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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-26
(54)【発明の名称】オキシハロゲン化物前駆体
(51)【国際特許分類】
   C01G 39/04 20060101AFI20220915BHJP
【FI】
C01G39/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022501223
(86)(22)【出願日】2020-07-08
(85)【翻訳文提出日】2022-03-08
(86)【国際出願番号】 US2020041229
(87)【国際公開番号】W WO2021007339
(87)【国際公開日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】62/871,956
(32)【優先日】2019-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】エルメルト, デビット エム.
(72)【発明者】
【氏名】ライト, ジュニア, ロバート
(72)【発明者】
【氏名】バウム, トーマス エイチ.
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリックス, ブライアン シー.
【テーマコード(参考)】
4G048
【Fターム(参考)】
4G048AA06
4G048AB01
4G048AC08
4G048AD03
4G048AE05
4G048AE06
(57)【要約】
本発明は、マイクロ電子デバイスの様々な表面上でモリブデン及びタングステン含有膜の堆積に有用なモリブデン及びタングステンオキシハロゲン化物化合物を調製するための方法を提供する。本発明の方法では、三酸化モリブデン又は三酸化タングステンは、固体状態の媒体中か、又はアルカリ及び/又はアルカリ土類金属塩を含む共晶ブレンドを含む溶融相反応物中で加熱される。このようにして形成されたモリブデン又はタングステンオキシハロゲン化物を蒸気として単離し、結晶化させて、MoOClなどの高純度前駆体化合物を得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
結晶形態の、式MOを有する化合物であって、Mが、モリブデン及びタングステンから選択され、Xが、クロロ、フルオロ、ブロモ、及びヨードから選択され、yが、1又は2であり、zが、2又は4である、化合物。
【請求項2】
Mがモリブデンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Mがタングステンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
Mがモリブデンであり、Xがクロロである、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Mがタングステンであり、Xがクロロである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
結晶形態の式MoOClを有し、図1に示すX線結晶構造を有する、化合物。
【請求項7】
斜方晶系の結晶系を有し、単位格子の寸法が約
a=13.552(5)Å α=90°
b=5.456(2)Å β=90°
c=5.58(2)Å γ=90
である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
12.94、23.64、26.10、39.50、及び/又は40.28±0.04度の2θに1つ又は複数のピークを有する粉末XRDパターンを示す、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
図5に示す粉末XRDパターンを有する、請求項6に記載の化合物。
【請求項10】
結晶形態の式WOClを有する、化合物。
【請求項11】
式MO(式中、Mが、モリブデン及びタングステンから選択され、Xが、クロロ、フルオロ、ブロモ、及びヨードから選択され、yが、1又は2であり、zが、2又は4である)の化合物を調製するための方法であって、式
の化合物を、式A-X(式中、Aが、第1族元素、第2族元素、遷移金属、及び主族元素から選択される。)の少なくとも1つの化合物と、約200°~約900℃の温度で接触させることを含む、方法。
【請求項12】
Aが、リチウム、ナトリウム、及びカリウムから選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
Xがクロロである、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
Aが、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ベリリウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、及びクロムから選択される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
式A-Xの化合物が、塩化リチウム及び塩化カリウムの混合物を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
式MOの化合物を蒸気として回収し、前記蒸気を冷却し、それによって式MOの化合物の結晶形態を形成することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
式MOの化合物がMoOClである、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
式MOの化合物がMoOClである、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
式MOの化合物がWOClである、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
式MOの化合物がWOClである、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のVI族含有材料の蒸着のための特定の前駆体、それらの調製方法、及びそれらの新規な結晶構造に関する。
【背景技術】
【0002】
極めて高い融点、低い熱膨張係数、低い抵抗率、及び高い熱伝導率というその特性の結果として、モリブデン及びタングステンなどのVI族金属は、拡散バリア、電極、フォトマスク、パワーエレクトロニクス基板、低抵抗ゲート、及び相互接続における使用を含む、半導体デバイスの製造においてますます利用されている。
【0003】
そのような有用性は、堆積された膜の高いコンフォーマリティ及び効率的な大量製造作業に対応するための速い堆積速度を特徴とするそのような用途のためのモリブデン及びタングステン膜の堆積を達成するための努力を促してきた。これにより、蒸着作業に有用な改善されたモリブデン及びタングステン源試薬、並びにそのような試薬を利用する改善された処理パラメータを開発するための努力が促された。
【0004】
五塩化モリブデンは、モリブデン含有材料の化学蒸着のためのモリブデン源として最も一般的に使用されている。別の供給源試薬又は前駆体はMoOClであるが、WOCl、WOCl、MoOClなどの他のオキシハロゲン化物とともに、そのような試薬を高収率及び高純度で調製する必要が依然としてある。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、マイクロ電子デバイスの様々な表面上へのVI族含有膜の堆積に有用な特定のVI族金属オキシハロゲン化物化合物を調製する方法を提供する。本発明の方法では、三酸化モリブデン又は三酸化タングステンは、固体媒体中か、又は1つ以上のアルカリ及び/又はアルカリ土類金属塩を含む共晶ブレンドを含む溶融相反応物中で加熱される。このようにして形成されたモリブデン又はタングステンオキシハロゲン化物を蒸気として単離し、結晶化させて、MoOCl及びWOClなどの高純度結晶性オキシハロゲン化物を提供して、本発明の別の態様を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】MoOCl単位格子の結晶構造図である。
図2】MoOとLiCl/KClとの組み合わせ時にかなりの質量損失を示すMoOとLiCl/KClとの混合物の熱重量分析を示す。残留質量(%)を温度(℃)に対してプロットする。
図3】市販のMoOClと本発明の方法を使用して合成したMoOClとを比較する熱重量分析を示す。残留質量(%)を温度(℃)に対してプロットする。
図4】購入したMoOCl対本発明の方法を使用して調製したMoOClのFTIR比較である。
図5】得られたMoOCl単位格子パラメータを使用して計算されたスペクトル(黒線)と比較した、MoOCl結晶の実験的X線粉末回折のプロットである。
図6】水和MoOClのX線粉末回折と実線の縦線として以下に示したシミュレートしたMoOClである。
図7】記載した方法の示差走査熱量測定(STA-DSC)と組み合わせた同時熱重量分析である。このデータは、融点が、LiCl/KCl共晶単独とはわずかに異なる温度で生じることを示している。
【発明を実施するための形態】
【0007】
第1の態様では、本発明は、式MO(式中、Mは、モリブデン及びタングステンから選択され、Xは、クロロ、フルオロ、ブロモ、及びヨードから選択され、yは、1又は2であり、zは、2又は4である)の化合物を調製する方法であって、式
の化合物を、式A-X(式中、Aは、周期表の第1族元素、第2族元素、遷移金属、及び主族元素から選択される)の少なくとも1つの化合物と、約200°~約900℃の温度で接触させることを含む、方法を提供する。
【0008】
本明細書に記載されるように、Aは、ハロゲン化物を形成することができる任意の元素であり得る。
【0009】
一実施形態では、Aは、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から選択される。
【0010】
一実施形態では、Aは、リチウム、ナトリウム、及びカリウムから選択される。別の実施形態では、Aは、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ベリリウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、及びクロムから選択される。別の実施形態では、Aは、リチウム又はカリウムである。
【0011】
一実施形態では、Xはクロロである。
【0012】
別の実施形態では、式A-Xの少なくとも1つの化合物は、2つ以上の化合物の混合物であり、特定の実施形態では、前記化合物は、共晶混合物を形成するように選択される。
【0013】
本発明の方法では、式A-Xの化合物と式MOの化合物との相互作用は、A-Xが約200°~約900°の温度範囲にわたって固体状態にある間に生じ得るが、式A-Xの化合物は、共晶ブレンドを形成するアルカリ金属ハロゲン化物及びアルカリ土類金属ハロゲン化物から有利に選択することもできる。このようにして、式A-Xの2つ以上の化合物の共晶ブレンドは、各個々のアルカリ金属ハロゲン化物又はアルカリ土類金属ハロゲン化物の融点よりも低い処理温度で溶融相における本発明の方法の実施を可能にし、同時に、形成された式MOの化合物の昇華を容易にする溶融相反応環境を提供し、次いで、これを除去し、冷却して、純粋な結晶形態を提供することができる。式A-Xの化合物の種々のブレンドは、それが形成されるときに所望の生成物の昇華を容易にするのに十分に高い温度の溶融相を提供すると同時に、適切な反応媒体及びハロゲン化物源を提供するために、様々な割合で選択され得る。特定の実施形態では、個々のアルカリ金属ハロゲン化物及びアルカリ土類金属ハロゲン化物の割合は、約1:1であってもよいが、所望の温度範囲の溶融相反応媒体を提供するために必要なブレンドのいずれかの成分の濃度に応じて、10:1又は1:10の範囲で変化させてもよい。他の実施形態では、式A-Xによって定義される混合物は、式MOの生成物の形成及び昇華のための所望の温度範囲内で溶融相を形成する共晶ブレンドを形成する3つ以上の種を含んでよい。
【0014】
式A-Xの多くの化合物は、“Molten Salts:Volume 4,Part 2 Chlorides and Mixtures-electrical conductance,density,viscosity,and surface tension data”,G.J.Janz et al.,Journal of Physical and Chemical Reference Data 4,871(1975)に記載されているものとともに、以下の実験の項に列挙されるように、共晶ブレンド、例えば、LiCl/KClを形成することが知られている。
【0015】
一実施形態では、式A-Xの化合物は、約357℃の融点を有する共晶混合物を形成する塩化リチウム及び塩化カリウムの混合物であり、約44重量パーセントの塩化リチウム対約56重量パーセントの塩化カリウムの割合である。
【0016】
特定の実施形態では、方法は、大気圧か、又は減圧下のいずれかで、窒素、アルゴンなどの不活性キャリアガスを利用して行われ、そのようなパラメータは、式MO所望の反応生成物の昇華を容易にし、加えて所望の生成物の熱分解を最小限に抑えるように選択される。さらに、一実施形態では、式MOの出発物質の化学量論量は、Yが1であり、Zが4である場合、式MOの化合物のより高い生産をもたらすように選択される。別の実施形態では、式MOの出発物質の化学量論量は、Yが2であり、Zが2である場合、式MOの化合物のより高い生産をもたらすように選択される。さらなる実施形態では、方法は、異なる圧力/温度の組み合わせで所与の種を生成するように圧力及び温度を変化させながら、分別昇華のレジーム下で行われる。このようにして、Y及びZが2である所望の生成物の種を、Yが1であり、Zが4である所望の生成物の種から分離することができ、それぞれが冷却時に純粋な結晶形態を形成する。
【0017】
第2の態様では、本発明は、結晶形態の式MOを有する化合物であって、Mは、モリブデン及びタングステンから選択され、Xは、クロロ、フルオロ、ブロモ、及びヨードから選択され、yは、1又は2であり、zは、2又は4である、化合物を提供する。
【0018】
一実施形態では、式MOの化合物はMoOClである。
【0019】
別の実施形態では、式MoOClの化合物の結晶形態は、図1に示されるような結晶構造を有する。この結晶形態のMoOClは無水である。別の実施形態では、式MoOClの化合物の結晶形態は、斜方晶系の結晶系を有し、単位格子の寸法は約
a=13.552(5)Å α=90°
b=5.456(2)Å β=90°
c=5.508(2)Å γ=90°である。
【0020】
式MoOClの化合物の結晶形態におけるおおよその結合長は、以下のように決定された。
Mo--Cl 2.278(2)Å
Mo--O 1.706(5)~2.239(5)Å
Cl--Mo--Cl 151.78(7)Å
O--Mo--O 79.08~102.90Å
【0021】
本明細書で使用される場合、「単位格子」という用語は、結晶のパターンの単位を完全に表す、結晶の最小及び最も単純な体積要素を指す。単位格子の寸法は、寸法a、b、及びc並びに角度α、β、及びγの6つの数字によって定義される。結晶は、多数の単位格子が効率的に充填されたアレイである。
【0022】
本明細書で使用される場合、「斜方晶系単位格子」という用語は、a≠b≠c、α=β=γ=90°である単位格子を指す。
【0023】
本明細書で使用される場合、「結晶格子」は、単結晶X線回折分析によって決定される、充填された単位格子の頂点によって定義される点のアレイを指す。
【0024】
本明細書で使用される場合、「空間群」は、単位格子の対称性を指す。空間群表記(例えば、C2)では、大文字は格子タイプを示し、他の記号はその外観を変えることなく単位格子に対して実行できる対称操作を表す。
【0025】
別の実施形態では、MoOClの結晶形態は、12.94、23.64、26.10、39.50、及び/又は40.28±0.04度の2θに1つ以上のピークを有する粉末XRDパターンを示す。さらなる実施形態では、MoOClの結晶形態は、図5に示す粉末XRDパターンを有する。別の実施形態では、結晶性MoOClは、表4に列挙された単結晶単位格子パラメータから決定される1つ以上のピークを有する粉末XRDパターンを有する。
【0026】
別の実施形態では、結晶形態の式MOの化合物は、WOClである。
【0027】
本発明は、その特定の実施形態の以下の実施例によってさらに例示することができるが、これらの実施例は、単に例示の目的のために含まれ、特に明記しない限り本発明の範囲を限定することを意図しないことが理解されよう。
【実施例
【0028】
実施例1.MoOClの合成
塩化リチウム及び塩化カリウムの混合物(44/56重量)を、ステンレス鋼アンプル中でMOと合わせ、減圧下(20mTorr)で排気した。アンプルを管状炉内で475℃に加熱した。得られたMoOCl蒸気を、丸底フラスコを備えたショートパス管(short-path tube)を介して回収した。FTIR及びSTA分析は、MoOClの合成を支持した。
表1.4(記載した方法を使用して合成したMoOClに関するICP-MSデータ。データは百万分率(ppm)で報告した。)
【0029】
表2 MoOClの結晶データ及び構造精密化
識別コード NB00657
実験式 ClMoO
式量 198.84
温度 100.0K
波長 0.71073Å
結晶系 斜方晶系
空間群 Cmc21
単位格子寸法 a=13.552(5)Å α=90°である。
b=5.456(2)Å β=90°である。
c=5.508(2)Å γ=90°である。
体積 407.2(3)Å3
Z 4
密度(計算値) 3.243Mg/m3
吸光係数 4.342mm-1
F(000) 368
結晶サイズ 0.27x0.22x0.2mm3
データ収集のためのθ範囲 3.006~28.284°.
指数範囲 -17<=h<=17、-7<=k<=5、-7<=l<=7
収集された反射 1579
独立反射 523[R(int)=0.0274]
θ完全性=25.500° 100.0%
吸収補正 等価物から半経験的
最大及び最小透過率 0.2627及び0.1831
精密化法 F2でのフルマトリックス最小二乗法
データ/拘束/パラメータ 523/1/28
での適合度 1.144
最終的なRインデックス[I>2sigma(I)] R1=0.0216、wR2=0.0540
Rインデックス(すべてのデータ) R1=0.0234、wR2=0.0556
絶対構造パラメータ 0.12(5)
減衰係数 n/a
最大微分ピーク及びホール 1.383及び-0.853e.Å-3
【0030】
表3.MoOClの結合長[Å]及び角度[°]。
________________________________________
Mo(1)-Cl(1)#1 2.2783(17)
Mo(1)-Cl(1) 2.2783(17)
Mo(1)-O(1) 1.715(5)
Mo(1)-O(1)#2 2.234(6)
Mo(1)-O(2) 1.706(5)
Mo(1)-O(2)#3 2.239(5)
Cl(1)#1-Mo(1)-Cl(1) 151.78(7)
O(1)#2-Mo(1)-Cl(1) 79.41(4)
O(1)-Mo(1)-Cl(1)#1 98.91(5)
O(1)-Mo(1)-Cl(1) 98.91(5)
O(1)#2-Mo(1)-Cl(1)#1 79.41(4)
O(1)-Mo(1)-O(1)#2 88.36(11)
O(1)#2-Mo(1)-O(2)#3 79.1(3)
O(1)-Mo(1)-O(2)#3 167.4(3)
O(2)-Mo(1)-Cl(1)#1 98.54(5)
O(2)#3-Mo(1)-Cl(1) 78.92(4)
O(2)#3-Mo(1)-Cl(1)#1 78.92(4)
O(2)-Mo(1)-Cl(1) 98.54(5)
O(2)-Mo(1)-O(1) 103.0(4)
O(2)-Mo(1)-O(1)#2 168.6(3)
O(2)-Mo(1)-O(2)#3 89.57(6)
Mo(1)-O(1)-Mo(1)#4 149.9(4)
Mo(1)-O(2)-Mo(1)#5 173.8(4)
________________________________________
同等の原子を生成するために使用される対称変換:
#1-x+1,y,z #2-x+1,-y+1,z+1/2 #3-x+1,-y,z+1/2
#4-x+1,-y+1,z-1/2 #5-x+1,-y,z-1/2
【0031】
表4は、PXRDデータをモデル化及びシミュレートするための市販のソフトウェアを使用した、単位格子(MoOCl結晶構造)を使用してシミュレートされた粉末X線回折(PXRD)スペクトルである。
【0032】
表5は、MoOClを周囲雰囲気に数時間曝露した後に得られた水和MoOClの実験的X線粉末回折を示す。
【0033】
図面及び明細書では、本発明の特定の実施形態が開示されており、特定の用語が使用されているが、それらは一般的及び説明的な意味でのみ使用され、限定の目的では使用されず、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲に記載されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-03-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
MOを有する結晶形態の化合物であって、Mが、モリブデン及びタングステンから選択され、Xが、クロロ、フルオロ、ブロモ、及びヨードから選択され、yが、1又は2であり、zが、2又は4である、化合物。
【請求項2】
Mがタングステンであり、Xがクロロである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式MoO Cl を有する結晶形態の化合物であって図1に示すX線結晶構造を有する化合物。
【請求項4】
斜方晶系の結晶系を有し、約:
a=13.552(5)Å α=90°
b=5.456(2)Å β=90°
c=5.58(2)Å γ=90
の格子定数を有する、請求項に記載の化合物。
【請求項5】
WOClを有する、結晶形態の化合物。
【請求項6】
式MO(式中、Mが、モリブデン及びタングステンから選択され、Xが、クロロ、フルオロ、ブロモ、及びヨードから選択され、yが、1又は2であり、zが、2又は4である)の化合物を調製するための方法であって、式:
の化合物を、式A-X(式中、Aが、第1族元素、第2族元素、遷移金属、及び主族元素から選択される)の少なくとも1つの化合物と、約200~約900℃の温度で接触させることを含む、方法。
【請求項7】
Aが、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ベリリウム、スカンジウム、チタン、バナジウム、及びクロムから選択される、請求項に記載の方法。
【請求項8】
式A-Xの化合物が、塩化リチウム及び塩化カリウムの混合物を含む、請求項に記載の方法。
【請求項9】
式MOの化合物を蒸気として回収し、前記蒸気を冷却し、それによって式MOの化合物の結晶形態を形成することをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項10】
式MOの化合物がMoOClである、請求項に記載の方法。
【国際調査報告】