込まれたセラミックナノ粒子を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記セラミックナノ粒子が、シリカ、アルミナ、チタニア、及びセリアのナノ粒子のうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
パーフルオロオクチルトリクロロシラン、パーフルオロオクチルホスホン酸、パーフルオロポリヘドラルオリゴマーシルセスキオキサン(POSS)、トリクロロオクタデシル、トリクロロオクチルシラン、パーフルオロシロキサン、フッ化炭化水素、フルオロシラン、フッ酸、アミン、リン酸、アルコール、アクリレート、エポキシ、エステル、エーテル、スルホネート、及び/又はフルオロ又は非フルオロモノマーのうちの少なくとも1つを付着させることによって、埋め込まれたナノ粒子を官能化することを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記オレオ疎水性複合コーティングが、コーティングマトリクス中に埋め込まれた金属ナノ粒子をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記金属ナノ粒子が、ニッケル、銅、及び鉄ナノ粒子のうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記オレオ疎水性複合コーティングが、パーフルオロポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
多機能コーティングを金属表面に適用するためのアプリケータであって、アプリケータは、以下を含む方法に基づいて多機能コーティングを適用する、アプリケータ:
前記金属表面を洗浄すること;
無電解めっき、ブラシめっき、及び電気めっきのうちの少なくとも1つによって前記金属表面に耐食性合金コーティングの層を適用すること;
オレオ疎水性複合コーティングの適用前に、ヒドロキシル、エポキシ、アクリル、又はアミンの官能基の化学的及び/又は電気化学的エッチング及び付着により前記耐食性合金コーティングの層を改質及び官能化すること;
前記耐食性合金コーティングの上から前記オレオ疎水性複合コーティングを適用すること;
ここで、アプリケータは、オレオ疎水性複合コーティングを含む。
【請求項13】
前記金属表面が熱交換器の一部である、請求項12に記載のアプリケータ。
【請求項14】
前記熱交換器が発電設備内に配置される、請求項13に記載のアプリケータ。
【請求項15】
前記耐食性合金が、ニッケル、ニッケル-リン、ニッケル-コバルト、ニッケル-ホウ素、ニッケル-PTFE、及びクロムのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載のアプリケータ。
【請求項16】
前記オレオ疎水性複合コーティングが、パーフルオロポリマー及び/又はフルオロポリマーに埋め込まれた耐食性ナノ粒子を含む、請求項12に記載のアプリケータ。
【請求項17】
前記オレオ疎水性複合コーティングが、コーティングマトリクス中に埋め込まれたセラミックナノ粒子を更に含む、請求項12に記載のアプリケータ。
【請求項18】
前記セラミックナノ粒子が、シリカ、アルミナ、チタニア、及びセリアのナノ粒子のうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載のアプリケータ。
【請求項19】
前記方法が、パーフルオロオクチルトリクロロシラン、パーフルオロオクチルホスホン酸、パーフルオロポリヘドラルオリゴマーシルセスキオキサン(POSS)、トリクロロオクタデシル、トリクロロオクチルシラン、パーフルオロシロキサン、フッ化炭化水素、フルオロシラン、フッ酸、アミン、リン酸、アルコール、アクリレート、エポキシ、エステル、エーテル、スルホネート、及び/又はフルオロ又は非フルオロモノマーのうちの少なくとも1つを付着させることによって、埋め込まれたナノ粒子を官能化することを更に含む、請求項17に記載のアプリケータ。
【請求項20】
前記オレオ疎水性複合コーティングが、コーティングマトリクス中に埋め込まれた金属ナノ粒子をさらに含む、請求項12に記載のアプリケータ。
【請求項21】
前記金属ナノ粒子が、ニッケル、銅、及び鉄ナノ粒子のうちの少なくとも1つを含む、請求項20に記載のアプリケータ。
【請求項22】
前記オレオ疎水性複合コーティングが、パーフルオロポリマーを含む、請求項12に記載のアプリケータ。
【請求項23】
前記アプリケータが、前記耐食性合金コーティングを含む、請求項12に記載のアプリケータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般に、スケールの蓄積やHS及びCOにより誘発される腐食の防止、並びに、スイートガス及びサワーガスへの耐性や撥水性/撥油性の提供のための表面処理及びコーティングに関する。
【背景技術】
【0002】
スイート及びサワーガスの存在下での多相流を伴う高圧及び高温下での耐食に有効な市販のコーティングは多く存在しない。サワーガスは、HSを多く含むガスであり、天然ガスその他のガスである。この状況は、石油・ガスの掘削・探鉱作業でよく見られる。深海及び陸上の石油及びガスの掘削は、典型的に、200~250℃のパイプライン温度及び100psiを超え20000psiまでの圧力を伴う。
【0003】
耐食性合金コーティングは、パイプラインの内部及びアクセス不能な領域に適用(塗布)することが困難であり、この工程は拡張性に欠ける。存在する耐食性コーティング技術は、HS及びCOに対する耐食性に欠ける。商業的解決策の殆どは、腐食やHS/COによる侵食を防止するためのポリマーコーティング又は複合コーティングに基づいているが、それらは、コーティングがひとたび破損すると最小限の保護しか提供しない。ポリマーベースのコーティングの使用は、これらのガスに対して一時的な耐性を付与するだけであり、それは、高圧及び高温下では維持されない。
【0004】
スイートガス及びサワーガスの存在下、かつ高温及び高圧下で使用するための、改善された耐食性の表面処理及びコーティングが必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】国際公開第2019/067950号
【発明の概要】
【0006】
以下の概要及び詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものであり、請求項に記載される発明の更なる説明を提供することを意図していることを理解されたい。本発明の以下の概要及び説明も、本発明の要旨を、概要又は説明において記載された特定の特徴に定義又は限定することを意図するものではない。
【0007】
特定の実施形態では、開示された実施形態は、本明細書で説明された特徴のうちの1つ又は複数を含むことができる。
【0008】
新規の耐食性コーティングは、高温、高圧、腐食性、スイートガス又はサワーガス環境において耐食性を維持することができる。また、高撥水性も、耐スケール性及び他の有益な結果を改善するのに役立つ。このコーティングは、ニッケル、クロム、コバルト及び/又は任意の他の耐食性合金を含む金属耐食のベース層、及び、多相流領域における抗力を低減する低表面エネルギーを提供可能なポリマー複合コーティングのトップ層を含んでもよい。コーティングは、石油及びガスの掘削及び探査、並びに海洋、航空、自動車、電子機器、家庭、建設及び輸送用途等に有用である。新規のコーティングの利点は、金属表面の永続的耐食性、複雑な部品や到達困難な領域、特にパイプライン、ポンプ、弁内側への容易な適用(塗布)、HS及びCOへの耐性の向上、高圧及び高温下での耐久性の向上を含む。
【0009】
金属表面の保護を改善するために、新規の多機能コーティングが使用される。コーティングは、例えば、無電解めっき法、ブラシめっき(筆めっき)法又は電気めっき法等を用いて表面に適用される耐食性合金コーティングの薄層を含み、続いて、耐水性/耐油性を有し、かつ、スイートガス及びサワーガスに対して不透過性/不活性を有するナノ粒子埋め込みパーフルオロポリマーの複合コーティングが適用される。耐食性合金コーティングを適用する良好な方法については、後に詳述する。
【0010】
新規の多機能コーティングのトップコーティングは疎油性であり、既知の市販のポリマー中のフッ化物ナノ粒子(例えば、フッ化物シリカナノ粒子等。)から構成されてもよい。官能基(例えば、ヒドロキシル、エポキシ、アクリル、アミン等。)は、耐久性を改善するために、トップコーティングの適用前に耐食性合金に適用されてもよい。
【0011】
各層は各々の機能を有し、内部の第1の合金コーティングはサワーガスによる侵食を防ぎ、一方、複合層のトップ層は撥油及び撥水剤として機能する。トップ層は、高温及び高圧で分解可能であり、その下の表面を、油、水、及び/又はガスを含む環境に曝すことができる。石油及びガスパイプラインやその他の用途に一般的に使用される鋼は、サワーガスによる腐食を極めて生じやすく、直接露出した場合にはすぐに腐食を生じる。しかし、複合層の下の耐食性合金コーティングは、この発生を防止する。多機能コーティングは、HSへの耐性及び撥水撥油性を持つ簡易で拡張可能な2層の表面保護を提供する。
【0012】
いくつかの代替の実施形態及び特定の用途では、耐食合金層は、実質的な腐食保護を提供するのに充分な強度を有すれば単独で使用されてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態における新規の多機能コーティング方法は、表面を洗浄する工程と、表面に耐食合金コーティングの層を適用する工程と、耐食合金コーティングの上にオレオ疎水性複合コーティングを適用する工程とを含む。いくつかの実施形態において、この方法はまた、オレオ疎水性複合コーティングの適用前に、化学的及び/又は電気化学的エッチング及び官能基の付着によって、耐食性合金コーティングの層を改質及び官能化する工程を含む。
【0014】
様々な実施形態において、官能基は、ヒドロキシル、エポキシ、アクリル、又はアミンの官能基である。
【0015】
様々な実施形態において、表面洗浄は、ショットブラスト及び/又は酸/塩基洗浄を含む。
【0016】
様々な実施形態において、耐食合金には、無電解めっき、ブラシめっき(筆めっき)、及び電気めっきのうちの少なくとも1つが適用される。
【0017】
いくつかの実施形態において、オレオ疎水性複合コーティングは、パーフルオロポリマー及び/又はフルオロポリマーに埋め込まれた耐食性ナノ粒子を含む。
【0018】
表面は、いくつかの実施形態では金属表面であり、いくつかの実施形態では熱交換器の一部である。いくつかの実施態様において、熱交換器は、発電所に配置される。
【0019】
いくつかの実施形態において、耐食性合金は、ニッケル、ニッケル-リン、ニッケル-コバルト、ニッケル-ホウ素、ニッケル-PTFE、及びクロムのうちの少なくとも1つを含む。
【0020】
いくつかの実施形態において、オレオ疎水性複合コーティングは、コーティングマトリクス中に埋め込まれたセラミックナノ粒子を含む。いくつかの実施形態において、セラミックナノ粒子は、シリカ、アルミナ、チタニア、及びセリアのナノ粒子のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、埋め込まれたナノ粒子は、パーフルオロオクチルトリクロロシラン、パーフルオロオクチルホスホン酸、パーフルオロ多面体オリゴマーシルセスキオキサン(POSS)、トリクロロオクタデシル、トリクロロオクチルシラン、パーフルオロシロキサン、フッ化炭化水素、フルオロシラン、フッ酸、アミン、リン酸、アルコール、アクリレート、エポキシ、エステル、エーテル、スルホネート、及び/又は、フルオロ又は非フルオロモノマーのうちの少なくとも1つを付着させることによって官能化される。
【0021】
いくつかの実施形態において、オレオ疎水性複合コーティングは、コーティングマトリクスに埋め込まれた金属ナノ粒子を含む。いくつかの実施形態において、金属ナノ粒子は、ニッケル、銅、及び鉄のナノ粒子のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、オレオ疎水性複合コーティングは、パーフルオロポリマーを含む。
【0022】
金属表面に多機能コーティングを適用する新規のアプリケータは、表面の洗浄、表面への耐食性合金コーティング層の適用、及び、耐食性合金コーティング上へのオレオ疎水性複合コーティングの適用を含む方法に基づいて、金属表面に多機能コーティングを適用する。アプリケータは、オレオ疎水性複合コーティングを含む。いくつかの実施形態において、オレオ疎水性複合コーティングは、コーティングマトリクスに埋め込まれた金属ナノ粒子を含む。いくつかの実施形態では、この方法はまた、オレオ疎水性複合コーティングの適用前に、化学的及び/又は電気化学的エッチング及び官能基の付着によって、耐食性合金コーティングの層を改質及び官能化する工程も含む。様々な実施形態において、官能基は、ヒドロキシル、エポキシ、アクリル、又はアミンの官能基である。様々な実施形態において、表面洗浄は、ショットブラスト及び/又は酸/塩基洗浄を含む。様々な実施形態において、耐食合金は、無電解めっき、ブラシめっき、及び電気めっきの少なくとも1つによって適用される。いくつかの実施形態において、オレオ疎水性複合コーティングは、パーフルオロポリマー及び/又はフルオロポリマーに埋め込まれた耐食性ナノ粒子を含む。表面は、いくつかの実施形態では金属表面であり、いくつかの実施形態では熱交換器の一部である。いくつかの実施態様において、熱交換器は、発電所に配置される。いくつかの実施形態において、耐食性合金は、ニッケル、ニッケル-リン、ニッケル-コバルト、ニッケル-ホウ素、ニッケル-PTFE、及びクロムのうちの少なくとも1つを含む。
【0023】
いくつかの実施形態において、オレオ疎水性複合コーティングは、コーティングマトリクス中に埋め込まれたセラミックナノ粒子を含む。いくつかの実施形態では、セラミックナノ粒子は、シリカ、アルミナ、チタニア、及びセリアのナノ粒子のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、埋め込まれたナノ粒子は、パーフルオロオクチルトリクロロシラン、パーフルオロオクチルホスホン酸、パーフルオロ多面体オリゴマーシルセスキオキサン(POSS)、トリクロロオクタデシル、トリクロロオクチルシラン、パーフルオロシロキサン、フッ化炭化水素、フルオロシラン、フッ酸、アミン、リン酸、アルコール、アクリレート、エポキシ、エステル、エーテル、スルホネート、及び/又はフルオロ又は非フルオロモノマーのうちの少なくとも1つを付着させることによって官能化される。
【0024】
いくつかの実施形態において、オレオ疎水性複合コーティングは、コーティングマトリクスに埋め込まれた金属ナノ粒子を含む。いくつかの実施形態において、金属ナノ粒子は、ニッケル、銅、及び鉄のナノ粒子のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態において、オレオ疎水性複合コーティングは、パーフルオロポリマーを含む。
【0025】
いくつかの実施態様において、アプリケータは、耐腐食性合金コーティングを含む。
【0026】
新規又は既存の石油及びガスパイプは、内側表面に多機能コーティングが適用された内面を有し、これは、内側のオレオ疎水性複合コーティングを含み、内側のオレオ疎水性複合コーティングの下に耐食性合金コーティングを有し、そして耐食性合金コーティングの下に素材のパイプ材料を有する。
【0027】
多機能耐食性コーティングはまた、鋼又はステンレス鋼合金以外の金属表面(例えば、アルミニウム、銅、及び/又はクロムベースの合金)に適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本明細書と共に提出され、本明細書の一部を構成する添付の図面は、例示的な実施形態を示し、詳細な説明を伴うことにより、これらの実施形態や当業者にとって明らかな他の実施形態を、当業者に作製及び使用可能とすることを更に提供する。
図1図1は、一実施形態における、耐食性多機能コーティング処理のフローチャートである。
図2図2A図2Eは、一実施形態における、耐食性多機能コーティング処理中に金属表面に生じる変化を示す概略図である。図2Fは、図2Eの領域Aの詳細図である。
図3図3A図3Fは、他の実施形態における、耐食性多機能コーティング処理中に金属表面に生じる変化を示す概略図である。図3Gは、図3Fの領域Bの詳細図である。
図4図4A図4Cは、一実施形態における、耐食性多機能コーティング処理を経る鋼製サンプルを示す一連の画像である。
図5図5A図5Bは、耐食性合金コーティングを適用する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
高圧/高温下での用途のための耐食性多機能コーティングを鉄及び非鉄合金上に作成するための構成及び方法が、様々な例示的実施形態に関して開示されるであろう。本明細書は、本発明の特徴を備えた1つ以上の実施形態を開示する。
記載された実施形態、及び本明細書において、「1つの実施形態(one embodiment)」、「一実施形態(an embodiment)」、「例示的実施形態(an example embodiment)」等への言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含み得ることを示す。このような語句は、必ずしも同じ実施形態に言及するものではない。特定の特徴、構造、又は特性が実施形態に関連して記載される場合、当業者は、明示的に記載されるか否かにかかわらず、他の実施形態に関連して、そのような特徴、構造、又は特性をもたらし得る。
【0030】
いくつかの図では、異なる図面においても同様の機能を有する同様の要素には同様の参照符号が使用され得る。図面は一定の縮尺ではない。記載される実施形態、及びそれらの詳細な構造及び要素は、単に、本発明の包括的な理解を補助するために提供される。したがって、本発明は、様々な方法で実施することができ、本明細書に記載される特定の特徴のいずれも必要としないことは明らかである。また、周知の機能又は構成は、不要に詳細な説明をすると本発明を不明瞭にするので、詳細には説明しない。図面中の任意の信号矢印は、特に断りのない限り、単に例示的なものであり、限定的なものではないと考えられるべきである。
【0031】
「第1(first)」、「第2(second)」等の用語は、様々な要素を説明するために本明細書で使用され得るが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されるであろう。これらの用語は、単に1つの要素を他の要素から区別するために使用される。例えば、例示的な実施形態の要旨から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。本明細書で使用されるように、用語「及び/又は」は、関連する列挙された項目のうちの1つ又は複数の任意の組合せ及び全ての組合せを含む。本明細書で使用される場合、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つ」は、A若しくはB若しくはC、又はそれらの任意の組合せを示す。本明細書で使用されるように、単数形の単語は、文脈が明らかにそうでないことを指示しない限り、複数形を含み、その逆も同様である。したがって、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、一般に、それぞれの用語の複数を含む。
【0032】
また、いくつかの代替の実施形態では、注記された機能/動作は、図に記載された順序とは異なる順序で行われてもよいことに留意されたい。例えば、連続して示される2つの図は、実際には、実質的に同時に実行されてもよく、又は、関連する機能/動作に応じて、時には逆の順序で実行されてもよい。
【0033】
用語「含む(comprise)」、「含む(comprises)」及び「含んでいる(comprising)」は、排他的ではなく包括的に解釈されるべきである。同様に、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及び「又は(or)」という用語は、そのような解釈が文脈上明確に禁止されていない限り、すべて包括的であると解釈されるべきである。用語「含んでいる(comprising)」又は「含んでいる(including)」は、用語「本質的に~により構成される(consisting essentially of)」及び「~により構成される(consisting of)」によって包含される実施形態を含むことを意図する。同様に、「本質的に~により構成される(consisting essentially of)」という用語は、「~により構成される(consisting of)」という用語によって包含される実施形態を含むことを意図する。別個の意味を有するが、用語「含んでいる(comprising)」、「有している(having)」、「含有する(containing)」、及び「~により構成される(consiting of)」は、本発明の説明全体を通して、互いに置換されてもよい。
【0034】
「例えば(for example)」、「~のような(such as)」、「含んでいる(including)」等の語句が本明細書で使用されるときは、別段の明示的な記載がない限り、常に、語句「限定されない(and without limitation)」が以降に続くものと理解される。
【0035】
「典型的に(Typically)」又は「任意に(optionally)」は、後に記載される事象又は状況が発生しても発生しなくてもよく、その記載は、前述の事象又は状況が発生する場合と発生しない場合とを含むことを意味する。
【0036】
図1は、一実施形態における、耐食性多機能コーティング処理のフローチャートである。まず、コーティングされるべき表面が、例えばショットブラスト、酸/塩基洗浄、及び/又は他の公知の技術によって洗浄される(100)。次に、耐食性合金コーティングが、例えば無電解めっき、ブラシめっき、電気めっき等の技術を用いて適用される(102)。次に、耐食性合金コーティングの表面が、化学的及び/又は電気化学的エッチング及び官能基付着を用いて改質され、官能化される(104)。最後に、例えば、パーフルオロポリマーに埋め込まれた耐食性ナノ粒子等の多機能の撥油/撥水性ポリマー複合コーティング、が適用される(106)。
【0037】
図2A~Fは、一実施形態における、耐食性多機能コーティング処理中に金属表面(200)上に生じる変化を示す概略図である。図2Aに示すような金属表面(200)から開始され、まず、その表面が清浄化され(201)、図2Bに示すように、コーティングを適用するための金属の清浄な上面(202)が残される。次に、耐食性合金が清浄な上面の上に付着し(203)、その結果、図2Cに示すように、耐食性合金(204)のトップ層を有する金属表面が得られる。多機能複合オレオ疎水性コーティング(206)が、耐食性合金層に適用され(207)、図2Dに示すように、表面に最終トップ層が形成される。最終的な表面は、図2E及び詳細図2Fに示されるように、変化しない金属の底部層(200)、耐食性合金コーティングの中間層(204)、及び多機能複合オレオ疎水性コーティングの上部層(206)を含む。
【0038】
図3A図3Gは、一実施形態における、耐食性多機能コーティング処理中に金属表面(200)に生じる変化を示す概略図である。この概略図は、図2A~Fと同様であるが、図3Dに示される官能基付着工程の追加を伴い、官能基(205)は、ナノ粒子コーティングとして耐食性合金に付着され、その後、付着性及び耐久性を高めるために、図3Eに示されるように、多機能複合オレオ疎水性コーティング(206)が適用される。
【0039】
図4A図4Cは、一実施形態における、耐食性多機能コーティング処理を経る鋼製サンプルを示す一連の画像である。まず、図4Aは、幅が2インチの素材の鋼製サンプル(400)を示す。次に、図4Bは、その上に無電解ニッケルの付着が行われた後の鋼を示し、それにより耐食性ニッケル合金(402)のトップ層が与えられる。最後に、図4Cは、多機能複合オレオ疎水性コーティングが適用された後の耐食性複合コーティング(404)のトップ層を有する鋼サンプルを示す。
【0040】
本明細書に記載されるコーティングは、アクセス不可能な領域又は到達困難な領域に位置する幾何学的に複雑な種々の表面を含み、但しこれらに限定されない工業的環境における様々な金属表面に適用され得ることを理解されたい。このような表面は、純粋に非限定の例として、発電所内部の熱交換器の内部及び外部表面を含む。更に、本発明を具体化するコーティングを所与の表面に適用するために、例えば、スプレー塗布、ブラシ塗布等の1つ又は複数の方法を使用可能であることを理解されたい。
【0041】
[適用方法の例示]
耐食性合金コーティングを適用する良好な方法の1つは、電解質再循環又は電解質溶液中へのブラシめっきワンドの浸漬の必要性を排除するために、銅電気めっき溶液等のイオン性及び/又は非イオン性電解質を成形可能な固体形態でパッケージングすることを含むブラシめっき処理である。電解質を固体の形態でパッケージングすることによって、ブラシめっき処理で液体電解質を使用する必要がない。導電性を維持するために電極に水が噴霧される。
【0042】
前駆体、バインダー、及び溶媒を有する固体又は半固体形態の形態の固体電解質と、基板の電気化学的処理のために電極/電解質アセンブリとして組み合わされた作製物を有するツールとを使用することができる(※「固体又は半固体形態」がどこにかかるか?「基板の電気化学的処理のため」がどこにかかるか?)。固体電解質は、金属塩、ナノ粒子、有機金属前駆体、及びポリマー又はイオン性有機化合物を含むことができる。バインダーは、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、シリコン、無機バインダー、ケイ酸塩、及び界面活性剤又は臭化セチルトリメチルアンモニウムのポリマーを含むことができる。溶媒は、水性又は非水性溶媒、イオン性液体又は非プロトン性溶媒を含むことができる。固体電解質は、成形可能(moldable)、又は、整合固体(conformable solid)、又は、成形における半固体(semisolid in moldable)の形態である。電極は、導電性の金属又は非金属のワイヤ、ロッド、チューブフォイル、プレート、シート、発泡体又はメッシュ状であってもよく、電極へのDC電源接続部を更に有する。ハンドルが電極に接続される。DC電源接続部も基板に接続される。
【0043】
固体電解質材料は、電気めっき、電解研磨、電解採取、電解エッチング又は陽極酸化処理された電気化学材料であり、電気化学的処理は、電気めっき、電解研磨、電解採取、電気化学的エッチング又は陽極酸化処理を含む。本発明は、成形可能な固体又は半固体形態のイオン性又は非イオン性電解質を提供する。イオン性又は非イオン性電解質は、前駆体、バインダー及び媒体の混合物である。固体電極は、電気化学材料とバインダーとの混合物で形成される。固体電解質は、電極、電極に適用されるDCコネクタ、及び電極に設けられたハンドルに取り付けられてもよい。DCコネクタは基板に適用され、基板は溶媒で湿潤される。電極及び固体電解質をハンドルで保持し、固体電解質を基板の濡れた表面と接触させた状態で移動させることにより、工程が完了する。湿潤は、基材上への霧状の溶媒の噴霧を含んでもよい。
【0044】
DCコネクタを基板に適用し、電極及び固体電解質をハンドルで保持し、湿潤された固体電解質を移動することにより、又は固体電解質を基板の湿った表面と接触させた状態で移動させることにより、電気材料処理が実行され、前駆体が固体電解質から基板の表面に移動する。
【0045】
前駆体は、例として、金属塩、塩化銅、塩化クロム、硫酸ニッケル、有機化合物、ピリジン、ピロール、アニリン、有機金属化合物、トリメチルガリウム、トリメチルインジウム又はトリメチルアルミニウムであり得る。固体電解質前駆体及び前駆体は、表面又は電解質が溶媒で僅かに湿潤されたときに、固体電解質を基板の表面上に移動させるハンドルを使用することによって、固体電解質から基板の表面に移動される。
【0046】
電気化学的材料を、溶媒を含むか又は含まないブレンダー中で脂肪酸界面活性剤及びポリマーバインダーと混合し、混合された混合物を型中に注ぎ、混合物を乾燥させると、電極に取り付けるための固体又は半固体の電解質の形態が形成される。
【0047】
電気化学的材料を、溶媒を含むか又は含まないブレンダー中で脂肪酸界面活性剤及びポリマーバインダーと混合し、混合物を化学的又は物理的に架橋結合させるために混合された混合物を型中に注ぎ、それによって、固体又は半固体の電解質パッドを形成する。電気化学材料を脂肪酸界面活性剤及びポリマーバインダーと、溶媒を含むか又は含まないブレンダー中で混合し、混合された混合物を電極を有する型中に注ぎ、混合物を乾燥させるか又は化学的又は物理的架橋結合をさせ、それによって固体又は半固体の電解質/電極アセンブリを形成する。
【0048】
電解質が充分に水和されている場合にのみ摩擦及び電極と基板との間の電圧の印加によって金属イオンを放出することが可能な高濃度の金属(銅、クロム、ニッケル等)を含有する固体電解質を使用してもよい。充分な量の金属イオンを電解質の形態で貯蔵し、それらをめっき処理中に所望の位置に運ぶことが可能である。固体電解質は、既存のワンドに取り付けることができ、既存の方法と同様に布及びブラシめっきで覆うことができる。
【0049】
1つの特定の例では、図5A及び5Bに例示されるように、約10重量%のオクタン酸銅を含有する市販の銅界面活性剤溶液が、精製することなく使用される。既知量のポリマーバインダー(ポリエチレンオキシド)が、ホモジナイザーを使用して、水中でオクタン酸銅溶液と30分間混合される。ポリマー-銅-界面活性剤溶液が均一になったら、均一化した溶液はプラスチック製の2インチ×2インチ×2インチの立方体型に注がれ、真空オーブン中で80℃で2日間乾燥される。
【0050】
作製された固体銅電解質ポリマー1は、鋼片3上への銅のブラシめっきに使用される。鋼片3と銅ワンド、すなわち、図5A及び図5Bに示される固体銅電解質1で覆われたブラシ電極4との間にDC電圧が印加される。銅電解質1は、導電性を維持するために、数滴(1~2mL)の水で時々水和される。または、代替的に、霧状の水が基材上に噴霧される。銅電解質1が鋼片3上にブラシ塗布され、鋼片3上に銅が付着する。
【0051】
本発明のこれら及び他の目的及び特徴は、上述及び記載中の明細書を含むこの開示において明確である。
【0052】
本発明は、詳細に上述した特定の実施形態に限定されるものではない。当業者は、他の配置が考案され得ることを認識するであろう。本発明は、開示された各実施形態の様々な特徴のあらゆる可能な組合せを含む。様々な実施形態に関して本明細書で説明された要素のうちの1つ又は複数は、明示的に記載された方法よりも分離、又は統合された方法で実施することが可能であり、又、特定の用途に準じて有用であるように、ある場合には除去するか、又は操作不能にすることさえ可能である。本発明は、特定の例示的な実施形態を参照して説明されてきたが、本発明の修正及び変形は、以下の特許請求の範囲に記載される本発明の要旨から逸脱することがなければ、構成されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021-04-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属表面に多機能コーティングを適用する方法であって、前記方法は、以下を含む:
前記金属表面を洗浄すること;
無電解めっき、ブラシめっき、及び電気めっきのうちの少なくとも1つにより前記金属表面へ耐食性合金コーティングの層を適用すること;
オレオ疎水性複合コーティングの適用前に、ヒドロキシル、エポキシ、アクリル、又はアミンの官能基の化学的及び/又は電気化学的エッチング及び付着により前記耐食性合金コーティングの層を改質及び官能化すること;
前記耐食性合金コーティングの上から前記オレオ疎水性複合コーティングを適用すること。
【請求項2】
前記金属表面が熱交換器の一部である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記熱交換器が発電設備内に配置される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記耐食性合金が、ニッケル、ニッケル-リン、ニッケル-コバルト、ニッケル-ホウ素、ニッケル-PTFE、及びクロムのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記オレオ疎水性複合コーティングが、パーフルオロポリマー及び/又はフルオロポリマーに埋め込まれた耐食性ナノ粒子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記オレオ疎水性複合コーティングが、コーティングマトリクス中に埋め込まれたセラミックナノ粒子を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記セラミックナノ粒子が、シリカ、アルミナ、チタニア、及びセリアのナノ粒子のうちの少なくとも1つを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
パーフルオロオクチルトリクロロシラン、パーフルオロオクチルホスホン酸、パーフルオロポリヘドラルオリゴマーシルセスキオキサン(POSS)、トリクロロオクタデシル、トリクロロオクチルシラン、パーフルオロシロキサン、フッ化炭化水素、フルオロシラン、フッ酸、アミン、リン酸、アルコール、アクリレート、エポキシ、エステル、エーテル、スルホネート、及び/又はフルオロ又は非フルオロモノマーのうちの少なくとも1つを付着させることによって、埋め込まれたナノ粒子を官能化することを更に含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記オレオ疎水性複合コーティングが、コーティングマトリクス中に埋め込まれた金属ナノ粒子をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記金属ナノ粒子が、ニッケル、銅、及び鉄ナノ粒子のうちの少なくとも1つを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記オレオ疎水性複合コーティングが、パーフルオロポリマーを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
多機能コーティングを金属表面に適用するためのアプリケータであって、アプリケータは、以下を含む方法に基づいて多機能コーティングを適用する、アプリケータ:
前記金属表面を洗浄すること;
無電解めっき、ブラシめっき、及び電気めっきのうちの少なくとも1つによって前記金属表面に耐食性合金コーティングの層を適用すること;
オレオ疎水性複合コーティングの適用前に、ヒドロキシル、エポキシ、アクリル、又はアミンの官能基の化学的及び/又は電気化学的エッチング及び付着により前記耐食性合金コーティングの層を改質及び官能化すること;
前記耐食性合金コーティングの上から前記オレオ疎水性複合コーティングを適用すること;
ここで、アプリケータは、オレオ疎水性複合コーティングを含む。
【請求項13】
前記金属表面が熱交換器の一部である、請求項12に記載のアプリケータ。
【請求項14】
前記熱交換器が発電設備内に配置される、請求項13に記載のアプリケータ。
【請求項15】
前記耐食性合金が、ニッケル、ニッケル-リン、ニッケル-コバルト、ニッケル-ホウ素、ニッケル-PTFE、及びクロムのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載のアプリケータ。
【請求項16】
前記オレオ疎水性複合コーティングが、パーフルオロポリマー及び/又はフルオロポリマーに埋め込まれた耐食性ナノ粒子を含む、請求項12に記載のアプリケータ。
【請求項17】
前記オレオ疎水性複合コーティングが、コーティングマトリクス中に埋め込まれたセラミックナノ粒子を更に含む、請求項12に記載のアプリケータ。
【請求項18】
前記セラミックナノ粒子が、シリカ、アルミナ、チタニア、及びセリアのナノ粒子のうちの少なくとも1つを含む、請求項17に記載のアプリケータ。
【請求項19】
前記方法が、パーフルオロオクチルトリクロロシラン、パーフルオロオクチルホスホン酸、パーフルオロポリヘドラルオリゴマーシルセスキオキサン(POSS)、トリクロロオクタデシル、トリクロロオクチルシラン、パーフルオロシロキサン、フッ化炭化水素、フルオロシラン、フッ酸、アミン、リン酸、アルコール、アクリレート、エポキシ、エステル、エーテル、スルホネート、及び/又はフルオロ又は非フルオロモノマーのうちの少なくとも1つを付着させることによって、埋め込まれたナノ粒子を官能化することを更に含む、請求項17に記載のアプリケータ。
【請求項20】
前記オレオ疎水性複合コーティングが、コーティングマトリクス中に埋め込まれた金属ナノ粒子をさらに含む、請求項12に記載のアプリケータ。
【請求項21】
前記金属ナノ粒子が、ニッケル、銅、及び鉄ナノ粒子のうちの少なくとも1つを含む、請求項20に記載のアプリケータ。
【請求項22】
前記オレオ疎水性複合コーティングが、パーフルオロポリマーを含む、請求項12に記載のアプリケータ。
【請求項23】
前記アプリケータが、前記耐食性合金コーティングを含む、請求項12に記載のアプリケータ。
【請求項24】
金属表面に多機能コーティングを適用する方法であって、前記方法は、以下を含む:
前記金属表面を洗浄すること;
成形可能な固体形態の金属合金の電解質溶媒を用いることにより前記金属表面へ耐食性合金コーティングの層を適用すること;
オレオ疎水性複合コーティングの適用前に、ヒドロキシル、エポキシ、アクリル、又はアミンの官能基の化学的及び/又は電気化学的エッチング及び付着により前記耐食性合金コーティングの層を改質及び官能化すること;
前記耐食性合金コーティングの上から前記オレオ疎水性複合コーティングを適用すること。
【国際調査報告】