(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-27
(54)【発明の名称】トラフィック監視に基づくマルチテナント無線ネットワーク管理
(51)【国際特許分類】
H04L 41/40 20220101AFI20220916BHJP
H04L 41/5019 20220101ALI20220916BHJP
【FI】
H04L41/40
H04L41/5019
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022504049
(86)(22)【出願日】2020-07-14
(85)【翻訳文提出日】2022-03-18
(86)【国際出願番号】 US2020041898
(87)【国際公開番号】W WO2021015988
(87)【国際公開日】2021-01-28
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521478407
【氏名又は名称】ディッシュ ワイヤレス エル.エル.シー.
【氏名又は名称原語表記】DISH WIRELESS L.L.C.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】ソロンド マリアム
(72)【発明者】
【氏名】エマミ アミラリ
(72)【発明者】
【氏名】ケヌモル シッダールタ
(57)【要約】
マルチテナントネットワーク管理システムを含む配置が提示される。第1の仮想無線ネットワークは、無線ネットワークの一部として運用され得る。第1の仮想無線ネットワークは、サービスレベル運用パラメータの第1のセットにマッピングされ得る。第2の仮想無線ネットワークもまた、第3のエンティティに代わって無線ネットワークの一部として運用され得る。第2の仮想無線ネットワークは、サービスレベル運用パラメータの第2のセットにマッピングされ得る。第1の仮想無線ネットワーク及び第2の仮想無線ネットワークに対するトラフィック関連の統計を別個に監視及び編集するトラフィック監視システムが存在し得る。仮想ネットワーク管理システムは、サービスレベル運用パラメータの第1のセットを満足するように第1の仮想無線ネットワークのプロパティを修正する方法を判定するために、機械学習の配置を使用し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のエンティティによって運用される無線ネットワークと、
第2のエンティティに代わって前記無線ネットワークの一部として運用される第1の仮想無線ネットワークであって、
前記第1の仮想無線ネットワークは、サービスレベル運用パラメータの第1のセットにマッピングされる、
前記第1の仮想無線ネットワークと、
第3のエンティティに代わって前記無線ネットワークの一部として運用される第2の仮想無線ネットワークであって、
前記第2の仮想無線ネットワークは、サービスレベル運用パラメータの前記第1のセットとは異なるサービスレベル運用パラメータの第2のセットにマッピングされる、
前記第2の仮想無線ネットワークと、
前記第1の仮想無線ネットワーク及び前記第2の仮想無線ネットワークに対するトラフィック関連の統計を個別に監視及び編集するトラフィック監視システムと、
前記トラフィック監視システムと通信する仮想ネットワーク管理システムであって、
前記仮想ネットワーク管理システムは、サービスレベル運用パラメータの前記第1のセットを満足するように前記第1の仮想無線ネットワークのプロパティを修正する方法を判定するために機械学習の配置を使用し、
前記仮想ネットワーク管理システムは、前記機械学習の配置に基づいて前記第1の仮想無線ネットワークを修正する、
前記仮想ネットワーク管理システムと
を含む、マルチテナントネットワーク管理システム。
【請求項2】
前記第1の仮想無線ネットワークを修正する前記仮想ネットワーク管理システムは、前記第1の仮想無線ネットワークに割り当てられた無線帯域幅の量を変更することを含む、請求項1に記載のマルチテナントネットワーク管理システム。
【請求項3】
前記第1の仮想無線ネットワークを修正する前記仮想ネットワーク管理システムは、レイテンシを短縮するために前記第1の仮想無線ネットワークのネットワークトポロジーを変更することを含む、請求項1に記載のマルチテナントネットワーク管理システム。
【請求項4】
前記第1の仮想無線ネットワークを修正する前記仮想ネットワーク管理システムは、前記第1の仮想無線ネットワークに追加の処理リソースを割り当てることを含む、請求項1に記載のマルチテナントネットワーク管理システム。
【請求項5】
前記第1の仮想無線ネットワークを修正する前記仮想ネットワーク管理システムは、処理能力を前記第1の仮想無線ネットワークのエッジのより近くに移動させることを含む、請求項1に記載のマルチテナントネットワーク管理システム。
【請求項6】
処理能力を前記第1の仮想無線ネットワークの前記エッジのより近くに移動させることは、前記処理能力をホストするデータセンターを切り替えることを含む、請求項5に記載のマルチテナントネットワーク管理システム。
【請求項7】
前記機械学習の配置は、出力を提供するニューラルネットワークである、請求項1に記載のマルチテナントネットワーク管理システム。
【請求項8】
前記トラフィック監視システムは、前記第1の仮想無線ネットワーク及び前記第2の仮想無線ネットワークに対する別個の短期統計及び長期トラフィック統計を編集し、短期統計は、1週間未満の期間をカバーし、長期統計は、1週間を超える期間をカバーする、請求項1に記載のマルチテナントネットワーク管理システム。
【請求項9】
前記仮想ネットワーク管理システムは、長期レコメンデーションを出力するように更に構成される、請求項1に記載のマルチテナントネットワーク管理システム。
【請求項10】
前記仮想ネットワーク管理システムは、サービスレベル運用パラメータの前記第2のセットを満足するように前記第2の仮想無線ネットワークのプロパティを修正する方法を判定するように更に構成される、請求項1に記載のマルチテナントネットワーク管理システム。
【請求項11】
前記第1の仮想無線ネットワーク及び前記第2の仮想無線ネットワークは、モノのインターネット(IoT)デバイスとの通信のために排他的に各々使用される、請求項1に記載のマルチテナントネットワーク管理システム。
【請求項12】
マルチテナント無線ネットワークを管理するための方法であって、
無線ネットワーク上で動作する第1の仮想無線ネットワークと関連付けられたトラフィックを前記無線ネットワークによって監視することであって、
前記無線ネットワークは第1のエンティティによって運用され、
前記第1の仮想無線ネットワークは、第2のエンティティに代わって運用され、
前記第1の仮想無線ネットワークは、サービスレベル運用パラメータの第1のセットにマッピングされることと、
前記無線ネットワーク上で動作する第2の仮想無線ネットワークと関連付けられたトラフィックを前記無線ネットワークによって監視することであって、
前記第2の仮想無線ネットワークは、第3のエンティティに代わって運用され、
前記第2の仮想無線ネットワークは、サービスレベル運用パラメータの前記第1のセットとは異なるサービスレベル運用パラメータの第2のセットにマッピングされることと、
前記第1の仮想無線ネットワーク及び前記第2の仮想無線ネットワークに対するトラフィック関連の統計を別個に仮想ネットワーク管理システムによって編集することと、
サービスレベル運用パラメータの前記第1のセットを満足するように前記第1の仮想無線ネットワークのプロパティを修正する方法を前記仮想ネットワーク管理システムによって判定することと、
分析することに基づいて、前記第1の仮想無線ネットワークを前記仮想ネットワーク管理システムによって修正すること
を含む方法。
【請求項13】
前記第1の仮想無線ネットワークを修正する前記仮想ネットワーク管理システムは、前記第1の仮想無線ネットワークに割り当てられた無線帯域幅の量を変更することを含む、請求項12に記載のマルチテナント無線ネットワークを管理するための方法。
【請求項14】
前記第1の仮想無線ネットワークを修正する前記仮想ネットワーク管理システムは、レイテンシを短縮するために前記第1の仮想無線ネットワークのネットワークトポロジーを変更することを含む、請求項12に記載のマルチテナント無線ネットワークを管理するための方法。
【請求項15】
前記第1の仮想無線ネットワークを修正する前記仮想ネットワーク管理システムは、前記第1の仮想無線ネットワークに追加の処理リソースを割り当てることを含む、請求項12に記載のマルチテナント無線ネットワークを管理するための方法。
【請求項16】
前記第1の仮想無線ネットワークを修正する前記仮想ネットワーク管理システムは、処理能力を前記第1の仮想無線ネットワークのエッジのより近くに移動させることを含む、請求項12に記載のマルチテナント無線ネットワークを管理するための方法。
【請求項17】
処理能力を前記第1の仮想無線ネットワークの前記エッジのより近くに移動させることは、前記処理能力をホストするデータセンターを切り替えることを含む、請求項16に記載のマルチテナント無線ネットワークを管理するための方法。
【請求項18】
前記判定することは、ニューラルネットワークを使用して実施される、請求項12に記載のマルチテナント無線ネットワークを管理するための方法。
【請求項19】
前記判定することは、前記第1の仮想無線ネットワーク及び前記第2の仮想無線ネットワークに対する別個の短期統計及び長期トラフィック統計を編集することを含み、短期統計は、1週間未満の期間をカバーし、長期統計は、1週間を超える期間をカバーする、請求項12に記載のマルチテナント無線ネットワークを管理するための方法。
【請求項20】
サービスレベル運用パラメータの前記第2のセットを満足するように前記第2の仮想無線ネットワークのプロパティを修正する方法を前記仮想ネットワーク管理システムによって判定することを更に含む、請求項12に記載のマルチテナント無線ネットワークを管理するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[クロスリファレンス]
この出願は、2019年7月22日に出願された“MULTI-TENANT WIRELESS NETWORK MANAGEMENT BASED ON TRAFFIC MONITORING”と題された米国特許出願第16/518,859号の利益及び優先権を主張し、それは、参照によりその全体が本明細書にこれにより組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
ネットワークオペレーターは、様々なサービス品質メトリックを満足するように、そのネットワークを頻繁に再構成しなければならない。ネットワークを適切に再構成する方法を理解することは、高度なスキルを持つネットワークアーキテクトによって実施される複雑なタスクであり得る。単一の物理ネットワーク上で複数の仮想ネットワークが運用される等の利害関係がある場合、ネットワークの再構成は非常に複雑になり得る。本明細書で詳述する配置は、ネットワークの再構成を最適化することに役立つ。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
マルチテナントネットワーク管理システムに関連する様々な実施形態が説明される。幾つかの実施形態では、マルチテナントネットワーク管理システムが説明される。システムは、第1のエンティティによって運用される無線ネットワークを含み得る。システムは、第2のエンティティに代わって無線ネットワークの一部として運用される第1の仮想無線ネットワークを含み得る。第1の仮想無線ネットワークは、サービスレベル運用パラメータの第1のセットにマッピングされ得る。システムは、第3のエンティティに代わって無線ネットワークの一部として運用される第2の仮想無線ネットワークを含み得る。第2の仮想無線ネットワークは、サービスレベル運用パラメータの第1のセットとは異なり得るサービスレベル運用パラメータの第2のセットにマッピングされ得る。システムは、第1の仮想無線ネットワーク及び第2の仮想無線ネットワークに対するトラフィック関連の統計を別個に監視及び編集し得るトラフィック監視システムを含み得る。システムは、トラフィック監視システムと通信する仮想ネットワーク管理システムを含み得る。仮想ネットワーク管理システムは、サービスレベル運用パラメータの第1のセットを満足するように第1の仮想無線ネットワークのプロパティを修正する方法を判定するために、機械学習の配置を使用し得る。仮想ネットワーク管理システムは、機械学習の配置に基づいて、第1の仮想無線ネットワークを修正し得る。
【0004】
こうしたシステムの実施形態は、以下の機構の内の1つ以上を含み得、第1の仮想無線ネットワークを修正する仮想ネットワーク管理システムは、第1の仮想無線ネットワークに割り当てられた無線帯域幅の量を変更することを含み得る。第1の仮想無線ネットワークを修正する仮想ネットワーク管理システムは、レイテンシを短縮するために第1の仮想無線ネットワークのネットワークトポロジーを変更することを含み得る。第1の仮想無線ネットワークを修正する仮想ネットワーク管理システムは、追加の処理リソースを第1の仮想無線ネットワークに割り当てることを含み得る。第1の仮想無線ネットワークを修正する仮想ネットワーク管理システムは、処理能力を第1の仮想無線ネットワークのエッジのより近くに移動させることを含み得る。処理能力を第1の仮想無線ネットワークのエッジのより近くに移動させることは、処理能力をホストするデータセンターを切り替えることを含み得る。機械学習の配置は、出力を提供するニューラルネットワークであり得る。トラフィック監視システムは、第1の仮想無線ネットワーク及び第2の仮想無線ネットワークに対する別個の短期統計及び長期トラフィック統計を編集し得る。短期統計は1週間未満の期間をカバーし得、長期統計は1週間を超える期間をカバーし得る。仮想ネットワーク管理システムは、長期レコメンデーションを出力するように更に構成され得る。仮想ネットワーク管理システムは、サービスレベル運用パラメータの第2のセットを満足するように第2の仮想無線ネットワークのプロパティを修正する方法を判定するように更に構成され得る。第1の無線ネットワーク及び第2の仮想無線ネットワークは、モノのインターネット(IoT)デバイスとの通信のために排他的に各々使用され得る。
【0005】
幾つかの実施形態では、マルチテナント無線ネットワークを管理するための方法が説明される。方法は、無線ネットワーク上で動作する第1の仮想無線ネットワークと関連付けられたトラフィックを無線ネットワークによって監視することを含み得る。無線ネットワークは、第1のエンティティによって運用され得る。第1の仮想無線ネットワークは、第2のエンティティに代わって運用され得る。第1の仮想無線ネットワークは、サービスレベル運用パラメータの第1のセットにマッピングされ得る。方法は、無線ネットワーク上で動作する第2の仮想無線ネットワークと関連付けられたトラフィックを無線ネットワークによって監視することを含み得る。第2の仮想無線ネットワークは、第3のエンティティに代わって運用され得る。第2の仮想無線ネットワークは、サービスレベル運用パラメータの第1のセットとは異なるサービスレベル運用パラメータの第2のセットにマッピングされ得る。方法は、第1の仮想無線ネットワーク及び第2の仮想無線ネットワークに対するトラフィック関連の統計を仮想ネットワーク管理システムによって別個に編集することを含み得る。方法は、サービスレベル運用パラメータの第1のセットを満足するように第1の仮想無線ネットワークのプロパティを修正する方法を仮想ネットワーク管理システムによって判定することを含み得る。方法は、分析することに基づいて第1の仮想無線ネットワークを仮想ネットワーク管理システムによって修正することを含み得る。
【0006】
こうした方法の実施形態は、以下の機構の内の1つ以上を含み得、第1の仮想無線ネットワークを修正する仮想ネットワーク管理システムは、第1の仮想無線ネットワークに割り当てられた無線帯域幅の量を変更することを含み得る。第1の仮想無線ネットワークを修正する仮想ネットワーク管理システムは、レイテンシを短縮するために第1の仮想無線ネットワークのネットワークトポロジーを変更することを含み得る。第1の仮想無線ネットワークを修正する仮想ネットワーク管理システムは、追加の処理リソースを第1の仮想無線ネットワークに割り当てることを含み得る。第1の仮想無線ネットワークを修正する仮想ネットワーク管理システムは、処理能力を第1の仮想無線ネットワークのエッジのより近くに移動させることを含み得る。処理能力を第1の仮想無線ネットワークのエッジのよりに近くに移動させることは、処理能力をホストするデータセンターを切り替えることを含み得る。判定することは、ニューラルネットワークを使用して実施され得る。判定することは、第1の仮想無線ネットワーク及び第2の仮想無線ネットワークに対する別個の短期統計及び長期トラフィック統計を編集することを含み得る。短期統計は1週間未満の期間をカバーし得、長期統計は1週間を超える期間をカバーし得る。方法は、サービスレベル運用パラメータの第2のセットを満足するように第2の仮想無線ネットワークのプロパティを修正する方法を仮想ネットワーク管理システムによって判定することを更に含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】マルチテナントネットワーク管理システムの実施形態を説明する。
【
図2】仮想ネットワーク管理システムの実施形態を説明する。
【
図3】サービスレベル運用パラメータを満足するようにマルチテナントネットワーク管理システムによって実装され得る変更の実施形態を説明する。
【
図4】マルチテナント無線ネットワークを管理するための方法の実施形態を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
無線ネットワークオペレーターは、単一の物理無線ネットワークを使用して、複数の独立した仮想ネットワークオペレーター(VNO)に仮想無線ネットワークを提供し得る。各VNOは、無線ネットワークオペレーターがVNOに提供することを約束したサービス品質(QoS)パラメータの特定のセットを有し得る。VNO毎のQoSは、1つ以上の点で異なり得る。実例として、第1のVNOは、低レイテンシで配信される少量のデータスループットを定義するそのQoSパラメータと関連付けられ得る。第2のVNOは、より高いレイテンシで配信される大量のデータを定義するそのQoSパラメータと関連付けられ得る。第3のVNOは、高いデータスループットと非常に低いレイテンシのQoSパラメータと関連付けられ得る。
【0009】
仮想ネットワーク管理システム(VNMS)は、物理無線ネットワークと通信して又は該物理無線ネットワークの一部として機能し得る。各VNOの仮想無線ネットワーク(VWN)に固有のトラフィックは、様々な特性(例えば、データ量、レイテンシ等)に対して監視され得る。VNMSは、VWN毎に収集されたトラフィックデータを個々に定期的に又は時折分析し得る。VNMSは、特定のVWNと関連付けられたQoSパラメータと組み合わせてトラフィックデータを分析し得る。VWNがそのマッピングされたQoSパラメータを下回って実施している状況をVNMSが検出した場合、VNMSは、マッピングされたQoSパラメータを満たす試みでVWNが動作する方法の1つ以上の特性を修正し得る。反対に、VWNがそのマッピングされたQoSパラメータを大幅に上回って実施している状況が検出された場合、VNMSは、不必要なネットワークリソースを費やすことなく、マッピングされたQoSパラメータを依然として満たす試みでVWNが動作する方法の1つ以上の特性を修正し得る。
【0010】
VNMSは、各VWNが機能する方法に対する修正を実施し得る。VNMSは、VWNにマッピングされたQoSパラメータを満足するように無線ネットワークの機能が修正されるべき方法を判定するために、(測定値又は履歴データの大量のセットに基づいて最適な決定をなすように試みることを含む)トレーニングされたニューラルネットワーク、機械学習(ML)、及び/又はビッグデータ分析等の人工知能(AI)の形態を使用し得る。無線ネットワークの機能に対する幾つかの修正は、管理者からの何れの入力を必要とすることなく、VNMSによってなされ得る。ハードウェアの追加及び除去を含む変更等のその他の変更は、管理者により実装されるレコメンデーションの形式でVNMSによって出力され得る。
【0011】
本明細書に詳述するようなこうした実施形態は、モノのインターネット(IoT)に焦点を当てたVWNに特に有用であり得る。VNOエンティティはその独自の物理ネットワークを構築する必要がないために、多くのエンティティはVNOとして機能することを好むであろう。むしろ、VNOは、物理無線ネットワークを適切な位置に既に有するエンティティとQoSパラメータに対して同意し得る。更に、所属する特定のビジネス分野に基づいた、IoT空間内のエンティティは、QoSに対して非常に異なるニーズを有し得る。実例として、地理的領域に渡って分散した多くの駐車施設を有する第1のエンティティは、そのオンサイトの駐車システムからデータを収集してデータを分配することを要望し得る。このデータは、駐車用であるため、量が比較的少なく、(例えば、数秒の)レイテンシは全く重要ではないことがある。しかしながら、クレジットカード取引を処理する第2のエンティティは、第1のエンティティよりも大幅に短いレイテンシを要望し得る。以下の実施形態は、IoTデバイスと主に又は排他的に通信するVWNに焦点を当てているが、他の実施形態は、スマートフォン、携帯電話等のその他の形態の無線デバイスと主に又は排他的に通信し得ることは理解されるべきである。有線ネットワークの配置も可能である。
【0012】
上記の実施形態及びその他の実施形態に関する詳細は、図に関連して提供される。
図1は、マルチテナントネットワーク管理システム100の実施形態を説明する。マルチテナントネットワーク管理システム100は、コア無線ネットワーク110、基地局120(例えば、120-1、120-2)、IoTデバイス130(例えば、130-1、130-2、130-3、及び130-4)、VNOシステム140(例えば、140-1、140-2)、並びにインターネット150を含み得る。
【0013】
無線ネットワークは、物理無線ネットワークオペレーター(PWNO)と称され得るエンティティによって運用され得る。PWNOは、地理的領域(例えば、大陸、国、州、郡等)に渡って基地局120を運用し得る。無線ネットワークのタイプに依存して、基地局120の内の各基地局と関連付けられた各セルは、サイズが大きく異なり得る。実例として、単一の基地局(例えば、基地局120-1)は、20~50マイルの半径を有する等、比較的広い地理的領域にサービスを提供することが可能であり得る。こうした基地局は、低電力広域ネットワーク(LPWAN)無線アクセス技術(RAT)を使用するNB-IoT(狭帯域モノのインターネット)ネットワークの一部であり得る。或いは、基地局は、4G LTE(Long Term Evolution)又は5G NR(New Radio)等の比較的高電力のRATを使用し得る。5G NR基地局の機能的な通信半径は、0.5マイル未満であり得る。4G LTEネットワークに対しては、基地局はeNodeB(eNB)であり得、5G NRネットワークに対しては、基地局はgNodeB(gNB)であり得る。
【0014】
様々なIoTデバイス130が基地局120と通信し得る。例として、IoTデバイス130-1及び130-3は第1のVNOと関連付けられ得、IoTデバイス130-2及び130-4は第2のVNOと関連付けられ得る。それ故、異なるVNOにマッピングされたIoTデバイスは同じ基地局120と通信し得る。基地局120の各々は、特定のVNOに専用の帯域幅の一部分(例えば、帯域幅部分(BWP))を有し得る。VNOを異なるBWPにマッピングすることは、エアインターフェース上でVNOを分離し得るが、この配置は、何らかの統計的多重化損失を生じさせ得る。半静的な場合に対しては、システムは、様々なVNOのトラフィックを測定し得、それに応じてBWPのBWを調整し得る。これらのBWPは、キャリア帯域幅全体の異なる部分を使用し得、異なるサブキャリア間隔(SCS)を使用し得る。或いは、これらのBWPは、重複し得、同じSCSを使用し得る。或いは、通信は基地局によってスケジューリングされ得るため、異なるVNOと関連付けられたIoTデバイスは、通信のために同じBWPを使用し得る。そうした実施形態では、各VNOのBWを動的に調整するインテリジェント基地局(例えば、gNB)スケジューラを使用することによって、統計的多重化利得を失うことなく、分離が達成され得る。
【0015】
様々な処理タスクが基地局120において直接実施され得る。実例として、ゲートウェイ処理システム114は、基地局120の一部として組み込まれ得る。ゲートウェイ処理システム114は、1つ以上のプロセッサと、非一時的プロセッサ可読媒体とを含み得る。ゲートウェイ処理システム114は、特定のVNOに固有の命令を実行するように構成され得る。それ故、特定のVNOと関連付けられたIoTデバイス130-1から受信されたデータは、該特定のVNOと関連付けられた命令を使用して、ゲートウェイ処理システム114-1によって処理され得る。他の実施形態では、ゲートウェイ処理システム114は、基地局120から離れていてもよく、コア無線ネットワーク110の一部であってもよい。
【0016】
コア無線ネットワーク110は、高レベル処理リソース(例えば、111-1、111-2)、認証システム112、コアネットワークコンポーネント113(例えば、113-1、113-2)、ゲートウェイ処理システム114(例えば、114-1、114-2)、仮想ネットワーク管理システム115、VWN構成データ116、VNO QoSパラメータデータ構造体118、及びトラフィック監視システム117(例えば、117-1、117-2)を含み得る。前述したように、ゲートウェイ処理システム114は、IoTデバイス130から受信した、又はIoTデバイス130へ送信されるデータについての処理を実施し得る。幾つかの実施形態では、ゲートウェイ処理システム114は、コア無線ネットワーク110の一部であり、基地局120から離れている。幾つかの実施形態では、幾つかのコアネットワークコンポーネント113は、ゲートウェイ処理システム114と基地局120との間に位置付けられ得ることを理解すべきである。
【0017】
コアネットワークコンポーネントは、4G LTE、NB-IoT LPWAN、又はその他の何らかの形態の無線ネットワークのコアコンポーネントの内の少なくとも幾つかを表し得る。4G LTEネットワークに対しては、コアコンポーネントは、PGW(パケットデータネットワークゲートウェイ)、SGW(サービシングゲートウェイ)を含み得る。5G NRネットワークに対しては、コアネットワークコンポーネント113は、UPF(ユーザプレーンファンクション)を含み得る。
【0018】
トラフィック監視システム117は、個々のコアネットワークコンポーネント113及び基地局120を含む物理無線ネットワークの各コンポーネントにおけるトラフィックを監視し得る。トラフィック監視システム117は、コア無線ネットワーク110及び基地局120全体に渡ってトラフィックデータ(例えば、アップリンク及びダウンリンクデータの量、アップリンク及びダウンリンクデータ転送のレイテンシ、処理遅延等)を監視し、編集する。トラフィック監視システム117は、各VNOと関連付けられたトラフィックに対する別個の統計を維持し得る。それ故、各VNOに固有の統計が編集され、蓄積される。
【0019】
トラフィック監視システム117は、複数のタイプのトラフィック統計を維持し得る。幾つかの実施形態では、VNO毎のトラフィック統計は、2つの包括的なカテゴリ、短期統計及び長期統計に分割される。一般的に、短期統計は、1時間と1週間との間等の、比較的短期間に固有であり、長期統計は、1週間を超える(1ヶ月、1年等)等の、比較的長期間に固有である。この場合も、短期及び長期の統計は各VNOに固有であり得る。
【0020】
幾つかの実施形態では、高レベル処理リソース111が存在し得る。これらの処理リソースは、ゲートウェイ処理システム114よりも基地局120から地理的及び階層的に離れていてもよい。高レベル処理リソース111-1等の単一の高レベル処理システムは、複数の基地局及びゲートウェイ処理システムにサービスを提供し得る。高レベル処理リソース111は、より多くのコンピューティングリソースを有し得、VNOに対してより強力な処理及びデータストレージを実施し得る。高レベル処理リソース111は、地理的に分散したデータセンターによってホストされ得る。幾つかの実施形態では、高レベル処理リソース111は、厳密にはコア無線ネットワーク110の一部ではなくてもよく、むしろコア無線ネットワーク110と通信し得る。高レベル処理リソース111は、外部のVNOシステム140と通信し得る。
【0021】
VNOシステム140は、異なる仮想ネットワークオペレーターによって各々運用され得る。各VNOの観点からは、物理無線ネットワークは、VNOのデータ専用に現れ、すなわち、物理無線ネットワークの他のVNOの使用は、該VNOからは見えないであろう。第1のVNOは、1つ以上のサーバシステムをVNOシステム140-1として運用し得、第2のVNOは、1つ以上のサーバシステムをVNOシステム140-2として運用し得る。VNOシステム140は、各々が異なる独立したエンティティによって運用されるので、相互に完全に無関係であり得、相互に通信しなくてもよい。VNOシステム140の内の各VNOシステムは、複数の目的のためにコア無線ネットワーク110と通信し得る。第1のVNOシステム140は、特定のVNOシステムと関連するIoTデバイス130の内のIoTデバイスと交換されるデータをコア無線ネットワーク110との間で送受信し得る。例えば、VNOシステム140-1のVNOにマッピングされたIoTデバイスのみがVNOシステム140-1とデータを交換することを許可され得る。VNOシステム140はまた、コア無線ネットワーク110と認証情報を交換し得る。IoTデバイスがコア無線ネットワーク110を使用して通信することが承認されるために、IoTデバイスは、特定のVNOにマッピングされて、適切に認証される必要があり得る。VNOシステムを介して、VNOプロバイダは、そのマッピングされたIoTデバイス毎に認証情報を提供し得る。実例として、VNOシステム140-1は、IoTデバイス130-1等の様々なIoTデバイスに対する認証情報(例えば、MACアドレス、IMSI)を提供し得る。認証情報は、認証システム112によって蓄積及び管理され得、認証システム112は、1つ以上のサーバ又は処理システムと、1つ以上の非一時的プロセッサ可読媒体とを含み得る。認証システム112は、IoTデバイス130-1から通信リクエストを受信し得る。認証システム112は、VNOシステム140-1から受信した認証データに基づいてIoTデバイス130-1を認証し得、IoTデバイス130-1が無線ネットワークを使用して通信することを許可し得る。IoTデバイス130-1は、VNOシステム140-1を運用するVNOプロバイダにマッピングされ得る。
【0022】
仮想ネットワーク管理システム(VNMS)115は、トラフィック監視システム117と通信し得る。VNMS115は、VNO毎にトラフィック監視システム117から編集された統計(例えば、長期及び/又は短期の統計)を定期的に又は時折受信し得る。VNMS115は更に、VNO毎にVWNを運用するために使用されているコンピューティングリソース、帯域幅、システムアーキテクチャ等を詳述するVWN構成データ116を蓄積するデータ構造体にアクセスし得る。VNMS115はまた、非一時的プロセッサ可読媒体を使用して蓄積され得るVNO QoSパラメータ118へのアクセスを有し得る。VNO QoSパラメータ118は、満たされる必要がある特定のQoSパラメータをVNO毎に定義する。そうしたVNO QoSパラメータ118は、アップリンク及びダウンリンク通信に対する最大レイテンシと、アップリンク及びダウンリンク通信に対するデータスループットのレートとを含み得る。これらのQoSパラメータは、各VNOとPWNOとの間の契約上の合意に基づき得る。異なるVNOは、少なくとも幾つかの異なるQoSパラメータを有し得る。VNMS115に関する更なる詳細は、
図2に関連して提供される。
【0023】
コア無線ネットワーク110のコンポーネントに関して、様々な分散型のコンピューティングシステム、通信バス、非一時的プロセッサ可読媒体、有線ネットワーク、及びその他のコンピュータ化されたコンポーネントがコア無線ネットワーク110のコンポーネント毎に使用されることを理解すべきである。更に、基地局120、ゲートウェイ処理システム114、コアネットワークコンポーネント113、トラフィック監視システム117、高レベル処理リソース111の2つの実体が存在する。実体のこの数は単なる例であることを理解すべきである。例えば、実世界の実施形態では、更に多くの基地局120が存在し得る。同様に、実世界の実装では、4つを超える多くのIoTデバイス130が基地局120と通信するであろうことが予想され得る。
【0024】
図2は、仮想ネットワーク管理システム(VNMS)115の実施形態を説明する。VNMSは、1つ以上のプロセッサを含む1つ以上のコンピュータサーバシステムを使用して実装され得る。それ故、VNMS115は、1つ以上の専用又は汎用プロセッサを含み得る。こうした専用プロセッサは、本明細書に詳述する機能を実施するように特別に設計されたプロセッサを含み得る。こうした専用プロセッサは、本明細書に詳述する機能を実施するように物理的及び電気的に構成された汎用コンポーネントであるASIC又はFPGAであり得る。こうした汎用プロセッサは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(HDD)、又はソリッドステートドライブ(SSD)等の1つ以上の非一時的プロセッサ可読媒体を使用して蓄積された専用ソフトウェアを実行し得る。
【0025】
VNMS115は、(トレーニングデータ220を使用してトレーニングされた)ニューラルネットワーク210、ネットワーク再構成エンジン230、及びネットワークレコメンデーションエンジン235を含む様々なコンポーネントを含み得る。ニューラルネットワーク210は、トレーニングデータ220のセットを使用して最初にトレーニングされ得る。トレーニングデータ220は、ネットワーク構成及び統計を含むデータを含み得、ネットワーク構成及び関連する統計の各実体は、ネットワーク構成が統計に基づいて修正されるべき方法に対する所望の再構成にマッピングされ得る。実例として、正確なネットワーク修正を伴う数千の例がトレーニングデータ220を形成するために使用され得る。ニューラルネットワークは、トレーニングデータ220を使用してトレーニングされ得る。トレーニングされたニューラルネットワーク210は、VNMS115の一部として処理システムを使用して実装され得る。
【0026】
VNMS115はニューラルネットワークを使用するものとして表されているが、他の形態のAI又はMLが使用され得ることは理解されるべきである。実例として、ニューラルネットワークの代わりに、その他のタイプのトレーニングされたネットワークが使用され得る。幾つかの実施形態では、ビッグデータ分析が代わりに使用され得る。そうした実施形態では、仮想無線ネットワークの機能について大量のデータが補足され得、相関、傾向等について分析され得る。そうした分析は、ネットワーク再構成エンジン230によって、及びネットワークレコメンデーションエンジン235によって使用され得る。幾つかの実施形態では、カルマンフィルタ等のアルゴリズムが実装され得る。
【0027】
ニューラルネットワーク210は、トレーニングされた後、トラフィック監視システム117から統計を受信し得る。ニューラルネットワーク210により受信される統計は、各VNOのVWNに固有であり得る。すなわち、VNO毎に、統計の別個のセットがニューラルネットワーク210によって受信される。したがって、ニューラルネットワーク210の出力は、特定のVWN及びVNOに固有であろう。幾つかの実施形態では、ニューラルネットワーク210は、2つのセット、短期統計201及び長期統計202に分けられた統計を受信する。幾つかの実施形態では、別個のニューラルネットワークが、入力として短期及び長期のトラフィック統計を取り、別個の出力(例えば、短期及び長期の修正及びレコメンデーション)を提供する。ニューラルネットワーク210による分析の一部として、VNOに対する現在のVWN構成と、特定のVNOに対するQoSパラメータとを夫々判定するために、VWN構成データ116及びVNO QoSパラメータ118がアクセスされ得る。VNO QoSパラメータ118との比較は、物理無線ネットワークの性能によってどのQoSパラメータが満たされていないか(又は閾値マージンが大きすぎることにより超えているか)を判定するために実施され得る。
【0028】
幾つかの実施形態では、プレディクタとして機能する追加のコンポーネントが存在し得る。プレディクタは、短期統計に基づく等して、VNO毎に近い将来のトラフィックを予測するように構成され得る。こうした予測は、VNOについてのトラフィックの増加又は減少に先立って、最適な決定をなして、ネットワークを再構成することに役立つように使用され得る。
【0029】
受信したトラフィック統計、VWN構成データ116、及びVNO QoSパラメータ118に基づいて、ニューラルネットワーク210は、1)特定のVNOのVWNに対して実装される修正、及び/又は2)特定のVNOのVWNを修正する方法についてのレコメンデーションを含む1つ以上の出力を提供し得る。物理無線ネットワークの性能を、対応するVNOにマッピングされたVNO QoSパラメータに、より厳密に一致させる(例えば、満たす、又は僅かに超える)ように、ネットワーク再構成エンジン230は、ニューラルネットワーク210の出力に従って物理無線ネットワークを再構成し得る。ネットワーク再構成エンジン230によって実施され得る具体的な変更の詳細は、
図3に関連して提供される。修正240を詳述する情報は、実装のために物理無線ネットワークの適切な部分に出力され得る。
【0030】
ネットワークレコメンデーションエンジン235は、物理無線ネットワークが管理者によって再構成され得る方法のレコメンデーションを出力し得る。こうしたレコメンデーションは、管理者の介入なしにVNMSを実装するのに適切又は可能ではないことがある。実例として、物理無線ネットワーク内の特定の位置に新たなコンピューティングリソースを追加するためのレコメンデーションがあり得る。この例として、ゲートウェイ処理システム114-2等の特定のゲートウェイ処理システムは、特定のVNOに対するレイテンシQoSパラメータを満足することが可能ではないことがある。ゲートウェイ処理システム114-2は、VNOに割り当てるために利用可能な追加の処理リソースを有していないことがある。それ故、VNOのQoSパラメータを満足することに役立つように、ゲートウェイ処理システム114-2の一部として追加の物理処理リソースが設置される必要があり得る。他の状況では、VWN機能に対する特定の変更が非常に重要であるとみなされ得るため、実装するためには管理者の承諾又は専門知識が必要になる。ネットワークレコメンデーションエンジン235によって出力されたレコメンデーションは、生成されたレポートとしてディスプレイデバイスを介した管理者への提示等のために、レコメンデーション245として出力され得る。
【0031】
図2に関連して詳述すると、VNOにマッピングされたQoSパラメータに対するVNOのVWNの性能を確認するために、物理無線ネットワーク内のVNMS115によって様々な修正240が直接実装され得る。
図3は、サービスレベル運用パラメータを満足するようにマルチテナントネットワーク管理システムによって実装され得る変更の実施形態300を説明する。
【0032】
管理者の承諾又は入力なしにVNMS115によって実装され得る第1のタイプの修正は、処理リソースを再配置することであり得る。実例として、特定のVNOに対しては、特定のデータセンターで高レベルの処理が実施され得る。VNMS115は、このデータセンターとそれがサービスを提供するIoTデバイスとの間の距離が、VNOにマッピングされた許可されたQoSパラメータと比較して大きすぎるレイテンシを創出していると判定し得る。それ故、高レベル処理リソース111-2は、例えば、より低いレイテンシを提供する異なるデータセンターに移動させられ得る。
【0033】
反対に、VNMS115は、現在使用されているデータセンターとそれがサービスを提供するIoTデバイスとの間の通信に対するレイテンシが、VNOのQoSパラメータにより必要とされるよりも小さな閾値量を超えると判定し得る。それ故、高レベル処理リソース111-2は、例えば、より高いレイテンシをもたらすが、他の利点(例えば、より低いコスト)を有する異なるデータセンターに移動させられ得る。
【0034】
管理者の承諾又は入力なしにVNMS115によって実装され得る第2のタイプの修正は、コンポーネント間で処理機能を移動させることであり得る。実例として、特定のVNOに対しては、処理は、高レベル処理リソース111-1を使用して実施され得る。VNMS115は、コア無線ネットワーク110内のレイテンシが、VNOにマッピングされた許可されたQoSパラメータと比較して高すぎると判定し得る。それ故、特定のVNOに代わって実施される高レベル処理リソース111-1の処理は、矢印320により指し示されるように、ゲートウェイ処理システム114-1等のゲートウェイ処理システムに(すなわち、コア無線ネットワーク110のエッジにより近くに)移動させられ得る。
【0035】
その逆もまた真であり得る。VNMS115は、コア無線ネットワーク110内のレイテンシが、VNOにマッピングされた許可されたQoSパラメータを下回る閾値を超えると判定し得る。それ故、特定のVNOに代わって実施される処理は、矢印320により指し示されるように、ゲートウェイ処理システム114-1等のゲートウェイ処理システムから高レベル処理リソース111に移動させられ得る。こうした配置は、レイテンシを追加し得るが、処理をコア無線ネットワーク110のエッジから遠ざけて移動させることによってコストを減少させ得る。
【0036】
管理者の承諾又は入力なしにVNMS115によって実装され得る第3のタイプの修正は、特定のVNOに対して指定された1つ以上の基地局の帯域幅の量を調整することであり得る。こうした修正は、VNO毎のBWの半静的制御に使用され得る。こうしたBWの調整は、基地局スケジューラによって動的に実施され得る。幾つかのVNOに対しては、帯域幅の部分は、1つ以上の基地局120において明確に受信される。帯域幅のこれらの部分は、明確に指定されたBWPであり得る。特定のVNOに対するデータスループット(アップリンク、ダウンリンク、又はその両方)の量がVNOのQoSパラメータを満たしていない場合、VNOのVWNに対して追加の帯域幅を追加するための帯域幅再割り当て330が実施され得る。反対に、VNOのVWN対して設計された帯域幅の量が、VNOのQoSパラメータを上回る少なくとも閾値であるデータスループットをもたらしている場合、VNOに対する帯域幅は、別のVNOのIoTデバイスとの通信に対して追加され得るように、削減され得る。
【0037】
管理者の承諾又は入力なしにVNMS115によって実装され得る第4のタイプの修正は、コア無線ネットワーク110のコンポーネントに割り当てられる処理リソースの量を調整することであり得る。処理がVNOのQoSパラメータを満たすのに時間がかかりすぎることをトラフィック統計が指し示している場合、高レベル処理リソース111-1の処理リソース340等の利用可能な追加の処理リソースがVNOのVWNに割り当てられ得る。或いは、VNOのQoSパラメータに違反することなく処理時間を増加させ得ることをトラフィック統計が指し示している場合、処理リソースは、VNOのVWNから割り当て解除され得、他のタスク(例えば、何らかのその他のVNOのVWN)に専用にされ得る。
【0038】
管理者の承諾又は入力なしにVNMS115によって実装され得る第5のタイプの修正は、コア無線ネットワークコンポーネントが通信する方法のトポロジーを調整することであり得る。実例として、VNOのIoTデバイスからVNOの関連するVNOシステム140-1への配信データの総レイテンシが高すぎる場合、高レベル処理リソースを通じてデータを配信するのではなくむしろ、ゲートウェイ処理システム114は、VNOシステム140-1と直接通信するように命じられ得る。こうした配置は、VNOのVWNのトポロジー又は階層に対する変更として理解され得る。
【0039】
図1~
図3に関連して詳述したシステムを使用して様々な方法が実施され得る。
図4は、マルチテナント無線ネットワークを管理するための方法400の実施形態を説明する。方法400の各ブロックは、
図1~
図3のシステムを使用して実施され得る。具体的には、方法400の各ブロックは、物理無線ネットワーク並びにトラフィック監視システム及びVNMS等のそのコンポーネントを使用して実施され得る。
【0040】
ブロック405において、様々な分散型のトラフィック監視コンポーネントを使用する等して、物理無線ネットワーク上でトラフィックが監視され得る。実例として、各データパケットは、物理無線ネットワークの各コンポーネントを通じて監視され得る。ブロック405において監視されるトラフィックは、(それが関連付けられるIoTデバイスに基づく等して)特定のVWNにマッピングされ得る。このVWNは特定のVNOにリンクされる。それ故、物理無線ネットワークを運用する第1のエンティティは、第2のエンティティ(VNO)に代わってVWNを運用することの合意に達している。ブロック405において監視されるトラフィックは、無線ネットワークの幾つか又は全てのコンポーネントに渡って、アップリンク及びダウンリンクデータの量、アップリンク及びダウンリンクデータのレイテンシを追跡することを含み得る。追跡することはまた、無線IoTデバイス等のユーザー装置から受信された又は該ユーザー装置へ送信されるデータについての処理を実施するための時間量内で実施され得る。トラフィックは時間に関連して監視され得、それ故、VNOに対するVWNトラフィックのピーク及び最下点を識別することが可能であり得る。
【0041】
ブロック405と同様に、ブロック410において、物理無線ネットワーク上でトラフィックが監視され得る。しかしながら、このブロックでは、監視されるトラフィックは、異なる(第2の)VWNにリンクされ得る。このVWNは異なるVNOにリンクされる。それ故、物理無線ネットワークを運用する第1のエンティティは、第3のエンティティ(VNO)に代わって別のVWNを運用することの合意に達している。ブロック410において監視されるトラフィックは、無線ネットワークの幾つか又は全てのコンポーネントに渡って、アップリンク及びダウンリンクデータの量、アップリンク及びダウンリンクデータのレイテンシを追跡することを含み得る。追跡することはまた、無線IoTデバイス等のユーザー装置から受信された又は該ユーザー装置へ送信されるデータについての処理を実施するための時間量内で実施され得る。トラフィックは時間に関連して監視され得、それ故、VNOに対するVWNトラフィックのピーク及び最下点を識別することが可能であり得る。ブロック410のトラフィックデータは、ブロック405のトラフィックデータとは別個に維持される。方法400は、別個のVWNを有する2つのVNOの例を含むが、これは一例にすぎず、他の実施形態は、独自のVWNを各々有するより多数のVNOを含み得ることを理解すべきである。
【0042】
ブロック415において、第1のVWN及び第2のVWNに対して別個にトラフィック統計が編集され得る。これらのトラフィック統計は、レイテンシデータ(アップリンク及び/又はダウンリンク)、データスループット(アップリンク及び/又はダウンリンク)、並びにVWNの幾つか又は全てのコンポーネントに対する処理時間を含み得る。幾つかの実施形態では、トラフィック統計は、2つのカテゴリ、短期統計及び長期統計に分けられる。幾つかの実施形態では、これらの統計は、レポートの形式で、出力に対する人間可読のフォーマットに入れ込まれ得る。ブロック415において編集されたトラフィック統計は、分析のためにVNMSに供給され得る。
【0043】
ブロック420において、特定のVNOのVWNに対するトラフィック統計が分析され得る。ブロック420の分析は、トレーニングされたニューラルネットワークを使用して実施され得る。更に、ブロック420の分析は、特定のVWNに対するトラフィック統計を、VWNが運用されるVNOに固有のVNO QoSパラメータ(例えば、レイテンシ、処理速度、データ全体)と比較することを含み得る。この比較は、QoSパラメータが満たされていない、満たされているが閾値を超えている、又はそれら両方の状況を判定するために使用され得る。ブロック420の分析は、VWNの現在の構成データを分析することを更に含み得る。
【0044】
ブロック425において、VWNの1つ以上のプロパティが、修正されると判定され得る。ブロック420のニューラルネットワークにより判定される修正は、ニューラルネットワークがトレーニングされた方法に基づき得る。ブロック425において修正され得るプロパティの非限定的なリストは、
図3に関連して詳述されている。
【0045】
ブロック430において、ブロック420においてニューラルネットワークにより実施された分析に基づいて1つ以上のレコメンデーションが出力され得る。ブロック430において出力されるレコメンデーションは、レポートの形式で管理者に提示され得る。幾つかの実施形態では、管理者がレコメンデーションを承諾することによって、VNMSは、レコメンデーションを実装させ得る。他の状況では、管理者は、(新たなハードウェアを設置する等して)レコメンデーションを手動で実装する必要があり得る。
【0046】
ブロック430が実施されることに続いて、ブロック420~430が第2のVWNに対して実施され得る。このプロセスは、物理無線ネットワークを使用して運用される各VWNが分析され、必要に応じて修正されるまで継続され得る。
【0047】
上で論じた方法、システム、及びデバイスは例示である。様々な構成が様々な手順又はコンポーネントを必要に応じて省略、置換、又は追加し得る。実例として、代替的な構成では、方法は、説明したものとは異なる順序で実施され得、並びに/又は様々な段階が追加、省略、及び/若しくは組み合わされ得る。また、幾つかの構成に関して説明した機構は、他の様々な構成では組み合わされ得る。構成の異なる態様及び要素は、同様の方法で組み合わされ得る。また、技術は進化しており、したがって、要素の多くは例示であり、開示又は請求項の範囲を限定しない。
【0048】
(実装を含む)例示的な構成を完全に理解を提供するための具体的詳細が説明において与えられている。しかしながら、これらの具体的詳細なしに構成は実践され得る。例えば、構成を不明瞭にすることを避けるために、周知の回路、プロセス、アルゴリズム、構造体、及び技術は、不必要な詳細なしに示されている。この説明は、例示的な構成のみを提供し、請求項の範囲、適用可能性、又は構成を限定しない。むしろ、構成の前述の説明は、説明された技術を実装するための有効な説明を当業者に提供するであろう。開示の精神又は範囲から逸脱することなく、要素の機能及び配置に様々な変更がなされ得る。
【0049】
また、構成は、フロー図又はブロック図として描写されるプロセスとして説明され得る。各々は、連続的なプロセスとしての動作を説明し得るが、動作の多くは並行して又は同時に実施され得る。また、動作の順序は再配置され得る。プロセスは、図には含まれていない追加のステップを有し得る。更に、方法の例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、又はそれらの任意の組み合わせによって実装され得る。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、又はマイクロコードで実装される場合、必要なタスクを実施するためのプログラムコード又はコードセグメントは、ストレージ媒体等の非一時的コンピュータ可読媒体内に蓄積され得る。プロセッサは、説明したタスクを実施し得る。
【0050】
幾つかの例示的な構成を説明したが、開示の精神から逸脱することなく、様々な修正、代替的構造、及び均等物が使用され得る。例えば、上記の要素は、より大きなシステムのコンポーネントであり得、他の規則が、発明の適用よりも優先され得、さもなければ該適用を修正し得る。また、幾つかのステップは、上記の要素を考慮する前、間、又は後に着手され得る。
【国際調査報告】