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特表2022-541475バッテリーパックの積載装置及びこれを用いたバッテリーパック積載方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-26
(54)【発明の名称】バッテリーパックの積載装置及びこれを用いたバッテリーパック積載方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/256 20210101AFI20220915BHJP
【FI】
H01M50/256
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502528
(86)(22)【出願日】2021-03-16
(85)【翻訳文提出日】2022-01-14
(86)【国際出願番号】 KR2021003216
(87)【国際公開番号】W WO2021194147
(87)【国際公開日】2021-09-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0036740
(32)【優先日】2020-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・スン・ジュン
(72)【発明者】
【氏名】スン・ヒ・チェ
(72)【発明者】
【氏名】キ・ソク・スン
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA03
5H040AS07
5H040AT06
5H040AY08
5H040GG00
5H040JJ06
(57)【要約】
本発明はバッテリーパックの積載装置及びこれを用いたバッテリーパック積載方法に関し、より詳しくはバッテリーパック(B)が装着される装着部(100)と、前記装着部のバッテリーパック(B)を所定の角度に回転させる回転部(200)と、前記所定の角度に回転されたバッテリーパック(B)を所定位置に移動させる第1移送部(300)と、前記第1移送部(300)によって移送された前記バッテリーパック(B)をバッテリーラック(500)に移送する第2移送部(400)とを含むことを特徴とするバッテリーパックの積載装置及びこれを用いたバッテリーパック積載方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーパック(B)が装着される装着部(100)と、
前記装着部のバッテリーパック(B)を所定の角度に回転させる回転部(200)と、
前記所定の角度に回転されたバッテリーパック(B)を所定位置に移動させる第1移送部(300)と、
前記第1移送部(300)によって移送された前記バッテリーパック(B)をバッテリーラック(500)に移送する第2移送部(400)と、を含む、バッテリーパックの積載装置。
【請求項2】
前記装着部(100)は、所定の面積を有する固定台(110)、前記固定台(110)の上部に位置し、バッテリーパック(B)の底面と密着する移動台(120)、及び前記固定台(110)と前記移動台(120)を連結する連結軸(130)を含み、前記連結軸(130)は垂直方向に長さ調節が可能である、請求項1に記載のバッテリーパックの積載装置。
【請求項3】
前記移動台(120)は一つ以上の第1回転ローラー(121)を含む、請求項2に記載のバッテリーパックの積載装置。
【請求項4】
前記回転部(200)は、所定の距離で離隔している一対の第1支持部(210)、前記一対の第1支持部(210)の内側にそれぞれ設けられ、360°回転可能な回転板(220)、及び前記回転板(220)の内側に設けられ、前記装着部(100)の前記バッテリーパック(B)の両側を把持して固定するためのグリップ部(221)を含む、請求項1に記載のバッテリーパックの積載装置。
【請求項5】
前記グリップ部(221)は、前記バッテリーパック(B)の幅方向への角部を把持することができるように、互いに向き合う一対の‘コ’字形グリップ部からなる、請求項4に記載のバッテリーパックの積載装置。
【請求項6】
前記グリップ部(221)の内側面には前記バッテリーパック(B)の損傷防止または滑り防止のためのパッド(221’)を備えている、請求項5に記載のバッテリーパックの積載装置。
【請求項7】
前記パッド(221’)は弾性素材からなる、請求項6に記載のバッテリーパックの積載装置。
【請求項8】
前記第1移送部(300)は、移送プレート(310)、前記移送プレート(310)に設けられ、前記装着部(100)の前記バッテリーパック(B)を把持するためのフック(320)、及び前記移送プレート(310)を垂直方向及び水平方向に移動させるための移動軸(330)を含む、請求項1に記載のバッテリーパックの積載装置。
【請求項9】
前記フック(320)は、前記バッテリーパック(B)の対向する幅方向への側面及び底面に密着するように2個が一対を成し、長手方向に沿って複数対のフックが設けられる、請求項8に記載のバッテリーパックの積載装置。
【請求項10】
互いに向き合う一対の前記フック(320)は前記バッテリーパック(B)の幅方向に移動することができる、請求項9に記載のバッテリーパックの積載装置。
【請求項11】
前記第2移送部(400)は、第2支持部(410)、前記第2支持部(410)に連結された棚(420)、及び前記棚(420)の上部に位置する第2回転ローラー(430)を含み、前記棚(420)は垂直方向に高さ調節が可能である、請求項1に記載のバッテリーパックの積載装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の積載装置を使ってバッテリーパック(B)をバッテリーラックに積載する方法であって、
前記バッテリーパック(B)を移動台(120)に装着させる第1段階と、
一対のグリップ部(221)を移動させて、装着された前記バッテリーパック(B)の対向する両端部を固定する第2段階と、
前記移動台(120)を下側に移動させる第3段階と、
前記グリップ部(221)を180°回転させてバッテリーパック(B)の上面が上向になるように前記バッテリーパック(B)を回転させる第4段階と、
前記移動台(120)を元の位置に移動させる第5段階と、
前記一対のグリップ部(221)を元の位置に移動させる第6段階と、
前記第1移送部(300)を作動させて、前記回転されたバッテリーパック(B)を前記第2移送部(400)に移動させる第7段階と、
棚(420)の高さを調節して前記バッテリーラックの収納空間(S)の前方に前記バッテリーパック(B)を位置させる第8段階と、
前記バッテリーラックの前記収納空間(S)に前記バッテリーパック(B)を収納させる第9段階と、を含む、バッテリーパック積載方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2020年03月26日付の韓国特許出願第2020-0036740号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容はこの明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明はバッテリーパックの積載装置及びこれを用いたバッテリーパック積載方法に関し、より詳しくは大重量バッテリーパックの積載の際、安全性及び作業性を改善することができるバッテリーパックの積載装置及びこれを用いたバッテリーパック積載方法に関する。
【背景技術】
【0003】
製品群による適用容易性が高く、高いエネルギー密度などの電気的特性を有する二次電池は携帯用機器だけではなく、電気的駆動源によって駆動する電気車両(EV、Electric Vehicle)またはハイブリッド車両(HEV、Hybrid Electric Vehicle)などに普遍的に応用されている。このような二次電池は化石燃料の使用を画期的に減少させることができるという一次的な利点だけではなく、エネルギーの使用による副産物が全然発生しないという点で、環境に優しく、エネルギー効率性を高めるための新しいエネルギー源として注目されている。
【0004】
現在広く使われる二次電池の種類には、リチウムイオン電池、リチウムポリマー電池、ニッカド電池、ニッケル水素電池、ニッケル亜鉛電池などがある。このような単位二次電池セル、すなわち単位バッテリーセルの作動電圧は約5V~4.5Vである。よって、これより高い出力電圧が要求される場合、複数のバッテリーセルを直列に連結してバッテリーパックを構成することもある。
【0005】
また、バッテリーパックに要求される充放電容量によって多数のバッテリーセルを並列に連結してバッテリーパックを構成することもある。よって、前記バッテリーパックに含まれるバッテリーセルの数は所要出力電圧または充放電容量によって多様に設定することができる。
【0006】
複数のバッテリーセルを直列/並列に連結してバッテリーパックを構成する場合、少なくとも一つのバッテリーセルからなるバッテリーモジュールを先に構成し、このような少なくとも一つのバッテリーモジュールにその他の構成要素を追加してバッテリーパックを構成する方法が一般的である。ここで、少なくとも一つのバッテリーモジュールを含むバッテリーパックは多様な電圧及び容量の要求条件などによって、家庭用または産業用にこのようなバッテリーパックを少なくとも一つ以上含むバッテリーラックを組み合わせて電力貯蔵装置を構成することもある。
【0007】
一方、バッテリーラックにバッテリーパックを積載する前にバッテリーパックを回転、すなわち上面と下面を覆さなければならない場合がある。例えば、複数のバッテリーパックを多層に収納させた後、各バッテリーパックを電気的に連結しなければならない。この際、連結配線の長さを最小化しながら管理を容易にするために連結配線を最大限いずれか一側に集中させる必要があるからである。しかし、一つのバッテリーパックは100kgに近いから、作業者の力のみでは難しく、作業者の力のみでできると言っても事故が発生する可能性が高いから安全性及び作業性に問題が発生することがある。
【0008】
図1は従来技術による回転装置を用いてバッテリーモジュールを回転させることを説明するための斜視図である。図1を参照すると、電池モジュール10を取り囲む第1壁部材21、第2壁部材22、及び第3壁部材23に 電池モジュール10を挿入し、ベアリング部40を用いて壁部材を引っ張って固定部30を中心に電池モジュール10を90°回転させる回転装置を示している。しかし、前記従来技術は電池モジュール10を基準に製作したから、大重量の場合には活用が難しく、特に回転可能な角度が90°に制限されているという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】日本公開特許第2015-149180号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記のような問題点を解決するために、安全性を確保して事故発生率を減少させることができるバッテリーパックの積載装置及びこれを用いたバッテリーパック積載方法を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明は、作業者の疲労度を減少させ、作業時間を縮めることにより、作業効率性を向上させることができるバッテリーパックの積載装置及びこれを用いたバッテリーパック積載方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記のような問題点を解決するための本発明による積載装置は、バッテリーパック(B)が装着される装着部(100)と、前記装着部のバッテリーパック(B)を所定の角度に回転させる回転部(200)と、前記所定の角度に回転されたバッテリーパック(B)を所定位置に移動させる第1移送部(300)と、前記第1移送部(300)によって移送された前記バッテリーパック(B)をバッテリーラック(500)に移送する第2移送部(400)とを含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明による積載装置において、前記装着部(100)は、所定の面積を有する固定台(110)、前記固定台(110)の上部に位置し、バッテリーパック(B)の底面と密着する移動台(120)、及び前記固定台(110)と前記移動台(120)を連結する連結軸(130)を含み、前記連結軸(130)は垂直方向に長さ調節が可能であることを特徴とする。
【0014】
また、本発明による積載装置において、前記移動台(120)は一つ以上の第1回転ローラー(121)を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明による積載装置において、前記回転部(200)は、所定の距離で離隔している一対の第1支持部(210)、前記一対の第1支持部(210)の内側にそれぞれ設けられ、360°回転可能な回転板(220)、及び前記回転板(220)の内側に設けられ、前記装着部(100)の前記バッテリーパック(B)の両側を把持して固定するためのグリップ部(221)を含むことを特徴とする。
【0016】
また、本発明による積載装置において、前記グリップ部(221)は、前記バッテリーパック(B)の幅方向への角部を把持することができるように、互いに向き合う一対の‘コ’字形グリップ部からなることを特徴とする。
【0017】
また、本発明による積載装置において、前記グリップ部(221)の内側面には前記バッテリーパック(B)の損傷防止または滑り防止のためのパッド(221’)を備えていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明による積載装置において、前記パッド(221’)は弾性素材からなることを特徴とする。
【0019】
また、本発明による積載装置において、前記第1移送部(300)は、移送プレート(310)、前記移送プレート(310)に設けられ、前記装着部(100)の前記バッテリーパック(B)を把持するためのフック(320)、及び前記移送プレート(310)を垂直方向及び水平方向に移動させるための移動軸(330)を含むことを特徴とする。
【0020】
また、本発明による積載装置において、前記フック(320)は、前記バッテリーパック(B)の対向する幅方向への側面及び底面に密着するように2個が一対を成し、長手方向に沿って複数対のフックが設けられることを特徴とする。
【0021】
また、本発明による積載装置において、前記互いに向き合う一対のフック(320)は前記バッテリーパック(B)の幅方向に移動することができることを特徴とする。
【0022】
また、本発明による積載装置において、前記第2移送部(400)は、第2支持部(410)、前記第2支持部(410)に連結された棚(420)、及び前記棚(420)の上部に位置する第2回転ローラー(430)を含み、前記棚(420)は垂直方向に高さ調節が可能であることを特徴とする。
【0023】
また、本発明による積載装置を使ってバッテリーパックをバッテリーラックに積載する方法は、前記バッテリーパック(B)を前記移動台(120)に装着させる第1段階と、前記一対のグリップ部(221)を移動させて、装着された前記バッテリーパック(B)の対向する両端部を固定する第2段階と、前記移動台(120)を下側に移動させる第3段階と、前記グリップ部(221)を180°回転させてバッテリーパック(B)の上面が上向になるように前記バッテリーパック(B)を回転させる第4段階と、前記移動台(120)を元の位置に移動させる第5段階と、前記一対のグリップ部(221)を元の位置に移動させる第6段階と、前記第1移送部(300)を作動させて、前記回転されたバッテリーパック(B)を前記第2移送部(400)に移動させる第7段階と、前記棚(420)の高さを調節して前記バッテリーラックの収納空間(S)の前方に前記バッテリーパック(B)を位置させる第8段階と、前記バッテリーラックの前記収納空間(S)に前記バッテリーパック(B)を収納させる第9段階とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によるバッテリーパックを積載するための積載装置及び積載方法によれば、360°の回転が可能な回転板及びグリップ部を備えているので、バッテリーパックを所望角度に安全に回転させることができるという利点がある。
【0025】
また、本発明による積載装置及び積載方法によれば、複数の移送部を備えているので、バッテリーパックを所望位置に安全に移動させることができるという利点がある。
【0026】
さらに、本発明による積載装置及び積載方法によれば、移動ダイの上面に第1ローラーを備えているので、移動ダイに装着されたバッテリーパックの整列が容易であり、また整列の際に摩擦を減らすことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】従来技術による回転装置を用いてバッテリーモジュールを回転させることを説明するための斜視図である。
図2】本発明の好適な実施例によるバッテリーパック積載装置の斜視図である。
図3】本発明の好適な実施例によるバッテリーパック積載装置の回転部の正面図である。
図4】本発明の好適な実施例によるバッテリーパック積載装置の装着部を説明するための断面図である。
図5】本発明の好適な実施例によるバッテリーパック積載装置の回転部を説明するための斜視図である。
図6】本発明の好適な実施例によるバッテリーパック積載装置においてバッテリーパックを回転させる装着部及び回転部の作動を説明するための断面図である。
図7】本発明の好適な実施例によるバッテリーパック積載装置の第1移送部の斜視図である。
図8】本発明の好適な実施例によるバッテリーパック積載装置の第2移送部の斜視図である。
図9】本発明のバッテリーパック積載装置を使ってバッテリーパックをバッテリーラックに積載する方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本出願で、“含む”、“有する”または“備える”などの用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、構成要素、部分品またはこれらの組合せが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらの組合せなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
【0029】
また、図面全般にわたって類似の機能及び作用をする部分に対しては同じ図面符号を使う。明細書全般で、ある部分が他の部分と連結されていると言うとき、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その間にさらに他の素子を挟んで間接的に連結されている場合も含む。また、ある構成要素を含むというとは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0030】
以下、本発明によるバッテリーパックの積載装置及びこれを用いたバッテリーパック積載方法について添付図面を参照して説明する。
【0031】
バッテリーパックの説明において、相対的に長い方向を長手方向と定義し、相対的に短い方向を幅方向と定義する。
【0032】
図2は本発明の好適な実施例によるバッテリーパック積載装置の斜視図、図3は本発明の好適な実施例によるバッテリーパック積載装置の回転部の正面図、図4は本発明の好適な実施例によるバッテリーパック積載装置の装着部を説明するための断面図、図5は本発明の好適な実施例によるバッテリーパック積載装置の回転部を説明するための斜視図である。これらの図2から図5を一緒に参照して説明すると、本発明によるバッテリーパックBの積載装置は、装着部100、回転部200、第1移送部300及び第2移送部400を含む。
【0033】
まず、装着部100は、所定の面積を有する固定台110、固定台110の上部に位置し、バッテリーラックに積載されるバッテリーパックBの底面と密着する移動台120、及び固定台110と移動台120を連結する連結軸130を含む。
【0034】
より詳細に説明すると、固定台110は移動台120を安定的に支持するためのものであり、平板と多数の支持脚または複数のフレームからなることができるが、移動台120を下部で支持することができるものであれば特に制限されない。
【0035】
移動台120はバッテリーパックBが安定的に装着されることができるものであれば形状やサイズは特に制限されないが、バッテリーパックBを所定の角度に回転させるとき、バッテリーパックBの両端部がグリップ部221によって固定されなければならないので、バッテリーパックBの両端部付近には移動台120が位置しないことが好ましく、バッテリーパックBの側面も一緒に支持することができる測板を一緒に備えることがより好ましい。
【0036】
一方、移動台120の上面には一つ以上の第1回転ローラー121を備えている。移動台120の上面にバッテリーパックBを装着させるとき、移動台120の中心とバッテリーパックBの中心が正確に一致しなくても、グリップ部221と密着するときに所定の位置に容易に移動させるためである。
【0037】
一例として、図4(a)に示すように、バッテリーパックBが移動台120のいずれか一側に少し偏って装着されても(X軸方向)、一対の回転板220に連結されたグリップ部221が両側から同じ速度でバッテリーパックBに近付くので、一側に偏った一側端部と先に密着する。このとき、バッテリーパックBの底面は第1回転ローラー121と密着している状況であるので、バッテリーパックBが移動台120に均衡的に位置することができる(図4(b)。
【0038】
このように、第1回転ローラー121はバッテリーパックBが容易に整列されるようにし、さらに整列時の摩擦を最小化することができ、バッテリーパックBの損傷防止及び作業性向上に寄与することができるという利点がある。
【0039】
固定台110と移動台120との間に位置する連結軸130は長さ調節が可能であって移動台120を昇降させるためのものであり(Y軸方向)、昇降運動ができれば連結軸130の構成は特に制限されない。
【0040】
一方、バッテリーパックBは複数の単位モジュールからなり、単位モジュールは1個以上の電池セルが直列または並列に連結されている。ここで、前記のような電池セル、単位モジュール及びバッテリーパックは一般的な構成に相当するので、その具体的な説明は省略する。
【0041】
次に、移動台120に装着されたバッテリーパックBを移動台120の上面を基準に180°回転させるための回転部200について説明する。回転部200は、所定の距離で離隔している一対の第1支持部210と、一対の第1支持部210の内側にそれぞれ備えられ、バッテリーパックBに向かって伸縮することができ、また360°まで回転可能である回転板220とを含む。
【0042】
具体的には、一対の第1支持部210は装着部100を挟んで所定の距離で離隔しており、回転板220を支持する役割を果たす。
【0043】
装着部100に向かうように第1支持部210の内側にそれぞれ設けられている回転板220は、バッテリーパックBの両端部付近を把持して固定するためのグリップ部221と、センサー部222とを含む。具体的には、グリップ部221は、バッテリーパックBの幅方向角部を把持することができるように一対の‘コ’字形グリップ部が回転板220に設けられている。また、グリップ部221の内側面にはパッド221’をさらに備えることが好ましい。これは、グリップ部221がバッテリーパックBの角部を把持して固定するとき、グリップ部221とバッテリーパックBとの間に発生し得るスライドや損傷を防止することができるからである。
【0044】
ここで、パッド221’は前記のような機能を果たすことができれば特に制限されず、所定の弾性と粗さを有する素材、例えばゴムであってもよいが、前記のような機能を果たすことができれば特に限定されない。
【0045】
回転板220の内側中央に位置するセンサー部222はバッテリーパックBの損傷を防止し、さらにグリップ部221がバッテリーパックBを正常に固定したかを判断する。
【0046】
前述したように、グリップ部221が装着された一対の回転板220は両側で同じ速度でバッテリーパックBに近付いてバッテリーパックBの両端部を固定するようになる。この際、回転板220がバッテリーパックB側にあまりに伸長する場合にはバッテリーパックBの端部付近が損傷される可能性があり、反対に十分に身長しない場合にはグリップ部221にバッテリーパックBが正常に固定されないから、場合によって大きな事故につながることがある。
【0047】
しかし、センサー部222を備えていれば前記のような欠点を補うことができる。一例として、センサー部222は圧力を感知することができるボタン状を有することができ、各回転板220に一つ以上装着され、全てのセンサー部222の測定値が所定範囲以内にあれば回転板220の身長を止めるように制御することができる。
【0048】
図6は本発明の好適な実施例によるバッテリーパック積載装置においてバッテリーパックを回転させる装着部と回転部の作動を説明するための断面図である。
【0049】
前述した構成を有する装着部100及び回転部200の作動によって、装着部100に置かれたバッテリーパックBを所定の角度、例えば移動台120に向かっていたバッテリーパックBの一面が上向きになるように180°回転させるための作動方法について説明すると、まず移動台120に装着されているバッテリーパックBの両側面をグリップ部221が密着して把持する(6(a))。ついで、移動台120の連結軸130が下降して(Y軸方向)、バッテリーパックBが回転することができる空間を確保した後(図6(b))、グリップ部221が連結された回転板220が回転してバッテリーパックBを回転させる(図6(c))。
【0050】
最後に、連結軸130が再び上昇して(Y軸方向)元の位置に戻れば、移動台120が回転の終わったバッテリーパックBを支持するようになる(図6(d))。
【0051】
ついで、移動台120に装着されているバッテリーパックBを持ち上げて第2移送部400に移動させるための第1移送部300について説明する。もちろん、第1移送部300は回転の必要なバッテリーパックBを移動台120に移送させるときにも使うことができるというのは言うまでもない。
【0052】
本発明の好適な実施例によるバッテリーパック積載装置の第1移送部の斜視図である図7及び図2を一緒に参照して説明すると、第1移送部300は、移送プレート310、移送プレート310のフック320、及び移送プレート310を垂直及び水平に移動させるための移動軸330を含む。
【0053】
移送プレート310の底面または側面に連結されているフック320は装着部100に装着されたバッテリーパックBをはっきりと把持するためのものであり、側面に設けられる場合には略‘L’字形を有することができる。すなわち、フック320は、バッテリーパックBの幅方向への側面と密着する垂直部321と、バッテリーパックBの幅方向底面と密着する水平部322とからなることができる。
【0054】
前記のようなフック320は、バッテリーパックBを持ち上げた後、所定位置、具体的には第2移送部まで安定的に移動させることができるように、バッテリーパックBの互いに向き合う幅方向への側面と底面に密着するように、2個が一対を成すことが好ましく、バッテリーパックBの長手方向に沿って少なくとも2対を備えることがより好ましい。
【0055】
ここで、バッテリーパックBを把持するかまたはバッテリーパックBを分離させることができるように、各フック320はバッテリーパックBの幅方向に移動することができるというのは言うまでもない。
【0056】
移送プレート310の上部に連結されている移動軸330は移送プレート310を所望の位置に移動させるためのものであり、昇降運動(Y軸方向)だけでなく360°回転も可能である。
【0057】
図8は本発明の好適な実施例によるバッテリーパック積載装置の第2移送部の斜視図である。図8及び図2を一緒に参照して第2移送部400について説明する。
【0058】
第2移送部400は後述するバッテリーラックの収納空間Sの前方までバッテリーパックBを移送するための構成であり、第2支持部410、第2支持部410に連結された棚420、及び棚420の上部に位置する第2回転ローラー430を含む。
【0059】
棚420を支持する第2支持部410は、棚420を所望の高さに位置させるために、昇降チェーン(図示せず)を備えている。棚420の上部の第2回転ローラー430は前述した第1回転ローラー121と同じ構成を有し、バッテリーパックBをバッテリーラック500に収納させるとき、小さな力でもバッテリーパックBを移動させて作業を容易にするためである。
【0060】
一方、バッテリーラック500は、垂直フレーム510と、水平フレーム520とを含み、垂直フレーム510は、一例として略六面体状のバッテリーパックの角部を支持するように、所定の距離で離隔して複数、例えば4個が位置することができるが、必要によっては6個など、その個数はいくらでも変更可能である。
【0061】
水平フレーム520は、複数のバッテリーパックを多段で収納することができるように、垂直フレーム510の内側に位置している。具体的には、水平フレーム520は、垂直フレーム510の内側面に固定される垂直支持部と、垂直支持部の下端から直角に延びた水平支持部とからなる略L字形を有する。
【0062】
前記のような構成を有する水平フレーム520は、バッテリーパックBを収納することができる収納空間S、すなわちバッテリーパックBの底面の縁端が互いに向き合う一対の水平支持部によって支持されるように、垂直フレーム510の高さ方向に沿って所定の間隔で離隔して複数が設けられている。
【0063】
次に、バッテリーパックBをバッテリーラックに積載する方法について説明する。図9は本発明のバッテリーパック積載装置を使ってバッテリーパックをバッテリーラックに積載する方法を説明するためのフローチャートである。
【0064】
図9を参照して説明すると、本発明によるバッテリーパック積載方法は、バッテリーパックBを移動台120に装着させる第1段階、一対のグリップ部221を移動させて前記装着されたバッテリーパックBの両端部を固定する第2段階、移動台120を下側に移動させる第3段階、バッテリーパックBの上面が下向きになるようにバッテリーパックBを回転させる第4段階、移動台120を元の位置に移動させる第5段階、一対のグリップ部221を元の位置に移動させる第6段階、回転されたバッテリーパックBを移動させる第7段階、バッテリーラック500の収納空間Sの前方にバッテリーパックBを位置させる第8段階、及びバッテリーラック500の収納空間SにバッテリーパックBを収納させる第9段階を含む。
【0065】
具体的には、第1段階はバッテリーパックBを移動台120に装着させる段階であり、第1移送部300を用いて別途の場所に保管されているバッテリーパックBを移動台120の上面に装着させる、
第2段階では、一対のグリップ部221を移動させてバッテリーパックBの4角部を把持して固定させる。
【0066】
第3段階では、バッテリーパックBが回転することができる空間を確保することができるように、バッテリーパックBが固定された状態で移動台120を下側に移動させる。
【0067】
第4段階では、一対のグリップ部221を180°回転させてバッテリーパックBも180°回転させ、よってバッテリーパックBの上面が下向きになる。
【0068】
第5段階では、バッテリーパックBからグリップ部221を分離することができるように、移動台120が元の位置に上昇して、180°回転された状態のバッテリーパックBを再び支持する。
【0069】
第6段階では、バッテリーパックBを把持して固定していたグリップ部221を元の位置に移動させる。第7段階では、第1移送部300を用いて、回転された状態のバッテリーパックBを第2移送部400の棚420の上面に位置する第2回転ローラー430に装着させる。
【0070】
第8段階では、第2支持部410の棚420を昇降させて、収納しようとするバッテリーラック500の収納空間Sの前方にバッテリーパックBを位置させる。
【0071】
第9段階では、収納空間Sの前方に位置するバッテリーパックBに力を加えてバッテリーラック500に挿入して積載する。
【0072】
その後、前述した第1段階から第9段階を繰り返し遂行することにより、バッテリーラック500に所望数量のバッテリーパックBを収納させる。
【0073】
以上で本発明の内容の特定部分を詳細に記述したが、当該分野の通常の知識を有する者にこのような具体的技術はただ好適な実施様態であるだけであり、これによって本発明の範囲が制限されるものではなく、本発明の範疇及び技術思想の範囲内で多様な変更及び修正が可能であるというのは当業者に明らかであり、このような変形及び修正が添付の特許請求の範囲に属するというのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0074】
100 装着部
110 固定台
120 移動台
121 第1回転ローラー
130 連結軸
200 回転部
210 第1支持部
220 回転板
221 グリップ部
221’ パッド
222 センサー部
300 第1移送部
310 移送プレート
320 フック
321 垂直部
322 水平部
330 移動軸
400 第2移送部
410 第2支持部
420 棚
430 第2回転ローラー
500 バッテリーラック
510 垂直フレーム
520 水平フレーム
B バッテリーパック
S 収納空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-01-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2
【国際調査報告】