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特表2022-541713デイジーチェーン2線式センサの測定システム及びその測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-27
(54)【発明の名称】デイジーチェーン2線式センサの測定システム及びその測定方法
(51)【国際特許分類】
   G08C 19/02 20060101AFI20220916BHJP
   H04L 25/02 20060101ALI20220916BHJP
【FI】
G08C19/02 301
H04L25/02 K
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021570864
(86)(22)【出願日】2021-06-21
(85)【翻訳文提出日】2021-11-26
(86)【国際出願番号】 CN2021101173
(87)【国際公開番号】W WO2021259187
(87)【国際公開日】2021-12-30
(31)【優先権主張番号】202010576139.6
(32)【優先日】2020-06-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521518747
【氏名又は名称】宝星智能科技(上海)有限公司
【氏名又は名称原語表記】BAOXING INTELLIGENT TECHNOLOGY (SHANGHAI) CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】3rd Floor,Building 2,No.2333 Fengpu Avenue,Fengxian District,Shanghai 201400,China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】趙 春萌
(72)【発明者】
【氏名】邱 銓龍
【テーマコード(参考)】
2F073
5K029
【Fターム(参考)】
2F073AA01
2F073AA02
2F073AB01
2F073BB04
2F073BC01
2F073CC03
2F073CD11
2F073CD27
2F073DD07
2F073EE12
2F073FG04
2F073GG01
2F073GG02
2F073GG07
2F073GG08
5K029CC01
5K029DD22
5K029DD25
5K029EE02
5K029HH13
5K029KK30
(57)【要約】
本発明は通信技術分野に関し、具体的には、デイジーチェーン2線式センサの測定システム及びその測定方法に関し、1つまたは複数のセンサに接続され、その信号を検出した後、検出されたセンサ信号を対応する電流信号に変調する1つまたは複数のスレーブモジュールと、前記1つまたは複数のスレーブモジュールのうちの第1スレーブモジュールとの間、上位スレーブモジュールと下位スレーブモジュールとの間には、デイジーチェーンラインを介して順次カスケード接続されてデイジーチェーン式センサネットワークを構成するために用いられ、通信回線を介してホストコンピュータに相互接続されるメインモジュールと、電力を供給するとともに前記スレーブモジュールにより変調された電流信号を伝送するために用いられ、それにより、前記メインモジュールがその電流信号を取得した後、復号して対応するセンサデータを得るデイジーチェーンラインと、を備える。本発明は、低消費電力で、アドレスが不要で、データ伝送チャネルを共有し、システムコストが低く、装置の取り付けが容易になるなどの利点を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デイジーチェーン2線式センサの測定システムであって、
1つまたは複数のセンサに接続され、その信号を検出した後、検出されたセンサ信号を対応する電流信号に変調する1つまたは複数のスレーブモジュールと、
前記1つまたは複数のスレーブモジュールのうちの第1スレーブモジュールとの間、上位スレーブモジュールと下位スレーブモジュールとの間には、デイジーチェーンラインを介して順次カスケード接続されてデイジーチェーン式センサネットワークを構成するために用いられ、通信回線を介してホストコンピュータに相互接続されるメインモジュールと、
電力を供給するとともに前記スレーブモジュールにより変調された電流信号を伝送するために用いられ、それにより、前記メインモジュールがその電流信号を取得した後、復号して対応するセンサデータを得るデイジーチェーンラインと、を備える
ことを特徴とするデイジーチェーン2線式センサの測定システム。
【請求項2】
前記メインモジュールは電源インタフェース、メイン下位スイッチ、メイン下位インタフェース、信号復調回路、メイン電圧安定化回路、メインコントローラ及び通信インタフェースを備える
ことを特徴とする請求項1に記載のデイジーチェーン2線式センサの測定システム。
【請求項3】
前記電源インタフェースは外部電源とメイン電圧安定化回路に接続され、前記メイン電圧安定化回路は前記メインコントローラに接続され、入力された電源電圧を安定化した後にメインコントローラ及びその周辺回路に出力するために用いられる
ことを特徴とする請求項2に記載のデイジーチェーン2線式センサの測定システム。
【請求項4】
前記メイン下位スイッチは前記メインコントローラに接続され、デイジーチェーンラインに直列接続され、前記メイン下位インタフェースを介して第1スレーブモジュールのスレーブ上位インタフェースのオンを制御する
ことを特徴とする請求項2に記載のデイジーチェーン2線式センサの測定システム。
【請求項5】
前記信号復調モジュールは前記メインコントローラに接続され、デイデジーチェーンライン上の電流信号を復号して対応するセンサデータを取得するために用いられる
ことを特徴とする請求項2に記載のデイジーチェーン2線式センサの測定システム。
【請求項6】
前記通信インタフェースは上位コンピュータに接続され、センサデータを前記上位コンピュータに伝送する
ことを特徴とする請求項2に記載のデイジーチェーン2線式センサの測定システム。
【請求項7】
前記スレーブモジュールは、スレーブ上位インタフェース及びスレーブ下位インタフェース、逆接続防止回路、スレーブ電圧安定化回路、信号変調回路、スレーブコントローラ及びスレーブ下位スイッチを備える
ことを特徴とする請求項1に記載のデイジーチェーン2線式センサの測定システム。
【請求項8】
前記スレーブモジュールにおいて、後段のスレーブモジュールにあるスレーブ上位インタフェースは前段のスレーブモジュールの前記スレーブ下位インタフェースに接続され、又は第1スレーブモジュールにあるスレーブ上位インタフェースはメインモジュールのメイン下位インタフェースに接続され、
前記スレーブ上位インタフェースとスレーブ下位インタフェースとの間にスレーブ下位バススイッチが接続され、後段のスレーブモジュールのオンを制御するために用いられ、
前記スレーブ上位インタフェースとスレーブコントローラとの間に前記スレーブ電圧安定化回路が接続され、デイジーチェーンバスにより入力された電圧を安定化した後にスレーブコントローラ及びその周辺回路に出力して電力を供給し、スレーブモジュールがデータを伝送する時、信号送信によるスレーブコントローラへの干渉を遮蔽するために用いられ、
前記スレーブ上位インタフェースとスレーブコントローラとの間に前記信号変調回路が接続され、センサ信号を対応する電流信号に変調し、デイジーチェーンラインを介してメインモジュールに伝送するために用いられる
ことを特徴とする請求項7に記載のデイジーチェーン2線式センサの測定システム。
【請求項9】
前記信号変調回路は発光ダイオード素子を信号変調に用い、データを送信するとともに、スレーブモジュールの動作状態を表示する
ことを特徴とする請求項8に記載のデイジーチェーン2線式センサの測定システム。
【請求項10】
前記スレーブモジュールは内部センサ及び外部センサを備え、前記内部センサ及び外部センサはスレーブコントローラに接続され、外部センサ、内部センサの検出に用いられ、前記内部センサは前記スレーブモジュールの内部パラメータを取得するために用いられ、前記外部センサは、温度センサ、超音波センサ、加速度センサ、ガス煙センサ、湿度センサ、振動センサ、感光センサ又はホールスイッチセンサの1つ又は複数を含むが、それらに限定されない
ことを特徴とする請求項1に記載のデイジーチェーン2線式センサの測定システム。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載のデイジーチェーン2線式センサの測定システムを使用する、デイジーチェーン2線式センサの測定方法であって、
システムを初期化し、センサ信号のサンプリングを起動し、収集されたセンサ信号を符号化するステップS1と、
センサ信号を対応する電流信号に変調した後にデイジーチェーンラインに送信するステップS2と、
S3における電流信号を復号し、対応するセンサデータを取得するステップS3と、
センサデータに基づいてスレーブモジュールの故障又はセンサデータの異常が存在するか否かを判断するステップS4と、を含む
ことを特徴とするデイジーチェーン2線式センサの測定方法。
【請求項12】
前記方法において、単一のスレーブモジュールのデータ伝送及び故障位置決めの場合は、
T0はバスオフ状態であり、メインモジュールにより制御され、この期間に、メインモジュールはメイン下位スイッチをオフにし、全てのスレーブモジュールは電源オフ状態にある状況と、
T1は同期フィールドであり、メインモジュールは既にメイン下位スイッチを起動し、スレーブモジュールは順次給電され、その時間長さはスレーブモジュールにより決定され、スレーブモジュールはT1時間帯内に給電及びセンサのサンプリング処理を完了した後、データを伝送する準備を行い、ここでT1の時間長さの上限はT1maxである状況と、
T2はデータ伝送期間であり、スレーブモジュールがセンサデータを収集し、データを処理した後、データを伝送する過程であり、T2の時間長さの上限はT2maxである状況と、を含む
ことを特徴とする請求項11に記載のデイジーチェーン2線式センサの測定方法。
【請求項13】
前記方法において、N個のスレーブモジュールのデータ伝送及び故障位置決めの場合は、
メインモジュールはメイン下位スイッチをオンオフし、T0期間を終了し、T1期間の計時を開始し、n=1に設定する状況S1と、
メインモジュールは計時してT1max時間内にデータを受信しないと、n個のスレーブモジュールの読み取りに失敗し、SEに移行する状況S2と、
メインモジュールはデータを受信してから、T2の計時を開始して、全てのデータを終了してデータ伝送の完了を待つ状況S3と、
T2>T2maxの場合、第Nスレーブモジュールデータがエラーであると認定され、SEに移行する状況S4と、
データにはチェックエラーが発生すると、SEに移行し、データにはセンサが開路し又は短絡する故障が表示される場合、S6に移行する状況S5と、
n=n+1とし、T1期間の計時を開始する状況S6と、
S2に移行する状況S7と、
n=N+1の場合、全てのスレーブモジュールデータが受信され、データセンシングが完了することを説明し、メインモジュールはメイン下位スイッチをオフにし、n<N+1の場合、n番目のスレーブモジュールのデータ通信が故障した状況SEと、を含む
ことを特徴とする請求項12に記載のデイジーチェーン2線式センサの測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信技術分野に関し、具体的には、デイジーチェーン2線式センサの測定システム及びその測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のセンサネットワークの多くはバストポロジ構造、例えば485ネットワーク技術を採用し、その各ノードは2本の通信線があり、バスで給電する時、また2本の電源線が必要であり、各ノードは独立したアドレスがあり、このネットワークの利点は、双方向通信ができ、データをアップロードすることができるだけでなく、制御命令を出すことができ、汎用の測量制御システムを適用することができることである。その欠点は、バスが4本のラインを持ち、配線が複雑で、線路コストとハードウェアコストが高く、各ノードが独立したアドレスを必要とし、プロトコルが複雑で、システムのインストールとデバッグが十分に便利ではないことである。
【0003】
市場で大量に応用されている美信公司(Maxim)の温度測定チップDS18B20は、1線式センサバス技術を採用し、2本の電源線のほかに、通信バスは1本で済み、すべてのチップに同じ3本のラインを接続すれば、データ通信を実現でき、各チップにはマークとして一意の独立したID番号を持っているため、配線はある程度簡単になったが、まだ3本のラインが必要であり、ID番号の区別により、取付・配置時にID番号を読み取る必要があり、交換が容易でないという欠点があった。
【0004】
デイジーチェーンネットワークは、一般的な通信トポロジーであり、センサネットワークに使用でき、各ノードには2対のトランシーバがあり、各ノードには2セクションの通信回線が接続され、各通信回線は2つのノードに接続され、ノード間は手をつないで接続され、ノードのデータは隣接ノードを介して転送され、従って、このネットワークはアドレスを必要とせず、しかし、デイジーチェーンネットワークノードはまだ独立した電力供給ラインを必要とするため、ノードは2本の電源線と2つの通信インタフェースを必要とし、通信が1線式であると、各ノードも4本のラインを外部接続する必要があり、データは末端からメインノードに伝送されるのは、大量の転送操作を必要とし、データが失われやすいため、大規模なネットワークを構成することに適当ではない。
【0005】
いくつかの電池管理アプリケーションでは、例えばコンテナのリチウム電池のエネルギー貯蔵システムには、多くの場合、数百パックの電池が直列に接続され、その中の各パックの電池は多くのリチウム電池を並列に接続することにより形成され、電池の安全性のために、これらの電池に対して温度測定を行う必要があり、現在の手段において、大量のセンサと通信バスが必要であり、接続が複雑で、有効な管理が難しい。そこで、本明細書ではデイジーチェーン2線式センサの測定システム及びその測定方法を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の技術の欠点に対して、本発明はデイジーチェーン2線式センサの測定システム及びその測定方法を開示し、上記存在する問題を解決するために用いられる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下の技術的解決手段により実現される。
【0008】
第1態様では、本発明はデイジーチェーン2線式センサの測定システムを開示し、
1つまたは複数のセンサに接続され、その信号を検出した後、検出されたセンサ信号を対応する電流信号に変調する1つまたは複数のスレーブモジュールと、
前記1つまたは複数のスレーブモジュールのうちの第1スレーブモジュールとの間、上位スレーブモジュールと下位スレーブモジュールとの間には、デイジーチェーンラインを介して順次カスケード接続されてデイジーチェーン式センサネットワークを構成するために用いられ、通信回線を介してホストコンピュータに相互接続されるメインモジュールと、
電力を供給するとともに前記スレーブモジュールにより変調された電流信号を伝送するために用いられ、それにより、前記メインモジュールがその電流信号を取得した後、復号して対応するセンサデータを得るデイジーチェーンラインと、を備える。
【0009】
さらに、前記メインモジュールは電源インタフェース、メイン下位スイッチ、メイン下位インタフェース、信号復調回路、メイン電圧安定化回路、メインコントローラ及び通信インタフェースを備える。
【0010】
さらに、前記電源インタフェースは外部電源とメイン電圧安定化回路に接続され、前記メイン電圧安定化回路は前記メインコントローラに接続され、入力された電源電圧を安定化した後にメインコントローラ及びその周辺回路に出力するために用いられる。
【0011】
さらに、前記メイン下位スイッチは前記メインコントローラに接続され、デイジーチェーン回路に直列接続され、前記メイン下位インタフェースを介して第1スレーブモジュールのスレーブ上位インタフェースのオンを制御する。
【0012】
さらに、前記信号復調モジュールは前記メインコントローラに接続され、デイデジーチェーンライン上の電流信号を復号して対応するセンサデータを取得するために用いられる。
【0013】
さらに、前記通信インタフェースは上位コンピュータに接続され、センサデータを前記上位コンピュータに伝送する。
【0014】
さらに、前記スレーブモジュールは、スレーブ上位インタフェース及びスレーブ下位インタフェース、逆接続防止回路、スレーブ電圧安定化回路、信号変調回路、スレーブコントローラ及びスレーブ下位スイッチを備える。
【0015】
さらに、前記スレーブモジュールにおいて、後段のスレーブモジュールにあるスレーブ上位インタフェースは前段のスレーブモジュールの前記スレーブ下位インタフェースに接続され、又は第1スレーブモジュールにあるスレーブ上位インタフェースはメインモジュールのメイン下位インタフェースに接続され、
前記スレーブ上位インタフェースとスレーブ下位インタフェースとの間にスレーブ下位バススイッチが接続され、後段のスレーブモジュールのオンを制御するために用いられ、
前記スレーブ上位インタフェースとスレーブコントローラとの間に前記スレーブ電圧安定化回路が接続され、デイジーチェーンバスにより入力された電圧を安定化した後にスレーブコントローラ及びその周辺回路に出力して電力を供給し、スレーブモジュールがデータを伝送する時、信号送信によるスレーブコントローラへの干渉を遮蔽するために用いられ、
前記スレーブ上位インタフェースとスレーブコントローラとの間に前記信号変調回路が接続され、センサ信号を対応する電流信号に変調し、デイジーチェーンラインを介してメインモジュールを伝送するために用いられる。
【0016】
さらに、前記信号変調回路は発光ダイオード素子を信号変調に用い、データを送信するとともに、スレーブモジュールの動作状態を表示する。
【0017】
さらに、前記スレーブモジュールは内部センサ及び外部センサを備え、前記内部センサ及び外部センサはスレーブコントローラに接続され、外部センサ、内部センサの検出に用いられ、前記内部センサは前記スレーブモジュールの内部パラメータを取得するために用いられ、前記外部センサは、温度センサ、超音波センサ、加速度センサ、ガス煙センサ、湿度センサ、振動センサ、感光センサ又はホールスイッチセンサの1つ又は複数を含むが、それらに限定されない。
【0018】
第2態様では、本発明はデイジーチェーン2線式センサの測定方法を開示し、前記測定方法は第1態様に記載のデイジーチェーン2線式センサの測定システムを使用し、
システムを初期化し、センサ信号のサンプリングを起動し、収集されたセンサ信号を符号化するステップS1と、
センサ信号を対応する電流信号に変調した後にデイジーチェーンラインに送信するステップS2と、
S3における電流信号を復号し、対応するセンサデータを取得するステップS3と、
センサデータに基づいてスレーブモジュールの故障又はセンサデータの異常が存在するか否かを判断するステップS4と、を含む。
【0019】
さらに、前記方法において、単一のスレーブモジュールのデータ伝送及び故障位置決めの場合は、
T0はバスオフ状態であり、メインモジュールにより制御され、この期間に、メインモジュールはメイン下位スイッチをオフにし、全てのスレーブモジュールは電源オフ状態にある状況と、
T1は同期フィールドであり、メインモジュールは既にメイン下位スイッチを起動し、スレーブモジュールは順次給電され、その時間長さはスレーブモジュールにより決定され、スレーブモジュールはT1時間帯内に給電、起動及びセンサのサンプリング処理を完了した後、データを伝送する準備を行い、ここでT1の時間長さの上限はT1maxである状況と、
T2はデータ伝送期間であり、即ちスレーブモジュールがセンサデータを収集し、データを処理した後、データを伝送する過程であり、T2の時間長さの上限はT2maxである状況と、を含む。
【0020】
さらに、前記方法において、N個のスレーブモジュールのデータ伝送及び故障位置決めの場合は、
メインモジュールはメイン下位スイッチをオンオフし、T0期間を終了し、T1期間の計時を開始し、n=1に設定する状況S1と、
メインモジュールは計時してT1max時間内にデータを受信しないと、n個のスレーブモジュールの読み取りに失敗し、SEに移行する状況S2と、
メインモジュールはデータを受信してから、T2の計時を開始して、全てのデータを終了してデータ伝送の完了を待つ状況S3と、
T2>T2maxの場合、第Nスレーブモジュールデータがエラーであると認定され、SEに移行する状況S4と、
データにはチェックエラーが発生すると、SEに移行し、データにはセンサが開路し又は短絡する故障が表示される場合、S6に移行する状況S5と、
n=n+1とし、T1期間の計時を開始する状況S6と、
S2に移行する状況S7と、
n=N+1の場合、全てのスレーブモジュールデータが受信され、データセンシングが完了することを説明し、メインモジュールはメイン下位スイッチをオフにし、n<N+1の場合、n番目のスレーブモジュールのデータ通信が故障した状況SEと、を含む。
【0021】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0022】
本発明のメインモジュールと複数のセンサ検出スレーブモジュールは、電源線を介して順次直列接続されてデイジーチェーン式センサ監視ネットワークを構成し、拡張しやすく、給電及び通信の共線技術を利用し、電源線のみを用いてメインモジュール及び複数のセンサ検出スレーブモジュールに給電してデータを伝送することで、現場の配線を簡略化し、電流モードを採用して信号を伝送し、抗干渉能力が高く、アドレスを符号化する必要がなく、またコストが低く、消費電力が低いという利点を有する。
【0023】
本発明は特殊なデイジーチェーン構造を採用し、下位センサ検出スレーブモジュールのデータはメインモジュールに直接送信され、前段のセンサ検出スレーブモジュールの転送を必要とせず、各センサ検出スレーブモジュールはサンプリング、データ送信及び下位バススイッチの制御のみを担当し、したがって、スレーブコントローラへの要件が非常に低く、低コストで実現しやすい。
【0024】
本発明は2線式バスを採用し、配線が便利であり、該技術的解決手段は他のセンサの監視システムに用いられてもよい。各センサスレーブモジュールはいくつかの外部センサに接続されてもよく、1つのデータ伝送チャネルを共有することができ、システムコストをさらに削減し、装置の取り付けを簡略化する。
【0025】
本発明の実施例又は従来技術における技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例又は従来技術の説明において使用に必要な図面を簡単に説明し、明らかに、以下に説明される図面は、本発明のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとっては、創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の実施例のデイジーチェーン2線式センサの測定システムの概略構造図である。
図2】本発明の実施例のスレーブモジュールの概略構造図である。
図3】本発明の実施例のスレーブモジュールの回路図である。
図4】本発明の実施例のメインモジュールの概略構造図である。
図5】本発明の実施例のメインモジュールの回路図である。
図6】本発明の実施例のデイジーチェーン2線式温度測定方法の概略フローチャートである。
図7】本発明の実施例の電池温度測定のための回路構造の概略図である。
図8】本発明の実施例の2線式デイジーチェーンセンサネットワークシステムのタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明瞭にするために、以下、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術的解決手段を明瞭かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施例は、全ての実施例ではなく、本発明の一部の実施例である。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わずに取得した他のすべての実施例は、本発明の保護範囲に属する。
【実施例1】
【0028】
本実施例は、図1に示されるデイジーチェーン2線式センサの測定システムを開示し、
1つまたは複数のセンサに接続され、その信号を検出した後、検出されたセンサ信号を対応する電流信号に変調する1つまたは複数のスレーブモジュールと、
1つまたは複数のスレーブモジュールのうちの第1スレーブモジュールとの間、上位スレーブモジュールと下位スレーブモジュールとの間には、デイジーチェーンラインを介して順次カスケード接続されてデイジーチェーン式センサネットワークを構成するために用いられ、通信回線を介してホストコンピュータに相互接続されるメインモジュールと、
電力を供給するとともにスレーブモジュールにより変調された電流信号を伝送するために用いられ、それにより、メインモジュールがその電流信号を取得した後、復号して対応するセンサデータを得るデイジーチェーンラインと、を備える。
【0029】
本実施例のメインモジュールは、電源インタフェース、メイン下位スイッチ、メイン下位インタフェース、信号復調回路、メイン電圧安定化回路、メインコントローラ及び通信インタフェースを備える。
【0030】
本実施例の電源インタフェースは外部電源とメイン電圧安定化回路に接続され、メイン電圧安定化回路はメインコントローラに接続され、入力された電源電圧を安定化した後にメインコントローラ及びその周辺回路に出力するために用いられる。
【0031】
本実施例のメイン下位スイッチはメインコントローラに接続され、デイジーチェーンラインに直列接続され、メイン下位インタフェースを介して第1スレーブモジュールのスレーブ上位インタフェースのオンを制御する。
【0032】
本実施例の信号復調モジュールはメインコントローラに接続され、デイデジーチェーンライン上の電流信号を復号して対応するセンサデータを取得するために用いられる。
【0033】
本実施例の通信インタフェースは上位コンピュータに接続され、センサデータを上位コンピュータに伝送する。
【0034】
本実施例のスレーブモジュールは、スレーブ上位インタフェース及びスレーブ下位インタフェース、逆接続防止回路、スレーブ電圧安定化回路、信号変調回路、スレーブコントローラ及びスレーブ下位スイッチを備える。
【0035】
スレーブモジュールにおいて、後段のスレーブモジュールにあるスレーブ上位インタフェースは前段のスレーブモジュールのスレーブ下位インタフェースに接続され、又は第1スレーブモジュールにあるスレーブ上位インタフェースはメインモジュールのメイン下位インタフェースに接続され、
スレーブ上位インタフェースとスレーブ下位インタフェースとの間にスレーブ下位バススイッチが接続され、後段のスレーブモジュールのオンを制御するために用いられ、
スレーブ上位インタフェースとスレーブコントローラとの間にスレーブ電圧安定化回路が接続され、デイジーチェーンバスにより入力された電圧を安定化した後にスレーブコントローラ及びその周辺回路に出力して電力を供給し、スレーブモジュールがデータを伝送する時、信号送信によるスレーブコントローラへの干渉を遮蔽するために用いられ、
スレーブ上位インタフェースとスレーブコントローラとの間に信号変調回路が接続され、センサ信号を対応する電流信号に変調し、デイジーチェーンラインを介してメインモジュールを伝送するために用いられる。
【0036】
本実施例の信号変調回路は発光ダイオード素子を信号変調に用い、データを送信するとともに、スレーブモジュールの動作状態を表示する。データを伝送する時、発光ダイオードが点滅する。
【0037】
本実施例のスレーブモジュールは、内部センサ及び外部センサを備え、内部センサ及び外部センサはスレーブコントローラに接続され、外部センサ、内部センサの検出に用いられ、内部センサはスレーブモジュールの内部パラメータを取得するために用いられる。
【0038】
本実施例の外部センサは、温度センサ、超音波センサ、加速度センサ、ガス煙センサ、湿度センサ、振動センサ、感光センサ又はホールスイッチセンサの1つ又は複数を含むが、それらに限定されない。
【0039】
本実施例は接続が簡単であり、メインモジュールと第1スレーブモジュールとの間、上位スレーブモジュールと下位スレーブモジュールとの間は、2本のラインのみを介して接続される。
【0040】
本実施例では、いずれのスレーブモジュールデータはメインモジュールに直接送信され、中間ノード転送を必要とせず、データ伝送は電流信号を採用し、遠距離、マルチノードのネットワークシステムに適する。
【0041】
本実施例では、スレーブモジュールはアドレスを符号化する必要がない。プロトコルには、アドレスフィールドも不要である。取付配置、デバッグ、メンテナンス及び交換を容易にする。
【0042】
本実施例のスレーブモジュール回路では、電圧安定化回路、ADサンプリング、MOSスイッチ及びいくつかの抵抗のみを必要とし、大容量及びインダクタンスがなく、集積回路の実現が容易であり、限界コストをさらに削減することができる。
【0043】
本実施例では、各ノードはデータを伝送する必要がある場合のみに動作し、他の時間には停電又はスリープモードにあり、モジュールのスリープ電力消費は約10uAレベルであり、100個のノードのネットワークであっても、その平均消費電力は1mAレベルだけである。
【実施例2】
【0044】
本実施例はデイジーチェーントポロジー構造を開示し、通信は温度検出スレーブモジュールがデータをメインモジュールに送信する一方向通信であり、温度検出スレーブモジュールは複数の温度センサに接続され、センサは一般的に距離が近い環境に分布する。
【0045】
例えば、同じ電池パックの異なる部位に貼り付けられ、そのため、その温度差が小さく、メインモジュールは大量の温度センサーデータを受信するのに多くの時間がかかる必要があるため、平均データリフレッシュ速度に影響を与えることを考慮し、本実施例はデータ圧縮アルゴリズムを提供する。
【0046】
本実施例はさらにシステムコストを削減し、体積を減少させ、故障率を減少させるために、温度検出スレーブモジュールにおけるスレーブコントローラは低精度の発振器をクロックソースとして採用することができる。
【0047】
例えば、チップ内部のRC発振器であり、このため、本実施例は大きなクロック誤差を許容できるデータ伝送プロトコルを提供し、
まず、温度センサの異常を選別し、温度センサが開路すると、Tn=Tmaxとし、温度センサが短絡すると、Tn=0とし、(0,Tmax)区間の値は温度センサの実測値であり、例えばTn=1の場合、対応する温度は-40℃であり、Tn=160の場合、対応する温度は120℃である。
【0048】
コントローラから収集されたセンサの正常なN個の温度値の最小値Tminを求め、基準値として、Tn′=Tn-Tminを温度差として取り、4つの温度センサを例として、その伝送プロトコルは以下のフィールドで構成される。
【0049】
1、測定間隔フィールド。測定間隔フィールドは温度検出スレーブモジュールが給電された後、各温度センサの測定値を測定する時間であり、及び一定の時間間隔を維持して前段の12温度検出スレーブモジュールのデータ伝送のデータ波形を分割する。
【0050】
2、クロック同期フィールド。温度検出スレーブモジュールは自身のクロックを基準として、1010を順次送信することにより、自身が使用するクロック周波数をメインモジュールに通知する。メインモジュールは受信した2つの「1」の間隔時間に基づいて温度検出スレーブモジュールが使用したクロック基準を決定する。そのクロックビット幅をWとする。
【0051】
3、温度基準値フィールド。W間隔で、ビットごとにTminの2進符号化を送信する。全ての温度センサが短絡すると、Tmin=00000000bであり、温度差フィールドが空であり、全ての温度センサが開路すると、Tmin=11111111bであり、温度差フィールドが空であり、温度センサの一部が開路し、一部が短絡し、且つ正常な温度センサがないと、Tmin=00000000bとし、温度差フィールドが空ではない。
【0052】
4、温度差フィールド。N個の温度差Tn‘は、以下の符号化規則に従って順次送信され、該温度差が8より小さい場合、10b+Tn’3(Tn‘3は3ビットの2進数である)を送信し、温度差が0に等しい場合、1100bを送信し、該温度センサが開路すると1110bを送信し、該温度センサが短絡すると1101bを送信し、該温度差が8以上であると01b+Tn’8を送信する。
【0053】
5、チェックフィールド。パリティチェック又は他のチェック方式を採用してチェック結果を計算して送信する。
【0054】
本実施例では、クロック同期フィールド、温度基準値フィールド、温度差フィールド、チェックフィールドをデータ伝送フィールドとして総称する。
【0055】
本実施例では該プロトコル及び符号化規則を採用する利点は、温度センサの故障タイプ及び符号化を定義し、デバッグしやすいことである。コードストリームには連続する10個の0b、即ち0000000000bが現れず、同期外れが難しい。コードストリームには連続する10個の1b、即ち1111111111bが現れず、同期外れが難しい。故障コードを伝送する時間が短く、センサの故障が全体的な通信に与える影響は小さい。プロトコルはスレーブモジュールが採用したクロックを暗黙的に約束し、したがって、低精度クロックシステムに用いることができる。4つの温度センサを例とし、ほとんどの場合、該プロトコルは8~12ビットのデータ伝送時間を節約することができる。大きな温度差が発生しても、正確に伝送することができる。
【実施例3】
【0056】
本実施例はデータ伝送時間をさらに減少させ、データリフレッシュレート(例えば200パックの電池であり、各パックは10個の単電池で並列接続された大型エネルギー蓄積システムを有し、数千個の温度値を伝送するのに多くの時間がかかる)を向上させ、電池温度の異常を可能な限り早期に発見し、安全性を向上させるために、図7に示す回路構造を採用する。
【0057】
図中のR21、R24、Q22は28信号変調モジュールであり、R21a、R24a、Q22aは別の28信号変調モジュールであり、両者は並列接続され、21スレーブコントローラによりそれぞれ制御され、Q22、Q22aのオン抵抗を無視する場合、R21>R21aとすると、以下の4種類の状況がある。
【0058】
1、Q22、Q22aを全てオフにし、28信号変調モジュールの総出力電流は0であり、R11の電圧は0であり、I0と記し、
2、Q22aをオフにし、Q22をオンにし、28信号変調モジュールの総出力電流がR21の電流に等しく、I1と記し、
3、Q22aをオンにし、Q22をオフにし、28信号変調モジュールの総出力電流がR21aの電流に等しく、I2と記し、
4、Q22aをオンにし、Q22をオンにし、28信号変調モジュールの総出力電流は、R21aの電流にR21の電流を加算したものに等しく、I3と記す。
【0059】
本実施例では、R21>R21aであるため、I0<I1<I2<I3であり、適切なR21、R21aの抵抗値を選択し、メインモジュールのR11(図5)で明らかに区別できる4種類の電圧を取得することができ、このような変調回路により、4シンボルの符号化を実現することができ、例えばI0が00bに対応し、I1が01bに対応し、I2が10bに対応し、I3が11bに対応し、該シンボル符号化がデータ伝送の速度を大幅に向上させることができる。
【0060】
本実施例の変調回路は、回路が簡単であり、実現しやすい。コストが低く、シンボル符号化を採用し、伝送時間を大幅に節約し、シンボル間の区別が大きく、エラーコードが発生しにくくなる。
【0061】
本実施例が採用する4シンボルの伝送プロトコル及び符号化規則は以下のとおりである。
【0062】
1、測定間隔フィールド。
【0063】
2、クロック同期フィールド。12温度検出スレーブモジュールは自身のビットクロックWを基準として、I3、I2、I1、I0を順次送信することにより、自身が使用するクロック周波数及びシンボルレベルを11メインモジュールに通知する。
【0064】
3、温度基準値フィールド。W間隔で、ビットごとにTminの4進符号化を送信する。全ての温度センサが短絡すると、Tmin=0000q(4進数)であり、温度差フィールドが空であり、全ての温度センサが開路すると、Tmin=3333q(4進数)であり、温度差フィールドが空であり、温度センサの一部が開路し、一部が短絡し、且つ正常な温度センサがないと、Tmin=0000qとし、温度差フィールドが空ではない。
【0065】
4、温度差フィールド。N個の温度差Tn‘は、以下の符号化規則に従って順次送信され、該温度差が16より小さい場合、2q+Tn’2q(Tn’2qは2ビットの4進数である)を送信し、温度差が0に等しい場合、30qを送信し、該温度センサが開路すると32qを送信し、該温度センサが短絡すると31qを送信し、該温度差が16以上であると1q+Tn’4qを送信する。
【0066】
5、チェックフィールド。パリティチェック又は他のチェック方式を採用してチェック結果を計算して送信する。
【0067】
本実施例では、プロトコルはシンボル符号化を採用し、伝送効率が高く、コードストリームには連続する5個の0qが現れず、連続する5個の3qも現れず、同期外れが難しく、クロック精度に対する要件がより低く、同期フィールドは同時にビットタイミングの伝送及びビット符号化の伝送を完了する。
【実施例4】
【0068】
本実施例は温度測定を例として、デイジーチェーン2線式温度測定システムを開示し、温度信号を取得するためのメインモジュール及び温度信号を検出するための複数の温度検出スレーブモジュールを備え、メインモジュールと複数の温度検出スレーブモジュールは、電源線を介して順次直列接続されてデイジーチェーン式温度監視ネットワークを構成し、温度検出スレーブモジュールは、検出された温度信号を対応する電流信号に変調して電源線を介して伝送し、メインモジュールは電源線での電流信号を復号して対応する温度データを取得する。
【0069】
本実施例では、複数の温度検出スレーブモジュールはいずれも相互に接続された温度伝送上位インタフェース及び温度伝送下位インタフェースを備え、後段の温度検出スレーブモジュールの温度伝送上位インタフェースは、電源線を介して前段の温度検出スレーブモジュールの温度伝送下位インタフェースに接続され、それにより温度信号をメインモジュールに直接伝送することを実現し、前段の温度検出スレーブモジュールが温度信号を処理する必要がない。
【0070】
本実施例では、デイジーチェーンの概念は多くのデイジーが直列接続されて形成された花環であり、本実施例では複数の温度検出スレーブモジュールが順次直列接続され、それぞれ第1段階温度検出スレーブモジュール、第2段階温度検出スレーブモジュールであり…、検出された温度信号をメインモジュールに伝送する。
【0071】
本実施例のデイジーチェーン構造の最大の利点は、有限の信号伝送線を利用して複数台の装置を接続することができ、同じサービスを共有し、且つバス競合及びブロッキングなどの問題が存在しない。温度検出スレーブモジュールを拡張する必要がある場合、デイジーチェーン構造の尾部のみに直列接続すればよく、従って、デイジーチェーン構造は拡張されやすい。
【0072】
従来の技術においてそれぞれ電源線を用いて給電し、通信線を用いて通信し、温度検出スレーブモジュールが多い場合、線路の複雑度を増加させ、線路故障も発生しやすい。
【0073】
本実施例では、温度検出スレーブモジュールは温度信号を符号化して線路電流を変更することにより、メインモジュールは電源線での電流信号を復号して対応する温度データを取得し、それにより温度信号の伝送を実現する。2本の電源線を介して給電を実現すると同時に温度信号の伝達を行い、それにより単独で通信する通信線を省略し、それによりアドレスを符号化する必要がない。電流モードの伝送信号を採用し、抗干渉能力が高い。
【0074】
温度検出スレーブモジュールは温度信号を符号化する時、一意の対応する番号を添加し、メインモジュールは電流信号を復号する時、番号に基づいて温度信号の発生源を判断することができ、温度信号は異常が発生する場合、故障が発生した温度検出スレーブモジュールを判断することもできる。
【0075】
本実施例では、図2、4に示すように、メインモジュールは電源インタフェース及び下位温度伝送インタフェースを備え、複数の温度検出スレーブモジュールはいずれも温度伝送上位インタフェース及び温度伝送下位インタフェースを備える。
【0076】
電源インタフェースは電源に接続され、下位温度伝送インタフェースは電源線を介して第1段階温度検出スレーブモジュールの温度伝送上位インタフェースに接続され、後段の温度検出スレーブモジュールの温度伝送上位インタフェースは電源線を介して前段の温度検出スレーブモジュールの温度伝送下位インタフェースに接続される。デイジーチェーン式の接続方式により、拡張しやすく、またメインモジュールの通信インタフェースも節約する。
【0077】
電源インタフェースは直流電圧を入力し、入力電源電圧が12Vであることを提案する。いくつかの実施例では、逆接続防止ダイオードを設計して入力電源の逆接続を防止し、又はフルブリッジ整流回路を設計して、電源の極性を無視し、電源の正逆接続法ではいずれも動作することができる。
【0078】
本実施例では、複数の温度検出スレーブモジュールはいずれも、
温度信号を取得するための温度センサと、
温度伝送上位インタフェースと温度伝送下位インタフェースとの間に接続され、後段の温度検出スレーブモジュールのオンを制御するためのスレーブ下位バススイッチと、
温度センサ、スレーブ下位バススイッチ及び温度伝送下位インタフェースに接続され、温度センサ、スレーブ下位バススイッチ及び温度伝送下位インタフェースを制御するためのスレーブコントローラと、
温度伝送上位インタフェースとスレーブコントローラとの間に接続され、温度信号を対応する電流信号に変調するための信号変調モジュールと、を備える。
【0079】
本実施例では、複数の温度検出スレーブモジュールはいずれも、温度伝送上位インタフェースと温度伝送下位インタフェースとの間に接続され、入力された電源電圧を安定化した後に出力するためのスレーブ電圧安定化回路を備える。電圧が大きく変化する場合、出力電圧を安定化させ、スレーブコントローラに安定した直流電源を提供する。
【0080】
図3は温度検出スレーブモジュールの回路図であり、図においてMCU_Sはスレーブコントローラで、LDOはスレーブ電圧安定化回路であり、抵抗R24、スイッチトランジスタQ22、コンデンサC21、抵抗R21は信号変調モジュールを構成し、R5、RTは温度センサ回路を構成し、抵抗R22、コンデンサC22、スイッチトランジスタQ21、抵抗R23、スイッチトランジスタQ22はスレーブ下位バススイッチを構成する。BUS+0、BUS-は温度伝送上位インタフェースを構成し、BUS+1、BUS-は温度伝送下位インタフェースを構成する。
【0081】
温度伝送上位バスに電圧が現れた後、スレーブコントローラは給電して起動され、一定の安定時間を経過した後、温度サンプリングを開始し、温度検出スレーブモジュールが給電された後、コンデンサC22、C21の電圧はOVに維持され、スレーブコントローラDOのピンがハイレベルを出力し、スイッチトランジスタQ22をオンにし、コンデンサC22の電圧が急変できないため、スイッチトランジスタQ21はオフ状態を維持し、コンデンサC21の電圧が急変できず、抵抗R21が瞬間的に温度伝送上位インタフェースの電圧を受け、従って、大きな変調電流を生成する。
【0082】
次にスレーブコントローラDOはローレベルを出力し、スイッチトランジスタQ22をオフにし、少なくともスイッチトランジスタQ22が長時間オンにせず、スイッチトランジスタQ21がオフ状態を維持し、スイッチトランジスタQ22のオン、オフ期間に上位バスにパルス電流を生成し、このパルス電流を利用し、全ての前段の温度検出スレーブモジュールの下位バススイッチがオン状態にあるため、温度情報を温度伝送上位バスに伝達することができ、メインコントローラの復調回路で変調された温度データを直接復元することができる。
【0083】
温度データの伝送が完了した後、スレーブコントローラDOがハイレベル出力状態を維持すると、抵抗R21の電流は徐々にゼロまで減少し、コンデンサC22の電圧は徐々に増大し、スイッチトランジスタQ21をオンにし、後段の温度検出スレーブモジュールが起動され、同時に本温度検出スレーブモジュールは低消費電力のスリープ状態に入ることができる。
【0084】
本実施例では、メインモジュールは、電源線での電流信号を復号して対応する温度データを取得するための信号復調モジュールと、信号復調モジュール及び下位温度伝送インタフェースに接続され、下位温度伝送インタフェースのオンを制御するためのメインコントローラと、を備える。
【0085】
本実施例では、メイン下位バススイッチは下位温度伝送インタフェースとメインコントローラとの間に接続され、また、下位温度伝送インタフェースとメイン下位バススイッチとの間にさらにサンプリング抵抗Rが直列接続され、信号復調モジュールとサンプリング抵抗Rは並列接続されてメインコントローラに接続される。
【0086】
本実施例では、信号復調モジュールは、電源線に直列接続され信号復調モジュールに並列接続されたサンプリング抵抗Rを備え、信号復調モジュールはサンプリング抵抗での電圧をサンプリングして復調する。
【0087】
電源線での電流が変化する場合、サンプリング抵抗Rでの電圧も同様に変化し、信号復調モジュールは電圧の変化に基づいて復号して対応する温度データを取得する。
【0088】
本実施例では、メインモジュールはさらに、電源インタフェース及び下位温度伝送インタフェースに接続され、温度検出スレーブモジュールのオンを制御するためのメイン下位バススイッチを備える。
【0089】
本実施例では、メインモジュールはさらに、電源インタフェース及びメインコントローラに接続され、入力された電源電圧を安定化した後に出力するためのメイン電圧安定化回路を備える。
【0090】
電源電圧が大きく変化する場合、出力電圧を安定化させ、メインコントローラに安定した直流電源を提供する。
【0091】
本実施例では、温度データの記憶及び分析を容易にするために、メインモジュールはさらに、メインコントローラ及び上位コンピュータに接続され、温度データを上位コンピュータに伝送するための通信インタフェースを備える。
【0092】
本実施例では、図5はメインモジュールの回路図であり、図においてMCU_Mはメインコントローラであり、コンパレータcomp、抵抗R11、R12、ダイオードD11は1つの簡単な復調回路を構成し、抵抗R10、スイッチトランジスタQ11は1つの下位バススイッチを構成し、スイッチトランジスタQ11がメインコントローラの制御下でオンにした後、サンプリング抵抗R11に電圧が生成され、スレーブモジュール変調回路に電流が発生した後、抵抗R11にも該電流が流れ、電圧を生成し、復調回路は該電圧の大きさを比較することができ、それにより温度データ信号を復元する。
【実施例5】
【0093】
本実施例は図6に示されるデイジーチェーン2線式温度測定方法を開示し、
温度検出スレーブモジュールは、温度サンプリングを開始し、温度信号を符号化するステップS1と、
温度検出スレーブモジュールは、信号変調モジュールにより温度信号を対応する電流信号に変調して電源線に送信するステップS2と、
電流信号は、信号復調モジュールによって復号されて、対応する温度データを取得するステップS3と、
メインコントローラは、温度データに基づいて、温度検出スレーブモジュールの故障または温度異常があるか否かを判断するステップS4と、を含む。
【0094】
本実施例では、メインモジュールは上位コンピュータの通信インタフェースから送信されたコマンドを受信し、温度測定フロセスを開始し、メインコントローラは下位バススイッチをオンにし、データを受信する準備ができる。
【0095】
本実施例では、温度検出スレーブモジュールは給電されて動作を開始し、温度サンプリングを開始し、温度信号を符号化し、温度検出スレーブモジュールは温度信号を信号変調モジュールにより電源線に送信し、温度信号は、電源線を介してメインモジュールの信号復調ユニットにおいて抵抗電圧の変化を完成し 、復調回路を介してシリアル信号に変換されてメインモジュールのメインコントローラにより受信される。
【0096】
本実施例では、温度検出スレーブモジュールは下位バススイッチをオンにし、バスを後段の温度検出スレーブモジュールに接続した後、スリープを開始し、本段の温度検出スレーブモジュールを低消費電力のスリープ状態にする。
【0097】
上記ステップを全ての温度検出スレーブモジュールのデータ伝送が完了するまで繰り返す。メインコントローラは下位バススイッチをオフにし、全ての温度データを分析処理し、温度検出スレーブモジュールの故障又は温度異常があるか否かを判断する。
【0098】
本実施例では、メインモジュールは、収集された温度データ及び故障情報を上位コンピュータの通信インタフェースを介して上位コンピュータに伝送し、ここまで温度データの収集プロセスを1回完了する。測定プロセス全体において、スレーブモジュールは順次給電され、データを伝送した後にスリープし、低消費電力状態にあり、測定が完了した後にメインコントローラは下位バススイッチをオフにした後に全ての温度検出スレーブモジュールが停電して消費電力を低減するため、測定プロセス全体において、システムは低消費電力の特徴がある。
【実施例6】
【0099】
本実施例は故障位置決め方法を開示し、図8に2線式デイジーチェーンセンサシステムのタイミング図を示す。
【0100】
T0はバスオフ状態であり、メインモジュールにより制御され、この期間に、メインモジュールはメイン下位スイッチをオフにし、全てのスレーブモジュールは電源オフ状態にある。
【0101】
T1は同期フィールドであり、メインモジュールは既にメイン下位スイッチを起動し、スレーブモジュールは順次給電され、その時間長さはスレーブモジュールにより決定され、スレーブモジュールはT1時間帯内に給電、起動及びセンサのサンプリング処理を完了した後、データを伝送する準備を行う。T1の時間長さの上限はT1maxである。
【0102】
T2はデータ伝送期間であり、即ちスレーブモジュールがセンサデータを収集し、データを処理した後、データを伝送する過程である。T2の時間長さの上限はT2maxである。
【0103】
本実施例はN個のスレーブモジュールの2線式デイジーチェーンセンサシステムのデータ伝送及び故障位置決め方法を有する。
S1としては、メインモジュールはメイン下位スイッチをオンオフし、T0期間を終了し、T1期間の計時を開始し、n=1に設定する。
S2としては、メインモジュールは計時してT1max時間内にデータを受信しないと、n個のスレーブモジュールの読み取りに失敗し、SEに移行する。
S3としては、メインモジュールはデータを受信してから、T2の計時を開始して、全てのデータを終了してデータ伝送の完了を待つ。
S4としては、T2>T2maxの場合、第Nスレーブモジュールデータがエラーであると認定され、SEに移行する。
S5としては、データにはチェックエラーが発生すると、SEに移行し、データにはセンサが開路し又は短絡する故障が表示される場合、S6に移行する。
S6としては、n=n+1とし、T1期間の計時を開始する。
S7としては、S2に移行する。
SEとしては、n=N+1の場合、全てのスレーブモジュールデータが受信され、データセンシングが完了することを説明し、メインモジュールはメイン下位スイッチをオフにし、n<N+1の場合、n番目のスレーブモジュールのデータ通信が故障した。
【0104】
以上、本発明のメインモジュールと複数のセンサ検出スレーブモジュールは、電源線を介して順次直列接続されてデイジーチェーン式センサ監視ネットワークを構成し、拡張しやすく、給電及び通信の共線技術を利用し、電源線のみを用いてメインモジュール及び複数のセンサ検出スレーブモジュールに給電してデータを伝送することで、現場の配線を簡略化し、電流モードを採用して信号を伝送し、抗干渉能力が高く、アドレスを符号化する必要がなく、またコストが低く、消費電力が低いという利点を有する。
【0105】
本発明は特殊なデイジーチェーン構造を採用し、下位センサ検出スレーブモジュールのデータはメインモジュールに直接送信され、前段のセンサ検出スレーブモジュールの転送を必要とせず、各センサ検出スレーブモジュールはサンプリング、データ送信及び下位バススイッチの制御のみを担当し、したがって、スレーブコントローラへの要件が低く、低コストで実現しやすい。
【0106】
本発明は2線式バスを採用し、配線が便利であり、該技術的解決手段は他のセンサの監視システムに用いられてもよい。各センサスレーブモジュールはいくつかの外部センサに接続されてもよく、1つのデータ伝送チャネルを共有することができ、システムコストをさらに削減し、装置の取り付けを簡略化する。
【0107】
以上の実施例は本発明の技術的解決手段を説明するために用いられるに過ぎず、それを限定するものではなく、前述の実施例を参照して本発明を詳細に説明したが、当業者であれば、依然として前述の各実施例に記載された技術的解決手段に対して修正を行い、又はそのうちの一部の技術的特徴に対して同等の置換を行うことができ、これらの修正又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本発明の各実施例の技術的解決手段の精神及び範囲から逸脱させないことを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】