IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エスイーエス−イマーゴータグの特許一覧

特表2022-541451シェルフサポート用撮像デバイス及び撮像デバイスを有するシェルフシステム
<>
  • 特表-シェルフサポート用撮像デバイス及び撮像デバイスを有するシェルフシステム 図1
  • 特表-シェルフサポート用撮像デバイス及び撮像デバイスを有するシェルフシステム 図2
  • 特表-シェルフサポート用撮像デバイス及び撮像デバイスを有するシェルフシステム 図3
  • 特表-シェルフサポート用撮像デバイス及び撮像デバイスを有するシェルフシステム 図4
  • 特表-シェルフサポート用撮像デバイス及び撮像デバイスを有するシェルフシステム 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-26
(54)【発明の名称】シェルフサポート用撮像デバイス及び撮像デバイスを有するシェルフシステム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/225 20060101AFI20220915BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20220915BHJP
   H04N 5/222 20060101ALI20220915BHJP
   G09F 3/20 20060101ALI20220915BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALN20220915BHJP
【FI】
H04N5/225 100
H04N5/232 030
H04N5/232 300
H04N5/222 100
G09F3/20
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502399
(86)(22)【出願日】2020-07-15
(85)【翻訳文提出日】2022-03-11
(86)【国際出願番号】 EP2020070024
(87)【国際公開番号】W WO2021009244
(87)【国際公開日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】1907973
(32)【優先日】2019-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518030807
【氏名又は名称】エスイーエス-イマーゴータグ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】シュヴァルツ,トーマス
(72)【発明者】
【氏名】レッスル,アンドレアス
【テーマコード(参考)】
5C122
5L049
【Fターム(参考)】
5C122EA63
5C122FK23
5C122GC14
5C122GC52
5C122GD01
5C122GD11
5C122GE01
5C122GE11
5C122HA75
5C122HA82
5C122HB01
5L049BB72
(57)【要約】
本発明は、シェルフサポート用の撮像デバイスであって、前記シェルフサポートは、シェルフ縁部に設置され、前記シェルフサポートに電子ラベルを収容するように構成された収容部を備え、前記撮像デバイスは、前記収容部に着脱自在に嵌合するように構成されたバックサイドと、前記バックサイドに対向するフロントサイドと、前記フロントサイドに面したシェルフの画像を取得する光センサと、一以上の回転軸の周りに前記光センサを回転するように構成されたアクチュエータと、前記画像を保存するように構成されたメモリと、前記画像を画像サーバに送信するように構成された処理ユニットとを有する、撮像デバイスに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェルフサポート用の撮像デバイスであって、前記シェルフサポートは、シェルフ縁部に設置され、前記シェルフサポートに電子ラベルを収容するように構成された収容部を備え、
前記撮像デバイスは、
前記収容部に着脱自在に嵌合するように構成されたバックサイドと、
前記バックサイドに対向するフロントサイドと、
前記フロントサイドに面したシェルフの画像を取得する光センサと、
一以上の回転軸の周りに前記光センサを回転するように構成されたアクチュエータと、
前記画像を保存するように構成されたメモリと、
前記画像を画像サーバに送信するように構成された処理ユニットと
を有する、撮像デバイス。
【請求項2】
前記撮像デバイスは、さらにケーシングを有し、前記ケーシングは、前記フロントサイドと前記バックサイドとを有し、前記メモリ、前記処理ユニットおよび前記光センサは、前記ケーシングの内部に配置される、請求項1に記載の撮像デバイス。
【請求項3】
前記ケーシングは、後退位置と伸長位置との間で移動可能なロック部材を有し、前記ロック部材は、前記伸長位置にあるとき、前記シェルフサポートのロック要素と解放可能に係合するように構成される、請求項2に記載の撮像デバイス。
【請求項4】
前記光センサは、前記光センサの視方向が前記フロントサイドに対して垂直である無影響位置を有する、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の撮像デバイス。
【請求項5】
前記一以上の回転軸は、前記フロントサイドに平行な回転軸を含む、
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の撮像デバイス。
【請求項6】
前記撮像デバイスは、前記光センサと回転するように連結されたホイールをさらに有し、前記アクチュエータは、前記ホイールを回転するように構成され、前記アクチュエータは、好ましくは、角度位置の指示に従って前記ホイールを回転するように構成される、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の撮像デバイス。
【請求項7】
前記撮像デバイスは、前記光センサの前の物体または人の動きを検出するように構成された動きセンサをさらに有する、
請求項1ないし6のいずれか一項に記載の撮像デバイス。
【請求項8】
前記フロントサイドに配置されたスクリーンディスプレイと、
前記スクリーンディスプレイ上の物品情報の表示を制御するように構成されたスクリーンコントローラと
をさらに有する、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の撮像デバイス。
【請求項9】
前記処理ユニットは、管理サーバから起動コマンドを受け取るように構成された通信インターフェースを有し、前記メモリは、前記撮像デバイスに固有のデバイス識別子を登録するように構成され、前記処理ユニットは、受け取った起動コマンド中の前記デバイス識別子を認識するように構成される、
請求項1ないし8のいずれか一項に記載の撮像デバイス。
【請求項10】
前記通信インターフェースは、前記起動コマンドをエンコードした無線周波数信号を受信するように構成された無線周波数回路をさらに有し、前記無線周波数回路は、好ましくは、700メガヘルツないし1,00ギガヘルツの周波数範囲で、または2,40ギガヘルツないし5,0ギガヘルツの周波数範囲で、無線周波数信号を受信するように構成される、請求項9に記載の撮像デバイス。
【請求項11】
前記処理ユニットは、光インジケータによって光学的に伝送される光学コードの識別を、前記光インジケータが可視である一連の画像に基づく画像認識によって行うようにさらに構成される、請求項1ないし10のいずれか一項に記載の撮像デバイス。
【請求項12】
前記処理ユニットは、2,40ギガヘルツないし5,0ギガヘルツの周波数範囲の画像送信信号を介して前記画像を前記画像サーバに送信するように構成される、
請求項1ないし11のいずれか一項に記載の撮像デバイス。
【請求項13】
シェルフ用の、好ましくは販売エリアのゴンドラのシェルフ用のシェルフ撮像システムであって、
シェルフの縁部に沿って延在するように構成されたシェルフサポートであって、シェルフサポート上に電子ラベルを収容するように構成された収容部を備えるシェルフサポートと、
請求項1ないし12のいずれか一項に記載の撮像デバイスであって、前記撮像デバイスのバックサイドは、前記シェルフサポートの前記収容部に取り外し可能に嵌合するように構成される、撮像デバイスと、
前記撮像デバイスによって送信された画像を受信するように構成された画像サーバと
を有する、シェルフ撮像システム。
【請求項14】
画像取得の方法であって、請求項1ないし12のいずれか一項に記載の撮像デバイスによって実行され、
画像または一連の画像を取得する起動コマンドを受信するステップと、
前記撮像デバイスの光センサにより画像又は一連の画像を取得するステップと、
前記撮像デバイスの処理ユニットにより、取得された画像または一連の画像を画像サーバに転送するステップと
を含む、方法。
【請求項15】
前記撮像デバイスに固有のデバイス識別子が前記撮像デバイスのメモリに登録され、前記処理ユニットは、前記デバイス識別子が前記起動コマンドにエンコードされている結果として画像又は一連の画像を取得するように制御する、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記撮像デバイスの前記光センサは、視方向を有し、前記撮像デバイスは、前記視方向が変位するように、前記光センサを前記光センサの一以上の回転軸の周りに回転するように構成されたアクチュエータをさらに有し、
前記方法は、
モバイルデバイスから受信した無線調整コマンドにより、前記アクチュエータの動きにより、前記視方向を調整するステップを含む、
請求項14又は15のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シェルフ用の電子撮像システムの分野に関し、特にシェルフ内の電子ラベル及び物品のレイアウトを制御するために使用される販売エリアのシェルフ用の撮像システムに関する。
【0002】
本発明は、シェルフサポート内に受け入れられるように適合された撮像デバイス、当該撮像デバイスを有するシェルフシステム、および当該撮像デバイスを使用する画像取得方法に関する。
【背景技術】
【0003】
セールスポイントのシェルフは一般にゴンドラで整理されている。各ゴンドラは、複数の列を有し、各列は、物品の近傍に配置された複数のシェルフラベルを有する。シェルフラベルは、シェルフの先端に沿って配置され、価格、重量当たりの価格、商品名など、販売のために提供される商品に関する情報を表示する。
【0004】
物品情報の更新を容易かつ迅速に行い、運用コストを削減するために、シェルフにおける電子シェルフラベル(以下、「ESL」と呼ぶ)を使用することが広く知られている。一つのESLのスクリーンに表示される物品情報は、低周波、無線周波数、超無線周波数のいずれであれ、無線周波数によって遠隔制御される。
【0005】
ゴンドラの再注文時や季節商品の場合など、販売されている商品のシェルフ内の位置は時が経つにつれて変わることがある。近年、ゴンドラのフェイシング(facing)を現実的に見ることができる「リアログラム(realograms)」を作る努力がなされている。リアログラムは、物品へのシェルフスペースの割り当てに加えられた変更、または物品へのESLの割り当てに加えられた変更を考慮に入れる。従って、リアログラムデータベースは、販売エリアの顧客に見える実際のシェルフの信頼性のある最新の表示を意味する。
【0006】
信頼性があり、完全な再記録データベースを提供することにより、シェルフの前の顧客の位置を考慮した具体的なの販売促進コンテンツ、または販売区域内の物品の地理的位置など、複数の有用な用途の開発が可能となり、販売区域の職員による再仕入れ(re-stocking)および/または製品のピッキングを迅速化することができる。
【0007】
シェルフ内の物品のレイアウトを監視し、リアログラムを完成させるために、販売エリアに撮像システムを設置するオプションがある。撮像システムは、好ましくは、販売エリアのシェルフのリアルタイムビューを提供する。撮像システムによって提供される画像またはビデオに基づいて、空のシェルフスペースの自動検出、ESLの自動検出、実際のフェイシング(real facing)と物品の予想されるフェイシングとの間の適合検証などを含む、いくつかの用途に対して画像処理方法が実行される。
【0008】
最も一般的に使用される撮像システムは、天井または販売エリアのその他の戦略的位置に固定されたカメラである。各カメラは、その見える方向がゴンドラに向くように配置される。前記カメラを顧客から隠すために、前記カメラは、販売エリアのピラーの後ろに配置されるか、または模造天井(false ceiling)に配置され得る。
【0009】
天井に吊り下げられた一般的なカメラの使用は、いくつかの問題を引き起こす。
【0010】
カメラに電源を供給するには、特定の配線が必要となる。この配線は現実的ではなく、美的に顧客を満足させるものではない。ハードワイヤ接続は大量で、顧客から隠すのが難しい。さらに、カメラへの十分な電源供給を確実にするために、追加の電気部品が必要とされる場合がある。
【0011】
加えて、提供された画像は、シェルフ内の物品およびESLの配置に関する実際の顧客の知覚と一致しない。顧客が購入する製品を選択する際、顧客はゴンドラに直面する。吊り下げられたカメラは、上方からの視界を提供し、その視界は、主として、地面またはゴンドラの下段に位置する物品を示す。ゴンドラの下段に表示されている物品の画像はより取得しにくい。従って、吊り下げられたカメラは、顧客の実際の視界状態に対応する画像を提供しない。
【0012】
また、カメラは、特に天井に吊るした状態では、売場の担当者が容易にカメラにアクセスできない。カメラの交換や再配置は容易ではありません。これは、さらに、取り付けおよび保守コストを増加させる。
【0013】
さらに、吊り下げカメラは、ハードワイヤード接続またはワイヤレス接続のいずれかを介してサーバに接続しなければならない。前述の問題のいくつかは、無線接続カメラを使用することによって対処することができるが、無線接続は、通常、カメラのゾーンの無線範囲に関して困難な課題を生じ、特にカメラが天井にある場合にそうである。
【発明の概要】
【0014】
以上を踏まえると、販売エリアの通路において、より正確に顧客の視線を反映した位置に配置するのに適した販売エリアの撮像デバイスが必要となる。このようにして、提供された画像または画像のシーケンスは、顧客が実際に見るものを表す。ゴンドラの下段に位置する物品は、必要に応じて見えるようにする必要がある。
【0015】
別の必要性は、より容易に電力を供給できる撮像システムに対して生じる。撮像システムに関連する追加の配線は回避されるべきであり、それにより、撮像システムが、顧客のための販売エリアの一般的な美的な質に対して、より低コストかつより無害なものとしなければならない。
【0016】
別の必要性は、オペレータが容易にアクセスすることができるものとしつつ、しっかりと定位置に保持して悪意のある行為を回避する撮像システムに対するものである。見つかった撮像システムは、容易に交換可能であり、位置変更可能である。
【0017】
解決すべきさらなる問題は、撮像システムによって取得された画像を周囲の通路のレイアウトに適合させ、取得される画像が、特に撮影が必要な特定の要素を表示することである。
【0018】
また、販売エリアのシェルフの画像の取得方法の改善、特にゴンドラのフロントサイドの画像の取得方法の改善も必要である。
【0019】
従って、本発明の第1の目的は、
シェルフサポート用の撮像デバイスであって、前記シェルフサポートは、シェルフ縁部に設置され、前記シェルフサポートに電子ラベルを収容するように構成された収容部を備え、
前記撮像デバイスは、
前記収容部に着脱自在に嵌合するように構成されたバックサイドと、
前記バックサイドに対向するフロントサイドと、
前記フロントサイドに面したシェルフの画像を取得する光センサと、
一以上の回転軸の周りに前記光センサを回転するように構成されたアクチュエータと、
前記画像を保存するように構成されたメモリと、
前記画像を画像サーバに送信するように構成された処理ユニットと
を有する、撮像デバイスである。
【0020】
撮像デバイスがシェルフの縁部に位置することと、撮像デバイスのフロントサイドにある光センサのおかげで、ゴンドラ内にある製品の画像を取得することができる。光センサは、床上に立っている人の視線を正確に反映する方向及び床に対して高さに調節することができる。
【0021】
さらに、撮像デバイスは、電子シェルフラベル(ESL)を収容するのにも適したシェルフサポート内に収容される。撮像デバイスの電源は、電子シェルフラベルの電源と有利に同様である。撮像デバイスへの外部電源供給のための追加の配線は不要である。ESLと販売エリアの中央サーバとの間のデータ通信のための既存のプロトコルもまた、撮像デバイスと通信するために有利に使用される。
【0022】
本発明の撮像デバイスは、シェルフの縁部に沿って延在するシェルフサポートに嵌合するように構成されたバックサイドを有する。撮像デバイスは、サポートから取り外し可能であるため、容易に移動または交換することができる。これにより、販売エリアに設置される撮像デバイスまたは複数の撮像デバイスの設置コストが低下する。
【0023】
本発明の撮像デバイスは、天井の上に吊り下げられたカメラに好適に置き換えられる。前述の理由により、本発明の撮像デバイスは、販売エリアの美観に対する有害性が少なく、設置および保守は、より安価である。
【0024】
上述のシステムは、単独で、または任意の技術的に実現可能な組み合わせで、以下の有利かつ非限定的な特徴を含むことができる:
― 前記撮像デバイスは、さらにケーシングを有し、前記ケーシングは、前記フロントサイドと前記バックサイドとを有し、前記メモリ、前記処理ユニットおよび前記光センサは、前記ケーシングの内部に配置される。
- 前記ケーシングは、後退位置と伸長位置との間で移動可能なロック部材を有し、前記ロック部材は、前記伸長位置にあるとき、前記シェルフサポートのロック要素と解放可能に係合するように構成される。
- 前記光センサは、前記光センサの視方向が前記フロントサイドに対して垂直である無影響位置を有する。
- 前記撮像デバイスは、前記光センサを1つ以上の回転軸の周りに回転させるように構成されたアクチュエータをさらに有する。
- 前記一以上の回転軸は、前記フロントサイドに平行な回転軸を含む。
- 前記撮像デバイスは、前記光センサと回転するように連結されたホイールをさらに有し、前記アクチュエータは、前記ホイールを回転するように構成される。
- アクチュエータは、角度位置の指示に従ってホイールを回転するように構成される。
- 前記撮像デバイスは、前記光センサの前方における物体または人の動きを検出するように構成された動きセンサをさらに備える。
- 撮像デバイスは、フロントサイドに配置されたスクリーンディスプレイと、スクリーンディスプレイ上の物品情報の表示を制御するように構成されたスクリーンコントローラとをさらに有する。
- 前記処理ユニットは、管理サーバから起動コマンドを受け取るように構成された通信インターフェースを有し、前記メモリは、前記撮像デバイスに固有のデバイス識別子を登録するように構成され、前記処理ユニットは、受け取った起動コマンド中の前記デバイス識別子を認識するように構成される。
- 前記通信インターフェースは、前記起動コマンドをエンコードした無線周波数信号を受信するように構成された無線周波数回路をさらに有し、前記無線周波数回路は、好ましくは、700メガヘルツないし1,00ギガヘルツの周波数範囲で、または2,40ギガヘルツないし5,0ギガヘルツの周波数範囲で、無線周波数信号を受信するように構成される。
- 前記処理ユニットは、2,40ギガヘルツないし5,0ギガヘルツの周波数範囲の画像送信信号を介して前記画像を前記画像サーバに送信するように構成される。
- 処理ユニットは、光インジケータによって光学的に伝送される光学コードの識別を、光インジケータが可視である一連の画像に基づいて画像認識によって実行するようにさらに構成される。
【0025】
本発明の第2の目的は、シェルフ用の、好ましくは販売エリアのゴンドラのシェルフ用のシェルフ撮像システムであって、
シェルフの縁部に沿って延在するように構成されたシェルフサポートであって、シェルフサポート上に電子ラベルを収容するように構成された収容部を備えるシェルフサポートと、
上記の撮像デバイスであって、前記撮像デバイスのバックサイドは、前記シェルフサポートの前記収容部に取り外し可能に嵌合するように構成される、撮像デバイスと、
前記撮像デバイスによって送信された画像を受信するように構成された画像サーバと
を有する、シェルフ撮像システムである。
【0026】
シェルフ撮像システムは、有利かつ非限定的に、管理サーバを有し、イメージング・デバイスは、通信インターフェースをさらに有し、管理サーバは、活性化コマンドを、好ましくは無線周波数信号を介して、通信インターフェースに送信するように構成される。
【0027】
本発明の第3の目的は、画像取得の方法であって、上記の撮像デバイスによって実行され、
画像または一連の画像を取得する起動コマンドを受信するステップと、
前記撮像デバイスの光センサにより画像又は一連の画像を取得するステップと、
前記撮像デバイスの処理ユニットにより、取得された画像または一連の画像を画像サーバに転送するステップと
を含む、方法である。
【0028】
上記の方法は、単独で、または技術的に実現可能な組み合わせで、以下の有利かつ非限定的な特徴を含むことができる:
- 前記撮像デバイスに固有のデバイス識別子が前記撮像デバイスのメモリに登録され、前記処理ユニットは、前記デバイス識別子が前記起動コマンドにエンコードされている結果として画像又は一連の画像を取得するように制御する。
- 前記撮像デバイスの前記光センサは、視方向を有し、前記撮像デバイスは、前記視方向が変位するように、前記光センサを前記光センサの一以上の回転軸の周りに回転するように構成されたアクチュエータをさらに有し、
前記方法は、
モバイルデバイスから受信した無線調整コマンドにより、前記アクチュエータの動きにより、前記視方向を調整するステップを含む。
- 取得された画像または画像のシーケンスは、2,40ギガヘルツないし5,0ギガヘルツの周波数範囲の画像送信信号を介して撮像デバイスによって伝送される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明の他の特徴、目的および利点は、単に例示的かつ非限定的である以下の詳細な説明に記載されており、以下の添付図面と併せて読まれるべきである:
図1】販売エリアのシェルフ撮像システムを概略的に示す。
図2図1のシェルフシステムに含まれる本発明の特定の実施形態による撮像デバイスの概略正面図である。
図3図2に示されるA-A線に沿った図2の撮像デバイスの概略側面図である。
図4図1のシェルフ画像システムのシェルフサポートの概略斜視図である。
図5】一実施形態による、画像取得のための方法のステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
下記及び添付図面の説明において、類似の要素は、同一の英数字参照と関連付けられる。
シェルフ撮像システムの一般的なアーキテクチャ
図1は、本発明の一実施形態による、販売領域内に配置されることを意図された情報表示およびシェルフ撮像システム2を示す。
【0031】
このシステムは、販売エリアに配置されるように構成されたシェルフサポート20を有し、複数の電子シェルフラベル4を収容するように構成された収容部21を含む、備える。図1では、明確にするために2つのESLのみを示しているが、シェルフに沿った長さに応じて、シェルフサポートはより多くのESLを収容することができる。サポート2の直線メートル当たり10個以上の電子シェルフラベル4があってもよく、従って、1つの販売エリアで数千個、あるいは数万個の電子シェルフラベルを有することが可能である。
【0032】
ESL4のスクリーンディスプレイ44上に表示される物品情報は、典型的には、電子シェルフラベル4と一意的に関連付けられる物品の製品名、価格、キロ当たりの価格などを含む。その他の情報は、在庫情報などのESL 4によって記憶および/または表示される。
【0033】
販売エリアの売場は、典型的には、ゴンドラに並べられたいくつかの重ね合わせたシェルフで構成され、その上に製品が配置され、販売エリア内の通路(aisles forming passageways)を区切る。各ESLは、同じ物品リファレンスに対応する製品を受け取ることを意図したシェルフの領域に関連付けられている。以下に説明するように、撮像システム2は、顧客が通路に立っているか又は動いているときに、顧客がシェルフ内で実際に見えるものを正確に表す画像及び/又は画像のシーケンスを提供する。
【0034】
シェルフサポート20は、シェルフ3のシェルフ縁部30上に、ナビゲーション通路に面したゴンドラに配置されている。シェルフ縁部30は、ESLを備えた他のシェルフを備えた販売エリアのゴンドラに面していることが好ましい。
【0035】
あるいは、シェルフサポート20は、壁に直接取り付けられたシェルフの上に、または、シェルフサポートをその上に配置することができるシェルフ縁部を備えた任意の種類のシェルフの中に配置することができる。
【0036】
図1において、シェルフサポート20は、撮像デバイス1と共に幾つかのESL4を収容する。この実施例では、撮像デバイス1はESLとしても機能する。換言すれば、撮像デバイス1は、そのスクリーンディスプレイ14があるため、物品情報を表示するのに適している。代替的に、撮像デバイス1は、スクリーンディスプレイなしで提供され得る。
【0037】
言うまでもなく、明確にするために1つの撮像デバイス1のみが示されているが、販売エリアの各シェルフサポートは、2つ以上のこのような撮像デバイスを備えることができる。以下に説明する撮像デバイス1のコンパクトさは、例えば、販売エリアのシェルフ内に規則的に間隔を置いた複数の撮像デバイスを収容することを可能にする。
【0038】
以下に示すように、撮像デバイス1は、シェルフサポートの収容部21に取り外し可能かつ確実に取り付けられるように構成され、後者は、全体的に凹形を有する。この例では、収容部21は、シェルフサポート20の上縁部210と下縁部211との間に延在している。シェルフサポート20は、U字形の横断面を有する。撮像デバイス1のバックサイドは、収容部21に取り外し可能に取り付けられる。また、ESL4は、それぞれのケーシングのバックサイドを介して収容部21に着脱自在に取り付けられる。
【0039】
あるいは、シェルフサポート20は、全体として凸形を備えることができる。例えば、撮像デバイス1のバックサイドは、シェルフサポート20の凸縁部と協働するように適合された凹形状を有することができる。
【0040】
ESL4の物品情報更新の管理は、この例では、中央サーバ6によって処理される。中央サーバ6は、ESL 4のラベル識別子と物品参照情報との間の一意的な関連を含み、各物品参照情報に関する物品情報とをさらに含む物品情報データベース61を備えるか、または、これにアクセスすることができる。中央サーバは、販売エリアに固有であるか、複数の販売エリア(通常は、クラウドのようなインフラを備えた同じチェーン店舗の販売エリア)間で共有される。中央サーバ6は販売エリアの管理サーバである。
【0041】
中央サーバ6は、ESL4に無線周波数命令を送信するように構成され、ESL4は、それらのスクリーンディスプレイ41を変更する。中央サーバ6は、無線周波数コンポーネント60を制御する。例えば、無線周波数コンポーネント60は、別様に「アクセスポイント」と呼ばれる高周波又は超高周波送信機である。以下では、無線周波数コンポーネント60は、2,40ギガヘルツないし5,0ギガヘルツの周波数範囲内の超高周波を介してESL4と通信する。代替的に、又は追加的に、無線周波数コンポーネント60は、700メガヘルツないし1,0ギガヘルツの周波数範囲で放射することができる。販売エリアは、いくつかの無線周波数送信機を含むことができる。中央サーバ6はまた、ファームウェアアップデートをESLおよび/または撮像デバイスに送信するために使用することができる。
【0042】
図1は、さらに、撮像デバイス1との双方向通信のために構成された画像サーバ5を示す。画像サーバ5は、撮像デバイス1によって取得された画像を受信するように構成される。この目的のために、画像サーバ5は、画像を登録するための画像データベース51を備えているか、または、これにアクセスすることができる。画像サーバ5は任意的に、画像処理、例えば、ゴンドラ画像内のESLおよび/または製品および/または空領域の自動認識を実行するように構成される。加えて、画像サーバ5は、好ましくは、画像の取得を制御するために、撮像デバイス1の処理ユニットに命令を送信するように構成される。
【0043】
画像サーバ5と撮像デバイス1との間の無線通信は、好ましくは、例えば2,40ギガヘルツないし5,0ギガヘルツの周波数範囲の無線超高周波接続で行われる。あるいは、前記通信は、例えば、700メガヘルツないし1,0ギガヘルツの高周波を使用する。
【0044】
有利にも、画像サーバ5と撮像デバイス1との間の通信は、販売エリアの1つ以上の無線周波数コンポーネント60を介して実行される。画像サーバ5と中央サーバ6は任意的に同一のものであってもよく、これは、販売エリアインフラストラクチャのコスト及び複雑さ低減の点で有利である。
【0045】
任意的に、シェルフ3のシェルフ縁部30は、通信モジュールを含むESL管理モジュール(図示せず)を備える。ESL管理モジュールの例は、出願人の名前で出願された米国特許出願第2019/0080633A1に開示されている。本文書では、シェルフにはESL管理モジュールが備えられており、ESL収容部の後ろに、シェルフの縁部の長さにわたって延在する導電トレースが設けられている。
【0046】
この管理モジュールにより、中央サーバ6からの命令の受信を管理モジュールレベルで集中化することができる。物品情報の更新は、管理モジュールを介して各ESLに提供することができる。管理モジュールの利点は、電子シェルフラベル4が、5メートル以上、場合によっては1メートル以上の範囲を有する無線通信システムを持たなくてもよいことである。
【0047】
米国特許出願第2019/0080633A1に開示された管理モジュールは、任意的に、電源モジュールが管理モジュールに含まれている場合、ESL4および撮像デバイス1への電源供給を処理することも可能である。シェルフ縁部30の長さにわたって延在する電力線は、電源モジュールをESLの電気コネクタに接続する。
【0048】
任意的に、しかし有利にも、シェルフ撮像システムは、無線接続を介してモバイルデバイス7とインターラクト(interact)するように構成される。モバイルデバイス7は、好ましくは、スマートフォン、タブレットデバイス、または、販売エリアのスタッフメンバーによって使用されるPDAである。
【0049】
モバイルデバイス7は、好ましくは、短距離通信を介して、例えば1ないし10センチメートルの間、例えば5センチメートルの範囲で、撮像デバイス1との接続を確立することができる。撮像デバイス1は、典型的には、NFC (近接場通信)コンポーネントを含み、モバイルデバイス7との通信路は、NFCを介して確立される。NFC通信の周波数は13,56メガヘルツである。NFC通信を使用する利点は、非常に短い通信範囲であり、モバイルデバイス7との通信の精度およびセキュリティを向上させる。モバイルデバイスと撮像デバイスとの間のNFC通信範囲は、典型的には、5センチメートルに等しい。モバイルデバイスは、撮像デバイスとのNFC通信を開始するように、この範囲よりも低い距離に配置されなければならない。ESL4がNFC通信にも適している場合、モバイルデバイスとESLとの間のNFC通信範囲は、好ましくは1ないし10センチメートルである。
【0050】
以下にさらに詳細に説明するように、モバイルデバイス7は、無線調整コマンドを撮像デバイス1の処理ユニットに送信することができ、その結果、撮像デバイスに含まれるアクチュエータが、撮像デバイスの光センサをその視方向を変えるように強制することができる。
【0051】
任意的に、ESL 4の各々は、NFC素子、好ましくは受動NFCチップを含み、モバイルデバイス7および/または他のモバイルデバイスが、NFCを介してラベル識別子を取得し、および/またはESL 4との通信を確立することを可能にする。各ESLにおいて、前記ESLと一意に関連付けられたラベル識別子は、モバイルデバイス7が前記ESLとのNFC短距離通信を開始する際にラベル識別子を読み取ることができるように、NFCチップ内で符号化することができる。
【0052】
さらに、モバイルデバイス7は、任意的に、撮像デバイス1および/またはESL4を地理的に配置するように構成される。この目的のために、モバイルデバイス7は、有利には、ジオロケーションモジュール70を有する。撮像デバイスおよびESLの地理的位置のために、複数の無線周波数ビーコン8が、有利にも販売エリアにわたって拡散される。無線周波数ビーコン8は、無線周波数信号を放射するように構成される。例えば、前記ビーコンは、販売エリアの天井に設置される。前記ビーコンは、典型的には、UWB(「Ultra Wide Band」の略)技術を用いて、500メガヘルツを超える周波数帯域で信号を発信する。
【0053】
代替的に、モバイルデバイスは、撮像デバイス1および/またはESL4を地理的に位置決め(geolocate)するために必要とされない。ジオロケーションモジュールは、撮像デバイスおよび/またはラベルに直接埋め込むことができる。この場合、撮像デバイスまたはESLは、ビーコンから無線周波数信号を受信し、地理的位置決めは、ビーコンネットワークを通して直接行われる。
【0054】
ジオロケーションモジュールは、モバイルデバイスの現在位置に関連する地理的位置データを決定するために、無線周波数ビーコン8から来る無線周波数信号を処理するように構成される。
【0055】
一実施形態では、モバイルデバイス7は、モバイルデバイス7が前記ESLまたは装置に十分近いときに、収集時に、ESLの識別子または撮像デバイスの識別子(例えば、NFCを介して)を取得することができる。次に、モバイルデバイスは、前記収集時に、ジオロケーションモジュール70を介して、無線周波数ビーコン8から無線周波数信号を取得する。次いで、モバイルデバイスは、前記ESLまたは装置のための地理位置データをそれ自体によって決定するか、または受信した無線周波数信号をサーバ(例えば、中央サーバ6)に通信して、前記サーバが地理位置データを決定する。
【0056】
中央サーバ6が、販売エリアのシェルフ内の物品のレイアウトを表すリアログラム(realogram)を管理する場合、決定された地理位置データは、有利にも、対応するESLまたは撮像デバイスに関連して、リアログラムに登録される。
【0057】
代替的に、または無線周波数ビーコンと組み合わせて、光信号を発する照明器具を地理的位置(geolocation)のために使用することができる。照明器具は、一般的には、VLC(「可視光通信」)技術を内蔵している。この場合、モバイルデバイス7のジオロケーションモジュールは、VLC光信号を復号するためのモジュールである。
【0058】
モバイルデバイスのジオロケーションモジュールおよびESLの地理的位置決め(geolocation)の方法は、国際出願WO2018/046701A1にさらに開示されている。
【0059】
代替的に、撮像デバイス1の地理的位置及び/又はESL4の地理的位置は、モバイルデバイス7とは別の他のデバイスによって管理される。
【0060】
撮像システム2は、既に述べたように、従来の電子シェルフラベリングインフラストラクチャ(electronic shelf labelling infrastructure)を利用するので、一般にコストがかからない。撮像デバイス1へのデータ通信および電源供給のためのインフラストラクチャは、電子シェルフラベルのための既存のインフラストラクチャと大部分が相互的にされ得る。さらに、撮像システム2は、容易にスケーラブルであり、通路の所望のレイアウトに適合可能である。
撮像デバイス例
図1に示す撮像デバイスとして用いることができる撮像デバイス1の例を図2の概略正面図に示す。図2のA-A線に沿った撮像デバイス1の概略横断面図を図3に示す。
【0061】
撮像デバイス1は、図2のフロントサイド10から見ている。フロントサイド10は、図3の右側に位置し、フロントサイド10と反対側のバックサイド11も示されている。
【0062】
撮像デバイス1は、処理ユニット12およびメモリ13を含み、光センサ15をさらに含む。処理ユニット、メモリおよび光センサは、典型的には、撮像デバイス1のプリント回路基板(図示せず)上に取り付けられる。
【0063】
撮像デバイス1は、好ましくは、ケーシング18を備える。ここで、ケーシング18は、全体的な平行管形状を有する。ケーシング18は、フロントサイド10、バックサイド11、および他の4つの、通常はより小さいサイドによって制限される。
【0064】
ケーシング18は、有利には、販売エリアのための通常の電子シェルフラベルの寸法に近い寸法を有する。ケーシング18の深さL4は、好ましくは10~30ミリメートルで構成される。ケーシング18の長さL1は、好ましくは、50~100ミリメートルで構成される。ケーシング18の幅L2は、好ましくは、40~80ミリメートルで構成される。
【0065】
通常のビデオカメラと比較して、撮像デバイス1の寸法が小さく、他のESLの中央にあるシェルフサポートに取り付けることができるので、撮像デバイス1は、販売エリアの顧客にとってほとんど見えないようになる。従って、撮像デバイス1は、シェルフの美的品質を損なうことはない。顧客の体験は、シェルフ撮像システムの存在によって妨げられない。
カメラ
画像の取得は、撮像デバイスの光センサ15によって行われる。
【0066】
光センサ15は、典型的には、光学レンズまたは一連のレンズを含むカメラである。光センサ15の焦点距離は、特に、撮像デバイス1が配置されたゴンドラと反対側のゴンドラとの間の距離に応じて調整可能であることが好ましい。言うまでもなく、撮像デバイス1はまた、いくつかの光センサ、例えば、異なる高さまたは異なるゴンドラ領域を標的とするセンサを備えることができる。
【0067】
光センサ15は、撮像デバイスのフロントサイド10に取り付けることができるように小さな寸法を有する。これは、撮像デバイス1が、物品情報又は他の情報を表示するためのスクリーンディスプレイも備えている場合には、顧客が通路から楽に読めるようにするために、スクリーンディスプレイをできるだけ広くする必要があるため、特に重要である。ここで、光センサ15は、長さが1センチメートル未満で幅が1センチメートル未満の平行管(図示せず)に含まれている。光センサ15は、ケーシング18に一体化されており、ESLの通常のケーシングと比較して、ケーシング18の一般的な形状に大きな変更を必要としないことが好ましい。
【0068】
光センサ15の視方向Dは、デフォルトでは、撮像デバイス1が配置されたゴンドラに対向する他のゴンドラのフロントサイドに対して実質的に垂直である。それは、好ましくは、撮像デバイスのフロントサイド10の表面に対して垂直である。光センサ15を介して取得された画像は、通常、前記他のゴンドラに設けられた物品及び/又はシェルフスペース及び/又はESLを、撮像デバイスを収容するシェルフサポートと実質的に同じ高さで表示する。
【0069】
したがって、光センサ15によって取得される画像やビデオは、販売エリアの通路を歩いている人の視線を正確に反映している。
【0070】
撮像デバイスのデフォルト位置は、好ましくは人の視線に対応するが、前記視線に沿って配置されていない他の物品及び/又はシェルフスペース及び/又はESL、又は販売エリアの他の要素は、取得された画像において可視である必要がある場合がある。したがって、光センサ15の視方向Dは、床に対して異なる高さに配置された要素をターゲットにするために、調節可能であることが好ましい。
【0071】
この点に関し、光センサ15は、好ましくは、ケーシング18内の可動サポートに取り付けられる。ここで、図3に示すように、光センサ15はホイール151に固定されている。ホイールは、好ましくは撮像デバイス1のフロントサイド10の表面に平行な回転軸Rを有する。光センサ15はホイール151と回転するように連結されている。
【0072】
さらに、光センサに光が到達できるようにするために、ケーシング18に光学開口152が設けられている。ここで、光学開口152は、ケーシング18のフロントサイド10に設けられる。ホイール151が回転すると、光センサ15が光学開口に面して移動する。
【0073】
ホイール151を回転させるために、アクチュエータ150がここに設けられている。アクチュエータ150は、角度位置の命令に従ってホイール151を移動させるように制御される。命令は、例えば、視方向Dと水平面との間の所望の角度偏差の数値である。ここで、処理ユニット12は、アクチュエータ150と双方向通信するためのアクチュエータ通信インタフェース(図示せず)を備える。
【0074】
代替的に、またはアクチュエータ150と組み合わせて、ホイール151に機械的にリンクされた手動ホイール調整器をケーシング18に設けることができ、その結果、営業担当者は、光センサ15の視方向Dを手動で調整する。
【0075】
撮像デバイスは、好ましくは軸Rに対して垂直である第2の回転軸の周りで光センサ15の回転を可能にする第2のホイール(図面では見えない)を有利に備える。光センサ15もこの第2のホイールに取り付けられる。
撮像デバイスとシェルフサポートとの間の力学および係合
図4は、撮像デバイス1が取り外し可能に嵌合された、シェルフサポート20の部分の概略クローズアップ図である。
【0076】
シェルフサポート20は、その前側で上縁部210と下縁部211との間の収容空間21を含み、シェルフサポートがシェルフ3に固定されるように、シェルフ縁部30と機械的に結合するための要素をその後側に含む。ここで、前記要素は、シェルフ縁部を把持するように構成された略凹形状を有するブラケット24である。後側にはさらに、例えばESL管理モジュールを受けるように働く迫台(abutment)22を備える。
【0077】
シェルフサポート20との取り外し可能な係合のために、撮像デバイス1は、後退位置と伸長位置との間で移動可能なロック要素110を備えることが好ましい。図4の例では、ロック要素110は、撮像デバイス1のケーシング18の上側から突出する格納可能なピンである。ロック要素の後退位置では、ロック要素110は、ケーシングの内部に少なくとも部分的に嵌合され、撮像デバイス1は、収容空間から取り外し可能であるが、伸長位置では、ロック要素110は、シェルフサポートの対応する収容要素に嵌合され得る。撮像デバイス1は、ロック要素110が再び後退位置に切り替えられるまでは、もはや取り外すことができない。対応する要素は、例えば、撮像デバイス1のロック要素と実質的に同じ寸法を有する開口部(orifice)である。シェルフサポート20は、収容空間21に沿った撮像デバイス1の可能な位置が予め決定されるように、幾つかの規則的に間隔を置いた開口部を備えることができる。
【0078】
この場合、上縁部210および下縁部211は、好ましくは、販売員のメンバーが、撮像デバイス1を固定する必要がある位置の収容空間に押し込むことができるように、ある程度の柔軟性を有する材料で作られている。
【0079】
ロック要素110を引き戻し位置と延長位置との間で切り替えることは、典型的には、他の個人が撮像デバイス1を取り外すことを防止するために、販売員のみによって制御可能である。例えば、切り替えはモバイルデバイス7によって制御される。
【0080】
図4の例では、収容空間21にはさらにセパレータプレート23が設けられている。このセパレータプレートは、収容空間の後側を形成する。前記プレートの後方には、電力線および/またはデータ通信線を配置することができる。スルーホール230が撮像デバイスのバックサイドに設けられ、電力線および/またはデータ通信線および電気コネクタ(図示せず)との電気的接触を可能にする。
その他のコンポーネント
処理ユニット12は、ケーシング18内に収容される。この例では、撮像デバイス1は、スクリーンディスプレイ14を備え、処理ユニット12は、スクリーンディスプレイ14のバックサイドと後ろ側11との間の領域に配置される。
【0081】
撮像デバイス1を作動させるためのコード命令は、処理ユニット12にエンコードされ、光センサ15、オプションのスクリーンディスプレイ14、動きセンサ16、および光インジケータ17を制御する。
【0082】
この例では、処理ユニット12は、販売エリアの他のエンティティからの指示を受信するための通信インターフェース120を含む。特に、通信インターフェース120は、中央サーバ6から起動コマンドを受信するように構成される。この起動コマンドを受信すると、光センサ15が起動され、処理ユニット12は、所望の時間に、光センサ15による画像または画像のシーケンスの取得を制御する。
【0083】
中央サーバ6から受け取った起動コマンドは、画像取得を直ちに実行するための命令であり得る。あるいは、起動コマンドは、所定の期間、例えば、アクティブ化コマンドに符号化された期間が経過した後に、画像または画像シーケンスを取得するための命令であってもよい。
【0084】
撮像デバイス1に固有かつ特有のデバイス識別子は、好ましくは、撮像デバイスのメモリ13に格納される。特に撮像デバイス1を対象とした起動コマンドは、前記デバイス識別子を符号化し、処理ユニット12は、受信した起動コマンドの前記デバイス識別子を認識することができる。
【0085】
好ましくは、撮像デバイス1は、光センサ15がより少ないエネルギーを消費するスリープモードと、光センサ15がアクティブであるウェイクアップモードとの間で切り替え可能である。このようにして、画像を取得する必要がないときに消費されるエネルギーが少なくなる。
【0086】
通信インターフェース120は、有利にも、700メガヘルツないし1,00ギガヘルツの超高周波範囲、または2,40ギガヘルツないし5,0ギガヘルツの高周波範囲で、無線周波数信号を受信するように構成された無線周波数回路を備える。
【0087】
通信インターフェース120はまた、好都合にも、画像サーバ5への無線接続を介してデジタル形式で画像または画像シーケンスを送信するように構成される。画像または画像のシーケンスの送信は、特にファイルのサイズが大きい場合は、Wi-Fi接続上で行うことが好ましいが、画像を700メガヘルツないし1,0ギガヘルツの周波数範囲で送信することもできる。
【0088】
上述したように、撮像デバイス1は、有利にも、そのスクリーンディスプレイがあるために、価格および/または物品情報の他の部分を表示するための電子シェルフラベルとしても機能する。これにより、シェルフサポート20内の空間を節約することができ、より多くのESLまたは他のコンポーネントをシェルフサポートの同じ収容空間内に受け入れることができる。
【0089】
この点に関し、撮像デバイス1は、図2で分かるように、フロントサイド10に配置されたスクリーンディスプレイ14と、スクリーンディスプレイ14上の物品情報の表示を制御するように構成されたスクリーンコントローラ(図示せず)とを任意的に含む。スクリーンディスプレイ14は、典型的には、電子インク・ディスプレイ及び/又はLEDディスプレイである。
【0090】
上述したように、スクリーンディスプレイ14は、顧客が表示された情報を安心して読むことができるようにできるだけ大きい。スクリーンの長さ及び幅は、好ましくは、それぞれ、撮像デバイス1の全長の少なくとも50%及び全幅の少なくとも50%に等しい。この例では、スクリーンディスプレイ14は、長さが30ミリメートルから60ミリメートルの間で、幅が15ミリメートルから30ミリメートルの間である。
【0091】
前述のように、撮像デバイス1はスリープモードとウェイクアップモードとの間で切り替え可能であり、かつ、撮像デバイスがスクリーンディスプレイを備えている場合には、スリープモードであっても前記ディスプレイが点灯したままであり、その結果、撮像デバイスによって画像が取得されていなくても、顧客は物品情報を読むことができる。
【0092】
撮像デバイス1が電子シェルフラベルとしても機能する場合、デバイス識別子は、典型的には、販売エリアの中央データベース61内の物品参照情報と一意的に関連付けられるラベル識別子と同じである。
【0093】
物品情報の更新を受信する目的で、撮像デバイス1は、中央サーバ6から物品情報更新を受信するように構成された無線周波数回路(図示せず)、典型的には、光センサ15のための起動コマンドを受信するのと同じ無線周波数回路を含む。
【0094】
この例では、撮像デバイス1は、光センサ15の前方の物体または人物の動きを検出するように構成された動きセンサ16をさらに備える。動きセンサ16は、例えば、赤外線センサである。動きセンサ16は、光センサ15の視野が妨害されたときに画像が取得されないように、停止信号を光センサ15及び/又は画像サーバ5に送ることができる。従って、光センサの視野の妨害に対応する(account for)、取得されたゴンドラ画像のさらなる処理が回避される。
【0095】
動きセンサ16は、好ましくは、光センサ15の近くに配置され、好ましくは、撮像デバイスのフロントサイド10の表面に垂直な軸D’上の障害物(例えば、人との交わり)を検出するように構成される。
【0096】
この例では、撮像デバイス1は、さらに、光インジケータ17を備える。インジケータ17は、ここでは、撮像デバイス1のフロントサイド10の左上隅に設けられている。この光インジケータにより、撮像デバイス1は、撮像デバイス1が配置されたゴンドラの取得画像において、点滅命令(例えば、中央サーバ6の命令)に反応して、より見やすいようにすることができる。撮像デバイス1が一意的な物品参照情報に関連する場合、インジケータ17は、典型的には、中央サーバからコマンドを受信するとすぐに点滅するように構成され、前記物品参照情報に関連するすべてのESLを点滅させる必要がある。
【0097】
ここで、撮像デバイス1は、バッテリ19、例えばリチウムイオン再充電可能バッテリを備える。例えば、バッテリ19は、光センサ15の下のケーシング18の下端部に収容される。バッテリ19は、撮像デバイス1の光センサ15、スクリーンディスプレイ14、処理ユニット12、および任意のその他の電子部品に電力を供給する。
【0098】
別の例では、撮像デバイス1は、シェルフサポートの電力線に接続するための電気コネクタを備える。特に、シェルフ3のシェルフ縁部30にESL管理モジュールが装備されている場合、シェルフ縁部の長さにわたって延在する導電性トレースを設けて、ESL管理モジュールを撮像デバイス1(および任意的にESL4)に接続して、撮像デバイス1に電力を供給することができる。従って、撮像デバイス1は、その電気コネクタを介して電源モジュールに配線される。利点は、シェルフサポートのESLおよび撮像デバイス用の電源が管理モジュールレベルで集中化され、光センサ用および、場合によっては、スクリーン用により多くのスペースがケーシング18内で利用可能であることである。
【0099】
光センサ15の角度位置を調整するための調整コマンドが提供される場合、撮像デバイス1は、外部エンティティから調整コマンドを受信するようにさらに構成される。有利にも、前記外部エンティティは、モバイルデバイス7であり、調整コマンドは、NFCカナル(canal)のような短距離通信カナルを介して送られる。この場合、撮像デバイス1は、パッシブNFCチップまたはループアンテナのようなNFCアンテナのいずれかであるNFCコンポーネント(図示せず)を含む。
【0100】
シェルフ撮像システムが、撮像デバイスを販売エリア内に地理的に配置するように構成されたモバイルデバイス7を含む場合、撮像デバイス1のNFCコンポーネントのメモリは、有利にも、撮像デバイス1の固有デバイス識別子をエンコードする。このようにして、モバイルデバイス7が撮像デバイス1に近接(典型的には1ないし10センチメートル)して移動すると、モバイルデバイス7は固有のデバイス識別子を取得する。次に、モバイルデバイス7のジオロケーションモジュール70によって取得された無線周波数信号またはVLC信号に基づいて、モバイルデバイス7を介して決定された地理的位置データにデバイス識別子を関連付けることが可能である。
【0101】
撮像デバイス1のNFCコンポーネントも、撮像デバイス1のセットアップに有利に使用される。撮像デバイス1がシェルフサポートに取り付けられると、撮像デバイス1とモバイルデバイス7との間のNFC通信によって容易なセットアップ手順が実行される。撮像デバイス1の位置決めデータは、セットアップ手順の間に有利に取得される。
シェルフの画像又は一連の画像の取得方法
図5は、例示的実施形態によるシェルフ画像を取得するための方法50のステップを示す。前記方法は、好都合にも、シェルフサポート20に取り付けられた撮像デバイス1を備える図1のシステムによって実行される。
【0102】
任意的ステップ100において、トリガー事象が発生し、撮像デバイス1による画像又は画像シーケンスの取得を必要となり、典型的には、撮像デバイス1が配置されているゴンドラと反対側のゴンドラの前側の画像の取得の必要となる。
【0103】
例えば、トリガーイベントは、物品情報更新である。前記アップデートは、前記商品参照情報に対応する1つまたは複数の商品が購入されたことを販売エリアのレジシステム(checkout system)が通知したときに、1つまたは複数のESL4のスクリーンディスプレイ44に表示される情報の変更を引き起こす価格情報の変更、および/または商品参照情報に関連する在庫情報の変更を含むことができる。トリガーイベントはまた、ESL 4の光インジケータ17を介して特定の光学コードを送信するESL4に送信されるコマンドであってもよい。光学コードは、典型的には、ESL4のラベル識別子である。
【0104】
あるいは、画像取得のためのトリガーイベントは、中央サーバ6によって発行されるか、または他のサーバ、おそらくクラウド・ネットワーク・インフラストラクチャを介して中央サーバ6に接続されるリモート・サーバによって発行されるタイマである。
【0105】
あるいは、画像取得のためのトリガーイベントは、起動コマンドの画像装置への送信と同時に発生する。例えば、画像取得のトリガーイベントが、複数のESL4に送信される物品情報更新である場合、および、物品情報更新と同じ無線周波数通信プロトコル(例えば、超高周波通信)を介して、無線周波数送信機60によって起動コマンドが撮像デバイス1に送信される場合、取得される画像が物品情報の変化を反映するように、起動コマンドと物品情報更新情報を同時に送信することができる。
【0106】
方法50は、任意的に、画像取得前または画像取得中に、光センサ15の視方向Dの調整を含む。例えば、ホイール151は、図3に示すように、軸Rの周りを回転するようにアクチュエータ150によって制御され、その結果、視方向Dと水平面との間の角度偏差が変化する。調整コマンドは、無線通信を介して、好ましくはモバイルデバイス7とのNFC短距離通信を介して、撮像デバイス1によって受信される。調整コマンドは、角度位置の命令をエンコードする。前記命令は、アクチュエータ150に送信され、後者は、角度位置の命令に従ってホイール151を回転するように作動される。
【0107】
図5に戻ると、方法50は、撮像デバイス1による起動コマンドの受信ステップ200を含む。起動コマンドは、典型的には無線通信を介して、有利にも、700メガヘルツと1,00ギガヘルツとの間の周波数範囲で、または2,40ギガヘルツと5,0ギガヘルツとの間の周波数範囲で、無線周波数送信機60によって撮像デバイス1に送信される。
【0108】
高周波または超高周波通信の利点は、撮像デバイスの反応性が高いことである。
【0109】
次いで、撮像デバイス1による画像の取得または画像のシーケンスは、ステップ300で実行される。画像は、好ましくは、反対側のゴンドラのシェルフ又は複数のシェルフの画像である。画像は、好都合にも、デジタル画像の形態で撮像デバイス1のメモリ13に登録される。
【0110】
ステップ400では、取得した画像またはシーケンスまたは複数の画像が処理ユニット12によって画像サーバ5に送信され、画像データベース51に登録される。上述したように、画像サーバ5と中央サーバ6は、任意的に同一サーバである。
【0111】
ステップ400で取得された画像または画像のシーケンスの伝送は、2,40ギガヘルツないし5,0ギガヘルツのWi-Fi周波数範囲で無線通信により有利に行われる。また、取得したファイルのサイズが大きい場合には、このような超高周波を使用することが有利である。特に、長い画像シーケンスを送信する場合や、取得した画像の解像度が高い場合には、Wi-Fi通信が有効である。あるいは、収集された画像または画像のシーケンスの伝送は、中央サーバ6とESL4との間の通信の周波数に対応する周波数範囲、典型的には700メガヘルツと1,0ギガヘルツとの間で行われる。
【0112】
任意的に、シェルフ撮像システム2が販売員のメンバーによって操作されるモバイルデバイス7を含む場合、取得された画像は、モバイルデバイスのスクリーン上にリアルタイムで表示することができる。このようにして、販売員は、販売エリアの顧客が、画像化されたゴンドラを見るときに、見ることができるものをリアルタイムで制御することができる。販売員は、物品情報の更新および/またはシェルフ中の物品の入手可能な在庫を監視することができる。この場合、取得された画像または画像シーケンスは、画像データベース51からモバイルデバイス7によって抽出されるか、またはモバイルデバイス7に直接送信される。
【0113】
方法50にはいくつかの利点がある。撮像デバイス1は、シェルフ3のシェルフサポート20内の撮像デバイス1の位置により、販売エリアの通路に立つ人の視線を正確に反映した、ある向きと床に対する高さを有する画像を取得することができる。撮像デバイス1の光センサを使用することは、撮像デバイスに対向するゴンドラのフロントサイドの画像を取得するために特に有利であり、それは、撮像デバイスの視方向を前記フロントサイドに対して略垂直にすることができるからである。さらに、動きセンサ16が撮像デバイス1に設けられている場合には、光センサ15の視野が妨げられたときに、画像取得を中断することができ、使えない(unworkable)画像の不必要な取得が回避される。
【0114】
さらに、撮像デバイス1は、シェルフサポート20から取り外し可能であるため、容易に交換、修理、または置き換えることができる。画像取得は、撮像される必要があるゾーンに関して撮像デバイスの正しい位置決めを確認するために、迅速に繰り返すことができる。
【0115】
上述したように、例えば、販売エリアの「アクセスポイント」を介して、物品情報更新の発信と同じ無線周波数送信機を介して、撮像デバイスに対する起動コマンドを送信することが有利である。このようにして、シェルフに配置されたESLの既存の標準インフラストラクチャとの相乗効果が達成される。ESLを位置決めし、ESLに電力を供給するための機械的インフラストラクチャは、データ通信のための無線周波数プロトコルと同様に、撮像デバイスのために再利用される。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】