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特表2022-541645治療用タンパク質の多機能性および増強された分泌のための多量体タンパク質ドメイン
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-26
(54)【発明の名称】治療用タンパク質の多機能性および増強された分泌のための多量体タンパク質ドメイン
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/62 20060101AFI20220915BHJP
   C07K 19/00 20060101ALI20220915BHJP
   C07K 14/525 20060101ALI20220915BHJP
   C07K 14/78 20060101ALI20220915BHJP
   C12N 15/12 20060101ALI20220915BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20220915BHJP
   C12N 7/01 20060101ALI20220915BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20220915BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220915BHJP
   A61P 37/06 20060101ALI20220915BHJP
   A61K 35/76 20150101ALI20220915BHJP
   A61K 48/00 20060101ALI20220915BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20220915BHJP
   A61K 47/68 20170101ALI20220915BHJP
   A61K 47/65 20170101ALI20220915BHJP
   A61K 38/17 20060101ALI20220915BHJP
   A61K 38/39 20060101ALI20220915BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
C12N15/62 Z
C07K19/00 ZNA
C07K14/525
C07K14/78
C12N15/12
C12N15/63 Z
C12N7/01
A61P25/28
A61P35/00
A61P37/06
A61K35/76
A61K48/00
A61K9/14
A61K47/68
A61K47/65
A61K38/17
A61K38/39
A61K39/395 Y
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022504703
(86)(22)【出願日】2020-07-22
(85)【翻訳文提出日】2022-03-24
(86)【国際出願番号】 US2020043011
(87)【国際公開番号】W WO2021016316
(87)【国際公開日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】62/876,850
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TRITON
(71)【出願人】
【識別番号】501453307
【氏名又は名称】ユニバーシティー オブ フロリダ リサーチ ファンデーション, インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ゴルデ,トッド イー.
(72)【発明者】
【氏名】ラン,ヨン
(72)【発明者】
【氏名】グッドウィン,マーシャル
(72)【発明者】
【氏名】クルス,ペドロ
(72)【発明者】
【氏名】レビテス,ヨナ
【テーマコード(参考)】
4B065
4C076
4C084
4C085
4C087
4H045
【Fターム(参考)】
4B065AA95X
4B065AA95Y
4B065AB01
4B065AC14
4B065BA02
4B065CA24
4B065CA44
4C076AA29
4C076AA95
4C076CC01
4C076CC03
4C076CC27
4C076CC41
4C076EE59
4C076EE59M
4C076EE59Q
4C076FF31
4C076FF63
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA07
4C084AA13
4C084BA41
4C084BA44
4C084CA53
4C084DA40
4C084DB63
4C084DC50
4C084MA43
4C084NA03
4C084NA05
4C084NA12
4C084NA13
4C084NA14
4C084ZA151
4C084ZA161
4C084ZB081
4C084ZB261
4C085AA25
4C085BB11
4C085BB31
4C085CC03
4C085CC31
4C085DD62
4C085EE01
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC83
4C087CA12
4C087MA43
4C087NA03
4C087NA05
4C087NA12
4C087NA13
4C087NA14
4C087ZA15
4C087ZA16
4C087ZB08
4C087ZB26
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045CA40
4H045DA14
4H045EA20
4H045FA74
(57)【要約】
本明細書に提供されるのは、目的の生物活性小ペプチドの、標的細胞への送達を介した安定した産生のための組成物および方法であって、これは、目的の小ペプチドの、C1qTNFタンパク質のコラーゲンドメインへの融合により、多量体化可能な新規の足場タンパク質を産生することに基づく。有利なことに、本開示の融合タンパク質、組成物および方法は、目的の細胞内分泌可能ペプチドのより高い安定発現およびより長い安定性を提供することにより、当技術分野における既存のニーズを満たす。さらに、本開示の融合タンパク質、組成物および方法は、発現された受容体ペプチドの、標的細胞におけるリガンド結合パートナーとの、改善された結合親和性を提供する。本明細書でさらに提供されるのは、記載された融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド構築物、およびこれらのポリヌクレオチドを含む組換えアデノ随伴ウイルス粒子である。記載された融合タンパク質を含む医薬組成物およびナノ粒子も、本明細書に提供される。本明細書にさらに提供されるのは、記載された融合タンパク質、rAAV粒子、組成物、および/またはナノ粒子を投与することにより、対象を処置する方法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
融合タンパク質であって、(i)C1qTNFタンパク質コラーゲンドメイン(CCD)および(ii)第1の異種ペプチドを含み、ここでCCDがヒト起源のC1qTNFに由来する、前記融合タンパク質。
【請求項2】
(iii)第2の異種ペプチド、をさらに含む、請求項1に記載の融合タンパク質。
【請求項3】
CCDが、配列番号1または11のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含む、請求項1または2に記載の融合タンパク質。
【請求項4】
CCDが、配列番号2または3のアミノ酸配列に対して、少なくとも90%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項5】
CCDが、配列番号4~9いずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項6】
融合タンパク質が、構造:NH-[第1の異種ペプチド]-[CCD]-COOH、NH-[CCD]-[第1の異種ペプチド]-COOH、NH-[第1の異種ペプチド]-[CCD]-[第2の異種ペプチド]-COOH、NH-[CCD]-[第1の異種ペプチド]-[第2の異種ペプチド]-COOH、またはNH-[第1の異種ペプチド]-[第2の異種ペプチド]-[CCD]-COOHを含み、ここで「]-[」の各例は、任意のリンカー配列の存在を示す、請求項1~4のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項7】
任意のリンカー配列が、アミノ酸配列GGGS(配列番号103)またはGGGSGGGS(配列番号104)を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項8】
第1および第2の異種ペプチドが、分泌可能ヒトペプチドである、請求項1~7のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項9】
1つ以上のFLAGまたはHisタグをさらに含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項10】
分泌シグナル配列をさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項11】
融合タンパク質が、2つ以上のリガンドに対して二重特異性を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項12】
第1または第2の異種ペプチドの少なくとも1つが、単鎖可変領域フラグメント(scFv)である、請求項1~11のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項13】
第1または第2の異種ペプチドの少なくとも1つが、免疫チェックポイントモジュレーターである、請求項1~11のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項14】
第1または第2の異種ペプチドの少なくとも1つが、可溶性リンパ球活性化遺伝子(sLag)である、請求項1~11のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項15】
第1または第2の異種ペプチドの少なくとも1つが、成長因子受容体である、請求項1~11のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項16】
第1または第2の異種ペプチドの少なくとも1つが、Lag3、PD-1、WIF1、Icos、NOTCH1、VEGFR1、GBA、HSV-TK、HSV-TK-SR39、およびFGFR1からなる群から選択される、請求項1~15のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項17】
第1または第2の異種ペプチドの少なくとも1つが、NOTCH4、CTLA4、DLL3、JAG1、B7H3、EGFR、TGFBR1、TGFBR2、HHIP、SFRP1、SFRP2、DKK1、SOSTDC1、CSF1R、TIGIT、TRAIL、TIMP3、HAVCR2、VEGFR1ドメイン2、VEGFR2ドメイン3、および可溶性トール様受容体(sTLR)の外部ドメイン、からなる群から選択される、請求項1~16のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項18】
第2の異種ペプチドが、アミロイドβペプチド(α-Aβ)に対して親和性を有するscFvを含む、請求項12に記載の融合タンパク質。
【請求項19】
第1の異種ペプチドが、タウタンパク質(α-タウ)に対して親和性を有するscFvを含む、請求項18に記載の融合タンパク質。
【請求項20】
融合タンパク質が、構造:NH-[α-タウscFv]-[CCD]-[α-Aβ scFv]-COOH、NH-[α-タウscFv]-[CCD]-[α-Aβ scFv]-FLAG-COOH、またはNH-FLAG-[α-タウscFv]-[CCD]-[α-Aβ scFv]-COOHを含み、ここで「]-[」の各例は、任意のリンカー配列を示す、請求項19に記載の融合タンパク質。
【請求項21】
第1の異種ペプチドが、GBAを含む、請求項18に記載の融合タンパク質。
【請求項22】
第1の異種ペプチドがアミロイドβペプチド(Aβ)に対して親和性を有するscFvを含み、第2の異種ペプチドが異なるアミロイドβペプチドに対して親和性を有するscFvを含む、請求項12に記載の融合タンパク質。
【請求項23】
融合タンパク質が、配列番号56、57、59、70、72、77、80、87、101、102、または105~108のアミノ酸配列のいずれか1つと少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を含む、請求項1~22のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項24】
融合タンパク質が、配列番号13~48、50~96、101、102、または105~108に記載のアミノ酸配列のいずれか1つを含む、請求項1~23のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項25】
融合タンパク質が、配列番号56、57、59、70、72、77、80、87、101、102、または105~108に記載のアミノ酸配列のいずれか1つを含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項26】
融合タンパク質が、配列番号57、87、102、または105~108に記載のアミノ酸配列のいずれか1つを含む、請求項1~25のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項27】
請求項1~26に記載の融合タンパク質のいずれか1つを含む2つ以上の単量体を含む、多量体融合タンパク質。
【請求項28】
請求項1~26に記載の融合タンパク質のいずれか1つを含む3または6個の単量体を含む、請求項27に記載の多量体融合タンパク質。
【請求項29】
単量体が同一である、請求項27または28に記載の多量体融合タンパク質。
【請求項30】
単量体が同一ではない、請求項27または28に記載の多量体融合タンパク質。
【請求項31】
2つ以上の単量体のCCDが、1つ以上のグリシン-システイン-グリシンリンカードメインまたはグリシン-チロシン-システインリンカードメインによって互いに連結されている、請求項27~30のいずれか一項に記載の多量体融合タンパク質。
【請求項32】
2つ以上の単量体が、1つ以上のジスルフィド架橋によって互いに連結されている、請求項27~31のいずれか一項に記載の多量体融合タンパク質。
【請求項33】
多量体融合タンパク質が、2つ以上のリガンドに対して二重特異性を有する、請求項27~32のいずれか一項に記載の多量体融合タンパク質。
【請求項34】
多量体融合タンパク質が、in vivoで2つ以上のリガンドに対して、in vivoでの同じリガンドに対する第1および第2の異種ペプチドの結合親和性の合計と実質的に等価である結合アビディティを有する、請求項27~33に記載の多量体融合タンパク質。
【請求項35】
(i)メロゾイト表面タンパク質ドメイン(MSP)および(ii)第1の異種ペプチドを含む、融合タンパク質。
【請求項36】
第2の異種ペプチドをさらに含む、請求項35に記載の融合タンパク質。
【請求項37】
MSPが、配列番号49に記載のアミノ酸配列を含む、請求項35または36に記載の融合タンパク質。
【請求項38】
融合タンパク質が、構造:NH-[第1の異種ペプチド]-[MSP]-COOH、NH-[MSP]-[第1の異種ペプチド]-COOH、NH-[第1の異種ペプチド]-[MSP]-[第2の異種ペプチド]-COOH、NH-[MSP]-[第1の異種ペプチド]-[第2の異種ペプチド]-COOH、またはNH-[第1の異種ペプチド]-[第2の異種ペプチド]-[MSP]-COOHを含み、ここで「]-[」の各例は、任意のリンカー配列の存在を示す、請求項35~37のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項39】
融合タンパク質が、配列番号97~100に記載のアミノ酸配列のいずれか1つを含む、請求項35~38のいずれか一項に記載の融合タンパク質。
【請求項40】
請求項1~26または請求項35~39のいずれか一項に記載の融合タンパク質をコードする、ポリヌクレオチド。
【請求項41】
請求項40に記載のポリヌクレオチドを含む、発現ベクター。
【請求項42】
ベクターが、ポリヌクレオチドの発現を駆動する異種プロモーターを含む、請求項41に記載のベクター。
【請求項43】
異種プロモーターが、ヒト脳細胞において活性である、請求項42に記載のベクター。
【請求項44】
プロモーターが、CMVエンハンサー/ニワトリβ-アクチン(CAG)プロモーター、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーター、微小管結合タンパク質2(MAP2)プロモーターまたはシナプシン1(SYN)プロモーターから選択される、請求項43に記載のベクター。
【請求項45】
請求項1~26のいずれか一項に記載の融合タンパク質または請求項27~34のいずれか一項に記載の多量体融合タンパク質および、薬学的に許容し得る賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項46】
請求項41~43のいずれか一項に記載のベクターおよび、薬学的に許容し得る賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項47】
請求項46に記載の組成物を含む、ナノ粒子。
【請求項48】
請求項36に記載のポリヌクレオチドまたは請求項41~43のいずれか一項に記載のベクターを含む、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子。
【請求項49】
rAAV2/8またはrAAV2/1粒子を含む、請求項48に記載のrAAV粒子。
【請求項50】
疾患、障害、もしくは状態を有するか、またはこれを発症するリスクのある対象を処置する方法であって、以下:
請求項1~39のいずれか一項に記載の融合タンパク質、請求項45もしくは46に記載の医薬組成物、請求項47に記載のナノ粒子、または請求項48もしくは49に記載のrAAV粒子を、対象に投与すること、
を含む、前記方法。
【請求項51】
対象が、疾患、障害、または状態と診断されている、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
疾患、障害、または状態が、アルツハイマー病または別の神経変性疾患、がん、または自己免疫疾患である、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
対象がヒトである、請求項50~52に記載の方法。
【請求項54】
細胞、組織または器官における分析物の濃度を決定する方法であって、以下:
対象の細胞、組織または器官に、請求項1~39のいずれか一項に記載の融合タンパク質、請求項45もしくは46に記載の医薬組成物、請求項47に記載のナノ粒子、または請求項48もしくは49に記載のrAAV粒子を、投与すること;および
分析物の濃度を測定すること、ここで融合タンパク質は、分析物に対して結合親和性を有する、
を含む、前記方法。
【請求項55】
細胞が、哺乳動物細胞である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
細胞が、哺乳動物対象から単離された、請求項54または55に記載の方法。
【請求項57】
対象の処置を、分析物の濃度を考慮して調整することをさらに含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
細胞、組織、または器官中の分析物の濃度を測定するためのキットであって、以下:
請求項1~39のいずれか一項に記載の融合タンパク質、請求項45もしくは46に記載の医薬組成物、請求項47に記載のナノ粒子、または請求項48もしくは49に記載のrAAV粒子;および
融合タンパク質と分析物との間の結合親和性を測定するための手段であって、平衡透析、平衡結合、ゲル濾過、ELISA、表面プラズモン共鳴、および分光法から選択される、前記手段、
を含む、前記キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、35 U.S.C. 119(e)の下で、2019年7月22日出願の米国仮出願第62/876,850号の出願日の利益を主張し、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
連邦政府支援研究
本発明は、国立衛生研究所により授与されたP01 CA166009のもとで政府の支援を受けてなされた。政府は本発明において一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
天然に存在するかまたは合成的に生成される生物活性小ペプチド(bioactive small peptide)は、近年、研究ツールおよび薬理学的薬物としてますます関心を集めている。特に、これらの生物活性小ペプチドは、様々な生理学的および病理学的プロセスにおいて重要な役割を果たしており、したがって多くの病的状態に対する治療的介入の有望な標的である。さらに生物活性小ペプチドは、従来の薬剤に比べて増強された標的結合親和性および特異性を有する、様々な生物学的プロセスのアゴニストまたはアンタゴニストとしての使用を獲得している。これら進歩にもかかわらず、外来性の遺伝子送達候補としての小ペプチドの使用は、細胞における限られた発現効率、低い結合親和性、および短い半減期(主に、分解のための細胞プロテアーゼに対する小ペプチドの感受性のため)によって妨げられてきた。
【0004】
小ペプチドの外来性投与のこれらの問題を克服するために開発された1つの戦略は、目的の細胞または組織に投与される高発現ベクターを使用することによって、細胞内でペプチドを生成することである。研究者は、足場タンパク質または他のレポータータンパク質との融合ペプチドの一部として小ペプチドを発現させるために、異なる発現システムを採用したが、この戦略は、遊離ペプチド形態でのみ活性であるかまたはより高度に活性である小ペプチドでは、成功していない。
【0005】
これとは別に、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン病(PD)および関連する神経変性疾患に対する効果的な治療法は、未だ満たされていない重要な医学的要求である。免疫療法アプローチは、ADに対する効果的な疾患改変療法を開発するための努力の、主要な焦点であり続けている。脳内でのアミロイドβ(AβまたはAベータ)斑産生を標的とする阻害剤とは対照的に、抗Aβ免疫療法は、既存の沈着物を除去するか、有毒なAβ凝集体を中和するか、またはその両方を行う可能性がある。したがって、既存の病状を有する患者において免疫療法を試験するための、より良い理論的根拠が存在する。
【発明の概要】
【0006】
発明の概要
本開示は、目的の生物活性小ペプチドを標的細胞への送達を介して安定して産生するための、新規な組成物および方法を提供する。本開示の側面は、C1QTNFタンパク質のコラーゲンドメインを含むより大きな足場タンパク質の生成物としての、目的のペプチドの外来性発現を提供する。
【0007】
本開示の融合タンパク質、組成物および方法は、目的の細胞内かつ分泌可能なペプチドの、より高い安定発現およびより長い安定性を提供することにより、当技術分野における既存のニーズを満たす。さらに本開示の融合タンパク質、組成物および方法は、発現された受容体ペプチドの、標的細胞におけるリガンド結合パートナーとの改善された結合親和性を提供し、これには、免疫療法ペプチドのアミロイドβリガンドとの結合が含まれる。
【0008】
本開示は少なくとも部分的に、コラーゲンが、哺乳動物の様々な結合組織の主要な構造タンパク質である、細胞外マトリックスタンパク質であるとの理解に基づく。これは、反復三重らせん配列グリシン-X-Yを持つ1つ以上の三重らせん領域(コラーゲンドメイン)を含有し、ここでXおよびYは、多くの場合プロリン(アミノ酸コード、PまたはPro)またはヒドロキシプロリン(アミノ酸コード、OまたはHyp)である。Lodish et al., MOLECULAR CELL BIOLOGY, 4th edition, Section 22.3, New York: W. H. Freeman, ed.; 2000を参照。かかるトリプレットの存在により、3つのコラーゲンポリペプチド鎖(α鎖)が、細胞内で三重らせんの立体配座に折り畳まれることが可能となる。
【0009】
コラーゲンドメインを有する多くのコラーゲン様タンパク質がヒト血清中に存在し、感染性生物からの保護において自然免疫系として機能する。これらには、補体タンパク質C1qが含まれる。これらの「防御コラーゲン」分子に共通する構造的特徴は、C末端に標的結合ドメインを持つ複数三量体タンパク質ユニットへの、それらの会合である。結果として多量体化は、これらの防御コラーゲン分子の結合ドメインの機能的親和性を増加させ得る。コラーゲンドメインを含有する異種融合タンパク質の三量体化は、同種または異種の三量体化ドメインをコラーゲンドメインに融合させて、コラーゲン三重らせん形成を駆動することにより達成されてきた。米国公開第2008/0176247号を参照、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0010】
その臨床的可能性について活発に調査されている高発現ベクター系は、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)ベクターである。分泌可能小ペプチドの限られた発現レベルと貧弱な半減期は、多くのrAAV用途の開発における障害として残っている。いくつかのグループは、目的の小ペプチドとの抱合、またはそれとの融合タンパク質に、分泌シグナルおよび細胞透過性ペプチド配列を導入した。例えば、米国特許公開第2012/0157513号を参照、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0011】
本開示のペプチド送達戦略は、rAAV系を、ヒトC1qTNFタンパク質の遺伝的に最適化されたコラーゲンドメイン(CD)を含む融合タンパク質と組み合わせる。このドメインは、本明細書では「C1qTNFコラーゲンドメイン」または「CCD」と呼ばれる。様々な側面において、本明細書で提供される融合タンパク質のコラーゲンドメインは、C1qTNFタンパク質に由来する。特定の態様において、コラーゲンドメインは、C1qTNF3タンパク質に由来する。いくつかの態様において、コラーゲンドメインは、C1qTNF5タンパク質に由来する。様々な態様において、コラーゲンドメインは、哺乳動物C1qTNFタンパク質、例えばヒトC1qTNFタンパク質に由来する。
【0012】
本開示のCCD融合タンパク質を使用するペプチドの発現および送達は、驚くべきことに、以下の長年のニーズのそれぞれに対する解決策を提供する:1)in vitroおよびin vivoで目的の小ペプチドの10倍を超える発現レベルの達成、2)目的のペプチドの多量体化を促進して、アビディティの利用によりリガンド結合親和性を高めること、および3)ペプチド生成物の半減期の安定化。
【0013】
したがって、いくつかの側面において、本開示は、(i)C1qTNFタンパク質コラーゲンドメイン(CCD)および(ii)第1の異種ペプチドを含む、融合タンパク質を提供する。特定の態様において、CCDは、ヒト起源のC1qTNFに由来する。いくつかの態様において、CCDはC1qTNF3 CDであり、ヒトC1qTNF3 CDに由来し得る。
【0014】
異種ペプチドは、CCD融合タンパク質のN末端またはC末端に位置し得る。したがって、いくつかの態様において、開示された融合タンパク質は、構造:NH-[第1の異種ペプチド]-[CCD]-COOHまたはNH-[CCD]-[第1の異種ペプチド]-COOHを含み、ここで「]-[」の各例は、任意のリンカー配列の存在を示す。
【0015】
いくつかの態様において、開示された融合タンパク質はさらに、第2の異種ペプチドを含む。したがって、かかる態様において、融合タンパク質は、構造:NH-[第1の異種ペプチド]-[CCD]-[第2の異種ペプチド]-COOH、NH-[CCD]-[第1の異種ペプチド]-[第2の異種ペプチド]-COOH、またはNH-[第1の異種ペプチド]-[第2の異種ペプチド]-[CCD]-COOHを含み得、ここで「]-[」の各例は、任意のリンカー配列の存在を示す。かかる融合タンパク質は、2つ以上のリガンドに対して二重特異性を有し得る。
【0016】
ある側面において、融合タンパク質の1つ以上の異種ペプチドは、単鎖可変領域フラグメント(scFv)または免疫チェックポイントモジュレーターを含み得る。
【0017】
ある側面において、本開示は、上記のような融合タンパク質を含む2つ以上の単量体を含む多量体融合タンパク質を提供する。単量体は、同一であっても異なっていてもよい。いくつかの態様において、多量体融合タンパク質は、三量体または六量体を含む。
【0018】
ある側面において、本開示は、1つ以上の融合タンパク質または多量体融合タンパク質をコードする、ポリヌクレオチドを提供する。さらに提供されるのは、かかるポリヌクレオチドを含む発現ベクター(または構築物)である。かかるポリヌクレオチドまたは発現ベクターを含む組換えAAV粒子もまた、提供される。
【0019】
他の側面において、本開示は、上記の融合タンパク質または多量体タンパク質、または上記の発現ベクター、および薬学的に許容し得る賦形剤を含む、医薬組成物を提供する。融合タンパク質を含むナノ粒子も提供される。
【0020】
他の側面において、本開示は、上記のような1つ以上のCCD融合タンパク質を対象に投与することを含む、疾患、障害、または状態を有する対象の処置方法を提供する。細胞、組織または器官における1つ以上の分析物の存在を検出するための、1つ以上のCCD融合タンパク質を投与することを含む方法およびキットも提供され、ここで該タンパク質は、1つ以上の分析物に対して結合親和性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
以下の図面は本明細書の一部を形成し、本開示のある側面をさらに実証するために含まれ、本開示は、これらの図面の1つ以上を本明細書に提示される特定の態様の詳細な説明と組み合わせて参照することにより、さらによく理解することができる。
【0022】
図1図1Aは、2つの異種ペプチド(「融合タンパク質1」および「融合タンパク質2」)を含むCCD融合タンパク質の、推定の三量体構造を示す概略図である。参考のために、単量体融合タンパク質も示す。システイン残基間のジスルフィド架橋は「Cys」で示す。図1Bは、FLAGタグおよびポリ(A)テールに融合された、C1qTNF3からの最適化CCD配列のアミノ酸(配列番号11に対応)を示す。
【0023】
図2図2は、CCDドメインとの融合が、様々なCCD-異種ペプチド融合タンパク質をコードするプラスミドを含むrAAV粒子の、PEIトランスフェクションによるHEK293細胞への投与後に、様々な異種ペプチドパートナーの発現および分泌レベルを実質的に増加させることを示す、ウエスタンブロット画像を示す。異種ペプチドパートナーは、可溶性Lag3、可溶性PD-1、CTLA4、NOTCH1、DLL3、およびAβ9単鎖可変領域フラグメント(scFv)で構成されていた。上のパネルは、還元剤の不在下での細胞溶解物のウエスタンブロットを示す。下のパネルは、細胞採取後の馴化培地のウエスタンブロットを示す。
【0024】
図3図3は、CCD融合タンパク質が多量体構造を形成することを示すウエスタンブロット画像を示す。左のパネルは、sLag3-CCD_FLAGをコードするrAAV核酸ベクターでトランスフェクトされたHEK293細胞の溶解後の培地の、いくつかの溶出画分のSDS-PAGE分析を示す。一連のバンドはそれぞれ、異なる多量体(例えば六量体、三量体、二量体、単量体)を表す。右のパネルは、異なる温度および還元条件で処理した後のこれらの培地溶出画分のうちの5つの、SDS-PAGE分析を示す。
【0025】
図4図4は、室温および4℃でそれぞれ12日間および30日間保管後の、sB7H3-CCD融合タンパク質の安定性を示す。
【0026】
図5図5は、アミロイドβペプチド5(Aβ5scFv CCD)に対する単鎖抗体フラグメントを含むCCD融合タンパク質の、この融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むrAAV粒子をマウスモデルに投与した後の、増強された発現を示す。
【0027】
図6-1】6A~6Eは、機能的な多価タウおよびAβ結合単鎖抗体フラグメント(scFv、または「ナノボディ」)異種ペプチドを含む二重特異性CCD融合タンパク質の例を示す。図6Aは、タウを標的とする94-3A6 scFvおよびAβ9を標的とするscFvを含有する例示的な二重特異性CCDナノボディの概略図である(CCDは「Col D」として表される)。図6Bは、二重特異性ナノボディCCD融合タンパク質の、ELISAによるタウおよびAβの両方への結合を示す(CCDは「コラーゲン」として表されている)。図6Cは、細胞培地における融合タンパク質の発現レベルを示す。図6Dは、CRND8マウスおよびヒトアルツハイマー病患者(「ヒトAD」)に由来する細胞における、scFvの標的化タウおよびAβを含む二重特異性CCD融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを含むrAAV2/8の投与後の、アミロイド斑病変の染色を示す。
図6-2】図6Eは、生体層干渉測定の結果を示す表面プラズモン共鳴センサーグラムであり、融合タンパク質の、タウおよびAβに連続的に結合する能力を示す。
図6-3】図6Eは、生体層干渉測定の結果を示す表面プラズモン共鳴センサーグラムであり、融合タンパク質の、タウおよびAβに連続的に結合する能力を示す。
【0028】
図7図7は、VEGFR-2を標的とする抗Aβ9 scFvおよびB11scFvを含む二重特異性CCD融合タンパク質のrAAV投与が、アミロイド前駆体タンパク質(APP)を過剰発現するCRND8トランスジェニックマウスにおいて、in vivoのアミロイド斑沈着を低減することを示す。「コラーゲン」=CCDドメイン。
【0029】
図8-1】図8A~8Cは、VEGFR1デコイ受容体を含むCCD融合タンパク質が、ヒトHUVEC細胞株におけるin vitroおよびin vivoアッセイにおいて細胞の増殖を首尾よく阻害することを示す。図8Aは、HUVEC管形成アッセイを示す概略図である。MTTアッセイで実行される酵素的MTT還元反応も示す。さらに、血管新生の様々な分子メディエーターのチャートが示され、そのうちのいくつかは、CCD融合タンパク質の生成および評価、例えばHUVECチューブ形成およびMTTアッセイのために選択されている。
図8-2】図8Bの免疫染色画像は細胞管形成アッセイの結果を示し、これは、単離および精製されたヒトVEGFR1-CCD融合タンパク質、ならびにヒトVEGFR1ドメイン2およびヒトVEGFR2ドメイン3およびCCDドメイン(「VLV2-CCD」」および馴化培地を含む融合タンパク質による、HUVEC管形成の阻害を示す。図8Cは、MTT活性を示す。「コラーゲン」および「コラーゲンタンパク質」は、CCDドメインのみの投与を示す。
【0030】
図9図9は、本開示のCCDドメインへのクローニングおよび融合のために選択された抗原提示細胞およびT細胞上で発現される、様々な膜貫通および細胞外免疫シナプス異種ペプチドを示す概略図である。
【0031】
図10図10は、クローニングおよび融合のために選択された様々な細胞シグナル伝達(抗増殖性)異種ペプチドの、伝達経路を示す概略図である。
【0032】
図11-1】図11は、細胞におけるrAAV媒介発現、溶解、および細胞溶解物からの培地/上清の単離後の、ヒト由来(黒)またはマウス由来(赤)の免疫チェックポイントタンパク質を含む様々なCCD融合デコイタンパク質の過剰発現および分泌レベルを示す。マウス由来ペプチドとのCCD融合物をマウス組織に投与し、ヒト由来ペプチドとの融合物をヒト組織に投与した。示されている免疫シナプスタンパク質の多くについて、CCDドメインへの外部ドメイン融合は、マウスとヒトの両方の構築物で高レベルの発現と分泌を生成する。これらのウエスタンブロットは、50を超えるCCD融合タンパク質の生成に成功したことを示す。上のパネルは、細胞溶解物のウエスタンブロットの減少を示す。下のパネルは、還元剤がない場合の培地のウエスタンブロットを示す。非抱合CCDドメイン(「コラーゲン」)およびrAAVベクターのみを、陰性対照として使用した。
図11-2】図11は、細胞におけるrAAV媒介発現、溶解、および細胞溶解物からの培地/上清の単離後の、ヒト由来(黒)またはマウス由来(赤)の免疫チェックポイントタンパク質を含む様々なCCD融合デコイタンパク質の過剰発現および分泌レベルを示す。マウス由来ペプチドとのCCD融合物をマウス組織に投与し、ヒト由来ペプチドとの融合物をヒト組織に投与した。示されている免疫シナプスタンパク質の多くについて、CCDドメインへの外部ドメイン融合は、マウスとヒトの両方の構築物で高レベルの発現と分泌を生成する。これらのウエスタンブロットは、50を超えるCCD融合タンパク質の生成に成功したことを示す。上のパネルは、細胞溶解物のウエスタンブロットの減少を示す。下のパネルは、還元剤がない場合の培地のウエスタンブロットを示す。非抱合CCDドメイン(「コラーゲン」)およびrAAVベクターのみを、陰性対照として使用した。
【0033】
図12図12は、ヒトおよびマウスモデルの両方における、細胞シグナル伝達異種ペプチドを含む様々なCCD融合タンパク質の、過剰発現および分泌を示すウエスタンブロットを示す。シグナルペプチドのCCDドメインへの融合は、マウスとヒトの両方で高レベルの発現と分泌を生成する。還元剤の存在下および不在下での馴化培地および溶解物を、SDS-PAGE分析に供した。非抱合CCDドメイン(「コラーゲン」)を対照として使用した。
【0034】
図13図13は、ヒトおよびマウス組織の両方における様々なCCD融合タンパク質の、過剰発現および分泌を示すウエスタンブロットを示す。右端のブロットは、CCDが可溶性Toll様受容体5(sTLR5)ペプチドのN末端またはC末端に配置されている場合の、過剰発現と分泌の違いの評価を示す(「Col」および「CD」はCCDを表す)、ここで細胞は、トランスフェクションの48時間後に回収した。
【0035】
図14図14は、Icosリガンド(「IcosL」)を含有する培地の存在下または不在下での、HEK293T細胞へのrAAV媒介投与後のIcos-CCD融合タンパク質の発現レベルを示す、ウエスタンブロットを示す。「コラーゲン」はCCDを表す。
【0036】
図15-1】図15A~15Cは、sLag3、NOTCH1、HHIP、VEGFR1、Tgfbr2、PD-1、HAVCR2、CTLA4、BTLA、SFRP1およびEGFR CCD融合タンパク質のいくつかが、精製された融合タンパク質をヒトおよびマウス細胞とインキュベートし、続いて溶解および分離した後に、細胞表面に結合することを示す、ウエスタンブロットを示す。図15Aおよび15BのSDS-PAGE分析は、HEK293T細胞を使用して実施したが、図15Cでは、マウス神経膠腫261(GL261)細胞を使用して実施した。「ms」はマウス配列を示し、「h」または「hs」はヒト配列を示す。図15Dは、任意のデコイ受容体活性について6つのCCD融合タンパク質を評価するための、GL261細胞におけるMTTアッセイを示す。培地および非抱合CCDのみを対照として使用した。
図15-2】図15A~15Cは、sLag3、NOTCH1、HHIP、VEGFR1、Tgfbr2、PD-1、HAVCR2、CTLA4、BTLA、SFRP1およびEGFR CCD融合タンパク質のいくつかが、精製された融合タンパク質をヒトおよびマウス細胞とインキュベートし、続いて溶解および分離した後に、細胞表面に結合することを示す、ウエスタンブロットを示す。図15Aおよび15BのSDS-PAGE分析は、HEK293T細胞を使用して実施したが、図15Cでは、マウス神経膠腫261(GL261)細胞を使用して実施した。「ms」はマウス配列を示し、「h」または「hs」はヒト配列を示す。図15Dは、任意のデコイ受容体活性について6つのCCD融合タンパク質を評価するための、GL261細胞におけるMTTアッセイを示す。培地および非抱合CCDのみを対照として使用した。
【0037】
図16図16は、ヒト異種ペプチドとの様々なCCD融合タンパク質の、MB-MDA-231上皮ヒト乳癌細胞へのrAAV6媒介送達の、発現および分泌レベルを示すウエスタンブロットを示す。細胞は、以前の実験よりも遅い、トランスフェクションの72時間後に回収した。
【0038】
図17図17は、様々なCCD融合タンパク質デコイ受容体の、HEK293細胞での発現および分泌レベルを示す、ウエスタンブロットを示す。右端のブロットは、複数の培地変更の、EGFR-CDD発現レベルに対する影響を示す。
【0039】
図18図18は、単一ステップのHisタグ精製を実施後の様々なCCD融合タンパク質デコイ受容体の、HEK293細胞での発現および分泌レベルを示す、SDS-PAGEクーマシー染色を示す。
【0040】
図19図19Aは、本開示による3つの例示的な融合タンパク質の概略図である。異種ペプチドはCCDのN末端に配置されている。図19Bは、公開された明細書に従って実施したMTTアッセイの、期待される結果を示す参考図である。
【0041】
図20図20は、完全培地で90%コンフルエンスまで培養されたHUVEC細胞の、36時間のインキュベーション期間後に実施したMTTアッセイ(上のパネル)および管形成アッセイ(下のパネル)の結果を示す。
【0042】
図21図21Aは、FGFR1-CCDの溶液を、固定化された酸性FGFおよび塩基性FGFリガンド上に注入した結合分析からの、SPRセンサーグラムを示す。このセンサーグラムは2つの相から構成される:(左)会合相では、FGFR1-CCDとFGFリガンド間の相互作用が増加すると、SPRシグナルが増加する[応答単位(RU)で表示]。最大結合は「Align X」時に示される。(右)600秒後、FGFR1-CCDのバイオセンサーへの注入を停止し、系を解離相で緩衝液に戻した。ヌルリガンドであるVEGFAを陰性対照として使用した。図21Bは、FGFR1-CCDをコードするrAAVが投与されたHUVEC細胞の、MTTアッセイの結果を示す。GFPおよび非抱合CCDを対照として使用した。
【0043】
図22図22は、多量体融合タンパク質で使用するための最適なC1QTNFタイプの評価における、2つのC1QTNFタンパク質(C1QTNF3(col3)およびC1QTNF5(col5))に由来するCCDドメインの、発現および分泌レベルを示すウエスタンブロットを示す。
【0044】
図23図23は、CCDとグルコセレブロシダーゼおよびCCDとAβ9 scFvを含有する多量体融合物の、活性アッセイの結果を示す。
【0045】
図24図24は、HSV-TK-SR39でトランスフェクトされたMC38細胞に対する、ガンシクロビル(GCV)のMTTアッセイの結果を示す。
【0046】
図25図25は、α-Aβ5 scFvCCD多量体融合タンパク質構築物をマウスに投与した後の、環状単鎖可変領域フラグメント(scFv)の血清レベルのプロットを示す。このアッセイは、これらの融合タンパク質の半減期を評価するために設計した。
【0047】
定義
明細書および特許請求の範囲で使用する場合、単数形の用語「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかに別を示さない限り、複数形の参照を含む。例えば、「細胞(a cell)」という用語は複数の細胞(それらの混合物を含む)を含む。
【0048】
「改善する」および「処置する」という用語は交換可能に使用され、治療的および予防的処置の両方を含む。両方の用語は、疾患(例えば、本明細書で説明される疾患または障害)の発症または進行を低減、抑制、減弱、減少、阻止、または安定化することを意味する。
【0049】
「投与」または「投与すること」という用語は、本発明の化合物を対象に導入して、それらの意図された機能を実行する経路を含む。使用できる投与経路の例には、注射(皮下、静脈内、非経口、腹腔内、髄腔内)、経口、吸入、直腸および経皮が含まれる。医薬製剤は、各投与経路に適した形態で与えることができる。例えば、これらの製剤は、錠剤またはカプセルの形態で、注射、吸入、アイローション、軟膏、坐剤などの注射、注入または吸入により;ローションまたは軟膏により局所的に;および坐剤により直腸に、投与される。経口投与が好ましい。注射は、ボーラスまたは持続注入で行うことができる。投与経路に応じて、本発明の化合物は選択された材料でコーティングまたは処理して、その意図された機能を実行する能力に悪影響を及ぼし得る自然条件から保護することができる。本発明の化合物は、単独で、または上記のような別の剤のいずれか、もしくは薬学的に許容し得る担体、あるいはその両方と組み合わせて、投与することができる。本発明の化合物は、他の剤の投与前に、剤と同時に、または剤の投与後に、投与することができる。さらに、本発明の化合物はまた、in vivoでその活性代謝物またはより活性な代謝物に変換されるプロドラッグ形態でも、投与することができる。
【0050】
「剤」という用語は、小分子化合物、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、またはそれらのフラグメントもしくは類似体、または他の生物学的に活性な分子を指す。
【0051】
本明細書で使用する場合、「アミロイド関連疾患または障害」には、アルツハイマー病(AD)およびパーキンソン病(PD)が含まれる。本開示の例示的な疾患、障害または状態には、限定はされないが、AD、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(「ALS」)、多発性硬化症(「MS」)、脳卒中および前頭側頭型認知症が含まれる。
【0052】
本明細書で使用する場合、「異種ペプチド」は、生物学的に活性なペプチドを指す。ある態様において、異種ペプチドは小さな生物活性ペプチドであり、例えば、CCDドメインをコードするヌクレオチド配列をさらに含む単一のrAAV核酸セグメントにパッケージ化され得るcDNA配列、例えば約4キロベース(kB)未満の長さのcDNA配列によって、コードされるものである。様々な態様において、本開示の異種ペプチドは、3kB未満、2kB未満、および/または1kB未満のcDNA配列によってコードされる。異種ペプチドは、細胞内または細胞外(分泌可能)であり得る。例示的な異種ペプチドには、限定はされないが、一本鎖抗体フラグメント、膜貫通受容体の外部ドメイン、デコイ受容体、Notch受容体およびリガンド、ならびに免疫チェックポイントモジュレーターが含まれる。異種ペプチドは、抗体結合ドメインまたはそのフラグメント(例えば、一本鎖抗原結合フラグメント)を含むがこれらに限定されない「結合ドメイン」を含有し得る。
【0053】
「外部ドメイン」は、細胞外空間に延びる膜貫通タンパク質のドメインを指す。
【0054】
「抗体」は、免疫グロブリンの可変領域に位置する少なくとも1つの抗原認識部位を介して、炭水化物、ポリヌクレオチド、脂質、ポリペプチドなどの標的に特異的に結合することができる免疫グロブリン分子を指す。本明細書で使用する場合、「抗体」という用語は、無傷の(例えば、完全長の)ポリクローナルまたはモノクローナル抗体だけでなく、その抗原結合フラグメント(Fab、Fab’、F(ab’)2、Fvなど)、一本鎖(scFv)、その変異体、抗体部分を含む融合タンパク質、ヒト化抗体、キメラ抗体、ダイアボディ、線状抗体、一本鎖抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、および必要な特異性の抗原認識部位を含む免疫グロブリン分子の任意の他の改変された構成、例えば抗体のグリコシル化バリアント、抗体のアミノ酸配列バリアント、および共有修飾抗体を含む。抗体には、IgD、IgE、IgG、IgA、またはIgM(またはそのサブクラス)などの任意のクラスの抗体が含まれ、抗体は特定のクラスである必要はない。その重鎖定常ドメインの抗体アミノ酸配列に応じて、免疫グロブリンを異なるクラスに割り当てることができる。免疫グロブリンには、5つの主要なクラス:IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMがあり、これらのいくつかはさらにサブクラス(アイソタイプ)に分類し得る(例:IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2)。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれアルファ、デルタ、イプシロン、ガンマ、およびミューと呼ばれる。免疫グロブリンの異なるクラスのサブユニット構造および三次元構成はよく知られている。
【0055】
本明細書で使用する、抗体の「抗原結合フラグメント」(または単に「抗体フラグメント」)という用語は、抗原に特異的に結合する能力を保持している、抗体の1つ以上のフラグメントを指す。抗体の抗原結合機能は、完全長抗体のフラグメントによって実行できることが示されている。かかる抗体の態様はまた、二重特異性(bispecific)、二重特異性(dual specific)、または多重特異性フォーマットであり得、2つ以上の異なる抗原に特異的に結合する。多重特異性および二重特異性抗体構築物は当技術分野で周知であり、Kontermann (ed.), Bispecific Antibodies, Springer, NY (2011)およびSpiess et al., Mol. Immunol. 67(2):96-106 (2015)に記載および特徴付けされており、これらの各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0056】
抗体の「抗原結合部分」という用語に包含される結合フラグメントの例には、以下が含まれる:(i)Fabフラグメント、VL、VH、CLおよびCH1ドメインからなる一価フラグメント;(ii)F(ab’)2フラグメント、ヒンジ領域でジスルフィド架橋により連結された2つのFabフラグメントを含む二価フラグメント;(iii)VHおよびCH1ドメインからなるFdフラグメント;(iv)抗体の単鎖のVLおよびVHドメインからなるFvフラグメント、(v)dAbフラグメント(Ward et al., (1989) Nature 341:544-546, Winter et al.、PCT公開WO 90/05144 A1、参照により本明細書に組み込まれる)、これは単一の可変ドメインを含む;および(vi)単離された相補性決定領域(CDR)。さらに、Fvフラグメントの2つのドメインVLとVHは別々の遺伝子によってコード化されているが、組換え法を使用し、合成リンカーによって結合することができ、これにより、VLとVH領域が対になって一価分子を形成する単一のタンパク質鎖として作成することができる(単鎖Fv(scFv)として知られている;例えば、Bird et al. (1988) Science 242:423-426:およびHuston et al. (1988) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:5879-5883を参照)。かかる一本鎖抗体もまた、抗体の「抗原結合部分」という用語に包含されることを意図している。ダイアボディなどの他の形態の一本鎖抗体も包含される。ダイアボディは、VHおよびVLドメインが単一のポリペプチド鎖で発現される二重特異性抗体であるが、同じ鎖上の2つのドメイン間のペアリングを可能にするには短すぎるリンカーを使用しているため、ドメインは別の鎖の相補的なドメインとペアリングされ、2つの抗原結合部位が生成される(例えば、Holliger, P., et al. (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:6444-6448;Poljak, R. J., et al. (1994) Structure 2:1121-1123を参照)。かかる抗体結合部分は当技術分野で知られている(Kontermann and Dubel eds., Antibody Engineering (2001) Springer-Verlag. New York. 790 pp. (ISBN 3-540-41354-5))。
【0057】
可変領域は、単鎖Fv領域をコードするために連結することができる。複数のFv領域を連結して、2つ以上の標的に結合能力を付与するか、キメラの重鎖と軽鎖の組み合わせを使用することができる。抗体可変領域のクローニングおよび組換え抗体の生成には、任意の適切な方法を使用することができる。
【0058】
本明細書で使用する「二重特異性」という用語は、2つの異なる抗原結合ドメインを有することを意味し、各ドメインは、異なるリガンドまたはエピトープに対して向けられている。
【0059】
本明細書で使用する場合、「コラーゲン足場ドメイン」という用語は、それ自体で三重構造の形成を可能にするコラーゲン性またはコラーゲン様ドメインであり、ここで「三重構造」は、3つのサブユニットの共有結合または非共有結合複合体である。本明細書で使用する場合、「コラーゲン足場ドメイン」という用語は、足場ドメインの自己三量体化を指示するコラーゲン性またはコラーゲン様ドメインを指す。
【0060】
本明細書で使用する場合、リガンドまたはエピトープに対して「向けられる」または「特異的に結合する」という用語は、当技術分野で十分に理解されている。分子が「特異的結合」を示すとされるのは、代替の標的よりも頻繁に、より迅速に、より長い持続時間で、および/または特定の標的リガンドもしくはエピトープとのより大きな親和性で反応する場合である。抗体フラグメントまたは異種ペプチドは、他の物質に結合するよりも高い親和性、アビディティで、より容易に、および/またはより長い持続時間結合する場合に、標的リガンドまたはエピトープに「特異的に結合する」。例えば、その中のリガンドまたはエピトープに特異的に(または優先的に)結合する単鎖抗体フラグメント(scFv)は、他のリガンドまたは他のエピトープよりもこの標的抗原に、より高い親和性、アビディティで、より容易に、および/またはより長い持続時間結合するフラグメントである。この定義により、例えば、第1の標的リガンドまたは抗原に特異的に結合する異種ペプチドまたはscFvは、第2の標的リガンドまたは抗原に特異的または優先的に結合する場合もあれば、そうでない場合もあることも理解される。したがって、「特異的結合」または「優先的結合」は、必ずしも排他的結合を必要としない(ただし、それを含むことができる)。
【0061】
いくつかの態様において、本明細書に記載の異種ペプチドは、標的リガンドまたはそのエピトープに対して適切な結合親和性を有する。本明細書で使用する場合、「結合親和性」は、見かけの結合定数またはKを指す。Kは、解離定数(K)の逆数である。本明細書に記載の異種ペプチドは、標的抗原、リガンド、または抗原性エピトープに対して、少なくとも10-5、10-6、10-7、10-8、10-9、10-10Mまたはそれより低い結合親和性(K)を有し得る。特定の例において、本開示の異種ペプチドは、標的リガンドまたはエピトープに対して、少なくとも10-6Mの結合親和性を有し得る。結合親和性の増加は、Kの減少に対応する。異種ペプチドの、第1の抗原に対する第2の抗原より高い親和性結合は、第2の抗原を結合するためのK(または数値K)よりも、第1のリガンドまたは抗原を結合するためのより高いK(またはより小さい数値K)によって示され得る。かかる場合、異種ペプチドは、第1のリガンドまたは抗原(例えば、第1のタンパク質の第1の立体配座またはその模倣物)に対し、第2のリガンドまたは抗原(例えば、同じ第1のタンパク質の第2の立体配座またはその模倣物;または第2のタンパク質)と比較して、特異性を有する。
【0062】
結合親和性(または結合特異性)は、様々な方法、例えば平衡透析、平衡結合、ゲル濾過、ELISA、表面プラズモン共鳴、または分光法(例えば、蛍光アッセイを使用)により決定することができる。結合親和性を評価するための例示的な条件は、HBS-P緩衝液(10mMのHEPES、pH7.4、150mMのNaCl、0.005%(v/v)の界面活性剤P20)である。これらの技術は、結合した結合タンパク質の濃度を、標的タンパク質濃度の関数として測定するために使用することができる。結合した結合タンパク質の濃度([結合])は、一般に次の式によって、遊離の標的タンパク質([遊離])の濃度に関連している。
[結合]=[遊離]/(K+[遊離])
【0063】
しかしながら、KまたはKを正確に決定することは必ずしも必要ではなく、なぜならば、親和性の定量的測定値を、例えばELISAまたはFACS分析などの方法を用いて決定して取得すれば十分な場合もあるからであって、該測定値はKまたはKに比例し、したがって比較に使用することができ、例えば、より高い親和性、例えば2倍高いものが、親和性の定性的測定値を取得するためであるのかどうか、または例えば、機能アッセイにおける、例えばin vitroまたはin vivoアッセイにおける活性により、親和性の推論を取得するためであるのかどうかが決定される。
【0064】
「疾患」とは、細胞、組織、器官または生物の正常な機能を損傷または妨害する、任意の状態または障害を意味する。
【0065】
本明細書で使用する場合、「デコイ受容体」という用語は、細胞内または細胞表面上のリガンドまたは抗原の結合において、ネイティブなシグナル伝達受容体と競合する非シグナル伝達受容体を指す。デコイ受容体は、下流の免疫シグナル伝達を開始することができない。本発明のデコイ受容体には、膜貫通受容体の可溶性外部ドメインが含まれるが、これに限定されない。
【0066】
「エピトープ」という用語は、抗体またはそのフラグメント(例えば、scFv)に特異的に結合することができる、任意のポリペプチドを含む。ある態様において、エピトープ決定基は、アミノ酸、糖側鎖、ホスホリル、またはスルホニルなどの分子の化学的に活性な表面グループ(chemically active surface groupings)を含み、ある態様において、特定の三次元構造特性および/または特定の電荷特性を有し得る。エピトープは、抗体またはそのフラグメント(またはscFv)によって結合される抗原の領域である。ある態様において、抗体は、タンパク質および/または高分子の複雑な混合物においてその標的抗原を優先的に認識する場合、抗原に特異的に結合すると言う。
【0067】
「リガンド」という用語は、受容体またはそのフラグメント(例えば、膜貫通受容体)に特異的に結合することができる、任意のポリペプチドを含む。ある態様において、リガンドは、アミノ酸、糖側鎖、ホスホリル、またはスルホニルなどの分子の化学的に活性なグループを含み、ある態様において、特定の三次元構造特性および/または特定の電荷特性を有し得る。
【0068】
「有効量」という用語は、所望の結果を達成するため、例えば本明細書に記載の疾患または障害を処置するために十分な投薬量および必要な期間における、有効な量を含む。本発明の化合物の有効量は、対象の病状、年齢、および体重、ならびに本発明の化合物の細胞または対象において所望の応答を誘発する能力などの要因に応じて、変化し得る。投薬量レジメンは、最適な治療反応を提供するように調整することができる。有効量はまた、本発明の化合物の任意の毒性効果または有害な効果(例えば、副作用)よりも、治療的に有益な効果が上回る量である。
【0069】
「と組み合わせて」という用語は、本発明の化合物を、追加の医薬品、例えば破骨細胞関連疾患または障害を処置または予防するために診療所で使用される第2の化合物などと一緒に提供する、すべての形態の投与を指すことを意図し、ここで2つは、同時にまたは任意の順序で連続して投与される。
【0070】
用語「単離された」、「精製された」、「純粋な」または「生物学的に純粋な」とは、そのネイティブなまたは自然の状態、例えば、化合物または材料が天然に存在しているところの生物での状態に見出されるような、通常付随する成分(タンパク質、核酸、炭水化物、および他の細胞物質など)を、実質的または本質的に含まない材料を指す。純度および均一性は、典型的には、ポリアクリルアミドゲル電気泳動または高速液体クロマトグラフィーなどの、分析化学技術を使用して決定する。ある態様において、本発明の化合物は、少なくとも50%純粋、60%純粋、75%純粋、80%純粋、85%純粋、少なくとも90%純粋、または少なくとも95%純粋(例えば、重量で)である。ある例において、化合物は、少なくとも98%純粋、99%純粋、99.5%純粋、99.8%純粋、または99.9%純粋である。
【0071】
「対象」という用語は、本明細書に記載のような障害に罹患し得るか、さもなければ本発明の化合物の投与から利益を得ることができる、例えばヒトおよび非ヒト動物などの生物を含む。好ましいヒトには、本明細書に記載のように、上記の疾患または障害に罹患している、または罹患しやすいヒト患者が含まれる。開示された処置方法から利益を得る可能性のある哺乳動物種には、限定はされないが以下が含まれる:類人猿;チンパンジー;オランウータン;ヒト;サル;イヌおよびネコなどの飼育動物;ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリなどの家畜;マウス、ラット、モルモット、ハムスターなどの他の動物。「処置が必要であると特定された対象」には、例えば、医学または獣医学の専門家によって、本明細書に記載の疾患、障害または状態に罹患しているか、または罹患しやすいと診断された対象が含まれる。
【0072】
本明細書で使用する「薬学的に許容し得る」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、ヒトおよび他の哺乳動物の組織と接触して使用するのに適した成分であって、過度の毒性、刺激、アレルギー反応等がなく、合理的な利益/リスク比に見合うものを指す。「薬学的に許容し得る塩」とは、レシピエントへの投与時に、本発明の化合物を直接的または間接的に提供することができる、任意の非毒性の塩を意味する。
【0073】
本明細書で使用する「実質的により高い親和性」という用語は、既知の分泌タンパク質に対する親和性と比較して、開示されたポリペプチドに対する親和性の測定可能な増加を意味する。このより高い親和性は、既知の分泌タンパク質、例えばタンパク質のTNF様ファミリーのメンバーに比べて、本発明のポリペプチドに対して少なくとも1.5倍、2倍、5倍、10倍、100倍、10倍、10倍、10倍、10倍またはそれ以上である。
【0074】
本明細書で使用する場合、「トール様受容体(TLR)」は、外来性病原体および内在性危険関連分子パターン(PAMPおよびDAMP)を認識する、内在性パターン認識受容体を包含する。TLRは、アルツハイマー病(AD)およびパーキンソン病(PD)などの神経変性プロテオパチーで上方制御され、過剰な炎症性シグナル伝達を引き起こし得る。例示的なTLRには、TLR2、TLR4、およびTLR5が含まれる。
【0075】
本明細書で使用する「有効量」という用語は、疾患または状態を処置または改善することができるか、さもなければ意図された治療効果を生み出すことができる量を指す。
【0076】
本明細書で使用する場合、「改変された」および「組換え」細胞という用語は、外来性のポリヌクレオチドセグメント(生物学的に活性な分子の転写をもたらすDNAセグメントなど)が導入された細胞を指すことを意図している。したがって、改変された細胞は、組換えによって導入された外来性DNAセグメントを含有しない、天然に存在する細胞と区別できる。したがって、改変された細胞は、人間の手によって導入された少なくとも1つ以上の異種核酸セグメントを含む細胞である。
【0077】
本明細書で使用する「プロモーター」という用語は、転写を調節する核酸配列の1つ以上の領域を指す。
【0078】
本明細書で使用する「調節要素」という用語は、転写を調節する核酸配列の1つ以上の領域を指す。例示的な調節要素には、エンハンサー、転写後要素、転写制御配列などが含まれるが、これらに限定されない。
【0079】
本明細書で使用する「作動可能に連結された」という用語は、連結されている核酸配列が通常は隣接しているか、または実質的に隣接しており、必要に応じて、2つのタンパク質コード領域を隣接してリーディングフレーム内に結合することを指す。しかしながら、エンハンサーは一般にプロモーターから数キロベース離れた場合に機能し、イントロン配列は可変長であり得るため、いくつかのポリヌクレオチド要素は作動可能に連結されているが、隣接はしていない可能性がある。
【0080】
本明細書で使用する場合、「バリアント」という用語は、自然界で生じるものから逸脱する特性を有する分子(例えば、CCDタンパク質配列)を指し、例えば「バリアント」は、野生型タンパク質と少なくとも約80%同一、少なくとも約90%同一、少なくとも約95%同一、少なくとも約96%同一、少なくとも約97%同一、少なくとも約98%同一、少なくとも約99%同一、少なくとも約99.5%同一、または少なくとも約99.9%同一である。タンパク質分子のバリアント、例えばCCDは、タンパク質をコードする核酸配列に組み込まれた点変異から生じる野生型タンパク質配列と比較して、アミノ酸配列への改変を含有し得る(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10~15、または15~20のアミノ酸置換を有する)。これらの改変には、化学的修飾および切断、例えばタンパク質配列のN末端またはC末端での切断などが含まれまる。
【0081】
「パーセント(%)同一性」は、2つの配列(ヌクレオチドまたはアミノ酸)がアラインメントの同じ位置に同じ残基を有する程度を指す。例えば、「アミノ酸配列は、配列番号YとX%同一である」とは、配列番号Yに対するアミノ酸配列の%同一性を指し、アミノ酸配列中の残基のX%が、配列番号Yに開示された配列の残基と同一であるとされる。一般に、かかる計算にはコンピュータプログラムが使用される。配列のペアを比較および整列させる例示的なプログラムには、ALIGN(Myers and Miller, 1988)、FASTA(Pearson and Lipman, 1988;Pearson, 1990)およびギャップ付きBLAST(Altschul et al., 1997)、BLASTP、BLASTN、またはGCG(Devereux et al., 1984)が含まれる。
【0082】
典型的には、選択された配列および参照配列は、少なくとも約76、77、78、79、80、81、82、83、84、さらには85パーセントの配列同一性、より好ましくは少なくとも約86、87、88、89、90、91、92、93、94、または95パーセントの配列同一性を有する。さらにより好ましくは、相同性の高い配列は、選択された配列とそれが比較される参照配列との間で、少なくとも約96、97、98、または99パーセントを超える配列同一性を共有することが多い。配列同一性のパーセンテージは、比較される配列の全長にわたって算出してもよく、または選択された参照配列の合計約25パーセント程度に満たない小さな欠失または付加を除外することにより算出してもよい。参照配列は、より大きな配列のサブセットであり得る。
【0083】
高度に相同なフラグメントが望まれる場合、2つの配列間のパーセント同一性の程度は、当業者に周知の1つ以上の配列比較アルゴリズムにより容易に決定されるように、少なくとも約80%、好ましくは少なくとも約85%、より好ましくは約90%または95%以上であり、該比較アルゴリズムとしては例えば、Pearson and Lipman(1988)によって記述されたFASTAプログラム分析およびBrutlag et al.(Comp. App. Biosci. 6:237-245 (1990))のアルゴリズムに基づくblastnコンピュータプログラムなどである。クエリ配列(例えば、本開示の配列)と、グローバル配列アラインメントとも呼ばれる主題配列との間の最良の全体的な一致を決定するための好ましい方法は、FASTAまたはblastnを使用して決定することができる。配列アラインメントにおいて、クエリ配列と主題配列は両方ともヌクレオチド配列、または両方ともアミノ酸配列である。上記のグローバル配列アラインメントの結果は、パーセント同一性として表される。FASTAアミノ酸アラインメントで使用される好ましいパラメータは、次のとおりである:マトリックス=PAM 0、k-tuple=2、ミスマッチペナルティ=1、結合ペナルティ=20、ランダム化グループ長=0、カットオフスコア=1、ウィンドウサイズ=配列長、ギャップペナルティ=5、ギャップサイズペナルティ=0.05、ウィンドウサイズ=500または対象のアミノ酸配列の長さのいずれか短い方。ヌクレオチドが一致する/整列されているかどうかは、FASTA配列アラインメントの結果によって決まる。このパーセンテージを次に、特定されたパラメータを用いて上記のFASTAプログラムで算出したパーセント同一性から差し引き、最終的なパーセント同一性スコアを得る。この最終的なパーセント同一性スコアは、本開示の目的のために使用されるものである。
【0084】
発明の詳細な説明
本開示の側面は、目的のペプチドの、細胞への改善された送達のため、特に、目的のペプチドをコードする導入遺伝子の、組換えAAV技術を使用した送達のための新規な足場に関する。本明細書に記載の新規なC1qTNFコラーゲンドメイン(CCD)足場は、目的のペプチドの増強された発現、分泌、および安定性の向上を提供する。
【0085】
いくつかの態様において、CCDおよび1つ以上の目的の異種ペプチドを含む融合タンパク質が提供される。例示的な態様において、これらの融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドが提供される。さらなる態様において、開示されたポリヌクレオチドは、組換えAAV(rAAV)発現ベクター(または核酸セグメント)に挿入され、これはその後、rAAV粒子にパッケージ化され得る。例示的な態様において、かかるrAAV粒子は、細胞、組織もしくは器官への、または疾患、障害もしくは状態に罹患している、診断されている、もしくはそのリスクのある対象への投与に適している。
【0086】
本開示は、単量体融合タンパク質で使用される改変されたCCD足場が、in vitroおよびin vivoで互いに共局在および会合して多量体融合タンパク質を形成する、との観察に部分的に基づいている。これらの多量体融合タンパク質は、二量体、三量体、四量体、六量体または八量体であり得る。例示的な態様において、開示された多量体融合タンパク質は六量体である。融合タンパク質単量体をコードするポリヌクレオチドのrAAV媒介送達後の細胞における、コラーゲンドメインの自然な会合により、in vivoで多量体の十分な形成を達成するためには、単一の融合タンパク質単量体のみをrAAV核酸ベクターにコードする必要があることが発見された。したがって、本開示は、本明細書に記載の単量体融合タンパク質をコードする、rAAV核酸ベクターを提供する。
【0087】
ある態様において、開示された方法および組成物による処置の対象となる疾患、障害または状態は、細胞内ペプチドの活性、局在化または結合挙動に関係する。本開示は、かかる疾患を処置するように設計された融合タンパク質、および融合タンパク質を送達するためのrAAV粒子を提供する。したがってこれらの融合タンパク質は、細胞内異種ペプチドを含み得る。例示的な細胞内異種ペプチドには、TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、Wnt阻害因子1(WIF1)、可溶性トール様受容体(sTLR)、様々なscFvおよび誘導性T細胞共刺激分子(Icos)受容体が含まれる。
【0088】
ある態様において、開示された方法および組成物による処置の対象となる疾患、障害または状態は、細胞外、細胞表面または間質ペプチドの活性または結合挙動に関係する。本開示は、かかる疾患を処置するように設計された融合タンパク質、および融合タンパク質を送達するためのrAAV粒子を提供する。生物学的プロセスにおいて中心的な役割を果たす分泌ペプチドの例には、サイトカイン、ホルモン、細胞外マトリックスタンパク質(接着分子)、プロテアーゼ、ならびに成長および分化因子が含まれる。したがってこれらの融合タンパク質は、分泌可能な異種ペプチドを含み得る。本開示のrAAV粒子および組成物は、これらのペプチドの増強された分泌を提供し得る。例示的な分泌可能異種ペプチドには、様々なTLRの可溶性外部ドメイン、リンパ球活性化遺伝子3(Lag3)および成長因子受容体(例えば、EGFR、VEGFR)が含まれる。
【0089】
いくつかの態様において、ヒトC1qTNF3からのCCDが、開示された融合タンパク質のCCD足場として使用される。C1qTNFファミリーメンバーの中で、C1qTNF3タンパク質は、ヒトの脳における内在性発現レベルが低いために、例示的な前駆体として選択された。さらに、C1qTNF3からの遺伝子改変コラーゲンドメインは、可溶性リンパ球活性化遺伝子3(sLag3)異種ペプチドに抱合されている間に多量体化を媒介する該ドメインの能力を評価するアッセイにおいて、C1qTNF5からの対応するドメインよりも優れていた(図22を参照)。
【0090】
特定の態様において、ヒトC1qTNF3からのネイティブCCDのバリアントが足場として使用される。C1qTNF3のネイティブCCDの長さは、65アミノ酸である。いくつかの態様において、CCDバリアントは、切断型バリアントである。例示的な切断型CCDの長さは、約65アミノ酸、80アミノ酸、100アミノ酸、115アミノ酸、120アミノ酸、125アミノ酸、130アミノ酸、150アミノ酸、175アミノ酸、200アミノ酸、または200より多くのアミノ酸長であり得る。
【0091】
CCDバリアントはさらに、改変されたアミノ酸配列を含み得る。開示されたCCDドメインは、野生型CCDドメインと比較して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10~15、または15~20のアミノ酸が異なり得る。野生型配列と比較したこれらの違いは、ドメインのN末端および/またはC末端での切断を包含し得る。例示的なCCDは最適化された配列であり得、すなわちそれらは、Gly-X-Y反復配列を破壊することなくin vitroまたはin vivoで最適な発現または活性を提供するアミノ酸置換を含む。例示的なCCDは、配列番号1(下記)の125アミノ酸最適化CCD配列である:GYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIP。
【0092】
いくつかの態様において、CCDドメインは、アミノ酸配列の配列番号1に対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含む。配列番号1のCCDは、C1qTNF3タンパク質の60アミノ酸改変Gly-X-Y反復配列の二量体を含む。この60アミノ酸は、コンセンサス配列:
GYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIP(配列番号10)を含む。いくつかの態様において、CCDは、アミノ酸配列の配列番号10に対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含む。いくつかの態様において、本発明の融合タンパク質は、配列番号10の単量体または二量体内以外のアミノ酸配列の領域における変異に対して、より耐性であり得る。
【0093】
いくつかの態様において、CCDは、ヒトC1qTNFファミリーメンバーのいずれかに由来する。いくつかの態様において、CCDは、ヒトC1qTNF5、ヒトC1qTNF1またはヒトC1qTNF2、またはそれらのバリアントに由来する。特定の態様において、CCDは、配列番号2~4のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含む。
【0094】
C1qTNF1
GEKGDRGDRGLQGKYGKTGSAGARGHTGPKGQKGSMGAPGERGEKGDRGDRGLQGKYGKTGSAGARGHTGPKGQKGSMGAPGERGEKGDRGDRGLQGKYGKTGSAGARGHTGPKGQKGSMGAPGER(配列番号2)
【0095】
C1qTNF2
GPQGPPGPPGAPGPSGMMGRMGFPGKDGQDGHDGDRGDSGEEGPPGRTGNRGKPGPKGKAGAIGRAGPRGPKGVNGTPGKHGTPGKKGPKGKKGEPGLPGPC(配列番号3)。
【0096】
約110~175アミノ酸の長さが単一のCCD単量体に最適であることが、親和性タグを含む開示された融合タンパク質により、決定された。したがって、65アミノ酸以下の長さを有するC1qTNFファミリーコラーゲンドメイン(例えば、Gly-X-Y反復ドメイン)に由来するCCDを、長さが120~125アミノ酸の配列を生成するための関連するコラーゲンドメインの2つまたは3つのコピーのオリゴマー化により、構築した。これは、C1qTNF1、C1qTNF3、C1qTNF5、C1qTNF6、およびC1qTNF8に由来するCCDの場合であった。
【0097】
他の態様において、CCDは、ヒトC1qTNF5、ヒトC1qTNF6、ヒトC1qTNF7、ヒトC1qTNF8、ヒトC1qTNF9、ヒトC1qTNF9B、またはそれらのバリアントに由来する。特定の態様において、CCDは、配列番号4~9のいずれか1つのアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を含む。
【0098】
C1qTNF5
GHPGLPGTPGHHGSQGLPGRDGRDGRDGAPGAPGEKGEGGRPGLPGPRGDPGPRGEAGPAGPTGPAGECGHPGLPGTPGHHGSQGLPGRDGRDGRDGAPGAPGEKGEGGRPGLPGPRGDPGPRGEAGPAGPTGPAGEC(配列番号4)
【0099】
C1qTNF6
GDKGDPGPMGLPGYMGREGPQGEPGPQGSKGDKGEMGSPGAPGDKGDPGPMGLPGYMGREGPQGEPGPQGSKGDKGEMGSPGAPGDKGDPGPMGLPGYMGREGPQGEPGPQGSKGDKGEMGSPGAP(配列番号5)
【0100】
C1qTNF7
GLPGPPGPPGANGSPGPHGRIGLPGRDGRDGRKGEKGEKGTAGLRGKTGPLGLAGEKGDQGETGKKGPIGPEGEKGEVGPIGPPGPKGDRGEQGDPGLPGVCRCGSI(配列番号6)
【0101】
C1qTNF8
GEKGEAGVRGRAGRSGKEGPPGARGLQGRRGQKGQVGPPGAAGEKGEAGVRGRAGRSGKEGPPGARGLQGRRGQKGQVGPPGAAGEKGEAGVRGRAGRSGKEGPPGARGLQGRRGQKGQVGPPGAA(配列番号7)
【0102】
C1qTNF9
GHPGIPGNPGHNGLPGRDGRDGAKGDKGDAGEPGRPGSPGKDGTSGEKGERGADGKVEAKGIKGDQGSRGSPGKHGPKGLAGPMGEKGLRGETGPQGQKGNKGDVGPTGPEGPRGNIGPLGPTGLPGPMGPIGKPGPKGEAGPTGPQGEPGVRGIRGWKGDRGEKGKIGET(配列番号8)
【0103】
C1qTNF9B
GHPGIPGNPGHNGLPGRDGRDGAKGDKGDAGEPGCPGSPGKDGTSGEKGERGADGKVEAKGIKGDQGSRGSPGKHGPKGLAGPMGEKGLRGETGPQGQKGNKGDVGPTGPEGPRGNIGPLGPTGLPGPMGPIGKPGPKGEAGPTGPQGEPGVRGIRGWKGDRGEKGKIGET(配列番号9)
【0104】
本明細書に記載の融合タンパク質の第1および/または第2の異種ペプチドは、任意の小ペプチドであってよい。第1および/または第2の異種ペプチドは、マウス(Mus musculus)またはヒトのペプチドを含み得る。第1および/または第2の異種ペプチドは、単鎖可変領域フラグメント(scFv)、免疫チェックポイントモジュレーター、可溶性リンパ球活性化遺伝子(sLag)、成長因子受容体、またはその外部ドメインもしくはバリアントを含み得る。
【0105】
融合タンパク質の異種ペプチドは、免疫チェックポイント活性化ペプチド、免疫チェックポイント不活性化ペプチド、II型膜貫通タンパク質、受容体阻害タンパク質(RIP)キナーゼ阻害剤、細胞外マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤、または可溶性ペプチド、例えば膜貫通ドメインなしの可溶性ペプチドを含み得る。
【0106】
いくつかの態様において、第1または第2の異種ペプチドの少なくとも1つは、リンパ球活性化遺伝子3(LAG3)、プログラム細胞死1(PD-1)、Wnt阻害因子1(WIF1)、誘導性T細胞共刺激分子(Icos)、Notchホモログ1(NOTCH1)、血管内皮細胞増殖因子受容体1(VEGFR1)、または線維芽細胞増殖因子受容体1(FGFR1)、またはその外部ドメインもしくはバリアントからなる群から選択される。いくつかの態様において、第1または第2の異種ペプチドの少なくとも1つは、グルコセレブロシダーゼ(GBA)、自殺遺伝子HSV-TK、HSV-TK SR39変異体、またはそのバリアントからなる群から選択される。
【0107】
他の態様において、第1または第2の異種ペプチドの少なくとも1つは、以下からなる群から選択される:Notchホモログ4(NOTCH4)、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4)、デルタ様3(DLL3)、Jagged1(JAG1)、分化抗原群276(B7H3)、上皮成長因子受容体(EGFR)、形質転換成長因子ベータ受容体I(TGFBR1)、形質転換成長因子、ベータ受容体II(TGFBR2)、ヘッジホッグ相互作用タンパク質(HHIP)、分泌型frizzled関連タンパク質1(SFRP1)、分泌型frizzled関連タンパク質2(SFRP2)、Dickkopf関連タンパク質1(DKK1)、スクレロスチンドメイン含有タンパク質1(SOSTDC1)、コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)、IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(TIGIT)、TNF関連アポトーシス誘導リガンド(TRAIL)、メタロプロテイナーゼ阻害剤3(TIMP3)、A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2)、VEGFR1ドメイン2、VEGFR2ドメイン3、および可溶性トール様受容体(sTLR、例えばsTLR5)、またはその外部ドメインもしくはバリアント。本明細書に開示の目的の異種ペプチドを含有する例示的な融合タンパク質を示す概略図を、図9、10および19Aに示す。
【0108】
ある態様において、融合タンパク質は、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)部分を介して細胞表面に固定されたタンパク質であるメロゾイト表面タンパク質(「MSP」)に対応するドメインを含む。MSPは、マラリア原虫Plasmodium falciparumに由来する。いくつかの態様において、融合タンパク質は、MSPおよびCCDの両方を含む。他の態様において、融合タンパク質はMSPを含有し、CCDを含有しない。
【0109】
特定の態様において、開示された融合タンパク質は、次のアミノ酸配列を含むMSP配列を含む:DGIFCSSSNFLGISFLLILMLILYSFI(配列番号49)。いくつかの態様において、開示された融合タンパク質は、配列番号49の配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を含む。ある態様において、融合タンパク質は、MSP配列をC末端に含む。他の態様において、MSP配列は、N末端に配置され得る。
【0110】
様々な態様において、異種ペプチドは、単鎖抗体フラグメント(scFv)であり、これは、1つの可変領域(例えば、VH)のみを含み得るか、またはVHおよびVLの両方を含み得る。特定の態様において、第1の異種ペプチドは、タウタンパク質(α-タウ)に対して親和性を有するscFv、またはアミロイドβペプチド(α-Aβ)に対して親和性を有するscFvを含む。他の態様において、異種ペプチドは、VEGFR-2に親和性を有するB11 scFvを含む。Boldicke et al., Stem Cells. 2001, 19(1):24-36を参照、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0111】
いくつかの態様において、開示された融合タンパク質は、i)CCD、ii)異種ペプチド、およびiii)1つ以上の親和性タグ、例えばFLAGタグまたはポリヒスチジン(His)タグなどを含む。特定の態様において、融合タンパク質は、1つまたは2つのHisタグを含む。特定の態様において、融合タンパク質は、Hisタグをタンパク質のC末端に含む。特定の態様において、融合タンパク質は、異種タンパク質のC末端に配置されたHisタグを含む。
【0112】
他の態様において、融合タンパク質は、1つまたは2つのFLAGタグを含む。特定の態様において、融合タンパク質は、異種タンパク質のC末端に配置されたFLAGタグを含む。特定の態様において、融合タンパク質は、DYKDDDDK(配列番号12)を含むFLAGタグ配列を有する。
【0113】
いくつかの態様において、本開示の融合タンパク質は、CCDのC末端にFLAG親和性タグを有するCCDを含む。したがって特定の態様において、融合タンパク質は、次の配列番号11のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を有するCCDを含む(FLAGタグは下線付きイタリック体で示す):
【表1】
【0114】
いくつかの態様において、本開示の融合タンパク質は、CCDのC末端にFLAG親和性タグを有するCCDを含む。ある態様において、これらの融合タンパク質はさらに、ポリ(A)テール配列を含む。したがって特定の態様において、融合タンパク質は、以下の配列番号109のアミノ酸配列に対して少なくとも90%の配列同一性、少なくとも95%の配列同一性、または少なくとも99%の配列同一性を有する配列を有するCCDを含む(FLAGタグは下線付きイタリック体で示し、ポリ(A)テールおよびHisタグは太字の下線で示す):
【表2】
【0115】
ある態様において、融合タンパク質はさらに、分泌シグナル配列を含む。いくつかの態様において、融合タンパク質(例えば、融合タンパク質の異種ペプチド)は、2つ以上のリガンドに対して二重特異性を有する。
【0116】
免疫チェックポイントモジュレーターを含む異種タンパク質を含む例示的な融合タンパク質が、本明細書に記載されている。融合タンパク質名に別段の記載がない限り、CCDはタンパク質のC末端に配置されている。融合タンパク質名に「-MSP」が含まれている場合、融合タンパク質はCCDを含有しないが、タンパク質のC末端に位置するMSP配列を含有する。
【0117】
様々な態様において、開示された融合タンパク質は、次のアミノ酸配列(配列番号13~102および105~108)のいずれかと少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を含む。開示された融合タンパク質のいずれかは、以下のアミノ酸配列のいずれかと比較して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10~15、15~20、20~30、30~50、または50より多くのアミノ酸が異なり得る。これらの違いは、配列番号13~64または105~108のいずれかの配列に対して挿入、欠失、または置換されたアミノ酸を含み得る。いくつかの態様において、開示された融合タンパク質は、配列番号13~64または105~108のいずれかの配列と共通する、約10、約20、約25、約40、50、約75、約100、約125、約150、約175、または約180のアミノ酸のストレッチを含有する。いくつかの態様において、開示された融合タンパク質は、配列番号13~64または105~108のいずれかに対して5’または3’末端に切断を含む。
【0118】
様々な態様において、開示された融合タンパク質は、配列番号10のコンセンサスアミノ酸配列または配列番号1として示されるこのコンセンサス配列の二量体以外の領域の次のアミノ酸配列(配列番号13~102および105~108)のいずれかと、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を含む。いくつかの態様において、開示された融合タンパク質は、配列番号13~102および105~108のいずれかの配列と共通する約50、約75、約100、約125、約150、約175、約200、約250、約300、約350、または約375のアミノ酸のストレッチを含む。いくつかの態様において、これらのストレッチは共通して、配列番号10のコンセンサスアミノ酸配列または配列番号1として示されるこのコンセンサス配列の二量体を含む。
【0119】
多くの次の配列(配列番号13~102および105~108)は、C末端におけるポリ(A)テールおよびポリヒスチジンタグ、FLAGタグ、または他のタグと共に示されている。しかしながら、当業者によって容易に視覚化され得るように、いくつかの態様において、開示された例示的な融合タンパク質は、これらのタグのいずれも含有しない。いくつかの態様において、配列番号13~102および105~108に示されるタンパク質のいずれかは、ポリヒスチジンタグまたはFLAGタグ以外のタグを含む。いくつかの態様において、配列番号13~102および105~108のタンパク質のいずれかのポリヒスチジンタグまたはFLAGタグは、代替のタグ、例えばmycタグ、Strepタグ、Eタグ、血球凝集素タグ、T7タグ、Sタグ、HSV、VSV-G、抗Xpress、およびVSタグなどで置換されている。
(「ms」はマウス配列を示し、「hs」はヒト配列を示す):
【0120】
CCD-分化抗原群40リガンド(msCd40L)
METDTLLLWVLLLWVPGSTGDLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISVNLHEDFVFIKKLKRCNKGEGSLSLLNCEEMRRQFEDLVKDITLNKEEKKENSFEMQRGDEDPQIAAHVVSEANSNAASVLQWAKKGYYTMKSNLVMLENGKQLTVKREGLYYVYTQVTFCSNREPSSQRPFIVGLWLKPSSGSERILLKAANTHSSSQLCEQQSVHLGGVFELQAGASVFVNVTEASQVIHRVGFSSFGLLKLAAAHHHHHHV(配列番号13)
【0121】
CCD-分化抗原群70(msCD70)
METDTLLLWVLLLWVPGSTGDLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISHPEPHTAELQLNLTVPRKDPTLRWGAGPALGRSFTHGPELEEGHLRIHQDGLYRLHIQVTLANCSSPGSTLQHRATLAVGICSPAAHGISLLRGRFGQDCTVALQRLTYLVHGDVLCTNLTLPLLPSRNADETFFGVQWICPAAAHHHHHHV(配列番号14)
【0122】
CCD-msCD70
METDTLLLWVLLLWVPGSTGDLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISHPEPHTAELQLNLTVPRKDPTLRWGAGPALGRSFTHGPELEEGHLRIHQDGLYRLHIQVTLANCSSPGSTLQHRATLAVGICSPAAHGISLLRGRFGQDCTVALQRLTYLVHGDVLCTNLTLPLLPSRNADETFFGVQWICPAAAHHHHHHV(配列番号15)
【0123】
CCD-CD137リガンド(msCD137L)
METDTLLLWVLLLWVPGSTGDLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISITTSPNLGTRENNADQVTPVSHIGCPNTTQQGSPVFAKLLAKNQASLCNTTLNWHSQDGAGSSYLSQGLRYEEDKKELVVDSPGLYYVFLELKLSPTFTNTGHKVQGWVSLVLQAKPQVDDFDNLALTVELFPCSMENKLVDRSWSQLLLLKAGHRLSVGLRAYLHGAQDAYRDWELSYPNTTSFGLFLVKPDNPWEAAAHHHHHHV(配列番号16)
【0124】
CCD-ヘルペスウイルスエントリーメディエーターリガンド(msHveml)
METDTLLLWVLLLWVPGSTGDLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISHLPDGGKGSWEKLIQDQRSHQANPAAHLTGANASLIGIGGPLLWETRLGLAFLRGLTYHDGALVTMEPGYYYVYSKVQLSGVGCPQGLANGLPITHGLYKRTSRYPKELELLVSRRSPCGRANSSRVWWDSSFLGGVVHLEAGEEVVVRVPGNRLVRPRDGTRSYFGAFMVAAAHHHHHHV(配列番号17)
【0125】
CCD-msOx40L、またはmsCD252
METDTLLLWVLLLWVPGSTGDLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISIQRLRGAVTRCEDGQLFISSYKNEYQTMEVQNNSVVIKCDGLYIIYLKGSFFQEVKIDLHFREDHNPISIPMLNDGRRIVFTVVASLAFKDKVYLTVNAPDTLCEHLQINDGELIVVQLTPGYCAPEGSYHSTVNQVPLAAAHHHHHHV(配列番号18)
【0126】
分化抗原群276(msB7H3、またはCD276)
MLRGWGGPSVGVCVRTALGVLCLCLTGAVEVQVSEDPVVALVDTDATLRCSFSPEPGFSLAQLNLIWQLTDTKQLVHSFTEGRDQGSAYSNRTALFPDLLVQGNASLRLQRVRVTDEGSYTCFVSIQDFDSAAVSLQVAAPYSKPSMTLEPNKDLRPGNMVTITCSSYQGYPEAEVFWKDGQGVPLTGNVTTSQMANERGLFDVHSVLRVVLGANGTYSCLVRNPVLQQDAHGSVTITGLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号19)
【0127】
Vセットドメイン含有T細胞活性化阻害剤1(msB7h4、またはVTCN1)
MASLGQIIFWSIINIIIILAGAIALIIGFGISGKHFITVTTFTSAGNIGEDGTLSCTFEPDIKLNGIVIQWLKEGIKGLVHEFKEGKDDLSQQHEMFRGRTAVFADQVVVGNASLRLKNVQLTDAGTYTCYIRTSKGKGNANLEYKTGAFSMPEINVDYNASSESLRCEAPRWFPQPTVAWASQVDQGANFSEVSNTSFELNSENVTMKVVSVLYNVTINNTYSCMIENDIAKATGDIKVTDSEVKRRLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号20)
【0128】
BおよびTリンパ球アテニュエーター(msBTLA)
MKTVPAMLGTPRLFREFFILHLGLWSILCEKATKRNDEECPVQLTITRNSKQSARTGELFKIQCPVKYCVHRPNVTWCKHNGTICVPLEVSPQLYTSWEENQSVPVFVLHFKPIHLSDNGSYSCSTNFNSQVINSHSVTIHVTERTQNSSEHPLITVSDIPDATNASGPSTMEELKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号21)
【0129】
msCD27
MAWPPPYWLCMLGTLVGLSATLAPNSCPDKHYWTGGGLCCRMCEPGTFFVKDCEQDRTAAQCDPCIPGTSFSPDYHTRPHCESCRHCNSGFLIRNCTVTANAECSCSKNWQCRDQECTECDPPLNPALTRQPSETPSPQPPPTHLPHGTEKPSWPLHRQLPNSTVYSQRSSHRLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号22)
【0130】
msCD28
MTLRLLFLALNFFSVQVTENKILVKQSPLLVVDSNEVSLSCRYSYNLLAKEFRASLYKGVNSDVEVCVGNGNFTYQPQFRSNAEFNCDGDFDNETVTFRLWNLHVNHTDIYFCKIEFMYPPPYLDNERSNGTIIHIKEKHLLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号23)
【0131】
msCD40
MVSLPRLCALWGCLLTAVHLGQCVTCSDKQYLHDGQCCDLCQPGSRLTSHCTALEKTQCHPCDSGEFSAQWNREIRCHQHRHCEPNQGLRVKKEGTAESDTVCTCKEGQHCTSKDCEACAQHTPCIPGFGVMEMATETTDTVCHPCPVGFFSNQSSLFEKCYPWTSCEDKNLEVLQKGTSQTNVLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号24)
【0132】
msCD80
MACNCQLMQDTPLLKFPCPRLILLFVLLIRLSQVSSDVDEQLSKSVKDKVLLPCRYNSPHEDESEDRIYWQKHDKVVLSVIAGKLKVWPEYKNRTLYDNTTYSLIILGLVLSDRGTYSCVVQKKERGTYEVKHLALVKLSIKADFSTPNITESGNPSADTKRITCFASGGFPKPRFSWLENGRELPGINTTISQDPESELYTISSQLDFNTTRNHTIKCLIKYGDAHVSEDFTWEKPLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号25)
【0133】
msCD86
MDPRCTMGLAILIFVTVLLISDAVSVETQAYFNGTAYLPCPFTKAQNISLSELVVFWQDQQKLVLYEHYLGTEKLDSVNAKYLGRTSFDRNNWTLRLHNVQIKDMGSYDCFIQKKPPTGSIILQQTLTELSVIANFSEPEIKLDQNVTGNSGINLTCMSKQGHPKPKKMYFLITNSTNEYGDNMQISQDNVTELFSISNSLSLSFPDGVWHMTVVCVLETESMKISSKPLNFTQELKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号26)
【0134】
腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー9(msCd137またはTNFRSF9)
MGNNCYNVVVIVLLLVGCEKVGAVQNSCDNCQPGTFCRKYNPVCKSCPPSTFSSIGGQPNCNICRVCAGYFRFKKFCSSTHNAECECIEGFHCLGPQCTRCEKDCRPGQELTKQGCKTCSLGTFNDQNGTGVCRPWTNCSLDGRSVLKTGTTEKDVVCGPPVVSFSPSTTISVTPEGGLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号27)
【0135】
細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(msCtla4)
MACLGLRRYKAQLQLPSRTWPFVALLTLLFIPVFSEAIQVTQPSVVLASSHGVASFPCEYSPSHNTDEVRVTVLRQTNDQMTEVCATTFTEKNTVGFLDYPFCSGTFNESRVNLTIQGLRAVDTGLYLCKVELMYPPPYFVGMGNGTQIYVILKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号28)
【0136】
A型肝炎ウイルス細胞受容体2(msHavcr2)
MFSGLTLNCVLLLLQLLLARSLEDGYKVEVGKNAYLPCSYTLPTSGTLVPMCWGKGFCPWSQCTNELLRTDERNVTYQKSSRYQLKGDLNKGDVSLIIKNVTLDDHGTYCCRIQFPGLMNDKKLELKLDIKAAKVTPAQTAHGDSTTASPRTLTTERNGSETQTLVTLHNNNGTKISTWADEIKLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号29)
【0137】
ヘルペスウイルスエントリーメディエーター(msHvem)
MEPLPGWGSAPWSQAPTDNTFRLVPCVFLLNLLQRISAQPSCRQEEFLVGDECCPMCNPGYHVKQVCSEHTGTVCAPCPPQTYTAHANGLSKCLPCGVCDPDMGLLTWQECSSWKDTVCRCIPGYFCENQDGSHCSTCLQHTTCPPGQRVEKRGTHDQDTVCADCLTGTFSLGGTQEECLPWTNCSAFQQEVRRGTNLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号30)
【0138】
誘導性Tセル共刺激物質(msIcos)
MKPYFCRVFVFCFLIRLLTGEINGSADHRMFSFHNGGVQISCKYPETVQQLKMRLFREREVLCELTKTKGSGNAVSIKNPMLCLYHLSNNSVSFFLNNPDSSQGSYYFCSLSIFDPPPFQERNLSGGYLHIYESQLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号31)
【0139】
誘導性T細胞共刺激物質リガンド(msIcosL)
MQLKCPCFVSLGTRQPVWKKLHVSSGFFSGLGLFLLLLSSLCAASAETEVGAMVGSNVVLSCIDPHRRHFNLSGLYVYWQIENPEVSVTYYLPYKSPGINVDSSYKNRGHLSLDSMKQGNFSLYLKNVTPQDTQEFTCRVFMNTATELVKILEEVVRLRVAANFSTPVISTSDSSNPGQERTYTCMSKNGYPEPNLYWINTTDNSLIDTALQNNTVYLNKLGLYDVISTLRLPWTSRGDVLCCVENVALHQNITSISQAESFTGNNTKLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号32)
【0140】
リンパ球活性化遺伝子3(msLag3)
MREDLLLGFLLLGLLWEAPVVSDYKDDDDKSGPGKELPVVWAQEGAPVHLPCSLKSPNLDPNFLRRGGVIWQHQPDSGQPTPIPALDLHQGMPSPRQPAPGRYTVLSVAPGGLRSGRQPLHPHVQLEERGLQRGDFSLWLRPALRTDAGEYHATVRLPNRALSCSLRLRVGQASMIASPSGVLKLSDWVLLNCSFSRPDRPVSVHWFQGQNRVPVYNSPRHFLAETFLLLPQVSPLDSGTWGCVLTYRDGFNVSITYNLKVLGLEPVAPLTVYAAEGSRVELPCHLPPGVGTPSLLIAKWTPPGGGPELPVAGKSGNFTLHLEAVGLAQAGTYTCSIHLQGQQLNATVTLAVITVTPKSFGLPGSRGKLLCEVTPASGKERFVWRPLNNLSRSCPGPVLEIQEARLLAERWQCQLYEGQRLLGATVYAAESSSGAHSARRILKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号33)
【0141】
腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー4(msOx40、またはTNFRSF4)
MYVWVQQPTALLLLGLTLGVTARRLNCVKHTYPSGHKCCRECQPGHGMVSRCDHTRDTLCHPCETGFYNEAVNYDTCKQCTQCNHRSGSELKQNCTPTQDTVCRCRPGTQPRQDSGYKLGVDCVPCPPGHFSPGNNQACKPWTNCTLSGKQTRHPASDSLDAVCEDRSLLATLLWETQRPTFRPTTVQSTTVWPRTSELPSPLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号34)
【0142】
プログラム細胞死タンパク質1(msPD1)
MWVRQVPWSFTWAVLQLSWQSGWLLEVPNGPWRSLTFYPAWLTVSEGANATFTCSLSNWSEDLMLNWNRLSPSNQTEKQAAFCNGLSQPVQDARFQIIQLPNRHDFHMNILDTRRNDSGIYLCGAISLHPKAKIEESPGAELVVTERILETSTRYPSPSPLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号35)
【0143】
プログラム細胞死リガンド1(msPD-L1)
MRIFAGIIFTACCHLLRAFTITAPKDLYVVEYGSNVTMECRFPVERELDLLALVVYWEKEDEQVIQFVAGEEDLKPQHSNFRGRASLPKDQLLKGNAALQITDVKLQDAGVYCCIISYGGADYKRITLKVNAPYRKINQRISVDPATSEHELICQAEGYPEAEVIWTNSDHQPVSGKRSVTTSRTEGMLLNVTSSLRVNATANDVFYCTFWRSQPGQNHTAELIIPELPALKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号36)
【0144】
プログラム細胞死リガンド2(msPD-L2)
MLLLLPILNLSLQLHPVAALFTVTAPKEVYTVDVGSSVSLECDFDRRECTELEGIRASLQKVENDTSLQSERATLLEEQLPLGKALFHIPSVQVRDSGQYRCLVICGAAWDYKYLTVKVKASYMRIDTRILEVPGTGEVQLTCQARGYPLAEVSWQNVSVPANTSHIRTPEGLYQVTSVLRLKPQPSRNFSCMFWNAHMKELTSAIIDPLSRLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号37)
【0145】
ガレクチン9(hLGALS9)
MAFSGSQAPYLSPAVPFSGTIQGGLQDGLQITVNGTVLSSSGTRFAVNFQTGFSGNDIAFHFNPRFEDGGYVVCNTRQNGSWGPEERKTHMPFQKGMPFDLCFLVQSSDFKVMVNGILFVQYFHRVPFHRVDTISVNGSVQLSYISFQPPGVWPANPAPITQTVIHTVQSAPGQMFSTPAIPPMMYPHPAYPMPFITTILGGLYPSKSILLSGTVLPSAQRFHINLCSGNHIAFHLNPRFDENAVVRNTQIDNSWGSEERSLPRKMPFVRGQSFSVWILCEAHCLKVAVDGQHLFEYYHRLRNLPTINRLEVGGDIQLTHVQTLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号38)
【0146】
CCD-分化抗原群40リガンド(hsCD40L)
METDTLLLWVLLLWVPGSTGDLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISNLHEDFVFMKTIQRCNTGERSLSLLNCEEIKSQFEGFVKDIMLNKEETKKENSFEMQKGDQNPQIAAHVISEASSKTTSVLQWAEKGYYTMSNNLVTLENGKQLTVKRQGLYYIYAQVTFCSNREASSQAPFIASLCLKSPGRFERILLRAANTHSSAKPCGQQSIHLGGVFELQPGASVFVNVTDPSQVSHGTGFTSFGLLKLAAAHHHHHHV(配列番号39)
【0147】
CCD-hsCD70
METDTLLLWVLLLWVPGSTGDLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISPLESLGWDVAELQLNHTGPQQDPRLYWQGGPALGRSFLHGPELDKGQLRIHRDGIYMVHIQVTLAICSSTTASRHHPTTLAVGICSPASRSISLLRLSFHQGCTIASQRLTPLARGDTLCTNLTGTLLPSRNTDETFFGVQWVRPLAAAHHHHHHV(配列番号40)
【0148】
CCD-hsCD137L
METDTLLLWVLLLWVPGSTGDLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISRASPGSAASPRLREGPELSPDDPAGLLDLRQGMFAQLVAQNVLLIDGPLSWYSDPGLAGVSLTGGLSYKEDTKELVVAKAGVYYVFFQLELRRVVAGEGSGSVSLALHLQPLRSAAGAAALALTVDLPPASSEARNSAFGFQGRLLHLSAGQRLGVHLHTEARARHAWQLTQGATVLGLFRVTPEIPAGLPSPRSEAAAHHHHHHV(配列番号41)
【0149】
CCD-腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー4リガンド(hsOx40L)
METDTLLLWVLLLWVPGSTGDLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISQSIKVQFTEYKKEKGFILTSQKEDEIMKVQNNSVIINCDGFYLISLKGYFSQEVNISLHYQKDEEPLFQLKKVRSVNSLMVASLTYKDKVYLNVTTDNTSLDDFHVNGGELILIHQNPGEFCVLAAAHHHHHHV(配列番号42)
【0150】
CD276(hsB7H3、または分化抗原群276)
MLRRRGSPGMGVHVGAALGALWFCLTGALEVQVPEDPVVALVGTDATLCCSFSPEPGFSLAQLNLIWQLTDTKQLVHSFAEGQDQGSAYANRTALFPDLLAQGNASLRLQRVRVADEGSFTCFVSIRDFGSAAVSLQVAAPYSKPSMTLEPNKDLRPGDTVTITCSSYRGYPEAEVFWQDGQGVPLTGNVTTSQMANEQGLFDVHSVLRVVLGANGTYSCLVRNPVLQQDAHGSVTITGLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号43)
【0151】
Vセットドメイン含有T細胞活性化阻害剤1(hsB7H4、またはVTCN1)
MASLGQILFWSIISIIIILAGAIALIIGFGISGRHSITVTTVASAGNIGEDGILSCTFEPDIKLSDIVIQWLKEGVLGLVHEFKEGKDELSEQDEMFRGRTAVFADQVIVGNASLRLKNVQLTDAGTYKCYIITSKGKGNANLEYKTGAFSMPEVNVDYNASSETLRCEAPRWFPQPTVVWASQVDQGANFSEVSNTSFELNSENVTMKVVSVLYNVTINNTYSCMIENDIAKATGDIKVTESEIKRRSHLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号44)
【0152】
hsBTLA
MKTLPAMLGTGKLFWVFFLIPYLDIWNIHGKESCDVQLYIKRQSEHSILAGDPFELECPVKYCANRPHVTWCKLNGTTCVKLEDRQTSWKEEKNISFFILHFEPVLPNDNGSYRCSANFQSNLIESHSTTLYVTDVKSASERPSKDEMLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号45)
【0153】
hsCD27
MARPHPWWLCVLGTLVGLSATPAPKSCPERHYWAQGKLCCQMCEPGTFLVKDCDQHRKAAQCDPCIPGVSFSPDHHTRPHCESCRHCNSGLLVRNCTITANAECACRNGWQCRDKECTECDPLPNPSLTARSSQALSPHPQPTHLPYVSEMLEARTAGHMQTLADFRQLPARTLSTHWPPQRLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号46)
【0154】
hsCD28
MLRLLLALNLFPSIQVTGNKILVKQSPMLVAYDNAVNLSCKYSYNLFSREFRASLHKGLDSAVEVCVVYGNYSQQLQVYSKTGFNCDGKLGNESVTFYLQNLYVNQTDIYFCKIEVMYPPPYLDNEKSNGTIIHVKGKHLCPSLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号47)
【0155】
hsCD40
MVRLPLQCVLWGCLLTAVHPEPPTACREKQYLINSQCCSLCQPGQKLVSDCTEFTETECLPCGESEFLDTWNRETHCHQHKYCDPNLGLRVQQKGTSETDTICTCEEGWHCTSEACESCVLHRSCSPGFGVKQIATGVSDTICEPCPVGFFSNVSSAFEKCHPWTSCETKDLVVQQAGTNKTDVLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号48)
【0156】
hsCD80
MGHTRRQGTSPSKCPYLNFFQLLVLAGLSHFCSGVIHVTKEVKEVATLSCGHNVSVEELAQTRIYWQKEKKMVLTMMSGDMNIWPEYKNRTIFDITNNLSIVILALRPSDEGTYECVVLKYEKDAFKREHLAEVTLSVKADFPTPSISDFEIPTSNIRRIICSTSGGFPEPHLSWLENGEELNAINTTVSQDPETELYAVSSKLDFNMTTNHSFMCLIKYGHLRVNQTFNWNTLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号50)
【0157】
hsCD86
MDPQCTMGLSNILFVMAFLLSGAAPLKIQAYFNETADLPCQFANSQNQSLSELVVFWQDQENLVLNEVYLGKEKFDSVHSKYMGRTSFDSDSWTLRLHNLQIKDKGLYQCIIHHKKPTGMIRIHQMNSELSVLANFSQPEIVPISNITENVYINLTCSSIHGYPEPKKMSVLLRTKNSTIEYDGIMQKSQDNVTELYDVSISLSVSFPDVTSNMTIFCILETDKTRLLSSPFSIELEDLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号51)
【0158】
hsCD137
MGNSCYNIVATLLLVLNFERTRSLQDPCSNCPAGTFCDNNRNQICSPCPPNSFSSAGGQRTCDICRQCKGVFRTRKECSSTSNAECDCTPGFHCLGAGCSMCEQDCKQGQELTKKGCKDCCFGTFNDQKRGICRPWTNCSLDGKSVLVNGTKERDVVCGPSPADLSPGASSVTPPAPLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号52)
【0159】
hsCTLA4
MACLGFQRHKAQLNLATRTWPCTLLFFLLFIPVFCKAMHVAQPAVVLASSRGIASFVCEYASPGKATEVRVTVLRQADSQVTEVCAATYMMGNELTFLDDSICTGTSSGNQVNLTIQGLRAMDTGLYICKVELMYPPPYYLGIGNGTQIYVLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号53)
【0160】
hsHAVCR2
MFSHLPFDCVLLLLLLLLTRSSEVEYRAEVGQNAYLPCFYTPAAPGNLVPVCWGKGACPVFECGNVVLRTDERDVNYWTSRYWLNGDFRKGDVSLTIENVTLADSGIYCCRIQIPGIMNDEKFNLKLVIKPAKVTPAPTLQRDFTAAFPRMLTTRGHGPAETQTLGSLPDINLTQISTLANELRDSRLANDLRLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号54)
【0161】
hsHVEM
MEPPGDWGPPPWRSTPRTDVLRLVLYLTFLGAPCYAPALPSCKEDEYPVGSECCPKCSPGYRVKEACGELTGTVCEPCPPGTYIAHLNGLSKCLQCQMCDPAMGLRASRNCSRTENAVCGCSPGHFCIVQDGDHCAACRAYATSSPGQRVQKGGTESQDTLCQNCPPGTFSPNGTLEECQHQTKCSWLVTKAGLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号55)
【0162】
hsIcos
MRLGSPGLLFLLFSSLRADTQEKEVRAMVGSDVELSCACPEGSRFDLNDVYVYWQTSESKTVVTYHIPQNSSLENVDSRYRNRALMSPAGMLRGDFSLRLFNVTPQDEQKFHCLVLSQSLGFQEVLSVEVTLHVAANFSVPVVSAPHSPSQDELTFTCTSINGYPRPNVYWINKTDNSLLDQALQNDTVFLNMRGLYDVVSVLRIARTPSVNIGCCIENVLLQQNLTVGSQTGNDIGERDKITENPVLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号56)
【0163】
hsLag3
MWEAQFLGLLFLQPLWVAPVKPLQPGAEVPVVWAQEGAPAQLPCSPTIPLQDLSLLRRAGVTWQHQPDSGPPAAAPGHPLAPGPHPAAPSSWGPRPRRYTVLSVGPGGLRSGRLPLQPRVQLDERGRQRGDFSLWLRPARRADAGEYRAAVHLRDRALSCRLRLRLGQASMTASPPGSLRASDWVILNCSFSRPDRPASVHWFRNRGQGRVPVRESPHHHLAESFLFLPQVSPMDSGPWGCILTYRDGFNVSIMYNLTVLGLEPPTPLTVYAGAGSRVGLPCRLPAGVGTRSFLTAKWTPPGGGPDLLVTGDNGDFTLRLEDVSQAQAGTYTCHIHLQEQQLNATVTLAIITVTPKSFGSPGSLGKLLCEVTPVSGQERFVWSSLDTPSQRSFSGPWLEAQEAQLLSQPWQCQLYQGERLLGAAVYFTELSSPGAQRSGRALKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号57)
【0164】
hsOx40
MCVGARRLGRGPCAALLLLGLGLSTVTGLHCVGDTYPSNDRCCHECRPGNGMVSRCSRSQNTVCRPCGPGFYNDVVSSKPCKPCTWCNLRSGSERKQLCTATQDTVCRCRAGTQPLDSYKPGVDCAPCPPGHFSPGDNQACKPWTNCTLAGKHTLQPASNSSDAICEDRDPPATQPQETQGPPARPITVQPTEAWPRTSQGPSTRLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号58)
【0165】
hsPD1
MQIPQAPWPVVWAVLQLGWRPGWFLDSPDRPWNPPTFSPALLVVTEGDNATFTCSFSNTSESFVLNWYRMSPSNQTDKLAAFPEDRSQPGQDCRFRVTQLPNGRDFHMSVVRARRNDSGTYLCGAISLAPKAQIKESLRAELRVTERRAEVPTAHPSPSPRLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号59)
【0166】
hsPD-L1
MRIFAVFIFMTYWHLLNAFTVTVPKDLYVVEYGSNMTIECKFPVEKQLDLAALIVYWEMEDKNIIQFVHGEEDLKVQHSSYRQRARLLKDQLSLGNAALQITDVKLQDAGVYRCMISYGGADYKRITVKVNAPYNKINQRILVVDPVTSEHELTCQAEGYPKAEVIWTSSDHQVLSGKTTTTNSKREEKLFNVTSTLRINTTTNEIFYCTFRRLDPEENHTAELVIPELLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号60)
【0167】
hsPD-L2
MIFLLLMLSLELQLHQIAALFTVTVPKELYIIEHGSNVTLECNFDTGSHVNLGAITASLQKVENDTSPHRERATLLEEQLPLGKASFHIPQVQVRDEGQYQCIIIYGVAWDYKYLTLKVKASYRKINTHILKVPETDEVELTCQATGYPLAEVSWPNVSVPANTSHSRTPEGLYQVTSVLRLKPPPGRNFSCVFWNTHVRELTLASIDLQSLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号61)
【0168】
IgおよびITIMドメインを有するT細胞免疫受容体(hsTIGIT)
MRWCLLLIWAQGLRQAPLASGMMTGTIETTGNISAEKGGSIILQCHLSSTTAQVTQVNWEQQDQLLAICNADLGWHISPSFKDRVAPGPGLGLTLQSLTVNDTGEYFCIYHTYPDGTYTGRIFLEVLESSVALKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号62)
【0169】
抗CD3e単鎖フラグメント、メロゾイト表面タンパク質(scFv-MSP)(マウス)
MNSGLQLVFFVLTLKGIQGEGSHHHHHHVQLVESGGGLVQPGKSLKLSCEASGFTFSGYGMHWVRQAPGRGLESVAYITSSSINIKYADAVKGRFTVSRDNAKNLLFLQMNILKSEDTAMYYCARFDWDKNYWGQGTMVTVSSGGGGSGGGGSGGGGSIQMTQSPSSLPASLGDRVTINCQASQDISNYLNWYQQKPGKAPKLLIYYTNKLADGVPSRFSGSGSGRDSSFTISSLESEDIGSYYCQQYYNYPWTFGPGTKLEIKRDIGGGGSGGGGSDYKDDDDKDGIFCSSSNFLGISFLLILMLILYSFI(配列番号63)
【0170】
抗CD3e scFv-MSP(ヒト)
MERHWIFLLLLSVTAGVHSQVGSHHHHHHSQVQLQQSGAELARPGASVKMSCKASGYTFTRYTMHWVKQRPGQGLEWIGYINPSRGYTNYNQKFKDKATLTTDKSSSTAYMQLSSLTSEDSAVYYCARYYDDHYCLDYWGQGTTLTVSSGGGGSGGGGSGGGGSQIVLTQSPAIMSASPGEKVTMTCSASSSVSYMNWYQQKSGTSPKRWIYDTSKLASGVPAHFRGSGSGTSYSLTISGMEAEDAATYYCQQWSSNPFTFGSGTKLEINRLKEFGGGGSGGGGSDYKDDDDKDGIFCSSSNFLGISFLLILMLILYSFI(配列番号64)
【0171】
HSV-TK-CCD
WTMASYPCHQHASAFDQAARSRGHSNRRTALRPRRQQEATEVRLEQKMPTLLRVYIDGPHGMGKTTTTQLLVALGSRDDIVYVPEPMTYWQVLGASETIANIYTTQHRLDQGEISAGDAAVVMTSAQITMGMPYAVTDAVLAPHIGGEAGSSHAPPPALTLIFDRHPIAALLCYPAARYLMGSMTPQAVLAFVALIPPTLPGTNIVLGALPEDRHIDRLAKRQRPGERLDLAMLAAIRRVYGLLANTVRYLQGGGSWREDWGQLSGTAVPPQGAEPQSNAGPRPHIGDTLFTLFRAPELLAPNGDLYNVFAWALDVLAKRLRPMHVFILDYDQSPAGCRDALLQLTSGMVQTHVTTPGSIPTICDLARTFAREMGEANLKEFGGGGSGGGGSGGGGSMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKGGGGSGGGGSGGGGSLQISTRAAAHHHHHHV(配列番号105)
【0172】
HSV-TK SR39-CCD
MASYPCHQHASAFDQAARSRGHSNRRTALRPRRQQEATEVRLEQKMPTLLRVYIDGPHGMGKTTTTQLLVALGSRDDIVYVPEPMTYWQVLGASETIANIYTTQHRLDQGEISAGDAAVVMTSAQITMGMPYAVTDAVLAPHIGGEAGSSHAPPPALTIFLDRHPIAFMLCYPAARYLMGSMTPQAVLAFVALIPPTLPGTNIVLGALPEDRHIDRLAKRQRPGERLDLAMLAAIRRVYGLLANTVRYLQGGGSWREDWGQLSGTAVPPQGAEPQSNAGPRPHIGDTLFTLFRAPELLAPNGDLYNVFAWALDVLAKRLRPMHVFILDYDQSPAGCRDALLQLTSGMVQTHVTTPGSIPTICDLARTFAREMGEANLKEFGGGGSGGGGSGGGGSMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKGGGGSGGGGSGGGGSLQISTRAAAHHHHHHV(配列番号106)
【0173】
hGBA-CCD
MEFSSPSREECPKPLSRVSIMAGSLTGLLLLQAVSWASGARPCIPKSFGYSSVVCVCNATYCDSFDPPTFPALGTFSRYESTRSGRRMELSMGPIQANHTGTGLLLTLQPEQKFQKVKGFGGAMTDAAALNILALSPPAQNLLLKSYFSEEGIGYNIIRVPMASCDFSIRTYTYADTPDDFQLHNFSLPEEDTKLKIPLIHRALQLAQRPVSLLASPWTSPTWLKTNGAVNGKGSLKGQPGDIYHQTWARYFVKFLDAYAEHKLQFWAVTAENEPSAGLLSGYPFQCLGFTPEHQRDFIARDLGPTLANSTHHNVRLLMLDDQRLLLPHWAKVVLTDPEAAKYVHGIAVHWYLDFLAPAKATLGETHRLFPNTMLFASEACVGSKFWEQSVRLGSWDRGMQYSHSIITNLLYHVVGWTDWNLALNPEGGPNWVRNFVDSPIIVDITKDTFYKQPMFYHLGHFSKFIPEGSQRVGLVASQKNDLDAVALMHPDGSAVVVVLNRSSKDVPLTIKDPAVGFLETISPGYSIHTYLWRRQLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号107)
【0174】
hGBA-CCD-Aβ9 scFv
MEFSSPSREECPKPLSRVSIMAGSLTGLLLLQAVSWASGARPCIPKSFGYSSVVCVCNATYCDSFDPPTFPALGTFSRYESTRSGRRMELSMGPIQANHTGTGLLLTLQPEQKFQKVKGFGGAMTDAAALNILALSPPAQNLLLKSYFSEEGIGYNIIRVPMASCDFSIRTYTYADTPDDFQLHNFSLPEEDTKLKIPLIHRALQLAQRPVSLLASPWTSPTWLKTNGAVNGKGSLKGQPGDIYHQTWARYFVKFLDAYAEHKLQFWAVTAENEPSAGLLSGYPFQCLGFTPEHQRDFIARDLGPTLANSTHHNVRLLMLDDQRLLLPHWAKVVLTDPEAAKYVHGIAVHWYLDFLAPAKATLGETHRLFPNTMLFASEACVGSKFWEQSVRLGSWDRGMQYSHSIITNLLYHVVGWTDWNLALNPEGGPNWVRNFVDSPIIVDITKDTFYKQPMFYHLGHFSKFIPEGSQRVGLVASQKNDLDAVALMHPDGSAVVVVLNRSSKDVPLTIKDPAVGFLETISPGYSIHTYLWRRQLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISGGGGSGGGGSQVTLKESGPGILQPSQTLSLTCSFSGFSLNTFGMGVSWIRQPSGKGLEWLAHIFWDDDKHYNPSLKSRLTISKDTSNNQVFLKITTVDTADTATYYCVRYGFDGFPYWGQGTLVTVSAGGGGSGGGGSGGGGSDVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSNQSLVHSNGNTYLHWYLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGFYFCSQSTRVPWTFGGGTKLELKRAAAHHHHHHV(配列番号108)
【0175】
細胞シグナル伝達モジュレーターを含む異種ペプチドを含む例示的な融合タンパク質が、本明細書に記載されている。融合タンパク質名に別段の記載がない限り、CCDはタンパク質のC末端に配置される。様々な態様において、開示された融合タンパク質は、以下のアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を含む、1つ以上の異種ペプチドを含む。開示された融合タンパク質のいずれかは、以下のアミノ酸配列のいずれかと比較して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10~15、15~20、20~30、30~50、または50より多くのアミノ酸が異なり得る。これらの違いは、配列番号65~91のいずれかの配列に対して挿入、欠失、または置換されたアミノ酸を含み得る。いくつかの態様において、開示された融合タンパク質は、配列番号65~91のいずれかの配列と共通する約10、約20、約25、約40、50、約75、約100、約125、約150、約175、または約180のアミノ酸のストレッチを含有する。
【0176】
多くの次の配列(配列番号65~91)は、C末端におけるポリ(A)テールおよびポリヒスチジンタグ、または他のタグと共に示されている。しかしながら、いくつかの態様において、および当業者によって容易に視覚化され得るように、開示された例示的な融合タンパク質は、これらのタグを含有しない。
(「s」は可溶性タンパク質を示し、「hs」はヒト配列を示す):
【0177】
インターロイキン10受容体(sIL10R)
MLPCLVVLLAALLSLRLGSDAHGTELPSPPSVWFEAEFFHHILHWTPIPNQSESTCYEVALLRYGIESWNSISNCSQTLSYDLTAVTLDLYHSNGYRARVRAVDGSRHSNWTVTNTRFSVDEVTLTVGSVNLEIHNGFILGKIQLPRPKMAPANDTYESIFSHFREYEIAIRKVPGNFTFTHKKVKHENFSLLTSGEVGEFCVQVKPSVASRSNKGMWSKEECISLLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号65)
【0178】
骨髄細胞で発現するトリガー受容体1(hsTREM1)
MRKTRLWGLLWMLFVSELRAATKLTEEKYELKEGQTLDVKCDYTLEKFASSQKAWQIIRDGEMPKTLACTERPSKNSHPVQVGRIILEDYHDHGLLRVRMVNLQVEDSGLYQCVIYQPPKEPHMLFDRIRLVVTKGFSGTPGSNENSTQNVYKIPPTTTKALCPLYTSPRKDPGHLVEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAARGRRKR(配列番号66)
【0179】
TREM様転写物1(hsTREML1)
MGLTLLLLLLLGLEGQGIVGSLPEVLQAPVGSSILVQCHYRLQDVKAQKVWCRFLPEGCQPLVSSAVDRRAPAGRRTFLTDLGGGLLQVEMVTLQEEDAGEYGCMVDGARGPQILHRVSLNILPPEEEEETHKIGSLAENLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号67)
【0180】
Toll様受容体5(sTLR5)
MGDHLDLLLGVVLMAGPVFGIPSCSFDGRIAFYRFCNLTQVPQVLNTTERLLLSFNYIRTVTASSFPFLEQLQLLELGSQYTPLTIDKEAFRNLPNLRILDLGSSKIYFLHPDAFQGLFHLFELRLYFCGLSDAVLKDGYFRNLKALTRLDLSKNQIRSLYLHPSFGKLNSLKSIDFSSNQIFLVCEHELEPLQGKTLSFFSLAANSLYSRVSVDWGKCMNPFRNMVLEILDVSGNGWTVDITGNFSNAISKSQAFSLILAHHIMGAGFGFHNIKDPDQNTFAGLARSSVRHLDLSHGFVFSLNSRVFETLKDLKVLNLAYNKINKIADEAFYGLDNLQVLNLSYNLLGELYSSNFYGLPKVAYIDLQKNHIAIIQDQTFKFLEKLRTLDLRDNALTTIHFIPSIPDIFLSGNKLVTLPKINLTANLIHLSENRLENLDILYFLLRVPHLQILILNQNRFSSCSGDQTPSENPSLEQLFLGENMLQLAWETELCWDVFEGLSHLQVLYLNHNYLNSLPPGVFSHLTALRGLSLNSNRLTVLSHNDLPANLEILDISRNQLLAPNPDVFVSLSVLDITHNKFICECELSTFINWLNHTNVTIAGPPADIYCVYPDSFSGVSLFSLSTEGCDEEEVLKGSMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAARV(配列番号68)
【0181】
ヘッジホッグ相互作用タンパク質(hHHIP)
MLKMLSFKLLLLAVALGFFEGDAKFGERNEGSGARRRRCLNGNPPKRLKRRDRRMMSQLELLSGGEMLCGGFYPRLSCCLRSDSPGLGRLENKIFSVTNNTECGKLLEEIKCALCSPHSQSLFHSPEREVLERDLVLPLLCKDYCKEFFYTCRGHIPGFLQTTADEFCFYYARKDGGLCFPDFPRKQVRGPASNYLDQMEEYDKVEEISRKHKHNCFCIQEVVSGLRQPVGALHSGDGSQRLFILEKEGYVKILTPEGEIFKEPYLDIHKLVQSGIKGGDERGLLSLAFHPNYKKNGKLYVSYTTNQERWAIGPHDHILRVVEYTVSRKNPHQVDLRTARVFLEVAELHRKHLGGQLLFGPDGFLYIILGDGMITLDDMEEMDGLSDFTGSVLRLDVDTDMCNVPYSIPRSNPHFNSTNQPPEVFAHGLHDPGRCAVDRHPTDININLTILCSDSNGKNRSSARILQIIKGKDYESEPSLLEFKPFSNGPLVGGFVYRGCQSERLYGSYVFGDRNGNFLTLQQSPVTKQWQEKPLCLGTSGSCRGYFSGHILGFGEDELGEVYILSSSKSMTQTHNGKLYKIVDPKRPLMPEECRATVQPLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号69)
【0182】
血管内皮増殖因子受容体1(hsVEGFR1)
MVSYWDTGVLLCALLSCLLLTGSSSGSKLKDPELSLKGTQHIMQAGQTLHLQCRGEAAHKWSLPEMVSKESERLSITKSACGRNGKQFCSTLTLNTAQANHTGFYSCKYLAVPTSKKKETESAIYIFISDTGRPFVEMYSEIPEIIHMTEGRELVIPCRVTSPNITVTLKKFPLDTLIPDGKRIIWDSRKGFIISNATYKEIGLLTCEATVNGHLYKTNYLTHRQTNTIIDVQISTPRPVKLLRGHTLVLNCTATTPLNTRVQMTWSYPDEKNKRASVRRRIDQSNSHANIFYSVLTIDKMQNKDKGLYTCRVRSGPSFKSVNTSVHIYDKAFITVKHRKQQVLETVAGKRSYRLSMKVKAFPSPEVVWLKDGLPATEKSARYLTRGYSLIIKDVTEEDAGNYTILLSIKQSNVFKNLTATLIVNVKPQIYEKAVSSFPDPALYPLGSRQILTCTAYGIPQPTIKWFWHPCNHNHSEARCDFCSNNEESFILDADSNMGNRIESITQRMAIIEGKNKMASTLVVADSRISGIYICIASNKVGTVGRNISFYITDVPNGFHVNLEKMPTEGEDLKLSCTVNKFLYRDVTWILLRTVNNRTMHYSISKQKMAITKEHSITLNLTIMNVSLQDSGTYACRARNVYTGEEILQKKEITIRDQEAPYLLRNLSDHTVAISSSTTLDCHANGVPEPQITWFKNNHKIQQEPGIILGPGSSTLFIERVTEEDEGVYHCKATNQKGSVESSAYLTVQLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号70)
【0183】
血管内皮増殖因子受容体2(hsVEGFR2)
MQSKVLLAVALWLCVETRAASVGLPSVSLDLPRLSIQKDILTIKANTTLQITCRGQRDLDWLWPNNQSGSEQRVEVTECSDGLFCKTLTIPKVIGNDTGAYKCFYRETDLASVIYVYVQDYRSPFIASVSDQHGVVYITENKNKTVVIPCLGSISNLNVSLCARYPEKRFVPDGNRISWDSKKGFTIPSYMISYAGMVFCEAKINDESYQSIMYIVVVVGYRIYDVVLSPSHGIELSVGEKLVLNCTARTELNVGIDFNWEYPSSKHQHKKLVNRDLKTQSGSEMKKFLSTLTIDGITRSDQGLYTCAASSGLMTKKNSTFVRVHEKPFVAFGSGMESLVEATVGERVRIPAKYLGYPPPEIKWYKNGIPLESNHTIKAGHVLTIMEVSERDTGNYTVILTNPISKEKQSHVVSLVVYVPPQIGEKSLISPVDSYQYGTTQTLTCTVYAIPPPHHIHWYWQLEEECANEPSQAVSVTNPYPCEEWRSVEDFQGGNKIEVNKNQFALIEGKNKTVSTLVIQAANVSALYKCEAVNKVGRGERVISFHVTRGPEITLQPDMQPTEQESVSLWCTADRSTFENLTWYKLGPQPLPIHVGELPTPVCKNLDTLWKLNATMFSNSTNDILIMELKNASLQDQGDYVCLAQDRKTKKRHCVVRQLTVLERVAPTITGNLENQTTSIGESIEVSCTASGNPPPQIMWFKDNETLVEDSGIVLKDGNRNLTIRRVRKEDEGLYTCQACSVLGCAKVEAFFIIELKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号71)
【0184】
線維芽細胞成長因子受容体1(hsFGFR1)
MWSWKCLLFWAVLVTATLCTARPSPTLPEQAQPWGAPVEVESFLVHPGDLLQLRCRLRDDVQSINWLRDGVQLAESNRTRITGEEVEVQDSVPADSGLYACVTSSPSGSDTTYFSVNVSDALPSSEDDDDDDDSSSEEKETDNTKPNPVAPYWTSPEKMEKKLHAVPAAKTVKFKCPSSGTPNPTLRWLKNGKEFKPDHRIGGYKVRYATGSIIMDSVVPSDKGNYTCIVENEYGSINHTYQLDVVERSPHRPILQAGLPANKTVALGSNVEFMCKVYSDPQPHIQWLKHIEVNGSKIGPDNLPYVQILKTAGVNTTDKEMEVLHLRNVSFEDAGEYTCLAGNSIGLSHHSAWLTVLEALEERPAVMLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号72)
【0185】
分泌型frizzled関連タンパク質1(hSFRP1)
MGIGRSEGGRRGAALGVLLALGAALLAVGSASEYDYVSFQSDIGPYQSGRFYTKPPQCVDIPADLRLCHNVGYKKMVLPNLLEHETMAEVKQQASSWVPLLNKNCHAGTQVFLCSLFAPVCLDRPIYPCRWLCEAVRDSCEPVMQFFGFYWPEMLKCDKFPEGDVCIAMTPPNATEASKPQGTTVCPPCDNELKSEAIIEHLCASEFALRMKIKEVKKENGDKKIVPKKKKPLKLGPIKKKDLKKLVLYLKNGADCPCHQLDNLSHHFLIMGRKVKSQYLLTAIHKWDKKNKEFKNFMKKMKNHECPTFQSVFKLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号73)
【0186】
上皮成長因子受容体(hsEGFR)
MRPSGTAGAALLALLAALCPASRALEEKKVCQGTSNKLTQLGTFEDHFLSLQRMFNNCEVVLGNLEITYVQRNYDLSFLKTIQEVAGYVLIALNTVERIPLENLQIIRGNMYYENSYALAVLSNYDANKTGLKELPMRNLQEILHGAVRFSNNPALCNVESIQWRDIVSSDFLSNMSMDFQNHLGSCQKCDPSCPNGSCWGAGEENCQKLTKIICAQQCSGRCRGKSPSDCCHNQCAAGCTGPRESDCLVCRKFRDEATCKDTCPPLMLYNPTTYQMDVNPEGKYSFGATCVKKCPRNYVVTDHGSCVRACGADSYEMEEDGVRKCKKCEGPCRKVCNGIGIGEFKDSLSINATNIKHFKNCTSISGDLHILPVAFRGDSFTHTPPLDPQELDILKTVKEITGFLLIQAWPENRTDLHAFENLEIIRGRTKQHGQFSLAVVSLNITSLGLRSLKEISDGDVIISGNKNLCYANTINWKKLFGTSGQKTKIISNRGENSCKATGQVCHALCSPEGCWGPEPRDCVSCRNVSRGRECVDKCNLLEGEPREFVENSECIQCHPECLPQAMNITCTGRGPDNCIQCAHYIDGPHCVKTCPAGVMGENNTLVWKYADAGHVCHLCHPNCTYGCTGPGLEGCLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号74)
【0187】
骨髄細胞で発現するトリガー受容体2(hsTREM2)
MEPLRLLILLFVTELSGAHNTTVFQGVAGQSLQVSCPYDSMKHWGRRKAWCRQLGEKGPCQRVVSTHNLWLLSFLRRWNGSTAIKDDTLGGTLTITLRNLQPHDAGLYQCQSLHGSEADTLRKVLVEVLADPLDHRDAGDLWFPGESESFEDAHVEHSISRSLLELKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号75)
【0188】
TREM様転写物2タンパク質(hsTREML2)
MAPAFLLLLLLWPQGCVSGPSADSVYTKVRLLEGETLSVQCSYKGYKNRVEGKVWCKIRKKKCEPGFARVWVKGPRYLLQDDAQAKVVNITMVALKLQDSGRYWCMRNTSGILYPLMGFQLDVSPAPQSERNIPFTHLDNILKSGTVTTGQAPTSGPDAPFTTGVMVFTPGLITLPRLLASTRPASKTGYSFTATSTTSQGPRRTMGSQTVTASPSNARDSSAGPESISTKSGDLSTRSPTTGLCLTSRSLLNRLPSMPLKEFIEGRMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号76)
【0189】
Notchホモログ1(hsNOTCH1)
MPPLLAPLLCLALLPALAARGPRCSQPGETCLNGGKCEAANGTEACVCGGAFVGPRCQDPNPCLSTPCKNAGTCHVVDRRGVADYACSCALGFSGPLCLTPLDNACLTNPCRNGGTCDLLTLTEYKCRCPPGWSGKSCQQADPCASNPCANGGQCLPFEASYICHCPPSFHGPTCRQDVNECGQKPRLCRHGGTCHNEVGSYRCVCRATHTGPNCERPYVPCSPSPCQNGGTCRPTGDVTHECACLPGFTGQNCEENIDDCPGNNCKNGGACVDGVNTYNCPCPPEWTGQYCTEDVDECQLMPNACQNGGTCHNTHGGYNCVCVNGWTGEDCSENIDDCASAACFHGATCHDRVASFYCECPHGRTGLLCHLNDACISNPCNEGSNCDTNPVNGKAICTCPSGYTGPACSQDVDECSLGANPCEHAGKCINTLGSFECQCLQGYTGPRCEIDVNECVSNPCQNDATCLDQIGEFQCMCMPGYEGVHCEVNTDECASSPCLHNGRCLDKINEFQCECPTGFTGHLCQEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号77)
【0190】
コロニー刺激因子1受容体(hsCSF1R)
MGPGVLLLLLVATAWHGQGIPVIEPSVPELVVKPGATVTLRCVGNGSVEWDGPPSPHWTLYSDGSSSILSTNNATFQNTGTYRCTEPGDPLGGSAAIHLYVKDPARPWNVLAQEVVVFEDQDALLPCLLTDPVLEAGVSLVRVRGRPLMRHTNYSFSPWHGFTIHRAKFIQSQDYQCSALMGGRKVMSISIRLKVQKVIPGPPALTLVPAELVRIRGEAAQIVCSASSVDVNFDVFLQHNNTKLAIHQQSDFHNNRYQKVLTLNLDQVDFQHAGNYSCVASNVQGKHSTSMFFRVVESAYLNLSSEQNLIQEVTVGEGLNLKVMVEAYPGLQGFNWTYLGPFSDHQPEPKLANVTTKDTYRHTFTLSLPRLKPSEAGRYSFLARNPGGWRALTFELTLRYPPEVSVIWTFINGSGTLLCAASGYPQPNVTWLQCSGHTDRCDEAQVLQVWDDPYPEVLSQEPFHKVTVQSLLTVETLEHNQTYECRAHNSVGSGSWAFIPISAGAHTHLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号78)
【0191】
CCD-TNF関連アポトーシス誘導リガンド(hsTRAIL)
METDTLLLWVLLLWVPGSTGDLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSKSGIACFLKEDDSYWDPNDEESMNSPCWQVKWQLRQLVRKMILRTSEETISTVQEKQQNISPLVRERGPQRVAAHITGTRGRSNTLSSPNSKNEKALGRKINSWESSRSGHSFLSNLHLRNGELVIHEKGFYYIYSQTYFRFQEEIKENTKNDKQMVQYIYKYTSYPDPILLMKSARNSCWSKDAEYGLYSIYQGGIFELKENDRIFVSVTNEHLIDMDHEASFFGAFLVGAAAHHHHHHV(配列番号79)
【0192】
hsWIF1
MARRSAFPAAALWLWSILLCLLALRAEAGPPQEESLYLWIDAHQARVLIGFEEDILIVSEGKMAPFTHDFRKAQQRMPAIPVNIHSMNFTWQAAGQAEYFYEFLSLRSLDKGIMADPTVNVPLLGTVPHKASVVQVGFPCLGKQDGVAAFEVDVIVMNSEGNTILKTPQNAIFFKTCQQAECPGGCRNGGFCNERRICECPDGFHGPHCEKALCTPRCMNGGLCVTPGFCICPPGFYGVNCDKANCSTTCFNGGTCFYPGKCICPPGLEGEQCEISKCPQPCRNGGKCIGKSKCKCSKGYQGDLCSKPVCEPGCGAHGTCHEPNKCQCQEGWHGRHCNKRYEASLIHALRPAGAQLRQHTPSLKKAEERRDPPESNYIWLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号80)
【0193】
hsDKK1
MMALGAAGATRVFVAMVAAALGGHPLLGVSATLNSVLNSNAIKNLPPPLGGAAGHPGSAVSAAPGILYPGGNKYQTIDNYQPYPCAEDEECGTDEYCASPTRGGDAGVQICLACRKRRKRCMRHAMCCPGNYCKNGICVSSDQNHFRGEIEETITESFGNDHSTLDGYSRRTTLSSKMYHTKGQEGSVCLRSSDCASGLCCARHFWSKICKPVLKEGQVCTKHRRKGSHGLEIFQRCYCGEGLSCRIQKDHHQASNSSRLHTCQRHLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号81)
【0194】
hSFRP2
MLQGPGSLLLLFLASHCCLGSARGLFLFGQPDFSYKRSNCKPIPVNLQLCHGIEYQNMRLPNLLGHETMKEVLEQAGAWIPLVMKQCHPDTKKFLCSLFAPVCLDDLDETIQPCHSLCVQVKDRCAPVMSAFGFPWPDMLECDRFPQDNDLCIPLASSDHLLPATEEAPKVCEACKNKNDDDNDIMETLCKNDFALKIKVKEITYINRDTKIILETKSKTIYKLNGVSERDLKKSVLWLKDSLQCTCEEMNDINAPYLVMGQKQGGELVITSVKRWQKGQREFKRISRSIRKLQCLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号82)
【0195】
hsDLL3
MVSPRMSGLLSQTVILALIFLPQTRPAGVFELQIHSFGPGPGPGAPRSPCSARLPCRLFFRVCLKPGLSEEAAESPCALGAALSARGPVYTEQPGAPAPDLPLPDGLLQVPFRDAWPGTFSFIIETWREELGDQIGGPAWSLLARVAGRRRLAAGGPWARDIQRAGAWELRFSYRARCEPPAVGTACTRLCRPRSAPSRCGPGLRPCAPLEDECEAPPVCRAGCSPEHGFCEQPGECRCLEGWTGPLCTVPVSTSSCLSPRGPSSATTGCLVPGPGPCDGNPCANGGSCSETPRSFECTCPRGFYGLRCEVSGVTCADGPCFNGGLCVGGADPDSAYICHCPPGFQGSNCEKRVDRCSLQPCRNGGLCLDLGHALRCRCRAGFAGPRCEHDLDDCAGRACANGGTCVEGGGAHRCSCALGFGGRDCRERADPCAARPCAHGGRCYAHFSGLVCACAPGYMGARCLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号83)
【0196】
神経原性遺伝子座Notchホモログ4(hsNOTCH4)
MQPPSLLLLLLLLLLLCVSVVRPRGLLCGSFPEPCANGGTCLSLSLGQGTCQCAPGFLGETCQFPDPCQNAQLCQNGGSCQALLPAPLGLPSSPSPLTPSFLCTCLPGFTGERCQAKLEDPCPPSFCSKRGRCHIQASGRPQCSCMPGWTGEQCQLRDFCSANPCVNGGVCLATYPQIQCHCPPGFEGHACERDVNECFQDPGPCPKGTSCHNTLGSFQCLCPVGQEGPRCELRAGPCPPRGCSNGGTCQLMPEKDSTFHLCLCPPGFIGPDCEVNPDNCVSHQCQNGGTCQDGLDTYTCLCPETWTGWDCSEDVDECETQGPPHCRNGGTCQNSAGSFHCVCVSGWGGTSCEENLDDCIAATCAPGSTCIDRVGSFSCLCPPGRTGLLCHLEDMCLSQPCHGDAQCSTNPLTGSTLCLCQPGYSGPTCHQDLDECLMAQQGPSPCEHGGSCLNTPGSFNCLCPPGYTGSRCEADHNECLSQPCHPGSTCLDLLATFHCLCPPGLEGQLCELKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号84)
【0197】
Jagged1(hsJAG1)
MRSPRTRGRSGRPLSLLLALLCALRAKVCGASGQFELEILSMQNVNGELQNGNCCGGARNPGDRKCTRDECDTYFKVCLKEYQSRVTAGGPCSFGSGSTPVIGGNTFNLKASRGNDRNRIVLPFSFAWPRSYTLLVEAWDSSNDTVQPDSIIEKASHSGMINPSRQWQTLKQNTGVAHFEYQIRVTCDDYYYGFGCNKFCRPRDDFFGHYACDQNGNKTCMEGWMGPECNRAICRQGCSPKHGSCKLPGDCRCQYGWQGLYCDKCIPHPGCVHGICNEPWQCLCETNWGGQLCDKDLNYCGTHQPCLNGGTCSNTGPDKYQCSCPEGYSGPNCEIAEHACLSDPCHNRGSCKETSLGFECECSPGWTGPTCSTNIDDCSPNNCSHGGTCQDLVNGFKCVCPPQWTGKTCQLDANECEAKPCVNAKSCKNLIASYYCDCLPGWMGQNCDINLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号85)
【0198】
血小板由来成長因子受容体A(hsPDGFRA)
MGTSHPAFLVLGCLLTGLSLILCQLSLPSILPNENEKVVQLNSSFSLRCFGESEVSWQYPMSEEESSDVEIRNEENNSGLFVTVLEVSSASAAHTGLYTCYYNHTQTEENELEGRHIYIYVPDPDVAFVPLGMTDYLVIVEDDDSAIIPCRTTDPETPVTLHNSEGVVPASYDSRQGFNGTFTVGPYICEATVKGKKFQTIPFNVYALKATSELDLEMEALKTVYKSGETIVVTCAVFNNEVVDLQWTYPGEVKGKGITMLEEIKVPSIKLVYTLTVPEATVKDSGDYECAARQATREVKEMKKVTISVHEKGFIEIKPTFSQLEAVNLHEVKHFVVEVRAYPPPRISWLKNNLTLIENLTEITTDVEKIQEIRYRSKLKLIRAKEEDSGHYTIVAQNEDAVKSYTFELLTQVPSSILDLVDDHHGSTGGQTVRCTAEGTPLPDIEWMICKDIKKCNNETSWTILANNVSNIITEIHSRDRSTVEGRVTFAKVEETIAVRCLAKNLLGAENRELKLVAPLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号86)
【0199】
hsVEGFR1ドメイン2-hsVEGFR2ドメイン3(hsV1V2)
MVSYWDTGVLLCALLSCLLLTGSSSGSKIFISDTGRPFVEMYSEIPEIIHMTEGRELVIPCRVTSPNITVTLKKFPLDTLIPDGKRIIWDSRKGFIISNATYKEIGLLTCEATVNGHLYKTNYLTHRQGGGGSGGGGSLKIVVVVGYRIYDVVLSPSHGIELSVGEKLVLNCTARTELNVGIDFNWEYPSSKHQHKKLVNRDLKTQSGSEMKKFLSTLTIDGVTRSDQGLYTCAASSGLMTKKNSTFVRVHGGGGSGGGGSLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号87)
【0200】
TGFベータ受容体1(hsTGFBR1)
MEAAVAAPRPRLLLLVLAAAAAAAAALLPGATALQCFCHLCTKDNFTCVTDGLCFVSVTETTDKVIHNSMCIAEIDLIPRDRPFVCAPSSKTGSVTTTYCCNQDHCNKIELPTTVKSLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号88)
【0201】
TGFベータ受容体2(hsTGFBR2)
MGRGLLRGLWPLHIVLWTRIASTIPPHVQKSVNNDMIVTDNNGAVKFPQLCKFCDVRFSTCDNQKSCMSNCSITSICEKPQEVCVAVWRKNDENITLETVCHDPKLPYHDFILEDAASPKCIMKEKKKPGETFFMCSCSSDECNDNIIFSEEYNTSNLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号89)
【0202】
TGFベータ受容体3(hsTGFBR3)
MTSHYVIAIFALMSSCLATAGPEPGALCELSPVSASHPVQALMESFTVLSGCASRGTTGLPQEVHVLNLRTAGQGPGQLQREVTLHLNPISSVHIHHKSVVFLLNSPHPLVWHLKTERLATGVSRLFLVSEGSVVQFSSANFSLTAETEERNFPHGNEHLLNWARKEYGAVTSFTELKIARNIYIKVGEDQVFPPKCNIGKNFLSLNYLAEYLQPKAAEGCVMSSQPQNEEVHIIELITPNSNPYSAFQVDITIDIRPSQEDLEVVKNLILILKCKKSVNWVIKSFDVKGSLKIIAPNSIGFGKESERSMTMTKSIRDDIPSTQGNLVKWALDNGYSPITSYTMAPVANRFHLRLENNAEEMGDEEVHTIPPELRILLDPGALPALQNPPIRGGEGQNGGLPFPFPDISRRVWNEEGEDGLPRPKDPVIPSIQLFPGLREPEEVQGSVDIALSVKCDNEKMIVAVEKDSFQASGYSGMDVTLLDPTCKAKMNGTHFVLESPLNGCGTRPRWSALDGVVYYNSIVIQVPALGDSSGWPDGYEDLESGDNGFPGDMDEGDASLFTRPEIVVFNCSLQQVRNPSSFQEQPHGNITFNMELYNTDLFLVPSQGVFSVPENGHVYVEVSVTKAEQELGFAIQTCFISPYSNPDRMSHYTIIENICPKDESVKFYSPKRVHFPIPQADMDKKRFSFVFKPVFNTSLLFLQCELTLCTKMEKHPQKLPKCVPPDEACTSLDASIIWAMMQNKKTFTKPLAVIHHEAESKEKGPSMKEPNPISPPILKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号90)
【0203】
フィブリノーゲン様タンパク質1(hsFGL1)
MAKVFSFILVTTALTMGREISALEDCAQEQMRLRAQVRLLETRVKQQQVKIKQLLQENEVQFLDKGDENTVIDLGSKRQYADCSEIFNDGYKLSGFYKIKPLQSPAEFSVYCDMSDGGGWTVIQRRSDGSENFNRGWKDYENGFGNFVQKHGEYWLGNKNLHFLTTQEDYTLKIDLADFEKNSRYAQYKNFKVGDEKNFYELNIGEYSGTAGDSLAGNFHPEVQWWASHQRMKFSTWDRDHDNYEGNCAEEDQSGWWFNRCHSANLNGVYYSGPYTAKTDNGIVWYTWHGWWYSLKSVVMKIRPNDFIPNVILKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号91)
【0204】
受容体阻害タンパク質(RIP)キナーゼ阻害剤および細胞外マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤(「Timp」)を含む異種ペプチドを含む例示的な融合タンパク質が、本明細書に記載されている。融合タンパク質名にそのように示されている場合、融合タンパク質はCCDを含有せず、むしろタンパク質のC末端に位置するMSP配列を含有する。様々な態様において、開示された融合タンパク質は、以下のアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を含む、1つ以上の異種ペプチドを含む。開示された融合タンパク質のいずれかは、以下のアミノ酸配列のいずれかと比較して、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、10~15、15~20、20~30、30~50、または50より多くのアミノ酸が異なり得る。これらの違いは、配列番号92~102のいずれかの配列に対して挿入、欠失、または置換されたアミノ酸を含み得る。いくつかの態様において、開示された融合タンパク質は、配列番号92~102のいずれかの配列と共通する約10、約20、約25、約40、50、約75、約100、約125、約150、約175、または約180アミノ酸のストレッチを含有する。
【0205】
多くの次の配列(配列番号92~102)は、C末端におけるポリ(A)テールおよびポリヒスチジンタグ、または他のタグと共に示されている。しかしながら、いくつかの態様において、および当業者によって容易に視覚化され得るように、開示された例示的な融合タンパク質は、これらのタグを含有しない。
(「ms」はマウス配列を示す):
【0206】
セクレターゼ不活性プレセニリン1 D385A変異体(PS1D385A)
MTELPAPLSYFQNAQMSEDNHLSNTNDNRERQEHNDRRSLGHPEPLSNGRPQGNSRQVVEQDEEEDEELTLKYGAKHVIMLFVPVTLCMVVVVATIKSVSFYTRKDGQLIYTPFTEDTETVGQRALHSILNAAIMISVIVVMTILLVVLYKYRCYKVIHAWLIISSLLLLFFFSFIYLGEVFKTYNVAVDYITVALLIWNFGVVGMISIHWKGPLRLQQAYLIMISALMALVFIKYLPEWTAWLILAVISVYDLVAVLCPKGPLRMLVETAQERNETLFPALIYSSTMVWLVNMAEGDPEAQRRVSKNSKYNAESTERESQDTVAENDDGGFSEEWEAQRDSHLGPHRSTPESRAAVQELSSSILAGEDPEERGVKLGLGAFIFYSVLVGKASATASGDWNTTIACFVAILIGLCLTLLLLAIFKKALPALPISITFGLVFYFATDYLVQPFMDQLAFHQFYI(配列番号92)
【0207】
TIMPメタロペプチダーゼ阻害剤1(msTimp1)
MMAPFASLASGILLLLSLIASSKACSCAPPHPQTAFCNSDLVIRAKFMGSPEINETTLYQRYKIKMTKMLKGFKAVGNAADIRYAYTPVMESLCGYAHKSQNRSEEFLITGRLRNGNLHISACSFLVPWRTLSPAQQRAFSKTYSAGCGVCTVFPCLSIPCKLESDTHCLWTDQVLVGSEDYQSRHFACLPRNPGLCTWRSLGARLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号93)
【0208】
TIMPメタロペプチダーゼ阻害剤2(msTimp2)
MGAAARSLRLALGLLLLATLLRPADACSCSPVHPQQAFCNADVVIRAKAVSEKEVDSGNDIYGNPIKRIQYEIKQIKMFKGPDKDIEFIYTAPSSAVCGVSLDVGGKKEYLIAGKAEGDGKMHITLCDFIVPWDTLSITQKKSLNHRYQMGCECKITRCPMIPCYISSPDECLWMDWVTEKSINGHQAKFFACIKRSDGSCAWYRGAAPPKQEFLDIEDPLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号94)
【0209】
TIMPメタロペプチダーゼ阻害剤3(msTimp3)
MTPWLGLVVLLSCWSLGHWGAEACTCSPSHSQDAFCNSDIVIRAKVVGKKLVTEGPFGTLVYTIKQMKMYRGFSKMPHVQYIHTEASESLCGLKLEVNKYQYLLTGRVYEGKMYTGLCNFVERWDHLTLSQRKGLNYRYHLGCNCKINSCYYLPCFVTSKNECLWTDMLSNFGYPGYQSKHYACIRQKGGYCSWYRGWAPPDKSISNATDPLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号95)
【0210】
TIMPメタロペプチダーゼ阻害剤4(msTimp4)
MPWSPLAALSWALVLRLLALLWPPGRGEACSCAPAHPQQHFCHSALVIRAKISSEKVVPASKDPADTQKLIRYEIKQIKMFKGFEKAKDIQYVYTPFDSSLCGVKLETNSHKQYLLTGQILSDGKVFIHLCNYIEPWEDLSLVQRESLNHHYHQNCGCQITTCYAVPCTISAPNECLWTDWLLERKLYGYQAQHYVCMKHVDGICSWYRGHLHLRKEYVDIIQPLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISSTVAAAHHHHHHV(配列番号96)
【0211】
msTimp1-MSP
MMAPFASLASGILLLLSLIASSKACSCAPPHPQTAFCNSDLVIRAKFMGSPEINETTLYQRYKIKMTKMLKGFKAVGNAADIRYAYTPVMESLCGYAHKSQNRSEEFLITGRLRNGNLHISACSFLVPWRTLSPAQQRAFSKTYSAGCGVCTVFPCLSIPCKLESDTHCLWTDQVLVGSEDYQSRHFACLPRNPGLCTWRSLGARTRTRPLEQKLISEEDLAANDDGIFCSSSNFLGISFLLILMLILYSFI(配列番号97)
【0212】
msTimp2-MSP
MGAAARSLRLALGLLLLATLLRPADACSCSPVHPQQAFCNADVVIRAKAVSEKEVDSGNDIYGNPIKRIQYEIKQIKMFKGPDKDIEFIYTAPSSAVCGVSLDVGGKKEYLIAGKAEGDGKMHITLCDFIVPWDTLSITQKKSLNHRYQMGCECKITRCPMIPCYISSPDECLWMDWVTEKSINGHQAKFFACIKRSDGSCAWYRGAAPPKQEFLDIEDPTRTRPLEQKLISEEDLAANDDGIFCSSSNFLGISFLLILMLILYSFI(配列番号98)
【0213】
msTimp3-MSP
MTPWLGLVVLLSCWSLGHWGAEACTCSPSHSQDAFCNSDIVIRAKVVGKKLVTEGPFGTLVYTIKQMKMYRGFSKMPHVQYIHTEASESLCGLKLEVNKYQYLLTGRVYEGKMYTGLCNFVERWDHLTLSQRKGLNYRYHLGCNCKINSCYYLPCFVTSKNECLWTDMLSNFGYPGYQSKHYACIRQKGGYCSWYRGWAPPDKSISNATDPTRTRPLEQKLISEEDLAANDDGIFCSSSNFLGISFLLILMLILYSFI(配列番号99)
【0214】
msTimp4-MSP
MPWSPLAALSWALVLRLLALLWPPGRGEACSCAPAHPQQHFCHSALVIRAKISSEKVVPASKDPADTQKLIRYEIKQIKMFKGFEKAKDIQYVYTPFDSSLCGVKLETNSHKQYLLTGQILSDGKVFIHLCNYIEPWEDLSLVQRESLNHHYHQNCGCQITTCYAVPCTISAPNECLWTDWLLERKLYGYQAQHYVCMKHVDGICSWYRGHLHLRKEYVDIIQPTRTRPLEQKLISEEDLAANDDGIFCSSSNFLGISFLLILMLILYSFI(配列番号100)
【0215】
本開示の例示的なCCD融合タンパク質(単量体)が、本明細書に記載されている。様々な態様において、開示された融合タンパク質は、配列番号56、57、59、70、72、77、80、87、101、102、または105~108と少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%同一であるアミノ酸配列を含む。特定の態様において、開示された融合タンパク質は、配列番号56、57、59、70、72、77、80、87、101、102、または105~108のいずれか1つの配列を含む。ある態様において、開示された融合タンパク質は、配列番号57の配列を含む。ある態様において、開示された融合タンパク質は、配列番号105~108のいずれか1つの配列を含む。
【0216】
2つの異種ペプチドを含む例示的な融合タンパク質には、IcosL-CCD-TRAILおよびFGFR1-CCD-VEGFR1-VEGFR2(「FGFR1-CCD-V1V2」)が含まれ、これらは以下の配列で例示される。
【0217】
hIcosL-CCD-hTRAIL
MRLGSPGLLFLLFSSLRADTQEKEVRAMVGSDVELSCACPEGSRFDLNDVYVYWQTSESKTVVTYHIPQNSSLENVDSRYRNRALMSPAGMLRGDFSLRLFNVTPQDEQKFHCLVLSQSLGFQEVLSVEVTLHVAANFSVPVVSAPHSPSQDELTFTCTSINGYPRPNVYWINKTDNSLLDQALQNDTVFLNMRGLYDVVSVLRIARTPSVNIGCCIENVLLQQNLTVGSQTGNDIGERDKITENPVLKEFGGGGSGGGGSGGGGSMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKGGGGSGGGGSGGGGSLQISTRISTVQEKQQNISPLVRERGPQRVAAHITGTRGRSNTLSSPNSKNEKALGRKINSWESSRSGHSFLSNLHLRNGELVIHEKGFYYIYSQTYFRFQEEIKENTKNDKQMVQYIYKYTSYPDPILLMKSARNSCWSKDAEYGLYSIYQGGIFELKENDRIFVSVTNEHLIDMDHEASFFGAFLVGTRAAAHHHHHHV(配列番号101)
【0218】
hsFGFR1-CCD-hsVEGFR1-hsVEGFR2
MWSWKCLLFWAVLVTATLCTARPSPTLPEQAQPWGAPVEVESFLVHPGDLLQLRCRLRDDVQSINWLRDGVQLAESNRTRITGEEVEVQDSVPADSGLYACVTSSPSGSDTTYFSVNVSDALPSSEDDDDDDDSSSEEKETDNTKPNPVAPYWTSPEKMEKKLHAVPAAKTVKFKCPSSGTPNPTLRWLKNGKEFKPDHRIGGYKVRYATGSIIMDSVVPSDKGNYTCIVENEYGSINHTYQLDVVERSPHRPILQAGLPANKTVALGSNVEFMCKVYSDPQPHIQWLKHIEVNGSKIGPDNLPYVQILKTAGVNTTDKEMEVLHLRNVSFEDAGEYTCLAGNSIGLSHHSAWLTVLEALEERPAVMLKEFMGYQGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPGYCGPPGPPGPPGIPGNHGNNGNNGATGHEGAKGEKGDKGDLGPRGERGQHGPKGEKGYPGIPDYKDDDDKLQISGGGGSGGGGSIFISDTGRPFVEMYSEIPEIIHMTEGRELVIPCRVTSPNITVTLKKFPLDTLIPDGKRIIWDSRKGFIISNATYKEIGLLTCEATVNGHLYKTNYLTHRQGGGGSGGGGSLKIVVVVGYRIYDVVLSPSHGIELSVGEKLVLNCTARTELNVGIDFNWEYPSSKHQHKKLVNRDLKTQSGSEMKKFLSTLTIDGVTRSDQGLYTCAASSGLMTKKNSTFVRVHAAAHHHHHHV(配列番号102)
【0219】
開示された融合タンパク質およびその組成物のいずれも、長い貯蔵寿命を有し得、例えば、1週間から10年間などの特定の時点までの-20℃または室温などの特定の温度での保管後に、安定性を有し得る。開示された組成物は、保管前後のタンパク質試料のSDS-PAGE分析後に実施されたウエスタンブロット画像の外観に有意な変化がない場合、例えば分解物の存在を示し得る「新しい」タンパク質バンドがウエスタンブロットにない場合、特定の時点で安定していると見なされる。
【0220】
したがって、ある態様において、開示された融合タンパク質の個々のアリコート(例えば、単位用量)またはその組成物の少なくとも95%、しばしば少なくとも98%、およびしばしば100%は、約-20℃で8ヶ月から10年の保管後に安定である。ある態様において、開示された組成物の個々のアリコートの少なくとも95%、しばしば少なくとも98%、および通常100%は、約-20℃で数週間または数ヶ月の保管後(例えば、3ヶ月後、6ヶ月後、12ヶ月後、または24か月後)に、SDS-PAGEで検出された場合に安定性を示す。
【0221】
具体的な態様において、開示された組成物の個々のアリコートの少なくとも95%、しばしば少なくとも98%、およびしばしば100%は、約-20℃で数週間から数ヶ月保管し、続いて約2℃~約8℃(例えば、約4または4.5℃)の温度に解凍し、続いて約2℃~約8℃(例えば、約4または4.5℃)で1から6週間保管した後に、安定である。ある態様において、開示された組成物の個々のアリコートの少なくとも95%、しばしば少なくとも98%、およびしばしば100%は、約-20℃で数週間から数ヶ月保管し、続いて約2℃~約8℃(例えば、4.0℃または4.5℃)で2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、または8週間、解凍して保管した後に、安定である。ある態様において、開示された組成物の個々のアリコートの少なくとも95%、しばしば少なくとも98%、およびしばしば100%は、6ヶ月から10年の間の期間凍結し、次いで約2℃~約8℃(例えば4.0℃または4.5℃)で少なくとも1か月、2か月、3か月、4か月、6か月、8か月、10か月、12か月、15か月、18か月、20か月、22か月、または24か月、解凍して保管された後に、安定である。
【0222】
ある態様において、溶液は、-20℃未満の温度で長期間保管される。例えば溶液は、-30℃、-40℃、-60℃、または-80℃の温度で保管され得る。
【0223】
多量体融合タンパク質
CCDおよび融合タンパク質の多量体の形成を増強するために、C1qTNF3からの2つのCCDドメインを、グリシン-チロシン-システインリンカーによって接続した。単一の理論に制限されることなく、隣接するCCDドメイン間のシステイン残基は、分子間ジスルフィド結合(またはジスルフィド架橋)を形成する。目的の異種ペプチドの性質に応じて、タンパク質は、当技術分野で知られている分子クローニング技術を介して、N末端またはC末端に組み込まれる。ある場合には、異種ペプチドがCCDドメインの各末端に組み込まれて、「二重弾頭(double warhead)」として知られる場合もある二機能性分子を形成する(図1Aを参照)。
【0224】
CCD融合タンパク質をコードするcDNAは、遺伝子工学技術によってrAAVベクターに挿入され得る。目的のタンパク質cDNAを有する完全なrAAVベクターを次に使用して、異種ペプチドの発現を増強することができる。
【0225】
したがって、いくつかの側面において、本明細書で提供されるのは、2、3、4、6、または8個のCCD融合タンパク質単量体を含む多量体融合タンパク質である。特定の態様において、多量体融合タンパク質は、三量体または六量体を含む。多量体融合タンパク質の単量体は、同じであっても、異なっていてもよい。単量体が異なり得る例示的な多量体タンパク質は、ネイティブな最適化C1qTNF3コラーゲンドメインを含む融合タンパク質の送達によって生じ得、ここでこれらのドメインは、Gly-X-Y反復の存在により、標的細胞内で(例えば三量体に)会合する。
【0226】
開示された多量体融合タンパク質の特定の態様において、2つ以上の単量体のCCDは、1つ以上のグリシン-システイン-グリシンリンカードメインまたはグリシン-チロシン-システインリンカードメインによって互いに連結されている。特定の態様において、2つ以上の単量体は、1つ以上のジスルフィド架橋によって互いに連結されている。
【0227】
いくつかの側面において、開示された多量体融合タンパク質は、2つ以上のリガンドに対して二重特異性を有する。例示的な側面において、多量体融合タンパク質は、in vivoで2つ以上のリガンドに対して、in vivoでの同じリガンドに対する第1および第2の異種ペプチドの結合親和性の合計と実質的に等価である結合アビディティを有する。いくつかの側面において、多量体融合タンパク質は、in vivoで2つ以上のリガンドに対して、in vivoでの同じリガンドに対する第1および第2の異種ペプチドの結合親和性の合計よりも大きい、結合アビディティを有する。開示された多量体融合タンパク質のin vivoでのアビディティの維持または増強は、本発明の予想外かつ重要な結果を表す。
【0228】
免疫シナプスでの免疫チェックポイント分子またはそのモジュレーターの単一分子標的化が、免疫チェックポイントを標的とする所望の治療には不十分かも知れないという証拠が増えている。本明細書に記載の多量体融合タンパク質は、アルツハイマー病、がんまたは自己免疫障害および状態における免疫調節のための、二重および多重特異的治療法の開発に対する当技術分野における必要性に対処する。したがって、本明細書に記載されているのは、タウタンパク質およびアミロイドβペプチドを標的とする二重特異性機能性多量体融合タンパク質である。
【0229】
いくつかの態様において、開示された任意の融合タンパク質の第2の異種ペプチドは、アミロイドβペプチド(Aβ)に対して親和性を有するscFvを含む。いくつかの態様において、第1の異種ペプチドは、タウタンパク質(α-タウ)に対して親和性を有するscFvを含み得る。他の態様において、第1の異種ペプチドは、グルコセレブロシダーゼ(GBA)を含み得る。特定の態様において、第1の異種ペプチドはタウタンパク質(α-タウ)に対して親和性を有するscFvを含み、第2の異種ペプチドはアミロイドβペプチド(Aβ)に対して親和性を有するscFvを含む。例示的なアミロイドβscFvペプチドには、βペプチド9およびβペプチド5に対するscFvが含まれる。
【0230】
特定の態様において、タウを標的とするscFvは、94-3A6抗タウ抗体からのフラグメントであり、Aβを標的とするscFvは、βペプチド9に対して特異性を有する(「Aβ9 scFv」)(図6A~6Eを参照)。Croft CL et al. (2018), Novel monoclonal antibodies targeting the microtubule binding domain of human tau, PLoS ONE 13(4):e0195211を参照のこと、これは参照により本明細書に組み込まれる。これらの融合タンパク質は、本明細書では「タウおよびAβを標的とするナノボディ」と呼ばれ得る。以下の実施例に示すように、これらのナノボディは、in vitroおよびin vivoでタウおよびAβに対してアビディティを示す。これらのナノボディは、in vivoでこれらのリガンドに対して、in vivoでの同じリガンドに対するα-タウscFvおよびα-Aβ scFvの結合親和性の合計と実質的に同等の程度まで、アビディティを示す。いくつかの態様において、融合タンパク質の第1の異種ペプチドはGBAタンパク質を含み、第2の異種ペプチドはアミロイドβペプチド9(Aβ9)に対して親和性を有するscFvを含む。
【0231】
本開示の異種ペプチド(scFvなど)のin vitroでの結合親和性およびアビディティは、平衡透析、平衡結合、ゲル濾過、ELISA、表面プラズモン共鳴、または分光法(例えば、蛍光またはFACSアッセイを使用)を含む様々な方法によって決定することができる。in vivoでの結合親和性およびアビディティは、例えば、細胞代謝活性アッセイなどの機能的in vivoアッセイまたはアミロイド斑検出アッセイなどの最終産物検出アッセイにおける活性によって推定することができ;または、対象のin vivoイメージングを含む方法によって直接推定することができ、該方法としては例えば、免疫組織化学(IHC)、生物発光イメージング(BLI)、磁気共鳴イメージング(MRI)、陽電子放出断層撮影(PET)、電子顕微鏡、X線コンピュータ断層撮影、ラマンイメージング、光干渉断層撮影、吸収イメージング、熱イメージング、蛍光反射イメージング、蛍光顕微鏡、蛍光分子断層撮影イメージング、核磁気共鳴イメージング、X線イメージング、超音波イメージング、光音響イメージング、ラボアッセイ、またはタグ付け/染色/イメージングが必要なあらゆる状況である。
【0232】
scFvを含む融合タンパク質は、構造:NH-[α-タウscFv]-[CCD]-[α-Aβ scFv]-COOH、NH-[α-タウscFv]-[CCD]-[α-Aβ scFv]-FLAG-COOH、NH-[GBA]-[CCD]-[α-Aβ scFv]-COOH、NH-FLAG-[α-タウscFv]-[CCD]-[α-Aβ scFv]-COOH、NH-[GBA]-[CCD]-[α-Aβ scFv]-COOH、またはNH-[α-Aβ scFv]-[CCD]-[GBA]-COOH、ここで「]-[」の各例は、任意のリンカー配列の存在を示す。いくつかの態様において、「α-Aβ scFv」はα-Aβ9 scFvを表す。ある態様において、これらの多量体融合タンパク質は、三量体または六量体である(図6Aを参照のこと)。
【0233】
他の例示的な態様において、第1の異種ペプチドは、アミロイドβペプチド(Aβ)に対して親和性を有するscFvを含み、第2の異種ペプチドは、異なるアミロイドβペプチドに対して親和性を有するscFvを含む。驚くべきことに、以下の例4に示されるように、第1の異種ペプチドがAβ9に対して親和性を有するscFvを含み、第2の異種ペプチドが異なるアミロイド前駆体ペプチドに対して親和性を有するscFvを含む単量体ナノボディをコードするrAAVベクターの投与は、溶液中の非抱合scFvの投与と比較して、CRDN8マウスの脳におけるアミロイド斑沈着を首尾よく低減した(図6Dを参照)。この機能的in vivoアッセイで観察されたアミロイド斑の減少に基づき、この単量体ナノボディは、非抱合状態の同じscFvよりも、Aβ9およびアミロイド前駆体ペプチドに対するin vivoでのアビディティを増強したと推測することができる。
【0234】
特定の態様において、多量体融合タンパク質は、そのリガンドに対して10-1を超えるアビディティを有する。ある態様において、多量体タンパク質は、そのリガンドに対して10-1を超えるアビディティを有する。ある態様において、多量体タンパク質は、そのリガンドに対して10-1を超えるアビディティを有する。ある態様において、多量体タンパク質は、そのリガンドに対して、10-1~10-1の間、10-1~10-1の間、10-1~1010-1の間、10-1~10-1、および10-1~1010-1の間のアビディティを有する。
【0235】
特定の態様において、多量体融合タンパク質の各単量体は、以下を含むCCDを含む:少なくとも10個のG-X-Y反復(ここで、Gはグリシン、Xは任意のアミノ酸、およびYは任意のアミノ酸であり、ここでG-X-Y反復の少なくとも10個はG-P-PまたはG-P-Oであり、ここでG-X-Y反復の少なくとも6個はG-P-Oであり、およびここでPはプロリンでありOはヒドロキシプロリンである);および抗体ドメイン(ここで、各1つの単量体のヒドロキシプロリン化コラーゲン様ドメインは互いに相互作用して、少なくとも10-1のアビディティでリガンドに結合する多量体タンパク質を形成する)。
【0236】
融合タンパク質は、本開示の融合タンパク質の検出および精製を目的として、親和性タグの配列を含むか、または除外することができる。親和性タグの例には、ポリヒスチジンタグ(Hisタグ)、mycタグ、Strepタグ、FLAGタグ、Eタグ、血球凝集素タグ、T7、Sタグ、HSV、VSV-G、抗Xpress、およびVSタグが含まれる。
【0237】
異種ペプチドの結合ドメインの特異性に基づいて、本明細書に記載の融合タンパク質は、がん、炎症性疾患、代謝性疾患、線維症疾患、および心血管疾患を含む様々な障害を処置するために使用され得る。したがって本発明は、例えば、それを必要とする対象に、障害を処置するための本発明のタンパク質複合体の有効量を投与することによって、かかる障害を処置する方法を特徴とする。処置される対象は、障害を特徴とする状態を有するか、またはこれを獲得するリスクがあると特定することができる。これらの方法は、単独で、または他の薬物もしくは療法と組み合わせて実施することができる。
【0238】
本明細書に記載の融合タンパク質の多重特異的な結合親和性のために、当業者は、これらの融合タンパク質を使用して、通常は互いに会合しない分子または細胞を架橋することができる。この特徴は、細胞ベースの治療に特に役立つ。一例において、タンパク質複合体の1つの異種ドメインは、細胞傷害性細胞上のエフェクター抗原に特異的に結合することによって、細胞傷害性細胞(例えば、細胞傷害性T細胞)を活性化することができ、一方、別の異種ドメインは、破壊すべき病原体細胞または悪性細胞上の標的抗原に特異的に結合する。このようにして、タンパク質複合体は、病原体または悪性細胞によって引き起こされる障害を処置することができる。
【0239】
Clqタンパク質
Clqは、補体活性化の古典的経路の、C1酵素複合体のサブユニットである。これは、鎖A、B、およびCの9個のジスルフィド結合二量体で構成されており、N末端非らせん領域、三重らせん(コラーゲン)領域、およびClqドメインと呼ぶC末端球状頭部からなる共通の構造を共有する(Smith et al. 1994 Biochem. J. 301 :249-256)。ClqおよびTNFスーパーファミリーのメンバーは、宿主の防御、炎症、アポトーシス、自己免疫、細胞分化、器官形成、冬眠、およびインスリン抵抗性肥満に関与する。厳密に保存された5つの残基がCclqファミリーで同定されている(Kishore et al. Trends in Immunology 2004. 25(10):551-561)。各Clqドメインは、2つの5本鎖βシート:(A’、A、H、C、F)および(B’、B、G、D、E)で構成される、ゼリーロールトポロジーを持つ10本鎖βサンドイッチフォールドを示し、それぞれが逆平行鎖でできている。clqファミリータンパク質内の5つの保存された残基のそれぞれは、Clqドメインの疎水性コアに属する。β鎖は、(配向およびサイズに関して)異なるClqドメインにおいて強く保存されており、これは、顕著な変動性を示すβ鎖を接続するループとは対照的である。Clqドメイン内には、2つの良好に保存された領域が存在する:芳香族モチーフはドメインの前半にあり、もう1つの保存された領域はC末端の近くにある。
【0240】
さらに、タンパク質Clq、コラーゲンa1(X)、a2(VII)、越冬(overwintering)タンパク質ACRP30、内耳構造タンパク質、セレベリンおよびマルチメリンは、それぞれの多量体化配列セグメントにおけるそれらの配列相同性のために、用語Clqファミリーの下でタンパク質ファミリーとして分類され(Kischore and Reid, Immunopharmacol., 42: 15-21 (1999))、およびそれらの構造のため、これらのタンパク質は、より高い凝集体、例えば三量体の形態である。このファミリーに見られる多量体化特性を有するタンパク質の中で、例えば、補体系から知られているタンパク質Clqの構造は、それぞれが「ヘッド」として知られている球状ドメイン、および「コラーゲン状」ヘリカル配列セグメントを有する単量体によって特徴付けられる。コイルドコイル三重らせんを形成するのはこのらせん配列セグメントであり、それを介して単量体が三量体化する。次に、これらのClq三量体のうち6つがオリゴマーを形成し、タンパク質三量体のオリゴマー化は、個々のコイルドコイル三重らせん間の相互作用に基づく。タンパク質またはマルチ(オリゴ)マー化タンパク質複合体Clqのこの構造配置の結果は、「ブーケ」とも呼ばれる構成であり、球状のC末端に配置された「ヘッド」ドメインが接続されて三量体の六量体を与えることが保証される。
【0241】
ClqおよびTNFファミリータンパク質は、類似の遺伝子構造を有する:それらのClqおよびTNF相同性ドメインは、それぞれが1つのエクソン内にコードされているが、両方のファミリーのイントロンは、それぞれのN末端コラーゲンまたは柄(stalk)領域に制限されている。ゼリーロール構造は、植物ウイルスおよび、口蹄疫ウイルスとポリオウイルスを含む哺乳類ピコランウイルスのカプシドタンパク質と非常によく似ている。
【0242】
ClqサブコンポーネントおよびVIII型およびX型コラーゲンのC末端球状ドメインは、三重らせんの正しい折り畳みおよびアラインメント、ならびにタンパク質-タンパク質認識事象の両方にとって重要である。X型コラーゲンの場合、ドメインはタンパク質の正しい集合の開始および維持に重要であることが示唆されている(Kwan et al. 1991 J. Cell Biol. 114:597-604)。アディポネクチンでは、Clqドメインは、完全長のアディポネクチンよりもはるかに強力に高血糖および高インスリン血症を改善することができる。アディポネクチンは、それらの食作用活性およびそれらのLPS誘導性のTNF-α産生を顕著に阻害することによって、成熟マクロファージ機能を抑制することが示され、したがって炎症を解消する可能性がある。アディポネクチンはまた、肥満マウスの筋肉および肝臓のトリグリセリド含有量を減少させることにより、肥満に関連するインスリン抵抗性を逆転させることも示されている。アディポネクチンの減少は、肥満および2型糖尿病のマウスモデルにおけるインスリン抵抗性の発症に関係している。「シュミット型骨幹端軟骨異形成症」と呼ばれる成長板の異常に関連する軽度の常染色体障害は、疎水性コアを破壊し三量体の集合を混乱させるコラーゲンXのClqドメインにおけるミスセンス変異に関連する。CTRP5のClqドメインにおける特定の変異は、遅発性網膜変性に関連する。
【0243】
コラーゲンドメインは、結合組織構造の形成に関与する一般に細胞外構造タンパク質であるコラーゲンに見出される。ドメインは、三重らせんを形成するG-X-Y反復の20のコピーを含有する。反復の最初の位置はグリシンであり、2番目と3番目の位置は任意の残基であり得るが、多くの場合プロリンおよびヒドロキシプロリンである。コラーゲンは、プロリンヒドロキシラーゼにより翻訳後修飾されて、ヒドロキシプロリン残基を形成する。不完全なヒドロキシル化は壊血病の原因である。コラーゲンスーパーファミリーの一部のメンバーは結合組織構造に関与しないが、同じ三重らせん構造を共有する。ヒト線維芽細胞に対するClqの抗増殖(G1有糸分裂停止)およびアポトーシス促進効果は、カルレティキュリン-CCD91複合体を介してコラーゲン領域によって媒介される。この相互作用は、マクロファージにおけるp38 MAPK活性化、NF-κB活性、および炎症誘発性サイトカインおよびケモカインの産生を増強する。
【0244】
したがって、タンパク質を含有するClqドメインの活性の変化は、疾患の表現型を変化させる手段を提供し、したがって、このタイプの新規なタンパク質の同定は、それらが、上記で特定された疾患および他の病状の処置の開発において役割を果たすか、または有用であり得るために、非常に関連性がある。
【0245】
多量体化戦略
一価抗体フラグメント、例えば単鎖可変領域フラグメント(scFv)およびナノボディ(VHH)は、一般に、速い腎クリアランスのため循環時間が短いという問題がある。これらの抗体フラグメントの改変は高親和性結合ドメインを生成することができるが、抗原の強い結合能力および高い局所密度は、「結合部位バリア」と呼ばれる状況になると組織浸透の低下につながる可能性もある。
【0246】
ヒト組織の非平衡環境において、一価抗体フラグメントは、結合ドメインの迅速な解離のために中程度の標的保持の問題がある。最適な治療用分子では、最適な腫瘍浸透(分子量を考慮)、機能的親和性、および妥当な血清半減期の間で適切な妥協点を確立する必要がある。抗原特異性を損なうことなく標的結合分子の結合強度を増強することは、困難な課題である。
【0247】
そのために、小さな一価の結合分子を、抗体の固有の多価フォーマットへと改変することができる。したがって、小さな抗体フラグメントの標的結合強度を、抗原結合部位の数を増やすことによって大幅に改善することができる。多量体化はさらに、結合部分の強制的な近接およびより遅いKオフレートによって引き起こされる、標的組織でのより高い分子量およびより長い保持時間のために、延長された循環時間をもたらす。改善された半減期と増強された機能的親和性により、診療所での低用量の使用が可能になり、その結果コストおよび用量依存性の副作用が低減される。
【0248】
標的結合分子を多価足場分子に融合させて、多価性を達成することができる。多価足場への融合にはいくつかの利点があり、その中には、リガンドが強制的に近接しているため複数のリガンドがそれらの標的部位に結合するときに達成できる、標的滞留時間の延長がある。この場合、結合したリガンドは、残りの足場関連の対応物を標的細胞上の結合部位に近接させ、したがって、それらの結合および解離したリガンドの再結合の両方に有利に働く。これは当然、近接した標的分子の分布に強く依存する。
【0249】
本明細書で使用する場合、「足場」という用語は、機能単位の多価表示のための定義された構成(architecture)を有する合成または天然起源の分子を指す。多量体化に適用される足場分子は、一定の最適な属性を有し得る:小さいサイズ、定義された構成、高い安定性、低い凝集傾向、水溶液での十分な溶解性、および足場の完全性に影響を与えることなく対処できる修飾部位。オリゴマー化ドメインへの融合は、融合パートナーの半減期を延長し、したがってそれらの活性を長期間可能にすることが見出されている。多量体機能性生体分子の活性は、親和性ではなく、アビディティによるより強い標的結合によって増強される。
【0250】
足場の例として、平行なジスルフィド安定化五量体構造に自己組織化が可能な少なくとも46個の残基から構成される、ヒト軟骨オリゴマー基質タンパク質(COMP48、または「COMP」)が、以前から様々な標的結合分子の五量体化に使用されている。COMPは、コラーゲンやフィブロネクチンなどの他の細胞外マトリックスタンパク質との相互作用を介して、軟骨の構造的完全性に役割を果たす。メラノーマペプチドHLAA2複合体を標的とするVHHをCOMP48のN末端に融合させ、一価のVHHと比較して増強された結合能力を示す、五量体抗体COMBODYがもたらされた。
【0251】
さらに、二重特異性COMBODYが、抗CD3 scFvのC末端への追加の融合によって生成された。予想される二重特異性二価分子はより大きな凝集体に蓄積し、これは、ペプチドを負荷した標的細胞の特異的細胞溶解を媒介した。別のグループは、EGFR過剰発現がん細胞上のEGFRの細胞外ドメインに特異的に結合してアポトーシスを誘導する5つのEGFリガンドを有する、五量体COMP-EGF融合タンパク質を生成した。この融合タンパク質は、大腸菌細胞で産生されたが、複雑な三次構造のために大規模な再折り畳みが必要であった。
【0252】
リンカーおよびシグナル配列
開示された融合タンパク質の様々な態様において、リンカーは、ペプチドドメインのいずれかを連結するために使用され得る。リンカーは、共有結合のように単純な場合もあれば、多数原子の長さの高分子リンカーの場合もある。ある態様において、リンカーは、ポリペプチドであるか、またはアミノ酸に基づく。他の態様において、リンカーはペプチド様ではない。ある態様において、リンカーは、共有結合(例えば、炭素-炭素結合、ジスルフィド結合、炭素-ヘテロ原子結合など)である。ある態様において、リンカーは、アミド結合の炭素-窒素結合である。ある態様において、リンカーは、環状または非環状、置換または非置換、分岐または非分岐の脂肪族またはヘテロ脂肪族リンカーである。ある態様において、リンカーはポリマーである(例えば、ポリエチレン、ポリエチレングリコール、ポリアミド、ポリエステルなど)。ある態様において、リンカーは、アミノアルカン酸の単量体、二量体、またはポリマーを含む。ある態様において、リンカーは、アミノアルカン酸(例えば、グリシン、エタン酸、アラニン、ベータアラニン、3-アミノプロパン酸、4-アミノブタン酸、5-ペンタン酸など)を含む。ある態様において、リンカーは、アミノヘキサン酸(Ahx)の単量体、二量体、またはポリマーを含む。ある態様において、リンカーは、炭素環部分(例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン)に基づく。他の態様において、リンカーは、ポリエチレングリコール部分(PEG)を含む。他の態様において、リンカーはアミノ酸を含む。ある態様において、リンカーはペプチドを含む。ある態様において、リンカーは、アリールまたはヘテロアリール部分を含む。ある態様において、リンカーはフェニル環に基づく。リンカーは、ペプチドの求核試薬(例えば、チオール、アミノ)のリンカーへの付着を容易にする、官能化された部分を含み得る。任意の求電子試薬をリンカーの一部として使用することができる。例示的な求電子試薬には、限定はされないが、活性化エステル、活性化アミド、マイケルアクセプター、ハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリール、ハロゲン化アシル、およびイソチオシアナートが含まれる。
【0253】
いくつかの態様において、リンカーは、1つのアミノ酸または複数のアミノ酸(例えば、ペプチドまたはタンパク質)である。いくつかの態様において、リンカーは、結合(例えば、共有結合)、有機分子、基、ポリマー、または化学部分である。いくつかの態様において、リンカーは、長さが5~100アミノ酸であり、例えば、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35~40、40~45、45~50、50~60、60~70、70~80、80~90、90~100、100~110、110~120、120~130、130~140、140~150、または150~200アミノ酸の長さである。より長いかまたはより短いリンカーも企図される。
【0254】
いくつかの態様において、リンカーは、アミノ酸配列GGGS(配列番号103)またはGGGSGGGS(配列番号104)を含む。
【0255】
様々な態様において、開示された融合タンパク質は、分泌シグナル配列を含む。細胞が細胞外タンパク質を作って分泌する能力は、多くの生物学的プロセスの中心である。酵素、成長因子、細胞外マトリックスタンパク質、およびシグナル伝達分子はすべて、細胞から分泌される。これは、分泌小胞と原形質膜との融合によるものである。すべてではないがほとんどの場合、タンパク質はシグナルペプチドによって小胞体および分泌小胞内に向けられる。シグナルペプチドは、細胞質から分泌小胞等の膜結合コンパートメントへのポリペプチド鎖の輸送に影響を与える、シス作用性配列である。分泌小胞を標的とするポリペプチドは、細胞外マトリックスに分泌されるか、原形質膜に保持される。原形質膜に保持されているポリペプチドは、1つ以上の膜貫通ドメインを有する。
【0256】
医薬組成物および処置方法
本明細書でさらに提供されるのは、医薬組成物であって、本明細書に開示された改変rAAVベクターを含み、さらに医薬賦形剤を含み、ex vivoまたはin situで動物、特にヒトにおける宿主細胞に投与するために製剤化され得る、前記医薬組成物である。かかる組成物はさらに、任意にリポソーム、脂質、脂質複合体、ミクロスフェア、マイクロ粒子、ナノスフェア、またはナノ粒子を含み得るか、あるいは必要のある対象の細胞、組織、器官、または体への投与のために製剤化され得る。かかる組成物は、様々な治療で使用するために製剤化することができ、例えば本明細書に記載の状態、疾患または障害を含む、ペプチド欠乏症、ポリペプチド欠乏症、ペプチド過剰発現、ポリペプチド過剰発現などの状態の改善、予防、および/または処置である。
【0257】
「賦形剤」という用語は、rAAV粒子もしくは調製物または核酸セグメントと共に投与される、希釈剤、アジュバント、担体、またはビヒクルを指す。かかる医薬担体は、水および油など滅菌の液体であることができ、例えば鉱油などの石油、ピーナッツ油、大豆油、およびゴマ油などの植物油、動物油、または合成由来の油を含む。生理食塩水ならびにデキストロースおよびグリセロール水溶液も、液体担体として使用することができる。
【0258】
ある態様において、本開示は、対象におけるAAV免疫を低下させる方法を提供し、ここで方法は、開示されたrAAV粒子および薬学的に許容し得る賦形剤を含む組成物を対象に投与することをさらに含み、任意にここで、対象は以前にrAAV粒子を含む組成物を投与されている。特定の態様において、対象はヒトである。
【0259】
いくつかの態様において、宿主細胞に投与されるrAAV粒子の数は、500~5000ベクターゲノム(vgs)/細胞の範囲のオーダーであり得る。特定の態様において、開示された方法は、rAAV粒子の約500vgs/細胞、1000vgs/細胞、2000vgs/細胞、3000vgs/細胞、4000vgs/細胞、5000vgs/細胞、6000vgs/細胞、または7000vgs/細胞の用量での投与を含む。
【0260】
いくつかの態様において、対象に投与されるrAAV粒子の数は、10~1014粒子/mLまたは10~1013粒子/mLの範囲のオーダー、またはいずれかの範囲についてのそれらの間の任意の値、例えば、約10、10、10、10、1010、1011、1012、1013、または1014粒子/mLであり得る。一態様において、1013粒子/mLより高いrAAV粒子が投与される。いくつかの態様において、対象に投与されるrAAV粒子の数は、10~1014vgs/mLまたは10~1015vgs/mLの範囲のオーダー、またはいずれかの範囲についてのそれらの間の任意の値、例えば、rAAV粒子組成物の約10、10、10、10、1010、1011、1012、1013、または1014vgs/mLであり得る。ある態様において、開示された方法は、3x10~1x10vgs/mLの用量での投与を含む。一態様において、1013vgs/mLを超えるrAAV粒子が投与される。
【0261】
rAAV粒子は単回投与として投与することができ、または、処置される特定の疾患または障害の治療を達成するために必要とされ得るように、2回以上の投与に分割することができる。いくつかの態様において、0.0001mLから10mLが対象に送達される。いくつかの態様において、インターフェロン-γが、rAAV粒子と同時投与される。いくつかの態様において、インターフェロン-γは、rAAV粒子の投与後に投与される。
【0262】
いくつかの態様において、本開示は、本明細書に開示された組成物の、細胞または動物に投与するための薬学的に許容し得る溶液中の製剤であって、単独で、または1つ以上の他の治療法と組み合わせた、特にヒトの細胞、組織、および人間に影響を与える病気の治療のための、前記製剤を提供する。
【0263】
必要に応じて、rAAV粒子または調製物および核酸セグメントは、他の剤、例えば、タンパク質またはポリペプチドまたは様々な薬学的に活性な剤と組み合わせて投与することができ、これには、治療用ポリペプチド、生物学的活性フラグメント、またはそれらのバリアントの1つ以上の全身投与または局所投与を含む。実際、追加の剤が標的細胞または宿主組織との接触時に重大な悪影響を引き起こさなければ、含まれ得る他の成分に事実上制限はない。したがって、rAAV粒子または調製物および核酸セグメントは、特定の場合に必要とされるように、様々な他の剤と共に送達され得る。かかる組成物は、宿主細胞または他の生物学的供給源から精製され得るか、または代替的に、本明細書に記載されるように化学的に合成され得る。本明細書で使用する場合、「ベクター」という用語は、核酸セグメント(例えば、プラスミドまたは組換えウイルスゲノム)またはウイルスベクター(例えば、組換えゲノムを含むrAAV粒子)を指すことができる。
【0264】
薬学的に許容し得る賦形剤の製剤は、本明細書に記載の特定の組成物を様々な処置計画(例えば、経口、非経口、静脈内、鼻腔内、関節内、および筋肉内の投与および製剤を含む)で使用するための、適切な投薬および処置計画の開発と同様に、当業者によく知られている。
【0265】
典型的には、これらの製剤は、少なくとも約0.1%の治療剤(例えば、rAAV粒子または調製物および/または核酸セグメント)またはそれ以上を含有し得るが、ただし、有効成分のパーセンテージは当然ながら様々であり、都合の良いことに、全製剤の重量または体積の約1または2%から約70%または80%以上の間であり得る。当然のことながら、各治療上有用な組成物中の治療剤の量は、適切な投薬量が化合物の任意の所与の単位用量において得られるような方法で、調製することができる。溶解性、バイオアベイラビリティ、生物学的半減期、投与経路、製品の貯蔵寿命、および他の薬理学的考察などの要因は、かかる製剤を調製する当業者によって企図され、したがって様々な投薬量および処置計画が望ましい場合がある。
【0266】
例示的な多量体融合タンパク質、すなわちアミロイドβタンパク質の単鎖可変領域フラグメントとのCCD融合、またはα-Aβ5 scFvCCDの半減期は、約2時間であると決定された。250μgの精製ビオチン化抗パンAβ5 scFv5またはパンAβ5 scFvCCDを、成体の非トランスジェニックB6C3F1マウスに腹腔内注射した。注射後の様々な時点で、血漿をマウスから収集し、環状scFvのレベルを、直接ELISA法により、単量体Aβ(10μg/ml)を捕捉としておよびニュートラアビジン-HRP二次抗体を検出として用いて、検出した。結果を図25に示す。
【0267】
ある状況において、本明細書に開示の適切に製剤化された医薬組成物中のrAAV粒子または調製物および/または核酸セグメントを、皮下、眼内、硝子体内、非経口、皮下、静脈内、脳室内、筋肉内、髄腔内、経口、腹腔内に、経口または経鼻吸入により、または直接注射により、1つ以上の細胞、組織、または器官へ送達することが望ましい。
【0268】
注射可能な使用に適した組成物の剤形には、滅菌水溶液または分散液が含まれる。いくつかの態様において、形態は、容易な注射可能性が存在する程度まで滅菌および流動性である。いくつかの態様において、形態は、製造および保管の条件下で安定であり、細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対して保存される。担体は、例えば水、生理食塩水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、および液体ポリエチレングリコールなど)、それらの適切な混合物、および/または植物油を含有する、溶媒または分散媒体であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチンなどのコーティングの使用によって、分散液の場合には必要な粒子サイズの維持によって、および界面活性剤の使用によって維持され得る。
【0269】
本開示の医薬組成物は、処置される対象に標準的な経路によって投与することができ、これには、限定はされないが以下が含まれる:肺、鼻腔内、経口、吸入、非経口例えば、静脈内、局所、経皮、皮内、経粘膜、腹腔内、筋肉内、関節包内、眼窩内、硝子体内、心臓内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、髄腔内、硬膜外および胸骨内注射。
【0270】
注射可能な水溶液の投与のために、例えば、溶液は必要に応じて適切に緩衝され得、および液体希釈剤は、最初に十分な生理食塩水またはグルコースで等張にされる。これらの特定の水溶液は、静脈内、筋肉内、硝子体内、皮下および腹腔内投与に特に適している。これに関連して、使用可能な滅菌水性媒体は、本開示に照らして当業者に知られるであろう。例えば、1回の投薬量を1mLの等張NaCl溶液に溶解し、1000mLの皮下注射液に加えるか、提案された注入部位に注射することができる(例えば、"Remington's Pharmaceutical Sciences" 15th Edition, pages 1035-1038 and 1570-1580を参照)。投薬量のいくらかの変動は、処置される対象の状態に応じて必然的に発生する。いずれにせよ、投与の責任者は、個々の対象に適切な用量を決定するであろう。さらに、ヒトへの投与の場合、調製物は、無菌性、発熱性、および例えばFDA Office of Biologicsの基準などで要求される一般的な安全性および純度の基準を満たす必要がある。
【0271】
滅菌の注射可能溶液は、rAAV粒子または調製物および/または核酸セグメントを、必要な量で適切な溶媒に、必要に応じて上に列挙した他のいくつかの成分と共に組み込み、続いて濾過滅菌することによって調製される。一般に分散液は、様々な滅菌された活性成分を、基本的な分散媒および上に列挙されたものからの必要な他の成分を含有する滅菌ビヒクルに組み込むことによって調製される。滅菌の注射可能な溶液を調製するための滅菌粉末の場合、好ましい調製方法は、真空乾燥および凍結乾燥技術であり、これにより、有効成分に加えて以前に滅菌濾過されたその溶液から任意の追加の所望の成分の粉末が得られる。
【0272】
rAAV粒子または調製物で形質導入された細胞のex vivo送達もまた、本明細書で企図される。ex vivo遺伝子送達を使用して、rAAVで形質導入された宿主細胞を宿主に移植して戻すことができる。適切なex vivoプロトコルは、いくつかのステップを含み得る。例えば、標的組織のセグメントまたは標的流体のアリコートを宿主から採取することができ、rAAV粒子または調製物を使用して、核酸セグメントを、組織または流体中の宿主細胞に形質導入することができる。次に、これらの遺伝子改変細胞を、宿主に移植して戻すことができる。いくつかのアプローチを、細胞の宿主への再導入に使用することができ、これには静脈内注射、腹腔内注射、または標的組織へのin situ注射が含まれる。自家および同種異系細胞移植を、本発明に従って使用することができる。
【0273】
rAAV粒子もしくは調製物または核酸セグメントの組成物の量、およびかかる組成物の投与時間は、本教示の利益を有する当業者の範囲内である。しかしながら、開示された組成物の治療有効量の投与は、単回投与によって、例えば、かかる処置を受けている患者に治療上の利益を提供するのに十分な数の感染性粒子の単回注射などによって、達成され得る。代替的に、いくつかの状況では、かかる組成物の投与を監督する医師によって決定され得るように、rAAV粒子もしくは調製物または核酸セグメントの組成物の複数回または連続的な投与を、比較的短い期間または比較的長い期間のいずれかで提供することが望ましい場合があり得る。
【0274】
組成物は、rAAV粒子もしくは調製物または核酸セグメントを、単独で、または天然もしくは組換え源から得られるかまたは化学的に合成され得る1つ以上の追加の活性成分と組み合わせて、含み得る。いくつかの態様において、rAAV粒子または調製物は、同じ組成物で、または同じ処置計画の一部として、ボルテゾミブまたはヒドロキシ尿素などのプロテアソーム阻害剤と組み合わせて投与される。
【0275】
他の側面において、本明細書で提供されるのは、本明細書に記載の融合タンパク質の、それを必要とする対象への投与を含む、処置方法である。ある態様において、処置方法は、本明細書に記載の医薬組成物、rAAV粒子、またはナノ粒子を投与することを含む。
【0276】
本明細書で使用される用語としての、疾患を「処置する」とは、対象が経験する疾患または障害の少なくとも1つの徴候または症状の、頻度または重症度を低減することを意味する。上記の組成物は、典型的には、有効量、すなわち、望ましい結果を生み出すことができる量で、対象に投与される。望ましい結果は、投与される活性剤に依存する。例えば、rAAV粒子の有効量は、異種核酸を宿主器官、組織、または細胞に移すことができる粒子の量であり得る。
【0277】
ある態様において、本明細書に提供されるのは、疾患、障害、または状態を有するか、または発症するリスクのある対象を処置するための、本明細書に記載の融合タンパク質を対象に投与することを含む、方法である。特定の態様において、投与される融合タンパク質は、多量体融合タンパク質である。他の態様において、疾患、障害、または状態を有するか、または発症するリスクのある対象の処置方法は、本明細書に記載の1つ以上の医薬組成物、ナノ粒子、またはrAAV粒子を投与することを含む。
【0278】
いくつかの態様において、対象は、疾患、障害、または状態があると診断されている。いくつかの態様において、対象は、アミロイド関連の疾患または障害と診断されている。特定の態様において、アミロイド関連疾患または障害は、アルツハイマー病または別の神経変性疾患である。他の態様において、疾患、障害または状態は、がんまたは自己免疫疾患である。
【0279】
本開示の方法で利用される組成物の毒性および有効性は、標準的な薬学的手順により決定することができ、培養中の細胞または実験動物のいずれかを使用してLD50(集団の50%に対する致死量)を決定する。毒性と有効性の用量比は治療指数であり、LD50/ED50の比として表すことができる。大きな治療指数を示す組成物が好ましい。有毒な副作用を示すものを使用することもできるが、かかる副作用の潜在的な損傷を最小限に抑える送達システムを設計するように、注意する必要がある。本明細書に記載の組成物の投薬量は、一般に、毒性がほとんどまたはまったくないED50を含む範囲内にある。投薬量は、使用される剤形および利用される投与経路に応じて、この範囲内で変化し得る。
【0280】
診断方法およびキット
いくつかの側面において、本開示は、分析物を検出するための診断方法およびキットを提供する。いくつかの態様において、細胞、組織または器官中の分析物の濃度を決定するための方法が提供され、これは以下を含む:対象の細胞、組織または器官に、本明細書に記載の多量体融合タンパク質の1つを投与すること、および分析物の濃度を測定すること;ここで多量体融合タンパク質は、分析物に対して結合親和性を有する。他の態様において、細胞、組織または器官における分析物またはリガンドの濃度を決定するための方法は、本明細書に記載の医薬組成物またはナノ粒子を投与することを含む。ある態様において、開示された診断方法の融合タンパク質は、2つ以上の分析物を結合することができる。これらの方法およびキットは、融合タンパク質と目的の分析物の間の結合親和性を測定するための任意の既知の方法またはこれを測定するための手段を利用することができ、これには例えば、平衡透析、平衡結合、ゲル濾過、ELISA、表面プラズモン共鳴、または分光法(例えば、蛍光アッセイを使用)が含まれる。結合親和性を評価するための例示的な条件は、HBS-P緩衝液(10mMのHEPES、pH7.4、150mMのNaCl、0.005%(v/v)の界面活性剤P20)中であり得る。
【0281】
いくつかの態様において、開示された方法における細胞は、哺乳動物対象から誘導または単離された哺乳動物細胞である。哺乳動物の対象は、アルツハイマー病などの疾患または障害と診断されているか、またはそれらに罹患している可能性がある。いくつかの態様において、開示された方法は、哺乳動物対象の処置(例えば、処置計画)を、診断アッセイの結果(例えば、分析物の濃度)を考慮して調整することをさらに含み得る。
【0282】
他の側面において、本開示は、分析物を検出するための、精製された多量体融合タンパク質および1つ以上の薬学的に許容し得る賦形剤を含み得る送達用のビヒクルを含む、キットを提供する。ある態様において、キットは、1つ以上の多量体融合タンパク質を含むナノ粒子を含む。ある態様において、開示されたキットの融合タンパク質は、2つ以上の分析物を結合することができる。キットは、哺乳動物細胞を哺乳動物対象から単離するための手段、および/または分析物を細胞から単離するための手段を含み得る。開示された任意のキットは、融合タンパク質と分析物(analyst)との間の結合親和性を測定するための、平衡透析、平衡結合、ゲル濾過、ELISA、表面プラズモン共鳴、および分光法から選択される手段を含み得る。
【0283】
特定の態様において、本明細書に記載の融合タンパク質のリガンドに対する結合親和性を検出するための、方法およびキットが提供される。特定の態様において、これらの方法は、以下を含む:多量体融合タンパク質をリガンドとインキュベートすること;ここで、融合タンパク質の各単量体は、少なくとも10個のG-X-Y反復を含むCCDを含み;ここで、Gはグリシン、Xは任意のアミノ酸、およびYは任意のアミノ酸であり、ここでG-X-Y反復の少なくとも10個はG-P-PまたはG-P-Oであり、ここでG-X-Y反復の少なくとも6個はG-P-Oであり、およびここでPはプロリンであり、Oはヒドロキシプロリンであり;および、抗体ドメインを含み;ここで、各1つの単量体のヒドロキシプロリン化コラーゲン様ドメインは互いに相互作用して、少なくとも10-1のアビディティでリガンドに結合する多量体タンパク質を形成し;および、多量体タンパク質の、リガンドへの結合を検出すること。
【0284】
組換えAAV(rAAV)粒子およびゲノム
本開示の側面は、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子またはかかる粒子の調製物であって、異種ペプチドをコードする配列を含む1つ以上のポリヌクレオチドまたはベクターを様々な組織、器官、および/または細胞に送達するための、前記粒子または調製物に関する。いくつかの態様において、rAAV粒子は、本明細書に記載のように宿主細胞に送達される。
【0285】
野生型AAVゲノムは、正または負いずれかのセンスの一本鎖デオキシリボ核酸(ssDNA)である。ゲノムは、以下を含む:2つの逆方向末端反復(ITR)をDNA鎖の両端に1つずつ、2つのオープンリーディングフレーム(ORF):ITR間のrepとcap、および、ITR間に配置され、任意に導入遺伝子を含むインサート核酸。rep ORFは、AAVライフサイクルに必要なRepタンパク質をコードする4つの重複遺伝子を含む。cap ORFは、カプシドタンパク質:VP1、VP2、およびVP3をコードする重複遺伝子を含み、これは相互作用してウイルスカプシドを形成する。VP1、VP2、およびVP3は1つのmRNA転写物から翻訳され、2つの異なる方法でスプライシングされ得る:長いまたは短いイントロンを切除して、mRNAの2つのアイソフォーム(~2.3kbおよび~2.6kbの長さのmRNAアイソフォーム)を形成することができる。カプシドは、約60個の個々のカプシドタンパク質サブユニットの超分子集合体を、AAVゲノムを保護可能なエンベロープなしのT-1二十面体格子中に形成する。成熟したカプシドは、VP1、VP2、およびVP3(それぞれ分子量が約87、73、および62kDa)が約1:1:10の比率で構成される。
【0286】
組換えAAV(rAAV)粒子は、核酸セグメントを含み得、これは、少なくとも以下を含み得る:(a)異種ペプチドまたは目的のRNA(例えば、siRNAまたはマイクロRNA)をコードする配列を含む1つ以上の導入遺伝子、および(b)1つ以上の異種核酸領域(例えば、トランスジーン)に隣接する逆方向末端反復(ITR)配列(例えば、改変されたITR配列)を含む1つ以上の領域。いくつかの態様において、核酸セグメントは、サイズが4kbから5kbの間である(例えば、4.2~4.7kbのサイズ)。本明細書に記載の任意の核酸セグメントは、AAV2カプシドまたは別の血清型(例えば、ITR配列と同じ血清型である血清型)などのウイルスカプシドによってカプシド化され得、これは、本明細書に記載の改変カプシドタンパク質を含み得る。特定の態様において、カプシドは、AAV2/8またはAAV2/1血清型である。
【0287】
いくつかの態様において、核酸セグメントは環状である。いくつかの態様において、核酸セグメントは一本鎖である。いくつかの態様において、核酸セグメントは二本鎖である。いくつかの態様において、二本鎖核酸セグメントは、例えば、核酸セグメントの別の領域に相補的である核酸セグメントの領域を含有して核酸セグメントの二本鎖の形成を開始する、自己相補的ベクターであり得る。
【0288】
したがって、いくつかの態様において、rAAV粒子またはかかる粒子を含有するrAAV調製物は、ウイルスカプシドおよび、ウイルスカプシドによってカプシド化される本明細書に記載の核酸セグメントを含む。いくつかの態様において、核酸セグメントの挿入核酸は、以下を含む:(1)異種ペプチドをコードする配列を含む1つ以上の導入遺伝子、(2)導入遺伝子の発現を促進する配列を含む1つ以上の核酸領域(例えば、プロモーター)、および(3)導入遺伝子の、対象のゲノムへの組み込みを促進する配列を含む1つ以上の核酸領域(任意選択で、発現を促進する配列を含む1つ以上の核酸領域を伴う)。ある態様において、挿入核酸のプロモーターは、ニワトリβ-アクチン(CBA)プロモーターに対して少なくとも90%、少なくとも95%、または少なくとも99%の同一性を有する配列を含む。
【0289】
いくつかの態様において、本明細書に記載のポリヌクレオチドおよびベクターは、ITR配列を含む。いくつかの態様において、コード配列および関連するプロモーターは、rAAV ITR配列に隣接している。本明細書に記載のポリヌクレオチドのITR配列は、任意のAAV血清型(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10)に由来するか、または2種以上の血清型に由来することができる。いくつかの態様において、ITR配列は、AAV2またはAAV6に由来する。いくつかの態様において、第1の血清型のITR配列は、AAV3、AAV2またはAAV6に由来する。他の態様において、第1の血清型のITR配列は、AAV1、AAV5、AAV8、AAV9またはAAV10に由来する。いくつかの態様において、ITR配列は、カプシドと同じ血清型である(例えば、AAV3 ITR配列およびAAV3カプシドなど)。
【0290】
ITR配列およびITR配列を含有するプラスミドは当技術分野で知られており、市販されている(例えば以下を参照:Vector Biolabs, Philadelphia, PA; Cellbiolabs, San Diego, CA;Agilent Technologies, Santa Clara, Ca;およびAddgene, Cambridge, MAから入手可能な製品およびサービス;ならびにGene delivery to skeletal muscle results in sustained expression and systemic delivery of a therapeutic protein. Kessler PD, et al. Proc Natl Acad Sci USA. 1996;93(24):14082-7;およびCurtis A. Machida, Methods in Molecular Medicine(商標). Viral Vectors for Gene Therapy Methods and Protocols. 10.1385/1-59259-304-6:201 Humana Press Inc. 2003: Chapter 10, Targeted Integration by Adeno-Associated Virus. Matthew D. Weitzman, Samuel M. Young Jr., Toni Cathomen and Richard Jude Samulski;米国特許第5,139,941 号および5,962,313号。これらはすべて参照により本明細書に組み込まれる)。
【0291】
いくつかの態様において、核酸セグメントは、AAV2 ITRを含有するプラスミドである、pTR-UF-11プラスミド骨格を含む。このプラスミドは、American Type Culture Collection(ATCC MBA-331)から市販されている。
【0292】
核酸セグメント(本明細書で企図される任意の形態)を含むrAAV粒子は、組成物の形態で、例えばrAAV粒子などの活性成分、核酸セグメント(本明細書で企図される任意の形態)、および治療的または薬学的に許容し得る担体を含む組成物の形態で、送達することができる。rAAV粒子または核酸セグメントは、様々な組成物中に調製することができ、および、ヒトまたは動物の対象に投与するための適切な医薬ビヒクル中に製剤化することができる。
【0293】
本開示の他の側面は、細胞を、本明細書に記載の方法によって生成されたrAAV調製物と接触させることを含む、方法に関する。接触することは、例えば、ex vivoまたはin vivoで、rAAV調製物を対象に投与することによってであり得る。rAAV粒子または調製物は、組成物の形態で、例えば本明細書に記載のrAAV粒子または調製物などの有効成分、および治療的または薬学的に許容し得る賦形剤を含む組成物などで、送達することができる。rAAV粒子または調製物は、様々な組成物中に調製することができ、および、ヒトまたは動物の対象に投与するための適切な医薬ビヒクル中に製剤化することができる。
【0294】
異種ペプチドの適切なまたは増強された発現レベルを達成するために、選択された宿主細胞での使用に適したいくつかの異種プロモーターのいずれかを使用することができる。プロモーターは、例えば、構成的プロモーター、組織特異的プロモーター、誘導性プロモーター、または合成プロモーターであり得る。
【0295】
誘導性プロモーターおよび/または調節要素もまた、異種ペプチドの適切な発現レベルを達成するために企図され得る。適切な誘導性プロモーターの非限定的な例には、CBAプロモーター、ならびに遺伝子からのプロモーター、例えばチトクロームP450遺伝子、熱ショックタンパク質遺伝子、メタロチオネイン遺伝子、およびホルモン誘導性遺伝子からのプロモーター、例えばエストロゲン遺伝子プロモーターなどが含まれる。
【0296】
組織特異的プロモーターおよび/または調節要素もまた、本明細書で企図される。ある態様において、開示された融合タンパク質の異種プロモーターは、ヒト脳細胞(例えば、ヒトニューロンおよびグリア)などの脳細胞において活性である。ヒト脳細胞で活性な例示的なプロモーターには、限定はされないが、ヒトシナプシン1遺伝子プロモーター(SYN)、ハイブリッドCMVエンハンサー/ニワトリβ-アクチン(CAG)プロモーター、グリア線維性酸性タンパク質(GFAP)プロモーター、微小管結合タンパク質2(MAP2)プロモーター、および血小板由来成長因子β鎖プロモーター(1500bp)が含まれる。これらのプロモーターは、例えば、Kugler et al. Virology, 311(1):89-95 (2003)およびMorelli et al. J Gen Virol., 80(Pt 3):571-83 (1999)に記載されており、これらは参照により本明細書に組み込まれる。使用し得るかかるプロモーターの非限定的な例には、ヒト特異的プロモーターなどの種特異的プロモーターが含まれる。
【0297】
合成プロモーターもまた本明細書で企図される。合成プロモーターは、例えば、既知のプロモーター、調節要素、転写因子結合部位、エンハンサー要素、リプレッサー要素などの領域を含み得る。
【0298】
rAAV粒子またはrAAV調製物内の粒子は任意のAAV血清型であり得て、これには、任意の誘導体またはシュードタイプ(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、2/1、2/5、2/6、2/8、2/9、3/1、3/5、3/8、または3/9)が含まれる。本明細書で使用する場合、rAAVウイルスベクター(例えば、rAAV粒子)の血清型とは、組換えウイルスのカプシドタンパク質の血清型を指す。いくつかの態様において、rAAV粒子はAAV2ではない。いくつかの態様において、rAAV粒子はAAV8ではない。誘導体およびシュードタイプの非限定的な例には、以下が含まれる:rAAV2/1、rAAV2/5、rAAV2/6、rAAV2/8、rAAV2/9、AAV2-AAV3ハイブリッド、AAVrh.10、AAVrh.74、AAVhu.14、AAV3a/3b、AAVrh32.33、AAV-HSC15、AAV-HSC17、AAVhu.37、AAVrh.8、CHt-P6、AAV2.5、AAV6.2、AAV2i8、AAV-HSC15/17、AAVM41、AAV9.45、AAV6(Y445F/Y731F)、AAV2.5T、AAV-HAE1/2、AAVクローン32/83、AAVShH10、AAV2(Y→F)、AAV8(Y733F)、AAV2.15、AAV2.4、AAVM41、AAV-DJおよびAAVr3.45。これらのAAV血清型および誘導体/シュードタイプ、ならびにかかる誘導体/シュードタイプを生成する方法は、当技術分野で知られている(例えば、Mol Ther. 2012 Apr;20(4):699-708). The AAV vector toolkit: poised at the clinical crossroads. Asokan A1, Schaffer DV, Samulski RJ.を参照)。いくつかの態様において、rAAV粒子はシュードタイプrAAV粒子であり、以下を含む:(a)1つの血清型(例えば、AAV2、AAV3)からのITRを含む核酸セグメント、および(b)別の血清型(例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、またはAAV10)に由来するカプシドタンパク質から構成されるカプシド。シュードタイプrAAVベクターを生成および使用するための方法は、当技術分野で知られている(例えば、Duan et al., J. Virol., 75:7662-7671, 2001;Halbert et al., J. Virol., 74:1524-1532, 2000;Zolotukhin et al., Methods, 28:158-167, 2002;およびAuricchio et al., Hum. Molec. Genet., 10:3075-3081, 2001を参照のこと)。
【0299】
本明細書に開示されたrAAVカプシドの追加の血清型には、AAV2、AAV6を含むカプシド、ならびにAAV2およびAAV6に由来するカプシドが含まれる。さらに、かかるカプシドには、AAV7m8、AAV2/2-MAX、AAVSHh10Y、AAV3、AAV3b、AAVLK03、AAV7BP2、AAV1(E531K)、AAV6(D532N)、AAV6-3pmutおよびAAV2G9が含まれる。
【0300】
AAV-DJカプシドは、Grimm et al., J. Virol., 2008, 5887-5911およびKatada et al., (2019) Evaluation of AAV-DJ vector for retinal gene therapy, PeerJ 7:e6317に記載されており、これらの各々は、参照により本明細書に組み込まれる。AAV-DJは、7個のアミノ酸の、AAV2カプシドのHSPG結合ドメインへの挿入を含み、ミュラー細胞において硝子体内注射後に高い発現効率を示す。AAV-DJと密接に関連するAAV7m8カプシドは、Dalkara et al. Sci Transl Med. 2013; 5(189):189ra76に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0301】
AAV2/2-MAXカプシドは、Reid, Ertel & Lipinski, Improvement of Photoreceptor Targeting via Intravitreal Delivery in Mouse and Human Retina Using Combinatory rAAV2 Capsid Mutant Vectors, Invest. Ophthalmol Vis Sci. 2017; 58:6429-6439に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。AAV2/2-MAXカプシドは、Y272F、Y444F、Y500F、Y730F、T491Vの5個の点変異を含む。AAV1(E531K)カプシドは、Boye et al., Impact of Heparan Sulfate Binding on Transduction of Retina by Recombinant Adeno-Associated Virus Vectors, J. Virol. 90:4215-4231 (2016)に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0302】
両方ともAAV6の誘導体であるAAVSHh10およびAAV6(D532N)カプシドは、Klimczak et al. (2009) A Novel Adeno-Associated Viral Variant for Efficient and Selective Intravitreal Transduction of Rat Muller Cells. PLoS ONE 4(10): e746に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。AAV6-3pmut(AAV6(TM6)およびAAV6(Y705+Y731F+T492V)としても知られる)カプシドは、Rosario et al., Microglia-specific targeting by novel capsid-modified AAV6 vectors, Mol Ther Methods Clin Dev. 2016; 13;3:16026および国際特許公開第2016/126857号に記載されており、これらの各々は参照により本明細書に組み込まれる。
【0303】
開示されたrAAV粒子での使用に適した追加のカプシドには、以下が含まれる:野生型AAV2カプシドのアミノ酸残基での非ネイティブアミノ酸置換を含むカプシドであって、ここで非ネイティブアミノ酸置換は、Y272F、Y444F、T491V、Y500F、Y700F、Y704FおよびY730Fの1つ以上を含む;野生型AAV6カプシドのアミノ酸残基での非ネイティブアミノ酸置換を含むカプシドであって、ここで、非ネイティブアミノ酸置換は、Y445F、Y705F、Y731F、T492VおよびS663Vの1つ以上を含む。
【0304】
生成方法
rAAV粒子および核酸セグメントを生成する方法が、本明細書に記載される。他の方法も当技術分野で知られており、市販されている(例えば、以下を参照:Zolotukhin et al. Production and purification of serotype 1, 2, and 5 recombinant adeno-associated viral vectors. Methods 28 (2002) 158-167;および米国特許番号US 2007/0015238およびUS 2012/0322861(これらは参照により本明細書に組み込まれる)、ならびにATCCおよびCell Biolabs, Inc.から入手可能なプラスミドおよびキット)。例えば、核酸セグメントを含有するプラスミドは、1つ以上のヘルパープラスミドと、例えばrep遺伝子(例えば、Rep78、Rep68、Rep52およびRep40をコードするもの)およびcap遺伝子(VP1、VP2、および本明細書に記載の改変されたVP3領域を含むVP3をコードするもの)を含有するものと組み合わせて、プロデューサー細胞株にトランスフェクトし、こうしてrAAV粒子をパッケージ化し続いて精製することが可能である。
【0305】
いくつかの態様において、1つ以上のヘルパープラスミドは、rep遺伝子およびcap遺伝子を含む第1のヘルパープラスミドと、E1a遺伝子、E1b遺伝子、E4遺伝子、E2a遺伝子、およびVA遺伝子を含む第2のヘルパープラスミドとを含む。いくつかの態様において、rep遺伝子は、AAV3、AAV5、またはAAV6に由来するrep遺伝子であり、cap遺伝子は、AAV2、AAV3、AAV5、またはAAV6に由来し、本明細書に記載の改変カプシドタンパク質を生成するための遺伝子への改変を含み得る。いくつかの態様において、rep遺伝子は、AAV1またはAAV2に由来するrep遺伝子であり、cap遺伝子は、AAV1またはAAV2に由来し、本明細書に記載の改変カプシドタンパク質を生成するための遺伝子への改変を含み得る。ヘルパープラスミド、およびかかるプラスミドを作る方法は、当技術分野で知られており、市販されている(例えば、PlasmidFactory, Bielefeld, GermanyからのpDM、pDG、pDP1rs、pDP2rs、pDP3rs、pDP4rs、pDP5rs、pDP6rs、pDG(R484E/R585E)、およびpDP8.apeプラスミド;他の製品およびサービスは以下から利用可能である:Vector Biolabs, Philadelphia, PA;Cellbiolabs, San Diego, CA;Agilent Technologies, Santa Clara, Ca;およびAddgene, Cambridge, MA;pxx6;Grimm et al. (1998), Novel Tools for Production and Purification of Recombinant Adenoassociated Virus Vectors, Human Gene Therapy, Vol. 9, 2745-2760;Kern, A. et al. (2003), Identification of a Heparin-Binding Motif on Adeno-Associated Virus Type 2 Capsids, Journal of Virology, Vol. 77, 11072-11081.;Grimm et al. (2003), Helper Virus-Free, Optically Controllable, and Two-Plasmid-Based Production of Adeno-associated Virus Vectors of Serotypes 1 to 6, Molecular Therapy,Vol. 7, 839-850;Kronenberg et al. (2005), A Conformational Change in the Adeno-Associated Virus Type 2 Capsid Leads to the Exposure of Hidden VP1 N Termini, Journal of Virology, Vol. 79, 5296-5303;およびMoullier, P. and Snyder, R.O. (2008), International efforts for recombinant adeno-associated viral vector reference standards, Molecular Therapy, Vol. 16, 1185-1188)。
【0306】
次に、例示的非限定的なrAAV粒子の生成方法について説明する。1つ以上のヘルパープラスミドが生成または取得され、これは、所望のAAV血清型のrepおよびcap ORFおよびそのネイティブプロモーターの転写制御下にあるアデノウイルス性VA、E2A(DBP)、およびE4遺伝子を含む。いくつかの態様において、1つ以上のヘルパープラスミドは、第1の血清型(例えば、AAV3、AAV5、およびAAV6)のrep遺伝子、cap遺伝子(第1の血清型であってもなくてもよい)、および任意に、そのネイティブプロモーターの転写制御下にある1つ以上のアデノウイルス性VA、E2A(DBP)、およびE4遺伝子を含む。いくつかの態様において、1つ以上のヘルパープラスミドは、所望のAAV血清型のcap ORF(および任意にrep ORF)、およびそのネイティブプロモーターの転写制御下にあるアデノウイルス性VA、E2A(DBP)、およびE4遺伝子を含む。cap ORFはまた、本明細書に記載の改変カプシドタンパク質を生成するための、1つ以上の改変を含み得る。HEK293細胞(ATCC(登録商標)から入手可能)は、CaPO媒介性トランスフェクション、脂質またはポリエチレンイミン(PEI)などの高分子を介して、ヘルパープラスミドおよび本明細書に記載の核酸セグメントを含有するプラスミドでトランスフェクトされる。HEK293細胞を次に少なくとも60時間インキュベートして、rAAV粒子の生成を可能にする。代替的に、別の例では、Sf9ベースのプロデューサー安定細胞株を、核酸セグメントを含有する単一の組換えバキュロウイルスに感染させる。さらなる代替として、別の例では、HEK293またはBHK細胞株を、核酸セグメントを含有するHSV、および任意に、本明細書に記載のrepおよびcapORF、ならびにそのネイティブプロモーターの転写制御下にあるアデノウイルス性VA、E2A(DBP)、およびE4遺伝子を含有する1つ以上のHSVに感染させる。次に、HEK293、BHK、またはSf9細胞を少なくとも60時間インキュベートして、rAAV粒子の生成を可能にする。次に、rAAV粒子は、当技術分野で知られているかまたは本明細書に記載の任意の方法を使用して精製することができ、方法は例えば、イオジキサノールステップ勾配、CsCl勾配、クロマトグラフィー、またはポリエチレングリコール(PEG)沈殿による。
【0307】
宿主細胞
本開示はまた、本明細書に記載の開示されたrAAV粒子または核酸セグメントの少なくとも1つを含む、宿主細胞も企図する。かかる宿主細胞は哺乳動物宿主細胞を含み、ヒト宿主細胞が好ましく、細胞または組織培養において単離され得る。遺伝子改変された動物モデル(例えば、マウス)の場合、形質転換された宿主細胞は、非ヒト動物自体の体内に含まれ得る。
【0308】
本開示はまた、開示されたrAAV粒子または核酸セグメントの少なくとも1つを含む、宿主細胞も企図する。かかる宿主細胞は哺乳動物宿主細胞を含み、ヒト宿主細胞が好ましく、細胞または組織培養において単離され得る。遺伝子改変された動物モデル(例えば、マウス)の場合、形質転換された宿主細胞は、非ヒト動物自体の体内に含まれ得る。いくつかの態様において、宿主細胞はがん細胞である。いくつかの態様において、宿主細胞は、肝臓がん細胞などの肝細胞である。ある態様において、宿主細胞は、HEK293T細胞またはHeLa細胞である。
【0309】
いくつかの態様において、本明細書に記載の宿主細胞は、本明細書に記載の対象に由来する。宿主細胞は、当技術分野で知られている任意の方法を使用して、例えば、細胞を対象の体液または組織から単離することによって、得ることができる。いくつかの態様において、宿主細胞は培養される。細胞を単離および培養するための方法は、当技術分野でよく知られている。
【0310】
rAAV以外の送達方法
いくつかの側面において、本開示は、本明細書に記載のCCD融合タンパク質などの1つ以上の精製タンパク質、またはこれらの融合タンパク質をコードする1つ以上のポリヌクレオチドまたはベクターを、対象または宿主細胞または組織に送達する方法を提供する。いくつかの態様において、提供される送達方法は、ナノ粒子送達、ヌクレオフェクション、マイクロインジェクション、バイオリステック法、ビロソーム、リポソーム、免疫リポソーム、ポリカチオンまたはカチオン性脂質抱合体、裸のDNA、人工ビリオン、および剤で増強されたDNA取り込みを含む。
【0311】
ポリヌクレオチドおよび発現ベクターの例示的な送達方法には、カチオン性ポリマー:DNA複合体(例えば、ポリエチレンイミン(PEI)を使用)、リポフェクション、ヌクレオフェクション、エレクトポレーション、安定したゲノム統合(例えば、ピギーバック)、マイクロインジェクション、バイオリステック法、ビロソーム、リポソーム、免疫リポソーム、ポリカチオンまたは脂質:核酸抱合体、裸のDNA、人工ビリオン、および剤で増強されたDNAの取り込みが含まれる。リポフェクションは、例えば、米国特許第5,049,386号、第4,946,787号;および第4,897,355号に記載され、およびリポフェクション試薬は市販されている(例えば、Transfectam(商標)、Lipofectin(商標)およびSF Cell Line 4D-Nucleofector X Kit(商標)(Lonza))。ポリヌクレオチドの効率的な受容体認識リポフェクションに適したカチオン性および中性脂質には、Feigner、WO1991/17424およびWO1991/16024のものが含まれる。送達は、細胞へ(例えば、in vitroまたはex vivo投与)または標的組織へ(例えば、in vivo投与)であり得る。
【0312】
精製された融合タンパク質の例示的な送達方法には、カチオン性脂質:ペプチド抱合体などのナノ粒子および脂質粒子が含まれる。例示的なナノ粒子は、タンパク質ベースまたはポリマーベースであり得、当技術分野で知られている。
【0313】
対象
本開示の側面は、対象に使用するための方法および調製物に関し、例えばヒトまたは非ヒト霊長類対象、対象におけるin situの宿主細胞、または対象に由来する宿主細胞などである。非ヒト霊長類対象の非限定的な例には、マカク(例えば、カニクイザルまたはアカゲザル)、マーモセット、タマリン、クモザル、フクロウザル、ベルベットモンキー、リスザル、ヒヒ、ゴリラ、チンパンジー、およびオランウータンが含まれる。いくつかの態様において、対象はヒト対象である。他の例示的な対象には、以下が含まれる:イヌおよびネコなどの飼育動物;ウマ、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ヒニワトリなどの家畜;マウス、ラット、モルモット、およびハムスターなどの他の動物。
【0314】
いくつかの態様において、対象は、遺伝子治療で処置され得る疾患を有するか、または有する疑いがある。いくつかの態様において、対象は、異常ヘモグロビン症を有するか、または有する疑いがある。異常ヘモグロビン症は、ヘモグロビン分子の1つ以上のグロビン鎖の異常な構造をもたらす、ゲノムの1つ以上の変異を特徴とする疾患である。例示的な異常ヘモグロビン症には、溶血性貧血、鎌状赤血球症、およびサラセミアが含まれる。鎌状赤血球症は、異常な鎌状赤血球ヘモグロビンの存在を特徴とし、重度の感染症、重度の痛み、脳卒中、および死亡リスクの増加をもたらす可能性がある。鎌状赤血球症を有する対象は、例えば、全血球計算、血液塗抹標本、ヘモグロビン電気泳動、および遺伝子検査のうちの1つ以上を使用して特定することができる。サラセミアは、生成されるヘモグロビンの量の減少を特徴とする常染色体劣性疾患のグループである。症状には、鉄過剰症、感染症、骨変形、脾臓の肥大、および心臓病などがある。サラセミアのサブグループには、アルファサラセミア、ベータサラセミア、およびデルタサラセミアが含まれる。サラセミアを有する対象は、例えば、全血球計算、ヘモグロビン電気泳動、Fe結合能、尿ウロビリンおよびウロビリノーゲン、末梢血塗抹標本、ヘマトクリット、および遺伝子検査の1つ以上を使用して特定することができる。
【0315】
いくつかの態様において、対象は、遺伝子治療で処置され得る疾患を有するか、または有する疑いがある。いくつかの態様において、対象は、がんなどの増殖性疾患を有するか、または有する疑いがある。本明細書で使用する「がん」という用語は、異常な細胞の急速で制御されていない増殖を特徴とする疾患として定義される。がん細胞は、局所的に、または血流やリンパ系を介して体の他の部分に広がることができる。様々ながんの例には、限定はされないが、乳がん、前立腺がん、卵巣がん、子宮頸がん、皮膚がん、膵臓がん、結腸直腸がん、腎がん、肝臓がん、脳がん、リンパ腫、白血病、肺がんなどが含まれる。いくつかの態様において、がんは肝臓がんである。例示的な肝臓がんには、限定はされないが、肝細胞癌(HCC)、胆管癌、血管肉腫、および肝芽腫が含まれる。がんを有する対象は、熟練した医師により、当技術分野で知られている方法、例えば、生検、細胞診、組織学、内視鏡検査、X線、磁気共鳴画像法(MRI)、超音波、CATスキャン(コンピュータ断層撮影)、遺伝子検査、および血液または尿中の腫瘍抗原の検出のための検査を含む方法を使用して、識別され得る。
【0316】
さらなる詳細なしに、当業者は上記の説明に基づき、本開示を最大限に利用することができると考えられる。したがって以下の具体的な態様は単なる例示として解釈されるべきであり、いかなる方法においても本開示の残りの部分を限定するものではない。本明細書で引用されるすべての刊行物は、本明細書で参照される目的または主題のために、参照により組み込まれる。
【0317】

例1:CCDドメインは融合タンパク質の分泌を劇的に増加させる
多量体融合実験に最適なC1QTNFファミリーメンバーを同定するために、C1QTNFタンパク質の2つのアイソタイプ、すなわちC1QTNF3およびC1QTNF5に由来するCCDドメインを試験した。これら2つのタンパク質からのCCDを、可溶性Lag3に融合させた。結果は、両方のCCDがsLag3の分泌を増加させたが(中央のパネル)、C1QTNF3からのCCDは、sLag3の多量体化(右のパネル)を増加させるはるかに高い効力を有することを示した。結果を図22に示す。
【0318】
多くのデコイペプチドは切断型ポリペプチドを含み、in vivoでペプチダーゼによりしばしば攻撃される;したがって、哺乳類の過剰発現系における使用の間、それらはしばしば低収量にさらされる。細胞外(可溶性)および細胞内ペプチドを含むデコイ異種ペプチドとの様々なCCD融合をコードするプラスミドを、細胞内での過剰発現を改善してこの欠陥を克服するために設計した。これらのペプチドには、可溶性Lag3、可溶性PD-1、CTLA4、NOTCH1、DLL3、およびAβ9scFvが含まれる(図2を参照)。これらのプラスミドはさらに、その後のウエスタンブロッティング実験を容易にするためのFLAGタグを含んでいた。
【0319】
これらのペプチドの過剰発現および分泌レベルに対する、CCDドメインとの融合の効果を評価するために、CCD融合タンパク質をコードするプラスミドおよび異種ペプチドのみをコードするプラスミドを、rAAV粒子にカプセル化し、次にHEK293T細胞に、ポリエチレンイミン(PEI)トランスフェクションを使用して一過性にトランスフェクトした。PEIはよく知られているカチオン性ポリマーである。
【0320】
トランスフェクションの16時間後、細胞培地を、2%ウシ胎児血清(FBS)を供給した新鮮なダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)と交換した。細胞および培地を24時間後に回収した。細胞を氷冷PBS(1%のTriton-100)で溶解した。細胞破片は、10分間の18000gの遠心分離により培地から分離した。SDS-PAGEを、細胞溶解物および培地に対して還元剤の不在下で実施した。
【0321】
ウエスタンブロットを展開し、抗FLAG M2抗体で図2に示すように画像化した(CCD融合物は「[ペプチド]_コラーゲン」と示す)。過剰発現レベル(細胞溶解物ブロットに見られる)および分泌レベル(培地ブロット)の両方が、ペプチド単独と比較して、CCD融合タンパク質で劇的に増加した。ある場合には、ペプチドの発現は、CCDなしで発現させた場合の検出不可能なレベル(細胞溶解物および/または培地ブロット)から、CCDを使用した場合(sPD-1、DLL3およびNOTCH1など)の非常に高いレベルに改善した。
【0322】
可能性のある2つの原因が、発現および分泌レベルの増加について仮定されている。何よりも、in vivoでのCCD融合タンパク質の多量体化は、細胞内異種ペプチドをエンドペプチダーゼによる攻撃から保護する可能性がある。また、CCDドメインは、細胞外異種ペプチドを、アミノペプチダーゼおよびカルボキシペプチダーゼなどのエキソペプチダーゼによるタンパク質分解攻撃から保護する可能性があり、これらの作用機序は、CCDが配置された異種ペプチドの末端に依存する。例えば、sDLL3は細胞溶解物のブロットでは観察されなかったが、sDLL3-CCDは同じ条件で明確に検出された。このCCD融合タンパク質の分泌レベルは比較的低かったが、sDLL3-CCDが驚くべきことに細胞表面に局在していることが確認された。そのリガンドは主に膜タンパク質であるため、細胞表面の局在化がこのペプチドの機能に影響を与える可能性は低い。
【0323】
様々な追加のCCD融合タンパク質の発現および分泌レベルを、a)マウスおよびヒト細胞へのrAAV投与、またはb)細胞の精製タンパク質とのインキュベーション、の後に分析した。細胞溶解物および培地におけるウエスタンブロットの結果を、図11~18に示す。
【0324】
例として、図13のウエスタンブロットに示されるように、CCDの様々な融合タンパク質および可溶性Toll様受容体の過剰発現および分泌が、ヒトおよびマウス組織の両方において、sTLR-CCD融合構築物を発現するrAAVベクターの投与後に達成された。CCDがsTLR5のN末端またはC末端に配置されており、ここで細胞がトランスフェクションの48時間後に回収された場合の、過剰発現および分泌を、ブロットで比較する。図14のウエスタンブロットは、HEK293T細胞へのrAAV媒介性投与が、Icosリガンドを含む培地の存在下または不在下において、Icos-CCD融合タンパク質の過剰発現を誘導したことを示す。図11および12は、それぞれ、ヒト由来とマウス由来の免疫チェックポイントタンパク質、および細胞シグナル伝達異種ペプチドの、CCD抱合体をコードするrAAVベクターを用いた同様の実験後に生成された、ウエスタンブロットを示す。図15A~15Cのウエスタンブロットが示すように、sLag3、NOTCH1、HHIP、VEGFR1、Tgfbr2、PD-1、HAVCR2、CTLA4、BTLA、SFRP1またはEGFRペプチドを含むCCD融合タンパク質構築物は、精製された融合タンパク質をHEK293Tおよびマウス神経膠腫GL261細胞とインキュベートし続いて溶解および分離した後に、細胞表面に結合する。
【0325】
例2:CCD融合タンパク質は多量体である
デコイタンパク質を評価するための重要なパラメータは、そのリガンド結合親和性である。アビディティは、デコイタンパク質または抗体の総結合強度を測定する。デコイまたは抗体のアビディティを高めるための効果的な方法の1つは、多価性の工学(multivalence engineering)によるものである。上記のように、ネイティブなコラーゲンは通常、グリシン反復ドメインの会合を通して三量体を形成する。CCD融合タンパク質の多量体化は、異種ペプチドのアビディティを増強し得る。
【0326】
CCD融合タンパク質のin vivoでの(例えば三量体への)多量体化が、細胞内異種ペプチドをエンドペプチダーゼによる攻撃から保護し得るとの仮説を試験するために、sLag3-CCD_FLAGをコードするrAAV核酸ベクターを、上記のようにPEIトランスフェクションによりHEK293T細胞で過剰発現させた。馴化(または使用済み)細胞培地を収集した。(馴化培地は分泌されたCCD融合タンパク質を含有する。)適切な量に濃縮した後、培地を、AKTA(登録商標)Prime FPLC system(GE)に接続されたPBSで事前に平衡化したサイズ排除カラム(Superose(登録商標)6 10/300 GL, GE, USA)に負荷した。0.3mlの溶出液を各画分について収集した。SDS-PAGEを、還元剤の不在下で実施した。
【0327】
ウエスタンブロットを展開し、図2に示すように抗FLAG M2抗体で画像化した。図3の左パネルに見られるように、単量体融合タンパク質よりも高濃度の多量体CCD融合タンパク質が発現された。融合タンパク質の六量体(溶出画分2~7の上端のバンド)、四量体(画分6~13の約250kDaに対応するバンド)、三量体(画分9~17の150~250kDaの間のバンド)、二量体(画分11~20の100~150kDaの間のバンド)、および単量体(画分9~17の50~750kDaの間のバンド)が、順次溶出された。CCD融合三量体の推定構造を示す概略図を、図1に示す。
【0328】
この実験からのいくつかの0.3mlの溶出画分(画分番号5、8、11、16および20)を、次の様々な温度および還元条件に供した:室温(RT)または100℃での保管;および還元剤β-メルカプトエタノール(β-ME)の存在下および不在下。β-メルカプトエタノールは、ジスルフィド結合を切断する。画分をSDS-PAGEで分析した。より広い範囲の単量体から六量体のタンパク質を、図3の左パネルよりも図3の右パネルに見出すことができる。sLag3-CCDのオリゴマーは耐熱性であった。還元剤および熱での処理により、オリゴマーの解離がもたらされた。
【0329】
これらの結果は、sLag3-CCDが多量体を効率的に形成し、多量体がジスルフィド結合を介して安定化されることを示唆する。
【0330】
例3:CCD融合タンパク質は長期の安定性を有し、マウスで効率的に発現させ得る
sB7H3-CCD融合タンパク質単量体の安定性を、室温および4℃で最大1ヶ月間保管した後に試験した。sB7H3-CCDは、このタンパク質をコードするrAAVベクターの送達によって細胞内で発現された。細胞を溶解し、タンパク質を単離してアリコートに分けた。馴化培地から精製したタンパク質をSDS-PAGEおよびクーマシー染色に使用して、タンパク質の安定性を視覚化した。
【0331】
タンパク質試料を、安定性分析の前に-80℃でアリコートし、次いで150mMのNaClを含むPBSに懸濁した。SDS-PAGEおよびウエスタンブロット分析を保管の前後で比較して、分解物の存在を示すタンパク質バンドが現れたかどうかを決定した。
【0332】
図4に示すように、室温で2週間保管した後、または4℃で30日間保管した後に、ブロット画像に有意な変化は観察されず、これは、分解物がないことを示す。この結果は、CCD融合タンパク質が長い貯蔵寿命を有し得ることを示唆する。
【0333】
例示的なCCD融合タンパク質がin vivoで効率的に送達および発現され得るかどうかを試験するために、抗アミロイドβ5抗体フラグメント(Aβ5 scFv)CCD融合タンパク質をコードするベクターを含むrAAV粒子を合成した。rAAV粒子をマウスに注射した。注射の2週間後、マウスを犠牲にし、scFv-CCDタンパク質をマウス脳の免疫染色で検出した。
【0334】
図5に示すように、Aβ5 scFv-CCD融合タンパク質は、非常に高いレベルで過剰発現された(より暗い領域)。結果は、CCD融合タンパク質が動物モデルで効率的に過剰発現され得ることを示唆する。
【0335】
例4:CCD融合タンパク質は生物学的に活性である
究極の目標は、遺伝子送達後に過剰発現することができる活性な異種ペプチドを、例えばrAAV媒介の遺伝子送達を介して生成することである。CCD融合戦略は標的タンパク質の発現および分泌レベルを増加させたが、CCDドメインが異種ペプチドの構造および活性を妨害し得るかどうかは、まだ理解されていなかった。したがって、FGFR1-CCD融合タンパク質を構築し、細胞で発現させ、次いで単離および精製した。このタンパク質の結合親和性を、in vitro結合で直接的に、および細胞代謝活性アッセイによって間接的に試験した。
【0336】
表面プラズモン共鳴(SPR)技術を使用して、FGFR1の結合動態(kinetics)を、2つのリガンド、塩基性FGFおよび酸性FGFで測定した。ヌルFGFR1リガンドである血管内皮細胞増殖因子A(VEGFA)を、対照として使用した。SPR実験では、可溶性相の分子(融合タンパク質のペプチドなど)の、センサー表面に固定化されたリガンド分子への結合は、バイオセンサーデバイスで反射光信号(SPR信号)として直接測定される。センサーデバイスは、LED発光近赤外光、センサーマイクロチップに固定されたガラスプリズム、および位置感知ダイオードアレイ検出器を含み得る。結合事象は表面層の屈折率の変化を引き起こし、これは、SPR信号の変化として検出される。具体的には、入射LED光が、屈折率の異なる2つの媒体(ガラスプリズムと溶液)間の金属被覆界面から完全に内部反射されると、信号が発生する。入射光がウェッジの表面に集束すると、共鳴角での強度の低下が反射光ウェッジの「影」として現れ、検出器によって検出される。固定化されたリガンドと溶液中のペプチドの相互作用が起きると、「影」が検出器上でシフトし、すなわち共鳴角が変化する。
【0337】
FGFR1-CCDを用いたSPR実験からのセンサーグラムを、図21Aに示す。このセンサーグラムは2つの相で構成される:(左)会合相では、FGFR1-CCDが表面に固定化されたリガンドに注入された。FGFR1-CCDとリガンドの相互作用が増加すると、SPR応答の増加が検出される[応答単位(RU)で表示]。最大の結合は「AlignX」時に示される。(右)600秒後、FGFR1-CCDのバイオセンサーへの注入を停止し、系を解離相で緩衝液に戻した。解離定数であるKの値を含む結合動態は、センサーグラムから計算できる。
【0338】
センサーグラムは、FGFR1-CCD融合タンパク質が、塩基性FGFおよび酸性FGFの両方を効率的に捕捉したことを示す。FGFR1-CCDおよび酸性FGFのKは1.0x10-12未満であると計算され、ネイティブのFGFR1と同等であった。この結果は、CCDドメインへの融合がFGFR1の結合能力に有意な影響を与えなかったことを示唆する。
【0339】
次に、FGFR1-CCDが機能的なデコイ受容体として作用し、in vivoで細胞増殖を阻害することができるかどうかを試験した。ヒト臍帯静脈内皮細胞株(HUVEC)をこの実験で選択した。MTTアッセイを実施して、HUVEC細胞の代謝活性を評価した。MTTアッセイでは、3-[4,5-ジメチルチアゾール-2-イル]-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)のMTT-ホルマザンへの酵素的還元は、ミトコンドリアのコハク酸デヒドロゲナーゼによって触媒される(図8Aを参照)。したがって、MTTアッセイはミトコンドリア呼吸に依存しており、細胞の細胞エネルギー容量を評価するのに間接的に役立つ。MTTアッセイは、35mmディッシュまたはマルチウェルプレートにプレーティングされた細胞単層から容易に測定可能な比色反応である。
【0340】
馴化培地または精製FGFR1-CCDをHUVEC細胞培養物に添加し、48時間インキュベートした。HUVEC細胞培養物を、0.5mg/mlのMTTを含有する培地またはKrebs-Hensleit-HEPES緩衝液(115mMのNaCl、5mMのKCl、1mMのKHPO、1.2mMのMgSO、2mMのCaCl、および25mMのHEPES、pH7.4)で2時間インキュベートした。2時間後、インキュベーション緩衝液を除去し、青色のMTT-ホルマザン生成物を酸性化イソプロピルアルコール(0.04N HCl)で抽出した。室温で30分間抽出した後、ホルマザン溶液の吸光度を570nmで分光光度的に読み取った。
【0341】
図21Bおよび8Cに見られるように、FGFR1-CCDは、細胞増殖を最大50%まで実質的に阻害した。結果は、FGFR1-CCDがデコイ受容体として生物学的に活性であり、FGFリガンドを細胞内のネイティブなFGFR受容体への結合からうまくそらしていることを示唆する。これらの結果はHUVEC細胞管形成アッセイにおいても実証され、ここでFGFR1-CCDは、HUVEC細胞管の成長をグロースファクターリデュースト(growth factor-reduced)マトリゲルにおいて同様に阻害した(図8Bを参照)。
【0342】
MTTアッセイを、図20に示すように、様々な精製CCD融合タンパク質と共にインキュベートしたHUVEC細胞においても実施した。細胞を、100μlの50:50基本培地、50μg/mlの精製ヒトVEGFR1-CCDを含む200または100%基本培地;ヒトVEGFR1ドメイン2およびヒトVEGFR2ドメイン3を含む融合タンパク質(「V1V2-CCD」);またはVEGFR1-FGFR1-CCDでインキュベートした。VEGFA(左のグラフ)または低血清増殖サプリメント(右のグラフ)を、最終濃度2ng/mlで細胞培地に添加した。ホルマザン吸光度で測定した細胞生存率および代謝活性の経時的な阻害のプロットを、下部に示す。緩衝液のみ、馴化培地のみ、および非抱合CCDドメイン(「コラーゲン」)を、対照として使用した。精製タンパク質とのインキュベーション後の細胞代謝活性および生存率の結果は、図8Cおよび21Bに示されるように、rAAV投与の結果と一致している。デコイ受容体活性について6つのCCD融合タンパク質を評価するための、マウス神経膠腫GL261細胞における同様のMTTアッセイを、図15Dに示す。
【0343】
次に、タウタンパク質(α-タウ)に親和性を有する第1の異種scFvおよびアミロイドβペプチド9(α-Aβ9)に親和性を有する第2の異種scFvを含有する、二重特異性CCD融合タンパク質を構築し、このタンパク質の、そのリガンドに対する結合親和性/アビディティを、in vitroで結合アッセイを使用して、およびin vivoでIHCイメージングおよびアミロイド斑検出を介して試験した。(二重特異性CCD融合構築物は、本明細書では「二重弾頭」とも呼ぶ。)この融合タンパク質の、in vivoで六量体に多量体化した後の仮定の構造の概略図を、図6Aに示す。
【0344】
最初に、細胞培地におけるこの融合タンパク質の発現レベルを、非抱合α-タウ3A6 scFvおよびα-Aβ9 scFvの発現レベルと比較して検出した(すなわち、CCDの不在下で)。結果を図6Cに示す。
【0345】
α-タウ/α-Aβ9 CCD融合タンパク質を発現させた後、単離および精製した。次に、融合タンパク質の結合親和性および動態を、ELISAおよびSPRによって評価した。図6Bに示すELISAの結果は、融合タンパク質がそのリガンドとscFvペプチドに等しく結合することを示す。SPRバイオレイヤー(biolyaer)干渉測定実験を、上記のように2つの別々の段階で実行した:最初に、溶液中の融合タンパク質を固定化されたビオチン化タウペプチドリガンド上に流した;続いて、同じ融合タンパク質溶液を固定化されたAβ9リガンド上に流した。結果は、融合タンパク質がタウに(例えば、N末端で)結合し、次にAβ9(C末端で)に連続的に結合することができたことを示す。結果を図6Eに示す。
【0346】
α-タウ/α-Aβ9 CCD融合タンパク質(またはナノボディ)をコードするrAAV2/8粒子を、CRDN8マウスおよびヒトアルツハイマー病患者の脳に投与した。融合タンパク質は、溶液中の非抱合scFvの投与と比較して、脳内のアミロイド斑沈着を首尾よく減少させた(図6Dを参照)。この機能的in vivoアッセイで観察されたアミロイド斑の減少に基づき、この単量体ナノボディが、非抱合状態の同じscFvよりも、Aβ9およびタウに対するin vivoアビディティを増強したと推測することができる。
【0347】
確認アッセイにおいて、VEGFR-2を標的とする抗Aβ9 scFvおよびB11 scFvを含む二重特異性CCD融合タンパク質のrAAV投与は、アミロイド前駆体タンパク質(APP)を過剰発現するCRND8トランスジェニックマウスにおいてin vivoでアミロイド斑沈着を低減する。これらの結果を図7に示す。
【0348】
これらの結果が示すのは、α-タウ/α-Aβ9 CCD融合ナノボディが、リガンドに対するin vivoでのアビディティを、in vivoでの同じリガンドに対するα-タウscFvおよびα-Aβ scFv(CCDは不在)の結合親和性の合計と実質的に同等程度示すことである。
【0349】
結論として、融合タンパク質を生成するためのプラットフォームの創生が本明細書に開示された。複数のタンパク質のCCDドメインへの融合は、分泌される融合タンパク質パートナーのレベルを劇的に増加させる(ある場合には、タンパク質は、ドメインなしで発現させた場合の検出不能レベルから非常に高いレベルになる)。CCDへの融合はまた、デコイ受容体および組換え抗体フラグメントの機能的アビディティを増加させ得る。
【0350】
例5:グルコセレブロシダーゼおよびHSV-TK送達
変異型グルコセレブロシダーゼ(GBA)遺伝子はゴーシェ病に関係し、またパーキンソン病の危険因子である。GBA-CCD融合タンパク質構築物を、ゴーシェ病およびパーキンソン病の治療に使用できるように設計および生成した。「二重弾頭」GBA-CCD-抗Aβ9 scFv融合タンパク質も生成した。構築物のα-Aβ9 scFvドメインは、パーキンソン病に対するコード化されたGBA-CCD融合タンパク質の治療効果を潜在的に高める可能性がある。GBA活性アッセイおよびα-Aβ9 scFv活性ELISAアッセイを評価して、GBAおよびscFvドメインが、それぞれの活性をCCDドメインに抱合している間に保持しているかどうかを示した。
【0351】
GBA活性アッセイにおいて、GBA-CCDおよびGBA-CCD-Aβ9 scFv構築物を、HEK293T細胞において過剰発現させた。細胞を回収し、馴化細胞培地を収集した。馴化培地、293T細胞溶解物、ならびに培地および溶解物から精製したタンパク質を、アッセイ緩衝液(50mMのクエン酸ナトリウム、25mMのコリン酸ナトリウム、5mMのDTT、pH6.0)中に調製した。基質4-メチルウンベリフェリルβ-D-グルコピラノシドを添加して、最終濃度を6mMにした。37℃で20分間インキュベートした後、反応を、停止溶液(0.5Mのグリシン、0.3MのNaOH、pH10)を加えることにより停止させた。445nmでの蛍光発光を、GBA活性の測定に使用した。
【0352】
ELISAベースのアッセイを実施して、Aβ9v scFv活性を評価した。96ウェルプレートをAβ42ペプチドでコーティングし、293T馴化培地(GBA-CCDおよびGBA-CCD-Aβ9 scFvタンパク質含有)および細胞溶解物を次に添加し、6時間インキュベートした。ELISAの展開を、抗FLAG M2 HRPを用いて行った。(図23参照)。
【0353】
単純ヘルペスウイルス-1チミジンキナーゼ(HSV-TK)は、がん治療および他の疾患において使用される最もよく特徴付けられた自殺遺伝子の1つである。HSV-TKは、抗ウイルス薬ガンシクロビルを毒性剤に変えることができる。その結果、ガンシクロビル投与と組み合わせたHSV-TK発現は、HSV-TKで形質導入されこれを活発に発現している細胞においてのみ、死を引き起こす。このため、HSV-TK遺伝子は「自殺遺伝子」と呼ばれる。
【0354】
HSV-TK-CCD野生型の融合タンパク質構築物を設計し、生成した。さらに、がん治療においてより高い有効性を有するHSV-TK-SR39をコードする改変された融合構築物(他者からの公表されたデータ)を、比較試験のために生成した。CCD融合がHSV-TKの自殺活性を妨害しないことを確認するために、HSV-TK(野生型)-およびHSV-TK-SR39-CCD融合タンパク質構築物を、結腸腺癌MC38細胞にトランスフェクトし、続いてガンシクロビルを添加した。72時間のインキュベーション後、細胞生存率をMTTアッセイを用いて測定した(図24参照)。結果は、HSV-TK活性が、タンパク質がCCDに抱合している間保持されたことを示す。
【0355】
他の態様
本明細書に開示されたすべての特徴は、任意の組み合わせで組み合わせることができる。本明細書に開示された各特徴は、同一、同等、または類似の目的を果たす代替の特徴に置き換えることができる。したがって、特に明記されない限り、開示された各特徴は、同等または類似の特徴の一般的系列の例にすぎない。
【0356】
上記の説明から、当業者は、本開示の本質的な特性を容易に確認することができ、その精神および範囲から逸脱することなく、開示の様々な変更および改変を行って、それを様々な使用および条件に適合させることができる。したがって、他の態様もまた特許請求の範囲内にある。
【0357】
均等物
いくつかの本発明の態様が本明細書で説明および図示されているが、当業者は、本明細書に記載の機能を実行し、および/または結果および/または1つ以上の利点を得るための、様々な他の手段および/または構造を容易に想定し、またかかるバリエーションおよび/または改変のそれぞれは、本明細書に記載の本発明の態様の範囲内であると見なされる。より一般的には、当業者は、本明細書に記載のすべてのパラメータ、寸法、材料、および構成が例示的であることを意味し、実際のパラメータ、寸法、材料、および/または構成は本発明の教示が使用される特定の用途に依存することを、容易に理解するであろう。当業者は、本明細書に記載の特定の本発明の態様の多くの均等物を認識するか、または日常的な実験のみを使用して確認することができるであろう。したがって、前述の態様は単なる例として提示されており、添付の特許請求の範囲およびそれに相当する範囲内で、本発明の態様は、具体的に記載および特許請求される以外の方法で実施できることを理解されたい。本開示の発明の態様は、本明細書に記載の各個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法を対象としている。さらに、かかる機能、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しない場合、2つ以上のかかる機能、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意の組み合わせが、本開示の発明の範囲内に含まれる。
【0358】
本明細書で定義および使用されるすべての定義は、辞書の定義、参照により組み込まれる文書内の定義、および/または定義された用語の通常の意味を支配すると理解されるべきである。本明細書に開示されたすべての参考文献、特許および特許出願は、それぞれが引用される主題に関して参照により組み込まれ、ある場合には文書全体が包含され得る。
【0359】
本明細書および特許請求の範囲で使用する不定冠詞「a」および「an」は、明確に逆が示されない限り、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
【0360】
本明細書および特許請求の範囲で使用する「および/または」という句は、そのように結合された要素、すなわち、ある場合は結合的に存在し、別の場合は分離的に存在する要素の「いずれかまたは両方」を意味すると理解されるべきである。「および/または」でリストされた複数の要素は、同じ様式で解釈する必要があり、すなわち、そのように結合された要素の「1つ以上」である。「および/または」節によって具体的に識別される要素以外の他の要素が、具体的に識別される要素に関連するかどうかに関わらず、任意に存在し得る。したがって、非限定的な例として、「Aおよび/またはB」への言及は、「含む」などのオープンエンドの言語と組み合わせて使用--される場合、一態様において、Aのみを指し(任意にB以外の要素を含み);別の態様では、Bのみ指し(任意にA以外の要素を含み);さらに別の態様では、AおよびBの両方を指す(任意に他の要素を含む);などである。
【0361】
本明細書および特許請求の範囲で使用する場合、「または」は、上記定義の「および/または」と同じ意味を有すると理解されるべきである。例えば、リスト内の項目を区切る場合、「または」または「および/または」は、包括的である、すなわち多数の要素または要素のリストの少なくとも1つを含むが、2つ以上もまた含むと解釈され、任意に、追加のリストされていない項目も含む。明確に逆が示される用語のみは、例えば「1つのみ」または「正確に1つ」、または特許請求の範囲で使用される場合の「~からなる」などは、多数の要素または要素のリストの正確に1つの要素を含むことを指す。一般に、本明細書で使用する「または」という用語は、「いずれか」、「一方」、「1つのみ」または「正確に1つ」などの排他性の用語が前に付いている場合にのみ、排他的な代替案(すなわち、「一方または他方だが両方ではない」)を示すと解釈されるものとする。特許請求の範囲で使用される場合の「本質的に~からなる」は、特許法の分野で使用される通常の意味を有するものとする。
【0362】
本明細書および特許請求の範囲で使用する場合、1つ以上の要素のリストに関連する「少なくとも1つ」という句は、要素のリスト内の任意の1つ以上の要素から選択される少なくとも1つの要素を意味すると理解されるべきであり、ただし、要素のリスト内に具体的にリストされているすべての要素それぞれの少なくとも1つを含む必要はなく、要素のリスト内の要素の任意の組み合わせを除外する必要もない。この定義はまた、「少なくとも1つ」という句が参照する要素のリスト内で具体的に特定された要素以外の要素が、具体的に特定された要素に関連するかどうかに関わらず、任意に存在し得ることを可能にする。したがって、非限定的な例として、「AおよびBの少なくとも1つ」(または同等に、「AまたはBの少なくとも1つ」、または同等に「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、一態様において、少なくとも1つ、任意に2つ以上のAを含み、Bは存在しない(および任意にB以外の要素を含む);別の態様において、少なくとも1つ、任意に2つ以上のBを含み、Aは存在しない(および任意にA以外の要素を含む);さらに別の態様において、少なくとも1つ、任意に2つ以上のAを含み、および少なくとも1つ、任意に2つ以上のBを含む(および任意に他の要素を含む);などである。
【0363】
明確に逆が示されない限り、2つ以上のステップまたは行為を含む本明細書に請求されている方法において、方法のステップまたは行為の順序は、必ずしも方法のステップまたは行為が記載されている順序に限定されないことも理解されたい。
【0364】
特許請求の範囲、ならびに上記の明細書において、「含む(comprising)」、「含む(including)」、「保有する」、「有する」、「含有する」、「関与する」、「保持する」、「構成される」などのすべての移行句は、オープンエンドであること、すなわち、含むがこれに限定されないことを意味すると理解されるべきである。「~からなる」および「本質的に~からなる」の移行句のみが、United States Patent Office Manual of Patent Examining Procedures, Section 2111.03に記載されているように、それぞれクローズドまたはセミクローズドの移行句であるものとする。オープンエンドの移行句(例えば、「含む」)を使用して本文書に記載される態様もまた、代替の態様において、オープンエンドの移行句により記載される特徴「からなる」および「本質的にそれらからなる」として企図されることを、理解されたい。例えば、本開示が「AおよびBを含む組成物」を記載する場合、本開示はまた、代替の態様「AおよびBからなる組成物」および「本質的にAおよびBからなる組成物」もまた企図する。
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【配列表】
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【国際調査報告】