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特表2022-541845抗老化効果を有するポリペプチドおよびその使用
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-27
(54)【発明の名称】抗老化効果を有するポリペプチドおよびその使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 38/07 20060101AFI20220916BHJP
   A61K 38/08 20190101ALI20220916BHJP
   A61K 38/16 20060101ALI20220916BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20220916BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220916BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20220916BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20220916BHJP
   A61K 9/06 20060101ALI20220916BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20220916BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20220916BHJP
   A61K 9/107 20060101ALI20220916BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20220916BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20220916BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20220916BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20220916BHJP
   A61K 47/06 20060101ALI20220916BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20220916BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20220916BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20220916BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20220916BHJP
   A61K 47/18 20060101ALI20220916BHJP
   A61K 47/46 20060101ALI20220916BHJP
   A61K 47/24 20060101ALI20220916BHJP
   A61K 47/44 20170101ALI20220916BHJP
   A61K 47/12 20060101ALI20220916BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20220916BHJP
   A61K 38/10 20060101ALI20220916BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20220916BHJP
   A61K 8/64 20060101ALI20220916BHJP
   A23L 33/17 20160101ALI20220916BHJP
   C12N 15/11 20060101ALI20220916BHJP
   C07K 5/11 20060101ALN20220916BHJP
   C07K 7/06 20060101ALN20220916BHJP
【FI】
A61K38/07
A61K38/08
A61K38/16
A61P17/00
A61P43/00 107
A61Q19/08
A61Q19/00
A61K9/06
A61K9/12
A61K9/08
A61K9/107
A61K9/14
A61Q19/10
A61Q5/02
A61K47/10
A61K47/06
A61K47/26
A61K47/36
A61K47/22
A61K47/42
A61K47/18
A61K47/46
A61K47/24
A61K47/44
A61K47/12
A61K47/14
A61K38/10
A61K8/06
A61K8/64
A23L33/17
C12N15/11 Z
C07K5/11 ZNA
C07K7/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022504573
(86)(22)【出願日】2020-07-22
(85)【翻訳文提出日】2022-03-22
(86)【国際出願番号】 US2020043033
(87)【国際公開番号】W WO2021016330
(87)【国際公開日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】62/877,164
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522030024
【氏名又は名称】ワンスキン,インク.
(71)【出願人】
【識別番号】522030046
【氏名又は名称】フランコ,オクタヴィオ
(71)【出願人】
【識別番号】522030057
【氏名又は名称】ポルト,ウィリアム ファリアス
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】フランコ,オクタヴィオ
(72)【発明者】
【氏名】ポルト,ウィリアム ファリアス
(72)【発明者】
【氏名】ゾナリ,アレッサンドラ
(72)【発明者】
【氏名】オリヴェイラ,カロリーナ レイス デ
(72)【発明者】
【氏名】オチョア,エドガー アンドレス
(72)【発明者】
【氏名】カルヴァーリョ,ジュリアナ ロット デ
(72)【発明者】
【氏名】ブレース,リア
(72)【発明者】
【氏名】ボローニ,マリアナ
(72)【発明者】
【氏名】ギアン,マイリエネス
(72)【発明者】
【氏名】シルバ,トゥアニー デ アレンカール エ
【テーマコード(参考)】
4B018
4C076
4C083
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4B018MD20
4B018ME10
4C076AA07
4C076AA09
4C076AA12
4C076AA14
4C076AA17
4C076AA24
4C076AA29
4C076AA72
4C076BB31
4C076CC18
4C076DD34
4C076DD38
4C076DD41
4C076DD45
4C076DD46
4C076DD51
4C076DD52
4C076DD59
4C076DD60
4C076DD63
4C076DD66
4C076EE37
4C076EE41
4C076EE51
4C076EE53
4C076EE56
4C076FF04
4C076FF16
4C076FF36
4C076FF39
4C083AA111
4C083AA121
4C083AC021
4C083AC121
4C083AC131
4C083AC241
4C083AC391
4C083AC581
4C083AC641
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD331
4C083AD411
4C083AD412
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4C083AD611
4C083AD621
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4C083AD641
4C083AD651
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4C083AD662
4C083AD671
4C083BB13
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4C083CC04
4C083CC05
4C083CC06
4C083CC07
4C083CC23
4C083CC38
4C083DD08
4C083DD17
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD30
4C083DD31
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE12
4C084AA02
4C084AA03
4C084AA07
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA16
4C084BA17
4C084BA18
4C084BA19
4C084BA20
4C084BA23
4C084CA53
4C084CA59
4C084MA05
4C084MA13
4C084MA16
4C084MA17
4C084MA22
4C084MA28
4C084MA32
4C084MA43
4C084MA52
4C084MA63
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZA891
4C084ZA892
4C084ZB221
4C084ZB222
4C084ZC521
4C084ZC522
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA13
4H045BA15
4H045EA01
4H045EA15
4H045EA20
4H045FA10
(57)【要約】
【解決手段】
セノ治療的効果を提供することができるポリペプチドが、本明細書に提供される。ポリペプチドは、外用適用のために製剤化することができ、そして、対象に局所的に適用することができ、その結果、対象において、または対象の細胞において、セノ治療効果を提供する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚の処置のための組成物であって、前記組成物は、LKGIのアミノ酸配列(配列番号:5)またはそのアナログを含む、単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドを含み、ここで、前記ポリペプチドは、最大100のアミノ酸を含む、組成物。
【請求項2】
前記単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドは、WLKGIのアミノ酸配列(配列番号:7)またはそのアナログを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドは、LKGILのアミノ酸配列(配列番号:6)またはそのアナログを含む、請求項1または請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドは、少なくとも4つのアミノ酸、10のアミノ酸、15のアミノ酸、または20のアミノ酸を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項5】
治療用、栄養補助用、または化粧用賦形剤をさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記賦形剤は、局所適用のために構成される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物は、ヒトの皮膚への適用のために構成される、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物は、クリーム、経皮パッチ、外用パッチ、軟膏、オイル、ゲル、液体、粉末、ローション、血清、エマルジョン、モイスチャライザ、泡、フェースマスク、ムース、エアロゾル、スプレー、洗顔剤、化粧水、またはシャンプーである、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物は、食用サプリメントとして構成される、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物は、飲料として構成される、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物は、グリセリン、スクアレン、ソルビトール、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸誘導体、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムクロスポリマー、ナイアシンアミド、糖タンパク質、ピロリドンカルボン酸(PCA)、リジンHCl、アラントイン、および藻類抽出物からなる群から選択される、少なくとも1つの皮膚用保湿剤を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物は、植物オイル、ミネラルオイル、シアバター、カカオバター、ワセリン、脂肪酸、トリグリセリド、ベンゾアート、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、糖脂質、リン脂質、スクアレン、グリセリン、セラミド、および藻類抽出物からなる群から選択される、少なくとも1つの皮膚軟化剤を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項13】
前記植物オイルは、ローズヒップオイル、アンディローバオイル、グレープシードオイル、アボカドオイル、プラムシードオイル、プラカシーオイル、カリコフィラムスプルカナムオイル、アーモンドオイル、およびアルガンオイルからなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物は、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB6、ビタミンB12(シアノコバラミン)、ビタミンB9、葉酸、ナイアシンアミド、またはそれらの誘導体からなる群から選択される、少なくとも1つのビタミンを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
前記組成物は、約500nM~約500μMの、単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドの有効な量を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物は、約0.001%~約5%(w/w)の、単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドの有効な量を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項17】
前記組成物は、約0.01%~約1%の、単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドの有効な量を含む、請求項1~14のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物は、前記組成物を皮膚上で使用した後に、前記組成物を使用する前と比較して、ユーザの皮膚の、皮膚水分量、経皮水分損失(TEWL)、皮膚厚さとエコー輝度、皮内分析、皮膚粘弾性特性、または皮膚表面プロファイルの少なくとも1つを改善する、請求項1~17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
前記組成物は、前記組成物を皮膚上で使用した後に、前記組成物を使用する前と比較して、ユーザの皮膚の、線/しわの外観、皮膚の色調(均一性)の外観、毛穴の外観、質感/滑らかさの外観、堅固さ(視覚的)、弾力(触覚的)、表皮バリア、皮膚荒れ、皮膚色素過剰、または皮膚の全体的な外観を低下させる、請求項1~17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物による皮膚の処置は、皮膚に対する老化による影響を低下させるか、または処置する、請求項1~19のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項21】
前記組成物による皮膚の処置は、皮膚に対する細胞老化による影響を低下させる、請求項1~20のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項22】
前記老化による影響は、老化関連β-ガラクトシダーゼ活性レベル、ATRX病巣/細胞の割合、p16発現、IL-8発現、Ki-67発現、ヒアルロン酸合成酵素2発現、マトリックスメタロプロテアーゼ1(MMP1)発現、サーチュイン6(SIRT6)発現、BLM発現、またはエキソヌクレアーゼ1(EXO1)発現の少なくとも1つによって評価される、請求項20~21のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項23】
10のアミノ酸配列、またはそのアナログを含む、単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドであって、ここで、
(a)前記アミノ酸配列は、第1の配列の配列番号:1に対して、少なくとも70%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有し、式中、XはE、XはT、XはK、XはW、X7L、XはG、およびX10はIであり;そして、
(i)XはSではなく;または
(ii)Xが任意のアミノ酸である場合、XはGではなく;または
(iii)Xが任意のアミノ酸である場合、XはNではなく;または
(iv)(i)、(ii)、または(iii)のいずれか1つは、随意に、1、2、3、または4の保存的アミノ酸置換を伴い;あるいは、
(b)前記アミノ酸配列は、第2の配列の配列番号:2に対して、少なくとも70%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有し、式中、XはA、XはT、XはA、XはK、XはA、XはW、XはL、XはK、XはG、およびX10はIであり、随意に、1、2、3、または4の保存的アミノ酸置換を伴い;あるいは、
(c)前記アミノ酸配列は、第3の配列の配列番号:3に対して、少なくとも70%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有し、式中、XはK、XはL、XはI、XはL、XはG、およびX10はAであり;そして、
(i)Xが任意のアミノ酸である場合、XはNではなく;または
(ii)Xが任意のアミノ酸である場合、XはSではなく;または
(iii)Xが任意のアミノ酸である場合、XはLではなく;または
(iv)Xが任意のアミノ酸である場合、XはSではなく;そして、または
(v)(i)、(ii)、(iii)、または(iv)のいずれか1つは、随意に、1、2、3、または4の保存的アミノ酸置換を伴い;あるいは、
(d)前記アミノ酸配列は、第4の配列の配列番号:4に対して、少なくとも70%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有し、式中、XはW、XはL、XはK、XはG、XはI、XはL、XはR、XはE、XはA、およびX10はAであり、随意に、1、2、3、または4の保存的アミノ酸置換を伴う、ポリペプチド。
【請求項24】
前記アミノ酸配列は、LKGI(配列番号:5)を含む、請求項23に記載のポリペプチド。
【請求項25】
前記アミノ酸配列は、WLKGI(配列番号:7)を含む、請求項23または請求項24に記載のポリペプチド。
【請求項26】
前記アミノ酸配列は、LKGIL(配列番号:6)を含む、請求項23-25のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項27】
前記アミノ酸配列は、配列番号:1の配列に対して、少なくとも70%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有する、請求項23に記載のポリペプチド。
【請求項28】
前記アミノ酸配列は、配列番号:1である、請求項23に記載のポリペプチド。
【請求項29】
前記アミノ酸配列は、配列番号:2である、請求項23に記載のポリペプチド。
【請求項30】
前記アミノ酸配列は、配列番号:3の配列に対して、少なくとも70%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有する、請求項23に記載のポリペプチド。
【請求項31】
前記アミノ酸配列は、配列番号:3の配列に対して、少なくとも80%、85%、90%、または95%の同一性を有する、請求項23に記載のポリペプチド。
【請求項32】
前記アミノ酸配列は、配列番号:3である、請求項23に記載のポリペプチド。
【請求項33】
前記アミノ酸配列は、配列番号:4である、請求項23に記載のポリペプチド。
【請求項34】
前記組み換えられたポリペプチドは、少なくとも10のアミノ酸、15のアミノ酸、または20のアミノ酸、および最大100のアミノ酸を含む、請求項23-33のいずれか1項に記載のポリペプチド。
【請求項35】
請求項23-34のいずれか1項に記載の少なくとも1つの単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチド、および、治療用、栄養補助用、または化粧用賦形剤を含む、皮膚の処置のための組成物。
【請求項36】
前記賦形剤は、局所適用のために構成される、請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
前記組成物は、ヒトの皮膚への適用のために製剤化される、請求項35または請求項36に記載の組成物。
【請求項38】
前記組成物は、クリーム、軟膏、ゲル、液体、オイル、粉末、ローション、血清、エマルジョン、モイスチャライザ、泡、フェースマスク、ムース、エアロゾル、スプレー、洗顔剤、化粧水、外用パッチ、またはシャンプーである、請求項35-37のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項39】
前記組成物は、食用サプリメントとして構成される、請求項35に記載の組成物。
【請求項40】
前記組成物は、飲料として構成される、請求項39に記載の組成物。
【請求項41】
前記組成物は、グリセリン、スクアレン、ソルビトール、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸誘導体、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムクロスポリマー、ナイアシンアミド、糖タンパク質、ピロリドンカルボン酸(PCA)、リジンHCl、アラントイン、および藻類抽出物からなる群から選択される、少なくとも1つの皮膚用保湿剤を含む、請求項35-40のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項42】
前記組成物は、植物オイル、ミネラルオイル、シアバター、カカオバター、ワセリン、脂肪酸、トリグリセリド、ベンゾアート、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、糖脂質、リン脂質、スクアレン、グリセリン、セラミド、および藻類抽出物からなる群から選択される、少なくとも1つの皮膚軟化剤を含む、請求項35-40のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項43】
前記植物オイルは、ローズヒップオイル、アンディローバオイル、グレープシードオイル、アボカドオイル、プラムシードオイル、プラカシーオイル、カリコフィラムスプルカナムオイル、アーモンドオイル、およびアルガンオイルからなる群から選択される、請求項42に記載の組成物。
【請求項44】
前記組成物は、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB6、ビタミンB12(シアノコバラミン)、ビタミンB9、葉酸、ナイアシンアミド、またはそれらの誘導体からなる群から選択される、少なくとも1つのビタミンを含む、請求項35-43のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項45】
前記組成物は、約500nM~約500μMの、単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドの有効な量を含む、請求項35-44のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項46】
前記組成物は、約0.001%~約5%(w/w)の、単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドの有効な量を含む、請求項35-44のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項47】
前記組成物は、約0.01%~約1%の、単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドの有効な量を含む、請求項35-44のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項48】
前記組成物は、前記組成物を皮膚上で使用した後に、前記組成物を使用する前と比較して、皮膚の水分量、経皮水分損失(TEWL)、皮膚厚さとエコー輝度、ユーザの皮膚の皮内分析、皮膚粘弾性特性、または皮膚表面プロファイルの少なくとも1つを改善する、請求項35-47のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項49】
前記組成物は、前記組成物を皮膚上で使用した後に、前記組成物を使用する前と比較して、ユーザの皮膚の、線/しわの外観、皮膚の色調(均一性)の外観、毛穴の外観、質感/滑らかさの外観、堅固さ(視覚的)、弾力(触覚的)、表皮バリア、皮膚荒れ、皮膚色素過剰、または皮膚の全体的な外観を低下させる、請求項35-47のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項50】
前記組成物による皮膚の処置は、皮膚に対する老化による影響を低下させるか、または処置する、請求項35-49のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項51】
前記組成物による前記皮膚の処置は、皮膚に対する細胞老化による影響を低下させる、請求項35-50のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項52】
前記老化による影響は、老化関連B-ガラクトシダーゼ活性レベル、ATRX病巣/細胞の割合、p16発現、IL-8発現、Ki-67発現、ヒアルロン酸合成酵素2発現、マトリックスメタロプロテアーゼ1(MMP1)発現、サーチュイン6(SIRT6)発現、BLM発現、またはエキソヌクレアーゼ1(EXO1)発現の少なくとも1つによって評価される、請求項50-51のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項53】
必要な対象において疾病を処置する方法であって、前記方法は、配列番号:5のアミノ酸配列を含む組成物を、対象に投与する工程を含む、方法。
【請求項54】
前記組成物は、配列番号:6のアミノ酸配列を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記組成物は、配列番号:7のアミノ酸配列を含む、請求項53または請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記投与する工程は、前記組成物を前記対象に局所的に適用することを含む、請求項53-55のいずれか1項に記載の方法。
【請求項57】
前記対象は、ヒトまたは他の動物である、請求項53-56のいずれか1項に記載の方法。
【請求項58】
前記方法は、前記組成物の有効な量を、前記対象に投与する工程を含む、請求項53-57のいずれか1項に記載の方法。
【請求項59】
前記疾病は、対象における老化細胞の蓄積に関連した障害である、請求項53-58のいずれか1項に記載の方法。
【請求項60】
老化細胞の蓄積に関連した前記障害は、皮膚の老化を含む、請求項53に記載の方法。
【請求項61】
前記組成物は、グリセリン、スクアレン、ソルビトール、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸誘導体、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムクロスポリマー、ナイアシンアミド、糖タンパク質、ピロリドンカルボン酸(PCA)、リジンHCl、アラントイン、および藻類抽出物からなる群から選択される、少なくとも1つの皮膚用保湿剤を含む、請求項53-60のいずれか1項に記載の方法。
【請求項62】
前記組成物は、植物オイル、ミネラルオイル、シアバター、カカオバター、ワセリン、脂肪酸、トリグリセリド、ベンゾアート、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、糖脂質、リン脂質、スクアレン、グリセリン、セラミド、および藻類抽出物からなる群から選択される、少なくとも1つの皮膚軟化剤を含む、請求項53-61のいずれか1項に記載の方法。
【請求項63】
前記植物オイルは、ローズヒップオイル、アンディローバオイル、グレープシードオイル、アボカドオイル、プラムシードオイル、プラカシーオイル、カリコフィラムスプルカナムオイル、アーモンドオイル、およびアルガンオイルからなる群から選択される、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記組成物は、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB6、ビタミンB12(シアノコバラミン)、ビタミンB9、葉酸、ナイアシンアミド、またはそれらの誘導体からなる群から選択される、少なくとも1つのビタミンを含む、請求項53-63のいずれか1項に記載の方法。
【請求項65】
前記組成物は、約500nM~約500μMの、単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドの有効な量を含む、請求項53-64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項66】
前記組成物は、約0.001%~約5%(w/w)の、単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドの有効な量を含む、請求項53-64のいずれか1項に記載の方法。
【請求項67】
前記組成物は、単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドの、真皮の中への、最大10%の低皮膚浸透を達成するように製剤化される、請求項53-66のいずれか1項に記載の方法。
【請求項68】
前記組成物は、前記組成物を皮膚上で使用した後に、前記組成物を使用する前と比較して、皮膚の水分量、経皮水分損失(TEWL)、皮膚厚さとエコー輝度、ユーザの皮膚の皮内分析、皮膚粘弾性特性、または皮膚表面プロファイルの少なくとも1つを改善する、請求項53-67のいずれか1項に記載の方法。
【請求項69】
前記組成物は、前記組成物を皮膚上で使用した後に、前記組成物を使用する前と比較して、ユーザの皮膚の、線/しわの外観、皮膚の色調(均一性)の外観、毛穴の外観、質感/滑らかさの外観、堅固さ(視覚的)、弾力(触覚的)、表皮バリア、皮膚荒れ、皮膚色素過剰、または皮膚の全体的な外観を低下させる、請求項53-68のいずれか1項に記載の方法。
【請求項70】
前記組成物によって皮膚を処置する工程は、皮膚も対する老化による影響を低下させるか、または処置する、請求項53-69のいずれか1項に記載の方法。
【請求項71】
前記組成物によって皮膚を処置する工程は、皮膚に対する細胞老化による影響を低下させる、請求項53-70のいずれか1項に記載の方法。
【請求項72】
前記老化による影響は、老化関連B-ガラクトシダーゼ活性レベル、ATRX病巣/細胞の割合、p16発現、IL-8発現、Ki-67発現、ヒアルロン酸合成酵素2発現、マトリックスメタロプロテアーゼ1(MMP1)発現、サーチュイン6(SIRT6)発現、BLM発現、またはエキソヌクレアーゼ1(EXO1)発現の少なくとも1つによって評価される、請求項70-71のいずれか1項に記載の方法。
【請求項73】
必要な対象において細胞老化を低下させる方法であって、前記方法は、随意に1つの保存的アミノ酸置換を伴う、LKGI(配列番号:5)のアミノ酸配列を含むポリペプチドを、対象に投与する工程を含み、ここで、前記ポリペプチドは、最大100のアミノ酸を含む、方法。
【請求項74】
前記ポリペプチドは、少なくとも4つのアミノ酸、10のアミノ酸、15のアミノ酸、または20のアミノ酸を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
前記組成物は、随意に1つの保存的アミノ酸置換を伴う、WLKGI(配列番号:7)のアミノ酸配列を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項76】
前記組成物は、随意に1つの保存的アミノ酸置換を伴う、LKGIL(配列番号:6)のアミノ酸配列を含む、請求項73に記載の方法。
【請求項77】
前記ポリペプチドは、少なくとも5つのアミノ酸、10のアミノ酸、15のアミノ酸、または20のアミノ酸を含み、および最大100のアミノ酸を含む、請求項75または請求項76のいずれか1項に記載の方法。
【請求項78】
前記組成物は、治療用、栄養補助用、または化粧用賦形剤をさらに含む、請求項73-77のいずれか1項に記載の方法。
【請求項79】
必要な対象において細胞老化を低下させる方法であって、前記方法は、請求項23-34のいずれか1項に記載の少なくとも1つのポリペプチドを含む、治療用、栄養補助用、または化粧用組成物を、前記対象に投与する工程を含む、方法。
【請求項80】
前記組成物は、治療用、栄養補助用、または化粧用賦形剤をさらに含む、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記投与する工程は、前記組成物を前記対象の皮膚の一部に適用することを含む、
請求項79または請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記組成物は、前記対象の複数の細胞の寿命を延ばし、前記対象の複数の細胞におけるSIRT6発現を誘発し、前記対象の複数の細胞における細胞再生速度を増加させ、前記対象の複数の細胞におけるアポトーシスを促進し、前記対象の複数の細胞におけるDNA修復を促進し、前記対象の複数の細胞におけるコラーゲン産生を増加させ、前記対象の複数の細胞におけるヒアルロン酸合成酵素産生を増加させ、前記対象の複数の細胞におけるATRX核病巣蓄積を減少させ、前記対象の複数の細胞におけるp16発現を減少させ、前記対象の複数の細胞における老化関連ベータ-ガラクトシダーゼ産生を減少させ、前記対象の複数の細胞におけるIL8発現を減少させ、前記対象の複数の細胞におけるMMP1発現を減少させ、前記対象の複数の細胞におけるBLM発現を増加させ、および/または、前記対象の複数の細胞におけるUV誘発DNA損傷を防ぐ、請求項79-81のいずれか1項に記載の方法。
【請求項83】
必要な対象において疾病を処置する方法であって、前記方法は、随意に1つの保存的アミノ酸置換を伴う、配列番号:5のアミノ酸配列を含む、治療用、栄養補助用、または化粧用組成物を、対象に投与する工程を含む、方法。
【請求項84】
前記治療用、栄養補助用、または化粧用組成物は、随意に1つの保存的アミノ酸置換を伴う、配列番号:6のアミノ酸配列を含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記治療用、栄養補助用、または化粧用組成物は、随意に1つの保存的アミノ酸置換を伴う、配列番号:7のアミノ酸配列を含む、請求項83または請求項84に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本特許出願は、2019年7月22日に出願された米国仮特許出願第62/877,164の利益を主張するものであり、その全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
細胞老化の蓄積は単に有機体老化の産物ではなく、むしろ、ポジティブ・フィードバック・サイクルによるさらなる老化誘導に対して、積極的に寄与する可能性がある。老化の特徴の中で、細胞老化は中心的な位置を占め、老化に関する主要な、拮抗的な、および統合的な態様を統合し得る。第1に、老化は、前駆細胞の増殖能力を低下させるため、影響を受けた組織の組織修復および再生能力を損なう可能性がある。第2に、老化細胞は、パラクリンシグナル伝達環境を変化させる可能性があり、老化関連分泌表現型(SASP)を特徴とし、当該老化関連分泌表現型は炎症とさらなる細胞老化を誘発し、潜在的に有害な炎症反応を悪化させ、組織傷害を促進する可能性がある。第3に、加齢に伴う老化細胞の蓄積は、皮膚を含むがこれに限定されないいくつかの組織で記録されている。第4に、細胞老化は、黄斑変性、痴呆、アテローム性動脈硬化症、および癌などの疾患において、積極的役割を果たす存在となる可能性がある。
【0003】
老化細胞は、核中の、細胞老化関連ベータ-ガラクトシダーゼ(SA-BGal)産生、p16発現、およびアルファサラセミア/精神遅滞X-連鎖クロマチンリモデリングタンパク質(ATRX)病巣蓄積によって、識別することができる。機能性の改質はまた、老化細胞を際立たせ、増殖能力の低下や分裂促進的刺激への耐性を含む。
【発明の概要】
【0004】
単離された、合成された、および/または組み換えられたポリペプチドを含む組成物が、本明細書に説明され、ポリペプチドは、LKGIのアミノ酸配列(配列番号:5)またはそのアナログ、LKGILのアミノ酸配列(配列番号:6)またはそのアナログ、あるいはWLKGIのアミノ酸配列(配列番号:7)またはそのアナログを含む。いくつかの実施形態では、そのようなポリペプチドは、少なくとも4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、または40のアミノ酸を含むことができる。代替的に、または追加的に、そのようなポリペプチドは、最大で100、90、80、70、60、50、40、35、30、25、または20のアミノ酸を含む。いくつかの例では、ポリペプチドは、配列番号:1-4のいずれかに対して、少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する。
【0005】
また、配列番号:8のアミノ酸配列を含む、単離され、合成され、および/または組み換えられたポリペプチドが、本明細書に説明され、当該配列番号は、X10またはそのアナログによって表わされ、
1.式中、XはE、XはT、XはK、XはW、XはL、XはG、およびX10はIであり;そして、(i)XはSではなく;または
2.(ii)Xが任意のアミノ酸である場合、XはGではなく;または
3.(iii)Xが任意のアミノ酸である場合、XはNではなく;
4.または、(iv)(i)、(ii)、または(iii)のいずれか1つは、随意に、1、2、3、または4の保存的アミノ酸置換を伴い;あるいは、
5.(b)アミノ酸配列は、第2の配列の配列番号:2に対して、少なくとも70%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有し、式中、XはA、XはT、XはA、XはK、XはA、XはW、XはL、XはK、XはG、およびX10はIであり、随意に、1、2、3、または4の保存的アミノ酸置換を伴い;あるいは、(c)アミノ酸配列は、第3の配列の配列番号:3に対して、少なくとも70%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有し、式中、XはK、XはL、XはI、XはL、XはG、およびX10はAであり;そして、(i)Xが任意のアミノ酸である場合、XはNではなく;または(ii)Xが任意のアミノ酸である場合、XはSではなく;または(iii)Xが任意のアミノ酸である場合、XはLではなく;または(iv)Xが任意のアミノ酸である場合、XはSではなく;そして、または(v)(i)、(ii)、(iii)、または(iv)のいずれか1つは、随意に、1、2、3、または4の保存的アミノ酸置換を伴い;あるいは、(d)アミノ酸配列は、第4の配列の配列番号:4に対して、少なくとも70%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有し、式中、XはW、XはL、XはK、XはG、XはI、XはL、XはR、XはE、XはA、およびX10はAであり、随意に、1、2、3、または4の保存的アミノ酸置換を伴う。
【0006】
いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、LKGI(配列番号:5)を含む。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、WLKGI(配列番号:7)を含む。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、LKGIL(配列番号:6)を含む。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号:1の配列に対して、少なくとも70%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号:1である。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号:2である。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号:3の配列に対して、少なくとも70%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有する。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号:3である。いくつかの実施形態では、アミノ酸配列は、配列番号:4である。いくつかの実施形態では、組み換えられたポリペプチドは、少なくとも10のアミノ酸、15のアミノ酸、または20のアミノ酸を含む。
【0007】
本明細書に提供される組成物は、治療用、栄養補助用、または化粧用としての使用のために、製剤化することができる。
【0008】
いくつかの実施形態では、製剤は、治療用、栄養補助用、または化粧用賦形剤をさらに含む、いくつかの実施形態では、賦形剤は、外用適用のために構成される。いくつかの実施形態では、賦形剤は、外用サプリメントとして構成される。さらなる実施形態では、製剤は、ヒトの皮膚への適用のために構成される。いくつかの実施形態では、製剤は、クリーム、経皮パッチ、外用パッチ、軟膏、オイル、ゲル、液体、粉末、ローション、血清、エマルジョン、モイスチャライザ、化粧水、泡、フェースマスク、ムース、エアロゾル、スプレー、洗顔剤、ヒドロゲルパッチ、粉末、またはシャンプーである、いくつかの実施形態では、製剤は、音波処置、超音波処置、LED処置、光線処置、電気的処置、または高周波処置と共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、経皮パッチは、皮膚の表皮層に製剤を配達する。いくつかの実施形態では、経皮パッチは、皮膚の表皮層および真皮層に製剤を配達する。いくつかの実施形態では、製剤は、対象において、最小量または低量で全身に送達され、あるいは、対象の血流に直接送達されることを意図していない。いくつかの実施形態では、製剤は、送達部位でおよびその近くで、局所的に作用する。いくつかの実施形態では、製剤は、全身性の影響を最小限有する、または全身性の影響を有していない。
【0009】
いくつかの実施形態では、製剤は、食用のサプリメントとして構成される。場合によっては、製剤は、飲料として構成される。
【0010】
本明細書における、少なくとも1つの組み換えられたまたは合成されたポリペプチド、および治療用、栄養補助用、または化粧用賦形剤を含む、治療用、栄養補助用、または化粧用製剤が、本明細書に説明される。
【0011】
いくつかの実施形態では、賦形剤は、外用適用のために構成される。いくつかの実施形態では、賦形剤は、外用サプリメントとして構成される。さらなる実施形態では、製剤は、ヒトの皮膚への適用のために製剤化される。より具体的には、製剤は、表皮から真皮に局所的に浸透するように構成され得る。いくつかの実施形態では、製剤は、表皮層および真皮層を通って局所的に浸透するように構成され得る。いくつかの実施形態では、製剤は、表皮層を通って局所的に浸透し、そして真皮層に低浸透を有するように、構成され得る。しばしば、製剤中の成分の浸透は、フランツ型拡散セルを使用するものを含むがこれらに限定されない、様々な浸透試験を使用して評価されてもよい。いくつかの実施形態では、製剤は、ポリペプチドを運ぶため、かつ皮膚を通じてポリペプチドの放出時間および/または浸透深度を制御するために、担体、ミクロスフェア、リポソーム、またはミセルを含む。場合によっては、本明細書における製剤は、クリーム、軟膏、ゲル、液体、オイル、粉末、ローション、血清、エマルジョン、モイスチャライザ、泡、フェースマスク、ムース、エアロゾル、スプレー、洗顔剤、化粧水、外用パッチ、ヒドロゲルパッチ、またはシャンプーである。
【0012】
いくつかの実施形態では、製剤は、食用のサプリメントとして構成される。いくつかの実施形態では、製剤は、飲料として構成される。いくつかの実施形態では、製剤は、錠剤、カプセル、ゲル、グミ、または粉末として構成される。
【0013】
必要な対象において疾病を処置する方法が、本明細書に説明され、当該方法は、配列番号:5-7の少なくとも1つのアミノ酸配列を含む、治療用、栄養補助用、または化粧品用製剤を、対象に投与する工程を含む。
【0014】
いくつかの実施形態では、投与する工程は、製剤を対象に局所的に適用することを含む。さらなる実施形態では、対象は、ヒトまたは他の動物である。いくつかの実施形態では、方法は、製剤の有効な量を、対象に投与する工程を含む。
【0015】
いくつかの実施形態では、疾病は、対象における老化細胞の蓄積に関連した障害である。いくつかの実施形態では、老化細胞の蓄積に関連した障害は、皮膚の老化を含む。いくつかの実施形態では、疾病は、早老症および/または早老症の影響に関連した障害である。いくつかの実施形態では、早老症は、皮膚の表皮層および真皮層中の早期老化の徴候を有する疾病を含む。
【0016】
必要な対象において細胞老化を低下させる方法が、本明細書に説明され、当該方法は、随意に1つの保存的アミノ酸置換を伴う、LKGIのアミノ酸配列(配列番号:5)を含むポリペプチドを含む、治療用、栄養補助用、または化粧用製剤を、対象に投与する工程を含む。
【0017】
いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、少なくとも4つのアミノ酸、10のアミノ酸、15のアミノ酸、または20のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、製剤は、随意に1つの保存的アミノ酸置換を伴う、WLKGI(配列番号:7)のアミノ酸配列を含むいくつかの実施形態では、製剤は、随意に1つの保存的アミノ酸置換を伴う、LKGIL(配列番号:6)のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、少なくとも5つのアミノ酸、10のアミノ酸、15のアミノ酸、または20のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、最大で10のアミノ酸、15のアミノ酸、20のアミノ酸、25のアミノ酸、30のアミノ酸、35のアミノ酸、または40のアミノ酸を含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、製剤は、治療用、栄養補助用、または化粧用賦形剤をさらに含む。
【0019】
必要な対象において細胞老化を低下させる方法が、本明細書に説明され、当該方法は、本明細書に記載される少なくとも1つのポリペプチドを含む、治療用、栄養補助用、または化粧用製剤を、対象に投与する工程を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、製剤は、治療用、栄養補助用、または化粧用賦形剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、投与する工程は、製剤を対象の皮膚の一部に適用することを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、対象の複数の細胞の寿命を延ばし、対象の複数の細胞におけるSIRT6発現を誘発し、対象の複数の細胞における細胞再生速度を増加させ、対象の複数の細胞におけるアポトーシスを促進し、対象の複数の細胞におけるDNA修復を促進し、対象の複数の細胞におけるコラーゲン産生を増加させ、対象の複数の細胞におけるヒアルロン酸合成酵素産生を増加させ、対象の複数の細胞におけるATRX核病巣蓄積を減少させ、対象の複数の細胞におけるp16発現を減少させ、対象の複数の細胞における老化関連ベータ-ガラクトシダーゼ産生を減少させ、対象の複数の細胞におけるIL8発現を減少させ、対象の複数の細胞におけるMMP1発現を減少させ、対象の複数の細胞におけるBLM発現を増加させ、および/または、対象の複数の細胞におけるUV誘発DNA損傷を防ぐ。
【0021】
必要な対象において疾病を処置する方法が、本明細書に説明され、当該方法は、随意に1つの保存的アミノ酸置換を伴う、配列番号:5のアミノ酸配列を含む、治療用、栄養補助用、または化粧用製剤を、対象に投与する工程を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、治療用、栄養補助用、または化粧用製剤は、随意に1つの保存的アミノ酸置換を伴う、配列番号:6のアミノ酸配列を含む。いくつかの実施形態では、治療用、栄養補助用、または化粧用製剤は、随意に1つの保存的アミノ酸置換を伴う、配列番号:7のアミノ酸配列を含む。
【0023】
引用による組み込み
本明細書で言及されるすべての出版物、特許、および特許出願は、あたかも個々の出版物、特許、または特許出願がそれぞれ参照によって本明細書に具体的かつ個別に組み込まれるのと同じ程度にまで、参照によって本明細書に組み込まれている。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明の新規な特徴は、添付の特許請求の範囲によって具体的に規定される。本発明の特徴と利点をより良く理解するには、本発明の原理が用いられる例示的実施形態を説明する以下の詳細な説明と添付図面とを参照されたい。
【0025】
図1】早老症線維芽細胞数および老化レベルに対する、個々のポリペプチドの効果を示す。
図2A】老化線維芽細胞に対する、4つのポリペプチド、ペプチド14(パネルA)、ペプチド13(パネルB)、ペプチド15(パネルC)、およびペプチド16(パネルD)のセノ治療(senotherapeutic)の効果を示す。*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001。
図2B】老化線維芽細胞に対する、4つのポリペプチド、ペプチド14(パネルA)、ペプチド13(パネルB)、ペプチド15(パネルC)、およびペプチド16(パネルD)のセノ治療の効果を示す。*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001。
図2C】老化線維芽細胞に対する、4つのポリペプチド、ペプチド14(パネルA)、ペプチド13(パネルB)、ペプチド15(パネルC)、およびペプチド16(パネルD)のセノ治療の効果を示す。*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001。
図2D】老化線維芽細胞に対する、4つのポリペプチド、ペプチド14(パネルA)、ペプチド13(パネルB)、ペプチド15(パネルC)、およびペプチド16(パネルD)のセノ治療の効果を示す。*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001。
図3A】より少ないATRX病巣/核を有する細胞数の増加(パネルA)、ATRX病巣/核の平均の低下(パネルB)、および10未満のATRX病巣/核を有する細胞数の増加(パネルC)を促進するポリペプチドのセノ治療の効果を示す。*P<0.05;**<0.01。
図3B】より少ないATRX病巣/核を有する細胞数の増加(パネルA)、ATRX病巣/核の平均の低下(パネルB)、および10未満のATRX病巣/核を有する細胞数の増加(パネルC)を促進するポリペプチドのセノ治療の効果を示す。*P<0.05;**<0.01。
図3C】より少ないATRX病巣/核を有する細胞数の増加(パネルA)、ATRX病巣/核の平均の低下(パネルB)、および10未満のATRX病巣/核を有する細胞数の増加(パネルC)を促進するポリペプチドのセノ治療の効果を示す。*P<0.05;**<0.01。
図4A】3週間の長期曝露中に、細胞集団における老化線維芽細胞数を減少させることができ、処置後少なくとも1週間セノ治療の効果を維持し(パネルA)、この期間中に細胞毒性を誘発したり細胞増殖に有意に影響したりすることのない(パネルB)、セノ治療用ポリペプチドの効果を示す。 ***P<0.001;***、<0.0001。
図4B】3週間の長期曝露中に、細胞集団における老化線維芽細胞数を減少させることができ、処置後少なくとも1週間セノ治療の効果を維持し(パネルA)、この期間中に細胞毒性を誘発したり細胞増殖に有意に影響したりすることのない(パネルB)、セノ治療用ポリペプチドの効果を示す。***P<0.001;***、<0.0001。
図5】ポリペプチドによる処置が、複数のドナーに由来する細胞における細胞当たり平均ATRX病巣蓄積によって測定される時の、細胞老化における用量反応性の減少を促進することができることを示す。
図6A】細胞老化がエトポシドへの曝露によって線維芽細胞において誘発され得ること(パネルA)、ポリペプチドによるエトポシド誘発老化細胞の処置が、結果的に老化の低下をもたらし得ること(パネルB)、細胞老化がUVB曝露によって誘発され得ること(パネルC)、および、UVB処置されたサンプルをポリペプチドで処置すると、結果的に老化の低下をもたらし得ること(パネルD)を示す。*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001。
図6B】細胞老化がエトポシドへの曝露によって線維芽細胞において誘発され得ること(パネルA)、ポリペプチドによるエトポシド誘発老化細胞の処置が、結果的に老化の低下をもたらし得ること(パネルB)、細胞老化がUVB曝露によって誘発され得ること(パネルC)、および、UVB処置されたサンプルをポリペプチドで処置すると、結果的に老化の低下をもたらし得ること(パネルD)を示す。*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001。
図6C】細胞老化がエトポシドへの曝露によって線維芽細胞において誘発され得ること(パネルA)、ポリペプチドによるエトポシド誘発老化細胞の処置が、結果的に老化の低下をもたらし得ること(パネルB)、細胞老化がUVB曝露によって誘発され得ること(パネルC)、および、UVB処置されたサンプルをポリペプチドで処置すると、結果的に老化の低下をもたらし得ること(パネルD)を示す。*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001。
図6D】細胞老化がエトポシドへの曝露によって線維芽細胞において誘発され得ること(パネルA)、ポリペプチドによるエトポシド誘発老化細胞の処置が、結果的に老化の低下をもたらし得ること(パネルB)、細胞老化がUVB曝露によって誘発され得ること(パネルC)、および、UVB処置されたサンプルをポリペプチドで処置すると、結果的に老化低下する可能性があること(パネルD)を示す。*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001。
図7A】ポリペプチドで処置されたヒトの皮膚等価物が、全体的な構造分析スコアによってより高品質を示すことができ(パネルA)、ポリペプチドで処置されたヒトの皮膚等価物が、未処置のヒトの皮膚等価物よりも有意に少ない老化細胞(パネルAおよびB)と、p16が未処置の対照と比較して、ポリペプチド処置の表皮および真皮で有意に低い発現を有することができ、かつ、IL-8およびMMP-1が未処置の同等物と比較して、ポリペプチド処置の真皮で有意に低下して発現した、遺伝子発現の変化(パネルC)とを含むことができることを示す。*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001:****P<0.0001。
図7B】ポリペプチドで処置されたヒトの皮膚等価物が、全体的な構造分析スコアによってより高品質を示すことができ(パネルA)、ポリペプチドで処置されたヒトの皮膚等価物が、未処置のヒトの皮膚等価物よりも有意に少ない老化細胞(パネルAおよびB)と、p16が未処置の対照と比較して、ポリペプチド処置の表皮および真皮で有意に低い発現を有することができ、かつ、IL-8およびMMP-1が未処置の同等物と比較して、ポリペプチド処置の真皮で有意に低下して発現した、遺伝子発現の変化(パネルC)とを含むことができることを示す。*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001:****P<0.0001。
図7C】ポリペプチドで処置されたヒトの皮膚等価物が、全体的な構造分析スコアによってより高品質を示すことができ(パネルA)、ポリペプチドで処置されたヒトの皮膚等価物が、未処置のヒトの皮膚等価物よりも有意に少ない老化細胞(パネルAおよびB)と、p16が未処置の対照と比較して、ポリペプチド処置の表皮および真皮で有意に低い発現を有することができ、かつ、IL-8およびMMP-1が未処置の同等物と比較して、ポリペプチド処置の真皮で有意に低下して発現した、遺伝子発現の変化(パネルC)とを含むことができることを示す。*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001:****P<0.0001。
図8A】pAkt S473が、ポリペプチドで処置された表皮サンプルと真皮サンプルの両方で有意に減少することができ(パネルA)、ポリペプチド処置が、UVB誘発細胞老化からの保護を示すUVB曝露サンプル中のSA-Bgal染色を減少させることができ(パネルB)、そして、ポリペプチドが、SIRT6およびBLMの発現を増加させることができる(パネルC)ことを示す。*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001。
図8B】pAkt S473が、ポリペプチドで処置された表皮サンプルと真皮サンプルの両方で有意に減少することができ(パネルA)、ポリペプチド処置が、UVB誘発細胞老化からの保護を示すUVB曝露サンプル中のSA-Bgal染色を減少させることができ(パネルB)、そして、ポリペプチドが、SIRT6およびBLMの発現を増加させることができる(パネルC)ことを示す。*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001。
図8C】pAkt S473が、ポリペプチドで処置された表皮サンプルと真皮サンプルの両方で有意に減少することができ(パネルA)、ポリペプチド処置が、UVB誘発細胞老化からの保護を示すUVB曝露サンプル中のSA-Bgal染色を減少させることができ(パネルB)、そして、ポリペプチドが、SIRT6およびBLMの発現を増加させることができる(パネルC)ことを示す。*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001。
図9】組織画像(パネルA)および取得したデータの統計分析(パネルB)としての、ヒトの皮膚等価物中の表皮層厚さの増加を示す。**p<0.01。
図10A】2つのポリペプチド、ペプチド14(パネルA)およびペプチド13(パネルB)、ならびに2つのポリペプチドの重ね合わせ(パネルC)の、予測される3次元構造を示す。
図10B】2つのポリペプチド、ペプチド14(パネルA)およびペプチド13(パネルB)、ならびに2つのポリペプチドの重ね合わせ(パネルC)の、予測される3次元構造を示す。
図10C】2つのポリペプチド、ペプチド14(パネルA)およびペプチド13(パネルB)、ならびに2つのポリペプチドの重ね合わせ(パネルC)の、予測される3次元構造を示す。
図11A】5日間のわたり、ペプチド14無し(対照)で、および12.5μMのペプチド14(12.5μM Pep14)で培養された、3D皮膚等価物(上部列)およびエクスビボの皮膚生検サンプル(底部列)についての、ヘマトキシロン・エオシン(H&E)染色された組織画像を示す。
図11B】12.5μMのペプチド14で処置された3D皮膚モデル(上部グラフ)サンプルとエクスビボの皮膚生検(底部グラフ)サンプルについて、分子DNA年齢とも呼ばれる予測年齢が、未処置の対照(ctrl)であるサンプルの予測年齢よりも低かったことを示す。**p<0.01。
図11C】12.5μMのペプチド14(12.5μM Pep14)で処置されたエクスビボの皮膚生検の予測年齢が、未処置の対照(ctrl)であるサンプルの予測年齢よりも低かったことを示す。
図12A】14日間のIBMXでの前処置培養後、7日間、イソブチルメチルキサンチン(IBMX)の陽性対照、陰性対照、IBMXを伴うペプチド14、およびIBMXを伴うレチノイン酸で処置された、MeWo細胞の細胞ペレットの相対的メラニン含有量を示す。データは、陰性対照に対して正規化(100%)されたメラニン含有量の平均および標準偏差として示される。**P<0.01;***P<0.001;****P<0.0001。
図12B】14日間のイソブチルメチルキサンチン(IBMX)での前処置培養後、7日間、IBMXを伴う陽性対照、陰性対照、ペプチド14、およびレチノイン酸で処置された、MeWo細胞からの細胞培養液上清の相対的メラニン含有量を示す。データは、陰性対照に対して正規化(100%)されたメラニン含有量の平均および標準偏差として示される。*P<0.05;**P<0.01。
図13A】14日間のイソブチルメチルキサンチン(IBMX)での前処置培養後、IBMXの陽性対照、陰性対照、IBXMを伴うペプチド14の14日間、IBMXを伴うレチノイン酸の14日間、IBXMを伴うペプチド14の7日間、IBMXを伴うレチノイン酸の7日間で処置された、MeWo細胞の細胞培養ペレットの相対的メラニン含有量を示す。データは、陰性対照に対して正規化(100%)されたメラニン含有量の平均および標準偏差として示される。*P<0.05;**P<0.01;****P<0.0001。
図13B】14日間のイソブチルメチルキサンチン(IBMX)での前処置培養後、IBMXの陽性対照、陰性対照、IBXMを伴うペプチド14の14日間、IBMXを伴うレチノイン酸の14日間、IBXMを伴うペプチド14の7日間、IBMXを伴うレチノイン酸の7日間で処置された、MeWo細胞の細胞培養上清の相対的メラニン含有量を示す。データは、陰性対照に対して正規化(100%)されたメラニン含有量の平均および標準偏差として示される。*P<0.05;**P<0.01;****P<0.0001。
図14A】IBMXの陽性対照、陰性対照、IBXMを伴うペプチド14の14日間、IBMXを伴うレチノイン酸の14日間、IBXMを伴うペプチドの7日間、IBMXを伴うレチノイン酸の7日間で処置された、MeWo細胞のチロシナーゼの相対的mRNA発現レベルを示す。データは、GAPDHおよび陰性対照発現に対して正規化(100%)された2-ddCtの平均および標準偏差として示される。*P<0.05;**P<0.01;****P<0.0001。
図14B】IBMXの陽性対照、陰性対照、IBXMを伴うペプチド14の14日間、IBMXを伴うレチノイン酸の14日間、IBXMを伴うペプチドの7日間、IBMXを伴うレチノイン酸の7日間で処置された、MeWo細胞のメラニン細胞誘発転写因子(MITF)の相対的mRNA発現レベルを示す。データは、GAPDHおよび陰性対照発現に対して正規化(100%)された2-ddCtの平均および標準偏差として示される。*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001。
図14C】IBMXの陽性対照、陰性対照、IBXMを伴うペプチド14の14日間、IBMXを伴うレチノイン酸の14日間、IBXMを伴うペプチドの7日間、IBMXを伴うレチノイン酸の7日間で処置された、MeWo細胞のドーパクロムトートメラーゼ(DCT)の相対的mRNA発現レベルを示す。データは、GAPDHおよび陰性対照発現に対して正規化(100%)された2-ddCtの平均および標準偏差として示される。**P<0.01;***P<0.001;****P<0.0001。
図15A】ビヒクルのみ(対照)、ペプチド13、またはペプチド14で処置されたインビトロのヒトの皮膚モデルのH&E染色された組織画像を示す。
図15B】ビヒクルのみ(対照)、ペプチド14、またはペプチド13で処置された、ヒトの皮膚モデルの組織学的スコアの平均を示し、それらはそれぞれ、21.00、23.83、および23.44であった。**p<0.01。
図16】処置前のベースライン(左、ベースライン)および処置の12週間後(右、12週間)の、ペプチド14で処置された顔の左側の例を示す。
図17】対照、ペプチド14、ペプチド13、またはレチノイン酸で処置された、3D皮膚等価物の表皮層および真皮層の、p16、BLIMP1、ZYG11B、IL-8、Ki-67、ZIC1、MMP1、HAS2の相対的mRNA発現レベルを示す。データを、GAPDHおよび未処置の対照に対して正規化した2-ddCtとして提示する。*p<0.05。
図18A】取得データとして、シノラブディス・エレガンス線虫(Caenorhabditis elegans worm)(C.elegans)の寿命と健康寿命の延長を示し、1μMまたは2μMのいずれかのポリペプチドによる処置が、線虫のスラッシング運動(thrashing)(パネルA)、ポンピング(パネルB)、および寿命の中央値(パネルC)を改善させたことを示している。*P<0.05;**p<0.01。
図18B】取得データとして、シノラブディス・エレガンス線虫(Caenorhabditis elegans worm)の寿命と健康寿命の延長を示し、1μMまたは2μMのいずれかのポリペプチドによる処置が、線虫のスラッシング運動(thrashing)(パネルA)、ポンピング(パネルB)、および寿命の中央値(パネルC)を改善させたことを示している。*P<0.05;**p<0.01。
図18C】取得データとして、シノラブディス・エレガンス線虫(Caenorhabditis elegans worm)の寿命と健康寿命の延長を示し、1μMまたは2μMのいずれかのポリペプチドによる処置が、線虫のスラッシング運動(thrashing)(パネルA)、ポンピング(パネルB)、および寿命の中央値(パネルC)を改善させたことを示している。*P<0.05;**p<0.01。
図19A】ポリペプチド配列LKGIL(配列番号:6)(A、B、C)およびポリペプチド配列WLKGI(配列番号:7)(D、E、F)の、細胞死を促進することなく細胞老化を減少させる効果を示す。パネルAおよびDでは、Y軸は、未処置の対照に対して正規化された相対的老化レベルを示す。パネルBおよびDでは、Y軸は、未処置の対照に対して正規化された相対的細胞数を示す。パネルCおよびFでは、Y軸は、細胞当たりの平均ATRX病巣蓄積を示す。*P<0.05;**p<0.01。
図19B】ポリペプチド配列LKGIL(配列番号:6)(A、B、C)およびポリペプチド配列WLKGI(配列番号:7)(D、E、F)の、細胞死を促進することなく細胞老化を減少させる効果を示す。パネルAおよびDでは、Y軸は、未処置の対照に対して正規化された相対的老化レベルを示す。パネルBおよびDでは、Y軸は、未処置の対照に対して正規化された相対的細胞数を示す。パネルCおよびFでは、Y軸は、細胞当たりの平均ATRX病巣蓄積を示す。*P<0.05;**p<0.01。
図19C】ポリペプチド配列LKGIL(配列番号:6)(A、B、C)およびポリペプチド配列WLKGI(配列番号:7)(D、E、F)の、細胞死を促進することなく細胞老化を減少させる効果を示す。パネルAおよびDでは、Y軸は、未処置の対照に対して正規化された相対的老化レベルを示す。パネルBおよびDでは、Y軸は、未処置の対照に対して正規化された相対的細胞数を示す。パネルCおよびFでは、Y軸は、細胞当たりの平均ATRX病巣蓄積を示す。*P<0.05;**p<0.01。
図19D】ポリペプチド配列LKGIL(配列番号:6)(A、B、C)およびポリペプチド配列WLKGI(配列番号:7)(D、E、F)の、細胞死を促進することなく細胞老化を減少させる効果を示す。パネルAおよびDでは、Y軸は、未処置の対照に対して正規化された相対的老化レベルを示す。パネルBおよびDでは、Y軸は、未処置の対照に対して正規化された相対的細胞数を示す。パネルCおよびFでは、Y軸は、細胞当たりの平均ATRX病巣蓄積を示す。*P<0.05;**p<0.01。
図19E】ポリペプチド配列LKGIL(配列番号:6)(A、B、C)およびポリペプチド配列WLKGI(配列番号:7)(D、E、F)の、細胞死を促進することなく細胞老化を減少させる効果を示す。パネルAおよびDでは、Y軸は、未処置の対照に対して正規化された相対的老化レベルを示す。パネルBおよびDでは、Y軸は、未処置の対照に対して正規化された相対的細胞数を示す。パネルCおよびFでは、Y軸は、細胞当たりの平均ATRX病巣蓄積を示す。*P<0.05;**p<0.01。
図19F】ポリペプチド配列LKGIL(配列番号:6)(A、B、C)およびポリペプチド配列WLKGI(配列番号:7)(D、E、F)の、細胞死を促進することなく細胞老化を減少させる効果を示す。パネルAおよびDでは、Y軸は、未処置の対照に対して正規化された相対的老化レベルを示す。パネルBおよびDでは、Y軸は、未処置の対照に対して正規化された相対的細胞数を示す。パネルCおよびFでは、Y軸は、細胞当たりの平均ATRX病巣蓄積を示す。*P<0.05;**p<0.01。
【発明を実施するための形態】
【0026】
老化は、主に、組織の恒常性と完全性とを維持するための能力の機能低下に起因する可能性があり、おそらくは、ストレス条件下での生理学的要求に対する反応の低下と結びついている可能性がある。
【0027】
皮膚老化のモザイクモデルでは、老化細胞は、とりわけ、時間/年齢、UV曝露、および喫煙などの、内因性および外因性の刺激によって誘発され得る。このモデルによると、老化細胞は皮膚中に蓄積し、とりわけ、炎症性サイトカインから構成される、老化関連分泌表現型(SASP)を通じて局所的な微小環境を変化させることによって、組織老化を積極的に促進する。場合によっては、老化細胞は、表皮の幹細胞再生を損なうことによって、およびそれ以外の正常細胞の老化を促進することによって、皮膚老化をさらに促進する。したがって、老化細胞は、単なる皮膚老化の産物ではなく、老化過程において積極的役割を果たす存在である。
【0028】
皮膚機能障害は、生物の老化、および老化関連疾患と障害の進行に影響を及ぼし得る。例えば、皮膚の健康および通常のバリア機能は、皮膚バリアが損なわれている対応物と比較して、炎症性および加齢性のサイトカインIL-1βおよびIL-6のレベルが低いことに関連している可能性がある。IL-1βおよびIL-6のレベル増加は、循環器疾患(CVD)、アルツハイマー病、およびII型糖尿病を含む、いくつかの加齢に伴う障害を患う患者の血清中に観察される。場合によっては、高齢者の血清において、IL-6は、総死亡率、CVD、癌、および肝臓関連死亡率に関連している可能性がある。場合によっては、表皮機能の回復は、循環するTNFα、IL-1β、およびIL-6のサイトカインレベル値を効果的に低下させることができる。
【0029】
ポリペプチド、ポリペプチドおよび他の成分を含む組成物、ならびにその使用の方法が、本明細書に提供される。ポリペプチド、およびポリペプチドを含む組成物は、(例えば対象の細胞における)抗老化効果を提供することができる。ポリペプチドは、アポトーシスを促進すること、DNA修復を促進すること、および/またはDNA損傷によって誘発される老化を阻害することによって、細胞および組織における老化レベルの低下を促進することができる。抗老化効果の例としては、細胞再生速度の上昇、コラーゲン産生の増加、ヒアルロン酸合成酵素産生の増加、ATRX核病巣蓄積の減少、p16発現の減少、SASP産生の低下、老化関連ベータ-ガラクトシダーゼ産生の減少、非均一的色素沈着の低下、表皮バリアの維持または改善、および経皮水分損失(TEWL)の低下を含むが、これらに限定されない。本明細書に提供されるポリペプチド、および当該ポリペプチドを含む組成物は、加齢に伴うおよび/または老化に関連する疾患または疾病を、阻害するか、防止するか、あるいは遅くしてもよい。さらに、ポリペプチド、および当該ポリペプチドを含む組成物は、健康寿命を増進してもよく、または改善してもよく、および/または寿命を促進してもよい。
【0030】
本明細書に記載される方法および組成物は、本明細書に記載される特定の方法論、プロトコル、および試薬に限定されず、そしてそのため変更され得ることを理解されたい。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみについて記述することを目的としており、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される本明細書に記載の方法および組成物の範囲を制限することを意図していないということも理解されよう。
【0031】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される時、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈による明確な別段の示唆がない限り、複数の言及を含む。
【0032】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されているすべての技術的および科学的用語は、本明細書に記載される発明が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものに類似する、またはそれと同等である任意の方法、装置、および物質が、本明細書に記載の発明の実施または試験において使用され得るが、好ましい方法、装置、および物質がここに記載されている。
【0033】
ペプチドまたはポリペプチにおいて、アミノ酸の適切な保存的置換は当業者に周知であり、通常、結果として生じる分子の生物活性を変化させることなくなされ得る。ワトソン等(1987, Molecular Biology of the Gene, 4th Edition, The Benjamin Cummings Pub. Co., p. 224)は、参照によって本明細書に組み込まれる。アミノ酸は、L-異性体またはD-異性体のいずれかであってもよい。アミノ酸残基がポリペプチド鎖の一部である時、アミノ酸のD-異性体は、所望の機能特性が保持される限り、L-アミノ酸残基に対して置換され得る。本明細書におけるアミノ酸は、それらの標準IUPACの1文字コードまたは3文字コードによって表わされ得る。「X」または「Xxx」によって表わされるアミノ酸残基は、当技術分野で周知の、自然発生のアミノ酸残基または非自然発生のアミノ酸残基のいずれか1つ、または近接残基の改変を指す。アミノ酸置換は、一般に単一の残基であり、そのような置換は、好ましくは、表1に規定されたものでなされるが、クラスター化された、または分散された複数の残基であってもよい。アミノ酸は、様々な、自然発生のアミノ酸残基または非従来型のアミノ酸残基で置き換えられ得る。そのような置換は、「保存的」なものとして分類されてもよく、その場合、ポリペプチドに含まれるアミノ酸残基は、極性、側鎖機能性、またはサイズのいずれかに関して同様の特性を有する、別の自然発生のアミノ酸と置き換えられる。追加は、1以上の自然発生のアミノ酸残基または非従来型アミノ酸残基の追加を包含する。欠失は、1以上のアミノ酸残基の欠失を包含する。
【0034】
【表1】
【0035】
本開示によって包含される置換は「非保守的」であってもよく、この場合、ポリペプチド中に存在するアミノ酸残基は、異なる群からの自然発生のアミノ酸などの、異なる性質を有するアミノ酸で置換される(例えば、電荷を有するアミノ酸または疎水性アミノ酸をアラニンで置換する)、あるいは代替的に、自然派生のアミノ酸が非従来型アミノ酸で置換される。
【0036】
本明細書で使用される時、用語「アナログ(複数可)」は、異なる有機体からの同じタンパク質などのポリペプチドと、同じ構造または機能(例えば受容体への結合)を保持する組成物を指す。アナログの例は、本明細書における、模倣薬またはペプチド模倣薬、ペプチド、小さな有機化合物と無機化合物、および大きな有機化合物と無機化合物、ならびにポリペプチドの誘導体と変異体とを含む。そのような誘導体および変異体は、1以上のアミノ酸の欠失、追加、置換、または側鎖改変によって、自然発生のポリペプチドとは異なるポリペプチドを指す。いくつかの実施形態では、ペプチドアナログは、アミノ酸の1以上が側鎖改変を経験したペプチドである。本開示によって企図される側鎖改変の例は、アミノ基の改変を含み、例えば、アルデヒドによる反応と、その後のNaBHでの還元による還元的アルキル化;メチルアセトイミダート(methylacetimidate)によるアミジン化;無水酢酸によるアシル化;シアナートによるアミノ基のカルバモイル化;2,4,6-トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)によるアミノ基のトリニトロベンジル化;無水コハク酸およびテトラヒドロフタル酸無水物によるアミノ基のアシル化;および、ピリドキサール-5-ホスフェートによるリジン化と、NaBHでの還元によるピリドキシル化、による改変を含む。いくつかの実施形態では、ペプチドアナログは、アルギニン残基のグアニジン基が、2,3-ブタンジオン、フェニルグリオキサール、およびグリオキサールなどの試薬による、複素環凝縮産物の形成によって改変されたもの、カルボキシル基が、O-アシルイソ尿素形成を介するカルボジイミドと、その後の、例えば対応するアミドへの誘導体化によって改変されたもの、スルフヒドリル基が、以下の方法、例えば、ヨード酢酸またはヨードアセトアミドによるカルボキシメチル化;システイン酸への過ギ酸酸化;他のチオール化合物による混合ジスルフィドの形成;マレイミド、無水マレイン酸あるいは他の置換マレイミドによる反応;4-クロロ水銀安息香酸および4-クロロ水銀フェニルスルホン酸、塩化フェニル水銀、2-クロロ水銀-4-ニトロフェノール、および他の水銀剤を使用する水銀誘導体の形成;アルカリ性pHでのシアナートによるカルバモイル化、などの方法によって、改変され得るもの、である。本明細書におけるアナログのいずれかにおいて、システイン残基の任意の改変は、ペプチドが必要なジスルフィド結合を形成する能力に、好ましくは影響しない。いくつかの実施形態では、ペプチドアナログは、例えば、N-ブロモスクシンイミドによる酸化、または2-ヒドロキシ-5-ニトロベンジル臭化物あるいはサルフェニル(sulphenyl)ハロゲン化合物によるインドール環のアルキル化;3-ニトロチロシン誘導体を形成するための、テトラニトロメタンによるニトロ化によって変化したチロシン残基:ヨード酢酸誘導体によるアルキル化、またはジエチルピロカーボネートによるN-カルベトキシル化によって遂行されたヒスチジン残基改変のイミダゾール環;例えば4つの位置のヒドロキシル化によって改変されたプロリン残基;完全にグリコシル化していない分子から改変されたグリコシル化への、グリコシル化変異体;および、異なる宿主細胞中の組み換え分子の発現からの結果としての、変化したグリコシル化パターンによって改変された、トリプトファン残基を含む。
【0037】
用語「単離された」は、その天然状態から改変された事を意味し;つまり、それが自然界で生じるものである場合に、変更されたか、またはその元の環境から取り除かれたか、あるいはその両方を意味する。当該用語が本明細書で使用される時、例えば、自然状態で生きている動物に自然に存在する、自然発生のポリヌクレオチドまたはポリペプチドは「単離」されていないが、その自然の状態の共存物質から分離された同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは「単離」されている。
【0038】
本明細書で使用される時、用語「タンパク質」、「ペプチド」、「オリゴペプチド」、または「ポリペプチド」は、ペプチド結合によって共に接合された2以上のアミノ酸を含む、あらゆる組成物を指す。ポリペプチドは、しばしば、20の自然発生のアミノ酸と一般的に呼ばれる20のアミノ酸以外のアミノ酸を含有しており、そして、末端アミノ酸を含む多くのアミノ酸が、グリコシル化および他の翻訳後修飾などの自然なプロセスによって、または当技術分野において公知である化学改変技術によってのいずれかで、所与のポリペプチドにおいて改変されていてもよいことが理解されよう。本開示のポリペプチド中に存在し得える、既知の改変は、アセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、フラボノイドまたはヘム部分の共有結合、ポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋結合、環化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合の架橋の形成、シスチンの形成、ピログルタミン酸の形成、ホルミル化、ガンマ-カルボキシル化、グリケーション、グリコシル化、グリコシルホスファチジルイノシトールGPI膜アンカー形成、ヒドロキシル化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、タンパク質分解性プロセシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化(selenoylation)、硫酸化、アルギニル化(arginylation)などのアミノ酸のポリペプチドへの転移RNA媒介性の添加、及びユビキチン化を含むが、これらに限定されない。用語「タンパク質」はまた、ポリペプチド(例えば配列番号:1-7)およびスペーサーの、交互に起こるリピートからなる、線形または非線形のポリペプチドを指す、「人工タンパク質」を含む。ポリペプチドとスペーサーの交互のリピートをコードするDNA構築物は、当技術分野で周知の方法を使用して合成され得る(Rotzschke等, 1997, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:14642-14647を参照)。
【0039】
ポリペプチド、ポリヌクレオチド、または他の組成物を説明するために本明細書で使用される時、用語「精製された」は、通常自然界で関連している1以上の化合物から分離された、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、または他の組成物を指す。そのような他の組成物は、例えば、他のポリペプチドまたはポリヌクレオチド、炭水化物、脂質などであり得る。用語「精製された」はまた、本開示の単量体ポリペプチドのオリゴマー形態からの分離を特定するために使用され得、その例としては、ホモ二量体、ヘテロ二量体、三量体などが挙げられる。実質的に純粋なポリペプチドは、一般に、少なくとも約50%、60%、70%、80%、または90%の重量/重量のポリペプチドサンプル、あるいはより好ましくは、少なくとも約95%、96%、97%、98%、99%、または99.5%の重量/重量のポリペプチドサンプルを含む。好ましい実施形態として、本開示のポリペプチドは、異種のポリペプチドに対して、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の純度である。
【0040】
本明細書で使用される時、用語「対象」または「患者」は、動物を包含する。いくつかの実施形態では、対象は哺乳動物であってもよい。哺乳動物の例は、限定されないが、以下の哺乳動物のクラスの任意のメンバー:ヒト、チンパンジーなどのヒト以外の霊長類、および他の類人猿ならびにサル種、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、およびブタなどの家畜;ウサギ、イヌ、およびネコなどの飼育動物;ラット、マウス、およびモルモットなどのげっ歯類を含む実験動物を含む。哺乳動物はヒトであり得る。
【0041】
本明細書で使用される時、用語「処置する」、「処置すること」、または「処置」は、疾患または疾病の少なくとも1つの症状について、その発症を遅らせるか、その発生を低下させるか、またはそれを改善すること、追加の症状を防ぐこと、疾患または疾病を阻害すること、例えば、疾患または疾病の進行を抑えること、疾患または疾病を軽減すること、疾患または疾病の退行を引き起こすこと、疾患または疾病によって引き起こされる状態を軽減すること、あるいは疾患または疾病の症状を予防的におよび/または治療的に止めることを含む。
【0042】
本明細書で使用される時、用語「薬学的に許容可能な」は、限定されないが、化合物の生物学的活性または特性を抑制せず、かつ、比較的無毒である、塩、担体、または希釈剤を含む物質を指し、つまり、当該物質は、望ましくない生物学的作用を引き起こすことなく、または、それが含まれる組成物の成分のいずれに対しても有害に相互作用することなく、対象に投与され得る。
【0043】
本明細書で使用される時、用語「担体」は、細胞または組織への化合物の取り込みを促進する比較的無毒な化合物または薬剤を指す。
【0044】
本明細書で使用される時、用語「希釈剤」は、送達前に所望の化合物を希釈するために使用される化合物を指す。希釈剤はまた、より安定した環境を提供できるので、化合物を安定させるために用いられることもある。(pHの制御または維持をもたらし得る)緩衝液中に溶解した塩は、限定されないが、リン酸緩衝生理食塩溶液を含む、当該技術分野の希釈剤として使用される。
【0045】
本明細書で使用される時、用語「有効な量」または「治療上有効な量」は、処置されている疾患または疾病の症状の1以上を、ある程度まで軽減する、投与されている薬剤または化合物の十分な量を指す。その結果として、疾患の徴候、症状、または原因が減少および/または軽減され得るか、または、生物系の任意の他の所望の変化がもたらされ得る。例えば、治療用途のための「有効な量」は、疾患症状を臨床的に有意に減少させるために必要とされる、本明細書に開示される通りの化合物を含む組成物の量である。任意の個体における適切な「有効な」量は、用量増加試験などの技術を使用して決定されてもよい。
【0046】
老化細胞は、老化関連ベータ-ガラクトシダーゼ(SA-BGal)産生、p16発現、SASPの提示、および/または、核中のアルファサラセミア/精神遅滞X-連鎖クロマチンリモデリングタンパク質(ATRX)病巣蓄積によって、識別することができる。老化細胞をも識別することができる機能的改質は、限定されないが、増殖能力の減少および分裂促進的刺激に対する抵抗を含む。
【0047】
老化は、通常、組織の恒常性と完全性とを維持する能力の機能低下に起因し、ストレス条件下での生理学的要求に対する反応の低下と結び付けられる。
【0048】
皮膚老化に関して、モザイクモデルが提案され、そこでは、老化細胞が、他の刺激の中でもとりわけ、時間/年齢、UV曝露、および喫煙などの、内因性および外因性の刺激によって誘発される。このモザイクモデルによると、老化細胞は皮膚中に蓄積し、とりわけ、炎症性サイトカインから構成される、老化関連分泌表現型(SASP)を通じて局所的な微小環境を変化させることによって、組織老化を積極的に促進する。老化細胞は、表皮の幹細胞再生を損なうことによって、およびそれ以外の正常細胞の老化を促進することによって、皮膚老化を促進し得ることが示されている。したがって、老化細胞は、単なる皮膚老化の産物ではなく、老化過程において積極的役割を果たす存在であり得る。
【0049】
ポリペプチドは、多機能的挙動などの特性を有し、その特性によって、セノ治療を含む化粧用または治療用用途に有益なものとなっている。加齢に伴って観察される皮膚の機能障害は、老化関連の疾患および障害の進行に影響を及ぼし得る。
【0050】
ポリペプチド
本明細書で提供されるポリペプチドおよびポリペプチドを含む組成物は、セノ治療の効果を提供することができ、例えば、ポリペプチドは、老化を止める、老化を防止する、老化を阻害する、老化を逆転させる、老化細胞を破壊する、老化細胞を死滅させる、老化細胞を除去する、または 老化細胞の蓄積の負担または影響を減少させる適切なメカニズムなどによって老化を低下させ得る。そのようなポリペプチドは、場合によっては、アミノ酸配列LKGI(配列番号:5)を含み得る。そのようなポリペプチドを含む組成物は、セノ治療の効果を提供するために用いられ得、または使用され得る。
【0051】
ポリペプチド(例えば、セノ治療用ポリペプチド)は、少なくとも4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37の、38、39、40、または以上のアミノ酸を含み得る。場合によっては、ポリペプチドは、最大で4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100のアミノ酸長であり得る。場合によっては、ポリペプチドは、4~25、4~15、または4~10のアミノ酸長であり得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、少なくとも30、40、50、60、70、80、90、100、またはそれ以上のアミノ酸を含み得る。ある実施形態では、ポリペプチドは、100、90、80、70、60、50、40、30未満、またはそれら以下のアミノ酸を含む場合がある。
【0052】
セノ治療の効果を提供し得るポリペプチドの例は、以下の表2に提供される。
【0053】
【表2】
【0054】
ポリペプチドは、X10のアミノ酸配列を含み得る単離されたまたは組換えられたポリペプチドであり得る。ポリペプチドに含まれたアミノ酸は、アラニン(Ala、A)、アルギニン(アルギニン、R)、アスパラギン(Asn、N)、アスパラギン酸(Asp、D)、システイン(Cys、C)、グルタミン(Glu、Q)、グルタミン酸(Glu、E)、グリシン(Gly、G)、ヒスチジン(His、H)、イソロイシン(Ile、I)、ロイシン(Leu、L)、リジン(Lys、K)、メチオニン(Met、M)、フェニルアラニン(Phe、F)、プロリン(Pro、P)、セリン(Ser、S)、トレオニン(Thr、T)、トリプトファン(Trp、W)、チロシン(Tyr、Y)、またバリン(Val、V)を含み得る天然アミノ酸を含むことができる。
【0055】
場合によっては、X10のアミノ酸配列を含む単離されたまたは組換えられたポリペプチドは、第1の配列、ETAKHWLKGI(配列番号:1)に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有するアミノ酸配列を含み得、ここで、XはEであり、XはTであり、XはKであり、XはWであり、XはLであり、XはGであり、およびX10はIであり、および、(i)XはSではない、または、(ii)Xが任意のアミノ酸である場合、XはGではない、または、(iii)Xが任意のアミノ酸である場合、XはNではない、または(iv)(i)、(ii)、または(iii)のいずれか1つで、配列は、随意に、1、2、3、または4の保存的アミノ酸置換を含み得る。場合によっては、単離されたまたは組換えられたポリペプチドは、ETAKHWLKGI(配列番号:1)の配列に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。本開示は、さらに上記のペプチド模倣薬などのアナログを企図する。
【0056】
場合によっては、X10のアミノ酸配列を含む単離されたまたは組換えられたポリペプチドは、第2の配列、ATAKAWLKGI(配列番号:2)に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有するアミノ酸配列を含み得、ここで、XはAであり、XはTであり、XはAであり、XはKであり、XはAであり、XはWであり、XはLであり、XはKであり、XはGであり、およびX10はIである。そのような組換えられたポリペプチドは、随意に1、2、3、または4の保存的アミノ酸置換を含み得る。場合によっては、単離されたまたは組換えられたポリペプチドは、ATAKAWLKGI(配列番号:2)の配列に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。本開示は、さらに上記のペプチド模倣薬などのアナログを企図する。
【0057】
場合によっては、X10のアミノ酸配列を含む単離されたまたは組換えられたポリペプチドは、第3の配列、KLKGILRGAA(配列番号:3)に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有するアミノ酸配列を含み得、ここで、(i)Xが任意のアミノ酸である場合、XはNではない、または、(ii)Xが任意のアミノ酸である場合、XはSではない、または、(iii)Xが任意のアミノ酸である場合、XはLではない、または、(iv)Xが任意のアミノ酸である場合、XはSではない、または(v)(i)、(ii)、(iii)または(iv)のいずれか1つで、配列は、随意に、1、2、3、または4の保存的アミノ酸置換を含み得る。場合によっては、単離されたまたは組換えられたポリペプチドは、KLKGILRGAA(配列番号:3)の配列に対して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。本開示は、さらに上記のペプチド模倣薬などのアナログを企図する。
【0058】
場合によっては、X10のアミノ酸配列を含む単離されたまたは組換えられたポリペプチドは、第4の配列、WLKGILREAA(配列番号:4)に対して少なくとも、X80%、85%、90%、または95%の同一性を有するアミノ酸配列を含み得、ここで、XはWであり、XはLであり、XはKであり、XはGであり、XはIであり、XはLであり、XはRであり、XはEであり、XはAであり、およびX10はAである。そのような組換えポリペプチドは、随意に1、2、3、または4の保存的アミノ酸置換を含み得る。場合によっては、単離されたまたは組換えられたポリペプチドは、WLKGILREAA(配列番号:4)の配列に対して少なくとも、80%、85%、90%、95%、または100%の同一性を有するアミノ酸配列を含み得る。本開示は、さらに上記のペプチド模倣薬などのアナログを企図する。
【0059】
場合によっては、ポリペプチドは、アミノ酸配列LKGI(配列番号:5)、LKGIL(配列番号:6)、またはWLKGI(配列番号:7)を含み得る(下記の表3を参照))
【0060】
【表3】
【0061】
配列番号:5-7のうちの1つを含むポリペプチドは、少なくとも4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、または50のアミノ酸を含む場合がある。いくつかの実施形態では、配列番号:5-7のうちの1つを含むポリペプチドは、最大で4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100のアミノ酸を含む場合がある。配列番号:5-7は、ポリペプチドのN末端、ポリペプチドのC末端、あるいはポリペプチドのN末端とC末端の間にあってもよい。場合によっては、ポリペプチドは、を超える配列番号:5-7を含み得る。
【0062】
ポリペプチドは、単離された、実質的に純粋な、または精製されたものであり得る。場合によっては、単離されたポリペプチドは、(i)化学的に合成され、または(ii)宿主細胞中で発現され、および関連するおよび夾雑タンパク質(contaminating protein)から離れて精製され得る。場合によっては、ポリペプチドは、発現ベクターの一部の発現産物として宿主細胞中に存在し得、タンパク質部分に連結することができ、または化学的部分に連結することができる。
【0063】
ペプチド模倣薬を含む開示されたポリペプチドのアナログは、セノ治療の効果を提供し得る。本明細書に開示されるペプチドおよびポリペプチドは、ペプチド模倣薬等価物を含む場合がある。
【0064】
場合によっては、上記で議論されるように、ポリペプチドは、本明細書に記載のポリペプチドに対して配列同一性を有し得る。ポリペプチドの配列同一性は、2つのポリペプチド配列の正確なアミノ酸対アミノ酸の対応を指し得る。場合によっては、配列同一性を決定するための技術は、アミノ酸配列を決定し、アミノ酸配列を第2のアミノ酸配列と比較することを含み得る。2つ以上の配列は、それらのパーセント同一性によって、または2つの整列された配列間の完全一致の数をより長い方の配列の長さで除算し、そして100で乗算することによって比較され得る。パーセント同一性はさらに、例えば、国立衛生研究所から入手可能な、例えば、バージョン2.2.9を含む、高度なBLASTコンピュータプログラムを使用して配列情報を比較することによって決定され得る。BLASTプログラムは、Karlin and Altschul,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:2264-2268(1990)のアライメント方法に基づき、Altschul,et al.,J.Mol.Biol.,215:403-410(1990)、Karlin and Altschul,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:5873-5877(1993)、およびAltschul et al.,Nucleic Acids Res.25:3389-3402(1997)で議論される通りである。プログラムは、比較されているポリペプチドの全長にわたるパーセント同一性を決定するために使用されてもよい。デフォルトのパラメータは、例えば、blastpプログラム中の短いクエリ配列を使用して検索を最適化するために提供される。プログラムは、さらにWootton and Federhen,Computers and Chemistry 17:149-163(1993)のSEGプログラムによって決定されるようなクエリ配列のマスク・オフ・セグメントに対してSEGフィルターの使用を可能にする。
【0065】
組成物
本明細書に開示されるのは、本明細書に記載されたポリペプチドの1つ以上を含む組成物である。いくつかの実施形態では、組成物はセノ治療用であってもよい。場合によっては、組成物を、加齢性疾患または疾病、または加関連性障害を処置する、例えば、加齢性疾患または疾病あるいは加齢関連障害の発症を遅らせる、発生を低減する、または改善するために使用されてもよい。場合によっては、組成物は、組織病変を処置する、組織病変、例えば、日光曝露によるUV損傷、の発症を遅らせ、発生を低下させ、または改善するために使用され得る。
【0066】
場合によっては、組成物は、例えば、有効量のポリペプチドを、単独で、または1つ以上のビヒクル(例えば、治療的に許容可能な組成物または治療的に許容可能な担体)および他の治療的に有効な化合物と組み合わせて含み得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチドの有効な量は、組成物で処置された細胞、組織、または生物を含むが、これらに限定されない、対象に対して所望の効果を有することを指す。いくつかの実施形態では、ポリペプチドの有効な量は、処置される対象に対して全身的に最小限なまたは低い効果を有する。いくつかの実施形態では、ポリペプチドの有効な量は、処置領域またはその近くで局所的に最大効果を発揮する。いくつかの実施形態では、製剤は、表皮から真皮まで局所的に浸透するように構成することができる。いくつかの実施形態では、製剤は、表皮層を局所的に浸透するように構成される。いくつかの実施形態では、ポリペプチドの有効な量は、少なくとも1nM、5nM、10nM、50nM、100nM、500nM、1μM、少なくとも10μM、少なくとも25μM、少なくとも50μM、少なくとも75μM、少なくとも100μM、少なくとも150μM、少なくとも200μM、少なくとも250μM、少なくとも300μM、少なくとも350μM、少なくとも400μM、少なくとも450μM、または少なくとも500μMである。いくつかの例では、ポリペプチドの有効な量は、約1nM~約1000nM、約5nM~約750nM、約25nM~約750nM、または約50nM~約500nMである。いくつかの例では、ポリペプチドの有効な量は、約1μM~約500μM、約25μM~約250μM、約50μM~約200μM、または約75μM~約125nMである。いくつかの例では、ポリペプチドの有効な量は、最終組成物の少なくとも0.00001%、0.00005%、0.0001%、0.0005%、0.001%、少なくとも0.005%、少なくとも0.01%、少なくとも0.05%、少なくとも0.1%、少なくとも0.5%、少なくとも1%、少なくとも1.5%、少なくとも2%、少なくとも2.5%、少なくとも3%、少なくとも3.5%、少なくとも4%、少なくとも4.5%、または少なくとも5%(w/w)である。いくつかの例では、ポリペプチドの有効な量は、最終組成物の約0.00001%~約5%、0.00001%~約1%、0.00001%~約0.1%、約0.001%~約5%、約0.005%~約4%、約0.005%~約3%、約0.005%~約2%、約0.005%~約1%、または約0.005%~約0.5%である。いくつかの実施形態では、インビボ適用に対するポリペプチドの有効な量は、インビトロ適用に使用される量の少なくとも2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、または500倍であリ得る。ポリペプチドの有効な量は、ポリペプチドの真皮への浸透をもたらし、いくつかの例では、約1%の浸透、約2%の浸透、約4%の浸透、約5%の浸透、または約10%の浸透をもたらす。いくつかの例では、皮膚上に適用された組成物中のポリペプチドの最大1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%は、真皮に浸透する。いくつかの例では、皮膚上に適用された組成物中のポリペプチドの少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%は、真皮に浸透する。いくつかの例では、インビボ適用に使用される量は、インビトロの浸透試験の皮膚への浸透の量の倍数である。いくつかの例では、インビボの適用で使用される量の倍数は、インビトロの皮膚への浸透の量の少なくとも2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、または1000倍である。
【0067】
場合によっては、本明細書に記載される組成物は、1つ以上の追加の栄養補助用、化粧用、治療用、または医薬的処置(例えば、同時投与、連続投与、またはともに製剤化されている)で投与することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、製剤は1つ以上の処置と共に使用されてもよい。いくつかの実施形態では、製剤は、音波処置、超音波処置、LED処置、光線処置、電気処置、高周波処置、または他の皮膚科学的処置とともに使用することができる。いくつかの実施形態では、組成物は処置の前に、処置の後、あるいは処置の間に皮膚に適用される。
【0069】
組成物は、外用適用のために製剤化することができる。例えば、組成物は皮膚上に適用のために製剤化されることがある。いくつかの実施形態では、組成物は外用の補足物として構成される。外用適用のためなどの製剤は、クリーム、軟膏、ゲル、液体、粉末、ローション、セラム、エマルジョン、モイスチャライザ、フォーム、フェースマスク、ムース、エアロゾル、噴霧剤、クレンザー、トナー、外用のパッチ、ヒドロゲルパッチ、あるいはシャンプーであり得る。局所的に適用されるポリペプチドは、患部領域、将来影響を受ける可能性のある領域、対象の一部、または実質的に対象全体に適用することができる。場合によっては、局所的処置は、緩衝液、別の局所的処置、クリーム、あるいはモイスチャライザとともに適用することができる。
【0070】
外用適用などのための組成物は、化粧品組成物として製剤化することができる。化粧品組成物の例は、メイクアップ、ファンデーション、日焼け止め、アフターサンローション、およびアンチエイジングスキンケア製品を含むスキンケア製品を含み得る。場合によっては、メイクアップ組成物は、顔に色を残すことができ、ファンデーション、ブロンザー、マスカラ、コンシーラー、アイライナー、眉色、アイシャドウ、ブラッシャー、リップカラー、パウダー、固体エマルジョンコンパクト、または他のメイクアップアイテムを含み得る。場合によっては、スキンケア製品は、皮膚の処置またはケア、あるいは何らかの形で保湿、改善、再生の加速、保護、損傷の防止、または皮膚の洗浄に使用される製品であり得る。スキンケア製品は、クリーム、外用パッチ、ヒドロゲルパッチ、経皮パッチ、軟膏、ゲル、液体、粉末、ローション、セラム、エマルジョン、オイル、クレー、モイスチャライザ、フォーム、フェースマスク、ムース、エアロゾル、スプレー、クレンザー、トナー、またはシャンプーとして適用され得る。場合によっては、スキンケア製品は、接着剤、包帯、角質除去剤、歯磨き粉、モイスチャライザ、ローション、プライマー、口紅、リップクリーム、無水閉塞性保湿剤、制汗剤、デオドラント、個人用のクレンジング製品、閉塞性薬物送達パッチ、ネイルポリッシュ、パウダー、ティッシュ、ワイプ、ヘアコンディショナー、またはシェービングクリームの形態であり得る。
【0071】
本明細書で企図される組成物はまた、食用であり得、すなわち、組成物がヒトによって安全に消費されるように製剤化されるように、食用サプリメントまたは飲料として製剤化され得る。場合によっては、食用組成物は、加齢性疾患または疾病あるいは加齢関連障害を処置するのに治療的に有効であり得る。場合によっては、食用サプリメントは、錠剤、カプセル、チューズ、グミ、粉末、フードバー、ミールリプレイスメントバー、または食品添加物として構成され得る。場合によっては、飲料は、水、ソーダ、お茶、コーヒー、牛乳、ジュース、シェイク、飲み物、またはその他の食用液体を含むように製剤化され得る。
【0072】
場合によっては、組成物は、皮膚コンディショニング剤(例えば、保湿剤、角質除去剤、皮膚軟化剤、またはハイドレーター)を含み得る。保湿剤は、保湿、スケーリングの低減、または皮膚からの蓄積したスケールの除去を刺激するためのものであり得る。角質除去剤は、表面から古い皮膚細胞を除去するためのものであり得、物理的角質除去剤または化学的角質除去剤であり得る。皮膚軟化剤は、乾燥肌、ざらざらした肌、または薄片状の肌を柔らかくすることができる製剤または成分であり得る。ハイドレーターは、保湿、スケーリングの低減、または皮膚からの蓄積したスケールの除去を刺激するためのものであり得る。場合によっては、皮膚軟化剤は、水分損失を防ぎ、肌を柔らかくし、なだめる効果を有する薬剤である。いくつかの実施形態では、皮膚軟化剤は、植物油の少なくとも1つ、ミネラルオイル、シアバター、カカオバター、ワセリン、脂肪酸(エミュー、ミンクおよびラノリンを含む動物油)、トリグリセリド、安息香酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、糖脂質、リン脂質、スクアレン、グリセリン、ローズヒップオイル、アンディローバオイル、グレープシードオイル、アボカド油、プラムシードオイル、プラカシーオイル、カリコフィラムスプルカナムオイル(Calycophyllum spruceanum)、アーモンドオイル、アルガンオイル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ホホババター、ホホバ油、Spectrastat G2、セラミドおよび藻類抽出物を含んでもよい。場合によっては、組成物は、皮膚ハイドレーターとも呼ばれる皮膚用保湿剤を含む。場合によっては、皮膚用保湿剤は、グリセリン、スクアレン、ソルビトール、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸誘導体、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムクロスポリマー、ナイアシンアミド、糖タンパク質、ピロリドンカルボン酸(PCA)、リジンHCl、アラントイン、および藻類抽出物を含むが、それらに限定されない。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%の皮膚コンディショニング剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約1%~約70%、約1%~約60%、約1%~約50%、約5%~約50%、約5%~45%、または約5%~40%の皮膚コンディショニング剤を含む。
【0073】
組成物は、皮膚の光沢のある外観を改善または調節することができる光沢制御剤を含み得る。光沢制御剤は本来多孔性であり得る。そのような薬剤は、余分な水分を吸収し、輝きの外観を減らすためのリザーバーを提供し得る。光沢制御剤は、シリカ、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、タルク、絹雲母および様々な有機的なコポリマーであり得る。特に有効な光沢制御剤は、アルカリ(IA)金属、アルカリ土類(IA)金属、または遷移金属、およびシリカ(二酸化ケイ素)とカーボネートまたはシリケートとの反応によって形成されるシリケート、またはカーボネートを含み得る。好ましい光沢制御剤は、ケイ酸カルシウム、アモルファスシリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、ベントナイト粘土、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0074】
組成物は、皮膜の持続性および皮膚への接着を助けることができる皮膜形成剤を含み得る。皮膜形成剤は、組成物の長期摩耗および非転写性能を改善することができる。皮膜形成剤は、水溶性、水不溶性、または水分散性であり得る。皮膜形成剤は、1)有機シリコーン樹脂、フッ素化シリコーン樹脂、有機シリコーン樹脂のコポリマー、トリメチルシロキシシリケート、GEのシリコーン樹脂のコポリマー、SF1318(シリコーン樹脂およびイソステアリン酸コポリマーの有機エステル)およびCF1301(シリコーン樹脂およびアルファメチルスチレンコポリマー)、Dow Corningの シリコーン樹脂の圧力高感度接着剤コポリマーと各種PDMS(BIO-PSAシリーズ)、および2)アクリルおよびメタクリル酸ポリマーおよび樹脂、シリコーン-アクリレートタイプのコポリマー、および3Mのシリコーンとポリマー、信越化学工業のKP545、アルキル-アクリレートコポリマー、信越化学工業のKP561および562を含むフッ素化バージョン、3)Collaborative Labsのデケン/ブテンコポリマー、4)ポリビニルベース材料、PVP、PVP/VA(ISPのAntaron/Ganex(PVP/トリアコンテンコポリマー)、BASFのLuviskol材料を含む)、ポリウレタン、Polyderm PE/PA、Polyderm PPI-SI-WS、Polyderm PPI-GH、BASFからのLuvisetP.U.R.を含むがこれらに限定されないAlzoのPolydermシリーズ、6)ポリクオタニウム材料、BASFからのLuviquatシリーズ、7)アクリレートコポリマーおよびアクリレート/アクリルアミドコポリマー、LuvimerおよびUltraholdシリーズ、どちらもBASFから入手可能、8)スチレンベース材料、および9)セルロースおよびセルロースベース材料を含むキトサンおよびキトサンべース材料であり得る。
【0075】
組成物は増粘剤または乳化剤を含み得る。増粘剤は、化粧品組成物中で使用される液体ベース材料の粘度を増大させるために使用されてもよい。特定の増粘剤の選択は、所望の組成物のタイプ(例えば、ゲル、クリーム、ローション、またはワックスベース)、所望のレオロジー、使用される液体ベース材料、および組成物に使用される他の材料に依存し得る。増粘剤または乳化剤の例は、カンデリラ、カルナウバワックス、蜜ろう、鯨蝋、カルナウバ、ベイズベリー、モンタン、オゾケライト、セレシン、パラフィン、フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックス、シリコーンワックス(Dow CorningからのDC 2503)、微結晶ワックスなどのワックス状の材料、石鹸、例えば、高脂肪酸、12~22個の炭素原子を有する酸のナトリウム塩やカリウム塩、高脂肪酸のアミド、アルキロールアミンの高脂肪酸アミド、ジベンズアルデヒド-モノソルビトールアセタール、酢酸塩、プロピオン酸塩および乳酸塩のアルカリ金属およびアルカリ土類金属塩、および、これらの混合物を含み得る。さらに有用なのは、ポリマー材料、例えば、ローカストビーンガム、アルギン酸ナトリウム、カゼイン酸ナトリウム、卵アルブミン、ゼラチン寒天、カラゲーニン・ゴム・アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、マルメロ種子抽出物、トラガカントゴム、でんぷん、化工でんぷん等、半合成ポリマー材料、例えば、セルロース、セルロース誘導体、セルロースエーテルヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシ・プロピルメチル・セルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、可溶性でんぷん、カチオンセルロース、カチオングアー、そして合成ポリマー材料、例えば、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール・ポリアクリル酸ポリマー、ポリ(アクリル酸)、カルボマー、ポリメタクリル酸ポリマー、ポリ酢酸ビニルポリマー、ポリ塩化ビニルポリマー、ポリ塩化ビニリデンポリマーとなどである。例えば、ベントナイトなどのケイ酸アルミニウム、あるいはポリエチレングリコールとポリエチレングリコールステアラート、またははジステアラートの混合物などの無機増粘剤も使用されてもよい。乳化剤は、親水性および疎水性の成分がエマルジョン内で分離しないようにするのを支援するために使用されてもよい。場合によっては、乳化剤がOlivem、Oliwax LC、ポリソルベート、ラウレス-4およびカリウム・セチルサルフェートを含むが、それらに限定されない。
【0076】
化粧品組成物は、外観に一時的な変化を提供し得、または外観に長期的な変化を提供し得る。場合によっては、化粧品組成物は、外観の短期的な変化(例えば、皮膚の色の沈着またはモッチリ感)、ならびに外観の長期的な変化(例えば、しみの減少、微細線な出現、しわの出現、または外観に影響を与える可能性のあるその他の特徴)を提供するために製剤され得る。
【0077】
組成物は、本明細書に開示されるように、ポリペプチドと共に適用される場合に相加効果または相乗効果を有する添加剤を含み得る。例えば、ポリペプチドおよび添加剤を含む組成物は、老化、および加齢性疾患または疾病あるいは加齢関連障害(例えば、1つ以上の症状の発症を遅らせる、発生を減らす、または改善する)に対して、添加剤、ポリペプチドの個々の効果、または添加剤とポリペプチドの個々の効果の合計より大きな影響を及ぼし得る。添加剤は、さらなるポリペプチド、グリコサミノグリカン、炭水化物、ポリフェノール、タンパク質、脂質、水性または油性植物抽出エキス、核酸、抗体、低分子、ビタミン、保湿剤、皮膚軟化剤、あるいは別の適切な添加剤であり得る。いくつかの実施形態では、組成物はUVブロッカーを含む。いくつかの実施形態では、UVブロッカーは、アミノ安息香酸、アボベンゾン、シノキサート、ジオキシベンゾン、ホモサレート、メラジメート、オクトクリレン、オクチノキサート、オクチサレート、オキシベンゾン、パジメートO、エンスリゾール、スリソベンゾン、二酸化チタン、サリチル酸トロラミン、および酸化亜鉛を含んでもよいが、それらに制限されない。
【0078】
しばしば、本明細書に提供される方法、システム、および組成物はビタミンを含む。いくつかの例では、ビタミンは、皮膚鎮静の効果、皮膚回復の効果、皮膚補充の効果、および/または保湿効果を提供する。いくつかの例では、ビタミンは酸化防止効果を提供する。いくつかの例では、ビタミンは皮膚軟化剤として作用する。いくつかの例では、ビタミンは、毛穴の拡大、肌の色むら、微細線、くすみ、および/または肌の表面の弱さの外観を改善する。いくつかの例では、ビタミンは、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB6、ビタミンB12(シアノコバラミン)、ビタミンB9、葉酸、ナイアシンアミドおよびそれらの混合物である。いくつかの例では、組成物は、ビタミンの誘導体を含む。いくつかの例では、ビタミンの誘導体は、組成物中のビタミンの安定性、および/または組成物中の他の成分とビタミン誘導体の組成物適合性を改善するために使用される。いくつかの例では、組成物は、ビタミンB3またはその誘導体、およびビタミンEまたはその誘導体を含む。いくつかの例では、組成物は、ナイアシンアミドおよびビタミンEまたはその誘導体を含む。いくつかの例では、組成物は、ビタミンCまたはその誘導体、ビタミンB3またはその誘導体、およびビタミンEまたはその誘導体を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも0.01%、0.05%、0.5%、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、または10%のビタミンを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、約0.1%~約10%、約0.1%~約5%、約0.5%~約10%、約0.5%~約5%、約1%~10%、または約1%~5%のビタミンを含む。
【0079】
局所的投与用の組成物は、さらに担体を含み得る。担体は、溶液、エマルジョン、軟膏、オイル、またはゲル基剤であってもよい。ゲル基剤は、例えば、下記の1つ以上を含んでもよい:ペトロラタム、ラノリン、PEG(s)、みつろう、ミネラルオイル、水およびアルコールなどの希釈液、乳化剤、および/または安定化剤。増粘剤は、局所的投与のために治療用組成物中に存在し得る。経皮投与に意図される場合、組成物は、経皮パッチまたはイオントフォレーシスデバイスを含み得る。場合によっては、生物分解性のマイクロスフェア(例えば、ポリ乳酸)も組成物の担体として使用されてもよい。場合によっては、経皮パッチは、製剤を皮膚の表皮の層に送達するために準備される。場合によっては、経皮パッチは、製剤を皮膚の表皮の層および皮層に送達されるために準備される。場合によっては、製剤は、対象において全身的に最小限に送達されるように調製され、または対象の血流に直接送達されることを意図されていない。
【0080】
組成物は、さらに緩衝液などの1つ以上の希釈剤、またはアスコルビン酸などの1つ以上の抗酸化剤、低分子量ポリペプチド、ポリペプチド、アミノ酸、グルコース、スクロースまたはデキストリンを含む炭水化物、EDTAなどのキレート剤、グルタチオンおよび他の安定剤を含み得る。中性緩衝生理食塩水、または非特異的血清アルブミンと混合した生理食塩水は、例示的な希釈剤である。生成物は、希釈剤として適切な賦形剤溶液(例えば、スクロース)を使用して凍結乾燥物として製剤化可能である。
【0081】
組成物は、治療用、栄養補助食品用、または化粧品用の賦形剤などの1つ以上の賦形剤を含み得る。賦形剤の例は、抗接着剤(antiadherents)、結合剤、コーティング、着色剤、崩壊剤、香料、滑剤、潤滑剤、防腐剤、吸着剤、甘味料、あるいはビヒクルを含み得る。
【0082】
適切な賦形剤または安定剤は、使用される投与量および濃度でレシピエントに対して無毒であり得、そしてリン酸、クエン酸、および他の有機酸などの緩衝液、塩化ナトリウムなどの塩、アスコルビン酸、ビタミンEおよびメチオニンを含む抗酸化剤、防腐剤(例えば、オクタデシルジメチルベンジル塩化アンモニウムなど)、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、グルコノラクトンと安息香酸ナトリウム、フェノール、ブチル、あるいはベンジルアルコール、低分子量(約10残基未満の)ポリペプチド、血清アルブミンまたはゼラチンなどのタンパク質、ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、またはリジンなどのアミノ酸、単糖類、二糖類、およびグルコース、マンノース、またはデキストリンを含む他の炭水化物、EDTAまたはEDTA代替物(例えば、Biopure GLDA、Spectrastat G2)などのキレート化剤、スクロース、マンニトール、トレハロース、またはソルビトールなどの糖類、ナトリウムなどの塩を形成する対イオン、金属複合体(例えば、Znタンパク質複合体)、および/または界面活性剤を含み得る。いくつかの例では、界面活性剤は、ポリソルベート20、ポリソルベート80、アルギン酸塩、ポロキサマー、TRITON(登録商標)(t-オクチルフェノキシポリエトキシエタノール)、非イオン性界面活性剤、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ラウリル硫酸ナトリウム、オクチルグリコシドナトリウム、ラウリル-スルホヘタム、ミリスチル-スルホヘタム、リノレイル-スルホヘタム、またはステアリル-スルホヘタム;ラウリル-サルコシン、イリスチル-サルコシン、リノレイル-サルコシン、またはステアリル-サルコシン:リノレイル-ベタイン、ミリスチル-ベタイン、またはセチル-ベタイン;ラウラミドプロピル-ベタイン、コカミドプロピル-ベタイン、リノールアミドプロピル-ベタイン、ミリストアミドプロピル-ベタイン、パルミドロプロピル-ベタイン、またはイソステアラミドプロピル-ベタイン(例えば、ラウラアルニドプロピル);ミリスタミドプロピル-タウレート、パルミドプロピル-タウレート、またはイソステアラミドプロピル-ジメチルアミンメチルココイル-タウレート、または二ナトリウムオレイルメチル-タウレート;ソルビタンモノパルミテート、およびMONAQUATシリーズ(Mona Industries.Inc.,Paterson,NJ)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレングリコールのコポリマー(例えば、Pluronies/Poloxamer,PLURONIC(登録商標)F68など)、あるいは別の適切な界面活性剤を含むが、それらに制限されない。場合によっては、組成物は、スクワレン、天然オイル、植物抽出エキス、ヒアルロン酸、または粘土を含み得る。場合によっては、組成物は、有効成分の皮膚への浸透を増強するために皮膚を浸透するエンハンサーを含む。場合によっては、皮膚浸透エンハンサーは、脂肪酸、芳香油、尿素、リポソーム、マイクロスフェア、DMSO、アゾン、ナトリウムPCAおよびスクワレンを含むが、それらに限定されない。
【0083】
いくつかの実施形態では、製剤は、ポリペプチドを運び、皮膚内でのポリペプチドの放出回数および/または浸透深度を制御することために、担体、マイクロスフェア、リポソームあるいはミセルを含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、官能化されている。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、化学基で官能化されている。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20以下、または20以上の炭素を含む官能基で官能化されている。いくつかの実施形態では、ポリペプチドは、アセチルまたはパルミトイルで官能化されている。
【0084】
対象に適用されるポリペプチドまたは組成物は、殺菌され得る。これは、例えば、滅菌濾過膜による濾過、または他の当技術分野で認められている滅菌方法によって遂行され得る。
【0085】
組成物は、加齢性疾患の発症、または疾病、あるいは加齢関連障害の発症を遅らせる、発生を低下させる、または皮膚の症状などの1つ以上の症状を改善することができる量のポリペプチドまたはペプチド模倣薬の治療上有効な量を含み得る。場合によっては、治療上有効な量は、対象において治療的(例えば、セノ治療)、または所望の反応を誘発し得る治療剤(例えば、ポリペプチド)の量であり得る。治療上有効な量は対象に治療効果を引き起こすのに十分であり得る。治療上有効な量は、使用するために選択された活性剤、かつ治療される対象の年齢、体重、身長、および/または一般的な健康を含む様々な要因に応じて変化し得る。
【0086】
臨床の内容で理解されるように、有効な治療量の活性剤は、別の薬物、化合物、治療用、または医薬組成物と組み合わせて達成されてもされなくてもよい。したがって、有効な治療量は、1つ以上の活性剤を投与する状況で考慮され得、単一の活性剤は、1つ以上の他の活性剤と併せて、望ましい結果が達成されるか、達成される可能性がある場合、有効量で与えられると見なされ得る。それに応じて、いくつかの例では、1つ以上の活性剤が対象に投与される場合がある。他の例では、本明細書に記載された活性剤での処置は、本明細書に記載される1つ以上の処置モダリティの前、または後に実施される。
【0087】
ポリペプチド合成
さらに、本開示のポリペプチドの1つ以上をコードする単離されたポリヌクレオチドが開示される。単離されたポリヌクレオチドは、プロモーターに動作可能に連結された、単離されたポリヌクレオチドを含む発現ベクター中に存在し得る。発現ベクターは、単離された細胞(すなわち、発現ベクターでトランスフェクトまたは形質転換された組換え細胞)に存在し得る。
【0088】
適切な発現ベクターは、細菌、植物、真菌、昆虫、または動物の宿主細胞複製、および/または開示されたペプチド、ポリペプチド、およびそれらの変異体を発現する発現ベクターを含み得る。発現ベクターは、適切な宿主細胞(例えば、大腸菌)を形質転換するために使用されてもよい。形質転換された宿主細胞は、ペプチドまたはポリペプチドが構成的に発現されるように、あるいは(例えば、誘導性プロモーターを介して)発現を誘導する試薬を添加した後に発現されるように、培養または発酵され得る。本明細書に企図されるような発現ベクターは、コードされたポリペプチドの発現を調節する制御配列を含む場合がある。発現制御配列は、構成的または誘導性プロモーター(例えば、T3、T7、Lac、trp、またはphoA)、リボソーム結合部位、または転写ターミネーターを含み得る。
【0089】
発現ベクターは、宿主細胞を形質転換するために利用され得る。適切な宿主細胞は、細菌、植物、菌類、昆虫、または動物の宿主細胞を含む。適切な細菌は、限定されないが、以下を含む:エシェリキア属種(例えば、大腸菌)などのグラム陰性細菌、他のグラム陰性細菌(例えば、緑膿菌などのシュードモナス菌種、またはカウロバクタークレセンタスなどのコウロバクター菌種)、またはグラム陽性菌(例えば、枯草菌などのバチルス菌種)。適切な菌細胞は、酵母(例えば、ビール酵母菌)を含む場合がある。
【0090】
発現ベクターは、例えば、ポリペプチドの合成のためのメカニズムを提供し得る。合成は、細胞(例えば、動物細胞、植物細胞、細菌細胞、または酵母菌)中で実行し得る。発現ベクターは、核酸、例えば、プラスミド、コスミド、ファスミド、またはバクテリオファージに由来するか、または化学的または酵素的手段によって合成されたDNAを含むことができ、その中に、1つ以上の本明細書に記載のポリペプチドをコードすることができる核酸の1つ以上の断片を挿入またはクローン化することができる。発現ベクターは、クローン化された配列が複製されるように、定義された宿主または生物において自律的に複製可能であり得る。発現ベクターは、線形、円形、またはスーパーコイル構成を有し得、特定の目的のために他のベクターまたは他の材料と複合体を形成し得る。発現ベクターの成分は、(1)DNA、(2)治療用または所望の産物をコード化する配列、または(3)転写、翻訳、RNA安定性および複製用の調節要素を取り込むDNA分子を含み得るが、それらに限定されない。
【0091】
ポリペプチドは、発現ベクターを使用して産生され得る。場合によっては、そのような産生は、開示されたペプチド、ポリペプチド、またはその変異体(本明細書で企図されるように)をコードする核酸分子を含む発現ベクター(本明細書で企図される)を含む形質転換された宿主細胞(例えば、本明細書で企図される細菌宿主細胞)を培養または発酵させること(ここで、培養は、ペプチド、ポリペプチド、または変異体の発現を引き起こす条件下で起こる)、およびペプチド、ポリペプチド、または変異体を単離、分離、または精製することを含み得る。形質転換された細菌は、ペプチド、ポリペプチド、または変異体を発現させるために、当技術分野で知られている方法を使用して培養または発酵させることができる。例示的な単離、分離、または精製の方法は、下記工程の1つ以上を含んでもよい:細胞破壊工程、浄化工程(例えば、遠心分離または濾過による)、クロマトグラフ分離工程、透析工程および沈澱反応工程。
【0092】
他のいくつかの実施形態では、ポリペプチドは、化学的に合成され得る。ポリペプチドの合成は、液相技術、固相法、またはポリペプチド合成の他の適切な方法を使用して実施され得る。
【0093】
方法
本明細書に開示されるポリペプチドおよび組成物の使用のための方法が提供される。そのような方法は、本明細書に記載される1つ以上のポリペプチドを対象に適用することを含み得る。本明細書に記載される方法は、加齢性疾患または疾病あるいは加齢関連障害の発症を遅らせる、発生を低下させる、または改善することができる。
【0094】
本明細書に記載される方法は、老化細胞の蓄積に関連する疾患、障害、または疾病の発症を遅らせる、発生を低下させる、出現を低下させる、または改善することができる。老化細胞の蓄積に関連する疾患または障害は、年齢に関係し得る。場合によっては、上記疾患または障害は、未処置の場合、経時的に悪化し得る。
【0095】
ポリペプチドまたは組成物は、皮膚の健康によって直接的または間接的に影響を受ける状態を処置するために、対象に適用または投与され得る。そのような方法は、皮膚の健康を促進する化合物を対象に投与すること、または皮膚に局所的処置を適用することを含み得る。
【0096】
加齢関連障害は、身体に影響を与え得る疾患プロセス中に発生する事象の生物学的進行を含み得、これは、正常な対象において発生する加齢事象のすべてまたは一部を模倣または実質的に模倣し得る。場合によっては、事象のこの生物学的進行は、加速された時間枠で発生し得る。
【0097】
加齢性疾患または疾病あるいは加齢関連障害は、運動や摂食能力など、体内の通常のプロセスに関連している可能性がある。
【0098】
加齢性疾患または疾病、あるいは加齢関連障害は、皮膚障害または皮膚症などの皮膚に影響を与える疾患、疾病、または障害であり得、これは、しわ、線、乾燥、かゆみ、斑点、シミ、床ずれ、潰瘍、癌、色素沈着不全、感染症(例、真菌感染症)、または透明度、質感、弾力、色、色調、柔軟性、硬さ、堅さ、滑らかさ、厚さ、輝き、発光、水分補給、保水、皮膚バリア、均一性、弛緩、または油性などの皮膚特性の低下、あるいは他の皮膚病を含み得る。いくつかの例では、加齢性疾患または疾病、あるいは加齢関連障害は、皮膚の色素沈着過剰である。いくつかの例では、色素沈着過剰障害は、肝斑、シミ、黒子、および/または進行性色素性紫斑病である。いくつかの例では、色素沈着過剰は、日光による損傷、炎症、ホルモンの変化、または皮膚の損傷の結果である。いくつかの例では、色素沈着過剰は、レーザー治療、光線治療、またはケミカルピーリングを含むがこれらに限定されない美容処置、抗生物質、経口避妊薬、または光増感薬の投与、または外用の薬剤の適用の後に発生する。いくつかの例では、色素沈着過剰は、メラニンの過剰産生の結果である。
【0099】
いくつかの例では、本明細書に開示される方法、システムおよび組成物による加齢性疾患または疾病、あるは加齢関連障害の治療は、皮膚の外観を明るくし、発光を増加させ、輝かせ、すべすべにし、滑らかにし、および/または引き締める結果となる。いくつかの例では、本明細書に開示される方法、システム、および組成物による処置は、表皮バリア、皮膚水和レベル、皮膚水分保持、しわの出現、滑らかさ、硬さ、弾力、輝きおよび光度の出現を改善し、および/または皮膚におけるセラミドレベルを改善または維持する。いくつかの例では、本明細書に開示される方法、システム、および組成物による処置の効果は、皮膚水分含有量、経皮水分損失量(TEWL)、皮膚の厚さおよびエコー源性、皮内分析、皮膚粘弾性特性、または皮膚表面プロファイルを測定することによって評価される。いくつかの例では、本明細書に開示される方法、システム、および組成物による処置の効果は、線/しわの出現、肌の色調(均一性)の出現、毛穴の出現、テクスチャー/滑らかさの出現、硬さ(視覚的)、弾力(触覚)、表皮バリア、肌荒れ、肌の色素沈着過剰、または全体的な外観の減少を評価する。いくつかの例では、本明細書に開示される方法、システム、および組成物による処置の効果は、皮膚の水分含有量/水分補給を測定するための角膜計、経皮水分損失量(TEWL)を測定するためのバポメータ(VapoMeter)、皮膚の厚さ(密度)とエコー源性を測定する超音波、皮膚の均一性と発色団のマッピングを測定するための非侵襲的光学皮膚イメージング機器、皮膚の粘弾性特性(硬さと弾性)を測定するための吸引を使用するカトメーター、皮膚プロフィロメトリー、マルチスペクトル分析、および皮膚の表面プロファイル、線、およびしわを測定するための比色分析を使用して測定される。
【0100】
いくつかの例では、加齢性疾患または疾病、あるいは加齢関連障害の処置は、しわまたは皮膚の色素沈着の出現を例えば、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%または99%減少させる。いくつかの例では、機器測定は、線/しわの出現、肌の色調(均一性)の出現、毛穴の出現、質感/滑らかさの出現、硬さ(視覚的)、弾力(触覚的)、表皮バリア、皮膚の粗さ、肌の輝き、または全体的な外観の少なくとも1つに、組成物の使用前と比較して、組成物の使用後に少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%の改善を示している。いくつかの例では、改善は、組成物を使用する前のベースラインと比較した平均改善率(MPI)として表される。いくつかの例では、MPIは、組成物の使用前と比較して、組成物の使用後に少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、15%、16%、17%、18%、19%、または20%である。いくつかの例では、測定は、組成物の使用後1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、10週間、11週間、12週間、13週間、14週間、15週間、16週間、5か月、6か月、または1年で取得される。いくつかの例では、処置の効果は、皮膚測定値の1つ以上を分析する皮膚の疾病、障害、または疾患の専門家によって評価される。いくつかの例では、処置の効果は、ユーザ自身によって評価される。いくつかの例では、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%のユーザは、本明細書に開示される方法、システム、および組成物を使用した後、皮膚のバリア、肌の荒れ、肌の輝き、線/しわの外観、肌の色調(均一性)の外観、毛穴の外観、テクスチャー/滑らかさの外観、硬さ(視覚的)、弾力(触覚的)、または全体的な外観の改善を報告する場合がある。いくつかの例では、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%のユーザは、皮膚の水分補給の改善を報告する場合がある。いくつかの例では、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%のユーザは、皮膚バリア機能の改善を報告する場合がある。
【0101】
いくつかの例では、本明細書で提供される方法、システム、および組成物は、皮膚の色素沈着過剰を低下させ得る。いくつかの例では、色素沈着過剰は、メラニンの過剰産生に関連している。いくつかの例では、本明細書で提供される方法、システム、および組成物は、メラニンの過剰生産を低下させる。いくつかの例では、本明細書で提供される方法、システム、および組成物は、皮膚中のメラニン色素の存在を低下させる。いくつかの例では、本明細書で提供される方法、システム、および組成物は、処置された皮膚の細胞による、チロシナーゼ、メラノサイト誘導転写因子(MITF)およびドーパクロムトートメラーゼ(DCT)を含むメラニン形成に関与するタンパク質の発現レベルを低下させる。いくつかの例では、本明細書で提供される方法、システム、および組成物は、チロシナーゼ活性の低下、チロシナーゼの発現または活性化の低下、メラニン合成の中間生成物の除去、メラノソームのケラチノサイトへの移動の低下、存在するメラニンの含有量の低下、またはメラノサイトの活性または生存率の低下を引き起こす。
【0102】
場合によっては、本明細書で提供される方法、システム、および組成物は、皮膚炎症を低下させ得る。場合によっては、本明細書で提供される方法、システム、および組成物は、処置された皮膚の細胞による、炎症に関与するタンパク質、インターフェロンガンマ(IFN-γ)およびインターロイキン10(IL-10)の発現レベルを低下させ得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、1日1回、1日2回、1日3回、またはそれ以上投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、1日2回の投与、例えば、朝と夜に投与される。いくつかの実施形態において、本明細書に記載される組成物は、日々、毎日、隔日、週5日、週1回、隔週、月2週間、月3週間、月1回、月2回、月3回、またはそれ以上投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、少なくとも1週間、2週間、3週間、1か月、2か月、3か月、4か月、5か月、6か月、7か月、8か月、9か月、10か月、11か月、12か月、18か月、2年、3年、4年、5年またはそれ以上投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、朝と夜に顔および/または首の清潔で乾燥した皮膚に滑らかな層として適用されるように指示されている。いくつかの実施形態では、製剤は、皮膚の弾力を改善し、かつ皮膚の長期的な健康のための表皮バリアを強化するために科学的に製剤された毎日必須の局所サプリメントである。いくつかの実施形態では、ユーザは、ポリペプチドの少なくとも1つを含む本明細書に記載される組成物を顔および/または首に適用する。いくつかの実施形態では、組成物は、身体の皮膚に適用されるように指示されている。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、UVブロッカーなどの他の外用の組成物と組み合わせて使用される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される組成物は、他の外用の組成物の適用の前、一緒に、または後に適用される。いくつかの実施形態では、組成物は、UVブロッカーを含む。
【0104】
ポリペプチドまたは組成物は、局所的に、すなわち皮膚に適用され、皮膚に影響を与える疾患、疾病、または障害の発症を遅らせる、これらの発生を低下させる、または改善することができる。
【0105】
加齢性疾患または疾病、あるいは加齢関連障害は、UV損傷、DNA損傷、細胞核におけるATRX病巣の蓄積、p16発現の増加、老化関連のβ-ガラクトシダーゼ活性の増加、組織における老化細胞の蓄積、SASP産生の増加、化学的に誘発された老化、経時的老化、ヒアルロン酸産生の減少、サーチュイン6の発現の減少、インスリン様成長因子-1(IGF-I)経路シグナル伝達の変化、マトリックスメタロペプチダーゼ1(MMP1)の産生の増加、皮膚の薄い表皮層、または遺伝的変異によって引き起こされ得る。いくつかの例では、加齢性疾患または疾病、あるいは加齢関連障害は、処置レジメン、例えば、治療薬の副作用によって開始される、または悪化する。加齢性疾患または疾病、あるいは加齢関連障害は、直接的または間接的に皮膚の健康または外観に影響を与える可能性がある。本明細書のポリペプチドまたは組成物の外用適用は、いくつかのそのような場合では、皮膚の健康または外観を改善し得る。
【0106】
加齢性疾患または疾病、あるいは加齢関連障害は、細胞増殖性障害を含み得る。細胞増殖性障害は、皮膚の健康または外観に影響を与える可能性がある。場合によっては、化学療法や放射線療法などの細胞増殖性障害に施される処置が、皮膚の健康や外観に影響を与える可能性がある。本明細書のポリペプチドまたは組成物の外用適用は、いくつかのそのような場合では、皮膚の健康または外観を改善し得る。
【0107】
さらに本明細書に、組織または生物における老化細胞数の減少を促進し、処置された細胞にアポトーシス促進状態を誘導し、SIRT6発現を誘導し、DNA誘発性老化の防止、および/またはDNA修復能力を強化し得る組成物を対象に投与することを含む、対象の皮膚を治療するための方法が提供される。場合によっては、皮膚疾患または皮膚疾病などの皮膚疾患は、皮膚のたるみまたはしわ、組織内の老化細胞の蓄積、表皮の厚さの減少、コラーゲン産生の減少、MMP-1産生の増加、DNA修復能力の減少、SIRT6発現の減少、皮膚の崩壊、皮膚の薄い表皮層、炎症、老化に関連する分泌表現型、または皮膚の幹細胞の枯渇を含み得る。
【0108】
方法は、組織または生物中の老化細胞数の有意な減少を促進し得るポリペプチドを含む組成物を対象に投与することを含み得る。老化細胞数の減少は、処置された細胞のアポトーシス促進状態、SIRT6発現の誘導、DNA誘導老化の防止、またはDNA修復能力の増強を含み得る。場合によっては、サンプル、対象の一部(例えば、対象の顔の皮膚)、および/または対象中の老化細胞数を、少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90%減らすことができる。
【0109】
ポリペプチドまたは組成物は、細胞、組織、または対象に適用または投与され得る。場合によっては、ポリペプチドの適用または投与は、細胞、組織、または対象においてセノ治療の効果を引き起こし得る。場合によっては、ポリペプチドは、セノ治療の効果を提供するために対象に投与され、対象に局所的に適用され、または培養細胞でインキュベートされ得る。
【0110】
細胞は、培養細胞、あるいは対象または細胞株から単離された細胞であり得る。培養細胞のいくつかの例は、ケラチノサイトまたは線維芽細胞またはメラノサイトを含み得る。細胞は野生型でも遺伝子組み換え型でもよい。他のRNAクラスの中でも、p53/p21経路、p16/RB経路、mRNAまたはmiR遺伝子の遺伝子修飾など、いくつかの遺伝子修飾は老化を促進し得る。場合によっては、ポリペプチドまたは組成物を細胞に適用すると、細胞の老化を低減させ得る。場合によっては、細胞は、動物、線虫、およびヒトを含むがこれらに限定されない生物中にインビボまたはインサイチュで細胞を含み得る。
【0111】
組織は、対象の組織である組織、または対象から、すなわちエクスビボで単離された組織であり得る。場合によっては、組織は人工的に成長させられる。組織の例は、健康な皮膚、病気の皮膚、老化した皮膚、または頭皮を含み得る。場合によっては、ポリペプチドまたは組成物を組織に適用すると、組織の1つ以上の細胞または組織全体の老化を低減し得る。場合によっては、組織は、動物、線虫、およびヒトを含むがこれらに限定されない生物中にインビボまたはインサイチュで組織を含み得る。
【0112】
対象がヒトである場合、対象は任意の年齢であり得る。場合によっては、対象は、加齢性疾患または疾病、あるいは加齢関連障害を有し、加齢性疾患または疾病、あるいは加齢関連障害のリスクがあり、または健康である。対象は、男性または女性であり得る。
【0113】
方法は、ポリペプチドまたは組成物の外用適用を含み得る。外用適用は、皮膚または粘膜へのポリペプチドまたは組成物の摩擦、噴霧、浸漬、軽くたたく、または他の方法での適用を含み得る。
【実施例
【0114】
実施例1
早老症患者から単離された初代線維芽細胞は、ヒトにおける初期の老化および細胞老化の遺伝モデルを構成し得る。早老症患者からの初代線維芽細胞を、10%v.v.のウシ胎児血清(FBS)と、1%v.v.のペニシリン/ストレプトマイシン溶液(1,000U.mL-1)とで補充した、DMEM(ダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium))中で培養した。細胞を、5%のCO、37℃、95%の湿度大気で維持した。増殖後、これらの細胞を96ウェルプレート(1ウェル当たり1,000の細胞)に播種し、そしてプレーティング後6時間、独自のライブラリからの個々のポリペプチドを使用して、50μMで48時間インキュベートした。陰性対照は、未処置細胞を含み、ビヒクルのみが投与されたものであった;陽性対照群は、10μMのABT-263、老化細胞除去化合物を使用して、同じ期間インキュベートした。インキュベーション後、(未処置の対照と比較した老化関連B-ガラクトシダーゼ染色の活性によって評価される)相対的細胞老化を、図1に示す通りに分析し、図1では、Y軸がウェル中の細胞の総数を示し(未処置の対照に対して正規化)、そして、X軸が老化関連B-ガラクトシダーゼ染色強度/核(すなわち老化レベル)を表わし、これも陰性対照に対して正規化している。3つの技術的レプリカを含む3つの個々の実験を実施した。未処置の対照サンプルの細胞老化の75%を下回るという、細胞老化の有意な減少を促進したポリペプチドを、陽性ヒットであるとみなした。
【0115】
合計764のポリペプチドをテストし、その中の56が、未処置の対照サンプルの細胞老化の75%を下回る、細胞老化の減少を促進した。したがって、それらは陽性ヒットであり、そして推定上のセノ治療化合物であるとみなされた。ABT-263は、実験において陽性対照とみなされ、そしてさらに、細胞老化、およびまた、細胞の毒性の有意な減少を促進した。この観察は、ABT-263の老化細胞除去特性、ならびに、テストされたポリペプチドのうちのいくつかのセノ治療の可能性を、確認した(図1)。
【0116】
実施例2
3人の健康な、経時的に歳を重ねた患者から単離された初代線維芽細胞を使用した。細胞を、10%v.v.のウシ胎児血清(FBS)と、1%v.v.のペニシリン/ストレプトマイシン溶液(1,000U.mL-1)とで補充した、DMEM(ダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium))で培養した。細胞を、5%のCO、37℃、95%の湿度大気で維持した。増殖後、これらの細胞を96ウェルプレート(1ウェル当たり4,000の細胞)に播種し、そしてプレーティング後6時間、4つのセノ治療ポリペプチド(ペプチド14、ペプチド13、ペプチド15、およびペプチド16)のうちの1つで処置し、そして48時間インキュベートした。各ポリペプチドを、ペプチド16を除いて、6つの異なる濃度:50μM、25μM、12.5μM、6.25μM、3.12μM、および1.56μMでテストし、ペプチド16は、5つの異なる濃度:25μM、12.5μM、6.25μM、3.12μM、および1.56μMでテストした。陰性対照は、未処置細胞を含み、ビヒクルのみが投与されたものであった;インキュベーション後(未処置の対照と比較した老化関連B-ガラクトシダーゼ染色の活性によって評価される)相対的細胞老化を分析し(図2A図2D、(パネルA-D))、図2A図2Dでは、Y軸が未処置の対照に対して正規化された相対的老化レベル示す。各カラムは、ポリペプチドの異なる濃度に相当する。3つの技術的レプリカを含む3つの個々の実験(生物レプリカ)を実施した。データを分散分析(ANOVA)とボンフェローニ事後比較テスト(Bonferroni post-hoc test)とを使用して、分析した。p-値が0.05以下である時に、統計的有意性を特定した。
【0117】
ポリペプチドはすべて、テストされた濃度の少なくとも1つでセノ治療の可能性を示し、これは未処置の対照と比較して、細胞老化の有意な減少によって証拠付けられている。未処置の対照(ctrl)と比較して、*P<0.05;**p<0.01;***p<0.001(図2A図2D、(パネルA-D))。
【0118】
実施例3
ATRXは、クロマチンリモデリング酵素であり、老化関連ヘテロクロマチン病巣の形成に寄与する。それは、老化に伴い核病巣中にますます蓄積する。したがって、それは、細胞老化のマーカーを構成する。ペプチド14が、細胞老化のレベルを減少させたか否かを調査するために、ATRX病巣を、処置されたペプチド14(1μM、500nM、100nM、および10nM)と未処置の細胞とにおいて、分析した。そうするために、3人の健康な、経時的に歳を重ねた(高齢の)ドナーから単離された初代線維芽細胞を使用した。これらの細胞を、10%v.v.のウシ胎児血清(FBS)と、1%v.v.のペニシリン/ストレプトマイシン溶液(1,000U.mL-1)とで補充した、DMEM(ダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium))で培養した。細胞を、5%のCO、37℃、95%の湿度大気で維持した。増殖後、これらの細胞を96ウェルプレート(1ウェル当たり4,000の細胞)に播種し、そしてプレーティング後6時間、前述の濃度でペプチド14のポリぺプチドを使用して、48時間インキュベートした。陰性対照は、未処置細胞を含み、ビヒクルのみが投与されたものであった;インキュベーション後、相対的な細胞老化を評価した。簡潔に言えば、細胞を固定し、透過処置し、そして抗ATRX抗体とその後第2の抗体とでインキュベートすることによって、免疫染色を実施した。核および染色されたATRX病巣の数をカウントした。図3A(パネルA)は代表的なグラフを示し、カラム(X軸)として表わされる特定量のATRX病巣/細胞を呈する、細胞の数(Y軸)を示す。上部グラフは未処置の細胞を示し、一方で、下部グラフはペプチド14を使用して500nMで処置された細胞を示す。図3B(パネルB)は、ペプチド14の異なる条件(カラム)で処置された繊維芽細胞のATRX病巣/核の平均数を示す。図3C(パネルC)は、ペプチド14の異なる条件(カラム)で処置された繊維芽細胞のATRX病巣/核が10未満であることを呈する細胞のパーセントを示す。3つの技術的レプリカを含む3つの個々の実験(生物レプリカ)を実施した。図3B図3C(パネルBとC)のデータを、ANOVAおよびボンフェローニ事後比較テストとを使用して分析した。p-値が0.05以下である時に、統計的有意性を特定した。
【0119】
ペプチド14処置は、未処置の細胞と比較して、500nMと50nMとで使用した時に、ATRX病巣/核を有意に減少させた。同じ濃度で、ペプチド14はまた、10未満の病巣/核を呈する細胞数を増加させた。未処置の対照(ctrl)と比較して、*p<0.05;**p<0.01(図3A-3C)。
【0120】
実施例4
3人の健康な、経時的に歳を重ねた(高齢の)ドナーから単離されたヒト初代線維芽細胞を使用した。これらの細胞を、10%v.v.のウシ胎児血清(FBS)と、1%v.v.のペニシリン/ストレプトマイシン溶液(1,000U.mL-1)とで補充した、DMEM(ダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium))で培養した。細胞を、5%のCO、37℃、95%の湿度大気で維持した。増殖後、これらの細胞をT-75フラスコ(1フラスコ当たり250,000の細胞)に播種し、そしてプレーティング後6時間、3.12μMでペプチド14を使用して3週(21日)間インキュベートした。陰性対照は、未処置細胞を含み、ビヒクルのみが投与されたものであった;0日目を、細胞がペプチド14で処置され始めた日として定義した。ペプチド14による処置は、21日目と28日目との間は行わなかった。週ごとに、細胞老化を、老化関連β-ガラクトシダーゼ染色レベルに応じて評価した。データを、未処置の群に対して正規化し、そしてプロットした(図4A、(パネルA))。細胞増殖もまた、週ごとに判定した。7日目、14日目、21日目、および28日目に、細胞を、トリプシン処置し、そしてカウントした(図4B、(パネルB))。カウント後に、250,000の細胞を、新しいT-75フラスコにプレーティングした。3つの技術的レプリカを含む3つの個々の実験(生物レプリカ)を実施した。データを、T-検定を使用して分析した。p-値が0.05以下である時に、統計的有意性を特定した。
【0121】
ペプチド14は、第2週で開始した、細胞老化の著しい減少(***p<0.001;****p<0.0001)を促進した。21日間の処置後に、ペプチド14のセノ治療の効果は、ポリペプチド除去後、少なくとも7日間(実験の21日目と28日目との間)維持された。ペプチド14処置群と未処置の対照とを比較し、細胞増殖に関する有意な差異は観察されなかった(図4A図4B)。
【0122】
実施例5
7人の健康な、経時的に歳を重ねた患者から単離された初代線維芽細胞を使用した(患者を、患者2、3、4、5、6、7、または8として偶発的に同定した)。これらの細胞を、10%v.v.のウシ胎児血清(FBS)と、1%v.v.のペニシリン/ストレプトマイシン溶液(1,000U.mL-1)とで補充した、DMEM(ダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium))で培養した。細胞を、5%のCO、37℃、95%の湿度大気で維持した。増殖後、これらの細胞を96ウェルプレート(1ウェル当たり4,000の細胞)に播種し、そしてプレーティング後6時間、5つの異なる濃度:25μM(濃度5)、12.5μM(濃度4)、6.25μM(濃度3)、3.12μM(濃度2)、および1.56μM(濃度1)で、ペプチド14を使用して、48時間インキュベートした。陰性対照は、未処置の細胞(濃度0)を含み、ビヒクルのみが投与されたものであった;インキュベーション後、相対的な細胞老化を、ATRX免疫染色後に定量化されたATRX病巣/核の平均数に応じて、判定した。3つの技術的レプリカを含む7つの個々の実験(生物レプリカ)を実施した。データを、共分散テストを使用して分析した。p-値が0.05以下である時に、統計的有意性を特定した(図5)。
【0123】
共分散分析は、ATRX病巣/核の数がペプチド14処置後に有意に低下したことを示す。ペプチド14の有効性は、用量反応パターン通りであり、濃度とATRX病巣/核は有意に相関を有していた(p<0.0004)(図5)。
【0124】
実施例6
細胞老化は、いくつかの異なる刺激によって引き起こされるかもしれない。ペプチド14がUVB誘発の老化、および化学的誘発の老化に対して有効であるか否かを評価するために、3人の健康なドナーから単離されたヒト初代線維芽細胞を使用した。これらの細胞を、10%v.v.のウシ胎児血清(FBS)と、1%v.v.のペニシリン/ストレプトマイシン溶液(1,000U・mL-1)とで補充した、DMEM(ダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium))で培養した。細胞を、5%のCO、37℃、95%の湿度大気で維持した。増殖後、これらの細胞を96ウェルプレート(1ウェル当たり4,000の細胞)に播種し、そしてプレーティング後6時間、そして、24時間のエトポシド(20μM)処置、または0.05J/cmのUVB放射に2回曝露するかのいずれかのために、提出した。各UVB曝露は、世界中の主要な都市(例えば、ニュージーランドのオークランド、米国のロサンゼルス、ブラジルのブラジリア)の4月の毎日の日光に対する約1~3時間の曝露に相当する。異なる老化誘発プロトコルの後、エトポシド処置された細胞を、ペプチド14を使用して、5μM、2.5μM、または1μMで48時間インキュベートした。UVBに暴露された細胞を、ペプチド14を使用して、5μMで48時間処置した。陰性対照は、ストレスにさらされた未処置の細胞を含むが、ビヒクルのみが投与されたものであった。インキュベーション後、(未処置の対照と比較した老化関連β-ガラクトシダーゼ染色の活性によって評価される)相対的な細胞老化を分析し、そして棒グラフにプロットした。ATRX病巣を、ATRX免疫蛍光染色後に、さらに評価した。グラフを、1核当たりで検知された平均ATRX病巣を使用して構築した。3つの技術的レプリカを含む3つの個々の実験(生物レプリカ)を実施した。データは、t-検定かANOVAのいずれかと、その後にボンフェローニ事後比較テストを使用して分析した。p-値が0.05以下である時に、統計的有意性を特定した(図6A図6D)。
【0125】
エトポシド処置は、細胞老化レベルで有意な増加(p<0.001)を、そしてまた、ATRX病巣核内蓄積の有意な増加(ATRX病巣/細胞の平均数として表わされた;p<0.05)を促進した(図6A、(パネルA))。エトポシドのストレスにさらされた細胞を、2.5μMまたは5μMのペプチド14で処置すると、老化関連β-ガラクトシダーゼ染色が、有意に低下された(*p<0.05)(図6B、(パネルB)、左のグラフ)。図6B(パネルB)の右のグラフに示される通り、エトポシド曝露細胞を、2.5μMのペプチド14で処置すると、平均ATRX病巣/細胞がさらに低下された。UVB曝露はまた、図6C(パネルC)の左のグラフに示される通り、老化関連β-ガラクトシダーゼ染色によって評価されるように、細胞老化の有意な増加を促進し、5μMのペプチド14処置は、細胞老化を有意に防ぐことができた(*p<0.05)。図6C(パネルC)の右のグラフに示される通り、ペプチド14を使用する処置は、細胞数を有意に変化させなかった。UVB曝露は、1核当たりのATRX病巣の平均数の有意な増加を促進し、5μMでのペプチド14処置は細胞老化を有意に防止し、ペプチド14を投与されなかったUVB処置サンプルと比較して、ATRX病巣/核を有意に減少させることとなった(*p<0.01)(図6D、(パネルD))。
【0126】
実施例7
健康な高齢のドナーから単離されたヒト初代線維芽細胞およびケラチノサイトを使用して、ヒトの皮膚等価物を構築した。それらの皮膚等価物を、0.01%w.v.で処置した。5日間のペプチド14を、老化関連β-ガラクトシダーゼ染色を使用する老化のレベル、表皮厚さによって示される全体的構造に応じて、特徴評価した。いくつかのパラメータに基づく品質評価が、盲検による分析者によって行われた。観察されたパラメータは、細胞層の一般的な組織、ならびにとりわけ角質層の厚さを含み、そしてそれらは、老化および老化レベルと共に減少することが示された。評価は、最高スコアが28であり、ここで、より高いスコアが年齢および老化の減少と相関を有している。19の最低スコアが、バッチ使用のために必要であった。このスコアは内部で検証を行い、そして、皮膚等価物または培養細胞の年齢/老化と共に減少することが示された。さらに、皮膚等価物を、特異的遺伝子の発現に応じて、逆転写定量的ポリメラーゼ連鎖反応(RT-qPCR)によって特徴評価した。処置後、表皮および真皮を、RT-qPCRのために別々に処置した。表皮サンプルに対して、グリセルアルデヒド3-リン酸脱水素酵素(GAPDH;遍在的発現);p16(老化関連)、IL-8(皮膚刺激関連)、およびKi-67(細胞増殖関連)を分析した。真皮サンプルに対して、グリセルアルデヒド3-リン酸脱水素酵素(GAPDH;遍在的発現);p16(老化関連)、IL-8(皮膚刺激関連)、およびKi-67(細胞増殖関連);ヒアルロン酸合成酵素2(HAS-2;ヒアルロン酸産生関連)、そしてマトリックスメタロプロテアーゼ1(MMP1;細胞外基質タンパク質分解関連)を分析した。CT値を、2-ΔΔCt法を使用して分析した。平均mRNA発現を、GAPDH(ΔCt)と陰性対照群(ΔΔCt)とに対して正規化した。陰性対照群は、製剤のみを投与された。個々の3つの実験を、3つの技術的レプリカを使用して実施した。データを、T-検定を使用して分析した。p-値が0.05以下である時に、統計的有意性を特定した(図7A図7C)。
【0127】
図7A(パネルA)に示される通り、ヒトの皮膚等価物のペプチド14処置は、皮膚の等価的スコアの増加を促進(ペプチド14群24±1対19.0±2)し、処置の安全性、忍容性、および有益な効果を示唆している。これは、安全性および忍容性の問題を有し得る、他の老化細胞除去薬剤と対照的である。例えば、Tse等のCancer Res. 68: 3421 (2008);Wilson等のLancet Oncol. 11:1149 (2010)を参照。加えて、処置は、図7A(パネルA)および図7B(パネルB)に示される通り、老化関連β-ガラクトシダーゼ染色の有意な減少を促進(***p<0.001)し、ポリペプチドのセノ治療の効果を実証している。さらに、ペプチド14処置は、p16の、表皮における有意な減少(****p<0.0001)および真皮における有意な減少(**p<0.01);真皮におけるIL-8の発現の減少(*p<0.5);および真皮におけるMMP-1の発現の減少(**p<0.01)をもたらした。データは、図7C(パネルC)に示される通り、ペプチド14のセノ治療の可能性、安全性と忍容性、ならびに皮膚遺伝子発現に対するポリペプチドの有益な効果を実証する。
【0128】
実施例8
ペプチド14および類似のペプチド13の作用機序に光を当てるために、Akt S473リン酸化(図8A、(パネルA))、老化関連β-ガラクトシダーゼ染色(図8B、(パネルB))、ならびにmRNA発現(図8C、(パネルC))を調査した。ウェスタンブロット法を使用する、Akt S473リン酸化分析については、ヒト初代線維芽細胞およびケラチノサイトを使用した。これらの細胞を使用して、ヒトの皮膚等価物を構築し、それを、5%のCO、37℃、および95%の湿度大気の気液界面で、維持した。その後、皮膚等価物を1μMのペプチド14またはペプチド13のいずれかで5日間処置し、そして、タンパク質分析を皮膚等価物上で実施した。タンパク質を単離し、そして定量化した。等量のタンパク質をポリアクリルアミドゲルにロードし、そしてニトロセルロース膜に移した。GAPDH(ローディング対照)とpAkt S473抗体とを当該薄でインキュベートし、そして染色を化学発光によって明らかにした。相対的なpAkt S473/GAPDHシグナルを、処置サンプルと非処置サンプルとの間で比較した。老化関連B-ガラクトシダーゼ実験については、繊維芽細胞を使用した。これらの細胞を、10%v.v.のウシ胎児血清(FBS)と、1%v.v.のペニシリン/ストレプトマイシン溶液(1,000U・mL-1)とで補充した、DMEM(ダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium))培養物で培養した。細胞を、5%のCO、37℃、95%の湿度大気で維持した。増殖後、これらの細胞を96ウェルプレート(1ウェル当たり4,000の細胞)に播種し、基本培地で6時間インキュベートして、細胞付着させた。その後、細胞を0.05J/cmに2度曝露した。この直後に2度目のインキュベーションを行い、ここで、ペプチド14またはペプチド13を培地に添加し、そして48時間放置し、ここで培地を交換し、そして細胞を老化関連B-ガラクトシダーゼのために染色した。未処置の細胞を、陰性対照(-)として、ビヒクルのみでインキュベートした。未処置の対照の老化関連B-ガラクトシダーゼレベルを100%に対して正規化した後に、相対的な染色を取得した。mRNA分析については、繊維芽細胞を使用した。これらの細胞を、10%v.v.のウシ胎児血清(FBS)と、1%v.v.のペニシリン/ストレプトマイシン溶液(1,000U.mL-1)とで補充した、DMEM(ダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium))で培養した。細胞を、5%のCO、37℃、95%の湿度大気で維持した。増殖後、これらの細胞を6ウェルプレートのいずれか(1ウェル当たり50,000の細胞)に播種し、基本培地で6時間インキュベートして、細胞付着させた。その後、細胞を、ペプチド14またはペプチド13のいずれかで、48時間インキュベートした。陰性対照は、未処置細胞を含み、ビヒクルのみが投与されたものであった;全RNAを単離し、サンプルを逆転写し、そしてGAPDH、サーチュイン6(SIRT6)、BLM、およびエキソヌクレアーゼ1(EXO1)遺伝子のmRNA発現を、qPCRを使用して判定した。陰性対照群には、ビヒクルのみが投与された。CT値を、2-ΔΔCt法を使用して分析した。平均mRNA発現を、GAPDH(ΔCt)と陰性対照群(ΔΔCt)とに対して正規化した。すべての分析について、個々の3つの実験を、3つの技術的レプリカを使用して実施した。データを、T-検定を使用して分析した。p-値が0.05以下である時に、統計的有意性を特定した(図8A図8C)。
【0129】
pAkt S473は、ペプチド14で処置された表皮サンプル、ならびに真皮サンプルの両方において有意に減少した(それぞれ*p<0.05および**p<0.01)。ペプチド13は、真皮のサンプルにおいてのみ、pAkt S473を減少させた(***p<0.001)(図8A、(パネルA))。UVBおよび老化関連B-ガラクトシダーゼ染色については、染色がUVB曝露後に常に増加することが観察された。さらに、ペプチド14およびペプチド13の両方は、UVB曝露サンプルにおいて染色を減少させた(***p<0.001)。ペプチド14は、特に、処置されたサンプルにおけるSIRT6およびBLM発現の増加をもたらした(*p<0.05)(図8A図8C)。
【0130】
実施例9
健康な高齢のドナーから単離されたヒト初代線維芽細胞およびケラチノサイトを使用して、ヒトの皮膚等価物を構築した。それらの皮膚等価物を、0.01%w.v.のペプチド14で5日間処置し、そして表皮厚さに応じて特徴評価し、それらを総表皮面積に応じて定量化した。陰性対照は、製剤のみで処置された。例示的な組織画像は、図9のパネルAに示される。個々の3つの実験を、3つの技術的レプリカを使用して実施した。データを、t-検定を使用して分析した。p-値が0.05以下である時に、統計的有意性を特定した(図9のパネルB)。
【0131】
ヒトの皮膚の等価物のペプチド14処置は、未処置の対照と比較して、表皮厚さの増加を促進(**p<0.01)し、皮膚表皮に対する、ポリペプチドの有益な効果を示唆している(図9)。
【0132】
実施例10
アミノ酸配列ETAKHWLKGI(配列番号:1)およびATAKAWLKGI(配列番号:2)を有するポリペプチドの、予測される3次元構造を水中で判定した。構造予測は、図10A、(パネルA)(配列番号:1)および図10B、(パネルB)(配列番号:2)に示される。構造を重ね合わせて(図10C、(パネルC))、構造の類似性を示した。
実施例11
ペプチド14の外用適用製剤を、ナイアシン、ビタミンE、少なくとも1つの防腐剤、少なくとも1つの乳化剤、および50~150μMのペプチド14を含んで作り出す。外用製剤をヒトの皮膚に適用し、結果として、しわの外観を減少させた。
【0133】
実施例12
ペプチド14の外用適用製剤を、ナイアシン、ビタミンE、少なくとも1つの防腐剤、少なくとも1つの乳化剤、および75~100μMのペプチド14を含んで作り出す。外用製剤をヒトの皮膚に適用し、結果として、しわの外観を減少させた。
【0134】
実施例13
例示的な外用適用製剤は、以下の表4に示される。外用製剤をヒトの皮膚に適用し、結果として、しわの外観、皮膚の色調(均一性)、毛穴の外観、質感および滑らかさの外観、堅固さ、弾力、および全体的な外観の少なくとも1つを減少させた。製剤中のポリペプチドは、本明細書に開示されるポリペプチドの少なくとも1つを含む。
【0135】
【表4】
【0136】
実施例14
ペプチド14を含む例示的な外用適用製剤は、以下の表5に示される。外用製剤をヒトの皮膚に適用し、結果として、しわの外観、皮膚の色調(均一性)、毛穴の外観、質感および滑らかさの外観、堅固さ、弾力、および全体的な外観の少なくとも1つを減少させた。製剤中のポリペプチドは、ペプチド14を含む。
【0137】
【表5】
【0138】
実施例15
3次元のインビトロ皮膚モデルおよびエクスビボのヒトの皮膚サンプルを、ペプチド14での処置後に皮膚老化について評価した。
【0139】
インビトロの3D皮膚モデル:3D皮膚モデルを、Pennacchi,P.C.等、Glycated Reconstructed Human Skin as a Platform to Study the Pathogenesis of Skin Aging. Tissue Eng. Part A 21, 2417-2425, 2015に記載される調製に基づく改変方法を使用して調整した。簡潔に言えば、繊維芽細胞が埋め込まれたI型コラーゲンゲルに対して、ゲル上部に正常なヒト表皮ケラチノサイト(NHEK)を播種し、そして、NHEKが単層に到達するように、24時間培養した。その後、NHEKを有する上部のゲルを気液界面に上昇させ、そしてさらに10日間培養して、表皮を角質化させた。ペプチド14を培養培地に添加することによって、ゲルを12.5μMのペプチド14で処置した。
【0140】
エクスビボのヒトの皮膚モデル:健康なヒトドナーからの皮膚サンプルを、ZenBio (Research Triangle, NC)から取得し、そして、10%(v/v)のFBSで補充された、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)(Invitrogen,Carlsbad,CA)を使用して、気液界面培養で維持した。皮膚サンプルを、1日目および3日目に、対照ビヒクル、または培地中の12.5μMのペプチド14のいずれかで処置した。5日後、サンプルを採取し、そして組織学用ホルマリンに固定するか、またはDNA単離のために使用した。
【0141】
DNAメチル化分析:分子DNA年齢とも呼ばれる、予測生物学的年齢を、3D皮膚モデルサンプルおよびエクスビボのヒトの皮膚生検サンプル中の、DNAメチル化のレベルから判定した。完全なDNAサンプルを、QIAampのDNAミニキット(Qiagen)を使用して、製造者指示に従って、サンプルから取得した。DNAメチル化評価を、皮膚老化のマーカーとして、ヒト用Illumina Infinium EPIC 850Kチップを使用して行った。DNAサンプルは、:i)未処置の対照とみなされた4つの生検サンプル(同じドナーからのもの)、ii)12μMのペプチド14で処置された4つの皮膚生検サンプル(同じドナー)、iii)未処置の対照とみなされた3つの3D皮膚サンプル(各サンプルは、1人のドナーからの3つの皮膚をプールしたものであり、合計3人のドナーになる)、iv)12μMのペプチド14で処置された3つの3D皮膚サンプル(各サンプルは、1人のドナーからの3つの皮膚をプールしたものであり、合計3人のドナーになる)、を含んでいた。画像の生データを、preprocessRaw()と、その後にpreprocessSWAN()のコマンドを使用して処置した。その後、メチル化シグナル(M-値)を、ratioConvert()を使用して割合に、次にgetBeta()を使用してベータ値に変換し、すべての機能は、「minfi」(登録商標)パッケージに実装されている。ベータ値は、「watermelon」パッケージによって実装されたベータを正規化する分位数であるbetaqn()メソッドを使用して正規化し、そして、「minfi」(登録商標)パッケージに実装されている「preprocessQuantile」正規法を使用して正規化した。正規化されたベータ値を、年齢推定に使用した。
【0142】
統計分析:データを、シャピロ-ウィルク検定(Shapiro-Wilk test)によって正規分布用にテストした。2を超える群を比較した場合には、一元配置分散分析を実施し、その後にボンフェローニ多重比較テストを行った。対のサンプルを比較する場合には、対のt-検定を行った。p=<0.05を、統計的に有意であるとみなした。統計分析を、GraphPad Prism(GraphPad software)またはRソフトウェアを使用して実施した。
【0143】
結果:インビトロの3D皮膚モデルおよびエクスビボのヒトの皮膚サンプルは、5日間のペプチド14による処置後に皮膚老化の減少を示し、それは図11A、11B、および11Cに示される通りである。図11Aは、5日間にわたり、ペプチド14無し(対照)で、および12.5μMのペプチド14で培養された、3D皮膚等価物(上部列)およびエクスビボの皮膚生検サンプル(底部列)についての、ヘマトキシロン・エオシン(H&E)染色された組織画像を示す。ペプチド14で処置された3D皮膚等価物およびエクスビボの皮膚サンプルは、一般に、類似した表皮厚さ、または未処置の対照サンプルよりも厚い表皮厚さを示した。図11Bは、12.5μMのペプチド14で処置された3D皮膚モデルサンプル(処置)について、分子DNA年齢とも呼ばれる予測年齢が、未処置の対照(ctrl)であるサンプルの予測年齢よりも低かったことを示す。未処置の3D皮膚モデルに対する予測年齢の平均は約80であったが、一方で、ペプチド14処置の3D皮膚モデルに対する予測年齢の平均は約66であった(t-検定ではp=0.25)。図11Cは、12.5μMのペプチド14で処置されたエクスビボの皮膚生検の予測年齢が、未処置の対照(ctrl)であるサンプルの予測年齢よりも低かったことを示す。エクスビボの皮膚生検サンプルに対する予測年齢の平均は約71であったが、一方で、ペプチド14処置のエクスビボの皮膚生検サンプルに対する予測年齢の平均は約68であった(**p<0.01)。
【0144】
実施例16
脊椎動物では、メラニン細胞と呼ばれる特殊細胞が、通常メラニンを生成する。MeWo細胞は、ヒト不死化メラニン細胞系であり、それはレチノイン酸受容体を発現する後期分化(late differentiated)メラニン細胞を表わし、また、メラニン形成のインビトロ調査のための実験モデルを提供し得る。インビトロモデルのメラニン形成としてのMeWo細胞の使用に関する追加的な説明は、Schadendorf等,1994. Retinoic Acid Receptor-gamma-selective Retinoids Exert Antiproliferative Effects on Human-melanoma Cell-growth In-vitro. International Journal of Oncology. Doi:10.3892/Ijo.5.6.1325、および、Malaspina等,Depigmenting potential of lichen extracts evaluated by in vitro and in vivo tests. PeerJ 8:e9150 https://doi.org/10.7717/peerj.9150に確認することができる。
【0145】
ペプチド14がメラニン細胞の色素脱失を促進するか否かをテストするために、MeWo細胞を、10%v/vのFBSと、1%v/vのペニシリン/ストレプトマイシン溶液(1,000U.mL-1)とで補充したDMEMにおいて、5%のCO、37℃、および95%の湿度で培養した。実験条件の1つによる処置前の2週間(前処置)、MeWo細胞を、イソブチルメチルキサンチン(IBMX)で培養して、メラニン合成を刺激した。MeWo細胞を、1ウェル当たり1,000,000細胞で6ウェルプレートに6時間播種した後、細胞を、実験条件の1つで7日間培養し、そして細胞内メラニン含有量および上清メラニン含有量について分析した。
【0146】
実験条件は陽性対照群、陰性対照群、ペプチド14(IBMX)7d群、およびレチノイン酸(IBMX)7d群を含んでいた。陰性対照群は、前処置期間中に2週間、25μMのIBMXで刺激し、そしてその後、実験のためのプレーティング後に未処置のまま7日間おいて、ビヒクルのみを投与した。陽性対照群は、全実験中、つまり前処置期間中の2週間、および処置期間中の7日間、25μMのIBMXでインキュベートしたMeWo細胞を含んでいた。ペプチド14(IBMX)7d群は、前処置期間中の2週間、25μMのIBMXでインキュベートし、そしてその後、25μMのIBMXと3.12μMのペプチド14とで7日間処置したMeWo細胞を含んでいた。レチノイン酸(IBMX)7d群は、前処置期間中の2週間、25μMのIBMXでインキュベートし、そしてその後、25μMのIBMXと2μMのレチノイン酸とで7日間処置したMeWo細胞を含んでいた。
【0147】
処置後、細胞ペレットおよび細胞培養上清におけるメラニン含有量を、492nmでのサンプルの吸光度によって評価した。細胞ペレットを、トリプシン処置によって調製し、カウントし、そして16時間、200μLの1MのNaOH中でインキュベートした(Matsuda等,2004; Yoo等,2007)。10分間の1.2×gの遠心分離後に、細胞培養上清を取得した。データを、相対的なメラニン含有量、特定の波長(492nm)でのサンプルの吸光度を同じ波長の陰性対照サンプルの吸光度に対して正規化したものとして、表わす。3つの技術的レプリカを含む3つの個々の実験を実施した。統計的有意性が検出された時に、データを、ANOVAおよびボンフェローニ事後比較テストを使用して分析した。統計的に有意なp-値は、群間で、p<0.05に対して*;P<0.01に対して**;P<0.001に対して***;p<0.0001に対して****で、記される。
【0148】
図12Aに示される通りの細胞ペレット中で、および図12Bに示される通りの細胞上清中で、陽性対照群、陰性対照群、およびレチノイン酸処置群と比較して、ペプチド14処置は、相対的なメラニン含有量の有意な減少を促進した。図12Aに示される通りの細胞ペレットでは、陽性対照は、陰性対照群の約170%の相対的メラニン含有量(****p<0.0001)を有し、そしてレチノイン酸処置群は、陰性対照群の約125%の相対的メラニン含有量(**p<0.01)を有し、その一方で、ペプチド14処置は、陰性対照群の約90%の相対的メラニン含有量(***p<0.001)、または陰性対照群より低い相対的メラニン含有量を有していた。図12Bに示される通りの細胞培養上清では、陽性対照およびレチノイン酸処置群は、陰性対照群に非常に類似した相対的メラニン含有量を有し、その一方で、ペプチド14処置は、陰性対照群の約70%の相対的メラニン含有量(*p<0.05)、または陰性対照群より低い相対的メラニン含有量を有していた。
【0149】
このことは、ペプチド14が、様々なメラニン形成関連疾病を低下させるための用途を有し得ることを示し、その例は、しみ、皮膚炎症によって引き起こされた皮膚色素過剰、ホルモン変化、老化、日光曝露、および慢性病巣を含むがこれらに限定されない。さらに、ペプチド14は、現在アンチエイジングスキンケア用の代表的な分子と考えられているレチノイン酸よりも、性能が良いようであった。
【0150】
実施例17
皮膚はしばしばリバウンド皮膚色素過剰を経験することがあり、この時、色素沈着がライトニング処置(lightening treatment)の停止後の皮膚に再建される。ペプチド14の色素脱失効果が、ペプチド14処置を中止した後にも残っているか否かをテストするために、MeWo細胞を、10%v/vのFBSと、1%v/vのペニシリン/ストレプトマイシン溶液(1,000U.mL-1)とで補充したDMEMにおいて、5%のCO、37℃、および95%の湿度で培養した。実験条件の1つによる処置前の2週間(前処置)、MeWo細胞を、イソブチルメチルキサンチン(IBMX)で培養して、メラニン合成を刺激した。MeWo細胞を、1ウェル当たり1,000,000細胞で6ウェルプレートに6時間播種した後、細胞を、実験条件の1つで14日間培養し、そして細胞内メラニン含有量および上清メラニン含有量について分析した。
【0151】
実験条件は陽性対照群、陰性対照群、ペプチド14(IBMX)14日群、レチノイン酸(IBMX)14日群、ペプチド14(IBMX)7日目中断群、およびレチノイン酸(IBMX)7日目中断群を含んでいた。陰性対照群は、前処置期間中に2週間、25μMのIBMXで刺激し、そしてその後、実験のためのプレーティング後に未処置のまま14日間おいて、ビヒクルのみを投与した。陽性対照群は、全実験中、つまり前処置期間中の2週間、および処置期間中の14日間、25μMのIBMXでインキュベートしたMeWo細胞を含んでいた。群の中には、7日間または14日間25μMのIBMXならびに3.12μMのペプチド14の両方で処置したものや、あるいは(7日間または14日間)25μMのIBMXならびに2μMのレチノイン酸で処置したもの両方があった。ペプチド14(IBMX)14日群は、前処置期間中に25μMのIBMXで2週間インキュベートし、その後に25μMのIBMXと3.12μMのペプチド14とで14日間処置したMeWo細胞を含んでいた。レチノイン酸(IBMX)14日群は、前処置期間中に25μMのIBMXで2週間インキュベートし、その後に25μMのIBMXと2μMのレチノイン酸とで14日間処置したMeWo細胞を含んでいた。ペプチド14(IBMX)7日群は、前処置期間中に25μMのIBMXで2週間インキュベートし、その後に25μMのIBMXと3.12μMのペプチド14とで7日間のみ処置し、そして25μMのIBMXのみで追加的に7日間培養したMeWo細胞を含んでいた。レチノイン酸(IBMX)7日群は、前処置期間中に25μMのIBMXで2週間インキュベートし、その後に25μMのIBMXと2μMのレチノイン酸とで7日間のみ処置し、そして25μMのIBMXのみで追加的に7日間培養したMeWo細胞を含んでいた。
【0152】
処置後、細胞ペレットおよび細胞培養上清におけるメラニン含有量を、492nmでのサンプルの吸光度によって評価した。細胞ペレットを、トリプシン処置によって調製し、カウントし、そして16時間、200μLの1MのNaOH中でインキュベートした(Matsuda等,2004; Yoo等,2007)。10分間の1.2×gの遠心分離後に、細胞培養上清を取得した。データを、相対的なメラニン含有量、特定の波長(492nm)でのサンプルの吸光度を同じ波長の陰性対照サンプルのサンプル吸光度の細胞数に対して正規化したものとして、表わす。細胞増殖は14日の期間において有意であり、この実験においてのみ、メラニン含有量データを各群内のサンプル中の細胞数に対して正規化した。3つの技術的レプリカを含む3つの個々の実験を実施した。統計的有意性が検出された時に、データを、ANOVAおよびボンフェローニ事後比較テストを使用して分析した。統計的に有意なp-値は、群間で、p<0.05に対して*;P<0.01に対して**;P<0.001に対して***;p<0.0001に対して****で、記される。
【0153】
加えて、チロシナーゼ、メラニン細胞誘発転写因子(MITF)、およびドーパクロムトートメラーゼ(DCT)を含む、メラニン形成に関与するキーとなる遺伝子のmRNAレベルを分析した。
【0154】
図13Aに示される通りの細胞ペレット中で、および図13Bに示される通りの細胞上清中で、陽性対照群およびレチノイン酸処置群と比較して、ペプチド14処置は、相対的なメラニン含有量の有意な減少を促進した。図13Aに示される通りの細胞では、陽性対照は、約130%の相対的メラニン含有量を有し、そしてレチノイン酸14日処置群は、約130%の相対的メラニン含有量を有し、その一方で、ペプチド14の14日処置群は、陰性対照群の約90%の相対的メラニン含有量、または陰性対照群より低い相対的メラニン含有量を有していた。ペプチド14の7日処置群は、約40%の相対的メラニン含有量を有し、これは、実験群の中で最低の相対的メラニン含有量であった。レチノイン酸の7日処置群は、約90%の相対的メラニン含有量を有していた。図13Bに示される細胞培養上清では、陽性対照は、約110%の相対的メラニン含有量を有し、その一方で、レチノイン酸の14日処置群およびペプチド14の14日処置群は、約50%の相対的メラニン含有量を有していた。レチノイン酸の7日処置群およびペプチド14の7日処置群は、約100%の相対的メラニン含有量を有していた。
【0155】
メラニン形成関連遺伝子のmRNAレベルは、図14A、14B、および14Cに示される。ペプチド14処置は、結果として、チロシナーゼ、MITF、およびDCT遺伝子の発現の有意な減少をもたらすようであり、その減少は、レチノイン酸処置群のmRNAレベルよりも低いか、または少なくともそれと同様である。図14Aに示される通り、他の実験群と比較して、チロシナーゼの相対的発現レベルは、ペプチド14の14日処置群について最低となった。図14Bに示される通り、MITFの相対的発現レベルは、ペプチド14の14日処置群およびレチノイン酸14日処置群について最低となった。図14Cに示される通り、他の実験群と比較して、DCTの相対的発現レベルは、ペプチド14の14日処置群およびペプチド14の7日処置群について最低となった。
【0156】
このことは、ペプチド14が、メラニン形成を低下させることができ、そして、ペプチド14処置を中止した後も、より低いメラニン形成をもたらし続けることができることを示す。さらに、ペプチド14は、現在アンチエイジングスキンケア用の代表的な分子と考えられているレチノイン酸よりも、性能が良いようであった。
【0157】
実施例18
ペプチド13およびペプチド14処置のヒトの皮膚モデルおよび皮膚形態に及ぼす影響をテストするために、健康な高齢者ドナー(71歳、84歳、および90歳)から単離されたヒト初代線維芽細胞およびケラチノサイトを使用して、ヒトの皮膚等価物を構築した。皮膚等価物を、0.01%w/v(または1μM)のペプチド13またはペプチド14で5日間処置した。陰性対照は、製剤のみで処置された。5日間の培養物後、皮膚等価物を、表皮厚さにについて分析し、それらを総表皮面積に応じて定量化した。いくつかのパラメータに基づく品質評価が、盲検による分析者によって行われた。観察されたパラメータは、細胞層の一般的な組織、ならびにとりわけ角質層の厚さを含み、そしてそれらは、老化および老化レベルと共に減少することが示された。評価は、最高スコアが28であり、ここで、より高いスコアが年齢と老化の減少と相関を有している。19の最低スコアが、バッチ使用のために必要であった。このスコアは内部で検証を行い、そして、皮膚等価物または培養細胞の年齢/老化と共に減少することが示された。個々の3つの実験を、3つの技術的レプリカを使用して実施した。データを、t-検定を使用して分析した。p-値が0.05以下である時に、統計的有意性を特定した。統計的に有意なp-値は、群間で、p<0.05に対して*;P<0.01に対して**;P<0.001に対して***;p<0.0001に対して****で、記される。
【0158】
図15Aは、ビヒクルのみ(対照)、ペプチド13、またはペプチド14で処置されたインビトロのヒトの皮膚モデルのH&E染色された組織画像を示す。ペプチド13またはペプチド14で処置されたヒトの皮膚モデルは、一般に、未処置の対照サンプルに対して、(画像の上部のダークグレイ層によって示される、またはH&Eによってブライトピンクに染色されている)角質層と、(画像の中央部のミディアムグレイ層によって示される、またはH&Eによって紫色に染色されている)表皮層の厚みと同様、またはそれらより増加していることを示す。図15Bは、ビヒクルのみ(対照)、ペプチド14、またはペプチド13で処置された、ヒトの皮膚モデルの組織学的スコアの平均を示し、それらはそれぞれ、21.00、23.83、および23.44であった。組織学的スコアは、ペプチド13またはペプチド14で処置されたサンプルについてのものが、陰性対照についてのものより高かった。ペプチド13またはペプチド14を使用する皮膚サンプルの処置は、表皮の厚さおよび表皮のバリアによって評価された通り、皮膚形態を改善するようであった。
【0159】
実施例19
ペプチド14による皮膚深度への浸透レベルを試験するために、拡散試験を、フランツ型セルを使用し、そしてエクスビボの皮膚培養サンプル上で実施した。女性ドナー(79歳)の腹からの新鮮なヒトの皮膚を、~2.5cm×2.5cmの小片に切断した。
【0160】
フランツ型セル試験では、皮膚を、0.01%のペプチド14を含む10μLの製剤化されたクリームで処置し、そして、5mmの直径の接触エリア(0.2cm)でフランツ型セルに置いた。受容体チャンバは、pH7.4の、2mLのPBSを有していた。フランツ型セルを、32℃で24時間、撹拌下で維持した。
【0161】
エクスビボ皮膚培養試験では、皮膚を、0.01%のペプチド14(合計で、200ngのペプチド14)を含む2μLの製剤化されたクリームで処置した。その後、皮膚サンプルを、底部のDMEM培地との気液界面に置き、37℃で24時間維持した。
【0162】
24時間後、皮膚上の余分な製剤をティッシュペーパーで取り除き、皮膚サンプルをPBS中で4回洗浄した。周囲の皮膚もすべて取り除いた。皮膚を、その後、60℃で1-2分間インキュベートして、真皮から表皮を分離した。受容体チャンバ(2mL)中のPBS、表皮層、および真皮層を収集し、さらなる分析まで-80℃で凍結させた。真皮層をペプチド14に対して質量分析で分析して、真皮に浸透したペプチド14の量を判定した。
【0163】
フランツ型セル試験では、適用されたペプチド14の約1.37%~2.60%を、真皮層で確認した。エクスビボのヒトの皮膚培養試験では、適用されたペプチド14の約1.94%~1.96%を、真皮層で確認した。ペプチド14が皮膚の表面に局所的に適用された時、真皮に浸透したペプチド14はわずかであったか、または全く浸透しなかった。このことは、外用適用によって達成されるペプチド14の皮膚浸透が、非常に低いものから最小限であることを実証している。
【0164】
実施例20
臨床試験をヒト対象に対して実施し、顔に対するペプチド14の外用適用の効果を評価した。この試験は、IRB委員会によって承認された。22のヒト対象が臨床試験に参加し、そして2つの製品を、顔の各々の側面に1つずつ使用するように依頼された。顔の右面で、対象は、製剤のみを含む陰性対照を使用した。顔の左面で、対象は、0.01%のペプチド14を含む処置製剤を使用した。対象は、製品の使用を開始する前(ベースライン)、および、顔のそれぞれの側面に製剤を毎日外用適用してから6週間後および12週間後に、評価を受けた。皮膚水分量、経皮水分損失(TEWL)、皮膚厚さとエコー輝度、皮内分析、皮膚粘弾性特性、および皮膚表面プロファイルの以下に詳述される様々な評価基準を使用して、線/しわの外観、皮膚の色調(均一性)の外観、毛穴の外観、質感/滑らかさの外観、堅固さ(視覚的)、弾力(触覚的)、および全体的な外観について、顔の皮膚に対する外用ペプチド14適用の効果を評価した。
【0165】
臨床専門家による格付け 有効性に対する格付け:視覚的評価および触覚的評価を、10cmの視覚的アナログスケール(Visual Analog Scales)(VAS)を使用して、ベースライン、6週目、および12週目で、顔の両面で実施した。以下のパラメータ:細かい線/しわ、皮膚の色調(色の均一性)、質感/滑らかさ(視覚的)、堅固さ(視覚的)、弾力(触覚的)、皮膚の毛穴、輝き/光度、および全体的な外観を、以下に詳述される機器および方法を使用して評価した
【0166】
コルネオメータ(Corneometer):Corneometer CM825(Courage + Khazaka, Germany)を使用して、皮膚の静電容量を測定することによって、皮膚水分量/水和性を評価した。測定を、ベースライン、6週目、および12週目に、顔の両面で3回行い、平均化した。テストサイトマップを使用して、各測定で同じ位置が確実に測定されるようにした。
【0167】
バポメータ(VapoMeter):VapoMeter(Delfin Technologies Ltd., Finland)で、相対湿度と温度を測定するセンサーを備えた密閉円筒チャンバを使用して、皮膚の経皮水分損失(TEWL)を測定する。TEWL率の変化は、バリア破壊または完全性の評価基準を提供し、それによって、皮膚の完全性に対するペプチド14の効果の指標を提供する。すべての対象が、バポメータの測定を、ベースライン、6週目、および12週目に、顔の両側で2回行い、平均化した。評価位置を、各対象の身体マップ上に記録した。
【0168】
超音波-DermaScan(Ultrasound-DermaScan):DermaScan C USB(Cortex Technology ApS, Hadsund, Denmark)は、コンパクトな高解像度超音波スキャナーである。すべての対象が、ベースラインと12週目に、顔の両側で超音波評価を受けた。評価の位置は、各評価に対して同じで行われ、顔マップ上に記録された。超音波スキャンの取得後、それらを皮膚厚さ(密度)およびエコー輝度について分析した。
【0169】
SIAスコープ(SIAScope):COSMETRICS(商標)SIAScope(Astron Clinical, Toft, UK)は、分光光度法皮内分析(Spectrophotometric Intracutaneous Analysis)(SIA)または発色団マッピング(chromophore mapping)を使用する、非侵襲的な光学皮膚撮像機器である。皮膚コラーゲンおよびヘモグロビンを、ベースライン、6週目、および12週目に、顔の両側で測定した。
【0170】
Cutometer:Cutometer MPA 580(Courage + Khazaka, Germany)は、皮膚の粘弾性特性(堅固さと弾力)を測定するものであり、皮膚表面に吸引力を加えることによってプローブの開口部に皮膚を引き込み、そして光学測定システムを使用して浸透深度を判定する。測定を、ベースライン、6週目、および12週目に、顔の両側で行った。同じ位置を各時点で測定し、そして顔マップを使用して記録した。測定は、堅固さ、弾力、および正味弾力(net elasticity)を含んでいた。
【0171】
VISIA-CR:写真による文書化を、複数の照明モードで高解像度画像を捕捉する、VISIA-CR撮像システム(Canfield Scientific, Paramus, NJ, USA)を使用して行った。写真を、ベースライン、6週目、および12週目に、中央、右側面図、および左側面図について、標準1および平行偏光で捕捉した。
【0172】
ANTERA 3D(登録商標):Antera 3D(登録商標)(Miravex、Ireland)は、皮膚形状測定、マルチスペクトル分析、および色彩測定を組み合わせて、3次元での皮膚表面の再構築とその後の画像分析とを提供する機器である。画像を、ベースライン、6週目、および12週目に、すべての対象の左右の目尻のしわの領域で捕捉した。同じ位置を各時点で測定し、そして顔マップを使用して記録した。画像を、手触り、幅、および線/しわ深度について分析した。
【0173】
専門家による臨床的格付け
【0174】
6週目および12週目の、ベースラインに対する比較
【0175】
ペプチド14製剤:ベースラインにおけるペプチド14で処置された顔の左側の平均スコアを、その後の時点と比較すると、6週目で臨床的格付けにおいて統計的に有意な改善が明らかとなり、それは、線/しわの外観、肌の色調(均一性)の外観、毛穴の外観、質感/滑らかさ、堅固さ(視覚的)、弾力(触覚的)、および全体的な外観について、12週目まで継続した。さらに、ペプチド14で処置された顔の左側のベースラインと比較して、12週目に、輝き/光度の外観が統計的に有意に改善した。
【0176】
対照製剤:ベースラインにおける陰性対照製剤で処置された顔の右側の平均スコアを、その後の時点と比較すると、6週目で臨床的格付けにおいて統計的に有意な改善が明らかとなり、それは、線/しわの外観、肌の色調(均一性)の外観、毛穴の外観、質感/滑らかさ、堅固さ(視覚的)、弾力(触覚的)、輝き/光度、および全体的な外観について、12週目まで継続した。
【0177】
ペプチド14処置の、陰性対照に対する比較(顔の左側対右側)
【0178】
ペプチド14処置の、処置時間についての、陰性対照に対する比較
【0179】
ベースライン(処置前)と比較した時、ペプチド14で処置された顔の左側は、測定のいくらかで、陰性対照で処置された顔の右側よりも、よく見えた。ペプチド14で処置された顔の左側は、陰性対照で処置された顔の右側よりも、6週目でコルネオメータ測定によるより高レベルの皮膚水和性と、SIAスコープ測定によるより高レベルのコラーゲンレベルを有し、そして、6週目でバポメータ測定によるより良いTEWL(経上皮水分損失)の改善を呈した。ペプチド14で処置された顔の左側と、陰性対照製剤で処置された顔の右側との間で、皮膚厚さ(密度)とエコー輝度に関するDermascan評価および皮膚全体の外観に関するVisia評価について、有意差は見られなかった。ペプチド14で処置された顔の左側は、陰性対照製剤で処置された顔の右側よりも、12週目で、質感(荒れ)について、より良いAntera測定値を呈する。
【0180】
0.01%のペプチド14を含む外用クリームを使用する22人の患者の12週間後の結果を、分析した。図16は、ベースライン(左、ベースライン)および処置12週間後(右、12週間)の、ペプチド14で処置された顔の左側の例を示す。0.01%のペプチド14で12週間処置されたものは、ベースライン時点と比較して、線およびしわの外観が減少し、そして滑らかさ、皮膚の色調(均一性)、質感/滑らかさ、および全体的な外観が改善したようである。
【0181】
盲検による専門家の意見の分析を実施して、すべての対象のうち、改善を示す患者のパーセントと、平均改善パーセント(MPI)とを判定し、MPIは、ベースライン(処置前)と比較した平均改善パーセントを表す。分析から、患者の87%が皮膚のしわの外観が減少したと評価され(MPI:3.3%)、90%が皮膚の弾力が改善したと評価され(MPI:4.75%)、および、95.5%が皮膚の均一性(MPI:4.4%)、輝き(MPI:5.06%)、毛穴の外観(MPI:4.58%)、および堅固さ(MPI:5.43%)が改善したと評価されたことを確認した。対象はすべて、より良い皮膚の質感/滑らかさ(MPI:7.46%)、およびより良い全体的な外観(MPI:6.17%)を呈するものと評価された。
【0182】
対象の顔を様々な機器によって評価して、すべての対象のうち、改善を示す患者のパーセントと、平均改善パーセント(MPI)とを判定し、MPIは、ベースライン(処置前)と比較した平均改善パーセントを表す。機器による評価から、バポメータの評価によって、対象の81%がより良い皮膚バリアを有していたことを確認した(MPI:14.19%)。対象の73%は、Antera評価によって、皮膚荒れの改善を呈した(MPI:5.05%)。対象の73%は、VISIA評価によって、皮膚の輝きの改善を呈した(MPI:16.63%)。
【0183】
対象による認知についても評価した。対象による認知についての分析では、80%を上回る対象が、ペプチド14を含む製剤が、より良い皮膚の外観、より良い皮膚の質感、より良い皮膚の堅固さ、およびより良い水和性を促進すると考えていた。対象の78%は、皮膚の輝きの改善に気付いた。
【0184】
実施例21
本明細書に開示されるポリペプチドの少なくとも1つを含む外用製剤は、ヒトの皮膚上で使用される。製剤は、朝と夕方に顔および/または首の清潔で乾燥した肌に、滑らかな層として適用するように指示されている。製剤は、化学的に製剤化された毎日必須の外用サプリメントであり、皮膚の回復力を改善し、かつ皮膚の永続的な健康のための表皮バリアを強化する。
【0185】
実施例22
ユーザは、ポリペプチドの少なくとも1つを含む本明細書に記載の外用製剤を、顔および/または首に適用する。ユーザはまた、外用製剤の適用後に、UVブロッカーを含む他の外用製剤を適用する。
【0186】
実施例23
ユーザは、ポリペプチドの少なくとも1つを含む本明細書に記載の外用製剤とUVブロッカーとを、顔または首に適用する。外用製剤を、ユーザの身体の皮膚に適用してもよい。
【0187】
実施例24
高齢のドナー(71歳、84歳、または90歳)からの細胞で構築されたサンプルの3D皮膚等価物セクションを、1μMのペプチド14またはペプチド13、あるいは20μMのレチノイン酸(RA)で処置し、そして、老化、加齢、および健康に関する様々なマーカーの様々な処置の効果について評価した。
【0188】
図17は、対照、ペプチド14、ペプチド13、またはレチノイン酸で処置された、3D皮膚等価物の表皮(Epi)層および真皮(Der)層の、p16、BLIMP1、ZYG11B、IL-8、Ki-67、ZIC1、MMP1、HAS2の相対的mRNA発現レベルを示す。データを、GAPDHおよび未処置の対照に対して正規化した2-ddCtとして提示する。*p<0.05。ペプチド13およびペプチド14による処置サンプルは、一般に、表皮層中のp16、BLIMP1、ZYG11B、IL-8、およびKi-67について、および真皮層中のp16、MMP1、HAS2、IL-8、およびKi-67について、同様の相対的mRNA発現レベルを有していた。ペプチド13およびペプチド14による処置サンプルは、一般に、表皮層中のp16、BLIMP1、ZYG11B、IL-8について、および真皮層中のp16、MMP1、IL-8、およびKi-67について、RAによる処置サンプルよりも低い相対的mRNA発現レベルを有していた。ペプチド13およびペプチド14による処置サンプルは、一般に、表皮層中のKi-67、および真皮層に対するHAS2について、RAによる処置サンプルよりも高い相対的mRNA発現レベルを有していた。ペプチド13およびペプチド14による処置サンプルは、真皮層に対するZIC1およびKi-67について、RAによる処置サンプルと同様の相対的mRNA発現レベルを有していた。
【0189】
実施例25
セノ治療戦略は、インビボにおいて、健康寿命および寿命の延長と関連付けられ得る。ペプチド14が、健康寿命と寿命の延長を促進するか否かを評価するために、シノラブディス・エレガンス線虫(Caenorhabditis elegans worm)を使用した。ペプチド14を、1μMまたは2μMの異なる濃度で、線虫培地(M9緩衝液培地)に添加した。陰性対照の線虫には、ビヒクルのみが投与された。2つの健康寿命パラメータを評価し、それらは、i)咽頭部のポンピング、およびii)線虫の動き、であった。寿命も判定した。咽頭部のポンピング分析については、15匹の線虫を、咽頭の動き(ポンピング)について毎日観察し、20秒間カウントした。この実験は、異なる日に動物の異なる集団を使用して、2人の異なる盲検による観察者によって、3回繰り返された。統計的な差異を、一元配置分散分析(One-Way ANOVA)およびダネット事後比較テスト(Dunnet’s post hoc test)によって、個々のそれぞれの時点を分析することによって検知した。すべての群を、HO群と比較した。線虫の動きに関する分析については、スラッシング運動(thrashing)とも呼ばれる線虫の基本的な動きを、毎日15匹分測定した。観察時間は、30秒であった。実験は、異なる日に線虫の異なる集団を使用して、2人の異なる盲検による観察者によって、3回繰り返された。統計的差異を、一元配置分散分析およびダネット事後比較テストによって、個々のそれぞれの時点を分析することによって検出し、そしてすべての群をHO群と比較した。寿命分析については、15匹の線虫を寿命について、最後の線虫が死ぬまで毎日観察した。この実験は、異なる日に線虫の異なる集団を使用して、2人の異なる盲検による観察者によって、3回繰り返された。平均寿命を測定した。統計的差異を、一元配置分散分析およびダネット事後比較テストによって、個々のそれぞれの時点を分析することによって検出し、そしてすべての群をHO群と比較した(図18A-18C)。
【0190】
1μMまたは2μMのいずれかのペプチド14による処置は、スラッシング運動(図18A、(パネルA))、ポンピング(図18B、(パネルB))、および寿命(図18C、(パネルC))を改善させた。スラッシング運動は1日目で有意に改善(*p<0.05)したが、ポンピングはこの日有意に減少した(*p<0.5)。総合すると、データは、健康寿命および寿命の促進に関して、テストされたペプチドの安全性と有効性とを示唆している。例えば、8日目に、スラッシング運動(*p<0.05)およびポンピング(*p<0.05)の両方が、対照と比較してペプチド14で処置された群で増加した。ポンピングは線虫の老化と共に減少し、これは主として筋肉の完全性の損失の結果である。直接測定されてはいないが、線虫の咽頭の肉眼による解剖所見の欠陥(咽頭の湾曲または腫れであり、両方共にこの線虫老化の一般的特徴である)も、HO対照群と比較した時に、1μMのペプチド14群で減少した。線虫の動きの減少は、いずれの時点においても、いずれのサンプルにおいても検出されず、このことは、ペプチドが、テスト濃度では線虫に対して毒性を有していなかったことを示唆している。1μMおよび2μMで使用された時、ペプチド14は、線虫平均寿命の統計的に有意な増加を促進した(1μMのペプチド14 **p<0.01;2μMのペプチド14 *p<0.05)。
【0191】
実施例26
細胞老化のレベルが高いため、早老症患者の皮膚細胞を老化のモデルとして使用した。早老症患者からの初代線維芽細胞を、10%v.v.のウシ胎児血清(FBS)と、1%v.v.のペニシリン/ストレプトマイシン溶液(1,000U.mL-1)とで補充した、DMEM(ダルベッコ変法イーグル培地(Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium))中で培養した。細胞を、5%のCO、37℃、95%の湿度大気で培養した。増殖後、細胞を96ウェルプレート(1ウェル当たり4,000の細胞)に播種し、プレーティング後6時間、500nM、5μM、50μMのポリペプチド配列LKGIL(配列番号:6)またはWLKGI(配列番号:7)でインキュベートした。陰性対照は、未処置細胞を含み、ビヒクルのみが投与されたものであった;インキュベーション後、未処置の対照に対する老化関連β-ガラクトシダーゼ染色の活性によって、およびATRX病巣/核の定量化によって評価された相対的細胞老化を、分析した。3つの技術的レプリカを含む3つの個々の実験(生物レプリカ)を実施した。データを、ANOVAおよびボンフェローニ事後比較テストを使用して分析した。p-値が0.05以下である時に、統計的有意性を特定し、ここで、*p<0.05かつ**p<0.01である。図19A-19Fは、ポリペプチド配列LKGIL(配列番号:6)(図19A図19B図19C)およびWLKGI(配列番号:7)(図19D図19E図19F)の、細胞死を促進することなく細胞老化を減少させる効果を示す。パネルAおよびDでは、Y軸は、未処置の対照に対して正規化された相対的老化レベルを示す。パネルBおよびDでは、Y軸は、未処置の対照に対して正規化された相対的細胞数を示す。パネルCおよびFでは、Y軸は、細胞当たりの平均ATRX病巣蓄積を示す。LKGIL(配列番号:6)での細胞の処置は、5μMおよび50μMで使用された時、未処置の細胞と比較して、老化関連β-ガラクトシダーゼ染色およびATRX病巣/核の平均数を有意に減少させた(β-ガラクトシダーゼ染色に対してはp<0.01、およびATRX病巣/核に対してはp<0.05)。WLKGI(配列番号:7)での細胞の処置は、5μMおよび50μMで使用された時、未処置の細胞と比較して、老化関連β-ガラクトシダーゼ染色レベルを減少させた(5μMに対してはp<0.05、および50μMに対してはp<0.01)。細胞毒性は、テスト濃度では観察されなかった。
【0192】
実施例27
追加的なポリペプチドを、抗老化薬剤としての適合性に対してテストした。細胞を、ポリペプチドの1つでインキュベートした。陰性対照は、未処置細胞を含み、ビヒクルのみが投与されたものであった;インキュベーション後、(陰性対照に対する老化関連β-ガラクトシダーゼ染色の活性として評価される)相対的細胞老化と、陰性対照に対する相対的細胞増殖とを分析した。多くのポリペプチドは、1未満の相対的細胞老化を示し、未処置の陰性対照群よりも細胞老化を減少させ、そして未処置の陰性対照の細胞増殖以上の細胞増殖を維持した。そのようなポリペプチドの例は、表6に示される。
【0193】
さらに、細胞老化に対する表6のポリペプチドの用量依存的効果を試験した。細胞を、1.26μMから50μM(1.26μM、3.12μM、6.25μM、12.5μM、25μM、50μM)に及ぶ様々な量のポリペプチドでインキュベートした。より低用量のポリペプチドでさえ、細胞老化の顕著な減少を確認した。
【0194】
【表6】
【0195】
本発明の好ましい実施形態が本明細書中で示され、そして記載されてきたが、このような実施形態はほんの一例として提供されているに過ぎないことは当業者に明らかであろう。当業者であれば、多くの変更、変化、および置換が、本発明から逸脱することなく思いつくだろう。本明細書に記載される本発明の実施形態の様々な代替案が、本発明の実施に際して利用され得ることを理解されたい。以下の請求項は本発明の範囲を定義するものであり、この請求項とその均等物の範囲内の方法、および構造体がそれによって包含されるものであるということが意図されている。
【0196】
例示的な実施形態
例示的な実施形態の中には、以下のものが含まれる:
【0197】
実施形態1は、LKGIのアミノ酸(配列番号:5)またはそのアナログを含む、単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドを含む、皮膚の処置のための組成物を含み、ここで、ポリペプチドは、最大100のアミノ酸を含む。実施形態2.単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドは、WLKGIのアミノ酸配列(配列番号:7)またはそのアナログを含む、実施形態1の組成物。実施形態3.単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドは、LKGILのアミノ酸配列(配列番号:6)またはそのアナログを含む、実施形態1または実施形態2の組成物。実施形態4.単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドは、少なくとも4つのアミノ酸、10のアミノ酸、15のアミノ酸、または20のアミノ酸を含む、実施形態1-3のいずれか1つの組成物。実施形態5.治療用、栄養補助用、または化粧用賦形剤をさらに含む、実施形態1-4のいずれか1つの組成物。実施形態6.賦形剤は、局所適用のために構成される、実施形態5の組成物。実施形態7.組成物は、ヒトの皮膚への適用のために構成される、実施形態1-6のいずれか1つの組成物。実施形態8.組成物は、クリーム、経皮パッチ、外用パッチ、軟膏、オイル、ゲル、液体、粉末、ローション、血清、エマルジョン、モイスチャライザ、泡、フェースマスク、ムース、エアロゾル、スプレー、洗顔剤、化粧水、またはシャンプーである、実施形態1-7のいずれか1つの組成物。実施形態9.組成物は、食用サプリメントとして構成される、実施形態1-5のいずれか1つの組成物。実施形態10.組成物は、飲料として構成される、実施形態9の組成物。実施形態11.組成物は、グリセリン、スクアレン、ソルビトール、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸誘導体、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムクロスポリマー、ナイアシンアミド、糖タンパク質、ピロリドンカルボン酸(PCA)、リジンHCl、アラントイン、および藻類抽出物からなる群から選択される、少なくとも1つの皮膚用保湿剤を含む、実施形態1-9のいずれか1つの組成物。実施形態12.組成物は、植物オイル、ミネラルオイル、シアバター、カカオバター、ワセリン、脂肪酸、トリグリセリド、ベンゾアート、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、糖脂質、リン脂質、スクアレン、グリセリン、セラミド、および藻類抽出物からなる群から選択される、少なくとも1つの皮膚軟化剤を含む、実施形態1-9のいずれか1つの組成物。実施形態13.植物オイルは、ローズヒップオイル、アンディローバオイル、グレープシードオイル、アボカドオイル、プラムシードオイル、プラカシーオイル、カリコフィラムスプルカナムオイル、アーモンドオイル、およびアルガンオイルからなる群から選択される、実施形態12の組成物。実施形態14.組成物は、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB6、ビタミンB12(シアノコバラミン)、ビタミンB9、葉酸、ナイアシンアミド、またはそれらの誘導体からなる群から選択される、少なくとも1つのビタミンを含む、実施形態1-13のいずれか1つの組成物。実施形態15.組成物は、約500nM~約500μMの、単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドの有効な量を含む、実施形態1-14のいずれか1つの組成物。実施形態16.組成物は、約0.001%~約5%(w/w)の、単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドの有効な量を含む、実施形態1-14のいずれか1つの組成物。実施形態17.組成物は、単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドの、真皮の中への、最大10%の低皮膚透過を達成するように製剤化される、実施形態1-16のいずれか1つの組成物。実施形態18.組成物は、組成物を皮膚上で使用した後に、組成物を使用する前と比較して、皮膚の水分量、経皮水分損失(TEWL)、皮膚厚さとエコー輝度、ユーザの皮膚の皮内分析、皮膚粘弾性特性、または皮膚表面プロファイルの少なくとも1つを改善する、実施形態1-17のいずれか1つの組成物。実施形態19.組成物は、組成物を皮膚上で使用した後に、組成物を使用する前と比較して、ユーザの皮膚の、線/しわの外観、皮膚の色調(均一性)の外観、毛穴の外観、質感/滑らかさの外観、堅固さ(視覚的)、弾力(触覚的)、表皮バリア、皮膚荒れ、皮膚色素過剰、または皮膚の全体的な外観を低下させる、実施形態1-17のいずれか1つの組成物。実施形態20.組成物による皮膚の処置は、皮膚上の老化による影響を低下させるか、または処置する、実施形態1-19のいずれか1つの組成物。実施形態21.組成物による皮膚の処置は、皮膚上の細胞老化による影響を低下させる、実施形態1-20のいずれか1つの組成物。実施形態22.老化による影響は、老化関連β-ガラクトシダーゼ活性レベル、ATRX病巣/細胞の割合、p16発現、IL-8発現、Ki-67発現、ヒアルロン酸合成酵素2発現、マトリックスメタロプロテアーゼ1(MMP1)発現、サーチュイン6(SIRT6)発現、BLM発現、またはエキソヌクレアーゼ1(EXO1)発現の少なくとも1つによって評価される、実施形態20-21のいずれか1つの組成物。
【0198】
実施形態23は、X10のアミノ酸配列、またはそのアナログを含む、単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチド、を含み、ここで、(a)アミノ酸配列は、第1の配列の配列番号:1に対して、少なくとも70%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有し、式中、XはE、XはT、XはK、XはW、XはL、XはG、およびX10はIであり;そして、(i)XはSではなく;または(ii)Xが任意のアミノ酸である場合、XはGではなく;または(iii)Xが任意のアミノ酸である場合、XはNではなく;または(iv)(i)、(ii)、または(iii)のいずれか1つは、随意に、1、2、3、または4の保存的アミノ酸置換を伴い;あるいは、(b)アミノ酸配列は、第2の配列の配列番号:2に対して、少なくとも70%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有し、式中、XはA、XはT、XはA、XはK、XはA、XはW、XはL、XはK、XはG、およびX10はIであり、随意に、1、2、3、または4の保存的アミノ酸置換を伴い;あるいは、(c)アミノ酸配列は、第3の配列の配列番号:3に対して、少なくとも70%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有し、式中、XはK、X2はL、X5は、XはL、XはG、およびX10はAであり;そして、(i)Xが任意のアミノ酸である場合、XはNではなく;または(ii)Xが任意のアミノ酸である場合、XはSではなく;または(iii)Xが任意のアミノ酸である場合、XはLではなく;または(iv)Xが任意のアミノ酸である場合、XはSではなく;そして、または(v)(i)、(ii)、(iii)、または(iv)のいずれか1つは、随意に、1、2、3、または4の保存的アミノ酸置換を伴い;あるいは、(d)アミノ酸配列は、第4の配列の配列番号:4に対して、少なくとも70%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有し、式中、XはW、XはL、XはK、XはG、XはI、XはL、XはR、XはE、XはA、およびX10はAであり、随意に、1、2、3、または4の保存的アミノ酸置換を伴う。実施形態24.アミノ酸配列は、LKGI(配列番号:5)を含む、実施形態23のポリペプチド。実施形態25.アミノ酸配列は、WLKGI(配列番号:7)を含む、実施形態23または実施形態24のポリペプチド。実施形態26.アミノ酸配列は、LKGIL(配列番号:6)を含む、実施形態23-25のいずれか1つのポリペプチド。実施形態27.アミノ酸配列は、配列番号:1の配列に対して、少なくとも70%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有する、実施形態23のポリペプチド。実施形態28.アミノ酸配列は、配列番号:1である、実施形態23のポリペプチド。実施形態29.アミノ酸配列は、配列番号:2である、実施形態23のポリペプチド。実施形態30.アミノ酸配列は、配列番号:3の配列に対して、少なくとも70%、80%、85%、90%、または95%の同一性を有する、実施形態23のポリペプチド。実施形態31.アミノ酸配列は、配列番号:3の配列に対して、少なくとも、80%、85%、90%、または95%の同一性を有する、実施形態23のポリペプチド。実施形態32.アミノ酸配列は、配列番号:3である、実施形態23のポリペプチド。実施形態33.アミノ酸配列は、配列番号:4である、実施形態23のポリペプチド。実施形態34.組み換えられたポリペプチドは、少なくとも10のアミノ酸、15のアミノ酸、または20のアミノ酸、および最大100のアミノ酸を含む、実施形態23-33のいずれか1つのポリペプチド。実施形態35は、少なくとも1つの、実施形態23-34のいずれか1つの、合成された、または組み換えられたポリペプチド、および、治療用、栄養補助用、または化粧用賦形剤を含む、皮膚の処置のための組成物を含む。実施形態36.賦形剤は、局所適用のために構成される、実施形態35の組成物。実施形態37.組成物は、ヒトの皮膚への適用のために製剤化される、実施形態35または実施形態36の組成物。実施形態38.組成物は、クリーム、軟膏、ゲル、液体、オイル、粉末、ローション、血清、エマルジョン、モイスチャライザ、泡、フェースマスク、ムース、エアロゾル、スプレー、洗顔剤、化粧水、外用パッチ、またはシャンプーである、実施形態35-37のいずれか1つの組成物。実施形態39.組成物は、食用サプリメントとして構成される、実施形態35の組成物。実施形態40.組成物は、飲料として構成される、実施形態39の組成物。
【0199】
実施形態41.組成物は、グリセリン、スクアレン、ソルビトール、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸誘導体、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムクロスポリマー、ナイアシンアミド、糖タンパク質、ピロリドンカルボン酸(PCA)、リジンHCl、アラントイン、および藻類抽出物からなる群から選択される、少なくとも1つの皮膚用保湿剤を含む、実施形態35-40のいずれか1つの組成物。実施形態42.組成物は、植物オイル、ミネラルオイル、シアバター、カカオバター、ワセリン、脂肪酸、トリグリセリド、ベンゾアート、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、糖脂質、リン脂質、スクアレン、グリセリン、セラミド、および藻類抽出物からなる群から選択される、少なくとも1つの皮膚軟化剤を含む、実施形態35-40のいずれか1つの組成物。実施形態43.植物オイルは、ローズヒップオイル、アンディローバオイル、グレープシードオイル、アボカドオイル、プラムシードオイル、プラカシーオイル、カリコフィラムスプルカナムオイル、アーモンドオイル、およびアルガンオイルからなる群から選択される、実施形態42の組成物。実施形態44.組成物は、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB6、ビタミンB12(シアノコバラミン)、ビタミンB9、葉酸、ナイアシンアミド、またはそれらの誘導体からなる群から選択される、少なくとも1つのビタミンを含む、実施形態35-43のいずれか1つの組成物。実施形態45.組成物は、約500nM~約500μMの、単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドの有効な量を含む、実施形態35-44のいずれか1つの組成物。実施形態46.組成物は、約0.001%~約5%(w/w)の、単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドの有効な量を含む、実施形態35-44のいずれか1つの組成物。実施形態47.組成物は、約0.001%~約1%の、単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドの有効な量を含む、実施形態35-44のいずれか1つの組成物。実施形態48.組成物は、組成物を皮膚上で使用した後に、組成物を使用する前と比較して、皮膚の水分量、経皮水分損失(TEWL)、皮膚厚さとエコー輝度、ユーザの皮膚の皮内分析、皮膚粘弾性特性、または皮膚表面プロファイルの少なくとも1つを改善する、実施形態35-47のいずれか1つの組成物。実施形態49.組成物は、組成物を皮膚上で使用した後に、組成物を使用する前と比較して、ユーザの皮膚の、線/しわの外観、皮膚の色調(均一性)の外観、毛穴の外観、質感/滑らかさの外観、堅固さ(視覚的)、弾力(触覚的)、表皮バリア、皮膚荒れ、皮膚色素過剰、または皮膚の全体的な外観を低下させる、実施形態35-47のいずれか1つの組成物。実施形態50.組成物による皮膚の処置は、皮膚上の老化による影響を低下させるか、または処置する、実施形態35-49のいずれか1つの組成物。実施形態51.組成物による皮膚の処置は、皮膚上の細胞老化による影響を低下させる、実施形態35-50のいずれか1つの組成物。実施形態52.老化による影響は、老化関連β-ガラクトシダーゼ活性レベル、ATRX病巣/細胞の割合、p16発現、IL-8発現、Ki-67発現、ヒアルロン酸合成酵素2発現、マトリックスメタロプロテアーゼ1(MMP1)発現、サーチュイン6(SIRT6)発現、BLM発現、またはエキソヌクレアーゼ1(EXO1)発現の少なくとも1つによって評価される、実施形態50-51のいずれか1つの組成物。
【0200】
実施形態53は、必要な対象において疾病を処置する方法を含み、方法は、配列番号:5のアミノ酸配列を含む組成物を、対象に投与する工程を含む。実施形態54.製剤は、配列番号:6のアミノ酸配列を含む、実施形態53の方法。実施形態55.組成物は、配列番号:7のアミノ酸配列を含む、実施形態53または実施形態54の方法。実施形態56.投与する工程は、組成物を対象に局所的に適用することを含む、実施形態53-55のいずれか1つの方法。実施形態57.対象は、ヒトまたは他の動物である、実施形態53-56のいずれか1つの方法。実施形態58.方法は、組成物の有効な量を、対象に投与する工程を含む、実施形態53-57のいずれか1つの方法。実施形態59.疾病は、対象における老化細胞の蓄積に関連した障害である、実施形態53-58のいずれか1つの方法。実施形態60.老化細胞の蓄積に関連した障害は、皮膚の老化を含む、実施形態53の方法。実施形態61.組成物は、グリセリン、スクアレン、ソルビトール、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸誘導体、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウムクロスポリマー、ナイアシンアミド、糖タンパク質、ピロリドンカルボン酸(PCA)、リジンHCl、アラントイン、および藻類抽出物からなる群から選択される、少なくとも1つの皮膚用保湿剤を含む、実施形態53-60のいずれか1つの方法。実施形態62.組成物は、植物オイル、ミネラルオイル、シアバター、カカオバター、ワセリン、脂肪酸、トリグリセリド、ベンゾアート、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、糖脂質、リン脂質、スクアレン、グリセリン、セラミド、および藻類抽出物からなる群から選択される、少なくとも1つの皮膚軟化剤を含む、実施形態53-61のいずれか1つの方法。実施形態63.植物オイルは、ローズヒップオイル、アンディローバオイル、グレープシードオイル、アボカドオイル、プラムシードオイル、プラカシーオイル、Calycophyllum spruceanumオイル、アーモンドオイル、およびアルガンオイルからなる群から選択される、実施形態62の方法。実施形態64.組成物は、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンB1(チアミン)、ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB3(ナイアシン)、ビタミンB5(パントテン酸)、ビタミンB7(ビオチン)、ビタミンB6、ビタミンB12(シアノコバラミン)、ビタミンB9、葉酸、ナイアシンアミド、またはそれらの誘導体からなる群から選択される、少なくとも1つのビタミンを含む、実施形態53-63のいずれか1つの方法。実施形態65.組成物は、約500nM~約500μMの、単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドの有効な量を含む、実施形態53-64のいずれか1つの方法。実施形態66.組成物は、約0.001%~約5%(w/w)の、単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドの有効な量を含む、実施形態53-64のいずれか1つの方法。実施形態67.組成物は、単離された、合成された、または組み換えられたポリペプチドの、真皮の中への、最大10%の低皮膚透過を達成するように製剤化される、実施形態53-66のいずれか1つの方法。実施形態68.組成物は、組成物を皮膚上で使用した後に、組成物を使用する前と比較して、皮膚の水分量、経皮水分損失(TEWL)、皮膚厚さとエコー輝度、ユーザの皮膚の皮内分析、皮膚粘弾性特性、または皮膚表面プロファイルの少なくとも1つを改善する、実施形態53-67のいずれか1つの方法。実施形態69.組成物は、組成物を皮膚上で使用した後に、組成物を使用する前と比較して、ユーザの皮膚の、線/しわの外観、皮膚の色調(均一性)の外観、毛穴の外観、質感/滑らかさの外観、堅固さ(視覚的)、弾力(触覚的)、表皮バリア、皮膚荒れ、皮膚色素過剰、または皮膚の全体的な外観を低下させる、実施形態53-68のいずれか1つの方法。実施形態70.組成物によって皮膚を処置する工程は、皮膚上の老化による影響を低下させるか、または処置する、実施形態53-69のいずれか1つの方法。実施形態71.組成物によって皮膚を処置する工程は、皮膚上の細胞老化による影響を低下させる、実施形態53-70のいずれか1つの方法。実施形態72.老化による影響は、老化関連β-ガラクトシダーゼ活性レベル、ATRX病巣/細胞の割合、p16発現、IL-8発現、Ki-67発現、ヒアルロン酸合成酵素2発現、マトリックスメタロプロテアーゼ1(MMP1)発現、サーチュイン6(SIRT6)発現、BLM発現、またはエキソヌクレアーゼ1(EXO1)発現の少なくとも1つによって評価される、実施形態70-71のいずれか1つの方法。
【0201】
実施形態73.必要な対象において細胞老化を低下させる方法であって、方法は、随意に1つの保存的アミノ酸置換を伴う、LKGI(配列番号:5)のアミノ酸配列を含むポリペプチドを、対象に投与する工程を含み、ここで、ポリペプチドは、最大100のアミノ酸を含む、方法である。実施形態74.ポリペプチドは、少なくとも4つのアミノ酸、10のアミノ酸、15のアミノ酸、または20のアミノ酸を含む、実施形態73の方法。実施形態75.組成物は、随意に1つの保存的アミノ酸置換を伴う、WLKGI(配列番号:7)のアミノ酸配列を含む、実施形態73の方法。実施形態76.組成物は、随意に1つの保存的アミノ酸置換を伴う、LKGIL(配列番号:6)のアミノ酸配列を含む、実施形態73の方法。実施形態77.ポリペプチドは、少なくとも5つのアミノ酸、10のアミノ酸、15のアミノ酸、または20のアミノ酸を含み、および最大100のアミノ酸を含む、実施形態75または実施形態76の方法。実施形態78.組成物は、治療用、栄養補助用、または化粧用賦形剤をさらに含む、実施形態73-77のいずれか1つの方法。実施形態79.必要な対象において細胞老化を低下させる方法であって、方法は、実施形態23-34のいずれか1つに記載の少なくとも1つのポリペプチドを含む、治療用、栄養補助用、または化粧用組成物を、対象に投与する工程を含む、方法。実施形態80.組成物は、治療用、栄養補助用、または化粧用賦形剤をさらに含む、実施形態79の方法。実施形態81.投与する工程は、組成物を対象の皮膚の一部に適用することを含む、実施形態79または実施形態80の方法。実施形態82.組成物は、対象の複数の細胞の寿命を延ばし、対象の複数の細胞におけるSIRT6発現を誘発し、対象の複数の細胞における細胞再生速度を増加させ、対象の複数の細胞におけるアポトーシスを促進し、対象の複数の細胞におけるDNA修復を促進し、対象の複数の細胞におけるコラーゲン産生を増加させ、対象の複数の細胞におけるヒアルロン酸合成酵素産生を増加させ、対象の複数の細胞におけるATRX核病巣蓄積を減少させ、対象の複数の細胞におけるp16発現を減少させ、対象の複数の細胞における老化関連ベータ-ガラクトシダーゼ産生を減少させ、対象の複数の細胞におけるIL8発現を減少させ、対象の複数の細胞におけるMMP1発現を減少させ、対象の複数の細胞におけるBLM発現を増加させ、および/または、対象の複数の細胞におけるUV誘発DNA損傷を防ぐ、実施形態79-81のいずれか1つの方法。
【0202】
実施形態83は、必要な対象において疾病を処置する方法を含み、方法は、随意に1つの保存的アミノ酸置換を伴う、配列番号:5のアミノ酸配列を含む、治療用、栄養補助用、または化粧用組成物を、対象に投与する工程を含む。実施形態84.治療用、栄養補助用、または化粧用組成物は、随意に1つの保存的アミノ酸置換を伴う、配列番号:6のアミノ酸配列を含む、実施形態83の方法。実施形態85.治療用、栄養補助用、または化粧用組成物は、随意に1つの保存的アミノ酸置換を伴う、配列番号7:のアミノ酸配列を含む、実施形態83または実施形態84の方法。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図11C
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図16
図17
図18A
図18B
図18C
図19A
図19B
図19C
図19D
図19E
図19F
【国際調査報告】