(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-27
(54)【発明の名称】施設を安全にするためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G08B 25/10 20060101AFI20220916BHJP
G08B 27/00 20060101ALI20220916BHJP
【FI】
G08B25/10 A
G08B27/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502900
(86)(22)【出願日】2020-07-15
(85)【翻訳文提出日】2022-02-03
(86)【国際出願番号】 US2020042046
(87)【国際公開番号】W WO2021011599
(87)【国際公開日】2021-01-21
(32)【優先日】2019-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】522019465
【氏名又は名称】ヴォラン テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】VOLAN TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100224683
【氏名又は名称】齋藤 詩織
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ベトゥア
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー チノウスキー
(72)【発明者】
【氏名】アレクザンダー エム アデルソン
(72)【発明者】
【氏名】チミン チェ
(72)【発明者】
【氏名】カークイ チェン
【テーマコード(参考)】
5C087
【Fターム(参考)】
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA11
5C087BB20
5C087BB74
5C087DD03
5C087DD20
5C087EE07
5C087EE14
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG57
5C087GG66
5C087GG83
(57)【要約】
部屋、廊下および他の区域を有する施設内で使用するための方向性位置決定システムは、施設内の選択されるユーザによって携行又は装着される複数の携帯型ユニットと、施設内の複数の位置の各々に取り付けられる複数の固定型ユニットと、管理ユニットとを含むことができる。携帯型ユニットのうちの少なくとも1つは、押下されるとある種類の緊急事態に関する信号を送信する少なくとも1つのボタンを含むことができる。固定型ユニットのうちの少なくとも1つは、緊急事態中に移動する方向を示すための表示装置を含むことができる。管理ユニットは、警備担当者によって監視されるように構成されることができ、複数の携帯型ユニットのいずれかまたは複数の固定型ユニットのいずれかから送信される任意の信号を受信するように構成されることができる。複数の携帯型ユニットと複数の固定型ユニットと管理ユニットとは、メッシュネットワークを形成することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋、廊下および他の区域を有する施設内で使用するための方向性位置決定システムであって、前記システムは、
前記施設内の選択されるユーザによって携行または装着される複数の携帯型ユニットであって、前記携帯型ユニットのうちの少なくとも1つは、押下されると特定の種類の緊急事態について信号を送信する少なくとも1つのボタンを含む、携帯型ユニットと、
前記施設内の複数の場所の各々に取り付けられる複数の固定型ユニットであって、前記固定型ユニットのうちの少なくとも1つは、緊急事態の間に移動する方向を示すための表示装置を含む、固定型ユニットと、
管理ユニットであって、前記管理ユニットは警備担当者によって監視されるように構成され、前記管理ユニットは、前記複数の携帯型ユニットのいずれかまたは前記複数の固定型ユニットのいずれかから送信される任意の信号を受信するように構成される、管理ユニットと、
を含み、
前記複数の携帯型ユニットと、前記複数の固定型ユニットと、前記管理ユニットとはメッシュネットワークを形成する、
システム。
【請求項2】
請求項1に記載の方向性位置決定システムにおいて、前記複数の携帯型ユニットの各々と、前記複数の固定型ユニットの各々と、前記管理ユニットとは、前記メッシュネットワーク内のすべての他のユニットと無線通信し、すべての信号を受信するように構成される、システム。
【請求項3】
請求項2に記載の方向性位置決定システムにおいて、前記複数の携帯型ユニットの各々と、前記複数の固定型ユニットの各々と、前記管理ユニットとは、前記メッシュネットワーク内のすべての他のユニットと対話するように構成される、システム。
【請求項4】
請求項1に記載の方向性位置決定システムにおいて、前記携帯型ユニットのうちの少なくとも1つは、複数のボタンを含む完全機能ユニットであり、各ボタンは方向性命令に関連付けられる、システム。
【請求項5】
請求項4に記載の方向性位置決定システムにおいて、ボタンが前記完全機能ユニットにおいて押下されることに応答して、前記複数の固定型ユニットのうちの少なくとも一部は、
前記ボタンに関連付けられる信号を前記完全機能ユニットから受信することと、
前記ボタンに関連付けられる前記方向性命令に基づいて、前記表示装置上の少なくとも1つの光を点灯させることと、
を実行するように構成される、システム。
【請求項6】
請求項1に記載の方向性位置決定システムにおいて、前記複数の携帯型ユニットのうちの少なくとも一部は、静止している間に、第1の所定の頻度で前記管理ユニットに情報を一斉送信するように構成される、システム。
【請求項7】
請求項6に記載の方向性位置決定システムにおいて、前記複数の携帯型ユニットのうちの前記少なくとも一部は、ボタンが押下されて特定の種類の緊急事態に関連付けられる信号を送信することに応答して、第2の所定の頻度で前記管理ユニットに前記情報を一斉送信するように構成され、第2の前記頻度は第1の前記頻度よりも高い、システム。
【請求項8】
請求項7に記載の方向性位置決定システムにおいて、前記複数の携帯型ユニットのうちの前記少なくとも一部は、前記管理ユニットからの無効化信号に応答して、第1の前記頻度で前記管理ユニットに前記情報を一斉送信するように構成される、システム。
【請求項9】
請求項6に記載の方向性位置決定システムにおいて、前記情報は、
携帯型ユニットに関連付けられるID、
前記携帯型ユニットに関連付けられる位置、
前記携帯型ユニットに関連付けられる名前、または、
前記携帯型ユニットに関連付けられる役割、
のうちの少なくとも1つを含む、システム。
【請求項10】
請求項6に記載の方向性位置決定システムにおいて、前記複数の携帯型ユニットのうちの前記少なくとも1つは、移動するときに、第1の前記頻度よりも高い頻度で、前記管理ユニットに情報を一斉送信するように構成される、システム。
【請求項11】
部屋、廊下および他の区域を有する施設内で使用するための位置決定警告システムであって、前記システムは、
前記施設内の選択されるユーザの第1のグループによって携行または装着される第1の複数の携帯型ユニットであって、前記第1の複数の携帯型ユニットの各々は、複数のボタンと、複数の緊急事態に関連付けられる複数のLEDとを含む、第1の複数の携帯型ユニットと、
前記施設内の選択されるユーザの第2のグループによって携行または装着される第2の複数の携帯型ユニットであって、前記第2の複数の携帯型ユニットの各々は、前記複数の緊急事態に関連付けられる複数のLEDを含む、第2の複数の携帯型ユニットと、
前記施設内の複数の場所の各々に取り付けられる複数の固定型ユニットと、
管理ユニットであって、前記管理ユニットは警備担当者によって監視されるように構成され、前記管理ユニットは、前記第1の複数の携帯型ユニットまたは第2の複数の携帯型ユニットのいずれかから送信される任意の信号を受信するように構成される、管理ユニットと、
を含み、
前記第1の複数の携帯型ユニットおよび第2の複数の携帯型ユニットと、前記複数の固定型ユニットと、前記管理ユニットとはメッシュネットワークを形成する、
システム。
【請求項12】
請求項11に記載の位置決定警告システムにおいて、前記第1の複数の携帯型ユニットおよび第2の複数の携帯型ユニットの各々と、前記複数の固定型ユニットと、前記管理ユニットとは、前記メッシュネットワーク内のすべての他のユニットと無線通信して、すべての信号を受信するように構成される、システム。
【請求項13】
請求項12に記載の位置決定警告システムにおいて、前記第1の複数の携帯型ユニットおよび第2の複数の携帯型ユニットの各々と、前記複数の固定型ユニットの各々と、前記管理ユニットとは、前記メッシュネットワーク内のすべての他のユニットと対話するように構成される、システム。
【請求項14】
請求項11に記載の位置決定警告システムにおいて、前記第1の複数の携帯型ユニットおよび第2の複数の携帯型ユニットのうちの少なくとも一部は、静止している間に、第1の所定の頻度で前記管理ユニットに情報を一斉送信するように構成される、システム。
【請求項15】
請求項14に記載の位置決定警告システムにおいて、前記第1の複数の携帯型ユニットおよび第2の複数の携帯型ユニットのうちの前記少なくとも一部は、ボタンが前記第1の複数の携帯型ユニットのうちの1つにおいて押下されて特定の種類の緊急事態に関連付けられる信号を送信することに応答して、第2の所定の頻度で前記管理ユニットに前記情報を一斉送信するように構成され、第2の前記頻度は第1の前記頻度よりも高い、システム。
【請求項16】
請求項15に記載の位置決定警告システムにおいて、前記第1の複数の携帯型ユニットおよび第2の複数の携帯型ユニットのうちの前記少なくとも一部は、前記管理ユニットからの無効化信号に応答して、第1の前記頻度で前記管理ユニットに前記情報を一斉送信するように構成される、システム。
【請求項17】
請求項14に記載の位置決定警告システムにおいて、前記情報は、
携帯型ユニットに関連付けられるID、
前記携帯型ユニットに関連付けられる位置、
前記携帯型ユニットに関連付けられる名前、または
前記携帯型ユニットに関連付けられる役割、
のうちの少なくとも1つを含む、システム。
【請求項18】
請求項14に記載の位置決定警告システムにおいて、前記第1の複数の携帯型ユニットおよび第2の複数の携帯型ユニットのうちの前記少なくとも1つは、移動するときに、第1の前記頻度よりも高い頻度で前記管理ユニットに情報を一斉送信するように構成される、システム。
【請求項19】
請求項11に記載の位置決定警告システムにおいて、前記第2の複数の携帯型ユニットは、緊急事態に関連付けられるボタンが前記第1の複数の携帯型ユニットのうちの1つにおいて押下されることに応答して、無効化信号が前記管理ユニットから受信されるまで、前記緊急事態に関連付けられるLEDを点灯させるように構成される、システム。
【請求項20】
請求項11に記載の位置決定警告システムにおいて、前記第1の複数の携帯型ユニットのうちの少なくとも1つは、緊急事態に関連付けられるボタンが、押下される前記第1の複数の携帯型ユニットのうちの前記少なくとも1つにおいて押下されることに応答して、前記少なくとも1つのユニットに関連付けられる位置を前記管理ユニットに一斉送信するように構成される、システム。
【請求項21】
場所内の無線メッシュネットワークにおける疾患の伝播を追跡するための方法であって、前記方法は、
前記無線メッシュネットワーク内の選択されるユーザによって装着または携行される携帯型ユニットに関連付けられる情報を取得することであって、前記情報は、所定の時間フレームについての位置および時間情報を含む、ことと、
前記取得された情報から、前記時間フレーム内に前記携帯型ユニットによって入室された前記場所内の部屋を識別することと、
識別された部屋毎に部屋スコアを計算することと、
前記無線メッシュネットワーク内の複数の他の選択されるユーザによって装着または携行され、前記時間フレーム内に識別された各部屋に入室した複数の他の携帯型ユニットを識別することと、
前記複数の他の携帯型ユニットの各々について、曝露スコアを計算することと、
所定の閾値より大きい曝露スコアを有する、前記複数の他の携帯型ユニットのうちの携帯型ユニットを識別することと、
を含む、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法において、前記携帯型ユニットと、前記複数の他の携帯型ユニットの各々と、複数の固定型ユニットとは、前記メッシュネットワーク内のすべての他のユニットと無線通信して、すべての信号を受信するように構成される、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法において、前記携帯型ユニットと、前記複数の他の携帯型ユニットの各々と、前記複数の固定型ユニットとは、前記メッシュネットワーク内のすべての他のユニットと対話するように構成される、方法。
【請求項24】
請求項21に記載の方法において、前記場所内の各部屋は、前記メッシュネットワーク内でジオフェンスされる、方法。
【請求項25】
請求項21に記載の方法において、識別される各部屋の前記部屋スコアは、時間に依存する、方法。
【請求項26】
請求項21に記載の方法において、前記部屋スコアは、前記携帯型ユニットによって各部屋で費やされる時間の持続時間に基づいて、識別される各部屋について計算される、方法。
【請求項27】
請求項25に記載の方法において、感染スコアは前記携帯型ユニットに関連付けられ、識別される各部屋について前記部屋スコアを計算することは、前記部屋スコアを前記感染スコアの割合だけ増加させることを含み、前記割合は、前記携帯型ユニットが前記部屋で費やした時間の持続時間に比例する、方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法において、識別される各部屋について前記部屋スコアを計算することは、前記部屋スコアを第2の割合だけ減少させることを含み、前記第2の割合は、前記携帯型ユニットが前記部屋を出てからの時間の持続時間に比例する、方法。
【請求項29】
請求項21に記載の方法において、前記曝露スコアは、
前記携帯型ユニットと同時に、識別される各部屋で費やされる時間の持続時間と、
前記携帯型ユニットとは異なる時間に、識別される各部屋で費やされる時間の持続時間と、
に基づいて、識別される他の携帯型ユニットの各々について計算される、方法。
【請求項30】
請求項29に記載の方法において、感染スコアは前記携帯型ユニットに関連付けられ、識別される他の携帯型ユニットの各々について前記曝露スコアを計算することは、前記感染スコアと前記部屋スコアとの割合だけ前記曝露スコアを増加させることを含み、前記割合は、前記携帯型ユニットと前記他の携帯型ユニットとが、識別される部屋で前記同時に費やした時間の持続時間に比例する、方法。
【請求項31】
請求項22に記載の方法において、携帯型ユニットの前記位置は、前記複数の固定型ユニットからの複数の受信信号強度(RSSI)を分析することによって決定される、方法。
【請求項32】
区域の収容力を管理するための方法であって、前記方法は、
場所内の区域を定義するジオフェンスをメッシュネットワーク内で構成することと、
前記区域に関連付けられる収容力を確立することと、
前記メッシュネットワーク内の複数の選択されるユーザによって装着または携行される複数の携帯型ユニットの位置を分析することと、
前記区域内に位置する複数の携帯型ユニットを識別することと、
前記区域内に位置する前記複数の携帯型ユニットの現在の総数を維持することと、
前記収容力を超える前記現在の総数に応答して、管理ユニットへの警告を生成することであって、前記管理ユニットは前記メッシュネットワークの一部である、ことと、
を含む、方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法において、前記メッシュネットワークは複数の固定型ユニットを含み、前記複数の携帯型ユニットの各々と、前記複数の固定型ユニットの各々と、前記管理ユニットとは、前記メッシュネットワーク内のすべての他のユニットと無線通信して、全ての信号を受信するように構成される、方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法において、前記複数の携帯型ユニットの各々と、前記複数の固定型ユニットの各々と、前記管理ユニットとは、前記メッシュネットワーク内のすべての他のユニットと対話するように構成される、方法。
【請求項35】
請求項33に記載の方法において、携帯型ユニットの前記位置は、前記複数の固定型ユニットからの複数の受信信号強度(RSSI)を分析することによって決定される、方法。
【請求項36】
請求項32に記載の方法において、前記複数の携帯型ユニットのうちの少なくとも一部は、静止している間に、第1の所定の頻度で前記管理ユニットに情報を一斉送信するように構成される、方法。
【請求項37】
請求項36に記載の方法において、前記複数の携帯型ユニットのうちの前記少なくとも1つは、移動するときに、第1の前記頻度よりも高い頻度で前記管理ユニットに情報を一斉送信するように構成される、方法。
【請求項38】
請求項36に記載の方法において、前記情報は、
携帯型ユニットに関連付けられるID、
前記携帯型ユニットに関連付けられる位置、
前記携帯型ユニットに関連付けられる名前、または、
前記携帯型ユニットに関連付けられる役割、
のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項39】
請求項32に記載の方法において、前記複数の携帯型ユニットのうちの少なくとも1つは、特定の種類の緊急事態に関する信号を前記管理ユニットに送信するための複数のボタンを含む、方法。
【請求項40】
請求項39に記載の方法において、前記複数の携帯型ユニットの部分集合は、ボタンが前記複数の携帯型ユニットのうちの少なくとも1つにおいて押下されることに応答して、無効化信号が前記管理ユニットから受信されるまで、前記緊急事態に関連付けられるLEDを点灯させるように構成される、方法。
【発明の詳細な説明】
【優先権主張】
【0001】
本出願は、2019年7月15日に出願された米国仮特許出願第62/874,113号の優先権を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般的にセキュリティシステムに関連し、より詳細には、学校の建築物、または任意の同様の構造物などの施設を安全にするための方法およびシステムに関する。さらに、本開示の実施形態は、感染対応、接触追跡、一般的なセキュリティシステム、および他の同様の事例などの用途のために個人の所在の位置を追跡するためのシステムおよび方法に関連する。いくつかの実施形態では、場所は、屋内、屋外または両方の組合せとすることができる。さらに、本開示の実施形態は、感染性疾患の曝露および伝播のレベルを決定および推定するための方法に関連する。
【背景技術】
【0003】
米国特許出願公開第2012/0212339号明細書において、Goldblattは、隠された個人用警報および方法を開示した。米国特許出願公開第2007/0077959号明細書において、Newmanらは、電子探知機を開示した。米国特許第7,751,285号明細書において、Cainは、電子画像についてカスタマイズ可能で装着可能な装置を開示した。米国特許第7,880,610号明細書において、Tannerらは、緊急事態命令を提供するシステムおよび方法を開示した。米国特許第8,384,549号明細書において、Lemmonは、ユーザに警告を提供するためのイベント通信システムを開示した。米国特許出願公開第2007/0296575号明細書において、Eisoldらは、災害警報装置、システムおよび方法を開示した。米国特許第6,822,568号明細書において、Gehlotらは、空間領域ネットワークを開示した。米国特許第3,694,579号明細書において、McMurrayは、緊急事態報告デジタル通信システムを開示した。カナダ国特許発明第2,308,577号明細書において、Shamim Ahmadは、セキュリティおよび緊急事態警報システムを開示した。国際公開第2014/132272号において、Anand Sundararajは、最適な緊急通信のための方法およびシステムを開示した。
【0004】
これらの装置は、それらが設計された目的に適しているかもしれないが、それらは以下に説明されるような本開示の目的に適していないであろう。説明および図面によって示されるように、本開示は、新規な方法で、および関連技術とは異なって機能する。
【発明の概要】
【0005】
本開示の一態様によれば、部屋、廊下および他の区域を有する施設内で使用するための方向性位置決定システムは、施設内の選択されるユーザによって携行または装着される複数の携帯型ユニットと、施設内の複数の位置の各々に取り付けられる複数の固定型ユニットと、管理ユニットとを含むことができる。携帯型ユニットのうちの少なくとも1つは、押下されると特定の種類の緊急事態に関する信号を送信する少なくとも1つのボタンを含むことができる。固定型ユニットのうちの少なくとも1つは、緊急事態中に移動する方向を示すための表示装置を含むことができる。管理ユニットは、警備担当者によって監視されるように構成されることができ、複数の携帯型ユニットのいずれかまたは複数の固定型ユニットのいずれかから送信される任意の信号を受信するように構成されることができる。複数の携帯型ユニットと複数の固定型ユニットと管理ユニットとは、メッシュネットワークを形成することができる。
【0006】
いくつかの実施形態では、複数の携帯型ユニットの各々と、複数の固定型ユニットの各々と、管理ユニットとは、メッシュネットワーク内のすべての他のユニットと無線通信することができ、すべての信号を受信するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、複数の携帯型ユニットの各々と、複数の固定型ユニットの各々と、管理ユニットとは、メッシュネットワーク内のすべての他のユニットと対話するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、携帯型ユニットのうちの少なくとも1つは、完全機能ユニットとすることができる。完全機能ユニットは、複数のボタンを含むことができる。各ボタンは、方向性命令に関連付けられることができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、ボタンが完全機能ユニットにおいて押下されることに応答して、複数の固定型ユニットのうちの少なくとも一部は、ボタンに関連付けられる信号を完全機能ユニットから受信するように構成されることができ、ボタンに関連付けられる方向性命令に基づいて、表示装置上で少なくとも1つの光を点灯させることができる。いくつかの実施形態では、複数の携帯型ユニットのうちの少なくとも一部は、静止している間に、第1の所定の頻度で管理ユニットに情報を一斉送信するように構成されることができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、複数の携帯型ユニットのうちの少なくとも一部は、ボタンが押下されて特定の種類の緊急事態に関連付けられる信号を送信することに応答して、第2の所定の頻度で管理ユニットに情報を一斉送信するように構成されることができ、第2の頻度は第1の頻度よりも高い。いくつかの実施形態では、複数の携帯型ユニットのうちの少なくとも一部は、管理ユニットからの無効化信号に応答して、第1の頻度で情報を管理ユニットに一斉送信するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、情報は、携帯型ユニットに関連付けられるID、携帯型ユニットに関連付けられる位置、携帯型ユニットに関連付けられる名前、または携帯型ユニットに関連付けられる役割のうちの少なくとも1つを含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の携帯型ユニットのうちの少なくとも1つは、移動するときに、第1の頻度よりも高い頻度で情報を管理ユニットに一斉送信するように構成されることができる。
【0009】
本開示の別の態様によれば、部屋、廊下および他の区域を有する施設内で使用するための位置決定警告システムは、施設内の選択されるユーザの第1のグループによって携行または装着される第1の複数の携帯型ユニットと、施設内の選択されるユーザの第2のグループによって携行または装着される第2の複数の携帯型ユニットと、施設内の複数の位置の各々に取り付けられる複数の固定型ユニットと、管理ユニットとを含むことができる。第1の複数の携帯型ユニットの各々は、複数のボタンと、複数の緊急事態に関連付けられる複数のLEDとを含むことができる。第2の複数の携帯型ユニットの各々は、複数の緊急事態に関連付けられる複数のLEDを含むことができる。管理ユニットは、警備担当者によって監視されるように構成されることができ、第1または第2の複数の携帯型ユニットのいずれかから送信される任意の信号を受信するように構成されることができる。第1および第2の複数の携帯型ユニットと複数の固定型ユニットと管理ユニットとは、メッシュネットワークを形成することができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1および第2の複数の携帯型ユニットの各々と、複数の固定型ユニットと、管理ユニットとは、メッシュネットワーク内のすべての他のユニットと無線通信することができ、すべての信号を受信するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、第1および第2の複数の携帯型ユニットの各々と、複数の固定型ユニットの各々と、管理ユニットとは、メッシュネットワーク内のすべての他のユニットと対話するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、第1および第2の複数の携帯型ユニットのうちの少なくとも一部は、静止している間に、第1の所定の頻度で管理ユニットに情報を一斉送信するように構成されることができる。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1および第2の複数の携帯型ユニットのうちの少なくとも一部は、ボタンが第1の複数の携帯型ユニットのうちの1つにおいて押下されて特定の種類の緊急事態に関連付けられる信号を送信することに応答して、第2の所定の頻度で管理ユニットに情報を一斉送信するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、第2の頻度は、第1の頻度よりも高くすることができる。いくつかの実施形態では、第1および第2の複数の携帯型ユニットのうちの少なくとも一部は、管理ユニットからの無効化信号に応答して、第1の頻度で管理ユニットに情報を一斉送信するように構成されることができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、情報は、携帯型ユニットに関連付けられるID、携帯型ユニットに関連付けられる位置、携帯型ユニットに関連付けられる名前、または携帯型ユニットに関連付けられる役割のうちの少なくとも1つを含むことができる。いくつかの実施形態では、第1および第2の複数の携帯型ユニットのうちの少なくとも1つは、移動するときに、第1の頻度よりも高い頻度で管理ユニットに情報を一斉送信するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、第2の複数の携帯型ユニットは、緊急事態に関連付けられるボタンが第1の複数の携帯型ユニットのうちの1つにおいて押下されることに応答して、無効化信号が管理ユニットから受信されるまで、緊急事態に関連付けられるLEDを点灯させるように構成されることができる。いくつかの実施形態では、第1の複数の携帯型ユニットのうちの少なくとも1つは、緊急事態に関連付けられるボタンが、押下される第1の複数の携帯型ユニットのうちの少なくとも1つにおいて押下されることに応答して、少なくとも1つのユニットに関連付けられる位置を管理ユニットに一斉送信するように構成されることができる。
【0013】
本開示の別の態様によれば、場所内の無線メッシュネットワークにおける疾患の伝播を追跡するための方法は、無線メッシュネットワーク内の選択されるユーザによって装着または携行される携帯型ユニットに関連付けられる情報を取得することと、取得された情報から、時間フレーム内に携帯型ユニットが入室した場所内の部屋を識別することと、識別された部屋毎に部屋スコアを計算することと、無線メッシュネットワーク内の複数の他の選択されるユーザによって装着または携行され、時間フレーム内に識別された各部屋に入室した複数の他の携帯型ユニットを識別することと、複数の他の携帯型ユニットの各々について曝露スコアを計算することと、所定の閾値よりも大きい曝露スコアを有する、複数の他の携帯型ユニットのうちの携帯型ユニットを識別することと、を含むことができる。情報は、所定の時間フレームについて位置および時間情報を含むことができる。
【0014】
いくつかの実施形態では、携帯型ユニットと、複数の他の携帯型ユニットの各々と、複数の固定型ユニットとは、メッシュネットワーク内のすべての他のユニットと無線通信することができ、すべての信号を受信するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、携帯型ユニットと、複数の他の携帯型ユニットの各々と、複数の固定型ユニットとは、メッシュネットワーク内のすべての他のユニットと対話するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、場所内の各部屋はメッシュネットワーク内でジオフェンスされることができる。いくつかの実施形態では、識別される各部屋の部屋スコアは時間に依存することができる。いくつかの実施形態では、識別される各部屋について、部屋スコアは、携帯型ユニットによって各部屋で費やされる時間の持続時間に基づいて計算されることができる。
【0015】
いくつかの実施形態では、感染スコアは携帯型ユニットに関連付けられることができ、識別される各部屋について部屋スコアを計算することは、感染スコアの割合だけ部屋スコアを増加させることを含むことができる。割合は、携帯型ユニットが部屋で費やした時間の持続時間に比例することができる。いくつかの実施形態では、識別される各部屋について部屋スコアを計算することは、部屋スコアを第2の割合だけ減少させることを含むことができる。第2の割合は、携帯型ユニットが部屋を出てからの時間の持続時間に比例することができる。いくつかの実施形態では、識別される他の携帯型ユニットの各々について、携帯型ユニットと同時に、識別される各部屋で費やされた時間の持続時間と、携帯型ユニットとは異なる時間に、識別される各部屋で費やされた時間の持続時間と、に基づいて、曝露スコアは計算されることができる。
【0016】
いくつかの実施形態では、感染スコアは携帯型ユニットに関連付けられることができ、識別される他の携帯型ユニットの各々について曝露スコアを計算することは、感染スコアと部屋スコアとの割合だけ曝露スコアを増加させることを含むことができる。割合は、携帯型ユニットと他の携帯型ユニットとが識別される部屋で同時に費やした時間の持続時間に比例することができる。いくつかの実施形態では、携帯型ユニットの位置は、複数の固定型ユニットからの複数の受信信号強度(RSSI)を分析することによって決定されることができる。
【0017】
本開示の別の態様によれば、区域の収容力を管理するための方法は、場所内の区域を定義することができるジオフェンスをメッシュネットワーク内で構成することと、区域に関連付けられる収容力を確立することと、メッシュネットワーク内の複数の選択されるユーザによって装着または携行される複数の携帯型ユニットの位置を分析することと、区域内に位置する複数の携帯型ユニットを識別することと、区域内に位置する複数の携帯型ユニットの現在の総数を維持することと、収容力を超える現在の総数に応答して、管理ユニットへの警告を生成することと、を含むことができる。管理ユニットは、メッシュネットワークの一部とすることができる。
【0018】
いくつかの実施形態では、メッシュネットワークは複数の固定型ユニットを含むことができる。複数の携帯型ユニットの各々と、複数の固定型ユニットの各々と、管理ユニットとは、メッシュネットワーク内のすべての他のユニットと無線通信することができ、すべての信号を受信するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、複数の携帯型ユニットの各々と、複数の固定型ユニットの各々と、管理ユニットとは、メッシュネットワーク内のすべての他のユニットと対話するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、携帯型ユニットの位置は、複数の固定型ユニットからの複数の受信信号強度(RSSI)を分析することによって決定されることができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、複数の携帯型ユニットのうちの少なくとも一部は、静止している間に、第1の所定の頻度で管理ユニットに情報を一斉送信するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、複数の携帯型ユニットのうちの少なくとも1つは、移動するときに、第1の頻度よりも高い頻度で管理ユニットに情報を一斉送信するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、情報は、携帯型ユニットに関連付けられるID、携帯型ユニットに関連付けられる位置、携帯型ユニットに関連付けられる名前、または携帯型ユニットに関連付けられる役割のうちの少なくとも1つを含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の携帯型ユニットのうちの少なくとも1つは、特定の種類の緊急事態に関する信号を管理ユニットに送信するための複数のボタンを含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の携帯型ユニットの部分集合は、ボタンが複数の携帯型ユニットのうちの少なくとも1つにおいて押下されることに応答して、無効化信号が管理ユニットから受信されるまで、緊急事態に関連付けられるLEDを点灯させるように構成されることができる。
【0020】
添付の図面では、同様の参照番号は、以下の詳細な説明と共に、別々の図を通して同一または機能的に同様の要素を指す。添付の図面は、本明細書に組み込まれてその一部を形成し、特許請求される発明を含む概念の実施形態をさらに例示し、それらの実施形態の様々な原理および利点を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本開示による、携帯型ユニットおよび固定型ユニットの例示的な配置を示す、学校の建築物などの例示的な施設の上面図である。
【
図2】本開示のいくつかの実施形態による、代表的な携帯型ユニットの拡大図である。
【
図3】本開示のいくつかの実施形態による、ユーザによって装着される携帯型ユニットの概略図である。
【
図4】本開示のいくつかの実施形態による、教師/警備担当者によって装着される携帯型ユニットのブロック図である。
【
図5】本開示のいくつかの実施形態による、施設の従業員などの監視者によって装着される携帯型ユニットのブロック図である。
【
図6】本開示のいくつかの実施形態による、学生によって装着される携帯型ユニットのブロック図である。
【
図7】本開示のいくつかの実施形態による、部屋に取り付けられる固定型ユニットのブロック図である。
【
図8】本開示のいくつかの実施形態による、廊下などの通路に取り付けられる固定型ユニットのブロック図である。
【
図9】本開示のいくつかの実施形態による、メッシュネットワークを介して管理ユニットと通信するように取り付けられる複数のユニットのブロック図である。
【
図10】本開示のいくつかの実施形態による、
図1および
図9のシステム内で実行されることができるインシデントプロトコルを有効化するための例示的なプロセスである。
【
図11】本開示のいくつかの実施形態による、
図1および
図9のシステム内で実行されることができる指示プロトコルを有効化するための例示的なプロセスである。
【
図12】本開示のいくつかの実施形態による、接触追跡のための例示的なプロセスである。
【
図13】本開示のいくつかの実施形態による、部屋の収容力を監視するための例示的なプロセスである。
【
図14】本開示のいくつかの実施形態による、例示的なユーザインタフェースである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図中の要素は、単純性と明瞭性とのために例示されており、必ずしも尺度通りに描かれていないことを当業者は理解するであろう。例えば、図中の要素の一部の寸法は、他の要素に対して誇張され、本開示の実施形態の理解を改善するのを助けることができる。
【0023】
セキュリティシステムの構造的な構成要素は、適切な場合には図面中の従来の記号によって表されており、本開示の実施形態を理解することに関係する特定の詳細のみを示すことで、本明細書の説明の恩恵を受ける当業者に容易に明らかになる詳細な本開示を不明瞭にしない。
【0024】
本開示は、完全なメッシュネットワークトポロジによって、例えば学校の建築物、会社の建築物、または任意の同様の構造物などの施設のすべてのユーザにセキュリティ脅威またはイベントを通信するためのセキュリティシステム、およびその方法を開示する。メッシュネットワークは、施設内の教師、警備担当者、監視者、および学生などのユーザによって携行される複数の携帯型ユニット(またはノード)、ならびに施設内の部屋および廊下などの通路内の壁に取り付けられる複数の固定型ユニット(またはノード)を含むことができる。ユニットのうちの少なくとも一部は、その上に複数のボタンを有することができ、各ボタンは、特定の種類の問題、例えば、医療緊急事態、戦闘などの騒動、火災、侵入者等について指定される。ユーザが指定されたボタンのうちの1つを押下する場合、他の警備担当者または管理者によって監視される管理ユニット(またはノード)を含むメッシュネットワークの他のメンバは、施設内の脅威の種類および位置を通知されることができる。携帯型ユニットは、施設全体を移動するユーザによって装着されることができる。固定型ユニットは、ビーコンとしても知られ、所定の位置に固定され、施設全体にわたって戦略的または選択的に配置されることができる。例えば、侵入者が観察される場合、ユーザは、侵入者について指定される、携帯型ユニット上または固定ユニット上のボタンのうちの1つを作動させることができる。メッシュネットワークのすべての他のユニットまたはノードは、侵入を通知されることができる。
【0025】
本開示の目的は、施設のセキュリティに関連した緊急事態について迅速な応答システムを提供することである。本開示の他の目的は、緊急事態の特定の位置と共に緊急事態の種類を警備担当者に通知するセキュリティシステムを提供することである。本開示の他の目的は、施設にセキュリティ問題がなく、例えば学校の子供を施設から避難させ得ることをユーザに通知するために使用されることができるセキュリティシステムを提供することである。本開示の他の目的は、施設の外へ安全に人を誘導するために使用されることができるセキュリティシステムを提供することである。本開示の他の目的は、ユーザによって容易に操作されることができるセキュリティシステムを提供することである。本開示の他の目的は、必要なセキュリティを維持するために、施設内の人々の位置を適切に特定することである。本開示の他の目的は、比較的容易かつ安価に製造されることができるセキュリティシステムを提供することである。
【0026】
図1を参照すると、例えば学校の建築物、会社の建築物、製造施設、ホテル、工場、または任意の同様の構造物などの例示的な施設または建物12内で使用され、配置されるセキュリティシステム10の基本構成要素の例示的な配置図が示される。建物12は、壁32および廊下26のような通路によって境界が定められる多数の部屋24を出入口30とともに含むことができる。システム10がすべての種類の施設および配置に有用であることが当業者に明らかであるため、建物12は単に例示を意味する。本明細書で使用されるように、廊下26という用語は、階段吹き抜け、火災避難口、およびエレベータなどの通路を包含することを意図される。
【0027】
図1のシステムは、施設12全体に配置される複数の携帯型ユニット14を含むことができる。携帯型ユニット14は、典型的には部屋24内に位置する教師、または施設12内のどこにでも位置することができる警備担当者の首若しくは手首の周りに、または衣服の上に、携行または装着されることができる。いくつかの実施形態では、携帯型ユニット14が、「完全機能」ユニットと呼ばれることができる。各携帯型ユニット14は、それに関連付けられる固有のIDを有することができる。携帯型ユニット14は、完全なインシデント報告(
図10に関して説明される)および指示機能(
図10に関して説明される)を有するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、携帯型ユニット14は、中継器機能を有するように構成されることができるが、電力を節約するため、および/またはデータの待ち行列時間を短縮するため、その機能は(例えば、管理ユニット28によって)トグルで切り替えられてもよい。いくつかの実施形態では、携帯型ユニット14は、事前設定された期間または事前設定された頻度で、それらの関連付けられるIDおよび位置を(例えば、管理ユニット28に)自動的に報告するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、IDおよび位置報告は、管理ユニット28による問い合わせ(自動または手動のいずれか)に応答して実行されることができる。また、いくつかの実施形態では、IDおよび位置報告は、携帯型ユニット14に関連付けられる人物の名前、肩書き、および役割を含むことができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、携帯型ユニット(例えば、携帯型ユニット14、16および/または18)の位置は、複数の固定型ユニット(例えば、固定型ユニット20、22)の間の携帯型ユニットの距離を計算することによって決定されることができる。例えば、4つの固定型ユニットは、(例えば、部屋について)ジオフェンスを作成することができ、これにより、保護場所の配置図を作成することができる。携帯型ユニットは、その位置を決定するのを助けるために、詳細は後述されるRSSI信号を使用することができる。携帯型ユニットがジオフェンスの間を移動しているとき、それらは、新しいビーコンを発見するために自分自身を知らせることができる。いくつかの実施形態では、新しいビーコンが発見されるとき、携帯型ユニットは、4つのビーコンにわたる信号強度を分析し、その位置を最も近いビーコンに発することができる。
【0029】
また、
図1には、例えば、施設12内のどこにでも位置することができる、施設で働く管理人のような従業員などの監視者の首若しくは手首の周りに、または衣服の上に、携行または装着されることができる、複数の携帯型ユニット16が示される。また、各携帯型ユニット16は、それに関連付けられる固有のIDを有することができる。いくつかの実施形態では、携帯型ユニット16は、表示器機能(例えば、携帯型ユニット14に関して説明されたのと同様に、情報を伝えるために点灯するLED)を有することができるが、インシデント報告機能または指示発信機能を有していなくてもよい。例えば、進行中のインシデント(
図10に関してより詳細に説明される)の間、携帯型ユニット16は、関連するLEDを明るくするように構成されることができるが、インシデントを実際に実装または報告するように構成されなくてもよい。いくつかの実施形態では、携帯型ユニット16は、中継器機能を有するように構成されることができるが、この機能は、電力を節約するため、および/またはデータの待ち行列時間を低減するため、(例えば、管理ユニット28によって)トグルで切り替えられてもよい。いくつかの実施形態では、携帯型ユニット16は、事前設定された期間または事前設定された頻度で、それらの関連付けられるIDおよび位置を(例えば、管理ユニット28に)自動的に報告するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、IDおよび位置報告は、管理ユニット28による問い合わせ(自動または手動のいずれか)に応答して実行されることができる。また、いくつかの実施形態では、IDおよび位置報告は、携帯型ユニット16に関連付けられる人物の名前、肩書き、および役割を含むことができる。
【0030】
また、
図1には、複数の携帯型ユニット18が示される。携帯型ユニット18は、この場合も典型的には部屋24内に位置する学生の首若しくは手首の周り、または衣服の上に、携行または装着されることができる。また、各携帯型ユニット18は、それに関連付けられる固有のIDを有することができる。いくつかの実施形態では、携帯型ユニット18は、いかなるインシデント報告、指示発信または表示機能を有していなくてもよい。いくつかの実施形態では、携帯型ユニット18は、電源状態LED以外の表示装置を有していなくてもよい。いくつかの実施形態では、携帯型ユニット18は、事前設定された期間または事前設定された頻度で、それらの関連付けられるIDおよび位置を(例えば、管理ユニット28に)自動的に報告するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、IDおよび位置報告は、管理ユニット28による問い合わせ(自動または手動のいずれか)に応答して実行されることができる。いくつかの実施形態では、IDおよび位置報告は、携帯型ユニット18に関連付けられる人物の名前、肩書きおよび役割も含むことができる。いくつかの実施形態では、携帯型ユニット18は、中継器機能を有するように構成されることができるが、この機能は、電力を節約するため、および/またはデータの待ち行列時間を低減するために、(例えば、管理ユニット28によって)トグルで切り替えられてもよい。
【0031】
前述されるように、携帯型ユニット14、16および18の各々は、それらの関連付けられるIDおよび位置を(例えば、管理ユニット28に)自動的に報告することができる。いくつかの実施形態では、このデータの一斉送信は設定された間隔で行うことができ、間隔時間は、ユニット28のファームウェア内でまたは管理ユニット28の制御下にあるアプリケーションを介して、管理ユニット28によって設定されることができる。いくつかの実施形態では、管理ユニット28にデータを一斉送信するための間隔時間は、現在のインシデントレベルに応じて変化することができる。例えば、「有効インシデント」の間、携帯型ノード14、16および18は、有効インシデントが解決されるまで、3秒毎に、それらの関連付けられるID、位置、名前および役割を継続的に報告することができる。別の実施例では、「無効インシデント」の間および携帯型ノード14、16および18が固定型ノード20および22の間を移動している間、携帯型ノード14、16および18は、30秒毎に、それらの関連付けられるID、位置、名前および役割を報告することができる。さらに、無効インシデントの間および携帯型ノード14、16および18が、データが最後に報告されたのと同じ固定型ノード20および22の近くにいたとき、携帯型ノード14、16および18は、10分毎に、それらの関連付けられるID、位置、名前および役割を報告することができる。ここでの絶対的な頻度は本質的に単なる例示的なものであり、むしろ、携帯型ノード14、16および18は、一般的に、無効インシデントよりも有効インシデントの間により高い頻度で、および静止している間よりも移動している間により高い頻度で、報告するように構成されることができることに留意されたい。本明細書で使用されるように、用語「静止」は、最も近い固定型ノードが同じままである区域内にあること(例えば、固定型ノードが教室に隣接して取り付けられるときの教室内にあること)を意味することができることに留意されたい。また、いくつかの実施形態では、位置データの任意の「一斉送信」は、現在一斉送信される位置に関連付けられるタイムスタンプ(例えば、日時)を含むことができる。いくつかの実施形態では、管理ユニット28に一斉送信される情報は、データベース内に格納され、ID(例えば、関連付けられる携帯型ユニットのID)によってインデックス付けされることができる。いくつかの実施形態では、データベースが、管理ユニット28の一部、外部のデータベース、または両方の組合せとすることができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、携帯型ノード(例えば、携帯型ノード14、16、18)は、受信信号強度(RSSI)方法論によって、その位置を報告するように構成されることができる。例えば、携帯型ノードから一斉送信されるデータは、携帯型ノードをすぐ近くで取り囲む固定型ノード(例えば、固定型ノード20および22)に送信される。一斉送信されたデータを受信した固定型ノードは、次に、RSSI情報を携帯型ノードに送り返すことができる。RSSI情報の受信に応答して、携帯型ノードは、その位置を最も強いRSSI信号を生成した固定型ノードに発することができる。
【0033】
また、
図1には、施設12の部屋24の壁32に取り付けられる(例えば、恒久的に取り付けられる)ことができる複数の固定型ユニット20が示される。いくつかの実施形態では、固定型ユニット20が、中継器機能を有することができる(例えば、メッシュネットワークの一部として参加するように構成される)。各固定型ユニット20は、それに関連付けられる固有のIDを有することができる。いくつかの実施形態では、固定型ユニット20の電池は、一定の電力源から、充電されるまたは連続的に充電されることができる。いくつかの実施形態では、各固定型ユニット20は、LED(例えば、緑色、オレンジ色、赤色など)によって示される電源状態を有することができる。いくつかの実施形態では、固定型ユニット20は、電源の中断時に利用可能になり得る緊急電力使用周期を利用するように構成されることもできる。いくつかの実施形態では、固定型ユニット20が、管理ユニット28の制御下で、そのIDおよび位置を報告することのみができる。
【0034】
また、いくつかの実施形態では、
図1のシステムは、壁32に取り付けられて(例えば、恒久的に取り付けられて)、廊下26などの通路における施設12内に戦略的に配置されることができる、複数の追加の固定型ユニット22を含むことができる。固定型ユニット20と同様に、固定型ユニット22も、中継器機能を有し、メッシュネットワークの一部として参加することができる。いくつかの実施形態では、固定型ユニット22は状態および方向表示器機能を有するように構成されることもできる。例えば、固定型ユニット22は、様々な進行中のインシデントに応答するLEDを表示することができる(
図11に関してより詳細に説明される)。また、固定型ユニット22は、方向性命令を実行するためにLED表示装置を含むことができる。例えば、LED表示装置は、水平方向を示すことができるLEDのグループと、上下方向を示すことができるLEDの別のグループとを含むことができる。いくつかの実施形態では、固定型ユニット22のLED表示装置は、人が追従する方向を示すように構成されることができる。さらに、各固定型ユニット22は、それに関連付けられる固有のIDを有することができる。いくつかの実施形態では、固定型ユニット22の電池は、一定の電力源から、充電されるまたは連続的に充電されることができる。いくつかの実施形態では、各固定型ユニット22は、LED(例えば、緑色、オレンジ色、赤色など)によって示される電源状態を有することができる。いくつかの実施形態では、固定型ユニット22は、電源の中断時に利用可能になり得る緊急用電力使用周期を利用するように構成されることもできる。いくつかの実施形態では、固定型ユニット22は、管理ユニット28の制御下で、そのIDおよび位置を報告することのみができる。
【0035】
また、
図1には、管理ユニット28が示される。管理ユニット28は、固定され、主たる事務所などの施設12の管理部分に配置されることができる。いくつかの実施形態では、管理ユニット28は、コンピュータを含むことができ、専任の警備担当者によって、または管理者によって監視されることができる。また、管理ユニット28は、携帯可能とすることができ、管理者によって携行または装着されることができる。例えば、管理ユニット28は、携帯電話に組み込まれることができる。いくつかの実施形態では、管理ユニット28は、制御センタを含むことができ、ネットワーク内のすべての他のノード(例えば、携帯型ユニットおよび固定型ユニットの両方)を制御するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、管理ユニット28は、サイトマップ、ノード/ユニット情報、メッセージおよび指示を表示することができる。さらに、例えば、アプリケーションを使用して、管理者は、管理ユニット28を介して、任意のノードまたはユニットに、中継器機能を示すように、または中継器機能を無効化するように指示することができる。例えば、中継器機能をトグルで切り替えて、電力を節約するため、および/またはデータの待ち行列時間を短縮するために使用されることができる。
【0036】
さらに、前述されたように、すべてのノード(携帯型および固定型の両方)は、
図1内のメッシュネットワークの部分として参加するように構成されることができる。しかし、すべてのノードが常に有効であるとは限らない。例えば、固定型ノード20および22は、連続応答方式で動作するように構成されることができる。言い換えれば、固定型ノード20および22は、メッシュメッセージデータを互いに中継して、管理ユニット28に中継する中継器として連続的に動作するように構成されることができる。携帯型ノード14、16および18は、トグルで切り替えられるまたは自動の中継器機能を有するように構成されることができる。例えば、トグルで切り替えられるバージョンでは、携帯型ノード14、16および/または18は、管理ノード28からの有効化信号の受信に応答して、中継器機能を用いて動作することができる。自動中継器機能の場合、携帯型ノード14、16および18は、安全装置として中継器として動作するように構成されることができる。例えば、固定型ノード20または22が、システム内で動作していない、または動作不能であることが検出される場合、有効化信号は、管理ユニット28から、切断された固定型ノードに最も近い携帯型ノードに送信されることができる。
【0037】
図2を参照すると、教師/警備担当者または管理者によって装着されることができる典型的な携帯型ユニット14、16、28が示される。各ユニット14、16、28は、その上に複数のボタンを有することができる。各ボタンは、異なる事件またはイベントに関連付けられることができる。例えば、ボタン40は医療緊急事態について指定されることができる。ボタン42は戦闘などの騒動について指定されることができる。ボタン44は火災について指定されることができる。ボタン46は侵入者について指定されることができる。ボタン48はロックダウン指示について指定されることができる。ボタン50はロックイン指示について指定されることができる。ボタン52は位置変更指示について指定されることができる。ボタン54は避難などの緊急指示について指定されることができる。LEDは、各ボタンに関連付けられることができる。電源スイッチ58も示される。いくつかの実施形態では、電源スイッチ58が(携帯型および/または固定型の)システム内のすべてのノードで「オン」にされる、または周期化されると、管理ユニット(例えば、
図1の管理ユニット28)の制御下で、ユニットテストが開始されることができる。すべてのものが「実行可能」である場合、「私は大丈夫」というメッセージなどのメッセージがIDおよび位置データと共に生成されることができる。さらに、電源LED56は、「ハンドシェイク」を介して点滅して、システムがそれらの存在を認識しているとユーザを安心させることができ、適切に応答することができる。このプロセスは、電力スイッチ58を「オフ」にし、次いで「オン」に戻すように切り替えることによって、必要に応じていつでも実行されることができる。
【0038】
また、LED56は、その色(例えば、赤色、オレンジ色、緑色)によってユニットの電源状態を監視することができる。いくつかの実施形態では、電源線56は、10%未満の充電が残っている場合には赤色、10~60%の充電が残っている場合にはオレンジ色、60~100%の充電が残っている場合には緑色とすることができる。これらの値は、本質的に単に例示的なものにすぎず、他の値および/または色が使用されることができることに留意されたい。指定されたボタンのうちの1つが押下される場合、他の警備担当者によってまたは管理者によって監視される管理ユニット28を含むメッシュネットワークの他のメンバは、施設12内の脅威の種類および位置を直ちに通知される。学生によって装着される典型的な携帯型ユニット18、または固定型ユニット20は、電源スイッチ58および電源モニタ56を除いて、これらのボタンのいずれも有する必要はない。
【0039】
図3を参照すると、首の周りに携帯型ユニットを装着する典型的なユーザが示される。携帯型ユニット14は、当業者によって行われるように、首ひも60に吊り下げられることができる。携帯型ユニット14は、写真付きIDとしての役割も果たすことができる。携帯型ユニット14をユーザが携行する、または携帯型ユニット14をユーザに取り付ける他の方法もある。携帯型ユニットは、ほぼクレジットカードのサイズであり、軽量とすることができる。
【0040】
図4から
図8は、本開示のいくつかの実施形態による、ユニット14、16、18、20および22をそれぞれ示すブロック図であり、それぞれ搭載のプロセッサによって実行される様々な機能を示す。
図4において、ユニット14は完全機能とすることができる。携帯型ユニット14は、インタフェース401を含むことができ、インタフェース401は、電源ボタンおよび電源LED、ならびに医療上の緊急事態、騒動、火災、侵入者など、本開示の他の箇所で説明されるような特定の緊急事態ボタンを備える。また、インタフェース401は、ロックダウン、ロックイン、位置変更、および避難などの指示プロトコルを報告および/または開始するためのボタンおよびLEDを含むことができる。また、携帯型ユニット14は、通信およびコンピューティング機能402と電源403とを含むことができる。いくつかの実施形態では、携帯型ユニット14は、位置決定(404a)、ID維持(404b)、送信器/受信器(404c)、充電器(404d)、報告タイマ(404e)、中継器機能(404f)、中継器機能のトグル(404g)、「私は大丈夫」メッセージを報告する機能(404h)、およびインタフェース401上のボタンが押下されるときのインシデント報告(404i)などの様々なサブルーチン404a~iを含むことができる。
【0041】
携帯型ユニット16は、
図5に示され、これは、インシデント報告を欠くことができる。いくつかの実施形態では、携帯型ユニット16は、携帯型ユニット14と同様のインタフェース501を含むことができるが、インシデントボタンを含まない。いくつかの実施形態では、携帯型ユニット16は、携帯型ユニット14と同様のインシデント報告機能を含むことが可能であることに留意されたい。携帯型ユニット16は、
図4の携帯型ユニット14と同様の通信およびコンピューティング機能502と電源503とを含むことができる。さらに、携帯型ユニット16は、インシデント報告を除いて、携帯型ユニット14と同じサブルーチン(504a~h)の多くを含むことができる。
【0042】
携帯型ユニット18が
図6に示される。いくつかの実施形態では、インタフェース601は、
図4および
図5に関連して説明されたすべての報告ボタンおよびLEDを欠くことができるが、依然として電源ボタンおよび電源LEDを含むことができる。携帯型ユニット18は、同様の通信およびコンピューティング機能602と電源603と、インシデント報告を除く同様のサブルーチン(604a~h)とを含むことができる。
【0043】
固定型ユニット20は、
図7に示されることができる。固定型ユニット20は、インタフェース701を含むことができる。インタフェース701は、電源LEDおよび電源ボタンを除いて、ボタンおよびLEDを有しない。固定型ユニット20は、同様の通信およびコンピューティング機能702と電源703とを含むことができるが、電源703はより恒久的な電源に配線で接続されることもできる。いくつかの実施形態では、固定型ユニット20は、サブルーチン704a~hを含むことができ、インシデント報告を含まなくてもよい。
【0044】
固定型ユニット22は
図8に示されることができる。固定型ユニット22は、インタフェース801を含むことができる。インタフェース801は、インシデント報告についてのボタンを有しないが、緊急事態に関連付けられるLED、電源ボタン及び電源LED、及び指示プロトコルを実装するための方向性LEDを含むことができる。固定ユニット22は、同様の通信およびコンピューティング機能802と電源803とを含むことができる(ただし、電源803は、恒久的な電源に配線で接続されることもできる)。さらに、固定型ユニット22は、
図4~
図7に関して述べたものと同様または同一である様々なサブルーチン(例えば、サブルーチン804a~h)を含むことができる。しかし、いくつかの実施形態では、固定型ユニット22は、インシデント表示装置804iおよび方向表示装置804jも含むことができる。いくつかの実施形態では、方向性表示装置は、保護場所内の個人に対して移動する方向を示す矢印(例えば、左、右、上、下など)を含むことができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、管理ユニット28は、携帯電話またはラップトップコンピュータとして構成される場合、再充電電池によって電力供給されることができ、デスクトップコンピュータとして構成される場合、配線で接続される電源によって電力供給される。
【0046】
図9を参照すると、メッシュネットワーク62の、ビーコンとしても知られ、中継器として機能する、個々のメンバユニットまたはノード20、22を有する従来のフルメッシュ無線ネットワークトポロジが示されている。先に説明されたユニットまたはノード14、16、18、20、22、28もネットワーク62のメンバである。メッシュネットワークの特性は、各ユニット/ノードが互いにユニット/ノードと通信することであり、通信線は、メッシュネットワークのユニット/ノード間の通信の電子的な無線手段、例えば、Bluetooth/Wi-Fiなどを例示することを意図した破線30によって示される。例えば、携帯型ユニット14上のボタンまたはユーザが有効化する同様の機構がユーザによって作動される場合、信号は、ネットワーク62のユニット/ノードに、互いに無線で送信されることになる。各ユニット/ノードは、ネットワーク62が適切に機能するために必要な情報を処理することができる中央処理ユニットを有し、これには、以下に開示されるように、発生する緊急事態またはセキュリティ脅威の種類または識別、位置、時間および種類に関する情報、ならびにネットワーク62の適切な機能に必要な任意の他の情報を含むが、これらに限定されない。システム10は、ネットワーク62の任意のサイズ、例えば、100~200ノード以上を有するサイズで設計されることになる。
【0047】
管理ユニットまたはノード28は、前述されたように構成され、
図9に示されるように、コンピュータまたは携帯電話として構成され、そのどちらもサイトマップ64、ノード情報66、メッセージ68および指示70が表示される表示装置を有する。管理ノード28は、すべての他のノードを制御するための制御センタである。これにより、管理者は、容易に表示装置を見ることができ、施設内の緊急事態の発生場所、および発生している緊急事態の種類を即座に確かめることができ、緊急事態に容易に反応することができる。
【0048】
図10は、本開示のいくつかの実施形態による、
図1および
図9のシステム内で実行されることができるインシデントプロトコルを有効化するための例示的なプロセス1000である。いくつかの実施形態では、プロセス1000は、
図1のシステム10内で実行されることができる。プロセス1000は、学校または同様の施設などの保護場所でのインシデントに応答して、セキュリティプロトコルとして発生することができる。ブロック1001において、携帯型ユニット14(例えば、完全機能ユニット)は、インシデント標示を受信することができる。例えば、完全機能ユニット14は、保護場所内の教師または警備担当者によって、装着または携行されることができる。インシデントが始まったことの通知に応答して、教師または警備担当者は、完全機能ユニット14上の複数のボタンのうちの1つ(例えば、
図2で説明されたボタン40~46のうちの1つ)を押下することができる。例えば、教師が火災に気付いた場合、火災ボタン44を押下して、インシデント標示を開始することができる。
図2で説明されたように、ボタン40~46は、本質的に単に例示的なものであり、追加のインシデントおよび/または異なるインシデントは、完全機能ユニット14上のボタン自体によって反映されることができることに留意されたい。
【0049】
ブロック1002において、(例えば、インシデントボタンの押下から)インシデント標示を受信することに応答して、ボタンが押下された完全機能ユニット14は、インシデント標示を配信することができる。いくつかの実施形態では、完全機能ユニット14は、携帯型ユニット16および18(例えば、それぞれ、管理人および学生)、他の携帯型ユニット14(例えば、他の教師および/または警備担当者)、固定型ノード20および22、ならびに管理ユニット28を含む、システム10内のすべての他のノードにインシデント標示を配信することができる。いくつかの実施形態では、(例えば、完全機能ユニット14における)ボタンの押下によってインシデント標示を受信することに応答して、完全機能ユニット14の位置は、直ちに管理ユニット28に一斉送信されることもできる。これにより、管理者は、インシデントが発生した後すぐにインシデントの位置を知ることが可能になる。
【0050】
ブロック1003において、元の完全機能ユニット14からインシデント標示を受信することに応答して、インシデント標示を受信した各携帯型ノードは、有効インシデントに従って挙動の一斉送信を開始することができる。前述されたように、有効インシデント報告は、携帯型ユニット14、16および18に、無効インシデント移植プロトコルの間または通常の毎日の動作の間よりも頻繁に情報(例えば、位置、名前、ID、および役割)を管理ユニット28に対して一斉送信させる。例えば、有効インシデント報告は、3秒毎に一斉送信する携帯型ユニット14、16および18を含むことができる。
【0051】
ブロック1004において、元の完全機能ユニット14からのインシデント標示の受信に応答して、携帯型ノード14および16、ならびに管理ユニット28は、表示器プロトコルを開始することができる。いくつかの実施形態では、各ノードの表示器プロトコルは、それぞれのノードLEDの点灯を引き起こすことを含むことができる。
図2に戻って参照すると、携帯型ユニット14および16は、各ボタン40~46の隣にLEDを含むことができる。したがって、インシデントボタンが押下されたことに応答して、ある完全機能ユニット14がインシデントプロトコルを開始することに応答して、他の完全機能ユニット14は、それらの対応するLEDを点灯させることができる。例えば、完全機能ユニット14を携行する教師が火災ボタン44を押下した場合、インシデント標示は、完全機能ユニット14から、システム内の他の完全機能ユニット14および携帯型ユニット16(ならびに管理ユニット28)に送信され、他の装置でも火災ボタン44の隣のLEDが点灯するようになるであろう。いくつかの実施形態では、LED点灯は、信号が正常に受信され、システムによって確認された(例えば、「ハンドシェイク」)場合に生じることができる。いくつかの実施形態では、表示器プロトコルにおけるLED点灯が、無効化信号が管理ユニット28から受信されるまで絶えず続く(点滅または定常のいずれか)ことができる。また、管理ユニット28は、表示器プロトコルを含むことができ、インシデント標示の受信に応答して対応するLEDを点灯させることができる。
【0052】
ブロック1005において、(元の完全機能ユニット14を含む)携帯型ノード14、16および18は、管理ユニット28からインシデント無効化信号を受信することができる。例えば、インシデントの段階的拡大の解除(例えば、火災の消火、人が治療を受ける、消散した戦闘など)の際に、管理者は、インシデント無効化信号を管理ユニット28から送信させることができる。ブロック1006において、インシデント無効化信号の受信に応答して、各携帯型ユニット14、16および18は、それらの関連付けられるインシデントプロトコルを無効化することができる。例えば、携帯型ユニット14、16および18は、無効インシデント報告にすべて戻り、より低い頻度(例えば、30秒ごと)で管理ユニット28に情報を一斉送信し始めることができる。さらに、携帯型ユニット14、16および28は、それらの対応するLEDを消灯させることができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、様々なレベルのインシデント報告が存在することができる。例えば、第1のレベルは、現場の担当者(例えば、警備担当者、教師および/または管理者)によって処理されることができるインシデントを含むことができる。第1のレベルのインシデントは、医療用ボタン40または騒動ボタン42などの完全機能ユニット14上のインシデントボタンのうちの1つを押下することによって開始されることができる。レベル1の医療インシデントは、切傷、打撲傷および外部からの援助を必要としない他の傷害を含むことができ、内部の援助(例えば、看護師または応急処置の資格を有する者)で十分なものとすることができる。レベル1の騒動は、警察の外部援助を必要としない学生または従業員の間のけんかを含むことができ、管理者および/または内部警備者によって対処されることができるものとすることができる。いくつかの実施形態では、第2のレベルのインシデントが、外部の援助を必要とするインシデントを含むことができる。第2レベルのインシデントは、完全機能ユニット14上のボタンを押下することによっても開始されることができる。いくつかの実施形態では、第2のレベルのインシデントが、緊急アイコンボタン(例えば、
図2のボタン54)と同時に、インシデントボタン(例えば、医療ボタン40または騒動ボタン42)を押下することによって開始されることができる。レベル2の医療インシデントは、骨折、過度の出血、意識喪失、緊急医療従事者を必要とする可能性のある他の事態を含むことができる。レベル2の騒動は、警察の援助を必要とする重大な喧嘩または口論を含むことができる。いくつかの実施形態では、レベル3のインシデントは、より高いレベルの緊急事態に関連付けられて、実質的な即時応答を必要とすることができる。レベル3のインシデントは、火災または侵入者などのインシデントを含むことができる。第3のレベルのインシデントは、ボタン44またはボタン46を押下することによって、完全機能装置14によって開始されることができる。いくつかの実施形態では、第3のレベルのインシデントは、
図11に関連して説明される指示手順を含むこともできる。
【0054】
図11は、本開示のいくつかの実施形態による、
図1および
図9のシステム内で実行されることができる指示プロトコルを有効化するための例示的なプロセス1100である。いくつかの実施形態では、プロセス1100は、
図1のシステム10内で実行されて、指示信号プロトコルを開始することができる。指示信号プロトコルは、システム10内の様々なノードに、保護施設の方々に指示命令を一斉送信させて、施設内の人物の移動を支援することができる。
【0055】
ブロック1101において、携帯型ユニット14(例えば、完全機能ユニット)は、指示標示を受信することができる。例えば、完全機能ユニット14は、保護場所内の教師または警備担当者によって装着または携行されることができる。重大なインシデントまたは指示を必要とするインシデントが始まったことの通知に応答して、教師または警備担当者は、完全機能ユニット14上の複数のボタンのうちの1つ(例えば、
図2で説明されたボタン48~54のうちの1つ)を押下することができる。例えば、ボタン48はロックダウン指示手順に対応することができる。ボタン50はロックイン指示手順に対応することができる。ボタン52は位置変更指示手順に対応することができる。ボタン54は避難手順に対応することができる。本明細書で説明されるように、ロックダウン手順は、脅威が建物または外部区域に入るのを防止するために使用されることができ、担当者に、すべてのドアおよび窓を施錠し、入口通路にバリケードを築き、事前に割り当てられた場所に隠れるように指示することができる。ロックイン手順は、保護施設内の人々に、すべてのドアを施錠して定位置に留まるが、通常の動作を継続するように指示するために使用されることができる。位置変更手順(例えば、定位置の避難所)は、保護施設内の人々に、予め割り当てられた避難所エンティティ(例えば、施設上または施設近くの気象イベントまたは侵入者に応答して)、または別の安全な場所(例えば、竜巻が南から移動しており、方向が西に変わったとき)に指示するために使用されることができる。避難手順は、人々に施設を直ちに離れるように指示するために使用されることができる。本明細書に説明される指示手順は単に例示的なものであり、他のおよび/または追加の指示手順は本開示のシステム内で実装されることができることに留意することが重要である。
【0056】
ブロック1102において、ボタンの押下から指示標示を受信することに応答して、完全機能ユニット14は、他の携帯型ノード14、16および18、固定型ノード22、ならびに管理ユニット28を含む、システム10内の他のノードに指示標示を配信することができる。いくつかの実施形態では、携帯型ノード14および16は、指示標示の受信に応答して、
図10に関連して説明されるように、元の完全機能ユニット14において選択されるインシデントに対応するLEDを点灯させるように構成されることができる。ブロック1103において、固定型ノード22は、受信した指示標示(例えば、方向性命令)に関連付けられる命令を識別することができる。例えば、固定型ノード22は、そのLEDを介して表示するパターンを識別することができ、これは、適切な方向を提供するために指定の指示標示に従って予めプログラムされる。避難インシデントの場合、固定型ノード22は、最も近い出口または緊急出口に向かって指す矢印を点灯することができる。位置変更インシデントの場合、固定型ノード22は、最も近い安全な避難所に向かって指す矢印を点灯することができる。固定型ノード22は、廊下および通路の壁上に配置されることができ、これは、どの方向に移動すべきかを施設内の人々に顕著に示す役割を果たすことができることに留意されたい。ブロック1104において、固定型ノード22は、指示標示に基づいて、識別される光パターンを点灯させることができる。いくつかの実施形態では、固定型ノード22は、インシデントの完了時に、管理ユニット28によって明示的に無効化されるまで点灯されたままにすることができる。ブロック1105において、管理ユニット28は、固定型ノード22と携帯型ユニット14および16との間のインシデントプロトコルを無効化することができる。
【0057】
前述されたように、管理ユニットに一斉送信される情報は、データベース内に格納され、IDによってインデックス付けされることができる。この情報は、タイムスタンプ情報および位置情報を含むことができる。したがって、
図1および
図9のシステムを介して格納される情報は、様々な携帯型ユニットの移動履歴が追跡および分析されることを可能にすることができる。言い換えると、本開示のシステムは、接触追跡、および過去の位置、移動、近接度、および持続時間の分析に関連した様々な他のタスク、プロセスおよび/または計算を実行するために使用されることもできる。
図1および
図9のシステムに関して説明されるようなメッシュネットワークの仕組みにより、位置は、より正確な方法で(例えば、足の精度まで)アクセスされて追跡されることができ、これにより、より正確かつ効果的な接触追跡を可能にすることができる。したがって、本開示の実施形態は、接触追跡および部屋の収容力を監視する方法にも関連する。
【0058】
図12は、本開示のいくつかの実施形態による、接触追跡の例示的なプロセス1200である。前述されたように、携帯型ユニット(例えば、教師用の携帯型ユニット14、管理人などの人用の携帯型ユニット16、および学生用の携帯型ユニット18)は、メッシュネットワークの他のメンバ(例えば、他の携帯型ユニットおよび固定型ユニット)に基づいて位置を決定して、管理ユニット28に情報(例えば、位置、タイムスタンプ情報、IDなど)を定期的に一斉送信することができ、これがデータベース内に格納され、特定の携帯型ユニットの移動を追跡するのに十分な情報が存在する。いくつかの実施形態において、個人の識別は、携帯型ユニットに関連付けられることができ(例えば、個人のID番号と携帯型ユニットのID番号とを相互に関連付ける)、これにより、特定の携帯型ユニットが選択および分析されて、個人の移動を分析することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、プロセス1200の様々なステップは、管理ユニット28、外部サーバまたはコンピューティング装置によって、またはクラウドコンピューティング環境(例えば、Amazon Web Services)において実行されることができる。
【0059】
ブロック1201において、管理ユニット28は、確認された感染の標示を受信することができる。例えば、
図1および
図9のシステムによって保護される学校、ホテルまたは他の同様の場所の管理者は、従業員、構成員、学生、来客または携帯型ユニットに関連付けられる場所の任意の他の人物が、感染症(例えば、COVID-19)について陽性であると検査されたことを通知されることができる。したがって、管理者は、管理ユニット28を使用して、個人(例えば、ジョン)が感染を確認されたという標示を入力することができる。ブロック1202において、サーバは、確認された感染に関連付けられる位置情報を取得することができる。いくつかの実施形態では、位置情報を取得することは、場所内のすべての携帯型ユニットから一斉送信される情報が格納されるデータベースにアクセスすることを含むことができる。例えば、サーバは、ID(例えば、確認された感染に関連付けられる携帯型ユニットのID)によってデータベースに問い合わせをして、位置および関連付けられるタイムスタンプ情報を抽出することができる。いくつかの実施形態では、すべての履歴情報が取得されることができる、または事前に指定された時間フレームを有する履歴情報が取得されることができる。いくつかの実施形態では、この時間フレームが、個人の疾患に基づいて選択されることができる。例えば、ジョンがCOVID-19に感染した場合、管理者は、感染を確認する前の2週間の間の位置情報を取得することを望むことができる。ブロック1203において、サーバは、確認された感染によって入り込まれた部屋を識別することができる。いくつかの実施形態では、保護場所内の各部屋(例えば、
図1のシステム10内の部屋24)はジオフェンスされ、関連付けられる部屋IDを有することができる。例えば、サーバは、確認された感染が、過去2週間以内に、教室、浴室および教師の執務室などの学校の3つの異なる部屋に入り込んだことを識別することができる。
【0060】
ブロック1204において、サーバは、確認された感染が入り込んだと識別された各部屋の部屋スコアを計算することができる。部屋スコアは、感染症に対する部屋の曝露レベルを反映することができ、また、部屋の追加の人物が疾患にかかる可能性を反映することができる。例えば、より高いスコアは、部屋が、より低いスコアを有する部屋よりも高い曝露にさらされたことを示すことができる。いくつかの実施形態において、感染した個人は、サーバによって標準スコア(例えば、10、100など)を割り当てられることができ、これは、時にはシステム内のスコア計算について相対的な最大値として使用されることができるが、これは、部屋スコアについての最大値としてのみ使用されてもよい。いくつかの実施形態では、感染した個人が部屋にいると検出される期間について、部屋は、期間毎の個人のスコアの割合を受信することができる。例えば、ジョンは、10分毎に教室にいると識別され、部屋は、ジョンのスコアの10パーセントを受信することができる。10のスコアが与えられる確認された事例において、ジョンが20分間教室にいると検出された場合、教室は2のスコアを与えられることになる。スコアリングに使用される持続時間および割合は変化することができ、10分間について10パーセントは、本質的に単なる例示であり、手近な疾患に基づいて変化することができることに留意されたい。いくつかの実施形態では、部屋スコアは、確認された感染が過去2週間内に入り込んだとして識別された部屋毎に計算されることができ、スコアは各部屋の部屋IDに関連付けられることができる。
【0061】
いくつかの実施形態において、部屋スコアは、感染した個人が部屋を離れることによる曝露の減少を反映するように低減されることができる。いくつかの実施形態において、部屋スコアは、感染した個人が部屋にいない期間毎に、割合を低減されることができる。いくつかの実施形態において、部屋スコアは、感染した個人が部屋にいない10分毎に10パーセント減少されることができる。例えば、ジョンが、午後2時に部屋に入り、100分間(例えば、1時間40分)そこに滞在する場合、午後3時40分に、部屋は10ポイントのスコアを有することができる。ジョンが午後3時40分に部屋を出ると仮定すると、部屋は、午後3時50分に9のスコア、午後4時に8.1のスコア、午後4時10分に7.3のスコアを有することができる。これらの値は例示的なものであり、特定の疾患または様々な他の要因に従って、他の値および割合が使用されることができることに留意されたい。さらに、部屋スコアを計算する方法は、2週間の期間にわたる部屋スコアの時間依存プロットを可能にし、これは、特定の個人に関連付けられる他の時間依存プロット(例えば、移動、体温プロットなど)と相関させ、分析に使用されることができる。
【0062】
ブロック1205において、サーバは、識別された部屋の内の他人を識別することができる。例えば、各携帯型ユニットは定期的に位置情報を一斉送信することができるので、サーバは、指定された期間(例えば、COVID-19の用途について2週間)における過去の移動について保護場所内の各携帯型ユニットにアクセスし、ブロック1203で識別された各部屋にユニットが入室したかどうかを決定することができる。ブロック1206において、サーバは、計算された部屋スコアを有する部屋のうちの1つに入室したと識別された各個人について曝露スコアを計算することができる。いくつかの実施形態において、個人(例えば、デイビット)の曝露スコアは、確認された感染と同時に識別された部屋にいることと、確認された感染と同時ではなく識別された部屋にいることとの両方からの曝露を反映することができる(例えば、過ごした時間に比例することができる)。例えば、デイビットがジョンと同じ部屋に同時にいる場合、デイビットの曝露スコアは、部屋スコアとジョンのスコアとの合計の10パーセントだけ、10分毎に増加することができる。デイビットが、ジョンが以前に入室したが、もはや入室していない部屋にいる場合、デイビットのスコアは、部屋のスコアの10パーセント増加することができる。いくつかの実施形態において、個人の曝露スコアは、ある期間にわたる累積スコアとすることができる。例えば、デイビットが、問題の期間中に3つの部屋に入室したと検出された場合、デイビットの曝露スコアは、3つの部屋すべてからの感染症の曝露/リスクのレベルを反映する累積スコアとなるだろう。いくつかの実施形態では、曝露スコアは、最大値を有することもでき、これは、最大の部屋スコアと同じとすることができる。部屋スコア計算に関連して前述されたのと同様に、数および割合は、例示的なものであり、様々な疾患または所望のスコアリング原理を反映するように変更することができることに留意されたい。ブロック1207において、サーバは、場所内の全ての携帯型ユニットについて曝露スコアを分析して、ある所定の閾値を超える曝露スコアを識別することができる。いくつかの実施形態では、閾値は、実際の感染症などの様々な要因に依存することができ、スコアが計算された個人が疾患に罹患した可能性および/または確率を反映することができる。閾値を利用することは、疾患に罹患した最も現実的な機会をどの個人が有するかを示すことができる。このアプローチの利点は、公共の場で対話した個人が伝染性疾患に感染していることが確認された後、疾患が伝播した最も可能性のある候補者が見出されることができ、さらなる手順(例えば、検査、隔離、および/または処置)がこれらの識別された個人に行われることができる。
【0063】
サーバは、プロセス1200を詳細に説明するために前の説明で使用されたが、クラウドコンピューティングプラットフォームなどの他の同様の構造も使用されることができることに留意されたい。いくつかの実施形態では、クラウドコンピューティングプラットフォームに格納されて分析された情報は匿名化され、ハッキングの場合に場所内の個人の識別情報にアクセスされないように保護することができる。
【0064】
図13は、本開示のいくつかの実施形態による、部屋の収容力を監視するための例示的なプロセス1300である。
図12の説明で示唆したように、感染症の伝播に対処する場合と同様に、感染症の伝播を防止するために、人々の間の身体的接触および接触の近接を制限することが重要であるとすることができる。これは、多くの場合、バーまたは他の場所などで、収容力の制限を実施することによって管理されることができる。しかしながら、所在地または場所が複数の部屋を有する場合、所在地内でより小さな規模で収容力の制限を実施することは困難となり得る。したがって、本開示の実施形態は、部屋の規模で収容力を管理することに関連することができる。いくつかの実施形態では、先に述べられたように、これは、感染性の伝播を処置および管理するために使用されることができる。しかしながら、いくつかの実施形態では、本明細書で説明される方法は、多くの他の用途での使用において部屋の収容力を実施するために使用されることができる。
図1および
図9に関連して本明細書で説明されるメッシュネットワークおよびシステムは、そのような実施および管理プロトコルのためのツールを提供することができる。
【0065】
ブロック1301において、管理ユニット(例えば、管理ユニット28)は、区域に関連付けられるジオフェンスを構成することができる。いくつかの実施形態では、区域は、保護場所内の部屋(例えば、
図1のシステム10の部屋24)、例えば、教室、ホテルの部屋、会議室など、とすることができる。ジオフェンシングは、現実世界の地理的区域の仮想境界を含むことができる。言い換えれば、システム10は、保護場所内の各部屋の仮想境界を定義することができる。これは各部屋を別々に見ることを可能にし、各部屋は、分析目的および追跡目的のために、関連付けられる部屋IDを有することができる。
【0066】
ブロック1302において、管理者は(例えば、管理ユニット28を介して)、特定の区域に関連付けられる収容力を確立することができる。例えば、管理者は、会議室の収容力を10人に設定することができる。次に、部屋IDによる会議室は、管理ユニット28によって管理される、システム内で10人として定義される収容力制限を有することができる。ブロック1303において、管理ユニット28は、区域(例えば、会議室)内の携帯型ユニットを識別することができる。前述されたように、携帯型ユニット(例えば、携帯型ユニット14、16および18)は、それらの位置および他の情報を管理ユニット28に定期的に一斉送信するように構成されることができる。区域の所定のジオフェンスに基づいて、管理ユニット28は、区域内に位置する携帯型ユニットを識別することができる。ブロック1304において、管理ユニット28は、所定の区域内に現在ある携帯型ユニットの総数を維持することができる。例えば、管理ユニットにそれらの情報および位置を直近一斉送信した6つの携帯型ユニットがある場合(およびその位置が区域の境界内にある場合)、管理ユニット28は、その区域について現在の総数6を維持することができる。いくつかの実施形態では、携帯型ユニットがそれらの位置を一斉送信し続けるので、管理ユニット28は、総数を更新して、総数を増加または減少させて継続的な更新を反映することができる。ブロック1305において、総数がブロック1302において定義される収容力を超える場合、システムは、管理ユニット28上に表示されることができる警告を生成することができる。これは、管理ユニット28を管理する管理者に、部屋の収容力が過大であることを通知し、どの部屋であるかを知らせることができる。
【0067】
図14は、本開示のいくつかの実施形態による、例示的なユーザインタフェース1400である。いくつかの実施形態では、インタフェース1400は、管理ユニット28の管理者または他のユーザに対して表示されることができる。インタフェース1400は、ダッシュボードと呼ばれることができ、管理者が、
図1のシステム10によって保護される場所などの保護場所内の組織を管理するのを助けることができる。いくつかの実施形態では、インタフェース1400は場所名簿1401を含むことができ、名簿は場所内で追跡されるすべての個人の一覧を含むことができる。各個人は、定義される本拠地の場所および状態(例えば、現場内または現場外)を有することができ、携帯型ユニットに関連付けられることができる。携帯型ユニットの種類は、組織内の個人の役割に依存することができることに留意されたい。いくつかの実施形態では、インタフェース1400は部屋の収容力違反1402の一覧を含むことができる。部屋の収容力違反は、
図13のプロセス1300を介して決定されることができる。列挙される各部屋の収容力違反は、部屋の名前と、収容力が違反となってからの時間とを含むことができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、インタフェース1400は緊急事態報告1403を含むことができる。緊急事態報告1403は、インシデント(例えば、
図10のプロセス1000によって定義されるインシデント)の一覧と、状態、時刻および発信元の人物などの各インシデントに関連付けられる様々な情報とを含むことができる。いくつかの実施形態では、インタフェース1400は、場所名簿1401から選択される特定の人物(例えば、図示されるTeresa Kendall)についての接触追跡報告1404を含むことができる。接触追跡報告1404は、選択される人物が接触することになった人物の一覧と、接触の持続時間とを含むことができる。いくつかの実施形態では、接触追跡報告1404はドロップダウンメニュー1405を含むことができ、このドロップダウンメニュー1405は、ユーザ/管理者が接触統計を表示するための所望の期間を選択することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、インタフェース1400は、体温ログ1406を含むことができる。選択される人物の体温ログ1406は、選択される人物の体温を時間の関数として(例えば、1日ごとに)プロットすることができる。いくつかの実施形態では、体温は、QRコード(例えば、QRコード1408)の使用によって受信され、格納されることができる。例えば、Teresa Kendallが、学校の教師であり、彼女に関連付けられる携帯型ユニット14を有すると仮定すると、彼女に割り当てられる携帯型ユニット14は、QRコードを含むことができ、管理ユニット28によってアクセス可能な彼女のプロフィールに関連付けられる。体温計は、彼女の体温を測定するために使用されることができ、QRコードは、プロフィールと共に体温を格納するために使用されることができる。いくつかの実施形態では、これは、人の体温が経時的に追跡されることを可能にすることができ、これにより、(例えば、プロセス1200に関連して説明されるように)接触追跡を実行するときに、より多くの洞察を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、体温ログ1406はドロップダウンメニュー1407を含むことができ、ユーザ/管理者が表示可能な時間フレームを変更するために使用することができる。
【0069】
上述の明細書では、特定の実施形態が説明された。しかし、当業者は、以下の特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更を行うことができることを理解するであろう。例えば、本開示は学校に関連して説明され、例示されてきたが、そのように限定されることは意図されない。会社の場合、携帯型ユニット14、16は事業所長に関連付けられることができ、携帯型ユニット18は従業員に関連付けられることができる。したがって、本明細書および図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味でみなされるべきであり、すべてのそのような修正は、本教示の範囲内に含まれることが意図される。
【0070】
利益、利点、問題に対する解決策、および任意の利益、利点または解決策を生じさせるまたはより明白にすることができる任意の要素は、任意のまたはすべての特許請求の範囲の重大な、必要な、または本質的な特徴または要素として解釈されるべきではない。
【0071】
本開示の要約は、読者が技術的開示の性質を迅速に確認することを可能にするために提供される。要約は、特許請求の範囲または意味を解釈または限定するために使用されないという理解の下に提出される。さらに、前述の詳細な説明では、開示を合理化する目的で、様々な特徴が様々な実施形態において一緒にグループ化されることが分かる。この開示方法は、特許請求される実施形態が各特許請求の範囲に明示的に列挙されるよりも多くの特徴を必要とするという意図を反映するものとして解釈されるべきではない。むしろ、後述の特許請求の範囲が示すように、発明の主題は、単一の開示される実施形態の全ての特徴より少ない特徴にある。したがって、以下の特許請求の範囲は本明細書によって詳細な説明に組み込まれ、各特許請求の範囲はそれ自体が別個に特許請求される主題として主張する。
【0072】
開示される主題は、その適用において、以下の説明に記載される、または図面に例示される構造の詳細および構成要素の配置に限定されないことを理解されたい。開示される主題は、他の実施形態、および様々な方法で実施されて実行されることが可能である。また、本明細書で使用される語法および用語法は、説明の目的のためのものであり、限定とみなされるべきではないことを理解されたい。したがって、当業者は、本開示に基づく概念が、開示される主題のいくつかの目的を実行するための他の構造、方法およびシステムを設計するための基礎として容易に利用されることができることを理解するであろう。したがって、特許請求の範囲は、開示される主題の精神および範囲から逸脱しない限り、上記の同等の構成を含むものとみなされることが重要である。
【0073】
開示される主題が前述の例示的な実施形態において説明されて例示されたが、本開示は、単に例としてなされたものであり、開示される主題の実施の詳細における多くの変更は、開示される主題の精神および範囲から逸脱することなくなされることができることが理解される。
【手続補正書】
【提出日】2022-02-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本出願は、2020年7月15日に出願されたPCT/US2020/042046の国内移行手続であり、これは2019年7月15日に出願された米国仮特許出願第62/874,113号の優先権を主張する。それら両方の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
区域の収容力を管理するための方法であって、前記方法は、
場所内の区域を定義するジオフェンスをメッシュネットワーク内で構成することと、
前記区域に関連付けられる収容力を確立することと、
前記メッシュネットワーク内の複数の選択されるユーザによって装着または携行される複数の携帯型ユニットの位置を分析することと、
前記区域内に位置する複数の携帯型ユニットを識別することと、
前記区域内に位置する前記複数の携帯型ユニットの現在の総数を維持することと、
前記収容力を超える前記現在の総数に応答して、管理ユニットへの警告を生成することであって、前記管理ユニットは前記メッシュネットワークの一部である、ことと、
を含む、方法。
【請求項2】
請求項
1に記載の方法において、前記メッシュネットワークは複数の固定型ユニットを含み、前記複数の携帯型ユニットの各々と、前記複数の固定型ユニットの各々と、前記管理ユニットとは、前記メッシュネットワーク内のすべての他のユニットと無線通信して、全ての信号を受信するように構成される、方法。
【請求項3】
請求項
2に記載の方法において、前記複数の携帯型ユニットの各々と、前記複数の固定型ユニットの各々と、前記管理ユニットとは、前記メッシュネットワーク内のすべての他のユニットと対話するように構成される、方法。
【請求項4】
請求項
2に記載の方法において、携帯型ユニットの前記位置は、前記複数の固定型ユニットからの複数の受信信号強度(RSSI)を分析することによって決定される、方法。
【請求項5】
請求項
1に記載の方法において、前記複数の携帯型ユニットのうちの少なくとも一部は、静止している間に、第1の所定の頻度で前記管理ユニットに情報を一斉送信するように構成される、方法。
【請求項6】
請求項
5に記載の方法において、前記複数の携帯型ユニットのうちの前記少なくとも1つは、移動するときに、第1の前記頻度よりも高い頻度で前記管理ユニットに情報を一斉送信するように構成される、方法。
【請求項7】
請求項
5に記載の方法において、前記情報は、
携帯型ユニットに関連付けられるID、
前記携帯型ユニットに関連付けられる位置、
前記携帯型ユニットに関連付けられる名前、または、
前記携帯型ユニットに関連付けられる役割、
のうちの少なくとも1つを含む、方法。
【請求項8】
請求項
1に記載の方法において、前記複数の携帯型ユニットのうちの少なくとも1つは、特定の種類の緊急事態に関する信号を前記管理ユニットに送信するための複数のボタンを含む、方法。
【請求項9】
請求項
8に記載の方法において、前記複数の携帯型ユニットの部分集合は、ボタンが前記複数の携帯型ユニットのうちの少なくとも1つにおいて押下されることに応答して、無効化信号が前記管理ユニットから受信されるまで、前記緊急事態に関連付けられるLEDを点灯させるように構成される、方法。
【国際調査報告】