(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-26
(54)【発明の名称】創傷を閉鎖するための装置
(51)【国際特許分類】
A61B 17/08 20060101AFI20220915BHJP
【FI】
A61B17/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505410
(86)(22)【出願日】2020-07-23
(85)【翻訳文提出日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 US2020043171
(87)【国際公開番号】W WO2021021536
(87)【国際公開日】2021-02-04
(32)【優先日】2019-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ファブロー、ジョン ティ.
(72)【発明者】
【氏名】ライデッカー、ローレン エス.
(72)【発明者】
【氏名】ピック、アンドリュー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC06
4C160DD54
4C160DD55
4C160DD63
4C160DD64
4C160MM43
4C160MM53
(57)【要約】
本発明は、医療装置に関する。より詳細には、本発明は、内視鏡的粘膜切除術または内視鏡的粘膜下層剥離術に起因する組織欠損等の、創傷を閉鎖するための装置に関する。1つの例では、創傷を閉鎖するための装置は、送達構成および配備構成を有する閉鎖要素を含み、閉鎖要素は、送達構成において内視鏡のエンドキャップの周りに配置されるように構成される。離脱フィラメントは、閉鎖要素に離脱可能に結合された遠位端と、エンドキャップ内で延びる近位端とを有し得る。閉鎖要素は、配備構成において創傷の周りで実質的に閉じるように構成され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送達構成および配備構成を有し、前記送達構成において内視鏡のエンドキャップの周りに配置されるように構成されている閉鎖要素と、
前記閉鎖要素に離脱可能に結合された遠位端と、前記エンドキャップ内に延びる近位端とを有する離脱フィラメントと、
を備え、
前記閉鎖要素は、前記配備構成において創傷の周りで閉鎖するように構成されている、
創傷を閉鎖するための装置。
【請求項2】
前記内視鏡の端部の周りにおける前記送達構成で、それぞれ別個にかつ離脱可能に前記離脱フィラメントに結合される複数の前記閉鎖要素をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記閉鎖要素の前記配備構成は形状記憶構成である、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記閉鎖要素の前記形状記憶構成は、コイル、結び目、トーラス、またはそれらの組み合わせである、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記閉鎖要素は、両末端間の長さに沿って延び、且つ前記閉鎖要素の各末端にて組織穿刺突起をさらに備えており、前記組織穿刺突起はフック、タイン、逆棘、またはそれらの組み合わせである、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記閉鎖要素の前記形状記憶構成は、刺激によって活性化され、前記刺激は、光活性化、熱活性化、もしくは電気活性化、またはそれらの組み合わせを備える、請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記離脱フィラメントの前記遠位端はループを備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記ループは、前記閉鎖要素のコイルの周りに配置されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記ループは、前記閉鎖要素の長さの周りに配置される、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記離脱フィラメントは、前記閉鎖要素の引張強度よりも大きい引張強度を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
長尺状非活性化構成および活性化構成を有する閉鎖要素
を備え、
前記長尺状非活性化構成の前記閉鎖要素は、創傷に対向する組織の縁に挿入されるように構成されており、
前記活性化構成の前記閉鎖要素は、前記組織の縁を近接させて、前記創傷の少なくとも一部を閉鎖するように構成されている、
創傷を閉鎖するための装置。
【請求項12】
前記閉鎖要素は、前記閉鎖要素の長さに沿って、複数の隣接する光活性化形状記憶部分の間に散在された複数の生分解性部分を備える、請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記生分解性部分は、前記閉鎖要素の前記長さに沿って、隣接する光活性化形状記憶部分と少なくとも部分的に混合されている、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記閉鎖要素は、前記活性化構成において互いに向かってカールするように構成されている第1、第2の末端を備える、請求項11~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記閉鎖要素の前記活性化構成は、光活性化形状記憶構成である、請求項11~14のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療装置に関する。より詳細には、本発明は、内視鏡処置、例えば、粘膜切除術または内視鏡的粘膜下層剥離術処置に起因する組織欠損または創傷等の、組織を閉鎖するための装置、システム、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
組織または開口部または欠陥、例えば、内視鏡的粘膜切除術(EMR:Endoscopic Mucosal Resection)または内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD:Endoscopic Submucosal Dissection)に起因する体管腔内の組織欠陥等の創傷は、自然閉鎖しにくくなるほど、または閉鎖するまでの時間が長期化するほど非常に大きくなる可能性がある。創傷が開いたままの時間が長くなるほど、感染症のリスクが高まる。また、内視鏡の直接作業領域よりも大きい創傷は、内視鏡のワーキングチャネルを通って延びるようなサイズの装置を使用して閉鎖するのが難しくもなり得る。
【0003】
上記の考慮事項を念頭に置いて、本開示の改善は有用である。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、その様々な態様において、医療装置、より詳細には、創傷を閉鎖するための装置、システム、および方法を対象としている。一態様では、創傷を閉鎖するための装置は、送達構成および配備構成を有し得る閉鎖要素を含む。閉鎖要素は、送達構成において内視鏡のエンドキャップの周りに配置されるように構成される。離脱フィラメントは、閉鎖要素に離脱可能に連結される遠位端と、エンドキャップ内で延び得る近位端とを有する。閉鎖要素は、配備構成において創傷の周りで実質的に閉じるように構成される。
【0005】
本明細書または他の方法で説明される様々な実施形態では、複数の閉鎖要素は、内視鏡の端部の周りにある送達構成で、それぞれ別個にかつ離脱可能に離脱フィラメントに結合され得る。閉鎖要素の配備構成は、形状記憶構成であり得る。閉鎖要素の形状記憶構成は、コイル、結び目、もしくはトーラス、またはそれらの組み合わせであり得る。閉鎖要素は、末端間の長さに沿って延び得る。閉鎖要素は、閉鎖要素の各末端にて組織穿刺突起をさらに含み得る。組織穿刺突起は、フック、タイン、もしくは逆棘、またはそれらの組み合わせであり得る。閉鎖要素の形状記憶構成は、刺激によって活性化され得る。刺激は、光活性化、熱活性化、もしくは電気活性化、またはそれらの組み合わせであり得る。離脱フィラメントの遠位端は、ループを含み得る。離脱フィラメントは、閉鎖要素の引張強度よりも大きい引張強度を有し得る。ループは、閉鎖要素のコイルの周りに配置され得る。ループは、閉鎖要素の長さの周りに配置され得る。
【0006】
一態様では、創傷を閉鎖するための装置は、長尺状の非活性化構成、および活性化構成を有する閉鎖要素を含み得る。長尺状の非活性化構成の閉鎖要素は、創傷に対向する組織の縁に挿入されるように構成され得る。活性化構成の閉鎖要素は、組織の縁を近接させて、創傷の少なくとも一部を実質的に閉鎖するように構成され得る。
【0007】
本明細書または他の方法で説明される様々な実施形態では、閉鎖要素は、閉鎖要素の長さに沿って、複数の隣接する光活性化形状記憶部分の間に散在される複数の生分解性部分を含み得る。閉鎖要素は、活性化構成において互いに向かってカールするように構成されている第1および第2の末端を含み得る。閉鎖要素の活性化構成は、光活性化形状記憶構成であり得る。閉鎖要素は、閉鎖要素の長さに沿って、複数の隣接する光活性化形状記憶部分の間に散在される複数の生分解性部分を含む。
【0008】
一態様では、創傷を閉鎖するための方法は、カテーテルを患者の体内に挿入することを含み得る。カテーテルの遠位端は、創傷に配向され得る。創傷がカテーテル内で少なくとも部分的に変位するように、吸引を創傷に印加し得る。自己収縮する閉鎖要素は、カテーテルの周りから、カテーテル内の少なくとも部分的に変位した創傷内に配備され得る。閉鎖要素を配備することは、閉鎖要素に結合された離脱フィラメントを作動させることを含み得る。追加の閉鎖要素は、送達構成において離脱フィラメントにそれぞれ別個にかつ離脱可能に結合されるカテーテルの周りから配備され得る。離脱フィラメントを作動させることは、閉鎖要素を配備するために離脱フィラメントを近位に移動させることを含み得る。離脱フィラメントは、少なくとも離脱フィラメントが閉鎖要素から分離するまで、近位方向に移動され得る。カテーテルは内視鏡であり得る。閉鎖要素は、内視鏡の遠位端に取り付けられたキャップの周りに装填され得る。離脱フィラメントは、ワーキングチャネルを通って内視鏡の近位端にバックロード(backload)され得る。閉鎖要素は、創傷が実質的に治癒した後に患者の体内から除去され得る。自己収縮する閉鎖要素は、閉鎖要素が配備された後、エネルギーで活性化され得る。閉鎖要素の形状は、螺旋であり得る。
【0009】
本開示の非限定的な実施例は、添付の図を参照して例として説明されており、添付の図は概略的であり、縮尺通りに描かれることは意図されていない。図では、図示されている同一またはほぼ同一の構成要素の各々は一般に、単一の数字で表されている。明確にするために、すべての図においてすべての構成要素がラベル付けされているわけではなく、また、当業者が本開示を理解できるようにするために図解が必要でない場合、本開示の各実施形態のすべての構成要素が示されているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本発明の実施形態にかかる、創傷に配向された閉鎖要素を有するキャップを備えた内視鏡を示す図。
【
図1B】内視鏡のキャップ内で創傷が少なくとも部分的に変位している
図1Aの内視鏡を示す図。
【
図2A】本発明の一実施形態にかかる、創傷に配向された閉鎖要素を有する内視鏡を示す図。
【
図3A】本発明の一実施形態による、複数の閉鎖要素を有するエンドキャップを示す図。
【
図3B】閉鎖要素を配備している
図3Aのエンドキャップを示す図。
【
図4A】本発明の実施形態による、非活性化送達構成の閉鎖要素を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面は、本発明の典型的または例示的な実施形態のみを描写することが意図されていることに留意されたい。したがって、図面は、本発明の範囲を制限するものと見なされるべきではない。以下に、添付の図面を参照して、本発明をより詳細に説明する。
【0012】
本発明にかかる様々な実施形態を以下に記載する。本明細書で使用される場合、「近位端」は、装置を患者の体内に導入するときに装置に沿って医療専門家に最も近い装置の端部を指し、「遠位端」は、移植、位置決め、または送達中に装置に沿って医療専門家から最も遠い装置または物体の端部を指す。
【0013】
この明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上そうでないとする明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。この明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、用語「または」は、一般に、文脈上そうでないとする明確な指示がない限り、「および/または」を包含する意味で用いられる。
【0014】
本明細書における「実施形態」、「いくつかの実施形態」、「他の実施形態」等への言及は、記載された実施形態が1つ以上の特定の特徴、構造、および/または特性を含み得ることを示すことに留意されたい。しかし、そのような詳述は、必ずしもすべての実施形態が特定の特徴、構造、および/または特性を含むことを意味するわけではない。追加的に、特定の特徴、構造、および/または特性が1つの実施形態に関連して説明される場合、そのような特徴、構造、および/または特性は、明確に特段の記載がない限り、明示的に説明されているかどうかにかかわらず、他の実施形態に関連して使用され得ることを理解されたい。
【0015】
詳細な説明は、図面を参照して読まれるべきであり、図面は、必ずしも縮尺通りではなく、例示的実施形態を示しており、本発明の範囲を限定することを意図していない。
血管内処置、消化管、尿管、呼吸器管、生殖管および/または胆管に沿った処置、胸腔処置等を含む多くの医療処置は、体内での除去を目的とする組織(例えば、「標的組織」)にアクセスするために医療装置を利用する。例えば、現在の一部の医療処置(EMRおよびESD)では、医師は、内視鏡、結腸鏡、十二指腸内視鏡、気管支鏡、胃鏡、または同様の医療装置を利用して、罹患した病変部にアクセスしてそれを除去し、組織に創傷または欠損を生じさせ得る。本明細書で使用される「創傷」は、医療専門家が密封、治癒、止血、結紮等のために閉鎖したいと考える、欠陥、損傷、出血、潰瘍、管腔開口部、または同様の解剖学的構造を含み得る。いくつかの例では、内視鏡は、医師が創傷閉鎖処置を視覚化および実行するのを支援する特徴を組み込み得る。例えば、一部の内視鏡は、内視鏡がナビゲートされて標的組織部位に隣接して配置されるときに体管腔を照明および/または視覚化するように設計された光および/またはカメラを含み得る。追加的に、一部の内視鏡はまた、切除装置、把持部材、または他の付属装置が内視鏡の中を通って配備および利用され得るルーメン(例えば、ワーキングチャネル)を含み得る。例えば蛍光透視法等の、追加の視覚化、および/または、外部内部画像化方法および/または内部画像化方法が、代替的または追加的に採用され得る。
【0016】
医学的処置、例えば、EMRおよびESDでは、組織の一部、例えば、体管腔または粘膜層等の器官組織が切除されたり剥離されたりして、組織に創傷または欠陥をもたらす可能性がある。これに関連して、とりわけ組織接着の促進、および最終的な創傷治癒、止血達成等の目的で、組織層が創傷を横切って引き合わされるかまたは接近するように創傷組織(例えば、創傷縁)を実質的に近接させる1つ以上の装置によって、創傷の閉鎖および治癒が支援され得る。別の考慮事項は、内視鏡の直接作業領域よりも大きい創傷であり、これは、内視鏡のワーキングチャネルの中を通って延びるサイズの装置を使用して閉鎖するのが困難であり得る、例えば、直径が約2cmより大きい創傷である。これらのより大きな創傷に対しては、閉鎖装置の異なる構成および/または複数の閉鎖装置も有効である。
【0017】
本発明の装置、システム、および方法は、単独で、または他の装置、システム、および方法と一緒に使用されて、創傷を治療し得る。本発明の実施形態が実装され得る例示的装置、システム、および方法には、参照によりその全体がすべての目的のために本明細書に組み込まれる2011年12月14日に出願された「統合された静脈瘤結紮装置を備えた内視鏡装置」と題された米国特許出願第13/325,638号明細書に記載されたものが含まれるが、これに限定されない。そこに記載されている例示的装置は、本発明の実施形態または1つ以上の特徴を組み込むように改変され得る。
【0018】
図1Aを参照すると、装置、例えば、本発明の一実施形態にかかる創傷130を閉鎖するための内視鏡122の遠位端が示されており、これは、形状記憶構成を有する閉鎖要素100を含む。閉鎖要素100の形状記憶構成は、配備されたときに螺旋コイルであり得るが、本明細書に記載されるように他の形状も企図される。コイルは、配備構成におけるよりも送達構成におけるほうが、幅がより広い。コイルのピッチは、閉鎖要素100の長手方向軸に沿ってストレートであるが、コイルは、送達構成と配備構成との間で変化し得る多くの度数でピッチ付けされ得る。例えば、配備構成におけるコイルのピッチは、螺旋が約0.01°~約30°の間で角度を付けられるようなものであり得る。閉鎖要素100は、内視鏡122のエンドキャップ120の周りに配置されて送達される。エンドキャップ120は、内視鏡122の遠位端に取り付け可能な長尺状の中空管であるため、エンドキャップ120が内視鏡122に取り付けられたとき、ワーキングチャネル、画像化装置、および/または照明装置はいずれも、遮るものがなく維持される。弛緩した配備構成にあるコイルの直径は、閉鎖要素100が送達構成にてエンドキャップ120の周りで収縮するように、エンドキャップ120の外面の直径よりも小さい。エンドキャップ120は、閉鎖要素100および周囲の解剖学的構造を視覚化するために、医療専門家にとって内視鏡122の画像化装置、例えばカメラに対して遠位側に閉鎖要素100を配置する。エンドキャップ120は、医療専門家がエンドキャップ120を通して閉鎖要素および周囲の解剖学的構造まで見通せるように、ほぼ半透明である。閉鎖要素100は、エンドキャップ120の周りに送達構成で示されており、閉鎖要素100がエンドキャップ120の周りに適合するのに十分な幅の直径まで延ばされるよう、閉鎖要素100の形状記憶ばね力は、内視鏡122のシャフトの直径によって(または、別の送達装置、カテーテル、長尺状部材等のシャフトによって)拘束されている。閉鎖要素100は、エンドキャップ120の周りにある送達構成で患者の体管腔の中に挿入され得る。離脱フィラメント102は、閉鎖要素100に離脱可能に結合された遠位端102dと、エンドキャップ120内で延びる近位端とを有する。離脱フィラメント102の近位端は、内視鏡122の中を通って延び、内視鏡122の近位端の外側で終端し得る。離脱フィラメント102の近位端は、内視鏡122の内側または外側で作動するためのハンドルまたは別の装置で終端し得る。離脱フィラメント102の遠位端102dはループであるが、遠位端102dは追加的または代替的に、溶接、接着剤、フック等の他の結合機構であり得る。離脱フィラメントのループは、閉鎖要素100の1つ超のコイルの周りに延びて、閉鎖要素100の全長にわたって延び得る。
図1Aに示す閉鎖要素100、離脱フィラメント102、およびエンドキャップ120のアセンブリは、患者の体内に挿入する前に内視鏡122に事前装填され得る。エンドキャップ120は、組織132の創傷130に向かって配向されて、医療専門家は、患者の体内で内視鏡122を動かし、または移動させ得る。
【0019】
図1Bを参照すると、内視鏡122のエンドキャップ120は、創傷130の周りに配置され、エンドキャップ120の遠位端と創傷130を取り囲む組織132との間に実質的な密封を作成する。エンドキャップ120内の領域は、内視鏡122の吸引チャネルと連通した吸引源および/または真空源を介して吸引され得る。吸引力は、エンドキャップ120内に負圧を生成し得、これは、創傷130および周囲組織132の少なくとも一部をエンドキャップ120内へと近位方向に変位させる。創傷130がエンドキャップ120内に少なくとも部分的に変位した状態で、離脱フィラメント102の遠位端102dは、エンドキャップ120の遠位端の外方に出て、そしてエンドキャップ120の外側に沿って近位方向に、ループが閉鎖要素100に結合される(送達構成でエンドキャップ120の外周囲に配置される)部位まで延ばされて維持される。
【0020】
図1Cを参照すると、創傷130および周囲組織132がエンドキャップ120内で近位方向に少なくとも部分的に変位した状態で、離脱フィラメント102を近位方向に移動させ(例えば、引っ張って)、閉鎖要素100をエンドキャップ120の周りにある送達構成から創傷130の周りにある配備構成へと移行させ始め得る。
図1Cにおいて、離脱フィラメント102を近位方向にエンドキャップ120内へと移動させると、離脱フィラメント102の遠位端102dは、閉鎖要素100の遠位端100dを、エンドキャップ120の遠位端から外して、創傷130の周りに変位させる。組織132を変位させる吸引力は、組織132を緊張状態に維持し、閉鎖要素100のコイルが創傷130の辺縁の周りで収縮することを可能にする。送達された閉鎖要素100は、内向きの閉鎖力を有し、一方、組織132は、閉鎖要素100に対して逆の弛緩力を有し、その結果、ぴったりと適合する。離脱フィラメント102の遠位端102dは、離脱フィラメント102が近位方向にエンドキャップ120内へと移動されると、閉鎖要素100から離脱される(例えば、滑り落ちる、分離される、等)。離脱フィラメント102の遠位端102dは、閉鎖要素100が組織132に係合する前、または閉鎖要素100が組織132に係合した後に、閉鎖要素100の端部から分離され、例えば、離脱フィラメント102の遠位端102dは、閉鎖要素100の一部を組織132から一時的に解くことによって閉鎖要素100から滑り落ち、その後、閉鎖要素100の内向きの閉鎖力により組織132に再び係合する。閉鎖要素100(例えば、遠位端100d)の部分(例えばコイルの巻線)が、エンドキャップ120から創傷130の周りで離脱されると、閉鎖要素100のそれらの部分は、より大きな直径を有する応力のかかった送達構成から、より小さな直径を有する応力がかかっていない配備構成に移行する。閉鎖要素100の遠位端100dの配備構成は、閉鎖要素100の形状記憶構成のために、創傷130および周囲組織132の周りで収縮する。組織132を収縮させる閉鎖要素の配備された部分は、閉鎖要素100の遠位端100dを固定し、それにより、閉鎖要素100の残りの部分がエンドキャップ120から離脱されて創傷130の周りに係合すると、内視鏡122は近位方向に移動されて、エンドキャップ120は遠位端100dから近位方向に引き離される。
【0021】
図1Dを参照すると、閉鎖要素100は、創傷130および周囲組織132の周りにある配備構成で示されている。組織132は、組織132を収縮させる閉鎖要素100に対していくらかの抵抗を付与するので、閉鎖要素100は、完全に弛緩した、ストレスのない状態ではない。配備構成の閉鎖要素100は、組織132から離れた創傷130上の頂点を有するほぼ錐体の形状をもたらし得る。この形状により、創傷130の部位から離れた閉鎖要素100内のより多量の組織132および/またはエンドキャップ120内へと変位した組織132の体積と比較して、創傷130の部位における閉鎖要素100内の組織132の体積がより小さくなる。代替的に、閉鎖要素100は、ほぼ円筒形または逆錐体形状を有し得(すなわち
図1Dの錐体形状と比較して)、この場合、
図1Dに示すよりも多くの組織が変位するように、より多量の組織132が変位される。例えば、組織132の一部は、閉鎖装置100から近位方向に延び得、球根形状またはキノコ形状を形成し得る。創傷130の露出領域はより小さく、創傷130の縁は、
図1Cでは
図1Aの創傷130のより大きな領域および広がった縁よりも互いに接近している。配備構成における閉鎖要素100のコイルの直径が減少し得るので、閉鎖要素100の長手方向軸に向かう径方向閉鎖力が増加し得る。
【0022】
図2Aおよび
図2Bを参照すると、創傷230を閉鎖するための装置が本発明の実施形態に従って示されており、これは、形状記憶構成を有する閉鎖要素200を含む。閉鎖要素200の形状記憶構成は結び目として示されているが、本明細書に記載されているように他の形状も企図される。閉鎖要素200は、組織を貫通するように、または組織に埋め込まれかつ係合するように構成されている、閉鎖要素200の各端部における突起200dを含む。図示された突起200dは、矢じり形状の逆棘であるが、突起200dは、フック、タイン等であってもよい。閉鎖要素200は、内視鏡222のエンドキャップ220の周りに配置されている。閉鎖要素200は、エンドキャップ220の周りにある送達構成で示され、閉鎖要素200の形状記憶ばね力が、閉鎖要素200をエンドキャップ220の周りに適合するのに十分な幅の直径に拡張し応力印加している。閉鎖要素200の送達構成が
図2Bに示されている。閉鎖要素200は、エンドキャップ220の周りの送達構成で患者の体管腔内に挿入され得る。離脱フィラメント202は、閉鎖要素200に離脱可能に結合された遠位端202dと、エンドキャップ220内で延びる近位端とを有する。離脱フィラメント202の遠位端202dはループであるが、遠位端202dは、追加的または代替的に、スポット溶接、接着剤、フック等の他の離脱可能な結合機構であり得る。
図2Aに示す閉鎖要素200、離脱フィラメント202、およびエンドキャップ220のアセンブリは、患者の体内に挿入する前に内視鏡222に事前装填され得る。エンドキャップ220は、組織232の創傷230に配向され得る。
【0023】
図2Cを参照すると、内視鏡222のエンドキャップ220は、創傷230の周りに配置され、エンドキャップ220の遠位端と創傷230を取り囲む組織232との間に密封状態を構成する。エンドキャップ220内の領域は、内視鏡222の吸引チャネルと連通している吸引源と真空源の両方または一方を介して吸引され得る。吸引力は、エンドキャップ220内に負圧を生成する。これは、創傷230および周囲組織232の少なくとも一部をエンドキャップ220内へと近位方向に変位させる。創傷230がエンドキャップ220内に変位した状態で、離脱フィラメント202を近位方向に移動させて、閉鎖要素200をエンドキャップ220の周りにある送達構成から創傷230の周りにある配備構成へと移行させる。
図2Cに示すように、離脱フィラメント202が近位方向にエンドキャップ220内へと移動されると、離脱フィラメント202の遠位端202dは、閉鎖要素200をエンドキャップ220から外して創傷230の周りに変位させる。離脱フィラメント202の遠位端202dは、離脱フィラメント202が近位方向にエンドキャップ220内へと移動されると、閉鎖要素200から離脱される(例えば、滑り落ちる、分離される、切り離される、等)。離脱フィラメント202の遠位端202dは、閉鎖要素200が組織232に係合する前、または閉鎖要素200が組織232に係合した後に、閉鎖要素200の端部から離脱し、例えば、離脱フィラメント202の遠位端202dは、閉鎖要素200の一部を組織232から一時的に解くことによって閉鎖要素200から滑り落ちて、その後、閉鎖要素200の内向きの閉鎖力により組織232に再び係合する。突起200dから離脱させることにより、離脱フィラメントを、閉鎖要素200から分離し得る。閉鎖要素200がエンドキャップ220から外れて創傷230の周りに変位すると、閉鎖要素200は、より大きな直径を有する拡張送達構成から、より小さな直径を有する非拡張配備構成に移行する。
【0024】
図2Dおよび
図2Eを参照すると、閉鎖要素200の配備構成は、閉鎖要素200の形状記憶により、創傷230および周囲組織232の周りで収縮する。閉鎖要素200の配備構成は、
図2Eに示されている。配備構成では、閉鎖要素は、応力がかかっていない結び目状の形状記憶配向(例えば、結び目状、プレッツェル様、等)に移行し、突起200dは、閉鎖要素200の長さの一部がそれ自体と重なるように閉鎖要素200dの内方に配向される。突起200dは、組織232に完全に埋め込まれるか、部分的に埋め込まれ得、または埋め込まれないことも可能である。
【0025】
図3Aおよび
図3Bを参照すると、本開示の一実施形態による創傷330を閉鎖するための装置が示され、これは、送達構成においてエンドキャップ320の周りに配置された複数の閉鎖要素300を含む。閉鎖要素300はそれぞれ、組織を貫通し、または組織に埋め込まれかつ係合するように構成されている、閉鎖要素300の各端部における突起300dを含む。突起300dは逆棘であるが、突起300dはフック、タイン等であり得る。装置は、一連のループ302dによって閉鎖要素300のそれぞれに結合される遠位部分を有する離脱フィラメント302を含む。この開示の他の場所に記載されている離脱フィラメントは、
図3Aおよび
図3Bに示されている離脱フィラメント302とほぼ同様の方法で使用され得る(例えば、離脱フィラメント102の各巻線の周りにループを備えた離脱フィラメント102または1つ以上の離脱フィラメント202)。離脱フィラメント302の各ループ302dは、閉鎖要素300が送達構成にある間、各閉鎖要素300の周りで独立して延びる。離脱フィラメント302は、エンドキャップ320内に延びる近位部分302pを有する。離脱フィラメント302の近位部分302pの近位方向移動は、離脱フィラメント302がエンドキャップ320の遠位端320dを超えて延びることによりエンドキャップ320内部からエンドキャップ外部へと延びるため、引張力を最遠位ループ302d-1に伝達する。エンドキャップ320の遠位端320dは、創傷330および/または周囲組織332に向かって、その周りに、および/またはそれと接触して配向され得る。
図3Bに示すように、吸引力は、エンドキャップ320と連通するように導入されて、創傷330をエンドキャップ320内へと変位させ得る。離脱フィラメント302は、最遠位ループ300dがそれぞれの閉鎖要素300をエンドキャップ320の外側に沿って遠位方向に引っ張るように近位方向に移動され得る。離脱フィラメント302は、最遠位の閉鎖要素300がエンドキャップ320から外れるよう変位されて送達構成から配備構成に移行するように、連続して近位方向に移動される。
図3Bに示すように、閉鎖要素300-1は、組織332内へと配備される。離脱フィラメント302の近位部分302pの近位方向移動は、エンドキャップ320に沿って遠位方向に、閉鎖要素300-2とともに最遠位ループ302d-2を変位させる。閉鎖要素300-2がエンドキャップ320の遠位端320dから外れて変位されると、閉鎖要素300-2は、送達構成から配備構成に移行し始めて、そして、ループ302d-2は、閉鎖要素300-2から離脱し始める。閉鎖要素300-2の配備後、最遠位の閉鎖要素300-3は、最遠位ループ302d-3が変位され得るように近位部分302pを近位方向に移動させることによって、同一組織332の部位または別の組織の部位にて配備され得る。
【0026】
図4Aおよび
図4Bを参照すると、本開示の一実施形態による装置が、閉鎖要素400を含んで示されている。閉鎖要素400は、
図4Aに示す長尺状の非活性化構成と、
図4Bに示す湾曲した活性化構成とを有する。非活性化構成では、閉鎖要素400は、閉鎖要素400の一方の端部400dから他方の端部400dまでほぼ直線的に延びる。活性化構成では、閉鎖要素400の端部400dは互いに向かってカールしている。閉鎖要素400の活性化構成は、実質的に「C字型」として示されているが、活性化構成は、様々な形状、例えば、「U字型」、「S字型」、「Z字型」、またはそれらの組み合わせ等とすることができる。閉鎖要素400は、閉鎖要素400の長さに沿って複数の活性化可能部分402を含む。4つの活性化可能部分402が示されているが、任意の数の、例えば1、2、3、5、8、10、20、100、1000等の活性化可能部分402が利用され得る。追加的にまたは代替的に、活性化可能部分402は、閉鎖要素400の他の部分内に混合するようにブレンドされ得る。ブレンド部分は、ブレンド全体にわたってほぼ均一な混合物を含み得、またはブレンドは、閉鎖要素400の長さに沿って増減する各部分の様々なパーセンテージを有し得る。活性化可能部分402は、活性化可能部分402に閉鎖要素400の幾何学的形状を変化させ得る、熱、光、赤外光、電気、エネルギー、pH等の外部刺激源からの活性化に感受性があり得る。活性化可能部分402は、特定の位置で閉鎖要素400に沿ってパターン化されて、閉鎖要素400の形状が活性化(例えば、湾曲)構成へと変形できる作動ヒンジまたは折り畳み点として機能し得る。各活性化可能部分402は、度数d(例えば、約0°~約360°)で収縮し得、それにより、活性化構成の閉鎖要素400が、度数dに活性化可能部分402の数を掛けたものに等しい全体曲率αを有する。閉鎖要素400(または本明細書に記載の他の閉鎖要素)はまた、閉鎖要素400の長さに沿って生分解性部分404を含み得る。閉鎖要素400は、活性化可能部分のみを含むか、生分解性部分のみを含み得、またはどちらも含まないことも可能である。上記部分は、閉鎖要素400の長さに沿って異なる場所に配置され得、図に示されているもの以外の配列も有し得る。例えば、閉鎖要素の1つ以上の突起は非生分解性、閉鎖要素の残りは生分解性とし、閉鎖要素の残りが通過すると同時に、1つ以上の突起が組織内に残るようにすることが可能である。生分解性部分404は、患者内に配備した後、時間とともに分解し得、閉鎖要素400に対応する創傷が治癒し、閉鎖要素400がもはや必要とされなくなると(例えば、使用材料に応じて、および創傷の特性に応じて、約7日以内、約14日以内、約1ヶ月以内、約数ヶ月以内、約1年以内、等)、生分解性部分404は、閉鎖要素400が組織から脱落するように十分に分解し得る。3つの生分解性部分404が示されているが、任意の数の、例えば、1、2、4、5、8、10、20、100、1000等の生分解性部分404が利用され得る。追加的に、または代替的に、生分解性部分404は、閉鎖フィラメント400の他の部分内に混合するようにブレンドされ得る。生分解性部分404または他の部分は、創傷を支援し得るか、さもなければ患者の体内に離脱され得る薬物(例えば、鎮痛、治癒、抗菌剤等)を含み得る。末端400dはそれぞれ、組織を貫通するように、または組織に埋め込まれかつ係合するように構成されている突起を含む。突起は鋭利な点として示されているが、逆棘であり得、フック、タイン等であり得る。
【0027】
図4C~
図4Fを参照すると、
図4Aおよび
図4Bの閉鎖要素400は、創傷430を閉鎖するために使用され得る。
図4Cに示すように、創傷430および周囲組織432は、医療器具422(例えば、把持器、吸引力を備えたワーキングチャネル、クリップ等)を介して変位され得る。細長い非活性化構成の閉鎖要素400を有する送達装置420(例えば、針、カテーテル等)は、組織挿入のために構成されており、創傷430および組織432に配向され得る。
図4Dに示すように、閉鎖要素400は、閉鎖要素400の端部400d上の突起を先導することによって、創傷430を横切って組織432内に送達され得る。組織432は、医療器具422(例えば、鉗子または把持器)によって変位され得(例えば、組織の縁が近接されて)、閉鎖要素400の端部400dが、閉鎖要素400の長手方向軸に沿った1回の挿入運動で、創傷430の周りの組織432の2つの側面を貫通することを可能にする。
図4E(組織432が医療器具422から離脱されている)に示すとおり複数の閉鎖要素400が創傷430を横切って組織432内に送達されるように、追加の閉鎖要素400が送達装置420から送達され得る。
図4Eには4つの閉鎖要素400が示されているが、任意の数、例えば、1、2、3、5、8、10、20、100つ、閉鎖要素400が創傷430の相当の領域を横切って延びるような数、等の閉鎖要素400が使用され得る。
図4Eには送達された後の閉鎖要素400が非活性化構成で示されている。閉鎖要素400の外部の活性器は、それらが非活性化構成から活性化構成に移行するように、各閉鎖要素400の活性化可能部分402を活性化し得る。創傷430を横切る閉鎖要素400の活性化構成が
図4Fに示されている。活性化可能部分402は、端部400dが互いに向かってカールするように収縮され、創傷430は、創傷430の縁が
図4Eにおけるよりも互いに接近するように実質閉鎖または閉鎖される。時間の経過とともに、生分解性部分404は、閉鎖部材400が組織432から離れるように分解し得る。代替的に、閉鎖部材400のどの部分も分解せずともよく、創傷430が治癒し、かさぶたになり、瘢痕となり、および/または脱落すると、閉鎖部材400は、組織432から離れ得る。
【0028】
様々な実施形態において、医療専門家は、内視鏡、カテーテル等にエンドキャップを取り付け得る。医療専門家は、1つ以上の閉鎖要素をエンドキャップ上に装填し得る。1つ以上の閉鎖要素は、エンドキャップ内を延びる離脱フィラメントに離脱可能に結合され得、ハンドルに取り付けられ得る。内視鏡およびアセンブリは、患者に挿入され得る。標的創傷が位置決めされ得る。エンドキャップは、創傷に配向され得る。創傷または周囲組織は、エンドキャップ内へと変位され得る。1つ以上の閉鎖要素は、離脱フィラメントを操作する医療専門家によって創傷の周りで離脱され得る。
【0029】
様々な実施形態において、医療専門家は、針等の送達装置内に1つ以上の非活性化閉鎖要素を挿入し得る。送達装置は、患者の体内に挿入され得る。標的創傷が位置決めされ得る。送達装置は、創傷に配向され得る。1つ以上の閉鎖要素は、創傷の周りで組織内へと配備され得る。1つ以上の閉鎖要素は、1つ以上の閉鎖要素が非活性化構成から活性化構成に移行するように活性化され得る。
【0030】
様々な実施形態において、閉鎖要素は、ニチノール、ステンレス鋼、ニッケルチタン、合金、ポリマー、ゴム、ナイロン、それらの組み合わせ等の形状記憶材料を含み得る。閉鎖要素は、マンドレルによって設定された形状および形状記憶または形状もしくは形状記憶を有し得る。閉鎖要素の形状は、コイル、螺旋、結び目、プレッツェル、直線、「C字形」、「V字形」、「U字形」、「S字形」、「Z字形」、それらの組み合わせ等を含み得る。閉鎖要素は、創傷の幾何学形状およびサイズに基づいて選択可能であり得る直径(例えば、約1mm~約5mmの直径等)にヒートセットされ得る。
【0031】
様々な実施形態において、本明細書に記載および図示されるエンドキャップは、内視鏡、カテーテル、またはワーキングチャネルのうちの少なくともいずれか1つに結合され得る(例えば、挿入可能である、接着されている、一体として製造されている、等)。エンドキャップは、追加的にまたは代替的に、内視鏡、カテーテル、またはワーキングチャネルのうちの少なくともいずれか1つの延長であり得る。
【0032】
記載された実施形態による装置、および本開示の他の実施形態による装置は、単独で、または他の付属品を含む、システムもしくはキット内で、または方法もしくは処置の一部として、腹膜腔、腹腔、気管支腔または胸腔、血管、胃腸管または尿管、子宮、膀胱、肺および肝臓器官等における症状についてアクセス、治療または診断する等のために、身体の空洞部、管腔、管、血管および器官で使用され得る。
【0033】
本明細書に記載の様々な実施形態に加えて、本開示の変形、改変、および他の実装が、当業者に生じるであろう。したがって、本発明は、上記の例示的な説明ではなく、以下の特許請求の範囲によって定義されるべきである。
【国際調査報告】