IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エルジー エナジー ソリューション リミテッドの特許一覧

特表2022-541858無線充電受信器統合型バッテリー管理システムおよび方法
<>
  • 特表-無線充電受信器統合型バッテリー管理システムおよび方法 図1
  • 特表-無線充電受信器統合型バッテリー管理システムおよび方法 図2
  • 特表-無線充電受信器統合型バッテリー管理システムおよび方法 図3
  • 特表-無線充電受信器統合型バッテリー管理システムおよび方法 図4a
  • 特表-無線充電受信器統合型バッテリー管理システムおよび方法 図4b
  • 特表-無線充電受信器統合型バッテリー管理システムおよび方法 図5
  • 特表-無線充電受信器統合型バッテリー管理システムおよび方法 図6
  • 特表-無線充電受信器統合型バッテリー管理システムおよび方法 図7
  • 特表-無線充電受信器統合型バッテリー管理システムおよび方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-27
(54)【発明の名称】無線充電受信器統合型バッテリー管理システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20220916BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20220916BHJP
   H02J 50/12 20160101ALI20220916BHJP
   H01M 10/46 20060101ALI20220916BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220916BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H02J50/80
H02J50/12
H01M10/46
H01M10/48 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022507575
(86)(22)【出願日】2020-09-07
(85)【翻訳文提出日】2022-02-09
(86)【国際出願番号】 KR2020012073
(87)【国際公開番号】W WO2021049839
(87)【国際公開日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】10-2019-0113168
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ヒュン キ
(72)【発明者】
【氏名】リー、サン フーン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジェ ドン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ケウン ウク
(72)【発明者】
【氏名】キム、ジ ウン
(72)【発明者】
【氏名】パク、チャン ハ
(72)【発明者】
【氏名】リー、スン グン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、セオン ヨル
【テーマコード(参考)】
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BA02
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503CB11
5G503EA05
5G503EA08
5G503FA16
5G503FA17
5G503GA01
5G503GA11
5G503GB06
5G503GB08
5G503GD04
5H030AS08
5H030DD18
5H030FF22
5H030FF41
5H030FF42
5H030FF43
5H030FF44
(57)【要約】
本発明の一実施形態に係るバッテリー管理装置は、バッテリーの状態をモニタリングするバッテリー管理システム、および電力送信装置から無線で電力を受信する電力受信装置を含み、バッテリー管理システムは、バッテリーの状態に関するデータと電力送信装置の電力伝送性能に基づいてバッテリーの充電最適条件を算出することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーの状態をモニタリングするバッテリー管理システム、および
電力送信装置から無線で電力を受信する電力受信装置を含み、
前記バッテリー管理システムは、前記バッテリーの状態に関するデータと前記電力送信装置の電力伝送性能に基づいて前記バッテリーの充電最適条件を算出するバッテリーシステム。
【請求項2】
前記バッテリー管理システムは、前記電力送信装置と無線で通信する、請求項1に記載のバッテリーシステム。
【請求項3】
前記バッテリー管理システムは、前記電力送信装置から電力伝送条件に関するデータを無線で受信する、請求項1または2に記載のバッテリーシステム。
【請求項4】
前記電力送信装置の電力伝送性能は、リアルタイム電力伝送効率および最大可用伝送電力を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリーシステム。
【請求項5】
前記バッテリーの状態に関するデータは、バッテリーの最大可用充電電流、リアルタイム残存バッテリー容量、および残存バッテリー寿命を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のバッテリーシステム。
【請求項6】
前記バッテリー管理システムと前記電力受信装置は、電気的にカップリングされている、請求項1から5のいずれか一項に記載のバッテリーシステム。
【請求項7】
前記バッテリー管理システムは、前記バッテリーの入力電圧および入力電流と、前記電力受信装置の出力電圧および出力電流とをリアルタイムで測定する、請求項1から5のいずれか一項に記載のバッテリーシステム。
【請求項8】
前記バッテリー管理システムは、無線充電効率、無線充電速度、およびバッテリー寿命のうち少なくとも1つの基準に応じて前記充電最適条件を算出する、請求項1から7のいずれか一項に記載のバッテリーシステム。
【請求項9】
前記バッテリー管理システムは、前記充電最適条件に基づいて前記電力送信装置の電力伝送性能を制御する、請求項1から8のいずれか一項に記載のバッテリーシステム。
【請求項10】
前記バッテリー管理システムは、算出された前記充電最適条件と予め設定された基準値の差異値が閾値以上である場合、前記電力送信装置のデューティ比と周波数を調整する、請求項1から9のいずれか一項に記載のバッテリーシステム。
【請求項11】
電力受信装置に無線で電力を送信する送信回路と、
バッテリー管理システムに電力伝送条件に関するデータを無線で送信し、前記バッテリー管理システムから算出されたバッテリーの充電最適条件に応じた電力制御信号を無線で受信する通信部と、
前記充電最適条件に応じた電力制御信号に基づいて前記電力受信装置に伝送される電力伝送条件を調整する制御部と、を含む電力送信装置。
【請求項12】
電力送信装置から電力受信装置へバッテリーに供給するための電力を無線で送信するステップと、
前記バッテリーの状態をモニタリングするステップと、
前記電力送信装置から電力伝送条件に関するデータを受信するステップと、
前記バッテリーの状態に関するデータと前記電力送信装置から受信した電力伝送条件に関するデータに基づいて前記バッテリーの充電最適条件を算出するステップと、を含むバッテリー管理方法。
【請求項13】
前記バッテリーの充電最適条件に基づいて前記電力送信装置の電力伝送条件を調整するステップをさらに含む、請求項12に記載のバッテリー管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2019年9月11日付けの韓国特許出願第10-2019-0113168号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、無線充電受信器統合型バッテリー管理システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
自動車に用いられるバッテリーは、殆どセル-モジュール-パックの形態で構成されて車両に内蔵される。従来には、このようなバッテリーの充電と放電は、バッテリーパックの(+)および(-)端子を介して全てのセルを同時に放電させるか、または全てのセルを同時に充電させるしかなかった。
【0004】
しかし、一般的なバッテリーセルモジュールは、バッテリーパック内部の位置によって冷却性能などによる偏差が存在するため、時間が経つのに伴い、バッテリーモジュール間の寿命偏差のような機能上の差が発生するようになる。
【0005】
したがって、バッテリーのモジュール別の状態をリアルタイムで把握し、それぞれのバッテリーの状態に合う充電電流で充電することが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、無線充電受信器をバッテリー管理システムに統合し、バッテリーの充電環境に応じて変わる要因に基づいて算出された最適充電条件に応じて無線充電送信器の電力伝送条件を制御することにより、バッテリーのモジュール別の状態に適合するように充電を行うバッテリーシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係るバッテリーシステムは、バッテリーの状態をモニタリングするバッテリー管理システム、および電力送信装置から無線で電力を受信する電力受信装置を含み、バッテリー管理システムは、バッテリーの状態に関するデータと電力送信装置の電力伝送性能に基づいてバッテリーの充電最適条件を算出することができる。
【0008】
本発明の一実施形態に係るバッテリーシステムのバッテリー管理システムは、電力送信装置と無線で通信することができる。
【0009】
本発明の一実施形態に係るバッテリーシステムのバッテリー管理システムは、電力送信装置から電力伝送条件に関するデータを無線で受信することができる。
【0010】
本発明の一実施形態に係るバッテリーシステムの電力送信装置の電力伝送性能は、リアルタイム電力伝送効率および最大可用伝送電力を含むことができる。
【0011】
本発明の一実施形態に係るバッテリーシステムのバッテリーの状態に関するデータは、バッテリーの最大可用充電電流、リアルタイム残存バッテリー容量および残存バッテリー寿命を含むことができる。
【0012】
本発明の一実施形態に係るバッテリーシステムのバッテリー管理システムと電力受信装置は、電気的にカップリングされていてよい。
【0013】
本発明の一実施形態に係るバッテリーシステムのバッテリー管理システムは、バッテリーの入力電圧および入力電流と電力受信装置の出力電圧および出力電流をリアルタイムで測定することができる。
【0014】
本発明の一実施形態に係るバッテリーシステムのバッテリー管理システムは、無線充電効率、無線充電速度、バッテリー寿命のうち少なくとも1つの基準に応じて充電最適条件を算出することができる。
【0015】
本発明の一実施形態に係るバッテリーシステムのバッテリー管理システムは、充電最適条件に基づいて電力送信装置の電力伝送性能を制御することができる。
【0016】
本発明の一実施形態に係るバッテリーシステムのバッテリー管理システムは、算出された充電最適条件と予め設定された基準値の差異値が閾値以上である場合、電力送信装置のデューティ比と周波数を調整することができる。
【0017】
本発明の一実施形態に係る電力送信装置は、電力受信装置に無線で電力を送信する送信回路、バッテリー管理システムに電力伝送条件に関するデータを無線で送信し、バッテリー管理システムから算出されたバッテリーの充電最適条件に応じた電力制御信号を無線で受信する通信部、および充電最適条件に応じた電力制御信号に基づいて電力受信装置に伝送される電力伝送条件を調整する制御部を含むことができる。
【0018】
本発明の一実施形態に係るバッテリー管理方法は、電力送信装置から電力受信装置へバッテリーに供給するための電力を無線で送信するステップ、バッテリーの状態をモニタリングするステップ、電力送信装置から電力伝送条件に関するデータを受信するステップ、およびバッテリーの状態に関するデータと、電力送信装置から受信した電力伝送条件に関するデータに基づいてバッテリーの充電最適条件を算出するステップを含むことができる。
【0019】
本発明の一実施形態に係るバッテリー管理方法は、バッテリーの充電最適条件に基づいて電力送信装置の電力伝送条件を調整するステップをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明のバッテリーシステムによると、無線充電受信器をバッテリー管理システムに統合し、バッテリーの充電環境に応じて変わる要因に基づいて算出された最適充電条件に応じて無線充電送信器の電力伝送条件を制御することにより、バッテリーのモジュール別の状態に適合するように充電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】一般的なバッテリー管理システムの構成を示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係るバッテリーシステムの構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る電力送信装置の構成を示すブロック図である。
図4a】本発明の一実施形態に係るバッテリーモジュールの構成を示す図である。
図4b】本発明の一実施形態に係る電力送信装置の構成を示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係るバッテリーセルモジュールアセンブリーの回路図を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係るバッテリー管理方法の具体的な例示を示すフローチャートである。
図7】本発明の一実施形態に係るバッテリー管理方法を示すフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態に係るバッテリーシステムのハードウェア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付の図を参照して本発明の多様な実施形態について詳細に説明する。本文書において、図上の同一の構成要素に対しては同一の参照符号を使用し、同一の構成要素に対して重複した説明は省略する。
【0023】
本文書に開示されている本発明の多様な実施形態に対して、特定の構造的または機能的説明は、単に本発明の実施形態を説明するための目的として例示されたものであって、本発明の多様な実施形態は、多様な形態で実施されてよく、本文書に説明された実施形態に限定されるものと解釈されてはならない。
【0024】
多様な実施形態で用いられた「第1」、「第2」、「1番目」、または「2番目」などの表現は、多様な構成要素を、順序および/または重要度に関係なく修飾することができ、当該構成要素を限定しない。例えば、本発明の権利範囲から逸脱せずに、第1構成要素は第2構成要素と命名されてよく、それと同様に、第2構成要素も第1構成要素に変更して命名されてよい。
【0025】
本文書で用いられた用語は、単に特定の実施形態を説明するために用いられたものであって、他の実施形態の範囲を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含んでよい。
【0026】
図1は、一般的なバッテリー管理システムの構成を示すブロック図である。
【0027】
具体的に、図1は、本発明の一実施形態に係るバッテリーパック1と上位システムに含まれている上位制御器2を含むバッテリー管理システムを概略的に示す構成図である。
【0028】
図1に示されたとおり、バッテリーパック1は、1つ以上のバッテリーセルからなり、充放電可能なバッテリーモジュール10と、バッテリーモジュール10の+端子側または-端子側に直列に連結されてバッテリーモジュール10の充放電電流の流れを制御するためのスイッチング部14と、バッテリーパック1の電圧、電流、温度などをモニタリングして、過充電および過放電などを防止するように制御管理するバッテリー管理システム20を含む。
【0029】
ここで、スイッチング部14は、バッテリーモジュール10の充電または放電に対する電流の流れを制御するための半導体スイッチング素子であって、例えば、少なくとも1つのMOSFETが用いられ得る。
【0030】
また、BMS20は、バッテリーパック1の電圧、電流、温度などをモニタリングするため、半導体スイッチング素子のゲート、ソースおよびドレーンなどの電圧および電流を測定するか計算することができ、かつ、半導体スイッチング素子14に隣接して設けられたセンサ12を用いてバッテリーパックの電流、電圧、温度などを測定することができる。BMS20は、前述した各種パラメータを測定した値の入力を受けるインターフェースであって、複数の端子と、これらの端子と連結されて入力を受けた値の処理を行う回路などを含むことができる。
【0031】
また、BMS20は、スイッチング素子14、例えば、MOSFETのON/OFFを制御することもでき、バッテリーモジュール10に連結されてバッテリーモジュール10の状態を監視することができる。
【0032】
上位制御器2は、BMS20にバッテリーモジュールに対する制御信号を伝送することができる。これによって、BMS20は、上位制御器から印加される信号に基づいて動作が制御されるであろう。本発明のバッテリーセルがESS(Energy Storage System)または車両などに用いられるバッテリーパックに含まれた構成であり得る。但し、このような用途に限定されるものではない。
【0033】
このようなバッテリーパック1の構成およびBMS20の構成は、公知された構成なので、より具体的な説明は省略する。
【0034】
図2は、本発明の一実施形態に係るバッテリーシステムの構成を示すブロック図である。
【0035】
図2を参照すると、本発明の一実施形態に係るバッテリーシステム200は、バッテリー管理システム210、電力受信装置220および電力送信装置230を含むことができる。図2に示したとおり、本発明の一実施形態に係るバッテリーシステム200においては、バッテリー管理システム210と電力受信装置220が互いに接続されている。また、電力送信装置230は、バッテリー管理システム210と無線でデータを送受信することができ、電力受信装置220に無線で電力を供給することができる。これに関しては、以下で後述する。
【0036】
バッテリー管理システム210は、バッテリーの状態をモニタリングすることができる。具体的に、バッテリー管理システム210は、バッテリーセルの電圧、電流、温度、SOCなどを測定することができる。また、バッテリー管理システム210は、バッテリーの状態に関するデータであって、バッテリーの最大可用充電電流、リアルタイム残存バッテリー容量および残存バッテリー寿命を検出することができる。
【0037】
また、バッテリー管理システム210は、電力受信装置220および電力送信装置230と無線で通信することができる。よって、バッテリー管理システム210は、電力送信装置230から電力伝送条件に関するデータを無線で受信することができる。
【0038】
バッテリー管理システム210は、バッテリーの入力電圧および入力電流と電力受信装置220の出力電圧および出力電流をリアルタイムで測定することができる。このとき、バッテリー管理システム210は、電力受信装置220から出力電圧および出力電流を無線で受信することができる。
【0039】
バッテリー管理システム210は、測定したバッテリーの状態に関するデータと電力送信装置230の電力伝送性能に基づいてバッテリーの充電最適条件を算出することができる。この場合、充電最適条件は、無線充電効率、無線充電速度、バッテリー寿命のうち少なくとも1つの基準に応じて算出されてよい。しかし、これに制限されるものではなく、場合に応じて多様な基準が適用されるであろう。
【0040】
バッテリー管理システム210は、算出された充電最適条件に基づいて電力送信装置230の電力伝送性能を制御することができる。このとき、例えば、バッテリー管理システム210は、電力送信装置230に充電最適条件に応じた電力制御信号を伝送して電力送信装置230を制御することができる。バッテリー管理システム210は、算出された充電最適条件と予め設定された基準値の差異値が閾値以上である場合、電力送信装置230のデューティ比と周波数を調整することができる。
【0041】
電力受信装置220は、電力送信装置230から無線で電力を受信することができる。このとき、電力受信装置220は、受信した電力を無線でバッテリー管理システム210に伝送することができる。
【0042】
また、電力受信装置220は、バッテリー管理システム210と電気的にカップリングされてよい。すなわち、本発明の一実施形態に係るバッテリーシステム200によると、電力受信装置220をバッテリー管理システム210に統合してバッテリーセルモジュールアセンブリーにともに内蔵することができる。例えば、電力受信装置220は、バッテリー管理システム210の下端に内蔵することができる。
【0043】
電力送信装置230は、バッテリー管理システム210と電力受信装置220と無線で通信することができる。この場合、電力送信装置230は、バッテリー管理システム210に電力伝送条件(例えば、電力伝送量、最大可用伝送電力など)に関するデータを送信し、バッテリー管理システム210から電力制御信号を受信することができる。
【0044】
また、バッテリー管理システム210における充電最適条件算出に用いる電力送信装置230の電力伝送性能は、リアルタイム電力伝送効率および最大可用伝送電力を含むことができる。
【0045】
このように、本発明の一実施形態に係るバッテリーシステム200によると、バッテリーの入出力電圧および電流、無線受信部220の出力電圧および電流、電力送信装置230の電力伝送量を測定することにより、コイル間の距離と整列状態、共鳴周波数、温度などの充電環境に応じて変わる要素(例えば、Coupling、Resonance Quality Factorなど)を推定し、無線充電効率、充電速度、バッテリー寿命の最適点を選択して制御することができる。
【0046】
図3は、本発明の一実施形態に係る電力送信装置の構成を示すブロック図である。
【0047】
本発明の一実施形態に係る電力送信装置300は、送信回路310、通信部320および制御部330を含むことができる。
【0048】
送信回路310は、電力受信装置220に無線で電力を送信することができる。例えば、送信回路310は、後述のとおり、コイルを含むと電磁気誘導の形態で電力を送信するか、共振周波数による共鳴を用いて電力を送信することができる。
【0049】
通信部320は、バッテリー管理システム210に電力伝送条件に関するデータを無線で送信し、バッテリー管理システム210から算出されたバッテリーの充電最適条件に応じた電力制御信号を無線で受信することができる。
【0050】
制御部330は、バッテリー管理システム210から受信した充電最適条件に応じた電力制御信号に基づいて電力受信装置220に伝送される電力伝送条件を調整することができる。例えば、制御部330は、電力送信装置300のデューティ比または周波数などを調整することができる。
【0051】
このように、本発明のバッテリーシステムによると、無線充電受信器をバッテリー管理システムに統合し、バッテリーの充電環境に応じて変わる要因に基づいて算出された最適充電条件に応じて無線充電送信器の電力伝送条件を制御することにより、バッテリーのモジュール別の状態に適合するように充電を行うことができる。
【0052】
図4aは、本発明の一実施形態に係るバッテリーモジュールの構成を示す図である。
【0053】
図4aを参照すると、本発明の一実施形態に係るバッテリーモジュールは、コイル、バッテリー管理システム(BMS)および整流器(AC/DC)を含むことができる。
【0054】
コイルは、電力受信装置に含まれ、電力送信装置から無線で電力を受信することができる。このとき、コイルは、磁気誘導の形態で電力を受信するか、または、共振周波数に合わせて共鳴現象を用いて電力を受信することができる。
【0055】
バッテリー管理システム(BMS)は、バッテリーセルモジュールアセンブリーの状態をモニタリングして充電最適条件に応じて電力送信装置を制御することができる。バッテリー管理システムの機能については、図2で説明したので具体的な説明は省略する。
【0056】
整流器(AC/DC)は、電力送信装置から受信した電力を交流(AC)から直流(DC)に整流することができる。
【0057】
図4bは、本発明の一実施形態に係る電力送信装置の構成を示す図である。
【0058】
図4bを参照すると、本発明の一実施形態に係る電力送信装置は、コイル、制御部(Controller)および整流器(AC/DC)を含むことができる。
【0059】
コイルは、電力受信装置に無線で電力を送信することができる。電力受信装置と同様に、電力送信装置のコイルは、磁気誘導の形態で電力を受信するか、または、共振周波数に合わせて共鳴現象を用いて電力を受信することができる。
【0060】
制御部は、電力送信装置から送信される電力伝送条件を調整することができる。例えば、制御部は、電力送信装置の電力伝送量、デューティ比、周波数などを調節することができ、バッテリーモジュールのバッテリー管理システム(BMS)から受信した電力制御信号に基づいて最適充電条件に応じて電力を制御することができる。
【0061】
整流器(AC/DC)は、電力送信装置から受信した電力を交流(AC)から直流(DC)に整流することができる。
【0062】
図5は、本発明の一実施形態に係るバッテリーセルモジュールの回路図を示す図である。
【0063】
図5を参照すると、本発明の一実施形態に係るバッテリーセルモジュールは、共振コイル(Resonant Coil)502、整流器およびフィルタ504、セルモジュールアセンブリー(Cell Module Assembly、CMA)506およびバッテリー管理システム(BMS)510を含むことができる。また、バッテリー管理システム510は、電源部512、無線通信部514、測定部516およびMCU部518を含むことができる。
【0064】
共振コイル502は、インダクタとキャパシタを含むことができ、電力受信装置に含まれて電力送信装置から無線で電力を受信することができる。図5のコイルは、共振周波数に合わせて共鳴現象を用いて電力を受信することができる。しかし、これに制限されるものではなく、コイルは、磁気誘導の形態で電力を受信することもできる。
【0065】
整流器およびフィルタ504は、電力受信器の出力電圧と出力電流を整流してノイズを除去することができる。
【0066】
バッテリーセルモジュールアセンブリー506は、バッテリーセルが複数個に結合された構造であって、バッテリー管理システム510においてバッテリーセルモジュールアセンブリーに入力される電圧と電流を測定してバッテリーの最大可用充電電流、リアルタイム残存容量、残存バッテリー寿命などの状態を推正することができる。
【0067】
バッテリー管理システム510は、バッテリーの電圧、電流、温度、SOCなどの状態をモニタリングできる。また、バッテリー管理システム510は、測定したバッテリーの状態に関するデータと電力送信装置の電力伝送性能に基づいてバッテリーの充電最適条件を算出することができる。
【0068】
電源部512は、バッテリー管理システム510が機能を行うための電源を供給する。また、電源部512は、自主的に電源を供給する他にもバッテリー管理システム510に統合された電力受信装置から無線で電力を受信することができる。
【0069】
無線通信部514は、電力受信装置および電力受信装置と無線で通信することができる。例えば、無線通信部514は、電力受信装置から出力電圧および出力電流に関するデータを受信し、電力送信装置から電力伝送条件(例えば、電力伝送量、最大可用伝送電力など)に関するデータなどを受信することができる。
【0070】
測定部516は、バッテリーセルの状態を測定することができる。例えば、測定部516は、バッテリーの電圧、電流、温度、SOCなどを測定するセンサとして機能することができる。また、測定部516は、バッテリーの最大可用充電電流、リアルタイム残存バッテリー容量および残存バッテリー寿命などのバッテリーの状態データを検出することができる。
【0071】
MCU部518は、測定部516で測定したバッテリーの状態に関するデータと電力送信装置の電力伝送性能に基づいてバッテリーの充電最適条件を算出することができる。この場合、充電最適条件は、無線充電効率、無線充電速度、バッテリー寿命のうち少なくとも1つの基準に応じて算出されてよい。
【0072】
また、MCU部518は、算出された充電最適条件に基づいて電力送信装置の電力伝送性能を制御することができる。例えば、MCU部518は、無線通信部514を介して電力送信装置に充電最適条件に応じた電力制御信号を伝送して電力送信装置を制御することができる。このとき、MCU部518は、算出された充電最適条件と予め設定された基準値の差異値が閾値以上である場合、電力送信装置のデューティ比と周波数を調整する信号を送信することができる。
【0073】
図6は、本発明の一実施形態に係るバッテリー管理方法の具体的な例示を示すフローチャートである。
【0074】
図6を参照すると、先ず、バッテリーの充電が開始されると、電力送信器(Power Transmitting Unit、PTU)と電力受信器(Power Receiving Unit、PRU)を整列する(S602)。そして、電力送信器と電力受信器との間の無線通信が正常に成されるか否かをチェックする(S604)。
【0075】
もし、電力送信器と電力受信器との間の無線通信が正常に成されないのであれば、ステップS602に戻って電力送信器と電力受信器を再び整列する。ステップS604で電力送信器と電力受信器との間の無線通信が正常に成されることが確認されると、電力受信器の出力電圧と出力電流を測定する(S606)。このとき、電力受信器の出力電圧と出力電流は、バッテリー管理システムで測定することができる。
【0076】
そして、バッテリーセルの入力電圧、入力電流および温度を測定する(S608)。このとき、バッテリーセルの入力電圧、入力電流および温度は、バッテリー管理システムで測定することができる。ステップS610では、電力送信器の電力伝送条件(図6では伝送電力量)を受信する。このとき、電力送信器の電力伝送条件は、電力送信器からバッテリー管理システムに無線で受信されてよい。
【0077】
ステップS612においては、バッテリーの最大可用充電電流(A)、リアルタイム残存容量(B)および残存バッテリー寿命(C)を算出する。この場合、バッテリー管理システムで測定したバッテリーの状態データに基づいて各パラメータ値を算出することができる。
【0078】
そして、電力送信器から受信した電力伝送条件に基づいて、リアルタイム電力伝送効率(D)および最大可用伝送電力(E)を算出することができる。このとき、電力受信器で測定した出力電圧と出力電流を用いることができる。
【0079】
ステップS616においては、ステップS612とステップS614で算出された最大可用電流(A)、リアルタイム残存容量(B)、残存バッテリー寿命(C)、リアルタイム電力伝送効率(D)および最大可用伝送電力(E)に基づいて充電最適点(O)を計算する。ここで、充電最適点Oは、無線充電効率、無線充電速度、バッテリー寿命のうち少なくとも1つの基準に応じて異なり得る。
【0080】
また、図6に示したとおり、充電最適点Oは、X1*A+X2*B+X3*C+X4*D+X5*Eとして算出されてよい。このとき、X1からX5は、各変数に適用される加重値であり、バッテリーの状態と電力伝送性能に影響を及ぼす環境に応じて使用者により設定されてよい。
【0081】
そして、ステップS616においては、算出された充電最適点(O)と基準値(Ideal O)の差異値である最適点コスト関数(e)を計算する。このとき、基準値(Ideal O)は、バッテリーの充電環境に応じて算出された理論値であってよく、これに制限されるものではなく環境に応じて実験して算出された実験値であってよい。
【0082】
最適点コスト関数(e)が制御閾値より小さい場合(YES)、リアルタイムで算出された充電最適点(O)が基準値に近接したものであって、電力送信器の電力伝送条件、例えば、デューティ比(Duty Ratio)と周波数を現状態に維持する。
【0083】
一方、最適点コスト関数(e)が制御閾値以上である場合(NO)、電力送信器の電力伝送条件、例えば、デューティ比と周波数を変更し、再びステップS606からS610に戻って測定を行う。
【0084】
このように、本発明の一実施形態に係るバッテリー管理方法によると、バッテリーの入出力電圧および電流、電力受信器の出力電圧および電流、電力送信器の電力伝送量を測定することにより、コイル間距離と整列状態、共鳴周波数、温度などの充電環境に応じて変わる要素(例えば、Coupling、Resonance Quality Factorなど)を推定し、無線充電効率、充電速度、バッテリー寿命の最適点を選択して制御することができる。
【0085】
図7は、本発明の一実施形態に係るバッテリー管理方法を示すフローチャートである。
【0086】
図7を参照すると、先ず、電力送信装置から電力受信装置へバッテリーに供給するための電力を無線で送信する(S710)。そして、バッテリー管理システム(BMS)においては、バッテリーの状態をモニタリングする(S720)。
【0087】
この場合、バッテリー管理システムは、バッテリーセルの電圧、電流、温度、SOCなどを測定することができる。また、バッテリーの状態に関するデータとしてバッテリーの最大可用充電電流、リアルタイム残存バッテリー容量および残存バッテリー寿命を検出することができる。
【0088】
また、ステップS720において、バッテリー管理システムは、バッテリーの入力電圧および入力電流と電力受信装置の出力電圧および出力電流をリアルタイムで測定することができる。このとき、電力受信装置から出力電圧および出力電流を無線で受信することができる。
【0089】
次に、ステップS730において、バッテリー管理システムは、電力送信装置から電力伝送条件に関するデータを受信することができる。例えば、電力伝送条件は、電力伝送量、リアルタイム伝送効率、最大可用伝送電力などを含むことができる。
【0090】
そして、ステップS720において測定したバッテリーの状態に関するデータと、ステップS730において電力送信装置から受信した電力伝送条件に関するデータに基づいてバッテリーの充電最適条件を算出する。この場合、充電最適条件は、無線充電効率、無線充電速度、バッテリー寿命のうち少なくとも1つの基準に応じて算出されてよい。しかし、これに制限されるものではなく、場合に応じて多様な基準が適用されるであろう。
【0091】
また、図7には示されていないが、本発明の一実施形態に係るバッテリー管理方法は、ステップS740において算出されたバッテリーの充電最適条件に基づいて電力送信装置の電力伝送条件を調整するステップをさらに含むことができる。このとき、算出された充電最適条件と予め設定された基準値の差異値が閾値以上である場合、電力送信装置のデューティ比と周波数を調整することができる。
【0092】
このように、本発明のバッテリー管理方法によると、無線充電受信器をバッテリー管理システムに統合し、バッテリーの充電環境に応じて変わる要因に基づいて算出された最適充電条件に応じて無線充電送信器の電力伝送条件を制御することにより、バッテリーのモジュール別の状態に適合するように充電を行うことができる。
【0093】
図8は、本発明の一実施形態に係るバッテリーシステムのハードウェア構成を示す図である。
【0094】
図8に示したとおり、バッテリーシステム800は、各種処理および各構成を制御するマイクロコントローラ(MCU)810と、運営体制プログラムおよび各種プログラム(例えば、バッテリーパックの異常診断プログラムまたはバッテリーパックの温度推定プログラム)などが記録されるメモリ820と、バッテリーセルモジュールおよび/またはスイッチング部(例えば、半導体スイッチング素子)との間で入力インターフェースおよび出力インターフェースを提供する入出力インターフェース830と、有無線通信網を介して外部(例えば、上位制御器)と通信可能な通信インターフェース840を備えることができる。このように、本発明によるコンピュータープログラムは、メモリ820に記録され、マイクロコントローラ810により処理されるものであって、例えば、図2および図3で示した各機能ブロックを行うモジュールとして具現されてもよい。
【0095】
以上において、本発明の実施形態を構成する全ての構成要素が1つに結合するか、結合して動作すると説明されたとして、本発明が必ずしもかかる実施形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の目的範囲内であれば、その全ての構成要素が1つ以上に選択的に結合して動作することもできる。
【0096】
また、以上に記載された「含む」、「構成する」、または「有する」などの用語は、特に反する記載がない限り、当該構成要素が内在し得ることを意味するものなので、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでよいものと解釈されなければならない。技術的や科学的な用語を含む全ての用語は、別に定義されない限り、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味がある。辞典に定義された用語のように一般的に用いられる用語は、関連技術の文脈上の意味と一致することに解釈されなければならず、本発明で明らかに定義しない限り、理想的や過度に形式的な意味として解釈されない。
【0097】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎないものであって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から外れない範囲で多様な修正および変形が可能である。したがって、本発明に開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためではなく、説明するためのものであり、このような実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、以下の特許請求の範囲により解釈されなければならず、それと同等の範囲内の全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-02-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0053】
図4aを参照すると、本発明の一実施形態に係るバッテリーモジュール410は、コイル420、バッテリー管理システム(BMS)430および整流器(AC/DC)440を含むことができる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0058】
図4bを参照すると、本発明の一実施形態に係る電力送信装置は、コイル450、制御部(Controller)460および整流器(AC/DC)470を含むことができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4a
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4b
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6
【国際調査報告】