(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-26
(54)【発明の名称】先天性副腎過形成を処置する方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/56 20060101AFI20220915BHJP
A61P 5/38 20060101ALI20220915BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220915BHJP
A61K 31/519 20060101ALI20220915BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20220915BHJP
A61K 9/14 20060101ALI20220915BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20220915BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20220915BHJP
A61K 47/42 20170101ALI20220915BHJP
A61K 31/573 20060101ALI20220915BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20220915BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
A61K31/56
A61P5/38
A61P43/00 111
A61K31/519
A61K31/5377
A61K9/14
A61K9/20
A61K9/48
A61K47/42
A61K31/573
A61K45/00
A61K47/38
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022503463
(86)(22)【出願日】2020-07-20
(85)【翻訳文提出日】2022-03-17
(86)【国際出願番号】 US2020042820
(87)【国際公開番号】W WO2021016208
(87)【国際公開日】2021-01-28
(32)【優先日】2019-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522022203
【氏名又は名称】スプルース バイオサイエンシーズ,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ゴーシュ,サンギータ
(72)【発明者】
【氏名】バーンズ,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】フアン,マイケル
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C076AA31
4C076AA36
4C076AA53
4C076CC30
4C076EE30
4C076EE38
4C076EE42
4C084AA17
4C084AA19
4C084MA35
4C084MA37
4C084MA41
4C084MA52
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZC081
4C084ZC082
4C084ZC511
4C084ZC512
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB06
4C086DA08
4C086DA10
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA41
4C086MA52
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZC08
4C086ZC42
4C086ZC51
(57)【要約】
先天性副腎過形成(CAH)を抱える患者は、通常の生活を送るために適切な医療および処置を必要とする。従って、CAHを処置する新しい方法のニーズがある。本開示は、CAHの処置における新しい化合物、塩、組成物、およびそれらの使用を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先天性副腎過形成(CAH)を処置する方法であって、該方法は、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩およびコルチコトロピン放出因子1型(CRF1)アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を被験体に投与する工程を含み、ここで、前記被験体は、少なくとも1つのステロイドホルモンのレベルが、前記少なくとも1つのステロイドホルモンのレベルの基準範囲の上限の2倍未満であり、前記ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の投与量は、前記CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を受け取らないCAH患者に投与された前記ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の投与量に比較して減少される、方法。
【請求項2】
前記被験体は、第2の、かつ異なるステロイドホルモンのレベルが、前記第2の、かつ異なるステロイドホルモンのレベルの基準範囲の上限の2倍未満であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステロイドホルモンは、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、アンドロステンジオン(A4)、17-ヒドロキシプロゲステロン(17-OHP)、デオキシコルチコステロン、11-デオキシコルチゾール、コルチゾール、コルチコステロン、アルドステロン、プレグネノロン、17α-ヒドロキシプレグネノロン、プロゲステロン、デヒドロエピアンドロステロン、アンドロステンジオール、テストステロン、ジヒドロテストステロン、エストロン、エストラジオール、およびエストリオールからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記被験体は、17-OHPのレベルが、17-OHPの基準範囲の上限の2倍未満であり、および、ACTHのレベルが、ACTHの基準範囲の上限の2倍未満である、請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
前記被験体は、17-OHPのレベルが、17-OHPの基準範囲の上限の2倍未満であり、および、A4のレベルが、A4の基準範囲の上限の2倍未満である、請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記被験体は、A4のレベルが、A4の基準範囲の上限の2倍未満であり、および、ACTHのレベルが、ACTHの基準範囲の上限の2倍未満である、請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記被験体は、17-OHPのレベルが、17-OHPの基準範囲の上限の1.75倍未満であり、および、ACTHのレベルが、ACTHの基準範囲の上限の1.75倍未満である、請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記被験体は、17-OHPのレベルが、17-OHPの基準範囲の上限の1.75倍未満であり、および、A4のレベルが、A4の基準範囲の上限の1.75倍未満である、請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
前記被験体は、A4のレベルが、A4の基準範囲の上限の1.75倍未満であり、および、ACTHのレベルが、ACTHの基準範囲の上限の1.75倍未満である、請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記被験体は、17-OHPのレベルが、17-OHPの基準範囲の上限の1.5倍未満であり、および、ACTHのレベルが、ACTHの基準範囲の上限の1.5倍未満である、請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
前記被験体は、17-OHPのレベルが、17-OHPの基準範囲の上限の1.5倍未満であり、および、A4のレベルが、A4の基準範囲の上限の1.5倍未満である、請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項12】
前記被験体は、A4のレベルが、A4の基準範囲の上限の1.5倍未満であり、および、ACTHのレベルが、ACTHの基準範囲の上限の1.5倍未満である、請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項13】
前記被験体は、17-OHPのレベルが、17-OHPの基準範囲の上限の1.25倍未満であり、および、ACTHのレベルが、ACTHの基準範囲の上限の1.25倍未満である、請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
前記被験体は、17-OHPのレベルが、17-OHPの基準範囲の上限の1.25倍未満であり、および、A4のレベルが、A4の基準範囲の上限の1.25倍未満である、請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
前記被験体は、A4のレベルが、A4の基準範囲の上限の1.25倍未満であり、および、ACTHのレベルが、ACTHの基準範囲の上限の1.25倍未満である、請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
前記被験体は、17-OHPのレベルが、17-OHPの基準範囲の上限の1倍未満であり、および、ACTHのレベルが、ACTHの基準範囲の上限の1倍未満である、請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項17】
前記被験体は、17-OHPのレベルが、17-OHPの基準範囲の上限の1倍未満であり、および、A4のレベルが、A4の基準範囲の上限の1倍未満である、請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項18】
前記被験体は、A4のレベルが、A4の基準範囲の上限の1倍未満であり、および、ACTHのレベルが、ACTHの基準範囲の上限の1倍未満である、請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項19】
前記ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の前記投与量を、5mgのインクリメントで減少させる工程をさらに含む、請求項1から18のいずれか1つに記載の方法。
【請求項20】
先天性副腎過形成(CAH)を処置する方法であって、該方法は、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩およびコルチコトロピン放出因子1型(CRF1)アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を被験体に投与する工程を含み、ここで、前記被験体は、少なくとも1つのステロイドホルモンのレベルが、前記少なくとも1つのステロイドホルモンのレベルの基準範囲の上限を超えており、前記ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の投与量は、前記CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を受け取らないCAH患者に投与された前記ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の投与量に比較して減少されない、方法。
【請求項21】
前記被験体は、少なくとも1つのステロイドホルモンのレベルが、前記少なくとも1つのステロイドホルモンのレベルの基準範囲の上限の2倍を超えることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記被験体は、少なくとも1つのステロイドホルモンのレベルが、前記少なくとも1つのステロイドホルモンのレベルの基準範囲の上限の1.75倍を超えることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記被験体は、少なくとも1つのステロイドホルモンのレベルが、前記少なくとも1つのステロイドホルモンのレベルの基準範囲の上限の1.5倍を超えることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記被験体は、少なくとも1つのステロイドホルモンのレベルが、前記少なくとも1つのステロイドホルモンのレベルの基準範囲の上限の1.25倍未満を超えることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記ステロイドホルモンは、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、アンドロステンジオン(A4)、17-ヒドロキシプロゲステロン(17-OHP)、デオキシコルチコステロン、11-デオキシコルチゾール、コルチゾール、コルチコステロン、アルドステロン、プレグネノロン、17α-ヒドロキシプレグネノロン、プロゲステロン、デヒドロエピアンドロステロン、アンドロステンジオール、テストステロン、ジヒドロテストステロン、エストロン、エストラジオール、およびエストリオールからなる群から選択されることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
【請求項26】
少なくとも2つのステロイドホルモンの前記レベルが、それぞれ、前記2つのステロイドホルモンの前記基準範囲の前記上限の2倍未満となるまで、前記ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の前記投与量を維持する工程をさらに含む、請求項20から25のいずれか1つに記載の方法。
【請求項27】
前記少なくとも2つのステロイドホルモンの前記レベルが、それぞれ、前記2つのステロイドホルモンの前記基準範囲の前記上限の2倍未満であるとき、前記ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の前記投与量を、5mgのインクリメントで減少させる工程をさらに含む、請求項20から25のいずれか1つに記載の方法。
【請求項28】
前記少なくとも2つのステロイドホルモンは、17-OHPおよびACTHを含むことを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記少なくとも2つのステロイドホルモンは、17-OHPおよびA4を含むことを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記少なくとも2つのステロイドホルモンは、A4およびACTHを含むことを特徴とする、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
前記被験体のACTHまたはA4のレベルの前記基準範囲は、年齢、性別、閉経期の状態、試験室の環境、一日の時間、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される因子により制御されることを特徴とする、請求項1から30のいずれか1つに記載の方法。
【請求項32】
ACTHまたはA4の前記レベルは、前記被験体のACTHまたはA4のレベルの正常範囲の上限の2倍、1.5倍、1.25倍、または1倍であることを特徴とする、請求項1から30のいずれか1つに記載の方法。
【請求項33】
前記ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の前記量は、約10mgから約80mgまでの範囲のヒドロコルチゾン当量を含み、ここで、前記ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩は、毎日投与される、請求項1から30のいずれか1つに記載の方法。
【請求項34】
前記CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩の前記量は、約10mgから約200mgまでの範囲を含み、ここで、前記CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、毎日投与される、請求項1から30のいずれか1つに記載の方法。
【請求項35】
前記被験体は、約4週から約36週の期間処置されることを特徴とする、請求項1から34のいずれか1つに記載の方法。
【請求項36】
前記被験体が約4週から約36週の期間処置された後、前記被験体は、CAHを処置する異なる方法が投与されるべきかどうかを判定するために再評価される請求項1から34のいずれか1つに記載の方法。
【請求項37】
前記CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は:Antalarmin塩酸塩、Pfizer CP154526、CP 376395塩酸塩、NBI 27914塩酸塩、NBI 35965塩酸塩、NGD 98-2塩酸塩、Pexacerfont、R 121919塩酸塩、SN003から成る群から選択されることを特徴とする、請求項1から36のいずれか1つに記載の方法。
【請求項38】
前記CRF1アンタゴニストは、式(I)の化合物:
【化1】
またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中:R1とR2は、独立してエチルまたはn-プロピルであり、R3は、水素、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり、および、R4は、水素、Br、RaRbN-、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル,モルフォリン-4-イル、
【化2】
であり、および、RaとRbは、独立して水素、C1-C3アルキル、H2NCH2CH2-、(CH3)3COC(O)NHCH2CH2-、またはCH3CH2CH2NHCH2CH2-、である、請求項1から37のいずれか1つに記載の方法。
【請求項39】
R3は、Cl、Br、メチル、またはトリフルオロメチルであることを特徴とする、請求項1から38のいずれか1つに記載の方法。
【請求項40】
R3は、Cl、Br、またはメチルであることを特徴とする、請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
R4は、Br、RaRbN-、ピリジン-4-イル,モルフォリン-4-イル、または、
【化3】
であることを特徴とする、請求項38から40のいずれか1つに記載の方法。
【請求項42】
R4は、モルフォリン-4-イル、または、
【化4】
であることを特徴とする、請求項38から40のいずれか1つに記載の方法。
【請求項43】
R4は、水素、Br、RaRbN-であり、およびRaとRbは独立してC1-C3アルキルであることを特徴とする、請求項38から40のいずれか1つに記載の方法。
【請求項44】
化合物は、
【化5】
、またはその薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする、請求項38に記載の方法。
【請求項45】
化合物は、
【化6】
またはその薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする、請求項38に記載の方法。
【請求項46】
化合物は、
【化7】
またはその薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする、請求項38に記載の方法。
【請求項47】
CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、全1日量が約50mgから約200mgの投与量で被験体に投与されることを特徴とする、請求項1から46のいずれか1つに記載の方法。
【請求項48】
CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、全1日量が約200mgの投与量で被験体に投与されることを特徴とする、請求項1から46のいずれか1つに記載の方法。
【請求項49】
CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、全1日量が約150mgの投与量で被験体に投与されることを特徴とする、請求項1から46のいずれか1つに記載の方法。
【請求項50】
CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、全1日量が約100mgの投与量で被験体に投与されることを特徴とする、請求項1から46のいずれか1つに記載の方法。
【請求項51】
CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、全1日量が約75mgの投与量で被験体に投与されることを特徴とする、請求項1から46のいずれか1つに記載の方法。
【請求項52】
CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、全1日量が約50mgの投与量で被験体に投与されることを特徴とする、請求項1から46のいずれか1つに記載の方法。
【請求項53】
CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、全1日量が約25mgの投与量で被験体に投与されることを特徴とする、請求項1から46のいずれか1つに記載の方法。
【請求項54】
CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、微粒子の形態をとることを特徴とする、請求項1から46のいずれか1つに記載の方法。
【請求項55】
微粒子の平均サイズは、約1μmから約20μmの間であることを特徴とする、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
微粒子の平均サイズは、約5μmから約15μmの間であることを特徴とする、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
微粒子の平均サイズは、約10μm未満であることを特徴とする、請求項54に記載の方法。
【請求項58】
CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、医薬組成物として投与されることを特徴とする、請求項1から56のいずれか1つに記載の方法。
【請求項59】
ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩は、医薬組成物として投与されることを特徴とする、請求項1から56のいずれか1つに記載の方法。
【請求項60】
医薬組成物は、カプセル剤または錠剤の形態をとることを特徴とする、請求項58または59に記載の方法。
【請求項61】
カプセル剤は、硬ゼラチンカプセル剤であることを特徴とする、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
カプセル剤は、軟ゼラチンカプセル剤であることを特徴とする、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
カプセル剤は、天然ゼラチン、合成ゼラチン、ペクチン、カゼイン、コラーゲン、プロテイン、化工デンプン、ポリビニルピロリドン、アクリルポリマー、セルロース誘導体、およびその任意の組み合わせからなる群から選択された材料を使用して形成されることを特徴とする、請求項60から62のいずれか1つに記載の方法。
【請求項64】
医薬組成物は、付加的な賦形剤を含まないことを特徴とする、請求項58から63のいずれか1つに記載の方法。
【請求項65】
医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含むことを特徴とする、請求項58から63のいずれか1つに記載の方法。
【請求項66】
医薬組成物は、錠剤の形態をとることを特徴とする、請求項60に記載の方法。
【請求項67】
医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含むことを特徴とする、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩は、グルココルチコイドまたはその薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする、請求項1から66のいずれか1つに記載の方法。
【請求項69】
グルココルチコイドまたはその薬学的に許容可能な塩は、プレドニゾン、コルチゾン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、またはその薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
被験体におけるステロイドホルモンのレベルは、被験体由来の生体サンプルから求められることを特徴とする、請求項1から69のいずれか1つに記載の方法。
【請求項71】
生体サンプルは、血液、血液分画、血漿、血清、および唾液の群から選択されることを特徴とする、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
生体サンプルは、非侵襲的に得られることを特徴とする、請求項70に記載の方法。
【請求項73】
前記被験体は、朝に検査されることを特徴とする、請求項1から72のいずれか1つに記載の方法。
【請求項74】
前記被験体は、A4とACTHの朝のレベルを求めるために検査されることを特徴とする、請求項1から72のいずれか1つに記載の方法。
【請求項75】
被験体は、小児患者であることを特徴とする、請求項1から72のいずれか1つに記載の方法。
【請求項76】
被験体は、約0歳から約18歳であることを特徴とする、請求項1から72のいずれか1つに記載の方法。
【請求項77】
被験体は、成人患者であることを特徴とする、請求項1から72のいずれか1つに記載の方法。
【請求項78】
ステロイドとCRF1アンタゴニストは、同時に投与されることを特徴とする、請求項1から77のいずれか1つに記載の方法。
【請求項79】
ステロイドとCRF1アンタゴニストは、1つの医薬組成物において投与されることを特徴とする、請求項1から77のいずれか1つに記載の方法。
【請求項80】
ステロイドとCRF1アンタゴニストは、別個の医薬組成物において同時に投与されることを特徴とする、請求項1から77のいずれか1つに記載の方法。
【請求項81】
ステロイドとCRF1アンタゴニストは、順に投与されることを特徴とする、請求項1から77のいずれか1つに記載の方法。
【請求項82】
ステロイドとCRF1アンタゴニストは、24時間以内に順に投与されることを特徴とする、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
ステロイドとCRF1アンタゴニストは、8時間以内に順に投与されることを特徴とする、請求項81に記載の方法。
【請求項84】
ステロイドとCRF1アンタゴニストは、2時間以内に順に投与されることを特徴とする、請求項81に記載の方法。
【請求項85】
ステロイドとCRF1アンタゴニストは、10分以内に順に投与されることを特徴とする、請求項81に記載の方法。
【請求項86】
CAHは、古典的CAHであることを特徴とする、請求項1から85のいずれか1つに記載の方法。
【請求項87】
CAHは、非古典的CAHであることを特徴とする、請求項1から85のいずれか1つに記載の方法。
【請求項88】
ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩およびコルチコトロピン放出因子1型(CRF1)アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物であって、ここで、前記CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は:アンタラルミン塩酸塩、Pfizer CP154526、CP 376395塩酸塩、NBI 27914塩酸塩、NBI 35965塩酸塩、NGD 98-2塩酸塩、ペキサセルフォント、R 121919塩酸塩、SN003から成る群から選択される、組成物。
【請求項89】
前記ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩は、外因性のグルココルチコイド(GC)またはその薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする、請求項88に記載の組成物。
【請求項90】
前記CRF1アンタゴニストは、式(I)の化合物:
【化8】
またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中:R1とR2は、独立してエチルまたはn-プロピルであり、R3は、水素、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり、および、R4は、水素、Br、RaRbN-、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル,モルフォリン-4-イル、
【化9】
であり、および、RaとRbは、独立して水素、C1-C3アルキル、H2NCH2CH2-、(CH3)3COC(O)NHCH2CH2-、またはCH3CH2CH2NHCH2CH2-、である、請求項88または89に記載の組成物。
【請求項91】
R3は、Cl、Br、メチル、またはトリフルオロメチルであることを特徴とする、請求項90に記載の組成物。
【請求項92】
R3は、Cl、Br、またはメチルであることを特徴とする、請求項90または91に記載の組成物。
【請求項93】
R4は、Br、RaRbN-、ピリジン-4-イル,モルフォリン-4-イル、または、
【化10】
であることを特徴とする、請求項90から92のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項94】
R4は、モルフォリン-4-イル、または、
【化11】
であることを特徴とする、請求項90から92のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項95】
R4は、水素、Br、RaRbN-であり、およびRaとRbは独立してC1-C3アルキルであることを特徴とする、請求項90から92のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項96】
化合物は、
【化12】
またはその薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする、請求項90に記載の組成物。
【請求項97】
化合物は、
【化13】
またはその薬学的に許容可能な塩であることを特徴とする請求項90に記載の組成物。
【請求項98】
化合物は、
【化14】
またはその薬学的に許容可能な塩である、ことを特徴とする請求項90に記載の組成物。
【請求項99】
CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、全1日量が約50mgから約200mgの投与量で被験体に投与されることを特徴とする、請求項90から98のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項100】
CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、全1日量が約200mgの投与量で被験体に投与されることを特徴とする、請求項90から98のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項101】
CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、全1日量が約150mgの投与量で被験体に投与されることを特徴とする、請求項90から98のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項102】
CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、全1日量が約100mgの投与量で被験体に投与されることを特徴とする、請求項90から98のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項103】
CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、全1日量が約75mgの投与量で被験体に投与されることを特徴とする、請求項90から98のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項104】
CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、全1日量が約50mgの投与量で被験体に投与されることを特徴とする、請求項90から98のいずれか1つに記載の組成物。
【請求項105】
CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、全1日量が約25mgの投与量で被験体に投与されることを特徴とする、請求項90から98のいずれか1つに記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2019年7月19日に出願された米国仮特許出願第62/876,176、および2020年7月2日に出願された米国仮特許出願第63/047,822の優先権を主張するものであり、各々の出願は全体として参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
先天性副腎過形成(CAH)は、特定のホルモンをつくるために必要とされる酵素のうちの1つの欠損を特徴とする、まれな遺伝性の常染色体劣性障害の分類群である。CAHは、各腎臓の上部に位置する副腎に影響する。通常、副腎は3つの異なるホルモンを生成する役割を担う:1)身体のストレス、病気、または外傷に対する反応を判断する、グルココルチコイド、および、2)塩分と水分のレベルを調節する、ミネラルコルチコイド、3)男性ホルモンである、アンドロゲン。酵素欠損症は、身体がこれらのホルモンの1つ以上を生成することを不能にする場合があり、そのことは、次に、欠損を補うために、別のタイプのホルモン前駆物質の生産過剰を結果として生じ得る。
【発明の概要】
【0003】
先天性副腎過形成(CAH)の患者は、通常の生活を送るために適切な医療および処置を必要とする。従って、CAHを処置する新しい方法のニーズがある。本開示は、CAHの処置における新しい化合物、塩、組成物、およびそれらの使用を提供する。
【0004】
一態様では、本開示は、先天性副腎過形成(CAH)を処置するための方法を提供する。方法は、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩およびコルチコトロピン放出因子1型(CRF1)アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を被験体に投与する工程を含み、ここで、前記被験体は、少なくとも1つのステロイドホルモンのレベルが、前記少なくとも1つのステロイドホルモンのレベルの基準範囲の上限の2倍未満であり、前記ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の投与量は、前記CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を受け取らないCAH患者に投与された前記ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の投与量に比較して減少される。
【0005】
いくつかの実施形態では、被験体は、第2の、かつ異なるステロイドホルモンのレベルが、第2の、かつ異なるステロイドホルモンのレベルの基準範囲の上限の2倍未満である。いくつかの実施形態では、ステロイドホルモンは、コルチコトロピン(ACTH)、アンドロステンジオン(A4)、17-ヒドロキシプロゲステロン(17-OHP)、デオキシコルチコステロン、11-デオキシコルチゾール、コルチゾール、コルチコステロン、アルドステロン、プレグネノロン、17α-ヒドロキシプレグネノロン、プロゲステロン、デヒドロエピアンドロステロン、アンドロステンジオール、テストステロン、ジヒドロテストステロン、エストロン、エストラジオール、およびエストリオールからなる群から選択される。
【0006】
いくつかの実施形態では、被験体は、17-OHPのレベルが、17-OHPの基準範囲の上限の2倍未満であり、および、ACTHのレベルが、ACTHの基準範囲の上限の2倍未満である。いくつかの実施形態では、被験体は、17-OHPのレベルが、17-OHPの基準範囲の上限の2倍未満であり、および、A4のレベルが、A4の基準範囲の上限の2倍未満である。いくつかの実施形態では、被験体は、A4のレベルが、A4の基準範囲の上限の2倍未満であり、および、ACTHのレベルが、ACTHの基準範囲の上限の2倍未満である。いくつかの実施形態では、被験体は、17-OHPのレベルが、17-OHPの基準範囲の上限の1.75倍未満であり、および、ACTHのレベルが、ACTHの基準範囲の上限の1.75倍未満である。いくつかの実施形態では、被験体は、17-OHPのレベルが、17-OHPの基準範囲の上限の1.75倍未満であり、および、A4のレベルが、A4の基準範囲の上限の1.75倍未満である。いくつかの実施形態では、被験体は、A4のレベルが、A4の基準範囲の上限の1.75倍未満であり、および、ACTHのレベルが、ACTHの基準範囲の上限の1.75倍未満である。いくつかの実施形態では、被験体は、17-OHPのレベルが、17-OHPの基準範囲の上限の1.5倍未満であり、および、ACTHのレベルが、ACTHの基準範囲の上限の1.5倍未満である。いくつかの実施形態では、被験体は、17-OHPのレベルが、17-OHPの基準範囲の上限の1.5倍未満であり、および、A4のレベルが、A4の基準範囲の上限の1.5倍未満である。いくつかの実施形態では、被験体は、A4のレベルが、A4の基準範囲の上限の1.5倍未満であり、および、ACTHのレベルが、ACTHの基準範囲の上限の1.5倍未満である。いくつかの実施形態では、被験体は、17-OHPのレベルが、17-OHPの基準範囲の上限の1.25倍未満であり、および、ACTHのレベルが、ACTHの基準範囲の上限の1.25倍未満である。いくつかの実施形態では、被験体は、17-OHPのレベルが、17-OHPの基準範囲の上限の1.25倍未満であり、および、A4のレベルが、A4の基準範囲の上限の1.25倍未満である。いくつかの実施形態では、被験体は、A4のレベルが、A4の基準範囲の上限の1.25倍未満であり、および、ACTHのレベルが、ACTHの基準範囲の上限の1.25倍未満である。いくつかの実施形態では、被験体は、17-OHPのレベルが、17-OHPの基準範囲の上限の1倍未満であり、および、ACTHのレベルが、ACTHの基準範囲の上限の1倍未満である。いくつかの実施形態では、被験体は、17-OHPのレベルが、17-OHPの基準範囲の上限の1倍未満であり、および、A4のレベルが、A4の基準範囲の上限の1倍未満である。いくつかの実施形態では、被験体は、A4のレベルが、A4の基準範囲の上限の1倍未満であり、および、ACTHのレベルが、ACTHの基準範囲の上限の1倍未満である。
【0007】
いくつかの実施形態では、方法は、前記ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の前記投与量を、5mgのインクリメントで減少させる工程を含む。
【0008】
他の態様では、本開示は、先天性副腎過形成(CAH)を処置するための方法を提供する。方法は、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩およびコルチコトロピン放出因子1型(CRF1)アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を被験体に投与する工程を含み、ここで、前記被験体は、少なくとも1つのステロイドホルモンのレベルが、前記少なくとも1つのステロイドホルモンのレベルの基準範囲の上限を超えており、前記ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の投与量は、前記CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を受け取らないCAH患者に投与された前記ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の投与量に比較して減少されない。
【0009】
いくつかの実施形態では、前記被験体は、少なくとも1つのステロイドホルモンのレベルが、前記少なくとも1つのステロイドホルモンの基準範囲の上限の2倍を超える。いくつかの実施形態では、前記被験体は、少なくとも1つのステロイドホルモンのレベルが、前記少なくとも1つのステロイドホルモンの基準範囲の上限の1.75倍を超える。いくつかの実施形態では、前記被験体は、少なくとも1つのステロイドホルモンのレベルが、前記少なくとも1つのステロイドホルモンの基準範囲の上限の1.5倍を超える。いくつかの実施形態では、ここで、被験体の少なくとも1つのステロイドホルモンのレベルが、前記少なくとも1つのステロイドホルモンの基準範囲の上限の1.25倍未満を超える。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記ステロイドホルモンは、副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、アンドロステンジオン(A4)、17-ヒドロキシプロゲステロン(17-OHP)、デオキシコルチコステロン、11-デオキシコルチゾール、コルチゾール、コルチコステロン、アルドステロン、プレグネノロン、17α-ヒドロキシプレグネノロン、プロゲステロン、デヒドロエピアンドロステロン、アンドロステンジオール、テストステロン、ジヒドロテストステロン、エストロン、エストラジオール、およびエストリオールからなる群から選択される。
【0011】
いくつかの実施形態では、方法は、少なくとも2つのステロイドホルモンの前記レベルが、それぞれ、前記2つのステロイドホルモンの前記基準範囲の前記上限の2倍未満となるまで、前記ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の前記投与量を維持する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、方法は、前記少なくとも2つのステロイドホルモンの前記レベルが、それぞれ、前記2つのステロイドホルモンの前記基準範囲の前記上限の2倍未満であるとき、前記ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の前記投与量を、5mgのインクリメントで減少させる工程をさらに含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、少なくとも2つのステロイドホルモンは、17-OHPおよびACTHを含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つのステロイドホルモンは、17-OHPおよびA4を含む。いくつかの実施形態では、少なくとも2つのステロイドホルモンは、A4およびACTHを含む。いくつかの実施形態では、前記被験体のACTHまたはA4レベルの基準範囲は、年齢、性別、閉経期の状態、試験室の環境、一日の時間、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される因子により制御される。
【0013】
いくつかの実施形態では、ACTHまたはA4のレベルは、前記被験体のACTHまたはA4レベルの正常範囲の上限の2倍、1.5倍、1.25倍または1倍である。いくつかの実施形態では、前記ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の量は、約10mgから約80mgまでの範囲のヒドロコルチゾン当量を含み、ここで、前記ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩は、毎日投与される。いくつかの実施形態では、前記CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩の量は、約10mgから約200mgまでの範囲を含み、ここで、前記CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、毎日投与される。
【0014】
いくつかの実施形態では、被験体は、約4週から約36週の期間処置される。
【0015】
いくつかの実施形態では、被験体が約4週から約36週の期間処置され、前記被験体は、CAHを処置する異なる方法が投与されるべきかどうかを判定するために再評価される。
【0016】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は:アンタラルミン(Antalarmin)塩酸塩、Pfizer CP154526、CP 376395塩酸塩、NBI 27914塩酸塩、NBI 35965塩酸塩、NGD 98-2塩酸塩、ペキサセルフォント(Pexacerfont)、R 121919塩酸塩、SN003から成る群から選択される。
【0017】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストは、式(I)の化合物:
【0018】
【化1】
またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中:R
1とR
2は、独立してエチルまたはn-プロピルであり、R
3は、水素、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり、および、R
4は、水素、Br、R
aR
bN-、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル,モルフォリン-4-イル、
【0019】
【化2】
であり、および、
R
aとR
bは、独立して水素、C
1-C
3アルキル、H
2NCH
2CH
2-、(CH
3)
3COC(O)NHCH
2CH
2-、またはCH
3CH
2CH
2NHCH
2CH
2-である。
【0020】
いくつかの実施形態では、R3は、Cl、Br、メチル、またはトリフルオロメチルである。
【0021】
いくつかの実施形態では、R3は、Cl、Br、またはメチルである。
【0022】
いくつかの実施形態では、R4は、Br、RaRbN-、ピリジン-4-イル,モルフォリン-4-イル、または、
【0023】
【0024】
いくつかの実施形態では、R4は、モルフォリン-4-イル、または、
【0025】
【0026】
いくつかの実施形態では、R4は、水素、Br、RaRbN-であり、およびRaとRbは独立してC1-C3アルキルである。
【0027】
いくつかの実施形態では、化合物は、
【0028】
【0029】
いくつかの実施形態では、化合物は、
【0030】
【0031】
いくつかの実施形態では、化合物は、
【0032】
【0033】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、全1日量が約50mgから約200mgの投与量で被験体に投与される。
【0034】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、全1日量が約200mgの投与量で被験体に投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、全1日量が約150mgの投与量で被験体に投与される。
【0035】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、全1日量が約100mgの投与量で被験体に投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、全1日量が約50mgの投与量で被験体に投与される。
【0036】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、微粒子の形態をとる。いくつかの実施形態では、微粒子の平均サイズは、約1μmから約20μmの間である。いくつかの実施形態では、微粒子の平均サイズは、約1μmから約20μmの間である。いくつかの実施形態では、微粒子の平均サイズは、約5μmから約15μmの間である。いくつかの実施形態では、微粒子の平均サイズは、約10μm未満である。
【0037】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、医薬組成物として投与される。いくつかの実施形態では、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩は、医薬組成物として投与される。
【0038】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、カプセル剤または錠剤の形態をとる。いくつかの実施形態では、カプセル剤は、硬ゼラチンカプセルである。いくつかの実施形態では、カプセル剤は、軟ゼラチンカプセル剤である。いくつかの実施形態では、カプセル剤は、天然ゼラチン、合成ゼラチン、ペクチン、カゼイン、コラーゲン、プロテイン、化工デンプン、ポリビニルピロリドン、アクリルポリマー、セルロース誘導体、およびその任意の組み合わせからなる群から選択された材料を使用して形成される。
【0039】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、付加的な賦形剤を含まない。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤の形態をとる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩は、グルココルチコイドまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、グルココルチコイドまたはその薬学的に許容可能な塩は、プレドニゾン、コルチゾン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、被験体におけるステロイドホルモンのレベルは、被験体由来の生体サンプルから求められる。いくつかの実施形態では、生体サンプルは、血液、血液分画、血漿、血清、および唾液の群から選択される。いくつかの実施形態では、生体サンプルは、非侵襲的に得られる。
【0040】
いくつかの実施形態では、被験体は、朝に検査される。いくつかの実施形態では、被験体は、A4とACTHの朝のレベルを求めるために検査される。いくつかの実施形態では、被験体は、小児患者である。いくつかの実施形態では、被験体は、およそ新生児から約18歳である。
【0041】
いくつかの実施形態では、被験体は、成人患者である。いくつかの実施形態では、ステロイドとCRF1アンタゴニストは、同時に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイドとCRF1アンタゴニストは、1つの医薬組成物において投与される。
【0042】
いくつかの実施形態では、ステロイドとCRF1アンタゴニストは、別個の医薬組成物において同時に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイドとCRF1アンタゴニストは、順に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイドとCRF1アンタゴニストは、24時間以内に順に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイドとCRF1アンタゴニストは、8時間以内に順に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイドとCRF1アンタゴニストは、2時間以内に順に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイドとCRF1アンタゴニストは、10分以内に順に投与される。
【0043】
いくつかの実施形態では、CAHは、古典的CAHである。いくつかの実施形態では、CAHは、非古典的CAHである。
【0044】
別の態様では、本開示は、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩、およびコルチコトロピン放出因子1型(CRF1)アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を含む組成物を提供し、ここで、前記CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は:アンタラルミン塩酸塩、Pfizer CP154526、CP 376395塩酸塩、NBI 27914塩酸塩、NBI 35965塩酸塩、NGD 98-2塩酸塩、ペキサセルフォント、R 121919塩酸塩、SN003から成る群から選択される。いくつかの実施形態では、請求項88の組成物、ここで、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩は、外因性のグルココルチコイド(GC)またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0045】
本開示のさらなる態様および利点は、以下の詳細な記載から当業者に容易に明白となり、ここでは、本開示の例示的な実施形態のみが示され、記載されている。以下の記載から分かるように、本開示は、他の実施形態や異なる実施形態を実施可能であり、その様々な詳細は様々な明白な観点から修正可能であり、そのすべては本開示から逸脱するものではない。従って、図面とその説明は事実上例示的とみなされるが、限定的とはみなされない。
【0046】
参照による組み込み
本明細書で言及されるすべての公開物、特許、および特許出願は、あたかも個々の公開物、特許、または特許出願がそれぞれ参照により本明細書に具体的かつ個別に組み込まれるのと同じ程度にまで、参照により本明細書に組み込まれている。引用により組み込まれる刊行物および特許または特許出願が、本明細書に含まれる開示に矛盾する程度まで、本明細書は、そのような矛盾のある題材に取って代わる、および/または、それに先立つように意図される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
本発明の新規な特徴は、とりわけ添付の請求項で説明される。本発明の特徴と利点は、本発明の原理が用いられる例示的実施形態を説明する以下の詳細な説明と、以下の添付図面(本明細書では「図(“Figure”and“FIG.”)」とも称する)とを参照することにより、より良く理解されるであろう。
【0048】
【
図1】部分群ごとの、血清17-OHP、ACTH、およびA4についての正常範囲(ULN)/目標倍数のベースライン上限を示す。
【
図3A】
図3Aと
図3Bは、時間に対応する17-OHPホルモンプロファイルの変化を例示する。
【
図3B】
図3Aと
図3Bは、時間に対応する17-OHPホルモンプロファイルの変化を例示する。および、
【発明を実施するための形態】
【0049】
本発明の実施形態が本明細書中で示され、記載されているが、このような実施形態はほんの一例として提供されるものであることは、当業者に明らかであろう。多くの変形、変更、および置き換えは、本発明から逸脱することなく、当業者によって想到され得る。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代案が利用され得ることを理解されたい。
【0050】
先天性副腎過形成
先天性副腎過形成(CAH)は、特定のホルモンをつくるために必要とされる酵素のうちの1つの欠損を特徴とする、まれな遺伝性の常染色体劣性障害の分類群である。CAHは、各腎臓の上部に位置する副腎に影響する。通常、副腎は3つの異なるホルモンを生成する役割を担う:1)身体のストレス、病気、または外傷に対する反応を判断する、グルココルチコイド、2)塩分と水分のレベルを調節する、ミネラルコルチコイド、および、3)男性ホルモンである、アンドロゲン。酵素の欠損は、身体がこれらのホルモンの1つ以上を生成することを不能にすることになり、そのことは、次に、欠損を補うために、別のタイプのホルモン前駆物質の生成過剰を結果として生じることになる。
【0051】
CAHの最も一般的な原因は、21-ヒドロキシラーゼ酵素の欠如である。21-ヒドロキシラーゼのための役割を担う遺伝子における様々な突然変異は、結果として酵素の様々なレベルをもたらし、様々なの影響を生じる。21-ヒドロキシラーゼ欠損症によるCAHは、CAHのすべての事例の95%の原因であり、2つの下位範疇にさらに分割される:塩喪失型または単純男性型へと細分することができる古典的CAH、および非古典的CAH。古典的CAHは、はるかに重篤な型であり、もし検知して処置しなければ、結果として副腎クリーゼおよび死亡につながり得る。非古典的CAHはより軽症であるか、または症状を表わさない場合がある。21-ヒドロキシラーゼの欠如は、これらの個体がホルモンであるコルチゾール、グルココルチコイド、および、塩喪失CAHの場合には、アルドステロン(鉱質コルチコイドステロイド)をつくることをできなくさせるため、過剰なステロイド前駆物質、具体的には17-ヒドロキシプロゲステロン(17-OHP)が蓄積され、およびアンドロゲンの経路が閉鎖され、結果として、過剰なアンドロゲン生成をもたらし、そのことは、幼い女児における異常な生殖器の発達などの、様々な症状を引き起こす。CAHには、他のはるかにまれな型もあり、11-βヒドロキシラーゼ欠損症、17α-ヒドロキシラーゼ欠損症、3-β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ欠損症、先天性のリポイド副腎過形成、およびp450オキシドレダクターゼ欠損症が挙げられ、これらはすべて異なる症状を呈する。CAH患者は、通常の生活を送るために適切な医療および処置を必要とする。
【0052】
コルチコトロピン放出因子
コルチコトロピン放出因子(CRF)は、脳下垂体前葉からのペプチド分泌由来のプロオピオメラノコルチン(POMC)の主要な生理学的レギュレータである、41アミノ酸のペプチドである。下垂体での内分泌の役割に加えて、CRFの免疫組織化学的な局在性は、そのホルモンが中枢神経系において広い視床下部外の分布を有し、および脳における神経伝達物質または神経調節物質の役割と一貫して、幅広い範囲の自律神経的、電気生理学的、および行動上の効果を生むことを示している。CRFが、生理学的、心理学的、および免疫学的な侵襲要因に対する免疫系における応答を統合するのに重要な役割を果たすという証拠もある。
【0053】
CRFは、鬱病と不安症、ならびに以下を含む精神医学的障害と神経学的疾患に密接に結び付けられてきた:アルツハイマー病、ハンチントン病、進行性核上性麻痺、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病、癲癇、片頭痛、アルコールや物質の乱用および関連する禁断症状、肥満症、メタボリックシンドローム、先天性副腎過形成(CAH)、クッシング病、高血圧症、脳卒中、過敏性腸症候群、ストレス性胃潰瘍、月経前症候群、性機能障害、早産、炎症性障害、アレルギー、多発性硬化症、内臓痛、睡眠障害、下垂体腫瘍または異所性脳下垂体由来の腫瘍、慢性疲労症候群、および結合組織炎。
【0054】
CRF受容体亜型(CRF1とCRF2)は同定されており、脳の内に種々雑多に分布し、そのことにより、潜在的機能的な多様性が示唆される。例えば、広く分布した脳CRF1受容体は、環境的ストレスへの曝露に随伴する情緒性に強く関係する。有意に、CRF2ではなく、CRF1受容体は、不安神経症のような行動を媒介選択するように見られる。
【0055】
CAHの処理は、幼児期における診断から成年期をとおして様々な常習的な投薬を使用する、ホルモンおよびステロイドのレベルの正常化に基づく。グルココルチコイドは、CAHでは現在標準的な処置であり、内因性コルチゾール欠損を矯正することと、アンドロゲン生成の増加を駆り立てる、下垂体からのACTHレベル上昇を低減することとの両方に使用される。コルチゾール補充(Cortisol replacement)が十分であるアジソン病(副腎不全)の処置とは異なり、CAHの処置は、後に続くアンドロゲンの過剰も同様に制御するために、ACTH生成も低下させなければならない。従って、グルココルチコイド処置の目標は、女性における男性化および月経の乱れを予防するために、コルチゾール補充とACTH抑制を含む。鉱質コルチコイド補充は、塩喪失型CAHを抱える患者において普通の血圧、電解質平衡、および体積状態を維持するための正常な血漿レニン活性を達成するために必要とされる。
【0056】
グルココルチコイド処置のレジメンは、正常な生理機能を支援し、および、また、強いストレス応答を誘発し得る事象(例えば間欠発生性の病気、運動、低血圧)の間に十分なコルチゾールが入手可能であることを保証しなければならない。処置の不足に起因するアジソン症候群の発現を回避するために、注意深いモニタリングもまた必要である。鉱質コルチコイドによる処置の過剰は高眼圧を引き起こす場合があり、一方、処置の不足は、低血圧、塩類喪失、および疲労とグルココルチコイドの必要量の増加した必要量に結びつく。処置の有効性をモニタリングするための典型的な検体検査は、17-OHP、アンドロステンジオン(A4)、テストステロン、レニン活性、および電解質の血漿中濃度の測定を含む。
【0057】
CAHを抱える成人患者は、肥満、高眼圧、夜間の収縮期血圧におけるnadir低下の欠如、およびインシュリン抵抗性を含む循環器疾患に対する罹患率が増加する危険因子を有する。小児および成人のCAH患者の大きなコホート(n=244)に関する研究は、患者が様々なグルココルチコイド処置レジメンを処方されてもなお、不十分なホルモン制御および前述の有害転帰を頻繁に患うことを実証した。CAHの処置は、グルココルチコイド(通常、子どもと成人にヒドロコルチゾン)を用いてコルチゾール欠損症を正常化する努力を含む。いくつかの実施形態では、成人ではデキサメサゾンまたはプレドニゾロン/プレドニゾン、および、塩喪失のために必要であれば、鉱質コルチコイド(通常、フルドロコルチゾン)などの、狭い治療指数を有する、より長く作用し、およびより強力な薬剤に対するニーズがある。しかしながら、過剰アンドロゲンの十分な抑制を達成するのに必要なグルココルチコイド投与量は、アジソン病を抱える患者におけるようなコルチゾール補充だけのために使用される標準の生理学的投与量を大きく上回っている。グルココルチコイドへの曝露のこの増加は、CAH患者において、心臓病のリスク要因や耐糖能障害の増加、および骨ミネラル密度の減少に結びつき得る。
【0058】
CRFは、副腎皮質刺激ホルモン(「ACTH」)、β-エンドルフィン、および、下垂体前葉からの他のプロオピオメラノコルチン(「POMC」)由来ペプチドの基礎的な放出、およびストレスに誘発された放出の主要な生理学的なレギュレータであると考えられる。CRFの分泌は、Gプロテイン共役型受容体のクラスBファミリーのメンバーである CRF1受容体との結合を介して、下垂体前葉のコルチコトロフからのACTHの放出を生じさせる。
【0059】
CRF1の生理学的な有意性のために、有意なCRF受容体結合活性であり、かつCRF1受容体に拮抗することができる活性を有する生物学的に活性のある小分子の開発は、不安症、鬱病、過敏性腸症候群、外傷後ストレス障害、および物質乱用の処置にとって、望ましい目標のままであり、継続している研究開発の対象だった。
【0060】
下垂体ホルモンACTHは、視床下部のコルチコトロピン放出因子(CRF)の制御下で、コレステロールの取込み、および、副腎における、プレグネノロンを発生させるステロイド生成の合成を刺激する。副腎皮質は3つの区域で構成され、それらは異なるクラスのホルモンを生成し、そのホルモン生成の多くは、この経路を通してコレステロールを動員するACTHによって引き起こされる。突然変異または遺伝子欠失の結果であるこれらの酵素の欠損は、基質濃度を増大させる。21-ヒドロキシラーゼ遺伝子(CYP21A2)における変異もしくは欠失に起因するCAHの最も一般的な形態では、ステロイド前駆体であるプロゲステロンおよび17-OHPの蓄積のため、副腎によって強力なアンドロゲンが生成される。17-OHPの血漿レベルは、これらの場合に、正常濃度の10~1000倍に達する場合がある。これらの増加は、アンドロゲン、特にアンドロステンジオン(A4)、テストステロン、およびジヒドロテストステロンの過剰生成を結果として生じ、女性における男性化を引き起こす。加えて、CAHにおける21-ヒドロキシラーゼ欠損症は、グルココルチコイドとミネラルコルチコイド、特にコルチゾールとアルドステロンの不十分な生合成を引き起こす。コルチゾールは、視床下部のCRF分泌および脳下垂体のACTH放出の決定的なネガティブフィードバック・レギュレータである。グルココルチコイド合成および放出の欠乏は、視床下部と脳下垂体に対する抑制をなくし、そのことはACTHレベルを増大させる。過度のACTH刺激は、束状帯と網状帯の肥大を引き起こし、副腎皮質過形成を結果としてもたらす。
【0061】
特定の定義
他に定義されない限り、本明細書で用いる全ての技術的および科学的用語は、当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を持つ。本明細書に記載されるものに類似または同等である任意の方法は本明細書に記載される実施形態の実施または試験において使用され得るが、特定の好ましい方法、装置、および材料がここに記載される。
【0062】
本明細書および添付の請求項において使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に他に指定していない限り、複数の言及を含む。ゆえに、例えば、「賦形剤」に対する言及は、当業者などに知られている1つ以上の賦形剤およびその同等物に対する言及である。
【0063】
「約」との用語は、ある値が、その値を決定するために利用されているデバイスまたは方法に関して10%レベルの誤差を含むことを示すために使用される。
【0064】
請求項中の用語「または」の使用は、代替物のみを指すように明確に意図されない限り或いはその代替物が相互に排他的でない限り、「および/または」を意味するように使用されるが、本開示は、代替物のみ或いは「および/または」を指す定義を支持する。
【0065】
「アルキル」は、炭素原子と水素原子のみから成り、不飽和を含まず、好適には1~5の炭素原子を有する、直鎖または分枝鎖の炭化水素鎖ラジカルを指す(例えば、C1-C5アルキル)。いくつかの実施形態では、アルキルは1~4の炭素原子を含む(すなわち、C1-C4アルキル)。いくつかの実施形態では、アルキルは1~3の炭素原子を含む(すなわち、C1-C3アルキル)。いくつかの実施形態では、アルキルは1~2の炭素原子を含む(すなわち、C1-C2アルキル)。いくつかの実施形態では、アルキルは1つの炭素原子を含む(すなわち、C1アルキル)。ある実施形態では、アルキル基は、メチル、エチル、1-プロピル(n-プロピル)、1-メチルエチル(イソ-プロピル)、1-ブチル(n-ブチル)、1-メチルプロピル(sec-ブチル)、2-メチルプロピル(イソブチル)、1,1-ジメチルエチル(tert-ブチル)、また1-ペンチル(n-ペンチル)から選択される。アルキルは、単結合によって分子の残りに結合する。本明細書において具体的に別段の定めがない限り、アルキル基は、本明細書に記載される置換基など、1以上の置換基によって随意に置換される。
【0066】
「含む(comprise)」、「有する(have)」、および「含む(include)」との用語は、無制限の連結動詞である。「含む(comprises)」、「含むこと(comprising)」、「有する(has)」、「有すること(having)」、「含む(includes)」、または「含むこと(including)」などのこれらの動詞の1以上の形態または時制も、無制限である。例えば、1以上の工程を「含む(comprises)」、「有する(has)」、または「含む(includes)」方法は、それら1以上の工程のみを持つことに限定されず、他の列挙していない工程も包含する。
【0067】
治療薬と併用して使用されるときの「投与すること(Administering)」は、治療薬を直接、標的組織中または標的組織上など全身または局所的に投与すること、あるいは治療薬が、標的とされる組織に肯定的に影響するように、患者に治療薬を投与することを意味する。医薬組成物を「投与すること」は、注射、局所投与、および経口投与または他の方法によって、単独でまたは他の既知の技術と組み合わせて達成され得る。
【0068】
「薬学的に許容可能な」によって、担体、希釈剤、または賦形剤は、組成物の他の成分と適合性がなければならず、そのレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
【0069】
用語「医薬組成物」は、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩、あるいはCRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩などの、少なくとも1つの有効成分を含む組成物であって、それらの有効成分により、哺乳動物(例えば、制限することなく、ヒト)における特定の効果的な結果についての調査に適用可能になる、組成物を意味する。当業者は、活性成分が職人の必要性に基づいた所望の効果的な結果を有しているか否かを決定するのに適切な技術を理解し認識するであろう。
【0070】
用語「超生理学的(supRaphysiologic)な量」は、健康な個体に見出された1日のグルココルチコイド必要量(生成速度)より高いグルココルチコイド投与量レベルを説明する。
【0071】
用語「生理学的な量」は、健康な個体に見出された1日のグルココルチコイド必要量(生成速度)を満たすグルココルチコイド投与レベルを説明する。
【0072】
本明細書において使用される用語「ヒドロコルチゾン当量」は、様々なグルココルチコイドの作用の効能および持続時間が異なる場合に、1つのグルココルチコイドを別のものに対して置換するときに検討される必要がある変換計算であると当業者によって理解される。従って、用語「ヒドロコルチゾン当量」は、グルココルチコイド効能の比較に使用される基準である。
【0073】
本明細書で使用されるような、「治療上有効な量」または「有効な量」は、研究者、獣医、医師、または他の臨床医によって求められている、組織、系、動物、個体、またはヒトにおける生物学的反応または医学的反応を引き出す、活性化合物または医薬品の量を指し、これは、以下の1つ以上を含む:(1)疾患を予防すること;例えば、疾患、疾病または障害の傾向はあり得るが、疾患の病状または総体的症状をまだ経験していないまたは示していない個体において、疾患、疾病または障害を予防すること、(2)疾患を阻害すること;例えば、疾患、疾病、または障害の病状または総体的症状を経験しているまたは示している個体において、疾患、疾病、または障害を阻害すること(すなわち、病状および/または総体的症状のさらなる進行を止めること)、および(3)疾患を回復すること;例えば、疾患、疾病、または障害の病状または総体的症状を経験しているまたは示している個体において、疾患、疾病、または障害を回復すること(すなわち、病状および/または総体的症状を覆すこと)。
【0074】
本明細書において使用される用語「処置する」、「処置された」、「処置」は、いくつかの実施形態の治療の処置と他の実施形態の予防的または防止の手段との両方を意味し、ここで、目的は、望まれない生理学的な状態、障害、または疾患を予防するかまたは遅くさせる(減少させる)こと、または有益であるかまたは所望の臨床的結果を得ることである。本明細書に記載される目的のために、有益な、または望ましい臨床結果としては、限定されないが、症状の緩和;疾病、障害、または疾患の程度の減少;疾病、障害、または疾患の状態の安定化(つまり、悪化しないこと);疾病、障害、または疾患の発症を遅らせること、あるいは進行を遅らせること;疾病、障害、または疾患状態の改善;および、検出可能であれ検出不可能であれ、緩解(部分的でも全体でも)、あるいは、疾病、障害、または疾患の亢進であれ改善を含む。処置は過剰なレベルの副作用のない臨床的に有意な反応を誘発することを含む。処置はさらに、処置を受けない場合の予想される生存時間と比較して、生存時間を延ばすことを含む。処置の予防的な利点は、疾病の予防、疾病の進行を遅らせること、疾病の安定化、または疾病の発生率の低下を含む。本明細書で使用されるように、「処置する(treat)」、「処置された(treated)」、「処置(treatment)」、または「処置すること(treating)」は、実施形態によっては、予防を含む。
【0075】
化合物
本明細書において、Antalarmin塩酸塩、Pfizer CP154526、CP 376395塩酸塩、NBI 27914塩酸塩、NBI 35965塩酸塩、NGD 98-2塩酸塩、ペキサセルフォント、R 121919塩酸塩、SN003、および、SSR125543などの、CRF1アンタゴニストあるいはその薬学的に許容可能な塩が開示される。
【0076】
一態様では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は:N-ブチル-N-エチル-2,5,6-トリメチル-7-(2,4,6-トリメチルフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン塩酸塩(アンタラミン(Antalarmin)塩酸塩)、N-ブチル-N-エチル-2,5-ジメチル-7-(2,4,6-トリメチルフェニル)-7H-ピロロ[2,3-d] ピリミジン-4-アミン塩酸塩(Pfizer CP154526)、N-(1-エチルプロピル)-3,6-ジメチル-2-(2,4,6-トリメチルフェノキシ-4-ピリジンアミン塩酸塩(Pfizer CP376395塩酸塩)、5-クロロ-N-(シクロプロピルメチル)-2-メチル-N-プロピル-N’-(2,4,6-トリクロロフェニル)-4,6-ピリミジンジアミン塩酸塩(NBI27914塩酸塩)、(7S)-6-(シクロプロピルメチル)-2-(2,4-ジクロロフェニル)-7-エチル-7,8-ジヒドロ-4-メチル-6H-1,3,6,8a-テトラアザアセナフチレン塩酸塩(NBI35965塩酸塩)、N-(1-エチルプロピル)-3-メトキシ-5-[2-メトキシ-4―(トリフルオロメトキシ)フェニル]-6-メチル-2-ピラジンアミン塩酸塩(NGD 98-2塩酸塩)、8-(6-メトキシ-2-メチル-3-ピリジニル)-2,7-ジメチル-N-[(1R)-1-メチルプロピル] ピラゾロ[1,5-a]-1,3,5-トリアジン-4-アミン(ペキサセルフォント)、3-[6-(ジメチルアミノ)-4-メチル-3-ピリジニル]-2,5-ジメチル-N,N-ジプロピルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-アミン塩酸塩(R 121919塩酸塩)、および、N-(4-メトキシ-2-メチルフェニル)-1-[1-(メトキシメチル)プロピル]-6-メチル-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-c]ピリジン-4-アミン(SN003)、(S)-4-(2-クロロ-4-メトキシ-5-メチルフェニル)-N-(2-シクロプロピル-1-(3-フルオロ-4-メチルフェニル)エチル)-5-メチル-N-(プロプ-2-イン-1-イル)チアゾール-2-アミン(SSR125543)からなる群から選択される。
【0077】
本明細書において式(I):
【0078】
【0079】
またはその薬学的に許容可能な塩が開示され、式中、
【0080】
R1とR2は、独立してエチルまたはn-プロピルであり、
【0081】
R3は、H、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり、
【0082】
および、R4は、H、Br、RaRbN-、メトキシメチル-、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル,モルフォリン-4-イル、または、
【0083】
【0084】
RaとRbは、独立して、水素、C1-C3アルキル、H2NCH2CH2-、(CH3)3COC(O)NHCH2CH2-、または、CH3CH2CH2NHCH2CH2である。
【0085】
いくつかの実施形態では、R3は水素、Cl、Br、メチル、またはトリフルオロメチルである。いくつかの実施形態では、R3は、水素、Cl、Br、またはメチルである。いくつかの実施形態では、R3は、水素、Cl、またはBrである。いくつかの実施形態では、R3は水素である。いくつかの実施形態では、R3はClである。いくつかの実施形態では、R3はBrである。
【0086】
いくつかの実施形態では、R4は、水素、Br、RaRbN-、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル,モルフォリン-4-イル、
【0087】
【化10】
である。いくつかの実施形態では、R
4は、Br、R
aR
bN-、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル,モルフォリン-4-イル、
【0088】
【化11】
である。いくつかの実施形態では、および、R
4は、R
aR
bN-、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル,モルフォリン-4-イル、または、
【0089】
【化12】
である。いくつかの実施形態では、R
4は、R
aR
bN-、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル,モルフォリン-4-イル、または、
【0090】
【化13】
である。いくつかの実施形態では、R
4は、R
aR
bN-、ピリジン-4-イル,モルフォリン-4-イル、または、
【0091】
【化14】
である。いくつかの実施形態では、R
4は、モルフォリン-4-イル、または、
【0092】
【化15】
である。いくつかの実施形態では、R
4は、R
aR
bN-であり、およびR
aとR
bは独立してC
1-C
3アルキルである
【0093】
本明細書において式(II):
【0094】
【0095】
またはその薬学的に許容可能な塩が開示され、式中、
【0096】
R3は、H、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり、
【0097】
R4は、H、Br、RaRbN-、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル,モルフォリン-4-イル、
【0098】
【0099】
RaとRbは、独立して水素、C1-C3アルキル、H2NCH2CH2-、(CH3)3COC(O)NHCH2CH2-、またはCH3CH2CH2NHCH2CH2である。
【0100】
本明細書において式(III):
【0101】
【0102】
またはその薬学的に許容可能な塩が開示され、式中、
【0103】
R1とR2は、n-プロピルであり、
【0104】
R3は、H、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり、
【0105】
R4は、H、Br、RaRbN-、メトキシメチル-、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル,モルフォリン-4-イル、
【0106】
【0107】
RaとRbは、独立して水素、C1-C3アルキル、H2NCH2CH2-、(CH3)3COC(O)NHCH2CH2-、またはCH3CH2CH2NHCH2CH2である。
【0108】
本明細書において式(IV):
【0109】
【0110】
またはその薬学的に許容可能な塩が開示され、式中、
【0111】
R3は、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり、
【0112】
R4は、H、Br、RaRbN-、メトキシメチル-、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル,モルフォリン-4-イル、
【0113】
【0114】
RaとRbは、独立して水素、C1-C3アルキル、H2NCH2CH2-、(CH3)3COC(O)NHCH2CH2-、またはCH3CH2CH2NHCH2CH2である。
【0115】
式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R3は、水素、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり得る。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R3は、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり得る。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R3は、Cl、Br、メチル、またはトリフルオロメチルであり得る。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R3は、Cl、Br、またはメチルであり得る。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R3はclであり得る。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R3はBrであり得る。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R3はメチルであり得る。
【0116】
式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R4は、Br、RaRbN-、メトキシメチル-、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル,モルフォリン-4-イル、
【0117】
【化22】
である。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R
4は、Br、R
aR
bN-、メトキシメチル、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル,モルフォリン-4-イル、
【0118】
【化23】
である。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R
4は、R
aR
bN-、n-ブチル、アセトアミド、ピリジン-4-イル,モルフォリン-4-イル、
【0119】
【化24】
である。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R
4は、Br、R
aR
bN-、ピリジン-4-イル,モルフォリン-4-イル、
【0120】
【化25】
である。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R
4は、R
aR
bN-、ピリジン-4-イル,モルフォリン-4-イル、
【0121】
【化26】
である。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R
4は、ピリジン-4-イル,モルフォリン-イル、
【0122】
【化27】
である。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R
4は、モルフォリン-4-イル、
【0123】
【化28】
である。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R
4は、
【0124】
【化29】
である。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R
4は、
【0125】
【化30】
である。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R
4は、
【0126】
【化31】
である。式(I)、(II)、(III)、および(IV)の化合物または薬学的に許容可能な塩について、R
4は、
【0127】
【0128】
本明細書において、3-[4-ブロモ-2-(2-メチル-2H-[1,2,4]トリアゾル-5-イル)-チアゾール-5-イル]-2,5-ジメチル-7-(1-プロピル-ブチル)-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、またはその薬学的に許容可能な塩が開示される:
【0129】
【0130】
本明細書において、3-(4-ブロモ-2-(2-メチル-2H-
【0131】
トリアゾル-3-イル)-チアゾール-5-イル)-2,5-ジメチル-ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン、またはその薬学的に許容可能な塩が開示される:
【0132】
【0133】
本明細書において、3-(4-クロロ-2-(モルフォリン-4-イル)チアゾール-5-イル)-7-(1-エチルプロピル)-2,5-ジメチルピラゾロ(1,5-a)ピリミジン、(または代替的に、4-(4-クロロ-5-(2,5-ジメチル-7-(ペンタン-3-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)チアゾール-2-イル)モルフォリン)、その薬学的に許容可能な塩が開示される:
【0134】
【0135】
いくつかの実施形態では、4-(4-クロロ-5-(2,5-ジメチル-7-(ペンタノ-3-イル)ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)チアゾール-2-イル)モルフォリンは、化合物3と呼ばれる。いくつかの実施形態では、3-(4-クロロ-2-(モルフォリン-4-イル)チアゾール-5-イル)-7-(1-エチルプロピル)-2,5-ジメチルピラゾロ(1,5-a)ピリミジンは化合物3と呼ばれる。
【0136】
一態様では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、astressinであり得る。astressinは、一般に、ACTHとコルチゾールの合成を減少させる非選択的なコルチコトロピン放出ホルモン・アンタゴニストを指す。
【0137】
医薬組成物
本明細書において、本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を含む医薬組成物が開示される。ある実施形態では、組成物は、上記に開示されるように、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩、および、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩は、外因性のグルココルチコイド(GC)またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0138】
剤形
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された医薬組成物は、単位剤形で提供される。本明細書において使用される際、「単位剤形」は、本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩のある量を包含している組成物であり、それは、好適な医療実践による1回量において動物(好ましくは哺乳動物)の被験体への投与のために適している。単一または単位剤形の調製は、しかしながら、その剤形が、1日につき1回、または治療のコースにつき1回投与されることを意味しない。そのような剤形は、かまたは1日につき、1回、2回、3回、またはそれ以上投与されると考えられ、および、ある期間(例えば、約30分から約2~6時間まで)にわたる点滴として投与されるか、または持続注入として投与される場合があり、および治療のコース中に2回以上与えられる場合があり、しかし、単一の投与は特に排除されない。
【0139】
医薬組成物は、処置される(または予防される)疾患に対して適切なやり方で投与される。適切な投与量および投与の適切な持続時間と頻度は、患者の疾病、患者の疾患のタイプおよび重症度、有効成分の特定の形態、および投与の方法などの因子によって決定される。一般に、適切な投与量および処置のレジメンは、より頻繁な完全寛解または部分寛解、あるいはより長い無病生存および/または全生存率、あるいは症状の重症度の低下などの、治療上のおよび/または予防的な恩恵(例えば、臨床結果の改善)をもたらすのに十分な量で組成物を提供する。最適用量は一般に実験モデルおよび/または臨床試験を使用して決定される。最適用量は患者の体型、体重、または血液量に依存する。
【0140】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載された医薬組成物は、経口剤形として製剤される。適切な経口剤形は、例えば、錠剤、丸剤、サッシェ、またはカプセル剤を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1以上の付加的な、薬学的に許容可能な賦形剤を含む。薬学的に許容可能な添加剤のリストについては、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy (Gennaro, 21st Ed. Mack Pub. Co., Easton, PA (2005)を参照されたい。
【0141】
カプセル剤
いくつかの実施形態では、医薬組成物はカプセル剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物はハードゲルカプセル剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、医薬組成物はソフトゲル剤カプセルとして製剤化される。
【0142】
いくつかの実施形態において、カプセルは、限定されないが、天然または合成のゼラチン、ペクチン、カゼイン、コラーゲン、プロテイン、加工デンプン、ポリビニルピロリドン、アクリルポリマー、セルロース誘導体、またはこれらの任意の組み合わせを含む材料を使用して、形成される。いくつかの実施形態では、カプセル剤は、それについて防腐剤、着色および乳白剤、調味料と甘味料、糖類、胃耐性物質あるいは任意の組み合わせを使用して形成される。いくつかの実施形態では、カプセルはコーティングされる。いくつかの実施形態では、カプセルを覆うコーティングは、限定されないが、即時放出コーティング、保護コーティング、腸溶性コーティングまたは遅延放出コーティング、徐放性コーティング、バリアコーティング、シールコーティング、またはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、本明細書のカプセルはハードまたはソフトである。いくつかの実施形態では、カプセルはシームレスである。いくつかの実施形態では、粒子状物質が柔軟な食品にふりかけられ、咀嚼せずに呑み込まれるように、カプセル剤は壊される。いくつかの実施形態では、カプセル剤の形状とサイズも変動する。カプセル剤の形状の例としては、限定されないが、丸、楕円形、管状、長方形、ねじ切り型、または非標準的な形状が挙げられる。カプセル剤のサイズは、粒子状物質の体積に従って変動し得る。いくつかの実施形態では、カプセル剤のサイズは、粒子状物質および粉体の体積に基づいて調節される。ハードまたはソフトなゼラチンカプセルは、標準的なカプセルの形状を含む単一の本体ユニットとして従来の方法に合わせて製造され得る。単一本体のソフトゼラチンカプセルは典型的には、例えば、3~22ミニム(1ミニムは0.0616mlと等しい)のサイズ、および、楕円形、長方形、またはそれ以外の形状で提供され得る。ゼラチンカプセルも、従来の方法に合わせて、例えば、慣例通りに(000)、(00)、(0)、(1)、(2)、(3)、(4)、および(5)として指定されるように、典型的には標準的な形状と様々な標準的なサイズのシールされたまたはシールされていないツーピースのハードゼラチンカプセルとしてゼラチンカプセル剤、製造され得る。最も大きな数字は最も小さなサイズに相当する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載された医薬組成物(例えば、カプセル剤)は、全体として呑み込まれる。
【0143】
いくつかの実施形態では、カプセル剤は、1以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、カプセル剤は、付加的な賦形剤を含まない。
【0144】
いくつかの実施形態では、カプセル剤は、不溶解性物質である薬物原料について開発され、製造され、商業化される。いくつかの実施形態では、溶解性が水中で0.002mg/mL未満である場合、薬物原料は不溶解性である。いくつか実施形態では、カプセル剤は、200mgの有効成分含量(dose strength)を有する。いくつかの実施形態では、カプセル剤中の薬物原料は、USP apparatus Iを使用して、溶解媒質中に直ちに放出される。いくつかの実施形態では、カプセル剤中の薬物原料は、USP apparatus IIを使用して、溶解媒質中に直ちに放出される。
【0145】
錠剤
難溶性の薬物は、高剪断湿式造粒などの標準的な技術を使用して製剤化するのが難しい場合がある。難溶性薬物の最適な送達は、固溶体アモルファス分散(ホットメルト押し出しまたは噴霧乾燥)、ナノ製剤、または脂質ベースの製剤などの、複合的な技術を必要とする場合がある。疎水性薬物原料は、USP基準によって難溶性と考えられる場合があり、および、水および他の賦形剤で粒状にすることが困難であると知られている場合がある。これは恐らく、ほとんどの既知の即時放出の賦形剤が水溶解性または水膨潤性であることによる。難溶性である薬物原料の高投与の錠剤を作ることは、薬物原料の高い濃度を必要とする場合がある。しかしながら、薬物濃度があるレベル以上に増加されると、粒状体の形成はますます困難になり得る。さらに、ある薬物量において、それは不可能になり得る。
【0146】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は錠剤として製剤化される。
【0147】
いくつかの実施形態では、錠剤は、圧縮、成形、あるいは押し出しによって、随意に、1以上の薬学的に許容可能な賦形剤でつくられる。いくつかの実施形態では、圧縮錠剤は、易流動性形態にある本明細書に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩を、随意に薬学的に許容可能な賦形剤と混合して、圧縮することにより調製される。いくつかの実施形態では、型成形錠剤は、本願明細書に記載の粉体化された化合物または薬学的に許容可能な塩の混合物を、不活性の希釈液で湿らせて、型成形することによりつくられる。いくつかの実施形態では、錠剤はホットメルト押し出しによって調製される。いくつかの実施形態では、押し出し成形された錠剤は、本明細書に記載の化合物または薬学的に許容可能な塩を含む混合物を、制御された状態下でオリフィスまたは押型を通るように強制することよりつくられる。いくつかの実施形態では、カプセルはコーティングされるか、または刻み目をつけられる。いくつかの実施形態では、錠剤は、本明細書に記載された化合物または薬学的に許容可能な塩の、遅い、または制御された放出を提供するように製剤化される。いくつかの実施形態では、 錠剤は、不溶解性物質である薬物原料について開発され、製造され、商業化される。いくつかの実施形態では、溶解性が水中で0.002mg/mL未満である場合、薬物原料は不溶解性である。いくつか実施形態では、錠剤は、200mgの有効成分含量を有する。いくつかの実施形態では、錠剤中の薬物原料は、USP apparatus Iを使用して、溶解媒質中に直ちに放出される。いくつかの実施形態では、錠剤中の薬物原料は、USP apparatus IIを使用して、溶解媒質中に直ちに放出される。
【0148】
いくつかの実施形態では、錠剤サイズは、約1000mg未満、約800mg未満、約600mg未満、約400mg未満、または約200mg未満である。いくつかの実施形態では、錠剤は、約50mgより大きな、約100mgより大きな、約150mgより大きな、約200mgより大きな、または約250mgより大きな、有効成分含量を有する。いくつかの実施形態では、錠剤サイズは、約50mgより大きな有効成分含量に対して約1000mg未満である。いくつかの実施形態では、錠剤サイズは、約100mgより大きな有効成分含量に対して約800mg未満である。いくつかの実施形態では、錠剤サイズは、約150mgより大きな有効成分含量に対して約600mg未満である。いくつかの実施形態では、錠剤サイズは、約200mgより大きな有効成分含量に対して約400mg未満である。いくつかの実施形態では、錠剤サイズは、約200mgより大きな有効成分含量に対して約400mg未満である。
【0149】
いくつかの実施形態では、錠剤の約20%より多くが従来の溶解媒質中で溶解される。いくつかの実施形態では、錠剤の約40%より多くが従来の溶解媒質中で溶解される。いくつかの実施形態では、錠剤の約50%より多くが従来の溶解媒質中で溶解される。いくつかの実施形態では、錠剤の約60%より多くが従来の溶解媒質中で溶解される。いくつかの実施形態では、錠剤の約70%より多くが従来の溶解媒質中で溶解される。いくつかの実施形態では、錠剤の約80%より多くが従来の溶解媒質中で溶解される。いくつかの実施形態では、錠剤の約20%より多くが、24時間未満で、従来の溶解媒質中で溶解される。いくつかの実施形態では、錠剤の約20%より多くが、12時間未満で、従来の溶解媒質中で溶解される。いくつかの実施形態では、錠剤の約20%より多くが、6時間未満で、従来の溶解媒質中で溶解される。いくつかの実施形態では、錠剤の約20%より多くが、3時間未満で、従来の溶解媒質中で溶解される。いくつかの実施形態では、錠剤の約20%より多くが、2時間未満で、従来の溶解媒質中で溶解される。いくつかの実施形態では、錠剤の約20%より多くが、60分未満で、従来の溶解媒質中で溶解される。いくつかの実施形態では、錠剤の約40%より多くが、60分未満で、従来の溶解媒質中で溶解される。いくつかの実施形態では、錠剤の約50%より多くが、60分未満で、従来の溶解媒質中で溶解される。いくつかの実施形態では、錠剤の約60%より多くが、60分未満で、従来の溶解媒質中で溶解される。いくつかの実施形態では、錠剤の約70%より多くが、60分未満で、従来の溶解媒質中で溶解される。いくつかの実施形態では、錠剤の約80%より多くが、60分未満で、従来の溶解媒質中で溶解される。いくつかの実施形態では、錠剤の70%より多くが、60分で、従来の溶解媒質中で溶解される。
【0150】
いくつかの実施形態において、錠剤は商業規模で生成される。
【0151】
いくつかの実施形態では、錠剤は、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む。
【0152】
いくつかの実施形態では、錠剤は、コーティング材料(例えば、シーラント)でコーティングされる。いくつかの実施形態において、コーティング材料は、水溶性である。いくつかの実施形態では、コーティング材料は、ポリマー、可塑剤、顔料、またはその任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、コーティング材料は、フィルムコーティング、例えば、光沢フィルム、pH非依存フィルムコーティング、水性フィルムコーティング、乾燥粉フィルムコーティング(例えば、完全乾燥粉フィルムコーティング)、またはそれらの任意の組み合わせの形をとる。いくつかの実施形態では、コーティング材料は、高度に粘着性である。いくつかの実施形態では、コーティング材料は、低レベルの水浸透を提供する。いくつかの実施形態では、コーティング材料は、酸素バリア保護をもたらす。いくつかの実施形態では、コーティング材料は、本明細書に記載された化合物または薬学的に許容可能な塩の速い放出のために即時の崩壊が可能である。いくつかの実施形態では、コーティング材料は、色つきであるか、透明であるか、または白い。いくつかの実施形態では、コーティングは腸溶コーティングである。例示的なコーティング材料は、限定されることなく、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アクリレート-メタクリル酸コポリマー、メタクリレート-メタクリル酸コポリマー、酢酸フタル酸セルロース、セルロースアセテートサクシネート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、ポリビニルアセテートフタレート、セラック、セルロースアセテートトリメリテート、アルギン酸ナトリウム、ゼイン、および、それらの任意の組み合わせを含む。
【0153】
薬学的に許容可能な賦形剤
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、薬学的に許容可能な賦形剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、薬学的に許容可能な賦形剤を含まない。本明細書で使用されるように、「薬学的に許容可能な賦形剤」との用語は、哺乳動物への投与に適した1つ以上の適合性のある固体物質またはカプセル化物質を意味する。本明細書で使用されるように、「適合性のある」との用語は、組成物の成分が、通常の使用状況下で組成物の医薬的有効性を著しく低下させることになる相互作用が存在しないようなやり方で、対象となる化合物と、かつ、互いに混和できることを意味する。いくつかの実施形態では、薬学的に許容可能な賦形剤は、処置を受けている動物、好ましくは哺乳動物への好ましくは投与に適したものとするために、十分に高い純度と十分に低い毒性を有する。
【0154】
薬学的に許容可能な賦形剤として役立つ物質のいくつかの例として、以下のものが挙げられる:
・ アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、およびベタインなどの、アミノ酸。いくつかの実施形態では、アミノ酸はアルギニンである。いくつかの実施形態では、アミノ酸はL-アルギニンである。
・ グルコース(デキストロース)、アラビノース、マンニトール、フルクトース(レブロース)、および、ガラクトースなどの、単糖類。
カルボキシルメチルセルロースナトリウム、エチルセルロース、および、メチルセルロースなどの、セルロースおよびその誘導体。
・ タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、およびフマル酸ステアリルナトリウムなどの、固体潤滑剤。
・ プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、マンニトール、および、ポリエチレングリコールなどの、ポリオール。
・ ポリソルベートなどの乳化剤。
・ ラウリル硫酸ナトリウム、Tween(登録商標)、Span(商標)、アルキル硫酸塩、およびアルキルエトキシレート硫酸塩などの湿潤剤。
・ 炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、リン酸カルシウム、デンプン、α化デンプン、炭酸ナトリウム、マンニトール、および、ラクトースなどの、希釈液。
・ デンプン(トウモロコシデンプンとジャガイモデンプン)、ゼラチン、スクロース、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)などの、結合剤。
・ デンプンおよびアルギン酸などの、崩壊剤。
・ Ac-Di-Sol(登録商標)、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、およびクロスポビドンなどの、超崩壊剤。
・ 二酸化ケイ素などの滑剤。
・ FD&C染料などの着色剤。
・ アスパルテーム、サッカリン、メントール、ペパーミント、および、果物香料などの、甘味料および香料。
・ 塩化ベンザルコニウム、PHMB、クロロブタノール、チメロサール、フェニル水銀基、酢酸、硝酸フェニル水銀、パラベン、および、安息香酸ナトリウムなどの、防腐剤。
・ 塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール、および、グリセリンなどの、張性調整剤。
・ 亜硫酸ナトリウム、アセトン‐重亜硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒド、スルフォキシ酸、チオ尿素、および、EDTAなどの、抗酸化剤。
・ NaOH、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、HCl、および、クエン酸などの、pH調整剤。
・ ナトリウムリン酸塩またはカリウムリン酸塩、クエン酸、酒石酸、ゼラチン、および、デキストロース、マンニトール、およびデキストランなどの炭水化物などの、凍結保護剤。
・ セトリミド、塩化ベンザルコニウム、および、塩化セチルピリジウムなどのカチオン界面活性剤。
・ アルキル硫酸塩、アルキルエトキシレート硫酸塩、石鹸類、カルボン酸塩、硫酸塩、またスルホン酸塩などの、アニオン界面活性剤。
・ ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシプロピレン誘導体、ポリオール誘導体、ポリオールエステル類、ポリオキシエチレンエステル類、ポロキサマー類、glyolエステル類、グリセリンエステル類、ソルビタン誘導体、ポリエチレングリコール(PEG-40、PEG-50、PEG-55)、および、脂肪族アルコールのエーテル類などの、非イオン界面活性剤。
・ 炭水化物および修飾された炭水化物、ラクトース、α-ラクトース一水和物、噴霧乾燥ラクトースと無水ラクトース、デンプンとα化デンプン、スクロース、マンニトール、ソルビトール、セルロース、粉末化セルロース、おおび、微結晶性セルロースなどの、有機原料。
・ リン酸カルシウム(無水リン酸水素カルシウム、リン酸水素カルシウム、および第三リン酸カルシウム)などの、無機質原料。
共処理された希釈剤。
・ ラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤。
・ 圧縮補助剤。
・ 二酸化ケイ素およびタルクなどの、固化防止剤。
【0155】
量
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約1mgと約500mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約1mgと約400mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約1mgと約300mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約1mgと約200mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約1mgと約100mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約1mgと約90mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約1mgと約80mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約1mgと約70mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約1mgと約60mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約1mgと約50mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約1mgと約40mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約1mgと約30mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約1mgと約20mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約1mgと約10mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。
【0156】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約10mgと約500mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約10mgと約400mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約10mgと約300mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約10mgと約200mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約10mgと約100mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約10mgと約90mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約10mgと約80mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約10mgと約70mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約10mgと約60mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約10mgと約50mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約10mgと約40mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約10mgと約30mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、本明細書に記載された約10mgと約20mgとの間の化合物、または薬学的に許容可能な塩を含む。
【0157】
粒径
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、錠剤またはカプセルの形態で、微粒子の形をとった、本明細書に記載された化合物または薬学的に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、微粒子は約1μm~約100μmの平均サイズを有する。いくつかの実施形態では、微粒子は約1μm~約50μmの平均サイズを有する。いくつかの実施形態では、微粒子は約1μm~約30μmの平均サイズを有する。いくつかの実施形態では、微粒子は約1μm~約20μmの平均サイズを有する。いくつかの実施形態では、微粒子は約5μm~約15μmの平均サイズを有する。いくつかの実施形態では、微粒子は約1μm~約10μmの平均サイズを有する。いくつかの実施形態では、微粒子は約3μm~約10μmの平均サイズを有する。いくつかの実施形態では、微粒子は約4μm~約9μmの平均サイズを有する。
【0158】
処置方法
必要がある被験体の先天性副腎過形成(CAH)を処置する方法が、本明細書に開示され、本明細書に記載される化合物または薬学的に許容可能な塩を投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載された方法は、ホルモンレベルの減少をもたらす。そのようなホルモンは、デオキシコルチコステロン、11-デオキシコルチゾール、コルチゾール、コルチコステロン、アルドステロン、プレグネノロン、17α-ヒドロキシプレグネノロン、プロゲステロン、17-OHP、デヒドロエピアンドロステロン、アンドロステンジオール、A4、テストステロン、ジヒドロテストステロン、エストロン、エストラジオール、エストリオール、およびACTHを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、17-OHPレベルの低下をもたらす。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、A4レベルの低下をもたらす。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、コルチコトロピンとしても知られるACTHレベルの低下をもたらす。
【0159】
さらに、いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、17-OHP、A4、および/またはACTHレベルの低下の維持をもたらす。いくつかの実施形態では、17-OHP、A4、および/またはACTHレベルの低下は、少なくとも24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、17週間、18週間、19週間、20週間、21週間、22週間、23週間、24週間、25週間、26週間、27週間、28週間、29週間、30週間、31週間、32週間、33週間、34週間、35週間、36週間、37週間、38週間、39週間、40週間、41週間、42週間、43週間、44週間、45週間、46週間、47週間、48週間、49週間、50週間、51週間、52週間、2年、5年、10年、15年、20年、25年、30年、35年、40年、45年、50年、55年、60年、65年、70年、75年、80年、85年、90年、95年、または100年、持続し得る。
【0160】
さらに、本開示は、先天性副腎過形成(CAH)患者を処置するための様々な患者サブタイプレジメンを提供する。一態様では、本開示は、先天性副腎過形成(CAH)を処置する方法を提供し、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の有効な量とコルチコトロピン放出因子1型(CRF1)アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩を、24時間を超えて、被験体、すなわち、CAH患者/個体に投与することを含み、ステロイドの有効な量は、典型的に午前中にCAHの処置を開始する時に測定される被験体のACTH、A4、17-OHP、またはそれらのいかなる組み合わせなどのステロイドホルモンレベルに依存する。本明細書に開示された処置方法を実行する前に、CAH患者は患者の血漿ステロイドホルモンレベルを決定するために評価され得る。
【0161】
一般的に、被験体のACTHレベルまたはA4レベルの正常範囲、正常な実験基準範囲、または基準範囲は、広く多くの異なる要因に依存し得る。例えば、ACTH、17-OHP、またはA4は、被験体の日周リズムで一気に分泌される。朝午前8時に採取された血漿サンプルは、その日中の午後2時、午後4時または真夜中に採取された血漿サンプルと比較して、被験体のACTHまたはA4レベルの異なる範囲を示し得る。さらに、ACTHまたはA4レベルの正常範囲は、実験設定などの要因に依存する。実験設定は、ACTHまたはA4レベルを検出するために、アッセイの異なる型、研究で利用される機器、アッセイを実施する研究における人員、およびアッセイ中に使用される試薬の異なるバッチを含み得る。様々な年齢の被験体は、ACTHまたはA4レベルの異なる正常範囲を同様に提供し得る。さらに、被験体のACTHレベルまたはA4レベルの正常範囲は、被験体の性別に依存し得る。例えば、限定的でなく、男性被験体のACTHレベルの正常範囲は、午前中に評価される時、典型的に午前10時前で、7~63.3pg/mLであり得、またA4レベルは、午前中に評価される時、典型的に午前10時前で、18~30歳の男性で、50~220ng/dL、31~50歳の男性で、40~190ng/dL、51~60歳の男性で、50~220ng/dLであり得る。さらに、女性被験体のACTHレベルまたはA4レベルの正常範囲は、女性の被験体の閉経期の段階に依存し得る。例えば、限定的でなく、更年期前の女性被験体のACTHレベルの正常範囲は、午前中に評価される時、典型的に10時前で、7~63pg/mLであり得、およびA4レベルは、卵胞期中期段階の女性で、51~213ng/dL、サージ段階の女性で、73~230ng/dL、黄体中期の女性で、73~184であり得る。閉経後の女性被験体のACTHレベルの正常範囲は、7~63.3pg/mLおよびA4レベルは20~75ng/dLであり得る。ACTHとA4のPM評価のための正常範囲は設定されていない。
【0162】
いくつかの実施形態では、被験体はACTHとA4レベルそれぞれの正常範囲または正常な実験基準範囲の上限値の2倍未満であるレベルを有する場合、CRF1アンタゴニスト(すなわち、本明細書に開示される化合物)またはその薬学的に許容可能な塩を受け入れないCAH患者に投与されるステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の有効な量の投与量と比較して、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の有効な量の、典型的に5mgのヒドロコルチゾン当量で行われる1日のGCの総投与量の割合は、低下する。いくつかの実施形態では、被験体はACTHまたはA4レベルの正常範囲の上限値の2倍未満であるレベルを有する。いくつかの実施形態では、被験体はACTHまたはA4レベルの正常範囲の上限値の1.75倍未満であるレベルを有する。いくつかの実施形態では、被験体はACTHまたはA4レベルの正常範囲の上限値の1.5倍未満であるレベルを有する。いくつかの実施形態では、被験体はACTHまたはA4レベルの正常範囲の上限値の1.25倍未満であるレベルを有する。いくつかの実施形態では、被験体はACTHまたはA4レベルの正常範囲の上限値の1.0倍未満であるレベルを有する。
【0163】
ある実施形態では、ACTHとA4の両方のレベルが、ACTHとA4それぞれの正常基準範囲の上限値の2倍未満である限り、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の投与量は減少される。例えば、CAH患者の生体サンプルは患者のACTHレベルがACTHの正常範囲の上限値の1.75倍未満であり、A4レベルがA4の正常範囲の上限値の1.25未満であることを示すために測定され得る。さらに、CAH患者の生体サンプルは患者のACTHレベルがACTHの正常範囲の上限値の1.25倍未満であり、A4レベルがA4の正常範囲の上限値の1.5未満であることを示すために測定され得る。さらに、CAH患者の生体サンプルは患者のACTHレベルがACTHの正常範囲の上限値の1.5倍未満であり、A4レベルがA4の正常範囲の上限値の1.5未満であることを示すために測定され得る。さらに、CAH患者の生体サンプルは患者のACTHレベルがACTHの正常範囲の上限値の1.25倍未満であり、A4レベルがA4の正常範囲の上限値の1.25未満であることを示すために測定され得る。CRF1アンタゴニスト(すなわち、本明細書に開示される化合物)またはその薬学的に許容可能な塩を受け入れないCAH患者に投与されるステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の量と比較して、ステロイド、またはその薬学的に許容可能な塩の量の低下を伴う処置のレジメンが、利用され得る。1日のGC投与量の減少は、5mgのヒドロコルチゾン当量、4mgのヒドロコルチゾン当量、3mgのヒドロコルチゾン当量、2mgのヒドロコルチゾン当量、1mgのヒドロコルチゾン当量、または0.5mgのヒドロコルチゾン当量で行われ得る。
【0164】
いくつかの実施形態では、被験体はACTHと17-OHPレベルのそれぞれの正常範囲または正常な実験基準範囲の上限値の2倍未満であるレベルを有する場合、CRF1アンタゴニスト(すなわち、本明細書に開示される化合物)またはその薬学的に許容可能な塩を受け入れないCAH患者に投与されるステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の有効な量の投与量と比較して、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の有効な量の、典型的に5mgのヒドロコルチゾン当量で行われる1日のGCの総投与量の割合は、低下する。いくつかの実施形態では、被験体はACTHまたは17-OHPレベルの正常範囲の上限値の2倍未満であるレベルを有する。いくつかの実施形態では、被験体はACTHまたは17-OHPレベルの正常範囲の上限値の1.75倍未満であるレベルを有する。いくつかの実施形態では、被験体はACTHまたは17-OHPレベルの正常範囲の上限値の1.5倍未満であるレベルを有する。いくつかの実施形態では、被験体はACTHまたは17-OHPレベルの正常範囲の上限値の1.25倍未満であるレベルを有する。いくつかの実施形態では、被験体はACTHまたは17-OHPレベルの正常範囲の上限値の1.0倍未満であるレベルを有する。ACTHと17-OHPの両方のレベルが、ACTHと17-OHPそれぞれの正常基準範囲の上限値の2倍未満である限り、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の投与量は減少される。例えば、CAH患者の生体サンプルは患者のACTHレベルがACTHの正常範囲の上限値の1.5倍未満であり、17-OHPレベルが17-OHPの正常範囲の上限値の1.75未満であることを示すために測定され得る。さらに、CAH患者の生体サンプルは患者のACTHレベルがACTHの正常範囲の上限値の1倍未満であり、17-OHPレベルが17-OHPの正常範囲の上限値の1.25未満であることを示すために測定され得る。CRF1アンタゴニスト(すなわち、本明細書に開示される化合物)またはその薬学的に許容可能な塩を受け入れないCAH患者に投与されるステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の量と比較して、ステロイド、またはその薬学的に許容可能な塩の量の低下を伴う処置のレジメンが、利用され得る。
【0165】
いくつかの実施形態では、被験体はA4と17-OHPレベルのそれぞれの正常範囲または正常な実験基準範囲の上限値の2倍未満であるレベルを有する場合、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の有効な量の、典型的に5mgのヒドロコルチゾン当量で行われる1日のGCの総投与量の割合は、CRF1アンタゴニスト(すなわち、本明細書に開示される化合物)またはその薬学的に許容可能な塩を受け入れないCAH患者に投与されるステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の有効な量の投与量と比較して、低下する。いくつかの実施形態では、被験体はA4または17-OHPレベルの正常範囲の上限値の2倍未満であるレベルを有する。いくつかの実施形態では、被験体はA4または17-OHPレベルの正常範囲の上限値の1.75倍未満であるレベルを有する。いくつかの実施形態では、被験体はA4または17-OHPレベルの正常範囲の上限値の1.5倍未満であるレベルを有する。いくつかの実施形態では、被験体はA4または17-OHPレベルの正常範囲の上限値の1.25倍未満であるレベルを有する。いくつかの実施形態では、被験体はA4または17-OHPレベルの正常範囲の上限値の1.0倍未満であるレベルを有する。A4と17-OHPの両方のレベルが、A4と17-OHPそれぞれの正常基準範囲の上限値の2倍未満である限り、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の投与量は減少される。例えば、CAH患者の生体サンプルは患者のA4レベルがA4の正常範囲の上限値の1倍未満であり、17-OHPレベルが17-OHPの正常範囲の上限値の1.75未満であることを示すために測定され得る。さらに、CAH患者の生体サンプルは患者のA4レベルがA4の正常範囲の上限値の1.5倍未満であり、17-OHPレベルが17-OHPの正常範囲の上限値の1.25未満であることを示すために測定され得る。CRF1アンタゴニスト(すなわち、本明細書に開示される化合物)またはその薬学的に許容可能な塩を受け入れないCAH患者に投与されるステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の量と比較して、ステロイド、またはその薬学的に許容可能な塩の低下した量を伴う処置のレジメンが、利用され得る。
【0166】
CRF1アンタゴニストが投与されない場合、CAH患者の処置は、アジソン病などの他の疾患をもつ患者におけるコルチゾールの置き換えのために使用される正常な生理学的投与量を、通常、十分に超える投与量で、外因性のグルココルチコイド(GC)を投与することによって、コルチゾール欠損症を置き換え、およびCAHの酵素欠損症の後遺症である、過剰なアンドロゲン産生を正規化する必要がある。超生理学的レベルから生理学的レベルまでのステロイドへの曝露レベルの低下は、CAH患者に有益であり得る。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストが投与されない場合、約10mg~約80mgのGCの投与量がCAH患者に投与される。いくつかの実施形態では、GCの投与量は、毎日1回、2回、3回、または4回、CAH患者に投与される。
【0167】
例えば、限定的でなく、CRF1アンタゴニストが投与されない場合、CAH患者に約80mgのGCの投与量を投与することができることがある。このCAH患者のACTHレベルおよびA4レベルが、年齢、性別、閉経状況、実験設定などの要因によって制御された後、ACTHレベルとA4レベルのそれぞれの正常範囲の上限値の2、1.5、または1.25倍未満である場合、80mgのGCの投与量は、CRF1アンタゴニスト(つまり本明細書に開示される化合物)と共に投与される時、5mgのヒドロコルチゾン当量のインクリメントで、減少され得る。いくつかの実施形態では、コルチコトロピン放出因子1型(CRF1)アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、被験体に約10mg~約200mgの1日当たりの総投与量で投与される。化合物が共に投与される場合、CAH患者は、処置レジメン中に75mgのGCの投与量を受け入れていることがある。一定期間後、CAH患者のACTHレベルおよびA4レベルが、ACTHとA4レベルそれぞれの正常範囲の上限値の2、1.5、または1.25倍未満のままである場合、75mgのGCの投与量は、CRF1アンタゴニストと共に投与される時、5mgのインクリメントで、70mgまでさらに減少され得る。GCの投与量は、CRF1アンタゴニストと共に投与された場合、被験体のACTHまたはA4レベルがACTHまたはA4レベルの正常範囲の上限値の2、1.5、または1.25倍未満にならなくなるまで、GCの投与量は、5mgのヒドロコルチゾン当量のインクリメントで、24時間を越えて連続的に減少され得る。
【0168】
さらに、年齢、性別、閉経状況、実験設定などの要因によって制御された後、このCAH患者のACTHレベルがACTHレベルの正常範囲の上限値の1.75倍未満であり、A4レベルがA4レベルの正常範囲の上限値の1.5倍未満である場合、80mgのGCの投与量は、CRF1アンタゴニスト(つまり本明細書に開示される化合物)を共に投与する時、5mgインクリメントで減少され得る。年齢、性別、閉経状況、実験設定などの要因によって制御された後、このCAH患者のACTHレベルがACTHレベルの正常範囲の上限値の1.5倍未満であり、A4レベルがA4レベルの正常範囲の上限値の1.75倍未満である場合、80mgのGCの投与量は、CRF1アンタゴニスト(つまり本明細書に開示される化合物)を共に投与する時、5mgインクリメントで減少され得る。年齢、性別、閉経状況、実験設定などの要因によって制御された後、このCAH患者のACTHレベルがACTHレベルの正常範囲の上限値の1.25倍未満であり、A4レベルがA4レベルの正常範囲の上限値の1.25倍未満である場合、80mgのGCの投与量は、CRF1アンタゴニスト(つまり本明細書に開示される化合物)を共に投与する時、5mgインクリメントで減少され得る。いくつかの実施形態では、年齢、性別、閉経状況、実験設定などの要因によって制御された後、このCAH患者のACTHレベルがACTHレベルの正常範囲の上限値の1.0倍未満であり、A4レベルがA4レベルの正常範囲の上限値の1.0倍未満である場合、80mgのGCの投与量は、CRF1アンタゴニスト(つまり本明細書に開示される化合物)と共に投与される時、5mgインクリメントで減少され得る。
【0169】
いくつかの実施形態では、被験体は約1週間~約40週間の期間処置される。いくつかの実施形態では、被験体は約2週間~約39週間の期間処置される。いくつかの実施形態では、被験体は約3週間~約38週間の期間処置される。いくつかの実施形態では、被験体は約4週間~約36週間の期間処置される。いくつかの実施形態では、被験体が本明細書に記載される期間処置され、正常な実験基準範囲の下限値未満のA4およびACTHレベルを有する場合、被験体がA4とACTHの正常範囲内で一貫してホルモンレベルを維持するまで、被験体はステロイドの減少を続け得る。
【0170】
さらに、いくつかの実施形態では、被験体がACTHまたはA4レベルの正常な範囲または正常な実験基準範囲の上限値を超える場合、CRF1アンタゴニスト(すなわち、本明細書に開示される化合物)またはその薬学的に許容可能な塩を受け入れないCAH患者に投与されるステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の有効な量の投与量と比較して、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の有効な量の1日当たりの総投与量は、減少されない。いくつかの実施形態では、被験体はACTHまたはA4レベルの正常範囲の上限値の2倍を超えるレベルを有する。いくつかの被験体は、被験体がACTHおよびA4レベルの両方の正常範囲の上限値の4倍を超えるレベルを有する場合、重度の対照の問題を有するとしてさらに分類され得る。さらに、いくつかの被験体は、被験体がACTHレベルの正常範囲の上限値の2倍を超えるがA4レベルの正常範囲の上限値の4倍未満を有する場合、中程度の対照の問題を有するとしてさらに分類され得る。いくつかの実施形態では、被験体はACTHまたはA4レベルの正常範囲の上限値の1.75倍を超えるレベルを有する。いくつかの実施形態では、被験体はACTHまたはA4レベルの正常範囲の上限値の1.5倍を超えるレベルを有する。いくつかの実施形態では、被験体はACTHまたはA4レベルの正常範囲の上限値の1.25倍を超えるレベルを有する。いくつかの実施形態では、被験体はACTHまたはA4レベルの正常範囲の上限値の1.0倍を超えるレベルを有する。
【0171】
さらに、いくつかの実施形態では、被験体は、ACTHレベルの正常範囲または正常な実験基準範囲の上限値を超えるACTHレベルおよびA4の正常範囲または正常な実験基準範囲の上限値を超えるA4レベルを有する場合、CRF1アンタゴニスト(すなわち、本明細書に開示される化合物)またはその薬学的に許容可能な塩を受け入れないCAH患者に投与されるステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の有効な量の投与量と比較して、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の有効な量の1日当たりの総投与量は、減少されない。いくつかの実施形態では、被験体はACTHの正常範囲の上限値の1.75倍を超えるACTHレベル、およびA4の正常範囲の上限値の1.5倍を超えるA4レベルを有する。いくつかの実施形態では、被験体はACTHの正常範囲の上限値の1.5倍を超えるACTHレベル、およびA4の正常範囲の上限値の1.25倍を超えるA4レベルを有する。いくつかの実施形態では、被験体はACTHの正常範囲の上限値の1.25倍を超えるACTHレベル、およびA4の正常範囲の上限値の1倍を超えるA4レベルを有する。いくつかの実施形態では、被験体はACTHの正常範囲の上限値の1倍を超えるACTHレベル、およびA4の正常範囲の上限値の1.25倍を超えるA4レベルを有する。いくつかの実施形態では、被験体はACTHの正常範囲の上限値の1.25倍を超えるACTHレベル、およびA4の正常範囲の上限値の1.5倍を超えるA4レベルを有する。いくつかの実施形態では、被験体はACTHの正常範囲の上限値の1.5倍を超えるACTHレベル、およびA4の正常範囲の上限値の1.75倍を超えるA4レベルを有する。
【0172】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストが投与されない場合、約10mg~約80mgのGCの投与量がCAH患者に投与される。いくつかの実施形態では、GCの投与量は、1日1回、2回、3回、または4回、CAHに投与される。いくつかの実施形態では、コルチコトロピン放出因子1型(CRF1)アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、被験体に1日当たり約10mg~約200mgの総投与量で投与される。例えば、限定的でなく、CRF1アンタゴニストが投与されない場合、約80mgのGCの投与量がCAH患者に投与される。年齢、性別、閉経状況、実験設定などの要因によって制御された後、このCAH患者のACTHレベルまたはA4レベルがACTHレベルまたはA4レベルの正常範囲の上限値を超える場合、CRF1アンタゴニスト(つまり本明細書に開示される化合物)を共に投与する時、80mgのGCの投与量が維持され得る。さらに、年齢、性別、閉経状況、実験設定などの要因によって制御された後、このCAH患者のACTHレベルおよびA4レベルがACTHレベルおよびA4レベルそれぞれの正常範囲の上限値を超える場合、CRF1アンタゴニスト(つまり本明細書に開示される化合物)を共に投与する時、80mgのGCの投与量が維持され得る。
【0173】
GCの維持される投与量をCRF1アンタゴニストと共に投与する処置の間、CAH患者のACTHとA4レベルはモニタリングされる。いくつかの実施形態では、CAH患者のACTHとA4レベルがACTHとA4レベルそれぞれの正常範囲の上限値の2倍未満になるとすぐに、GCの投与量は、CRF1アンタゴニストと共に投与される場合、CAH患者に対して5mgのヒドロコルチゾン当量のインクリメントで減少され得る。いくつかの実施形態では、CAH患者のACTHとA4レベルがACTHとA4レベルのそれぞれの正常範囲の上限値の1.75倍未満になるとすぐに、GCの投与量は、CRF1アンタゴニストと共に投与される場合、5mgごとのヒドロコルチゾン当量で減少され得る。いくつかの実施形態では、CAH患者のACTHとA4レベルがACTHとA4レベルのそれぞれの正常範囲の上限値の1.5倍未満になるとすぐに、GCの投与量は、CRF1アンタゴニストと共に投与される場合、5mgごとのヒドロコルチゾン当量で減少され得る。いくつかの実施形態では、CAH患者のACTHとA4レベルがACTHとA4レベルのそれぞれの正常範囲の上限値の1.25倍未満になるとすぐに、GCの投与量は、CRF1アンタゴニストと共に投与される場合、5mgごとのヒドロコルチゾン当量で減少され得る。いくつかの実施形態では、CAH患者のACTHとA4レベルがACTHとA4レベルのそれぞれの正常範囲の上限値の1.0倍未満になるとすぐに、GCの投与量は、CRF1アンタゴニストと共に投与される場合、5mgごとのヒドロコルチゾン当量で減少され得る。さらに、CRF1アンタゴニストと共に投与される場合、被験体のACTHおよびA4レベルがACTHおよびA4レベルそれぞれの正常範囲の上限値の少なくとも2、1.5、または1.25倍を超えるまで、GCの投与量は、5mgのインクリメントで、連続的に減少され得る。
【0174】
いくつかの実施形態では、被験体は約1週間~約40週間の期間処置される。いくつかの実施形態では、被験体は約2週間~約39週間の期間処置される。いくつかの実施形態では、被験体は約3週間~約38週間の期間処置される。いくつかの実施形態では、被験体は約4週間~約36週間の期間処置される。いくつかの実施形態では、被験体が本明細書に記載される期間の間処置された後、被験体は異なる患者サブタイプレジメンが適用可能であり得るかどうかを決定するために再評価され得る。
【0175】
いくつかの実施形態では、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩の投与量は、約80mgのヒドロコルチゾン当量に対して約10mgの投与量である。いくつかの実施形態では、ステロイドはグルココルチコイド、またはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、被験体はA4とACTHの朝のレベルを決定するために朝に検査される。
【0176】
特定の実験設定から提供される特異性により、いくつかの実施形態では、男性被験体のためのA4の正常な実験基準範囲の上限値の2倍は、約440ng/dl超、約430ng/dl超、約420ng/dl超、約410ng/dl超、約400ng/dl超、約390ng/dl超、約380ng/dl超、約370ng/dl超である。いくつかの実施形態では、男性被験体のためのA4の正常な実験基準範囲は、約40ng/dl~約190ng/dlまでである。いくつかの実施形態では、男性被験体のためのA4の正常な実験基準範囲は、約50ng/dl~約220ng/dlまでである。
【0177】
いくつかの実施形態では、女性被験体のためのA4の正常な実験基準範囲の上限値の2倍は、約560ng/dl超、約550ng/dl超、約540ng/dl超、約530ng/dl超、約520ng/dl超、約510ng/dl超、約490ng/dl超、約480ng/dl超、約470ng/dl超、約460ng/dl超、約450ng/dl超、約430ng/dl超、約420ng/dl超、約410ng/dl超、約400ng/dl超、約390ng/dl超、約380ng/dl超、約370ng/dl超、約360ng/dl超、約350ng/dl超、または約340ng/dl超である。いくつかの実施形態では、女性被験体のためのA4の正常な実験基準範囲は、約51ng/dl~約213ng/dlまである。いくつかの実施形態では、女性被験体のためのA4の正常な実験基準範囲は、約73ng/dl~約230ng/dlまでである。いくつかの実施形態では、女性被験体のためのA4の正常な実験基準範囲は、約73ng/dl~約184ng/dlまでである。
【0178】
いくつかの実施形態では、ACTHの正常な実験基準範囲の上限値の2倍は、約110pg/dl超、約120pg/dl超、約130pg/dl超、約140pg/dl超、または約150pg/dl超である。いくつかの実施形態では、ACTHの正常な実験基準範囲は、約7pg/dl~約70pg/dlまでである。
【0179】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は、アンタラルミン塩酸塩、ファイザー CP 154526、CP 376395 塩酸塩、NBI 27914 塩酸塩、NBI 35965 塩酸塩、NGD 98-2 塩酸塩、ペキサセルフォント、R 121919 塩酸塩、SN003からなる群から選択される。
【0180】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストは、式(I):
【0181】
【化36】
の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩であり、式中:
R
1とR
2は独立してエチルまたはn-プロピルであり;
R
3は、水素、Cl、Br、メチル、トリフルオロメチル、またはメトキシであり;および、
R
4は水素、Br、R
aR
bN-、メトキシメチル、n-ブチル、アセタミド、ピリジン-4-イル、モルフォリン-4-イル、
【0182】
【化37】
および
R
aとR
bは、独立して水素、C
1-C
3アルキル、H
2NCH
2CH
2-、(CH
3)
3COC(O)NHCH
2CH
2-、またはCH
3CH
2CH
2NHCH
2CH
2-である。
【0183】
いくつかの実施形態では、R3はCl、Br、メチル、またはトリフルオロメチルである。いくつかの実施形態では、R3はCl、Br、またはメチルである。
【0184】
いくつかの実施形態では、R4はBr、RaRbN-、ピリジン-4-イル、モルフォリン-4-イル、または
【0185】
【化38】
である。いくつかの実施形態では、R
4はモルフォリン-4-イル、または
【0186】
【化39】
である。いくつかの実施形態では、R
4は水素、Br、R
aR
bN-、およびR
aとR
bは独立してC
1-C
3アルキルである。
【0187】
いくつかの実施形態では、化合物は、
【0188】
【化40】
または、その薬学的に許容可能な塩である。
【0189】
いくつかの実施形態では、化合物は、
【0190】
【化41】
または、その薬学的に許容可能な塩である。
【0191】
いくつかの実施形態では、化合物は、
【0192】
【化42】
またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0193】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に1日当たり約25mg~約200mgの総投与量で投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に1日当たり約200mgの総投与量で投与される。
【0194】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に1日当たり約150mgの総投与量で投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に1日当たり約100mgの総投与量で投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に1日当たり約50mgの総投与量で投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に1日当たり約40mgの総投与量で投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に1日当たり約30mgの総投与量で投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に1日当たり約25mgの総投与量で投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に1日当たり約20mgの総投与量で投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に1日当たり約15mgの総投与量で投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に1日当たり約10mgの総投与量で投与される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に1日当たり約5mgの総投与量で投与される。
【0195】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は微粒子の形態である。いくつかの実施形態では、微粒子の平均サイズは約1μmと約20μmとの間である。いくつかの実施形態では、微粒子の平均サイズは約5μmと約15μmとの間である。いくつかの実施形態では、微粒子の平均サイズは、約10μm未満である。
【0196】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたはその薬学的に許容可能な塩は医薬組成物として投与される。いくつかの実施形態では、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩は医薬組成物として投与される。
【0197】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は、カプセルまたは錠剤の形態である。いくつかの実施形態では、カプセルはハードゼラチンカプセルである。いくつかの実施形態では、カプセルはソフトゼラチンカプセルである。いくつかの実施形態では、カプセルは、天然ゼラチン、合成ゼラチン、ペクチン、カゼイン、コラーゲン、タンパク質、加工デンプン、ポリビニルピロリドン、アクリルポリマー、セルロース誘導体、およびそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される材料を使用して形成される。
【0198】
いくつかの実施形態では、医薬組成物は追加の賦形剤を含まない。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1以上の薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、医薬組成物は錠剤の形態である。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、1以上の薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む。
【0199】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に約1時間~約8時間のTmaxを提供するようにカプセルまたは錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に約2時間~約7時間のTmaxを提供するようにカプセルまたは錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に約2時間~約6時間のTmaxを提供するようにカプセルまたは錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に約3時間~約5時間のTmaxを提供するようにカプセルまたは錠剤として製剤化される。
【0200】
いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に約8時間のTmaxを提供するようにカプセルまたは錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に約7時間のTmaxを提供するようにカプセルまたは錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に約6時間のTmaxを提供するようにカプセルまたは錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に約5時間のTmaxを提供するようにカプセルまたは錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に約4時間のTmaxを提供するようにカプセルまたは錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に約3時間のTmaxを提供するようにカプセルまたは錠剤として製剤化される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に約2時間のTmaxを提供するようにカプセルまたは錠剤として製剤される。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、被験体に約1時間のTmaxを提供するようにカプセルまたは錠剤として製剤化される。
【0201】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、月1回、月2回、月3回、週1回、週2回、週3回、2日に1回、1日1回、1日2回、1日3回、または1日4回の、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物を含む医薬組成物の投与を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載された方法は、1日1回、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物を投与する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載された方法は、1日2回、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物を投与する。
【0202】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、1日当たり、約1mg~約2000mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物の投与を含む。いくつかの実施形態では、CRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩は、約50mg/日と約1600mg/日との間の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は、約50mg/日と約1500mg/日との間の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は、約50mg/日と約1400mg/日との間の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は、約50mg/日と約1300mg/日との間の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は、約50mg/日と約1200mg/日との間の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は、約50mg/日と約1100mg/日との間の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は、約50mg/日と約1000mg/日との間の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は、約50mg/日と約900mg/日との間の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は、約50mg/日と約800mg/日との間の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は、約60mg/日と約800mg/日との間の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は、約70mg/日と約800mg/日との間の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は、約80mg/日と約800mg/日との間の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は、約90mg/日と約800mg/日との間の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は、約100mg/日と約800mg/日との間の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は、約100mg/日と約700mg/日との間の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は、約100mg/日と約600mg/日との間の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は、約150mg/日と約600mg/日との間の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は、約200mg/日と約600mg/日との間の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は、約200mg/日と約500mg/日との間の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は、約200mg/日と約400mg/日との間の投与量で投与される。
【0203】
いくつかの実施形態では、化合物1は約500mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は400mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は300mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は200mg/日の投与量で投与される。いくつかの実施形態では、化合物1は100mg/日の投与量で投与される。
【0204】
いくつかの実施形態では、約100mg~約1600mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。いくつかの実施形態では、約200mg~約1600mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。いくつかの実施形態では、約200mg~約1200mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。いくつかの実施形態では、約200mg~約1000mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。いくつかの実施形態では、約200mg~約800mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。いくつかの実施形態では、約100mg~約800mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。いくつかの実施形態では、約200mg~約800mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。いくつかの実施形態では、約100mg~約600mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。いくつかの実施形態では、約200mg~約600mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩が、1日当たりに投与される。いくつかの実施形態では、約300mg~約600mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。いくつかの実施形態では、約100mg~約400mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。いくつかの実施形態では、約200mg~約400mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。いくつかの実施形態では、約300mg~約400mgのCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。
【0205】
いくつかの実施形態では、約2000mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。いくつかの実施形態では、約1800mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。いくつかの実施形態では、約1600mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。いくつかの実施形態では、約1400mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。いくつかの実施形態では、約1200mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。いくつかの実施形態では、約1000mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。いくつかの実施形態では、約800mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。いくつかの実施形態では、約600mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。いくつかの実施形態では、約500mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。いくつかの実施形態では、約400mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。いくつかの実施形態では、約300mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。いくつかの実施形態では、約200mg未満のCRF1アンタゴニストまたは薬学的に許容可能な塩、あるいは薬学的に許容可能な塩またはその溶媒和物が、1日当たりに投与される。
【0206】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、被験体が摂食状態にある、本明細書に記載された医薬組成物の投与を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載された方法は、被験体が絶食状態にある、本明細書に記載される医薬組成物の投与を含む。
【0207】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、就寝時の、本明細書に記載された医薬組成物の投与を含む。
【0208】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、睡眠の約4時間未満前の、本明細書に記載された医薬組成物の投与を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、睡眠の約3時間未満前の、本明細書に記載された医薬組成物の投与を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、睡眠の約2時間未満前の、本明細書に記載された医薬組成物の投与を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、睡眠の約1時間未満前の、本明細書に記載される医薬組成物の投与を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、睡眠の約30分未満前の、本明細書に記載される医薬組成物の投与を含む。
【0209】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、夜の、本明細書に記載された医薬組成物の投与を含む。
【0210】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、夜午後11時頃の、本明細書に記載される医薬組成物の投与を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、夜午後10時頃の、本明細書に記載される医薬組成物の投与を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、夜午後9時頃の、本明細書に記載される医薬組成物の投与を含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される方法は、夜午後8時頃の、本明細書に記載された医薬組成物の投与を含む。
【0211】
いくつかの実施形態では、ステロイドまたはその薬学的に許容可能な塩はグルココルチコイドまたはその薬学的に許容可能な塩である。いくつかの実施形態では、グルココルチコイドまたはその薬学的に許容可能な塩は、プレドニゾン、コルチゾン、プレドニゾロン、トリアムシノロン、メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、またはその薬学的に許容可能な塩である。
【0212】
いくつかの実施形態では、被験体のA4およびACTHのレベルは被験体の生体サンプルから決定される。いくつかの実施形態では、生体サンプルは、血液、血液フラクション、血漿、血清、尿、他のタイプの分泌液、および唾液の群から選択される。いくつかの実施形態では、生体サンプルは非侵襲的に得られる。
【0213】
いくつかの実施形態では、被験体は小児患者である。いくつかの実施形態では、被験体は、約0歳~約18歳である。いくつかの実施形態では、被験体は成人患者である。
【0214】
いくつかの実施形態では、ステロイドおよびCRF1アンタゴニストは同時に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイドおよびCRF1アンタゴニストは1つの医薬組成物で投与される。いくつかの実施形態では、ステロイドおよびCRF1アンタゴニストは別個の医薬組成物で同時に投与される。いくつかの実施形態では、ステロイドおよびCRF1アンタゴニストは連続して投与される。
【0215】
いくつかの実施形態では、ステロイドおよびCRF1アンタゴニストは、24時間内に連続して投与される。いくつかの実施形態では、ステロイドおよびCRF1アンタゴニストは、8時間内に連続して投与される。いくつかの実施形態では、ステロイドおよびCRF1アンタゴニストは、2時間内に連続して投与される。いくつかの実施形態では、ステロイドおよびCRF1アンタゴニストは、10分内に連続して投与される。
【0216】
いくつかの実施形態では、CAHは古典的CAHである。いくつかの実施形態では、CAHは非古典的CAHである。
【0217】
いくつかの実施形態では、グルココルチコイドはベクロメタゾン、ベタメタゾン、ブデソニド、コルチゾン、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、またはトリアムシノロンである。いくつかの実施形態では、グルココルチコイドはヒドロコルチゾンである。
【0218】
いくつかの実施形態では、グルココルチコイドはヒドロコルチゾンであり、投与される投与量は、15-25mg/日の推奨投与量未満である。
【0219】
いくつかの実施形態では、グルココルチコイドはプレドニゾンであり、投与される投与量は、5-7.5mg/日の推奨投与量未満である。
【0220】
いくつかの実施形態では、グルココルチコイドはプレドニゾロンであり、投与される投与量は、4-6mg/日の推奨投与量未満である。
【0221】
いくつかの実施形態では、グルココルチコイドはデキサメタゾンであり、投与される投与量は、0.25-0.5mg/日の推奨投与量未満である。
【実施例】
【0222】
以下の実施例は、本発明をさらに例示するが、その範囲を制限するいかなる方法として解釈されるべきではない。特に、処理条件は、典型的なものにすぎず、当業者によって容易に変更され得る。
【0223】
本明細書に記載される全ての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、適切な順序で実行され得る。本明細書に提供される、あらゆるすべての例、または典型的な用語(例えば「など(such as)」)の使用は、本発明をより良く例示するように意図されているにすぎず、他に要求されない限り、本発明の範囲を限定するものではない。他に定義のない限り、本明細書で使用される技術的および科学的用語は、本発明が属する当該技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。
【0224】
実施例1-CAHを有する被験体において、A4とACTHレベルに基づいたCAHの患者の分離した部分群を識別する
試験化合物3、第2相、非盲検、ファースト・イン・CAH患者、概念実証、投与量決定試験では、古典的CAHの成人におけるPR001の反復投与の安全性および有効性を評価した。集団(n=24;2つのコホートを完成する2人の被験体を用いる)は古典的CAH被験体から構成され、17-OHPレベルの正常基準範囲の上限値の4倍である、17-OHP>800ng/dlの、試験スクリーニング時の単一ホルモンの評価に基づいた安定したグルココルチコイドレジメンに関わらず、適切に制御されない。17-OHPは包含基準としてのホルモンとして選択され、なぜなら、当時、それがグルココルチコイド治療の疾患重症度および妥当性の評価のための最先端技術を代表するものであったからである。試験は3コホートを含み、コホートAは、6週間の被験体内の投与量漸増処置期間であり、処置期間の間のウォッシュアウトなしに、200mgのグルココルチコイド(QD)(1日1回)、600mgのQD、および1000mgのQDの2週間の処置期間を3回有した。コホートBおよびCは、100を1日2回(BID)(1日2回)(コホートC)か、200mgを1日2回(コホートB)のいずれかの2週間の処置期間から構成された。ベースラインで、以下のホルモン、17-OHP、ACTHおよびA4を評価した。同じホルモンを各2週間の処置期間の終わりに評価した。
【0225】
上昇された17-OHP(〉800ng/dL)の包含基準は、現在の最先端技術に基づいて、上昇されたACTH、17-OHP前駆体、および上昇されたA4、17-OHPの下流アンドロゲンの被験体を、登録することを期待した。上昇された17-OHPは、(ACTH)前流と(A4)後流のホルモンの上昇および非上昇の両方に対応した。これは表1で証明される。全てのコホートは、幾何平均で証明されたように、上昇された17-OHPの基準を満たした。コホートBの被験体は、上昇された17-OHPを有する一方で、上昇されたACTHまたは上昇されたA4を有さなかった。コホートAおよびCは最先端技術に対応する上昇された3つのホルモンを全て有した。
【0226】
【0227】
臨床インプットに裏付けられガイドされるクラスタリングアプローチを、A4とACTHのベースラインホルモン制御に基づいて、部分群を定義するために使用した。インプットとしての17-OHPの包含は、非明白だった部分群の明確な識別を妨げた。
【0228】
患者の3つの部分群を識別した(
図1を参照):
・部分群1:A4とACTHレベルがそれぞれ、通常、各実験評価の正常上限値の2倍より低い被験体。
・部分群2:A4とACTHレベルがそれぞれ、通常、各実験評価の正常上限値の2倍より高い被験体。
・部分群3:A4またはACTHレベルのいずれかが、各実験評価の正常上限値の2倍を上回り、もう一方が正常上限値の2倍を下回る被験体。
・部分群2および3を単一部分群へ組み合わせることができる。
【0229】
A4とACTHに基づいて、患者を部分群タイプに分類することによって、それが17-OHPおよびA4に基づいて被験体の疾患重症度を評価するために代わりの方法を提供する。さらに、これらの部分群は、異なるが連続する処置方法のための基礎を提供する。
【0230】
実施例2-第2相の臨床研究
臨床研究を、古典的CAHの成人を処置するために、化合物3を毎日のグルココルチコイド治療と併用する最大52週間の処置を含めて、行う。A4とACTHレベルの基準を使用したスクリーニング後に、適格患者を最大12週間のプラセボ対照処置へ登録し、その後40週間の非盲検の処置および4週間のウォッシュアウト/安全性の観察期間が続く。
【0231】
集団は、部分群2の被験体から構成され、処置群当たりおおよそn=18であり、投与量は50mg~200mg間の範囲およびプラセボである。各被験体は、二重盲検事項において、化合物3またはプラセボとグルココルチコイドを、最大12週間、毎日受け入れる。プラセボ対照期間に続いて、全ての被験体は、様々な投与量として非盲検の化合物3を受け入れ、グルココルチコイドを二重盲検期間と同様に、1日1回経口投与する。患者は、最大52週間、化合物3を自己投与する。プラセボの最大処置期間は12週間である。
【0232】
研究設計
・試験型:介入
・主な目的:処置
・研究フェーズ:第2相
・介入研究モデル:二重盲検、プラセボ対照(12週間)、非盲検(最大40週間)
・割当:均等な無作為化
・登録:最大約72
評価項目
一次評価項目:
1.ACTH、A4および17-OHPなどの鍵となるホルモンの減少の評価。
二次評価項目:
2.ACTH、A4および17-OHPなどの鍵となるホルモンの正常化比率の評価。
適格性
・最低年齢:16歳
・最高年齢:65歳
・性別:すべて
・性別に基づく:いいえ
・健康な志願者の容認:いいえ
基準:
包含基準:
・18歳以上の男性患者および女性患者
・21-ヒドロキシラーゼ欠損症による古典的CAHの記述された診断
・スクリーニング時およびベースラインで、正常実験基準範囲の上限値の2倍を超える上昇されたA4とACTH
・最低30日間の安定したグルココルチコイド置換レジメン上
除外基準:
・臨床的に有意に不安定な身体疾病、病気、または慢性疾患
・臨床的に有意な精神障害。
・臨床的に有意に異常な検査所見または評価
・両側性副腎摘出または下垂体機能不全症の履歴
・妊娠または授乳中の女性
・30日内のあらゆる他の治験薬の使用
・研究手順を理解および遵守することができず、危険を理解できず、および/または書面のインフォームドコンセントを提供することを望まない。
【0233】
開示された化合物3はCYP3A4経路の阻害剤であり、デキサメタゾン(DEX)を、CYP3A4経路を通して主に代謝する。研究の一部として、DEXとコルチゾールの前後の濃度を測定した。いくつかの実施形態では、バイオマーカー減少分析は全ての被験体を含む。いくつかの実施形態では、バイオマーカー減少分析はDEXで処置した被験体を含まない。
【0234】
図2Aおよび2Bに示されるように、午後10時から次の日の午前8時前まで測定されたACTHレベルの異なる処置群間の時間に対応する変化は、非デキサメタゾン被験体において例示される。プールされたベースライン(破線)と2つの線(実線)は、プールされたベースラインの変化率として示される投与群のベースラインの変化率を使用して、2つの投与群(投与量=200mgおよび>200mgの投与量)を表す。図を、疾患対照群、高度に上昇されたACTHおよびA4の不良疾患対照、および正常範囲に近いか下回るACTHおよびA4の良好疾患対照群に分ける。各群は上昇された17-OHPを有する。
【0235】
図2Aによると、不良疾患群では、午前4時以降の幾何平均は高度に上昇し、400pg/mL超、または正常の上限値(ULN)(63.3pg/mL)超の値に到達する。化合物3を用いる処置は、午前3時以降のACTHにおける増大の規模を低減し、連続的なホルモンプロファイルにおける改良を実証した。
図2Bによると、良好疾患対照群では、ベースラインの連続的なプロファイルは、評価された期間を通してULNを下回った。化合物3を用いる処置は、全般的に、ULNを下回る連続的なプロファイルを維持した。観察された変化は、被験体内の日々の変動を表している可能性がある。
【0236】
図3Aおよび3Bで示されるように、午後10時から次の日の午前8時前まで測定された17-OHPレベルの異なる処置群間の時間に対応する変化を、非デキサメタゾン被験体において例示する。プールされたベースライン(破線)と2つの線(実線)は、プールされたベースラインの変化率として示される投与群のベースラインの変化率を使用して、2つの投与群(投与量=200mgおよび>200mgの投与量)を表す。図を、疾患対照群、高度に上昇されたACTHおよびA4の不良疾患対照、および正常範囲に近いか下回るACTHおよびA4の良好疾患対照群に分ける。両方の群では、17-OHPがその目標(1200ng/dL)を超えて上昇する。Y軸は、
図3Aで8000ng/dLを越える不良疾患対照群と異なり、および、良好疾患群は
図3Bでおおよそ3000ng/dLの上限付近であった。両方の群では、化合物3を用いる処置は、午前3時以降の17-OHPにおいて、増大の規模を低減し、連続的なホルモンプロファイルにおける改良を実証した。
【0237】
図4Aおよび4Bで示されるように、午前6時から同じ日の午前8時まで測定されたA4レベルの異なる処置群間の時間に対応する変化を、非デキサメタゾン被験体において例示する。プールされたベースライン(破線)と2つの線(実線)は、プールされたベースラインの変化率として示される投与群のベースラインの変化率を使用して、2つの投与群(投与量=200mgおよび>200mgの投与量)を表す。図を、疾患対照群、高度に上昇されたACTHおよびA4の不良疾患対照、および正常範囲に近いか下回るACTHおよびA4の良好疾患対照群に分ける。各群は上昇された17-OHPを有する。
【0238】
図4Aで示されるように、不良疾患対照群のベースラインプロファイルは、おおよそ212ng/dLの性別を混合したULNを超える。化合物3を用いる処置は、おおよそ212ng/dLの性別を混合したULNに向けて、被験体のA4プロファイルを改良する。
図4Bに示されるように、良好疾患対照群のベースラインプロファイルは、おおよそ212ng/dLの性別を混合したULNをかなり下回っている。化合物3を用いる処置はベースラインレベルと比較して、A4レベルをさらに低下させることができる。ベースラインに関する小さな変動は、被験体内の日々の変動を表している可能性がある。
【0239】
実施例3-第2相の臨床研究
第2相の研究を、古典的CAHの成人を処置するために、化合物3とグルココルチコイドを複数回投与する最大52週間の処置の研究を含めて、行う。本明細書に開示される基準を使用したスクリーニング後、適格患者を最大52週間の処置へ登録し、その後4週間のウォッシュアウト/安全性の観察期間が続く。
【0240】
集団は部分群1の被験体から構成され、200mgの投与量でおおよそn=30およびプラセボでn=30である。各被験体は、二重盲検方式において、化合物3またはプラセボとグルココルチコイドを、最大24週間、1日1回受け入れる。化合物3およびグルココルチコイドは1日量として経口投与される。二重盲検の期間に続いて、全ての被験体は200mgで非盲検の化合物3を受け入れることになる。患者は、最大52週間、化合物3を自己投与する。化合物3およびグルココルチコイドの最低2週間の併用処置の後、被験体はそれらのグルココルチコイドの減少の対象となる。研究が終わる前に、24週間の期間に渡り、5mgのヒドロコルチゾン当量のインクリメントで、最大5回の投与量の減少の対象である被験体において、減少が起こる。
【0241】
研究設計
・試験型:介入
・主な目的:処置
・研究フェーズ:第2相
・介入研究モデル:二重盲検(24週間)、非盲検(28週間)
・割当:均等な無作為化
・登録:最大約60[1群当たりn=30]
評価項目
一次評価項目:
1.グルココルチコイド投与の減少
二次評価項目:
2.各鍵となるホルモンの正常化比率の評価
3.CAHの兆候と症状に対するグルココルチコイド投与の減少の影響の評価
4.全体的なグルココルチコイド毒性指数に対するグルココルチコイド投与の減少の影響の評価
適格性
・最低年齢:18歳
・最高年齢:65
・性別:全て
・性別に基づく:いいえ
・健康な志願者の容認:いいえ
・基準:包含基準
基準:
包含基準:
・18歳以上の男性患者および女性患者。
・21-ヒドロキシラーゼ欠損症による古典的CAHの記述された診断
・スクリーニング時およびベースラインで、正常上限値の<1.5xの上昇されたA4およびACTH
・最低30日間の安定したグルココルチコイド置換レジメン上
除外基準:
・臨床的に有意に不安定な身体疾病、病気、または慢性疾患
・臨床的に有意な精神障害。
・臨床的に有意に異常な検査所見または評価
・両側性副腎摘出または下垂体機能不全症の履歴
・妊娠または授乳中の女性
・30日内のあらゆる他の治験薬の使用
・研究手順を理解および遵守することができず、危険を理解できず、および/または書面のインフォームドコンセントを提供することを望まない。
【0242】
本発明の好ましい実施形態が本明細書中で示され、記載されてきたが、このような実施形態はほんの一例として提供されているに過ぎないことが当業者に明らかであろう。本発明が明細書内で提供される特定の例によって制限されることは意図していない。本発明は前述の明細書に関して記載されているが、本明細書中の実施形態の記載および例示は、限定的な意味で解釈されることを目的としていない。当業者であれば、多くの変更、変化、および置換が、本発明から逸脱することなく思いつくだろう。さらに、本発明のすべての態様は、様々な条件および変数に依存する、本明細書で説明された特定の描写、構成、または相対的な比率に限定されないことが理解されよう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替案が、本発明の実施に際して利用され得ることを理解されたい。それゆえ、本発明は、任意のそのような代替物、修正物、変形物、または同等物にも及ぶものと企図される。以下の請求項は本発明の範囲を定義するものであり、この請求項とその均等物の範囲内の方法、および構造体がそれによって包含されるものであるということが意図されている。
【国際調査報告】