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特表2022-541812位置決めブロック、位置決めブロックに基づく光学位置決めシステム及び方法並びに機能モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-27
(54)【発明の名称】位置決めブロック、位置決めブロックに基づく光学位置決めシステム及び方法並びに機能モジュール
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/00 20210101AFI20220916BHJP
【FI】
G02B7/00 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022504009
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(85)【翻訳文提出日】2022-01-19
(86)【国際出願番号】 CN2020102713
(87)【国際公開番号】W WO2021013094
(87)【国際公開日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】201910669312.4
(32)【優先日】2019-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911043079.5
(32)【優先日】2019-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522025787
【氏名又は名称】嘉▲興▼旭▲鋭▼▲電▼子科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIAXING XURUI ELECTRONIC TECHNOLOGY CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 新▲剛▼
(57)【要約】
位置決めブロック、位置決めブロックに基づく光学位置決めシステム及び方法並びに機能モジュールであって、その位置決めシステムは、1つの上面水平底板と、ストレート位置決め側辺を備えた少なくとも1つの支持部材と、光学ユニットの搭載及び位置決め用の複数の位置決めブロックとを含み、底板にはさらに可動載置板を有することができる。位置決めブロックの底部を底板又は載置板と密着させることにより垂直方向の位置決めを実現し、位置決めブロックの側面と支持部材の位置決め側辺との密着により、水平方向の位置決めを実現する。異なる光路設計に基づいて、所望の位置の位置決めブロックに光学ユニットを搭載し、接続構造により、全ての光学機能ユニットの中心点が同一高さに位置するようにし、発光ユニットは、出射光が位置決めブロックの側面及び底面に平行になり、他の光学ユニットの中心点が出射光の高さと一致するように機械的に調整される。光学システムのほぼ正確な位置決めを実現する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学位置決めシステムに適用される位置決めブロックであって、底面と、光学ユニットを搭載可能な上面と、少なくとも1つの位置決め側面とを含む、ことを特徴とする位置決めブロック。
【請求項2】
前記位置決め側面は2つの互いに垂直な位置決め側面である、ことを特徴とする請求項1に記載の位置決めブロック。
【請求項3】
底面に磁石が埋め込まれている、ことを特徴とする請求項1に記載の位置決めブロック。
【請求項4】
底面に垂直な4つの側面を有し、水平断面は矩形である、ことを特徴とする請求項1に記載の位置決めブロック。
【請求項5】
位置決めブロックは磁性材料を用い、4つの側面に磁石が埋め込まれている、ことを特徴とする請求項4に記載の位置決めブロック。
【請求項6】
4つの側面に磁石が埋め込まれており、位置は中間位置を避けて、統一して左又は右に寄せ、各磁石が埋め込まれる極性方向は同じである、ことを特徴とする請求項5に記載の位置決めブロック。
【請求項7】
位置決めブロックに基づく光学位置決めシステムであって、1つの上面が水平な底板と、少なくとも1つの支持部材と、光学機能ユニットの搭載及び位置決め用の複数の位置決めブロックとを含み、支持部材は、底板と固定されるか又は固定されておらず、少なくとも1つのストレートな位置決め側辺を有し、位置決めブロックは、底面と、光学ユニットを搭載可能な上面と、少なくとも1つの位置決め側面とを含み、位置決めブロックの位置決め側面は支持部材の位置決め側辺に密着可能である、ことを特徴とする位置決めブロックに基づく光学位置決めシステム。
【請求項8】
前記支持部材は底板と固定され、底板には載置板を有し、載置板の辺は支持部材の位置決め側辺に密着可能である、ことを特徴とする請求項7に記載の位置決めブロックに基づく光学位置決めシステム。
【請求項9】
前記底板の材料は磁性材料であり、前記位置決めブロックの底面に磁石が埋め込まれている、ことを特徴とする請求項7に記載の位置決めブロックに基づく光学位置決めシステム。
【請求項10】
前記載置板の材料は磁性材料であり、前記位置決めブロックの底面に磁石が埋め込まれている、ことを特徴とする請求項8に記載の位置決めブロックに基づく光学位置決めシステム。
【請求項11】
前記支持部材は少なくとも2つの互いに垂直な位置決め側辺を有し、前記互いに垂直な位置決め側辺は同一支持部材又は異なる支持部材に位置する、ことを特徴とする請求項7~10のいずれかに記載の位置決めブロックに基づく光学位置決めシステム。
【請求項12】
前記位置決めブロックは2つの互いに垂直な位置決め側面を有する、ことを特徴とする請求項11に記載の位置決めブロックに基づく光学位置決めシステム。
【請求項13】
前記位置決めブロックはブロック構造であり、ブロックの側面は底面に垂直であり、側面は支持部材の位置決め側辺又は異なるブロックの側面に密着可能であり、全部又は一部のブロックの上面に光学機能ユニットを搭載可能であり、ブロックの水平断面は矩形であり、異なるブロックの水平断面の大きさは同じであるか又はモジュール化設計された大きさが異なる矩形である、ことを特徴とする請求項11に記載の位置決めブロックに基づく光学位置決めシステム。
【請求項14】
前記ブロックは磁性材料を用い、4つの側面に磁石が埋め込まれている、ことを特徴とする請求項13に記載の位置決めブロックに基づく光学位置決めシステム。
【請求項15】
前記ブロックの4つの側面に埋め込まれている磁石は、その位置が中間位置を避けて、すべてが同じく左又は右に寄せ、各磁石が埋め込まれる極性方向は同じである、ことを特徴とする請求項14に記載の位置決めブロックに基づく光学位置決めシステム。
【請求項16】
前記位置決めブロックと、底板又は載置板との間が接着剤で密着されている、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の位置決めブロックに基づく光学位置決めシステム。
【請求項17】
前記ブロック間、ブロックと底板又は載置板との間が接着剤で密着されている、ことを特徴とする請求項13に記載の位置決めブロックに基づく光学位置決めシステム。
【請求項18】
位置決めブロックに基づく光学システム位置決め方法であって、位置決めブロックの底部を底板又は載置板と密着させることにより垂直方向の位置決めを実現し、位置決めブロックの側面と支持部材との密着によって、水平方向の位置決めを実現し、異なる光路設計に基づいて、所望の位置のブロックに光学機能ユニットを搭載し、接続構造により、全ての光学機能ユニットの中心点が同一高さに位置するようにし、発光ユニットは、出射光が位置決めブロックの側辺及び底面に平行になり、他の光学ユニットの中心点が出射光の高さと一致するように機械的に調整される、ことを特徴とする位置決めブロックに基づく光学システム位置決め方法。
【請求項19】
前記位置決めブロックはブロック構造であり、ブロックの側面は底面に垂直であり、側面は支持部材の位置決め側辺又は異なるブロックの側面に密着可能であり、全部又は一部のブロックの上面に光学機能ユニットを搭載可能であり、ブロックの水平断面は矩形であり、異なるブロックの水平断面の大きさは同じであるか又はモジュール化設計された大きさが異なる矩形であり、ブロックの側面と支持部材との密着及び隣接するブロックの側面間の密着によって水平方向の位置決めを実現する、ことを特徴とする請求項18に記載の位置決めブロックに基づく光学システム位置決め方法。
【請求項20】
位置決めブロックと底板又は載置板との間、及び密着している位置決めブロックの間は磁気吸着によって固定されている、ことを特徴とする請求項18又は19に記載の位置決めブロックに基づく光学システム位置決め方法。
【請求項21】
位置決めブロックと底板又は載置板との間、及び密着している位置決めブロックの間は接着剤で固定されている、ことを特徴とする請求項18又は19に記載の位置決めブロックに基づく光学システム位置決め方法。
【請求項22】
底板又は載置板と、底板又は載置板上の複数の請求項1に記載の位置決めブロックとを含み、一部又は全ての位置決めブロックには光学ユニットが搭載され、位置決めブロックと底板又は載置板との間が磁気吸着又は接着剤によって接続される、ことを特徴とする位置決めブロックに基づく機能モジュール。
【請求項23】
互いに密着している位置決めブロックの間が磁気吸着又は接着剤によって接続されている、ことを特徴とする請求項22に記載の位置決めブロックに基づく機能モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学技術分野に属し、光路中の各光学機能ユニットの位置決めシステム及び方法に関し、特に、位置決めブロックに基づく光学位置決めシステム及び方法並びに機能モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、実験室では、光学システムを構築する際に、多次元調整フレームを用いてシステムの光路調整を行う必要があり、いくつかの複雑な光学システムでは、光路構築に大量の作業を費やす必要がある。また、光路の自由度が高すぎるため、システムは再現性がほとんどなく、光路構造が変化するたびにシステムを再調整する必要があり、その結果、多くの時間と労力が浪費される。従来技術の欠点を克服するために、本発明は位置決めブロック、位置決めブロックを用いた光学位置決めシステム及び方法、その位置決めブロック及び機能モジュールを提供する。光路中の光学機能ユニットの構築と位置決めを迅速に実現することができ、再構成を容易にすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以下、本発明の位置決めブロック、位置決めブロックに基づく光学位置決めシステム及び方法並びに機能モジュールの具体的な内容を説明する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一、本発明の位置決めブロック
【0005】
本発明の位置決めブロックは底面と、光学ユニットを搭載可能な上面と、少なくとも1つの位置決め側面とを含む。
【0006】
さらに、前記位置決めブロックは2つの互いに垂直な位置決め側面を有する。
【0007】
さらに、前記位置決めブロックはブロック構造(方形ブロック構造)であり、底面に垂直な4つの位置決め側面を有する。位置決めブロックの水平断面は矩形であり、同じ大きさの矩形であってもよく、モジュール化設計であってもよい。いわゆるモジュール化設計とは、平面の大きさが最小辺長の正方形を基本セルとし、最小辺長の整数倍の長さ又は幅を有する長方形又は正方形が設計され得ることを意味する。例えば、基本セルは1×1であり、モジュール化設計による他のブロックは1×2、1×3、2×2であってもよい。本発明の前記ブロックは、幾何学的に厳密な六面体であるのではなく、各角に面取り又は滑らかな遷移を有してもよい。したがって、多角柱(例えば、4つの側面位置に面取り加工が施されている場合、幾何学的には八角柱となる)として表現されることがあるが、互いに垂直な4つの側面があれば、本発明に記載のブロックに該当し、その水平断面は矩形であるとみなされる。本発明では、ブロック構造の位置決めブロックは位置決めブロックと呼称されてもよく、且つブロックと略称されてもよい。
【0008】
好ましい形態としては、位置決めブロックの底面に磁石が埋め込まれている。
【0009】
好ましい形態としては、位置決めブロックの位置決め側面に磁石が埋め込まれている。
【0010】
好ましい形態としては、ブロック構造の位置決めブロックは磁性材料を用い、4つの位置決め側面に磁石が埋め込まれている。さらに、4つの位置決め側面に磁石が埋め込まれており、位置は中間位置を避けて、統一して左又は右に寄せ、各磁石が埋め込まれる極性方向は同じである。
【0011】
二、本発明の位置決めブロックに基づく光学位置決めシステム
【0012】
1つの上面が水平な底板と、少なくとも1つの支持部材と、光学機能ユニットの搭載及び位置決め用の複数の(少なくとも2つの)位置決めブロックとを含み、底板は光学システムの搭載プラットフォーム、すなわち光学システムの水平基準面、垂直方向(Z方向)の初期位置決めを提供する。支持部材と底板は一体構造又は分割構造であり、支持部材は少なくとも1つのストレートな位置決め側辺を有して、位置決めブロックに水平方向の初期位置決めを提供する。位置決めブロックの底面は底板の上面に密着可能であり、位置決めブロックの位置決め側面は支持部材の位置決め側辺に密着可能であり、位置決めブロックの最上部は光学ユニットを搭載することができる。本発明では、底板と支持部材を位置決めディスクと総称する。
【0013】
構築された光学システムは水平面に1つの方向(X方向)のみに延伸する場合、本発明は異なる位置決めブロックにおける光学ユニットの光軸を位置決め側面に平行であり且つ距離が同じであるように設置すればよい。このように、異なる位置決めブロックの位置決め側面が支持部材の位置決め側辺に密着する時、異なる位置決めブロックにおける光学ユニットの光軸が同一垂直平面にあることを確保することができる。光路の必要に応じて、さらに光学ユニットの光軸を高さが同じであり且つ位置決めブロックの底面に平行であるように設置すると、異なる位置決めブロックにおける光学ユニットの光軸が同一水平直線にある。
【0014】
いくつかの光路において、光学ユニットは平面の2つの垂直方向(X方向及びY方向)に位置決めする必要がある。この場合、本発明は互いに垂直な2つの位置決め側辺(X方向及びY方向)を有する支持部材を提供し、該支持部材は単一構造であってもよく、互いに垂直な2つの支持部材であってもよい。位置決めブロックは2つの互いに垂直な位置決め側面を有してもよく、1つの位置決め側面は光軸に平行であり、他方の位置決め側面は光軸に垂直である。これにより、異なる位置決めブロックの位置決め側面はそれぞれ支持部材のX方向の位置決め側辺及びY方向の位置決め側辺に密着すると、X方向及びY方向の位置決めを実現することができる。
【0015】
上記技術案における位置決めブロックにより実現されるのは光路の方向位置決めであり、異なる位置決めブロックの間の距離は支持部材に沿って位置決めブロックを摺動させることにより調整される。これにより、光路方向を変化させずに、光学ユニット間の距離を変化させることができる。
【0016】
ある場合、X方向及びY方向の位置決めを必要とするだけでなく、この2つの方向での正確な距離位置決めを実現する必要がある。該ニーズはブロック構造の位置決めブロックを採用することにより実現される可能性があり、このような位置決めブロックを位置決め方形ブロックと呼称してもよい。各位置決め方形ブロックの底面は底板に密着可能であり、ブロックの側面は底面に垂直であり、支持部材及び異なるブロックの側面に密着可能であり、全部又は一部のブロックの上面に光学機能ユニットを搭載可能であり、ブロックの水平断面は矩形であり、同じ大きさの矩形であってもよく、モジュール化設計であってもよい。このように、支持部材の位置決め側辺はX及びY方向の初期位置決めを提供し、位置決めブロック間は連続的に密着して延伸して、光学ユニット間の正確な距離位置決めが実現され、その距離は厳密に基本ブロックセルの辺長の整数倍である。
【0017】
底板と支持部材は分離不可能である場合、底板に移動可能な載置板を追加することができ、載置板の1つの側辺又は少なくとも2つの垂直側辺は支持部材に密着可能であり、ブロックの底面は載置板の上面に密着可能である。
【0018】
三、本発明の位置決めブロックに基づく光学システム位置決め方法
【0019】
底板又は載置板は垂直方向(Z方向)の位置決め基準であり、底板における支持部材を水平方向(X方及び/又はY方向)の位置決め基準とし、異なる光路設計に基づいて、光学ユニットが搭載されている又は搭載されていない異なる位置決めブロックを底板及び支持部材に密着させると共に、位置決めブロックの間を密着させると、光路の迅速な位置決めを迅速に実現することができる。平面方向は1次元位置決め(単一方向)であるか、又は2次元位置決め(垂直なX及びY方向)であるか、及び正確な距離位置決めを必要とするかに基づいて、方法は具体的に以下のとおりである。
【0020】
1次元位置決めのみを行う場合、位置決めブロックの位置決め側面を支持部材の同一位置決め辺に密着させる。異なる位置決めブロックにおける光学ユニットの光軸を位置決め側面に平行であり且つ距離が同じであるように設置すればよい。これにより、異なる位置決めブロックの位置決め側面が支持部材の位置決め側辺に密着する時、異なる位置決めブロックにおける光学ユニットの光軸が同一垂直平面上にあることを確保することができる。光路の必要に応じて、さらに光学ユニットの光軸を高さが同じであり且つ位置決めブロックの底面に平行であるように設置すると、異なる位置決めブロックにおける光学ユニットの光軸が同一水平直線上にある。支持部材に沿って位置決めブロックを摺動させることにより光学ユニット間の距離を略調整することができる。
【0021】
2次元位置決めを必要として、すなわち光学ユニットを平面の2つの垂直方向(X方向及びY方向)に位置決めする場合、互いに垂直な2つの位置決め側辺(X方向及びY方向)を備えた支持部材を利用し、位置決めブロックは2つの互いに垂直な位置決め側面を有することができ、1つの位置決め側面は光軸に平行であり、他方の位置決め側面は光軸に垂直である。光路設計に基づいて、異なる位置決めブロックを必要な方向で位置決めする必要がある側辺の対応する位置に密着させる。これにより、異なる位置決めブロックの位置決め側面はそれぞれ支持部材のX方向の位置決め側辺及びY方向の位置決め側辺に密着し、X方向及びY方向の位置決めを実現することができる。支持部材に沿って位置決めブロックを摺動させることにより光学ユニット間の距離を略調整することができる。
【0022】
X方向及びY方向の2次元位置決めを必要とするだけでなく、この2つの方向の正確な距離位置決めを実現する必要がある場合、該ニーズは位置決め方形ブロックによって実現する可能性がある。各位置決め方形ブロックの底面は底板に密着し、ブロックの側面は底面に垂直であり、支持部材及び異なるブロックの側面に密着し、全て又は一部のブロックの頂面には光学機能ユニットが搭載される。このようにすると、支持部材の位置決め側辺はX及びY方向の初期位置決めを提供し、位置決め方形ブロック間は連続的に密着して延伸して、光学ユニット間の正確な距離位置決めが実現され、その距離は厳密に基本ブロックセルの辺長の整数倍である。
【0023】
上記2次元で且つ正確な距離位置決めを必要とすることを例として、さらに本発明の光学位置決め方法を説明する。異なる光路設計に基づいて、所望の位置のブロックに光学機能ユニットを搭載し、上層光学機能ユニットは、接続構造により、全ての機能ユニットの中心点が、同一高さに位置するようにし、発光ユニット(例えばレーザー、コリメータ等)は、出射光が位置決めブロックの1つの位置決め側面及び底面に平行になり、他の光学ユニットの中心点が出射光の高さと一致するように機械的に調整され、そして、光がユニットを通過した後、光の位置や角度が変化しないように光ファイバユニットを調整することにより、1つの出射ユニットから出射された光は、複数の光学ユニットを通過した後、コリメータや検出器などの最終的な機能光学ユニットにスムーズに入射することができる。すなわち、各種光学機能ユニットは、ブロックの上面に対して光の出射位置又は入射位置が同じ高さで、水平位置が一致するように設計されている。光路の必要に応じて、光学機能ユニットを搭載した複数のブロックを底板上のブロックアレイの対応する位置に置くことにより、光学システムのほぼ正確な位置決めを実現することができる。ブロックに微調整構造を追加することで、光学機能ユニットを微調整することにより、異なるブロックにおける光学ユニットのアライメントや結合の精度をさらに向上できる。通常、大きさの揃った基本セルであるブロックをすべて用いるとニーズを満たすことができる。ただし、モジュール化設計を採用した異なる大きさのブロックは、より柔軟なニーズを満たし、位置決めの効率と精度を向上させることができる。例えば、光学機能ユニットの底部が基本セルブロックの大きさを超える場合、大きなブロックを使用することができ、隣接する光学機能ユニット間の距離が大きい場合、適切な仕様のブロックを使用することができる。これにより、光学系全体のブロック数が減少し、位置決め速度が向上し、精度が向上する。
【0024】
このような光学位置決めシステム及び方法は、光学機能ユニットを搭載するか搭載しないかのいずれかのブロックを、他のブロックと任意に置き換えることができ、それによって、光路の迅速な構築及び再構成を可能にする。
【0025】
ブロックと支持部材、ブロックと底板又は載置板、ブロックとブロックとの間の密着を実現するために、自然に密着させることができるが、より信頼性の高い密着を実現するために、以下の各技術案を採用することができる。
【0026】
1つの態様としては、ブロックと底板又は載置板との間、及びブロックの間は接着剤で接着されて、緊密に密着されている。
【0027】
他の態様としては、底板又は載置板は磁性材料(磁石自体ではなく、磁場に対して何らかの形で反応する材料を指し、本発明では、磁石に吸着することができる材料を指す)を用い、位置決めブロックは上記した前記底面に磁石が埋め込まれている位置決めブロックを用い、これにより、位置決めブロックと底板又は載置板との間が確実的に吸着されている。さらに、位置決めブロックは位置決め方形ブロックを採用した場合、前記磁性材料を使用し、4つの位置決め側面に磁石が埋め込まれている。4つの位置決め側面に磁石が埋め込まれており、位置は中間位置を避けて、統一して左又は右に寄せ、各磁石が埋め込まれる極性方向は同じである。このように、隣接するブロックが近づくと互いに吸着し合い、緊密に密着する。また、支持部材に磁性材料を採用することもでき、それにより、ブロックと支持部材との緊密な密着を実現することができる。
【0028】
四、本発明の位置決めブロックに基づく機能モジュール
【0029】
上記位置決めした光路システムは、その位置決めブロックを底板又は載置板と対向して固定して、位置がより安定的なシステム、すなわち、本発明の機能モジュールを形成する。上記システムユニット間に実現されるより信頼性の高い密着と異なる方式に基づいて、形成された機能モジュールは以下のとおりである。
【0030】
接着剤で固定された機能モジュール:位置決めした、光学ユニットが搭載されるか又は搭載されていない位置決めブロックと、位置決めブロックと接着して固定された底板又は載置板とを含む。位置決めブロックは底板と接着されて且つ支持部材と底板とが分離不可能である場合、機能モジュールはさらに支持部材を含む。
【0031】
磁気吸着された機能モジュール:位置決めした、光学ユニットが搭載されるか又は搭載されていない位置決めブロックと、位置決めブロックと磁気吸着された底板又は載置板とを含む。位置決めブロックは底板と吸着されて且つ支持部材と底板とが分離不可能である場合、機能モジュールはさらに支持部材を含む。
【0032】
本発明では、制限役割を果たす底板、支持部材及びブロックは、加工しやすい剛性材料を用い、材料とはステンレス鋼、アルミニウム、セラミック、セキエイ、単結晶シリコン等であってもよいがそれらに制限されない。それらの材料は加工されやすく、表面の平坦度が確保され、耐摩耗性が高く、安定性も高い。所定の加工プロセスで一体的に成形されて、それにより加工誤差が減少する。
【0033】
本発明では、レーザー放射素子や光ファイバコリメータなど、発光素子に関わるものであれば、調整フレームや予め固定により、該ブロックから出射されたビームがブロックの底部及び側面と完全に平行になるようにして、ブロックとブロックとの間であれば、底部と支持部材に密着していれば、ビームが1つのブロックから別のブロックにスムーズに伝送され、別のブロックのコリメータやパワーメータなどの任意の検出器に受信されるようにする。光学機能ユニットの連続構造、光路の事前調整は、各種の従来技術の手段を採用することができ、アライメント精度及び結合効率の更なる向上を容易にするために、必要に応じてブロックに複数の微調整機構を追加することもできる。
【発明の効果】
【0034】
上記のように、本発明では、各ブロック光学素子の正確な位置決めが、ブロックと支持部材、及びブロックとブロックとの間の緊密な密着によって、簡単かつ迅速に実現される。ブロックにおける光学機能ユニットは、光路がこの光学素子を通過した後に光路の角度や位置が影響を与えないように、調整フレームや事前調整によって固定されてもよく、それにより、任意の光学素子間の交換、再構成を可能とする。
【0035】
本発明は特に教育及び研究に適合する。教育における1つの光路の構築は教育実演又は学生実践のためだけであり、研究における1つの光路の構築は1つの実験目的のためだけである可能性がある。このような状況下に構築された光路は長期間保管して何度も再利用する必要がなく、本発明ではコストが非常に低く、便利で実行しやすく、且ついつでも分解して再構成可能である光路構築方案を提供している。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の実施例1の上面概略図である。
図2】本発明の実施例1の概略斜視図である。
図3】本発明の実施例2-1の上面概略図である。
図4】発明実施例2-1の概略斜視図である。
図5】本発明の実施例2-2の概略斜視図である。
図6】本発明の実施例3-1の概略斜視図である
図7】本発明の実施例3-2の概略斜視図である
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照しながら、具体的に本発明の実施形態を説明する。説明される位置決めブロック、位置決めシステム及び方法、機能モジュールは、位置決めシステムにおいて説明される。実施例の光学ユニットはいずれもコリメータを例とするが、本発明の光学ユニットはコリメータに制限されることを意味しない。本発明は本発明の技術案で位置決め可能な全ての光学ユニットに適用できる。
【0038】
(実施例1-1)
【0039】
図1及び図2に示すように、位置決めブロックに基づく光学位置決めシステムは、位置決めディスク1と、位置決め用の2つの位置決めブロック2とを含む。位置決めディスク1は上面が水平な底板11と、内側がストレートで位置決め側辺とする1つの支持部材12から構成されており、ブロック2は1つの底面と、1つの位置決め側面とを含み、上面は光学ユニットを搭載し、本実施例の光学ユニットはコリメータである。
【0040】
本実施例の位置決めシステムを用いた位置決め方法は以下のとおりである。位置決めディスク1の底板11を垂直(高さ)方向の位置決め基準とし、底板11における支持部材12の位置決め側辺を水平方向の位置決め基準とする。位置決めブロックの底面を底板11及び上面に密着させることにより垂直方向の位置決めを実現し、位置決めブロックの位置決め側面と支持部材の位置決め側辺との密着(接触させてぴったりとくっつける)によって水平方向の位置決めを実現する。2つの位置決めブロック2には互いに結合されているコリメータ4が搭載されており、コリメータ4の光軸はそれぞれ各自位置決めブロック2の位置決め側面に平行であり且つ距離H=h(図1)であり、コリメータ4の光軸高さを同じ設定する。このように、2つのコリメータ4の光軸が同一の水平直線に位置決めし、該水平直線は底板及び支持部材の位置決め側辺に平行である。図面から分かるように、本実施例の位置決めブロックの大きさ及び断面形状は一致しなくてもよく、重要なのは、光学ユニットの光軸が位置決めブロックの位置決め側面に平行であり且つ位置決め側面との距離が同じであるということである。
【0041】
位置決めブロック2と底板11との確実的な密着及び位置決めを実現するために、底板11は磁性材料を採用し、位置決めブロックの底面に磁石(図示せず)が埋め込まれており、位置決めブロックを底板に吸着して固定させる。底板11の材料は磁性材料に制限されず、接着剤で位置決めブロック2と底板11とを固定してもよい。上記いずれかの方法で固定した後、支持部材を除去するか又は支持部材を除去しないと(支持部材と底板とが分離不可能である場合)、本発明の機能モジュールになる。
【0042】
(実施例1-2)
【0043】
本実施例は図面がなく、実施例2-2の図5を参照してもよい。
【0044】
本実施例では、支持部材と底板とは分離不可能である。底板に移動可能な載置板3が追加され、載置板3の片側が支持部材12の位置決め側辺に密着している点で実施例1-1と相違している。位置決めブロック2の底面が載置板3に密着している。
【0045】
本実施例では、位置決めディスク1は非磁性材料を用い、載置板3は磁性材料を用いるので、ブロック2は載置板3と吸着して一体となり、位置決めディスクとは吸着せず、それにより、載置板3とブロック2及び光学機能ユニットを位置決めディスクから一体的に移動して独立した機能モジュールとすることが容易である。さらに、接着剤で位置決めブロック2と載置板3を固定して、載置板3とブロック2及び光学機能ユニットを位置決めディスクから一体的に移動して1つの独立した機能モジュールとしてもよい。
【0046】
(実施例2-1)
【0047】
図3及び図4に示すように、位置決めブロックに基づく光学位置決めシステムは、位置決めディスク1と、位置決め用の複数のブロック2とを含む。位置決めディスク1は、上面が水平な底板11と、互いに垂直で内側がストレートな支持部材12から構成されており、図における各ブロック2の平面は大きさが同じである正方形であり、平面の大きさもモジュール化設計されてもよく、すなわち、平面の大きさが最小辺長の正方形を基本セルとし、最小辺長の整数倍の長さ又は幅を有する長方形又は正方形が設計され得ることを意味する。
【0048】
ブロック2は磁性ステンレス鋼又は他の磁性材料を用いて一体的に加工成形されている。ブロック2の各側面には磁石21が埋め込まれている。磁石21の位置は、中間位置を避けて、統一して左又は右に寄せ、各磁石21が埋め込まれる極性方向は同じ(すなわち、外側に向かってN極かS極に統一されている)である。
【0049】
本実施例の位置決めシステムを用いた位置決め方法は以下のとおりである。位置決めディスク1の底板11を垂直(高さ)方向の位置決め基準とし、底板11における2つの側面支持部材12を2つの水平方向の位置決め基準とする。ブロック1の底部と底板11との密着により垂直方向の位置決めを実現し、ブロック1の縁部と支持部材との密着及び隣接するブロックの縁部間の密着により水平方向の位置の位置決めを実現する。ブロック2の各側面には磁石21が埋め込まれているので、隣接するブロック2間を吸着して緊密に密着させることができる。一方、側面の磁石21は中央になく、ずれて配置されており、そして、磁石22の外側の磁極は同じであり、このため、ブロックがすべて順方向に配置されている場合にのみ、ブロック同士が正常に吸着され、緊密に密着する。
【0050】
底板11及び支持部材12は、磁性固体材料で作製してもよく、ブロック2の底面にも磁石(図示せず)が埋め込まれている。これにより、ブロック2を底板11及び支持部材12にも磁気吸着により緊密に密着させることができる。
【0051】
異なる光路設計に基づいて、所望の位置のブロック2に上層光学機能ユニットを搭載し、上層光学機能ユニットは、接続構造により、すべての機能ユニットの中心点が同一高さに位置するようにし、発光ユニット(例えばレーザー、コリメータ等)は、使射出光が位置決めブロックの側面と底面に平行になり、他の光学ユニットの中心点が出射光の高さと一致するように機械的に調整され、そして、光がユニットを通過した後、光の位置や角度が変化しないように光ファイバユニットを調整することにより、1つの出射ユニットから出射された光は、複数の光学ユニットを通過した後、コリメータや検出器などの最終的な機能光学ユニットにスムーズに入射することができる。各種光学機能ユニットは、ブロックの上面に対して光の出射位置又は入射位置が同じ高さで、水平位置が一致するように設計されている。光路の必要に応じて、光学機能ユニットを搭載した複数のブロックを底板上のブロックアレイの対応する位置に置くことにより、光学システムのほぼ正確な位置決めを実現することができる。光学機能ユニットに複数の微調整を行うことにより、必要な正確な位置決めを実現することができる(アライメント精度及び結合効率の更なる向上を容易にするために、必要に応じてブロックに複数の微調整機構を追加することもできる)。
【0052】
本実施例ではコリメータ4を例とする。図3の上面概略図において、上部と下部にはコリメータ光路が示されており、図4は、図3から下部のコリメータを除いた概略斜視図である。図3に示すように、上部には3つのブロック2があり、両端のブロック2には一対の結合コリメータ4があり、中央のブロック2は光学機能ユニットを搭載していないが、光路を長くする役割を果たしている。下部では、隣接する2つのブロック2に一対の結合コリメータが固定されている。図3及び図4から分かるように、ブロック2は等幅でアライメントして密着しているのに対し、結合コリメータ4はブロック2内で同じ位置に取り付けられており、全てブロック2の側辺に平行で対向に配置されている。このため、結合コリメータ4は、水平方向のアライメントを実現することができる。接続構造により、結合コリメータ4の中心点を高さ(垂直)方向においてもアライメントする。
【0053】
(実施例2-2)
【0054】
本実施例は、図5に示すように、底板に移動可能な載置板3が追加され、載置板3の互いに垂直な2辺が支持部材12に密着している点で実施例2-1と相違している。ブロック2の底面は載置板3に密着している。
【0055】
本実施例では、位置決めディスク1は非磁性材料を用い、載置板3は磁性材料を用いるので、ブロック2は載置板3と吸着して一体となり、位置決めディスクとは吸着せず、それにより、載置板3とブロック2及び光学機能ユニットを位置決めディスクから一体的に移動して独立した機能モジュールとすることが容易である。
【0056】
(実施例3-1)
【0057】
本実施例は、図6に示すように、ブロック2は磁石がない点で実施例2-1と相違している。接着剤で接着する方式でブロック2の間の緊密な密着が実現される。また、接着剤でブロックと支持部材及び底板を緊密に密着することもできる。
【0058】
本実施例は、主に超小型の光学機能ユニットを用いた光路に使用される。必要なブロック2の体積が非常に小さいので、その上に他の構造を加工するのは困難になる。もちろん、この構造は、様々な大きさのブロック2にも適用可能であり、小さいものに限定されるものではない。さらなる解体や再構成を容易にするために、接着剤は分解可能又は溶解可能な接着剤を用いることができる。この構造を用いる利点は以下のとおりである。(1)材料の選択がより自由であり、アルミニウム合金、石英、単結晶シリコン、セラミックなど、加工しやすく変形しにくい各種の金属及び非金属材料を用いることができる。(2)接着剤が硬化した後、接着したブロック全体を位置決めディスク1から取り出して、独立した小さなモジュールに組み立てることができる。又は、大きな全体として位置決めディスク1、ブロック2及び光路を接着し、全体として独立した小さなモジュールを形成する。
【0059】
光学機能ユニットの搭載及びプリアライメントは、実施例1-1と同様である。図6図5と同様で、結合コリメータ4を例として説明し、いずれも実施例1-1と同一である。したがって、ここでは繰り返し述べない。
【0060】
(実施例3-2)
【0061】
本実施例は、図7に示すように、底板に移動可能な載置板3が追加され、載置板3の互いに垂直な2辺が支持部材12に密着している点で実施例3-1と相違している。ブロック2の底面は載置板3に密着している。ブロック2の間、ブロック2と載置板との間は接着剤で接着される。接着剤が硬化した後、載置板3とブロック2及び光学機能ユニットを位置決めディスクから一体的に移動して1つの独立した機能モジュールとする。
【符号の説明】
【0062】
1.位置決めディスク、11.底板、12.支持部材
2.位置決めブロック(又は位置決め方形ブロック)、21.磁石
3.載置板
4.コリメータ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】