(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-26
(54)【発明の名称】処理機用バッフル
(51)【国際特許分類】
D06F 37/26 20060101AFI20220915BHJP
D06F 35/00 20060101ALI20220915BHJP
D06F 37/28 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
D06F37/26
D06F35/00 Z
D06F37/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022503577
(86)(22)【出願日】2020-07-22
(85)【翻訳文提出日】2022-02-16
(86)【国際出願番号】 GB2020051749
(87)【国際公開番号】W WO2021014152
(87)【国際公開日】2021-01-28
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517182158
【氏名又は名称】ゼロス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ,ガレス エバン リン
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ,リアム
(72)【発明者】
【氏名】マットレイ,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】コブ,トマス,アンドリュー
【テーマコード(参考)】
3B165
3B168
【Fターム(参考)】
3B165AA05
3B165AB01
3B165AE02
3B165BA22
3B165BA42
3B165CA01
3B165CA11
3B165CB01
3B165CB55
3B165CC02
3B165CD02
3B165CD05
3B165FA01
3B165GA02
3B168AA05
3B168AB01
3B168AE02
3B168BA22
3B168BA42
3B168FA01
(57)【要約】
固体粒子の存在下で基材を処理するように構成された処理機用バッフルを提供し、前記処理機は、ドラムと、基材を前記ドラム内に装填するためのドアとを含む。前記バッフルは、前記バッフルを前記処理機のタブに接続するためのタブ接続部を含む。前記バッフルはまた、使用時、且つ前記ドアが閉じられた状態にあるときに、前記処理機の前記ドアと接触するドア接触部を含む。前記バッフルはさらに、前記タブ接続部と前記ドア接触部との間に延在するバリアを含む。前記バリアは、使用時において、前記バリア上に堆積した固体粒子が前記処理機の前記ドラム内に迂回させられるように傾斜している。前記バッフルを含む処理機、及び前記処理機内で基材を処理する方法をさらに提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体粒子の存在下で基材を処理するように構成された処理機に用いられるバッフルであって、前記処理機は、ドラムと、基材を前記ドラム内に装填するためのドアとを含み、前記バッフルは、
前記バッフルを前記処理機のタブに接続するためのタブ接続部と、
使用時、且つ前記ドアが閉じられた状態にあるときに、前記処理機の前記ドアと接触するドア接触部と、
前記タブ接続部と前記ドア接触部との間に延在するバリアと、を含み、
前記バリアは、使用時において、固体粒子が前記バリアによって前記処理機の前記ドラム内に迂回させられるように傾斜していることを特徴とするバッフル。
【請求項2】
使用時、且つ前記処理機の前記ドアが閉じられた状態にあるときに、前記バリアが前記ドア接触部を前記処理機の前記ドアに対して付勢することを特徴とする請求項1に記載のバッフル。
【請求項3】
前記バリアが、前記タブ接続部と前記ドア接触部との間で直線の又は単調に湾曲した態様で延在していることを特徴とする請求項1又は2に記載のバッフル。
【請求項4】
前記処理機が洗濯機であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のバッフル。
【請求項5】
前記タブ接続部が、前記ドラムと前記タブとの間に位置することのできる環を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のバッフル。
【請求項6】
処理機に適用された場合、前記バリアは10乃至90度の平均角度で傾斜し、前記平均角度は、水平方向と仮想線との間で測定され、前記仮想線は、前記バリアが前記タブ接続部にその最下部で接触する点と、前記バリアが前記ドア接触部にその最下部で接触する点との間に延伸されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のバッフル。
【請求項7】
処理機に適用され、且つ前記ドアが開かれた状態にあるとき、前記バリアは前記タブ接続部から前記ドア接触部までの軸方向の長さを有し、前記長さは10乃至65mm、15乃至50mm、又は20乃至40mmの範囲内にあることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のバッフル。
【請求項8】
使用時、且つ前記ドアが閉じられた状態にあるとき、前記ドア接触部は前記ドアに対して軸方向の力を付加し、前記軸方向の力は2乃至20Nの範囲内にあることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載のバッフル。
【請求項9】
前記ドア接触部は剛性の環を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載のバッフル。
【請求項10】
前記バリアは、ネオプレン、多孔質ポリマーシート、メッシュ、ラテックスゴム又はばね要素を含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のバッフル。
【請求項11】
前記バリアは多孔質であり、且つその細孔径は前記固体粒子の粒径よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のバッフル。
【請求項12】
前記細孔径は0.1乃至15mmの範囲内にあることを特徴とする請求項11に記載のバッフル。
【請求項13】
前記ドア接触部は前記バリアの一部として構成され、前記バッフルは、前記バリアによって前記ドア接触部に結合されたケーシング接続部を含み、処理機に適用された場合、前記ケーシング接続部は前記ケーシングに接続されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載のバッフル。
【請求項14】
前記バリアは、半径方向の断面視において、ジグザグ形状、正弦波形状又はU字状に配置されていることを特徴とする請求項13に記載のバッフル。
【請求項15】
前記バリアは非多孔質材料を含むことを特徴とする請求項13又は14に記載のバッフル。
【請求項16】
前記バリアはエラストマーを含むことを特徴とする請求項13乃至15のいずれか一項に記載のバッフル。
【請求項17】
前記バッフルはさらに、前記バリアの半径方向外側に位置する密閉部材を含むことを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載のバッフル。
【請求項18】
前記密閉部材はゴムを含むことを特徴とする請求項17に記載のバッフル。
【請求項19】
請求項1乃至18のいずれか一項に記載のバッフルを含む処理機であって、前記処理機はさらに、
ケーシングと、
前記ケーシング内に可動的に設けられたタブと、
前記タブ内に回転可能に設けられたドラムと、
基材を前記ドラム内に装填するためのドアと、を含み、
前記ドアは、前記ケーシングに取り付けられ、開かれた状態と閉じられた状態との間で操作可能であることを特徴とする処理機。
【請求項20】
前記処理機は、固体粒子を前記ドラム内に投入し、固体粒子を前記ドラムから取り出すように構成されていることを特徴とする請求項19に記載の処理機。
【請求項21】
ケーシングと、
前記ケーシング内に可動的に設けられたタブと、
前記タブ内に回転可能に設けられたドラムと、
基材を前記ドラム内に装填するためのドアと、を含む処理機であって、前記ドアは、前記ケーシングに取り付けられ、開かれた状態と閉じられた状態との間で操作可能であり、
前記処理機は、固体粒子を前記ドラム内に投入し、固体粒子を前記ドラムから取り出すように構成されており、前記処理機はさらにバッフルを含み、前記バッフルは、
前記バッフルを前記処理機の前記タブに接続するためのタブ接続部と、
前記ドアが閉じられた状態にあるときに、前記処理機の前記ドアと接触するドア接触部と、
前記タブ接続部と前記ドア接触部との間に延在するバリアと、を含み、
前記バリアは、固体粒子が前記バリアによって前記処理機の前記ドラム内に迂回させられるように傾斜していることを特徴とする処理機。
【請求項22】
前記処理機の前記ドアが閉じられた状態にあるときに、前記バリアが前記ドア接触部を前記処理機の前記ドアに対して付勢することを特徴とする請求項21に記載の処理機。
【請求項23】
前記バリアが、前記タブ接続部と前記ドア接触部との間で直線の又は単調に湾曲した態様で延在していることを特徴とする請求項21又は22に記載の処理機。
【請求項24】
前記タブ接続部が、前記ドラムと前記タブとの間に位置する環を含むことを特徴とする請求項21乃至23のいずれか一項に記載の処理機。
【請求項25】
前記バリアは10乃至90度の平均角度で傾斜し、前記平均角度は、水平方向と仮想線との間で測定され、前記仮想線は、前記バリアが前記タブ接続部にその最下部で接触する点と、前記バリアが前記ドア接触部にその最下部で接触する点との間に延伸されていることを特徴とする請求項21乃至24のいずれか一項に記載の処理機。
【請求項26】
前記処理機は前記ドラムの回転中心と一致する軸方向を有し、前記バリアは前記タブ接続部から前記ドア接触部までの前記軸方向で測定される長さを有し、前記ドアが開かれた状態にあるとき、前記長さは10乃至65mm、15乃至50mm、又は20乃至40mmの範囲内にあることを特徴とする請求項21乃至25のいずれか一項に記載の処理機。
【請求項27】
前記ドアが閉じられた状態にあるとき、前記軸方向における、前記ドア接触部の前記ドアに対する力は2乃至20Nの範囲内にあることを特徴とする請求項21乃至26のいずれか一項に記載の処理機。
【請求項28】
前記ドアは、閉じられた状態にあるときに前記ドラム内に延伸するドーム状部分を含み、前記バッフルの前記ドア接触部は前記ドーム状部分と接触することを特徴とする請求項21乃至27のいずれか一項に記載の処理機。
【請求項29】
前記ドア接触部は剛性の環を含むことを特徴とする請求項21乃至28のいずれか一項に記載の処理機。
【請求項30】
前記バリアは、ネオプレン、多孔質ポリマーシート、メッシュ、ラテックスゴム又はばね要素を含むことを特徴とする請求項20乃至29のいずれか一項に記載の処理機。
【請求項31】
前記バリアは多孔質であり、且つその細孔径は前記固体粒子の粒径よりも小さいことを特徴とする請求項20乃至30のいずれか一項に記載の処理機。
【請求項32】
前記細孔径は直径0.1乃至15mmの範囲内にあることを特徴とする請求項31に記載の処理機。
【請求項33】
前記ドア接触部は前記バリアの一部として構成され、前記バッフルはケーシング接続部を含み、前記ケーシング接続部は前記バリアによって前記ケーシングに接続され、且つ前記ドア接触部に結合されていることを特徴とする請求項21乃至29のいずれか一項に記載の処理機。
【請求項34】
前記バリアは、半径方向の断面視において、ジグザグ形状、正弦波形状又はU字状に配置されていることを特徴とする請求項33に記載の処理機。
【請求項35】
前記バリアは非多孔質材料を含むことを特徴とする請求項33又は34に記載の処理機。
【請求項36】
前記バリアはエラストマーを含むことを特徴とする請求項33乃至35のいずれか一項に記載の処理機。
【請求項37】
前記バッフルはさらに、前記バリアの半径方向外側に位置する密閉部材を含むことを特徴とする請求項21乃至36のいずれか一項に記載の処理機。
【請求項38】
前記密閉部材はゴムを含むことを特徴とする請求項37に記載の処理機。
【請求項39】
前記処理機は洗濯機を含み、及び/又は前記基材は織物であることを特徴とする請求項21乃至38のいずれか一項に記載の処理機。
【請求項40】
固体粒子の存在下で基材を処理することを特徴とする請求項21乃至39のいずれか一項に記載の処理機の使用。
【請求項41】
前記処理機が洗濯機であることを特徴とする請求項40に記載の使用。
【請求項42】
前記基材が織物であるか、又は織物を含むことを特徴とする請求項40又は41に記載の使用。
【請求項43】
前記固体粒子が1乃至20mmの範囲内の粒径を有することを特徴とする請求項40乃至42のいずれか一項に記載の使用。
【請求項44】
請求項21乃至39のいずれか一項に記載の処理機内で基材を処理する方法であって、
前記基材、固体粒子及び液状媒体を前記処理機のドラム内に装填し、
前記基材、固体粒子及び液状媒体を攪拌するために前記ドラムを回転させる工程を含むことを特徴とする方法。
【請求項45】
前記ドラムから前記液状媒体を排出し、
前記固体粒子及び基材をすすぐ工程をさらに含むことを特徴とする請求項44に記載の方法。
【請求項46】
すすぎ後の前記固体粒子は、同方法を後続において繰り返す際に再利用されることを特徴とする請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記基材が織物であることを特徴とする請求項44乃至46のいずれか一項に記載の方法。
【請求項48】
前記ドラムへの装填は、前記ドラムに洗剤を添加する工程をさらに含むことを特徴とする請求項44乃至47のいずれか一項に記載の方法。
【請求項49】
前記処理機が洗濯機であることを特徴とする請求項44乃至48のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、バッフル及び当該バッフルを含む処理機に関するものである。本開示はまた、処理機の使用、及び当該使用によって基材を処理する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
織物及び布地を処理及び洗浄するための従来の方法は、通常、大量の水を使用する水性洗浄を伴うものであった。これらの方法は一般的に、布地の水性浸漬とそれに続く水性汚れ懸濁、汚れ除去及び水によるすすぎを含む。本技術分野において、これらの従来の方法を改善し及びそれらに対する利点を提供するための固体粒子の使用が知られている。例えば、PCT公開公報WO2007/128962は、多数の固体粒子を使用して汚れた基材を洗浄する方法を開示している。関連する洗浄方法を開示している他のPCT公開公報としては、以下が含まれる:WO2012/056252;WO2014/006424;WO2015/004444;WO2014/147390;WO2014/147391;WO2014/006425;WO2012/035343;WO2012/167545;WO2011/098815;WO2011/064581;WO2010/094959;及びWO2014/147389。これらの開示では、従来の方法に対していくつかの利点をもたらすような、基材を処理又は洗浄するための装置及び方法について教示しており、これらの利点として、向上した処理/洗浄性能、減少した水使用量、減少した洗剤及び他の処理剤の使用量、及びより良好な低温処理/洗浄(即ち、よりエネルギー効率の高い処理/洗浄)が含まれる。
【0003】
洗濯機等の従来の処理機は、通常、タブからドア開口部のケーシングまで延びるバッフルを備え得る。このバッフルは、通常、ゴムを含み、処理サイクル中にドラム内の水がタブ又はドアから出るのを防ぐ。バッフルは通常、ケーシングに対するタブの動きに対応するためにベローズ又はU字状の屈曲部とともに形成されているため、ケーシングへの振動の伝達が減少し、動作中に密閉状態が保持される。
【0004】
洗濯機、固体粒子及び洗浄サイクルの全てについて、長年にわたって本出願人による開発が著しく行われており、洗浄サイクルの終わりに、固体粒子がドラムの洗浄領域及び布地から首尾よく除去されるようになった。
【0005】
しかしながら、本発明者らは、バッフルを含む処理機で固体粒子を使用する場合、固体粒子がバッフルの表面内、バッフルの表面上、又はバッフル表面の周囲に保持されるという傾向に起因する望ましくない問題があることを発見した。これにより、処理機による固体粒子の不完全な回収につながることが見出された。
【0006】
加えて、本発明者らは、ドアを開閉するときに、バッフルに保持された固体粒子がしばしば取り除かれることを見出した。そのような除去された固体粒子はドラムに入り、洗浄された布地上に落ちることとなる。従って、洗濯機の使用者は、固体粒子の望ましくない存在を発見した。
【0007】
本発明の目的は、一般的に改善策を提供すること、及び/又は少なくとも部分的に上記の問題を解決することである。
【発明の概要】
【0008】
第1の態様によれば、処理機用バッフルが提供され、当該処理機は、固体粒子の存在下で基材を洗浄するように構成されており、且つ当該処理機は、ドラムと、基材をドラム内に装填するためのドアとを含む。バッフルは、バッフルを処理機のタブに接続するためのタブ接続部を含む。バッフルはまた、使用時、且つドアが閉じられた状態にあるときに、処理機のドアと接触するドア接触部を含む。バッフルはさらに、タブ接続部とドア接触部との間に延在するバリアを含み;当該バリアは、使用時において、バリア上に堆積した固体粒子が処理機のドラム内に迂回させられるように傾斜している。
【0009】
第2の態様によれば、第1の態様に係るバッフルを含む処理機が提供される。
【0010】
第3の態様によれば、ケーシングと、ケーシング内に可動的に設けられたタブと、タブ内に回転可能に設けられたドラムと、基材をドラム内に装填するためのドアとを含む処理機が提供され、当該ドアは、ケーシングに取り付けられ、開かれた状態と閉じられた状態との間で操作可能である。処理機は、固体粒子をドラム内に投入し、固体粒子をドラムから取り出すように構成されている。処理機はさらにバッフルを含み、当該バッフルは、バッフルを処理機のタブに接続するためのタブ接続部と、ドアが閉じられた状態にあるときに、処理機のドアと接触するドア接触部と、タブ接続部とドア接触部との間に延在するバリアとを含み、当該バリアは、バリア上に堆積した固体粒子が処理機のドラム内に迂回させられるように傾斜している。
【0011】
本開示の態様で提供されるバッフル又は処理機により、処理機のドラムに添加された固体粒子は、当該バッフルによってバッフル上に又はドアに隣接して堆積することが回避され、代わりにドラム内に移動させられる。
【0012】
本開示の態様は、下記の任意的な特徴のいずれかを含むことができる。
【0013】
使用時において、処理機のドアが閉じられた状態にあるときに、バッフルのバリアがドア接触部を処理機のドアに対して付勢し得る。バリアによるドアに対するドア接触部の付勢は、固体粒子がドア接触部とドアとの間を移動する可能性をさらに低減し得る。
【0014】
バリアは、タブ接続部からドア接触部まで測定して、バリアの少なくとも75%、少なくとも80%、又は少なくとも90%が直線状を呈し、又は単調に湾曲するように形成され得る。非直線又は非単調な部分はタブ接続部の近位に配置することができる。バリアは、概ねドラムの回転軸に向かって湾曲した単一の弧を含んでもよく、当該湾曲した弧は、非単調な部分にまで延伸されていてもよい。
【0015】
バリアは、バリアがタブ接続部とドア接触部との間で、直線の又は単調に湾曲した態様で延伸するように形成されていてもよい。このような形状は、固体粒子を留める可能性のある突起部や谷部を有しない。
【0016】
タブ接続部は、タブに取り付けるための取付手段を含んでもよい。取付手段は、タブ上の対応する特徴と協働する特徴を含み得る。取付手段は、タブ上の対応する特徴に取り付けるための特徴、例えば、タブ上の対応するリップ、フランジ又は他の構造と協働する1つ又は複数の突起、リップ又はリム、或いはビーズや小穴を含み得る。取付手段は、フック、ループ、ピン、ねじ、クリップ及び他の公知の機械的保持具のいずれかを含むことができる。或いは、取付手段は、接着剤、又はバッフルのタブへの溶着を含み得る。タブ接続部は、バリアと一体的に形成されるか、又はタブ接続部をバリアに接続するための別個の接続手段を含み得る。当該別個の接続手段は、バリアに取り付けることができる。
【0017】
ドア接触部は、使用時にドアに接触するバッフルの部分を含み得る。ドア接触部はドアに接触するように適合された表面を含んでもよく、例えば、ドアが閉られた状態にあるときに、ドアの対応する面に接触する角度の付いた面を含んでもよい。ドア接触部は、バリアよりも高い剛性を有してもよく、例えば、ドアの形状に組み合うようにドア接触部を環状に維持する剛性又は半剛性の環を有してもよい。
【0018】
タブ接続部は、ドラムとタブとの間に配置され又は配置可能である環を含んでもよい。当該環は、タブとドラムとの間の間隙を減少させ、固体粒子が間隙を通過するのを防ぎ又はその可能性を低減することができる。前記環は、間隙を10mm以下、8mm以下、7mm以下、5mm以下、又は2mm以下にまで減少させることができる。当該間隙は、少なくとも5mm、少なくとも2mm、少なくとも1mm、又は少なくとも0.5mmであり得る。環は剛性又は半剛性の材料から形成することができ、これら材料としては、例えば、アルミニウムやステンレス鋼等の金属、又はナイロンやポリエチレン等のポリマーが挙げられる。環は、ドラムに面する側に滑らかな又は低摩擦のコーティングを有してもよい。環は、タブ接続部への接続によって所定の位置に固定することができる。或いは、環は、タブ又はドラムから半径方向内側に配置され、且つ前記間隙と軸方向に揃えることができ、加えてドラムに向かって又はドラム内に延びるリップを任意的に含み得る。
【0019】
処理機はドラムの回転中心と一致する回転軸を有してもよい。バッフルはその形状を環状とすることができ、これにより、バッフルの環状中心を通る軸を有し得る。バッフルが処理機に適用された場合、バッフルの軸は処理機の回転軸と一致してもよい。或いは、バッフルが処理機に適用された場合、バッフルの軸は処理機の回転軸に平行であるとともに、それに近接していてもよい。この文脈における近接とは、5センチメートル以下の軸間の間隔を指す場合がある。
【0020】
バッフルは水平面に対して傾斜していてもよく、その結果、処理機に適用された場合、バリアは水平方向に対して平均角度で10乃至90度、15乃至60度、又は20乃至30度、或いは前述の端点の任意の組み合わせからなる任意の範囲内の角度で傾斜していてもよい。仮想線は、バリアがタブ接続部にその最下部で接触する点と、バリアがドア接触部にその最下部で接触する点との間に延伸されている。平均角度は、仮想線と水平方向との間の角度である。
【0021】
バッフルのバリアは、タブ接続部からドア接触部までの軸方向に平行に測定された長さを有してもよい。ドアが開かれた状態にあるとき(即ち、ドア接触部がドアに接触せず、バッフルが軸方向に装填されていない状態)、上記長さは10乃至65mm、15乃至50mm、又は20乃至40mmであり、或いは前述の端点の任意の組み合わせからなる任意の範囲内にある。ドアが閉じられた状態にあるとき、バッフルの長さは5乃至20mm、又は7乃至15mm、或いは前述の端点の任意の組み合わせからなる範囲の長さ分だけ減少する場合がある。
【0022】
処理機に適用された場合、バッフルのドア接触部は、ドアが閉じられた状態にあるときに処理機のドアに対して軸方向の力を付加し得る。当該力は、2乃至20N、3乃至15N、4乃至10N、又は5乃至8N、或いは前述の端点の任意の組み合わせからなる任意の範囲内にある。
【0023】
処理機のドアは、ドアが閉じられた状態にあるときにドラム内に延びるドーム又は円錐台を含んでもよい。ドアが閉じられた状態にあるとき、バッフルのドア接触部は当該ドーム又は円錐に接触する場合がある。
【0024】
ドーム又は円錐を用いることで、ドアに対してバッフルのドア接触部を自ずと中心に配置する上で役立つ場合がある。これは、ドア接触部のドーム又は円錐に対する軸方向の力の分配をさらに改善し得る。
【0025】
処理機のドアは、内向きに突出する要素を含み得る。内向きに突出する要素は、透明であってもよく、ガラス又は透明なポリマーから形成され得る。内向きに突出する要素は、上記で言及したように、ドーム又は円錐であってもよい。内向きに突出する要素、ドーム又は円錐は、内向きに突出する要素のドラムに面する側に形成される偏位部をさらに含み得る。偏位部は、内向きに突出する要素のドラムに面する側における、リブ、隆起部、厚み部、折り目部、屈曲部、又は肩部の形状を有し得る。偏位部は、内向きに突出する要素と一体に形成されるか、又はそれに固定されていてもよい。偏位部は、内向きに突出する要素のドラムに面する側の周りに環状に延伸していてもよい。偏位部はバッフルのドア接触部に合致するように形成されていてもよい。偏位部は、ドアが閉じられた状態にあるときにバッフルのドア接触部が接触し得る特徴又は表面を提供してもよい。特に、偏位部は、内向きに突出する要素の隣接する領域に対して異なる角度で傾斜する傾斜面を提供してもよい。傾斜面は、内向きに突出する要素の隣接する領域よりも垂直に近い状態にあるか、又は垂直に配置されている場合がある。偏位部は、ドアが閉じられた状態にあるときにドア接触部が力を付加することのできる表面を提供する。処理機の使用時において、偏位部は、特に内向きに突出する要素に対するドア接触部の水平/横方向の振動運動をさらに減少させ得る。
【0026】
バッフルのドア接触部は環を含んでもよい。好ましくは、ドア接触環は剛性又は半剛性である。ドア接触環は剛性又は半剛性の材料から形成することができ、これら材料としては、例えば、アルミニウムやステンレス鋼等の金属、又はナイロンやポリエチレン等のポリマーが挙げられる。ドア接触環は、軸方向に0.5乃至20mm、0.75乃至8mm、又は1乃至5mm、或いは前述の端点のいずれからなる範囲内の長さを有し得る。特にドア接触環が剛性である場合、ドア接触環は、ドアに対する力の分配をさらに改善することができ、従って、ドラム内における固体粒子の保持をさらに改善することができる。
【0027】
バリアは、バリアの弾力性がドアに付勢力を与えられるように弾性材料を含み得る。例えば、バリアは、とりわけ、ポリマー(ポリエチレン、アラミド等を含む)、やゴム(EPDMゴム、ネオプレン及びシリコーンゴムを含む)を含み得る。当該材料はメッシュ又はシートとして形成することができる。当該シートはスリット又は細孔を含み得る。前記材料は、0.2mm乃至6mm、0.5mm乃至4mm、又は1mm乃至2mmの厚さを有し、或いは前述の端点のいずれかを含む任意の範囲内の厚さを有し得る。バッフルのバリアは、ネオプレン、多孔質ポリマーシート、ポリマー又は金属メッシュ、ラテックスゴム又は他の高弾性材料やばね要素等の伸張性のある材料を含み得る。
【0028】
バッフルは、単一の弾性材料から形成することができる。バリアは、とりわけ、ポリマー(ポリエチレン、アラミド等を含む)、やゴム(EPDMゴム、ネオプレン及びシリコーンゴムを含む)を含み得る。バッフル材料の厚さは、バッフルの異なる領域で変化する場合がある。より薄い領域は、振動の伝達を低減するために高いバッフル柔軟性を呈することがある。比較的厚い領域は、摩耗及び変形に対するより高い耐性をもたらすことがある。バッフルは、バリア部分、及び/又はドア接触部に隣接する部分において、厚みが減少している場合がある。バッフルは、バッフル内の任意の角度、折り目部又は屈曲部で、特にタブ接続部とドア接触部との間におけるバッフル内の任意の角度、折り目部又は屈曲部で減少した厚みを有し得る。より薄い領域は、バッフルの他の領域よりも厚さが薄いバッフルの領域であるとみなすことができる。いくつかの実施形態では、ドア接触部は、使用者が処理基材を装填し及び取り出すための縮小した開口部を提供する場合がある。バリア又はドア接触部のいずれかの側に薄い厚さを有するバッフルは、使用者が接触したときにドア接触部を容易に撓ませることができる。より薄い領域は、0.8乃至1.8mmの材料厚さを有し、より厚い領域は、2.0乃至5mmの厚さを有し得る。これらの値は、バッフルがゴム(EPDMゴム等)で形成されている場合に特に適用できる。
【0029】
いくつかの実施形態では、バッフルは補強リブを含み得る。補強リブは、より薄い領域に配置することができる。補強リブは、バッフル内の任意の角度、折り目部又は屈曲部に配置することができる。補強リブは、バッフルの周囲に円周方向に間隔を空けて配置することができる。特に、補強リブは、ドア接触部から延びるバッフルの長さと、タブ接触部から延びるバッフルの長さとの間でなす交角に配置することができる。補強リブは、局所的な剛性を高めてバッフルがその形状を維持するのを助けつつも、処理機に対して装填を行なう使用者によってバッフルは容易に変形し得る。補強リブはバッフルの厚み部を含み得る。例えば、補強リブは、幅が0.5乃至5mmのリブであってもよい。リブは、ゴム等の硬い材料で形成されていてもよい。補強リブは半径方向に延びる場合がある
【0030】
バリアは、液体に対して多孔性であってもよい。これにより、洗浄と洗浄との間におけるバッフルの乾燥をさらに改善させ得る。バリアは複数の細孔を含み得る。細孔の径は、固体粒子の通過を妨げることができるものである。細孔の径は、幅0.1乃至15mm、3乃至10mm、又は3乃至7mm、或いは前述の端点のいずれからなる任意の範囲内のものであり得る。細孔径は、細孔の最大直線寸法を指す場合がある。円形孔の形をした開口部の場合、最小の直線寸法は円形孔の直径に対応する。
【0031】
バッフルは密閉部材を含み得る。密閉部材はバリアの半径方向外側に配置することができる。密閉部材はタブからケーシングまで延伸する場合がある。密閉部材はゴムを含み得る。密閉部材はさらに、バッフルの周囲又はバッフル自身を通過する水がドラム及びタブから出るのを防ぐことができる。
【0032】
バッフルはケーシング接続部を含んでもよく、ケーシング接続部は処理機のケーシングに接続可能であってもよい。ケーシング接続部は、それらの間に延びる密閉部材又はバリアの延長部分によって、バッフルのドア接触部に結合することができる。これは、ドア接触部にさらなる安定性をもたらし得る。
【0033】
或いは、ドア接触部はバリアの一部として構成されていてもよく、バッフルは、バッフルをケーシングに接続するためのケーシング接続部を含み得る。ドア接触部は、タブ接続部とケーシング接続部との間に配置することができる。バリアは、半径方向の断面視において、ジグザグ形状、正弦波形状又はU字状に配置され得る。ドア接触部は、ジグザグ形状、正弦波形状又はU字状の頂点又は最高点のドアに面する部分に又はその近くに配置することができる。最高点は、ドラムの下死点の垂直方向を基準としている場合がある。これらの実施形態では、バリアは非多孔質材料を含んでもよく、任意的にゴムを含んでもよい(例として、EPDMゴムが含まれる)。
【0034】
実施形態では、バッフルのバリアは、材料の2つ以上の交差する円錐台状の部分から形成することができる。交点では、2つの交差する部分の間に角度が形成され得る。この角度は、下死点で測定される、2つの交差する部分の間の最小の測定可能な角度として定義することができる。バッフルを通る半径方向断面として見た場合、円錐台状の部分は2つの概ね直線状の部分として現れる場合があり、交差点はそれらの間に角度を形成する。バッフルのバリアは例えば、単一の交角を持つ2つの部分、2つの交角を持つ3つの部分、又は3つの交角を持つ4つの部分を含み得る。これらの角度は、135乃至15度、105乃至30度、90乃至45度、又は75乃至60度、或いは前述の端点の任意の組み合わせからなる任意の範囲内の角度であってもよい。上記のように2以上の交差する部分から形成されたバリアは、ドア接触部とタブ接続部との間の伸延を可能とするために屈曲することができる。バリアは、1つ又は複数の交角の周りで屈曲する場合がある。バリアの交差する部分の1つ又は複数は、下死点においてドア接触部からタブ接続部まで延びる最短線に対して角度付けられていてもよく、タブがドアに対して移動するときに前記1つ又は複数の部分は屈曲し得る。上記と同一の構造を、ドア接触部とケーシング接続部との間のバッフルにも用いることができる。
【0035】
実施形態では、バッフルはドア接触部からケーシング接続部まで延伸し得る。下死点でのドア接触部からケーシング接続部への延伸は、最小の領域、即ち、ドア接触部とケーシング接続部との間の最低点又は谷状を含み得る。この形状は、振動の伝達を減衰させるのに役立つ場合がある。バッフルは、バッフルに蓄積する液体を排出するためのドレイン部を含んでもよい。ドレイン部は最小限に配置されていてもよい。ドレイン部は、液体をタブ、処理機の流出口、又は処理機内の他の任意の液体搬送装置に排出することができる。ドレイン部は、バッフルから処理機における前述の装置のいずれかに接続する導管を含み得る。導管はとりわけ、パイプ又はチューブを含み得る。導管はとりわけ、タブ、水溜め、排水ホース、又は処理機のフィルターに流入し得る。バッフルは重力の影響で排液する場合がある。導管は、バッフルから処理機の底部まで下向きに延伸するか、又はタブに向かって傾斜していてもよい。固体粒子及び/又は破片(例えば、糸くず、汚れ等)がドレイン部を塞ぐのを防ぐために、バッフルにおいてドレイン部の上にスクリーンを配置することができる。スクリーンはメッシュ又は開口部材を含み得る。スクリーンは最小限、導管に隣接するように配置され得る。
【0036】
処理機は、固体粒子をドラム内に投入し、固体粒子をドラムから取り出すように構成されていてもよい。処理機は、処理機のケーシング内に固体粒子を貯蔵するための貯蔵室を含んでもよい。処理機は、処理機のケーシング内から、又は好ましくはケーシング内の貯蔵室内からドラムに固体粒子を投入するための投入経路を含んでもよい。処理機は、ドラムから処理機のケーシング内の異なる場所に、好ましくは貯蔵室に固体粒子を除去するための固体粒子収集装置を含んでもよい。
【0037】
処理機は、ドラムの後壁にあるポートを介して固体粒子をドラムに投入するように構成することができ、ポートは、任意的にドラムの回転中心と一致していてもよい。処理機は、ドラム内に配置されたリフターを介して固体粒子を取り出すように構成されていてもよい。
【0038】
本開示のバッフルは、処理機、とりわけ100Kg未満、特に50Kg未満、ことさら25Kg未満の耐荷重を有する洗濯機での使用に特に適している。耐荷重は通常、少なくとも0.1又は少なくとも1Kgである。耐荷重は、単一の処理サイクルに入れることのできる1つ又は複数の乾燥基材全体の重量であり得る。
【0039】
本開示のバッフルは、ドラム及びタブが静止しているケーシング及びドアに対して移動可能に取り付けられている処理機での使用に特に適している。
【0040】
第4の態様では、固体粒子の存在下で基材を処理するための前述の態様の処理機の使用が提示されている。
【0041】
基材は織物を含み得る。固体粒子はポリマーを含んでもよく、任意的に1乃至20mmの平均粒径を有し得る。
【0042】
第5の態様では、第3の態様の処理機内で基材を処理する方法が提示されている。この方法は、基材、固体粒子及び液状媒体を処理機のドラム内に装填する工程と、基材、固体粒子及び液状媒体を攪拌するためにドラムを回転させる工程と、を含む。
【0043】
この方法はさらに、ドラムから液状媒体を排出する工程と、固体粒子及び基材をすすぐ工程と、任意的に固体粒子を1回又は複数回繰り返しすすぐ工程と、を含む。ドラムへの装填は、ドラムに洗剤等の処理製剤を添加する工程をさらに含んでもよい。次に、固体粒子は、この方法の1回又は複数回のさらなる繰り返しで再利用することができる。ドラム内への固体粒子の投入は、固体粒子投入装置を介しての投入を含み得る。この方法は、固体粒子収集装置を介してドラムから固体粒子を収集する工程を含み得る。この方法は、貯蔵手段からドラムへの投入、及び/又はドラムから貯蔵手段への固体粒子の収集を含み得る。
【0044】
基材はとりわけ、織物又は動物の皮革を含み得る。特に好ましい基材は織物である。処理は、基材の洗浄又は洗濯;基材の染色;基材のなめし;基材の研磨;基材のストーンウォッシュ;及び基材ののり抜きのいずれかを含み得る。第2乃至第5の態様の処理機は、織物用染色装置、なめし装置、ストーンウォッシュ装置、織物用研磨装置及び洗濯機のいずれかを含み得る。特に好ましい処理機は洗濯機である。
【0045】
処理機での操作において、固体粒子は、感知できるほどに基材に結合又は付着されない場合がある。従って、例えば、固体粒子は基材を被覆し、基材を含浸させ、又は基材に結合することはない。
【0046】
処理機は通常、ケーシングと、ドラムと、タブとを含む。ケーシングは、処理機の外部構造を形成し、処理機の部品用に堅固な取付点を提供するものである。ドラム及びタブは処理機のケーシング内に含まれる。処理機はまた、通常、基材をドラムに装填するためのドアを含み、当該ドアは、運転中にドラム及びタブの内容物が処理機から出るのを防ぐために閉じることができる。ドアは開閉可能で、処理される基材をドラムに追加し、又はドラムから取り出すことができる。通常、ドラムは、処理される負荷物品、処理製剤、及び水等の液状媒体を収容するために、穴のあいた円筒形である。ドラムは回転軸を中心に回転し、処理される基材物品を攪拌し/回転させる。ドラムの内周は、軸方向に、そしてドラムの中心に向かって半径方向内側に延びる複数のリフター又は羽根を含み得る。リフターの目的は、転動動作を改善するために、処理サイクル中に基材物品を持ち上げることである。ドラムは通常、タブ内に取り付けられ、ドラムを回転させるためのモーターを介して駆動される。タブは通常、処理機のケーシング内に吊るされるか、又は取り付けられている。タブは、とりわけ、ばねや減衰ユニットを含む手段によって吊るされ、又は取り付けられ得る。処理機の運転中、ドラムの回転は振動を引き起こす場合があり、これにより、タブもまた振動を引き起こす場合がある。ケーシング内のタブの懸架は、ケーシングからの機械的な隔離をもたらし、その結果、ケーシングへの振動の伝達が防止又は低減される。これにより、使用中の処理機の動きを防止又は低減する。
【0047】
バッフルは、バッフルをタブに接続するためのタブ接続部を含む。バッフルはまた、ドアが閉じられた状態にあるときに処理機のドアに接触するバッフルの部分であるドア接触部を含む。バッフルは、タブ接続部とドア接触部との間に延伸するバリアを含む。処理機に適用され、且つドアが閉じた状態である場合には、バッフルは、処理サイクル中にバッフルに堆積した任意の固体粒子がバリアを滑り又は転げ落ちてドラムに再び入り得るように、成形及び傾斜した表面を形成する。
【0048】
タブ接続部は、タブに取り付けられ、且つ任意的にドラムとタブとの間に配置され又は配置可能であり、或いはドラムとタブとの間に配置され又は配置可能な部分を任意的に有する環状構造を含むことができる。環状構造は、タブとドラムとの間の間隙を減少させ、固体粒子が間隙を通過するのを防ぐことができる。タブ接続部は、バッフルをタブに接続するための接続手段を含み得る。例えば、当該接続手段は、タブの内面及び外面上でタブのいずれかの側に接触するように構成された一対の突起を含み得る。タブの外面に接触する突起はさらに、タブのフランジに組み合う当接部を含み得る。一対の突起及び当接部は、タブへの取り外し可能な機械的接続を形成し得る。前記一対の突起はタブ接続部の軸方向の動きに抵抗することができ、当接部及びフランジは、半径方向の内向きの動きに抵抗することができる。他の実施形態では、バッフルは、1つ又は複数の突起、リム、又はタブの対応する構造と任意的に協働する他の構造を含む代替構成等の代替接続手段を含み得る。取付手段は、フック、ループ、ピン、ねじ、クリップ及び他の機械的保持具のいずれかを含むことができる。タブ接続部は、バリアと一体的に形成されるか、又はタブ接続部をバリアに接続するための接続手段を含み得る。
【0049】
ドア接触部は、使用時にドアに接触するバッフルの部分を含み得る。ドア接触部は、ドアに接触するように適合された表面を含み得る。当該表面は、ドアの対応する内面に合致するように形成されていてもよく、特に、当該表面は、処理機ドアの内面上の対応するように形成されたドーム(又は円錐)に組み合うために、円錐台状又は湾曲した頂点を有する円錐台状であってもよい。ドア接触部は、バリアよりも高い剛性を有してもよく、例えば、ドアの形状に組み合うようにドア接触部を環状に維持する剛性又は半剛性の環を有してもよい。例えば、ドア接触部は、例えば、とりわけナイロン又はポリエチレンを含み得る一般的に環状の構造を含み得る。ドア接触部は、バリアと一体的に形成されるか、又はドア接触部をバリアに接続するための接続手段を含み得る。
【0050】
バリアは、タブ接続部とドア接触部との間に延在し、固体粒子がバリアを通過するのを防ぐ。当該バリアは、固体粒子がバリア上に堆積する可能性が低くなるように傾斜しており、固体粒子はドラム内に導かれる。当該バリアは、断面視において、バリアの半径方向の内面がドラムに向かって傾斜した線又は曲線を有するように形成されていてもよい。バッフルは、表面上に1つ又は複数の溝、ステップ、谷部又はバンプを有するように形成されていてもよい。ただし、これらの形状のいずれも固体粒子が堆積する可能性のある領域を含まず、且つバリアの半径方向の内面が全体的に概ね直線状又は湾曲した形状を維持できる場合に限る。
【0051】
バリアはドラムに向かって傾斜しているため、固体粒子はドラム内に迂回させられる。バリアは10乃至90度の平均角度で傾斜していてもよい。仮想線は、バリアがタブ接続部にその最下部で接触する点と、バリアがドア接触部にその最下部で接触する点との間に延伸されている。平均角度は、仮想線と水平方向との間の角度である。
【0052】
バリアは、処理機のドアが閉じられた状態にあるときに、ドア接触部を処理機のドアに対して付勢することができる。バリアは、バリアの弾力性がドアに付勢力を与えられるように、弾力性のある材料を含み得る。例えば、当該弾力性のある材料は、とりわけ、ポリマー(ポリエチレン、アラミド等を含む)、やゴム(EPDMゴム、ネオプレン及びシリコーンゴムを含む)を含み得る。このような材料は、メッシュ又はシートとして形成されてもよい。当該シートはスリット又は細孔を含み得る。前記材料は、0.2mm乃至6mm、0.5mm乃至4mm、又は1mm乃至2mmの厚さを有し、或いは前述の端点のいずれかを含む任意の範囲内の厚さを有し得る。バリアは、ドアが閉じられた状態にあるときに、軸方向の力でドア接触部を付勢することができ、その力は、2乃至20N、3乃至15N、4乃至10N、又は5乃至8Nの範囲内にあり、或いは前述の端点の任意の組み合わせからなる任意の範囲内にある。
【0053】
バリアは、バリアの内面又は外面に取り付けられた1つ又は複数のリブ又は補強部材を含み得る。当該リブ又は補強部材は、とりわけ、平行フープ、テーパーばね、格子、又は間隔を置いた棒の形をとることができる。当該リブ又は補強部材は、接着剤又は溶着によってバリアに取り付けることができる。これらは、バリアの剛性を高める作用があり、且つドアが閉じられた状態にあるときに、バリアが折り目やしわを形成するのを防ぐことができる。
【0054】
バリアは、円周方向に沿ってプレストレスを与えられてもよい。例えば、バリアをタブ接続部及び/又はドア接触部に適用する前に、応力がかかっていない位置にあるバリアは、タブ接続部及び/又はドア接触部の円周よりも短い円周長さを有し得る。従って、タブ接続部及び/又はドア接触部に適用されている間、バリアは引っ張られた状態にある。バリアは0.5乃至2%の範囲内で引っ張られることがある。バリアにプレストレスを加えることで、ドアが閉じられた状態にあるときに、バリアのたるみやしわの形成をさらに軽減することができる。
【0055】
処理機のドアが開かれた状態にあるとき、バッフルは無負荷状態にある。この状態では、ドア接触部は、ドアが閉じられている場合にドア接触部が位置する点を超えて軸方向に延伸し得る。ドアが閉じられた状態にあるとき、バッフルは、バッフルのドア接触部が軸方向後方に移動したような負荷状態にある場合がある。この状態では、バリアは、収縮するか、圧縮されるか、又はわずかに偏位する場合がある。バリアの収縮又は偏位は、バリアによるドア接触部への振動の伝達が最小化されるように、タブの動きに対応するのに役立つ場合がある。
【0056】
バリアはタブ接続部からドア接触部までの軸方向で測定された長さを有し、ドアが開かれた状態にあるときは、その長さは、例えば、10乃至65mmの範囲内であってもよい。
【0057】
バッフルは密閉部材をさらに含み得る。密閉部材は、バリアの半径方向外側に位置する箇所に配置され得る。密閉部材はドラムの回転軸の周りに環状に配置され得る。密閉部材はタブへの接続部を有し得る。接続部は、タブの外面からタブの内面にかけて延びる突起を含み得る。当該接続部はタブのフランジの下に位置する当接部を含み得る。しかしながら、当該接続部は様々な形態をとることができ、例えば、バッフルのタブ接続部と一体的であってもよい。タブへの接続部は、機械的なものであってもよく、密閉部材と一体的に形成され得るフック、クリップ及び他の機械的な保持具を含み得る。タブへの接続部はまた、接着剤、ねじ又は他の固定手段によるものであってもよい。タブへの接続部はまた、バッフルのタブ接続部との共有接続部であってもよく、任意的に当該タブ接続部と一体的に形成されていてもよい。
【0058】
密閉部材の他端はケーシング2に接続することができ、特に、密閉部材は、ドア開口部に直接隣接するケーシングに接続するための接続手段を含み得る。密閉部材がドア開口部の外側の周囲に延びることで、ドアが閉じられた状態にあるときに、密閉部材の一部がドアの内壁によってケーシングの外面に押し付けられて、それらの間にシーリング状態をもたらすことができる。或いは、密閉部材がドア開口部の内側の周囲に延びることで、ドアが閉じられた状態にあるときに、密閉部材の一部がドアに接触してそれらの間に密閉状態をもたらすことができる。密閉部材の一部はケーシングから半径方向内側に延びることができ、ドアが閉じられた状態にあるときに、密閉部材の部分の外面はドアに接触し得る。さらなる代替案では、ドアが閉じられた状態にあるときに、密閉部材の外側部分がドアに接触する場合があり、密閉部材はケーシングに接続されないことがある。密閉部材はバッフルのドア接触部に接続され得る。密閉部材がケーシングに接続するための接続手段を含む実施形態では、バッフルのドア接触部を密閉部材のケーシング接続手段に接続することができる。バッフルのドア接触部への密閉部材の接続は、ドアに対するドア接触部の位置をさらに改善することができる。
【0059】
半径方向に沿った断面で見た場合、密閉部材は、ループ部、偏差部又はU字状部のうちの1つ又は複数を含み得る。当該ループ部、偏差部又はU字状部は、タブからドア又はケーシングへの振動の伝達を低減するためのものである。密閉部材を含むバッフルが用いられる場合、固体粒子は、ループ部、偏差部又はU字状部、或いは水平上面に近づくことが防止される。従って、固体粒子が密閉部材の水平面又はループ内に堆積する傾向が低減される。密閉部材は水を通さない任意の可撓性材料で製造することができ、非限定的な例として、とりわけ、ゴム、シリコーン及びLMWPEが含まれる。
【0060】
水を通さない密閉部材を含む実施形態では、バッフルのバリアは任意的に多孔質材料を含むことができ、密閉部材は、多孔質材料を通過する水が処理機から出るのを防ぐようになる。多孔質材料は、メッシュ、織布、スリット材料、又は間隔を置いた複数の細孔を有する材料を含み得る。非限定的な例として、任意的に発泡し、スリットを有し又は細孔を有するナイロンメッシュ及びネオプレンが含まれる。
【0061】
密閉部材は、本明細書に開示されている任意のバッフルに含まれ得る。密閉部材は、本明細書に開示されているバッフルと一体に形成されてもよい。
【0062】
バッフルは、タブ接続部とドア接触部との間の緩やかな曲線又は線として延伸されているバリアを含み得る。バリアに接触する固体粒子は、バリアを下って迂回させられてドラム内に戻る。バッフルはさらにケーシング接続部を含み得る。バリアは、ドア接触部からケーシング接続部まで半径方向外向きに延在し、次いで軸方向に延在し得ることで、断面視においてジグザグ/鋸歯状を形成する。この領域は、ループ、ベンド又はベローズとして形成されていてもよい。軸方向に延びるバリア及びバリアの続きは一体的に形成されていてもよく、且つ非多孔質材料を含み得る。バリアは、ドラム内の水がタブとケーシングとの間、及び/又はケーシングとドアとの間を通過するのを防ぐことができる。断面視において、バリアは、タブ接続部とケーシング接続部との間で正弦波形状を形成することができ;タブ接続部とケーシング接続部との間でジグザグ形状を形成することができる。或いは、バリアは、ドラムの底部において、タブ接続部と(ドラムの上部にU字状を形成する)ケーシング接続部との間に逆U字状;又はその他のベローズ形状を形成してもよい。ドア接触部は、ドアが閉じられた状態にあるときにドアと接触するように配置されるバリアの一部であってもよい。ドア接触部は代わりに、バッフルとドアとの間の接触及び/又は位置決めを改善するための付加構造を1つ又は複数含み得る。付加構造には、ドアの内面に適応するように形成された、フラップ、厚みのある領域又は表面が含まれる場合がある。バリアが逆U字状として形成される実施形態では、ドア接触部は、逆U字状の最高点又はその近くに、好ましくは、最高点に近いドアに面する側に配置することができる。バリアが正弦波形状を形成する実施形態では、ドア接触部はまた、最高点又はその近くに、好ましくは、最大限に近いドアに面する側にあってもよく、その結果、バリアは主にタブ接続部とドア接触部との間で単調に立ち昇る曲線又は線となる。正弦波形状、ジグザグ形状又は逆U字状は、ケーシング及び/又はドアに対するタブの動きへの対応を改善することができ、これは、振動をドア又はケーシングに伝達することなく、追加的に又は個別に行なうことができる。従って、これらの実施形態では、バリアは伸張性の低い材料で形成することができ、例えば、ゴム又はシリコーンのような柔軟で非多孔性の材料で形成することができる。
【0063】
バッフルは、ケーシング接続部に従属するか、又はケーシング接続部に取り付けられ得る第2ドア接触部を含み得る。ドアが閉じられた状態にあるとき、第2ドア接触部はドアとケーシングの外面との間に密閉状態を形成し、及び/又はドアが閉じられた状態にあるとき、第2ドア接触部はドアの内面に当接し得る。
【0064】
タブ接続部は、軸方向にはタブとドラムとの間の間隙に整列し、当該間隙の半径方向内側に位置する環状構造を含み得る。環状構造は、バリアによって形成される傾斜の連続部分として配置することができ、その結果、バリア上の固体粒子は間隙を越えてタブに向かって移動する。環状構造は、タブに向かって突出するリップを含んでもよく、当該リップは、任意的にタブ内に延伸させることができる。
【0065】
バリアはさらに、バリアと並び、且つバリアの長さに沿って延びる弾性要素を含んでもよい。弾性要素は、バッフルの周りの円周方向に間隔を空けて配置することができる。弾性要素は、バリアの半径方向外側又は半径方向内側に配置され得る。弾性要素は、ドア接触部に力を付加し、ドアが閉じられた状態にあるときに、ドア接触部をドアに対して付勢するようにしてもよい。バリアにおいて弾性要素が用いられることで、バリア材料としては、非弾性材料又は最小弾性材料の使用が許され、その例として、とりわけ、ラテックスゴム、薄いポリマーフィルム及び布地が含まれる。弾性要素はバリアの緊張状態を維持するように機能し、その結果、角度又は曲線がタブ接続部からドア接触部まで維持されるようになり、バリア上に堆積した固体粒子がドラム内に迂回させられるようになる。弾性要素はまた、ドア接触部とドアとの間の接触を維持して、それらの間における固体粒子の通過を防止する。タブが振動するとき、弾性要素の屈曲及び/又は圧縮/膨張は、バリアの緊張状態及びドア接触部の接触を維持しつつ、タブの振動に対応する。非弾性バリアは、非常に柔軟性があり、弾性要素の動きを妨げることなく、固体粒子の通過を防止するようにしてもよい。弾性要素は、とりわけ、金属及びその合金、又はポリマーから形成することができる。弾性要素は、とりわけ、板ばね、コイルばね、皿ばねを含み得る。弾性要素は、バリアの長さに沿って間隔を置いてバリアに結合されていてもよく、又はそれぞれの端部で、又はドア接触部及びタブ接続部で接続されていてもよい。
【0066】
代わりに又は加えて、バリアは、バリア表面から半径方向外側に偏位するベローズを含んでもよい。ベローズに固体粒子が堆積するのを防ぐために、バリアは、バリアの傾斜又は角度を維持する伸縮可能なカバーを含む。ベローズは、ドア接触部をタブの振動から隔離するように機能し得る。伸縮可能なカバーは伸縮可能な材料(とりわけ、ラテックスゴム、伸縮可能なポリマーフィルム及び布地等)を含んでもよく、その結果、ベローズの屈曲は、カバーがドア接触部に振動を伝達することなく、伸縮可能なカバーによって吸収される。伸縮可能なカバーは、溶着、接着剤又は機械的な留め具によってバリアに結合することができる。或いは、又はさらに、伸縮可能なカバーは、バリア上の対応する特徴と協働する特徴を含み得るが、その非限定的な例として、バリア内の小穴によって保持されるビーディングを含み得る。
【0067】
タブ接続部、ドア接触部及びバリアは剛性のある可撓性材料から一体的に形成されていてもよく、当該材料の例として、とりわけ、ポリプロピレン、アラミド、ポリエチレン及びポリエチレンテレフタレートが挙げられる。バリア及びドア接触部は、複数の可撓性フィンガーに分割され得る。ドア接触部のフィンガーは、例えば、弾性コードから形成され得る弾性フープをさらに含んでもよい。弾性フープは、ドアのドーム/コーンに対してフィンガーの端を保持する。フィンガーは、振動がタブからドアに伝達されないようにバリアが屈曲するのを許容し得る。
【0068】
代替の構成において、ドア接触部はドアに堅く接続されていてもよい。ドア接触部は、接着剤、機械的固定手段のいずれによっても堅く接続されることができ、又はドアのドーム/コーンと一体に形成されていてもよい。バリアは2つの部分から形成されており、第1部分はタブ接続部に接続され、第2部分はドア接触部に接続されている。ドアが開かれた状態にあるとき、バリアの第2部分は、ドアと共にドラムから離れて移動され、その結果、処理基材(例えば、洗濯物)をドラムに加えることができる。ドアが閉じられた状態にあるとき、バリアの第2部分はバリアの第1部分に隣接し、バリアの当該2つの部分は、洗浄サイクル中の固体粒子の通過を防ぐための密閉状態を形成する。第1部分及び/又は第2部分は、剛性であるが順応性のある材料、例えば、とりわけ、EPDMゴムから作製され得る。バリアの両方の部分の一方の間の順応性は、より良い密閉状態を提供する場合がある。バッフルは、本明細書に示すように、任意的に密閉部材を含んでもよい。
【0069】
本開示のバッフルは、固体粒子が既にドラムに添加された処理機で使用することができる。本開示はまた、固体粒子を使用して基材の処理を容易にする装置を含む処理機で使用することができる。特に、処理機は、固体粒子をドラム内に投入し、及び/又はドラムから固体粒子を収集するための装置を含み得る。処理機は、前記基材を前記ドラムに導入するための開放端を有するドラムを含んでもよい。当該ドラムは、基材の処理が行われるドラム容積から隔離され、且つドラム内に配置された貯蔵手段を含む。当該貯蔵手段は固体粒子を貯蔵するためのものである。例えば、貯蔵手段は、ドラムの後壁に配置されていてもよい。代わりに又は加えて、当該貯蔵手段は、ドラム内の他の場所、例えば、リフター内や処理機の他の場所に配置されていてもよい。
【0070】
ドラムはまた、ドラムの内面に配置されたリフターを含んでもよい。当該リフターは、固体粒子がリフターに流入することができる1つ又は複数の収集開口を含む。リフターの内部には収集流路が設けられており、この流路を通って固体粒子がドラムの内部からドラム後部の貯蔵手段に移動することができる。
【0071】
リフターはまた、貯蔵手段から前記ドラムの内部への固体粒子の移動のための第2投入流路を含み得る。当該流路は、ドラムを一方向に回転させると、リフターの投入開口部を介して貯蔵手段からドラム内に固体粒子を投入できるように形成されていてもよい。ドラムを他の方向に回転させると、固体粒子をドラムから貯蔵手段に移動させることができる。代わりに、リフターは、ドラムの回転方向に関係なく、固体粒子が収集されるように構成され得る。ドラムは、任意的にドラムの端壁にバルブを含むことができ、バルブは、ドラムの後壁から固体粒子を投入するために開くことができる。
【0072】
固体粒子には、好ましくは、多数の固体粒子が含まれる。通常、固体粒子の数は、1000以上、より一般的には10000以上、さらにより一般的には100000以上でである。多数の固体粒子は、特に基材が織物である場合に、しわを防止すること、及び/又は基材の処理や洗浄の均一性を改善することにおいて特に有利である。好ましくは、固体粒子はその粒子あたり、約1mg乃至約1000mg、約1mg乃至約700mg、約1mg乃至約500mg、又は約1mg乃至約300mg、好ましくは、少なくとも約10mgの平均質量を有する。1つの好ましい実施形態において、固体粒子は、好ましくは、約1mg乃至約150mg、約1mg乃至約70mg、約1mg乃至約50mg、約1mg乃至約35mg、約10mg乃至約30mg、又は約12mg乃至約25mgの平均質量を有する。代替の実施形態において、固体粒子は、好ましくは、約10mg乃至約800mg、約20mg乃至約700mg、約50mg乃至約700mg、約70mg乃至約600mg、又は約20mg乃至約600mgの平均質量を有する。1つの好ましい実施形態では、固体粒子は、約25mg乃至約150mg、好ましくは約40mg乃至約80mgの平均質量を有する。さらに好ましい実施形態では、固体粒子は、約150mg乃至約500mg、好ましくは約150mg乃至約300mgの平均質量を有する。
【0073】
固体粒子の平均体積はその粒子あたり、好ましくは、約5mm3乃至約500mm3、約5mm3乃至約275mm3、約8mm3乃至約140mm3、又は約10mm3乃至約120mm3の範囲内にあり、或いは少なくとも40mm3であり、或いは、例えば約40mm3から約500mm3、又は約40mm3から約275mm3の範囲内にある。固体粒子の平均表面積はその粒子あたり、好ましくは10mm2乃至500mm2、好ましくは10mm2乃至400mm2、より好ましくは40mm2乃至200mm2、特に50mm2乃至190mm2である。
【0074】
固体粒子は、好ましくは少なくとも1mm、好ましくは少なくとも2mm、好ましくは少なくとも3mm、好ましくは少なくとも4mm、及び好ましくは少なくとも5mmの平均粒径を有する。固体粒子は、好ましくは100mm以下、好ましくは70mm以下、好ましくは50mm以下、好ましくは40mm以下、好ましくは30mm以下、好ましくは20mm以下、好ましくは10mm以下、及び任意的に8mm以下の平均粒径を有する。好ましくは、固体粒子は、1乃至50mm、好ましくは1乃至20mm、より好ましくは1乃至10mm、より好ましくは2乃至10mm、より好ましくは5乃至10mmの平均粒径を有する。多数の処理サイクルにわたって特に持続性のある有効性をもたらす固体粒子は、平均粒径が少なくとも5mm、好ましくは5乃至10mmのものである。当該粒径は好ましくは、最大の直線寸法(長さ)である。球である場合、これは直径に相当する。球でない場合、これは最長の直線寸法に対応する。粒径は、ノギスを使用して定めることが好ましい。平均粒径は、好ましくは数平均である。平均粒径の特定は、好ましくは、少なくとも10個、より好ましくは少なくとも100個、特に少なくとも1000個の固体粒子の粒径を測定することによって行われる。上記の粒径は、特に良好な性能(特に洗浄性能)をもたらしつつ、処理方法の最後に固体粒子を基材から容易に分離することを可能とする。
【0075】
固体粒子は、好ましくは1g/cm3を超える、より好ましくは1.1g/cm3を超える、より好ましくは1.2g/cm3を超える、さらにより好ましくは少なくとも1.25g/cm3の、さらにより好ましくは1.3g/cm3を超える、及びさらにより好ましくは1.4g/cm3を超える平均粒子密度を有する。固体粒子は、好ましくは3g/cm3以下、特に2.5g/cm3以下の平均粒子密度を有する。好ましくは、固体粒子は、1.2乃至3g/cm3の平均密度を有する。これらの密度は、処理工程を補助し、且つ処理後に基材からの固体粒子のより良い分離を可能にするのを補助するための機械的作用の程度をさらに改善する上で有利である。
【0076】
特に明記しない限り、本明細書における「平均」への言及は、本技術分野における従来の平均、好ましくは算術平均を指す。
【0077】
固体粒子は、高分子及び/又は非高分子の固体粒子であってもよい。適切な非高分子固体粒子は、金属、合金、セラミック及びガラスの固体粒子から選択することができる。しかしながら、好ましくは、固体粒子は高分子固体粒子である。
【0078】
好ましくは、固体粒子は熱可塑性ポリマーを含む。本明細書で使用される熱可塑性ポリマーは、好ましくは、加熱すると軟化し、冷却すると硬くなる材料を意味する。これは、加熱しても軟化しない熱硬化性樹脂(ゴム等)と区別されるものである。より好ましい熱可塑性物質は、熱溶解配合や押出成形に使用できるものである。
【0079】
固体粒子は、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下の水への溶解度を有し、最も好ましくは、当該ポリマーは水中で不溶性である。好ましくは、溶解度試験が実施されている間、水はpH7及び20℃の温度である。溶解度試験は、好ましくは24時間にわたって行なわれる。ポリマーは好ましくは分解性ではない。「分解性ではない」という文言は、好ましくは、溶解又は加水分解する感知できる程のいかなる傾向を示すことなく、ポリマーが水中で安定であることを意味する。例えば、ポリマーは、pH7及び20℃の水中において、24時間にわたって溶解又は加水分解する感知できる程の傾向を示さない。好ましくは、ポリマーは、好ましくは上記の条件下で、約1重量%以下で溶解又は加水分解する場合、好ましくは約0.1重量%以下で溶解又は加水分解する場合、及び好ましくはいずれのポリマーも溶解又は加水分解しない場合は、溶解又は加水分解する感知できる程の傾向を示さないこととなる。溶解性及び分解性の特性は、好ましくは、本明細書に開示されている高分子固体粒子について評価される。溶解性及び分解性の特性は、好ましくは、非高分子の固体粒子に等しく適用可能である。
【0080】
固体粒子のポリマーは、結晶性又は非晶性、或いはそれらの混合物であってもよい。ポリマーは、直鎖状、分岐状、又は部分的に架橋されていてもよく(好ましくは、ポリマーが依然として本質的に熱可塑性である場合)、より好ましくは、ポリマーは直鎖状である。
【0081】
固体粒子のポリマーは、好ましくは、ポリアルキレン、ポリアミド、ポリエステル又はポリウレタン、並びにそれらのコポリマー及び/又は混合物であるか又はそれらを含み、好ましくはポリアルキレン、ポリアミド及びポリエステルから、好ましくはポリアミド及びポリアルキレンから、及び好ましくはポリアミドから選ばれるか又はそれらを含む。好ましいポリアルキレンはポリプロピレンである。
【0082】
好ましくは、固体粒子のマトリックスは、任意的に充填剤及び/又は他の添加剤を含み、固体粒子の全体積にわたって延びる。固体粒子は、回転楕円体状、又は実質的に球状、楕円状、円筒状又は直方体状であってもよい。これらの形状の中間の形状を有する固体粒子も用いることができる。
【0083】
処理性能(特に洗浄性能)と分離性能(処理工程後に基材を固体粒子から分離する)との組み合わせについての最良の結果は、通常、楕円状の固体粒子を用いた場合にみられる。回転楕円体の固体粒子は最もよく分離する傾向があるが、最適な処理又は洗浄性能をもたらさない場合がある。逆に、円筒状又は直方体状の固体粒子は、分離は不十分であるものの、効果的に処理又は洗浄を行なう。回転楕円体や楕円状の固体粒子は、研磨性が低いため、向上した布地の手入れが重要である場合に特に有用である。回転楕円体又は楕円状の固体粒子は、固体粒子用のポンプなしで動作するように設計され、貯蔵手段とドラムの内部との間の固体粒子の移動がドラムの回転によって促進される本発明において特に有用である。本明細書で使用されている「回転楕円体」という用語は、球状及び実質的に球状の固体粒子を包含する。好ましくは、固体粒子は完全に球状ではない。好ましくは、固体粒子は、1より大きい、より好ましくは1.05より大きい、さらにより好ましくは1.07より大きい、及び特に1.1より大きい平均アスペクト比を有する。好ましくは、固体粒子は、5未満、好ましくは3未満、好ましくは2未満、好ましくは1.7未満、及び好ましくは1.5未満の平均アスペクト比を有する。当該平均は、好ましくは数平均である。平均化は、好ましくは、少なくとも10個、より好ましくは少なくとも100個の固体粒子、特に少なくとも1000個の固体粒子に対して行われる。各固体粒子のアスペクト比は、好ましくは、最長の直線寸法を最短の直線寸法で割った比によって求められる。これは、ノギスを使用して測定するのが好ましい。処理性能(特に洗浄性能)と基材手入れとの良好なバランスが求められる場合、平均アスペクト比は上記値の範囲内であることが好ましい。固体粒子のアスペクト比が非常に低い場合(例えば、高度に球状の固体粒子である場合)、固体粒子は、良好な処理又は洗浄特性のための十分な機械的作用をもたらさない場合がある。固体粒子のアスペクト比が高すぎると、基材からの固体粒子の除去がより困難になるか、及び/又は基材の摩耗が高すぎる場合があり、これは、特に基材が織物である場合に、基材に望ましくない損傷を与える可能性がある。
【0084】
その組み合わせが許容する限りにおいて、上記の特徴、選好及び実施形態は各図に適用可能であることを理解されたい。以下の図を参照して、本発明についてさらに説明を行なう。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【
図1】第2又は第3の態様の一部を含む処理機に取り付けられた第1の態様に係るバッフルの断面概略図であり、当該断面は、バッフル及び処理機の底部を通る半径方向に取られたものである。
【
図2】処理機に取り付けられた代替の実施形態に係るバッフルの断面概略図であり、当該断面は、バッフル及び処理機の底部を通る半径方向に取られたものである。
【
図3a】処理機に取り付けられた代替の実施形態に係るバッフルの断面概略図であり、当該断面は、バッフル及び処理機の底部を通る半径方向に取られたものである。
【
図3b】処理機に取り付けられた代替の実施形態に係るバッフルの断面概略図である。
【
図4】代替の実施形態に係るバッフル及び処理機の断面概略図であり、当該断面は、バッフル及び処理機の底部を通る半径方向に取られたものである。
【
図5】処理機に取り付けられた代替の実施形態に係るバッフルの断面概略図であり、当該断面は、バッフル及び処理機の底部を通る半径方向に取られたものである。
【
図6】処理機に取り付けられた代替の実施形態に係るバッフルの部分斜視図である。
【
図7a】処理機に取り付けられた代替の実施形態に係るバッフルを示す図である。
【
図7b】処理機に取り付けられた代替の実施形態に係るバッフルを示す図である。
【
図8】本発明の態様で用いられる処理機ドラムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0086】
図1を参照して、処理機1の底部を通る断面概略図が示されている。処理機は通常、ケーシング2と、ドラム6と、タブ4とを含む。ケーシング2は、処理機の外部構造を形成し、処理機の構成部品のための堅固な取り付け部を提供する。ドラム6及びタブ4は、処理機のケーシング2内に含まれている。処理機は通常、ドラム6及びタブ4の内容物が運転中に処理機から出るのを防ぐために閉じることのできるドア8をさらに含む。ドア8は、処理される基材をドラム6に追加、又はドラム6から取り除くことを可能にするために開くことができる。ドラム6は、処理される負荷物品、処理製剤、及び水等の液状媒体を含むために穿孔されており、且つ円筒形(図示せず)である。ドラム6は、回転軸3を中心に回転し、処理される基材物品を攪拌/回転させる。ドラム6の内周は、ドラムの中心に向かって軸方向に且つ半径方向内側に延びる複数のリフター又はベーン(図示せず)を含み得る。ドラム6は半径方向5を有する。リフターの目的は、処理サイクル中に基材物品を持ち上げて、タンブリング作用を改善することである。ドラム6は通常、タブ4内に取り付けられ、ドラム6を回転させるためのモーター(図示せず)を介して駆動される。タブ4は通常、処理機のケーシング2内に吊るされるか、又は取り付けられている。タブ4は、とりわけ、ばねや減衰ユニットを含む手段によって吊るされ、又は取り付けられ得る。処理機の運転中、ドラム6の回転は振動を引き起こし、それはまたタブ4を振動させる。ケーシング2内のタブ4の懸架は、ケーシングからの機械的な隔離をもたらし、その結果、ケーシング2への振動の伝達が防止又は低減される。これにより、使用中の処理機の動きを防止又は低減する。
【0087】
図1を参照して、本開示に係るバッフルが示されている。バッフル10は、バッフルをタブ4に接続するためのタブ接続部12を含む。バッフル10はさらにドア接触部14を含んでおり、当該ドア接触部14は、バッフル10のうち、処理機1のドア8が閉じられている場合にドア8と接触する部分である。バッフル10は、タブ接続部12とドア接触部14との間に延びるバリア16を含む。処理機に適用され、且つドアが閉じた状態である場合には、バッフルは、処理サイクル中にバッフルに堆積した任意の固体粒子がバリアを滑り又は転げ落ちてドラムに再び入り得るように、成形及び傾斜した表面を形成する。タブ接続部12は、タブに取り付けられ、且つ任意的にドラムとタブとの間に配置され又は配置可能であり、或いはドラムとタブとの間に配置され又は配置可能な部分を任意的に有する環状構造13を含むことができる。
図1に示すように、環状構造は、タブとドラムとの間の間隙を減少させ、固体粒子が間隙を通過するのを防ぐことができる。
【0088】
タブ接続部12は、バッフルをタブ4に接続するための接続手段を含み得る。例示的な接続手段が
図1に示されており、当該接続手段は、タブ4の内面及び外面上でタブのいずれかの側に接触するように構成された一対の突起19、21を含む。タブ4の外面に接触する突起21はさらに、タブ4のフランジ28に組み合う当接部29を含み得る。一対の突起19、21及び当接部29は、タブへの取り外し可能な機械的接続を形成する。前記一対の突起はタブ接続部12の軸方向の動きに抵抗することができ、当接部29及びフランジ28は、半径方向の内向きの動きに抵抗することができる。他の実施形態では、バッフルは、1つ又は複数の突起、リム、又はタブの対応する構造に任意的に組み合う他の構造を含む代替構成等の代替接続手段を含み得る。取付手段は、フック、ループ、ピン、ねじ、クリップ及び他の機械的保持具のいずれかを含むことができる。タブ接続部12は、バリア16と一体的に形成されるか、又はタブ接続部をバリアに接続するための接続手段を含み得る。
【0089】
ドア接触部14は、使用時にドア8に接触するバッフルの部分を含み得る。ドア接触部14は、ドアに接触するように適合された表面を含み得る。当該表面は、ドアの対応する内面に合致するように形成されていてもよく、特に、当該表面は、処理機ドアの内面上の対応するように形成されたドーム(又は円錐)に組み合うために、円錐台状又は湾曲した頂点を有する円錐台状であってもよい。ドア接触部14は、バリア16よりも高い剛性を有してもよく、例えば、ドアの形状に組み合うようにドア接触部を環状に維持する剛性又は半剛性の環を有してもよい。例えば、ドア接触部14は、例えば、とりわけナイロン又はポリエチレンを含み得る一般的に環状の構造を含み得る。ドア接触部14は、バリア16と一体的に形成されるか、又はドア接触部をバリアに接続するための接続手段を含み得る。
【0090】
バリア16は、タブ接続部12とドア接触部14との間に延在し、固体粒子がバリアを通過するのを防ぐ。当該バリアは、固体粒子がバリア上に堆積する可能性が低くなるように傾斜しており、固体粒子はドラム内に導かれる。当該バリアは、断面視において、バリアの半径方向の内面がドラムに向かって傾斜した線又は曲線を有するように形成されていてもよい。バッフルは、表面上に1つ又は複数の溝、ステップ、谷部又はバンプを有するように形成されていてもよい。ただし、これらの形状のいずれも固体粒子が堆積する可能性のある領域を含まず、且つバリアの半径方向の内面が全体的に概ね直線状又は湾曲した形状を維持できる場合に限る。
【0091】
図1に示すように、バリアはドラムに向かって傾斜しているため、固体粒子はドラム内に迂回させられる。バリアは10乃至90度の平均角度で傾斜していてもよい。仮想線は、バリアがタブ接続部にその最下部で接触する点と、バリアがドア接触部にその最下部で接触する点との間に延伸されている。
図1に示すように、平均角度18は、仮想線と水平方向との間の角度である。
【0092】
バリア16は、処理機のドアが閉じられた状態にあるときに、ドア接触部14を処理機1のドア8に対して付勢することができる。バリア16は、バリアの弾力性がドアに付勢力20を与えられるように、弾力性のある材料を含み得る。例えば、当該弾力性のある材料は、とりわけ、ポリマー(ポリエチレン、アラミド等を含む)、やゴム(EPDMゴム、ネオプレン及びシリコーンゴムを含む)を含み得る。このような材料は、メッシュ又はシートとして形成されてもよい。当該シートはスリット又は細孔を含み得る。前記材料は、0.2mm乃至6mm、0.5mm乃至4mm、又は1mm乃至2mmの厚さを有し、或いは前述の端点のいずれかを含む任意の範囲内の厚さを有し得る。バリアは、ドアが閉じられた状態にあるときに、軸方向の力でドア接触部を付勢することができ、その力は、2乃至20N、3乃至15N、4乃至10N、又は5乃至8Nの範囲内にあり、或いは前述の端点の任意の組み合わせからなる任意の範囲内にある。
【0093】
バリア16は、バリアの内面又は外面に取り付けられた1つ又は複数のリブ又は補強部材を含み得る。当該リブ又は補強部材は、とりわけ、平行フープ、テーパーばね、格子、又は間隔を置いた棒の形をとることができる。当該リブ又は補強部材は、接着剤又は溶着によってバリアに取り付けることができる。これらは、バリアの剛性を高める作用があり、且つドアが閉じられた状態にあるときに、バリアが折り目やしわを形成するのを防ぐことができる。
【0094】
バリアは、円周方向に沿ってプレストレスを与えられてもよい。例えば、バリア16をタブ接続部12及び/又はドア接触部14に適用する前に、応力がかかっていない位置にあるバリアは、タブ接続部12及び/又はドア接触部14の円周よりも短い円周長さを有し得る。従って、タブ接続部12及び/又はドア接触部14に適用されている間、バリアは引っ張られた状態にある。バリアは0.5乃至2%の範囲内で引っ張られることがある。バリアにプレストレスを加えることで、ドアが閉じられた状態にあるときに、バリアのたるみやしわの形成をさらに軽減することができる。
【0095】
処理機のドア8が開かれた状態(図示せず)にあるとき、バッフル10は無負荷状態にある。この状態では、ドア接触部14は、ドアが閉じられている場合にドア接触部14が位置する点を超えて軸方向に延伸し得る。ドア8が閉じられた状態にあるとき、バッフルは、バッフル10のドア接触部14が軸方向後方に移動したような負荷状態にある場合がある。この状態では、バリア16は、収縮するか、圧縮されるか、又はわずかに偏位する場合がある(
図1に示す)。バリア16の収縮又は偏位は、バリアによるドア8の接触部への振動の伝達が最小化されるように、タブ4の動きに対応するのに役立つ場合がある。
【0096】
バリアはタブ接続部12からドア接触部までの軸方向で測定された長さを有し、ドアが開かれた状態にあるときは、その長さは、例えば、10乃至65mmの範囲内であってもよい。
【0097】
図2を参照して、バッフル10は密閉部材30をさらに含む。密閉部材30は、バリア16の半径方向外側に位置する箇所に示されている。密閉部材30はドラム6の回転軸3の周りに環状に配置され得る。密閉部材30はタブ4への接続部37を有する。
図2に示すように、接続部37は、タブの外面からタブの内面にかけて延びる突起38を含み得る。当該接続部はタブ4のフランジ35の下に位置する当接部39を含み得る。しかしながら、当該接続部は様々な形態をとることができ、例えば、バッフル10のタブ接続部12と一体的であってもよい。タブへの接続部は、機械的なものであってもよく、密閉部材と一体的に形成され得るフック、クリップ及び他の機械的な保持具を含み得る。タブ4への接続部37はまた、接着剤、ねじ又は他の固定手段によるものであってもよい。タブ4への接続部37はまた、バッフル10のタブ接続部12との共有接続部であってもよく、任意的に当該タブ接続部12と一体的に形成されていてもよい。
【0098】
密閉部材30の他端はケーシング2に接続することができ、特に、密閉部材は、ドア開口部に直接隣接するケーシングに接続するための接続手段36を含み得る。密閉部材がドア開口部の外側の周囲に延びることで、ドアが閉じられた状態にあるときに、密閉部材の一部がドアの内壁によってケーシングの外面に押し付けられて、それらの間にシーリング状態をもたらすことができる(図示せず)。或いは、密閉部材がドア開口部の内側の周囲に延びることで、ドアが閉じられた状態にあるときに、密閉部材34の一部がドア8に接触してそれらの間に密閉状態をもたらすことができる。密閉部材の一部はケーシングから半径方向内側に延びることができ、ドアが閉じられた状態にあるときに、密閉部材30の部分の外面はドア8に接触し得る。さらなる代替案では、ドアが閉じられた状態にあるときに、密閉部材30の外側部分がドアに接触する場合があり、密閉部材30はケーシング2に接続されないことがある(図示せず)。密閉部材30はバッフル10のドア接触部14に接続され得る。密閉部材30がケーシングに接続するための接続手段を含む実施形態では、バッフル10のドア接触部14を密閉部材30のケーシング接続手段に接続することができる。バッフル10のドア接触部への密閉部材の接続は、ドア8に対するドア接触部14の位置をさらに改善することができる。
【0099】
半径方向に沿った断面で見た場合、密閉部材30は、ループ部、偏差部又はU字状部のうちの1つ又は複数を含み得る。
図2において、密閉部材30はU字状部32とともに示されている。当該ループ部、偏差部又はU字状部は、タブからドア又はケーシングへの振動の伝達を低減するためのものである。密閉部材30を含むバッフル10が用いられる場合、固体粒子は、ループ部、偏差部又はU字状部、或いは水平上面33に近づくことが防止される。従って、固体粒子が密閉部材の水平面又はループ内に堆積する傾向が低減される。密閉部材30は水を通さない任意の可撓性材料で製造することができ、非限定的な例として、とりわけ、ゴム、シリコーン及びLMWPEが含まれる。
【0100】
水を通さない密閉部材30を含む実施形態では、バッフル10のバリア16は任意的に多孔質材料を含むことができ、密閉部材は、多孔質材料を通過する水が処理機から出るのを防ぐようになる。多孔質材料は、メッシュ、織布、スリット材料、又は間隔を置いた複数の細孔を有する材料を含み得る。非限定的な例として、任意的に発泡し、スリットを有し又は細孔を有するナイロンメッシュ及びネオプレンが含まれる。
【0101】
密閉部材30は、
図1に示されるタイプのバッフルとともに
図2に示されているが、密閉部材30は、本明細書に開示されている他の任意のバッフルに含まれ得る。
【0102】
図3aを参照して、本開示による代替のバッフル40が示されている。バッフル40は、タブ接続部42と、ドア接触部44と、それらの間に延びるバリア46とを含む。バリア46は、タブ接続部42とドア接触部44との間の緩やかな曲線(図示せず)又は線として延伸されている。バリアに接触する固体粒子は、バリアを下って迂回させられてドラム6内に戻る。バッフル40はさらにケーシング接続部47を含む。領域48が示すように、バリア46は、ドア接触部44からケーシング接続部47まで半径方向外向きに延在し、次いで軸方向に延在することで、断面視においてジグザグ/鋸歯状を形成する。この領域は、ループ、ベンド又はベローズとして形成されていてもよい。バリア46及び領域48におけるバリアの続きは一体的に形成されていてもよく、且つ非多孔質材料を含み得る。バリア46は、ドラム内の水がタブ4とケーシング2との間、及び/又はケーシング2とドア8との間を通過するのを防ぐことができる。断面視において、バリアは、タブ接続部42とケーシング接続部47との間で正弦波形状を形成することができ;
図3aに示すように、タブ接続部42とケーシング接続部47との間でジグザグ形状を形成することができる。或いは、バリアは、ドラムの底部において、タブ接続部42と(ドラムの上部にU字状を形成する)ケーシング接続部47との間に逆U字状(図示せず);又はその他のベローズ形状を形成してもよい。ドア接触部は、ドアが閉じられた状態にあるときにドアと接触するように配置されるバリアの一部であってもよい。ドア接触部は代わりに、バッフルとドアとの間の接触及び/又は位置決めを改善するための付加構造を1つ又は複数含み得る。付加構造には、ドアの内面に適応するように形成された、フラップ、厚みのある領域又は表面が含まれる場合がある。バリアが逆U字状として形成される実施形態では、ドア接触部は、逆U字状の最高点又はその近くに、好ましくは、最高点に近いドアに面する側に配置することができる。バリアが正弦波形状を形成する実施形態では、ドア接触部はまた、最高点又はその近くに、好ましくは、最大限に近いドアに面する側にあってもよく、その結果、バリアは主にタブ接続部とドア接触部との間で単調に立ち昇る曲線又は線となる。正弦波形状、ジグザグ形状又は逆U字状は、ケーシング及び/又はドアに対するタブの動きへの対応を改善することができ、これは、振動をドア又はケーシングに伝達することなく、追加的に又は個別に行なうことができる。従って、これらの実施形態では、バリアは伸張性の低い材料で形成することができ、例えば、ゴム又はシリコーンのような柔軟で非多孔性の材料で形成することができる。
【0103】
バッフル40は、ケーシング接続部47に従属するか、又はケーシング接続部47に取り付けられ得る第2ドア接触部49を含み得る。ドア8が閉じられた状態にあるとき、第2ドア接触部はドア8とケーシング2の外面との間に密閉状態を形成し、及び/又はドア8が閉じられた状態にあるとき、第2ドア接触部はドアの内面に当接し得る。
【0104】
図3aはまた環状構造13を含むタブ接続部を示し、当該環状構造13は、軸方向にはタブ4とドラム6との間の間隙に整列するが、当該間隙の半径方向内側にある。
図3aに示される特定の実施形態では、環状構造は、バリアによって形成された傾斜の連続部分として配置されることができ、これにより、バリア上の固体粒子は前記間隙を越えてタブに向かって移動するようになる。環状構造13はタブに向かって突出するリップ23を含んでもよく、リップ23は任意的にタブ4内に延伸されていてもよい。
図3aに示されるタブ接続部は、本明細書で開示されている他の任意の態様に適用可能である。
【0105】
図3bを参照して、本開示に係る代替のバッフル40の半径方向断面が処理機に示されている。バッフル40は、タブ接続部42と、ドア接触部44と、それらの間に延びるバリア46とを含む。バリア46は、点43で交差する2つの円錐台状部分から形成される。一方の部分461はタブ接続部42に接続され、他方の部分441はドア接触部44に接続されている。バリア40は、タブ4とドア8との間の振動の伝達を低減するために、前記2つの部分が交差する点43で屈曲し、及び/又は前記部分のうちの1つ以上が伝達を低減するために屈曲し得る。
【0106】
バッフル40は、ドア接触部44からケーシング接続部47まで延在し、ケーシング接続部47に従属するか、又はケーシング接続部47に取り付けられ得る第2ドア接触部49を含み得る。この延在は、ケーシング(図示せず)とドア接触部44との間の密閉状態として機能することで、向上された密閉信頼性をもたらすものである。
【0107】
ドア接触部44は、固体粒子がケーシングに向かって通過するのを防ぐが、洗浄液は、ケーシング接続部47とドア接触部44との間のバッフルの領域45を通過して同領域に堆積することがある。バッフル40は、液体をタブの底部に戻すために下向きに伸びる導管の形をなしたドレイン部41を含む。ドレイン部に先がけて、領域45にスクリーン51を設けて、固体粒子及び/又は破片(例えば、糸くず、汚れ等)を濾別することで、ドレイン部の閉塞を防止することができる。ドア8を閉じられた状態にすると、ドア接触部44をドラムに向かって内側に変位させることとなるが、バッフルのバリア46はこれに対応するように屈曲する。バリア46の屈曲により、ドア接触部44は閉じられた状態にあるドアに対して力を付加するようになる。ドアに力を加えることにより、処理機の運転中にドア接触部44がドアドームと逆方向に移動するのを防止する。
図3bのドア8は、ドアドームとして構成されて示され、当該ドアドームは、ドアドームにおける環状の屈曲部又は隆起部として示される偏位部8bを含む。偏位部8bは、処理機の前方に向かうドア接触部44の横方向の動き(即ち、ドラム6から離れる横方向の動き)に抵抗するための表面を提供する。
【0108】
図3bに示されるバッフル40は、可撓性材料(例えば、とりわけEPDMゴム)から形成されている。当該材料の厚さは、バッフル40の各領域で異なり、それらの領域で異なる剛性を与える。例えば、バリア46及びドア接触部44は、領域45よりも剛性が低く、より薄い材料から形成されているものとして
図3bに示されている。これは、タブからドアへの振動の伝達を低減するためである。ドア接触部44は、半径方向内側に延在し、且つ使用者が処理基材を装填及び取り出すための開口部を提供する。より低い剛性のバリア46及びドア接触部44はまた、使用者が接触した際にドア接触部44が撓むことを可能とし、使用者への妨げを最小限に抑えることができる。バッフル40は断続的な補強リブを含み得る。これらは、バッフルの周囲の円周方向に間隔を空けて設けられる場合がある。特に、これらは、バリア46、交差領域43及びドア接触部44に、又はバッフルが折り目、角度又は角を有する領域に配置され得る。補強リブは、
図3bのドア接触部44の角に示されている。補強リブは、バッフルがその形状を保持する能力をさらに向上させるために、より低い剛性の領域に局所的な補強を与え得る。
【0109】
図4を参照して、代替のバッフル50が示されている。バッフル50は、タブ接続部52と、ドア接触部54と、それらの間に延びるバリア56とを含む。バリア56はさらに、バリア56と並び、且つバリア56の長さに沿って延びる弾性要素58を含む。弾性要素58は、バッフル50の周りの円周方向に間隔を空けて配置することができる。弾性要素58は、バリアの半径方向外側(
図5に示すように)又は半径方向内側に配置され得る。弾性要素58は、ドア接触部54に力を付加し、ドアが閉じられた状態にあるときに、ドア接触部54をドア8に対して付勢するようになる。バリア56において弾性要素58が用いられることで、バリア材料としては、非弾性材料又は最小弾性材料の使用が許され、その例として、とりわけ、ラテックスゴム、薄いポリマーフィルム及び布地が含まれる。弾性要素58はバリアの緊張状態を維持するように機能し、その結果、角度又は曲線がタブ接続部52からドア接触部54まで維持されるようになり、バリア上に堆積した固体粒子がドラム内に迂回させられるようになる。弾性要素58はまた、ドア接触部とドア8との間の接触を維持して、それらの間における固体粒子の通過を防止する。タブが振動するとき、弾性要素58の屈曲及び/又は圧縮/膨張は、バリア56の緊張状態及びドア接触部54の接触を維持しつつ、タブの振動に対応する。非弾性バリア56は、非常に柔軟性があり、弾性要素58の動きを妨げることなく、固体粒子の通過を防止する。バッフル50は、
図2に例示されるように、密閉部材30をさらに含むことができ、及び/又はバリアは、
図3aに例示されるように、ケーシング接続部まで延伸される場合がある。弾性要素58は、とりわけ、金属及びその合金、又はポリマーから形成することができる。弾性要素58は、とりわけ、板ばね、コイルばね、皿ばねを含み得る。弾性要素58は、バリアの長さに沿って間隔を置いてバリア56に結合されていてもよく、又はそれぞれの端部で、又はドア接触部54及びタブ接続部52で接続されていてもよい。
【0110】
図5を参照して、代替のバッフル60が示されている。バッフル60は、タブ接続部62と、ドア接触部64と、それらの間に延びるバリア66とを含む。バリア66は、バリア表面から半径方向外側に偏位するベローズ68を含む。ベローズ68に固体粒子が堆積するのを防ぐために、バリア66は、バリアの傾斜又は角度を維持する伸縮可能なカバー69を含む。ベローズ68は、ドア接触部64をタブの振動から隔離するように機能する。伸縮可能なカバー69は伸縮可能な材料(とりわけ、ラテックスゴム、伸縮可能なポリマーフィルム及び布地等)を含み、その結果、ベローズ68の屈曲は、カバーがドア接触部64に振動を伝達することなく、伸縮可能なカバーによって吸収される。伸縮可能なカバー69は、溶着、接着剤又は機械的な留め具によってバリア66に結合することができる。或いは、又はさらに、伸縮可能なカバー69は、バリア66上の対応する特徴と協働する特徴を含み得るが、その非限定的な例として、バリア内の小穴によって保持されるビーディングを含み得る(図示せず)。バッフル60は、
図3aに例示されるように、密閉部材30をさらに含むことができ、及び/又はバリアは、
図3aに例示されるように、ケーシング接続部まで延伸される場合がある。
【0111】
図6を参照して、代替のバッフル90が示されている。バッフル90は、タブ接続部92と、ドア接触部94と、バリア96とを含む。タブ接続部、ドア接触部及びバリアは剛性のある可撓性材料から一体的に形成されており、当該材料の例として、とりわけ、ポリプロピレン、アラミド、ポリエチレン及びポリエチレンテレフタレートが挙げられる。バリア及びドア接触部は、複数の可撓性フィンガー93に分割される。ドア接触部94のフィンガーは、例えば、弾性コードから形成され得る弾性フープ95をさらに含む。弾性フープ95は、ドアのドーム/コーンに対してフィンガーの端を保持する。フィンガー93は、振動がタブからドアに伝達されないようにバリアが屈曲するのを許容する。バリア96は傾斜面を提供し、これにより、処理サイクル中にバリア上に堆積した固体粒子はドラム内に転がり込むようになる。バッフル90は、
図2に示すように、任意的に密閉部材30を含む。
【0112】
図7aを参照して、代替のバッフルが示されている。当該バッフルは、タブ接続部82と、ドア接触部84と、バリア86とを含む。ドア接触部はドア8に堅く接続されている。ドア接触部は、接着剤、機械的固定手段のいずれによっても堅く接続されることができ、又はドアのドーム/コーンと一体に形成されていてもよい。バリア86は2つの部分から形成されており、第1部分86aはタブ接続部82に接続され、第2部分86bはドア接触部84に接続されている。ドア8が開かれた状態にあるとき、バリアの第2部分86bは、ドア8と共にドラム6から離れて移動され、その結果、処理基材(例えば、洗濯物)をドラム6に加えることができる。ドア8が閉じられた状態にあるとき、バリアの第2部分86bはバリアの第1部分86aに隣接し、バリア86の当該2つの部分は、洗浄サイクル中の固体粒子の通過を防ぐための密閉状態を形成する。第1部分86a及び/又は第2部分86bは、剛性であるが順応性のある材料、例えば、とりわけ、EPDMゴムから作製され得る。バリアの両方の部分の一方の間の順応性は、より良い密閉状態を提供する場合がある。バッフルは、
図2に示すように、任意的に密閉部材30を含む。
【0113】
図7bを参照して、代替のバッフルが示されている。バッフルは、タブ接続部82と、ドア接触部84と、バリア86とを含む。バリア86は、形状が環状であり、且つタブ接続部82からドア8に向かって概ね半径方向内側に延びる。バリア86の終端はドア接触部84である。バリア86は、バリア86上に堆積した粒子がバリアを落下してドラム6に入るように傾斜している。ドア接触部84は、ドア開口部の周りに環状に延在し、
図7bにドームの形で示されているドア8の内向きに突出する要素の周りに位置するようなサイズに形成されている。ドアドームは、ドア接触部84における同様の形状の開口部に組み合うために、中心軸を中心に回転対称に示されている。ドアが開かれた状態にあるとき、使用者は、ドア接触部84の提供する開口部に処理基材を通すことができる。ドア8が閉じられた状態にあるとき、ドア8のドームはドア接触部84に接触し、バリア86を過ぎた固体粒子の通過を防止する。バリア86は弾力性のある材料でできている。例えば、弾力性のある材料は、とりわけ、EPDMゴムを含み得る。ドア8が閉じられているとき、ドアはドア接触部84をドラム6に向かって内側に変位させる。この変位はバリア材料の屈曲によって対応され、その結果、ドアが閉じられた状態において、ドア接触部86によりドア8に対して力が加えられるようになり、使用されている間の接触状態を維持して、それらの間の密閉状態が改善される。バッフルは、
図2に示すように、任意的に密閉部材30を含む。
【0114】
本開示のバッフルは、固体粒子が既にドラムに添加された処理機で使用することができる。本開示はまた、固体粒子を使用して基材の処理を容易にする装置を含む処理機で使用することができる。特に、処理機は、固体粒子をドラム内に投入し、及び/又はドラムから固体粒子を収集するための装置を含み得る。
図8を参照して、処理機ドラム70が示されている。当該処理機ドラムは、前記基材を前記ドラムに導入するためのドラム72の開放端を含む。当該ドラムは、基材の処理が行われるドラム容積から隔離され、且つドラム内に配置された貯蔵手段73を含む。当該貯蔵手段は固体粒子を貯蔵するためのものである。
図8に示される貯蔵手段は、ドラムの後壁に配置されているが、当該貯蔵手段は、ドラム内の他の場所、例えば、リフター内や処理機の他の場所に配置されていてもよい。
【0115】
前記ドラムはまた、ドラムの内面に配置されたリフター74a、74b及び74cを含む。当該リフターは、固体粒子がリフターに流入することができる1つ又は複数の収集開口75を含む。リフターの内部には収集流路が設けられており、この流路を通って固体粒子がドラムの内部からドラム後部の貯蔵手段に移動することができる。
【0116】
リフターはまた、貯蔵手段から前記ドラムの内部への固体粒子の移動のための第2投入流路を含み得る。当該流路は、ドラムを一方向に回転させると、リフターの投入開口部76を介して貯蔵手段からドラム内に固体粒子を投入できるように形成されていてもよい。ドラムを他の方向に回転させると、固体粒子をドラムから貯蔵手段に移動させることができる。ドラムは、任意的にドラムの端壁にバルブ78を含むことができ、バルブは、ドラムの後壁から固体粒子を投入するために開くことができる。
【0117】
本開示の特定の態様又は例に関連して本明細書に記載されている特徴は、それと互換性がない場合を除き、本明細書に記載されている他の任意の態様、実施形態又は例に適用可能であると理解されるべきである。本明細書で使用されているような、「1つ」又は「1つの」という表現は、単数に限定されず、文脈上別段の断りがない限り、複数を含む場合もあると理解されるべきである。「含む」という表現は、「含む」並びに「からなる」及び「本質的にからなる」を包括しており、例えば、Xを含むという特徴は、Xのみで構成される場合もあれば、追加の何かを含む場合、例えばX+Yとなる場合もある。
【0118】
本明細書に開示されている各特徴(添付の請求の範囲、要約及び図面に記載のものを含む)は、特に明記しない限り、同一、同等又は同様の目的を果たす代替の特徴に置き換えることができる。従って、特に明記されていない限り、開示されている各特徴は、数ある一般的な一連の同等又は同様の特徴の一例にすぎない。本発明は、前述の実施形態の詳細に限定されるものではない。本発明は、本明細書に開示されている特徴(添付の請求の範囲、要約及び図面に記載のものを含む)に係る任意の新規のもの、又はその任意の新規の組み合わせ、或いは他の任意の新規のもの、又はその任意の新規の組み合わせに及ぶ。請求の範囲は、前述の実施形態だけでなく、請求の範囲内に属する任意の実施形態も網羅すると解釈されるべきである。
【国際調査報告】