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特表2022-541406短繊維フィルム、熱硬化性樹脂を含む複合材料、及び他の複合材料を形成するためのシステム及び方法
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  • 特表-短繊維フィルム、熱硬化性樹脂を含む複合材料、及び他の複合材料を形成するためのシステム及び方法 図1
  • 特表-短繊維フィルム、熱硬化性樹脂を含む複合材料、及び他の複合材料を形成するためのシステム及び方法 図2
  • 特表-短繊維フィルム、熱硬化性樹脂を含む複合材料、及び他の複合材料を形成するためのシステム及び方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-26
(54)【発明の名称】短繊維フィルム、熱硬化性樹脂を含む複合材料、及び他の複合材料を形成するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   C08J 5/04 20060101AFI20220915BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20220915BHJP
   C08K 7/02 20060101ALI20220915BHJP
   C08K 9/04 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
C08J5/04 CER
C08J5/04 CEZ
C08L101/00
C08K7/02
C08K9/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022500922
(86)(22)【出願日】2020-07-09
(85)【翻訳文提出日】2022-03-07
(86)【国際出願番号】 US2020041306
(87)【国際公開番号】W WO2021007381
(87)【国際公開日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】62/872,686
(32)【優先日】2019-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/938,265
(32)【優先日】2019-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519342415
【氏名又は名称】ボストン・マテリアルズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Boston Materials, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100122297
【弁理士】
【氏名又は名称】西下 正石
(72)【発明者】
【氏名】ソヘイリアン,ラサム
(72)【発明者】
【氏名】グリジャラ,アンベシュ
【テーマコード(参考)】
4F072
4J002
【Fターム(参考)】
4F072AA07
4F072AB02
4F072AB03
4F072AB08
4F072AB10
4F072AB14
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4F072AD05
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4F072AD07
4F072AD09
4F072AD24
4F072AD37
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4F072AD44
4F072AD45
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4F072AH03
4F072AH40
4F072AH49
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4F072AL04
4F072AL11
4F072AL17
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4J002GL00
4J002GM00
(57)【要約】
本開示は、一般に短繊維フィルムを含む複合材料及び他の複合材料のためのシステム及び方法に関する。ある態様において、複数の整列した繊維を含む複合材料が提供される。繊維は実質的に整列していることができ、複合材料内で比較的高密度で存在することができる。例えば、複合材料は熱可塑性樹脂基材に組み込まれた、実質的に整列した炭素繊維を含むことができる。複合材料は、いくつかの態様において、例えば、通常繊維間に生じる静電相互作用を中和することができる繊維を含む水性液体を使用して、繊維間の静電相互作用を中和することにより、繊維を拡散することにより、調製することができる。液体は基材に適用することができ、繊維は技術、例えばずれ流動及び/又は磁気を使用して、整列させることができる。他の態様は、一般にかかる複合材料、かかる複合材料を含むキット、等を使用する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材及び前記基材の少なくとも一部に含まれる複数の不連続繊維を複合材料であって、複数の不連続繊維は、複合材料全体に少なくとも30vol%の繊維体積分率で実質的に整列している複合材料を含む、物品。
【請求項2】
前記繊維体積分率は、少なくとも40vol%である、請求項1の物品。
【請求項3】
前記繊維体積分率は、少なくとも50vol%である、請求項1又は2のいずれか一項に記載の物品。
【請求項4】
前記繊維体積分率は、少なくとも60vol%である、請求項1-3のいずれか一項に記載の物品。
【請求項5】
前記繊維体積分率は、少なくとも70vol%である、請求項1-4のいずれか一項に記載の物品。
【請求項6】
前記基材は熱可塑性樹脂を含む、請求項1-5のいずれか一項に記載の物品。
【請求項7】
前記基材は実質的に熱可塑性樹脂からなる、請求項1-6のいずれか一項に記載の物品。
【請求項8】
前記基材はポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリアミド46(PA46)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド12(PA12)、ポリアミド11(PA11)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド6.6(PA6.6)、ポリアミド6.6/6(PA6.6/6)、アモルファスポリアミド(PA6-3-T)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフタルアミド(PPA)、液体結晶ポリマー(LCP)、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、アクリロニトリルスチレンアクリレート(ASA)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ-パラフェニレン-コポリマー(PPP)、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンイミン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、及び/又はポリメチルペンテン(PMP)の1つ以上を含む、請求項1-7のいずれか一項に記載の物品。
【請求項9】
前記基材は複数の連続繊維を含む、請求項1-8のいずれか一項に記載の物品。
【請求項10】
前記不連続繊維は炭素繊維を含む、請求項1-9のいずれか一項に記載の物品。
【請求項11】
前記炭素繊維が94%より大きい炭素含有量及び少なくとも200GPaの弾性率を有する、請求項10の物品。
【請求項12】
前記不連続繊維がポリマーを含む、請求項1-11のいずれか一項に記載の物品。
【請求項13】
前記不連続繊維が玄武岩、シリコンカーバイド、アラミド、ジルコニア、ナイロン、ホウ素、アルミナ、シリカ、ボロシリカート、及び/又はムライトの1つ以上を含む、請求項1-12のいずれか一項に記載の物品。
【請求項14】
前記不連続繊維が天然繊維を含む、請求項1-13のいずれか一項に記載の物品。
【請求項15】
前記不連続繊維は少なくとも20マイクロメートルの平均長さを有する、請求項1-14のいずれか一項に記載の物品。
【請求項16】
前記不連続繊維は少なくとも5である、直径に対する長さの平均アスペクト比を有する、請求項1-15のいずれか一項に記載の物品。
【請求項17】
前記不連続繊維はコーティングで被覆されている、請求項1-16のいずれか一項に記載の物品。
【請求項18】
前記コーティングは、界面活性剤、シランカップリング剤、エポキシ、グリセリン、ポリウレタン、及び/又は有機金属カップリング剤を含む、請求項17の物品。
【請求項19】
前記不連続繊維はサイジング(sizing)で被覆されている、請求項17又は18のいずれか一項に記載の物品。
【請求項20】
前記不連続繊維は磁場に応答して異方性反磁性応答を有する、請求項1-19のいずれか一項に記載の物品。
【請求項21】
前記不連続繊維は10Tの磁場強度に物理的応答を示す、請求項1-20のいずれか一項に記載の物品。
【請求項22】
複数の不連続繊維の少なくとも50%が整列している、請求項1-21のいずれか一項に記載の物品。
【請求項23】
複数の不連続繊維の少なくともいくらかがそこに吸着された複数の磁性粒子を有する、請求項1-22のいずれか一項に記載の物品。
【請求項24】
複数の不連続繊維は磁性粒子がない、請求項1-23のいずれか一項に記載の物品。
【請求項25】
前記複合材料は、実質的に常磁性又は強磁性材料がない、請求項1-24のいずれか一項に記載の物品。
【請求項26】
前記複合材料は体積にして複数の繊維の少なくとも20%を含む、請求項1-25のいずれか一項に記載の物品。
【請求項27】
前記複合材料は10cm未満の最大断面厚さを有する、請求項1-26のいずれか一項に記載の物品。
【請求項28】
前記複合材料は1cm未満の最大断面厚さを有する、請求項1-27のいずれか一項に記載の物品。
【請求項29】
前記複合材料はロールに巻かれている、請求項1-28のいずれか一項に記載の物品。
【請求項30】
前記基材は前記複合材料内の複数の層の1つである、請求項1-29のいずれか一項に記載の物品。
【請求項31】
前記基材の層がポリマーを含む、請求項1-30のいずれか一項に記載の物品。
【請求項32】
前記基材の層が複合材料材料を含む、請求項1-31のいずれか一項に記載の物品。
【請求項33】
前記基材の層が金属を含む、請求項1-32のいずれか一項に記載の物品。
【請求項34】
前記基材の層がセラミックを含む、請求項1-33のいずれか一項に記載の物品。
【請求項35】
前記複合材料が前記基材及び複数の不連続繊維に結合するバインダーを更に含む、請求項1-35のいずれか一項に記載の物品。
【請求項36】
液体が複数の不連続繊維を含む液体を基材に適用し、ずれ流動を介して、複数の不連続繊維の少なくともいくらかを整列させる工程;
前記液体に磁場を適用して、複数の不連続繊維の少なくともいくらかを整列させる工程;及び
前記液体を除き、繊維含有基材を形成する工程
を含む、方法。
【請求項37】
前記液体が水を含む、請求項36の方法。
【請求項38】
前記液体がスラリーを含む、請求項36又は37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記液体は溶液である、請求項36-38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記液体はエマルジョンである、請求項36-39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記液体はポリマーを含む、請求項36-40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記液体は界面活性剤を含む、請求項36-41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記液体はバインダーを含む、請求項36-42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記液体はサイジングを含む、請求項36-43のいずれか一項に記載の方法。
【請求項45】
前記基材は熱可塑性樹脂を含む、請求項36-44のいずれか一項に記載の方法。
【請求項46】
前記不連続剤は炭素繊維を含む、請求項36-45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
複数の不連続剤間の静電相互作用を中和する工程を更に含む、請求項36-46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記磁場は少なくとも0.01Tの最小磁場強度を有する、請求項36-47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記磁場が10T以下の最大磁場強度を有する、請求項36-48のいずれか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記液体を除く工程が前記液体を加熱して前記液体の少なくともいくらかを除く工程を含む、請求項36-49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記基材に対して圧力を適用する工程を更に含む、請求項36-50のいずれか一項に記載の方法。
【請求項52】
前記 基材に圧力を適用して複数の不連続剤の少なくともいくらかを前記基材に組み込ませる、請求項51の方法。
【請求項53】
熱硬化性樹脂ポリマーを含む複合材料及び前記複合材料の少なくとも一部に含まれる複数の不連続繊維であって、前記複数の不連続繊維は、複合材料全体の少なくとも20vol%の繊維体積分率で実質的に整列している不連続繊維
を含む、物品。
【請求項54】
前記繊維体積分率は少なくとも30vol%である、請求項53の物品。
【請求項55】
前記繊維体積分率は少なくとも40vol%である、請求項53又は54のいずれか一項に記載の物品。
【請求項56】
前記繊維体積分率は少なくとも50vol%である、請求項53-55のいずれか一項に記載の物品。
【請求項57】
前記繊維体積分率は少なくとも60vol%である、請求項53-56のいずれか一項に記載の物品。
【請求項58】
前記繊維体積分率は少なくとも70vol%である、請求項53-57のいずれか一項に記載の物品。
【請求項59】
前記熱硬化性樹脂ポリマーはエポキシを含む、請求項53-58のいずれか一項に記載の物品。
【請求項60】
前記熱硬化性樹脂ポリマーは実質的にエポキシからなる、請求項53-59のいずれか一項に記載の物品。
【請求項61】
前記熱硬化性樹脂ポリマーはホットメルトエポキシを含む、請求項53-60のいずれか一項に記載の物品。
【請求項62】
前記不連続繊維は炭素繊維を含む、請求項53-61のいずれか一項に記載の物品。
【請求項63】
前記炭素繊維は94%より大きい炭素含有量及び少なくとも200GPaの弾性率を有する、請求項62の物品。
【請求項64】
前記不連続繊維はポリマーを含む、請求項53-63のいずれか一項に記載の物品。
【請求項65】
前記不連続繊維が、玄武岩、シリコンカーバイド、アラミド、ジルコニア、ナイロン、ホウ素、アルミナ、シリカ、ボロシリカート、及び/又はムライトの1つ以上を含む、請求項53-64のいずれか一項に記載の物品。
【請求項66】
前記不連続繊維は天然繊維を含む、請求項53-65のいずれか一項に記載の物品。
【請求項67】
前記不連続繊維は少なくとも20マイクロメートルの平均長を有する、請求項53-66のいずれか一項に記載の物品。
【請求項68】
前記不連続繊維は、少なくとも5である、直径に対する長さの平均アスペクト比を有する、請求項53~67のいずれか一項に記載の物品。
【請求項69】
前記不連続繊維は、コーティングで被覆されている、請求項53-68のいずれか一項に記載の物品。
【請求項70】
前記コーティングは界面活性剤、シランカップリング剤、エポキシ、グリセリン、ポリウレタン、及び/又は有機金属カップリング剤を含む、請求項69の物品。
【請求項71】
前記不連続繊維は、サイジングで被覆されている、請求項53-70のいずれか一項に記載の物品。
【請求項72】
前記不連続繊維は磁場に応答して異方性磁気応答を有する、請求項53-71のいずれか一項に記載の物品。
【請求項73】
前記不連続繊維は10Tの磁場強度に対して物理的応答を示す、請求項53-72のいずれか一項に記載の物品。
【請求項74】
複数の不連続繊維の少なくとも50%は整列している、請求項53-73のいずれか一項に記載の物品。
【請求項75】
複数の不連続繊維の少なくともいくらかはそれに吸着された複数の磁性粒子を有する、請求項53-74のいずれか一項に記載の物品。
【請求項76】
複数の不連続繊維は磁性粒子がない、請求項53-75のいずれか一項に記載の物品。
【請求項77】
前記複合材料は、実質的に常磁性又は強磁性材料がない、請求項53-76のいずれか一項に記載の物品。
【請求項78】
前記複合材料が10cm未満の最大断面厚さを有する、請求項53-77のいずれか一項に記載の物品。
【請求項79】
前記複合材料が1cm未満の最大断面厚さを有する、請求項53-78のいずれか一項に記載の物品。
【請求項80】
前記複合材料はロールに巻かれている、請求項53-79のいずれか一項に記載の物品。
【請求項81】
前記複合材料が複数の層を含む、請求項53-80のいずれか一項に記載の物品。
【請求項82】
前記熱硬化性樹脂ポリマーが複数の層の1つに存在している、請求項81の物品。
【請求項83】
前記複合材料の層が金属を含む、請求項81又は82のいずれか一項に記載の物品。
【請求項84】
前記複合材料の層がセラミックを含む、請求項81-83のいずれか一項に記載の物品。
【請求項85】
熱硬化性樹脂ポリマー前駆体で不連続繊維であって、実質的に整列しており、前記基材の少なくとも20vol%の体積分率で存在している不連続繊維を含む基材の少なくとも一部を被覆する工程;
前記熱硬化性樹脂ポリマー前駆体を硬化して熱硬化性樹脂ポリマーを形成する工程;及び
ポリマー層としての前記基材から前記熱硬化性樹脂ポリマーの少なくともいくらかを除く工程
を含む、方法。
【請求項86】
前記熱硬化性樹脂ポリマーはエポキシを含む、請求項85の方法。
【請求項87】
前記熱硬化性樹脂ポリマーは実質的にエポキシからなる、請求項85又は86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
前記繊維体積分率は前記基材の少なくとも30vol%である、請求項85-87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記繊維体積分率は前記基材の少なくとも40vol%である、請求項85-88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
前記繊維体積分率は前記基材の少なくとも50vol%である、請求項85-89のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
前記繊維体積分率は前記基材の少なくとも60vol%である、請求項85-90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
前記繊維体積分率は、前記基材の少なくとも70vol%である、請求項85-91のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
前記不連続繊維の少なくとも50%が前記不連続繊維の平均的な整列の20°内にある整列を示す、請求項85-92のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
前記不連続繊維の少なくとも75%が前記不連続繊維の平均的な整列の20°内にある整列を示す、請求項85-93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
前記不連続繊維の少なくとも50%が前記不連続繊維の平均的な整列の10°内にある整列を示す、請求項85-94のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
前記不連続繊維は炭素繊維を含む、請求項85-95のいずれか一項に記載の方法。
【請求項97】
前記炭素繊維が94%より大きい炭素含有量及び少なくとも200GPaの弾性率を有する、請求項96の方法。
【請求項98】
前記不連続繊維はポリマーを含む、請求項85-97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
前記不連続繊維は玄武岩、シリコンカーバイド、アラミド、ジルコニア、ナイロン、ホウ素、アルミナ、シリカ、ボロシリカート、及び/又はムライトの1つ以上を含む、請求項85-98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
前記不連続繊維が天然繊維を含む、請求項85-99のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記不連続繊維は少なくとも20マイクロメートルの平均長さを有する、請求項85-100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
前記不連続繊維は200マイクロメートル以下の平均長さを有する、請求項85-101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記不連続繊維は少なくとも5である、直径に対する長さの平均アスペクト比を有する、請求項85-102のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
前記不連続繊維の少なくともいくらかは、繊維コーティングで被覆されている、請求項85-103のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
前記繊維コーティングは界面活性剤、シランカップリング剤、エポキシ、グリセリン、ポリウレタン、及び/又は有機金属カップリング剤を含む、請求項104の方法。
【請求項106】
前記不連続繊維の少なくともいくらかがサイジングで被覆されている、請求項85-105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
前記不連続繊維の少なくともいくらかが磁場に応答して異方性磁気応答を有する、請求項85-106のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
前記不連続繊維の少なくともいくらかが10Tの磁場強度に対して物理的応答を示す、請求項85-107のいずれか一項に記載の方法。
【請求項109】
前記不連続繊維の少なくともいくらかはそれに吸着された複数の磁性粒子を有する、請求項85-108のいずれか一項に記載の方法。
【請求項110】
前記不連続繊維は磁性粒子がない、請求項85-109のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
前記熱硬化性樹脂ポリマーを含むフィルムを前記基材にプレスする工程を含む、請求項85-110のいずれか一項に記載の方法。
【請求項112】
硬化が前記熱硬化性樹脂ポリマーの少なくとも一部を融解するのに少なくとも十分な温度にまで、前記熱硬化性樹脂ポリマーに熱を適用する工程を含む、請求項85-111のいずれか一項に記載の方法。
【請求項113】
前記温度は少なくとも40Cである、請求項112の方法。
【請求項114】
前記温度は少なくとも50Cである、請求項112又は113のいずれか一項に記載の方法。
【請求項115】
前記温度は少なくとも60Cである、請求項112-114のいずれか一項に記載の方法。
【請求項116】
前記フィルムを基材にプレスした後、前記熱硬化性樹脂ポリマーを冷却する工程を更に含む、請求項112-115のいずれか一項に記載の方法。
【請求項117】
前記基材を室温まで冷却する工程を含む、請求項116のいずれか一項に記載の方法。
【請求項118】
前記基材にわたり空気を吹き付けることにより前記基材を冷却する工程を含む、請求項116又は117のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
硬化が前記熱硬化性樹脂ポリマーに圧力を適用する工程を含む、請求項85-118のいずれか一項に記載の方法。
【請求項120】
硬化する工程が前記熱硬化性樹脂ポリマーに対して少なくとも15psi(測定基準)の圧力を適用する工程を含む、請求項85-119のいずれか一項に記載の方法。
【請求項121】
硬化する工程が前記熱硬化性樹脂ポリマーに対して少なくとも30psi(測定基準)の圧力を適用する工程を含む、請求項85-120のいずれか一項に記載の方法。
【請求項122】
前記基材はポリマーを含む、請求項85-121のいずれか一項に記載の方法。
【請求項123】
前記基材は熱可塑性ポリマーを含む、請求項85-122のいずれか一項に記載の方法。
【請求項124】
前記基材は金属を含む、請求項85-123のいずれか一項に記載の方法。
【請求項125】
前記基材はセラミックを含む、請求項85-124のいずれか一項に記載の方法。
【請求項126】
前記ポリマー層は200マイクロメートル未満の厚さを有する、請求項85-125のいずれか一項に記載の方法。
【請求項127】
前記ポリマー層は前記不連続繊維の少なくとも50%を初めに組み込む、請求項85-126のいずれか一項に記載の方法。
【請求項128】
前記ポリマー層は前記不連続繊維の少なくとも80%を初めに組み込む、請求項85-127のいずれか一項に記載の方法。
【請求項129】
前記ポリマー層は前記不連続繊維の実質的にすべてを初めに組み込む、請求項85-128のいずれか一項に記載の方法。
【請求項130】
前記実質的に整列した炭素繊維を含む基材は:
水及び前記不連続繊維を含むスラリーで基材の少なくとも一部を被覆する工程;
前記不連続繊維の少なくともいくらかを整列させる工程;及び
前記スラリーから水を除き、前記実質的に整列した炭素繊維を含む基材を製造する工程により調製される、請求項85~129のいずれか一項に記載の方法。
【請求項131】
前記不連続繊維の少なくともいくらかを整列させる工程が基材を少なくとも0.1Tの磁場強度を有する磁場に曝露する工程を含む、請求項130の方法。
【請求項132】
前記不連続繊維の少なくともいくらかを整列させる工程が、前記基材に液体を適用して、ずれ流動を介して、前記不連続繊維の少なくともいくらかの整列させる工程を含む、請求項130-131のいずれか一項に記載の方法。
【請求項133】
前記スラリーはポリマーを含む、請求項130-132のいずれか一項に記載の方法。
【請求項134】
前記スラリーは揮発性有機化合物である、請求項130-133のいずれか一項に記載の方法。
【請求項135】
前記スラリーから水を除く工程が前記水の少なくともいくらかを蒸発させる工程を含む、請求項130-134のいずれか一項に記載の方法。
【請求項136】
前記スラリーから水を除く工程が前記スラリーから前記水の少なくともいくらかを排出する工程を含む、請求項130-135のいずれか一項に記載の方法。
【請求項137】
水及び不連続繊維を含むスラリーで基材の少なくとも一部を被覆する工程;
前記不連続繊維の少なくともいくらかを整列させる工程;
前記スラリーから水を除き、前記実質的に整列した不連続繊維を含む基材を製造する工程;
前記基材の少なくとも一部を熱硬化性樹脂ポリマー前駆体で被覆する工程;
前記熱硬化性樹脂ポリマー前駆体を硬化して熱硬化性樹脂ポリマーを形成する工程;及び
ポリマー層としての前記基材から前記熱硬化性樹脂ポリマーの少なくともいくらかを除く工程
を含む、方法。
【請求項138】
前記不連続繊維の少なくともいくらかを整列させる工程が前記基材に対して少なくとも60°の角度で前記不連続繊維の少なくともいくらかを整列させる工程を含む、請求項137の方法。
【請求項139】
前記不連続繊維の少なくともいくらかを整列させる工程が前記基材に対して少なくとも80°の角度で前記不連続繊維の少なくともいくらかを整列させる工程を含む、請求項137又は138のいずれか一項に記載の方法。
【請求項140】
前記不連続繊維の少なくともいくらかを整列させる工程が基材を少なくとも0.1Tの磁場強度を有する磁場に曝露する工程を含む、請求項137-139のいずれか一項に記載の方法。
【請求項141】
前記磁場強度は少なくとも0.3Tである、請求項140の方法。
【請求項142】
前記磁場強度は、前記不連続繊維の少なくともいくらかを整列させるために少なくとも十分である、請求項140又は141のいずれか一項に記載の方法。
【請求項143】
前記磁場は、前記不連続繊維を少なくとも部分的に整列させるために配置されている、請求項140-142のいずれか一項に記載の方法。
【請求項144】
前記磁場は前記基材に対して実質的に直角に配置されている、請求項140-143のいずれか一項に記載の方法。
【請求項145】
前記磁場は、前記基材に対して少なくとも60°の角度で配置されている、請求項140-144のいずれか一項に記載の方法。
【請求項146】
前記不連続繊維の少なくともいくらかを整列させる工程が、液体を前記基材に適用して、ずれ流動を介して、前記炭素繊維の少なくともいくらかを整列させる工程を含む、請求項137-145のいずれか一項に記載の方法。
【請求項147】
前記液体は水を含む、請求項146の方法。
【請求項148】
前記液体は溶液である、請求項146又は147のいずれか一項に記載の方法。
【請求項149】
前記液体はエマルジョンである、請求項146-148のいずれか一項に記載の方法。
【請求項150】
前記液体はポリマーを含む、請求項146-149のいずれか一項に記載の方法。
【請求項151】
前記液体は界面活性剤を含む、請求項146-150のいずれか一項に記載の方法。
【請求項152】
前記液体はサイジングを含む、請求項146-151のいずれか一項に記載の方法。
【請求項153】
前記スラリーはポリマーを含む、請求項137-152のいずれか一項に記載の方法。
【請求項154】
前記スラリーが揮発性有機化合物を含む、請求項137-153のいずれか一項に記載の方法。
【請求項155】
前記スラリーが不連続繊維の少なくとも10vol%を含む、請求項137-154のいずれか一項に記載の方法。
【請求項156】
前記スラリーが不連続繊維の少なくとも30vol%を含む、請求項137-155のいずれか一項に記載の方法。
【請求項157】
前記スラリーから水を除く工程が前記水の少なくともいくらかを蒸発させる工程を含む、請求項137-156のいずれか一項に記載の方法。
【請求項158】
前記スラリーから水を除く工程が前記スラリーから前記水の少なくともいくらかを排出する工程を含む、請求項137-157のいずれか一項に記載の方法。
【請求項159】
水を除く工程が前記スラリーに熱を適用する工程を含む、請求項137-158のいずれか一項に記載の方法。
【請求項160】
水を除く工程が前記スラリーを少なくとも100Cの温度にまで加熱する工程を含む、請求項137-159のいずれか一項に記載の方法。
【請求項161】
水を除く工程が前記スラリーを少なくとも150Cの温度にまで加熱する工程を含む、請求項137-160のいずれか一項に記載の方法。
【請求項162】
基材の少なくとも一部を水及び不連続繊維を含むスラリーで被覆する工程;
前記不連続繊維の少なくともいくらかを整列させる工程;
前記基材の少なくとも一部を熱硬化性樹脂ポリマー前駆体で被覆する工程;
前記熱硬化性樹脂ポリマー前駆体を硬化して熱硬化性樹脂ポリマーを形成する工程;及び
ポリマー層としての前記基材から前記熱硬化性樹脂ポリマーの少なくともいくらかを除く工程
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、『短繊維フィルム及び他の複合材料のためのシステム及び方法』という表題の、2019年6月10日に出願された、米国特許仮出願第62/872,686号、及び、『熱硬化性樹脂を含む複合材料を形成するための方法及びシステム』という表題の、2019年11月20日に出願された、米国特許仮出願第62/938,265号の利益を主張する。これらの各々は、そのまま参照により組み入れられる。
【0002】
本開示は、一般に短繊維フィルムを含む、複合材料,熱硬化性樹脂を含む複合材料,及び他の複合材料のためのシステム及び方法に関する。本開示は、一般にかかる複合材料を形成するための方法及びシステムにまた関する。
【背景技術】
【0003】
従来の炭素繊維複合材料は、長炭素繊維の平面の集積であることを特徴とする。いくつかの複合材料において、長炭素繊維は、多軸織物又は単一方向テープに編まれている。長炭素繊維の集積は、ポリマー樹脂に浸されて、他の複合材料層とともに積層することができる複合材料層を形成して、コンポーネントを形成する。炭素繊維はもろい材料なので、コンポーネントにおける強い曲がり又は鋭角は、炭素繊維を崩壊させる。崩壊した繊維は欠陥を導入し、機械的特性を損なわせる。長炭素繊維の連続性に性能の損失を回避することを要求するのは、従来の炭素繊維複合材料の限界である。
【0004】
この問題は、長炭素繊維の代わりに短い(<5mm)炭素繊維で複合材料層を作製することにより、軽減することができる。長炭素繊維とは異なり、短炭素繊維は、強い曲がり又は鋭角周りに、容易に滑って覆う及び形成することができる。ランダムに配向した短炭素繊維は、より低い性能要求を有するコンポーネントのために使用することができる。高い機械的特性要求を有するコンポ―ネントのために、長炭素繊維複合材料の性能に近づくために、短炭素繊維は高度に配向していることが必要である。高度に配向した短炭素繊維は、Z軸に配向している場合、炭素繊維複合材料のZ軸機械的特性を劇的に強化するのにまた使用することができる。すべての場合において、短炭素繊維の均一な分散を有する高繊維体積(>45%)が、複合材料において要求される。しかしながら、短繊維の分散又は整列を維持する一方、高繊維体積含有量を有する短炭素繊維複合材料を製造するための商業的に利用可能な方法はない。したがって、改良が必要とされる。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、一般に短繊維フィルム及び他の複合材料を含む、複合材料のためのシステム及び方法に関する。本開示の主題は、いくつかの場合において、関連する製品、特定の問題に対する代わりとなる解決法、及び/又は1つ以上のシステム及び/又は物品の複数の異なる使用を含む。
【0006】
1つの態様において、本開示は、一般に物品に関する。いくつかの実施形態において、物品は、基材及び基材の少なくとも一部に含まれる複数の不連続繊維を含む複合材料を含む。いくつかの場合において、複数の不連続繊維は、複合材料全体の少なくとも30vol%の繊維体積分率で実質的に整列している。
【0007】
本開示は、別の態様において、一般に方法に関する。1セットの実施形態によれば、前記方法は、液体は複数の不連続繊維を含む液体である液体を基材に適用して、ずれ流動を介して、複数の不連続繊維の少なくともいくらかを整列させる工程、前記液体に磁場を適用して複数の不連続繊維のうちの少なくともいくらかを整列させる工程、及び前記液体を除いて繊維含有基材を形成する工程を含む。
【0008】
別のセットの実施形態において、前記方法は、液体は複数の不連続繊維を含む液体である液体を基材に適用する工程;前記液体に磁場を印加して複数の不連続繊維のうちの少なくともいくらかを整列させる工程及び/又は前記基材にせん断流体を適用して、ずれ流動を介して、複数の不連続繊維の少なくともいくらかを整列させる工程;及び前記液体を除き繊維含有基材を形成する工程を含む。
【0009】
別の態様において、本開示は、本明細書に記載されている実施形態のうちの1つ以上、例えば、短繊維フィルム及び他の複合材料、を作製する方法を含む。更に別の態様において、本開示は、本明細書に記載されている実施形態のうちの1つ以上、例えば、短繊維フィルム及び他の複合材料を使用する方法を含む。
【0010】
本開示は、一般に、いくつかの実施形態において、熱硬化性樹脂を含む複合材料を含む複合材料、及びかかる複合材料を形成するための方法及びシステムにまた関する。
【0011】
例えば、1つの態様は、一般に、前記複合材料の少なくとも一部に含まれる熱硬化性樹脂ポリマー及び複数の不連続繊維を含む複合材料に関する。いくつかの実施形態において、複数の不連続繊維は、複合材料全体の少なくとも20vol%の繊維体積分率で実質的に整列している。
【0012】
別の態様は、一般に方法に関する。1セットの実施形態において、前記方法は、熱硬化性樹脂ポリマー前駆体で、不連続繊維を含む基材の少なくとも一部を被覆する工程、前記熱硬化性樹脂ポリマー前駆体を硬化して熱硬化性樹脂ポリマーを形成する工程、及びポリマー層としての前記基材から前記熱硬化性樹脂ポリマーのうちの少なくともいくらかを除く工程を含む。いくつかの実施形態において、不連続繊維は実質的に整列しており、基材の少なくとも20vol%の体積分率で存在している。
【0013】
前記方法は、別のセットの実施形態において、一般に、水及び不連続繊維を含むスラリーで基材の少なくとも一部を被覆する工程、前記不連続繊維の少なくともいくらかを整列させる工程、前記スラリーから水を除き、前記実質的に整列した不連続繊維を含む基材を製造する工程;熱硬化性樹脂ポリマー前駆体で前記基材の少なくとも一部を被覆する工程;前記熱硬化性樹脂ポリマー前駆体を硬化して熱硬化性樹脂ポリマーを形成する工程;及びポリマー層としての前記基材から前記熱硬化性樹脂ポリマーのうちの少なくともいくらかを除く工程に関する。
【0014】
更に別のセットの実施形態によれば、前記方法は、水及び不連続繊維を含むスラリーで基材の少なくとも一部を被覆する工程、前記不連続繊維の少なくともいくらかを整列させる工程、熱硬化性樹脂ポリマー前駆体で前記基材の少なくとも一部を被覆する工程、前記熱硬化性樹脂ポリマー前駆体を硬化して熱硬化性樹脂ポリマーを形成する工程、及びポリマー層としての前記基材から前記熱硬化性樹脂ポリマーのうちの少なくともいくらかを除く工程を含む。
【0015】
別の態様において、本開示は、本明細書に記載されている実施形態のうちの1つ以上を作製する方法を含む。更に別の態様において、本開示は、本明細書に記載されている実施形態のうちの1つ以上を使用する方法を含む。
【0016】
本開示の他の利点及び新規な特徴は、添付の図と併せて考慮したとき、本開示の 種々の 非限定的な 実施形態の以降の詳細な説明から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示の非限定的な実施形態は、添付の図を参照して例を介して記載されることとなるが、概略的であり、縮尺どおりに描かれることを意図していない。図において、示される各同一の又はほぼ同一のコンポーネントは、典型的には単一の数字で表される。明確のため、すべてのコンポ―ネントが各図においてラベルされているわけではなく、当業者に本開示を必ずしも理解させる必要がない図が示されるところで、本開示の各実施形態のすべてのコンポーネントについても同様である。図において:
図1図1は、本開示の1つの実施形態による、整列した炭素繊維を有する基材を示す;
図2図2は、本開示の別の実施形態における、整列した炭素繊維を有する複合材料を示す;及び
図3図3は、1つの実施形態による複合材料のSEMを示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示は、一般に短繊維フィルムを含む複合材料、及び他の複合材料のためのシステム及び方法に関する。ある態様において、複数の整列した繊維を含む複合材料が提供される。繊維は実質的に整列していることができ、及び複合材料内で比較的高密度で存在することができる。例えば、複合材料は熱可塑性樹脂基材に組み込まれた、実質的に整列した炭素繊維を含むことができる。複合材料は、いくつかの態様において、例えば、通常繊維間に生じる静電相互作用を中和することができる繊維を含む水性液体を使用して、繊維間の静電相互作用を中和することにより、繊維を分散させることにより、調製することができる。液体は基材に適用することができ、繊維は、技術、例えばずれ流動及び/又は磁気を使用して、整列させることができる。他の態様は、一般にかかる複合材料、かかる複合材料を含むキット、等を使用する方法に関する。
【0019】
本開示は、一般に熱硬化性樹脂を含む複合材料を含む、複合材料、及びかかる複合材料を形成するための方法及びシステムにまた関する。ある態様は、例えば、ポリマー、例えば熱硬化性樹脂ポリマー(例えば、エポキシ)を使用して、整列した繊維(例えば、炭素繊維)を移動する方法に関する。いくつかの場合において、ポリマーは繊維を含む基材に被覆することができ、圧縮及び/又は加熱してポリマーの少なくともいくらかを融解又は硬化することができる。ポリマーは、例えば、基材から除いて整列した繊維を含む熱硬化性樹脂材料を製造することができる。繊維は、技術、例えばずれ流動及び/又は磁気を使用して、整列させることができる。他の態様は、一般にかかる複合材料、かかる複合材料を含むキット、等を使用する方法に関する。
【0020】
したがって、ある態様は、一般に種々のアプリケーションにおける使用のための複合材料に関する。例えば、高い機械的特性要求を有するコンポーネントのために、ある実施形態は、一般に、炭素又は他のタイプの繊維を含むことができる、短繊維(例えば、5mm長未満)を含む複合材料に関する。繊維は、複合材料内で高度に配向又は整列していることができ、それにより長炭素繊維複合材料の性能へ近づくことを可能とさせることができる。高度に配向した繊維は、それらがZ軸に対して配向しているとき、複合材料のz軸機械的特性を劇的に強化するのに使用することができる。いくつかの場合において、繊維の均一な分散を有する高繊維体積(>45%)を複合材料内で使用することができる。
【0021】
ある実施形態は、したがって、繊維の分散又は整列を維持する一方、高繊維体積含有量を有する繊維複合材料を製造するためのシステム及び方法に関する。例えば、繊維は比較的短いのであることができ、炭素又は他の材料を含むことができる。いくつかの場合において、繊維は、ポリマー樹脂又は他のスラリー内に均一に分散していることができる。短繊維は、凝集を促進する高い静電相互作用を有することができ、高粘度のポリマー樹脂は、より高繊維体積で一貫した分散を抑制することができる。これらの処理欠陥は、したがって、複合材料における樹脂含有量において不整合の繊維強化及び勾配を生じさせ、それは、複合材料の性能を劇的に減少させることができる。したがって、本明細書に説明されているある実施形態は、これらの制限を克服することができる。さらに、いくつかの実施形態は、一般に高繊維体積含有量を維持する整列した繊維に関する。短繊維を分散させることに伴う問題とは別に、先行技術の方法は、例えば低繊維体積分率、不十分な整列、又は繊維崩壊に伴う問題の危険性がある全体にわたる長い繊維の問題に取り組む。
【0022】
したがって、本明細書に説明されるある実施形態は、例えば水性スラリーを使用して、繊維間の静電相互作用を中和することにより、繊維を分散させるためのシステム及び方法に関する。いくつかの場合において、十分に分散した繊維を含むスラリーは、基材、例えば熱可塑性フィルム上で測定することができる。測定の間、繊維の整列は、例えば、ずれ流動及び/又は磁気整列を使用することにより、制御することができる。これは、例えば、ロールツーロール製造法において、実行することができる。
【0023】
例えば、1セットの実施形態において、好適な繊維を含む水性液体は、基材に、例えば、コーティングとして、適用することができる。液体は、前記のように、典型的には繊維間に生じる静電相互作用を中和するために選択することができる。基材は、例えば、熱可塑性フィルム、又は他の材料、例えば本明細書に説明されているものであることができる。繊維は、炭素繊維及び/又は他の繊維を含むことができる。繊維は、例えば、磁場及び/又はせん断応力を適用することにより、例えば、好適な流体を基材に適用される液体に適用することにより、整列する。整列の後、最終的な複合材料を、例えば、熱(例えば、例えば、蒸発を介して、液体を除くために)、及び/又は圧力(例えば、繊維を基材に埋めるために)を適用することにより、形成することができる。
【0024】
前記説明は、あるタイプの短繊維複合材料を製造するために使用することができる1つの実施形態の非限定的な例である。しかしながら、他の実施形態が、また可能である。したがって、より一般的に、種々の態様は、短繊維フィルム及び他の複合材料及び材料を製造するための種々のシステム及び方法に関する。
【0025】
例えば、ある態様は、一般に短繊維フィルム及び他の複合材料に関する。いくつかの場合において、かかる複合材料は、基材、又はその少なくとも一部に含まれる又は組み込まれた複数の不連続又は短繊維を含むことができる。いくつかの場合において、複数の繊維は、基材内で実質的に整列している又は配向している。
【0026】
基材のために、種々の材料を使用することができる。例えば、1セットの実施形態において、基材は、ポリマー、例えば熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を含む。いくつかの場合において、基材は実質的にポリマーからなる。いくつかの実施形態において、基材(不連続性繊維なし)の体積にして、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも50%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、又は少なくとも99%が、ポリマーであることができる。
【0027】
基材は、次のポリマーを含む、1つ以上のポリマーを含むことができ、これらのポリマーに加えて又はこれらのポリマーの代わりに、他のポリマーをまた含むこともできる。基材のための好適なポリマーの例は、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリアミド46(PA46)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド12(PA12)、ポリアミド11(PA11)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド6.6(PA6.6)、ポリアミド6.6/6(PA6.6/6)、アモルファスポリアミド(PA6-3-T)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフタルアミド(PPA)、液体結晶ポリマー(LCP)、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、アクリロニトリルスチレンアクリレート(ASA)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ-パラフェニレン-コポリマー(PPP)、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンイミン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、及び/又はポリメチルペンテン(PMP)を含むが、限定されない。
【0028】
本開示は、一般に熱硬化性樹脂を含む複合材料を含む、複合材料、及びかかる複合材料を形成するための方法及びシステムに関する。ある態様は、例えば、ポリマー、例えば熱硬化性樹脂ポリマー(例えば、エポキシ)を使用して、整列した繊維(例えば、炭素繊維)を移動する方法に関する。いくつかの場合において、ポリマーは、繊維を含む基材上に被覆することができ、プレス及び/又は加熱してポリマーの少なくともいくらかを融解又は硬化することができる。ポリマーは、基材から除いて、例えば、整列した繊維を含む熱硬化性樹脂材料を製造することができる。繊維は、技術、例えばずれ流動及び/又は磁気を使用して、整列することができる。他の態様は、一般にかかる複合材料、かかる複合材料を含むキット、等を使用する方法に関する。
【0029】
いくつかの態様は、一般に、繊維の分散又は整列を維持する一方、高繊維体積含有量を有する繊維複合材料(例えば、炭素又は他の繊維を含む)を製造するための技術に関する。ある実施形態は、一般にポリマー樹脂中に、例えば、実質的に均一に、繊維を分散させる工程に関する。いくつかの繊維は、凝集を促進することができる、比較的大きい静電相互作用を有する。さらに、いくつかの場合において、いくつかのポリマー樹脂は、より高繊維体積で一貫した分散を妨げることができる比較的高粘度を有する。これらの処理欠陥により、複合材料における樹脂含有量において、不整合の繊維強化及び勾配を生じさせ、それは複合材料の性能を劇的に減少させることができる。さらに、いくつかの実施形態は、一般に、高繊維体積含有量を維持する一方、繊維を整列させることに関する。
【0030】
例えば、いくつかの実施形態において、炭素及び/又は他の繊維を繊維間の静電相互作用を中和することにより水性スラリーに分散させる。分散した繊維を有するスラリーは、例えば、コーティングとして、基材上で測定される。繊維の整列は、例えば、せん断及び/又は磁気整列、等を使用することにより、制御することができる。整列の後、繊維は、熱硬化性樹脂、例えばエポキシに注入される。いくつかの場合において、この方法は、比較的高繊維体積及び比較的十分に制御された繊維の分散及び整列を有する繊維複合材料の製造を可能とするロールツーロール製造法に実行される。
【0031】
いくつかの実施形態において、基材は、不連続繊維を含むスラリー又は他の液体で被覆することができる。例えば、基材は、ポリマー、例えばポリエーテルイミドであることができる。スラリーは、水又は他の液体に基づくことができる。不連続繊維は、炭素繊維、及び/又は他の天然又は合成繊維、例えば本明細書に記載されているものを含むことができる。繊維は、種々の技術、例えば、磁場、液体(例えば、せん断整列のための)、等への曝露を使用して、整列させることができる。いくつかの場合において、繊維は、他の場合において、磁気整列アプリケーションのためにさえも磁性粒子を使用することはできないが、磁性粒子に曝露して磁気整列を促進することができる。
【0032】
整列の後、水(及び/又は他の液体)のいくらか又はすべてをスラリーから除いて、例えば、整列した繊維を含む材料を製造することができる。実質的に、繊維の整列は完全である必要はない、すなわち、すべての繊維が互いに完全に平行でなくてもよいことが理解できるであろう。種々の技術、例えば加熱又は蒸発、物理的排出、等を使用して、水及び/又は他の液体の少なくともいくらかを除くことができる。
【0033】
繊維は被覆又はそうでければ熱硬化性樹脂ポリマーに曝露することができる。熱硬化性樹脂ポリマーは、エポキシ、及び/又は他のポリマー、例えば本明細書に記載されているものを含むことができる。いくつかの場合において、熱硬化性樹脂ポリマーのフィルム又は層は、繊維と接触させることができ、及びいくつかの場合において、熱及び/又は圧力を加えて接触を向上させることができる。例えば、いくつかの実施形態において、熱及び/又は圧力を加えて、熱硬化性樹脂ポリマーのうちの少なくともいくらかを融解させて、例えば、繊維間に流すことができる。熱硬化性樹脂ポリマーは、例えば、冷却を介して、定位置に硬化(cure)又は硬化(harden)することができる。
【0034】
硬化された熱硬化性樹脂ポリマーは、それから、基材から除いて、例えば繊維の少なくともいくらかを含む熱硬化性樹脂ポリマーを製造することができる。いくつかの場合において、熱硬化性樹脂ポリマーは、部分的に又は完全に繊維のいくらか又はすべてを組み込むことができる。種々の技術を使用して基材からポリマーを除くことができる。例えば、1つの実施形態において、熱硬化性樹脂ポリマーのいくらか又はすべては、基材から、例えば単一のポリマー層として、剥がすことができる。
【0035】
前記説明は、あるタイプの短繊維複合材料を製造するために使用することができる本開示の1つの実施形態の非限定的な例である。しかしながら、他の実施形態が、また可能である。したがって、より一般的に、種々の態様は、短繊維フィルム及び他の複合材料及び材料を製造するための種々のシステム及び方法に関する。
【0036】
1つの態様は、一般にポリマー材料及び複数の不連続繊維を含む複合材料に関する。ポリマー材料は、熱硬化性樹脂ポリマーを含むことができる。ある場合において、不連続繊維のいくらか又はすべては、部分的に又は十分に熱硬化性樹脂ポリマー、又は少なくともその一部に組み込まれる。いくつかの場合において、複数の繊維は、材料内に実質的に整列又は配向している。
【0037】
1セットの実施形態において、ポリマー材料は、熱硬化性樹脂ポリマーを含む。いくつかの場合において、前記材料は実質的にポリマーからなる。ある実施形態において、材料(不連続繊維なし)の体積にして、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも50%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、又は少なくとも99%が、ポリマー、例えば熱硬化性樹脂ポリマーであることができる。
【0038】
いくつかの実施形態において、熱硬化性樹脂ポリマーは、柔軟な固体又は粘性液体プレポリマー又は樹脂から硬化したポリマーに、実質的に不可逆的に、熱及び/又は圧力により硬化することができる。いくつかの場合において、触媒が重合又は架橋を促進するために使用することができる。
【0039】
熱硬化性樹脂ポリマーの1つの例は、エポキシである。いくつかの場合において、エポキシ樹脂は、触媒的ホモポリマー化を介して自分自身と、及び/又は多官能性アミン、酸(及び酸無水物)、フェノール、アルコール及びチオール(通常メルカプタンと呼ばれる)を含む種々の共反応剤と、反応(例えば、架橋)することができる。これらの共反応剤は、しばしば硬化剤(hardeners)又は硬化剤(curatives)と称され、及び架橋反応は、一般に硬化と称される。
【0040】
熱硬化性樹脂ポリマーの他の例は、ポリエステル、ポリウレタン、ベークライト、デューロプラスト、尿素-ホルムアミド、メラミン、ジアリル-フタレート、ベンゾオキサジン、ポリイミド、ビスマレイミド、シアナートエステル、ポリシアヌレート、フラン樹脂、シリコーン樹脂、チオレート、ビニルエステル、などを含むが、限定されない。更なる非限定的な例は、ポリエチレンイミン、ポリエーテルケトンケトン、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ(メチルメタクリレート)、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリフッ化ビニリデン、フェノール、ビスマレイミド、シアナートエステル、ポリイミド、シリコーンゴム、スチレンブタジエンゴム、又はプレセラミックモノマー、例えばシロキサン、シラザン、又はカルボシランを含む。多くのかかる熱硬化性樹脂ポリマー及びその前駆体は、商業的に得ることができる。
【0041】
いくつかの例において、熱硬化性樹脂ポリマーは、ポリマー材料の比較的大部分を含むことができる。例えば、ある実施形態において、熱硬化性樹脂ポリマーは、材料の質量の少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも7%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも97%を含むことができる。いくつかの場合において、熱硬化性樹脂ポリマーは、材料の質量の97%以下、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、又は10%以下を含む。これらの任意の組み合わせが、また可能である。
【0042】
材料は、ある実施形態において、次のポリマーを含む、更なるポリマーをまた含むことができ、これらのポリマーに加えて又はこれらのポリマーの代わりに、他のポリマーをまた含むことができる。材料のための好適なポリマーの例は、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリスルホン(PSU)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリアミド46(PA46)、ポリアミド66(PA66)、ポリアミド12(PA12)、ポリアミド11(PA11)、ポリアミド6(PA6)、ポリアミド6.6(PA6.6)、ポリアミド6.6/6(PA6.6/6)、アモルファスポリアミド(PA6-3-T)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリフタルアミド(PPA)、液体結晶ポリマー(LCP)、ポリカーボネート(PC)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリオキシメチレン(POM)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、アクリロニトリルスチレンアクリレート(ASA)、スチレンアクリロニトリル(SAN)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ-パラフェニレン-コポリマー(PPP)、ポリアクリロニトリル、ポリエチレンイミン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、及び/又はポリメチルペンテン(PMP)を含むが、限定されない。
【0043】
ある実施形態は、一般に連続繊維から形成される基材を含む、及び複数の不連続繊維を含む、複合材料に関する。連続繊維は、一般に平均で不連続繊維の断面寸法よりも実質的に長い長さを有する。例えば、連続繊維は、不連続繊維の断面寸法の10倍より大きい、30倍より大きい、50倍より大きい、100倍より大きい、300倍より大きい、500倍より大きい、又は1,000倍より大きい平均を有することができる。いくつかの実施形態において、連続繊維は、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも30、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも300、少なくとも500、少なくとも1,000、等の平均アスペクト比(例えば、直径又は平均断面寸法に対する長さの)を有する。さらに、ある場合において、連続繊維は、少なくとも5mm、少なくとも1cm、少なくとも3cm、少なくとも5cm、又は少なくとも10cmの平均長を有することができる。より長い平均長が、いくつかの例において、また可能である。
【0044】
連続繊維は、ともに編まれていてよく(例えば二方向性、多方向性、擬似等方性等方性、等)、及び/又は編まれていなくてもよい(例えば、単一方向性、ベール、マット、等)。ある実施形態において、連続繊維の少なくともいくらかは、連続繊維の他の配置がまた可能であるが、互いに実質的に平行、及び/又は直角に配向している。ある実施形態において、連続繊維は、ともに織物又は他の基材、例えば、布地、タウ、フィラメント、糸、撚糸、等を規定することができる。いくつかの場合において、基材は、実質的に他の直交寸法未満である1つの直交寸法を有することができる(すなわち、基材は圧さを有することができる)。
【0045】
基材を形成する連続繊維は任意の種々の材料を含むことができ、1つのタイプ又は1つより多くのタイプの繊維が基材内に存在することができる。非限定的な例は、炭素、玄武岩、シリコンカーバイド、アラミド、ジルコニア、ナイロン、ホウ素、アルミナ、シリカ、ボロシリカート、ムライト、コットン、又は任意の他の天然又は合成繊維を含む。
【0046】
連続繊維は、任意の好適な平均直径を有することができる。例えば、連続繊維は、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、少なくとも30マイクロメートル、少なくとも50マイクロメートル、少なくとも100マイクロメートル、少なくとも200マイクロメートル、少なくとも300マイクロメートル、少なくとも500マイクロメートル、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも5mm、少なくとも1cm、少なくとも2cm、少なくとも3cm、少なくとも5cm、少なくとも10cm、等の平均直径を有することができる。ある実施形態において、連続繊維は、10cm以下、5cm以下、3cm以下、2cm以下、1cm以下、5mm以下、3mm以下、2mm以下、1mm以下、500マイクロメートル以下、300マイクロメートル以下、200マイクロメートル以下、100マイクロメートル以下、50マイクロメートル以下、30マイクロメートル以下、20マイクロメートル以下、10マイクロメートル以下、等の平均直径を有することができる。これらの任意の組み合わせが、また可能である。例えば、連続繊維は、10マイクロメートル~100マイクロメートル、50マイクロメートル~500マイクロメートル、100マイクロメートル~5mm、等の平均直径を有することができる。
【0047】
連続繊維は、任意の好適な平均長をまた有することができる。例えば、連続繊維は、少なくとも約0.5cm、少なくとも1cm、少なくとも2cm、少なくとも3cm、少なくとも5cm、少なくとも10cm、等の平均長を有することができる。ある実施形態において、連続繊維は、10cm以下、5cm以下、3cm以下、2cm以下、1cm以下、0.5cm以下、等の平均直径を有することができる.これらの任意の組み合わせが、また可能である;例えば、連続繊維は、1cm~10cm、10cm~100cm、等の平均長を有することができる。
【0048】
いくつかの例において、連続繊維は、複合材料の比較的大部分を含むことができる。例えば、ある実施形態において、連続繊維は、複合材料の質量又は体積の少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも7%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも97%を含むことができる。いくつかの場合において、前記連続繊維は、前記複合材料の質量又は体積の97%以下、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、又は10%以下を含む。これらの任意の組み合わせが、また可能である。
【0049】
複合材料は、1セットの実施形態において、1つ以上の不連続繊維をまた含むことができる。これらは、複合材料においてどこにでも存在することができ、例えば、基材、又はその少なくとも一部内に、例えば、ポリマー、例えば熱硬化性樹脂ポリマー内に、含まれる又は組み込まれることができる。いくつかの場合において、不連続繊維は、複合材料内に、例えば、複合材料内に層を形成しながら、実質的に整列していることができる。いくつかの場合において、基材の体積にして、少なくとも50%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、又は少なくとも99%は、不連続繊維を含むことができる。別の例として、ポリマー材料の体積にして少なくとも50%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも97%、又は少なくとも99%は、不連続繊維を含むことができる。
【0050】
不連続繊維は、任意の種々の材料で形成される又は含むことができ、及び1つ以上のタイプの材料が存在することができる。例えば、不連続繊維は、材料、例えば炭素(例えば、炭素繊維)、玄武岩、シリコンカーバイド、窒化ケイ素、アラミド、ジルコニア、ナイロン、ホウ素、アルミナ、シリカ、ボロシリカート、ムライト、窒化物、ホウ素窒化物、黒鉛、ガラス、ポリマー(本明細書に記載されているもののうちの任意のものを含む)、等を含むことができる。不連続繊維は、任意の天然及び/又は任意の合成材料を含むことができ、磁性及び/又は非磁性であることができる。
【0051】
不連続繊維は、いくつかの実施形態において、前記複合材料内に少なくとも実質的に整列していることができる。不連続繊維を整列させるための方法は、本明細書において、より詳細に説明される。種々の整列が可能であり、いくつかの場合において、光学的に又は顕微鏡的に決定することができ、例えばしたがって、いくつかの場合において、整列は定性的に決定することができる。しかしながら、整列は完全である必要はないと解されたい。いくつかの場合において、基材又は複合材料内の繊維の少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも75%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%が、例えば、基材又は複合材料のサンプル内の、複数の繊維の平均的な整列の20内、15内、10内、又は5内である整列を示すことができる。いくつかの場合において、繊維の平均的な整列は、その位置で基材又は複合材料の平面に対して、少なくとも60、少なくとも65、少なくとも70、少なくとも75、少なくとも85、又は少なくとも87配向していることができる。
【0052】
いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、基材に対して実質的に直角な不連続繊維の整列は、基材又は複合材料の強化を提供するのに役立つことができるとされている。これは、例えば、異なる方向に力を受けたとき、基材又は複合材料の強度を向上させることができる。例えば、基材内の繊維は、3次元に実質的に直角方向に走ることができ、それにより適用される力の方向にかかわらず、基材又は複合材料に強度を提供する。繊維は、例えば、層間マイクロクラック、スループライ亀裂、等に伴う、表面の劣化をまた制限することができる。さらに、いくつかの実施形態において、繊維は、その機械的特性に加えて又はその機械的特性の代わりに、基材又は複合材料の他の特性、例えば、複合材料内の電気的及び/又は熱的特性を強化することができる。
【0053】
他の者は基材又は複合材料に繊維を詰めることを提案したが、高繊維体積分率は、例えば、繊維の凝集、及び/又は一貫した分散を妨げることができるポリマー樹脂のより高粘度を生じさせる、より大きい静電作用のために、以前は達成できないとされていた。したがって、ある実施形態は、一般に少なくとも40%の繊維体積、少なくとも45%の繊維体積、少なくとも50%の繊維体積、少なくとも55%の繊維体積、少なくとも60%の繊維体積、少なくとも65%の繊維体積、少なくとも70%の繊維体積、等の(例えば、実質的に整列した繊維、例えば本明細書に説明されているものの)繊維体積分率に関する。
【0054】
下記により詳細に説明されるように、種々の実施形態において、磁場、ずれ流動、等、を含む種々の技術を不連続繊維を整列させるのに使用することができる。非限定的な例として、本明細書において説明されているものを含む、磁性粒子を繊維に取り付けることができ、磁場を使用して磁性粒子を操作することができる。例えば、磁場を使用して磁性粒子を基材又は複合材料に移動し、及び/又は基材又は複合材料内に不連続繊維を整列させることができる。磁場は、例えば、本明細書において説明されるように、一定又は時間変動(例えば、振動)であることができる。例えば、印加磁場は、1Hz~500Hzの周波数及び0.01T~10Tの大きさを有することができる。磁場の他の例は、下記により詳細に説明される。
【0055】
いくつかの場合において、不連続繊維は、少なくとも1nm、少なくとも3nm、少なくとも5nm、少なくとも10nm、少なくとも30nm、少なくとも50nm、少なくとも100nm、少なくとも300nm、少なくとも500nm、少なくとも1マイクロメートル、少なくとも3マイクロメートル、少なくとも5マイクロメートル、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、少なくとも30マイクロメートル、少なくとも50マイクロメートル、少なくとも100マイクロメートル、少なくとも200マイクロメートル、少なくとも300マイクロメートル、少なくとも500マイクロメートル、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも5mm、少なくとも10mm、少なくとも15mm、等の平均、又は特性寸法を有することができる。ある実施形態において、不連続繊維は、5cm以下、3cm以下、2cm以下、1.5cm以下、1cm以下、5mm以下、3mm以下、2mm以下、1mm以下、500マイクロメートル以下、300マイクロメートル以下、200マイクロメートル以下、100マイクロメートル以下、50マイクロメートル以下、30マイクロメートル以下、20マイクロメートル以下、10マイクロメートル以下、5マイクロメートル以下、3マイクロメートル以下、1マイクロメートル以下、500nm以下、300nm以下、100nm以下、50nm以下、30nm以下、10nm以下、5nm以下、等の平均長、又は特性寸法を有することができる。これらの任意の組み合わせが、また可能である。例えば、複合材料内の不連続繊維は、1mm~5mmの平均長を有することができる。
【0056】
さらに、不連続繊維は、任意の好適な平均直径をまた有することができる。例えば、不連続繊維は、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、少なくとも30マイクロメートル、少なくとも50マイクロメートル、少なくとも100マイクロメートル、少なくとも200マイクロメートル、少なくとも300マイクロメートル、少なくとも500マイクロメートル、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも5mm、少なくとも1cm、少なくとも2cm、少なくとも3cm、少なくとも5cm、少なくとも10cm、等の平均直径を有することができる。ある実施形態において、不連続繊維は、10cm以下、5cm以下、3cm以下、2cm以下、1cm以下、5mm以下、3mm以下、2mm以下、1mm以下、500マイクロメートル以下、300マイクロメートル以下、200マイクロメートル以下、100マイクロメートル以下、50マイクロメートル以下、30マイクロメートル以下、20マイクロメートル以下、10マイクロメートル以下、等の平均直径を有することができる。これらの任意の組み合わせが、また可能である。例えば、不連続繊維は、10マイクロメートル~100マイクロメートル、50マイクロメートル~500マイクロメートル、100マイクロメートル~5mm、等の平均直径を有することができる。
【0057】
ある実施形態において、不連続繊維は、平均で、その厚さ又は直径の少なくとも10倍又は少なくとも50倍である長さを有することができる。いくつかの場合において、複合材料内の繊維は、少なくとも3、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも30、少なくとも50、少なくとも100、少なくとも300、少なくとも500、少なくとも1,000、少なくとも3,000、少なくとも5,000、少なくとも10,000、少なくとも30,000、少なくとも50,000、又は少なくとも100,000の平均アスペクト比(直径又は厚さに対する繊維長の比)を有することができる。いくつかの場合において、平均アスペクト比は、100,000未満、50,000未満、30,000未満、10,000未満、5,000未満、3,000未満、1,000未満、500未満、300未満、100未満、50未満、30未満、10未満、5未満、等であることができる。これらの任意の組み合わせが、いくつかの場合において、また可能である。;例えば、アスペクト比は、5~100,000であることができる。
【0058】
いくつかの例において、不連続繊維は、複合材料の比較的大部分を含むことができる。例えば、ある実施形態において、不連続繊維は、複合材料又はポリマー材料の質量の少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも7%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも97%を含むことができる。いくつかの場合において、不連続繊維は、複合材料又はポリマー材料の質量の97%以下、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、40%以下、30%以下、20%以下、又は10%以下を含む。これらのうちの任意の組み合わせが、また可能である。
【0059】
不連続繊維の少なくともいくらかは、被覆されていないものであることができる。いくつかの場合において、しかしながら、不連続繊維のいくらか又はすべては、被覆することができる。コーティングは、繊維への粒子、例えば磁性粒子、の吸着又は結合を促進するために、又は他の理由のために、使用することができる。
【0060】
1つの例として、不連続繊維の少なくともいくらかは、サイジング(sizings)で被覆されている。サイジングのいくつかの例は、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアミド、フェノキシ、ポリイミド、エポキシ、などを含むが、限定されない。これらのサイジングは、例えば、溶液、分散液、エマルジョン、等として、スラリーに導入することができる。他の例として、繊維は、界面活性剤、シランカップリング剤、エポキシ、グリセリン、ポリウレタン、有機金属カップリング剤、等で被覆することができる。界面活性剤の非限定的な例は、オレイン酸、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、等を含む。シランカップリング剤の非限定的な例は、アミノ-、ベンジルアミノ-、クロロプロピル-、ジスルフィド-、エポキシ-、エポキシ/メラミン-、メルカプト-、メタクリレート-、テトラスルフィド-、ウレイドー、ビニル-、イソシアナート-、及びビニル-ベンジル-アミノ系シランカップリング剤を含む。有機金属カップリング剤の非限定的な例は、アリール-及びビニル系有機金属カップリング剤を含む。
【0061】
前記のように、1セットの実施形態において、不連続繊維の少なくともいくらかは、炭素繊維であることができる。炭素繊維は、例えば、磁性粒子又は他の技術、例えば、本明細書において説明されているもの、を使用して、直接的に又は間接的に、磁場中に整列していることができる。例えば、炭素繊維のいくつかのタイプは反磁性であり、印加磁場を使用して直接的に移動されることができる。したがって、ある実施形態は、実質的に常磁性又は強磁性材料がない繊維又は複合材料に関し、外部磁場を使用してなお整列していることができる。例えば、何らかの常磁性又は強磁性材料が存在する場合、それらは材料の(質量にして)5%未満、1%未満、0.5%未満、0.3%未満、0.1%未満、0.05%未満、0.03%未満、0.01%未満、0.005%未満、0.003%未満、又は0.001%未満を形成することができる。
【0062】
反磁性炭素繊維を含む、種々の炭素繊維は、商業的に得ることができる。いくつかの場合において、炭素繊維は、ポリマー前駆体、例えばポリアクリロニトリル(PAN)、レーヨン、ピッチ、等から製造することができる。いくつかの場合において、炭素繊維は、完成した炭素繊維の最終的な物理的特性を強化するように、例えば、化学的又は機械的方法を使用して、フィラメント糸に紡糸して初めにポリマー原子を整列させることができる。フィラメント糸を紡糸する間に使用される前駆体組成物及び機械的方法は、変化することができる。展延又は紡糸の後、ポリマーフィラメント糸は加熱して非炭素原子(炭素化又は熱分解)を追い払い、最終的な炭素繊維を製造することができる。いくつかの実施形態において、かかる技術は、比較的高炭素含有量、例えば、少なくとも90%、又は本明細書に記載されている他の含有量を有する炭素繊維を製造するために使用することができる。
【0063】
炭素繊維の非限定的な例は、例えば、市販のものを含む、ピッチ-及び/又はポリマー系(例えばex-PAN又はex-レーヨン)の変形を含む。いくつかの場合において、これらは、中程度/標準的な弾性率(200GPaより大きい)の炭素繊維、高弾性率(300GPaより大きい)、又は超高弾性率(500GPaより大きい)炭素繊維を含むことができる。
【0064】
1セットの実施形態において、炭素繊維は、比較的高炭素含有量を有する。いかなる理論にも拘束されることを望むものではないが、かかる繊維は、低エネルギー磁場でそれらを配向させる反磁性特性を示すことができるとされる。一般的に、反磁性は、印加磁場方向とは反対の誘起磁場の発生による印加磁場に対する材料の反発である。材料は、磁気的応答全体に対する顕著な常磁性又は強磁性の寄与が欠けている場合、典型的には反磁性と分類される。多くの場合において、反磁性材料の磁気的応答は、非常に弱く、無視できる。しかしながら、比較的高磁場は、かかる反磁性材料において、顕著な物理的応答を誘起することができる。
【0065】
したがって、いくつかの場合において、比較的高度に配向した分子構造を示す炭素繊維は、異方性、高反磁性反磁性特性を示すことができる。かかる反磁性特性は、本明細書に記載されているように、比較的弱い磁場でそれらを配向させることができる。例えば、1セットの実施形態において、印加磁場は、印加磁場の反対方向に、炭素繊維のC-C結合において強い誘起磁場を発生させることができる。あるタイプの炭素繊維は、異方性反磁性応答をつくることができる、繊維内方向とは平行の、高い程度のC-C結合を有することができる。したがって、炭素繊維が印加磁場に十分に平行に整列する場合、かかる炭素繊維は中性である磁気トルクを受けることができる。したがって、好適な磁場を適用することにより、炭素繊維は、かかる反磁性特性のために、整列することができる。この応答は、重力の、粘性の、及び/又は内部の粒子の立体効果を克服するために、十分であることができる。
【0066】
例えば、ある実施形態において、炭素繊維は、質量にして、80%より大きい、90%より大きい、92%より大きい、94%より大きい、95%より大きい、96%より大きい、97%より大きい、98%より大きい99%より大きい、又は99.5%より大きい、炭素含有量を有することができる。かかる炭素繊維は、いくつかの場合において、商業的に得ることができる。例えば炭素繊維は熱分解的に、例えば、除くことができる他の成分を『燃焼すること』又は酸化することにより(例えば、気体に変えることにより)、比較的高炭素含有量を有する炭素繊維を残しながら、製造することができる。炭素繊維を作製する他の方法が、例えば、本明細書に詳細に説明されているように、また可能である。
【0067】
炭素繊維は、いくつかの例において、炭素繊維内のC-C結合の実質的な整列をまた示すことができる。例えば、炭素繊維の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、又は少なくとも95%は、C-C結合の実質的な整列を示すことができる。かかる整列は、例えば、広角X線回折(WAXD)、又は当業者に知られている他の技術を使用して、決定することができる。
【0068】
1セットの実施形態において、炭素繊維は、比較的高弾性率(堅さの尺度である引張弾性率)を有することができる。典型的には、高弾性率繊維は、低弾性率の繊維よりもより堅く、より軽い。繊維に平行に力が適用されたとき、炭素繊維は典型的にはより高弾性率を有し、すなわち、炭素繊維は異方性である。いくつかの実施形態において、炭素繊維は、(例えば、力が繊維に対して平行に適用されたとき)少なくとも100GPa、少なくとも200GPa、少なくとも300GPa、少なくとも400GPa、少なくとも500GPa、少なくとも600GPa、少なくとも700GPa、等の弾性率を有することができる。より柔軟な炭素繊維はより少ない整列を示すことができる、すなわち、低弾性率を有する炭素繊維は、印加磁場内に整列するのではなく、磁場に対して微細な物理的応答を有することができるか、又は応答を有さないことができるとされる。
【0069】
1セットの実施形態において、炭素繊維は、液体(例えば、水、油、ポリマー樹脂、ポリマー融解物、金属融解物、アルコール、例えばエタノール、又は別の揮発性有機化合物)内で浮遊性であり、磁場が適用されたとき、異方性磁気応答を示すことができる。例えば、いくつかの場合において、好適な磁場が適用されたとき、すなわち、反磁性応答を示すとき、炭素繊維は整列することができる。いくつかの場合において、磁場は、少なくとも100mT、少なくとも200mT、少なくとも300mT、少なくとも500mT、少なくとも750mT、少なくとも1T、少なくとも1。5T、少なくとも2T、少なくとも3T、少なくとも4T、少なくとも5T、少なくとも10T、等であることができる。いくつかの場合において、液体内で浮遊性の炭素繊維の少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、又は少なくとも90%は、好適な磁場が適用されたとき、整列を示すことができる。
【0070】
典型的には、炭素繊維は、1つの直交寸法(例えば、その長さ)は、その他の2つの直交寸法(例えば、その幅又は厚さ)よりも実質的に大きい形状を有する。繊維は、いくつかの場合において、実質的にシリンダー状であることができる。前記のように、炭素繊維は、いくつかの例において、比較的堅くあることができる;しかしながら、炭素繊維は、完全に真っ直ぐである必要はない(例えば、その長さは、曲がっていようと、繊維自体に沿ってなお決定することができる)。
【0071】
1セットの実施形態において、炭素繊維は、基材又は複合材料の厚さと実質的に同一の、又はそれより小さい、寸法(例えば、特性寸法)を有することができる。例えば、基材又は複合材料内の少なくともいくらかの炭素繊維は、基材又は複合材料の厚さに実質的に及ぶ平均長さを有することができる。しかしながら、他の場合において、炭素繊維の特性寸法は、厚さより大きいものであることができる。
【0072】
前記のように、1セットの実施形態において、粒子、例えば磁性粒子は、例えば、不連続繊維を整列させるために、又は他のアプリケーションのために、加えることができる。粒子は、不連続繊維の少なくともいくらかに吸着又はそうでなければ結合することができる。いくつかの場合において、粒子は、不連続繊維及び/又は連続繊維のいくらか又はすべてを被覆することができる。これは、コーティングは粒子の吸着を促進するために必ずしも必要とされるわけではないが、これは本明細書に説明される材料のコーティングにより促進することができる。
【0073】
粒子が磁性である場合、粒子は任意の種々の磁気感受性材料を含むことができる。例えば、磁性材料は、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、アルニコ、鉄の酸化物、ニッケル、コバルト、希土類金属、又はこれらの2つ以上を含むアロイ、及び/又は他の好適な強磁性材料を含む、1つ以上の強磁性材料を含むことができる。いくつかの場合において、磁性粒子は、少なくとも2、少なくとも5、少なくとも10、少なくとも20、少なくとも40、少なくとも100、少なくとも200、少なくとも500、少なくとも1,000、少なくとも2,000、少なくとも5,000、又は少なくとも10,000の相対透磁率を有することができる。
【0074】
しかしながら、すべての粒子が必ずしも磁性であるわけではないと解されたい。いくつかの場合において、例えば、磁性粒子に加えて及び/又は磁性粒子の代わりに、非磁性粒子を使用することができる。非磁性粒子の非限定的な例は、ガラス、ポリマー、金属、等を含む。
【0075】
粒子は(存在する場合)球状又は非球状であることができ、任意の好適な形状又はサイズであることができる。粒子は、比較的単分散又はある範囲のサイズに収まることができる。いくつかの場合において、粒子は、平均で、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、少なくとも30マイクロメートル、少なくとも50マイクロメートル、少なくとも100マイクロメートル、少なくとも200マイクロメートル、少なくとも300マイクロメートル、少なくとも500マイクロメートル、少なくとも1mm、少なくとも2mm、少なくとも3mm、少なくとも5mm、少なくとも1cm、少なくとも1.5cm、少なくとも2cm、少なくとも3cm、少なくとも5cm、少なくとも10cm、等の特性寸法を有することができる。複合材料内の粒子は、10cm以下、5cm以下、3cm以下、2cm以下、1.5cm以下、1cm以下、5mm以下、3mm以下、2mm以下、1mm以下、500マイクロメートル以下、300マイクロメートル以下、200マイクロメートル以下、100マイクロメートル以下、50マイクロメートル以下、30マイクロメートル以下、20マイクロメートル以下、10マイクロメートル以下、等の平均特性寸法をまた有することができる。これらの任意の組み合わせが、また可能である。例えば、粒子は、100マイクロメートル~1mm、10マイクロメートル~10マイクロメートル、等の特性寸法を示すことができる。非球状粒子の特性寸法は、非球状粒子と同一の体積を有する完全な球の直径として、取得することができる。
【0076】
いくつかの実施形態において、粒子(磁性及び/又は非磁性粒子を含む)は、複合材料の比較的大部分を含むことができる。例えば、ある実施形態において、粒子は、複合材料の体積の少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも7%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、又は少なくとも97%を含むことができる。いくつかの場合において、粒子は、複合材料の体積の97%以下、95%以下、90%以下、85%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、7%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、又は1%以下を含む。これらの任意の組み合わせが、また可能である。
【0077】
説明したように、1セットの実施形態は、一般に、例えば、例えば本明細書に説明されているポリマー材料を含む、複合材料に関する。いくつかの場合において、複合材料は、一般に平面状であり、及び/又は1つより多くの層又は基材を含むことができる。しかしながら、基材、複合材料、又は複合材料内の層は、数学的に完全な平面構造である必要はない(そうあることはできるが)と解されたい;例えば、基材、複合材料又は層は、変形可能、曲がったもの、屈曲したもの、折られたもの、ロールされたもの、しわのあるもの、等であることがまたできる。例として、基材、複合材料又は層は、少なくとも約0.1マイクロメートル、少なくとも約0.2マイクロメートル、少なくとも約0.3マイクロメートル、少なくとも約0.5マイクロメートル、少なくとも約1マイクロメートル、少なくとも約2マイクロメートル、少なくとも約3マイクロメートル、少なくとも約5マイクロメートル、少なくとも約10マイクロメートル、少なくとも約30マイクロメートル、少なくとも約50マイクロメートル、少なくとも約100マイクロメートル、少なくとも約300マイクロメートル、少なくとも約500マイクロメートル、少なくとも約1mm、少なくとも約2mm、少なくとも約3mm、少なくとも約5mm、少なくとも約1cm、少なくとも約3cm、少なくとも約5cm、少なくとも約10cm、少なくとも約30cm、少なくとも約50cm、少なくとも約100cm、等の平均厚さを有することができる。ある例において、平均厚さは、100cm未満、50cm未満、30cm未満、10cm未満、5cm未満、3cm未満、1cm未満、5mm未満、2mm未満、3mm未満、1mm未満、500マイクロメートル未満、300マイクロメートル未満、100マイクロメートル未満、50マイクロメートル未満、30マイクロメートル未満、10マイクロメートル未満、5マイクロメートル未満、3マイクロメートル未満、1マイクロメートル未満、0.5マイクロメートル未満、0.3マイクロメートル未満、又は0.1マイクロメートル未満であることができる。これらの任意の組み合わせが、ある実施形態において、また可能である。例えば、平均厚さは、0.1~5,000ミクロン、10~2,000ミクロン、50~1,000ミクロン、等であることができる。厚さは、基材、複合材料、又は層を横断して、均一又は非均一であることができる。また、基材、複合材料又は層は剛直であることができ(例えば、本明細書において説明されているように)、又はいくつかの場合において、変形可能であることができる。
【0078】
1セットの実施形態において、例えば、複合材料内で、連続繊維及び不連続繊維を結合するのに使用することができる、バインダーは、複合材料又はポリマー材料内にまた存在している。例えば、バインダーは、複合材料内で定位置に不連続繊維を保持するのを促進することができる。しかしながら、バインダーは任意選択的であり、すべての場合において必要とされないと解されたい。バインダーは、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、及び/又はヴィトリマーを含む。ある実施形態において、バインダーは、熱可塑性溶液、熱可塑性錠剤、熱硬化性樹脂樹脂、揮発性化合物、例えば揮発性有機化合物、水、又は油を含むことができる。バインダーの更なる非限定的な例は、ポリエステル、ビニルエステル、ポリエチレンイミン、ポリエーテルケトンケトン、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ(メチルメタクリレート)、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、シリコーンゴム、ポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンゴム、又はプレセラミックモノマー、例えばシロキサン、シラザン、又はカルボシランを含む。いくつかの場合において、バインダーは、イミン架橋オリゴマー及び反応性部位を含む独立の架橋剤から調製される、共有結合ネットワークポリマーを含むことができる。反応性部位の非限定的な例は、エポキシ、イソシアナート、ビスマレイミド、スルフィド、ポリウレタン、無水物、及び/又はポリエステルを含む。ヴィトリマーの例は、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルに基づくエポキシ樹脂、芳香族ポリエステル、ポリ乳酸(ポリアクチド)、ポリヒドロキシウレタン、クエン酸でエポキシ化された大豆油、ポリブタジエン、等を含むが、限定されない。バインダーは、ある実施形態において、これらの材料及び/又は他の材料のうちの任意の1つ以上を含む混合物をまた含むことができる。
【0079】
いくつかの実施形態において、バインダーは、複合材料の質量の少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも7%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、又は少なくとも25%、及び/又は複合材料の質量の25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、7%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、又は1%以下を含むことができる。
【0080】
複合材料、例えば本明細書に記載されているもの、幅広いアプリケーションにおいて使用することができる。非限定的な例として、複合材料は、多様なアプリケーション、例えば圧力容器、風力タービンのためのコンポーネント、重い構造物を引き上げる際に使用されるシム、スポーツ用品、建設又は建築材料、電子デバイスのためのラミネート又はカプセル材料、バッテリー部品、又は乗り物、例えば自動車、航空機、海洋船舶、又は宇宙船のためのパネルのための強化において、使用することができる。いくつかの場合において、複合材料は、エネルギー貯蔵アプリケーションのためのコンポーネントとして、又は炭素繊維又はセラミックマトリクスのためのコンポーネントとして、材料内の応力集中又は層間剥離の除去又は減少、材料の剛直化、表面摩耗の除去又は減少、電気的ショックの散逸、電気信号の伝達、電磁波の軽減又は伝達、熱的ショックの散逸、熱勾配の除去又は減少のために、有用であることができる。
【0081】
別の態様は、一般に複合材料、例えば、本明細書に開示されているものを製造するためのシステム及び方法に関する。1セットの実施形態において、複合材料は、液体から調製することができる。液体は、例えば、スラリー、溶液、エマルジョン、等であることができる。液体は、本明細書に説明されている不連続繊維を含むことができ、基材に適用することができる。繊維は、本明細書で説明されているように、整列されることができ、液体は除いて、例えば、繊維含有基材を造ることができる。整列の後、最終的な複合材料は、例えば、熱(例えば、液体を除くために)、及び/又は圧力(例えば、基材に繊維を組み込むために)を適用して、例えば、液体を除く及び/又は熱硬化性樹脂材料を硬化することにより、形成することができる。いくつかの場合において、複合材料は、例えば、基材又は複合材料内に、又はポリマー材料内に不連続剤を固定(immobilize)又は固定(fix)するために使用することができる、バインダーで、セット又は硬化することができる。さらに、いくつかの場合において、複合材料は、例えば、本明細書に説明されているように、基材から除くことができる。複合材料は、種々の実施形態において、比較的堅い又は柔軟であることができる。種々の実施形態において、例えば、1セットの実施形態において、複合材料は、連続ロールに巻くことができる。いくつかの場合において、液体、例えばスラリー、使用することができる。スラリーは、不連続繊維及び要すれば、磁性粒子又は他のコンポーネントを含んで、例えば、基材に適用することができる。
【0082】
1セットの実施形態において, 液体は、例えば水性液体を使用して、不連続繊維間の静電相互作用を中和することができる。 これは、 例えば, 凝集なく比較的高繊維体積で液体内に不連続繊維を分散させるのに、有用であることができる. いくつかの場合において, 界面活性剤 及び/又は アルコールをスラリーに導入して、繊維間の静電相互作用を減少させることができる。 高いせん断混合及びフローは、ある場合において、凝集(agglomeration)/凝集(flocculation) を減少させるのにまた役立つことができる。
【0083】
いくつかの実施形態において、液相は、例えば、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂、例えば、熱可塑性樹脂溶液、熱可塑性樹脂融解物、熱硬化性樹脂、揮発性有機化合物、水、又は油を含むことができる。熱硬化性樹脂の非限定的な例は、ポリエチレンイミン、ポリエーテルケトンケトン、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ(メチルメタクリレート)、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、ポリフッ化ビニリデン、フェノール類、エポキシ類、ビスマレイミド、シアナートエステル、ポリイミド、等を含む。エラストマーの非限定的な例は、シリコーンゴム及びスチレンブタジエンゴム、等を含む。熱可塑性樹脂の非限定的な例は、エポキシ、ポリエステル、ビニルエステル、ポリカーボネート、ポリアミド(例えば、ナイロン、PA-6、PA-12、等)、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、等を含む。セラミックモノマーの非限定的な例は、シロキサン、シラザン、又はカルボシラン、等を含む。いくつかの場合において、例えば、これらの1つ以上は、液体内に不連続繊維を均一に分散させる際、手助けとなるよう添加することができる。揮発性有機化合物の例は、イソプロパノール、ブタノール、エタノール、アセトン、トルエン、又はキシレンを含むが、限定されない。
【0084】
任意の好適な量の不連続繊維は、スラリー又は他の液体に存在することができる。例えば、スラリーの体積の少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、又は少なくとも80%は、不連続繊維であることができる。いくつかの場合において、85%以下、80%以下、75%以下、70%以下、65%以下、60%以下、55%以下、50%以下、45%以下、40%以下、35%以下、30%以下、25%以下、20%以下、15%以下、又は10%以下が、不連続繊維であることができる。これらの任意の組み合わせが、いくつかの場合において、また可能である。例えば、スラリー又は他の液体は、70%~80%、75%~85%、50%~90%、等の不連続繊維を含むことができる。
【0085】
例えば、スラリー又は他の液体の調製の後、それは基材に適用又は基材に曝露することができる。基材にスラリー又は他の液体を適用するために、任意の好適な方法を使用することができる。非限定的な例として、液体は、基材に注ぎ、被覆し、スプレーし、又は描くことができ、又は基材は液体内に部分的に又は完全に浸すことができる。液体は、基材を濡らし、被覆し、及び/又は囲むのに使用することができる。
【0086】
1セットの実施形態によれば、磁場を、本明細書に説明するように、不連続繊維を直接的に又は間接的に、操作するために適用することができる。任意の好適な磁場を適用することができる。いくつかの場合において、磁場は、定常磁場である。他の場合において、磁場は時間変動であることができる;例えば、磁場は、例えば、不連続剤の操作を促進するために、大きさ及び/又は方向において、振動又は周期的に変化することができる。振動は、正弦曲線の又は別の繰り返し波形(例えば、四角波又はノコギリ波)であることができる。周波数は、例えば、少なくとも0.1Hz、少なくとも0.3Hz、少なくとも0.5Hz、少なくとも1Hz、少なくとも3Hz、少なくとも5Hz、少なくとも10Hz、少なくとも30Hz、少なくとも50Hz、少なくとも100Hz、少なくとも300Hz、少なくとも500Hz、等、及び/又は1000Hz以下、500Hz以下、300Hz以下、100Hz以下、50Hz以下、30Hz以下、10Hz以下、5Hz以下、3Hz以下、等であることができる。例えば、周波数は、1Hz~500Hz、10Hz~30Hz、50Hz~Hz、等であることができる。さらに、周波数は実質的に一定に保持することができ、又は周波数はいくつかの場合において変化することができる。
【0087】
磁場は、一定であろうが振動していようが、任意の好適な大きさを有することができる。例えば、大きさは、少なくとも0.001T、少なくとも0.003T、少なくとも0.005T、少なくとも0.01T、少なくとも0.03T、少なくとも0.05T、少なくとも0.1T、少なくとも0.3T、少なくとも0.5T、少なくとも1T、少なくとも3T、少なくとも5T、少なくとも10T、等であることができる。大きさは、いくつかの場合において、20T以下、10T以下、5T以下、3T以下、1T以下、0.5T以下、0.3T以下、0.1T以下、0.05T以下、0.03T以下、0.01T以下、0.005T以下、0.003T以下、等であることができる。大きさは、これらの値の任意の組み合わせの範囲でまたあることができる。例えば、大きさは、0.01T~10T、1T~3T、0.5T~1T、等であることができる。大きさは実質的に一定であることができ、又は、ある実施形態において、例えば、これらの値の任意の範囲内で、変化することができる。
【0088】
いくつかの実施形態において、磁場方向(すなわち、最大の大きさの方向)は、約平均方向で、+/-90、+/-85、+/-80、+/-75、+/-70、+/-65、+/-60、+/-55、+/-50、+/-45、+/-40、+/-35、+/-30、+/-25、+/-20、+/-15、+/-10、+/-5で変化することができる。
【0089】
好適な磁場を生み出すための種々の異なる装置は商業的に得ることができ、永久磁石又は電磁石を含む。いくつかの場合において、振動磁場は、磁石を回転ディスクに取り付け、ディスクを適切な速度及び周波数で回転させることにより、創ることができる。永久磁石の非限定的な例は、鉄磁石、アルニコ磁石、希土類磁石、等を含む。
【0090】
1セットの実施形態において、ずれ流動を不連続繊維を整列させるために又は操作するために使用することができる。例えば、せん断流体を、例えば、ずれ流動の方向に、複数の不連続剤の少なくともいくらかを整列させるために、基材に適用することができる。使用することができるせん断流体の例は、水、又は別の液体、例えば油、アルコール、例えばエタノール、有機溶媒(例えば、イソプロパノール、ブタノール、エタノール、アセトン、トルエン、又はキシレンといった)、等を含む。ある実施形態において、せん断流体は、少なくとも1cPの粘度を有することができる。さらに、いくつかの場合において、せん断流体は、気体、例えば空気であることができる。せん断流体の線流量は、例えば、少なくとも10mm/min、少なくとも20mm/min、少なくとも30mm/min、少なくとも50mm/min、少なくとも100mm/min、少なくとも200mm/min、少なくとも300mm/min、等であることができる。
【0091】
例えば、1セットの実施形態において、繊維をアルコール、溶媒、又は樹脂を含む、液体に加えて、スラリーを形成することができる。いくつかの場合において、例えば、スラリーがせん断流体として使用される、スラリーを流して繊維を整列させることができる。他の場合において、しかしながら、スラリーは初めに基材に適用して、せん断流体を繊維を整列させるために使用する。
【0092】
さらに、いくつかの実施形態において、例えば、磁気的操作及び/又はずれ流動に加えて及び/又は磁気的操作及び/又はずれ流動でなく、不連続繊維を操作するために機械的振動を使用することができる。例えば、機械的振動は、不連続繊維を基材内に又は基材上に、例えば、基材内の細孔又はホール内に移動するのに、及び/又は例えば、本明細書において説明されているように、基材内に不連続剤を少なくとも実質的に整列させるのに、使用することができる。1セットの実施形態において、機械的振動を適用して、少なくとも1マイクロメートル、少なくとも2マイクロメートル、少なくとも3マイクロメートル、少なくとも5マイクロメートル、少なくとも10マイクロメートル、少なくとも20マイクロメートル、少なくとも30マイクロメートル、少なくとも50マイクロメートル、少なくとも100マイクロメートル、少なくとも200マイクロメートル、少なくとも300マイクロメートル、少なくとも500マイクロメートル、少なくとも1,000マイクロメートル、少なくとも2,000マイクロメートル、少なくとも3,000マイクロメートル、少なくとも5,000マイクロメートル、又は少なくとも10,000マイクロメートルの不連続繊維の移動を生じさせることができる。
【0093】
さらに、いくつかの場合において、機械的振動は、時間変動であることができる;例えば、機械的振動は、例えば、不連続繊維の操作を促進するために大きさ及び/又は方向において、周期的に変化することができる。振動は、正弦曲線の又は別の繰り返し波形(例えば、四角波又はノコギリ波)であることができる。周波数は、例えば、少なくとも0.1Hz、少なくとも0.3Hz、少なくとも0.5Hz、少なくとも1Hz、少なくとも3Hz、少なくとも5Hz、少なくとも10Hz、少なくとも30Hz、少なくとも50Hz、少なくとも100Hz、少なくとも300Hz、少なくとも500Hz、等、及び/又は1000Hz以下、500Hz以下、300Hz以下、100Hz以下、50Hz以下、30Hz以下、10Hz以下、5Hz以下、3Hz以下、等であることができる。例えば、周波数は1Hz~500Hz、10Hz~30Hz、50Hz~Hz、などであることができる。さらに、周波数は実質的に一定に保持することができ、又は周波数は、いくつかの場合において、変化することができる。振動磁場と併用して適用される場合、それらの周波数は独立して同一又は異なるものであることができる。
【0094】
整列の間及び/又は整列の後、基材内の不連続繊維は、いくつかの実施形態において、例えば、不連続繊維の次なる動きを抑制又は制限するために及び比較的堅い複合材料を形成するために、セット又は固定することができる。複合材料を形成するための技術の非限定的な例は、液体又はスラリーを固化、硬化、ゲル化、融解、加熱、蒸発、冷凍、凍結乾燥、又はプレスすることを含むが、限定されない。別のセットの実施形態において、材料、例えば熱硬化性ポリマーは、硬化されて複合材料を硬化することができる。基材は、したがって、固体、ゲル、等である複合材料を形成することができる。
【0095】
いくつかの場合において、液体は、加熱及び/又は蒸発(例えば、例えば、ドラフト又は他の換気エリアにおいて、好適な量の時間待つことにより、又は溶媒を蒸発させることにより)により除くことができる、比較的揮発性の溶媒を含むことができる。揮発性溶媒の非限定的な例は、イソプロパノール、ブタノール、エタノール、アセトン、トルエン、又はキシレンを含む。溶媒を除く方法の他の例は、真空、凍結乾燥、機械的振とう、等の適用を含む。
【0096】
1セットの実施形態において、熱を基材に適用して、例えば、液体を乾燥又は溶媒の一部を除いて、例えば、ポリマー前駆体を硬化(cure)及び/又は硬化(harden)させることができる。例えば、基材は、少なくとも約30C、少なくとも約35C、少なくとも約40C、少なくとも約45C、少なくとも約50C、少なくとも約55C、少なくとも約60C、少なくとも約65C、少なくとも約70C、少なくとも約75C、少なくとも約80C、少なくとも約90C、少なくとも約100C、少なくとも約125C、少なくとも約150C、少なくとも約175C、少なくとも約200C、少なくとも約250C、少なくとも約300C、少なくとも約350C、少なくとも約400C、少なくとも約450C、少なくとも約500C、等の温度に加熱することができる。熱を適用する任意の好適な方法、例えば、熱電子トランデューサ、オーミックヒータ、ペルチェ装置、燃焼ヒータ、等を使用することができる。いくつかの場合において、液体の粘度は、加熱の結果として減少することができる。熱は、例えば、磁場及び/又は機械的振動の適用の前に、適用と同時に、適用の次に、適用することができる。いくつかの場合において、熱は、熱硬化性プレポリマーの架橋又は硬化を妨げるために又は開始するために使用することができる。
【0097】
1セットの実施形態において、圧力を基材に適用して、例えば、基材に部分的に又は完全に不連続繊維を組込み、例えば、複合材料を形成し、液体を除き、及び/又はポリマー前駆体を硬化(harden)及び/又は硬化(cure)してポリマー材料、例えば熱硬化性樹脂材料を形成することができる。いくつかの場合において、圧力を使用してまた基材から液体のいくらかを除くことができる。例は、ホットプレス、カレンダー法、真空注入、等を含むが、限定されない。圧力は、例えば、少なくとも15psi(測定基準)、少なくとも30psi、少なくとも45psi、等(1psi=6895Pa)であることができる。
【0098】
さらに、1セットの実施形態において、ポリマー前駆体、例えば熱硬化性樹脂ポリマー(例えば、エポキシ)の前駆体は、基材の少なくとも一部に適用又は被覆される。例えば、基材の表面の少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は実質的にすべてを前駆体で被覆することができる。いくつかの場合において、前駆体は、本明細書において説明されるように、実質的に整列した不連続繊維の少なくともいくらかを基材に組み込む。例えば、十分な前駆体を加えて、不連続繊維の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、又は実質的にすべてを実質的に組み込むことができる。
【0099】
前駆体は、本明細書に記載されている任意の前駆体であることができる。例えば、1セットの実施形態において、前駆体は、エポキシの前駆体である。基材は、任意の好適な技術を使用して、被覆又は前駆体に曝露することができる。例えば、前駆体は基材に注ぎ、被覆し、スプレーし、又は描くことができ、又は基材は前駆体内に部分的に又は完全に浸すことができる。前駆体は、基材を濡らし、被覆し、及び/又は囲むのに使用することができる。他の例は、ホットプレス、カレンダー法、又は真空注入を含むが、限定されない。
【0100】
本明細書に記載されているように、前駆体は、1つ以上の好適な条件、例えば熱、圧力、触媒、等を適用することにより、例えば、ポリマーを形成するために、硬化(cured)及び/又は硬化(hardened)することができる。当業者は、前駆体、例えば熱硬化性樹脂ポリマーを硬化(cure)及び/又は硬化(harden)してポリマーを形成させる好適な条件をお分かりであろう。加熱及び/又は圧力は、本明細書に記載されている条件の任意のものを含むことができる。例えば、いくつかの場合において、前駆体は、例えば、溶媒の蒸発の際、同時に硬化することができる。ある実施形態において、熱を適用して、例えば、複合材料を温度、例えば前記に曝露することにより、前駆体を硬化させることができる。いくつかの実施形態において、前駆体は、光又は触媒への曝露の際、例えば、化学的又は重合反応を促進(facilitate)又は促進(promote)してバインダーを重合させるために、硬化することができる。例えば、熱硬化性ポリマーは、好適な温度への曝露の際、硬化することができる。別の例において、ポリマーは、紫外光に曝露して重合を起こさせることができる。
【0101】
いくつかの実施形態において、前駆体は、複合材料の質量の少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも7%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、又は少なくとも25%、及び/又は複合材料の質量の25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、7%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、又は1%以下を含むポリマーを形成することができる。
【0102】
いくつかの場合において、前駆体が硬化(hardened)又は硬化(cured)してポリマー材料を形成した後、ポリマー材料は、要すれば基材から除くことができる。例えば、前駆体が基材上の不連続繊維の少なくともいくらかに注入され又はそうでなければ組み込まれ又は取り囲まれた場合、ポリマー材料は、基材由来の不連続繊維の少なくともいくらかを含むことがまたできる。例えば、ポリマー材料は、実質的に整列している不連続繊維を組み込むことができる。
【0103】
種々の異なる技術を、例えば、ポリマー材料として、基材からポリマーの少なくともいくらかを除くために、使用することができる。例えば、1つの実施形態において、基材の熱硬化性樹脂ポリマーのいくらか又はすべてを、例えば、単一のポリマー層として、剥ぐことができる。ポリマー材料は、例えば、基材の材料がロール上に剥がされる、ロールツーロールを使用して、手動で又は自動で除くことができる。
【0104】
バインダーは、1セットの実施形態において、例えば、複合材料の硬化及び/又は液体の少なくとも一部の除去の前、除去の間、及び/又は除去の後、また適用することができる。いくつかの実施形態において、バインダーは、例えば、乾燥プライ材料を湿らせることにより、前含浸複合材料プライ材料を製造するのに使用することができる。バインダーは、いくつかの場合において、液体であることができ、複合材料への適用の後、硬化させることができる。いくつかの場合において、バインダーは、複合材料の少なくとも一部に浸透される。浸透法の非限定的な例は、バインダーに圧力を適用してそれを複合材料に押し込むこと等による、重力及び毛細管力を使用することを含む。他の例は、ホットプレス、カレンダー法、又は真空注入を含むが、限定されない。しかしながら、いくつかの場合において、バインダーは、例えば、必ずしも浸透を必要とすることなく、基材のすべて、又は一部のみを被覆するのに使用される。
【0105】
いくつかの場合において、バインダーは、樹脂を含むことができる。バインダーは、熱硬化性樹脂又は熱可塑性樹脂を含むことができる。ある実施形態において、バインダーは、熱可塑性樹脂溶液、熱可塑性樹脂融解物、熱可塑性樹脂錠剤、熱可塑性樹脂粉末、熱可塑性樹脂フィルム、熱硬化性樹脂、揮発性化合物、例えば揮発性有機化合物、水、又は油を含むことができる。バインダーの更なる非限定的な例は、エポキシ、ポリエステル、ビニルエステル、ポリエチレンイミン、ポリエーテルケトンケトン、ポリアリールエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリ(メチルメタクリレート)、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ナイロン、シリコーンゴム、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ペルフルオロアルコキシアルカン、スチレンブタジエンゴム、又はプレセラミックモノマー、例えばシロキサン、シラザン、又はカルボシランを含む。バインダーは、ある実施形態において、これらの材料及び/又は他の材料のうちの任意の1つ以上を含む混合物をまた含むことができる。
【0106】
いくつかの実施形態において、バインダーは、複合材料の質量の少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも7%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも20%、又は少なくとも25%、及び/又は複合材料の質量の25%以下、20%以下、15%以下、10%以下、7%以下、5%以下、4%以下、3%以下、2%以下、又は1%以下を含むことができる。
【0107】
浸透の後、バインダーは硬化されることができる。いくつかの場合において、バインダーは、例えば、溶媒の蒸発の際、同時に硬化することができる。ある実施形態において、熱を適用して、例えば、複合材料を、温度、例えば前記温度に曝露することにより、バインダーを硬化することができる。いくつかの実施形態において、バインダーは、例えば、化学的又は重合反応を促進(facilitate)又は促進(facilitate)してバインダーを重合させるために、光又は触媒への曝露の際、硬化することができる。例えば、熱硬化性ポリマーは、好適な温度に曝露した際、硬化することができる。別の例において、ポリマーは、紫外光に曝露して重合を起こさせることができる。
【0108】
複合材料は、いくつかの場合において、例えば、これらに加えて、更なる層又は材料を含むことができる。例えば、基材は、複合材料内の多くの層の1つであることができる。複合材料内の他の層は、ポリマー、複合材料材料、金属、セラミクス、等を含むことができる。例えば、複合材料は、別の複合材料層で強化して複合材料構造を形成することができる。
【0109】
複合材料、例えば本明細書において説明されているものは、種々のアプリケーションにおいて、種々の態様において、使用することができる。複合材料、例えば本明細書において説明されているものは、種々の実施形態において、種々の異なる特徴を示すことができる。例えば、複合材料、例えば本明細書において説明されているものは、応力集中の減少又は除去、層間剥離の減少又は除去、平面強度及び/又は堅さの上昇、表面摩耗の減少又は除去、電気の散逸(例えば、電気的ショックにおける)、電気信号の伝達、電磁波の軽減、電磁波の伝達、熱の散逸(例えば、熱的ショックにおける)、熱勾配の減少又は除去、エネルギー貯蔵、ex-PAN炭素繊維の合成、セラミックマトリクス複合材料(CMC)の合成、等のために有用であることができる。
【0110】
例えば、1セットの実施形態において、少なくとも3軸の繊維方向を有する複合材料プライを製造することができる。この繊維構造は、複合材材料プライに次のプライ及び隣接するコンポーネント間の応力を分散させることができ、応力集中を減少又は除去することができる。これは、例えば、積層複合材料構造が、劇的に異なる堅さを有する材料(例えば金属アロイ又はプラスチック)とともに小さな特徴又は連れ合いで形成されるとき、力学的荷重の下、積層複合材料構造の強度を著しく向上させることができる。
【0111】
別のセットの実施形態は、一般に層間領域のスループレーン強化を有する複合材料プライに関する。この繊維強化により、複合材料プライに隣接する層間の応力を効率的に分散させて、クラックの形成を妨げ及びクラックが層間領域において伝搬するのを防ぐ。層間領域の目的とする強化により、衝撃及び循環式荷重下での積層複合材料構造の強度を著しく向上させることができる。積層複合材料構造が複合材料プライの長いシートで形成されているとき、例えば、プライ間の層間領域における単一のクラックが潜在的に全体の構造の構造的完全性を譲歩するところで、この処方は有用であり得る。
【0112】
更に別のセットの実施形態は、一般にスループレーン強化を有する複合材料プライ、例えば、スループレーン単一方向織物に関する。この繊維強化は、目的のスループレーン荷重(例えば点荷重及び高圧荷重)を強化することができる。目的のスループレーン強化は、期待されるスループレーン力学的荷重の下、積層複合材料構造の強度及び剛性を著しく向上させることができる。これは、積層複合材料構造のための外殻を形成する間、硬化されていない状態で扱う間、容易に変形することができるスループレーン強化を有する複合材料プライを効率的に扱うために有用であることができる。
【0113】
更に別のセットの実施形態は、一般にスループレーン配向した炭素繊維を有する複合材料プライに関する。いくつかの場合において、スループレーン強化は、機械的摩耗(例えば摩耗)及び/又は化学的腐食(例えば酸化)からのダメージ対するポリマーマトリクスの抵抗を著しく向上させることができる。この処方は、例えば、機械的及び化学的摩耗から構造を保護する表面を形成するために、有用である。
【0114】
1セットの実施形態において、増大したスループレーン電気伝導度を有する複合材料プライが提供される。これは、迅速な電気的エネルギーの放電(例えば雷)の際、電荷の蓄積により誘起される局在化した熱の発生により生じるダメージに対する抵抗を著しく向上させることができる。この処方は、電気的放電由来のダメージから構造を保護する表面を形成するために特に有用である。別のセットの実施形態において、増大した近等方性電気伝導度を有する複合材料プライが提供される。これは、電気信号を効率的に行うことができる。更に別のセットの実施形態において、増大した等方性電気伝導度を有する複合材料プライが、提供される。この材料は、入射電磁波を効果的に低減することができる。更に別のセットの実施形態において、低ラジオ周波数干渉及び増大したスループレーン熱伝導性を有する複合材料プライが提供されて、過熱することなく、電磁波を効率的に伝える。
【0115】
別のセットの実施形態は、一般に加熱下で十分な構造的完全性のための増大したスループレーン熱伝導性を有する複合材料に関する。これは、いくつかの実施形態において、迅速な温度変動下で構造的完全性を増加させるために有用であることができる。更に別のセットの実施形態は、一般にスループレーン熱伝導性及び低電気伝導度を有する複合材料プライに関する。この処方は、例えば、電子機器における、熱束を効率的に移動し及び分散させるために有用である。
【0116】
更に別のセットの実施形態は、一般にスループレーン電気伝導度を有する炭素系複合材料プライに関する。これは、電解質からイオン種を吸着し、電荷を効率的に分散させるために有用であることができる。
【0117】
1セットの実施形態は、一般にスループレーン炭素繊維触媒を有する複合材料プライに関する。適切な温度で、PAN(ポリアクリロニトリル)マトリクスは、酸化されて又は炭素化されて炭素マトリクスを形成することができる。別のセットの実施形態は、一般にスループレーン炭素繊維又はシリコンカーバイド触媒を有する複合材料プライに関する。適切な温度で、ポリマーマトリクスを酸化してセラミックマトリクスを形成することができる。
【0118】
次の文書は参照により本明細書に組み入れられる:国際特許出願公開第WO2018/175134号として刊行された、『繊維強化複合材料、そのための方法及び同一のものを含む物品』という表題の、2018年3月12日に出願された国際特許出願第PCT/US2018/021975号;『炭素繊維整列及び繊維強化複合材料のためのシステム及び方法』という表題の、2018年12月10日に出願された、米国特許出願第62/777,438号;『炭素繊維整列及び繊維強化複合材料のためのシステム及び方法』という表題の、2019年12月9日に出願された、国際特許出願第:PCT/US2019/065142号;『短繊維フィルム及び他の複合材料のためのシステム及び方法』という表題の、2019年6月10日に出願された、米国特許仮出願第62/872,686号;及び『熱硬化性樹脂を含む複合材料を形成するための方法及びシステム』という表題の、2019年11月20日に出願された、米国特許仮出願第62/938,265号。さらに、『炭素繊維-金属及び他の複合材料のための組成物及び方法』という表題の、同じ日に出願された、米国特許出願は、そのまま参照により本明細書にまた組み入れられる。
【0119】
以降の実施例は、本開示のある実施形態を説明することを目的としているが、本開示のすべての範囲を説明するものではない。
【実施例1】
【0120】
本実施例は、水に分散された、粉砕された炭素繊維(高弾性率、95%炭素含有量、150マイクロメートル長)を含む、スラリーを説明して、水性スラリーを形成する。このスラリーをPEI基材(76マイクロメートル厚)にキャストし、垂直磁場(0.2Tの磁場強度、PEI基材に対して垂直に)を適用した。堆積したとき、垂直磁場配向により粉砕された炭素繊維を配向させた。繊維が堆積し、PEI基材に直角に整列した後、水を蒸発させた。ひとたび水を除き、垂直に配向した粉砕された繊維を有するPEI基材を1MPaで密集化し、330Cに加熱した。この温度及び圧力で、PEI融解物及び粉砕された繊維をPEI融解物に組み込んだ。この材料を室温まで冷却し、圧力を開放した。図1にみられるように、この方法の終わりに、粉砕された繊維はそれらの配向性を保持し、PEI基材に組み込まれている。
【実施例2】
【0121】
実施例1において製造された短繊維複合材料層を本実施例において連続繊維及びPEIで作られた2つの市販の炭素繊維ラミネート間に重ねた。この積層材を0.5MPaで圧縮し、280℃に加熱した。PEIは柔軟になり、短繊維フィルムの垂直に配向した粉砕された繊維を市販の炭素繊維ラミネートの連続繊維とともにろ過した。図2にみられるように、この材料を室温に冷却し、圧力を開放した。
【実施例3】
【0122】
本実施例は、1つの実施形態による、熱硬化性樹脂ZRT(z軸強化テープ)を作製するための方法を示す。
【0123】
第1の工程において、基材は、スラリーで被覆される。他の基材を使用することができるが、本実施例の基材はUltemフィルムである。スラリーは、痕跡量のポリマー添加剤とともに水に分散された粉砕された繊維を含んだ。
【0124】
粉砕された繊維を次に0.3Tの垂直磁場を介して被覆された基材を通すことにより、整列させた。
【0125】
次に、基材の側からいくらかの水を排出したが、蒸発を介してスラリーから水を除いた.基材を180℃まで加熱し、水分の除去を確実にした。さらに、高熱は、定位置にZ軸粉砕された繊維を保持する痕跡量のポリマーバインダーをまた『貼る(tacks up)』。
【0126】
次に、エポキシフィルムへの移動は、乾燥した粉砕された繊維で被覆した基材にホットメルトエポキシフィルムをプレスすることにより、達成した。ホットメルトエポキシフィルムを60℃に加熱して、エポキシを流した。エポキシを基材上に流した後、フィルムを冷却し、基材から剥いで熱硬化性樹脂マトリクスを有するZRTを製造した。フィルムのSEMは、図3に与えられる。
【0127】
本発明のいくつかの実施形態が本明細書で述べられ、説明されてきたが、当業者はその機能を実行するために、及び/又は本明細書に記載されている結果及び/又は1つ以上の利益を得るために、容易に種々の他の手段及び/又は構成を想像するであろう。そして、かかる変形及び/又は改変の各々は、本発明の範囲内にあるものとみなされる。より一般的には、当業者は、本明細書で述べられている、すべてのパラメータ、寸法、材料、及び構成が例示的であることを意味すること、及び実際のパラメータ、寸法、材料、及び/又は構成は、具体的な適用又は本発明の教示が使用されるアプリケーションに依存するであろうことが、容易にわかるであろう。当業者は、ルーティンにすぎない実験を使用して、本明細書で述べられている具体的な発明の実施形態と同等の多くのものを認識する、すなわち確かめることができるであろう。それゆえ、前記実施形態は、実施例のみを経由して示されること、及び添付の請求項及びそれと同等の範囲内において、具体的に明細書に述べられ、請求項に請求されている以外にも、本発明は実行することができることが理解することができる。本発明は、本明細書で述べられている、各個々の特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法に関する。さらに、かかる特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法の2つ以上の任意の組み合わせは、かかる特徴、システム、物品、材料、キット、及び/又は方法が相互に矛盾していないのであれば、本発明の範囲に含まれる。
【0128】
本明細書及び参照により組み入れられる文書が衝突及び/又は不一致の開示を含む場合、本明細書が支配するものとする。参照により組み入れられる2つ以上の文書が互いに衝突及び/又は不一致の開示を含む場合、後の有効データを有する文書が支配するものとする。
【0129】
すべての定義は、本明細書において定義され及び使用されるとき、辞書での定義、参照により本明細書に組み入れられる文書における定義、及び/又は定義された用語の通常の意味を支配すると理解すべきである。
【0130】
不定冠詞『a』及び『an』は、本明細書において及び請求項において使用されるとき、明確に反対に示されていない限り、『at least one(少なくとも1つ)』を意味すると理解すべきである。
【0131】
『and/or(及び/又は)』という表現は、本明細書において及び請求項において使用されているとき、非常に共同した要素、すなわち、いくつかの場合において、共同的に存在している要素、他の場合において、選言的に存在している要素の『either or both(いずれか一方又は両方)』を意味するものと解すべきである。『and/or(及び/又は)』で列記される複数の要素は、同様に、すなわち、非常に共同した要素のうちの『one or more(1つ以上)』であると解すべきである。具体的に特定される要素と関連するものであれ関連しないものであれ、『and/or(及び/又は)』節により具体的に特定される要素以外の他の要素が、要すれば、存在することができる。それゆえ、非限定的な例として、『A and/or B(A及び/又はB)』の言及は、非限定的な文言、例えば『comprising(含む)』と併せて使用されるとき、1つの実施形態において、Aのみを(要すればB以外の要素を含む)、別の実施形態において、Bのみを(要すればA以外の要素を含む)、更に別の実施形態において、A及びBいずれも(要すれば他の要素を含む);等をいうことができる。
【0132】
本明細書において及び請求項において使用されるとき、『又は(or)』は、前記『及び/又は(and/or)』と同一の意味を有すると解すべきである。例えば、リスト中のアイテムを分離するとき、『又は(or)』又は『及び/又は(and/or)』は、包含的、すなわち、数又はリストの要素の、要すれば、更なるリストされてないアイテムの、少なくとも1つの包含であるが、1つより多くを含む包含であると解すべきである。それと反対の意味で明確に示されている用語のみ、例えば『のうちの1つのみ(only one of)』又は『のちょうど1つ(exactly one of)』、又は、請求項において使用されるとき、『からなる(consisting of)』のみが、数又はリストの要素のちょうど1つの要素の包含を指すこととなる。一般に、用語『又は(or)』は、本明細書で使用するとき、排他性の用語、例えば、『いずれか(either)』、『のうちのひとつ(one of)』、『のうちの1つのみ(only one of)』、又は『のうちのちょうど1つ(exactly one of)』が先行するとき、排他的選択肢(すなわち『one or the other but not both(一方のもの又は他方のものであるが、両方のものではない)』を示していると解されるだけとする。
【0133】
本明細書及び本請求項において使用されるとき、リストの1つ以上の要素を参照した、表現『少なくとも1つ(at least one)』は、要素のリストにおける任意の1つ以上の要素から選択される、少なくとも1つの要素を意味するものと解すべきであるが、要素のリスト内に具体的に列記された各及びすべての要素の少なくとも1つを必ずしも含むわけではなく、要素のリストにおける要素の任意の組み合わせを排除するものではないことを理解すべきである。この定義により、要素は、具体的に特定される要素と関係があろうが無関係であろうが、表現『少なくとも1つ(at least one)』が参照する要素のリスト内に具体的に特定された要素以外に、要すれば要素が存在することができることをまた可能とさせる。したがって、非限定的な例として、『A及びBのうちの少なくとも1つ(at least one of A and B)』、(又は、等価に、『A又はBのうちの少なくとも1つ(at least one of A or B)』、又は、等価に『A及び/又はBのうちの少なくとも1つ(at least one of A and/or B)』)は、1つの実施形態において、Bが存在しない(及び要すればB以外の要素を含む)、少なくとも1つの、要すれば1つより多くを含む、A、を指すことができ;別の実施形態において、Aが存在しない(及び要すればA以外の要素を含む)、少なくとも1つの、要すれば1つより多くを含む、Bを指すことができ;更に別の実施形態において、少なくとも1つの、要すれば1つより多くを含む、A、及び少なくとも1つの、要すれば1つより多くを含む、B(及び要すれば他の要素を含む);等を指すことができる。
【0134】
用語『about(約)』が数字を参照して本明細書において使用されるとき、本発明の更に別の実施形態が、用語『about(約)』の存在により改変されていないその数字を含むと理解すべきである。
【0135】
明確に反対に示されていない限り、1つより多くの工程又は行動を含む本明細書において請求されている任意の方法において、方法の工程又は行動の順序は、方法の工程又は行動が記載されている順序に必ずしも限定されないとも理解すべきである。
【0136】
請求項において、並びに上記明細書において、すべての移行句、例えば『comprising(含む)』、『including(含む)』、『carrying(有する)』、『having(有する)』、『containing(含む)』、『involving(含む)』、『holding(有する)』、『composed of(からなる)』、等は、非制限的であること、すなわち、含むが限定されないを意味すると理解すべきである。移行句『consisting of(からなる)』及び『consisting essentially of(実質的にからなる)』のみが、アメリカ合衆国特許庁審査便覧、セクション2111.03に規定されているように、各々閉鎖又は半閉鎖移行句であるものする。
図1
図2
図3
【国際調査報告】