(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-28
(54)【発明の名称】穴及びトレパンカッティング装置
(51)【国際特許分類】
G21C 19/02 20060101AFI20220920BHJP
B23B 41/00 20060101ALI20220920BHJP
B23B 45/14 20060101ALI20220920BHJP
B23Q 11/00 20060101ALI20220920BHJP
【FI】
G21C19/02 080
B23B41/00 Z
B23B45/14
B23Q11/00 Q
G21C19/02 050
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2020573549
(86)(22)【出願日】2019-12-31
(85)【翻訳文提出日】2021-02-25
(86)【国際出願番号】 RU2019001055
(87)【国際公開番号】W WO2021020991
(87)【国際公開日】2021-02-04
(32)【優先日】2019-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】RU
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518312460
【氏名又は名称】ジョイント ストック カンパニー“ロスエネルゴアトム”
(71)【出願人】
【識別番号】521003494
【氏名又は名称】ナショナル リサーチ センター“クルチャトフ インスティテュート”
(71)【出願人】
【識別番号】521003508
【氏名又は名称】リミテッド ライアビリティ カンパニー ナウチノ - プレズヴォズツフナヤ フィルマ“テルミクス”
(71)【出願人】
【識別番号】520514768
【氏名又は名称】サイエンス アンド イノヴェーションズ - ニュークリア インダストリー サイエンティフィック デベロップメント,プライベート エンタープライズ
(74)【代理人】
【識別番号】110001900
【氏名又は名称】弁理士法人 ナカジマ知的財産綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】イリン セルゲイ ウラジミロヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】ルチンスキー エフゲニー ヴィタレヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】サンドラー ウラジミール ユデヴィチ
【テーマコード(参考)】
3C011
3C036
【Fターム(参考)】
3C011BB21
3C036AA00
3C036EE13
(57)【要約】
本発明は、機械工学の分野、すなわち原子力産業用のプロセス装置に関する。
本発明の目的は、修理室の限られたスペースにおいて、1つの作業場でトレパンを切断するための工程作業を行う際の作業の利便性および安全性を確保することである。
提案された発明によって達成される技術的成果は、装置本体の役割を果たす箱形の補修キャビンをさらに備え、補修キャビンの垂直壁には、貫通孔が形成されており、前記貫通孔は、補修キャビンの内側に面する内側フランジおよび補修キャビンの外側に固定された外側フランジに取り付けられた位置決めスリーブを収容し、位置決めスリーブの内側フランジ上に固定された取り付け固定具を備え、前記取り付け固定具は、位置決めスリーブの内側フランジ上に固定された取り付けプレートと、垂直軸周りに回転自在にマウンティングプレート上に枢動するように取り付けられた回転位置決めプレートを含み、前記取り付けプレートおよび回転位置決めプレートは、閉位置に固定するための機構を備え、前記可動プラットフォームは、補修キャビンの底部内側に取り付けられ、回転位置決めプレートのガセットに堅固に取り付けられた高さ調節可能な回転ホイール支持体を備え、前記切削工具の回転及び送り機構は、取付けプレート及び回転位置決めプレートが位置決めスリーブと同軸で閉位置にある状態で可動プラットフォーム上に設置され、切削されたトレパンの一次保管及びチップの収集のため、キャッチャが位置決めスリーブの外側フランジ上に固定される。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切削工具の回転及び送り機構および可動プラットフォームを含む穴及びトレパンカッティング装置であって、
装置本体の役割を果たす箱形の補修キャビンをさらに備え、
補修キャビンの垂直壁には、貫通孔が形成されており、
前記貫通孔は、補修キャビンの内側に面する内側フランジおよび補修キャビンの外側に固定された外側フランジに取り付けられた位置決めスリーブを収容し、
位置決めスリーブの内側フランジ上に固定された取り付け固定具を備え、
前記取り付け固定具は、
位置決めスリーブの内側フランジ上に固定された取り付けプレートと、
垂直軸周りに回転自在にマウンティングプレート上に枢動するように取り付けられた回転位置決めプレートを含み、
前記取り付けプレートおよび回転位置決めプレートは、閉位置に固定するための機構を備え、
前記可動プラットフォームは、補修キャビンの底部内側に取り付けられ、回転位置決めプレートのガセットに堅固に取り付けられた高さ調節可能な回転ホイール支持体を備え、
前記切削工具の回転及び送り機構は、取付けプレート及び回転位置決めプレートが位置決めスリーブと同軸で閉位置にある状態で可動プラットフォーム上に設置され、
切削されたトレパンの一次保管及びチップの収集のため、キャッチャが位置決めスリーブの外側フランジ上に固定される
ことを特徴とする穴及びトレパンカッティング装置。
【請求項2】
穴及びトレパンを切削する前にトレパンをブランディングするための固定具を備え、
中空円筒体と、
円筒体の内部に配置された複数の案内管を介して異なる端部カバー同士が互いに一対になって接続され、直径線に沿って溝穴が開けられた円筒体の端部に設けられた複数の端部カバーと、
一方の端部に取り外し可能なストライカおよび他方の端部にデジタルスタンプを有し、案内管の一方に配置されたトレパンをブランディングするためのロッドと、
他方の案内管に取り付けられた取り外し可能なプラグとを含み、
円筒体の外面は、位置決めスリーブの内側に設けられたランニングフィットに従って形成され、複数の案内管の間の円筒体の内側の空間は、円筒体の長さの一部への鉛弾で充填される
ことを特徴とする請求項1に記載の穴及びトレパンカッティング装置。
【請求項3】
前記位置決めスリーブ内に、前記補修キャビンの内側に面する端部から取り付けられた鉛安全プラグを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の穴及びトレパンカッティング装置。
【請求項4】
切削工具の回転及び送り機構は、ボール盤の形態で実装され、好ましくは空気圧式のボール盤の形態で実装され、コアドリルの形態で実装された穴あけ固定具と切削工具とで構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の穴及びトレパンカッティング装置。
【請求項5】
前記穴あけ固定具は、両端にエンドキャップが取り付けられた中空円筒の形態で作られ、複数の中央穴が開けられ、エジェクターを収容し、切削工具に冷却液を供給するように構成された中空チューブによって相互接続され、
一方のエンドキャップには切削工具を取り付けるための取り付け穴があり、もう一方のエンドキャップはボール盤のチャックを取り付けて固定される
ことを特徴とする請求項4に記載の穴及びトレパンカッティング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械工学の分野、即ち、主として原子力産業におけるプロセス装置に関し、特に、穴をあけ、原子力産業においてトレパンとして参照される円筒形サンプルを原子炉の容器から貫通させるプロセス操作を実行する装置に関する(非特許文献1参照)。
【背景技術】
【0002】
モバイルプラットフォームとしての切削工具の回転、縦軸方向の送り機構、水平方向の送り機構を含み、放射線照射を受け欠陥のある燃料集合体のケーソンを切削する既知の機械が知られている(特許文献1参照)。この公知の技術的解決策では、与えられた補修キャビンの空間が限られているので、原子炉容器の内部を穿孔(トレパン)することを許さない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】ロシア国特許第2504851号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】History of Nuclear Power of the Soviet Union and Russia. Issue 2 / V. A. Sidorenko. - M. : IzdAT, 2002. - 432 pp. p. 211
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、補修キャビンの限られた空間内の1つの作業スペースで原子炉容器内のトレパン切削のプロセス操作を実行するときの、作業の利便性および安全性を確保することである。
【0006】
提案された本発明により達成される技術的成果は、切削工具の配置の正確性の保証と、切削工具の取り付け時間の削減、結果としてサービス要員の放射線被ばく負荷の削減である。
【0007】
技術的成果は、以下の事実の穴及びトレパンカッティング装置により達成される、切削工具の回転及び送り機構および可動プラットフォームを含む穴及びトレパンカッティング装置であって、装置本体の役割を果たす箱形の補修キャビンをさらに備え、補修キャビンの垂直壁には、貫通孔が形成されており、前記貫通孔は、補修キャビンの内側に面する内側フランジおよび補修キャビンの外側に固定された外側フランジに取り付けられた位置決めスリーブを収容し、位置決めスリーブの内側フランジ上に固定された取り付け固定具を備え、前記取り付け固定具は、位置決めスリーブの内側フランジ上に固定された取り付けプレートと、垂直軸周りに回転自在にマウンティングプレート上に枢動するように取り付けられた回転位置決めプレートを含み、前記取り付けプレートおよび回転位置決めプレートは、閉位置に固定するための機構を備え、前記可動プラットフォームは、補修キャビンの底部内側に取り付けられ、回転位置決めプレートのガセットに堅固に取り付けられた高さ調節可能な回転ホイール支持体を備え、前記切削工具の回転及び送り機構は、取付けプレート及び回転位置決めプレートが位置決めスリーブと同軸で閉位置にある状態で可動プラットフォーム上に設置され、切削されたトレパンの一次保管及びチップの収集のため、キャッチャが位置決めスリーブの外側フランジ上に固定されることを特徴とする。
【0008】
穴及びトレパンを切削する前にトレパンをブランディングするための固定具を備え、中空円筒体と、円筒体の内部に配置された複数の案内管を介して異なる端部カバー同士が互いに一対になって接続され、直径線に沿って溝穴が開けられた円筒体の端部に設けられた複数の端部カバーと、一方の端部に取り外し可能なストライカおよび他方の端部にデジタルスタンプを有し、案内管の一方に配置されたトレパンをブランディングするためのロッドと、他方の案内管に取り付けられた取り外し可能なプラグとを含み、円筒体の外面は、位置決めスリーブの内側に設けられたランニングフィットに従って形成され、複数の案内管の間の円筒体の内側の空間は、円筒体の長さの一部への鉛弾で充填されてもよい。
【0009】
前記位置決めスリーブ内に、前記補修キャビンの内側に面する端部から取り付けられた鉛安全プラグを備えてもよい。
【0010】
切削工具の回転及び送り機構は、ボール盤の形態で実装され、好ましくは空気圧式のボール盤の形態で実装されコアドリルの形態で実装された穴あけ固定具と切削工具とで構成されてもよい。
【0011】
前記穴あけ固定具は、両端にエンドキャップが取り付けられた中空円筒の形態で作られ、複数の中央穴が開けられ、エジェクターを収容し、切削工具に冷却液を供給するように構成された中空チューブによって相互接続され、一方のエンドキャップには切削工具を取り付けるための取り付け穴があり、もう一方のエンドキャップはボール盤のチャックを取り付けて固定されてもよい。
【0012】
提案された技術的解決策、すなわち、穴及びトレパンカッティング装置は、以下に記載される特定の実施例によって説明される。提示された例は、唯一可能なものではなく、本発明の本質的な特徴の所与の全体を用いて特許請求された技術的成果を達成する可能性を明確に実証する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の本質は、
図1から
図12までに描かれた図形的資料によって説明される。
【
図1】改修キャブ内に位置する穴及びトレパンカッティング装置の縦断面図である。
【
図9】補修キャビン内側の穴及びトレパンカッティング装置のインストール及びセットアップを示す図である。
【
図10】補修キャビン内側の穴及びトレパンカッティング装置のインストール及びセットアップを示す図である。
【
図11】補修キャビン内側の穴及びトレパンカッティング装置のインストール及びセットアップを示す図である。
【
図12】補修キャビン内側の穴及びトレパンカッティング装置のインストール及びセットアップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
穴及びトレパンカッティング装置は、装置本体の役割を担う箱型の補修キャビン1内に備えられる。穴及びトレパンカッティング装置は、補修キャビン1の内側に設置され、切削工具を回転・移動させる水平位置決め機構2および可動プラットフォーム3を含んでいる。
【0015】
補修キャビン1の垂直壁に貫通孔が作られ、この貫通孔には、位置決めスリーブ4が、内側フランジ5および外側フランジ6と共に取り付けられている。
【0016】
位置決めスリーブ4の内側フランジ5に固定具が固定されている。固定具は、位置決めスリーブ4の内側フランジ5上に固定された取付板7と、垂直軸の周りに回転自在に取付板7上に旋回可能に取り付けられた回転位置決め板8とからなる。取付板7及び回転位置決め板8は、機構9により、閉位置において同じ位置に固定される。
【0017】
可動プラットフォーム3は、高さ調節可能な複数の車輪支持体10を備えた立体トラスであり、そのうちの2つはブレーキを備え、補修キャビン1の内部の底部に設置されている。調整、装置の再設置、および限られたスペース内での装置の操作のために、可動プラットフォーム3は、回転位置決め板8のガセット11に堅固に取り付けられ、可動プラットフォーム3の上に、キャリッジ付き切削工具を回転し送る機構2が取り付けられる。取付板7及び回転位置決め板8が閉じられているとき、切削工具を回転し送る機構2は位置決めスリーブ4と同軸上になるよう位置合わせされなければならない。
【0018】
カットトレパンの一次収納及びチップの集積のために、キャッチャ12は、位置決めスリーブ4の外側フランジ6上に固定される。
【0019】
可動プラットフォーム3の設置、およびトレパンのブランディングおよび切削に先立つ準備作業の間、位置決めスリーブ4の穴は、補修キャビン1の内側に面する端部から鉛安全プラグ13で塞がれている。
【0020】
【0021】
穴及びトレパンカッティング装置は、トレパンを切削する前に、トレパンをブランディングするための取付け具を備えていてもよい。ブランディング用の取付け具は、中空の円筒形本体14、円筒形本体14の端部に設置された端部カバー15、直径線に沿ってそれらに作られた溝穴16を有する。異なる端部カバー15上の溝穴16は、円筒形本体14の内側に配置されたガイド管17と一対になっており、ガイド管17を通じて相互接続されている。一つのガイド管内にはトレパンをブランディングするためのロッド18が配置されている。ロッド18の一端には取り外し可能なストライカー19が設けられ、他端にはデジタルスタンプ20が設けられている。他のガイド管17には着脱自在なプラグ21が設置されている。円筒形本体14の外面は、位置決めスリーブ4の内側に設置するためのランニングフィットに従って成形され、複数のガイド管17の間の円筒形本体14の内側の空間は、円筒形本体14の長さの一部まで鉛弾(リードショット)で満たされ、鉛弾はサービス要員への放射線被ばく負荷を低減する。
【0022】
切削工具の回転及び送り機構2は、例えばPRO-200A製の空圧穿孔機の形態で作られ、コアドリルの形態で作られたチャック、穿孔治具22および切削工具23を含む。切削工具の回転及び送り機構2の軸は、取付具及び位置決めスリーブ4の軸と一致する。機構軸の高さ調整は、車輪支持体10のネジ24で行われる。
【0023】
穿孔治具22は、その端部に設置されたエンドキャップ26及び27を備えた中空シリンダ25の形態で作られる。エンドキャップ26及び27は、それらの中に複数中心の穴を有する。それらの中心の穴は、エジェクタ29を収容し且つ冷却流体を切削工具23に供給するように構成された中空チューブ28によって相互接続されている。一つのエンドキャップ26は、切削工具23を取り付けるための穴30を有し、他方のエンドキャップ27は、切削工具の回転と送りの機構2のチャックに取り付け固定されるように構成されている。位置決めスリーブ4の内側軸受支持体31に取り付けられた中空シリンダ25の外面は、ランニングフィットに応じて機械加工されている。潤滑及び冷却液は、トレパン切削する過程で、中空チューブ28を通して切削工具23(コアドリル)の内部空洞に供給される。トレパンが切り出された後、エジェクタ29が同じ中空チューブ28内に設置される。エジェクタ29の助けを借りて、切り出されたトレパンは、コアドリルキャビティからキャッチャ12のレセプタクル内に押し出される。キャッチャ12のレセプタクルの容積は、トレパンによる切削片を最大4個の収容できる。
【0024】
穴及びトレパンカッティング装置を操作する手順は、以下の通りである。
【0025】
位置決めスリーブ4は、同じもののメンテナンスのために部屋内に配置された補修キャビンの壁に取り付けられ、キャッチャ12が外部から前記スリーブに取り付けられ、取付具が内部から取り付けられる。
【0026】
切削工具(ボール盤)を回転させて送り出す機構2は、可動プラットフォーム3に取り付けられている。可動プラットフォーム3は、切削工具回転及び送り機構2と共に、補修キャビン1の底部(床面)に設置され、ボルトで取付具に接続されている。全ての器具も同様に、ここに配置されている。
【0027】
切削工具回転及び送りの機構2のキャリッジは、
図9に示すように当該切削工具回転及び送りの機構2の軸の後端と、可動プラットフォーム3の回転時に内側に突出する補修キャビン1の要素との間に必要なクリアランスを与える位置まで水平にシフトされる。
【0028】
設備を設置した補修キャビン1は、原子炉容器の内部で、穴及びトレパンの切削を行う場所に移動される。
【0029】
取付板7および回転位置決め板8を閉位置に固定する機構9は解除される。可動プラットフォーム3は、
図10に示すように、22°±2°の角度だけ回転され、その位置は車輪支持体10のブレーキによって固定される。
【0030】
切削工具の回転および送り機構2のキャリッジが水平に移動すると(
図11)、ブランディング取付け具および穿孔取付け具22の設置のための位置決め4の穴へのアクセスを供給し、切削穴(トレパン)の完成後、シーリングプラグの設置を準備する。
【0031】
鉛安全プラグ13が取り外され、ブランディングデバイスが位置決めスリーブ4の内側軸受支持体31に取り付けられる。トレパンの直径に対応する溝穴16には、端部にデジタルスタンプ20を備えたブランディング用のロッド18が設置されており、原子炉容器の壁面には衝撃法によりスタンプが適用される。
【0032】
ブランディング用取付具が取り外され、穿孔治具22が内側軸受支持体31上のその所定の位置に設置され、この中に、切削工具23(コアドリル)が、必要な直径のトレパンによる切削片を切り出すために固定されている。穿孔治具22は、位置決めスリーブ4の内側軸受支持体31に沿って、原子炉容器の壁に当たって止まるまで水平方向に移動される(
図12)。
【0033】
可動プラットフォーム3は、ブレーキから解放され、その初期位置に戻される。取り付け治具の取付板7と回転位置決め板8を固定する機構9が閉位置に固定され、車輪支持体10には、再びブレーキがかけられる。
【0034】
穿孔治具22のエンドキャップ27は、切削工具を回転させて送り出すために、機構2のチャック内に固定される。
【0035】
冷却流体は、中空チューブ28を介して切削工具23の内側キャビティに供給され、切削工具回転及び送り機構2が作動し、切削工具の回転及び送り機構2のキャリッジ上の寸法スケールに従ってドリル加工が行われ、切削工具23は定期的にチップの除去のためにドリル加工領域から引き抜かれる。チップはキャッチャ12に集められる。
【0036】
穴あけが完了すると、切削工具の回転及び送り機構2のチャックと穿孔治具22のエンドキャップ27とが非連結になり、取付板7と回転位置決め板8を固定する機構9が解除され、車輪支持体10がブレーキから外れる。可動プラットフォーム3がエジェクタ29との作業を可能にする位置に移動して、シールプラグを取り付ける装置となる。車輪支持体10はブレーキがかけられる。
【0037】
穿孔治具22のシリンダは、切削工具23がキャッチャ12の上方に位置するように補修キャビン1の内側を移動する、エジェクタ29と共に、切り出されたトレパンは穿孔治具22の中空チューブ28を通してキャッチャ12内に押し出される。これで、炉容器の壁をトレパン切削するプロセスが完了する。
【0038】
穿孔治具22が取り外され、プラグ取付具が適当な直径のプラグと一緒にその位置に設置されて、プラグを取り付け、穴を封止する作業が実施される。
【0039】
ドリルで開けた穴にプラグを取り付ける操作が完了すると、作業場所からプラグ取付金具が引き抜かれ、鉛安全プラグ13と交換される。ブランディング、ドリル加工、切り抜かれたトレパンの保管、プラグによる穴の封止からなるプロセスサイクルが完了する。原子炉容器の容器全体からチャンバ自体を取り出すことなく、次の場所でトレパン切削を行う次のプロセスサイクルの準備のために補修キャビンが準備される。
【0040】
提案された装置の使用は、切削工具の位置合わせの精度を確保し、切削工具の取り付けを減少させ、その結果、サービス要員への放射線被ばく負荷を減少させるとともに、限られたスペースの1つの作業場所でブランディング、切削、トレパン保管、穴塞ぎというプロセス操作中の作業の利便性を確保するであろう。
【国際調査報告】