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特表2022-541399植物材料から高純度タンパク質標品を単離するプロセス及びその産物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-26
(54)【発明の名称】植物材料から高純度タンパク質標品を単離するプロセス及びその産物
(51)【国際特許分類】
   C07K 1/14 20060101AFI20220915BHJP
   C12N 9/88 20060101ALI20220915BHJP
   C12P 21/00 20060101ALI20220915BHJP
   C07K 14/415 20060101ALI20220915BHJP
   A23L 33/185 20160101ALI20220915BHJP
【FI】
C07K1/14
C12N9/88
C12P21/00 A
C12P21/00 Z
C07K14/415
A23L33/185
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500839
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(85)【翻訳文提出日】2022-03-04
(86)【国際出願番号】 US2020041525
(87)【国際公開番号】W WO2021007484
(87)【国際公開日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】62/872,917
(32)【優先日】2019-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
2.BRIJ
3.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】522008573
【氏名又は名称】プランティブル フーズ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 達則
(74)【代理人】
【識別番号】100203828
【弁理士】
【氏名又は名称】喜多村 久美
(72)【発明者】
【氏名】トニー マーテンズ
(72)【発明者】
【氏名】セザー フローレス
(72)【発明者】
【氏名】エデュアルド レイノソ モレノ
(72)【発明者】
【氏名】ローランド バン デル モレン
【テーマコード(参考)】
4B018
4B050
4B064
4H045
【Fターム(参考)】
4B018MD48
4B018MF01
4B050DD13
4B050FF01C
4B050FF03C
4B050FF08C
4B050LL02
4B064AG01
4B064CE02
4B064CE03
4B064CE08
4B064CE09
4B064DA10
4H045AA10
4H045AA20
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA30
4H045DA89
4H045EA01
4H045FA71
4H045GA01
4H045GA15
(57)【要約】
植物材料からタンパク質を調製する及び精製するプロセス、及びそれを含む組成物及びそれを含む使用が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物材料から精製したタンパク質標品を作製するプロセスであって、
a)還元剤を含む緩衝溶液にて前記植物材料を提供することと;
b)前記植物材料を溶解することと;
c)前記溶解した植物材料を固相と液相に分け、その際、前記液相は可溶性タンパク質とクロロフィルとを含有することと;
d)約30分以内で第1の設定温度に加熱し、次いで約30分以内で第2の設定温度に冷却することによって前記液相にて前記クロロフィルを凝固させ、その際、前記冷却は前記液相が前記第1の設定温度に達したときに開始することと;
e)d)の前記液相を凝集剤及び/または吸着剤と接触させ、前記液相にてクロロフィルを凝集させる及び/または前記吸着剤に吸着させるのに十分な時間、混合し、それによって凝集した混合物を形成することと;
f)e)の前記凝集した混合物を固相と液相に分離することと;
g)f)の前記液相を濾過し、精製タンパク質を含有する濾液を得ることとを含む、前記プロセス。
【請求項2】
植物材料から精製したタンパク質標品を作製するプロセスであって、
a)還元剤を含む緩衝溶液にて前記植物材料を提供することと;
b)前記植物材料を溶解することと;
c)前記溶解した植物材料を固相と液相に分け、その際、前記液相は可溶性タンパク質とクロロフィルとを含有することと;
d)1以上の塩を加えることによって前記液相におけるクロロフィルを凝固させることと;
e)d)の前記液相を凝集剤及び/または吸着剤と接触させ、前記液相におけるクロロフィルを凝集させる及び/または前記吸着剤に吸着させるのに十分な時間、混合し、それによって凝集した混合物を形成することと;
f)e)の前記凝集した混合物を固相と液相に分離することと;
g)f)の前記液相を濾過し、精製タンパク質を含有する濾液を得ることとを含む、前記プロセス。
【請求項3】
植物材料から精製したタンパク質標品を作製するプロセスであって、
a)還元剤を含む緩衝溶液にて前記植物材料を提供することと;
b)前記植物材料を溶解することと;
c)前記溶解した植物材料を固相と液相に分け、その際、前記液相は可溶性タンパク質とクロロフィルとを含有することと;
d)ポリマー由来の凝固剤を使用して前記液相にて前記クロロフィルを凝固させることと;
e)d)の前記液相を凝集剤及び/または吸着剤と接触させ、前記液相にてクロロフィルを凝集させる及び/または前記吸着剤に吸着させるのに十分な時間、混合し、それによって凝集した混合物を形成することと;
f)e)の前記凝集した混合物を固相と液相に分離することと;
g)f)の前記液相を濾過し、精製タンパク質を含有する濾液を得ることとを含む、前記プロセス。
【請求項4】
植物材料から精製したタンパク質標品を作製するプロセスであって、
a)還元剤を含む緩衝溶液にて前記植物材料を提供することと;
b)前記植物材料を溶解することと;
c)前記溶解した植物材料を固相と液相に分け、その際、前記液相は可溶性タンパク質とクロロフィルとを含有することと;
d)電気凝固によって前記液相における前記クロロフィルを凝固させることと;
e)d)の前記液相を凝集剤及び/または吸着剤と接触させ、前記液相におけるクロロフィルを凝集させる及び/または前記吸着剤に吸着させるのに十分な時間、混合し、それによって凝集した混合物を形成することと;
f)e)の前記凝集した混合物を固相と液相に分離することと;
g)f)の前記液相を濾過し、精製タンパク質を含有する濾液を得ることとを含む、前記プロセス。
【請求項5】
前記植物材料がa)の前に洗浄される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記還元剤が、2-メルカプトエタノール(BME)、2-メルカプトエチルアミン-HCL、メタ重亜硫酸ナトリウム、システイン塩酸塩、ジチオスレイトール(DTT)、グルタチオン、システイン、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、第一鉄イオン、発生期水素、ナトリウムアマルガム、シュウ酸、ギ酸、マグネシウム、マンガン、リン酸、カリウムまたはナトリウムである、請求項1~4いずれか1項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記還元剤が亜硫酸塩である、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記亜硫酸塩が亜硫酸ナトリウム、亜硫酸マグネシウムまたはメタ重亜硫酸ナトリウムである、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記亜硫酸塩が重亜硫酸ナトリウムである、請求項7に記載のプロセス。
【請求項10】
a)の前記溶液が1以上の緩衝剤を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項11】
a)の前記溶液が1以上のキレート剤を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項12】
a)の前記溶液が1以上のプロテアーゼ阻害剤を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項13】
a)の前記溶液が1以上の緩衝剤、1以上のキレート剤、及び/または1以上のプロテアーゼ阻害剤を含有する、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項14】
a)の前記溶液のpHが約pH5.0~約pH9.0である、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記溶液の前記pHが約pH6.0~約pH7.6である、請求項14に記載のプロセス。
【請求項16】
前記溶液の前記pHが約pH6.8である、請求項15に記載のプロセス。
【請求項17】
前記植物材料とa)の前記溶液が約6:1の比である、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項18】
前記植物材料とa)の前記溶液が約3:1の比である、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項19】
前記植物材料とa)の前記溶液が約2:1の比である、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項20】
前記植物材料とa)の前記溶液が約1:1の比である、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項21】
前記植物材料の前記溶解が前記溶解物及び/または濾液に1以上の二価のイオン(複数可)を加えること及び/または前記溶解物及び/または濾液にキトサンを加えることを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項22】
前記植物材料の前記溶解が前記溶解物にカルシウムイオンを加えることを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項23】
前記植物材料の前記溶解が前記溶解物に塩化カルシウムを加えることを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項24】
前記植物材料が化学的に、機械的に、及び/または酵素によって溶解される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項25】
前記植物材料が化学的に溶解される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項26】
前記植物材料が1以上の界面活性剤を使用して化学的に溶解される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項27】
前記植物材料がCHAPSを使用して化学的に溶解される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項28】
前記植物材料が1以上の酵素を使用して酵素によって溶解される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項29】
前記植物材料がセルラーゼまたはペクチナーゼを使用して溶解される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項30】
前記植物材料が機械的に溶解される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項31】
前記植物材料がブレンダーを使用して機械的に溶解される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項32】
前記植物材料がミル、ホモゲナイザー、微細フリューダイザー、機械的圧力またはStephanカッターを使用して機械的に溶解される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項33】
前記植物材料がプレス機、超音波破砕機、粉砕機を使用して、パルス電場を使用して、窒素噴出を使用して、超音波エネルギーを使用して、または凍結によって機械的に溶解される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項34】
前記植物材料が少なくとも1つのミルを使用して機械的に溶解される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項35】
前記植物材料が少なくとも2つの異なる型のミルを使用して機械的に溶解される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項36】
c)の前記分離することがネジプレス、デカンター、または遠心分離機によって実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項37】
c)の前記分離することがディスクスタック遠心分離機、連続遠心分離機、またはバスケット遠心分離機を使用して実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項38】
c)の前記分離することが濾過を使用して実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項39】
c)の前記分離することがプレス機を使用して実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項40】
c)の前記分離することが濾過を使用して実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項41】
c)の前記分離することが重力沈降を使用して実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項42】
c)の前記分離することがふるい分けを使用して実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項43】
d)の前記第1の設定温度が約80℃以下である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項44】
d)の前記第1の設定温度が約65℃以下である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項45】
d)の前記第1の設定温度が約55℃以下である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項46】
d)の前記第1の設定温度が約50℃以下である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項47】
d)の前記第2の設定温度が約25℃以下である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項48】
d)の前記第2の設定温度が約15℃以下である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項49】
d)の前記第2の設定温度が約10℃以下である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項50】
d)の第1の設定温度に加熱することが約15分以上かからない、請求項1に記載のプロセス。
【請求項51】
d)の第1の設定温度に加熱することが約5分以上かからない、請求項1に記載のプロセス。
【請求項52】
d)の第2の設定温度に冷却することが約15分以上かからない、請求項1に記載のプロセス。
【請求項53】
d)の第2の設定温度に冷却することが約5分以上かからない、請求項1に記載のプロセス。
【請求項54】
d)の前記1以上の塩が、1以上のカルシウム塩、1以上のマグネシウム塩、1以上のベリリウム塩、1以上の亜鉛塩、1以上のカドミウム塩、1以上の銅塩、1以上の鉄塩、1以上のコバルト塩、1以上のスズ塩、1以上のストロンチウム塩、1以上のバリウム塩、及び/または1以上のラジウム塩を含む、請求項2に記載のプロセス。
【請求項55】
d)の前記1以上の塩が、リン酸カリウム及び/または塩酸カルシウムを含む、請求項2に記載のプロセス。
【請求項56】
d)の前記1以上の塩が5mM~2Mの濃度で加えられる、請求項2に記載のプロセス。
【請求項57】
前記凝集剤が、アルキルアミンエピクロロヒドリン、ポリ塩化ジメチルジアリルアンモニウム、多糖、ポリアミン、デンプン、硫酸アルミニウム、ミョウバン、ポリアクリルアミド、ポリアクロミドまたはポリエチレンイミンである、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項58】
前記凝集剤がキトサンである、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項59】
前記凝集剤が活性化キトサンである、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項60】
前記凝集剤が溶液における1~20%w/wの活性化キトサンである、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項61】
e)の前記吸着剤が樹脂である、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項62】
e)の前記吸着剤が活性炭、活性化木炭または活性化石炭である、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項63】
e)の前記吸着剤が250m/gを超える表面積、1~1000μmの重量平均直径、400~1,400mg/gのヨウ素価、100~550の範囲でのモラセスナンバー、及び/または少なくとも10g/100gのメチレンブルー吸着を有する活性炭である、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項64】
f)の前記分離が25℃以下で実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項65】
f)の前記分離が15℃以下で実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項66】
f)の前記分離が10℃以下で実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項67】
f)の前記分離が濾過を使用して実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項68】
f)の前記分離がプレス機を使用して、重力沈降を使用して、またはふるい分けによって実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項69】
f)の前記分離が遠心分離機またはデカンターを使用して、または精密濾過によって実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項70】
e)を除くプロセスの全工程が25℃以下で実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項71】
e)を除くプロセスの全工程が15℃以下で実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項72】
e)を除くプロセスの全工程が10℃以下で実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項73】
g)の前記濾過することが膜フィルターによって実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項74】
g)の前記濾過することが0.7μmの膜フィルターによって実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項75】
g)の前記濾過することが0.2μmの膜フィルターによって実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項76】
g)の前記濾過することが珪藻土及び/または活性炭によって実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項77】
g)の前記濾過することが最大約10%までの活性炭によって実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項78】
g)の前記濾過することが最大約2%までの活性炭によって実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項79】
g)の前記濾過することが0.2μmの膜フィルターと約2%の活性炭とによって実行される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項80】
さらに、g)の後に、0.2μmの膜フィルターを介してg)の前記濾液を濾過することを含む、請求項73~79のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項81】
1以上の液相及び/または1以上の濾液が1以上の消泡剤及び/または1以上の泡止め剤を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項82】
小型固形物及び/または微生物を取り除くために1以上の液相及び/または1以上の濾液が濾過される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項83】
1以上の液相及び/または1以上の濾液が滅菌される、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項84】
さらに、前記濾液を濃縮することを含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項85】
前記濾液を濃縮することが限外濾過によって実行される、請求項84に記載のプロセス。
【請求項86】
前記限外濾過がポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、セルロースアセテートまたはポリスルホンを介する、請求項85に記載のプロセス。
【請求項87】
前記限外濾過が100kDa以下のカットオフでの限外濾過フィルターを使用して実行される、請求項85に記載のプロセス。
【請求項88】
前記限外濾過が50kDa以下のカットオフでの限外濾過フィルターを使用して実行される、請求項85に記載のプロセス。
【請求項89】
前記限外濾過が10kDa以下のカットオフでの限外濾過フィルターを使用して実行される、請求項85に記載のプロセス。
【請求項90】
前記精製タンパク質の収率が工程c)の前記液相における前記可溶性タンパク質の少なくとも約10%である、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項91】
前記精製タンパク質の前記収率が工程c)の前記液相における前記可溶性タンパク質の少なくとも約20%である、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項92】
前記精製タンパク質の前記収率が工程c)の前記液相における前記可溶性タンパク質の少なくとも約25%である、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項93】
前記精製タンパク質の前記収率が少なくとも約40%である、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項94】
前記精製タンパク質の前記収率が少なくとも約60%である、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項95】
前記精製タンパク質の前記収率が少なくとも約80%である、請求項1~4のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項96】
前記精製タンパク質標品におけるクロロフィルのタンパク質に対する重量比が約1:1000、約1:1500、約1:2000または約1:2500未満である、請求項1~95のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項97】
1以上の官能特性を付与するまたはそれに関係する前記精製タンパク質標品における1以上の作用物質(複数可)が前記元となった植物材料と比べて減らされるまたは取り除かれる、請求項1~96のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項98】
1以上の官能特性を付与するまたはそれに関係する前記精製タンパク質標品における1以上の作用物質(複数可)が前記元となった植物材料と比べて5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%減らされる、請求項1~96のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項99】
前記精製タンパク質標品が本質的に無臭である、請求項1~96のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項100】
前記精製タンパク質標品が無臭である、請求項1~96のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項101】
前記精製タンパク質標品が本質的に偏りのない食味である、請求項1~100のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項102】
前記精製タンパク質標品が偏りのない食味である、請求項1~100のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項103】
前記タンパク質がRuBisCoである、請求項1~102のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項104】
前記植物材料がLemnaに由来する、請求項1~103のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項105】
前記植物材料がLemnoideaeに由来する、請求項1~103のいずれか1項に記載のプロセス。
【請求項106】
請求項1~105のいずれか1項に記載のプロセスによって作製される製品。
【請求項107】
植物材料由来の精製タンパク質標品を含む食物であって、前記タンパク質標品が80%以下の不純物を含有する、前記食物。
【請求項108】
前記タンパク質標品がRuBisCoを含む、請求項107に記載の食物。
【請求項109】
前記植物材料がLemnaに由来する、請求項107または108に記載の食物。
【請求項110】
前記植物材料がLemnoideaeに由来する、請求項107または108に記載の食物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願はその内容が全体として参照によって組み込まれる、2019年7月11日に出願された米国仮特許出願番号62/872,917の利益を主張する。
【0002】
技術分野
開示されているのは、植物材料からタンパク質標品を作製する、抽出する及び精製するプロセスならびにそのようなプロセスから作製される産物である。
【背景技術】
【0003】
ヒトが消費するための食肉の生産は環境に対する大きな負の影響を有する。製造業は温室効果ガスの最大の放出要因の1つであり、水質汚染及び生物多様性の喪失の主要な原因であることが知られている。Steinfeld et al, Livestock’s Long Shadow:Environmental Issues and Options,(2006),Food and Agriculture Organization of the United Nations;Machovina et al.,Science of the Total Environment,(2016),536:419-431;Godfray et al.,Science,(2018),361(6399):eaam5324。人口、富及びライフスタイルの変化のせいで食肉の世界消費が増加するにつれて、環境に優しい食肉に代わるものに対するニーズが増えている。Erb et al.,Nat.Comms.,(2016),7:11382.
【0004】
食事における食肉の置き換えは大規模で持続して生産することができる植物由来の高タンパク質代用品を必要とする。タンパク質リブロース-1,5-ビスリン酸カルボキシラーゼ/オキシゲナーゼ(「RuBisCo」)は植物における総タンパク質の最大50%までを構成する。それは、大気中の二酸化炭素が植物及び他の光合成生物によってグルコースのような高エネルギー分子に変換されるプロセスである炭素固定の最初の主要な工程に関与する酵素である。植物におけるその豊富さのせいで、それは食糧生産のためのタンパク質の代替源として役立つ。精製したRuBisCoは通常、無味、無臭の白色粉末である。
【0005】
ウキクサ(亜科Lemnoideae、属Lemna)は世界で最も小さい顕花植物である。その小柄なサイズにもかかわらず、それは急速に成長する能力を有し、条件に応じて約16~48時間でそのバイオマスを倍増する。Mestameyer et al.,Spirodela punctata Aquatic Botany,(1984),19:157-70。Lemnaは高いタンパク質含量(その乾燥質量の約30~35%はタンパク質である)を有するので動物の備蓄食糧として使用されている。これらの特性のすべてによってLemnaは食糧のための植物由来タンパク質の大規模生産について魅力的な候補になっている。
【0006】
タンパク質のエマルション、ゲル及び安定な泡状物質を形成する能力も種々の食糧の生産において重要であり、食品における食感の基礎を形成する。例えば、小さな気泡の均一な分布を持つ泡状物質は食物に密度、口当たりの良さ及び軽さを付与する。タンパク質標品の泡状物質を形成する能力はその純度に関係し、安定な泡状物質を形成するには少なくとも80%の純度が必要であってもよい。同様に、タンパク質から作られるゲルはさまざまなレオロジー特性及び外観の食物を生じる。タンパク質のゲル化能はゲルを形成するのに必要とされるタンパク質の量によって測定されてもよい。したがって、高純度、起泡能力、泡安定性及びゲル化能を持つタンパク質標品は食品での使用に切望される。
【0007】
現在、植物から、例えば、LemnoideaeまたはLemnaからタンパク質を精製する及び抽出する経済的なプロセスに対するニーズがある。本明細書で開示されているのは、ほとんどの食品に加工される適応性を有する精製されたタンパク質標品を製造することができるプロセスである。
【発明の概要】
【0008】
本開示は
a)還元剤を含む緩衝溶液にて植物材料を提供することと;
b)植物材料を溶解することと;
c)溶解した植物材料を固相と液相に分け、その際、液相は可溶性タンパク質とクロロフィルとを含有することと;
d)約30分以内で第1の設定温度に加熱し、次いで約30分以内で第2の設定温度に冷却することによって液相にてクロロフィルを凝固させ、その際、冷却は液相が第1の設定温度に達したときに開始することと;
e)d)の液相を凝集剤及び/または吸着剤と接触させ、液相におけるクロロフィルを凝集させる及び/または吸着剤に吸着するのに十分な時間、混合し、それによって凝集した混合物を形成することと;
f)e)の凝集した混合物を固相と液相に分離することと;
g)f)の液相を濾過し、精製タンパク質を含有する濾液を得ることとを含む、植物材料から精製したタンパク質標品を作製するプロセスを提供する。
本開示は、
a)還元剤を含む緩衝溶液にて植物材料を提供することと;
b)植物材料を溶解することと;
c)溶解した植物材料を固相と液相に分け、その際、液相は可溶性タンパク質とクロロフィルとを含有することと;
d)1以上の塩を加えることによって液相におけるクロロフィルを凝固させることと;
e)d)の液相を凝集剤及び/または吸着剤と接触させ、液相におけるクロロフィルを凝集させる及び/または吸着剤に吸着するのに十分な時間、混合し、それによって凝集した混合物を形成することと;
f)e)の凝集した混合物を固相と液相に分離することと;
g)f)の液相を濾過し、精製タンパク質を含有する濾液を得ることとを含む、植物材料から精製したタンパク質標品を作製するプロセスも提供する。
【0009】
本開示は、
a)還元剤を含む緩衝溶液にて植物材料を提供することと;
b)植物材料を溶解することと;
c)溶解した植物材料を固相と液相に分け、その際、液相は可溶性タンパク質とクロロフィルとを含有することと;
d)1以上の塩を加えることによって液相におけるクロロフィルを凝固させることと;
e)d)の液相を凝集剤及び/または吸着剤と接触させ、液相におけるクロロフィルを凝集させる及び/または吸着剤に吸着するのに十分な時間、混合し、それによって凝集した混合物を形成することと;
f)e)の凝集した混合物を固相と液相に分離することと;
g)f)の液相を濾過し、精製タンパク質を含有する濾液を得ることとを含む、植物材料から精製したタンパク質標品を作製するプロセスも提供する。
【0010】
本開示は、
a)還元剤を含む緩衝溶液にて植物材料を提供することと;
b)植物材料を溶解することと;
c)溶解した植物材料を固相と液相に分け、その際、液相は可溶性タンパク質とクロロフィルとを含有することと;
d)ポリマー由来の凝固剤を使用して液相におけるクロロフィルを凝固させることと;
e)d)の液相を凝集剤及び/または吸着剤と接触させ、液相におけるクロロフィルを凝集させる及び/または吸着剤に吸着するのに十分な時間、混合し、それによって凝集した混合物を形成することと;
f)e)の凝集した混合物を固相と液相に分離することと;
g)f)の液相を濾過し、精製タンパク質を含有する濾液を得ることとを含む、植物材料から精製したタンパク質標品を作製するプロセスも提供する。
【0011】
本開示は、
a)還元剤を含む緩衝溶液にて植物材料を提供することと;
b)植物材料を溶解することと;
c)溶解した植物材料を固相と液相に分け、その際、液相は可溶性タンパク質とクロロフィルとを含有することと;
d)電気凝固によって液相におけるクロロフィルを凝固させることと;
e)d)の液相を凝集剤及び/または吸着剤と接触させ、液相におけるクロロフィルを凝集させる及び/または吸着剤に吸着するのに十分な時間、混合し、それによって凝集した混合物を形成することと;
f)e)の凝集した混合物を固相と液相に分離することと;
g)f)の液相を濾過し、精製タンパク質を含有する濾液を得ることとを含む、植物材料から精製したタンパク質標品を作製するプロセスも提供する。
【0012】
いくつかの態様では、本開示は以下の実施形態に関する。
1.植物材料から精製したタンパク質標品を作製するプロセスであって、
a)還元剤を含む緩衝溶液にて前記植物材料を提供することと;
b)前記植物材料を溶解することと;
c)前記溶解した植物材料を固相と液相に分け、その際、前記液相は可溶性タンパク質とクロロフィルとを含有することと;
d)約30分以内で第1の設定温度に加熱し、次いで約30分以内で第2の設定温度に冷却することによって前記液相にて前記クロロフィルを凝固させ、その際、冷却は前記液相が前記第1の設定温度に達したときに開始することと;
e)d)の前記液相を凝集剤及び/または吸着剤と接触させ、前記液相におけるクロロフィルを凝集させる及び/または前記吸着剤に吸着するのに十分な時間、混合し、それによって凝集した混合物を形成することと;
f)e)の前記凝集した混合物を固相と液相に分離することと;
g)f)の前記液相を濾過し、精製タンパク質を含有する濾液を得ることとを含む、前記プロセス。
【0013】
2.植物材料から精製したタンパク質標品を作製するプロセスであって、
a)還元剤を含む緩衝溶液にて前記植物材料を提供することと;
b)前記植物材料を溶解することと;
c)前記溶解した植物材料を固相と液相に分け、その際、前記液相は可溶性タンパク質とクロロフィルとを含有することと;
d)1以上の塩を加えることによって前記液相におけるクロロフィルを凝固させることと;
e)d)の前記液相を凝集剤及び/または吸着剤と接触させ、前記液相におけるクロロフィルを凝集させる及び/または前記吸着剤に吸着するのに十分な時間、混合し、それによって凝集した混合物を形成することと;
f)e)の前記凝集した混合物を固相と液相に分離することと;
g)f)の前記液相を濾過し、精製タンパク質を含有する濾液を得ることとを含む、前記プロセス。
【0014】
3.植物材料から精製したタンパク質標品を作製するプロセスであって、
a)還元剤を含む緩衝溶液にて前記植物材料を提供することと;
b)前記植物材料を溶解することと;
c)前記溶解した植物材料を固相と液相に分け、その際、前記液相は可溶性タンパク質とクロロフィルとを含有することと;
d)ポリマー由来の凝固剤を使用して前記液相におけるクロロフィルを凝固させることと;
e)d)の前記液相を凝集剤及び/または吸着剤と接触させ、前記液相におけるクロロフィルを凝集させる及び/または前記吸着剤に吸着するのに十分な時間、混合し、それによって凝集した混合物を形成することと;
f)e)の前記凝集した混合物を固相と液相に分離することと;
g)f)の前記液相を濾過し、精製タンパク質を含有する濾液を得ることとを含む、前記プロセス。
【0015】
4.植物材料から精製したタンパク質標品を作製するプロセスであって、
a)還元剤を含む緩衝溶液にて前記植物材料を提供することと;
b)前記植物材料を溶解することと;
c)前記溶解した植物材料を固相と液相に分け、その際、前記液相は可溶性タンパク質とクロロフィルとを含有することと;
d)電気凝固によって前記液相における前記クロロフィルを凝固させることと;
e)d)の前記液相を凝集剤及び/または吸着剤と接触させ、前記液相におけるクロロフィルを凝集させる及び/または前記吸着剤に吸着するのに十分な時間、混合し、それによって凝集した混合物を形成することと;
f)e)の前記凝集した混合物を固相と液相に分離することと;
g)f)の前記液相を濾過し、精製タンパク質を含有する濾液を得ることとを含む、前記プロセス。
【0016】
5.前記植物材料がa)の前に洗浄される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0017】
6.前記還元剤が、2-メルカプトエタノール(BME)、2-メルカプトエチルアミン-HCL、メタ重亜硫酸ナトリウム、システイン塩酸塩、ジチオスレイトール(DTT)、グルタチオン、システイン、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、第一鉄イオン、発生期水素、ナトリウムアマルガム、シュウ酸、ギ酸、マグネシウム、マンガン、リン酸、カリウムまたはナトリウムである、実施形態1~4いずれか1つのプロセス。
【0018】
7.前記還元剤が亜硫酸塩である、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0019】
8.前記亜硫酸塩が亜硫酸ナトリウム、亜硫酸マグネシウムまたはメタ重亜硫酸ナトリウムである、実施形態7のいずれか1つのプロセス。
【0020】
9.前記亜硫酸塩が重亜硫酸ナトリウムである、実施形態7のいずれか1つのプロセス。
【0021】
10.a)の前記溶液が1以上の緩衝剤を含有する、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0022】
11.a)の前記溶液が1以上のキレート剤を含有する、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0023】
12.a)の前記溶液が1以上のプロテアーゼ阻害剤を含有する、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0024】
13.a)の前記溶液が1以上の緩衝剤、1以上のキレート剤、及び/または1以上のプロテアーゼ阻害剤を含有する、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0025】
14.a)の前記溶液のpHが約pH5.0~約pH9.0である、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0026】
15.前記溶液の前記pHが約pH6.0~約pH7.6である、実施形態14プロセス。
【0027】
16.前記溶液の前記pHが約pH6.8である、実施形態15のプロセス。
【0028】
17.前記植物材料とa)の前記溶液が約6:1の比である、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0029】
18.前記植物材料とa)の前記溶液が約3:1の比である、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0030】
19.前記植物材料とa)の前記溶液が約2:1の比である、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0031】
20.前記植物材料とa)の前記溶液が約1:1の比である、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0032】
21.前記植物材料の前記溶解が、前記溶解物及び/または濾液に1以上の二価のイオン(複数可)を加えること及び/または前記溶解物及び/または濾液にキトサンを加えることを含む、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0033】
22.前記植物材料の前記溶解が前記溶解物にカルシウムイオンを加えることを含む、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0034】
23.前記植物材料の前記溶解が前記溶解物に塩化カルシウムを加えることを含む、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0035】
24.前記植物材料が化学的に、機械的に、及び/または酵素によって溶解される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0036】
25.前記植物材料が化学的に溶解される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0037】
26.前記植物材料が1以上の界面活性剤を使用して化学的に溶解される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0038】
27.前記植物材料がCHAPSを使用して化学的に溶解される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0039】
28.前記植物材料が1以上の酵素を使用して酵素によって溶解される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0040】
29.前記植物材料がセルラーゼまたはペクチナーゼを使用して溶解される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0041】
30.前記植物材料が機械的に溶解される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0042】
31.前記植物材料がブレンダーを使用して機械的に溶解される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0043】
32.前記植物材料がミル、ホモゲナイザー、微細フリューダイザー、機械的圧力またはStephanカッターを使用して機械的に溶解される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0044】
33.前記植物材料がプレス機、超音波破砕機、粉砕機を使用して、パルス電場を使用して、窒素噴出を使用して、超音波エネルギーを使用して、または凍結によって機械的に溶解される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0045】
34.前記植物材料が少なくとも1つのミルを使用して機械的に溶解される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0046】
35.前記植物材料が少なくとも2つの異なる型のミルを使用して機械的に溶解される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0047】
36.c)の前記分離することがネジプレス、デカンター、または遠心分離機によって実行される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0048】
37.c)の前記分離することがディスクスタック遠心分離機、連続遠心分離機、またはバスケット遠心分離機を使用して実行される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0049】
38.c)の前記分離することが濾過を使用して実行される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0050】
39.c)の前記分離することがプレス機を使用して実行される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0051】
40.c)の前記分離することが濾過を使用して実行される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0052】
41.c)の前記分離することが重力沈降を使用して実行される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0053】
42.c)の前記分離することがふるい分けを使用して実行される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0054】
43.d)の前記第1の設定温度が約80℃以下である、実施形態1のプロセス。
【0055】
44.d)の前記第1の設定温度が約65℃以下である、実施形態1のプロセス。
【0056】
45.d)の前記第1の設定温度が約55℃以下である、実施形態1のプロセス。
【0057】
46.d)の前記第1の設定温度が約50℃以下である、実施形態1のプロセス。
【0058】
47.d)の前記第2の設定温度が約25℃以下である、実施形態1のプロセス。
【0059】
48.d)の前記第2の設定温度が約15℃以下である、実施形態1のプロセス。
【0060】
49.d)の前記第2の設定温度が約10℃以下である、実施形態1のプロセス。
【0061】
50.d)の第1の設定温度に加熱することが約15分以上かからない、実施形態1のプロセス。
【0062】
51.d)の第1の設定温度に加熱することが約5分以上かからない、実施形態1のプロセス。
【0063】
52.d)の第2の設定温度に冷却することが約15分以上かからない、実施形態1のプロセス。
【0064】
53.d)の第2の設定温度に冷却することが約5分以上かからない、実施形態1のプロセス。
【0065】
54.d)の前記1以上の塩が1以上のカルシウム塩、1以上のマグネシウム塩、1以上のベリリウム塩、1以上の亜鉛塩、1以上のカドミウム塩、1以上の銅塩、1以上の鉄塩、1以上のコバルト塩、1以上のスズ塩、1以上のストロンチウム塩、1以上のバリウム塩、及び/または1以上のラジウム塩を含む、実施形態2のプロセス。
【0066】
55.d)の前記1以上の塩がリン酸カリウム及び/または塩酸カルシウムを含む、実施形態2のプロセス。
【0067】
56.d)の前記1以上の塩が5mM~2Mの濃度で加えられる、実施形態2のプロセス。
【0068】
57.前記凝集剤がアルキルアミンエピクロロヒドリン、ポリ塩化ジメチルジアリルアンモニウム、多糖、ポリアミン、デンプン、硫酸アルミニウム、ミョウバン、ポリアクリルアミド、ポリアクロミドまたはポリエチレンイミンである、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0069】
58.前記凝集剤がキトサンである、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0070】
59.前記凝集剤が活性化キトサンである、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0071】
60.前記凝集剤が溶液における1~20%w/wの活性化キトサンである、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0072】
61.e)の前記吸着剤が樹脂である、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0073】
62.e)の前記吸着剤が活性炭、活性化木炭または活性化石炭である、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0074】
63.e)の前記吸着剤が250m/gを超える表面積、1~1000μmの重量平均直径、400~1,400mg/gのヨウ素価、100~550の範囲でのモラセスナンバー、及び/または少なくとも10g/100gのメチレンブルー吸着を有する活性炭である、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0075】
64.f)の前記分離が25℃以下で実行される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0076】
65.f)の前記分離が15℃以下で実行される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0077】
66.f)の前記分離が10℃以下で実行される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0078】
67.f)の前記分離が濾過を使用して実行される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0079】
68.f)の前記分離がプレス機を使用して、重力沈降を使用して、またはふるい分けによって実行される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0080】
69.f)の前記分離が遠心分離機またはデカンターを使用して、または精密濾過によって実行される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0081】
70.e)を除くプロセスの全工程が25℃以下で実行される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0082】
71.e)を除くプロセスの全工程が15℃以下で実行される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0083】
72.e)を除くプロセスの全工程が10℃以下で実行される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0084】
73.g)の前記濾過することが膜フィルターによって実行される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0085】
74.g)の前記濾過することが0.7μmの膜フィルターによって実行される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0086】
75.g)の前記濾過することが0.2μmの膜フィルターによって実行される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0087】
76.g)の前記濾過することが珪藻土及び/または活性炭によって実行される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0088】
77.g)の前記濾過することが最大約10%までの活性炭によって実行される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0089】
78.g)の前記濾過することが最大約2%までの活性炭によって実行される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0090】
79.g)の前記濾過することが0.2μmの膜フィルターと約2%の活性炭とによって実行される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0091】
80.さらに、g)の後、0.2μmの膜フィルターを介してg)の前記濾液を濾過することを含む、実施形態73~79のいずれか1つのプロセス。
【0092】
81.1以上の液相及び/または1以上の濾液が1以上の消泡剤及び/または1以上の泡止め剤を含む、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0093】
82.小型固形物及び/または微生物を取り除くために1以上の液相及び/または1以上の濾液が濾過される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0094】
83.1以上の液相及び/または1以上の濾液が滅菌される、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0095】
84.さらに、前記濾液を濃縮することを含む、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0096】
85.前記濾液を濃縮することが限外濾過によって実行される、実施形態84のプロセス。
【0097】
86.前記限外濾過がポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、セルロースアセテートまたはポリスルホンを介する、実施形態85のプロセス。
【0098】
87.前記限外濾過が100kDa以下のカットオフでの限外濾過フィルターを使用して実行される、実施形態85のプロセス。
【0099】
88.前記限外濾過が50kDa以下のカットオフでの限外濾過フィルターを使用して実行される、実施形態85のプロセス。
【0100】
89.前記限外濾過が10kDa以下のカットオフでの限外濾過フィルターを使用して実行される、実施形態85のプロセス。
【0101】
90.前記精製タンパク質の収率が工程c)の前記液相における前記可溶性タンパク質の少なくとも約10%である、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0102】
91.前記精製タンパク質の前記収率が工程c)の前記液相における前記可溶性タンパク質の少なくとも約20%である、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0103】
92.前記精製タンパク質の前記収率が工程c)の前記液相における前記可溶性タンパク質の少なくとも約25%である、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0104】
93.前記精製タンパク質の前記収率が少なくとも約40%である、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0105】
94.前記精製タンパク質の前記収率が少なくとも約60%である、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0106】
95.前記精製タンパク質の前記収率が少なくとも約80%である、実施形態1~4のいずれか1つのプロセス。
【0107】
96.前記精製タンパク質標品におけるクロロフィルのタンパク質に対する重量比が約1:1000、約1:1500、約1:2000または約1:2500未満である、実施形態1~95のいずれか1つのプロセス。
【0108】
97.1以上の官能特性を付与するまたはそれに関係する前記精製タンパク質標品における1以上の作用物質(複数可)が前記元となった植物材料と比べて減らされるまたは取り除かれる、実施形態1~96のいずれか1つのプロセス。
【0109】
98.1以上の官能特性を付与するまたはそれに関係する前記精製タンパク質標品における1以上の作用物質(複数可)が前記元となった植物材料と比べて5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%減らされる、実施形態1~96のいずれか1つのプロセス。
【0110】
99.前記精製タンパク質標品が本質的に無臭である、実施形態1~96のいずれか1つのプロセス。
【0111】
100.前記精製タンパク質標品が無臭である、実施形態1~96のいずれか1つのプロセス。
【0112】
101.前記精製タンパク質標品が本質的に偏りのない食味である、実施形態1~100のいずれか1つのプロセス。
【0113】
102.前記精製タンパク質標品が偏りのない食味である、実施形態1~100のいずれか1つのプロセス。
【0114】
103.前記タンパク質がRuBisCoである、実施形態1~102のいずれか1つのプロセス。
【0115】
104.前記植物材料がLemnaに由来する、実施形態1~103のいずれか1つのプロセス。
【0116】
105.前記植物材料がLemnoideaeに由来する、実施形態1~103のいずれか1つのプロセス。
【0117】
106.実施形態1~105のいずれか1つのプロセスによって作製される産物。
【0118】
107.植物材料由来の精製タンパク質標品を含む食物であって、前記タンパク質標品が80%以下の不純物を含有する、前記食物。
【0119】
108.前記タンパク質標品がRuBisCoを含む、実施形態107の食物。
【0120】
109.前記植物材料がLemnaに由来する、実施形態107または108の食物。
【0121】
110.前記植物材料がLemnoideaeに由来する、実施形態107または108の食物。
【0122】
本開示のいくつかの態様では、プロセスが開始される前に植物材料が洗浄される。いくつかの実施形態では、a)における還元剤は、2-メルカプトエタノール(BME)、2-メルカプトエチルアミン-HCL、メタ重亜硫酸ナトリウム、システイン塩酸塩、ジチオスレイトール(DTT)、グルタチオン、システイン、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、第1鉄イオン、発生期水素、ナトリウムアマルガム、シュウ酸、ギ酸、マグネシウム、マンガン、リン酸、カリウム及びナトリウムである。いくつかの実施形態では、還元剤は亜硫酸塩である。いくつかの実施形態では、亜硫酸塩は亜硫酸ナトリウム、亜硫酸マグネシウム、またはメタ重亜硫酸ナトリウムである。いくつかの実施形態では、亜硫酸塩は重亜硫酸ナトリウムである。
【0123】
いくつかの実施形態では、a)における溶液のpHは約pH5.0~約pH9.0である。いくつかの実施形態では、溶液のpHは約pH6.0~約pH7.6である。いくつかの実施形態では、溶液のpHは約pH6.8である。
【0124】
いくつかの実施形態では、植物材料とa)の溶液は約6:1の比である。いくつかの実施形態では、植物材料とa)の溶液は約3:1の比である。いくつかの実施形態では、植物材料とa)の溶液は約2:1の比である。いくつかの実施形態では、植物材料とa)の溶液は約1:1の比である。
【0125】
本開示のいくつかの態様では、植物材料は機械的に溶解される。いくつかの実施形態では、植物材料はブレンダーを使用して機械的に溶解される。いくつかの実施形態では、植物材料はミル、ホモゲナイザー、微細フリューダイザー、機械的圧力またはStephanカッターを使用して機械的に溶解される。
【0126】
本開示のいくつかの態様では、c)の分離することはネジプレス、デカンターまたは遠心分離機を使用して実行される。
【0127】
本開示のいくつかの態様では、d)の第1の設定温度は約80℃以下である。本開示のいくつかの態様では、d)の第1の設定温度は約65℃以下である。いくつかの実施形態では、d)の第1の設定温度は約55℃以下である。いくつかの実施形態では、d)の第1の設定温度は約50℃以下である。いくつかの実施形態では、d)の第2の設定温度は約25℃以下である。いくつかの実施形態では、d)の第2の設定温度は約15℃以下である。いくつかの実施形態では、d)の第2の設定温度は約10℃以下である。いくつかの実施形態では、d)の第1の設定温度に加熱することは約15分以上かからない。いくつかの実施形態では、d)の第1の設定温度に加熱することは約5分以上かからない。いくつかの実施形態では、d)の第2の設定温度に冷却することは約15分以上かからない。いくつかの実施形態では、d)の第1の設定温度に冷却することは約5分以上かからない。
【0128】
本開示のいくつかの態様では、d)の1以上の塩はリン酸カリウム及び/または塩化カルシウムを含む。本開示のいくつかの態様では、d)の1以上の塩は5mM~2Mの濃度で加えられる。
【0129】
本開示のいくつかの態様では、凝集剤はキトサンである。本開示のいくつかの態様では、凝集剤は活性化キトサンである。いくつかの実施形態では、凝集剤は溶液における1~20%w/wの活性化キトサンである。いくつかの実施形態では、e)の吸着剤は活性炭、活性化木炭または活性化石炭である。いくつかの実施形態では、吸着剤は疎水性吸着剤である。
【0130】
本開示のいくつかの態様では、f)の分離は25℃以下で実行される。いくつかの実施形態では、f)の分離は15℃以下で実行される。いくつかの実施形態では、f)の分離は10℃以下で実行される。いくつかの実施形態では、f)の分離は遠心分離機またはデカンターを使用して、または精密濾過によって実行される。
【0131】
本開示のいくつかの態様では、e)を除くプロセスの全工程が25℃以下で実行される。いくつかの実施形態では、e)を除くプロセスの全工程が15℃以下で実行される。いくつかの実施形態では、e)を除くプロセスの全工程が10℃以下で実行される。
【0132】
本開示のいくつかの態様では、g)の濾過することが膜フィルターによって実行される。いくつかの実施形態では、g)の濾過することが0.7μmの膜フィルターによって実行される。いくつかの実施形態では、g)の濾過することは0.2μmの膜フィルターによって実行される。いくつかの実施形態では、g)の濾過することは珪藻土及び/または活性炭によって実行される。いくつかの実施形態では、g)の濾過することは最大約10%までの活性炭によって実行される。いくつかの実施形態では、g)の濾過することは最大約2%までの活性炭によって実行される。いくつかの実施形態では、g)の濾過することは0.2μmの膜フィルターと2%の活性炭によって実行される。いくつかの実施形態では、プロセスはさらに、g)の後、0.2μmの膜フィルターを介してg)の濾液を濾過することを含む。いくつかの実施形態では、プロセスはさらに、濾液を濃縮することを含む。いくつかの実施形態では、濾液を濃縮することは透析濾過によって実行される。いくつかの実施形態では、濾液を濃縮することは限外濾過によって実行される。いくつかの実施形態では、限外濾過は100kDa以下のカットオフでの限外濾過フィルターを使用して実行される。いくつかの実施形態では、限外濾過は50kDa以下のカットオフでの限外濾過フィルターを使用して実行される。いくつかの実施形態では、限外濾過は10kDa以下のカットオフでの限外濾過フィルターを使用して実行される。
【0133】
本開示のいくつかの態様では、精製タンパク質の収率は工程c)の液相における可溶性タンパク質の少なくとも約10%である。いくつかの実施形態では、精製タンパク質の収率は工程c)の液相における可溶性タンパク質の少なくとも約20%である。いくつかの実施形態では、精製タンパク質の収率は工程c)の液相における可溶性タンパク質の少なくとも約25%である。いくつかの実施形態では、精製タンパク質の収率は少なくとも約40%である。いくつかの実施形態では、精製タンパク質の収率は少なくとも約60%である。いくつかの実施形態では、精製タンパク質の収率は少なくとも約80%である。
【0134】
本開示のいくつかの態様では、タンパク質はRuBisCoである。いくつかの実施形態では、植物材料はLemnaに由来する。いくつかの実施形態では、植物材料はLemonoideaeに由来する。
【0135】
本明細書で開示されているのはまた、開示されているプロセスによって作られる産物である。
【0136】
本明細書で開示されているのはまた、植物材料由来の精製タンパク質標品を含む食物であり、その際、タンパク質標品は80%以下の不純物を含有する。
【図面の簡単な説明】
【0137】
図1】プロセスの一実施形態のフローチャートを示す図である。
図2】プロセスの第2の実施形態のフローチャートを示す図である。
図3】プロセスの第3の実施形態のフローチャートを示す図である。
図4】プロセスの第4の実施形態のフローチャートを示す図である。
図5】精密濾過後の実施例5の画分1、2、3、及び4の描写である。
図6】精密濾過後の実施例5の画分4、3、2、及び1の描写である。
図7A】実施例5の画分の描写である。
図7B】実施例5の画分の描写である。
図8】塩化カルシウムとリン酸塩の添加及び卓上遠心分離の後の実施例6の画分の試料の描写である。
図9】活性炭及びキトサンの除去の後の実施例6の画分1~6の試料の描写である。
図10】実施例6の画分の試料についてのSDS-PAGEクマシー染色分析の結果の描写である。
図11】実施例7の種々の試料についてのSDS-PAGEゲルの描写である。
図12】活性炭及びキトサンの除去後の実施例7の画分の描写である。
図13】実施例8の種々の試料についてのSDS-PAGEゲルの描写である。
図14】実施例9の種々の試料についてのSDS-PAGEゲルの描写である。
図15】精密濾過後の実施例10の画分1~5の描写である。
図16】最終タンパク質産物及びタンパク質標準のクロマト図の描写である。
図17】最終植物タンパク質産物のSDS-PAGEゲルの描写である。
図18】実施例16の材料の吸光度スペクトルの描写である。
【発明を実施するための形態】
【0138】
開示されているプロセス及び組成物は、本開示の一部を形成する添付の図と併せて以下の詳細な説明を参照してさらに容易に理解されてもよい。
【0139】
この本文全体を通して、説明はプロセス及びプロセスによって作られる組成物に言及する。本開示が組成物に関連する特徴または実施形態を開示するまたは請求する場合、そのような特徴または実施形態は組成物を作るプロセスに同等に適用可能である。同様に、本開示が組成物を作るプロセスに関連する特徴または実施形態を開示するまたは請求する場合、そのような特徴または実施形態は組成物に同等に適用可能である。値の範囲が表現される場合、それはその範囲内の特定の値を使用する実施形態を含む。さらに、範囲で記述される値に対する言及はその範囲内の各値及びあらゆる値を含む。値が先行する「約」の使用によって近似値として表現される場合、特定の値は別の実施形態を形成することが理解されるであろう。「または」の使用はその使用の特定の文脈が指示しない限り、「及び/または」を意味するであろう。本明細書に引用されている参考文献はすべて任意の目的でその全体が参照によって組み込まれる。参考文献及び本明細書が矛盾する場合、本明細書が支配するであろう。明瞭性のために別の実施形態の文脈にて本明細書で開示されている、開示されたプロセス及び組成物の特定の特徴は単一の実施形態にて合わせて提供されてもよいことが理解されるべきである。逆に、簡潔性にために単一の実施形態の文脈で開示されている、開示されたプロセス及び組成物の種々の特徴は別々にまたは任意の部分組み合わせにて提供されてもよいことが理解されるべきである。
【0140】
本明細書で使用されるとき、単数形態「a」、「an」及び「the」は文脈が明瞭に指示しない限り、複数形態を含む。「約」または「およそ」という用語は数値及び範囲の文脈で使用されるとき、本明細書に含有される教示から当業者に明らかなように実施形態が最大プラスまたはマイナス約10%まで目的どおりに実行してもよいように引用された値または範囲に近似するまたはそれに近い値または範囲を指す。いくつかの実施形態では、約は数値のプラスまたはマイナス10%を意味する。
【0141】
本明細書で開示されているのは、植物材料からタンパク質標品を作るプロセスである。本明細書で使用されるとき、「植物」という用語は植物界に属する生物を指す。開示されているプロセスでの使用に好適な植物の例には、木、草本、低木、草、つる植物、シダ、コケ及び緑藻が挙げられる。「植物材料」という用語は植物由来の任意のバイオマスを指す。植物材料は、植物の任意の部分、例えば、茎、根、果実、葉または種子に由来してもよい。いくつかの実施形態では、植物材料は葉に由来する。いくつかの実施形態では、植物材料は茎に由来する。植物材料は植物の1以上の種から得られてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、植物材料はウキクサ、藻類、テンサイの葉、ホウレンソウ、ケール、ビート、フダンソウ、テンサイ、シービート、飼料用ビート、ダイズまたはタバコに由来してもよい。いくつかの実施形態では、植物材料はウキクサに由来する。いくつかの実施形態では、植物材料はLemnaに由来する。いくつかの実施形態では、植物材料はLemnoideaeに由来する。
【0142】
本明細書で使用されるとき、「タンパク質」という用語はペプチド結合によって共有結合されるアミノ酸残基で構成される化合物を指す。タンパク質は通常、少なくとも2つのアミノ酸またはアミノ酸変異体を含有し、タンパク質配列を構成することができるアミノ酸の最大数に制限はない。「タンパク質標品」という用語はタンパク質の単離体を指し、その際、タンパク質は混合物の非タンパク質成分から実質的に分離されている。タンパク質標品の「純度」は標品の総量に対するタンパク質の量を指す。いくつかの実施形態では、タンパク質標品の純度は乾燥総質量の割合として表現される。いくつかの実施形態では、タンパク質標品は少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、または99%のタンパク質を含む。いくつかの実施形態では、タンパク質標品の純度は少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、または99%のタンパク質である。タンパク質標品は1以上の種類のタンパク質を含んでもよく、異なるサイズの同じタンパク質を含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、タンパク質標品はエデスチン、グルテン、レグミンまたはビシリンを含んでもよい。いくつかの実施形態では、タンパク質標品はRuBisCoを含む。
本明細書で開示されているプロセスは植物材料で見いだされる他の化合物からタンパク質を分離する。例えば、プロセスはクロロフィル、揮発性化合物、酸、塩基、糖、塩及び/または脂質を取り除いてもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されているプロセスは植物材料からクロロフィルを取り除き、脱クロロフィル化されているタンパク質標品を作り出す。例えば、いくつかの実施形態では、タンパク質標品におけるクロロフィルのタンパク質に対する重量比は約1:1000、1:1500、1:2000または1:2500未満である。
【0143】
いくつかの実施形態では、本明細書で開示されているプロセスは精製タンパク質標品における1以上の官能特性を付与する、またはそれに関連する1以上の作用物質(複数可)を減らすまたは取り除く。そのような官能特性の非限定的な例には、匂い(例えば、異臭または望ましくない匂い)及び味感(例えば、異味または望ましくない味感)が挙げられる。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されているプロセスは元となった植物材料と比べて1以上の作用物質(複数可)を5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%減らす。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されているプロセスは1以上の作用物質(複数可)を完全に減らす。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されているプロセスは匂いを付与するまたは匂いに関連する1以上の作用物質(複数可)を減らして、または取り除いて無臭または本質的に無臭であるタンパク質標品を作り出す。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されているプロセスは味感を付与するまたは味感に関連する1以上の作用物質(複数可)を減らして、または取り除いて偏りのない食味のタンパク質標品または本質的に偏りのない食味のタンパク質標品を作り出す。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されているプロセスは、匂い及び/または味感を付与するまたはそれに関連する1以上の作用物質(複数可)を減らして、または取り除いて、無臭で且つ偏りのない食味である、本質的に無臭で且つ偏りのない食味である、無臭で且つ本質的に偏りのない食味である、または本質的に無臭で且つ本質的に偏りのない食味であるタンパク質標品を作り出す。いくつかの実施形態では、作用物質は揮発性化合物である。いくつかの実施形態では、作用物質は非揮発性化合物である。いくつかの実施形態では、作用物質はポリフェノール、ポリフェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、フェノール、脂質、アルコール、アルデヒド、硫化物、過酸化物、テルペン、アルブミン(例えば、レクチンまたはプロテアーゼ阻害剤)、酸化酵素活性のための基質(例えば、脂肪酸、例えば、C14:0(ミリスチン酸メチル)、C15:0(ペンタデカン酸メチル)、C16:0パルミチン酸メチル、C16:1パルミトレイン酸メチル、C17:0ヘプタデカン酸メチル、C18:0ステアリン酸メチル、C18:1オレイン酸メチル、C18:2リノール酸メチル、C18:3αリノール酸メチル、C20:0エイコセン酸メチル、及びC22:0ベヘン酸メチル)、及び/または脂質基質と反応する酵素である。いくつかの実施形態では、精製タンパク質標品はタンパク質の供給源と比べて低下した酸化酵素活性を有する。いくつかの実施形態では、精製タンパク質標品はタンパク質の供給源と比べて酸化酵素活性で5%、10%、15%、20%または25%の低下を有する。いくつかの実施形態では、タンパク質の供給源はRuBisCoであり、精製タンパク質標品はRuBisCoと比べて酸化酵素活性で5%、10%、15%、20%または25%の低下を有する。いくつかの実施形態では、酸化酵素活性はリポキシゲナーゼ活性である。いくつかの実施形態では、精製タンパク質標品は低下したリポキシゲナーゼ活性のせいでタンパク質の供給源と比べて脂質または残留脂質の低い酸化を有する。
【0144】
本開示の一態様では、植物材料から精製タンパク質標品を作るプロセス(図1)は、
a)還元剤を含む溶液にて植物材料を提供する;
b)植物材料を溶解する;
c)溶解した植物材料を固相と液相に分け、その際、液相は可溶性タンパク質とクロロフィルとを含有する;
d)約30分以内で第1の設定温度に加熱し、次いで約30分以内で第2の設定温度に冷却することによって液相にてクロロフィルを凝固させ、その際、冷却は液相が前記第1の設定温度に達したときに開始する;
e)d)の液相を凝集剤及び/または吸着剤と接触させ、液相におけるクロロフィルを凝集させる及び/または吸着剤に吸着するのに十分な時間、混合し、それによって凝集した混合物を形成する;
f)e)の凝集した混合物を固相と液相に分離する;
g)f)の液相を濾過し、精製タンパク質を含有する濾液を得る工程を含む。
【0145】
いくつかの実施形態では、植物材料を収穫し、プロセスが開始される前にきれいにする。例えば、いくつかの実施形態では、プロセスが開始される前に植物材料を化学的に洗浄する。いくつかの実施形態では、プロセスが開始される前に植物材料を水で洗浄する。プロセスが開始される前に植物材料は複数回の洗浄を受けてもよい。
【0146】
いくつかの実施形態では、植物材料は還元剤を含む溶液にて混合される。開示されているプロセスにて使用するのに好適な還元剤の例には、2-メルカプトエタノール(BME)、2-メルカプトエチルアミン-HCL、メタ重亜硫酸ナトリウム、システイン塩酸塩、ジチオスレイトール(DTT)、グルタチオン、システイン、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、第一鉄イオン、発生期水素、ナトリウムアマルガム、シュウ酸、ギ酸、マグネシウム、マンガン、リン酸、カリウムまたはナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、植物材料は1を超える還元剤を含む溶液にて混合される。いくつかの実施形態では、還元剤は亜硫酸塩である。いくつかの実施形態では、還元剤は亜硫酸ナトリウム、亜硫酸マグネシウム、またはメタ重亜硫酸ナトリウムのうちの少なくとも1つである。いくつかの実施形態では、還元剤は重亜硫酸ナトリウムである。理論によって束縛されることを望まないで、還元剤はポリフェノールオキシダーゼの活性を調節する及び/または阻害するように作用すると考えられている。
【0147】
還元剤を含む溶液が処方されてその成分の安定性を改善してもよい。例えば、溶液のpH、イオン強度または温度が調整されてもよい。いくつかの実施形態では、溶液は緩衝剤を含んでもよい。開示されているプロセスにて使用するための緩衝剤の例には、アルカリ金属(例えば、Na+またはK+)、NaCl、アンモニウムイオン(NH4)、硝酸塩、酢酸塩(例えば、酢酸ナトリウム)、塩素酸塩、過塩素酸塩(NO3-、C232-、CIO3-、CIO4-)、金属を伴うハロゲンの二元化合物(例えば、Cl-、Br-、またはI-)、硫酸塩(SO42-)、硫酸アンモニウム、アルカリ土類金属の水酸化物(例えば、OH-、Ca2+、またはSr2+)、硫化物(S2-)、水酸化物(OH-)、炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム)、シュウ酸塩、クロム酸塩(CO3 2-、C24 2-、CrO4 2-)、リン酸塩(PO4 3-)(例えば、リン酸ナトリウム、リン酸一カリウム(KH2PO4)、リン酸二カリウム(K2HPO4)、リン酸一ナトリウム(NaH2PO4)、リン酸二ナトリウム(Na2HPO4)、リン酸アンモニウム(NH43PO4、リン酸カルシウム(Ca3(PO42)、リン酸マグネシウム、リン酸一マグネシウム、リン酸二マグネシウム、及びリン酸三マグネシウム)、トリス-HCl、HEPES、ACES、ADA、BES、イミダゾール-HCl、MES、MOPS、MOPSO、PIPES、TES、Bis-トリス、トリシン、ビシン、3-{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}プロパンスルホン酸、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン、3-[N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸、4-2-ヒドロキシエチル-1-ピペラジンエタンスルホン酸、2-{[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}エタンスルホン酸、3-(N-モルフォリノ)プロパンスルホン酸、ピペラジン-N,N’-ビス(2-エタンスルホン酸)、ジメチルアルシン酸、クエン酸ナトリウム、生理食塩水クエン酸ナトリウム、2-(N-モルフォリノ)エタンスルホン酸、塩化クロラミン、アセトアミノグリシン、トリシン、グリシンアミド及び炭酸アンモニウムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0148】
いくつかの実施形態では、開示されているプロセスにて使用するための溶液はキレート剤を含む。開示されているプロセスにて使用するためのキレート剤の例には、塩化物、シアン化物、有機酸(クエン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、マロン酸、シュウ酸、及びコハク酸を含むが、これらに限定されない)、デフェロキサミン、デフェリプロン、デフェラシロックス、ペニシラミン、ハチミツ、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、スポリックス、BAL、EDTA、デクスラゾキサン、プルシアンブルー、ALA、BAPTA、DTP A、DMPS、DMSA、EGTA、リボース、デオキシリボース、グルコース、フルクトース、グルコサミン、スクロース、ラクトース、マルトース、セルロース、デンプン、ペクチン、ガム、アルギン酸、キチン、キトサン、乳酸、ピルビン酸、クエン酸、酢酸、脂質、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、セラミド、スフィンゴミエリン、キサントフィル、ビタミンA、コルチゾン、コルチゾール、コール酸、デオキシコール酸、タウロコール酸、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、セリン、スレオニン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、リジン、アルギニン、アスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒスチジン、アドレナリン、インスリン、ATP、NAD、FMN、FAD、補酵素A、DNA、RNA、炭酸塩、重炭酸塩、シアン化物、グリコール酸、シュウ酸、乳酸、クエン酸、オルソリン酸塩、ピロリン酸塩、メタリン酸塩、ポリリン酸塩、フィチン酸、MDP、HMDP、HEDP、ヘモグロビン、クロロフィル、植物アルカロイド、アントシアニン、タンニン、硫酸塩、硫酸、コンドロイチン硫酸、ビタミンB12、アスコルビン酸、及び水が挙げられるが、これらに限定されない。
【0149】
いくつかの実施形態では、開示されているプロセスにて使用するための溶液はプロテアーゼ阻害剤を含む。開示されているプロセスにて使用するためのプロテアーゼ阻害剤の例には、PMSF、フッ化ナトリウム、β-グリセロホスフェート、ピロリン酸ナトリウム、リューペプチン及びE-64が挙げられるが、これらに限定されない。
【0150】
いくつかの実施形態では、溶液のpHは約5.0~9.0である。いくつかの実施形態では、溶液のpHは約6.5~約7.5である。いくつかの実施形態では、溶液のpHは約7.5である。いくつかの実施形態では、溶液のpHは約6.5~7.0である。
【0151】
植物材料と還元剤を含む溶液とは植物材料の還元剤への近接可能性を高める比率で混合されてもよい。例えば、植物材料と還元剤を含む溶液とは約6:1、3:1、2:1または1:1の比で準備されてもよい。
【0152】
本明細書で使用されるとき、「溶解すること」という用語は植物材料から細胞をバラバラにすること、及び細胞の内容物を露出することを指す。例えば、溶解することは細胞壁を壊すこと、細胞膜を破壊すること、及び/または細胞質を露出することを含んでもよい。植物材料を溶解する方法は当該技術分野で知られており、機械的溶解、化学的溶解及び/または酵素的溶解を含んでもよい。いくつかの実施形態では、植物材料は機械的に溶解される。開示されているプロセスにて使用するのに好適な機械的溶解の例には、機械的撹拌、圧力、粉砕、圧搾及び剪断が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、植物材料はブレンダーを使用して機械的に溶解される。いくつかの実施形態では、植物材料はミルを使用して、例えば、ナイフミル、高剪断ミル、コロイドミル、ボールミル、Boston剪断ミル、ハンマーミル、粉砕機、Rietzミル、湿式ミルまたは高剪断ミルによって機械的に溶解される。いくつかの実施形態では、植物材料は少なくとも2つの異なる型のミル(例えば、直列磨砕を介して)を使用して機械的に溶解される。理論によって束縛されることを望まないで、いくつかの実施形態では、少なくとも2つの異なる型のミルを使用して植物材料を機械的に溶解することは、植物材料のさらに効果的な溶解をもたらすと考えられている。いくつかの実施形態では、植物材料は超音波破砕機を使用して、窒素噴出を使用して、超音波エネルギーを使用して、または凍結によって機械的に溶解される。いくつかの実施形態では、植物材料はプレス機(例えば、ネジプレスまたはフレンチプレス)を使用して機械的に溶解される。いくつかの実施形態では、植物材料はホモゲナイザー(例えば、高圧ホモゲナイザーまたは微細フリューダイザー)を使用して機械的に溶解される。いくつかの実施形態では、植物材料は粉砕機を使用して機械的に溶解される。いくつかの実施形態では、植物材料はパルス電場(PEF)を使用して機械的に溶解される。いくつかの実施形態では、植物材料は機械的圧力を使用して機械的に溶解される。いくつかの実施形態では、植物材料は本明細書で開示されている機械的溶解のための技法の1以上を使用して機械的に溶解される。
【0153】
いくつかの実施形態では、植物材料は化学的に溶解される。いくつかの実施形態では、植物材料は1以上の界面活性剤を使用して化学的に溶解される。いくつかの実施形態では、1以上の界面活性剤はイオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、1以上の界面活性剤はカチオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、1以上の界面活性剤はアニオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、1以上の界面活性剤にはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が挙げられる。いくつかの実施形態では、1以上の界面活性剤は、例えば、TritonX-100、NP-40、ジギトニン、及び/またはサポニンのような非イオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、1以上の界面活性剤は、例えば、Triton、NP、Brij、Tween、オクチル-β-グルコシド、オクチルチオグルコシド、SDS、CHAPS、及び/またはCHAPSOのような双性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、1以上の界面活性剤は低張性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、1以上の界面活性剤は高張性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、1以上の界面活性剤は等張性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、植物材料は本明細書で開示されている化学的溶解のための技法の1以上を使用して化学的に溶解される。
【0154】
いくつかの実施形態では、植物材料は1以上の酵素を使用して酵素によって溶解される。いくつかの実施形態では、1以上の酵素にはセルラーゼが挙げられる。いくつかの実施形態では、1以上の酵素にはペクチナーゼが挙げられる。
【0155】
いくつかの実施形態では、植物材料は化学的に且つ機械的に溶解される。いくつかの実施形態では、植物材料は化学的に且つ酵素によって溶解される。いくつかの実施形態では、植物材料は機械的に且つ酵素によって溶解される。いくつかの実施形態では、植物材料は化学的に、機械的に且つ酵素によって溶解される。
【0156】
いくつかの実施形態では、植物材料の溶解は溶解物に1以上の二価にイオン(複数可)を添加することを含む。いくつかの実施形態では、植物材料の溶解は溶解物にキトサンを添加することを含む。いくつかの実施形態では、植物材料の溶解は溶解物に1以上の二価にイオン(複数可)を添加すること及び溶解物にキトサンを添加することを含む。いくつかの実施形態では、植物材料の溶解は溶解物にカルシウムイオンを添加することを含む。いくつかの実施形態では、植物材料の溶解は溶解物にカルシウムイオンを添加すること及び溶解物にキトサンを添加することを含む。いくつかの実施形態では、植物材料の溶解は溶解物に塩化カルシウムを添加することを含む。いくつかの実施形態では、植物材料の溶解は溶解物に塩化カルシウムを添加すること及び溶解物にキトサンを添加することを含む。
【0157】
溶解した植物材料の固相と液相への分離は当該技術分野で知られる任意の固液分離技法によって実行されてもよい。開示されているプロセスにて使用するのに好適なそのような分離技法の例には、ふるい分け、濾過、遠心分離、及び傾瀉が挙げられる。いくつかの実施形態では、溶解した植物材料を固相と液相に分離することはネジプレス、デカンターまたは遠心分離機によって実行される。いくつかの実施形態では、溶解した植物材料を固相と液相に分離することはディスクスタック遠心分離機、デカンター遠心分離機、連続遠心分離機、またはバスケット遠心分離機を使用して実行される。いくつかの実施形態では、溶解した植物材料を固相と液相に分離することはデッドエンド濾過システムを使用すること、限外濾過を使用すること、接線流濾過システムをすること、または平面濾過器を使用することを含むが、これらに限定されない濾過を含む。いくつかの実施形態では、溶解した植物材料を固相と液相に分離することは、ネジプレス機、フレンチプレス機、ベルトプレス機、フィルタープレス機、ファンプレス機、仕上げプレス機、または回転プレス機を含むが、これらに限定されないプレス機の使用を含む。いくつかの実施形態では、溶解した植物材料を固相と液相に分離することは重力沈降を使用することを含む。いくつかの実施形態では、溶解した植物材料を固相と液相に分離することは円振動分離機または線形/傾斜運動振盪器を含むが、これらに限定されないふるい分けを含む。いくつかの実施形態では、液相は可溶性タンパク質とクロロフィルとを含む。いくつかの実施形態では、固相は不溶性タンパク質、リグニン、繊維等を含む。
【0158】
溶解した植物材料の固相と液相への分離は農業応用を含むが、これらに限定されない種々の応用に有用である物質を生じてもよい。例えば、溶解した植物材料の分離から得られる液相は、可溶性タンパク質、クロロフィル、フェノール化合物、細胞膜(例えば、脂質)、炭水化物(ペクチンを含むが、これに限定されない)、核酸、及び/または集光性の複合体/光化学系を含んでもよい。例えば、溶解した植物材料の分離から得られる固相は植物繊維(複数可)、セルロース、ヘミセルロース、ペクチン、インタクトの植物細胞、細胞器官、不溶性タンパク質、クロロフィル及び/または脂肪を含んでもよい。いくつかの実施形態では、固相は、例えば、動物飼料またはバイオ燃料として使用されてもよい。いくつかの実施形態では、固相は、バイオ燃料の製造における前駆物質であるレブリン酸を含有してもよい。いくつかの実施形態では、溶解した植物材料の分離から得られる固相から得られるクロロフィルは、例えば、化粧品応用にて、色素として及び/またはヒト及び/または動物の栄養で使用されてもよい。
【0159】
精製タンパク質標品を作るプロセスは、熱処理を使用して所望ではない成分(例えば、RuBisCoではない成分)を凝固させて、液相に所望のタンパク質成分(例えば、RuBisCo)を残す工程も含んでもよい。理論によって束縛されないで、加熱することはアミノ酸鎖の高次構造でアンフォールディングを引き起こし、いくつかのタンパク質の凝集をもたらす。そのアミノ酸の配列及び高次構造状態に応じて、タンパク質はさまざまなアンフォールディング温度を有し、それを超えるとアンフォールディングし始め、凝集し始める。慎重に制御された加熱と冷却の条件によって、所望のタンパク質産物のアンフォールディング温度よりも低いアンフォールディング温度を持つタンパク質は凝固してもよい。いくつかの実施形態では、目的のタンパク質も凝集することを阻止するために加熱は穏やかな条件下で実施される。いくつかの実施形態では、液相は第1の設定温度に加熱される。いくつかの実施形態では、第1の設定温度は約40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃または80℃以下である。いくつかの実施形態では、加熱は迅速に行われる。いくつかの実施形態では、第1の設定温度までの加熱は約30分以上かからない。いくつかの実施形態では、第1の設定温度までの加熱は約15分以上かからない。いくつかの実施形態では、第1の設定温度までの加熱は約5分以上かからない。いくつかの実施形態では、液相は第1の設定温度に加熱した後、第2の設定温度に冷却される。いくつかの実施形態では、約30℃、25℃、20℃、15℃、10℃または5℃以上である。いくつかの実施形態では、冷却は第1の設定温度に到達し次第開始される。いくつかの実施形態では、冷却は迅速に行われる。いくつかの実施形態では、第2の設定温度に冷却するのに約30分以上かからない。いくつかの実施形態では、第2の設定温度に冷却するのに約15分以上かからない。いくつかの実施形態では、第2の設定温度に冷却するのに約5分以上かからない。
【0160】
精製タンパク質標品を作るプロセスは、1以上の塩の添加によって所望ではない成分(例えば、RuBisCoではない成分)を凝固させて、液相に所望のタンパク質成分(例えば、RuBisCo)を残す工程も含んでもよい。いくつかの実施形態では、塩はカルシウム塩、マグネシウム塩、ベリリウム塩、亜鉛塩、カドミウム塩、銅塩、鉄塩、コバルト塩、スズ塩、ストロンチウム塩、バリウム塩、ラジウム塩、またはそれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、塩は塩化カルシウム、硝酸カルシウム、または炭酸鉄である。いくつかの実施形態では、添加される塩はリン酸カリウムである。いくつかの実施形態では、添加される塩は塩化カルシウムである。いくつかの実施形態では、添加される塩はリン酸カリウム及び塩化カルシウムである。いくつかの実施形態では、1以上の塩は5mM~2Mの濃度で添加される。
【0161】
いくつかの実施形態では、精製タンパク質標品を作るプロセスは、1以上の凝固剤の添加によって所望ではない成分(例えば、RuBisCoではない成分)を凝固させて、液相に所望のタンパク質成分(例えば、RuBisCo)を残す工程も含んでもよく、その際、凝固剤はプロトン化した3級、2級または1級のアンモニウム種を含むが、これらに限定されない四級アンモニア種である。いくつかの実施形態では、凝固剤はエピアミン、ポリタンニン、ポリエチレンイミン、ポリリジン、及びカチオン性ポリアクリルアミドから選択される。いくつかの実施形態では、凝固剤はポリマー由来の凝固剤である。いくつかの実施形態では、ポリマーは双性イオン性である。いくつかの実施形態では、ポリマーは溶液またはエマルションの形態である。いくつかの実施形態では、ポリマーは粒状である。いくつかの実施形態では、ポリマーはビーズである。いくつかの実施形態では、ポリマーは荷電されない。いくつかの実施形態では、ポリマーは1%未満から最大で100%までの理論モルの荷電密度を有する。いくつかの実施形態では、ポリマーは500ダルトン~20,000,000ダルトンの分子量を有する。いくつかの実施形態では、ポリマーは20,000,000ダルトンを超える分子量を有する。
【0162】
いくつかの実施形態では、精製タンパク質標品を作るプロセスは、電気凝固法によって所望ではない成分(例えば、RuBisCoではない成分)を凝固させる工程も含んでもよい。電気凝固法のいくつかの実施形態では、水は電気凝固セルを通過し、その際、金属イオン(複数可)は水の中に入り、陰極の表面では水は水素ガスとヒドロキシル基に加水分解され、電子は自由に流れて浮遊固形物及び乳化油における表面電荷を不安定化し、浮遊固形物、重金属、乳化油、及び他の不純物を取り込む大きな綿状の塊が生じ、綿状の塊は下流の固形物分離及び/または濾過の操作(複数可)にて水から取り除かれる。
【0163】
精製タンパク質標品を作るプロセスはまた、液相を凝集剤及び/または吸着剤と接触させ、液相におけるクロロフィルを凝集するまたは吸着剤にそれを吸着させるのに十分な時間混合し、それによって凝集した混合物を形成する工程も含んでもよい。本明細書で使用されるとき、「凝集剤」という用語はコロイドを不安定化し、懸濁液から出て来させるために添加される物質を指す。「吸着」という用語は固体表面または「吸着剤」への分子の接着を指す。凝集のプロセスは当該技術分野で周知であり、例示的な凝集剤にはアルキルアミンエピクロロヒドリン、ポリ塩化ジメチルジアリルアンモニウム、多糖(例えば、キトサン)、ポリアミン、デンプン、硫酸アルミニウム、ミョウバン、ポリアクリルアミド、ポリアクロミドまたはポリエチレンイミンが挙げられてもよいが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、凝集剤は活性化キトサンである。いくつかの実施形態では、凝集剤は溶液における1~20%w/vの活性化キトサンである。キトサンを活性化し、溶液にキトサンを溶解する方法は当該技術分野で周知であり、溶液にて活性化キトサンを調製する任意の方法が使用されてもよい。例示的な方法は20%酢酸及び79%水に1%キトサンを溶解することを含んでもよい。吸着剤は当該技術分野で既知であり、例示的な吸着剤には活性炭、グラファイト、シリカゲル、ゼオライト、粘土、ポリエチレン等が挙げられてもよい。例示的な吸着剤には樹脂も挙げられてもよい。いくつかの実施形態では、開示されているプロセスにて使用するための樹脂は、強カチオン交換体、弱カチオン交換体、強アニオン交換体、弱アニオン交換体を含むが、これらに限定されないイオン交換樹脂、混合床樹脂、キレート樹脂、及びポリマー触媒である。いくつかの実施形態では、開示されているプロセスにて使用するための樹脂は、Sephacryl、Sephadex、Sepharose、及びSuperdex(GE Healthcare Bio-Sciences Corp、Westborough、Massachusetts)を含むが、これらに限定されないサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)樹脂である。いくつかの実施形態では、開示されているプロセスにて使用するための樹脂は、基質類似体、抗体・抗原、多糖(例えば、レクチン)、相補性塩基配列(例えば、核酸)、受容体(例えば、ホルモン)、アビジン・ビオチン、カルモジュリン、ポリ-A、グルタチオン、プロテインA及びプロテインG、及び/または金属イオンに対する親和性を有する。いくつかの実施形態では、開示されているプロセスにて使用するための樹脂は、例えば、フェニル、ブチル、オクチル、ヘキシル、エーテル及び/またはPPGを含む樹脂のように疎水性の相互作用を有する。
【0164】
いくつかの実施形態では、吸着剤は活性炭、活性化木炭または活性化石炭である。いくつかの実施形態では、活性炭は250m/gを超える表面積、1~1000μmの重量平均直径、400~1,400mg/gのヨウ素価、100~550の範囲でのモラセスナンバー、及び/または少なくとも10g/100gのメチレンブルー吸着を有する。いくつかの実施形態では、液相をポリマーと接触させる。いくつかの実施形態では、ポリマーは非イオン性である。いくつかの実施形態では、ポリマーはアニオン性である。いくつかの実施形態では、ポリマーはカチオン性である。いくつかの実施形態では、ポリマーは双性イオン性である。いくつかの実施形態では、ポリマーは溶液またはエマルションの形態である。いくつかの実施形態では、ポリマーは粒状である。いくつかの実施形態では、ポリマーはビーズである。いくつかの実施形態では、ポリマーは荷電されていない。いくつかの実施形態では、ポリマーは1未満から最大100%までの荷電密度を有する。いくつかの実施形態では、ポリマーは500ダルトン~20,000,000ダルトンの分子量を有する。いくつかの実施形態では、ポリマーは20,000,000ダルトンを超える分子量を有する。理論によって束縛されないで、液相におけるクロロフィルは凝集してさらに大きなサイズの粒子を形成し、次いで活性炭、活性化木炭または活性化石炭の表面に吸着してもよい。凝集した混合物は、凝集剤と吸着剤と不溶性タンパク質とクロロフィルとを含む固相、及び溶液にて可溶性タンパク質を含む液相を含む。
【0165】
次いで、凝集した混合物を固相と液相に分離してもよい。凝集した混合物の分離は当該技術分野で既知の固液分離法によって実行されてもよい。開示されているプロセスにて使用するのに好適なそのような分離法の例には、ふるい分け、濾過、遠心分離、及び傾瀉が挙げられる。いくつかの実施形態では、凝集した混合物の固相と液相への分離は、ネジプレス、デカンター、または精密濾過によって実行される。いくつかの実施形態では、凝集した混合物の固相と液相への分離は、例えば、デカンター遠心分離機、ディスクスタック遠心分離機、または連続遠心分離機の使用のように遠心分離を含む。いくつかの実施形態では、凝集した混合物の固相と液相への分離は、例えば、デッドエンド濾過システム、限外濾過の使用、接線流濾過システム、または平面濾過器の使用のように濾過を含む。いくつかの実施形態では、凝集した混合物の固相と液相への分離は、例えば、ネジプレス機、フレンチプレス機、ベルトプレス機、フィルタープレス機、ファンプレス機、仕上げプレス機または回転プレス機のようなプレス機の使用を含む。いくつかの実施形態では、凝集した混合物の固相と液相への分離は重力沈降を含む。いくつかの実施形態では、凝集した混合物の固相と液相への分離はふるい分けを含む。
【0166】
いくつかの実施形態では、凝集した混合物の固相と液相への分離は疎水性吸着剤を取り除くことを含む。いくつかの実施形態では、疎水性吸着剤を取り除くことは、例えば、ディスクスタック遠心分離機、連続遠心分離機、またはバスケット遠心分離機の使用のように遠心分離を含む。いくつかの実施形態では、疎水性吸着剤を取り除くことは、デッドエンド濾過システムを使用すること、限外濾過を使用すること、接線流濾過システムをすること、または平面濾過器を使用することを含むが、これらに限定されない濾過を含む。いくつかの実施形態では、疎水性吸着剤を取り除くことは、ネジプレス機、フレンチプレス機、ベルトプレス機、フィルタープレス機、ファンプレス機、仕上げプレス機または回転プレス機を含むが、これらに限定されないプレス機の使用を含む。いくつかの実施形態では、疎水性吸着剤を取り除くことは重力沈降を使用することを含む。いくつかの実施形態では、疎水性吸着剤を取り除くことはふるい分けを含む。いくつかの実施形態では、疎水性吸着剤を取り除くことはカラム濾過を含む。凝集した混合物の固相と液相への分離は農業応用を含むが、これらに限定されない種々の応用で有用である物質を生じてもよい。例えば、吸着剤が活性炭、活性化木炭または活性化石炭である場合、液相は可溶性タンパク質を含んでもよく、固相は活性炭、活性化木炭または活性化石炭及びフェノール類、顔料、及び/または細胞膜を含んでもよい。固相由来のフェノール類はヒト及び/または動物の栄養で使用されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、フェノール類には、例えば、栄養補助食品で使用されてもよいカロテノイドが含まれる。いくつかの実施形態では、フェノール類は日焼け止めで使用されてもよい。いくつかの実施形態では、固相由来の活性炭、活性化木炭または活性化石炭は再利用することができる。いくつかの実施形態では、固相由来の活性炭、活性化木炭または活性化石炭が植物に適用されて、例えば、水分保持を改善することができる。いくつかの実施形態では、固相由来の活性炭、活性化木炭または活性化石炭はバイオ燃料技術にて応用性を有する。例えば、いくつかの実施形態では、バイオ炭の製造に活性炭、活性化木炭または活性化石炭を使用することができる。
【0167】
いくつかの実施形態では、開示されているプロセスにて使用するための液相及び/または濾液は消泡剤及び/または泡止め剤を含んでもよい。いくつかの実施形態では、消泡剤及び/または泡止め剤は油性消泡剤である。油性消泡剤のいくつかの実施形態では、油は鉱物油、植物油、ホワイトオイル、またはシリコーン油を除いて起泡性媒体に不溶性である任意の油である。いくつかの実施形態では、油系消泡剤はワックス及び/または疎水性シリカを含有する。いくつかの実施形態では、ワックスはエチレンビス-ステアルアミド(EBS)、パラフィンワックス、エーテルワックス、及び脂肪アルコールワックスから選択される。いくつかの実施形態では、消泡剤及び/または泡止め剤は粉末消泡剤である。いくつかの実施形態では、粉末消泡剤はシリカのような特定の担体での油系消泡剤である。いくつかの実施形態では、粉末消泡剤は、例えば、セメント、しっくい、及び界面活性剤のような粉末製品に添加される。いくつかの実施形態では、消泡剤及び/または泡止め剤は水系消泡剤である。いくつかの実施形態では、水系消泡剤は水性基剤にて1以上の油及び/またはワックス、例えば、鉱物油、植物油、長鎖脂肪アルコール、及び脂肪酸セッケンまたは脂肪酸エステルを含む。いくつかの実施形態では、消泡剤及び/または泡止め剤はケイ素系消泡剤である。いくつかの実施形態では、ケイ素系消泡剤はケイ素主鎖のポリマーである。いくつかの実施形態では、ケイ素系消泡剤は油系エマルションまたは水系エマルションとして送達される。いくつかの実施形態では、ケイ素化合物はシリコーン油に分散された疎水性シリカを含む、またはそれから成る。いくつかの実施形態では、消泡剤及び/または泡止め剤は乳化剤を含むケイ素系消泡剤である。いくつかの実施形態では、消泡剤及び/または泡止め剤はシリコーングリコール及び/または改変されたシリコーン流体を含むケイ素系消泡剤である。いくつかの実施形態では、消泡剤及び/または泡止め剤はEO/PO系消泡剤である。いくつかの実施形態では、消泡剤及び/または泡止め剤はポリエチレングリコール及び/またはポリプロピレングリコールのコポリマーを含むEO/PO系消泡剤である。いくつかの実施形態では、消泡剤及び/または泡止め剤は油、水溶液または水系エマルションとして送達されるEO/PO系消泡剤である。
【0168】
凝集した混合物の固相と液相への分離は農業応用を含むが、これらに限定されない種々の応用に有用である物質を生じてもよい。例えば、液相は可溶性タンパク質、過剰な凝集剤(例えば、キトサン)、他の連結した、分岐状の、または線形の多糖(イオン性、非イオン性及び/または中性の多糖を含むが、これらに限定されない)、ビタミンB-12、塩化カルシウムまたは他の二価のイオン(例えば、塩化マグネシウム)、RuBisCo、集光性複合体/光化学系、可溶性タンパク質、細胞膜、フェノール化合物、カロテノイド、ルテイン、及び/またはキサントフィルを含んでもよい。例えば、固相はクロロフィル、リン酸カルシウム、細胞膜、集光性複合体/光化学系、及び/またはキトサンを含んでもよい。いくつかの実施形態では、固相は、例えば、動物飼料として、またはバイオ燃料として使用されてもよい。いくつかの実施形態では、この固相は潜在的なバイオ燃料前駆物質であるレブリン酸を含有してもよい。いくつかの実施形態では、溶解した植物材料の分離から得られる固相から得られるクロロフィルは、例えば、化粧品応用にて、色素として、及び/またはヒト及び/または動物の栄養で使用されてもよい。
【0169】
液相における可溶性タンパク質を安定化するために、低温でプロセスの工程を実行することが有利であってもよい。低温は可溶性タンパク質の変性を阻止してもよい。いくつかの実施形態では、凝集した混合物の分離は約35℃、30℃、25℃、20℃、15℃、10℃または5℃以下で実行される。いくつかの実施形態では、加熱する工程を除くタンパク質標品を作るプロセスの工程はすべて約35℃、30℃、25℃、20℃、15℃、10℃または5℃以下で実行される。
【0170】
凝集した混合物の固相と液相への分離の後、液相を濾過して精製タンパク質を含有する濾液を得てもよい。濾過の方法は当該技術分野で周知であり、表層フィルターまたは深層フィルターの使用によって、例えば、膜濾過、カラム濾過、透析濾過、限外濾過、接線流濾過、等によって実行されてもよい。いくつかの実施形態では、凝集した混合物の液相の濾過は薄膜フィルターによって実行される。いくつかの実施形態では、凝集した混合物の液相の濾過は5.0μm、4.0μm、3.0μm、2.0μm、1.0μm、0.7μm、0.5μm、0.22μmの薄膜フィルターによって実行される。いくつかの実施形態では、凝集した混合物の液相の濾過は珪藻土による表層濾過または深層濾過による。いくつかの実施形態では、凝集した混合物の液相の濾過は沈泥による表層濾過または深層濾過によって実行される。いくつかの実施形態では、凝集した混合物の液相の濾過は活性炭による表層濾過または深層濾過によって実行される。いくつかの実施形態では、凝集した混合物の液相の濾過は最大約10%、8%、6%、4%、2%、または1%までの活性炭によって実行される。いくつかの実施形態では、凝集した混合物の液相の濾過は濾過の複数の工程または様式を含む。例えば、濾過は薄膜フィルター及び活性炭床によって実行されてもよい。いくつかの実施形態では、濾過することは0.2μmの薄膜フィルターによって行われ、タンパク質様の液体が約2%の活性炭に曝露される。いくつかの実施形態では、濾液はさらに、薄膜フィルターを介して、例えば、5.0μm、4.0μm、3.0μm、2.0μm、1.0μm、0.7μm、0.5μm、または0.2μmの薄膜フィルターを介して濾過される。
【0171】
いくつかの実施形態では、小さな固形物及び/または微生物は液相及び/または濾液から取り除かれてもよい。いくつかの実施形態では、小さな固形物及び/または微生物は、精密濾過によって、例えば、ワンパスデッドエンド精密濾過システムまたは接線流濾過システムを使用することによって液相及び/または濾液から取り除かれてもよい。
【0172】
いくつかの実施形態では、液相及び/または濾液は滅菌されてもよい。いくつかの実施形態では、液相及び/または濾液は精密濾過によって、例えば、ワンパスデッドエンド精密濾過システムまたは接線流濾過システムを使用することによって滅菌される。いくつかの実施形態では、液相及び/または濾液は紫外線(UV)照射によって滅菌される。いくつかの実施形態では、液相及び/または濾液はガンマ線照射によって滅菌される。いくつかの実施形態では、液相及び/または濾液は殺菌によって、例えば、高圧殺菌または高温短時間殺菌によって滅菌される。
【0173】
タンパク質標品を含む濾液はさらに濃縮されてもよい。溶質を濃縮する当該技術分野で既知の方法が使用されてもよい。いくつかの実施形態では、濾液を濃縮することは好適なカットオフフィルターとしてのフィルターを介した限外濾過によって実行されてもよい。いくつかの実施形態では、濾液を濃縮することはポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、セルロースアセテート、またはポリスルホンを介した限外濾過によって実行されてもよい。いくつかの実施形態では、濾液を濃縮することは蒸発によって実行されてもよく、濾液を濃縮することは逆浸透によって実行されてもよい。カットオフフィルターのサイズは目的のタンパク質に応じて最適化されてもよい。いくつかの実施形態では、限外濾過は、約200kDa、150kDa、100kDa、75kDa、50kDa、25kDa、10kDa、または5kDa以下のカットオフのフィルターを使用して実行される。
【0174】
いくつかの実施形態では、液相及び/または濾液は透析されてもよい。いくつかの実施形態では、透析は限外濾過を使用して実行されてもよい。いくつかの実施形態では、透析はポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、セルロースアセテートまたはポリスルホンを介した限外濾過を使用して実行されてもよい。いくつかの実施形態では、透析は逆浸透を使用して実行されてもよい。
【0175】
液相及び/または濾液は乾燥させてもよい。いくつかの実施形態では、乾燥は噴霧乾燥器、凍結乾燥器、ドラム乾燥、フィルム乾燥、ベッド乾燥、フラッシュ乾燥器または回転乾燥器を使用して達成されてもよい。
【0176】
本明細書で開示されているプロセスは高収率の精製タンパク質の調製を可能にする。本明細書で開示されているプロセスは精製タンパク質の高収率標品を調製するのに使用されてもよい。有利なことに、本明細書で開示されている工程は植物材料の溶解後の液相における可溶性タンパク質の量の少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または99%の収率を生じてもよい。いくつかの実施形態では、タンパク質標品の収率は少なくとも約30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%である。
【0177】
本明細書で開示されているプロセスはかなりのレベルのタンパク質を植物材料から抽出するのに使用されてもよい。RuBisCoは光合成生物の葉緑体で見いだされた酵素であり、炭素固定の最初に主要な工程を触媒するのに使用される。緑葉植物材料で見いだされる総タンパク質の最大50%まではRuBisCoから成ってもよく、それは葉における最も豊富なタンパク質となっている。いくつかの実施形態では、タンパク質標品はRuBisCoである。いくつかの実施形態では、植物材料はウキクサ、藻類、ビートの根、ホウレンソウビート、フダンソウ、テンサイ、シービート、Mangelビート、ダイズまたはタバコに由来する。
【0178】
本開示の別の態様は本明細書で開示されているプロセスによって作られる産物に関する。
【0179】
本開示のさらに別の態様は植物材料由来の精製タンパク質標品を含む食物に関する。有利なことに、タンパク質標品を含む食物は30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%以下の不純物を含有してもよい。いくつかの実施形態では、タンパク質標品を含む食物はRuBisCoを含む。いくつかの実施形態では、タンパク質はLemnaに由来する植物材料から調製される。いくつかの実施形態では、タンパク質はLemonoideaeに由来する植物材料から調製される。
【0180】
ゲル及び安定な泡状物質を形成するタンパク質の能力は種々の食物の製造で重要である。本明細書で使用されるとき、泡状物質は液体または固体にて気体のポケットを捕捉することによって形成される構造体を指す。泡状物質におけるタンパク質は小さな気泡を形成する泡状物質の能力及び構造を保持する安定性に寄与する。小さな気泡が均一に分布する泡状物質は食物に素地、滑らかさ及び軽さを付与する。タンパク質標品の泡状物質を形成する能力はその純度に関係し、安定な泡状物質を形成するには少なくとも約80%の純度が必要であってもよい。本明細書で使用されるとき、ゲルは大量の水性相を含む軟らかい固形物である。タンパク質ゲルはマトリクス全体を通して連続した液相を伴うタンパク質繊維の三次元ネットワークを含んでもよい。高いゲル化能を持つタンパク質はゲルを形成するのに少ないタンパク質で済む。本明細書で開示されているプロセスは、食品で使用するのに好適である有利に高い純度、起泡能、泡状物質の安定性及びゲル化能を持つタンパク質標品を調製するのに使用されてもよい。
【0181】
本開示は以下の限定的な実施例によってさらに説明される。
【実施例
【0182】
実施例1~4及び比較例1にて詳述されている以下のプロセスによって作られる可溶性タンパク質標品及び凍結乾燥したタンパク質標品を性状分析した。凍結乾燥する前に溶液における可溶性タンパク質の濃度をPierce660nmタンパク質アッセイ(Thermo-Scientific Inc.)によって測定した。Dumas法によってタンパク質の純度を測定した。可溶性標品のそれぞれから泡状物質を作り出し、起泡性の特徴を測定した。起泡能(FC)は
FC=(起泡後の体積-起泡前の体積)/起泡前の体積×100%
として算出した。起泡後の時間間隔tでの起泡安定性は
起泡安定性=時間tでの残留泡状物質の体積/最初の泡状物質の体積×100%
として算出した。
【0183】
実施例1
0.3%w/vの重亜硫酸ナトリウムを含有する炭酸ナトリウム緩衝液と1:1の比で新鮮なコウキクサ1kgをVitamix Blender(Vitamix Corp,Cleveland,Ohio)にて浸軟した。30℃未満で温度を維持して中速の設定で抽出を3分間行った。続いて、網目の細かいナイロン製の濾し袋(Natural Home Brands,Sun Valley,California)を使用することによって、浸軟したバイオマスを濾過し、可溶性タンパク質を含有する液体ジュースから繊維性が高い固形濾塊を分離した。濾過したホモジネートを次いで4000gの速度/出力(Allegra X15R,SX4750ローター;Beckman Coulter,Inc.,Pasadena,California)で10分間遠心分離した。ペレットを捨て、上清を別々に回収した。55℃の温度に設定した水浴にて溶液を50℃の温度に加熱し、目標温度に到達した後、15℃未満の温度に迅速に冷却した。タンパク質溶液の迅速な冷却に続いて、2%v/vの活性化キトサンと4%w/vの活性炭(Cabot Norit Americas Inc,Marshall,Texas)とを液体ジュースに加えた。続いて溶液を5分間撹拌し、その後、溶液を5000gの速度/出力(Allegra X15R,SX4750ローター;Beckman Coulter,Inc.,Pasadena,California)で10分間遠心分離した。遠心ボトルの緑色のペレットを捨て、0.7μmのガラス製超極細繊維膜(Whatman 1825-047 Glass Microfiber Binder Free Filter,0.7Micron;Global Life Sciences Solutions USA LLC,Marlborough,Massachusetts)を使用して透明な黄色の上清を精密濾過した。続いて濾液を0.2μmのポリエーテルスルホンの膜(ポリエーテルスルホン(PES)膜フィルター,0.2ミクロン;Sterlitech Corporation Inc,Kent,Washington)に曝露し、細菌を含む望ましくない粒子の残りを取り除いた。次いで70kDaの膜(MINIKROS(登録商標)S02-E070-05-N;Spectrum Laboratories,Inc.,Rancho Dominguez,California)を使用して、得られた淡黄色の脱臭されたタンパク質様溶液を濃縮した。続いて、得られた濃縮溶液を凍結乾燥し(Harvest Right LLC,Salt Lake City,Utah)、成果は白色無臭の可溶性タンパク質粉末だった。
【0184】
実施例2
Vitamix Blender(Vitamix Corp,Cleveland,Ohio)を使用して、0.3%w/vのアスコルビン酸を含有するリン酸カリウム緩衝液と1:1の比で新鮮なコウキクサ1kgを浸軟した。浸軟は30℃未満の温度を維持するために中速で3分間行った。網目の細かいナイロン製の濾し袋(Natural Home Brands,Sun Valley,California)を使用することによって、溶解したバイオマスを濾過し、可溶性タンパク質を含有する液体ジュースから繊維性が高い固形濾塊を分離した。濾過したホモジネートを次いで4000gの速度/出力(Allegra X15R,SX4750ローター;Beckman Coulter,Inc.,Pasadena,California)で10分間遠心分離した。ペレットを捨て、上清を別々に回収した。次いで上清を5%v/vの活性化キトサン(キトサン(10~120cps),真菌起源(9012-76-4);Glentham Life Sciences Ltd.,Corsham,Wiltshire,UK)及び10%w/vの活性炭(Cabot Norit Americas Inc,Marshall,Texas)と5分間混合した。続いて、混合した溶液を5000gの速度/出力(Allegra X15R,SX4750ローター;Beckman Coulter,Inc.,Pasadena,California)で10分間遠心分離した。得られたペレットを捨て、0.2μmのポリエーテルスルホン膜(ポリエーテルスルホン(PES)膜フィルター,0.2ミクロン;Sterlitech Corporation Inc,Kent,Washington)を使用して、脱臭され、脱色された上清を精密濾過した。次いで70kDaの膜(MINIKROS(登録商標)S02-E070-05-N;Spectrum Laboratories,Inc.,Rancho Dominguez,California)を使用して、得られた淡黄色の脱臭されたタンパク質様溶液を濃縮した。続いて、得られた濃縮溶液を凍結乾燥し(Harvest Right LLC,Salt Lake City,Utah)、成果は白色無臭で可溶性のタンパク質粉末だった。
【0185】
実施例3
Vitamix Blender(Vitamix Corp,Cleveland,Ohio)を使用して、0.3%w/vの重亜硫酸ナトリウムとアスコルビン酸とを含有する蒸留水と1:1の比で新鮮なコウキクサ1kgを浸軟した。浸軟は30℃未満の温度を維持するために中速で3分間行った。網目の細かいナイロン製の濾し袋(Natural Home Brands,Sun Valley,California)を使用することによって、溶解したバイオマスを濾過し、可溶性タンパク質を含有する液体ジュースから繊維性が高い固形濾塊を分離した。次いで、濾過したホモジネートを4000gの速度/出力で10分間遠心分離した。ペレットを捨て、上清を別々に回収した。次いで、30mMのリン酸カリウムと20mMの塩化カルシウムを含有する溶液と上清を5分間混合した。続いて、混合した溶液を5000gの速度/出力(Allegra X15R,SX4750ローター;Beckman Coulter,Inc.,Pasadena,California)で遠心分離した。得られたペレットを捨て、5%w/vの活性炭(Cabot Norit Americas Inc,Marshall,Texas)を上清に加え、溶液を5分間撹拌した。続いて、残りのクロロフィル、ポリフェノール、及び他の望ましくない味感/色彩/臭気に影響を及ぼす粒子を吸着している活性炭を取り除くために、0.2μmのポリエーテルスルホンの薄膜フィルター(ポリエーテルスルホン(PES)膜フィルター,0.2ミクロン;Sterlitech Corporation Inc,Kent,Washington)を使用して、活性炭を含有する混合溶液を精密濾過した。次いで、100kDaの膜(Hollow Fiber Cartridge,100,000 NMWC,850cm2;GE Healthcare Bio-Sciences Corp,Westborough,Massachusetts)を使用して、得られた淡黄色の脱臭したタンパク質様溶液を濃縮した。続いて、得られた濃縮溶液を凍結乾燥し、成果は白色無臭で可溶性のタンパク質粉末だった。
【0186】
実施例4
Vitamix Blender(Vitamix Corp,Cleveland,Ohio)を使用して、0.5%w/vの重亜硫酸ナトリウムを含有する蒸留水と1:1の比で新鮮なコウキクサ1kgを浸軟した。浸軟は30℃未満の温度を維持するために中速で3分間行った。網目の細かいナイロン製の濾し袋(Natural Home Brands,Sun Valley,California)を使用することによって、溶解したバイオマスをを濾過し、可溶性タンパク質を含有する液体ジュースから繊維性が高い固形濾塊を分離した。濾過したホモジネートを次いで4000gの速度/出力(Allegra X15R,SX4750ローター;Beckman Coulter,Inc.,Pasadena,California)で10分間遠心分離した。ペレットを捨て、上清を別々に回収した。次いで、30mMのリン酸カリウムと20mMの塩化カルシウムを含有する溶液と上清を5分間混合した。続いて、混合した溶液を5000gの速度/出力(Allegra X15R,SX4750ローター;Beckman Coulter,Inc.,Pasadena,California)で10分間遠心分離した。得られたペレットを捨てた。2%w/vの活性化キトサン(キトサン(10~120cps),真菌起源(9012-76-4);Glentham Life Sciences Ltd.,Corsham,Wiltshire,UK)及び4%w/vの活性炭(Cabot Norit Americas Inc,Marshall,Texas)を上清に加え、溶液を5分間撹拌した。続いて、混合した溶液を5000gの速度/出力(Allegra X15R,SX4750ローター;Beckman Coulter,Inc.,Pasadena,California)で10分間遠心分離した。得られたペレットを捨て、0.7μmのポリエーテルスルホン膜(Whatman 1825-047 Glass Microfiber Binder Free Filter,0.7ミクロン;Global Life Sciences Solutions USA LLC,Marlborough,Massachusetts)を使用して、脱臭し、脱色した上清を精密濾過した。次いで0.2μmのポリエーテルスルホン膜(ポリエーテルスルホン(PES)膜フィルター,0.2ミクロン;Sterlitech Corporation Inc,Kent,Washington)を使用して、濾液をさらに精密濾過した。次いで、70kDaの膜(MINIKROS(登録商標)S02-E070-05-N;Spectrum Laboratories,Inc.,Rancho Dominguez,California)を使用して、得られた淡黄色の脱臭されたタンパク質様溶液を濃縮した。続いて、得られた濃縮溶液を凍結乾燥し(Harvest Right LLC,Salt Lake City,Utah)、成果は白色無臭で可溶性のタンパク質粉末だった。
【0187】
実施例1~4の結果
実施例1~4の方法によって調製されたタンパク質標品の平均純度は約84.3%であり、限外濾過後の可溶性タンパク質の濃度は1.316μg/mLだった。達成された起泡能は195%であり、1時間後92%の安定性を維持した。凍結乾燥した物質のゲル化特性を検証し、ゲルを形成するために2%w/vの凍結乾燥した物質を加えれば十分だった。
【0188】
比較例1
一部修正してWO2011/0778671 A1(van de Velde et al.)に記載されたとおりにウキクサ葉のタンパク質を抽出した。
【0189】
新鮮なウキクサ1kgを洗浄し、0.3%w/vの重亜硫酸ナトリウムに対して2:1の比でVitamix Blenderを使用して浸軟した。60℃まで加熱する前にチーズクロスを介してホモジネートをふるい分けた。濾液を60℃で5分間保持し、次いで10℃に冷却した。加熱処理に続いて、懸濁液を5200gで5分間遠心分離した。次に5%w/wの量で活性炭を上清に加えた。活性炭の添加に続いて、懸濁液を5分間撹拌し、その後、傾瀉によって上清を取り出した。
【0190】
得られた上清を2つの精密濾過工程に供した。先ず、0.7μmの細孔径を有する精密フィルター(Whatman 1825-047 Glass Microfiber Binder Free Filter,0.7ミクロン;Global Life Sciences Solutions USA LLC,Marlborough,Massachusetts)に上清を通した。続いて、0.2μmの細孔径を有する精密フィルター(ポリエーテルスルホン(PES)膜フィルター,0.2ミクロン;Sterlitech Corporation Inc,Kent,Washington)に濾液を通した。次いで濾液を凍結乾燥し、成果は白っぽい無臭の粉末だった。
【0191】
比較例1の結果
タンパク質の純度は乾燥物の単位あたり約34.1%であり、凍結乾燥前の可溶性タンパク質の濃度は520μg/mLだった。凍結乾燥物質の起泡特性は92%の総起泡強度を示し、1時間後62%の安定性だった。凍結乾燥物質のゲル化特性を検証し、ゲルを形成するために、少なくとも7%w/vの凍結乾燥物質を加えることが必要だった。
【表1】
【0192】
実施例5
この実施例はクロロフィル・タンパク質複合体を凝集させるための塩化カルシウムを使用したクロロフィルの除去を検討した。
【0193】
2%のメタ重亜硫酸塩と0.1MのNaClを含む抽出緩衝液で2kgのバイオマスを溶解した(Vitamix Corp,Cleveland,Ohio)。次いで濾液からすべて375mLの体積を有する4つの画分を作った。画分すべてを速度4で混合し、遠心分離をすべての画分で行い、工程を5200g及び5分に設定した。濾過については、DE(Dicalite Management Group Inc,Bala Cynwyd,Pennsylvania)でコーティングした0.45μmのカットオフフィルターのシート(ポリエーテルスルホン(PES)膜フィルター,0.45ミクロン;Sterlitech Corporation Inc,Kent,Washington)付きのブフナー漏斗を使用した。
【0194】
画分1:画分にて10mMの濃度を得るために3.75gのリン酸緩衝液を加えた。次いで、68℃に設定した熱浴工程に画分を通し、その後、15gの活性炭(Cabot Norit Americas Inc,Marshall,Texas)を加え、25分間混合した。それに続いて3%のキトサン(キトサン(10~120cps),真菌起源(9012-76-4);Glentham Life Sciences Ltd.,Corsham,Wiltshire,UK)15gを加え、さらに5分間混合した。次いで溶液を遠心分離し、次いで濾過した。
【0195】
画分2:画分にて10mMの濃度を得るために3.75gのリン酸緩衝液を加えた。次いで15gの活性炭(Cabot Norit Americas Inc,Marshall,Texas)を画分に加え、15分間混合した。これに続いて、3%のキトサン(キトサン(10~120cps),真菌起源(9012-76-4);Glentham Life Sciences Ltd.,Corsham,Wiltshire,UK)15gを加え、さらに5分間混合した。次いで溶液を遠心分離し、次いで濾過した。
【0196】
画分3:画分にてそれぞれ10mM及び7.5mMの濃度を得るために3.75gのリン酸緩衝液及び2.81gの塩化カルシウム溶液を加えた。次いで15gの活性炭(Cabot Norit Americas Inc,Marshall,Texas)を画分に加え、15分間混合した。これに続いて、3%のキトサン(キトサン(10~120cps),真菌起源(9012-76-4);Glentham Life Sciences Ltd.,Corsham,Wiltshire,UK)15gを加え、さらに5分間混合した。次いで溶液を遠心分離し、次いで濾過した。
【0197】
画分4:画分にてそれぞれ20mM及び15mMの濃度を得るために7.5gのリン酸緩衝液及び5.63gの塩化カルシウム溶液を加えた。次いで15gの活性炭(Cabot Norit Americas Inc,Marshall,Texas)を画分に加え、15分間混合した。これに続いて、3%のキトサン(キトサン(10~120cps),真菌起源(9012-76-4);Glentham Life Sciences Ltd.,Corsham,Wiltshire,UK)15gを加え、さらに5分間混合した。次いで溶液を遠心分離し、次いで濾過した。
【0198】
【表2】
【0199】
図5は精密濾過後の画分1、2、3及び4を示す。図6は精密濾過後の画分4、3、2及び1を示す。図5及び図6に示すように、塩化カルシウムによる凝固は対照画分(画分2)と比べてクロロフィルの除去で有意差を示さない。図5及び図6にまた示すように、画分3及び画分4における2つの異なる濃度の塩化カルシウムの使用はクロロフィルの除去で有意差を生じなかった。
【0200】
さらなる実験はEDTAを加えるポイントを調べた。画分の第1の設定については、バスケット遠心分離機を使用した固体/液体分離ののち得られた濾液はリン酸塩(二塩基性リン酸カリウム及び一塩基性リン酸カリウムを含む)によって処理されたが、EDTAによって処理されなかった。図7Aはこれらの画分を示す。画分の第2の設定については、固体/液体分離ののち得られた溶解物はリン酸塩(二塩基性リン酸カリウム及び一塩基性リン酸カリウムを含む)によって処理され、且つEDTAによって処理された。図7Bはこれらの画分を示す。図7A及び図7Bに示すように、画分の第2の設定に由来する画分2は画分の第1の設定由来の画分2と比べて劇的に異なる色彩を有する。理論によって束縛されることを望まないで、これらの結果は濾液にEDTAを添加することが溶解物にEDTAを添加することに比べて色彩の大きな除去をもたらすことを示唆していると考えられる。
【0201】
実施例6
この実施例は熱浴を使用することの代替としてクロロフィル及び葉緑体膜を凝固させるための塩化カルシウムの使用を検討した。
【0202】
0.1MのNaCl及び2%のメタ重亜硫酸塩(EDTAなし)を含有する抽出緩衝液にてバイオマスを溶解した。バスケット遠心分離(Rousselet-Robatel Model RA20VxR Vertical Basket Centrifuge;Robatel Inc, Pittsfield, Massachusetts)後の濾液375mLに以下の表4にて詳述された量で塩化カルシウム及びリン酸塩(二塩基性リン酸カリウム及び一塩基性リン酸カリウムを含む)を加えた。
【0203】
【表3】
【0204】
濾液を室温で15分間撹拌した。塩化カルシウム処理の後、13mLの画分を取り、卓上遠心分離機(Horizon Model 614B Centrifuge;Drucker Diagnostics LLC,Port Matilda,Pennsylvania)で遠沈した。上清の色彩及びペレット画分の重量を測定した。図8は塩化カルシウムとリン酸塩の添加及びおよそ5分間の卓上遠心分離の後の画分の試料を示す。図8に示すように、画分4は優れたクロロフィル除去を示した。図8に示すように、画分5は白色ペレット(内容は不明)を含有した一方で、上清は相対的にクロロフィルで満たされたままだった。理論によって束縛されることを望まないで、結果は塩化カルシウムが75mMの濃度でクロロフィルを効果的に除去するのにリン酸塩が必要であることを示唆してもよい。また図8に示すように、pH7.5で溶解された画分6は画分4と比べて相対的に少ないクロロフィル除去を示した。理論によって束縛されることを望まないで、結果は塩化カルシウムがさらに高いpHではあまり効果的ではないことを示唆してもよい。
【0205】
次いで標準的な手順によって、溶解物の残部を活性炭(Cabot Norit Americas Inc,Marshall,Texas)及びキトサン(キトサン(10~120cps),真菌起源(9012-76-4);Glentham Life Sciences Ltd.,Corsham,Wiltshire,UK)で処理した。活性炭・キトサンを遠沈し、2枚のコーヒーフィルターを介して上清をさらに濾過した。上清の色彩に留意した。図9は活性炭とキトサンを除去した後の画分1~6の試料を示す。図9に示すように、キトサン及び活性炭は塩化カルシウム及びリン酸塩による前処理の後、適正に機能する。また図9に示すように、活性炭とキトサンによる色彩除去は画分6で最も効果的であったが、それは75mMの塩化カルシウムと100mMのリン酸塩を含有した。
【0206】
SDS-PAGEクマシー染色分析を行って画分1、5、6及び7におけるRuBisCoを視覚化し、そのレベルを決定した。図10はSDS-PAGEクマシー染色分析の結果を示す。図10は画分5~7についての卓上遠心分離後のペレット及び上清(「Sup」)のSDS-PAGEゲル(Bio-Rad Laboratories,INC,Hercules,CA)の結果を示す。図10に示すように、レーン9はクロロフィルが25kDa前後のタンパク質に依然として結合していることを示す一方で、レーン6はクロロフィルが切り離されていることを示す。理論によって束縛されることを望まないで、これらの結果はクロロフィルに結合しているタンパク質がおよそ25kDaの(サブユニット)サイズを有することを示唆してもよい。また図10に示すように、RuBisCoは画分5、6及び7の上清における大部分である一方で、25kDaのクロロフィル結合タンパク質はペレットにおける大部分である。理論によって束縛されることを望まないで、これらの結果はリン酸塩を伴った塩化カルシウムはクロロフィル結合タンパク質を選択的に沈殿させ、RuBisCoを溶液に残すことを示唆してもよい。
【0207】
理論によって束縛されることを望まないで、結果は、塩化カルシウムがバスケット遠心分離後の緑色濾液からクロロフィル及び細胞膜を効率的に取り除き、RuBisCoの大部分は上清に残り、塩化カルシウムが誘導する沈殿は直ちに発生すると思われ、ならびに塩化カルシウムが25kDaのクロロフィル結合タンパク質を取り除くことを示すと考えられる。
【0208】
実施例7
この実施例は溶解物を濾過することからのタンパク質の回収に対する0.5%界面活性剤の効果及び下流のプロセス工程に対する界面活性剤の効果を検討した。
【0209】
0.1MのNaClと0.1Mのリン酸塩(二塩基性リン酸カリウム及び一塩基性リン酸カリウムを含む)と2%のメタ重亜硫酸塩とを含有する緩衝液で4kgのバイオマスを溶解した(Vitamix Corp,Cleveland,Ohio)。2Lの溶解物を10%のChaps溶液(Biovision Inc,Milpitas,California)200mLと混合した後、溶解物にて0.5%の濃度を得た。次いでこれを約10分間混合し、バスケット遠心分離機(Rousselet-Robatel Model RA20VxR Vertical Basket Centrifuge;Robatel Inc,Pittsfield,Massachusetts)で遠沈した。残りの溶解物に200mLの水を加え、希釈倍率を補正した。
【0210】
双方の画分について375mL溶解物の画分を取り、1Mの塩化カルシウム緩衝液28.1mLを加え、75mMの濃度を得た。混合物を遠沈し、上清を比較した。対照上清を取り、5%の分岐のないキトサン(キトサン(10~120 cps),真菌起源(9012-76-4);Glentham Life Sciences Ltd.,Corsham,Wiltshire,UK)量を加えた(0.75g~375mL)。溶液を5分間混合し、その後、13mLの小試料を取り、卓上遠心分離機(Horizon Model 614B Centrifuge;Drucker Diagnostics LLC,Port Matilda,Pennsylvania)で遠沈した。上清のpHを7.2に上げ、残りのキトサン及び十分な色彩除去をチェックした。別の0.75gを元々の溶液に加え、合計10%の分岐のないキトサン(375mLにて1.5g)を得た。色彩除去が十分であり、過剰なキトサンが観察されるまでこれを繰り返した。これが観察されるキトサンの%は10%だった。25%のAC及び10%のキトサンを双方の画分に加え、遠心分離機で遠沈した。
【0211】
図11は種々の試料でのSDS-PAGEゲル(Bio-Rad Laboratories,INC,Hercules,CA)を示す。図11に示すように、界面活性剤は濾液でのRuBisCoを有意に増やすことはなく、どちらの画分でも活性炭・キトサンのペレットにRuBisCoがあるようには見えない。
【0212】
図12は活性炭及びキトサンの除去の後の画分を示す。図12に示すように、Chapsによる処理は溶解の間にさらに多くのポリフェノール及び/またはポリフェノールオキシダーゼ(PPO)を放出する。
【0213】
理論によって束縛されることを望まないで、これらの結果は、Chapsによる処理が溶解の間にさらに多くのRuBisCoを有意に放出することはないが、Chapsによる処理は溶解の間にさらに多くの量のポリフェノール及び/またはポリフェノールオキシダーゼ(PPO)を放出することを示唆してもよい。また、理論によって束縛されることを望まないで、これらの結果は、25%活性炭及び5%キトサンはいずれの画分でも色彩を有意に取り除かなかったことを示唆してもよい。
【0214】
実施例8
この実施例は塩化カルシウムのベースライン実行、0.1%CHAPSによる濾塊の再懸濁、及び0.1%CHAPSによる第2の濾塊の洗浄に関する。
【0215】
0.2MのNaCl、0.1MのPO4 pH7.7、2%メタ重亜硫酸塩、(kgあたりのレシピ:5MのNaClを20mL、1MのNaOHを115mL、H2Oを115mL、1MのPO4緩衝液pH7.6を50mL、200gの氷)を含む抽出緩衝液で2kgのバイオマスを溶解した(Vitamix Corp,Cleveland,Ohio)。2kgを最終的に3つの画分に分けた。画分1については、Vitamixによる溶解の後、75mMの塩化カルシウムを加え、10分間手動で混合した一方で、pHを厳重に監視した。次いでそれをバスケット遠心分離機(Rousselet-Robatel Model RA20VxR Vertical Basket Centrifuge;Robatel Inc,Pittsfield,Massachusetts)によって遠沈し、画分を濾液として回収した。画分2の調製は2Lの再懸濁緩衝液(70mMのPO4 pH7.2,0.1MのNaCl,0.1%のCHAPS)にバスケット遠心分離濾塊を再懸濁することを含んだ。次いでスラリーをVitamixで混合し、濾液(画分2)及び濾塊をバスケット遠心分離によって分離した。画分2に酷似して、画分3はバスケット遠心分離濾塊を1Lの再懸濁緩衝液に再懸濁することによって調製した。スラリーを手動で混合し、バスケット遠心分離の前に10分間静置した。50gの活性炭を加え、15分間混合し、それに続いて3%のキトサン(キトサン(10~120 cps),真菌起源(9012-76-4);Glentham Life Sciences Ltd.,Corsham,Wiltshire,UK)20gを加え、画分ごとにさらに5分間混合した。次いで溶液を遠沈し、0.2umのフィルター(ポリエーテルスルホン(PES)膜フィルター,0.2ミクロン;Sterlitech Corporation Inc,Kent,Washington)を介して精密濾過した。最後に、50kDaの限外濾過(MINIKROS(登録商標)S02-E050-05-N;Spectrum Laboratories,Inc.,Rancho Dominguez,California)で溶液を濃縮し、塩分濃度が0.1pptを下回るまで(約10LのdH2O)透析濾過した。最後の工程は10kDaの限外濾過(MINIKROS(登録商標)S02-E010-05-N;Spectrum Laboratories,Inc.,Rancho Dominguez,California)であり、その後凍結乾燥した。対照/濾塊の再懸濁/第2の洗浄のプロセスの間に使用したパラメーターを表5に提供する。
【0216】
【表4】
【0217】
バスケット遠心分離の後、画分2及び画分3は画分1と比べてさらに深い緑色を有した。しかしながら、精密濾過の後、画分3はほぼ無色であり、画分2は画分1よりも明るい色彩だった。図13は種々の試料についてのSDS-PAGEゲルを示し、その際、「F1」は「画分1」を指し、「F2」は「画分2」を指し、「F3」は「画分3」を指す。「AC-C」は「活性炭・キトサン」を指し、「sup」は「上清」を指し、「Rubi」は「RuBisCo」を指す。可溶性粗タンパク質のバイオマスにおける可溶性総タンパク質含量に基づいて94.25%の収率が観察された。
【0218】
実施例9
この実施例は塩化カルシウム、増加したリン酸塩、及び0.25%のCHAPS界面活性剤による処理を検討した。
【0219】
合計6kgのバイオマスを処理した(Vitamix Corp,Cleveland,Ohio)。6kgを2kgのバッチ3つに分け、3つの実験分画を実行した。画分1は0.2MのNaClと0.1Mのリン酸塩(二塩基性リン酸カリウム及び一塩基性リン酸カリウムを含む)、pH7.7と2%のメタ重亜硫酸塩(kgあたりのレシピ:5MのNaClを20mL、1MのNaOHを120mL、H2Oを110mL、1Mのリン酸緩衝液pH7.6を50mL、200gの氷)とを含む抽出緩衝液にて溶解した。
【0220】
溶解は出力5でのVitamixingで3分間実行した。画分2は画分1と同じ方法で溶解したが、抽出緩衝液はさらに多くのリン酸塩(kgあたりのレシピ:5MのNaClを20mL、1MのNaOHを120mL、H2Oを77mL、1Mのリン酸緩衝液pH7.6を83mL、200gの氷)を含有した。画分3は最終濃度0.25%のCHAPS界面活性剤(Biovision Inc,Milpitas,California)を加えたことを除いて画分2と同じリン酸緩衝液で溶解した。溶解は画分1及び2と同じプロトコールを使用してVitamix Blenderにて発生した(若干の起泡を観察した)。
【0221】
濾液のpHを1MのNaOHでpH7.3に合わせ、決してpH6.8を下回らないようにした。溶解した後、75mMの塩化カルシウムを加え、手動で10分間混合した一方で、pHを厳重に監視した。次いでそれをバスケット遠心分離機(Rousselet-Robatel Model RA20VxR Vertical Basket Centrifuge;Robatel Inc,Pittsfield,Massachusetts)によって遠沈し、濾液を回収した。画分2の調製は2Lの再懸濁緩衝液(70mMのP04 pH7.2,0.1MのNaCl,0.1%のCHAPS)にバスケット遠心分離濾塊を再懸濁することから成った。次いでスラリーをVitamixで1分間混合し、濾液(画分2)と濾塊をバスケット遠心分離によって分離した。画分2に酷似して、1Lの再懸濁緩衝液にバスケット遠心分離濾塊を再懸濁することによって画分3を調製した。スラリーを手動で混合し、バスケット遠心分離の前に10分間静置した。50gの活性炭を加え、15分間混合し、それに続いて3%のキトサン(キトサン(10~120cps),真菌起源(9012-76-4);Glentham Life Sciences Ltd.,Corsham,Wiltshire,UK)20gを加え、画分ごとにさらに5分間混合した。次いで溶液を遠沈し、0.2μmのフィルター(ポリエーテルスルホン(PES)膜フィルター,0.2ミクロン;Sterlitech Corporation Inc,Kent,Washington)を介して精密濾過した。最後に、50kDaの限外濾過(MINIKROS(登録商標)S02-E050-05-N;Spectrum Laboratories,Inc.,Rancho Dominguez,California)で溶液を濃縮し、塩分濃度が0.1pptを下回るまで(約10LのdH2O)透析濾過した。最後の工程は10kDaの限外濾過(MINIKROS(登録商標)S02-E010-05-N;Spectrum Laboratories,Inc.,Rancho Dominguez,California)であり、その後凍結乾燥した。対照/画分2/画分3のプロセスの間に使用したパラメーターを表6に提供する。
【0222】
【表5】
【0223】
画分2はバスケット遠心分離の後、画分1よりもやや黒っぽく、画分3はバスケット遠心分離の後、有意に深緑色だった。画分2及び3の双方はバスケット遠心分離の後、画分1と比べてさらに濁っていた。画分3の体積は4.8Lであったが、体積を増やす空気の明らかな増量のせいでそれを3.4Lとして扱った。濾液の体積は処理する前にすべて2.5Lに減らした。したがって、画分1の89%、画分2の100%及び画分3の96%を実際に使用した。
【0224】
図14は種々の試料についてのSDS-PAGEゲルを示し、その際、「F1」は「画分1」を指し、「F2」は「画分2」を指し、「F3」は「画分3」を指し、「AC-C」は「活性炭・キトサン」を指し、「sup」は「上清」を指す。バイオマスにおける可溶性総タンパク質含量に基づく収率は以下のとおりだった:対照、80.69%;画分2:89.43%;画分3:95.20%
【0225】
実施例10
この実施例は熱浴を使用しないクロロフィル除去に対するキトサン濃度の効果を検討した。
【0226】
2%メタ重亜硫酸塩と10mMのEDTAと0.1MのNaClとを含む抽出緩衝液で2kgのバイオマスを溶解した(Vitamix Corp,Cleveland,Ohio)。濾液から5つの画分を作り、すべて375mLの体積を有した。画分をすべて速度4で混合し、遠心分離(Allegra X15R,SX4750 rotor;Beckman Coulter,Inc.,Pasadena,California)はすべての画分で行い、工程を5200g及び5分間に設定した。濾過については、コーヒーフィルターを使用し、それに続いてDE(Dicalite Management Group Inc,Bala Cynwyd,Pennsylvania)でコーティングした0.45μmカットオフのフィルターシート(ポリエーテルスルホン(PES)膜フィルター,0.45ミクロン;Sterlitech Corporation Inc,Kent,Washington)付きのブフナー漏斗を使用した。
【0227】
画分1:次いで15gの活性炭(Cabot Norit Americas Inc,Marshall,Texas)を画分に加え、15分間混合した。それに続いて1%キトサン(キトサン(10~120cps),真菌起源(9012-76-4);Glentham Life Sciences Ltd.,Corsham,Wiltshire,UK)15gを加え、さらに5分間混合した。溶液を遠心分離し(Allegra X15R,SX4750 rotor;Beckman Coulter,Inc.,Pasadena,California)、次いで濾過した(Polyethersulfone(PES)膜フィルター,0.2ミクロン;Sterlitech Corporation Inc,Kent,Washington)。
【0228】
画分2:次いで15gの活性炭を画分に加え、15分間混合した。それに続いて2%のキトサン15gを加え、さらに5分間混合した。次いで溶液を遠心分離し、次いで濾過した。
【0229】
画分3:次いで15gの活性炭を画分に加え、15分間混合した。それに続いて3%のキトサン15gを加え、さらに5分間混合した。次いで溶液を遠心分離し、次いで濾過した。
【0230】
画分4:次いで15gの活性炭を画分に加え、15分間混合した。それに続いて4%のキトサン15gを加え、さらに5分間混合した。次いで溶液を遠心分離し、次いで濾過した。
【0231】
画分5:次いで15gの活性炭を画分に加え、15分間混合した。それに続いて5%のキトサン15gを加え、さらに5分間混合した。次いで溶液を遠心分離し、次いで濾過した。しかしながら、誤りがあり、キトサンの添加後タイマーを開始させなかった。したがって、画分5についての結果は他の画分と比較しなかった。
【0232】
模式的変数の概要
・キトサンの範囲:1%~5%
・リン酸緩衝液なし
・100%活性炭混合の15分とそれに続くキトサン混合の5分
【0233】
図15はブフナー漏斗による精密濾過後の画分1~5を示す。図15に示すように、画分2、3及び4では色彩は見たところ等しく除かれた。理論によって束縛されることを望まないで、画分1と画分2の間での比較は1%キトサンが2%キトサンほど効果的にクロロフィルを取り除かなかったことを示唆している。図15に示すように、画分1~4と比べて活性炭及びキトサンにおよそ2~4分間さらに曝露された画分5は画分1~4よりも透明だった。
【0234】
理論によって束縛されることを望まないで、これらの結果はキトサンの2%溶液による処理がキトサンの3%溶液またはキトサンの4%溶液による処理と同様に近似して機能することを示唆してもよい。理論によって束縛されることを望まないで、これらの結果は、例えば、キトサンの5%溶液による処理及び活性炭とキトサンへのさらに長い曝露時間による処理もクロロフィル除去を改善してもよいことを示唆してもよい。
【0235】
実施例11
この実施例は、活性炭(Cabot Norit Americas Inc,Marshall,Texas)の代わりに、またはそれと併せた、キトサン後の溶解物から着色化合物を取り除くための活性化ベントナイト粘土(EP Engineered Clays由来のCC160)の使用を検討した。
新鮮な上清(抽出プロセスにおけるキトサン後の遠沈)を得て、そのpHをNaOHで7.0に合わせた。Pierceアッセイ(Pierce(商標)660nmタンパク質アッセイ Reagent;Thermo Fisher Scientific,Waltham,Massachusetts)によって光学密度を測定し、474nmでの吸光度を測定し、[タンパク質]とオレンジ脱色の量についての出発点を決定した。当業者が理解するように、Pierce 660nmタンパク質アッセイ試薬は総タンパク質濃度を測定するのに使用することができる。理論によって束縛されることを望まないで、Pierce 660nmタンパク質アッセイは660nmで測定される色素の吸収極大で変化を引き起こすタンパク質への色素・金属錯体の結合に基づくと考えられる。色素・金属錯体は赤茶色であり、タンパク質結合の際、緑色に変化し、アッセイで生じた色彩はタンパク質濃度の増大に比例して増える。100mLの試料に0.3%w/vの活性炭(Cabot Norit Americas Inc,Marshall,Texas)を加えた。混合物を1分間撹拌し、その後、0.45μmのフィルター(ポリエーテルスルホン(PES)膜フィルター,0.45ミクロン;Sterlitech Corporation Inc,Kent,Washington)、それに続いて0.2μmのフィルター(ポリエーテルスルホン(PES)膜フィルター,0.2ミクロン;Sterlitech Corporation Inc,Kent,Washington)を備えたブフナー漏斗に直接注ぎ、真空を使用してフラスコに濾液を回収した。Pierceアッセイによって光学密度を測定し、474nmでの吸光度を測定した。別個の100mL試料に0.3%w/vのCC160粘土を加えた。混合物を1分間撹拌し、その後、0.45μmフィルターとそれに続く0.2μmフィルターを備えたブフナー漏斗に直接注ぎ、真空を使用してフラスコに濾液を回収した。Pierceアッセイによって光学密度を測定し、474nmでの吸光度を測定した。
【0236】
表7で引用したようにさまざまな濃度のCC160粘土を使用して試料にて前述の手順を繰り返した。表7は処理及び濾過の前後での活性炭または粘土の濃度及び474nmでの吸光度を列挙する。
【表6】
【0237】
理論によって束縛されることを望まないで、これらの結果は活性炭の方がベントナイト粘土よりもポリフェノールを除去するのに優れていることを示唆してもよい。
【0238】
実施例12
この実施例は活性炭の代わりに樹脂を使用することができるかどうかを検討した。
【0239】
新鮮な上清(抽出プロセスにおけるキトサン後の遠沈)を得て、NaOHを使用してそのpHを7.0に高めた。Pierceアッセイ(Pierce(商標)660nmタンパク質アッセイ試薬;Thermo Fisher Scientific,Waltham,Massachusetts)によって出発光学密度(「OD」)を測定し、474nmでの吸光度を測定した(Shimadzu PharmaSpec UV-1700;Shimadzu Scientific Instruments Incorporated,Columbia,Maryland)。100mLの試料に0.3%w/vの活性炭(Cabot Norit Americas Inc,Marshall,Texas)を加えた。混合物を1分間撹拌し、ブフナー漏斗にて0.45μmのフィルター(ポリエーテルスルホン(PES)膜フィルター,0.45ミクロン;Sterlitech Corporation Inc,Kent,Washington)とそれに続く0.2μmのフィルター(ポリエーテルスルホン(PES)膜フィルター,0.2ミクロン;Sterlitech Corporation Inc,Kent,Washington)を通して流し、フラスコに濾液を回収した。光学密度測定のために試料を回収した。さらなる100mLの試料に、表8で示した量(%w/v)の樹脂を加え、各試料について混合物を表8で示した時間撹拌し、その後、混合物をブフナー設定に注いだ。各試料について光学密度を測定した。
【0240】
【表7】
【0241】
実施例の態様は、考えられる最高のPierceアッセイ読み取りを維持し、タンパク質濃度に相関しながらオレンジODが最低である結合の時間と濃度を決定することだった。これは、Pierce比線と474比線との間の最大分離によってグラフで見ることができる。最大分離がある実験群は10分間で20%であり、タンパク質の83%はPierceアッセイによって保持され、オレンジ色は33%に減った。
【0242】
実施例13
この実施例は活性炭と比べた、着色化合物を除去することでの樹脂(Purolite MN200;Purolite Corporation,Kings of Prussia,Pennsylvania)の有効性を検討した。
【0243】
新鮮な上清(抽出プロセスにおけるキトサン後の遠沈)を得て、そのpHをNaOHで7.0に高めた。Pierceアッセイ(Pierce(商標)660nmタンパク質アッセイ試薬;Thermo Fisher Scientific,Waltham,Massachusetts)によって出発光学密度(「OD」)を測定し、474nmでの吸光度を測定した(Shimadzu PharmaSpec UV-1700;Shimadzu Scientific Instruments Incorporated,Columbia,Maryland)。100mLの試料に0.3%の活性炭(Cabot Norit Americas Inc,Marshall,Texas)を加えた。混合物を1分間撹拌し、ブフナー漏斗にて0.45μmのフィルター(ポリエーテルスルホン(PES)膜フィルター,0.45ミクロン;Sterlitech Corporation Inc,Kent,Washington)とそれに続く0.2μmのフィルター(ポリエーテルスルホン(PES)膜フィルター,0.2ミクロン;Sterlitech Corporation Inc,Kent,Washington)を通して流し、フラスコに濾液を回収した。光学密度測定のために試料を回収した。さらなる100mLの試料に、表9で示した量の樹脂を加え、各試料について混合物を表8で示した時間撹拌し、その後、混合物をブフナー設定に注いだ。各試料について光学密度を測定した(710nmでのPierce;474nmでのAbs)。
【0244】
【表8】
【0245】
理論によって束縛されることを望まないで、1%活性炭、1分の群に見られるPierceOD比とオレンジOD比の間の大きなギャップは、これが以前の試験では観察されなかったので誤りであってもよいと考えられる。理論によって束縛されることを望まないで、これらの結果は活性炭の方が色彩を除去することにおいて調べた樹脂よりも効率的であるが、活性炭はPierceアッセイに基づいてさらに多くの窒素化合物を取り除くことを示唆してもよい。
【0246】
実施例14
最終的な植物タンパク質粉末を脱イオン水で10mg/mLの濃度で希釈した。ゲル濾過カラム(Superdex200;GE Healthcare Bio-Sciences Corp,Westborough,Massachusetts)を用いた高速タンパク質液体クロマトグラフィー(FPLC)を使用して試料を分析した。その後、分子量標準(Bio-Rad Laboratories,INC,Hercules,CA)を流して目的の試料における個々のタンパク質及びタンパク質複合体の分子サイズを概算した。図16は最終タンパク質産物及びタンパク質標準のクロマト図を示す。クロマト図のタンパク質ピークの分析は、分子量タンパク質標準で測定したとき670kDaに近いが、それを下回る分子量で目的のタンパク質(RuBisCo)がカラムから溶出されることを示した。
【0247】
実施例15
この実施例はSDS-PAGE電気泳動を使用し、クマシー染色を介してLemna植物タンパク質の純度及び複雑性を視覚化した。最終精製タンパク質産物の植物タンパク質抽出物の小試料を4~15%のSDS-PAGEゲル(Bio-Rad Laboratories,INC,Hercules,CA)で分析した。タンパク質の視覚化はクマシー色素を利用してゲルにてタンパク質を青色に染色することによって行った。図17はSDS-PAGEゲルを示す。理論によって束縛されることを望まないで、これらの結果は最終タンパク質産物が主としてRubisco酵素から成り、Rubiscoの個々の大小のサブユニットは変性条件下及び還元条件下にてSDS-PAGEクマシー染色によって容易に検出できることを示唆していると考えられる。
【0248】
実施例16
この実施例はクロロフィル、ポリフェノール及び分光分析によって特徴づけられ、定量されるような他の光吸収分子の除去を検討した。精製プロセスの各工程の試料を、精製プロセスを介して分光光度計(Shimadzu PharmaSpec UV-1700;Shimadzu Scientific Instruments Incorporated,Columbia,Maryland)によって特徴づけた。試料を1100nmから245nmに下って走査した。図18は吸光度スペクトルを示す。画分1のピーク(「F1」)は最初の液体/固体分離工程後の濾液から検出されたシグナルに相当する。画分4のピーク(「F4」)は0.2μmの精密濾過後に採取された試料に相当する。理論によって束縛されることを望まないで、走査分光光度計から検出された吸光度ピークはプロセス全体を通しての光吸収分子の効率的な除去を示したと考えられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
【国際調査報告】