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特表2022-541423エネルギースケジュールを含むデータ構造、およびエネルギースケジュールを含むデータ構造を提供するための方法
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  • 特表-エネルギースケジュールを含むデータ構造、およびエネルギースケジュールを含むデータ構造を提供するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-26
(54)【発明の名称】エネルギースケジュールを含むデータ構造、およびエネルギースケジュールを含むデータ構造を提供するための方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/06 20120101AFI20220915BHJP
   G06Q 20/38 20120101ALI20220915BHJP
   G06Q 10/04 20120101ALI20220915BHJP
【FI】
G06Q50/06
G06Q20/38 310
G06Q10/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022501288
(86)(22)【出願日】2020-07-10
(85)【翻訳文提出日】2022-03-10
(86)【国際出願番号】 EP2020069664
(87)【国際公開番号】W WO2021009080
(87)【国際公開日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】19186145.9
(32)【優先日】2019-07-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519431812
【氏名又は名称】ヒタチ・エナジー・スウィツァーランド・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】HITACHI ENERGY SWITZERLAND AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロッハー,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ピニョレ,イボンヌ-アンネ
(72)【発明者】
【氏名】オウダロフ,アレクサンドル
【テーマコード(参考)】
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L049AA04
5L049CC06
5L055AA71
(57)【要約】
本発明の局面は、改良されたエネルギースケジュールを含むデータ構造を提供するための方法に関する。当該方法は、電力網への複数の参加者から複数のエネルギー需要要求、エネルギー貯蔵申し出、および/またはエネルギー供給申し出を受けること(110)と、複数の分散型計算ユニットにより、最適化関数を用いて、複数のエネルギー需要要求、エネルギー貯蔵申し出、および/またはエネルギー供給申し出を考慮して、改良されたエネルギースケジュールを決定すること(120)とを含み、改良されたエネルギースケジュールは、少なくとも実質的に最適なエネルギースケジュールであり、さらに方法は、改良されたエネルギースケジュールをデータ構造に付加すること(130)を含む。発明のさらなる局面はデータ構造に関し、特に、当該方法において提供されるデータ構造に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
改良されたエネルギースケジュール(210)を含むデータ構造(200)を提供するための方法であって、
電力網(10a、10b、10c、10d)への複数の参加者から複数のエネルギー需要要求、エネルギー貯蔵申し出、および/またはエネルギー供給申し出を受けること(110)と、
複数の分散型計算ユニット(20a、20b、20c、20d、20e、20f)により、最適化関数を用いて、前記複数のエネルギー需要要求、エネルギー貯蔵申し出、および/またはエネルギー供給申し出を考慮して、前記改良されたエネルギースケジュールを決定すること(120)とを含み、前記改良されたエネルギースケジュール(210)は、少なくとも実質的に最適なエネルギースケジュールであり、さらに
前記改良されたエネルギースケジュール(210)を前記データ構造(200)に付加すること(130)と、
前記電力網(10a、10b、10c、10d)への前記複数の参加者に前記データ構造(200)を提供すること(160)と、
前記電力網(10a、10b、10c、10d)への前記複数の参加者により、前記データ構造(200)を検証すること(170)と、
前記電力網(10a、10b、10c、10d)への前記複数の参加者により、前記改良されたエネルギースケジュール(210)に従ってエネルギーを供給、貯蔵、および/または消費すること(180)とを含む、方法。
【請求項2】
前記複数の分散型計算ユニット(20a、20b、20c、20d、20e、20f)の少なくともサブセットは、前記電力網(10a、10b、10c、10d)への前記複数の参加者の拠点に位置する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記改良されたエネルギースケジュール(210)を決定すること(120)は、
前記複数の分散型計算ユニット(20a、20b、20c、20d、20e、20f)の各々により、前記最適化関数を用いて、前記複数のエネルギー需要要求、エネルギー貯蔵申し出、および/またはエネルギー供給申し出を考慮して、それぞれのエネルギースケジュールを計算することと、
特に前記最適化関数の戻り値に基づいて、前記それぞれのエネルギースケジュールから前記改良されたエネルギースケジュール(210)を選択することとを含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記それぞれのエネルギースケジュールから前記改良されたエネルギースケジュール(210)を選択することは、
前記複数の分散型計算ユニット(20a、20b、20c、20d、20e、20f)の間で前記それぞれのエネルギースケジュールの少なくともサブセットを分配することと、
前記複数の分散型計算ユニット(20a、20b、20c、20d、20e、20f)の間で前記改良されたエネルギースケジュール(210)について一致することとを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記改良されたエネルギースケジュール(210)を決定すること(120)は、
計算タスクを複数の計算サブタスクに分割することと、
前記複数の計算サブタスクの各々を、前記複数の分散型計算ユニット(20a、20b、20c、20d、20e、20f)のそれぞれ1つに割り当てることと、
前記複数の分散型計算ユニット(20a、20b、20c、20d、20e、20f)の前記それぞれ1つにより、前記複数の計算サブタスクの前記各々を実行することとを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の計算ユニットの前記それぞれ1つは、それぞれの複数の計算サブユニットを含み、前記複数の計算サブタスクの前記各々を実行することは、
前記それぞれの複数の計算サブユニットの各々により、前記複数の計算サブタスクの前記各々に対する解を計算することと、
前記それぞれの複数の計算サブユニットによって計算された前記解から少なくとも実質的に最適な解を選択することとを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記データ構造(200)は分散型データ構造であり、特に前記複数の分散型計算ユニット(20a、20b、20c、20d、20e、20f)上に、より特定的には分散型台帳技術に基づいて、さらにより特定的にはブロックチェーン技術に基づいて実装される、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記データ構造は、先行する改良されたエネルギースケジュール(220a)を含む第1のデータブロック(230b)を含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記改良されたエネルギースケジュール(210)を前記データ構造(200)に付加することは、前記改良されたエネルギースケジュールと前記第1のデータブロック(230b)の少なくとも一部のハッシュ(250a)とを含む第2のデータブロック(240)を作成することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
システムオペレータ(40)が、前記データ構造(200)中の前記改良されたエネルギースケジュール(210)に同意するまたはこれを修正すること(140)をさらに含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記システムオペレータ(40)が認証済確認メッセージ(260a)を作成すること(150)と、前記認証済確認メッセージ(260a)を前記データ構造(200)に付加することとをさらに含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の分散型計算ユニット(20a、20b、20c、20d、20e、20f)の少なくともサブセットの各々の前記改良されたエネルギースケジュール(210)を決定するための計算量を決定すること(190)をさらに含む、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、先行する請求項のいずれか1項に記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
コンピュータ実装データ構造(200)であって、
改良されたエネルギースケジュール(210)を含み、
前記改良されたエネルギースケジュールは、最適化関数を用いて、電力網(10a、10b、10c、10d)への複数の参加者からの複数のエネルギー需要要求、エネルギー貯蔵申し出、および/またはエネルギー供給申し出を考慮して、複数の分散型計算ユニット(20a、20b、20c、20d、20e、20f)によって決定され、
前記改良されたエネルギースケジュール(210)は、少なくとも実質的に最適なエネルギースケジュールである、コンピュータ実装データ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、電力網の分野に関し、特に、電力網の制御および/または管理の分野に関する。特に、本発明は、改良されたエネルギースケジュールを含むデータ構造を提供するための方法と、改良されたエネルギースケジュールを含むコンピュータ実装データ構造とに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
電力網において、エネルギー生成ユニット、エネルギー貯蔵ユニット、および/または需要ユニット、特に制御可能な需要ユニット、を含む複数の参加者が存在する。電力網へのこれらの参加者は、この先日など後続の期間のエネルギー需要要求、エネルギー貯蔵申し出、および/またはエネルギー供給申し出をシステムオペレータに送信し得る。システムオペレータは、この情報に基づいて、たとえば、参加者が供給または使用することになるエネルギーの量を決定する後続の期間のエネルギースケジュールを決定する。
【0003】
根底にある最適化問題は、電力網への参加者の数とともに複雑さを増す可能性がある。特に、電力網に参加する分散型エネルギー資源などのエネルギー生産ユニットの数が増加するにつれて、最適なエネルギースケジュールを導出することがますます計算上複雑なタスクになり、システムオペレータによるエネルギースケジュールの集中計算のアーキテクチャは、参加者の数に合わせて規模を拡大縮小することができなくなるかもしれず、その結果、スケジュールが最適にならなくなってしまう。
【0004】
US2018/0165660は、配電網に対する需要を管理するための方法およびシステムを開示する。その中に開示される方法は、暗号通貨の一部分を用いてエネルギー消費装置から要求を受けることを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発明の説明
本発明の目的は、改良されたエネルギースケジュールを含むデータ構造を提供するための方法を提供することである。この方法では、改良されたエネルギースケジュールは、たとえばシステムオペレータのアクセス外にある、特に電力網への複数の参加者の拠点にある複数の分散型計算リソースを利用して、複数の分散型計算ユニットにより、分散された態様で算出される。このように、高度に複雑で、そのためにシステムオペレータが利用可能な計算リソースが不十分な最適化関数の場合にも、少なくとも実質的に最適なエネルギースケジュールを決定し、データ構造において提供することができる。本発明のさらなる目的は、特に、複数の計算ユニットの一部または全部が信頼できない場合でも、分散された態様で、改良されたエネルギースケジュールの安全かつ効率的な取り扱い、たとえば貯蔵および/または分配、を可能にするデータ構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
これらの目的は、独立請求項の主題によって達成される。さらなる例示的な実施形態は、従属請求項および以下の説明から明らかである。
【0007】
本発明の第1の局面は、改良されたエネルギースケジュールを含む、特にコンピュータ実装されるデータ構造を提供するための、特にコンピュータ実装される方法に関する。本方法は、電力網への複数の参加者から複数のエネルギー需要要求、エネルギー貯蔵申し出、および/またはエネルギー供給申し出を受けることと、複数の分散型計算ユニットにより、最適化関数を用いて、複数のエネルギー需要要求、エネルギー貯蔵申し出、および/またはエネルギー供給申し出を考慮して、改良されたエネルギースケジュールを決定することとを含み、改良されたエネルギースケジュールは、特に最適化関数に関して少なくとも実質的に最適なエネルギースケジュールであり、本方法はさらに、改良されたエネルギースケジュールをデータ構造に付加することを含む。電力網への複数の参加者から複数のエネルギー需要要求、エネルギー貯蔵申し出、および/またはエネルギー供給申し出を受けるために、電力網の複数の参加者は、複数のエネルギー需要要求、エネルギー貯蔵申し出、および/またはエネルギー供給申し出を、複数のエネルギー需要要求、エネルギー貯蔵申し出、および/またはエネルギー供給申し出を受けるシステムオペレータに送信し得る。または、複数の分散型計算ユニットは、複数のエネルギー需要要求、エネルギー貯蔵申し出、および/またはエネルギー供給申し出を受け得、次に、特に、複数のエネルギー需要要求、エネルギー貯蔵申し出、および/またはエネルギー供給申し出を互いの間で分配し得る。データ構造は、電力網への複数の参加者に提供される。一例として、これは、特にシステムオペレータが電力網への参加者にデータ構造を送ることによって達成可能であり、または特に分散型データ構造の場合、より特定的には分散型台帳の場合、さらにより特定的にはブロックチェーンの場合、たとえば複数の分散型計算ユニットにより、電力網への複数の参加者がデータ構造に直接アクセスできるようにし得る。データ構造は、特に認証済確認メッセージおよび/または少なくとも先行する改良されたエネルギースケジュールのハッシュ、特に暗号ハッシュを検証することによって、電力網への複数の参加者によって検証され、特に、ハッシュおよび/または認証済確認メッセージは、データ構造、特に第2のデータブロック、において提供され、および/または特に、データ構造は、第1のデータブロックをさらに含む。特に、認証済確認メッセージおよび/またはハッシュの検証が成功すると、電力網への複数の参加者は、改良されたエネルギースケジュールに従ってエネルギーを供給、貯蔵、および/または消費する。
【0008】
本発明の第2の局面は、コンピュータによって実行されると、コンピュータに本発明の第1の局面に従う方法を実行させる命令を含むコンピュータ可読の、特に非一時的な媒体に関する。
【0009】
本発明の第3の局面は、コンピュータ実装されるデータ構造、特に本発明の第1の局面に従う方法において提供されるようなデータ構造に関する。コンピュータ実装データ構造は、改良されたエネルギースケジュールを含む。本明細書では、改良されたエネルギースケジュールは、最適化関数を用いて、電力網への複数の参加者からの複数のエネルギー需要要求、エネルギー貯蔵申し出、および/またはエネルギー供給申し出を考慮して、複数の分散型計算ユニットによって決定され、改良されたエネルギースケジュールは、少なくとも実質的に最適なエネルギースケジュールである。
【0010】
本発明の局面では、改良されたエネルギースケジュールは、後続の日などの後続の期間および/またはたとえば5分から60分の時間間隔の間の、当該期間内にかつ電力網への複数の参加者の少なくともサブセットの各々ごとの、蓄積されるエネルギー、産生されるエネルギー、消費されるエネルギー、電力設定点、送出されるエネルギー、およびユニットコミットメントからなる群のパラメータを含み得る。電力網への参加者は、エネルギー生成ユニット、エネルギー貯蔵ユニット、エネルギー市場オペレータ、および/または需要ユニット、特に制御可能な需要ユニット、を含み得る。実施形態では、分散型計算ユニットは計算サブユニットを含み得る。他の実施形態では、複数の分散型計算ユニットの少なくともサブセット、特にその各々は、電力網への複数の参加者の拠点に位置し得、たとえば、電力網への参加者のための制御ユニットとして機能する。システムオペレータは、特に、公益企業のオペレータ、伝送システムのオペレータ、卸売および/または小売市場オペレータなどのエネルギー市場オペレータ、配電システムのオペレータ、分散型エネルギー資源管理システムのオペレータ、ならびに高度配電管理システムのオペレータからなる群のうちの1つであり得、特に、制御ユニットを含み得るかまたは制御ユニットである。
【0011】
実施形態では、最適化関数を用いて、複数のエネルギー需要要求、エネルギー貯蔵申し出、および/またはエネルギー供給申し出を考慮して、複数の分散型計算ユニットによって改良されたエネルギースケジュールを決定するために、第1の計算方法を用い得る。計算方法は、反復アルゴリズム、発見的アルゴリズム、ラインサーチおよび/または信頼範囲に依拠するアルゴリズム、ゼロ次最適化アルゴリズム、一次最適化アルゴリズム、二次最適化アルゴリズム、ニュートン法、勾配降下法、フランク・ウルフ法、準ニュートン法、劣勾配法、内点法、逐次二次計画法、共役勾配法、楕円体法、同時摂動確率近似法、補間法、パターン探索法、ミームアルゴリズム、差分進化、進化的アルゴリズム、動的緩和、遺伝的アルゴリズム、山登り法、ネルダー・ミード単体ヒューリスティック(simplical heuristic)、粒子群最適化、カッコウ探索、重力探索、人工蜂コロニー最適化、焼きなまし法、確率的トンネリング、テーブル、リアクティブ検索最適化(reactive search optimization)、シンプレックスアルゴリズム、組合せアルゴリズム、量子最適化アルゴリズム、アルファ・ベータ法、分枝限定法、Brussアルゴリズム、連鎖行列積、制約充足、交差エントロピ法、黄金分割探索、ハーモニー探索、内点法、機械学習からなる群のうち少なくとも1つを含み得る。本発明の文脈では、少なくとも実質的に最適なエネルギースケジュールは、最適化関数のグローバルもしくはローカルな極値またはその近似に対応する最適化関数の戻り値を生じ得る。この文脈で、近似とは、正確な値の特に80%以内、より特定的には90%以内、さらにより特定的には95%以内の値を意味し得る。当業者は、充分なエネルギー資源が与えられている限り、最適化関数を用いて、改良されたエネルギースケジュールを決定することを可能にする計算方法、特に第1の計算方法、を設定することを知っている。この発明は、改良されたエネルギースケジュールを決定するために計算リソースを提供することに関するよりも、改良されたエネルギースケジュールを決定するための計算方法の詳細に関する程度がより低い。
【0012】
実施形態では、本発明の局面は、分散型台帳技術、特にブロックチェーン技術に基づき得る。実施形態では、改良されたエネルギースケジュールを決定することは、最適化関数を用いて、複数のエネルギー需要要求、エネルギー貯蔵申し出、および/またはエネルギー供給申し出を考慮して、複数の分散型計算ユニットの各々によってそれぞれのエネルギースケジュールを計算することと、特に最適化関数の戻り値に基づいて、特に複数の分散型計算ユニットの間での特に合意メカニズム(concensus mechanism)を用いて、それぞれのエネルギースケジュールから改良されたエネルギースケジュールを選択することとを含み得る。一例として、計算期間後に最適化関数の最高もしくは最低の戻り値を生じるそれぞれのエネルギースケジュールのうちの1つを改良されたエネルギースケジュールとして選択し得るか、または所与の閾値を上回るもしくは下回る最適化関数の戻り値を生じるそれぞれのエネルギースケジュールのうちの最初に計算された1つを改良されたエネルギースケジュールとして選択し得る。換言すると、それぞれのエネルギースケジュールは、複数の分散型計算ユニットの間での合意メカニズム内のプルーフオブワークを表し得る。実施形態では、改良されたエネルギースケジュールとして選択されたそれぞれのエネルギースケジュールを計算した複数の分散型計算ユニットのうちの1つは、改良されたエネルギースケジュールをデータ構造に付加し得る。実施形態では、それぞれのエネルギースケジュールから改良されたエネルギースケジュールを選択することは、それぞれのエネルギースケジュールの少なくともサブセットを複数の分散型計算ユニットの間で分配することと、改良されたエネルギースケジュールについて複数の分散型計算ユニットの間で一致することとを含み得る。本明細書中で、複数の分散型計算ユニット間で一致することは、複数の分散型計算ユニットの間での合意メカニズム内にあり得、それぞれのエネルギースケジュールはプルーフオブワークを表す。
【0013】
実施形態では、改良されたエネルギースケジュールを決定することは、計算タスクを複数の計算サブタスクに分割することと、複数の計算サブタスクの各々を複数の分散型計算ユニットのそれぞれ1つに割り当てることと、複数の分散型計算ユニットのそれぞれ1つによって複数の計算サブタスクの各々を実行することとを含み得る。本明細書中で、計算タスクは、改良されたエネルギースケジュールを決定することの基礎となり得る。計算タスクを複数の計算サブタスクに分割するために、第2の計算方法を採用し得る。第2の計算方法は、たとえば分割統治法を含み得る。実施形態では、複数の計算サブタスクの少なくともサブセットの各々は、電力網のそれぞれの下位ネットワークのみに関し得る。それぞれの下位ネットワークは、電力網のトポロジに基づいて決定される。加えてまたは代替的に、最適化関数を複数の部分最適化関数に分割してもよく、複数の部分最適化関数の各々は、複数の計算サブタスクのそれぞれ1つに対応する。実施形態では、複数の計算ユニットのそれぞれ1つは、それぞれの複数の計算サブユニットを含み得る。複数の計算サブタスクの各々を実行する中で、それぞれの複数の計算サブユニットの各々は、複数の計算サブタスクの各々に対する解を計算し、それぞれの複数の計算サブユニットが計算した解からの少なくとも実質的に最適な解が、たとえば複数の計算サブタスクの各々の出力として選択される。最小の実質的に最適な解を選択することは、特に、それぞれの部分最適化関数の戻り値に基づき得る、および/またはそれぞれの複数の計算サブユニットの間での合意メカニズム内にあり得る。合意メカニズムは、特に分散型台帳および/またはブロックチェーン技術に基づく。一例として、計算期間後にそれぞれの部分最適化関数の最高もしくは最低の戻り値を生じる少なくとも実質的に最適な解を選択し得るか、または所与の閾値を上回るもしくは下回るそれぞれの部分最適化関数の戻り値を生じる解のうちの最初に計算された解を選択し得る。本発明の文脈で、少なくとも実質的に最適な解は、部分最適化関数のグローバルもしくはローカルな極値またはその近似に対応するそれぞれの部分最適化関数の戻り値を生じ得る。この文脈で、近似とは、正確な値の特に80%以内、より特定的には90%以内、さらにより特定的には95%以内の値を意味し得る。当業者は、計算タスクを複数の計算サブタスクに分割することを可能にする計算方法、特に第2の計算方法を設定することを知っている。この発明は、複数の計算サブタスクの各々を解くために計算リソースを提供することに関するよりも、計算タスクを複数の計算サブタスクに分割するための計算方法の詳細に関する程度がより低い。
【0014】
実施形態では、特にコンピュータ実装されるデータ構造は分散型データ構造であり、特に複数の分散型計算ユニット上に、および/または分散型台帳技術に基づいて、特にブロックチェーン技術に基づいて、実装される。換言すると、特にコンピュータ実装されるデータ構造は、分散型台帳、特にブロックチェーンであることができる。本明細書中で、ブロックチェーンは、複数の計算ユニット上に分散される不変的な分散型台帳であり得る。
【0015】
実施形態では、コンピュータ実装データ構造は、たとえば先行する期間の改良されたエネルギースケジュールなどの先行する改良されたエネルギースケジュールを含む第1のデータブロックを含む。実施形態では、本方法は、改良されたエネルギースケジュールと、第1のデータブロックの少なくとも一部のハッシュ、特に暗号ハッシュ、とを含む第2のデータブロックを作成することを含み得る。第1のデータブロックの少なくとも一部は、先行する改良されたエネルギースケジュール、第1のデータブロックのヘッダ、および/または認証済確認メッセージを含み得る。
【0016】
実施形態では、システムオペレータは、データ構造中の改良されたエネルギースケジュールに同意するか、またはこれを修正し得る。たとえば、システムオペレータは、たとえば、制約を満たすことに対して、および/または最適化関数の対応する戻り値に対して、改良されたエネルギースケジュールを照合し得る。改良されたエネルギースケジュールを修正するために、システムオペレータは、データ構造中の改良されたエネルギースケジュールをそれぞれのエネルギースケジュールの別のもので置き換え得るか、またはシステムオペレータが利用可能な計算リソースを用いて新たな改良されたエネルギースケジュールを計算し、次にデータ構造中の改良されたエネルギースケジュールを新たな改良されたエネルギースケジュールで置き換え得る。
【0017】
実施形態では、システムオペレータは、認証済確認メッセージを作成し、認証済確認メッセージをデータ構造に、特にデータ構造中のデータブロックに、付加し得る。データブロックは、改良されたエネルギースケジュールを含み、特に第2のデータブロックである。これにより、システムオペレータは、改良されたエネルギースケジュールに同意すること、および/または改良されたエネルギースケジュールを修正したことを確認し得る。
【0018】
実施形態では、本方法は、改良されたエネルギースケジュールを決定するための複数の分散型計算ユニットの少なくともサブセットの各々の計算量を決定することと、特に、計算量を報酬の基礎として用いることとをさらに含み得る。本明細書中では、複数の分散型計算ユニットの少なくともサブセットは、改良されたエネルギースケジュールとして選択されたそれぞれのエネルギースケジュールを計算した複数の分散型計算ユニットのうちの1つであり得るか、またはそれを含み得る。
【0019】
実施形態では、最適化関数の目的は、再生可能エネルギーなどのあるエネルギー生成種類の最大限の利用、CO2排出量の削減、グリッド動作の安定化、コスト最小化からなる群のうちの少なくとも1つを含む。最適化関数は、グリッド構成要素に対する負荷、節点電圧(nodal voltage)、予備力の利用可能性、および/またはシステム慣性、短絡容量などの電力網の局面に関する制約、ならびに/またはランプレート、開始時間、および/もしくは停止時間などの電力網への複数の参加者の局面に関する制約を含み得る。
【0020】
本発明のこれらおよびその他の局面は、以下に記載される実施形態から明らかになり、かつそれらを参照して解明されるであろう。
【0021】
本発明の主題は、添付の図面に示される例示的な実施形態を参照して以下の本文においてより詳細に説明される。
【0022】
図面において使用する参照符号およびそれらの意味を参照符号の一覧に要約形態で列挙する。原則として、図中の同一部分には同じ参照符号を付与する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の局面を適用することができる例示的なシステムを概略的に示す。
図2】本発明の第1の局面の例示的な実施形態を概略的に示す。
図3】本発明の第1の局面の例示的な実施形態を概略的に示す。
図4】本発明の第2の局面の例示的な実施形態を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
例示的な実施形態の詳細な説明
本発明は、例示的な実施形態が示される図面を参照してより詳細に説明される。
【0025】
図1は、本発明の局面を適用することができる例示的なシステムを概略的に示す。このシステムは、参加者10a、10b、10c、10dを有する電力網30を含む。電力網へのこれらの参加者10a、10b、10c、10dは、エネルギー生成ユニット、エネルギー市場オペレータ、エネルギー貯蔵ユニット、および/または需要ユニット、特に制御可能な需要ユニット、を含み得る。エネルギー生成ユニットは、たとえば、太陽光発電所、風力発電所、ディーゼル発電機などの分散型エネルギー資源を含み得る。エネルギー貯蔵ユニットは、たとえば、電池エネルギー貯蔵装置、電熱エネルギー貯蔵装置、および/またはフライホイールなどの機械的エネルギー貯蔵装置を含み得る。エネルギー市場オペレータは、電力網の多数のさらなる参加者を代表し得、それに代わって働き得、および/またはそれに代わって機能し得る。システムは、分散型計算ユニット20a、20b、20c、20d、20e、および20fをさらに含む。複数の分散型計算ユニットのサブセット20a、20b、20c、20dは、電力網への複数の参加者10a、10b、10c、10dの拠点に位置し、電力網への複数の参加者10a、10b、10c、10dの少なくともサブセットのための制御ユニットとして機能し得る。システムは、広域ネットワークなどの通信ネットワーク50をさらに含み得る。分散型計算ユニット20a、20b、20c、20d、20e、および20fは、通信ネットワークに通信可能に結合され得る。加えて、実施形態では通信ネットワーク50にも通信可能に結合されるシステムオペレータ40が存在し得る。
【0026】
図2は、本発明の第1の局面の例示的な実施形態をフロー図によって概略的に示す。本明細書中で、方法要素110は、電力網への複数の参加者から複数のエネルギー需要要求、エネルギー貯蔵申し出、および/またはエネルギー供給申し出を受けることを含む。方法要素120は、複数の分散型計算ユニット20a、20b、20c、20d、20e、20fにより、最適化関数を用いて、複数のエネルギー需要要求、エネルギー貯蔵申し出、および/またはエネルギー供給申し出を考慮して、改良されたエネルギースケジュール210を決定することを含み、改良されたエネルギースケジュール210は、少なくとも実質的に最適なエネルギースケジュールである。方法要素130は、改良されたエネルギースケジュール210をデータ構造200に付加することを含む。
【0027】
図3は、本発明の第1の局面のさらなる例示的な実施形態をフロー図によって概略的に示す。方法要素110、120、および130に加えて、この実施形態は、さらなる方法要素140、150、160、170、および180を含む。方法要素140は、システムオペレータ40がデータ構造200中の改良されたエネルギースケジュール210に同意することまたはこれを修正することを含む。方法要素150は、システムオペレータ40が認証済確認メッセージ260aを作成することと、認証済確認メッセージ260aをデータ構造200に付加することとを含む。方法要素160は、電力網への複数の参加者10a、10b、10c、10dにデータ構造200を提供することを含む。方法要素170は、電力網への複数の参加者10a、10b、10c、10dによってデータ構造200を検証することを含む。方法要素180は、改良されたエネルギースケジュール210に従って、電力網への複数の参加者10a、10b、10c、10dによってエネルギーを供給、貯蔵、および/または消費することを含む。
【0028】
図4は、本発明の第2の局面に従うデータ構造200の例示的な実施形態を概略的に示す。データ構造200は、特にブロックチェーンであり得、第2のデータブロック240を含み得る。第2のデータブロック240は、改良されたエネルギースケジュール210と、認証済確認メッセージ260aと、第1のデータブロック230a中の先行する改良されたエネルギースケジュール220aの暗号ハッシュ250aとを含む。第2のデータブロック240はヘッダをさらに含み得る。データ構造200は、第1のデータブロック230a、230bをさらに含み得る。第1のデータブロック230aは、第1のデータブロック230b中の先行する改良されたエネルギースケジュール220bに対する暗号ハッシュ250bを含み得、第1のデータブロック230bは、それ自体、さらなる第1のデータブロック中の先行する改良されたエネルギースケジュールに対する暗号ハッシュ250cを含み得る。このようにして、ブロックチェーンが作成される。第1のデータブロック230a、230bは、認証済確認メッセージ260bおよび260cをそれぞれさらに含み得る。
【0029】
本発明の文脈で、計算ユニットは、プロセッサと、メモリと、記憶装置とを含む任意の種類の計算装置であり得る。
【0030】
図面および前述の説明に発明を詳細に記載しているが、そのような説明は、例示的または説明的であり、限定的ではないと考えられるべきである。開示された実施形態に対する変形は、図面、開示、および添付の請求項の検討から、当業者および請求される発明を実施する者によって理解および実施が可能である。用語「含む(comprising)」は他の要素またはステップを除外せず、不定冠詞「a」または「an」は複数を除外しない。ある要素またはステップが別個の請求項に記載されているという単なる事実は、これらの要素またはステップの組み合わせを有利に用いることができないことを示すものではなく、具体的には、実際の請求項の従属関係に加えて、任意のさらなる意味のある請求項の組み合わせが開示されるとみなされるべきである。
【符号の説明】
【0031】
参照符号の一覧
10a、10b、10c、10d 電力網への参加者
20a、20b、20c、20d、20e、20f 計算ユニット、複数の計算ユニット
30 電力網
40 システムオペレータ
50 通信ネットワーク、広域ネットワーク
200 データ構造、コンピュータ実装データ構造
210 改良されたエネルギースケジュール
220 先行する改良されたエネルギースケジュール
230 第1のデータブロック
240 第2のデータブロック
250a、250b、250c、250d ハッシュ、暗号ハッシュ
260a、260b、260c、260d 認証済確認メッセージ
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-04-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
改良されたエネルギースケジュール(210)を含むデータ構造(200)を提供するための方法であって、
電力網(10a、10b、10c、10d)への複数の参加者から複数のエネルギー需要要求、エネルギー貯蔵申し出、および/またはエネルギー供給申し出を受けること(110)と、
複数の分散型計算ユニット(20a、20b、20c、20d、20e、20f)により、最適化関数を用いて、前記複数のエネルギー需要要求、エネルギー貯蔵申し出、および/またはエネルギー供給申し出を考慮して、前記改良されたエネルギースケジュールを決定すること(120)とを含み、前記改良されたエネルギースケジュール(210)は、少なくとも実質的に最適なエネルギースケジュールであり、さらに
前記改良されたエネルギースケジュール(210)を前記データ構造(200)に付加すること(130)と、
前記電力網(10a、10b、10c、10d)への前記複数の参加者に前記データ構造(200)を提供すること(160)と、
前記電力網(10a、10b、10c、10d)への前記複数の参加者により、前記データ構造(200)を検証すること(170)と、
前記電力網(10a、10b、10c、10d)への前記複数の参加者により、前記改良されたエネルギースケジュール(210)に従ってエネルギーを供給、貯蔵、および/または消費すること(180)とを含む、方法。
【請求項2】
前記複数の分散型計算ユニット(20a、20b、20c、20d、20e、20f)の少なくともサブセットは、前記電力網(10a、10b、10c、10d)への前記複数の参加者の拠点に位置する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記改良されたエネルギースケジュール(210)を決定すること(120)は、
前記複数の分散型計算ユニット(20a、20b、20c、20d、20e、20f)の各々により、前記最適化関数を用いて、前記複数のエネルギー需要要求、エネルギー貯蔵申し出、および/またはエネルギー供給申し出を考慮して、それぞれのエネルギースケジュールを計算することと、
特に前記最適化関数の戻り値に基づいて、前記それぞれのエネルギースケジュールから前記改良されたエネルギースケジュール(210)を選択することとを含む、請項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記それぞれのエネルギースケジュールから前記改良されたエネルギースケジュール(210)を選択することは、
前記複数の分散型計算ユニット(20a、20b、20c、20d、20e、20f)の間で前記それぞれのエネルギースケジュールの少なくともサブセットを分配することと、
前記複数の分散型計算ユニット(20a、20b、20c、20d、20e、20f)の間で前記改良されたエネルギースケジュール(210)について一致することとを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記改良されたエネルギースケジュール(210)を決定すること(120)は、
計算タスクを複数の計算サブタスクに分割することと、
前記複数の計算サブタスクの各々を、前記複数の分散型計算ユニット(20a、20b、20c、20d、20e、20f)のそれぞれ1つに割り当てることと、
前記複数の分散型計算ユニット(20a、20b、20c、20d、20e、20f)の前記それぞれ1つにより、前記複数の計算サブタスクの前記各々を実行することとを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項6】
前記複数の計算ユニットの前記それぞれ1つは、それぞれの複数の計算サブユニットを含み、前記複数の計算サブタスクの前記各々を実行することは、
前記それぞれの複数の計算サブユニットの各々により、前記複数の計算サブタスクの前記各々に対する解を計算することと、
前記それぞれの複数の計算サブユニットによって計算された前記解から少なくとも実質的に最適な解を選択することとを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記データ構造(200)は分散型データ構造であり、特に前記複数の分散型計算ユニット(20a、20b、20c、20d、20e、20f)上に、より特定的には分散型台帳技術に基づいて、さらにより特定的にはブロックチェーン技術に基づいて実装される、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記データ構造は、先行する改良されたエネルギースケジュール(220a)を含む第1のデータブロック(230b)を含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記改良されたエネルギースケジュール(210)を前記データ構造(200)に付加することは、前記改良されたエネルギースケジュールと前記第1のデータブロック(230b)の少なくとも一部のハッシュ(250a)とを含む第2のデータブロック(240)を作成することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
システムオペレータ(40)が、前記データ構造(200)中の前記改良されたエネルギースケジュール(210)に同意するまたはこれを修正すること(140)をさらに含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記システムオペレータ(40)が認証済確認メッセージ(260a)を作成すること(150)と、前記認証済確認メッセージ(260a)を前記データ構造(200)に付加することとをさらに含む、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記複数の分散型計算ユニット(20a、20b、20c、20d、20e、20f)の少なくともサブセットの各々の前記改良されたエネルギースケジュール(210)を決定するための計算量を決定すること(190)をさらに含む、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
コンピュータによって実行されると、前記コンピュータに、請求項1から12のいずれか1項に記載の方法を実行させる命令を含むコンピュータ可読媒体。
【請求項14】
コンピュータ実装データ構造(200)であって、
改良されたエネルギースケジュール(210)を含み、
前記改良されたエネルギースケジュールは、最適化関数を用いて、電力網(10a、10b、10c、10d)への複数の参加者からの複数のエネルギー需要要求、エネルギー貯蔵申し出、および/またはエネルギー供給申し出を考慮して、複数の分散型計算ユニット(20a、20b、20c、20d、20e、20f)によって決定され、
前記改良されたエネルギースケジュール(210)は、少なくとも実質的に最適なエネルギースケジュールである、コンピュータ実装データ構造。
【国際調査報告】