(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-26
(54)【発明の名称】統合された発電、二酸化炭素分離及び下流処理システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
H01M 8/0668 20160101AFI20220915BHJP
H01M 8/04746 20160101ALI20220915BHJP
H01M 8/04701 20160101ALI20220915BHJP
H01M 8/04 20160101ALI20220915BHJP
H01M 8/04791 20160101ALI20220915BHJP
H01M 8/04007 20160101ALI20220915BHJP
H01M 8/04225 20160101ALI20220915BHJP
H01M 8/04302 20160101ALI20220915BHJP
H01M 8/04828 20160101ALI20220915BHJP
H01M 8/00 20160101ALI20220915BHJP
B63J 3/04 20060101ALI20220915BHJP
B63J 99/00 20090101ALI20220915BHJP
B63B 25/16 20060101ALI20220915BHJP
B63H 21/38 20060101ALI20220915BHJP
H01M 8/12 20160101ALN20220915BHJP
【FI】
H01M8/0668
H01M8/04746
H01M8/04701
H01M8/04 N
H01M8/04791
H01M8/04007
H01M8/04225
H01M8/04302
H01M8/04828
H01M8/00 Z
B63J3/04
B63J99/00 A
B63B25/16 A
B63H21/38 B
H01M8/12 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022503444
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(85)【翻訳文提出日】2022-03-16
(86)【国際出願番号】 US2020042456
(87)【国際公開番号】W WO2021016057
(87)【国際公開日】2021-01-28
(32)【優先日】2019-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514116578
【氏名又は名称】ブルーム エネルギー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110002354
【氏名又は名称】弁理士法人平和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バレンティン,アルネ
(72)【発明者】
【氏名】クリシュナダス,ジャヤクマール
(72)【発明者】
【氏名】カルプパイア,チョッカリンガム
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H127AA04
5H127AA07
5H127AB04
5H127BA02
5H127BA05
5H127BA20
5H127BA28
5H127BA57
5H127BB02
5H127BB24
5H127DA01
5H127DC06
5H127DC34
5H127DC35
5H127DC36
5H127EE04
(57)【要約】
統合された発電及び排気処理システムは、電力を生成し、燃料電池システムから排出される排気中に含まれるCO
2を分離するように構成された燃料電池システムと、燃料電池システムから排出された排気から分離されたCO
2を隔離することと高密度化することとのうちの少なくとも1つを行うように構成された排気処理システムとを含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池システムであって、電力を生成するとともに、前記燃料電池システムから排出される排気中に含まれるCO
2を分離するように構成された前記燃料電池システムと、
排気処理システムであって、前記燃料電池システムから排出される前記排気から分離されたCO
2を隔離することと高密度化することとのうちの少なくとも1つを行うように構成された前記排気処理システムと
を備える、統合された発電及び排気処理システム。
【請求項2】
前記排気処理システムは、
前記燃料電池システムから排出される排気を受け入れるように構成されたリザーバと、
前記リザーバから排出される排気を圧縮するように構成された圧縮機と
を備え、
前記リザーバは、前記燃料電池システムに加えられる排気背圧の量を減らすように構成された、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記リザーバは、前記リザーバ内の前記排気背圧がプリセットレベルを超えるのを防ぐように構成された逃し弁を備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記プリセットレベルは、前記燃料電池システムに損傷を与えるであろう圧力の量より小さい、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記リザーバは、前記燃料電池システムに加えられる前記排気背圧の量を減らすように構成された内部バッフルを備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記排気処理システムは、前記リザーバ内の前記排気の温度を低下させるように構成された冷却システムをさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記排気処理システムは、
前記燃料電池システムに供給される燃料の特性を測定するように構成されたセンサと、
前記燃料電池システムから排出される前記排気中のCO
2の量を、前記センサによる測定に基づいて決定するように構成された中央処理ユニットと
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記排気処理システムは、前記CO
2を固体炭酸カルシウムに化学的に変換するように構成されたCO
2処理装置を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記燃料電池システムは、前記電力を生成するように構成された固体酸化物形燃料電池スタックと、前記燃料電池システムから排出される前記排気中に含まれる前記CO
2を分離するように構成された二酸化炭素分離装置とを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記排気処理システムは、
前記燃料電池システムから排出される前記排気から水を凝縮するように構成された凝縮器と、
前記排気の流れ方向に関して前記凝縮器の下流に配置されているとともに、前記排気中の前記CO
2を圧縮するように構成された圧縮機と、
前記凝縮器又は前記圧縮機の少なくとも1つからの熱を用いて、前記燃料電池システムに供給される燃料を加熱するように構成された少なくとも1つの熱交換器と
を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記少なくとも1つの熱交換器は、
前記凝縮器の上流に配置されているとともに、前記排気からの熱を用いて前記燃料を加熱するように構成された第1の熱交換器と、
前記凝縮器又は前記圧縮機の少なくとも1つからの熱を用いて前記燃料を加熱するように構成された第2の熱交換器と
を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2の熱交換器は、前記排気を液体CO
2に変換するように構成された、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
液体天然ガス(LNG)の形態の前記燃料を、LNG導管を介して前記第2の熱交換器に供給するように構成された液体天然ガス(LNG)容器をさらに備え、
前記燃料は、前記燃料が前記第1の熱交換器から排出される際には、天然ガス(NG)の形態である、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
システム起動時、外部熱源を用いて水を気化させて前記燃料を加湿するように構成された気化器をさらに備える、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記凝縮器から受け入れた水を中和することと精製することとのうちの少なくとも1つを行うように構成された水処理装置をさらに備える、請求項10に記載のシステム。
【請求項16】
前記燃料電池システムは船上に配置されているとともに、前記船の電気負荷に電気的に接続されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項17】
燃料電池システムに燃料を供給することと、
前記燃料電池システムを作動させて、電力及び燃料排気流を生成することと、
二酸化炭素分離装置を用いて前記燃料排気流からCO
2を分離して、CO
2含有排気と精製された排気とを生成することと、
前記分離されたCO
2含有排気を排気処理システムに供給することと、
前記排気処理システムを用いて、前記CO
2含有排気中のCO
2を隔離することと高密度化することとのうちの少なくとも1つを行うことと
を含む燃料電池システムの作動方法。
【請求項18】
前記CO
2含有排気から水を凝縮することと、
前記CO
2含有排気中の前記CO
2を圧縮することと、
前記燃料電池システムに供給される燃料を、前記凝縮することと前記圧縮することとのうちの少なくとも1つで発生した熱を用いて加熱することと
をさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
燃料電池システムが船上に配置され、前記船の電気負荷に電気的に接続され、
前記燃料は、液体天然ガス(LNG)容器内に貯蔵される液体天然ガス(LNG)を含み、
前記圧縮されたCO
2はCO
2貯蔵容器に貯蔵され、
前記船が港に到着すると、前記LNGは前記LNG容器に充填され、及び前記CO
2は前記CO
2貯蔵容器から取り除かれる、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
燃料電池システムに燃料を供給することと、
前記燃料電池システムを作動させて電力及び燃料排気流を生成することと、
二酸化炭素分離装置を用いて前記燃料排気流からCO
2を分離して、CO
2含有排気と精製された排気とを生成することと、
前記分離されたCO
2含有排気と固体CaOをNaOH含有溶液に供給して、前記CO
2ガスが前記NaOH(l)と反応してNa
2CO
3(l)と水を形成し、前記CaO(s)が前記水と反応してCa(OH)
2(l)を形成し、前記Na
2CO
3(l)と前記Ca(OH)
2(l)が反応して固体CaCO
3を沈殿させてNaOH(l)を生成することと、
前記生成されたNaOH(l)を再循環させてさらなるCO
2ガスと反応させることと
を含む燃料電池システムの作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して燃料電池システムの分野に関し、より詳細には、二酸化炭素除去及び下流処理構成要素を統合した燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、燃料に蓄えられたエネルギーを電気エネルギー能力に変換できる電気化学装置である。高温燃料電池には、固体酸化物形燃料電池と溶融炭酸塩形燃料電池が含まれる。これらの燃料電池は、水素及び/又は炭化水素燃料を使用して作動することができる。燃料電池には、固体酸化物形再生燃料電池など、逆の動作も可能な部類があり、供給電気エネルギーを使用して、酸化された燃料を還元して未酸化燃料に戻すことができる。
【発明の概要】
【0003】
本開示の様々な実施形態は、統合された発電及び排気処理システムを提供し、このシステムは、電力を生成するとともに、燃料電池システムから排出される排気中に含まれるCO2を分離するように構成された燃料電池システムと、前記燃料電池システムから排出される排気から分離されたCO2を隔離する又は高密度化するうちの少なくとも1つを行うように構成された排気処理システムとを含む。
【0004】
本開示の様々な実施形態は、燃料電池システムに燃料を供給し、燃料電池システムを作動させて電力と燃料排気流を生成し、二酸化炭素分離装置を用いて前記燃料排気流からCO2を分離しCO2含有排気と精製された排気とを生成し、前記分離されたCO2含有排気を排気処理システムに供給し、前記排気処理システムを用いて前記CO2含有排気中のCO2を隔離することと高密度化することとのうちの少なくとも1つを行う、燃料電池システムの作動方法を提供する。
【0005】
本開示の様々な実施形態は、燃料電池システムに燃料を供給し、燃料電池システムを作動させて電力と燃料排気流を生成し、二酸化炭素分離装置を用いて前記燃料排気流からCO2を分離しCO2含有排気と精製された排気を生成し、前記分離されたCO2含有排気と固体CaOをNaOH含有溶液に供給して、前記CO2ガスがNaOH(l)と反応してNa2CO3(l)と水を形成し、前記CaO(s)が前記水と反応してCa(OH)2(l)を形成し、及び前記Na2CO3(l)と前記Ca(OH)2(l)が反応して固体CaCO3とNaOH(l)を沈殿させる、燃料電池システムの作動方法を提供する。前記NaOH(l)は、再循環されて前記プロセスに戻され、さらなるCO2ガスと反応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1A】
図1Aは、本発明の実施形態による、燃料電池システムの概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態とともに使用できる二酸化炭素分離器の概略図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態による燃料電池システムの概略図である。
【
図4】
図4は、本発明の実施形態による燃料電池システムの概略図である。
【
図5】
図5は、本開示の様々な実施形態による、統合された燃料電池発電とCO
2処理システムの概略図である。
【
図6】
図6は、本開示の様々な実施形態による、統合された燃料電池発電とCO
2処理システムの概略図である。
【
図7】
図7は、本開示の様々な実施形態による、CO
2固定プロセスの概略図である。
【
図8】
図8は、本開示の様々な実施形態による、CO
2捕捉を含む燃料電池発電システム内の熱及び/又は水の回収を描いた概略図である。
【
図9A】
図9Aは、本開示の様々な実施形態による、船内の複合型LNG燃料発電及び排気処理システムの概略図である。
【
図9B】
図9Bは、前記システムの排気処理の構成要素を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の実施形態は、どのようにして二酸化炭素分離装置を固体酸化物形燃料電池システム等の燃料電池システムとともに用いることができるかを示す。追加の実施形態は、統合された発電、二酸化炭素分離、及び下流処理システムを示す。追加の実施形態は、CO2分離固体酸化物形燃料電池(SOFC)発電機に下流装置が統合され、下流装置の存在下でSOFC発電機の連続動作を可能にするシステムを示す。溶融炭酸塩形システムなどの他の燃料電池システムも使用できることに留意されたい。
【0008】
図1Aは、本発明の一実施形態による燃料電池システム100を示す。好ましくは、システム100は、固体酸化物形燃料電池(SOFC)システムなどの高温燃料電池スタックシステムである。システム100は、燃料電池(すなわち、放電または発電)モード及び電気分解(すなわち、充電)モードの両方で動作する固体酸化物形再生燃料電池(SORFC)システムなどの再生システムであってもよいし、又は、燃料電池モードでのみ動作する非再生システムであってもよい。
【0009】
システム100は、高温燃料電池スタック106を含む。スタックは、複数のSOFC又はSORFCを含むことができる。高温燃料電池スタック106は概略的に示されており、イットリア又はスカンジア安定化ジルコニアなどのセラミック電解質、ニッケル安定化ジルコニアサーメットなどのアノード電極、及びランタンストロンチウムマンガナイトなどのカソード電極を含む、スタックの1つの固体酸化物形燃料電池を示す。各燃料電池は、電解質、電解質アノードチャンバーの一方の側にあるアノード電極、カソードチャンバー内の電解質の他方の側にあるカソード電極、及びセパレータープレート/電気接点、燃料電池ハウジング及び断熱材などの他の構成要素を含む。燃料電池モードで動作するSOFCでは、空気や酸素ガスなどの酸化剤がカソードチャンバーに入り、水素や炭化水素燃料などの燃料がアノードチャンバーに入る。任意の適切な燃料電池の設計及び構成要素材料を使用することができる。システム100はさらに、アノードテールガス酸化剤(ATO)反応器116、再循環ブロワ122、及びキャニスター二酸化炭素トラップ126を含む。
【0010】
システム100は、以下のように作動する。燃料吸入流は、燃料吸入導管102を通って燃料電池スタック106に供給される。燃料は、例えば水素燃料、若しくは、メタン、メタンを水素若しくは他のガスと共に含む天然ガス、プロパン若しくは他のバイオガスを含むがこれらに限定されない炭化水素燃料、又は、一酸化炭素、メタノールなどの酸化炭素含有ガス、若しくは、他の炭素含有ガスと、水蒸気、水素ガス若しくは他の混合物などの水素含有ガスとの混合物、などの炭素燃料など、任意の適切な燃料を含むことができる。例えば、前記混合物は、石炭又は天然ガスの改質に由来する合成ガスを含み得る。燃料吸入導管102は、燃料電池スタック106のアノード側に燃料吸入流を供給する。
【0011】
空気又は他の酸素含有ガスが、空気吸入導管104を通ってスタック106へ供給される。空気吸入導管104は、燃料電池スタック106のカソード側に空気を供給する。
【0012】
燃料および酸化剤が燃料電池スタック106に供給されると、スタック106が作動されて、電気及び燃料排気流を生成する。燃料排気流は、水素、水蒸気、一酸化炭素、二酸化炭素、メタンなどいくらかの未反応の炭化水素ガス、及びその他の反応副生成物や不純物を含み得る。
【0013】
燃料排気流(すなわち、スタックアノード排気流)は、燃料排気導管110を介してスタック106から提供される。空気排気流(すなわち、スタックカソード排気流)は、空気排気導管112を介してスタック空気排気出口から提供される。燃料排気導管110は、燃料排気流の一部をATO投入導管114を介してATO反応器116に供給し、燃料排気流の一部をリサイクル導管120を介して再循環させるように構成されている。ATO反応器116に供給される燃料排気とリサイクル導管120を介して再循環される燃料排気の割り当ては、変化し得る。例えば、燃料排気の10%がATO反応器116に供給され、90%が再循環されてもよい。あるいは、燃料排気の50%がATO反応器116に供給され、一方で50%は再循環されてもよい。さらに、燃料排気の90%以上がATO反応器に供給され、10%以下が再循環されてもよい。導管120に供給される再循環燃料の量は、ブロワ122の出力又はブロー速度によって制御される。導管114及び120に供給される燃料排気流は、同じ組成又は含有量の水素、一酸化炭素、水、及び二酸化炭素を含み得る。排気導管112は、ATO反応器116に空気排気流を供給するように構成されている。
【0014】
ATO反応器116は、燃料排気流及び空気排気流をそれぞれ、ATO投入導管114及び導管112を介して受け入れる。ATO反応器は、混合された燃料排気流及び空気排気流を使用して、アノードテールガスを酸化し、加熱された酸化燃料(すなわち、反応器排気)をATO排気導管118に排出する。
【0015】
再循環ブロワ122がリサイクル導管120に連結されて、リサイクル導管120からの再循環燃料排出流を、リサイクル導管124を介して二酸化炭素キャニスタートラップ126に供給する。再循環ブロワ122はコンピュータ又はオペレータ制御されてよく、二酸化炭素キャニスタートラップ126に供給される再循環燃料排気流の量及び/又は速度、及びスタック106に戻される二酸化炭素を含まない又は二酸化炭素が激減した再循環燃料排気流の量及び/又は速度をも変化させることができる。従って、再循環ブロワ122を使用して、システム100の全体的なリサイクル率を増減させることができる。
【0016】
二酸化炭素キャニスタートラップ126は、消耗し得る二酸化炭素トラップなどの任意のタイプの二酸化炭素トラップであり得る。二酸化炭素キャニスタートラップ126には、二酸化炭素導管がない。代わりに、二酸化炭素キャニスタートラップ126は、二酸化炭素で満杯になり、クリーンなトラップと交換されるときに、オペレータによってSOFCシステムから物理的に除去される。二酸化炭素キャニスタートラップ126は、再循環ブロワ122の下流に配置することができ、二酸化炭素キャニスタートラップ126を定期的に交換し得る限り使用してホットボックスの寿命を延ばすことができる。二酸化炭素キャニスタートラップ126は、再循環燃料排気流から二酸化炭素を除去する。好ましくは、二酸化炭素キャニスタートラップ126は、再循環燃料排気流から実質的にすべての二酸化炭素を除去する。二酸化炭素キャニスタートラップ126は、再循環燃料排気流から二酸化炭素の50%未満、又は50%超、例えば、50%~60%、60%~70%、70%~80%、80%~90%、又は、約98%、約99%若しくは約99.5%等の90%~100%を除去することができる。二酸化炭素キャニスタートラップ126は、その二酸化炭素収集構成要素の毎日の交換を必要とし得るか、又は他の適切な周期的な交換が必要とされ得る。バイパス弁及び導管(図示せず)を設けて、発電を中断することなく二酸化炭素キャニスタートラップ126を交換することを可能にすることができる。好ましくは、二酸化炭素キャニスタートラップ126は、サービス要員が容易にアクセスできるように、燃料スタック106を含むホットボックスの外側に配置される。二酸化炭素キャニスタートラップ126は、ホットボックスを含むシステムハウジング内に配置されてもよい。
【0017】
図1Bは、
図1Aの二酸化炭素キャニスタートラップ126の概略図を示す。二酸化炭素キャニスタートラップ126は、
図1Bにより詳細に示される。二酸化炭素キャニスタートラップ126は、2つの二酸化炭素キャニスタートラップ126A及び126Bを備え得る。弁125は、リサイクル導管124から二酸化炭素キャニスタートラップ126A又は126Bの一方又は両方への再循環燃料排気流の分流を可能にするように提供され得る。さらに、弁125は、再循環燃料排気流が二酸化炭素キャニスタートラップ126A及び126Bの一方又は両方に流れるのを防ぐことができる。二酸化炭素キャニスタートラップ126A及び126Bは、再循環燃料排気流から二酸化炭素を除去する。リサイクル導管128からの二酸化炭素キャニスタートラップ126A及び126Bの隔離を可能にするために、弁127を設けることができる。弁125及び弁127の操作により、システムオペレータは、同時に、再循環燃料排気を、二酸化炭素キャニスタートラップ126A及び126Bの一方に通す、両方に通す、又は、いずれにも通さないことが可能となる。弁125及び弁127は、二酸化炭素キャニスタートラップ126A及び126Bのいずれかをシステム100から隔離するように構成することができる。言い換えれば、二酸化炭素トラップ126Aが機能し続けている間、二酸化炭素キャニスタートラップ126Bを隔離して交換することができ、逆もまた同様である。この隔離により、トラップの交換やその他のメンテナンスが容易になったり、発電を中断することなく二酸化炭素の除去率を調整したりできる。
【0018】
図1A及び
図1Bの両方に示されるように、二酸化炭素の量が低減された精製された再循環燃料排気流は、リサイクル導管128を介して燃料スタック106の燃料吸入流に戻される。二酸化炭素が激減した燃料排気の、燃料吸入へのリサイクルは、燃料電池スタック106の性能を高める。
【0019】
図2は、本発明の別の実施形態による電気化学的二酸化炭素分離器226を示す。電気化学的二酸化炭素分離器226は、本発明の実施形態とともに使用することができる二酸化炭素分離器の1タイプである。電気化学的二酸化炭素分離器226は、電気分解モードで作動される(すなわち、電位が印加された)溶融炭酸塩形燃料電池であってよい。
【0020】
電気化学的二酸化炭素分離器226は、リサイクル導管224を介して投入される再循環燃料排気流を受け入れることができる。再循環燃料排気流は、水素、二酸化炭素、水、及び二酸化炭素からなり得る。リサイクル導管224は、電気化学的二酸化炭素分離器226のアノード206チャンバーに連結することができる。空気は、空気投入導管202を介して電気化学的二酸化炭素分離器226に供給され、電気化学的二酸化炭素分離器226をパージするために使用される。電気化学的二酸化炭素分離器226に電源204から電気が加えられ、電気化学的二酸化炭素分離器を電解槽モードで作動させる。一実施形態では、電源204は、燃料電池スタック106を含み得る。印加される電流は、以下の反応に従って、炭酸イオン(CO3
-2)をアノード206から電解質208を通ってカソード210に移動させる:
アノード: 2H2O→2H2+O2 O2+2CO2+2e-→CO3
-2
カソード: CO3
-2→O2+2CO2+2e-
【0021】
カソード210チャンバーは、二酸化炭素導管214に連結され、再循環燃料排気流から抽出された二酸化炭素は、二酸化炭素導管214を介して電気化学的二酸化炭素分離器226を出る。
【0022】
アノード206チャンバーは、精製された再循環燃料排気流導管212にさらに連結される。アノード排気導管212を介して二酸化炭素分離器アノード206チャンバーを出る精製された再循環燃料排気流は、リサイクル導管224を介して二酸化炭素分離器226に入った再循環燃料排気流より少ない二酸化炭素を含む。全体の組成のパーセンテージとして、精製された再循環燃料排気流導管212内の精製された再循環燃料排気流は、リサイクル導管224を介して二酸化炭素分離器206に入る再循環燃料排気流よりも高いパーセンテージの水素を含む。好ましくは、電気化学的二酸化炭素分離器226は、再循環燃料排気流から実質的にすべての二酸化炭素を除去する。電気化学的二酸化炭素分離器226は、再循環燃料排気流から二酸化炭素の50%未満、又は50%超、例えば、50%~60%、60%~70%、70%~80%、80%~90%、又は、約98%、約99%若しくは約99.5%等の90%~100%を除去することができる。
【0023】
図3は、本発明の実施形態によるシステム300を示す。システム300は、
図1Aに示されるシステム100に類似しており、複数の構成要素を共通に含む。システム100及び300の両方に共通であるこれらの構成要素は、
図1A及び
図3において同じ番号で番号付けされており、これ以上説明しない。
【0024】
システム100と300との間の1つの違いは、システム300が、二酸化炭素キャニスタートラップ126ではなく二酸化炭素分離器326を利用できることである。二酸化炭素分離器326は、二酸化炭素膜分離器又は
図2に関して上で述べた電気化学的二酸化炭素分離器などの任意のタイプの二酸化炭素分離器であってよい。システム100と300との間の他の違いは、システム300が、ATO排気又はSOFCカソード排気を利用して、二酸化炭素分離器326の収集側をスイープして二酸化炭素を除去することができる点である。システム100と300との間のさらなる違いは、システム300が水を用いて二酸化炭素分離器326の収集側のガスをバイアスすることができる点である。
【0025】
リサイクル導管124は、二酸化炭素分離器326に連結することができる。再循環燃料排気流は、リサイクル導管124を介して二酸化炭素分離器326に投入され、この再循環燃料排気流から二酸化炭素が除去されて、精製された(例えば、二酸化炭素が激減した)再循環燃料排気流を生成する。二酸化炭素分離器326を出る精製された再循環燃料排出流は、リサイクル導管124を介して二酸化炭素分離器326に入った再循環燃料排出流よりも少ない二酸化炭素を含む。全体の組成のパーセンテージとして、精製された再循環燃料排出流は、リサイクル導管124を介して二酸化炭素分離器326に入る再循環燃料排出流よりも大きいパーセンテージの水素を含む。好ましくは、二酸化炭素分離器326は、再循環燃料排出流から実質的にすべての二酸化炭素を除去する。二酸化炭素分離器326は、再循環燃料排気流から二酸化炭素の50%未満、又は50%超、例えば、50%~60%、60%~70%、70%~80%、80%~90%、又は、約98%、約99%若しくは約99.5%等の90%~100%を除去できる。
【0026】
二酸化炭素分離器326は、リサイクル導管334に連結される。二酸化炭素の量が減少した精製された再循環燃料排気流は、リサイクル導管334によって燃料吸入流に戻される。二酸化炭素が減少した燃料排気を燃料吸入へリサイクルすることにより、燃料電池スタック106の性能が高まる。
【0027】
二酸化炭素を選出する際の二酸化炭素分離器326の効率は、二酸化炭素分離器326の収集側に水を加えることによって、二酸化炭素分離器326の収集側をバイアスすることによって高められる。
【0028】
一実施形態では、ATO反応器116からの高温の排気は、高温排気導管118を介してカソード復熱式熱交換器336に送られ、そこでATO排気は、空気吸入導管104を通して供給される空気吸入流と熱交換する。熱交換器は、空気吸入導管104内の空気の温度が上がるのを助け、膜加湿器328を損傷しないように導管118内のATO排気の温度を低下させる。
【0029】
代替の実施形態では、SOFCカソード排気の全部又は一部を、カソード復熱式熱交換器336に直接送ることができる。弁349は、カソード排気を導管112から導管350に向かわせることができる。弁349は、代替的に、カソード排気の一部を導管350に向かわせ、カソード排気の一部をATO反応器に向かわすように構成されたスプリッタ(図示せず)であってよい。弁351は、導管350から受け入れたカソード排気をカソード復熱式熱交換器336の方へと向かわせ、カソード排気がATO反応器116に流れるのを防ぐように構成することができる。追加で、弁351は、導管352に連結されて、ATO排気及び/又はSOFCカソード排気を排気としてシステム300の外へと向かわせることができる。弁349及び351並びに導管350の利用により、SOFCカソード排気又はATO排気のいずれか、又は、ATO排気及びSOFCカソード排気の両方の混合物をカソード復熱式熱交換器336に送れるようにする、又は、ATO排気もSOFCカソード排気のいずれもカソード復熱式熱交換器336に送れないようにすることができる。
【0030】
熱交換器336から、ATO排気導管118は、膜加湿器328に連結され得る。空気は、導管118を介して膜加湿器328に投入される。任意選択で、空気はまた、膜加湿器328に連結される空気導管340を介して、膜加湿器に投入され得る。空気導管340は、ブロワ、ファン、又はコンプレッサ(図示せず)によって供給される空気を投入することができる。
【0031】
作動中、膜加湿器328は、二酸化炭素分離器326に投入するための空気又は酸化燃料流を加湿する。膜加湿器328は、高分子膜加湿器を含むことができる。
【0032】
水は、必要に応じて、水導管342を介して膜加湿器328に投入され得る。水はまた、二酸化炭素分離器326と膜加湿器332との間に連結される二酸化炭素導管332から膜加湿器328によって収集され得る。水は、膜加湿器328の生成物側328Bから収集側328Aへと膜を横切って浸透する。導管342からの水は、膜加湿器328において導管118からのATO排気と混合され、そのとき湿った空気は、湿り空気導管330に送られる。
【0033】
湿り空気導管330は、二酸化炭素分離器326に連結され、湿り空気又はATO排気は、二酸化炭素分離器326による二酸化炭素の分離をバイアスするために使用される。従来型の二酸化炭素分離器が反応中自然に水を選出する場合、二酸化炭素分離器の収集側の水の存在は、水の選出を減らし、二酸化炭素を選出する二酸化炭素分離器の効率を上げる。このようにして、二酸化炭素分離器326の収集側に入る空気中の水の量の増加は、二酸化炭素分離器326をバイアスして、再循環燃料排気流から二酸化炭素を選出する。好ましくは、湿り空気又はATO排気は、再循環燃料排気流と実質的に等しい量の水を含む。湿り空気又はATO排気は、再循環燃料排気流に含まれる水の約90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、又は10%を含み得る。「約」という用語は、10%以下、好ましくは5%以下の変動などの、与えられたプロセス変数に基づく変動を提供する。湿り空気又はATO排気はまた、再循環燃料排気流に含まれる水の100%超え、例えば約110%、120%、130%、140%、150%、160%、170%、180%、190%、又は200%を含み得る。
【0034】
したがって、導管330は、湿った混合物を収集側326Aに投入し、導管332は、二酸化炭素分離器326の収集側326Aから二酸化炭素と湿った混合物を排出する。導管124は、再循環燃料排気を生成物側326Bに投入し、導管334は、二酸化炭素分離器326の生成物側326Bから二酸化炭素激減排気を排出する。
【0035】
したがって、導管340及び/又は118は、収集側328Aに酸化剤を供給し、導管330は、膜加湿器328の収集側328Aから加湿された酸化剤を排出する。導管332は、二酸化炭素と湿った混合物を生成物側328Bへと投入し、導管338は、生成物側328Bから二酸化炭素を排出する。
【0036】
湿った空気又はATO排気と二酸化炭素との混合物は、二酸化炭素分離器の収集側から二酸化炭素導管332を経由して膜加湿器328に移動する。膜加湿器328は、湿った空気混合物から水の一部を除去し、排出導管338を介して二酸化炭素と空気を排出する。上記のように、膜加湿器328によって二酸化炭素導管332から除去された水は、膜加湿器328に入る空気又はATO排気を加湿するために使用され得る。したがって、システム300は、ATO排気又はSOFCカソード排気を使用して、二酸化炭素分離器の収集側をスイープし、及び/又は、収集ガスを水でバイアスする。
【0037】
図4は、本発明の実施形態によるシステム400を示す。システム400は、
図1Aに示されるシステム100と類似であり、複数の構成要素を共通に含む。システム100及び400の両方に共通なこれらの構成要素には、
図1A及び
図4において同じ番号で番号付けし、これ以上説明しない。
【0038】
システム100と400との間の1つの違いは、システム400が、二酸化炭素キャニスタートラップ126ではなく二酸化炭素膜分離器426を利用し得ることである。
【0039】
二酸化炭素膜分離器426は、二酸化炭素膜分離器の生成物側426B(投入側)から収集側426Aへの水の輸送を遮断するように調整された膜構造429で構築された二酸化炭素膜分離器であってよい。調整された膜構造(生成物側水遮断)429は、二酸化炭素を通過させるが、水を通過させない材料で構成することができる。生成物側水遮断構造に効果的であることがわかっているそのような材料の1つは、ポリテトラフルオロエチレン(Teflon(登録商標))である。生成物側水遮断は、蓄積又は閉塞を介して二酸化炭素膜分離器のパージ空気への水の輸送を妨げる。二酸化炭素膜分離器426は、電気化学的二酸化炭素分離器と同様の方法で構築することができるが、動作するために電流の投入を必要としない。
【0040】
リサイクル導管124は、二酸化炭素膜分離器426に連結することができる。再循環燃料排出流は、リサイクル導管124を介して二酸化炭素膜分離器426の生成物側426Bに入る。二酸化炭素膜分離器は、再循環燃料排出流から二酸化炭素を除去する。前述のように、二酸化炭素膜分離器の生成物側水遮断429は水の輸送を妨げるので、二酸化炭素のみが、収集側426Aに二酸化炭素膜分離器426によって収集される。好ましくは、二酸化炭素膜分離器426は、再循環燃料排気流から実質的にすべての二酸化炭素を除去する。二酸化炭素膜分離器426は、再循環燃料排気流から二酸化炭素の50%未満又は50%超、例えば、50%~60%、60%~70%、70%~80%、80%~90%、又は、約98%、約99%若しくは約99.5%等の90%~100%を除去することができる。
【0041】
二酸化炭素膜分離器426の収集側426Aを出る精製された再循環燃料排出流は、リサイクル導管124を介して二酸化炭素分離器426の生成物側426Bに入った再循環燃料排出流よりも少ない二酸化炭素を含む。全体的な組成のパーセンテージとして、精製された再循環燃料排気流は、リサイクル導管124を介して二酸化炭素分離器426に入る再循環燃料排気流よりも高いパーセンテージの水素を含む。
【0042】
二酸化炭素膜分離器426の生成物側426Bは、リサイクル導管434に連結される。二酸化炭素の量が低減された、精製された再循環燃料排出流は、リサイクル導管434によって燃料吸入流に戻される。二酸化炭素が低減された燃料排気を燃料吸入へリサイクルすることで、燃料電池スタック106の性能が高まる。
【0043】
パージ空気は、二酸化炭素膜分離器426の収集側426Aに動作可能に連結される空気導管430を介して二酸化炭素膜分離器426の収集側426Aに供給される。パージ空気は、二酸化炭素膜分離器426の収集側426Aから二酸化炭素を除去する。二酸化炭素膜分離器426は、排出導管432に動作可能に連結され、空気と二酸化炭素の混合物が、二酸化炭素膜分離器426の収集側426Aから排出導管432に流れる。
【0044】
図5~
図9Bは、本発明の実施形態による、統合された発電、二酸化炭素分離、及び下流処理システムの概略図である。いくつかの実施形態では、発電システムは、アノード排気流中のCO
2を分離できる燃料電池システムであり、例えば、上記の任意の1つ又は複数の先行する実施形態に記載され、
図1A~
図4に示される燃料電池システム100~400である。他の燃料電池システムなどの他の適切な発電システムも使用することができる。燃料電池システムは、CO
2処理のための下流装置と統合される。様々な実施形態によれば、システム及び方法は、燃料電池システムの排気から供給されるCO
2の直接的な下流処理、使用、及び/又は貯蔵を提供する。
【0045】
<下流利用及び/又はCO2貯蔵>
【0046】
図5は、本開示の様々な実施形態による、統合された燃料電池発電及びCO
2処理システム500の概略図である。
図5を参照すると、システム500は、CO
2を気体状態からより高い価値又はより高密度で安定なCO
2貯蔵を有する別の生成物に転換する下流プロセスにおけるCO
2の直接処理を可能にする。
【0047】
特に、このシステムは、天然ガス又は高級炭化水素などの炭化水素燃料を使用して作動するように構成されたSOFC発電システムなどの燃料電池システム502を含む。例えば、燃料電池システム502は、上記のシステム100,200,300又は400のいずれか、あるいは二酸化炭素分離器を含む別の燃料電池システムを含み得る。燃料電池システム502は、燃料導管506によって、燃料タンク又はガスライン(例えば、天然ガスライン)などの燃料源504に流体接続され得る。
【0048】
システム500はまた、リザーバ(例えば、受入れ槽又はアキュムレータ)510と、CO2隔離システム及び/又は圧縮機などのCO2処理装置520とを含む排気処理システム550を含み得る。リザーバ510は、燃料電池システム502から直接、排出される排気を受け入れるように、燃料電池システム502のすぐ下流に流体接続され得る。例えば、排気導管508が、燃料電池システム502のアノード排気出口(例えば、燃料電池スタックのアノード排気に流体接続される二酸化炭素分離器の出口)をリザーバ510に流体接続することができる。
【0049】
特に、燃料電池システム502は、CO2及び水を含み、窒素をほとんど又は全く含まない排気流を排出するように構成することができる。例えば、排気流は、上記のように、燃料電池システムのCO2分離器から排出され得る。言い換えれば、従来の燃料電池システムとは異なり、排気流は、窒素(N2)を含まないか、又は実質的に含まない可能性がある(例えば、約5体積%未満のN2、例えば、約1体積%未満、又は約0.5体積%未満のN2を含む)。
【0050】
リザーバ510に収容された排気がCO2処理装置520に供給され得るように、リザーバ510は排気導管516によってCO2処理装置520に流体接続され得る。したがって、排気(例えば、燃料電池システムのアノード排気から分離された二酸化炭素)は、燃料電池システム502から、リザーバ510に、その後CO2処理装置520に流れることができる。
【0051】
排気背圧は、燃料電池システム502の効率を低下させる可能性がある。したがって、リザーバ510は、CO2処理装置520などの下流構成要素によって生じる排気背圧の影響を緩衝するように構成され得る。例えば、CO2処理装置520は、動作中に背圧及び/又は背圧パルスを発生させる要素を含み得る。リザーバ510は、そのような背圧を低減し及び/又はそのような背圧が燃料電池システム502に加わるのを防止するように動作し得る。言い換えれば、リザーバ510は、下流の構成要素によって生じる圧力変動から燃料電池システム502を隔離するように動作し得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、リザーバ502は、発電機502に与える背圧の影響をさらに低減するために、内部バッフル及び/又は圧力吸収媒体を含み得る。他の実施形態では、リザーバ502は、排気流を冷却するように構成され得る。例えば、リザーバ510は、冷却コイル及び/又は熱交換器などの外部又は内部冷却システムと統合することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、リザーバ510は、冷却水スプレー又はミストを使用して排気を冷却するように構成され得る。システム500は、任意選択で、リザーバ510に流体接続された排水弁512を含み得る。排水弁512は、リザーバ510から水を放出するために周期的に開かれ得る。
【0054】
システム500は、任意選択で、リザーバ510に流体接続された逃し弁514を含むことができる。逃し弁512は、リザーバ510内の排気圧力が設定値を超える場合、リザーバ510から排気を放出するように構成され得る。例えば、逃し弁514は、リザーバ510内の圧力が燃料電池システム502の圧力限界に近づくと開くように構成され得る。
【0055】
<流量測定フィードフォワード>
【0056】
図6は、本開示の様々な実施形態による、統合された燃料電池発電及びCO
2処理システム600の概略図である。システム600は、
図5のシステム500と類似であってよく、したがって、類似の要素については詳細に説明しない。
【0057】
図6を参照すると、システム600は、燃料電池システム502と、燃料流量に基づいてCO
2の排出量を測定するように構成された排気処理システム560とを含むことができる。処理システム560は、燃料電池システム502を燃料タンク又はパイプライン等の燃料源504に流体的に接続する燃料導管506上に配置された、燃料測定弁518等の燃料センサを含むことができる。排気導管516は、燃料電池システム502の排気出口をCO
2処理装置520に流体接続するように構成され得る。処理システム560は、任意選択で、上記のリザーバ510を含み得る。
【0058】
燃料測定弁504は、燃料電池システム502に投入される燃料の量及び/又は組成(例えば、グレードなど)を測定するように構成され得る。燃料測定弁518等のセンサは、燃料電池システム502に投入される燃料の測定に基づいて、燃料電池システム502から排出される排気中に存在するCO2及び/又はH2Oの量を決定するために使用することができる中央処理ユニット(CPU)530に、有線で又は無線で接続され得る。CPU530は、CO2排出量測定がCO2クレジット計算等の経済的理由のために行われ得るように、燃料吸入流のレベニュー・グレード測定を決定するように構成することができる。例えば、CPU530は、燃料タイプ(例えば、グレード、化学組成など)及び/又はセンサ518を通過する燃料の量(例えば、供給される燃料のタイプが知られている場合)を求めることができる。CPU530は、次に、燃料電池システム502の既知の又は検知した動作パラメータ(例えば、動作温度、蒸気対炭素比、燃料対空気比、燃料利用率、二酸化炭素分離器の効率及び/又は処理能力など)に基づいて、燃料電池システム502からCO2処理装置520に供給され得る二酸化炭素の量及び/又は流量を計算することができる。従って、システム600は、下流のCO2の流れを決定するために上流の燃料測定を利用することができる。
【0059】
この実施形態の利点は、H2OとCO2の両方を含む湿った排気流である排気流のCO2含有量の付加的な下流測定を回避できることである。そのような湿った排気流のCO2含有量の測定を回避することは有益であり得る。何故なら、湿ったガス流を測定することができる流量測定装置は故障する可能性があり、上述の二酸化炭素の閾値量がCO2処理装置520に供給される場合に、燃料電池システム502に下流の背圧を与える可能性があり、これが急速なシステム劣化又は故障をもたらす恐れがあるからである。
【0060】
図5及び
図6の実施形態では、システム500,600は、燃料電池システム502から排出される排気を受け入れるように構成されたリザーバ510、及び、リザーバ510から排出される排気を圧縮するように構成された圧縮機520を含み、その結果、リザーバ510は、燃料電池システム502に加えられる排気背圧の量を低減するように構成されている。
【0061】
図5の実施形態のシステム500では、リザーバ510は、リザーバ内の排気背圧がプリセットレベルを超えるのを防ぐように構成された逃し弁514を備える。プリセットレベルは、燃料電池システム502に損傷を与えるだろう圧力の量よりも小さい。一実施形態では、リザーバ510は、燃料電池システム502に加えられる排気背圧の量を減らすように構成された内部バッフルを備える。別の実施形態では、排気処理システム550は、リザーバ510内の排気の温度を下げるように構成された冷却システムをさらに備える。
【0062】
図6の実施形態のシステム600では、排気処理システム560は、燃料電池システムに供給される燃料の特性を測定するように構成されたセンサ518と、燃料電池システム502から排出される排気中のCO
2の量を、センサによる測定に基づいて決定するように構成された中央処理ユニット530とを備える。
【0063】
燃料電池システム502は、電力を生成するように構成された固体酸化物形燃料電池スタックと、燃料電池システムから排出された排気中に含まれるCO
2を分離するように構成された、
図1A~
図4のいずれかに関して説明した二酸化炭素分離装置とを備えることができる。
【0064】
<固体CaCO3へのCO2の変換>
【0065】
図7は、本開示の様々な実施形態による、CO
2固定プロセスの概略図である。いくつかの実施形態では、固定プロセスは、
図5及び
図6のCO
2処理装置520によって実行され得る。この実施形態では、CO
2処理装置520は、化学反応容器(例えば、反応タンクなど)を含む。この実施形態の排気処理システム550,560は、CO
2を固体炭酸カルシウムに化学的に変換するように構成されたCO
2処理装置520を含む。
【0066】
図7を参照すると、燃料電池システム502から排出されるCO
2及び固体CaOが、CO
2処理装置520に配置されるNaOH溶液(例えば、NaOH(l)を含む水溶液)に供給され得る。前記CO
2は、NaOH(l)と反応してNa
2CO
3(l)とH
2O(すなわち水)を形成し、前記CaO(s)は前記水と反応してCa(OH)
2(l)を形成することができる。次に、水溶液中のNa
2CO
3(l)及びCa(OH)
2(l)が反応して、固体CaCO
3を形成(すなわち、沈殿)し、NaOH(1)を生成し得る。次に、沈殿した炭酸カルシウムを含む懸濁液をフィルタ522に通して、固体炭酸カルシウムを懸濁液のNaOH(1)含有溶媒から分離し、それにより、燃料電池システムから排出される炭素を固体炭酸カルシウムとして固体の形態で固定する。次に、生成されたNaOH(1)は、固体炭酸カルシウムを分離した後、プロセスに戻して再循環され、燃料電池システム502から排出されるさらなる二酸化炭素ガスと反応する。
【0067】
<熱及び水の回収>
【0068】
図8は、本開示の様々な実施形態による、CO
2捕捉を含む燃料電池発電システム700における熱及び/又は水の回収を示す概略図である。
図8を参照すると、CO
2及び/又はH
2Oを含み得る燃料電池システム502からの排気は、凝縮器712に供給され得る。水は、排気を冷却することによって凝縮器で排気から凝縮される。凝縮された水は、弁付き水収集導管724を使用して凝縮器712から除去することができる。二酸化炭素を含む残りの排気は、凝縮器712から、この実施形態では圧縮機714を含むCO
2処理装置520に供給される。したがって、凝縮器712は、圧縮機714に乾いたCO
2排気を供給するために、排気から熱を取り除くことによって排気から水を凝縮するように動作し得る。圧縮機714は、圧縮中の熱の放出に伴い、気相CO
2から貯蔵のための液相又は固相のCO
2まで含むことができる。
【0069】
この実施形態は、燃料電池システム502、凝縮器712、及び/又は圧縮機714から回収された熱を統合して、他の統合された用途に熱を供給することを含む。この実施形態は、任意選択で、液体天然ガス(LNG)のガス化などのプロセスからの熱交換の統合を含み、これは、排気処理システム750においてCO2の液化又は固化に伴う大量の熱を吸収することができる。
【0070】
図8は、燃料電池システム502排気、凝縮器712、及び、圧縮機714からの熱の回収が、この実施形態ではLNG容器702(例えば、LNGタンク)を含む燃料源に接続された液体天然ガス(LNG)導管704などの、下流の熱負荷に供給されることを示す。熱は、燃料電池システム502、凝縮器712、及び/又は圧縮機714によって、排気処理システム750の任意の適切な熱交換器718を介して供給され得る。熱交換器718は、プレート及び/又はフィンタイプの熱交換器であってよく、この中で、燃料電池システム502、凝縮器712、及び/又は圧縮機714からの熱によって加熱された高温の空気が、弁が開かれた後にLNG容器702から弁付きLNG導管704へと排出されるLNGを加熱するために使用される。あるいは、熱交換器718は、LNG導管704と燃料電池システム502、凝縮器712、及び/又は圧縮機714との間を循環する水又は他の熱伝達液体などの熱交換媒体を含み得る。熱交換は、LNG導管704内でのLNG膨張及び気相天然ガスへの変換(熱を必要とする)と、構成要素502、712、及び714から回収された熱との間で起こり得る。任意選択で、ヒートポンプを使用して、下流での使用に供給される熱の質を高めることができる。
【0071】
いくつかの実施形態では、有用な水は、燃料電池システムの排気から回収され得る。例えば、凝縮器712に集められた水が、導管724を介して水処理装置730に供給され得る。水処理装置730は、pH中和剤を使用して及び/又は加熱して水を低温殺菌することにより、受け入れた水のpHを中和する、及び/又は、受け入れた水を精製するように構成された化学プロセス容器(例えば、加熱又は非加熱タンク)であってよい。水処理装置730から排出される中和された及び/又は低温殺菌された水は、飲料水、農業水利、熱交換器718の熱交換流体又は他の化学プロセス使用などの様々な用途に利用することができる。
【0072】
<液体天然ガス(LNG)熱交換及びCO2隔離>
【0073】
他の実施形態では、生成されたCO
2は、後で分配するために貯蔵され得る。
図9Aは、(LNG)燃料が枯渇したときの、船などの場所でのCO
2貯蔵を示す。
【0074】
船上統合は、LNGがガス化されて燃料として使用され、CO2が分離されて液化され、船が港に戻るまで貯蔵される実施形態の一例を提供する。給油プロセス中、LNGが船に供給されるとき、CO2は空にされ得る。さらに、本明細書に記載の熱統合の実施形態によれば、LNGガス化の効率は、CO2の凝縮を助ける。
【0075】
図9Aは、本開示の様々な実施形態による、船S内の組み合わされたLNG燃料電池電力及び排気処理システム900の概略図であり、
図9Bは、システム900の排気処理システム750の構成要素を示す概略図である。
図9A及び
図9Bを参照すると、システム900は、コンテナ船などの船S内に配置され得る。システム900は、船Sの電気負荷902に電力を供給するように構成された燃料電池システム502と、LNGをガス化して圧縮CO
2を生成するように構成され得る排気処理システム750とを含むことができる。
図9Aに示されるように、排気処理システム750は、燃料電池システム502の外側に配置され得る。しかしながら、他の実施形態では、排気処理システム750の1つ又は複数の構成要素は、燃料電池システム502のキャビネット内に配置され得る。
【0076】
燃料電池システム900は、
図1A~
図4に関して上で論じたCO
2分離装置を含み得る。したがって、燃料電池システム900は、H
2O、CO
2及び5体積%未満のN
2、例えば1体積%未満、又は0.5体積%未満のN
2を含む排気を排出するように構成され得る。
【0077】
排気処理システム750は、LNG導管704によってLNG容器702に流体接続され得る。LNG容器702は、約-163℃以下の温度、例えば、-161℃未満の天然ガスの凝縮温度で、LNGを貯蔵するように構成され得る。LNGを容器702から排気処理システム750にポンプ輸送するように構成されたポンプ又はブロワ703は、LNG導管704上のLNG容器702の外側に配置され得る。
【0078】
燃料電池システム502の排気出口は、排気吸入導管706によって排気処理システム750の入口に流体接続され得る。燃料導管506は、排気処理システム750の天然ガス(NG)出口を燃料電池システム502の燃料入口に流体接続することができる。燃料電池システム502は、船Sの一次及び/又は二次電気負荷などの負荷902に電気的に接続され得る。
【0079】
排気処理システム750は、凝縮器712、圧縮機714、1つ又は複数の熱交換器716,718、及び、二酸化炭素貯蔵タンク720などの貯蔵容器を含み得、これらは処理導管722によって連続的に流体接続され得る。任意選択の第1の熱交換器716、凝縮器712及び/又は圧縮機714は、集水導管724に流体接続され得る。
【0080】
任意選択の第1の熱交換器716は、燃料電池システムの排気の温度を下げるように構成することができる。例えば、いくつかの実施形態では、第1の熱交換器716は、空気を使用してシステム排気を冷却することができる。他の実施形態では、第1の熱交換器716は、NGを利用してシステム排気を冷却すると同時に、導管506を介して燃料電池システム502に供給されるNGを加熱することができる。例えば、第1の熱交換器716は、システム排気中のCO2のその後の圧縮を容易にするために、システム排気を約200℃から約25℃の範囲の温度に冷却するように構成することができる。システム排気中に存在する水の凍結を防ぐために、システム排気を0℃超えに維持することができる。
【0081】
第1の熱交換器716はまた、燃料電池システム502の効率を改善するために、それに供給されるNGの温度を上昇させることができる。例えば、第1の熱交換器716は、このNGを約100℃から約300℃の範囲の温度に加熱することができる。システム排気の温度が第1の熱交換器716において100℃を下回る場合、第1の水流を第1の熱交換器716から除去することができる。
【0082】
凝縮器712は、第1の熱交換器から供給されるシステム排気を100℃未満に冷却して、システム排気から水を凝縮するように構成することができる。次に、主に二酸化炭素を含むシステム排気は、凝縮器から圧縮機714に供給される。凝縮器712の底部からは第2の水流が排出される。
【0083】
圧縮機714は、凝縮器712から供給されるシステム排気を圧縮して、それにより第3の水流を生成するように構成され得る。次に、主に二酸化炭素を含む圧縮された排気を第2の熱交換器718に供給して、導管704に供給されたLNGと熱を交換し、LNGをNGに変換することができる。
【0084】
第1の熱交換器716、凝縮器712及び/又は圧縮機714によって抽出された水は、収集導管724によって収集され得る。収集された水は、中和及び/又は精製のために任意選択の水処理装置730に供給され得る。
【0085】
第2の熱交換器718は、システム排気を、LNG容器702から排出された導管704内のLNGを用いて、液体CO2を生成するのに十分な温度まで冷却するように構成され得る。例えば、第2の熱交換器718は、主に二酸化炭素を含むシステム排気を、約-20℃から約-30℃の範囲の温度まで冷却するように構成され得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、第2の熱交換器718は、LNGを徐々に加熱してLNGを気化させてNGを形成するように構成され得る。第2の熱交換器718はまた、LNGがNGに変換されるときに、LNGの漸進的な拡張を可能にし得る。
図9Bに示されるように、NGは、燃料導管708によって第1の熱交換器716に供給され得る。しかしながら、他の実施形態では、燃料導管708は、導管506を介して燃料電池システム502に直接NGを供給することができ、第1の熱交換器716は省略でき、又はシステム排気を冷却するために空気を供給することができる。処理導管722から排出された圧縮又は液体CO
2は、貯蔵タンク720に貯蔵することができる。
【0087】
いくつかの実施形態では、排気処理システム750は、任意選択で気化器732を含み得る。例えば、システム排気によって供給される熱がLNGを完全に気化させるには不十分である場合、気化器732が作動して、第2の流体から抽出された熱を用いてLNGを気化及び膨張させ得る。例えば、気化器732は、システム起動時、又は燃料システム200が低負荷条件下で作動している期間中に、選択的に作動され得る。第2の流体は、船S上の水タンクから供給される水であってもよく、又は船Sの外部から供給される真水又は海水であってもよく、次いで気化器内のヒーターによって加熱される。水蒸気を気化器内のNGに加えて、燃料電池システム502に供給されるNGを加湿することができる。
【0088】
他の実施形態では、凝縮器712、圧縮機714、及び/又は第2の熱交換器718は、固体CO
2を生成するように構成されたCO
2固定システムで置き換えることができる。例えば、CO
2固定システムは、
図7の方法を用いて、固体CaCO
3を生成するように構成され得る。
【0089】
さらに他の実施形態では、システム900は、任意選択で、
図5に記載のリザーバ510を含むことができ、これは、燃料電池システムの排気を処理する間に発生する圧力変動を緩衝するように構成されている。いくつかの実施形態では、システム900は、本明細書に記載されているが
図9A及び
図9Bには示されていない追加の構成要素を含み得る。例えば、システムは、
図5の排水弁512及び逃し弁514、及び/又は、
図6のセンサ(例えば、測定弁)504及びCPU530を含むことができる。
【0090】
図8,
図9A及び
図9Bの実施形態のシステム700及び900は、燃料電池システム502から排出される排気から水を凝縮するように構成された凝縮器712と、前記排気の流れ方向に関して凝縮器712の下流に配置されているとともに、前記排気中のCO
2を圧縮するように構成された圧縮機714と、前記凝縮器又は前記圧縮機の少なくとも1つからの熱を使用して燃料電池システム502に供給される燃料を加熱するように構成された少なくとも1つの熱交換器716,718とを備える排気処理システム750を含む。
【0091】
図9A及び
図9Bの実施形態のシステム900では、前記少なくとも1つの熱交換器は、凝縮器712の上流に配置されているとともに、排気からの熱を使用して燃料を加熱するように構成された第1の熱交換器716と、凝縮器712又は圧縮機714の少なくとも1つからの熱を使用して燃料を加熱するように構成された第2の熱交換器718とを備える。一実施形態では、第2の熱交換器718は、排気を液体CO
2に変換するように構成されている。一実施形態では、システム700又は900は、LNG導管704を介して第2の熱交換器718に液体天然ガス(LNG)の形態で燃料を供給するように構成された液体天然ガス(LNG)容器702をさらに備え、前記燃料は、燃料が第1の熱交換器716から燃料電池システム502に排出されるときは、天然ガス(NG)の形態である。
【0092】
一実施形態では、システム900は、外部熱源を使用してシステム900の起動時に水を気化させて燃料を加湿するように構成された気化器732をさらに備える。一実施形態では、システム700又は900は、凝縮器712から受け入れた水を中和する又は精製することの少なくとも1つを行うように構成された水処理装置730をさらに備える。一実施形態では、燃料電池システム502は、船上に配置され、船の電気負荷902に電気的に接続されている。
【0093】
本発明の前述の説明は、例示及び説明の目的で提示された。それは、網羅的であること、又は本発明を開示された正確な形態に限定することを意図するものではなく、修正及び変形は、上記の教示に照らして可能であるか、又は本発明の実施から取得することができる。上記説明は、本発明の原理及びその実際の適用を説明するために選択された。本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲及びそれらの等価物によって明記されるものとする。
【国際調査報告】