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特表2022-541401需給計器用改ざん防止装置、エンクロージャ及び需給計器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-26
(54)【発明の名称】需給計器用改ざん防止装置、エンクロージャ及び需給計器
(51)【国際特許分類】
   G01R 11/24 20060101AFI20220915BHJP
【FI】
G01R11/24 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500862
(86)(22)【出願日】2020-07-09
(85)【翻訳文提出日】2022-02-21
(86)【国際出願番号】 EP2020069316
(87)【国際公開番号】W WO2021005136
(87)【国際公開日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】19386032.7
(32)【優先日】2019-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522008919
【氏名又は名称】ランディス+ギア アーゲー
【氏名又は名称原語表記】LANDIS+GYR AG
【住所又は居所原語表記】Alte Steinhauserstrasse 18 6330 Cham Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100145470
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 健一
(72)【発明者】
【氏名】タンワニ・ニクヒル
(72)【発明者】
【氏名】ラトーレー・バハドゥール・シン
(72)【発明者】
【氏名】シファラキス・パノス
(57)【要約】
本発明は、密閉要素(20)用のガイドウェイ(23、23’)を提供する、需給計器(1)、特にそのエンクロージャ(2)用の改ざん防止装置(11、11’)であって、需給計器(1)の密閉状態(S)において、密閉要素(20)の少なくとも一部がガイドウェイ(23、23’)に沿って延在する、改ざん防止装置(11、11’)に関する。さらに、本発明は、本発明による改ざん防止装置(11、11’)を受け入れるように構成されたソケット(12)を備える需給計器(1)用のエンクロージャ(2)、ならびに、本発明による改ざん防止装置(11、11’)を備える需給計器(1)、及び/又はエンクロージャ(2)に関する。本発明は、ガイドウェイ(23、23’)に、密閉要素(20)が改ざん防止装置(11、11’)に事前定義された破壊力(F)を及ぼすときに破壊するように構成された所定の破壊ゾーン(38、38’)が設けられることを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉要素(20)用のガイドウェイ(23、23’)を提供する、需給計器(1)、特にそのエンクロージャ(2)用の改ざん防止装置(11、11’)であって、前記需給計器(1)の密閉状態(S)において、前記密閉要素(20)の少なくとも一部は、前記ガイドウェイ(23、23’)に沿って延在し、前記ガイドウェイ(23、23’)には、前記密閉要素(20)が前記改ざん防止装置(11、11’)に事前定義された破壊力(F)を及ぼすときに破壊するように構成された所定の破壊ゾーン(38、38’)が設けられていることを特徴とする、改ざん防止装置(11、11’)。
【請求項2】
前記改ざん防止装置(11、11’)が、前記改ざん防止装置(11、11’)の固定位置(P)で前記需給計器(1)に取り付けられるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の改ざん防止装置(11、11’)。
【請求項3】
前記改ざん防止装置(11、11’)が前記固定位置(P)からの取り外しに耐える事前定義された保持力(F)が、前記破壊力(F)よりも大きいことを特徴とする、請求項2に記載の改ざん防止装置(11、11’)。
【請求項4】
前記固定位置(P)において前記需給計器(1)と係合するように構成された取付部(17、17’)を特徴とする、請求項2又は3に記載の改ざん防止装置(11、11’)。
【請求項5】
前記取付部(17、17’)が、前記所定の破壊ゾーン(38、38’)から離れて延在することを特徴とする、請求項4に記載の改ざん防止装置(11、11’)。
【請求項6】
前記取付部(17、17’)が、前記取付部(17、17’)の長手方向軸(L)に対して鋭角の保持角度(γ)の下で少なくとも部分的に延在する少なくとも1つの保持面(31)を提供することを特徴とする、請求項4又は5に記載の改ざん防止装置(11、11’)。
【請求項7】
前記取付部(17、17’)は、前記密閉状態(S)において前記需給計器(1)に設けられた対向ラッチ要素(30)の背後にスナップ留めするように構成されたラッチ要素(28)を提供することを特徴とする、請求項4から6の少なくとも一項に記載の改ざん防止装置(11、11’)。
【請求項8】
前記ガイドウェイ(23、23’)が、前記密閉要素(20)を前記所定の破壊ゾーン(38、38’)に向かって導くための導入区域(46、46’)を有することを特徴とする、請求項1から7の少なくとも一項に記載の改ざん防止装置(11、11’)。
【請求項9】
前記ガイドウェイ(23、23’)に沿って形成された頂点(44)が、少なくとも部分的に前記所定の破壊ゾーン(38、38’)を形成することを特徴とする、請求項1から8の少なくとも一項に記載の改ざん防止装置(11、11’)。
【請求項10】
少なくとも部分的に、前記所定の破壊ゾーン(38、38’)が、前記改ざん防止装置(11、11’)の壁部(48、48’)に配置されることを特徴とする、請求項1から9の少なくとも一項に記載の改ざん防止装置(11、11’)。
【請求項11】
前記ガイドウェイ(23、23’)の少なくとも一部が、前記改ざん防止装置(11、11’)の作動部(16、16’)内に形成されることを特徴とする、請求項1から10の少なくとも一項に記載の改ざん防止装置(11、11’)。
【請求項12】
前記ガイドウェイ(23、23’)の少なくとも一部が、前記改ざん防止装置(11、11’)の作動面(49)に関連付けられていることを特徴とする、請求項1から11の少なくとも一項に記載の改ざん防止装置(11、11’)。
【請求項13】
前記ガイドウェイ(23、23’)の少なくとも一部が、前記改ざん防止装置(11、11’)を貫通する貫通孔(24、24’)として形成されることを特徴とする、請求項1から12の少なくとも一項に記載の改ざん防止装置(11、11’)。
【請求項14】
請求項1から13の少なくとも一項に記載の改ざん防止装置(11、11’)を受け入れるように構成されたソケット(12)を備える、需給計器(1)用のエンクロージャ(2)。
【請求項15】
請求項1から13の少なくとも一項に記載の改ざん防止装置(11、11’)、及び/又は請求項14に記載のエンクロージャ(2)を備える、需給計器(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、需給計器用の改ざん防止装置、需給計器用のエンクロージャ、及び改ざん防止装置及び/又はエンクロージャそれぞれを備えた需給計器に関する。
【背景技術】
【0002】
需給計器、例えば電気メータは、従来技術から知られており、水若しくはガスなどの媒体の消費量、又は供給される電気エネルギーの消費量を決定するのに役立つ。需給計器を、供給及び計量されるべき電源又は電気エネルギー源に接続するために、需給計器は、電気エネルギーを送達する電線の裸端を受け入れるように構成された端子を含む導体接続デバイスを備える。消費量を測定するために、ならびに有線及び無線接続を介して通信するために、需給計器は、例えばプリント回路基板上及びプリント回路基板として設けられた電気回路を備える。さらに、需給計器は、ディスプレイ、プッシュボタン、スイッチなどのような制御要素を備え、その結果、それらは、例えば、需給計器を設置し維持する人員などのそれぞれのオペレータによって制御、調整、及び操作され得る。
【0003】
一方で、端子、電気回路、及び制御要素は、埃、水分などの有害な環境影響、ならびに改ざんから保護される必要がある。他方で、電気エネルギーの顧客及びオペレータは、電線の感電から保護される必要がある。したがって、端子、電気回路及び制御要素は、エンクロージャによって収容される。これらのエンクロージャは、一般に、いくつかの部分から構成される。例えば、端子カバー部は、許可された専門オペレータのみがアクセスできるように端末を覆うように形成及び配置される。外部カバー部は、電気回路を保護し、需給計器の前面の制御要素へのアクセスを提供することができるように形成及び配置される。基部は、需給計器の裏側に端子、電気回路、及び制御要素を少なくとも部分的に囲むように設けられ、一般に、需給計器を電気キャビネット内に、又は需給計器が設置される建物若しくは構造の壁に取り付けるのにも役立つ。
【0004】
従来技術によれば、改ざん保護は、電気メータのエンクロージャの基部及びカバー部を貫通し、ワイヤシールが設けられているワイヤなどの密閉手段を使用することによって一般に達成され、その結果、ワイヤシールの破損は改ざんの試みを示す。
【0005】
本開示の出願人によって適用される改ざん保護を提供する別の方法は、電気メータ、例えば出願人によって製造されたE450メータの前面に形成されたソケットに挿入されるようになる押しボタンを利用する。押しボタンノブは、権限を有する人員のために確保されたままであるべき所定のメータ制御を有効及び/又は無効にするため電気スイッチを起動させることができる。したがって、押しボタンノブには、好ましくは、押しボタンノブを押すとスイッチを作動させることができるシャフトの端部に配置されたトリガ又は作動要素が設けられている。押しボタンノブは、カバーに形成された通路及び押しボタンノブ内に形成された貫通孔を貫通するワイヤシールによってロック位置に固定され、それにより、押しボタンノブのロック位置からの回転が防止される。
【0006】
さらに、欧州特許第0035323号明細書は、メータの内部への不正なアクセスの試みを検出する手段を備えた電気メータを記載している。検出手段は、典型的には、そのような試みによって破壊されるように配置された光路又は導電路を備える。一実施形態では、経路は、メータケース又はカバー上に保持されたボルトを封止するために使用されるフィラメント状部材によって形成され、さらなる実施形態では、経路は、メータカバー又は端子カバーを取り外すことによって破壊される。いずれの実施形態においても、カバーが破壊又は穿孔された場合に破壊されるように、メータカバーの表面内又は表面上にさらなる経路を形成することができる。
【0007】
欧州特許第0988556号明細書は、改ざんを防止するために密閉されたハウジングを有するタイプの電気機械式電気消費メータ。メータは、密閉されたハウジングの一部を通して見える回転可能な構成要素を含み、その回転速度は電気の消費速度に関連する。構成要素は、その表面に少なくとも1つのマーキングを有し、それにより、構成要素の回転速度は、メータの内部にアクセスする必要なしに、密閉されたハウジングの透明領域を通して密閉されたハウジングの外側に配置された監視アセンブリを使用して決定することができる。取り外し可能な密閉可能なカバー構造が、前述の透明領域以外の密閉されたハウジングの一部の上に配置され、密閉されたハウジングと共に、カバー構造の下から密閉されたハウジングを通して部品又は構成要素を見るため密閉されたハウジングの外部に、及び密閉されたハウジングに対して、光学監視アセンブリを収容することができる容積を提供する。
【0008】
英国特許出願公開第2334338号明細書は、密閉されたハウジングを有するタイプの電気機械式電気消費メータにおける改ざんを検出するための装置を記載している。装置は、メータの密閉されたハウジングの外側に嵌合され、密閉可能な端子カバーによって囲まれ得るモジュール11を備える。モジュールは、メータに対する改ざんを検出するように動作可能な電気回路手段を含む。好ましくは、モジュールは、密閉されたハウジングを通る回転可能な構成要素の回転を検出するための光ピックアップを含み、電気回路手段は、メータが改ざんされていることを示す回転可能な構成要素の逆回転を検出するように動作可能である。
【0009】
韓国特許第101201955号明細書は、高温発熱を含む故障状態が発生したときに電力供給を遮断又は制御するための自動検針システムに関する。マイクロスイッチユニットが、主カバー又は端子カバーに設置されている。マイクロスイッチユニットは、密閉ユニットが開放又は分解されたときにイベントを生成して記録する。磁気センサユニットは、電力の蓄積が中断されたかどうかを感知する。改ざん警報ユニットが磁気検知ユニットから検知信号を受信すると、改ざん警報ユニットはブザー又は表示パネルを介して警報を生成する。メモリは、イベント情報及び警報を記憶する。
【0010】
国際公開第2009/059386号パンフレットは、変圧器/分配回路と電気メータとの間の分岐分配器導管上の電力盗難を検出及び防止するためのシステムを記載している。このシステムは、第1のセンサと、給電ケーブル内の電流を表す第1の電流値を決定するための、顧客における電気メータの密閉箱内に位置する第1のコンバータユニットと、第2のセンサと、分岐分配器導管内の電流を表す第2の電流値を測定する、接続箱内に位置する第2のコンバータと、を備える。接続ボックスは、前述の第1の電流値と前述の第2の電流値との間の差を決定する第1の電子ユニットをさらに備える。差が閾値を上回っている場合、電力盗難が判定され、第1の電子ユニットから、電力盗難を登録する配電会社内に位置するサーバに信号が送信される。
【0011】
従来技術から知られている改ざん保護のための手段は、それぞれの電気メータの内部空間へのアクセスを防止するために使用されるロック機構及び対応するシールが、改ざんの試みを検出することができないように操作され得ることが多いという欠点を有する。例えば、それぞれのロック手段は、ワイヤシールなどのシールを破壊した後、メータの内部にアクセスし、その後、改ざんの試みが明確に明らかにならないように破壊されたシールを偽造されたものと交換するか、又はシールを修復するために除去され得る。
【0012】
さらに、改ざんの試みを合図するための電気的機構は、関与される電気構成要素をブリッジ又は短絡によって回避することができる。このような電気構成要素はまた、特に、経年劣化、振動、埃、水分などの環境への影響に起因して誤った電気信号を与える可能性があるマイクロスイッチの場合にあり得る、誤った警報を発するという点でも機能しなくなる可能性がある。光学部品についても同様である。
【0013】
これらの欠点は、一方では、改ざんの試みを検出することができず、改ざんイベントが気付かれずに発生し得ることにつながる。他方、より高度な、例えば改ざん検出のための光学及び/又は電子システムを実装するためのコスト及び努力は、電気メータの製造及び保守コストの望ましくない増加をもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】欧州特許第0035323号明細書
【特許文献2】欧州特許第0988556号明細書
【特許文献3】英国特許出願公開第2334338号明細書
【特許文献4】韓国特許第101201955号明細書
【特許文献5】国際公開第2009/059386号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、従来技術から知られている需給計器用の密閉手段及びエンクロージャの上述の欠点のいくつかを少なくとも部分的に軽減することである。具体的に、本発明の根底にある目的は、任意の改ざんの試みを検出することができ、電気メータの任意の改ざんならびに電気メータの重要な構成要素への不正アクセスを防止することができるように、電気メータを密閉する費用効果の高い方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上述の改ざん防止装置の場合、これらの目的は、改ざん防止装置が密閉要素のためのガイドウェイを提供し、需給計器の密閉状態において、密閉要素の少なくとも一部がガイドウェイに沿って延在するという点で、少なくとも部分的に達成される。好ましい実施形態では、密閉要素は、ガイドウェイの全長に沿って延在する。ガイドウェイには、密閉要素が改ざん防止装置に事前定義された破壊力を及ぼすと破壊するように構成された所定の破壊ゾーンが設けられている。
【0017】
上述のエンクロージャの場合、これらの目的は、本発明による改ざん防止装置を受け入れるように構成されたソケットを備えるという点で少なくとも部分的に達成される。
【0018】
需給計器の場合、これらの目的は、本発明による改ざん防止装置及び/又は本発明によるエンクロージャを備えるという点で少なくとも部分的に達成される。
【0019】
これにより、事前定義された力が密閉要素から改ざん防止装置に伝達され、改ざん防止装置自体が事前定義された破壊ゾーンで破壊され、したがって改ざんの試みを示す。さらに、破壊時に、改ざん防止装置は、改ざん防止装置が取り外されることを防止することができ、それにより、需給計器の密閉状態を維持することができる。例えば、密閉要素は、ワイヤシール、ストラップ、ボルト、ピンなどのうちの少なくとも1つとして具体化されてもよい。所定の破壊ゾーンは、改ざんの試みが示され、任意の権限のない人員に対して需給計器の内部の重要な構成要素への不正アクセスが防止される方法で、改ざん防止装置が破断するように、所定の破壊点、互いに位置合わせされた多数の点、又は区域若しくはそれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことができる。したがって、所定の破壊ゾーンは、改ざん防止装置の破壊又は少なくとも目に見える及び/又は触知できる損傷を容易にするために、任意の種類のノッチ、溝、脆弱化、材料の変更などを含むことができる。
【0020】
これは、改ざん防止装置は権限のない人員によって修理又は交換することができないため、おそらく任意の改ざんの試みを検出することができる、従来技術を超える決定的な利点を有する。密閉要素が無傷のままであっても、改ざん防止装置は破壊又は損傷し、それによって改ざんの試みを明確に示す。改ざん防止装置は、所定の日付の破壊ゾーンで破壊又は損傷しても密閉状態を維持すると、電気メータの固定を継続し、したがって電気メータの重要な構成要素への不正アクセスを防止する。
【0021】
特段の記述がない限り、本発明による解決策は、それぞれの場合において、それ自体が利点である以下のさらなる実施形態によって所望に応じて組み合わされ、さらに改善され得る。当業者であれば、本発明による改ざん防止装置、そうした需給計器のためのエンクロージャ、又は需給計器の任意の装置の特徴は、本発明による方法の方法ステップ及び実施形態の特徴として容易に実装することができ、逆もまた同様であることを容易に認識するであろう。
【0022】
可能な実施形態によれば、改ざん防止装置は、改ざん防止装置の固定位置で需給計器に取り付けられるように構成される。改ざん防止装置を固定位置で需給計器に取り付けることによって、改ざん防止装置は電気メータに係留され得る。これにより、電気メータからの改ざん防止装置の不正な取り外しを防止することができる。
【0023】
可能な実施形態によれば、改ざん防止装置が固定位置からの取り外しに耐える事前定義された保持力は、破壊力よりも大きい。固定位置において、改ざん防止装置は、例えば、電気メータの重要な構成要素が外側からアクセスされ得ないように電気メータのエンクロージャの部分をロックすることによって、電気メータの重要な構成要素への不正アクセスを機械的に防止することができる。さらに、固定位置において、改ざん防止装置は、需給計器が密閉状態にあることを確実に電子的に示すように、需給計器のスイッチなどのアクチュエータを機械的に作動させることができる。
【0024】
改ざん防止装置は、事前定義された保持力が破壊力よりも大きくなるように、需給計器に取り付けることができる。その場合、破壊力よりも大きい力を密閉要素に加えることによって、改ざん防止装置を固定位置から取り外す試みが行われ、改ざん防止装置が需給計器に保持されたままであるように、事前定義された破壊ゾーンが破壊されるか、又は最小の損傷であるように、それでも改ざんの試みを検出することができる。
【0025】
可能な実施形態によれば、改ざん防止装置は、固定位置において需給計器と係合するように構成された取付部をさらに備える。取付部を需給計器と係合させることにより、改ざん防止装置を需給計器に所望の方法で取り付けて保持することができる。取付部は、固定位置からの改ざん防止装置の不正な取り外しを防止する保持力を提供するように構成することができる。
【0026】
可能な実施形態によれば、取付部は、所定の破壊ゾーンから離れるように延在する。言い換えれば、取付部及び所定の破壊ゾーンは、改ざん防止装置の両側に配置されてもよい。これにより、所定の破壊ゾーンを備える改ざん防止装置の一部は、需給計器の外側からアクセス可能に配置されてもよく、一方、取付部は、少なくとも部分的に、需給計器の外側からアクセス不可能であるように配置されてもよく、そうでなければ、権限のない人員が容易にアクセスできないような方法で隠されてもよい。これは、特に密閉要素に加えられる力に対して、実際の改ざんの試み又は任意の他の操作イベントを確実に示す所定の破壊ゾーンを含むその部分に改ざん防止装置を操作するための改ざんの試み又は努力を制限するのに役立つ。
【0027】
可能な実施形態によれば、取付部は、取付部の長手方向軸に対して鋭角の下で少なくとも部分的に延在する少なくとも1つの保持面を提供する。少なくとも1つの保持面は、取付部の脚部の端部領域に配置された取付手段に形成されてもよく、取付手段が、需給計器の任意の部分、例えば、その基部、又は需給計器が取り付けられる構造体と係合するときに、需給計器の一部、例えば、そのカバー、及び/又は需給計器全体の取り外しが防止されるように、積極嵌合及び/又は圧力嵌めを生成するように構成することができる。
【0028】
保持面を取付部の長手方向軸に対して鋭角に設けることによって、取付部と需給計器又は構造体のそれぞれの他の部分との係合解除を防止することができる。少なくとも1つの保持面を、改ざん防止装置の固定位置において電気メータの外側からアクセスできないように、改ざん防止装置に配置することができる。これは、改ざん防止装置の固定位置からの不正な取り外しをさらに防止するのに役立つ。
【0029】
可能な実施形態によれば、取付部は、密閉状態において需給計器に設けられた対向ラッチ要素の背後にスナップ留めするように構成されたラッチ要素を提供する。少なくとも1つの保持面は、ラッチ要素に配置することができる。ラッチ要素が需給計器に設けられた対向ラッチ要素の背後にスナップ留めされると、少なくとも1つの保持面は、改ざん防止装置を固定位置に保持する所望の保持力を提供するために、取付部の長手方向軸に沿った突起において対向ラッチ要素と重なる。ラッチ要素を設けることにより、改ざん防止装置を需給計器に容易に取り付けることができる。
【0030】
可能な実施形態によれば、ガイドウェイは、密閉要素を所定の破壊ゾーンに向かって導くための導入部を有する。導入部は、ガイドウェイの少なくとも一部が、密閉要素の機械的操作時に密閉要素を所定の破壊ゾーンに向かって導くための漏斗形状であるように傾斜することができるガイド面を備えることができる。それにより、導入部は、改ざん防止装置の破壊又は少なくとも損傷によって改ざんの試みが確実に示されるように、所定の破壊ゾーンに機械的応力を集中させるのに役立つ機械的応力集中部として機能することができる。
【0031】
可能な実施形態によれば、ガイドウェイに沿って形成された頂点は、少なくとも部分的に所定の破壊ゾーンを形成する。頂点は、ガイドウェイのガイド面によって形成された交点に作成されてもよい。頂点は、取付部の長手方向軸に沿った方向を向いていてもよい。これは、密閉要素の機械的操作時に、密閉要素を所定の破壊ゾーンに向かって案内するのにさらに役立つ。
【0032】
可能な実施形態によれば、所定の破壊ゾーンは、少なくとも部分的に、改ざん防止装置の壁部に配置される。密閉要素の機械的操作時に密閉要素が所定の破壊ゾーンを損傷すると、壁部が破壊又は亀裂する可能性がある。破壊又は亀裂時に、密閉要素が開口部を通って滑り、その後、再取り付けされないように改ざん防止装置から取り外されることを可能にする開口部が壁部に作成されてもよい。これは、改ざんの試みを確実に示すのに役立つ。
【0033】
可能な実施形態によれば、ガイドウェイの少なくとも一部は、改ざん防止装置の作動部に形成される。一般的に、作動部は、需給計器の外側からアクセス可能かつ視認可能であり、ガイドウェイにおける所定の破壊ゾーンに影響を及ぼす任意の改ざんの試みは、容易に検出され得る。さらに、作動部には、ガイドウェイに沿って延在する密閉要素を視覚的及び触知的に設けることができる。これは、改ざん防止装置、特にその作動部のいかなる操作も防止するのに役立つ。
【0034】
可能な実施形態によれば、ガイドウェイの少なくとも一部は、改ざん防止装置の作動面に関連付けられる。また、作動面は、一般に、需給計器の外側からアクセス可能かつ視認可能であるため、ガイドウェイにおける所定の破壊ゾーンに影響を及ぼす任意の改ざんの試みは、容易に検出され得る。作動面自体に所定の破壊ゾーンが設けられてもよい。これは、任意の改ざんの試みを明確に示すのにさらに役立つ。
【0035】
可能な実施形態によれば、ガイドウェイの少なくとも一部は、改ざん防止装置を貫通する貫通孔として形成される。これにより、密閉要素を改ざん防止装置に捕捉的に取り付けることが容易になる。貫通孔は、改ざん防止装置の壁部の近傍に位置するように配置されてもよい。壁部は、貫通孔の密閉の少なくとも一部を構成してもよい。これは、事前定義された破壊ゾーンに対して有利な方法で密閉要素を配置するのに役立つ。
【0036】
エンクロージャの可能な実施形態によれば、本発明による改ざん防止装置を受け入れるように構成されたソケットは、改ざん防止装置の形状を補完する形状を有してもよい。ソケットにおいて、対向取付部材、対向ラッチ要素、及び/又は他の構成要素は、それらが需給計器の外側からアクセスできない方法で配置されてもよい。
【0037】
需給計器の可能な実施形態によれば、需給計器は、改ざん防止装置によって作動されるように構成された少なくとも1つのスイッチ若しくはアクチュエータ、及び/又は、改ざん防止装置によってロックされるように構成された少なくとも1つのロック構成を備える。したがって、改ざん防止装置は、作動部材及び/又は作動要素を備えてもよい。固定位置にあるとき、作動部材及び/又は作動要素がスイッチ又はアクチュエータを作動させるのを防止することができる。それにより、改ざん防止装置は、有利には、需給計器のためのシール、作動、及び/又はロック機能を提供することができる。
【0038】
本発明は、有利な実施形態を使用し、図面を参照して、以下により詳細に、例示的な方法で説明される。記載された実施形態は、上述したような個々の特徴を互いに独立して提供することができる、又は省略することができる可能な構成にすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明による需給計器の一実施形態の概略正面図を示す。
図2図1に示す需給計器の概略斜視図を示す。
図3図2に示すエンクロージャのカバーの固定位置にある、本発明による改ざん防止装置の一実施形態の概略断面図を示す。
図4図2及び図3に示すエンクロージャのカバーの固定位置にある、本発明による改ざん防止装置の一実施形態の別の概略断面図を示す。
図5】本発明による改ざん防止装置の一実施形態の概略斜視図を示す。
図6】本発明による改ざん防止装置の一実施形態の別の概略斜視図を示す。
図7】本発明による改ざん防止装置の一実施形態の概略正面図を示す。
図8】本発明による改ざん防止装置の一実施形態の概略左側面図を示す。
図9】本発明による改ざん防止装置の一実施形態の概略背面図を示す。
図10】本発明による改ざん防止装置の一実施形態の概略上面図を示す。
図11】本発明による改ざん防止装置の一実施形態の概略底面図を示す。
図12】本発明による改ざん防止装置の一実施形態の別の概略右側面図を示す。
図13図9に示される断面線A-Aに沿った本発明による改ざん防止装置の一実施形態の概略断面図を示す。
図14図12に示される断面線C-Cに沿った本発明による改ざん防止装置の一実施形態の概略断面図を示す。
図15】本発明による改ざん防止装置のさらなる実施形態の概略斜視図を示す。
図16】本発明による改ざん防止装置のさらなる実施形態の別の概略斜視図を示す。
図17】本発明による改ざん防止装置のさらなる実施形態の概略正面図を示す。
図18】本発明による改ざん防止装置のさらなる実施形態の概略左側面図を示す。
図19】本発明による改ざん防止装置のさらなる実施形態の概略背面図を示す。
図20】本発明による改ざん防止装置のさらなる実施形態の概略底面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図1は、本発明による需給計器1の例示的な実施形態の概略正面図を示している。需給計器1は、長手方向X、横方向Y、及び高さ方向Zに沿って延在し、共にデカルト座標系を構成している。需給計器1は、需給計器1の電子構成要素や導体接続デバイスを収容する絶縁ハウジングを提供するエンクロージャ2を有する。エンクロージャ2は、カバー3及び基部4を備える。
【0041】
カバー3は、電気メータ1の内部空間5へのアクセスを与えるために基部4から取り外し可能である蓋として形成される(図3及び図4参照)。基部4は、支持構造体(図示せず)に取り付けられるように構成され、したがって、それぞれの固定手段6が設けられる。さらに、エンクロージャ2の前面パネル7の領域には、電気メータ1の機能及び動作をそれぞれ監視及び制御するためのディスプレイ8及び発光ダイオード(LED)などの制御要素9が設けられる。
【0042】
改ざん防止装置11を備える改ざん防止構成10が、密閉状態Sで需給計器1を密閉するために設けられている。密閉状態Sにおいて、改ざん防止装置11は、エンクロージャ2のソケット12内の固定位置Pに受け入れられる。固定位置Pにおいて、改ざん防止装置11は、特に図1に示すようにカバー3の閉位置Cにおいて、電気メータ1の電気スイッチなど(図示せず)のアクチュエータの作動を可能にしない。
【0043】
図2は、図1に示す需給計器1の概略斜視図を示している。ここで、改ざん防止構成10は、エンクロージャ2の傾斜した縁部領域14に配置された開口13をさらに備えることが明らかになる。縁部領域14は、前面パネル7とカバー3の側面15との間に形成されている。
【0044】
図3は、エンクロージャ2のカバー3の固定位置P内の改ざん防止装置11の一実施形態の概略断面図を示す。改ざん防止装置11は、作動部16と、取付部17とを備える。作動部16は、ソケット12の密閉部18に受け入れられる(図4参照)。取付部17は、ソケット12のロック部19に受け入れられる。密閉部18は、ロック部19の上方に配置されている。改ざん防止構成10は、密閉要素20をさらに備える。密閉要素20は、ワイヤ21及びシール22を備える。シール22は、ワイヤ21の2つの自由端を互いに固定し、それにより、ワイヤは、ワイヤ21を切断すること及び/又はシール22を破壊することによってのみ開くことができるループを形成する。
【0045】
作動部16は、密閉要素20によって固定される。したがって、ワイヤ21の一部は、改ざん防止装置に貫通孔24が設けられ、エンクロージャ2、特にカバー3に互いに隣接する通路25が設けられるという点で、エンクロージャ2及び改ざん防止装置11によって提供されるガイドウェイ23に沿って延在する。貫通孔24は、作動部16の一方の側から改ざん防止装置11の作動部16の他方の側まで延在する。通路25は、作動部16の両側に設けられ、前面パネル7、特に縁部領域14に向かって開口し、その結果、ワイヤ21は前面パネル7に入って、改ざん防止装置11の回転軸Rを構成する取付部17の長手方向軸Lの周りの改ざん防止装置11の回転運動を防止することができる。
【0046】
取付部17は、改ざん防止装置11及び密閉要素20をソケット12内に保持する。したがって、取付部17には、シャフト26及び取付手段27が設けられる。シャフト26は、作動部16から離れるように延在する。取付手段27は、ソケット12のロック部19に位置するシャフト26の端部領域に配置される。取付手段27は、少なくとも1つのラッチ要素28(図4参照)と、少なくとも1つの作動要素29とを備える。ラッチ要素28は、ソケット12に形成された少なくとも1つの対向ラッチ要素30と係合するように構成される。作動要素29は、基部4、特に基部4に設けられたスイッチ又はアクチュエータ(図示せず)と係合するように構成される。
【0047】
ラッチ要素28は、保持面31及び斜面32(図4参照)を備えるラッチノーズとして形成される。対向ラッチ要素30は、保持面33を提供するステップとして形成される。改ざん防止装置11が、長手方向軸Lに本質的に平行に延在する挿入方向Iでソケット12に挿入されると、斜面32は、対向ラッチ要素30に形成され、挿入方向Iとは反対の方向に少なくとも部分的に面する導入面取り部34に突き当たる。改ざん防止装置11をソケット12にさらに挿入すると、ラッチ要素28は、取付手段27が対向ラッチ要素30の領域でソケット12に形成された環状狭窄部35を通過することができるように偏向される。環状狭窄部35を通過した後、ラッチ要素28は、保持面31が保持面33に当接するように、対向ラッチ要素30の背後のその偏向位置からすばやく戻る。これにより、取付手段27、特にラッチ要素28は、挿入方向Iとは反対の方向にロック部19、特に対向ラッチ要素30と重なる。改ざん防止装置11は、挿入方向Iに作用し、改ざん防止装置11がソケット12から挿入方向Iとは反対の方向に引き出されるのを防止する保持力Fでソケット12内に保持される。
【0048】
さらに、ガスケット36は、改ざん防止装置11とソケット12との間に配置され、それにより、ガスケット36は、ソケット12の開口13に対してエンクロージャ2の内部空間5を密封し、改ざん防止装置11の回転軸Rの周りの改ざん防止装置11の望ましくない回転運動を抑制するために、取付部17、特にそのシャフト26をしっかりと取り囲みながら、ソケット12の内周から作動部16に当接する。エンクロージャ2の内部空間5を密閉することによって、ガスケット36は、需給計器1に埃、水などの侵入保護を提供する。
【0049】
図4は、図2及び図3に示すエンクロージャ2のカバー3の固定位置P内の改ざん防止装置11の別の概略断面図を示す。ここで、ガイドウェイ23には、貫通孔24の領域に所定の破壊ゾーン38が設けられていることが明らかになる。密閉要素20が事前定義された破壊ゾーン38に事前定義された破壊力Fを及ぼす場合、改ざん防止装置11は、事前定義された破壊ゾーン38で破壊するか、又は少なくとも損傷する。事前定義された破壊力Fは、挿入方向Iとは反対の方向に本質的に加えられ、保持力Fよりも小さく、それにより、改ざん防止装置11が作動部16で破断し、それにより、密閉要素20がソケット12内に保持されている間に、貫通孔24内に係留されないようにする。
【0050】
さらに、図4から明らかなように、作動要素29は、長手方向軸L及び回転軸Rに対して横方向に取付部17から突出している。回転軸Rは、作動要素29を貫通する。これにより、改ざん防止装置11が挿入方向Iでソケット12に完全に挿入されたときに、改ざん防止装置11を回転軸Rの周りで回転させると、作動要素29は、作動要素29が挿入方向Iとは反対の方向にスイッチ又はアクチュエータと重なるように、基部4に設けられたスイッチ又はアクチュエータ(図示せず)と対向する回転位置に移動することができ、したがって、スイッチ又はアクチュエータに向かって挿入方向に移動されたときにスイッチ又はアクチュエータを作動させることができる。
【0051】
図5は、改ざん防止装置11の概略斜視図を示す。ここで、取付部17、特にそのシャフト26は、上部円筒部39を備え、そこから2つの脚部40が挿入方向Iに下方に延在することが明らかになる。脚部40は、ヨーク41を介して互いに接続され、円筒部39を接合している。ラッチ要素28は、回転軸Rの周りを回転可能であるように、脚部40から半径方向に離れて延在する。回転軸Rは、脚部40の一方から回転軸Rに向かって半径方向に延在する作動要素29を貫通する。それにより、作動要素29は、回転軸Rに対して偏心して配置され、それにより、回転運動においてスイッチ又はアクチュエータに対して並置に移動することが可能になる。
【0052】
改ざん防止装置11は、阻止部材42が回転軸Rから半径方向に離れて延在するように作動部16に配置された阻止部材42をさらに備える。阻止部材42は、特に改ざん防止装置11が固定位置Pにあるときに、需給計器1のアクチュエータ(図示せず)の作動を防止するために、挿入方向Iへの改ざん防止装置11の移動を阻止するように構成される。電気スイッチなどとして具現化され得るアクチュエータを作動させることによって、需給計器1の特定の機能を有効及び/又は無効にすることができる。これにより、アクチュエータと共に阻止部材42は、需給計器1の特定の動作状態を規定する役割を果たす。例えば、改ざん防止装置11が固定位置Pにあるとき、阻止部材42のそれぞれの回転位置は、需給計器1がロックされた及び/又は固定された状態にあるようにアクチュエータの作動を抑制し、需給計器1の特定の機能は、権限のない人員によって変更され得ないように、ロック及び/又は制限される。
【0053】
ガイドウェイ23は、ガイドウェイ23の頂点44を形成する交点で互いに交わるガイド面43を備える。それにより、ガイドウェイ23に沿った突起内のガイドウェイ23に向かう第1の開口45は、上三角形断面と、半円の形状を有する下断面とを有する。上三角形断面の領域において、ガイドウェイ23は、密閉要素20のための導入区域46を提供する。半円の形状を有する下断面では、ガイドウェイ23は、密閉要素20のための支持区域47を提供する。
【0054】
頂点44は、改ざん防止装置11の壁部48内に位置する。壁部48は、貫通孔24を改ざん防止装置11の作動面49から分離する。作動面49の領域では、改ざん防止装置11には、挿入方向Iとは反対の方向に作動面49から離れるように延在する直方体スタッドの形態で係合要素50が設けられている。係合要素50は、回転軸Rの周りに改ざん防止装置11を回転させるために改ざん防止装置11にトルクを加えることができるように、操作工具(図示せず)と係合することを可能にする。
【0055】
図6は、改ざん防止装置11の別の概略斜視図を示す。ここで、第1の開口45に対向する作動部16の側には、ガイドウェイ23にアクセスするための開口を提供する第2の開口51が設けられていることが明らかになる。第2の開口51の領域には、ガイドウェイ23に沿った突起内の第2の開口51が、導入区域46及び支持区域47をそれぞれ提供する上部の平坦な直方体部分と、やはり半円形状の下部を備えたT字形状であるように、側方凹部52が形成される。
【0056】
図7は、改ざん防止装置11の概略正面図を示す。ここで、ラッチ要素28、特にその保持面31が円弧状及び/又は丸みを帯びていることが明らかになる。これは、ラッチ要素28が対向ラッチ要素30に当接する領域において、回転軸Rの周りで改ざん防止装置11が回転すると、改ざん防止装置11がソケット12に詰まるのを防ぐのに役立つ。さらに、改ざん防止装置11は、作動部材53として機能してもよく、又は作動部材を備えてもよい。本実施形態では、シャフト26、特に作動要素29の下端面が、作動部材53として機能する。改ざん防止装置11が、例えば作動面49の手動作動によって挿入方向Iに押し下げられているとき、作動部材53は、その特定の機能をロック解除及び/又は制限解除するために、需給計器1のスイッチ又はアクチュエータ(図示せず)を作動させることができる。
【0057】
図8は、改ざん防止装置11の概略側面図を示す。ここで、第1の開口の領域内のガイド面38は、長手方向軸Lに対して約50°の第1の案内角αの下で45傾斜していることが明らかになる。保持面31は、長手方向軸Lに対して約70°の保持角度γの下で傾斜している。
【0058】
図9は、改ざん防止装置11の概略背面図を示す。ここで、阻止部材42は、ガイドウェイ23の外面に接続されながら壁部48から下方に延在する支柱又はブレースとして形成されることが明らかになる(図5を参照)。ロック部材42は、シャフト26、特にその円筒部39で下線が引かれた長手方向軸L及び回転軸Rからオフセットされている。
【0059】
図10は、改ざん防止装置11の概略上面図を示す。ここで、作動面49が本質的に円形であることが明らかになる。係合要素50は、作動面49の逆側領域に配置される。係合要素50のこの配置は、改ざん防止装置11を固定位置Pに回転していれるために、又は改ざん防止装置11を固定位置Pから回転して出すために、回転軸Rの周りで作用する改ざん防止装置11にトルクを加えることを容易にする。
【0060】
図11は、改ざん防止装置11の概略底面図を示す。ここで、ガイドウェイ23は、第1の開口45から第2の開口51まで挿入方向Iに垂直な方向に広がることが明らかになる。さらに、長手方向軸Lに垂直な方向に測定された作動要素29の幅は、シャフト26、特に脚部40の幅よりも小さい。円筒部39には、改ざん防止装置11とガスケット36の上部との間の積極嵌合係合を可能にする平坦部54が設けられている。ガスケット36とソケット12の内周37との間の摩擦により、改ざん防止装置11とガスケット36の上部との間の積極嵌合は、回転軸Rの周りの改ざん防止装置11の望ましくない回転運動を抑制するのに役立ち得る。
【0061】
図12は、改ざん防止装置11の別の概略側面図を示す。ここで、第2の開口51の領域内のガイド面43は、約40°の第2の案内角βの下で長手方向軸Lに対して傾斜していることが明らかになる。したがって、第2の開口51の領域における第2の案内角βは、第1の開口45の領域における第1の案内角αよりも小さい。同時に、第2の開口51の領域における壁部48の厚みは、第1の開口45の領域における壁部48の厚みよりも薄い。これにより、第2の開口51の領域において、事前定義された破壊ゾーン38は、第1の開口45の領域よりも弱い。しかしながら、第2の開口45の領域内の壁部48の厚さが低減されていても、頂点44は壁部48内に位置決めされ、それにより、事前定義された破壊ゾーン38に機械的応力を集中させ、したがって事前定義された破壊ゾーン38における初期破断又は亀裂を容易にするための少なくとも小さなノッチが形成される。
【0062】
図13は、図9に示される断面線A-Aに沿った、すなわち長手方向軸Lに沿った改ざん防止装置11の概略断面図を示す。ここで、第1の開口45の領域において、ガイド面43は、第1の開口45を画定する側壁55の下縁部領域に形成されることが明らかになる。
【0063】
図14は、図12に示される断面線C-Cによる、すなわち長手方向軸Lに沿った改ざん防止装置11の概略断面図を示す。ここで、壁部48の領域内の頂点44、したがって事前定義された破壊ゾーン38は、第1の開口45から第2の開口51まで、すなわち、改ざん防止装置11の一方の側面から改ざん防止装置11の対向する他方の側面まで延在する貫通孔24内に設けられるとき、ガイドウェイ23の全長に沿って延在することが明らかになる。第1の開口45の領域において、所定の破壊ゾーン38は、側壁55に設けられた頂点44に配置されている。
【0064】
ガイドウェイ23に沿って延在するとき、密閉要素21が挿入方向Iとは反対の方向に引っ張られる場合、それぞれの破壊力Fが主に側壁55で発生するが、それはそこでは、ガイド面43が貫通孔24の上三角形断面に沿って延在するときにガイド面43の前に挿入方向Iに配置されるためである。これは、第2の開口51で壁部48の領域に第1の初期破断又は亀裂が発生するのを誘発するのに役立つ。密閉要素21を挿入方向Iとは反対の方向にさらに引っ張ると、これらの第1の初期破断又は亀裂は、ガイドウェイ23に沿って第2の開口51から側壁55に向かって事前定義された破壊ゾーン38に沿って続く。その結果、密閉要素20を介して改ざん防止装置11に破壊力Fを加えることを含む改ざんの試みのイベントでは、最初に壁部48、次いで側壁55が引き裂かれ、その結果密閉要素20が貫通孔24のガイドウェイ23から滑り出る開口(図示せず)が形成される。
【0065】
図15及び図16は、本発明による改ざん防止装置11’のさらなる実施形態の概略斜視図を示す。簡潔にするために、図1図14を参照して上述した改ざん防止装置11の実施形態と、改ざん防止装置11’のさらなる実施形態との間の違いのみを、図15図20を参照して以下に説明する。改ざん防止装置11の対応する部分、部、セクション、構成要素、及び要素と同じ又は少なくとも同様の機能を有する改ざん防止装置11’のさらなる実施形態の部分、部、セクション、構成要素、及び要素には、それらが改ざん防止装置11’のさらなる実施形態に属することを示すためにアポストロフィと共に示された同じ参照符号が与えられる。
【0066】
改ざん防止装置11’は、作動部16’及び取付部17’を備える。作動部16’は、第1の開口45’及び第2の開口51’(図16参照)を有するガイドウェイ23’と、導入区域46’の領域内の所定の破壊ゾーン38’と、支持区域47とを備える。取付部17’は、ラッチ要素28が設けられた2つの脚部40、40’を備える。脚部40には、作動要素29が設けられている。脚部40’には、作動要素29の形状と相補的な直方体形状を有するノッチ又は空洞の形態の凹部29’が設けられている。
【0067】
図17及び図18は、改ざん防止装置11のさらなる実施形態の概略正面図及び概略側面図をそれぞれ示す。図18では、改ざん防止装置11’のさらなる実施形態の所定の破壊ゾーン38’は、ガイド面28と、改ざん防止装置11に設けられたそれぞれの頂点44とを含むことが明らかになる。しかしながら、改ざん防止装置11’のさらなる実施形態では、側壁55は除外される。したがって、事前定義された破壊ゾーン38’は、同一の断面を有する第1の開口45から第2の開口41まで単に延在する。
【0068】
図19及び図20は、改ざん防止装置11のさらなる実施形態の概略背面図及び概略底面図をそれぞれ示す。図20では、凹部29’が長手方向軸L及び回転軸Rに対しても作動要素29に対向していることが明らかになる。作動要素29及び凹部29’を脚部40、40’に設けて、それらが長手方向軸Lに対して互いに対向するようにすることにより、作動要素29は、ラッチ要素28の撓み時に凹部29内に突出することができる。これは、改ざん防止装置11、11’をソケット12内への挿入方向Iに移動させるときにラッチ要素28において脚部40、40’を互いに向かって撓ませる過程で脚部40’に当接し、それによってラッチ要素28を対向ラッチ要素30を越えて付勢することによって、作動要素29が互いへの脚部40、40’の撓みを制限することを防止するのに役立つ。
【0069】
本発明の範囲から逸脱することなく、上述の実施形態からの逸脱が可能である。
【0070】
需給計器1は、絶縁ハウジングとして機能するエンクロージャ2と、カバー3と、オペレータ及びその内部空間5内の需給計器1の部分を保護するために所望される任意の数及び形態の基部4とを備えることができる。需給計器1、特にカバー3には、前面パネル7、ディスプレイ8、制御要素9、ソケット12、開口13、縁部領域14、側面15、密閉部、ロック部19、通路25、対向ラッチ要素30、保持面33、導入面取り部34、環状狭窄部35、及び/又は内周37を必要な数及び形態で設けることができる。基部4は、必要な任意の数及び形態の固定手段6ならびにスイッチ又はアクチュエータ(図示せず)を備えることができる。
【0071】
改ざん防止構成10は、改ざん防止装置11、11’、密閉要素20、ソケット12、ガスケット36、及び/又は密閉、ラッチ、ロック、及び/又は作動機能を提供するために必要な任意の数及び形態の基部4のそれぞれの相互作用部分を含むことができる。密閉要素20は、必要な任意の数及び形態のワイヤ21及び/又はシール22を備えることができる。
【0072】
改ざん防止装置11、11’は、必要な任意の数及び形態の作動部16、16’、取付部17、17’、ガイドウェイ23、23’、貫通孔24、24’、シャフト26、ラッチ要素28、作動要素29、凹部29’、保持面31、斜面33、所定の破壊ゾーン38、38’円筒部39、脚部40、40’ヨーク41、阻止部材42、ガイド面43、頂点44、第1の開口45、45’、導入区域46、46’、支持区域47、47’、壁部48、48’、作動面49、係合要素50、第2の開口51、51’側方凹部52、作動部材53、平坦部54及び/又は側壁55を備えることができる。
【符号の説明】
【0073】
1 需給計器
2 エンクロージャ
3 カバー
4 基部
5 内部空間
6 固定手段
7 前面パネル
8 ディスプレイ
9 制御要素
10 改ざん防止構成
11、11’ 改ざん防止装置
12 ソケット
13 開口
14 縁部領域
15 側面
16、16’ 作動部
17、17’ 取付部
18 密閉部
19 起動部
20 密閉要素
21 ワイヤ
22 シール
23、23’ ガイドウェイ
24、24’ 貫通孔
25 通路
26、26’ シャフト
27、27’ 取付手段
28 ラッチ要素
29 作動要素
29’ 凹部
30 対向ラッチ要素
31 保持面
32 斜面
33 保持面
34 導入面取り部
35 環状狭窄部
36 ガスケット
37 内周
38、38’ 所定の破壊ゾーン
39 円筒部
40、40’ 脚部
41 ヨーク
42 阻止部材
43 ガイド面
44 頂点
45、45 第1の開口
46、46’ 導入区域
47、47’ 支持区域
48、48’ 壁部
49 作動面
50 係合要素
51、51’ 第2の開口
52 側方凹部
53 作動部材
54 平坦部
55 側壁
破壊力
保持力
I 挿入方向
L 長手方向軸
P 固定位置
R 回転軸
S 密閉状態
X 長手方向
Y 横方向
Z 高さ方向
α 第1の案内角
β 第2の案内角
γ 保持角度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
【国際調査報告】