(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-27
(54)【発明の名称】バッテリー装置およびその冷却制御方法
(51)【国際特許分類】
H01M 10/633 20140101AFI20220916BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20220916BHJP
H01M 10/651 20140101ALI20220916BHJP
H01M 10/6563 20140101ALI20220916BHJP
H01M 10/625 20140101ALN20220916BHJP
【FI】
H01M10/633
H01M10/613
H01M10/651
H01M10/6563
H01M10/625
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021565939
(86)(22)【出願日】2021-04-21
(85)【翻訳文提出日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 KR2021005039
(87)【国際公開番号】W WO2021261734
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】10-2020-0076296
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、ボキュン
【テーマコード(参考)】
5H031
【Fターム(参考)】
5H031CC09
5H031HH06
5H031KK08
(57)【要約】
バッテリー装置は、バッテリー装置の温度を測定し、バッテリー装置の温度が大気温度より高い場合に、バッテリー装置の温度と大気温度の差を含む情報に基づいて自然減少推定温度を決定し、停止温度の基準温度と自然減少推定温度に基づいて停止温度を決定し、バッテリーモジュールの温度が停止温度より低い場合に、バッテリー装置の冷却動作を停止することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーモジュールと、
前記バッテリーモジュールの冷却に使用される冷却装置と、
前記バッテリーモジュールの温度が大気温度より高い場合に、前記バッテリーモジュールの温度と前記大気温度との差を含む情報に基づいて自然減少推定温度を決定し、停止温度の基準温度と前記自然減少推定温度に基づいて前記停止温度を決定し、前記バッテリーモジュールの温度が前記停止温度より低い場合に、前記冷却装置の動作を停止する処理回路と
を含む、バッテリー装置。
【請求項2】
前記バッテリーモジュールの温度が前記大気温度より高くない場合に、前記処理回路は前記基準温度を前記停止温度として決定する、請求項1に記載のバッテリー装置。
【請求項3】
前記処理回路は前記基準温度と前記自然減少推定温度の合計を前記停止温度として決定する、請求項1または2に記載のバッテリー装置。
【請求項4】
前記バッテリーモジュールの温度と前記大気温度との差が第1温度である場合の前記自然減少推定温度は、前記バッテリーモジュールの温度と前記大気温度との差が前記第1温度より大きい第2温度である場合の前記自然減少推定温度より小さい、請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリー装置。
【請求項5】
前記情報は、前記バッテリー装置が装着される移動手段の速度をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のバッテリー装置。
【請求項6】
前記移動手段の速度が第1速度である場合の前記自然減少推定温度は、前記移動手段の前記速度が前記第1速度より速い第2速度である場合の前記自然減少推定温度より小さい、請求項5に記載のバッテリー装置。
【請求項7】
前記移動手段の速度が0である場合、前記処理回路は、前記基準温度を前記停止温度として決定する、請求項5または6に記載のバッテリー装置。
【請求項8】
移動手段に装着されたバッテリー装置の冷却制御方法であって、
前記バッテリー装置の温度を測定する段階と、
前記バッテリー装置の温度が大気温度より高い場合に、前記バッテリー装置の温度と前記大気温度との差を含む情報に基づいて自然減少推定温度を決定する段階と、
停止温度の基準温度と前記自然減少推定温度に基づいて前記停止温度を決定する段階と、
前記バッテリー装置の温度が前記停止温度より低い場合に、前記バッテリー装置の冷却動作を停止する段階と
を含む、冷却制御方法。
【請求項9】
前記バッテリー装置の温度が前記大気温度より高くない場合に、前記基準温度を前記停止温度として決定する段階を含む、請求項8に記載の冷却制御方法。
【請求項10】
前記バッテリー装置の温度と前記大気温度との差が第1温度である場合の前記自然減少推定温度は、前記バッテリー装置の温度と前記大気温度との差が前記第1温度より大きい第2温度である場合の前記自然減少推定温度より小さい、請求項8または9に記載の冷却制御方法。
【請求項11】
前記情報は、前記移動手段の速度をさらに含む、請求項8から10のいずれか一項に記載の冷却制御方法。
【請求項12】
前記移動手段の速度が第1速度である場合の前記自然減少推定温度は、前記移動手段の前記速度が前記第1速度より速い第2速度である場合の前記自然減少推定温度より小さい、請求項11に記載の冷却制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
本出願は2020年6月23日付大韓民国特許出願第10-2020-0076296に基づいた優先権の利益を主張し、当該大韓民国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
以下に記載された技術は、バッテリー装置およびその冷却制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
電気自動車またはハイブリッド自動車はバッテリーを電源として用いてモータを駆動することによって動力を得る自動車であって、内燃自動車の公害およびエネルギー問題を解決することができる代案という点から研究が活発に行われている。また、充電の可能なバッテリーは電気自動車以外に多様な電子装置で使用されている。
【0004】
バッテリーには内部抵抗が存在するので、バッテリーの充放電が繰り返されることによってバッテリーの温度は上昇する。バッテリーの温度上昇はバッテリーの性能と耐久性に影響を及ぼすため、バッテリーが一定の温度を維持するように冷却システムが使用される。バッテリーの冷却動作は、冷却システムに装着された温度センサーが測定した温度に基づいて制御される。一般に、バッテリーの温度が臨界温度を超過すれば冷却システムの冷却動作が開始され、冷却動作によってバッテリーの温度が指定した温度の下に下がれば冷却システムの冷却動作が停止する。
【0005】
しかし、自動車が走行中であり大気温度がバッテリーの温度より低い状況では対流作用によってバッテリーの冷却効果を期待することができるが、既存の冷却システムは周辺影響を考慮せずバッテリーの温度が指定温度の下に下がるまで稼動されるので、電力消耗量が多くて冷却システムの耐久性も低下することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ある実施形態は、周辺影響を考慮することができるバッテリー装置およびその冷却制御方法を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態によれば、バッテリーモジュールと、バッテリーモジュールの冷却に使用される冷却装置と、処理回路とを含むバッテリー装置を提供することができる。処理回路は、バッテリーモジュールの温度が大気温度より高い場合に、バッテリーモジュールの温度と大気温度との差を含む情報に基づいて自然減少推定温度を決定し、停止温度の基準温度と自然減少推定温度に基づいて停止温度を決定し、バッテリーモジュールの温度が停止温度より低い場合に、冷却装置の動作を停止することができる。
【0008】
ある実施形態で、バッテリーモジュールの温度が大気温度より高くない場合に、処理回路は基準温度を停止温度として決定することができる。
【0009】
ある実施形態で、処理回路は、基準温度と自然減少推定温度の合計を停止温度として決定することができる。
【0010】
ある実施形態で、バッテリーモジュールの温度と大気温度との差が第1温度である場合の自然減少推定温度は、バッテリーモジュールの温度と大気温度との差が第1温度より大きい第2温度である場合の自然減少推定温度より小さくてもよい。
【0011】
ある実施形態で、情報は、バッテリー装置が装着される移動手段の速度をさらに含むことができる。
【0012】
ある実施形態で、移動手段の速度が第1速度である場合の自然減少推定温度は、移動手段の速度が第1速度より速い第2速度である場合の自然減少推定温度より小さくてもよい。
【0013】
ある実施形態で、移動手段の速度が0である場合、処理回路は、基準温度を停止温度として決定することができる。
【0014】
他の実施形態によれば、移動手段に装着されたバッテリー装置の冷却制御方法を提供することができる。バッテリー装置は、バッテリー装置の温度を測定し、バッテリー装置の温度が大気温度より高い場合に、バッテリー装置の温度と大気温度との差を含む情報に基づいて自然減少推定温度を決定し、停止温度の基準温度と自然減少推定温度に基づいて停止温度を決定し、バッテリーモジュールの温度が停止温度より低い場合に、バッテリー装置の冷却動作を停止することができる。
【発明の効果】
【0015】
ある実施形態によれば、冷却装置の動作による消耗電力を減らすことができ、冷却装置の耐久性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】一実施形態によるバッテリー装置を示す図である。
【
図2】一実施形態による冷却制御方法を示すフローチャートである。
【
図3】他の実施形態による冷却制御方法を示すフローチャートである。
【
図4】他の実施形態による冷却制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付した図面を参照して実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。しかし、本発明は様々の異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。そして、図面において本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたって類似の部分については類似の図面符号を付けた。
【0018】
ある構成要素が他の構成要素に"連結されて"いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されていることもあるが、中間に他の構成要素が存在することもあると理解されなければならないはずである。反面、ある構成要素が他の構成要素に"直接連結されて"いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないと理解されなければならないはずである。
【0019】
以下の説明で単数として記載された表現は"一つ"または"単一"などの明示的な表現を使用しない限り、単数または複数として解釈できる。
【0020】
図面を参照して説明したフローチャートで、動作順序は変更されてもよく、様々の動作が併合されるか、一つの動作が分割されてもよく、特定動作は行われなくてもよい。
【0021】
図1は、一実施形態によるバッテリー装置を示す図である。
【0022】
図1を参照すれば、バッテリー装置100は外部装置に電気的に連結できる構造を有する。外部装置が負荷である場合、バッテリー装置100は負荷に電力を供給する電源として動作して放電される。外部装置が充電器である場合、バッテリー装置100は充電器を通じて外部電力の供給を受けて充電される。負荷として動作する外部装置は例えば、電子装置、移動手段またはエネルギー貯蔵システム(energy storage system、ESS)であり、移動手段は例えば、電気自動車、ハイブリッド自動車またはスマートモビリティー(smart mobility)であり得る。
【0023】
バッテリー装置100は、バッテリーモジュール110、冷却装置120および処理回路130を含む。
【0024】
バッテリーモジュール110は、電気的に連結されている複数のバッテリーセル(図示せず)を含む。ある実施形態で、バッテリーセルは、充電可能な二次電池であってもよい。一実施形態で、バッテリーモジュール110で所定個数のバッテリーセルが直列連結されてバッテリーセットを構成して所望の電力を供給することができる。他の実施形態で、バッテリーモジュール110で所定個数のバッテリーセットが直列または並列連結されて所望の電力を供給することができる。
【0025】
冷却装置120はバッテリーモジュール110を冷却する動作を行い、処理回路130によって冷却動作が制御できる。冷却装置120としてバッテリーモジュール110の温度を低めることができる多様な冷却装置が使用できる。ある実施形態で、冷却装置120はバッテリーモジュール110の一面または両面に配置できる。例えば、冷却装置120には冷却水が移動する冷却流路が形成されており、冷却流路への冷却水の流動が処理回路130によって制御できる。他の例として、冷却装置120は冷却ファンを含み、冷却ファンの動作が処理回路130によって制御できる。
【0026】
処理回路130は、バッテリーモジュール110の温度と大気温度に基づいて冷却装置120の冷却動作を制御する。ある実施形態で、外部装置が車両のような移動手段である場合、処理回路130は冷却装置120の冷却動作の制御のために車両の速度をさらに考慮することができる。
【0027】
ある実施形態で、処理回路130はプロセッサーを含むことができる。プロセッサーは例えば、マイクロ制御装置(micro controller unit、MCU)であってもよい。ある実施形態で、処理回路130はバッテリーモジュール110を管理するバッテリー管理システム(battery management system)に含まれてもよい。
【0028】
ある実施形態で、バッテリー装置100は、バッテリーモジュール110の温度を感知する温度センサーをさらに含むことができる。ある実施形態で、大気温度を感知する温度センサーがバッテリー装置100または外部装置に装着されていてもよい。ある実施形態で、バッテリー管理システムがバッテリーモジュール110の温度と大気温度を収集して処理回路130に提供することができる。
【0029】
以下、多様な実施形態によるバッテリー装置の冷却制御方法について
図2~
図4を参照して説明する。
【0030】
図2は、一実施形態による冷却制御方法を示すフローチャートである。
【0031】
図1および
図2を参照すれば、バッテリーモジュール110の温度が臨界温度を超過する場合、処理回路130は冷却装置120が冷却を開始するように制御する(S210)。冷却装置120の冷却動作によってバッテリーモジュール110の温度が下がることになる。
【0032】
その次に、処理回路130はバッテリーモジュール110の温度と大気温度を比較する(S220)。ある実施形態で、処理回路130はバッテリーモジュール110側に装着された温度センサーからバッテリーモジュール110の温度を受信することができる。また、処理回路130は大気温度を測定することができる位置に装着された温度センサーから大気温度を受信することができる。
【0033】
バッテリーモジュール110の温度が大気温度より高ければ(S220)、処理回路130は冷却装置120の冷却動作停止を決定する時に使用される冷却動作停止温度を調節する(S230、S240)。ある実施形態で、処理回路130は冷却動作停止温度の基本値として指定された基準温度と自然減少推定温度に基づいて冷却動作停止温度を決定することができる(S240)。一実施形態で、処理回路130は冷却動作停止温度の基準温度に自然減少推定温度を足した値を冷却動作停止温度として決定することができる(S240)。自然減少推定温度は、バッテリーモジュール110の温度が周辺影響によって減少すると推定される温度である。
【0034】
ある実施形態で、処理回路130はバッテリーモジュール110の温度と大気温度との差に基づいて自然減少推定温度を決定することができる(S230)。一実施形態で、バッテリーモジュール110の温度と大気温度との差が大きいほど自然減少推定温度が大きく設定できる。一実施形態で、温度範囲によって複数の温度差区間を設定し、各温度差区間に自然減少推定温度を割り当てることができる。この場合、温度差区間の温度(例えば、温度差区間の平均温度、中間温度、最低温度、最高温度など)が高いほど自然減少推定温度が大きく設定できる。例えば、温度差区間による自然減少推定温度が表1のように設定できる。これにより、処理回路130はバッテリーモジュール110の温度と大気温度との差に該当する自然減少推定温度を決定することができる。
【0035】
【0036】
一方、バッテリーモジュール110の温度が大気温度より高くない場合(S220)、処理回路130は冷却動作停止温度を基準温度と同一に設定する(S250)。
【0037】
その次に、処理回路130はバッテリーモジュール110の温度と冷却動作停止温度を比較し(S260)、冷却動作停止温度がバッテリーモジュール110の温度より高ければ、冷却装置の冷却動作を停止させる(S270)。一方、冷却動作停止温度がバッテリーモジュール110の温度より高くなければ、バッテリーモジュール110の冷却を持続し、再び段階S220の過程から繰り返す。
【0038】
このように、一実施形態によれば、大気温度がバッテリーモジュールの温度より低い状態では対流作用によってバッテリーモジュールが冷却できるので、大気温度が低いほど冷却動作停止温度を高めることができる。これにより、大気温度が低いほど冷却装置が早く停止してバッテリーモジュールの冷却に影響を与えないながら冷却装置の動作による消耗電力を減らし、また冷却装置の耐久性を高めることができる。
【0039】
図3は、他の実施形態による冷却制御方法を示すフローチャートである。
【0040】
図1および
図3を参照すれば、バッテリーモジュール110の温度が臨界温度を超過する場合、処理回路130は冷却装置120が冷却を開始するように制御する(S310)。その次に、処理回路130はバッテリーモジュール110の温度と大気温度を比較する(S320)。
【0041】
バッテリーモジュール110の温度が大気温度より高ければ(S320)、処理回路130はバッテリー装置が装着された移動手段(例えば、車両)の速度を確認し(S325)、冷却動作停止温度を調節する(S330、S340)。ある実施形態で、処理回路130は冷却動作停止温度の基準温度と自然減少推定温度に基づいて冷却動作停止温度を決定することができる(S340)。一実施形態で、処理回路130は冷却動作停止温度の基準温度に自然減少推定温度を足した値を冷却動作停止温度として決定することができる(S340)。
【0042】
ある実施形態で、処理回路130はバッテリーモジュール110の温度と大気温度との差と車両の速度に基づいて自然減少推定温度を決定することができる(S330)。一実施形態で、バッテリーモジュール110の温度と大気温度との差が大きいほど自然減少推定温度が大きく設定され、車両の速度が高いほど自然減少推定温度が大きく設定できる。一実施形態で、温度範囲によって複数の温度差区間を設定し、各温度差区間に自然減少推定温度を割り当てることができる。この場合、温度差区間の温度(例えば、温度差区間の平均温度、中間温度、最低温度、最高温度など)が高いほど自然減少推定温度が大きく設定できる。一実施形態で、車両速度の範囲によって複数の車速区間を設定し、各車速区間に自然減少推定温度を割り当てることができる。この場合、車速区間の速度(例えば、車速区間の平均速度、中間速度、最低速度、最高速度など)が高いほど自然減少推定温度が大きく設定できる。例えば、温度差区間および車速区間による自然減少推定温度が表2のように設定できる。これにより、処理回路130はバッテリーモジュール110の温度と大気温度との差および車両の速度に該当する自然減少推定温度を決定することができる。
【0043】
【0044】
一方、バッテリーモジュール110の温度が大気温度より高くない場合(S320)、処理回路130は冷却動作停止温度を基準温度と同一に設定する(S350)。
【0045】
その次に、処理回路130はバッテリーモジュール110の温度と冷却動作停止温度を比較し(S360)、冷却動作停止温度がバッテリーモジュール110の温度より高ければ冷却装置の冷却動作を停止させる(S370)。一方、冷却動作停止温度がバッテリーモジュール110の温度より高くなければ、バッテリーモジュール110の冷却を持続し、再び段階S320の過程から繰り返す。
【0046】
このように、他の実施形態によれば、大気温度がバッテリーモジュールの温度より低い状態では対流作用によってバッテリーモジュールが冷却されるので、大気温度が低いほど冷却動作停止温度を高めることができる。特に、バッテリーモジュールが装着された車両の速度が速いほど対流効果が高いので、車両の速度が高いほど冷却動作停止温度を高めることができる。これにより、大気温度が低いか車両の速度が高いほど冷却装置が早く停止してバッテリーモジュールの冷却に影響を与えないながら冷却装置の動作による消耗電力を減らし、また冷却装置の耐久性を高めることができる。
【0047】
図4は、また他の実施形態による冷却制御方法を示すフローチャートである。
【0048】
車両が移動中である場合に対流効果を期待することができるので、また他の実施形態では
図3を参照して説明した実施形態とは異なり、車両が移動中でない場合には冷却動作停止速度を調節しなくてもよい。
【0049】
図1および
図4を参照すれば、バッテリーモジュール110の温度が大気温度より高ければ(S320)、処理回路130はバッテリー装置が装着された車両の速度が0より高いか判断する(S425)。車両の速度が0より高ければ(S425)、処理回路130は
図3を参照して説明したように冷却動作停止温度を調節する(S330、S340)。
【0050】
一方、車両の速度が0より高くなければ(S425)、バッテリーモジュール110の温度が大気温度より高くても、処理回路130は冷却動作停止温度を基準温度と同一に設定する(S350)。
【0051】
以上で実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を用いた当業者の様々な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属するのである。
【国際調査報告】