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特表2022-541895真空保管袋を備えた旅行かばんの物品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-28
(54)【発明の名称】真空保管袋を備えた旅行かばんの物品
(51)【国際特許分類】
   A45C 13/02 20060101AFI20220920BHJP
   A45C 5/03 20060101ALI20220920BHJP
   A45C 5/14 20060101ALI20220920BHJP
【FI】
A45C13/02 J
A45C5/03
A45C5/14 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502573
(86)(22)【出願日】2020-07-07
(85)【翻訳文提出日】2022-03-11
(86)【国際出願番号】 EP2020069066
(87)【国際公開番号】W WO2021008932
(87)【国際公開日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】1908046
(32)【優先日】2019-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511059494
【氏名又は名称】セーイーウー・ユーロップ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】エピクレオ,ジュリオ
(72)【発明者】
【氏名】エピクレオ,セザール
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA02
3B045EA03
3B045FB02
3B045GA01
3B045GB01
3B045GC01
3B045GD01
3B045LA10
3B045LB01
(57)【要約】
本発明は、第一のハーフシェル部(14)および第二のハーフシェル部(16)で構成されたシェル部(12)と、各々が支持体(30)に取付けられている少なくとも二つのキャスター(26,28)とを備え、第一のハーフシェル部(14)が、キャスター支持体(30,32)を収めるための二つのハウジングを備える旅行かばんの物品であって、旅行かばん(10)の物品は、
第一のハーフシェル部(14)内に配置された真空保管装置(60)であって、真空保管装置(60)が、補強プレートと、および主コンパートメントと、主コンパートメントを密封するための密封装置(72)と、主コンパートメント(68)が密封されたときに、主コンパートメント内の空気取入口を塞いで、空気が前記バッグ(64)から出ることを可能にするように構成された逆止弁(80)とを有するバッグ(64)とを備える、真空保管装置と、真空保管装置(60)を第一のハーフシェル部(14)に着脱可能に固定するための固定装置と、をさらに備える、旅行かばんの物品に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一のハーフシェル部(14)および第二のハーフシェル部(16)で構成されたシェル部(12)を備え、該第一および第二のハーフシェル部(14,16)が互いに枢動可能に取付けられている旅行かばんの物品であって、該旅行かばん(10)の物品は、
前記シェル部を閉じるために、前記第一および第二のハーフシェル部(14,16)を互いに当てて保持するための閉塞装置(24)と、
各々が支持体(30)に取付けられている少なくとも二つのキャスター(26,28)であって、前記第一のハーフシェル部(14)が、キャスター支持体(30,32)を収めるための二つのハウジングを備える、少なくとも二つのキャスターと、
前記第一のハーフシェル部(14)内に配置された真空保管装置(60)であって、該真空保管装置(60)が、開口部(70)を備えた主コンパートメント(68)と、該主コンパートメント(68)を密封するための密封装置(72)と、該主コンパートメント(68)が密封されたときに、該主コンパートメント内の空気取入口を塞いで、空気がバッグ(64)から出ることを可能にするように構成された逆止弁(80)とを有する該バッグ(64)から成る、真空保管装置と、
前記真空保管装置(60)を前記第一のハーフシェル部(14)に着脱可能に固定するための固定装置(90)であって、該固定装置(90)は、第一の固定部材(92)および第二の固定部材(94)を備え、該第一のハーフシェル部(14)が該第一の固定部材を備え、一方、該真空保管装置(60)は該第二の固定部材を備え、該第一および第二の固定部材(92,94)は、該保管装置(60)を該第一のハーフシェル部(14)に付着させるために互いに協働するように構成されている、固定装置と、を備え、
前記旅行かばん(10)の物品は、前記真空保管装置(60)が、補強プレート(62)をさらに備え、前記補強プレート(62)が、本体(63)と、該本体(63)に対して傾斜可能である少なくとも一つの第一の端部部分(65)とを備えることと、前記第二の固定部材が該第一の端部部分を備えることと、前記第一の固定部材(90)が、前記第一のハーフシェル部(14)に対して前記補強プレート(62)を維持するために該第一の端部部分(65)と協働する少なくとも一つの第一の保持要素(96)を備えることとを特徴とする旅行かばんの物品。
【請求項2】
前記本体(63)は、前記第一のハーフシェル部(14)のベース壁(40)を越えて延在し、同時に、前記第一の端部部分(65)は、該第一のハーフシェル部(14)の第一の側方壁部(44)に一致して延在し、および前記第一の保持要素(96)は、該第一の側方壁部(44)に配置される、請求項1に記載の旅行かばん(10)の物品。
【請求項3】
前記第一の端部部分(65)は、前記第一の保持要素(96)と前記第一の側方壁部(44)との間に保持される、請求項2に記載の旅行かばんの物品。
【請求項4】
前記本体(63)は、前記第一の保持要素と前記ベース壁との間に配置される、請求項2または3に記載の旅行かばんの物品。
【請求項5】
前記第一の保持要素(96)は弾性バンドである、請求項1~4の何れか一項に記載の旅行かばんの物品。
【請求項6】
前記第一の固定部材(90)は、プレートの第二の端部部分(67)と協働する第二の保持要素を備える、請求項1~5の何れか一項に記載の旅行かばんの物品。
【請求項7】
前記二つのハウジングは、前記側方壁部(44)から、前記第一のハーフシェル部(14)の内部に向かって突出し、および前記第一の端部部分(65)は、該第一の端部部分が該二つのハウジングの中間に係合するように該二つのハウジングを隔てている距離と等しいか、または該距離よりもわずかに小さい長さ(A)を有する、請求項1~6の何れか一項に記載の旅行かばん(10)の物品。
【請求項8】
前記本体の幅(I)は、前記第一の端部部分(65)の前記長さ(A)よりも大きい、請求項7に記載の旅行かばん(10)の物品。
【請求項9】
第一のハーフシェル部(14)および第二のハーフシェル部(16)で構成されたシェル部(12)を備え、該第一および第二のハーフシェル部(14,16)が互いに枢動可能に取付けられている旅行かばんの物品であって、
該旅行かばん(10)の物品は、
前記シェル部を閉じるために、前記第一および第二のハーフシェル部(14,16)を互いに当てて保持するための閉塞装置(24)と、
各々が支持体(30)に取付けられている少なくとも二つのキャスター(26,28)であって、前記第一のハーフシェル部(14)が、キャスター支持体(30,32)を収めるための二つのハウジングを備える、少なくとも二つのキャスターと、
前記第一のハーフシェル部(14)内に配置された真空保管装置(60)であって、該真空保管装置(60)が、開口部(70)を備えた主コンパートメント(68)と、該主コンパートメント(68)を密封するための密封装置(72)と、該主コンパートメント(68)が密封されたときに、該主コンパートメント内の空気取入口を塞いで、空気がバッグ(64)から出ることを可能にするように構成された逆止弁(80)とを有する該バッグ(64)から成る、真空保管装置と、
前記真空保管装置(60)を前記第一のハーフシェル部(14)に着脱可能に固定するための固定装置(90)であって、該固定装置(90)は、該第一のハーフシェル部(14)内に配置された第一の固定部材(92)と、該真空保管装置(60)に固着された第二の固定部材(94)とを備え、該第一および第二の固定部材(92,94)は、該保管装置(60)を該第一のハーフシェル部(14)に付着させるために互いに協働するように構成されている、固定装置と、を備え、
前記旅行かばん(10)の物品は、前記真空保管装置(60)が、前記第二の固定部材(94)と前記主コンパートメントとの間に配置された補強プレート(62)をさらに備えることを特徴とする旅行かばんの物品。
【請求項10】
前記補強プレート(62)は、前記バッグの二次的コンパートメント(66)内に配置され、および前記第二の固定部材(94)は、該二次的コンパートメントの壁部に固定される、請求項9に記載の旅行かばん(10)の物品。
【請求項11】
前記第一および第二の固定部材(90,94)は、ループ/フックタイプの固定システムを備える、請求項9または10に記載の旅行かばん(10)の物品。
【請求項12】
好ましくは、前記旅行かばんの物品のポケットに格納された真空装置をさらに備える、請求項1~11の何れか一項に記載の旅行かばん(10)の物品。
【請求項13】
前記第一の固定部材(92)は、前記第一のハーフシェル部(14)の前記内側壁(15)に固着される、請求項1~12の何れか一項に記載の旅行かばん(10)の物品。
【請求項14】
前記第一のハーフシェル部は、保護ファブリックで被覆された内側壁を有し、および前記第一の固定部材は、前記保護ファブリックに固着される、請求項1~12の何れか一項に記載の旅行かばん(10)の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旅行かばんの分野に関し、特に、旅客機の客室で認められている機内持込み手荷物とも呼ばれている持込み荷物に関する。
【背景技術】
【0002】
旅行者が使用する一つの周知のタイプの旅行かばんは、機内持込み手荷物とも呼ばれる持込み荷物である。
【0003】
従来、このような持込み荷物は、第一のハーフシェル部と、第二のハーフシェル部とから成るシェル部を備え、該第一のハーフシェル部と第二のハーフシェル部は互いに枢動可能に取付けられ、該持込み荷物は、それらのシェル部を閉じるために、互いに当たって該第一および第二のハーフシェル部を保持するための閉塞装置を備えている。この種の旅行かばんは、少なくとも二つのキャスターを備え、該キャスターの各々は支持体に取付けられ、該第一のハーフシェル部は、該キャスター支持体を収めるための二つのハウジングを備えている。
【0004】
該シェル部は、プラスチック、金属またはテキスタイルで形成することができる。
【0005】
該持込み荷物の利点は、該旅行者が手荷物計量手続きをなしで済まして、その結果として、彼は、乗り込む前に手荷物を計量しなければならない、および到着時に、空港で手荷物カルーセルから該手荷物を探さなければならない旅行者よりも速く乗り込みおよび降りることができるということである。
【0006】
しかし、持込み荷物は、大きさが縮小されており、国際航空運送協会(International Air Transport Association:IATA)によって規定されている機内持込み手荷物の標準的なサイズは、55x35x20cmである。
【0007】
そのため、機内持込み手荷物での可搬物品の容積は小さく、このような旅行かばんの使用法を実質的に制限する。
【0008】
特許文献1(米国特許出願公開第2013/292221号明細書)は、該第一のハーフシェル部内に配置された真空保管装置を備える旅行かばんの物品について記載しており、該真空保管装置は、開口部を備えた主コンパートメントを有するバッグと、該主コンパートメントを密封するための密封装置と、該主コンパートメントの空気取入口を塞ぐように、および該主コンパートメントが密封されたときに、該バッグから空気が出ることを可能にするように構成された逆止弁とを備え、該旅行かばんの物品は、該真空保管装置を該第一のハーフシェル部に着脱可能に取付けるための留め具をさらに備えている。
【0009】
しかし、上記の物品は、複雑でコストが掛かる構造を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許出願公開第2013/292221号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
発明の提示
該本発明の目的は、旅行かばんの物品(item of luggage)、例えば、同じサイズの従来の旅行かばんよりも多くの物品を運送し、および特許文献1の旅行かばんの物品よりも複雑でない構造を有する持込み荷物の物品を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
該本発明は、その目的を、第一の固定部材と第二の固定部材とを備える固定装置であって、該第一のハーフシェル部が該第一の固定部材を備えるとともに、該真空保管装置が該第二の固定部材を備え、該第一および第二の固定部材は、該保管装置を該第一のハーフシェル部に取付けるために、互いに協働するように構成され、該真空保管装置は、本体と、該本体に対して傾斜可能である少なくとも一つの第一の端部部分とを備えている補強プレートをさらに備え、および該第一の固定部材は、該第一のハーフシェル部に対して該補強プレートを維持するように該第一の端部部分と協働する少なくとも一つの第一の保持要素を備える、該固定装置によって達成する。
【0013】
ユーザが、該保管部内に装置のかさばる物品、例えば、スキーウェアを置くことができ、そして、該バッグの該主コンパートメント内に含まれている空気を取り除くことによって容積を減らすことができることは明らかである。このことを行うために、該ユーザが、該密封装置によって該バッグの該主コンパートメントを閉じて、その後、該閉じられたバッグに圧力を及ぼすと、結果として、該逆止弁を介して空気が強制的に排出される。該ユーザが、該物品を圧縮した後、それらの物品は、この時点で、容積が低減され、および該バッグが開かれていない限り、該物品の通常の容積には戻らない。該物品は、それらの圧縮状態においては、あまりかさばらないため、該同じサイズの旅行かばんの古典的な物品内よりも多くの物品を、該本発明による該旅行かばんの物品内に入れることが可能である。
【0014】
さらに、上記固定装置は、該ユーザが、物品を該主コンパートメント内に挿入する間だけではなく、該バッグを圧縮する後のステップの間も、該バッグを該第一のハーフシェル部内に正しく配置されたままにすることを確実にする。
【0015】
そのため、該バッグ内への物品の配置、および該バッグの圧縮は、該保管装置が該第一のハーフシェル部内にある間に実行される。該本発明の利点の一つは、該圧縮された物品は、圧縮中は、該第一のハーフシェル部の形態を執り、このことが該第一のハーフシェル部内で該圧縮された物品が占める容積を最大限にするということである。該第一のハーフシェル部は、有利には、堅牢であり、および該物品の配置中に、または、該バッグ内でのそれらの圧縮中に変形しない。
【0016】
該固定装置は、脱着可能な固定を可能にし、その結果として、該保管装置を必要に応じて取り換えることが容易に可能である。
【0017】
該本発明により、該ユーザは、該第二の固定部材を該第一の固定部材に係合することにより、該真空保管装置を該第一のハーフシェル部内に素早くかつ正確に配置することができる。
【0018】
該補強プレートが該第一の保持要素によって保持されて、該真空保管装置が該シェル部に対して確実に保持されることは明らかである。該プレートの本体は、該第一の保持要素と、該第一のハーフシェル部のベース壁との間に配置され、同時に、該第一の端部部分は、該第一の保持要素と該第一のハーフシェル部の第一の側方壁部の中間に係合され、該第一の端部部分は、該プレートの該本体に対して実質的に直交している。
【0019】
好ましくは、該補強プレートは、該バッグに固定される。より好ましくは、該バッグは、該主コンパートメントと該シェル部との間に配置された二次的コンパートメントを備え、該補強プレートは、前記二次的コンパートメント内に留まっている。
【0020】
実施形態によれば、該第一のハーフシェル部は、保護ファブリックで被覆された内側壁を有し、および該第一の固定部材は、前記保護ファブリックに固着されている。
【0021】
この保護ファブリックは、該真空保管装置が、該第一のハーフシェル部の該内側壁に直接接触するのを防ぐためのクレンリネス(cleanliness)層を構成している。また、該保護ファブリックは、該ハーフシェル部の内側に延在している該キャスター支持体を収める該ハウジングも覆っている。
【0022】
別の変形例によれば、該第一の固定部材は、該第一のハーフシェル部の該壁部に固着されている。
【0023】
好ましくは、該固定装置は、該第一のハーフシェル部または該保護ファブリックに固着された、および対向する壁部に配置された第二の保持要素をさらに備えている。この第二の保持要素は、該第一の端部部分に対向する、該補強プレートの第二の端部部分と協働するように構成されている。
【0024】
そのため、この実施形態においては、該保管装置は、少なくとも、該補強プレートの該第一の端部部分と協働する該第一の保持要素により、および好ましくは、該補強プレートの該第一および第二の端部部分と協働する該第一および第二の保持要素によって保持される。
【0025】
好ましくは、該本体は、該第一のハーフシェル部のベース壁を越えて延在し、同時に、該第一の端部部分は、該第一のハーフシェル部の側方壁部に一致して延在し、および該第一の保持要素は、該第一の側方壁部に配置される。該補強プレートの該本体は、一方の第一および第二の保持要素と、他方の該ベース壁との間に配置されて、該バッグが該第一のハーフシェル部内で保持される方法が改善されている。
【0026】
別の興味深い特徴は、該保管装置は、少なくとも、該第一のハーフシェル部の側方壁部に、好ましくは、対向する側方壁部に押し付けることができ、このことが、該保管装置が該第一のハーフシェル部内で漠然と動くことを防いでいるということである。
【0027】
好ましくは、必ずしも必要ではないが、該第一の保持要素は、該保護ファブリックに固着される。
【0028】
より好ましくは、該第一の保持要素は、弾性バンドである。ここでの肝心な点は、該バッグの配置および引出しを容易にすることである。該第一の端部部分は、該第一の保持要素と該第一の側方壁部との間で保持される。
【0029】
好ましくは、該補強プレートの該本体は、該二次的コンパートメント内に配置され、一方、該第一の端部部分は、該二次的コンパートメントから延在している。
【0030】
有利な実施形態によれば、該二つのハウジングは、該側方壁部から、該第一のハーフシェル部の内部に向かって突出し、また、該第一の端部部分は、該第一の端部部分が該二つのハウジングの中間に係合するように該二つのハウジングを隔てている距離と等しいか、または該距離よりもわずかに小さい長さを有している。
【0031】
この実装の効果は、該第一の端部部分が該ハウジング間に保持されているということである。肝心な点は、該第一のハーフシェル部内での該補強プレートの安定的な配置をさらに改善することである。
【0032】
好ましくは、該本体の幅は、該第一の端部部分の該長さよりも大きい。優先的な構成によれば、該本体の長手方向縁部は、該第一のハーフシェル部の縁部の壁部近傍に支持され、または、少なくとも該近傍にあり、それらの縁部の壁部は、該側方壁部に対して直交しており、該第一のハーフシェル部の該保管装置の該配置および保持をさらに改善している。
【0033】
該本発明の別の実施形態によれば、該真空保管装置は、該第二の固定部材と該主コンパートメントとの間に配置されている補強プレートを備えている。そして好ましくは、該第一の固定部材は、該第一のハーフシェル部のベース壁に配設されている。
【0034】
有利には、該補強プレートは、該保管装置の二次的コンパートメント内に配置され、および該第二の固定部材は、該二次的コンパートメントの壁部に固定されている。
【0035】
該二次的コンパートメントは、好ましくは、該主コンパートメントの下に配置される。該第一の固定部材は、それ自体が、好ましくは、それが存在する場合、該保護ファブリックに固定される。
【0036】
この取付けは、該補強プレートを該第一のハーフシェル部の該ベース壁に正しく当てることを確実にする。
【0037】
実施形態によれば、該第一および第二の固定部材は、ループ/フックタイプの固定システムを備えている。
【0038】
該第一の固定部材は、該保護ファブリックに固定することができ、または、該第一のハーフシェル部の該壁部に直接固定することができ、同時に、該第二の固定部材は、該補強プレートを収める該二次的コンパートメントの該壁部に固着される。
【0039】
別の有利な態様によれば、該旅行かばんの物品は、好ましくは、該旅行かばんの物品のポケットに格納された、真空を生成するための装置をさらに備えている。
【0040】
該旅行かばんの物品は、好ましくは、機内持込み手荷物の物品である。
【0041】
該物品は、好ましくは、該シェル部の該第一のハーフシェル部に取付けられた伸縮自在の把握部材をさらに備えている。この把握部材は、該旅行かばんの物品を取り扱うためのハンドルをさらに備えている。また、該第二のハーフシェル部は、キャスターを備えることができる。
【0042】
該本発明は、添付図面に関連する非限定的な実施例によって与えられる該本発明の実施形態に関する以下の説明からより良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】バッグに収容された該物品の圧縮前の、該本発明による旅行かばんの物品を示す図である。
図2】補強プレートの、そのハウジングへの挿入を示す、該本発明の第一の実施形態による該保管装置を示す図である。
図3】折り畳み位置における、図2の該補強プレートの該端部部分を示す図である。
図4】保管装置のない状態の、開位置における、該第一の実施形態による該旅行かばんの物品の該シェル部を示す図である。
図5図4の該シェル部の該第一のハーフシェル部内への該保管装置の配置を示す図である。
図6】弾性バンドを用いた、該補強プレートの該端部部分の一つの係合の詳細図である。
図7】端部部分の一つが該弾性バンドによって保持されていることを示す図である。
図8】本発明による該旅行かばんの物品の第二の実施形態を示し、該固定装置は、ループおよびフックシステムを備えている図である。
図9】第一のハーフシェル部内への該保管装置の配置後の、図8の該旅行かばんの物品を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
詳細な説明
図1は、第一のハーフシェル部14および第二のシェル部16で構成されたシェル部12を備える、手動式機内持込み手荷物の旅行かばん10の物品を示す。周知のように、該第一および第二のハーフシェル部14,16は、図1に点線で示す共通縁部18に沿って、互いに枢動可能に取付けられている。該第一および第二のハーフシェル部14,16は、それぞれ、周囲自由縁部を備え、これら二つの周囲自由縁部20,22は、該シェル部が閉位置にあるときは、互いに当たって支持される。しかし、該本発明の範囲から逸脱することなく、該旅行かばんの物品は、サイズをより大きくすることができ、およびラゲージホールド内に置くことができる。
【0045】
周知のように、該旅行かばん10の物品は、閉塞装置24、例えば、各々が、該第一および第二のハーフシェル部の該周辺縁部20,22に沿って延在している二つの相補形部分を備えているジッパーをさらに備えている。
【0046】
該閉塞装置24の機能が、該シェル部12を閉じるために、該第一のハーフシェル部と第二のハーフシェル部を互いに当てて保持することであることは明らかである。
【0047】
また、該旅行かばん10の物品は、該第一のハーフシェル部14に接続されている第一および第二のキャスター26,28も備えている。図1に図示されているように、該第二のハーフシェル部もキャスターを備えていることに留意されたい。
【0048】
該第一のキャスター26は、第一の支持体30に取付けられ、一方、該第二のキャスター28は、第二の支持体32に取付けられている。また、該第一のハーフシェル部は、該第一の支持体30を収めるための第一の収容部材34と、該第二の支持体32を収めるための第二の収容部材36も備えている。
【0049】
これらの収容部材34および36は、該旅行かばん10の物品の該シェル部のみを示す図2において最も良く分かる。
【0050】
図2において明らかなように、該収容部材は、好ましくは、該第一のハーフシェル部14の内部に突出しているケーシングの形態を有している。
【0051】
周知のように、該第一のキャスター(個々には、該第二のキャスター)は、該第一の支持体(個々には、該第二の支持体)に対して、その回転軸周りに回転するように取付けられ、該第一の支持体(個々には、該第二の支持体)は、それ自体が該第一の収容部材(個々には、該第二の収容部材)に対して、該第一のキャスター(個々には、該第二のキャスター)の該回転軸に対して直角である回転軸周りに回転可能に取付けられている。
【0052】
そのため、該第一および第二の収容部材は、該支持体を保持して、それらの支持体が該回転軸周りに回転することを可能にするための手段を備えている。
【0053】
そのため、該第一および第二の収容部材は、これらの部材が該第一のハーフシェル部の容積の内部に突出する程度の特定の嵩を呈している。この特定の構成は、該第一および第二のキャスターは、該第一のハーフシェル部14に近接して配置されるべきであるという事実によるものである。
【0054】
周知のように、該第一および第二の収容部材34,36は、該第一のハーフシェル部に接続されている適合部材によって構成されている。また、該ハウジングは、特に、該第一のハーフシェル部が成形または押出成形によって製造される場合には、該第一のハーフシェル部の凹部によって画定することもできる。
【0055】
図2に示すように、該第一のハーフシェル部14は、ベース壁40と、該ベース壁40を取り囲む周囲壁42とを備えている。該周囲壁42は、該第一および第二のキャスター28がそこから突出している第一の側方壁部44と、該第一の側方壁部44に対向する第二の側方壁部46と、該第一のハーフシェル部14の該長さに一致して延在している、平行縁部48,50の二つの壁部とで構成されている。
【0056】
該本発明に従って、該旅行かばん10の物品は、図3および図4に示す、該第一のハーフシェル部14内に配置されることが意図されている真空保管装置60をさらに備えている。該第一のハーフシェル部14内への該真空保管装置60の該配置は、特に図5から図7に図示されている。
【0057】
該真空保管装置60は、例えば、ボール紙で形成された補強プレート62、および該ユーザが、圧縮すべき該物品をその中に挿入するバッグ64を備えている。該バッグ64は、該物品がそこを介して差し入れられる開口部70を備えた主コンパートメント68を備えている。該バッグは、該補強プレート62がその中に配置される二次的コンパートメント66をさらに備えている。該バッグは、該主コンパートメント68を密封するための密封装置72を備えている。
【0058】
この実施例では、周知のように、該密封装置72は、該開口部の境界を定める二つの端縁部74,76によって構成され、これら二つの縁部74,76には、該端縁部の長さに従ってシフトされるスライダ78の動作により互いに係合する相補的形態から成る長手方向の溝およびリブが設けられている。
【0059】
図3の該実施例において、該主コンパートメント68は、その開口状態で図示されている。
【0060】
該真空保管装置60は、該主コンパートメントの空気取入口を塞ぐが、該主コンパートメントが密封されたときには、空気が該バッグから出ることを可能にするように構成されている逆止弁80をさらに備えている。
【0061】
図1の該実施例において、該ユーザは、該バッグをそれ自体の上で巻き取ることによって、該バッグの該主コンパートメントから該空気を取り除く。該本発明の範囲から逸脱することなく、該バッグから空気を排気することは、電気掃除機またはポンプによって行うことができる。
【0062】
該本発明に従って、該旅行かばん10の物品は、該真空保管装置60を該第一のハーフシェル部14に着脱可能に固定するための固定装置90をさらに備えている。
【0063】
図2から図7に示す該実施形態において、該補強プレート62は、本体63と、折り畳み線65aに従って、該本体に対して傾斜可能である第一の端部部分65とを備えている。この実施例では、該折り畳み線65aは、該補強プレート62の幅Iに従って延びている。該補強プレート62は、これもまた該補強プレート62の幅に従って延びている折り畳み線67aに従って、該本体63に対して傾斜可能である、該第一の端部部分65に対向する第二の端部部分67をさらに備えている。
【0064】
図1から明らかなように、該本体63の該幅Iは、該第一の端部部分65の長さAよりも大きい。
【0065】
また、該本体63の長さBは、該補強プレートが該二次的コンパートメント66内に配置されたときに、該第一および第二の端部部分65および67が該二次的コンパートメント66から突出するように、該二次的コンパートメント66の長さLに実質的に等しくなっている。図4において、翼状の形態の該第一および第二の端部部分65,67は、該二次的コンパートメント66に横付けするように、該本体63に対して実質的に垂直に延びている。
【0066】
したがって、図3に符号Cで示す、該補強プレートの平坦部の全長は、該本体63の該長さBよりも大きいことは明らかである。
【0067】
次に、該固定装置90の実施形態について詳細に説明する。
【0068】
図2から図7の該実施例において、図5および図6に示す該固定装置90は、該第一のハーフシェル部14内に配置される第一の固定部材92と、該真空保管装置60に固着されている第二の固定部材94とを備えている。本願明細書において以下で説明するように、該第一および第二の固定部材92,94は、該保管装置を該第一のハーフシェル部14に固着するために、互いに協働するように構成されている。
【0069】
該第一の固定部材92は、該第一のハーフシェル部14の内側壁15に固着される。
【0070】
この実施例では、該第一の固定部材92は、第一および第二の収容部材34,36間に延在する弾性バンドによって構成されている第一の保持要素96を備えている。この弾性バンドは、該第一の側方壁部に固定され、または必要に応じて、それを覆う該保護ファブリックに固定される。
【0071】
該第一の保持要素は、例えば、該弾性バンドの各端部に配置されたリベット97によって、該第一のハーフシェル部の該周囲壁42に固定されている。
【0072】
該第二の固定部材94は、本願明細書において上述した該第一の端部部分65を備えている。図6により、該保管装置が該第一のハーフシェル部14内に設置された場合に、該二次的コンパートメント66に格納された該補強プレートの該本体63が、該第一のハーフシェル部14の該ベース壁40の上に延在し、同時に、該第一の端部部分65が、該第一のハーフシェル部の該第一の側方壁部44に当たって実質的に支持されることは明らかである。該第一の側方壁部44に配置された該第一の保持要素96は、該第一の端部部分65が該弾性バンド96と該第一の側方壁部44との間に挟み込まれることによって保持されるように構成されている。該第一の保持要素と同様の第二の保持要素は、該第二の端部部分と協働するように、該第二の側方壁部に配置されている。その結果として、該補強プレートは、該第一のハーフシェル部14に対して保持される。さらに、該プレートの該本体は、該保持要素が、該第一のハーフシェル部から引き出される該バッグに抗して作用するように、該第一および第二の保持要素と該ベース壁との間に配設されていることに留意されたい。
【0073】
また、該第一の側方壁部44から該第一のハーフシェル部の該内部に向かって突出しているケーシングの形態の該二つの収容部材34,36が、該第一の保持要素96の両側に配置されていることにも留意されたい。換言すると、該第一の端部部分65の該長さAは、該第一の端部部分65が、該二つの収容部材の中間に係合するように、該二つの収容部材34,36を隔てている距離よりも小さくなっている。
【0074】
図8および図9は、該本発明による該旅行かばんの物品の第二の実施形態を示す。
【0075】
この第二の実施形態では、該補強プレート62は、該二次的コンパートメント66内に完全に格納されるような矩形状形態を有している。しかし、該本発明の該範囲から逸脱することなく、該補強プレートは、該第一の実施形態のものと同様の翼状の端部部分を備えることができるであろう。
【0076】
該第二の実施形態において、該第一の固定部材92は、該第一のハーフシェル部14の該ベース壁40に固定されたタイプのVelcro(登録商標)のバンドによって構成されている。また、該第二の固定部材94も、図9に示すように、該二次的コンパートメント66の面61に固定されている追加的なVelcro(登録商標)バンドによって構成されている。該第一および第二の固定部材92,94が互いに係合されると、該補強プレート62は、図10に示すように、該第一のハーフシェル部14の該ベース壁40に固着される。
【0077】
該本発明の該範囲から逸脱することなく、該第一の実施形態の該固定装置90は、該第二の実施形態の固定装置と組み合わせることもできるであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】