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特表2022-541627二環性CX3CR1受容体アゴニスト
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  • 特表-二環性CX3CR1受容体アゴニスト 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-26
(54)【発明の名称】二環性CX3CR1受容体アゴニスト
(51)【国際特許分類】
   C07D 333/78 20060101AFI20220915BHJP
   C07D 409/12 20060101ALI20220915BHJP
   A61K 31/4025 20060101ALI20220915BHJP
   A61K 31/381 20060101ALI20220915BHJP
   C07D 409/14 20060101ALI20220915BHJP
   A61K 31/4535 20060101ALI20220915BHJP
   A61K 31/16 20060101ALI20220915BHJP
   C07D 491/048 20060101ALI20220915BHJP
   A61K 31/407 20060101ALI20220915BHJP
   C07D 333/80 20060101ALI20220915BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220915BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220915BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20220915BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20220915BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20220915BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20220915BHJP
   C07C 233/78 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
C07D333/78
C07D409/12 CSP
A61K31/4025
A61K31/381
C07D409/14
A61K31/4535
A61K31/16
C07D491/048
A61K31/407
C07D333/80
A61P43/00 111
A61P35/00
A61P29/00
A61P25/04
A61P25/00
A61P25/28
C07C233/78
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022504301
(86)(22)【出願日】2020-07-23
(85)【翻訳文提出日】2022-03-18
(86)【国際出願番号】 US2020043258
(87)【国際公開番号】W WO2021016449
(87)【国際公開日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】62/877,660
(32)【優先日】2019-07-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518000729
【氏名又は名称】ボード オブ レジェンツ,ザ ユニバーシティ オブ テキサス システム
【氏名又は名称原語表記】BOARD OF REGENTS,THE UNIVERSITY OF TEXAS SYSTEM
【住所又は居所原語表記】210 W. 7th Street,Austin,TX 78701,U.S.A.
(71)【出願人】
【識別番号】504132087
【氏名又は名称】アクザム ソシエタ ペル アチオニ
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100117422
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 かおり
(72)【発明者】
【氏名】パオロ ペヴァレッロ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム レイ
(72)【発明者】
【氏名】メアリー ハムビ
(72)【発明者】
【氏名】ヤイマ ルザード ライトフット
(72)【発明者】
【氏名】フィリップ ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル トーマス
(72)【発明者】
【氏名】キアラ リベラティ
(72)【発明者】
【氏名】ドメニカ トリノ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァレンティナ クザーノ
(72)【発明者】
【氏名】フランチェスコ ピシテッリ
(72)【発明者】
【氏名】アリ ユウシフ
(72)【発明者】
【氏名】シルビア ボボレンタ
【テーマコード(参考)】
4C050
4C063
4C086
4C206
4H006
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050BB04
4C050CC16
4C050EE01
4C050FF01
4C050GG01
4C050HH03
4C063AA01
4C063AA03
4C063BB09
4C063CC94
4C063DD02
4C063DD03
4C063DD10
4C063DD75
4C063DD78
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BB03
4C086BC07
4C086BC21
4C086CB22
4C086GA02
4C086GA04
4C086GA07
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA08
4C086ZA15
4C086ZA16
4C086ZB11
4C086ZB26
4C206AA01
4C206AA02
4C206AA03
4C206GA07
4C206GA22
4C206MA01
4C206MA04
4C206NA14
4C206ZA01
4C206ZA08
4C206ZA15
4C206ZA16
4C206ZB11
4C206ZB26
4H006AA01
4H006AA03
4H006AB21
4H006AB28
4H006BJ20
4H006BJ30
4H006BJ50
4H006BU34
4H006BV72
(57)【要約】
本明細書で開示されるのは、CX3CR1/フラクタルカイン受容体(CX3CR1)アゴニスト特性を有する新規のシクロアルカ[b]ヘテロアリール化合物、これらの化合物を含む医薬組成物、これらの化合物を調製するための化学的プロセス及び動物、特にヒトにおけるCX3CR1受容体活性に関連する疾患の処置又は予防におけるその使用である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式(I)
【化1】
(式中、
nは、1~4の整数であり、6~10員のシクロアルキルを形成し、
Aは、1つ又複数のC~Cアルキル置換基で任意に置換されているフェニル及びヘテロアリールから選択され、
は、水素及びC~Cアルキルから選択され、
及びRは、独立して、水素、フェニル及びC~Cアルキルから選択されるか、又はR及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルを形成し、前記C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルのいずれも、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又は前記C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、前記フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されており、
Yは、C及びOから選択され、
は、
【化2】
から選択され、
及びRは、それぞれ独立して、C~Cアルキルであり、
、R、R及びR10は、独立して、水素及びヒドロキシルから選択されるか、又は独立して、C~Cアルキル及びC~Cアルキルオキシから選択され、前記C~Cアルキル及びC~Cアルキルオキシのいずれもメトキシで任意に置換されており、
pは、1又は2であり、及び
Xは、C、O又はNR11から選択され、ここで、R11は、水素又はC~Cアルキルであり、
但し、Aがチオフェンであり、nが2又は3であり、Rが水素であり、且つRが、
【化3】
である場合、R及びRは、両方ともメチルであることはないか、且つ/又はR及びRは、両方ともメチルであることはないかのいずれかであり、及びさらに但し、Aがチオフェンであり、nが2又は3であり、Rが水素であり、且つRが、
【化4】
である場合、R及びRは、水素ではない)
の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項2】
Aは、チオフェンである、請求項1に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項3】
は、水素及びメチルから選択される、請求項1又は2に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項4】
及びRは、独立して、水素、メチル、エチル及びフェニルから選択されるか、又はR及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、C~Cシクロアルキル又はヘテロシクロアルキルを形成し、前記C~Cシクロアルキル又はヘテロシクロアルキルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又は前記C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、前記フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項5】
及びRは、独立して、水素、メチル、エチル及びフェニルから選択される、請求項4に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項6】
及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルを形成し、前記C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又は前記C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、前記フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されている、請求項4に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項7】
及びRは、それぞれ独立して、C~Cアルキルである、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項8】
、R、R及びR10は、独立して、メトキシで任意に置換されている水素、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシである、請求項1~6のいずれか一項に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項9】
Xは、C、O又はNHから選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項10】
nは、1~4の数であり、6~10員のシクロアルキルを形成し、
Aは、チオフェンであり、
は、水素及びメチルから選択され、
及びRは、独立して、水素、メチル、エチル及びフェニルから選択されるか、又はR及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルを形成し、前記C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又は前記C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、前記フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されており、
Yは、C及びOから選択され、
は、
【化5】
から選択され、
及びRは、独立して、C~Cアルキルであり、
、R、R及びR10は、独立して、メトキシで任意に置換されている水素、ヒドロキシル、C~Cアルキル及びC~Cアルコキシから選択され、
pは、1又は2であり、及び
Xは、C、O又はNR11から選択され、及び
11は、C~Cアルキルである、請求項1に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項11】
Aは、3-メチルチオフェンである、請求項1に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項12】
は、水素及びメチルから選択される、請求項11に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項13】
及びRは、独立して、水素、メチル、エチル及びフェニルから選択されるか、又はR及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルを形成し、前記C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又は前記C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、前記フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されている、請求項11又は12に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項14】
及びRは、独立して、水素、メチル、エチル及びフェニルから選択される、請求項11~13のいずれか一項に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項15】
及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、C~Cシクロアルキル又はヘテロシクロアルキルを形成し、前記C~Cシクロアルキル又はヘテロシクロアルキルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又は前記C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、前記フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されている、請求項11~14のいずれか一項に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項16】
は、水素であり、且つRは、メチル又はフェニルであるか、又は
及びRは、両方ともメチルであるか又は両方ともエチルであるか
のいずれかである、請求項11~15のいずれか一項に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項17】
は、水素であり、且つRは、メチル又はフェニルである、請求項16に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項18】
及びRは、両方ともメチル又はエチルである、請求項16に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項19】
Yは、C及びOから選択され、及び
及びRは、前記基Yを介して互いに結合されており、それにより、前記基R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フラン-3-イル、ピラン-3-イル及びピラン-4-イルを形成し、前記シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フラン-3-イル、ピラン-3-イル及びピラン-4-イルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又は前記C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、前記フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されている、請求項11~18のいずれか一項に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項20】
及びRは、それぞれ独立して、C~Cアルキルである、請求項11~19のいずれか一項に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項21】
、R、R及びR10は、独立して、メトキシで任意に置換されている水素、ヒドロキシル、C~Cアルキル及びC~Cアルコキシから選択される、請求項11~19のいずれか一項に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項22】
Xは、C、O又はNHから選択される、請求項11~21のいずれか一項に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項23】
Xは、C、O及びNR11から選択され、及び
11は、C~Cアルキルである、請求項11~21のいずれか一項に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項24】
nは、1~4の数であり、6~10員のシクロアルキルを形成し、
Aは、3-メチルチオフェンであり、
は、水素及びメチルから選択され、
及びRは、独立して、水素、メチル、エチル及びフェニルであるか、又はR及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フラン-3-イル、ピラン-3-イル及びピラン-4-イルから選択されるC~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルを形成し、前記C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又は前記C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、前記フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されており、
Yは、C及びOから選択され、
は、
【化6】
から選択され、
及びRは、独立して、C~Cアルキルであり、
、R、R及びR10は、独立して、メトキシで任意に置換されている水素、ヒドロキシル、メトキシ及びC~Cアルキルオキシから選択され、
pは、1又は2であり、及び
Xは、C、O及びNR11から選択され、及び
11は、C~Cアルキルである、請求項1に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項25】
以下の式(I)
【化7】
(式中、
nは、1~4の整数であり、6~10員のシクロアルキルを形成し、
Aは、1つ又複数のC~Cアルキル置換基で任意に置換されているフェニル及びヘテロアリールから選択され、
は、水素及びC~Cアルキルから選択され、
及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルを形成し、前記C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又は前記C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、前記フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されており、
Yは、C及びOから選択され、
は、
【化8】
から選択され、
及びRは、それぞれ独立して、C~Cアルキルであり、
、R、R及びR10は、独立して、水素及びヒドロキシルから選択されるか、又は独立して、C~Cアルキル及びC~Cアルキルオキシから選択され、前記水素、ヒドロキシル、C~Cアルキル及びC~Cアルキルオキシのいずれもメトキシで任意に置換されており、
pは、1又は2であり、及び
Xは、C、O又はNR11から選択され、ここで、R11は、水素又はC~Cアルキルであり、
但し、Aがチオフェンであり、nが2又は3であり、Rが水素であり、且つRが、
【化9】
である場合、R及びRは、両方ともメチルであることはない)
の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項26】
Aは、チオフェンである、請求項25に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項27】
Aは、3-メチルチオフェンである、請求項25に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項28】
は、水素及びメチルから選択される、請求項25~27のいずれか一項に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項29】
及びRは、それぞれ独立して、C~Cアルキルである、請求項25~28のいずれか一項に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項30】
、R、R及びR10は、独立して、メトキシで任意に置換されている水素、ヒドロキシル、C~Cアルキル、C~Cアルコキシである、請求項25~29のいずれか一項に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項31】
Xは、C、O又はNHから選択される、請求項25~30のいずれか一項に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項32】
nは、1~4の数であり、6~10員のシクロアルキルを形成し、
Aは、チオフェンであり、
は、水素及びメチルから選択され、
及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルを形成し、前記C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又は前記C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、前記フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されており、
Yは、C及びOから選択され、
は、
【化10】
から選択され、
及びRは、独立して、C~Cアルキルであり、
、R、R及びR10は、独立して、メトキシで任意に置換されている水素、ヒドロキシル、C~Cアルキル及びC~Cアルコキシから選択され、
pは、1又は2であり、及び
Xは、C、O又はNR11から選択され、及び
11は、C~Cアルキルである、請求項25に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項33】
実施例1~69のいずれか1つから選択される化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項34】
医薬品としての使用のための、請求項1~33のいずれか一項に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項35】
CR3CX1媒介性疾患の処置における使用のための、請求項1~33のいずれか一項に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項36】
CX3XR1の調節によって寛解される疾患又は状態の予防又は処置のための医薬品の製造における使用のための、請求項1~33のいずれか一項に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩。
【請求項37】
請求項1~33のいずれか一項に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩を、薬学的に許容される担体と一緒に含む医薬組成物。
【請求項38】
CX3CR1媒介性疾患の処置の方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の、請求項1~33のいずれか一項に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩を投与することを含む方法。
【請求項39】
前記疾患は、癌、炎症性障害、疼痛、神経変性障害、認知障害及び精神障害から選択される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記疾患は、アルツハイマー病である、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
CX3CR1の調節の方法であって、CX3CR1を、請求項1~33のいずれか一項に記載の化合物若しくはその立体異性体又はその塩と接触させることを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示されるのは、CX3CR1/フラクタルカイン受容体(CX3CR1)アゴニスト特性を有する新規の二環性の例えばシクロアルカ[b]ヘテロアリール化合物、これらの化合物を含む医薬組成物、これらの化合物を調製するための化学的プロセス及び動物、特にヒトにおけるCX3CR1受容体活性に関連する疾患の処置又は予防におけるその使用である。
【背景技術】
【0002】
加齢脳での神経炎症は、長年にわたり認識されているが、最近になって、活性化ミクログリアは、神経変性に対する受動的傍観者ではなく、病因に積極的に寄与することがヒト遺伝子研究により実証されている。ミクログリアは、CNS中で有益な役割と潜在的に有害な役割との両方を果たし、フラクタルカイン(FKN;CX3CL1)シグナル伝達は、ニューロンからミクログリアへのコミュニケーションの重要な手段であり、そのため、治療探索の強力な候補標的である。FKNは、大きい膜固定サイトカイン又は分泌サイトカインであり、CX3Cケモカインファミリの唯一のメンバーである。無差別的な他のケモカインと異なり、FKNは、7回膜貫通型Gタンパク質共役受容体(GPCR)CX3CR1という1つの受容体のみに結合する。CNS中において、FKNは、神経細胞上でのみ発現され、その受容体であるCX3CR1は、ミクログリア上でのみ発現される。この相補的な発現パターンから、FKNは、神経細胞/ミクログリアコミュニケーションを媒介するという仮説が導かれた。CX3CR1-/-マウスでの研究から、ミクログリアが神経細胞の機能を維持するためにこのシグナル伝達系が必要であることが確認されている。CX3CR1-/-マウスは、シナプス成熟の低下又は遅延、神経細胞生存の低下、シナプスの伝達及び柔軟性の欠如並びに海馬依存性の学習及び記憶の劣位を示す。
【0003】
CX3CR1の活性化により、炎症が抑制されてシナプス維持等の恒常的活動が促進されると思われる。損傷後、FKNは、神経細胞表面から放出され得、損傷部位にミクログリアを引き寄せて組織修復に参加させる。ADマウスモデルでは、FKNシグナル伝達は、疾患の進行の制御において独自の役割を果たす。CX3CR1-/-及びCX3CL1-/-マウスは、様々なADモデルで飼育され、動物の病理及び挙動における顕著な差違が観察された。APP/PS-1マウスでのCX3CR1-/-は、サイトカインレベル及びTau過剰リン酸化を増加させ、行動パフォーマンスを低下させた。他の2つのモデルでは、CX3CR1アブレーションにより、Aβクリアランスが促進され、ミクログリア活性化が誘発されて神経細胞の損失が防止された。他の主要な神経炎症遺伝子と同様に、マウス研究では、モデルがアミロイドベース若しくはタウベースであるか、又は若年で調べられたか若しくは高齢で調べられかなどの状況に依存した方式において、この系の遺伝子改変によるADの病理及び記憶の悪化又は改善のいずれかが実証されている。これらのデータから、FKNシグナル伝達系がAD病因を強力に調節し得ることが明確に実証されている。そのため、CX3CR1を標的とすることは、さらなる調査の価値があり、ADの処置の新たな機会を提供し得る。
【0004】
残念ながら、製薬業界全体で長年にわたり広く関心が集められているにもかかわらず、CNSに適合するCXCR1の阻害剤は、存在しない。さらに、低分子のアゴニスト又はポジティブアロステリックモジュレータは、存在しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そのため、CX3CR1を効率的に刺激し得、且つあらゆるCX3CR1媒介性病理の部位である様々な標的臓器に送達され得る化合物に関する対処されていない必要性が依然として存在する。そのような化合物が本明細書で提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で提供される化合物の様々な実施形態が以下に提示される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】HpG2細胞へのTHP-1細胞付着への、本明細書で開示される化合物の様々な濃度の効果を示す。
図2】初代ヒト単球によるフラクタルカイン(FKN、図2A、左側のグラフ)及びCX3CR1アゴニストに方向付けられている(図2B、右側のグラフ)走化性への、本明細書で開示される化合物の様々な濃度の効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で開示されるのは、実施形態1を構成する、以下の式(I)
【化1】

(式中、
nは、1~4の整数であり、6~10員のシクロアルキルを形成し、
Aは、1つ又は複数のC~Cアルキル置換基で任意に置換されているフェニル及びヘテロアリールから選択され、
は、水素及びC~Cアルキルから選択され、
及びRは、独立して、水素、フェニル及びC~Cアルキルから選択されるか、又はR及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルを形成し、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルのいずれも、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又はC~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されており、
Yは、C及びOから選択され、
は、
【化2】

から選択され、
及びRは、それぞれ独立して、C~Cアルキルであり、
、R、R及びR10は、独立して、水素及びヒドロキシルから選択されるか、又は独立して、C~Cアルキル及びC~Cアルキルオキシから選択され、C~Cアルキル及びC~Cアルキルオキシのいずれもメトキシで任意に置換されており、
pは、1又は2であり、
Xは、C、O及びNR11から選択され、及び
11は、水素又はC~Cアルキルである)
の二環性化合物若しくはその立体異性体又は上述のもののいずれかの塩である。
【0009】
特定の実施形態では、Aがチオフェンであり、nが3であり、Rが水素であり、且つRが、
【化3】

である場合、R及びRは、両方ともメチルであることはないか、又はR及びRは、両方ともメチルであることはないかのいずれかである。
【0010】
特定の実施形態では、Aは、チオフェンである。
【0011】
特定の実施形態では、Rは、水素及びメチルから選択される。
【0012】
特定の実施形態では、R及びRは、独立して、水素、メチル、エチル及びフェニルから選択されるか、又はR及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、C~Cシクロアルキル又はヘテロシクロアルキルを形成し、C~Cシクロアルキル又はヘテロシクロアルキルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又はC~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されている。
【0013】
特定の実施形態では、R及びRは、独立して、水素、メチル、エチル及びフェニルから選択される。
【0014】
特定の実施形態では、R及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルを形成し、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又はC~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されている。
【0015】
特定の実施形態では、R及びRは、それぞれ独立して、C~Cアルキルである。
【0016】
特定の実施形態では、R、R、R及びR10は、独立して、水素及びヒドロキシルから選択されるか、又は独立して、C~Cアルキル及びC~Cアルコキシから選択され、水素、ヒドロキシル、C~Cアルキル及びC~Cアルコキシのいずれもメトキシで任意に置換されている。
【0017】
特定の実施形態では、Xは、C、O又はNHから選択される。
【0018】
特定の実施形態では、本明細書で提供されるのは、式Iの化合物であり、式中、
nは、1~4の数であり、6~10員のシクロアルキルを形成し、
Aは、チオフェンであり、
は、水素及びメチルから選択され、
及びRは、独立して、水素、メチル、エチル及びフェニルから選択されるか、又はR及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルを形成し、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又はC~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されており、
Yは、C及びOから選択され、
は、
【化4】

から選択され、
及びRは、独立して、C~Cアルキルであり、
、R、R及びR10は、独立して、水素及びヒドロキシルから選択されるか、又は独立して、C~Cアルキル及びC~Cアルコキシから選択され、水素、ヒドロキシル、C~Cアルキル及びC~Cアルコキシのいずれもメトキシで任意に置換されており、
pは、1又は2であり、
Xは、C、O及びNR11から選択され、及び
11は、水素又はC~Cアルキルである。
【0019】
特定の実施形態では、Aは、3-メチルチオフェンである。
【0020】
特定の実施形態では、Rは、水素及びメチルから選択される。
【0021】
特定の実施形態では、R及びRは、独立して、水素、メチル、エチル及びフェニルから選択されるか、又はR及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルを形成し、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又はC~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されている。
【0022】
特定の実施形態では、R及びRは、独立して、水素、メチル、エチル及びフェニルから選択される。
【0023】
特定の実施形態では、R及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、C~Cシクロアルキル又はヘテロシクロアルキルを形成し、C~Cシクロアルキル又はヘテロシクロアルキルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又はC~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されている。
【0024】
特定の実施形態では、
は、水素であり、且つRは、メチル又はフェニルであるか、又は
及びRは、両方ともメチルであるか又は両方ともエチルであるか
のいずれかである。
【0025】
特定の実施形態では、Rは、水素であり、且つRは、メチル又はフェニルである。
【0026】
特定の実施形態では、R及びRは、両方ともメチル又はエチルである。
【0027】
特定の実施形態では、
Yは、C及びOから選択され、及び
及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、基R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フラン-3-イル、ピラン-3-イル及びピラン-4-イルを形成し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フラン-3-イル、ピラン-3-イル及びピラン-4-イルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又はC~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されている。
【0028】
特定の実施形態では、R及びRは、それぞれ独立して、C~Cアルキルである。
【0029】
特定の実施形態では、R、R、R及びR10は、独立して、水素及びヒドロキシルから選択されるか、又は独立して、C~Cアルキル及びC~Cアルコキシから選択され、水素、ヒドロキシル、C~Cアルキル及びC~Cアルコキシのいずれもメトキシで任意に置換されている。
【0030】
特定の実施形態では、Xは、C、O又はNHから選択される。
【0031】
特定の実施形態では、
Xは、C、O及びNR11から選択され、及び
11は、C~Cアルキルである。
【0032】
特定の実施形態では、本明細書で提供されるのは、式Iの化合物であり、式中、
nは、1~4の数であり、6~10員のシクロアルキルを形成し、
Aは、3-メチルチオフェンであり、
は、水素及びメチルから選択され、
及びRは、独立して、水素、メチル、エチル及びフェニルであるか、又はR及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フラン-3-イル、ピラン-3-イル及びピラン-4-イルから選択されるC~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルを形成し、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又はC~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されており、
Yは、C及びOから選択され、
は、
【化5】

から選択され、
及びRは、独立して、C~Cアルキルであり、
、R、R及びR10は、独立して、水素及びヒドロキシルから選択されるか、又は独立して、メチル及びC~Cアルキルオキシから選択され、水素、ヒドロキシル、メチル及びC~Cアルキルオキシのいずれもメトキシで任意に置換されており、
pは、1又は2であり、及び
Xは、C、O及びNR11から選択され、及び
11は、C~Cアルキルである。
【0033】
特定の実施形態では、本明細書で提供されるのは、式Iの化合物であり、式中、
nは、1~4の整数であり、6~10員のシクロアルキルを形成し、
Aは、1つ又は複数のC~Cアルキル置換基で任意に置換されているフェニル及びヘテロアリールから選択され、
は、水素及びC~Cアルキルから選択され、
及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルを形成し、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又はC~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されており、
Yは、C及びOから選択され、
は、
【化6】

から選択され、
及びRは、それぞれ独立して、C~Cアルキルであり、
、R、R及びR10は、独立して、水素及びヒドロキシルから選択されるか、又は独立して、C~Cアルキル及びC~Cアルキルオキシから選択され、水素、ヒドロキシル、C~Cアルキル及びC~Cアルキルオキシのいずれもメトキシで任意に置換されており、
pは、1又は2であり、及び
Xは、C、O及びNR11から選択され、ここで、R11は、水素又はC~Cアルキルであり、
但し、Aがチオフェンであり、nが2又は3であり、Rが水素であり、且つRが、
【化7】

である場合、R及びRは、両方ともメチルであることはない。
【0034】
同様に提供されるのは、以下の具体的な実施形態である。
【0035】
実施形態1.1:Aがチオフェンであり、nが3であり、Rが水素であり、且つRが、
【化8】

である場合、R及びRは、両方ともメチルであることはないか、又はR及びRは、両方ともメチルであることはないかのいずれかである、実施形態1に記載の化合物。
【0036】
実施形態2:Aは、チオフェンである、実施形態1又は1.1に記載の化合物。
【0037】
実施形態3:Rは、水素及びメチルから選択される、実施形態1~2のいずれか1つに記載の化合物。
【0038】
実施形態4:R及びRは、独立して、水素、メチル、エチル及びフェニルから選択されるか、又はR及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、C~Cシクロアルキル又はヘテロシクロアルキルを形成し、C~Cシクロアルキル又はヘテロシクロアルキルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又はC~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されている、実施形態1~3のいずれか1つに記載の化合物。
【0039】
実施形態5:R及びRは、独立して、水素、メチル、エチル及びフェニルから選択される、実施形態4に記載の化合物。
【0040】
実施形態6:R及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルを形成し、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又はC~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されている、実施形態4に記載の化合物。
【0041】
実施形態7:R及びRは、それぞれ独立して、C~Cアルキルである、実施形態6に記載の化合物。
【0042】
実施形態8:R、R、R及びR10は、独立して、水素及びヒドロキシルから選択されるか、又は独立して、C~Cアルキル及びC~Cアルコキシから選択され、水素、ヒドロキシル、C~Cアルキル及びC~Cアルコキシのいずれもメトキシで任意に置換されている、実施形態6に記載の化合物。
【0043】
実施形態9:Xは、C、O又はNHから選択される、実施形態6に記載の化合物。
【0044】
実施形態10:
nは、1~4の数であり、6~10員のシクロアルキルを形成し、
Aは、チオフェンであり、
は、水素及びメチルから選択され、
及びRは、独立して、水素、メチル、エチル及びフェニルから選択されるか、又はR及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルを形成し、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又はC~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されており、
Yは、C及びOから選択され、
は、
【化9】

から選択され、
及びRは、独立して、C~Cアルキルであり、
、R、R及びR10は、独立して、水素及びヒドロキシルから選択されるか、又は独立して、C~Cアルキル及びC~Cアルコキシから選択され、水素、ヒドロキシル、C~Cアルキル及びC~Cアルコキシのいずれもメトキシで任意に置換されており、
pは、1又は2であり、
Xは、C、O及びNR11から選択され、及び
11は、水素又はC~Cアルキルである、実施形態1~9のいずれか1つに記載の化合物。
【0045】
実施形態11:Aは、3-メチルチオフェンである、実施形態1~10のいずれか1つに記載の化合物。
【0046】
実施形態12:Rは、水素及びメチルから選択される、実施形態1~11のいずれか1つに記載の化合物。
【0047】
実施形態13:R及びRは、独立して、水素、メチル、エチル及びフェニルから選択されるか、又はR及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルを形成し、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又はC~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されている、実施形態1~12のいずれか1つに記載の化合物。
【0048】
実施形態14:R及びRは、独立して、水素、メチル、エチル及びフェニルから選択される、実施形態13に記載の化合物。
【0049】
実施形態15:R及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、C~Cシクロアルキル又はヘテロシクロアルキルを形成し、C~Cシクロアルキル又はヘテロシクロアルキルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又はC~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されている、実施形態13に記載の化合物。
【0050】
実施形態16:
は、水素であり、且つRは、メチル又はフェニルであるか、又は
及びRは、両方ともメチルであるか又は両方ともエチルであるか
のいずれかである、実施形態14に記載の化合物。
【0051】
実施形態17:Rは、水素であり、且つRは、メチル又はフェニルである、実施形態14に記載の化合物。
【0052】
実施形態18:R及びRは、両方ともメチル又はエチルである、実施形態14に記載の化合物。
【0053】
実施形態19:
Yは、C及びOから選択され、及び
及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、基R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フラン-3-イル、ピラン-3-イル及びピラン-4-イルを形成し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フラン-3-イル、ピラン-3-イル及びピラン-4-イルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又はC~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されている、実施形態15に記載の化合物。
【0054】
実施形態20:R及びRは、それぞれ独立して、C~Cアルキルである、実施形態19に記載の化合物。
【0055】
実施形態21:R、R、R及びR10は、独立して、水素及びヒドロキシルから選択されるか、又は独立して、C~Cアルキル及びC~Cアルコキシから選択され、水素、ヒドロキシル、C~Cアルキル及びC~Cアルコキシのいずれもメトキシで任意に置換されている、実施形態19に記載の化合物。
【0056】
実施形態22:Xは、C、O又はNHから選択される、実施形態19に記載の化合物。
【0057】
実施形態23:
Xは、C、O及びNR11から選択され、及び
11は、C~Cアルキルである、実施形態19に記載の化合物。
【0058】
実施形態24:
nは、1~4の数であり、6~10員のシクロアルキルを形成し、
Aは、3-メチルチオフェンであり、
は、水素及びメチルから選択され、
及びRは、独立して、水素、メチル、エチル及びフェニルであるか、又はR及びRは、基Yを介して互いに結合されており、それにより、R-Y-Rは、R及びRが付着している炭素と一緒に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フラン-3-イル、ピラン-3-イル及びピラン-4-イルから選択されるC~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルを形成し、C~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルのいずれも、ヒドロキシル、フッ素及びメチルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されているか、又はC~Cシクロアルキル又はC~Cヘテロシクロアルキルは、フェニル環と縮合されており、フェニル環は、ヒドロキシル、ハロゲン及びC~Cアルキルから選択される1つ又は複数の置換基で任意に置換されており、
Yは、C及びOから選択され、
は、
【化10】

から選択され、
及びRは、独立して、C~Cアルキルであり、
、R、R及びR10は、独立して、水素及びヒドロキシルから選択されるか、又は独立して、メチル及びC~Cアルキルオキシから選択され、水素、ヒドロキシル、メチル及びC~Cアルキルオキシのいずれもメトキシで任意に置換されており、
pは、1又は2であり、及び
Xは、C、O及びNR11から選択され、及び
11は、C~Cアルキルである、実施形態1~23のいずれか1つに記載の化合物。
【0059】
特定の実施形態では、本明細書で開示される式(I)の化合物は、表1に記載の化合物から選択される。特定の実施形態では、例70は、除外される。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】
【表3】
【0063】
【表4】
【0064】
【表5】
【0065】
同様に本明細書で提供されるのは、医薬品としての使用のための、本明細書で開示される化合物である。
【0066】
同様の本明細書で提供されるのは、CR3CX1媒介性疾患の処置における使用のための、本明細書で開示される化合物若しくはその立体異性体又は上述のもののいずれかの塩である。
【0067】
同様に本明細書で提供されるのは、CX3XR1の調節によって寛解される疾患又は状態の予防又は処置のための医薬品の製造における使用のための、本明細書で開示される化合物若しくはその立体異性体又は上述のもののいずれかの塩である。
【0068】
同様に本明細書で提供されるのは、本明細書で開示される化合物若しくはその立体異性体又は上述のもののいずれかの塩を、薬学的に許容される担体と一緒に含む医薬組成物である。
【0069】
同様に本明細書で提供されるのは、CX3CR1媒介性疾患の処置の方法であって、それを必要とする対象に、治療上有効な量の、本明細書で開示される化合物若しくはその立体異性体又は上述のもののいずれかの塩を投与することを含む方法である。
【0070】
特定の実施形態では、この疾患は、癌、炎症性障害、疼痛、神経変性障害、認知障害及び精神障害から選択される。
【0071】
特定の実施形態では、この疾患は、アルツハイマー病である。
【0072】
同様に本明細書で提供されるのは、CX3CR1の調節の方法であって、CX3CR1を、本明細書で開示される化合物若しくはその立体異性体又は上述のもののいずれかの塩と接触させることを含む方法である。
【0073】
同様に本明細書で提供されるのは、本明細書で開示される化合物を製造する方法であって、以下で説明する手順及びこの手順の変形形態を含む方法である。
【0074】
式(I)の化合物は、式(II):
【化11】

(式中、nは、1~4であり、Aの意味は、上記で定義される通りである)
の化合物を、式(III)
【化12】

(式中、R、R、R及びRの意味は、上記で定義される通りである)
の化合物と反応させることによって調製され得る。
【0075】
式(II)の化合物と式(III)の化合物との反応は、反応不活性溶媒(例えば、CHCl、THF又はトルエン)中且つ適切なカップリング剤(例えば、CDI、HATU、PyBOP又はSOCl)及び適切な塩基(例えば、TEA又はDBU)の存在下で実行され得る。この反応を室温と反応混合物の還流温度との間の温度で簡便に実行し得、任意に、得られた式(I)の化合物をその付加塩に変換し、且つ/又はこの化合物の立体化学的異性体を調製する。
【0076】
式(III)の試薬は、当技術分野で既知である。
【0077】
式(II)の試薬のいずれも市販されているか、又は以下のスキームに従って調製され得る:
【化13】

(式中、nは、4であり、Aの意味は、上記で定義される通りである)
【化14】

(式中、nは、3であり、Aの意味は、上記で定義される通りである)。
【0078】
式(I)の化合物は、式(IX):
【化15】

(式中、nは、1~4であり、Aの意味は、上記で定義される通りであり、R、R及びRの意味は、上記で定義される通りである)
の化合物をLiAlH等の水素化物と反応させることによっても調製され得る。この反応は、例えば、室温においてTHF等の溶媒中で実行され得る。
【0079】
式(IX)の化合物は、以下の具体例で報告するようにも調製され得る。
【0080】
本明細書で開示される化合物は、当技術分野で既知の分割手順に従って互いに分離され得る鏡像異性体のラセミ混合物の形態で合成され得る。ラセミ体で得られる式(I)のこの化合物は、適切なキラル酸との反応により、対応するジアステレオマー塩の形態に変換され得る。その後、前記ジアステレオマー塩形態を例えば選択的結晶化又は分別結晶化により分離し、これからアルカリにより鏡像異性体が遊離される。式(I)の化合物の鏡像異性体を分離する代替方法は、キラル固定相を使用する液体クロマトグラフィーを含む。前記純粋な立体化学的異性体は、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体からも誘導され得るが、但し、この反応は、立体特異的に起こる。特定の立体異性体が所望される場合、前記化合物を立体特異的な調製方法により合成し得る。この方法は、鏡像異性的に純粋な出発物質を有利に用いるであろう。
【0081】
式(I)の化合物、その薬学的に許容される塩及び立体異性体は、薬理学的実施例で実証されるように、CX3CR1受容体アゴニズムを有する。式(I)の化合物を式(I)の他の化合物に変換するための当技術分野で既知の基変換反応の他の例は、以下である:カルボン酸エステルの対応するカルボン酸又はアルコールへの加水分解、アミドの対応するカルボン酸又はアミンへの加水分解、アルコールをエステル及びエーテルに変換し得ること、第1級アミンを第2級アミン又は第3級アミンに変換し得ること、二重結合を対応する単結合に水素化し得ること。出発物質及び中間体の一部は、既知の化合物であり、市販されているか、又は当技術分野で一般に既知の従来の反応手順に従って調製され得る。上記で説明されるプロセスで調製される式(I)の化合物は、当技術分野で既知の分割手順に従って互いに分離され得る鏡像異性体のラセミ混合物の形態で合成され得る。ラセミ体で得られる式(I)のこの化合物は、適切なキラル酸との反応により、対応するジアステレオマー塩の形態に変換され得る。その後、前記ジアステレオマー塩形態を例えば選択的結晶化又は分別結晶化により分離し、これからアルカリにより鏡像異性体が遊離される。式(I)の化合物の鏡像異性体を分離する代替方法は、キラル固定相を使用する液体クロマトグラフィーを含む。前記純粋な立体化学的異性体は、適切な出発物質の対応する純粋な立体化学的異性体からも誘導され得るが、但し、この反応は、立体特異的に起こる。特定の立体異性体が所望される場合、前記化合物を立体特異的な調製方法により合成する。この方法は、鏡像異性的に純粋な出発物質を有利に用いるであろう。式Iの化合物並びに本明細書で説明される出発物質及び/又は中間体の調製では、反応条件に敏感な特定の基を保護することが有用であり得る。本明細書で提供される化合物の調製で実行される反応及び保護する官能基に従う、任意の保護の有用性の評価及び適切な保護剤の選択は、当業者の一般的な知識に含まれる。この任意の保護基の除去を従来に技術に従って実行する。
【0082】
式Iの化合物の塩の調製を既知の方法に従って実行する。
【0083】
式(I)の本化合物(並びにその立体異性体及び/又はその塩)は、CX3CR1受容体(特にCX3CR1受容体アゴニスト活性)によって媒介される状態又は疾患の処置において有用である。さらに、本化合物(並びにその立体異性体及び/又はその塩)は、CX3CR1受容体活性(特にCX3CR1受容体アゴニスト活性)によって媒介される状態又は疾患の処置のための医薬品の製造に使用され得る。
【0084】
本開示は、状態又は疾患(例えば、CX3CR1受容体媒介性の状態又は疾患)の処置のための医薬品の製造のための、式(I)の化合物(並びにその立体異性体及び/又はその塩)の使用も提供する。
【0085】
定義
本明細書で使用される場合、以下の用語は、示した意味を有する。
【0086】
値の範囲が開示され、且つ「n...~n」又は「n...とnとの間」(ここで、n及びnは、数値である)という表記が使用される場合、別途指定されない限り、この表記は、これらの数値自体と、これらの数値間の範囲とを含むことが意図される。この範囲は、終了値間及び終了値を含む整数又は連続であり得る。例として、「2~6つの炭素原子」という範囲は、2、3、4、5及び6つの炭素を含むことが意図され、なぜなら、炭素は、整数単位で示されるからである。これに対して、例として、「1~3mL(ミリリットル)」という範囲は、1mL、3mL及びその間の任意の数の有効数字までの全て(例えば、1.255mL、2.1mL、2.9999mL等)を含むことが意図される。
【0087】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、この用語が修飾する数値を限定することを意図され、そのような値をある範囲内の変数として示す。データのグラフ又は表で示される許容誤差又は平均値に対する標準偏差等の範囲が列挙されない場合、「約」という用語は、列挙された値を包含するであろう範囲、及び有効数字を考慮してその桁が切り上げられるか又は切り下げられることにより含まれるであろう範囲、及び列挙された値±20%を包含するであろう範囲のより大きいものを意味すると理解すべきである。
【0088】
本明細書で使用される場合、「アゴニスト」という用語は、受容体と相互作用してこの受容体を活性化し、それによりこの受容体に特徴的な生理的反応又は薬理的反応を示す部分を指す。別途指定されない限り、アゴニストは、完全若しくは部分的であるか又はスーパーアゴニストであり得、選択的又は非選択的であり得、可逆的又は不可逆的であり得る。アゴニストは、標的タンパク質の活性部位に結合し得るか、又は標的部位とリガンドとの結合を変化させる別の部位(即ちアロステリック部位)に結合し得る。
【0089】
「アルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独で又は組み合わせにおいて、1~20の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖のアルキルラジカルを指す。特定の実施形態では、前記アルキルは、1~10の炭素原子を含む。さらなる実施形態では、前記アルキルは、1~8つの炭素原子を含む。アルキル基は、本明細書で定義されるように任意に置換され得る。アルキルラジカルの例として、以下が挙げられる:メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソ-アミル、ヘキシル、オクチル、ノイル及び同様のもの。「アルキレン」という用語は、本明細書で使用される場合、単独で又は組み合わせにおいて、2つ以上の位置で付着する直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素に由来する飽和脂肪族基(例えば、メチレン(-CH-))を指す。別途指定されない限り、「アルキル」という用語は、「アルキレン」基を含み得る。
【0090】
「アリール」という用語は、本明細書で使用される場合、単独で又は組み合わせにおいて、1、2又は3つの環を含む炭素環式芳香族系を意味し、そのような多環式環系は、互いに縮合されている。「アリール」という用語は、フェニル、ナフチル、アントラセニル及びフェナントリル等の芳香族基を包含する。
【0091】
「結合」という用語は、この結合により連結された原子がより大きい部分構造の一部とみなされる場合の2つの原子又は2つの部位間の共有結合的連結を指す。結合は、別途指定されない限り、一重、二重又は三重であり得る。分子の図中の2つの原子間の破線は、この位置においてさらなる結合が存在しても又はしなくてもよいことを示す。
【0092】
「シアノ」という用語は、本明細書で使用される場合、単独で又は組み合わせにおいて、-CNを指す。
【0093】
「シクロアルキル」又は代わりに「炭素環」という用語は、本明細書で使用される場合、単独で又は組み合わせにおいて、飽和の又は部分的に飽和の単環式、二環式又は三環式のアルキル基であって、各環部分は、3~12の炭素原子環員を含み且つ本明細書で定義されるように任意に置換されているベンゾ縮合環系で任意にあり得る、アルキル基を指す。特定の実施形態では、前記シクロアルキルは、5~7つの炭素原子を含む。そのようなシクロアルキル基の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、テトラヒドロナフチル、インダニル、オクタヒドロナフチル、2,3-ジヒドロ-1H-インデニル、アダマンチル及び同様のものが挙げられる。「二環式」及び「三環式」は、本明細書で使用される場合、縮合環系(例えば、デカヒドロナフタレン、オクタヒドロナフタレン)及び多環式(多中心)の飽和タイプ又は部分的飽和タイプの両方を含むことが意図される。後者のタイプの異性体の例は、一般に、ビシクロ[1,1,1]ペンタン、樟脳、アダマンタン及びビシクロ[3,2,1]オクタンである。
【0094】
「疾患」という用語は、本明細書で使用される場合、正常な機能を損ない、典型的には特徴的な兆候及び症状により現れ、且つヒト又は動物の生命の期間又は質の低下を引き起こす、ヒト若しくは動物の身体又はその一部の異常な状態を全てが反映するという意味で「障害」、「症候群」及び「状態」(病状)という用語と一般に同義であることが意図され且つ互換的に使用される。
【0095】
「エステル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独で又は組み合わせにおいて、炭素原子で連結されている2つの部分を架橋するカルボキシ基を指す。
【0096】
「エーテル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独で又は組み合わせにおいて、炭素原子で連結されている2つの部分を架橋するオキシ基を指す。
【0097】
「ハロ」、「ハロゲン」及び「ハロゲン化物」という用語は、本明細書で使用される場合、単独で又は組み合わせにおいて、互換的であり、且つフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を指す。
【0098】
「ハロアルコキシ」という用語は、本明細書で使用される場合、単独で又は組み合わせにおいて、酸素原子を介して親分子部分に付着しているハロアルキル基を指す。
【0099】
「ハロアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独で又は組み合わせにおいて、上記で定義される意味を有するアルキルラジカルであって、1つ又は複数の水素がハロゲンに置き換えられている、アルキルラジカルを指す。具体的に包含されるのは、モノハロアルキルラジカル、ジハロアルキルラジカル及びポリハロアルキルラジカルである。モノハロアルキルラジカルは、一例として、このラジカル内にヨード、ブロモ、クロロ又はフルオロ原子を有し得る。ジハロアルキルラジカル及びポリハロアルキルラジカルは、同一のハロ原子の2つ以上を有し得るか、又は異なるハロラジカルの組み合わせを有し得る。ハロアルキルラジカルの例として、以下が挙げられる:フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ジフルオロクロロメチル、ジクロロフルオロメチル、ジフルオロエチル、ジフルオロプロピル、ジクロロエチル及びジクロロプロピル。「ハロアルキレン」は、2つ以上の部位で付着しているハロアルキル基を指す。例として、フルオロメチレン(-CFH-)、ジフルオロメチレン(-CF-)、クロロメチレン(-CHCl-)及び同様のものが挙げられる。
【0100】
「ヘテロアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独で又は組み合わせにおいて、安定した数の炭素原子と、N、O及びS(N原子及びS原子は、任意に酸化され得、Nヘテロ原子は、任意に四級化され得る)から選択される1~3つのヘテロ原子とからなる、完全飽和の又は不飽和度が1~3度の安定した直鎖若しくは分枝鎖又はこれらの組み合わせを指す。ヘテロアルキル基の任意の内部位置にヘテロ原子を配置し得る。最大2つのヘテロ原子が連続し得る(例えば、-CH-NH-OCH)。
【0101】
「ヘテロアリール」という用語は、本明細書で使用される場合、単独で又は組み合わせにおいて、3~15員の不飽和複素単環式環又は縮合環の少なくとも1つが芳香族である縮合した単環式、二環式若しくは三環式の環系であって、N、O及びSから選択される少なくとも1つの原子を含む環系を指す。特定の実施形態では、前記ヘテロアリールは、環員として1~4つのヘテロ原子を含む。さらなる実施形態では、前記ヘテロアリールは、環員として1~2つのヘテロ原子を含む。特定の実施形態では、前記ヘテロアリールは、5~7つの原子を含む。この用語は、縮合した多環基であって、複素環がアリール環と縮合されているか、ヘテロアリール環が他のヘテロアリール環と縮合されているか、ヘテロアリール環がヘテロシリクロアルキル環と縮合されているか、又はヘテロアリール環がシクロアルキル環と縮合されている、多環基も包含する。ヘテロアリール基の例として、以下が挙げられる:ピロリル、ピロリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアゾリル、ピラニル、フリル、チエニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンズイミダゾリル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニル、キナゾリニル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾピラニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾロピリダジニル、テトラヒドロイソキノリニル、チエノピリジニル、フロピリジニル、ピロロピリジニル及び同様のもの。例示的な三環式複素環基として、カルバゾリル、ベンジドリル、フェナントロリニル、ジベンゾフラニル、アクリジニル、フェナントリジニル、キサンテニル及び同様のものが挙げられる。
【0102】
「ヘテロシクロアルキル」及び互換可能な「複素環」という用語は、本明細書で使用される場合、単独で又は組み合わせにおいて、それぞれ環員として少なくとも1つのヘテロ原子(それぞれの前記ヘテロ原子は、独立して、窒素、酸素及び硫黄から選択され得る)を含む、飽和の、部分的に不飽和の又は完全に不飽和(しかし、非芳香族)の単環式、二環式又は三環式の複素環基を指す。特定の実施形態では、前記ヘテロシクロアルキルは、環員として1~4つのヘテロ原子を含む。さらなる実施形態では、前記ヘテロシクロアルキルは、環員として1~2つのヘテロ原子を含む。特定の実施形態では、前記ヘテロシクロアルキルは、各環中で3~8つの環員を含む。さらなる実施形態では、前記ヘテロシクロアルキルは、各環中で3~7つの環員を含む。さらなる実施形態では、前記ヘテロシクロアルキルは、各環中で5~6つの環員を含む。「ヘテロシクロアルキル」及び「複素環」は、スルホン、スルホキシド、第3級窒素環員のN-オキシド並びに炭素環縮合環系及びベンゾ縮合環系を含むことが意図され、加えて、両方の用語とも、複素環が本明細書で定義されるアリール基又はさらなる複素環基に縮合されている系も含む。複素環基の例として、以下が挙げられる:アジリジニル、アゼチジニル、1,3-ベンゾジオキソリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロイソキノリニル、ジヒドロシノリニル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ジヒドロ[1,3]オキサゾロ[4,5-b]ピリジニル、ベンゾチアゾリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロピリジニル、1,3-ジオキサニル、1,4-ジオキサニル、1,3-ジオキソラニル、イソインドリニル、モルホリニル、ピペラジニル、ピロリジニル、テトラヒドロピリジニル、ピペリジニル、チオモルホリニル及び同様のもの。複素環基は、特に禁止されない限り、任意に置換され得る。
【0103】
「ヒドロキシ」とう用語は、本明細書で使用される場合、単独で又は組み合わせにおいて、-OHを指す。
【0104】
「ヒドロキシアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独で又は組み合わせにおいて、アルキル基を介して親分子部分に付着しているヒドロキシ基を指す。
【0105】
「パーハロアルコキシ」という用語は、全ての水素原子がハロゲン原子に置き換えられているアルコキシ基を指す。パーハロアルキルの一例は、トリフルオロメチルとも称されるパーハロメチルである。
【0106】
「患者」という用語は、「対象」という用語と一般に同義であり、ヒト等の全ての哺乳類を含む。患者の例として、ヒト、家畜(例えば、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタ及びウサギ)並びにコンパニオン動物(例えば、イヌ、ネコ、ウサギ及びウマ)が挙げられる。好ましくは、患者は、ヒトである。
【0107】
「パーハロアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、単独で又は組み合わせにおいて、全ての水素原子がハロゲン原子に置き換えられているアルキル基を指す。
【0108】
「立体化学的異性体」という用語は、上記で使用される場合、式(I)の化合物が有し得る全ての可能な異性体を定義する。別途言及されないか又は指示されない限り、化合物の化学的名称は、全ての可能な立体化学的異性体の混合物を示し、前記混合物は、基本分子構造の全てのジアステレオマー及び鏡像異性体を含む。不斉中心は、R立体配置又はS立体配置を有し得、2価の環の(部分的に)飽和したラジカル上の置換基は、シス立体配置又はトランス立体配置のいずれかを有し得る。式(I)の化合物の立体化学的異性体は、本開示の範囲に包含されることが意図される。式(I)の化合物及びその調製で使用される中間体の絶対的な立体化学的配置は、例えば、X線回折等の公知の方法を使用しつつ当業者により容易に決定され得る。
【0109】
「治療上有効な」という表現は、疾患若しくは障害の処置で使用されるか又は臨床エンドポイントの効果に対して使用される有効成分の量を限定することが意図される。
【0110】
「治療上許容される」という用語は、過度の毒性、刺激及びアレルギー反応を起こすことなく患者の組織との接触での使用に適しており、妥当なベネフィット/リスク比に見合っており、且つ意図された使用に対して有効である化合物(又は塩、プロヅラッグ、互変異性体、双性イオン形態等)を指す。
【0111】
本明細書で使用される場合、「処置すること」、「処置」及び同様のものは、疾患を、その原因、その進行、その重症度又はその症状の1つ又は複数を軽減するか、寛解させるか、又は除去するように寛解させるか、又は他の方法で対象の疾患を有益に変化させるように寛解させることを意味する。特定の実施形態では、疾患を発症するリスクがあるか、又は疾患がより悪い状態に進行するリスクがある対象を「処置すること」又はその「処置」への言及は、予防を含むことが意図される。疾患の予防は、例えば、病原体による感染の予防の場合のような疾患からの完全な保護を含み得るか、又は疾患の進行(例えば、前糖尿病から糖尿病への進行)の予防を含み得る。例えば、疾患の予防は、この疾患に関連するあらゆる影響を任意のレベルで完全に抑えることを意味し得ないが、疾患の症状を臨床的に有意なレベル又は検出可能なレベルまで予防することを意味し得る。疾患の予防は、疾患のこの疾患の後期への進行の予防も意味し得る。
【0112】
さらに、式(I)のいくつかの化合物及びこの化合物の調製で使用される中間体の一部は、多形性を示し得る。本開示は、上記で述べた状態の処置で有用な特性を有するあらゆる多形体を包含することを理解しなければならない。
【0113】
上述した薬学的に許容される塩は、式(I)の化合物が形成し得る治療上活性な非毒性の酸付加塩形態を含むことを意味する。この薬学的に許容される酸付加塩は、塩基形態をそのような適切な酸で処理することにより簡便に得ることができる。適切な酸は、例えば、以下を含む:無機酸、例えばハロゲン化水素酸、例えば塩酸又は臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸及び同様のもの;又は有機酸、例えば酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(即ちエタン二酸)、マロン酸、コハク酸(即ちブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクラミン酸、サリチル酸、p-アミノサリチル酸、パモ酸及び同様の酸。
【0114】
逆に、前記塩形態は、適切な塩基の処理により遊離塩基形態に変換され得る。式(I)の化合物は、非溶媒和形態及び溶媒和形態の両方で存在し得る。「溶媒和物」という用語は、本明細書では、本明細書で開示される化合物と、1つ又は複数の薬学的に許容される溶媒分子(例えば、水又はエタノール)とを含む分子集合を説明するために使用される。「水和物」という用語は、前記溶媒が水である場合に使用される。
【0115】
医薬組成物
加えて、本明細書では、少なくとも1つの薬学的に許容される担体と、治療上有効な量の式(I)の化合物(並びにその立体異性体及び/又はその塩)とを含む医薬組成物/製剤が提供される。本明細書で提供される化合物(並びにその立体異性体及び/又はその塩)の医薬組成物を調製するために、有効成分としての化合物(任意に塩基又は酸付加塩形態(又はその立体異性体))(典型的には、単独で投与される場合、治療上有効な量の化合物)を少なくとも1つの薬学的に許容される担体と組み合わせ、この担体は、投与に望ましい調製物の形態に応じて様々な形態を取り得る。この医薬組成物は、経口投与、直腸投与、経皮投与又は非経口注射に適した単位剤形であり得る。
【0116】
適切な製剤は、選択された投与経路に依存する。公知の技術、担体及び添加剤のいずれも、適切に且つ当技術分野(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences)で理解されているように使用され得る。本明細書で開示される医薬組成物は、当技術分野で既知の任意の方法により製造され得、例えば従来の混合、溶解、造粒、糖衣錠製造、湿式粉砕、乳化、カプセル化、封入又は圧縮のプロセスにより製造され得る。
【0117】
製剤として、経口、非経口(例えば、皮下、皮内、筋肉内、静脈内、関節内及び髄内)、腹腔内、経粘膜、経皮、直腸並びに局所(例えば、皮膚、頬、舌下、眼内)投与に適したものが挙げられるが、最も好適な経路は、例えば、レシピエントの状態及び障害に依存し得る。製剤を単位剤形で簡便に提示し得、薬学の分野で公知の方法のいずれかにより調製し得る。典型的には、この方法は、本開示の主題の化合物又はその塩若しくは立体異性体(「有効成分」)と、1つ又は複数の副成分を構成する担体とを会合させる工程を含む。一般に、製剤は、有効成分と、液体担体若しくは細かく分割された固体担体又はその両方とを均一且つ密接に会合させ、次いで必要に応じて生成物を所望の製剤に成形することにより調製される。
【0118】
本明細書で説明される化合物(並びにその立体異性体及び/又はその塩)は、以下のように投与され得る。
【0119】
経口投与
この化合物(並びにその立体異性体及び/又はその塩)は、この化合物が消化管に入るように経口投与(例えば、嚥下)され得るか、又はこの化合物が口から直接血流に吸収されるように経口投与(例えば、舌下投与又は頬側投与)され得る。
【0120】
経口投与に適した組成物として、液体、ゲル、粉末又は顆粒を含み得る固体製剤(例えば、錠剤、丸剤、カシェ剤、ロゼンジ剤及び硬質又は軟質のカプセル剤)が挙げられる。
【0121】
錠剤又はカプセル剤の剤形では、存在する薬物の量は、この剤形の約0.05重量%~約95重量%であり得、より典型的には約2重量%~約50重量%であり得る。
【0122】
加えて、錠剤又はカプセル剤は、崩壊剤を含み得、この崩壊剤は、この剤形の約0.5重量%~約35重量%を構成し、より典型的には約2重量%~約25重量%を構成する。崩壊剤の例として以下が挙げられる:メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース又はカルシウムカルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン及び同様のもの。
【0123】
錠剤での使用に適した結合剤として、ゼラチン、ポリエチレングリコール、糖類、ガム、デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース及び同様のものが挙げられる。錠剤での使用に適した希釈剤として、マンニトール、キシリトール、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール及びデンプンが挙げられる。
【0124】
錠剤又はカプセル剤での使用に適した表面活性剤及び滑剤は、約0.1重量%~約3重量%の量で存在し得、これらの例として、ポリソルベート80、ドデシル硫酸ナトリウム、タルク及び二酸化ケイ素が挙げられる。
【0125】
錠剤又はカプセル剤での使用に適した潤滑剤は、約0.1重量%~約5重量%の量で存在し得、この潤滑剤として、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛又はステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム及び同様のものが挙げられる。
【0126】
錠剤は、任意に1つ又は複数の副成分と共に圧縮又は成型することにより製造され得る。圧縮錠剤は、任意に結合剤、不活性希釈剤若しくは潤滑剤、表面活性剤又は分散剤と混合された粉末又は顆粒等の流動性形態の有効成分を適切な機械で圧縮することにより調製され得る。成型錠剤は、液体希釈剤で湿らせた粉末状の化合物の混合物を適切な機械で成型することにより製造され得る。識別のため又は有効化合物の用量の様々な組み合わせを特徴付けるために、錠剤に色素又は顔料を添加し得る。
【0127】
液体製剤として、乳剤、液剤、シロップ剤、エリキシル剤及び懸濁剤が挙げられ得、これらを軟質又は硬質のカプセルに入れて使用し得る。そのような製剤は、薬学的に許容される担体を含み得、例えば水、エタノール、ポリエチレングリコール、セルロース又は油を含み得る。この製剤は、1つ又は複数の乳化剤及び/又は懸濁剤も含み得る。
【0128】
経口投与のための組成物は、任意に腸溶コーティングにより即時放出又は調節放出(例えば、遅延放出又は持続放出)として製剤化され得る。
【0129】
別の実施形態では、医薬組成物は、治療上有効な量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される担体とを含む。
【0130】
非経口投与
化合物(並びにその立体異性体及び/又はその塩)は、注射(例えば、ボーラス注射)又は持続注入により、血流、筋肉又は内臓に直接投与され得る。非経口投与に適した手段として、静脈内投与、筋肉内投与、皮下投与、動脈内投与、腹腔内投与、髄腔内投与、頭蓋内投与及び同様のものが挙げられる。非経口投与に適したデバイスとして、注射器(例えば、有針注射器及び無針注射器)並びに注入方法が挙げられる。製剤は、単位用量用又は複数回用量のための容器(例えば、密封されたアンプル及びバイアル)で提示され得る。
【0131】
ほとんどの非経口製剤は、添加剤を含む水溶液であり、この添加剤として、塩類、緩衝液、懸濁剤、安定化剤及び/又は分散剤、抗酸化剤、静菌剤、防腐剤及びこの製剤を意図したレシピエントの血液と等張にする溶質及び炭水化物が挙げられる。
【0132】
非経口製剤は、脱水形態(例えば、凍結乾燥による脱水形態)で調製するか、又は無菌非水溶液として調製することもできる。この製剤を無菌水等の適切なビヒクルと共に使用し得る。非経口溶液の調製では、溶解性増強剤も使用し得る。
【0133】
非経口投与のための組成物は、即時放出又は調節放出(例えば、遅延放出又は持続放出)として製剤化され得る。化合物は、デポ剤としても製剤化され得る。そのような長期作用製剤は、移植(例えば、皮下若しくは筋肉内)又は筋肉内注射により投与され得る。そのため、例えば、この化合物は、(例えば、許容される油中の乳剤として)適切な高分子材料若しくは疎水性材料又はイオン交換樹脂により製剤化され得るか、又は例えば難溶性塩として難溶性誘導体として製剤化され得る。
【0134】
局所投与
化合物(並びにその立体異性体及び/又はその塩)は、(例えば、皮膚、粘膜、耳、鼻又は目に)局所投与又は経皮投与され得る。局所投与のための製剤として、ローション剤、液剤、クリーム剤、ゲル剤、ヒドロゲル剤、軟膏、フォーム剤、インプラント、パッチ及び同様のものが挙げられ得るが、これらに限定されない。局所投与製剤のために薬学的に許容される担体として、水、アルコール、鉱油、グリセリン、ポリエチレングリコール及び同様のものが挙げられ得る。局所投与は、例えば、エレクトロポレーション、イオン泳動、フォノフォレシス及び同様のものによっても実施することができる。
【0135】
典型的には、局所投与のための有効成分は、この製剤の0.001w/w%~10w/w%(重量%)を構成し得る。特定の実施形態では、有効成分は、製剤のほぼ10w/w%、5w/w%未満、2w/w%~5w/w%又は0.1w/w~1w/w%を構成し得る。
【0136】
局所投与のための組成物は、即時放出又は調節放出(例えば、遅延放出又は持続放出)として製剤化され得る。
【0137】
直腸投与、頬側投与及び舌下投与
化合物(並びにその立体異性体及び/又はその塩)の直腸投与のための座薬は、有効成分と、常温で固体であるが、直腸温度で液体であり、従って直腸内で融解して薬物を放出する適切な非刺激性添加剤(例えば、ココアバター、合成モノ、ジ若しくはトリグリセリド、脂肪酸又はポリエチレングリコール)とを混合することにより調製され得る。
【0138】
頬側投与又は舌下投与の場合、本組成物は、従来の方法で製剤化された錠剤、ロゼンジ剤、トローチ剤又はゲル剤の形態を取り得る。そのような組成物は、スクロース及びアカシア又はトラガント等の香味基剤中に有効成分を含み得る。
【0139】
吸入による投与
吸入による投与の場合、化合物は、吸入器、ネブライザー加圧パック若しくはエアロゾル噴霧又は粉末を送達するのに便利な他の手段から簡便に送達され得る。加圧パックは、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素又は他の適切なガス等の適切な噴霧剤を含み得る。加圧エアロゾルの場合、計量された量を送達するためのバルブを設けることにより、投与量単位が決定され得る。代わりに、吸入又は送気による投与のために、本開示に係る化合物は、乾燥粉末組成物の形態を取り得、例えばこの化合物と適切な粉末基剤(例えば、ラクトース又はデンプン)との粉末ミックスの形態を取り得る。この粉末組成物は、単位剤形(例えば、カプセル、カートリッジ、ゼラチン又はブリスターパック)で提示され得、この単位剤形から吸入又は送気の補助を用いて粉末を投与し得る。
【0140】
医薬分野で既知の他の担体材料及び投与形態も使用し得る。本明細書で説明される医薬組成物は、有効な製剤化手順及び投与手順等の薬学の公知の技術のいずれかにより調製され得る。好ましい単位投与量製剤は、有効成分の本明細書で列挙される有効用量又はその適切な一部を含むものである。患者に投与される化合物の正確な量は、付き添い医師の責任である。任意の特定の患者に関する具体的な用量レベルは、様々な要因(例えば、採用される具体的な化合物の活性、年齢、体重、全体的な健康、性別、食事、投与時間、投与経路、排出率、薬剤の組み合わせ、処置される正確な障害並びに処置される徴候又は状態の重症度)に依存する。加えて、投与経路は、状態及びその重症度に応じて異なり得る。
【0141】
本明細書では、少なくとも1つの薬学的に許容される担体と、治療上有効な量の式(I)の化合物とを含むさらなる医薬組成物/製剤が提供される。
【0142】
本明細書で提供される化合物の医薬組成物を調製するために、有効量の、有効成分としての特定の化合物(任意に塩基又は酸付加塩形態)と、少なくとも1つの薬学的に許容される担体とが組み合わされ、この担体は、投与に望ましい調製物の形態に応じて様々な形態を取り得る。この医薬組成物は、経口投与、直腸投与、経皮投与又は非経口注射に適した単位剤形であり得る。
【0143】
例えば、経口投与形態の組成物の調製では、通常の液体医薬担体のいずれかが採用され得、例えば経口液体調製物(例えば、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤及び液剤)の場合、水、グリセロール、油、アルコール及び同様のものが採用され得、散剤、丸剤、カプセル剤及び錠剤の場合、固体医薬担体(例えば、デンプン、糖類、カオリン、潤滑剤、結合剤、崩壊剤及び同様のもの)が採用され得る。投与が容易であることから、錠剤及びカプセル剤が最も有利な経口投与量単位形態であり、この場合、明らかに固体医薬担体が採用される。非経口注射用組成物の場合、医薬担体は、無菌水を主に含むが、有効成分の溶解性を改善するために他の成分が含まれ得る。
【0144】
注射用溶液は、例えば、生理食塩水、グルコース溶液又は両方の混合物を含む医薬担体を使用することにより調製され得る。注射用懸濁液も、適切な液体担体、懸濁剤及び同様のものを使用することにより調製され得る。経皮投与に適した組成物では、医薬担体は、皮膚に重大な有害作用を引き起こさない適切な添加剤の小さい割合と任意に組み合わせて、浸透増強剤及び/又は適切な湿潤剤を任意に含み得る。前記添加剤は、皮膚への有効成分の投与を容易にするために選択され得、且つ/又は所望の組成物の調製に役立つように選択され得る。これらの局所用組成物は、様々な方法で投与され得、例えば経皮パッチ、スポットオン又は軟膏として投与され得る。式(I)の化合物の付加塩は、その対応する塩基形態を超える水溶性の増加に起因して水性組成物の調製で明らかにより好適である。
【0145】
投与の容易さ及び投与量の均一性のために、本明細書で開示される化合物の医薬組成物を投与量単位形態で製剤化することが特に有利である。
【0146】
「投与量単位形態」は、本明細書で使用される場合、単位投与量として適した物理的に個別の単位を指し、各単位は、必要な医薬担体と併せて所望の治療効果を生じるように算出された所定量の有効成分を含む。そのような投与量単位形態の例は、錠剤(分割錠剤又はコーティング錠剤を含む)、カプセル、丸剤、粉末パケット、ウエハ、注射のための溶液又は懸濁液、小さじ1杯、大さじ1杯及び同様のもの並びにこれらの分別された複数のものである。
【0147】
経口投与の場合、本明細書で開示される化合物の医薬組成物は、固体用量形態を取り得、例えば錠剤(嚥下可能な形態及びチュアブル形態の両方)、カプセル剤又はジェルキャップ剤の形態を取り得、これらは、薬学的に許容される添加剤及び担体(例えば、結合剤(例えば、プレゼラチン化トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及び同様のもの)、充填剤(例えば、ラクトース、微結晶セルロース、リン酸カルシウム及び同様のもの)、潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、テール、シリカ及び同様のもの)、崩壊剤(例えば、ジャガイモデンプン、デンプングリコース酸ナトリウム及び同様のもの)、湿潤剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)並びに同様のもの)と共に従来の手段により調製される。そのような錠剤は、当技術分野で公知の方法によってもコーティングされ得る。
【0148】
経口投与のための液体調製物は、例えば、溶液、シロップ若しくは懸濁液の形態を取り得るか、又は使用前に水及び/若しくは別の適切な液体担体との混合のための乾燥製品と製剤化され得る。そのような液体調製物は、従来の手段により、任意に他の薬学的に許容される添加剤と共に調製され得、例えば懸濁剤(例えば、ソルビトールシロップ、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース又は水素化食用脂)、乳化剤(例えば、レシチン又はアカシア)、非水性担体(例えば、アーモンド油、油性エステル又はエチルアルコール)、甘味料、香料、マスキング剤及び防腐剤(例えば、p-ヒドロキシ安息香酸メチル若しくはp-ヒドロキシ安息香酸プロピル又はソルビン酸)と共に調製され得る。
【0149】
本開示の医薬組成物で有用な薬学的に許容される甘味料は、少なくとも1つの強い甘味料(例えば、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、シクラミン酸ナトリウム、アリターン、ジヒドロカルコン甘味料、モネリン、ステビオシドスクラロース(4,1’,6’-トリクロロ-4,1’,6’-トリデオキシガラクトスクロース)又はサッカリン、サッカリンナトリウム若しくはサッカリンカルシウム)と、任意の少なくとも1つのバルク甘味料(例えば、ソルビトール、マンニトール、フルクトース、スクロース、マルトース、イソマルト、グルコース、水素化グルコースシロップ、キシリトール、カラメル又は蜂蜜)とを含む。強い甘味料は、好都合には低濃度で使用される。例えば、サッカリンナトリウムの場合、前記濃度は、最終製剤の約0.04%~0.1%(重量/体積)の範囲であり得る。バルク甘味料は、約10%~約35%、例えば約10%~約15%(重量/体重)の範囲のより大きい濃度で効果的に使用され得る。低投与量製剤中の苦味成分をマスクし得る薬学的に許容される香料は、フルーツ香料(例えば、サクランボ香料、キイチゴ香料、カシス香料又はイチゴ香料)を含む。2つの香料の組み合わせにより、非常に良好な結果を得ることができる。高投与量製剤では、キャラメルチョコレート、ミントクール、ファンタジー及び同様のもの等のより強い薬学的に許容される香料が必要となる場合がある。
【0150】
各香料は、約0.05%~1%(重量/体積)の範囲の濃度で最終組成物中に存在し得る。前記強い香料の組み合わせが有利に使用される。一部の実施形態では、製剤の状況下で味及び/又は色のいかなる変化又は消失もない香料が使用される。
【0151】
式(I)の化合物は、注射(好都合には静脈内注射、筋肉内注射若しくは皮下注射、例えばボーラス注射)又は連続静脈内注入による非経口投与のために製剤化され得る。注射のための製剤は、防腐剤が添加された単位剤形(例えば、アンプル又はマルチ用量容器)で提示され得る。これは、油性又は水性のビヒクル中の懸濁液、溶液又は乳濁液等の形態を取り得、且つ等張化剤、懸濁剤、安定化剤及び/又は分散剤等の製剤化剤を含み得る。代わりに、有効成分は、使用前に適切なビヒクル(例えば、無菌パイロジェンフリー水)と混合するための粉末形態で提示され得る。
【0152】
式(I)の化合物は、例えば、従来の座薬基剤(例えば、ココアバター及び/又は他のグリセリド)を含む座薬又は保持浣腸等の直腸用組成物にも配合され得る。
【0153】
リガンド依存性イオンチャネルの媒介に関連する疾患の処置の当業者は、以下に示す試験結果から、式(I)の化合物の治療上有効な量を容易に決定する。一般に、治療上有効な用量は、約0.001mg/kg~約50mg/kg体重であり、例えば約0.01mg/kg~約10mg/kg処置される患者の体重である。1日を通した適切な間隔での2回以上の副用量の形態で治療上有効な用量を投与することが適切であり得る。前記副用量は、単位剤形であって、例えばそれぞれ1つの単位剤形当たり約0.1mg~約1000mgの有効成分を含み、より具体的には約1~約500mgの有効成分を含む単位剤形として製剤化され得る。
【0154】
本明細書で使用される場合、化合物の「治療上有効な量」とは、個体又は動物に投与された場合、この個体又は動物中におけるこの化合物のレベルが、識別可能なGPR120受容体調節反応を引き起こすのに十分に高くなる、この化合物の量である。
【0155】
正確な投与量及び投与頻度は、当業者に公知であるように、使用される式(I)の特定の化合物、処置される特定の状態、処置される状態の重症度、特定の患者の年齢、体重及び全身の健康状態並びにこの患者が服用している可能性がある他の医薬品によって決まる。さらに、処置される患者の反応に応じて、且つ/又は本明細書で説明される化合物(並びにその立体異性体及び/又はその塩)を処方する医師の評価に応じて、前記「治療上有効な量」を増減し得る。従って、上記の有効な1日当たりの量の範囲は、目安にすぎない。
【0156】
適応症及び処置方法
同様に本明細書で提供されるのは、CX3CR1媒介性障害の処置を、そのような処置を必要とするヒト対象又は動物対象において行う方法であって、前記対象に、この対象の前記障害を軽減又は予防するのに有効な量の、本明細書で開示される化合物の量を単独で投与するか、又は当技術分野で既知である、前記障害の処置のための少なくとも1つの追加の薬剤と組み合わせて投与することを含む方法である。特定の実施形態は、本明細書で開示される少なくとも1つの化合物を、CX3CR1媒介性障害の処置ための1つ又は複数の追加の薬剤との任意の組み合わせで含む治療用組成物を提供する。
【0157】
同様に本明細書で提供されるのは、医薬品としての式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用、CX3CR1媒介性疾患の処置における式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用、CX3CR1媒介性疾患の処置のための医薬品の製造における式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩の使用及びCX3CR1媒介性疾患の処置の方法であって、式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法である。さらに本明細書で提供されるのは、哺乳類対象におけるCX3CR1活性によって媒介される疾患の処置の方法であって、治療上有効な量の式(I)の化合物又はその薬学的に許容される塩を投与することを含む方法である。
【0158】
CX3CR1媒介性疾患として、癌等の増殖性障害、炎症性障害、疼痛、神経変性障害、認知障害及び精神障害並びに以下で開示する他の疾患が挙げられる。
【0159】
本明細書で開示される化合物は、以下の処置に有用である:様々な起源の神経変性障害、例えばアルツハイマー病及び他の痴呆状態、例えばレビー小体病、前頭側頭型認知症及び他のタウオパチー;筋萎縮性側索硬化症、多発性硬化症、パーキンソン病及び他のパーキンソン症候群;HIV誘発型神経炎症;本態性振戦;他の脊髄小脳変性症及び神経障害、例えばシャルコー・マリー・トゥース神経障害。本明細書で開示される化合物は、神経学的状態、例えばてんかん、例えば単純部分発作、複雑部分発作、二次性全般化発作、さらに例えば欠神発作、ミオクローヌス発作、間代性てんかん発作、強直性発作、強直間代発作及び脱力発作の処置にも有用であり、且つてんかん重積(SE)の予防及び処置にも有用である。
【0160】
本明細書で開示される化合物は、認知障害及び精神障害の処置にも有用である。精神障害として以下が挙げられるが、これらに限定されない:大うつ病、気分変調症、躁病、双極性障害(例えば、I型双極性障害、II型双極性障害)、気分循環性障害、急速循環、超概日性循環、躁病、軽躁病、統合失調症、統合失調症様障害、統合失調感情障害、パーソナリティ障害、過活動挙動を伴うか又は伴わない注意障害、妄想性障害、短期精神障害、共有精神病性障害、全身の健康状態に起因する精神障害、物質誘発性の精神障害又は特定不能の精神障害、不安症、例えば全般性不安障害、パニック症、心的外傷後ストレス障害、衝動制御障害、恐怖症、解離状態、加えて、煙、薬物中毒及びアルコール中毒症。特に、双極性障害、精神病、不安及び嗜癖である。
【0161】
本明細書で開示される化合物は、HIV感染により誘発される神経炎症及びCNS損傷並びにHIV関連神経認知欠損の予防又は処置で有用である。本明細書で開示される化合物は、神経障害性疼痛の予防又は処置で有用である。神経障害性疼痛症候群として以下が挙げられるが、これらに限定されない:化学療法誘発性末梢神経障害、糖尿病性神経障害;坐骨神経痛;非特異的腰痛;多発性硬化症痛;線維筋痛症;HIV関連神経障害;神経痛、例えば帯状疱疹後神経痛及び三叉神経痛、モートン神経痛、灼熱痛;並びに身体外傷、切断、幻肢、癌、毒素又は慢性炎症状態により生じる疼痛;中枢痛、例えば視床症候群、混合中枢及び中枢痛で観察されるもの、例えば反射性交感神経性ジストロフィーとも称される複合性局所疼痛症候群(CRPS)。
【0162】
本明細書で開示される化合物は、慢性疼痛等の疼痛の処置にも有用である。慢性疼痛として以下が挙げられるが、これらに限定されない:炎症又は炎症関連疾患により引き起こされる慢性疼痛、変形性関節症、関節リウマチ、急性損傷又は外傷、上背痛又は下背痛(神経根症等の系統的、局所的又は原性脊椎疾患に起因する)、骨痛(変形性関節症、骨粗鬆症、骨転移又は原因不明に起因する)、骨盤痛、脊髄損傷に伴う疼痛、心臓性胸痛、非心臓性胸痛、中枢性脳卒中後疼痛、筋膜性疼痛、鎌状赤血球痛、癌性疼痛、ファブリー病、エイズ性疼痛、老人性疼痛又は頭痛、顎関節症候群、痛風、線維症又は胸郭出口症候群、特に関節リウマチ及び変形性関節症により引き起こされる疼痛。
【0163】
本明細書で開示される化合物は、以下の処置でも有用である:急性損傷により引き起こされる急性疼痛、病気、スポーツ医学的損傷、手根管症候群、火傷、筋骨格の捻挫及び緊張、筋腱の緊張、頚腕痛症候群、消化不良、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、月経困難症、子宮内膜症又は手術(例えば、心臓切開若しくはバイパス手術)、術後疼痛、腎臓結石痛、胆嚢痛、胆石痛、産科痛又は歯科痛。
【0164】
本明細書で開示される化合物は、以下の処置でも有用である:頭痛、例えば偏頭痛、緊張型頭痛、変容性片頭痛又は進化型頭痛、群発頭痛並びに二次性頭痛、例えば感染、代謝障害又は他の全身疾患に由来するもの並びに上述した一次性頭痛及び二次性頭痛の増悪に起因する他の急性頭痛、発作性片側頭痛及び同様のもの。
【0165】
本明細書で開示される化合物は、以下の処置でも有用である:疾患、例えばめまい、耳鳴り、筋痙攣並びに他の障害、例えば、限定されないが、循環器疾患(例えば、不整脈、心筋梗塞又は狭心症、高血圧、心筋虚血、脳虚血)、内分泌障害(例えば、先端巨大症又は尿崩症)、障害の病態生理が内因性物質(例えば、カテコールアミン、ホルモン又は成長因子)の過剰又は分泌過剰又は他の点で不適切な細胞分泌を伴う疾患。
【0166】
本明細書で開示される化合物は、肝臓疾患の選択的処置でも有用であり、例えば炎症性肝疾患、例えば慢性ウイルス性B型肝炎、慢性ウイルス性C型肝炎、アルコール性肝障害、原発性胆汁性肝硬変、自己免疫性肝炎、肝線維症、非アルコール性脂肪性肝炎及び肝臓移植片反応の選択的処置でも有用である。
【0167】
本明細書で開示される化合物は、全ての身体系に影響を及ぼす炎症プロセスを阻害する。従って、筋肉-骨格系の炎症プロセスの処置で有用であり、以下は、その例のリストであるが、全ての標的障害を網羅するわけではない:関節炎状態、例えば強直性脊椎炎、頸部関節炎、線維筋痛症、痛風、若年性関節リウマチ、腰仙関節炎、骨関節炎、骨粗鬆症、乾癬性関節炎、リウマチ性疾患;皮膚及び関連組織に影響を及ぼす以下の障害:湿疹、乾癬、皮膚炎及び日焼け等の炎症状態;呼吸器系の以下の障害:喘息、アレルギー性鼻炎及び呼吸困難症候群、炎症が関与する肺疾患、例えば喘息及び気管支炎;慢性閉塞性肺疾患、免疫及び内分泌系の以下の障害:結節性関節周囲炎、甲状腺炎、再生不良性貧血、強皮症、重症筋無力症、多発性硬化症並びに他の脱髄障害、脳脊髄炎、サルコイドーシス、腎炎症候群、ベシェ症候群、多発性筋炎、歯肉炎。
【0168】
本明細書で開示される化合物は、胃腸(GI)管障害、例えば炎症性腸障害(IBD)、例えば、限定されないが、潰瘍性大腸炎、クローン病、回腸炎、直腸炎、セリアック病、腸疾患、顕微鏡的大腸炎又はコラーゲン性大腸炎、好酸球性胃腸炎又は直腸結腸切除術及び回腸吻合術後に生じる回腸嚢炎並びに過敏性腸症候群、例えば腹痛/腹部不快感に関連するあらゆる障害、例えば幽門痙攣、神経性消化不良、痙攣性結腸、痙攣性大腸炎、痙攣性腸、腸神経症、機能性大腸炎、粘液性大腸炎、緩下性大腸炎並びに機能性消化不良の処置でも有用であるが、萎縮性胃炎、疣状胃炎、潰瘍性大腸炎、消化性潰瘍、胸焼け及びGI管への他の損傷、例えばヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)による損傷、胃食道逆流疾患、胃不全麻痺、例えば糖尿病性胃アトニー;並びに他の機能性腸障害、例えば非潰瘍性消化不良(NUD);嘔吐、下痢及び内臓炎症の処置でも有用である。
【0169】
本明細書で開示される化合物は、尿生殖路の障害の処置でも有用であり、例えば過活動膀胱、前立腺炎(prostatitis)(慢性細菌性前立腺炎及び慢性非細菌性前立腺炎)、前立腺炎(prostadynia)、間質性膀胱炎、尿失禁及び良性前立腺過形成、不安症、骨盤内炎症、バルトリン腺炎並びに腟炎の処置でも有用である。特に、過活動膀胱及び尿失禁である。
【0170】
本明細書で開示される化合物は、腎障害の処置でも有用であり、例えば糖尿病性腎症、腎同種移植片拒絶反応、感染性腎疾患、IgA腎症、線維性腎疾患、ループス腎炎及び糸球体腎炎、急性腎臓損傷並びに腎癌の処置でも有用である。
【0171】
本明細書で開示される化合物は、眼疾患の処置でも有用であり、例えば網膜炎、網膜症、ブドウ膜炎及び眼組織への急性損傷、加齢黄斑変性症又は緑内障、結膜炎の処置でも有用である。
【0172】
本明細書で開示される化合物は、摂食障害の処置でも有用であり、例えば神経性食欲不振、例えばサブタイプの制限タイプ及び過食/パージングタイプ;神経性過食症、例えばサブタイプのパージングタイプ及び非パージングタイプ;肥満;強迫性摂食障害;過度摂食障害;並びに特定不能の摂食障害の処置でも有用である。
【0173】
本明細書で開示される化合物は、以下の処置でも有用である:アレルギー性皮膚炎、気道過敏性、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支炎、敗血症性ショック、シェーグレン症候群、糸球体腎炎、粥状動脈硬化、悪性細胞の増殖及び転移、筋芽細胞性白血病、糖尿病、髄膜炎、骨粗鬆症、熱傷、虚血性心疾患、脳卒中、末梢血管疾患、下肢静脈瘤、緑内障。
【0174】
一部の実施形態では、本開示の化合物及び医薬組成物は、癌の処置又は癌の進行の予防で有用であり得る。癌は、血液悪性腫瘍又は固形腫瘍であり得る。血液悪性腫瘍として、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫及びこれらの亜型が挙げられる。リンパ腫は、多くの場合に悪性細胞の基本的なタイプに基づいて様々な方法で分類され得、ホジキンリンパ腫(リードスタンバーグ細胞の癌であることが多いが、B細胞に由来する場合もあり;全ての他のリンパ腫は、非ホジキンリンパ腫である)、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、濾胞性リンパ腫並びに本明細書で定義されるもの及び当技術分で既知のものが挙げられる。
【0175】
B細胞リンパ腫として以下が挙げられるが、これらに限定されない:びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ球性リンパ腫(SLL)並びに本明細書で定義されるもの及び当技術分野で既知のもの。
【0176】
T細胞リンパ腫として、以下が挙げられる:T細胞急性リンパ芽球性白血病/リンパ腫(T-ALL)、末梢T細胞リンパ腫(PTCL)、T細胞慢性リンパ球性白血病(T-CLL)セザリー症候群並びに本明細書で定義されるもの及び当技術分野で既知のもの。
【0177】
白血病として、以下が挙げられる:急性骨髄性(myeloid)(又は骨髄性(myelogenous))白血病(AML)、慢性骨髄性(myeloid)(又は骨髄性(myelogenous))白血病(CML)、急性リンパ球性(lymphocytic)(又はリンパ球性(lymphoblastic))白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、有毛細胞白血病(リンパ腫として分類される場合がある)並びに本明細書で定義されるもの及び当技術分野で既知のもの。
【0178】
形質細胞の悪性腫瘍として、リンパ形質細胞性リンパ腫、形質細胞腫及び多発性骨髄腫が挙げられる。
【0179】
固形腫瘍として、以下が挙げられる:黒色腫、神経芽細胞腫、神経膠腫又は癌腫、例えば以下の腫瘍:脳、頭頸部、乳房、肺(例えば、非小細胞肺癌、NSCLC)、生殖器系(例えば、卵巣)、上部消化管、膵臓、肝臓、腎臓系(例えば、腎臓)、膀胱、前立腺及び結腸直腸。
【0180】
ヒトの処置に有用である以外にも、本明細書で開示される特定の化合物及び製剤は、コンパニオン動物、外来動物及び家畜(例えば、哺乳類、齧歯類及び同様のもの)の獣医学的処置にも有用であり得る。より好ましい動物として、ウマ、イヌ及びネコが挙げられる。
【0181】
一般的な合成方法
式(I)の化合物は、以下の一般的な方法で説明される手順に従って調製され得る。
【0182】
以下のスキーム及び実施例の説明で使用される略語として以下が挙げられる。
Anh:無水、
CC:カラムクロマトグラフィー;
CDI:1,1’-カルボニルジイミダゾール;
CHCl:ジクロロメタン;
CHCN:アセトニトリル;
DBU:1,5-ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデカ-7-エン;
DMF:ジメチルホルムアミド、
DMSO:ジメチルスルホキシド、
EtOAc:酢酸エチル、
EtOH:エタノール、
ESI:エレクトロスプレーイオン化、
HATU:1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスフェート;
h:時間;
O:水、
HCl:塩酸、
CO:炭酸カリウム;
LiAlH:水素化アルミニウムリチウム、
M:モル濃度、
MeOH:メタノール、
Min:分、
NMR:核磁気共鳴、
NaOH:水酸化ナトリウム;
NaHCO:炭酸水素ナトリウム、
NaSO:硫酸ナトリウム;
PyBop:ベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート;
Pd/C:パラジウム炭素、
rt:室温;
TFA:トリフルオロ酢酸;
THF:テトラヒドロフラン;
TEA:トリエチルアミン;
UPLC-MS:超高速液体クロマトグラフィー-質量分析
【0183】
一般的に、本出願で使用される命名法は、ChemSketch(商標)(ACDLabs)に基づいており、IUPAC系統命名法に従って作成される。本明細書で示される化学構造は、ISIS(登録商標)バージョン2.2を使用して作成される。特定の化合物を、CambridgeSoft’s ChemDraw 18.0を使用して描画した。本明細書の構造中の炭素原子、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子上に現れるあらゆる開放原子価は、別途指示されない限り、水素原子の存在を示す。窒素含有ヘテロアリール環が窒素原子上の開放原子価と共に示され、且つこのヘテロアリール環上でR、R、R等の可変要素が示される場合、そのような可変要素は、この開放原子価の窒素に結合又は接続され得る。構造中にキラル中心が存在するが、このキラル中心に対して特定の立体化学が示されない場合、この構造には、このキラル中心と関連する両方の鏡像異性体が包含される。本明細書で示される構造が複数の互変異性体で存在し得る場合、そのような互変異性体の全ては、この構造に包含される。本明細書の構造で表される原子は、そのような原子の全ての天然に存在する同位体を包含することが意図される。そのため、例えば、本明細書で表される水素原子は、重水素及び三重水素を含むことを意味し、炭素原子は、13C同位体及び14C同位体を含むことを意味する。
【0184】
以下のスキームを使用して本発明を実行し得る。
【化16】
【0185】
工程1.無水DMF(1.6eq)に窒素雰囲気下で撹拌しながら0℃でPOCl(2.0eq)を滴下した。添加後、この混合物を20分にわたり室温で温め、0℃まで再度冷却した後、1(1.0eq)を滴下した。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、次いで氷上に注ぎ、飽和水性NaHCOで中和し、EtOAc(×3回)で抽出した。まとめた有機層を水(×3回)及びブライン(×3回)で洗浄し、脱水し(NaSO)、ろ過し、減圧下で乾燥させた。生成物をさらに精製することなく次の工程に使用した。
【0186】
工程2.2(1.0eq)のCHCN溶液に3(1.5eq)及びKCO(3eq)を添加した。この混合物を4時間にわたり還流で加熱し、室温まで冷却した。HOを添加し、この混合物をEtOAc(×3回)で抽出した。まとめた有機層をブラインで洗浄し、脱水し(NaSO)、ろ過し、減圧下で蒸発させた。具体例で報告する通りの粗物質の精製後に所望の生成物を得た。
【0187】
工程3.4(1.0eq)のMeOH溶液に3N NaOH(3.0eq)を添加し、この反応混合物を一晩室温で撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、水を添加し、この溶液をEtOAc(×3回)で抽出した。次いで、水層を1N HClで酸性化し、生成物をEtOAc(×3回)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、脱水し(NaSO)、蒸発させて所望の生成物を得た。
【0188】
工程4
方法A.無水THF中の5b(1.0eq)及び1,1’-カルボニルジイミダゾール(1.05eq)の混合物を2時間にわたり室温で撹拌した。次いで、適切なβ-アミノエステル(1.5eq)の無水THF溶液を添加し、この反応混合物を一晩室温で撹拌し、次いで6時間にわたり55℃まで加熱した。この反応混合物を水で希釈し、EtOAc(×3回)で抽出した。まとめた有機層をブライン(×3回)で洗浄し、脱水し(NaSO)、ろ過し、減圧下で蒸発させた。具体例で報告する通りの粗物質の精製後に所望の生成物を得た。
【0189】
方法B.5a又は5b(1.0eq)のCHCl溶液にHATU(1.2eq)を添加し、この混合物を10分にわたり室温で撹拌した。次いで、適切なβ-アミノエステル(1.2eq)及びTEA(3.0eq)を添加し、得られた混合物を一晩室温で撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。具体例で報告する通りの粗物質の精製後に所望の生成物を得た。
【0190】
方法C.5b(1.0eq)の無水トルエン懸濁液に塩化チオニル(3.0eq)を滴下した。この反応混合物を1時間にわたりrtで撹拌し、次いで45分にわたり70℃で撹拌した。冷却後、溶媒を蒸発させ、残留物を無水CHClに溶解させ、TEA(3.0eq)及び適切なβ-アミノエステル(1.0eq)を添加した。この反応混合物を一晩室温で撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。具体例で報告する通りの粗物質の精製後に所望の生成物を得た。
【0191】
工程5.
方法A.MeOH又はEtOH中の6(1.0eq)の溶液に3N NaOH(3.0eq)を添加し、この反応混合物を一晩室温で撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、水を添加し、溶液をEtOAc(×3回)で抽出した。次いで、水相を1N HClで酸性化し、生成物をEtOAc(×3回)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、脱水し(NaSO)、減圧下で蒸発させた。生成物をさらに精製することなく次の工程に使用した。
【0192】
方法B.CHCl中の6の1M溶液にTFAを、全体のモル濃度が0.5Mに達するまで添加し、得られた混合物を3.5時間にわたり室温で撹拌した。溶媒を真空下で蒸発させ、得られた残留物をCHClに入れた。生成物をさらに精製することなく次の工程に使用した。
【0193】
工程6.
方法A.7(1.0eq)のCHCl溶液にHATU(1.2eq)を添加し、この混合物を10分にわたり室温で撹拌した。次いで、適切なアミン(1.2eq)及びTEA又はDBU(3.0eq)を添加し、得られた混合物を一晩室温で撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。具体例で報告する通りの粗物質の精製後に所望の生成物を得た。
【0194】
方法B.無水THF中の7(1.0eq)及び1,1’-カルボニルジイミダゾール(1.05eq)の混合物を2時間にわたり室温で撹拌した。次いで、適切なβ-アミノエステル(1.5eq)の無水THF溶液を添加し、この反応混合物を一晩室温で撹拌し、次いで6時間にわたり55℃まで加熱した。この反応混合物を水で希釈し、EtOAc(×3回)で抽出した。まとめた有機層をブライン(×3回)で洗浄し、脱水し(NaSO)、ろ過し、減圧下で蒸発させた。具体例で報告する通りの粗物質の精製後に所望の生成物を得た。
【0195】
工程7.8のTHF溶液を0℃まで冷却し、LiAlHを滴下した。この反応混合物を2時間にわたりr.t.で撹拌し、0℃まで再度冷却し、HOを緩やかに添加した。沈殿物をろ過し、溶液をEtOAc(×3回)で抽出した。まとめた有機層をブラインで洗浄し、脱水し(NaSO)、ろ過し、減圧下で蒸発させた。具体例で報告する通りの粗物質の精製後に所望の生成物を得た。
【0196】
【化17】

工程1
方法A.無水THF中の10(1.0eq)及び1,1’-カルボニルジイミダゾール(1.05eq)の混合物を2時間にわたり室温で撹拌した。次いで、適切なアミン(1.5eq)の無水THF溶液を添加し、この反応混合物を一晩室温で撹拌し、次いで6時間にわたり55℃まで加熱した。この反応混合物を水で希釈し、EtOAc(×3回)で抽出した。まとめた有機層をブライン(×3回)で洗浄し、脱水し(NaSO)、ろ過し、減圧下で蒸発させた。具体例で報告する通りの粗物質の精製後に所望の生成物を得た。
【0197】
方法B.10(1.0eq)のCHCl溶液にHATU(1.2eq)を添加し、この混合物を10分にわたり室温で撹拌した。次いで、適切なアミン(1.2eq)及びTEA(3.0eq)を添加し、得られた混合物を一晩室温で撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。具体例で報告する通りの粗物質の精製後に所望の生成物を得た。
【0198】
方法C.10(1.0eq)の無水DMF溶液にPyBOP(1.2eq)、TA(3.0eq)及び適切なアミン(1.0eq)を添加した。この反応混合物を一晩rtで撹拌した。この反応混合物をHOで希釈し、EtOAc(×3回)で抽出した。まとめた有機層をブライン(×5回)で洗浄し、脱水し(NaSO)、ろ過し、蒸発させた。具体例で報告する通りの粗物質の精製後に所望の生成物を得た。
【0199】
方法D.10(1.0eq)の無水トルエン懸濁液に塩化チオニル(3.0eq)を滴下した。この反応混合物を1時間にわたりrtで撹拌し、次いで45分にわたり70℃で撹拌した。冷却後、溶媒を蒸発させ、残留物を無水CHClに溶解させ、TEA(3.0eq)及び適切なアミン(1.0eq)を添加した。この反応混合物を一晩室温で撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。具体例で報告する通りの粗物質の精製後に所望の生成物を得た。
【0200】
【化18】

工程1.キシレン中の13(1.0eq)及び14(5.0eq)の溶液にPd/C(0.36eq)を添加し、この混合物を一晩還流で加熱した。室温まで冷却した後、この混合物をセライトでろ過し、溶媒を真空下で蒸発させた。具体例で報告する通りの粗物質の精製後に所望の生成物を得た。
【0201】
工程2.15(1.0eq)のMeOH溶液に3N NaOH(3.0eq)を添加し、この反応混合物を一晩室温で撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、水を添加し、溶液をEtOAc(×3回)で抽出した。次いで、水相を1N HClで酸性化し、生成物をEtOAc(×3回)で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、脱水し(NaSO)、減圧下で蒸発させた。生成物をさらに精製することなく次の工程に使用した。
【0202】
工程3.16(1.0eq)のCHCl溶液にHATU(1.2eq)を添加し、この混合物を10分にわたり室温で撹拌した。次いで、適切なアミン(1.2eq)及びTEA(3.0eq)を添加し、得られた混合物を一晩室温で撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させた。具体例で報告する通りの粗物質の精製後に所望の生成物を得た。
【実施例
【0203】
本発明を以下の実施例によりさらに説明する。
【0204】
実施例1
N-[2,2-ジメチル-3-(ピロリジン-1-イル)プロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を2時間にわたり室温で4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボン酸(CAS:40133-09-3)及びCDIから一般的手順(スキーム2、工程1、方法A)により調製した。次いで、2,2-ジメチル-3-(ピロリジン-1-イル)プロパン-1-アミン(CAS:681247-27-8)を添加し、得られた混合物を一晩室温で撹拌し、次いで6時間にわたり55℃まで加熱した。粗生成物を、酢酸エチル中のメタノール0%~15%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=10%)。黄色固形物。
【0205】
実施例2
N-({1-[(ジメチルアミノ)メチル]シクロペンチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボン酸(CAS:40133-09-3)及び{1-[(ジメチルアミノ)メチル]シクロペンチル}メタンアミド(CAS:1247566-89-7)から一般的手順(スキーム2、工程1、方法D)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~15%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=71%)。無色油状物。
【0206】
実施例3
N-[3-(ジメチルアミノ)-2-メチルプロピル]-4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボン酸(CAS:40133-09-3)及び(3-アミノ-2-メチルプロピル)ジメチルアミン(CAS:6105-72-2)から一般的手順(スキーム2、工程1、方法D)により調製した。粗生成物を、水(0.05%のHCOOHを含む)中のアセトニトリル10~90%の線形勾配を使用するRP-HPLCにより精製した(y=45%)。黄色油状物。
【0207】
実施例4
N-{[1-(ピロリジン-1-イルメチル)シクロプロピル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボン酸(CAS:40133-09-3)、PyBOP、TEA及び1-{1-[(ピロリジン-1-イル)メチル]シクロプロピル}メタンアミン(CAS:1001345-81-8)から一般的手順(スキーム2、工程1、方法C)により調製した。得られた混合物を一晩室温で撹拌した。粗生成物を、添加剤としてのTEA(0.2%)と共にジクロロメタン中のメタノール0%~15%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=41%)。黄色油状物。
【0208】
実施例5
N-{[1-(ピロリジン-1-イルメチル)シクロペンチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
メチル1-[[(4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]メチル]シクロペンタンカルボキシレート(中間体1)。表題の化合物を4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボン酸(CAS:40133-09-3)及び[1-(メトキシカルボニル)シクロペンチル]メタンアミニウムクロリド(CAS:1481175-03-4)から一般的手順(スキーム1、工程4、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~70%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=80%)。白色固形物。
【0209】
1-{[(4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]メチル}シクロペンタンカルボン酸(中間体2)。表題の化合物を中間体1から一般的手順(スキーム1、工程5、方法A)により調製した。Y=91%。白色固形物。
【0210】
N-{[1-(ピロリジン-1-カルボニル)シクロペンチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体3)。表題の化合物を中間体2及びピロリジン(CAS:123-75-1)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法B)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル10%~60%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=69%)。白色固形物。
【0211】
N-{[1-(ピロリジン-1-イルメチル)シクロペンチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体3から一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~20%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=69%)。無色油状物。
【0212】
実施例6
N-[(1-{[メチル(プロピル)アミノ]メチル}シクロペンチル)メチル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-({1-[メチル(プロピル)カルバモイル]シクロペンチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体4)。表題の化合物を中間体2及びN-メチルプロパンアミン(CAS:627-35-0)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法B)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル10%~50%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=67%)。白色固形物。
【0213】
N-[(1-{[メチル(プロピル)アミノ]メチル}シクロペンチル)メチル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体4から一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~20%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=71%)。無色油状物。
【0214】
実施例7
N-[3-(ジメチルアミノ)-2,2-ジメチルプロピル]-N-メチル-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボン酸(CAS:40133-09-3)、PyBOP、TEA及びN,N,N,2,2-ペンタメチルプロパン-1,3-ジアミン(CAS:85996-44-7)から一般的手順(スキーム2、工程1、方法C)により調製した。得られた混合物を一晩室温で撹拌した。粗生成物を、添加剤としてのTEA(0.2%)と共にジクロロメタン中のメタノール0%~15%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=38%)。無色油状物。
【0215】
N-{2-[(ジメチルアミノ)メチル]-2-エチルブチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
メチル2-({4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-イルホルムアミド}メチル)-2-エチルブタノエート(中間体5)。表題の化合物を4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボン酸(CAS:40133-09-3)及び2-エチル-2-(メトキシカルボニル)ブタン-1-アミニウムクロリド(CAS:177269-36-2)から一般的手順(スキーム1、工程4、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~70%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=87%)。白色固形物。
【0216】
2-({4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-イルホルムアミド}メチル)-2-エチルブタン酸(中間体6)。表題の化合物を中間体5から一般的手順(スキーム1、工程5、方法A)により調製した。Y=99%。白色固形物。
【0217】
2-({4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-イルホルムアミド}メチル)-2-エチル-N,N-ジメチルブタンアミド(中間体7)。表題の化合物を中間体6及びジメチルアミン(CAS:160-40-3)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル10%~50%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=81%)。白色固形物。
【0218】
N-{2-[(ジメチルアミノ)メチル]-2-エチルブチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体7から一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメンタール0%~20%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=68%)。無色油状物。
【0219】
実施例9
N-[2-エチル-2-(ピロリジン-1-イルメチル)ブチル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-[2,2-ジエチル-3-オキソ-3-(ピロリジン-1-イル)プロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体8)。表題の化合物を中間体6及びピロリジン(CAS:123-75-1)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル10%~50%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=87%)。白色固形物。
【0220】
N-[2-エチル-2-(ピロリジン-1-イルメチル)ブチル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体8から一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~20%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=71%)。無色油状物。
【0221】
実施例10
N-({2-[(ジメチルアミノ)メチル]-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
[2-(メトキシカルボニル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル]メタンアミニウムクロリド(中間体9)。メタノール中の2-アミノメチル-インダン-2-カルボン酸塩酸塩(CAS:1360547-49-4)の冷(0℃)溶液に塩化チオニルを添加した。この反応物を還流温度まで加熱し、3時間にわたり撹拌した。冷却後、揮発性物質を蒸発させ、残留物をさらに精製することなく次の工程に使用した。
【0222】
メチル2-({4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-イルホルムアミド}メチル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-カルボキシレート(中間体10)。表題の化合物を4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボン酸(CAS:40133-09-3)及び中間体9から一般的手順(スキーム1、工程4、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~30%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=84%)。白色固形物。
【0223】
2-({4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-イルホルムアミド}メチル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-カルボン酸(中間体11)。表題の化合物を中間体10から一般的手順(スキーム1、工程5、方法A)により調製した。Y=99%。白色固形物。
【0224】
N-{[2-(ジメチルカルバモイル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体12)。表題の化合物を中間体11及びジメチルアミン(CAS:160-40-3)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル10%~50%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=81%)。白色固形物。
【0225】
N-({2-[(ジメチルアミノ)メチル]-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体12から一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~8%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=59%)。無色油状物。
【0226】
実施例11
N-{[2-(ピロリジン-1-イルメチル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[2-(ピロリジン-1-カルボニル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体13)。表題の化合物を中間体10及びピロリジン(CAS:123-75-1)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル10%~50%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=87%)。白色固形物。
【0227】
N-{[2-(ピロリジン-1-イルメチル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体13から一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~8%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=61%)。無色油状物。
【0228】
実施例12
N-({1-[(ジエチルアミノ)メチル]シクロペンチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[1-(ジエチルカルバモイル)シクロペンチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体14)。表題の化合物を中間体2及びジエチルアミン(CAS:109-89-7)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル10%~50%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=91%)。白色固形物。
【0229】
N-({1-[(ジエチルアミノ)メチル]シクロペンチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体14から一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~8%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=68%)。無色油状物。
【0230】
実施例13
N-[2,2-ジメチル-3-(ピペリジン-1-イル)プロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
メチル3-[(4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]-2,2-ジメチルプロピロネート(中間体15)。表題の化合物を4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボン酸(CAS:40133-09-3)及びメチル3-アミノ-2,2-ジメチルプロパノエート塩酸塩(CAS:177269-37-3)から一般的手順(スキーム1、工程4、方法C)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~70%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=92%)。白色固形物。
【0231】
3-{4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-イルホルムアミド}-2,2-ジメチルプロパン酸(中間体16)。表題の化合物を中間体15から一般的手順(スキーム1、工程5、方法A)により調製した。Y=88%。白色固形物。
【0232】
N-[2,2-ジメチル-3-オキソ-3-(ピペリジン-1-イル)プロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体17)。表題の化合物を中間体16及びピペリジン(CAS:110-89-4)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル5%~70%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=93%)。白色固形物。
【0233】
N-[2,2-ジメチル-3-(ピペリジン-1-イル)プロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体17から一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル10%~60%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=82%)。無色油状物。
【0234】
実施例14
N-{[1-(アゼチジン-1-イルメチル)シクロペンチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[1-(アゼチジン-1-カルボニル)シクロペンチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体18)。表題の化合物を中間体2及びアゼチジン塩酸塩(CAS:6674-22-2)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル10%~50%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=84%)。白色固形物。
【0235】
N-{[1-(アゼチジン-1-イルメチル)シクロペンチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体18から基準手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~8%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=89%)。無色油状物。
【0236】
実施例15
N-{[1-(ピペリジン-1-イルメチル)シクロペンチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[1-(ピペリジン-1-カルボニル)シクロペンチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体19)。表題の化合物を中間体2及びピペリジン(CAS:110-89-4)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル10%~50%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=84%)。白色固形物。
【0237】
N-{[1-(ピペリジン-1-イルメチル)シクロペンチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体19から一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~20%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=89%)。無色油状物。
【0238】
実施例16
N-[3-(ジエチルアミノ)-2,2-ジメチルプロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
3-{4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-イルホルムアミド}-N,N-ジエチル-2,2-ジメチルプロパンアミド(中間体20)。表題の化合物を中間体16及びジエチルアミン(CAS:109-89-7)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル10%~80%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=83%)。白色固形物。
【0239】
N-[3-(ジエチルアミノ)-2,2-ジメチルプロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体20から一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール2%~16%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=39%)。黄色油状物。
【0240】
実施例17
N-[(1-{[(2-ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]メチル}シクロペンチル)メチル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-({1-[(2-ヒドロキシエチル)(メチル)カルバモイル]シクロペンチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体21)。表題の化合物を中間体2及び2-(メチルアミノ)エタノール(CAS:109-83-1)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル50%~100%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=51%)。白色固形物。
【0241】
N-[(1-{[(2-ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]メチル}シクロペンチル)メチル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体21から一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~20%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=79%)。無色油状物。
【0242】
実施例18
N-{[1-(ピロリジン-1-イルメチル)シクロヘキシル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
メチル1-({4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-イルホルムアミド}メチル)シクロヘキサン-1-カルボキシレート(中間体22)。表題の化合物を4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボン酸(CAS:40133-09-3)及び[1-(メトキシカルボニル)シクロヘキシル]メタンアミニウムクロリド(CAS:227203-36-3)から一般的手順(スキーム1、工程4、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~40%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=67%)。白色固形物。
【0243】
1-({4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-イルホルムアミド}メチル)シクロヘキサン-1-カルボン酸(中間体23)。表題の化合物を中間体22から一般的手順(スキーム1、工程5、方法A)により調製した。Y=90%。白色固形物。
【0244】
N-{[1-(ピロリジン-1-カルボニル)シクロヘキシル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体24)。表題の化合物を中間体23及びピロリジン(CAS:123-75-1)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル10%~60%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=86%)。白色固形物。
【0245】
N-{[1-(ピロリジン-1-イルメチル)シクロヘキシル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体24から一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=52%)。無色油状物。
【0246】
実施例19
N-({4-[(ジメチルアミノ)メチル]オキサン-4-イル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
メチル4-[[(4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]メチル]オキサン-4-カルボキシレート(中間体25)。表題の化合物を4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボン酸(CAS:40133-09-3)及びメチル4-(アミノメチル)オキサン-4-カルボキシレート塩酸塩(CAS:362707-24-2)から一般的手順(スキーム1、工程4、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~60%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=76%)。白色固形物。
【0247】
4-[[(4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]メチル]オキサン-4-カルボン酸(中間体26)。表題の化合物を中間体25から一般的手順(スキーム1、工程5、方法A)により調製した。Y=93%。白色固形物。
【0248】
4-[[(4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]メチル]-N,N-ジメチルオキサン-4-カルボキサミド(中間体27)。表題の化合物を中間体26及びジメチルアミン(CAS:160-40-3)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル10%~55%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=80%)。白色固形物。
【0249】
N-({4-[(ジメチルアミノ)メチル]オキサン-4-イル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体27から一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=25%)。無色油状物。
【0250】
実施例20
N-{[4-(ピロリジン-1-イルメチル)オキサン-4-イル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[4-(ピロリジン-1-カルボニル)オキサン-4-イル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体28)。表題の化合物を中間体26及びピロリジン(CAS:123-75-1)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル10%~55%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=62%)。無色油状物。
【0251】
N-{[4-(ピロリジン-1-イルメチル)オキサン-4-イル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体28から一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=28%)。無色油状物。
【0252】
実施例21
N-{[1-(ピロリジン-1-イルメチル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
メチル1-[[(4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]メチル]シクロブタンカルボキシレート(中間体29)。表題の化合物を4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボン酸(CAS:40133-09-3)及び[1-(メトキシカルボニル)シクロブチル]メタンアミニウムクロリド(CAS:1172902-07-6)から一般的手順(スキーム1、工程4、方法B)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~50%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=94%)。白色固形物。
【0253】
1-[[(4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]メチル]シクロブタンカルボン酸(中間体30)。表題の化合物を中間体29から一般的手順(スキーム1、工程5、方法A)により調製した。Y=99%。白色固形物。
【0254】
N-{[1-(ピロリジン-1-カルボニル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体31)。表題の化合物を10分にわたり室温で中間体30及びHATUから一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。次いで、ピロリジン(CAS:123-75-1)及びTEAを添加し、得られた混合物を一晩室温で撹拌した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=82%)。無色油状物。
【0255】
N-{[1-(ピロリジン-1-イルメチル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体31及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル20%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=67%)。無色油状物
【0256】
実施例22
N-({1-[(ジメチルアミノ)メチル]シクロヘキシル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[1-(ジメチルカルバモイル)シクロヘキシル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体32)。表題の化合物を中間体23及びジメチルアミン(CAS:160-40-3)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル10%~60%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=87%)。白色固形物。
【0257】
N-({1-[(ジメチルアミノ)メチル]シクロヘキシル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体32及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル50%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=68%)。黄色油状物。
【0258】
実施例23
N-({1-[(ジメチルアミノ)メチル]シクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-[[1-(ジメチルアミノカルボニル)シクロブチル]メチル]-4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体33)。表題の化合物を中間体30及びジメチルアミン(CAS:160-40-3)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル10%~80%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=88%)。白色固形物。
【0259】
N-({1-[(ジメチルアミノ)メチル]シクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体33及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル50%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=30%)。黄色油状物。
【0260】
実施例24
N-[2,2-ジメチル-3-(ピロリジン-1-イル)プロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H,10H-シクロノナ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
(1Z)-2-クロロシクロノン-1-エン-1-カルバルデヒド(中間体34)。表題の化合物をシクロオクタンン(CAS:502-49-8)から一般的手順(スキーム1、工程1)により調製した。粗生成物を次の工程に使用した。
【0261】
メチル5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-4H-シクロノナ[b]チオフェン-2-カルボキシレート(中間体35)。表題の化合物を中間体34及びメチルチオグリコレート(CAS:2365-48-2)から一般的手順(スキーム1、工程2)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~10%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=21%)。無色油状物。
【0262】
5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-4H-シクロノナ[b]チオフェン-2-カルボン酸(中間体36)。表題の化合物を中間体35及び3N NaOHから一般的手順(スキーム1、工程3)により調製した。純粋な生成物が得られた(y=91%)。白色固形物。
【0263】
N-[2,2-ジメチル-3-(ピロリジン-1-イル)プロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H,10H-シクロノナ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体36及び2,2-ジメチル-3-(ピロリジン-1-イル)プロパン-1-アミン(CAS:681247-27-8)から一般的手順(スキーム2、工程1、方法B)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル50%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=82%)。無色油状物。
【0264】
実施例25
N-({1-[(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル]シクロペンチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[1-(3-ヒドロキシピロリジン-1-カルボニル)シクロペンチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体37)。表題の化合物を中間体2及びピロリジン-3-オール塩酸塩(CAS:86070-82-8)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~15%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=75%)。白色固形物。
【0265】
N-({1-[(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル]シクロペンチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体37及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~15%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=85%)。無色油状物。
【0266】
実施例26
N-{[1-(ピロリジン-1-イルメチル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H,10H-シクロノナ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
メチル1-[[(5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-4~{H}-シクロノナ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]メチル]シクロブタンカルボキシレート(中間体38)。表題の化合物を中間体36及びメチル[1-(アミノメチル)シクロブチル]アセテート(CAS:1027337-70-7)から一般的手順(スキーム1、工程4、方法B)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル10%~50%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=82%)。白色固形物。
【0267】
1-[[(5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-4H-シクロノナ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]メチル]シクロブタンカルボン酸(中間体39)。表題の化合物を中間体38及び3N NaOHから一般的手順(スキーム1、工程5、方法A)により調製した。純粋な生成物が得られた(y=87%)。白色固形物。
【0268】
N-{[1-(ピロリジン-1-カルボニル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H,10H-シクロノナ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体40)。表題の化合物を中間体39及びピロリジン(CAS:123-75-1)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=80%)。無色油状物。
【0269】
N-{[1-(ピロリジン-1-イルメチル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H,10H-シクロノナ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体40及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=62%)。無色油状物。
【0270】
実施例27
N-({1-[(3-ヒドロキシピペリジン-1-イル)メチル]シクロペンチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[1-(3-ヒドロキシピペリジン-1-カルボニル)シクロペンチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体41)。表題の化合物を中間体2及びピペリジン-3-オール(CAS:6859-99-0)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~15%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=78%)。白色固形物。
【0271】
N-({1-[(3-ヒドロキシピペリジン-1-イル)メチル]シクロペンチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体41及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~15%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=82%)。無色油状物。
【0272】
実施例28
N-({1-[(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)メチル]シクロペンチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[1-(4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボニル)シクロペンチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体42)。表題の化合物を中間体2及びピペリジン-3-オール(CAS:6859-99-0)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~15%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=78%)。白色固形物。
【0273】
N-({1-[(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)メチル]シクロペンチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体42及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~15%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=70%)。無色油状物。
【0274】
実施例29
N-[(1-{[(2-ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]メチル}シクロペンチル)メチル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H,10H-シクロノナ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
メチル1-[[(5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-4H-シクロノナ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]メチル]シクロペンタンカルボキシレート(中間体43)。表題の化合物を中間体36及びメチル[1-(アミノメチル)シクロペンチル]アセテート(CAS:99092-03-2)から一般的手順(スキーム1、工程4、方法B)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル10%~50%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=79%)。白色固形物。
【0275】
1-[[(5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロ-4H-シクロノナ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]メチル]シクロペンタンカルボン酸(中間体44)。表題の化合物を中間体43及び3N NaOHから一般的手順(スキーム1、工程5、方法A)により調製した。純粋な生成物が得られた(y=91%)。白色固形物。
【0276】
N-({1-[(2-ヒドロキシエチル)(メチル)カルバモイル]シクロペンチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H,10H-シクロノナ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体45)。表題の化合物を中間体44及び2-(メチルアミノ)エタノール(CAS:109-83-1)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=75%)。無色油状物。
【0277】
N-[(1-{[(2-ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]メチル}シクロペンチル)メチル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H,10H-シクロノナ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体45及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=67%)。無色油状物。
【0278】
実施例30
N-[(1-{[(2-ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]メチル}シクロブチル)メチル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-({1-[(2-ヒドロキシエチル)(メチル)カルバモイル]シクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体46)。表題の化合物を中間体30及び2-(メチルアミノ)エタノール(CAS:109-83-1)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=80%)。無色油状物。
【0279】
N-[(1-{[(2-ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]メチル}シクロブチル)メチル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体46及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=65%)。無色油状物。
【0280】
実施例31
N-({1-[(ジメチルアミノ)メチル]-3-ヒドロキシシクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
メチル1-[[(4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]メチル]-3-ヒドロキシシクロブタンカルボキシレート(中間体47)。表題の化合物を4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボン酸(CAS:40133-09-3)及びメチル1-(アミノメチル)-3-ヒドロキシシクロブタン-1-カルボキシレート塩酸塩(CAS:1955514-52-9)から一般的手順(スキーム1、工程4、方法B)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~15%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=98%)。白色固形物。
【0281】
1-[[(4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]メチル]-3-ヒドロキシシクロブタンカルボン酸(中間体48)。表題の化合物を中間体47から一般的手順(スキーム1、工程5、方法A)により調製した。Y=92%。白色固形物。
【0282】
N-{[1-(ジメチルカルバモイル)-3-ヒドロキシシクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体49)。表題の化合物を中間体48及びジメチルアミン(CAS:124-40-3)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~5%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=89%)。白色固形物。
【0283】
N-({1-[(ジメチルアミノ)メチル]-3-ヒドロキシシクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体49及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~10%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=80%)。無色油状物。
【0284】
実施例32
N-{[3-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-イルメチル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[3-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-カルボニル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体50)。表題の化合物を中間体48及びピロリジン(CAS:123-75-1)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~5%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=80%)。白色固形物。
【0285】
N-{[3-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-イルメチル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体50及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~10%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=80%)。無色油状物。
【0286】
実施例33
N-({1-[(ジメチルアミノ)メチル]シクロペンチル}メチル)-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロベンゾ[8]アンヌレン-2-カルボキサミド。
メチル5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロベンゾ[8]アンヌレン-2-カルボキシレート(中間体51)。表題の化合物をメチル2-オキソ-2H-ピラン-5-カルボキシレート(CAS:6018-41-3)及びcis-シクロオクテン(CAS:931-87-32)から一般的手順(スキーム3、工程1)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~10%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=5%)。無色油状物。
【0287】
5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロベンゾ[8]アンヌレン-2-カルボン酸(中間体52)。表題の化合物を中間体51及び3N NaOHから一般的手順(スキーム3、工程2)により調製した。純粋な生成物が得られた(y=86%)。白色固形物。
【0288】
N-({1-[(ジメチルアミノ)メチル]シクロペンチル}メチル)-5,6,7,8,9,10-ヘキサヒドロベンゾ[8]アンヌレン-2-カルボキサミド。表題の化合物を10分にわたり室温で中間体52及びHATUから一般的手順(スキーム3、工程3)により調製した。次いで、{1-[(ジメチルアミノ)メチル]シクロペンチル}メタンアミド(CAS:1247566-89-7)及びTEAを添加し、得られた混合物を一晩室温撹拌した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル50%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=89%)。無色油状物。
【0289】
実施例34
N-[(1-{[(2-ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]メチル}シクロペンチル)メチル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-({1-[(2-ヒドロキシエチル)(メチル)カルバモイル]シクロペンチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体53)。表題の化合物を中間体2及び2-(メチルアミノ)エタノール(CAS:109-83-1)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッスシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=77%)。無色油状物。
【0290】
N-[(1-{[(2-ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]メチル}シクロペンチル)メチル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体53及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=64%)。無色油状物。
【0291】
実施例35
N-{[4-(アゼチジン-1-イルメチル)オキサン-4-イル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[4-(アゼチジン-1-カルボニル)オキサン-4-イル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体54)。表題の化合物を中間体26及びアゼチジン塩酸塩(CAS:503-29-7)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=84%)。無色油状物。
【0292】
N-{[4-(アゼチジン-1-イルメチル)オキサン-4-イル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体54及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより調製した(y=65%)。無色油状物。
【0293】
実施例36
N-{[1-(アゼチジン-1-イルメチル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[1-(アゼチジン-1-カルボニル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体55)。表題の化合物を中間体30及びアゼチジン塩酸塩(CAS:503-29-7)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=80%)。無色油状物。
【0294】
N-{[1-(アゼチジン-1-イルメチル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体55及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=65%)。無色油状物。
【0295】
実施例37
N-({3-[(ジメチルアミノ)メチル]オキサン-3-イル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
tert-ブチル3-[[(4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]メチル]オキサン-3-カルボキシレート(中間体56)。表題の化合物を10分にわたり室温で4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボン酸(CAS:40133-09-3)及びHATUから一般的手順(スキーム1、工程4)により調製した。次いで、tert-ブチル3-(アミノメチル)オキサン-3-カルボキシレート(CAS:2138241-33-3)及びTEAを添加し、得られた混合物を一晩室温で撹拌した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~50%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=97%)。黄色油状物。
【0296】
3-{[(4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]メチル}テトラヒドロ-2H-ピラン-3-カルボン酸(中間体57)。表題の化合物を中間体56及びCFCOOHから一般的手順(スキーム1、工程5、方法B)により調製した(y=99%)。白色固形物。
【0297】
3-[[(4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]メチル]-N,N-ジメチルオキサン-3-カルボキサミド(中間体58)。表題の化合物を10分にわたり室温で中間体57及びHATUから一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。次いで、ジメチルアミン(THF中に2M)(CAS:124-40-3)及びTEAを添加し、得られた混合物を一晩室温で撹拌した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~80%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=99%)。無色油状物。
【0298】
N-({3-[(ジメチルアミノ)メチル]オキサン-3-イル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体58及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル20%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=42%)。無色油状物。
【0299】
実施例38
N-({3-[(ジメチルアミノ)メチル]オキソラン-3-イル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
tert-ブチル3-[[(4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]メチル]オキソラン-3-カルボキシレート(中間体59)。表題の化合物を4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボン酸(CAS:40133-09-3)及びtert-ブチル3-(アミノメチル)オキソラン-3-カルボキシレート(CAS:2137778-54-0)から一般的手順(スキーム1、工程4、方法B)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール20%~60%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=64%)。白色固形物。
【0300】
3-[[(4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]メチル]オキソラン-3-カルボン酸(中間体60)。表題の化合物を中間体59及びCFCOOHから一般的手順(スキーム1、工程5、方法B)により調製した(y=99%)。白色固形物。
【0301】
3-[[(4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]メチル]-N,N-ジメチルオキソラン-3-カルボキサミド(中間体61)。表題の化合物を中間体60及びジメチルアミン(CAS:124-40-3)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル20%~60%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=87%)。黄色油状物。
【0302】
N-({3-[(ジメチルアミノ)メチル]オキソラン-3-イル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体61及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~20%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=60%)。無色油状物。
【0303】
実施例39
N-{[3-(ピロリジン-1-イルメチル)オキソラン-3-イル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[3-(ピロリジン-1-カルボニル)オキソラン-3-イル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体62)。表題の化合物を中間体60及びピロリジン(CAS:123-75-1)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル20%~60%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=78%)。黄色油状物。
【0304】
N-{[3-(ピロリジン-1-イルメチル)オキソラン-3-イル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体62及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~20%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=60%)。無色油状物。
【0305】
実施例40
N-({1-[(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)メチル]シクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[1-(4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボニル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体63)。表題の化合物を中間体26及び4-ヒドロキシピペリジン(CAS:5382-16-1)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=78%)。無色油状物。
【0306】
N-({1-[(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)メチル]シクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体63及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=70%)。無色油状物。
【0307】
実施例41
N-({1-[(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)メチル]シクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[1-(4-ヒドロキシピペリジン-1-カルボニル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体64)。表題の化合物を中間体30及び4-ヒドロキシピペリジン(CAS:5382-16-1)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=80%)。無色油状物。
【0308】
N-({1-[(4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)メチル]シクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体64及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=63%)。無色油状物。
【0309】
実施例42
N-{3-[4-(2-メトキシエトキシ)ピペリジン-1-イル]-2,2-ジメチルプロピル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{3-[4-(2-メトキシエトキシ)ピペリジン-1-イル]-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体65)。表題の化合物を中間体16及び4-(2-メトキシエトキシ)ピペリジン(CAS:70978-88-0)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル15%~70%の線形勾配を使用するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(y=70%)。白色固形物。
【0310】
N-{3-[4-(2-メトキシエトキシ)ピペリジン-1-イル]-2,2-ジメチルプロピル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体65及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~20%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=80%)。無色油状物。
【0311】
実施例43
N-({3-[(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル]オキサン-3-イル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[3-(3-ヒドロキシピロリジン-1-カルボニル)オキサン-3-イル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体66)。表題の化合物を10分にわたり室温で中間体57及びHATUから一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。次いで、ピロリジン-3-オール塩酸塩(CAS:86070-82-8)及びTEAを添加し、得られた混合物を一晩室温で撹拌した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~10%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=70%)。無色油状物。
【0312】
N-({3-[(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル]オキサン-3-イル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体66及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~6%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=13%)。無色油状物。
【0313】
実施例44
N-{[3-(ピロリジン-1-イルメチル)オキサン-3-イル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド
N-{[3-(ピロリジン-1-カルボニル)オキサン-3-イル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体67)。表題の化合物を10分にわたり室温で中間体57及びHATUから一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。次いで、ピロリジン(CAS:123-75-1)及びTEAを添加し、得られた混合物を一晩室温で撹拌した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=59%)。無色油状物。
【0314】
N-{[3-(ピロリジン-1-イルメチル)オキサン-3-イル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体67及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~6%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=36%)。無色油状物。
【0315】
実施例45
N-({3-[(3-ヒドロキシピペリジン-1-イル)メチル]オキサン-3-イル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボニル}-3-[(3-ヒドロキシピペリジン-1-イル)メチル]オキサン-3-カルボキサミド(中間体68)。表題の化合物を10分にわたり室温で中間体57及びHATUから一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。次いで、4-ヒドロキシピペリジン(CAS:5382-16-1)及びTEAを添加し、得られた混合物を一晩室温で撹拌した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~10%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=64%)。白色固形物。
【0316】
N-({3-[(3-ヒドロキシピペリジン-1-イル)メチル]オキサン-3-イル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体68及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~6%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=35%)。無色油状物。
【0317】
実施例46
N-[3-(3-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-2,2-ジメチルプロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド
N-[3-(3-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体69)。表題の化合物を10分にわたり室温で中間体16及びHATUから一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。次いで、ピペリジン-3-オール(CAS:6859-99-0)及びTEAを添加し、得られた混合物を一晩室温で撹拌した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~5%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=87%)。無色油状物。
【0318】
N-[3-(3-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-2,2-ジメチルプロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体69及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル20%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=22%)。無色油状物。
【0319】
実施例47
N-[3-(4-メトキシピペリジン-1-イル)-2,2-ジメチルプロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-[3-(4-メトキシピペリジン-1-イル)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体70)。表題の化合物を10分にわたり室温で中間体16及びHATUから一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。次いで、4-メトキシピペリジン塩酸塩(CAS:4045-25-4)及びTEAを添加し、得られた混合物を一晩室温で撹拌した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~3%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=98%)。無色油状物。
【0320】
N-[3-(4-メトキシピペリジン-1-イル)-2,2-ジメチルプロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体70及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル20%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=54%)。無色油状物。
【0321】
実施例48
N-({1-[(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)メチル]シクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[1-(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-カルボニル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体71)。表題の化合物を中間体30及び4-メトキシ-4-メチルピペリジン(CAS:3970-72-7)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=75%)。無色油状物。
【0322】
N-({1-[(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)メチル]シクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体71及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=68%)。無色油状物。
【0323】
実施例49
N-({1-[(4-メトキシピペリジン-1-イル)メチル]シクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド
N-{[1-(4-メトキシピペリジン-1-カルボニル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体72)。表題の化合物を10分にわたり室温で中間体30及びHATUから一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。次いで、4-メトキシピペリジン塩酸塩(CAS:4045-25-4)及びTEAを添加し、得られた混合物を一晩室温で撹拌した。粗生成物をヘキサン中の酢酸エチル0%~80%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=96%)。白色固形物。
【0324】
N-({1-[(4-メトキシピペリジン-1-イル)メチル]シクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体72及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~80%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=34%)。無色油状物。
【0325】
実施例50
N-[(1-{[3-(プロパン-2-イルオキシ)ピペリジン-1-イル]メチル}シクロブチル)メチル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-({1-[4-(プロパン-2-イルオキシ)ピペリジン-1-カルボニル]シクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体73)。表題の化合物を10分にわたり室温で中間体30及びHATUから一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。次いで、3-(プロパン-2-イルオキシ)ピペリジン(CAS:1220175-72-3)及びTEAを添加し、得られた混合物を一晩室温で撹拌した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~80%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=93%)。白色固形物。
【0326】
N-[(1-{[3-(プロパン-2-イルオキシ)ピペリジン-1-イル]メチル}シクロブチル)メチル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体73及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~80%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=55)。無色油状物。
【0327】
実施例51
N-[(1-{[4-(プロパン-2-イルオキシ)ピペリジン-1-イル]メチル}シクロブチル)メチル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-({1-[4-(プロパン-2-イルオキシ)ピペリジン-1-カルボニル]シクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体74)。表題の化合物を10分にわたり室温で中間体30及びHATUから一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。次いで、4-(プロパン-2-イルオキシ)ピペリジン(CAS:43139-18-0)及びTEAを添加し、得られた混合物を一晩室温で撹拌した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~80%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=78%)。白色固形物。
【0328】
N-[(1-{[4-(プロパン-2-イルオキシ)ピペリジン-1-イル]メチル}シクロブチル)メチル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体74及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~20%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=81%)。無色油状物。
【0329】
実施例52
N-({1-[(3-ヒドロキシ-3-メチルピペリジン-1-イル)メチル]シクロペンチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[1-(3-ヒドロキシ-3-メチルピペリジン-1-カルボニル)シクロペンチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体75)。表題の化合物を中間体2及び3-メチルピペリジン-3-オール(CAS:473730-88-0)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=82%)。無色油状物。
【0330】
N-({1-[(3-ヒドロキシ-3-メチルピペリジン-1-イル)メチル]シクロペンチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体75及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=65%)。無色油状物。
【0331】
実施例53
N-({1-[(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)メチル]シクロペンチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[1-(4-ヒドロキシ-4-メチルピペリジン-1-カルボニル)シクロペンチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体76)。表題の化合物を中間体2及び4-メトキシ-4-メチルピペリジン(CAS:3970-72-7)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=81%)。無色油状物。
【0332】
N-({1-[(4-メトキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)メチル]シクロペンチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体76及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=61%)。無色油状物。
【0333】
実施例54
N-[3-(3-メトキシピペリジン-1-イル)-2,2-ジメチルプロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-[3-(3-メトキシピペリジン-1-イル)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体77)。表題の化合物を中間体16及び3-メトキシピペリジン(CAS:4045-29-8)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=80%)。無色油状物。
【0334】
N-[3-(3-メトキシピペリジン-1-イル)-2,2-ジメチルプロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体77及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=55%)。無色油状物。
【0335】
実施例55
N-({1-[(3-メトキシピペリジン-1-イル)メチル]シクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[1-(3-メトキシピペリジン-1-カルボニル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体78)。表題の化合物を中間体30及び3-メトキシピペリジン(CAS:4045-29-8)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=81%)。無色油状物。
【0336】
N-({1-[(3-メトキシピペリジン-1-イル)メチル]シクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体78及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=71%)。無色油状物。
【0337】
実施例56
N-({1-[(ジメチルアミノ)メチル]-3,3-ジフルオロシクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
メチル1-(アミノメチル)-3,3-ジフルオロシクロブタンカルボキシレート塩酸得(中間体79)。メタノール中のアミノ酸の0℃まで冷却された溶液に塩化チオニルを添加した。この反応物を還流温度まで加熱し、3時間にわたり撹拌した。冷却後、この混合物を蒸発させ、残留物をさらに精製することなく次の工程に使用した。
【0338】
メチル3,3-ジフルオロ-1-{[(4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]メチル}シクロブタンカルボキシレート(中間体80)。表題の化合物を4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボン酸(CAS:40133-09-3)及び中間体79から一般的手順(スキーム1、工程4、方法B)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル5%~70%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=87%)。白色固形物。
【0339】
3,3-ジフルオロ-1-{[(4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]メチル}シクロブタンカルボン酸(中間体81)。表題の化合物を中間体80から一般的手順(スキーム1、工程5、方法A)により調製した。Y=96%。白色固形物。
【0340】
N-{[3,3-ジフルオロ-1-(ピロリジン-1-カルボニル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体82)。表題の化合物を10分にわたり室温で中間体81及びHATUから一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。次いで、ジメチルアミン(CAS:124-40-3)及びTEAを添加し、得られた混合物を一晩室温で撹拌した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル5%~70%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=68%)。白色固形物。
【0341】
N-({1-[(ジメチルアミノ)メチル]-3,3-ジフルオロシクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体82及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル50%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=33%)。無色油状物。
【0342】
実施例57
N-{[3,3-ジフルオロ-1-(ピロリジン-1-イルメチル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[3,3-ジフルオロ-1-(ピロリジン-1-カルボニル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体83)。表題の化合物を10分にわたり室温で中間体81及びHATUから一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。次いで、ピロリジン(CAS:123-75-1)及びTEAを添加し、得られた混合物を一晩室温で撹拌した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル5%~70%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=68%)。白色固形物。
【0343】
N-{[3,3-ジフルオロ-1-(ピロリジン-1-イルメチル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体83及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル50%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=38%)。無色。
【0344】
実施例58
N-({1-[(4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル]シクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[1-(4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルピペリジン-1-カルボニル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体84)。表題の化合物を中間体30及び3,3-ジメチルピペリジン-4-オール(CAS:373603-88-4)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=81%)。無色油状物。
【0345】
N-({1-[(4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルピペリジン-1-イル)メチル]シクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体84及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより調製した(y=62%)。無色油状物。
【0346】
実施例59
N-({1-[(3-ヒドロキシ-3-メチルピペリジン-1-イル)メチル]シクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[1-(3-ヒドロキシ-3-メチルピペリジン-1-カルボニル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体85)。表題の化合物を中間体30及び3-メチルピペリジン-3-オール(CAS:473730-88-0)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=65%)。無色油状物。
【0347】
N-({1-[(3-ヒドロキシ-3-メチルピペリジン-1-イル)メチル]シクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体85及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=62%)。無色油状物。
【0348】
実施例60及び61
N-({1-[(ジメチルアミノ)メチル]-2-メチルシクロペンチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
エチル1-[[(4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]メチル]-2-メチルシクロペンタンカルボキシレート(中間体86)。表題の化合物を10分にわたり室温で4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボン酸(CAS:40133-09-3)及びHATUから一般的手順(スキーム1、工程4)により調製した。次いで、エチル1-(アミノメチル)-2-メチルシクロペンタンカルボキシレート(CAS:1500317-16-7)及びTEAを添加し、得られた混合物を一晩室温で撹拌した。粗生成物を、0%~20%における酢酸エチルの線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=96%)。無色油状物。
【0349】
1-[[(4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-イルカルボニル)アミノ]メチル]-2-メチルシクロペンタンカルボン酸(中間体87)。表題の化合物を中間体86及びEtOH中の3N NaOHから一般的手順(スキーム1、工程5、方法A)により調製した(y=88%)。白色固形物。
【0350】
N-{[1-(ジメチルカルバモイル)-2-メチルシクロペンチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体88)。表題の化合物を10分にわたり室温で中間体87及びHATUから一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。次いで、ジメチルアミン(THF中に2M)(CAS:124-40-3)及びTEAを添加し、得られた混合物を一晩室温で撹拌した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~50%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=77%)。無色油状物。
【0351】
N-({1-[(ジメチルアミノ)メチル]-2-メチルシクロペンチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体88及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル20%~80%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。粗生成物を、20%~80% ETOAc/ヘキサンにより溶出させるフラッシュシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage Isolera-SNAP 10g)により精製して、2つのジアステレオ異性体を得た。
【0352】
実施例60(画分1)及び実施例61(画分2)を、水中のアセトニトリル10%~90%の線形勾配を使用するHPLCにより精製した。白色固形物。
【0353】
実施例62
N-{[2-メチル-1-(ピロリジン-1-イルメチル)シクロペンチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[2-メチル-1-(ピロリジン-1-カルボニル)シクロペンチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体89)。表題の化合物を10分にわたり室温で中間体87及びHATUから一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。次いで、ピロリジン(CAS:123-75-1)及びTEAを添加し、得られた混合物を一晩室温で撹拌した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル0%~50%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=59%)。白色固形物。
【0354】
N-{[2-メチル-1-(ピロリジン-1-イルメチル)シクロペンチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体89及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、水中のアセトニトリル10%~90%の線形勾配を使用するHPLCにより精製した(y=16%)。無色油状物。
【0355】
実施例63及び実施例64
N-[[1-[(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル]シクロペンチル]メチル]-4,5,6,7,8,9-ヘキサヒドロシクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。実施例25を、Lux(登録商標)5μm Amylose-1カラムと、溶離液としてのヘキサン-エタノール(70:30)の混合物とを使用するHPLCにより精製した。
【0356】
実施例63:第1の画分。
【0357】
実施例64:第2の画分。
【0358】
実施例65
N-({1-[(3-ヒドロキシピペリジン-1-イル)メチル]シクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[1-(3-ヒドロキシピペリジン-1-カルボニル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体90)。表題の化合物を中間体30及びピペリジン-3-オール(CAS:6859-99-0)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=81%)。無色油状物。
【0359】
N-({1-[(3-ヒドロキシピペリジン-1-イル)メチル]シクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体90及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=58%)。無色油状物。
【0360】
実施例66
N-({1-[(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル]シクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-{[1-(3-ヒドロキシピロリジン-1-カルボニル)シクロブチル]メチル}-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体91)。表題の化合物を中間体30及びピロリジン-3-オール(CAS:40499-83-0)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=71%)。無色油状物。
【0361】
N-({1-[(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)メチル]シクロブチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体91及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=63%)。無色油状物。
【0362】
実施例67
N-[3-(4-ヒドロキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2,2-ジメチルプロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-[3-(4-ヒドロキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2,2-ジメチル-3-オキシプロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体92)。表題の化合物を中間体16及び4-メチルピペリジン-4-オール(CAS:3970-68-1)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=80%)。無色油状物。
【0363】
N-[3-(4-ヒドロキシ-4-メチルピペリジン-1-イル)-2,2-ジメチルプロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体92及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=55%)。無色油状物。
【0364】
実施例68
N-[3-(4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルピペリジン-1-イル)-2,2-ジメチルプロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-[3-(4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルピペリジン-1-イル)-2,2-ジメチル-3-オキソプロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体93)。表題の化合物を中間体16及び3,3-ジメチルピペリジン-4-オール(CAS:373603-88-4)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法A)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=76%)。無色油状物。
【0365】
N-[3-(4-ヒドロキシ-3,3-ジメチルピペリジン-1-イル)-2,2-ジメチルプロピル]-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間値93及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル30%~100%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=67%)。無色油状物。
【0366】
実施例69
N-({1-[(3aS,6aS)-ヘキサヒドロ-2H-フロ[2,3-c]ピロール-5-イルメチル]シクロペンチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。
N-({1-[(3aS,6aS)-ヘキサヒドロ-2H-フロ[2,3-c]ピロール-5-カルボニル]シクロペンチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド(中間体94)。表題の化合物を中間体2及び3,3-ジメチルピペリジン-4-オール(CAS:373603-88-4)から一般的手順(スキーム1、工程6、方法B)により調製した。粗生成物を、ヘキサン中の酢酸エチル10%~50%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=71%)。無色油状物。
【0367】
N-({1-[(3aS,6aS)-ヘキサヒドロ-2H-フロ[2,3-c]ピロール-5-イルメチル]シクロペンチル}メチル)-4H,5H,6H,7H,8H,9H-シクロオクタ[b]チオフェン-2-カルボキサミド。表題の化合物を中間体94及びLiAlHから一般的手順(スキーム1、工程7)により調製した。粗生成物を、ジクロロメタン中のメタノール0%~20%の線形勾配を使用するフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した(y=63%)。無色油状物。
【0368】
例示した化合物の構造を表2で報告する。
【0369】
【表6】
【0370】
【表7】
【0371】
【表8】
【0372】
【表9】
【0373】
【表10】
【0374】
【表11】
【0375】
【表12】
【0376】
【表13】
【0377】
【表14】
【0378】
【表15】
【0379】
【表16】
【0380】
【表17】
【0381】
【表18】
【0382】
【表19】
【0383】
【表20】
【0384】
【表21】
【0385】
【表22】
【0386】
【表23】
【0387】
分析手順及びデータ
HPLC調製
二波長UV検出に設定されたWATERS UV/Visible Detector 2489を備えたHPLCシステムWATERS Quaternary Gradient Mobile 2535。以下の2つの移動相:移動相A:水(MilliQ)0.05% TFA;移動相B:アセトニトリル(Chromasolv Sigma-Aldrich)0.05% TFAを使用し、実行勾配条件を各化合物に特異的に設定した。精製をXBRIDGE Waters Column C18 5μm 19×150で行った。使用した注入量は、100~500μlであり、流速は、15ml/分であった。
【0388】
ラセミ体分離
250及び265nmでの二波長UV検出に設定されたWATERS UV/Visible Detector 2489を備えたWATERS Quaternary Gradient Mobile 2535を使用する、ラセミ混合物である実施例25の分割により、2つの鏡像異性体である実施例63及び64を得た。アイソクラチック移動相としてヘキサン(Chromasolv Sigma-Aldrich)-エタノール(Chromasolv Sigma-Aldrich)70-30(v/v)を使用するLux(登録商標)5μm Amylose-1カラム(250mm×4.6mm、粒径5μm)により、キラル分割を行った。このカラムから室温(圧力:約500psi)において1.0ml/分の流速で試料を溶出させた。この混合物を1%(w/v)の濃度でエタノールに溶解させ、注入量は、100μLであった。
【0389】
本明細書で開示される追加のラセミ化合物を、上記で開示され且つ当技術分野で既知の方法により分離し得、単離して上記の立体異性体A及びBとして個別に得る。
【0390】
LCMS
LCMSの一般的手順。HPLC測定を、脱気装置を備えたクォータナリポンプ、オートサンプラー、カラムオーブン(29℃に設定)、ダイオードアレイ検出器DAD及び以下の各方法で指定のカラムを含むDionex 3000モジュールを使用して実施した。このカラムからの流れをMS分光計に分配した。MS検出器(LCQ Fleet Thermo Scientific)は、エレクトロスプレーイオン化源で構成された。質量スペクトルを、0.48秒で50~800を走査することにより取得した。キャピラリの針の電圧は、正及び負のイオン化モードで5kVであり、このイオン化源の温度を275℃に維持した。ネブライザガスとして窒素を使用し、流速は、8l/分であった。データ収集をThermo Xcalibur Qual Browserで実施した。
【0391】
LCMS - 方法。一般的手順に加えて、0.300ml/分の流速でKinetex XB-C18 column Phenomenex(1.7μm、50×2.1mm)により逆相HPLCを実行した。以下の2つの移動相:移動相A:ギ酸アンモニウム緩衝液(pH3.5);移動相B:アセトニトリル(Chromasolv Sigma-Aldrich)を使用し、これらを用いて、0.5分にわたり15%B、4.0分で15%から98%へ、1.35分にわたり98%B及び0.10分で15%Bの勾配条件を実行し、これらの条件を2.75分にわたり保持してカラムを再平衡化した(総実行時間8.7分)。使用した注入量は、1μlであった。
【0392】
【表24】
【0393】
【表25】
【0394】
【表26】
【0395】
NMRキャラクタリゼーション
H NMRスペクトルを、溶媒としてCDCl、DMSO-d又はCDODを使用してVarian Mercury NMR 400MHz分光計で記録した。化学シフト(δ)を、内部標準として使用したテトラメチルシラン(TMS)に対する100万分の1(ppm)で報告する。
【0396】
【表27】
【0397】
【表28】
【0398】
【表29】
【0399】
【表30】
【0400】
【表31】
【0401】
【表32】
【0402】
【表33】
【0403】
【表34】
【0404】
【表35】
【0405】
薬理
Gα16アッセイ
化合物(並びにその立体異性体及び/又はその塩)を、プレート内モダリティによる四重での用量反応でのアゴニストモードにおける蛍光読み出しにより、細胞ベースのアッセイにおいてCX3CR1アゴニズムに関して試験した。
【0406】
緩衝液及び試薬。PBS(カルシウム及びマグネシウムを含まないD-PBS;EuroClone);トリプシン(PBS中にトリプシン 0.05%、EDTA 0.02%;EuroClone);DMSO(Sigma);標準タイロード緩衝液:インハウス溶液(水中に130mM NaCl、5mM KCl、2mM CaCl2、1mM MgCl2、5mM NaHCO3、20mM HEPES、pH7.4;無菌ろ過済);セレンテラジン、ネイティブ(Biosynth);ストック 10mM;アゴニスト:組換えヒトフラクタルカイン(CX3CL1)(PeproTech);ストック:標準タイロード緩衝液中に10μM+BSA 0.1%;-20℃で保存。
【0407】
細胞株。このアッセイにヒト(hCX3CR1)、マウス(mCX3CR1)及びラット(rCX3CR1)を使用した。
【0408】
アッセイプロトコル。実験を384 MTPフォーマットで実施した。384ウェルプレートにおいて、25μl/ウェルの、選択抗生物質を含まない完全増殖培地中に7,500個の細胞/ウェルで細胞を播種した。24時間後、読み取りとして細胞中で安定的に発現されたCa2+感受性発光タンパク質を使用して、様々な化合物に対する反応に関して細胞をアッセイした。
【0409】
この実験を以下の手順に従って384ウェルフォーマットで実施した:
・播種の24時間後、1時間にわたり室温で細胞をプレインキュベートする。
・次いで、培養培地を除去する。
・20μL/ウェルの標準タイロード緩衝液+10μM セレンテラジンと共に細胞をロードする。
・RTで3時間にわたり細胞プレートをインキュベートする。
・FLIPRTETRAで、10μL/wの、アッセイ緩衝液中の3倍濃縮した試験化合物及びコントロールを注入し、90秒かけて動的反応をモニタリングする。
【0410】
FLIPRTETRA測定のデータをGenedata Screener(登録商標)ソフトウェアで解析した。以下の実施例は、特許請求される本発明を説明することを意図され、決定して限定することを意図されない。
【0411】
【表36】
【0412】
【表37】
【0413】
【表38】
【0414】
ChAMPionアッセイ
緩衝液及び試薬。PBS(カルシウム及びマグネシウムを含まないD-PBS;EuroClone);トリプシン(PBS中にトリプシン0.05%、EDTA 0.02%;EuroClone);DMSO(Sigma);タイロード緩衝液Ca2+フリー:インハウス溶液(130mM NaCl、5mM KCl、1mM MgCl、5mM NaHCO、20mM HEPES(pH7.4);無菌ろ過及びオートクレーブ済);タイロード緩衝液 10mM Ca2+:インハウス溶液(水中に130mM NaCl、5mM KCl、10mM CaCl、1mM MgCl2、5mM NaHCO、20mM HEPES、pH7.4、無菌ろ過済);セレンテラジン、ネイティブ(Biosynth);ストック 10mM;アゴニスト:組換えヒトフラクタルカイン(CX3CL1)(PeproTech);ストック:標準タイロード緩衝液中に10μM/BSA 01%;-20℃で保存。
【0415】
細胞株。hCX3CR1アッセイのための最終クローンは、CHO ChAMPion/CX3CR1 K1.6であった。ChAMPion技術は、CHO-K1株における、Ca2+感受性発光タンパク質と、cAMPバイオセンサとして機能する環状ヌクレオチドゲート(CNG)チャネルとの共発現に基づく。CNGチャネルは、このチャネルの細胞内C末端部位でのcAMP又はcGMPのいずれかとの直接相互作用により開口し得る非選択的リガンドゲートカチオンチャネルである。チャネルの開口により、細胞外カルシウムの細胞質への流入が可能になり、この流入の一時的な上昇をいくつかの異なるカルシウム指標により記録し得る。chAMPionシステムでは、CNGチャネルは、生理的範囲内でcAMPレベルに対する感度を示すように改変されている。加えて、この開口したチャネルを介したカルシウムの流入は、発光タンパク質から発したフラッシュ型発光シグナルの記録により、即時に検出される。
【0416】
chAMPion細胞株システムは、トランスフェクトされたGαi-共役受容体の活性化をモニタリングし得、この活性化により、3’,5’-アデノシン環状一リン酸(cAMP)レベルの変化が誘発され、次いでCNG開口及びその結果としてのCa2+流入の原因となる。
【0417】
アッセイプロトコル。実験を384 MTPフォーマットで実施した。384ウェルプレートにおいて、25μl/ウェルの、選択抗生物質を含まない完全増殖培地中に10,000個の細胞/ウェルで細胞を播種した。24時間後、読み取りとして細胞中で安定的に発現されたCa2+感受性発光タンパク質を使用して、様々な化合物に対する反応に関して細胞をアッセイした。
【0418】
この実験を以下の手順に従って384ウェルフォーマットで実施した:
・播種の24時間後、1時間にわたり室温で細胞をプレインキュベートする。
・次いで、培養培地を除去する。
・20μL/ウェルのCa2+フリータイロード緩衝液+セレンテラジン 5μMと共に細胞をロードする。
・RTで4時間にわたり細胞プレートをインキュベートする。
・10μL/wの、Ca2+フリータイロード緩衝液+Forskolin 9μM(最終Forskolin濃度=3μM)中の3倍濃縮化合物を細胞に適用する(10μl/s)。10分後、以下の2回目の注入:10μl/ウェルのCa2+フリータイロード緩衝液+BSA 0.04%(最終BSA濃度=0.01%)を実施する。20分後、以下の3回目の注入:20μl/ウェルの10mM Ca2+タイロード緩衝液(最終Ca2+濃度は3.3mMであった)を実施し、発光を90秒にわたり記録する。
【0419】
FLIPRTETRA測定のデータをGenedata Screener(登録商標)ソフトウェアで解析する。
【0420】
【表39】
【0421】
【表40】
【0422】
Suchi5アッセイ
緩衝液及び試薬。PBS(カルシウム及びマグネシウムを含まないD-PBS;EuroClone);トリプシン(PBS中にトリプシン 0.05%、EDTA 0.02%;EuroClone);Opti-MEM培地(Thermo Fisher);DMSO(Sigma);標準タイロード緩衝液:インハウス溶液(水中に130mM NaCl、5mM KCl、2mM CaCl、1mM MgCl、5mM NaHCO、20mM HEPES、pH7.4;無菌ろ過済);Screen Quest(商標)Fluo-8 No Wash Calcium Assay Kit(AAt Bioquest(登録商標));Lipofectamine(登録商標)2000 Reagent(Thermo Fisher);アゴニスト:組換えヒトフラクタルカイン(CX3CL1)(PeproTech);ストック:標準タイロード緩衝液中に10μM/BSA 01%;-20°Cで保存。
【0423】
細胞株。CX3CR1-Suchi5アッセイのための最終細胞株は、hCX3CR1 cDNAが一過性にトランスフェクトされたHEK/NatClytin/CNG/Suchi5である。この細胞株では、GαiqキメラGタンパク質(Suchi5と称される)の過剰発現により、ネイティブなGαiシグナル伝達がGαq経路に切り替えられ、Gαi活性化がCa2+放出に向けられて測定される。
【0424】
アッセイプロトコル。実験を384 MTPフォーマットで実施する。384ウェルプレートにおいて、25μl/ウェルの、選択抗生物質を含まないOpti-MEM培地中に20,000個の細胞/ウェルにおいて、一過性にトランスフェクトされた細胞を播種する。4~5時間後、25μL/ウェルの、20%のFBSを含む完全培地を細胞に添加する。24時間後、読み取りとして蛍光Ca2+感受性色素(FLUO8-No Wash Dye)を使用して、様々な化合物に対する反応に関して細胞をアッセイする。
【0425】
この実験を以下の手順に従って384ウェルフォーマットで実施する:
・播種の24時間後、培養培地を除去する。
・20μL/ウェルの、アッセイ緩衝液に希釈した0.5X FLUO-8 No Wash Dyeと共に細胞をロードする。
・RTで1時間にわたり細胞プレートをインキュベートする。
・FLIPRTETRAで、10μL/wの、アッセイ緩衝液中の3倍濃縮した試験化合物及びコントロールを注入し、90秒かけて動的反応をモニタリングする。
【0426】
FLIPRTETRA測定のデータをGenedata Screener(登録商標)ソフトウェアで解析する。
【0427】
【表41】
【0428】
【表42】
【0429】
GTPγ[35S]シンチレーション近接アッセイ
化合物を、組換えマウスCX3CR1又は組換えヒトCX3CR1を発現するCHO-K1細胞の細胞膜を使用して、マウスCX3CR1受容体及びヒトCX3CR1受容体でのアゴニスト活性に関して試験した。アゴニスト試験のために膜をGDPと混合する。並行して、反応の直前にGTPγ[35S]をビーズと混合する。Optiplate(Perkin Elmer)のウェル中で以下の試薬を連続して添加する:試験リガンド又は参照リガンド 50μL、アッセイ緩衝液 10μL、膜:GDPミックス 20μL及びGTPγ[35S]:ビーズミックス 20μL。このプレートをトップシールで覆い、2分にわたりオービタルシェーカーで混合し、次いで室温で1時間にわたりインキュベートする。次いで、このプレートを2000rpmで10分にわたり遠心分離し、1時間にわたり室温でインキュベートし、PerkinElmer TopCountリーダーで1分/ウェルにわたり計数する。
【0430】
【表43】
【0431】
CX3CR1アゴニストは、HepG2細胞へのCX3CR1依存性THP-1細胞付着を防止する
本アッセイでは、フラクタルカイン発現細胞株であるHepG2へのTHP-1単球(CX3CR1を構成的に発現する)の付着を測定する。簡潔に説明すると、HepG2細胞を96ウェルプレートに1ウェル当たり80,000個の細胞で播種し、一晩単層を形成させた。翌日、THP-1細胞(2×10個の細胞/mL)をCalcein-AM(5μM)で蛍光標識し、30分にわたり、示された用量において化合物で前処理した。その後、標識されたTHP-1細胞をHepG2含有プレートに播種し(50,000個/ウェル)、30分にわたりインキュベートした後、INCell Analyzer Imaging SystemでCalcein-AMシグナルを画像化した。4回の洗浄後、このプレートをもう一度画像化して、このプレート上に残存する細胞の割合で測定した場合のTHP-1細胞付着を算出した。化合物1及び2の両方は、用量依存的にHepG2細胞へのTHP-1付着を防止した(図1)。これらのアゴニストは、CX3CR1とフラクタルカインとの間の相互作用をブロックすることにより、この細胞付着アッセイにおいて機能的アンタゴニストとして挙動する。さらに、この効果は、遺伝子操作によりCX3CR1発現を欠くTHP-1細胞において、CX3CR1依存的であることが示された(図1)。
【0432】
初代ヒト単球は、CX3CR1アゴニストに対する走化性勾配に沿って遊走する
この走化性アッセイでは、フラクタルカイン及び活性なCX3CR1アゴニストに対する初代ヒト単球のCX3CR1依存性遊走を評価する。遊走指数を決定するために、単球を新鮮な単離ヒトPBMCから正選択し、孔径が5μmのトランスウェルプレートの上方のチャンバに1回の挿入当たり50,000個の細胞で播種した。下方のチャンバに、図2に示す濃度で組換えヒトフラクタルカインを充填するか、又は活性及び非活性のCX3CR1アゴニストを充填した。単球を4時間にわたり遊走させ、その後、代謝的に活性な細胞を測定するCellTiter-Glo Assayにより下方のチャンバ中で検出した。予想したように、単球は、フラクタルカインに向かって遊走し(図2A)、且つ活性なCX3CR1アゴニストのみに向かって遊走し(図2B)、これは、CX3CR1依存性プロセスを示唆した。
【0433】
他の実施形態
上記した詳細な説明は、当業者が本開示を実施することを支援するために提供される。しかしながら、本明細書で説明及び特許請求される本開示は、本明細書で開示される特定の実施形態により範囲が限定されてはならず、なぜなら、この実施形態は、本開示のいくつかの態様の説明として意図されるからである。あらゆる均等な実施形態が本開示の範囲内であることを意図される。実際に、本明細書で示され且つ説明されるものに加えて、本開示の様々な改変形態が上述の説明から当業者に明らかになり、これらの改変形態は、本発明の発見の趣旨又は範囲から逸脱しない。そのような改変形態は、添付の特許請求の範囲に含まれることも意図される。
図1
図2
【国際調査報告】