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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-26
(54)【発明の名称】羽根車装置及び送風デバイス
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/0063 20190101AFI20220915BHJP
   F04D 29/44 20060101ALI20220915BHJP
   F24F 1/0029 20190101ALI20220915BHJP
   F24F 13/20 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
F24F1/0063
F04D29/44 U
F24F1/0029
F24F1/0007 401A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502823
(86)(22)【出願日】2019-09-27
(85)【翻訳文提出日】2022-01-17
(86)【国際出願番号】 CN2019108664
(87)【国際公開番号】W WO2021017144
(87)【国際公開日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】201921236063.1
(32)【優先日】2019-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516285032
【氏名又は名称】広東美的環境電器制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】GD MIDEA ENVIRONMENT APPLIANCES MFG CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.28 East District Hesui Industrial Park,Dongfu Road,Dongfeng Zhongshan,Guangdong 528425,CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】512237419
【氏名又は名称】美的集団股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MIDEA GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】B26-28F, Midea Headquarter Building, No.6 Midea Avenue, Beijiao, Shunde, Foshan, Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(74)【代理人】
【識別番号】100213517
【弁理士】
【氏名又は名称】韓 明花
(72)【発明者】
【氏名】ワン,キン
(72)【発明者】
【氏名】ヒ,ツェンビン
(72)【発明者】
【氏名】ドゥ,ウェンボー
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,シン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ハンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】サン,ジピン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ミンビ
【テーマコード(参考)】
3H130
3L049
3L051
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB26
3H130AB54
3H130AC11
3H130BA66A
3H130BA66C
3H130BA66H
3H130BA66J
3H130BA97A
3H130BA97C
3H130BA97H
3H130BA97J
3H130CA09
3H130CA10
3H130CB00
3H130DF00X
3H130DG03X
3H130EA07A
3H130EA07C
3H130EA08A
3H130EA08C
3L049BC02
3L049BD02
3L051BE04
3L051BG00
(57)【要約】
本願の実施形態は、羽根車装置と送風デバイスを公開し、当該羽根車装置は、ケーシングと発熱体ユニットと羽根車とを含み、前記ケーシング内に順次接続されている第一風通路と第二風通路を含む風通路が形成され、前記羽根車が第一風通路内に設置され、前記第二風通路は回避区域があり、前記発熱体ユニットが回動して前記第二風通路内に設置され、前記発熱体ユニットは前記第二風通路を遮断する遮断状態と、前記第二風通路を回避する回避状態とを含み、前記発熱体ユニットが回避状態にあるとき、前記発熱体ユニットが前記回避区域内に収容される。本願の羽根車装置と送風デバイスは、構造がコンパクトであるという利点を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングと、発熱体ユニットと、羽根車とを備え、
前記ケーシング内に順次接続されている第一風通路と第二風通路を含む風通路が形成されており、
前記羽根車が第一風通路内に設置され、前記第二風通路が回避区域を有し、前記発熱体ユニットが前記第二風通路内に回動するように設置されており、
前記発熱体ユニットが前記第二風通路を遮断する遮断状態と、前記第二風通路を回避する回避状態とを含み、
前記発熱体ユニットが回避状態という条件にあるとき、前記発熱体ユニットが前記回避区域内に収容される
ことを特徴とする羽根車装置。
【請求項2】
前記回避区域は、前記第二風通路の第一側が外側へ突出することにより形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の羽根車装置。
【請求項3】
前記発熱体ユニットが回避状態という条件にあるとき、前記発熱体ユニットの前記第二風通路の第一側と離隔する表面から、前記第二風通路における前記第一側と対向する第二側までの最小幅は、前記第一風通路の末端の幅より大きいか等しい
ことを特徴とする請求項1に記載の羽根車装置。
【請求項4】
前記発熱体ユニットの回動軸線は、前記羽根車の回転軸線と平行である
ことを特徴とする請求項1に記載の羽根車装置。
【請求項5】
前記第一風通路の気流方向に沿った始端の幅と末端の幅との比の値は1.6-2である
ことを特徴とする請求項1に記載の羽根車装置。
【請求項6】
前記ケーシングは、間隔を空けて設けられた渦巻舌部と渦巻室と含み、
前記渦巻舌部と前記渦巻室との間には前記第一風通路が形成されており、
前記渦巻舌部と前記羽根車の外縁との間の間隔が2-4mmである
ことを特徴とする請求項1に記載の羽根車装置。
【請求項7】
前記ケーシングは、間隔を空けて設けられた渦巻舌部と渦巻室とを含み、
前記渦巻舌部と前記渦巻室との間には前記第一風通路が形成されており、
前記渦巻室の内表面と前記羽根車の外縁との間の間隔が気流方向に沿って徐々に増大する
ことを特徴とする請求項1に記載の羽根車装置。
【請求項8】
前記渦巻室の内表面の形状は、インボリュートの形状であり、
前記インボリュートは、前記羽根車を基礎円とする
ことを特徴とする請求項7に記載の羽根車装置。
【請求項9】
前記ケーシングは、第一端板と、第一側板と、第二端板と、第二側板とを備え、
前記第一側板と前記第二側板との間に間隔が設けられ、
前記第一端板が前記第一側板の第一端と前記第二側板の第一端との間に接続され、
前記第二端板が前記第一側板の第二端と前記第二側板の第二端との間に接続され、
前記第一端板、前記第一側板、前記第二端板、及び前記第二側板により囲われて前記風通路が形成されており、
前記発熱体ユニットが前記第一端板と前記第二端板に回動するように取り付けられ、前記羽根車が前記第一端板と前記第二端板に回転するように取り付けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の羽根車装置。
【請求項10】
前記第一側板は、前記風通路の同じ側に位置する渦巻室とサブ側板を備え、
前記渦巻室が前記第一風通路に対応し、前記サブ側板が前記第二風通路に対応し、
前記渦巻室とサブ側板とが分離型構造であり、あるいは、前記渦巻室とサブ側板とが一体成形構造である
ことを特徴とする請求項9に記載の羽根車装置。
【請求項11】
前記渦巻室とサブ側板とが分離型構造であるとき、前記渦巻室とサブ側板のうちの一つには係合突起が形成され、もう一つには係合スロットが形成され、前記係合突起が前記係合スロット内に係止されている
ことを特徴とする請求項10に記載の羽根車装置。
【請求項12】
前記第一端板には、前記第一端板の縁部まで延伸し且つ前記第一端板の縁部に開口が形成された開放溝が形成されており、
前記発熱体ユニットは、発熱本体部と前記発熱本体部の一端に位置する軸部とを備え、前記軸部が前記開口から前記開放溝内に装入可能であり、
前記羽根車装置は、前記軸部に駆動接続された駆動機構を備える
ことを特徴とする請求項9に記載の羽根車装置。
【請求項13】
前記羽根車装置は、ブッシュを更に備え、
前記開放溝の前記開口から離隔する末端には円弧状の穴が形成され、前記ブッシュが前記円弧状の穴の中に設置され且つ前記円弧状の穴に適合し、前記ブッシュが前記軸部に外嵌されており、
前記駆動機構は、前記ブッシュの中に挿入され且つ前記軸部に駆動接続された動力軸を備える
ことを特徴とする請求項12に記載の羽根車装置。
【請求項14】
前記ケーシングは、弾性バックルを更に備え、
前記第一側板の縁部には少なくとも一つの前記弾性バックルが設置され、
および/または、
前記第二側板の縁部には少なくとも一つの前記弾性バックルが形成されている
ことを特徴とする請求項9に記載の羽根車装置。
【請求項15】
ハウジングと請求項1から14のいずれか一項に記載の羽根車装置とを備え、
前記羽根車装置が前記ハウジング内に設置され、
前記ハウジングには吸気口と吐気口が形成されており、前記風通路が前記吸気口と前記吐気口に連通する
ことを特徴とする送風デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年8月1日に提出された、出願番号が201921236063.1である中国特許出願に基づいて提出されるものであり、当該中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の全ての内容が参照によって本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、空気調和の技術分野に関し、具体的には、羽根車装置及び送風デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
冷却ファンを例として、関連技術では、冷・熱気流の切り替えを実現するために、冷却ファンの内部に可動的な発熱体を設置し、移動装置により発熱体を平行移動させるように駆動することにより冷・熱気流を切り替える。発熱体の平行移動には十分な内部空間が必要であるため、送風デバイスの体積が大きくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記問題点に鑑みて、本願の実施形態は、コンパクトな構造を有する羽根車装置及び送風デバイスを提供することが期待される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本願の一実施態様に係る羽根車装置は、ケーシングと発熱体ユニットと羽根車とを備え、前記ケーシング内に順次接続されている第一風通路と第二風通路を含む風通路が形成され、前記羽根車が第一風通路内に設置され、前記第二風通路が回避区域を有し、前記発熱体ユニットが前記第二風通路内に回動するように設置され、前記発熱体ユニットが前記第二風通路を遮断する遮断状態と、前記第二風通路を回避する回避状態とを含み、前記発熱体ユニットが回避状態という条件にあるとき、前記発熱体ユニットが前記回避区域内に収容される。
【0006】
さらに、前記回避区域は、前記第二風通路の第一側が外側へ突出することにより形成される。
【0007】
さらに、前記発熱体ユニットが回避状態という条件にあるとき、前記発熱体ユニットの前記第二風通路の第一側と離隔する表面から前記第二風通路の前記第一側と対向する第二側までの最小幅Cは、前記第一風通路の末端の幅より大きいか等しい。
【0008】
さらに、前記発熱体ユニットの回動軸線は、前記羽根車の回転軸線と平行である。
【0009】
さらに、前記第一風通路の気流方向に沿った始端の幅と末端の幅との比の値は1.6-2である。
【0010】
さらに、前記ケーシングは、間隔を空けて設けられた渦巻舌部と渦巻室と含み、前記渦巻舌部と前記渦巻室との間には前記第一風通路が形成され、前記渦巻舌部と前記羽根車の外縁との間の間隔Eが2-4mmである。
【0011】
さらに、前記ケーシングは、間隔を空けて設けられた渦巻舌部と渦巻室とを含み、前記渦巻舌部と前記渦巻室との間には前記第一風通路が形成され、前記渦巻室の内表面と前記羽根車の外縁との間の間隔Dが気流方向に沿って徐々に増大する。
【0012】
さらに、前記渦巻室の内表面の形状はインボリュートの形状であり、前記インボリュートは前記羽根車を基礎円とする。
【0013】
さらに、前記ケーシングは、第一端板と、第一側板と、第二端板と、第二側板とを備え、前記第一側板と前記第二側板との間に間隔が設けられ、前記第一端板が前記第一側板の第一端と前記第二側板の第一端との間に接続され、前記第二端板が前記第一側板の第二端と前記第二側板の第二端との間に接続され、前記第一端板、前記第一側板、前記第二端板、及び前記第二側板により囲われて前記風通路が形成されており、前記発熱体ユニットが前記第一端板と前記第二端板に回動するように取り付けられ、前記羽根車が前記第一端板と前記第二端板に回転するように取り付けられる。
【0014】
さらに、前記第一側板は、前記風通路の同じ側に位置する渦巻室とサブ側板を備え、前記渦巻室が前記第一風通路に対応し、前記サブ側板が前記第二風通路に対応し、前記渦巻室とサブ側板とが分離型構造であり、あるいは、前記渦巻室とサブ側板とが一体成形構造である。
【0015】
さらに、前記渦巻室とサブ側板とが分離型構造であるとき、前記渦巻室とサブ側板のうちの一つには係合突起が形成され、もう一つには係合スロットが形成され、前記係合突起が前記係合スロット内に係止される。
【0016】
さらに、前記第一端板には、前記第一端板の縁部まで延伸し且つ前記第一端板の縁部に開口が形成される開放溝が形成され、前記発熱体ユニットは、発熱本体部と前記発熱本体部の一端に位置する軸部とを備え、前記軸部が前記開口から前記開放溝内に装入可能であり、前記羽根車装置は、前記軸部に駆動接続された駆動機構を備える。
【0017】
さらに、前記羽根車装置は、ブッシュを更に含み、前記開放溝の前記開口から離隔する末端に円弧状の穴が形成され、前記ブッシュが前記円弧状の穴の中に設置され且つ前記円弧状の穴に適合し、前記ブッシュが前記軸部に外嵌され、前記駆動機構は、前記ブッシュの中に挿入且つ前記軸部に駆動接続された動力軸を備える。
【0018】
さらに、前記ケーシングは、弾性バックルを更に備え、前記第一側板の縁部には少なくとも一つの前記弾性バックルが設置され、および/または、前記第二側板の縁部には少なくとも一つの前記弾性バックルが形成される。
【0019】
本願の実施態様二に係る送風デバイスは、ハウジングと上記の羽根車装置とを備え、前記羽根車装置が前記ハウジング内に設置され、前記ハウジングには吸気口と吐気口が形成され、前記風通路が前記吸気口と前記吐気口に連通する。
【発明の効果】
【0020】
本願の実施形態の羽根車装置によれば、順次接続された第一風通路と第二風通路が設置され、発熱体ユニットが前記第二風通路内に回動するように設置されると共に、第二風通路が回避区域を有し、発熱体ユニットが回避状態という条件にあるとき、発熱体ユニットが回避区域内まで回動するため、発熱体ユニットが比較的に小さい空間を占有すればよいので、羽根車装置の構造がコンパクトになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本願の一実施形態に係る羽根車装置の構造の模式図である。
図2図1に示す構造の別の方向から見た模式図であリ、ここで、構造の一部を分解して示した模式図である。
図3図1に示す構造のまた別の方向から見た模式図である。
図4図3のA-A方向に沿った断面図を反時計回りに90°回転して示した模式図であリ、ここで、発熱体ユニットが遮断状態にある。
図5図4と同じ切断位置の模式図であリ、ここで、発熱体ユニットが回避状態にある。
図6図1に示す羽根車装置のまた他の方向から見た構造の模式図である。
図7図2のH部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
なお、矛盾しない場合には、本願における実施形態および実施形態における構成要件は互いに組み合わせることができることに留意されたい。具体的な実施形態における詳細な説明は本願を説明および解釈するものであり、本願を制限するものではないことを理解されたい。
【0023】
本願の実施形態の記載において、「上」、「下」が指示するポジションまたは位置関係は、図3に基づくポジションまたは位置関係であり、単に、本願の説明の便宜上および簡潔のためであり、言及される装置または要素が必ずしも特定のポジションを有し、特定のポジションで構築および操作されると指示または暗示するものではないため、本願に対する制限と見なすべきではないことを理解されたい。
【0024】
説明を容易にするために、本願の実施形態では、前記羽根車装置が温風機に適用される例について説明する。
【0025】
図1~6を参照するように、本願の実施形態は羽根車装置を提供し、当該羽根車装置は、ケーシング1と発熱体ユニット2と羽根車3を備え、ケーシング1内に順次接続されている第一風通路111と第二風通路112を含む風通路11が形成され、羽根車3が第一風通路111内に設置され、発熱体ユニット2が第二風通路112内に回動するように設置され、即ち、風通路11内の気流方向は、第一風通路111から第二風通路112へ流れるものであり(図4及び図5の矢印方向を参照する)、第二風通路112は回避区域112bを有し、発熱体ユニット2は第二風通路112を遮断する遮断状態と、第二風通路112を回避する回避状態とを含む。図4を参照して理解できるように、回避区域112bは、前記第二風通路112の第一側が外側へ突出することにより形成されることができ、一体射出成形であるため、プロセスが簡単で見栄えがよい。
【0026】
具体的には、図4を参照するように、発熱体ユニット2が第二風通路112を遮断する角度まで回動すると、発熱体ユニット2は遮断状態となり、この状態では、気流が羽根車3に駆動されて第一風通路111から風通路11に入り、発熱体ユニット2を介して気流が加熱および昇温を完了してから、第二風通路112から排出され、温風機の熱風吹き機能が完了する。図5を参照するように、発熱体ユニット2が第二風通路112を回避する角度まで回動すると、発熱体ユニット2は回避状態となり、この状態では、気流が羽根車3に駆動されて第一風通路111から風通路11に入ってから、第二風通路112から排出され、温風機の常温風吹き機能が完了する。
【0027】
本願の実施形態の羽根車装置において、発熱体ユニット2が第二風通路112内に回動するように設置されるため、発熱体ユニット2がより小さい空間を占有すればよいので、羽根車装置の構造がコンパクトになることができる。また、発熱体ユニット2が回避状態という条件にあるとき、発熱体ユニット2が回避区域112bに収容されるため、気流がほとんど発熱体ユニット2を介さずに直接排出されるため、風の抵抗を効果的に低減させ、温風機の風量と風速を上昇させるので、送風デバイスの性能を向上させる。本願の実施形態では、図5を参照するように、発熱体ユニット2が回避状態という条件にあるとき、発熱体ユニット2の第二風通路112の第一側と離隔する表面から、第二風通路112の第一側と対向する第二側までの最小幅Cは、第一風通路111の末端の幅fより大きいか等しい。これにより、気流が第一風通路111から第二風通路112に入る有効流通面積は等しいか拡大した状態になるため、有効流通面積の縮小により第二風通路112内の風速及び風量が変化するのを防止する。
【0028】
本願の実施形態では、発熱体ユニット2の回動軸線は、羽根車3の回転軸線と平行であるため、発熱体ユニット2が風通路11内で傾斜することを防止する。換言すれば、発熱体ユニット2の軸方向に沿って、発熱体ユニット2の全てが遮断状態または回避状態のうちのいずれかにあるが、発熱体ユニット2の一部分が遮断状態にあると同時に発熱体ユニット2の残りの部分が回避状態にある情況は発生しない。
【0029】
本願の実施形態では、図4図5を参照するように、第一風通路111の気流方向に沿った始端の幅d1と末端の幅d2との比の値は1.6-2であるため、入り口が大きく、出口が小さい構造を形成し、気流が広い第一風通路111の始端から入り、風量を満たす場合、流速が遅く、騒音が小さく、羽根車3を介して駆動されて、第一風通路111の末端から排出され、温風機の風速を満たす。
【0030】
本願の実施形態では、図4図5を参照するように、ケーシング1は、間隔を空けて設けられた渦巻舌部111aと渦巻室111bと含み、渦巻舌部111aと渦巻室111bとの間には第一風通路111が形成され、渦巻舌部111aと羽根車3の外縁との間の間隔Eが大きすぎることも小さすぎることも好ましくない。間隔Eが大きすぎると、気流が第一風通路111から入り、羽根車3が図4の時計回り方向に回転し、第一風通路111内の大部分の気流が再び羽根車3によって間隔Eより第一風通路111から吐き出され、気流が第二風通路112に入ることに影響し、風量と風速に影響を及ぼすことになる。間隔Eが小さすぎると、各部分の構造上の組み立て誤差及び羽根車3の回転中の揺れ量への要求が高くなり、さもなければ、渦巻舌部111aと羽根車3の干渉を引き起こしやすく、異音が発生する。本願の実施形態では、間隔Eを2-4mmとすることにより、性能が安定することを確保すると同時に、より多くの気流が第二風通路112に流れるようにするため、風量および風速を増大させる。
【0031】
本願の実施形態では、図4図5を参照するように、渦巻室111bの内表面と羽根車3の外縁との間の間隔Dが気流方向に沿って徐々に増大するため、気流方向に沿った出口側を常に外側に拡張させ、拡散風通路が形成されて、静圧が増大する。狭管効果により、インペラを流れる風速が高くなり、出力効率が高くなり、その結果、風量が大きく、且つ騒音が低いことが確保される。引き続き図4図5を参照するように、渦巻室111bの内表面と羽根車3の外縁との間の間隔Dが徐々に増大するというニーズを満たすために、渦巻室111bの内表面の形状は、インボリュート形状であり、インボリュートは羽根車3を基礎円としてもよいため、インボリュートの線形状は流体力学の設計性能にもっと適合するので、気流が渦巻室111bの内表面に沿ってよりスムーズに流れることができる。
【0032】
本願の実施形態では、図1~5を参照するように、ケーシング1は、第一端板12と、第一側板13と、第二端板14と、第二側板15とを備え、第一側板13と第二側板15との間に間隔が設けられ、第一端板12が第一側板13の第一端と第二側板15の第一端との間に接続され、第二端板14が第一側板13の第二端と第二側板15の第二端との間に接続され、第一端板12、第一側板13、第二端板14、及び第二側板15により囲われて共同で風通路11を形成する。発熱体ユニット2が第一端板12と第二端板14に回動するように取り付けられ、羽根車3が第一端板12と第二端板14に回転するように取り付けられることで、第一風通路111内の気流を第二風通路112へ駆動し、更に上記の羽根車装置の温風機内での熱風吹き機能と常温風吹き機能を実現する。引き続き図1を参照するように、第一側板13は、風通路11の同じ側に位置する渦巻室111bとサブ側板112cを備え、ここで、渦巻室111bは第一風通路111に対応し、即ち、渦巻室111bおよび渦巻舌部111aにて第一風通路111を形成する。サブ側板112cは第二風通路112に対応し、即ち、サブ側板112cおよび第二側板15にて第二風通路112を形成する。
【0033】
具体的には、渦巻室111bとサブ側板112cとは分離型構造であっても良く、一体成形構造であっても良い。渦巻室111bとサブ側板112cとは分離型構造であるとき、両者は取り外し可能な接続を採用し、渦巻室111bとサブ側板112cのうちの一つには係合突起113が形成され、もう一つには係合スロット114が形成され、係合突起113が係合スロット114内に係止され、即ち、渦巻室111bとサブ側板112cとは係止接続され、構造が信頼でき、組み立てが簡単である。渦巻室111bとサブ側板112cとの間には、ねじ接続や締まりばめなどの他の手段が採用されてもよいことを理解できる。ここでは、詳細には説明しない。渦巻室111bとサブ側板112cとは一体成形構造であるとき、両者は金型により一体射出成形ができ、組み立て工程を省く。
【0034】
本願の実施形態では、図2を参照するように、第一端板12には、第一端板12の縁部まで延伸し且つ第一端板12の縁部に開口122が形成される開放溝121が形成され、即ち、開放溝121はケーシング1を貫通して第一端板12の縁部に位置する。発熱体ユニット2は、発熱本体部21と発熱本体部21の一端に位置する軸部22とを備え、軸部22は開口122から開放溝121内に装入可能であることで、発熱本体部21を第二風通路112内に水平に押し込ませる。
【0035】
羽根車装置は、軸部22に駆動接続された駆動機構23を備えることで、発熱本体部21を第二風通路112内で回動させる。具体的には、駆動機構23は発熱本体部21を駆動して軸部22の回動軸を中心に回動させる。
【0036】
具体的には、駆動機構23は低コスト且つ安定した性能を有するモータとすることができる。
【0037】
本願の実施形態では、図2図7を参照するように、羽根車装置は、さらにブッシュ24を含み、ブッシュ24は軸部22に外嵌されることにより、軸部22の周方向を制限することで、駆動機構23が軸部22を駆動する過程で軸部22が側方向に揺れて騒音が発生するのを防止する。開放溝121の開口122から離隔する末端に円弧状の穴123が形成され、ブッシュ24は円弧状の穴123の中に設置され且つ円弧状の穴123に適合し、即ち、ブッシュ24の外径は、ほぼ円弧状の穴123の内径に相当することで、ブッシュ24を周方向にもっと適切に位置決めする。組み立てるとき、駆動機構23を第一端板12に固定接続することで、駆動機構23をブッシュ24の発熱本体部21から離隔する側に当接させ、即ち、駆動機構23がブッシュ24の最上側に当接し、このように、ブッシュ24の片側が駆動機構23によって軸方向に制限され、円弧状の穴123はブッシュ24の反対側を軸方向に制限し、ネジなどの締結接続が必要なく、ブッシュ24を位置決めして取り付けることができ、これにより、発熱体ユニット2と前記風通路11はネジなしで固定され、部品の数量を減らし、部品の多くによる品質問題を低減することができる一方で、組み立て工程も簡略化し、コストを低減する。駆動機構23はブッシュ24の中に挿入且つ軸部22に駆動接続された動力軸(図には表記されない)を含む。
【0038】
具体的には、駆動機構23と第一端板12とはボルトで固定接続することができ、図7を参照して、この設計では、ケーシング1に位置決めねじ穴17を追加する必要があり、更にガイド柱18を設けることもでき、駆動機構23が位置決めした後にボルトを接続しやすく、組み立てが便利になる。もちろん、駆動機構23と第一端板12は、バックル接続または他の固定方式を採用することもできる。
【0039】
ブッシュ24の支持および位置決めを容易にするために、本願の実施形態では、引き続き図7を参照するように、円弧状の穴123の内壁に段差面124が形成される。ブッシュ24にはショルダー241が形成され、ショルダー241は段差面124に当接する。段差面124でブッシュ24を支持することにより、ブッシュ24の下端部がケーシング1に当接することで、ブッシュ24と発熱体ユニット2との間の回動を回避し、さらに発熱体ユニット2の回動抵抗を低減する。
【0040】
本願の実施形態では、図3図5を参照するように、ケーシング1はさらに弾性バックル16を備える。
【0041】
第一側板13の縁部には少なくとも一つの弾性バックル16が設置され、および/または、第二側板15の縁部には少なくとも一つの弾性バックル16が形成され、このように、送風デバイスの内部部品のワイヤーハーネスを整理しやすい。
【0042】
本願の実施形態二は、送風デバイスを提供し、ハウジング(図には表記されない)及び上記のいずれかの羽根車装置を備える。羽根車装置は、前記ハウジング内に設置され、ハウジングには吸気口と吐気口が形成され、風通路11は吸気口と吐気口に連通し、具体的には、第一風通路111は、前記吸気口に連通し、第二風通路112は、前記吐気口に連通する。
【0043】
送風デバイスは、冷却ファン、暖風機、エアコン、または空気清浄機であることが理解でき、ここでは限定されない。
【0044】
本願が提供する様々な実施形態/実施方式は、矛盾が生じない場合には、互いに組み合わせることができる。
【0045】
以上の説明は、本願の好ましい実施形態にすぎず、本願を限定するものではなく、当業者にとっては、本願は様々な変更および変化を有することができる。本願の精神及び原則の内において、行われたいかなる修正、均等置換、改善等は、本出願の保護範囲に含まれるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】