(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-29
(54)【発明の名称】表示パネル及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20220921BHJP
G06F 3/044 20060101ALI20220921BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220921BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
G06F3/041 400
G06F3/041 422
G06F3/044 129
G09F9/00 366A
G09F9/30 349Z
G09F9/30 348A
G09F9/30 309
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021510870
(86)(22)【出願日】2020-06-30
(85)【翻訳文提出日】2021-02-26
(86)【国際出願番号】 CN2020099304
(87)【国際公開番号】W WO2021253489
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】202010546638.0
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517333336
【氏名又は名称】武漢華星光電半導体顕示技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】WUHAN CHINA STAR OPTOELECTRONICS SEMICONDUCTOR DISOLAY TECHNOLOGY CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】305 Room,Building C5 Biolake of Optics Valley,No.666 Gaoxin Avenue,.Wuhan East Lake High-tech Development Zone Wuhan,Hubei 430079 China
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】陳 碧
【テーマコード(参考)】
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA51
5C094AA60
5C094BA21
5C094CA19
5C094DA07
5C094DA15
5C094DB04
5C094EA01
5C094EA05
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB02
5C094FB12
5C094JA08
5G435AA00
5G435BB01
5G435CC09
5G435EE49
5G435HH02
5G435HH12
5G435HH20
5G435LL07
(57)【要約】
本発明は、表示パネル及び表示装置を開示し、該表示パネルが、複数の画素セルを含む表示基板と、前記表示基板に設けられるタッチ層及び指紋認識層と、を含み、前記タッチ層は少なくとも1つのタッチユニットを含み、前記指紋認識層は少なくとも1つのメイン指紋認識ユニットを含み、前記メイン指紋認識ユニットのそれぞれがN
SFPS個のサブ指紋認識ユニット、対応するN
pixel個の前記画素セルを含み、N
SFPS、N
pixelは正の整数である。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画素セルを含む表示基板と、
前記表示基板に設けられるタッチ層及び指紋認識層と、を含み、
前記タッチ層は少なくとも1つのタッチユニットを含み、
前記指紋認識層は少なくとも1つのメイン指紋認識ユニットを含み、前記メイン指紋認識ユニットのそれぞれがN
SFPS個のサブ指紋認識ユニット、対応するN
pixel個の前記画素セルを含み、N
SFPS、N
pixelは正の整数である表示パネル。
【請求項2】
前記タッチ層と前記指紋認識層とが同層に設けられる請求項1に記載の表示パネル。
【請求項3】
隣り合う前記タッチユニットの間の間隔が5mm~20mmであり、隣り合う前記サブ指紋認識ユニットの間の間隔が50μm~150μmである請求項1に記載の表示パネル。
【請求項4】
隣り合う前記メイン指紋認識ユニットの間の間隔P
UFPSはP
UFPS=N
pixel×P
pixel又はP
UFPS=N
SFPS×P
SFPSを満たし、且つN
pixel×P
pixelとN
SFPS×P
SFPSとの差分値が25μm未満であり、P
pixelは隣り合う前記画素セルの間の間隔であり、P
SFPSは隣り合う前記サブ指紋認識ユニットの間の間隔である請求項1に記載の表示パネル。
【請求項5】
前記表示パネルは、
前記表示基板に設けられる薄膜封止層と、
前記薄膜封止層に設けられる第1絶縁層と、
前記第1絶縁層に設けられる第1金属層と、
前記第1金属層に設けられて少なくとも1つの貫通孔が開口される第2絶縁層と、
前記第2絶縁層に設けられて前記貫通孔を通して前記第1金属層に接続される第2金属層と、
前記第2金属層に設けられる第3絶縁層と、を更に含む請求項1に記載の表示パネル。
【請求項6】
前記第1金属層は前記タッチ層においてタッチ検知電極又はタッチ駆動電極であり、前記指紋認識層において指紋認識架橋金属帯であり、前記第2金属層は前記指紋認識層において指紋認識検知電極又は指紋認識駆動電極であり、前記タッチ層においてタッチ架橋金属帯又はダミー電極であり、前記指紋認識架橋金属帯が隣り合う前記指紋認識検知電極又は指紋認識駆動電極に接続され、前記タッチ架橋金属帯が隣り合う前記タッチ検知電極又は前記タッチ駆動電極に接続され、前記ダミー電極が前記画素セルに覆われる請求項5に記載の表示パネル。
【請求項7】
前記指紋認識架橋金属帯の形状が対応する前記画素セルの輪郭の等間隔の拡大パターン又は直線状である請求項6に記載の表示パネル。
【請求項8】
前記第1金属層が、金、銀、銅、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アルミニウム及び亜鉛のうち少なくとも1種を含む非透明材であり、前記第1金属層が隣り合う前記画素セルの間に設けられる請求項5に記載の表示パネル。
【請求項9】
前記第2金属層が透明導電材料であり、積層された第1酸化インジウムスズ層、銀層及び第2酸化インジウムスズ層を含み、前記第1酸化インジウムスズ層及び前記第2酸化インジウムスズ層の厚さが5nm~20nmであり、前記銀層の厚さが5nm~30nmである請求項5に記載の表示パネル。
【請求項10】
表示パネルを含み、前記表示パネルは、複数の画素セルを含む表示基板と、
前記表示基板に設けられるタッチ層及び指紋認識層と、を含み、
前記タッチ層は少なくとも1つのタッチユニットを含み、
前記指紋認識層は少なくとも1つのメイン指紋認識ユニットを含み、前記メイン指紋認識ユニットのそれぞれがN
SFPS個のサブ指紋認識ユニット、対応するN
pixel個の前記画素セルを含み、N
SFPS、N
pixelは正の整数である表示装置。
【請求項11】
前記タッチ層と前記指紋認識層とが同層に設けられる請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
隣り合う前記タッチユニットの間の間隔が5mm~20mmであり、隣り合う前記サブ指紋認識ユニットの間の間隔が50μm~150μmである請求項10に記載の表示装置。
【請求項13】
隣り合う前記メイン指紋認識ユニットの間の間隔P
UFPSはP
UFPS=N
pixel×P
pixel又はP
UFPS=N
SFPS×P
SFPSを満たし、且つN
pixel×P
pixelとN
SFPS×P
SFPSとの差分値が25μm未満であり、P
pixelは隣り合う前記画素セルの間の間隔であり、P
SFPSは隣り合う前記サブ指紋認識ユニットの間の間隔である請求項10に記載の表示装置。
【請求項14】
前記表示装置は、
前記表示基板に設けられる薄膜封止層と、
前記薄膜封止層に設けられる第1絶縁層と、
前記第1絶縁層に設けられる第1金属層と、
前記第1金属層に設けられて少なくとも1つの貫通孔が開口される第2絶縁層と、
前記第2絶縁層に設けられて前記貫通孔を通して前記第1金属層に接続される第2金属層と、
前記第2金属層に設けられる第3絶縁層と、を更に含む請求項10に記載の表示装置。
【請求項15】
前記第1金属層は前記タッチ層においてタッチ検知電極又はタッチ駆動電極であり、前記指紋認識層において指紋認識架橋金属帯であり、前記第2金属層は前記指紋認識層において指紋認識検知電極又は指紋認識駆動電極であり、前記タッチ層においてタッチ架橋金属帯又はダミー電極であり、前記指紋認識架橋金属帯が隣り合う前記指紋認識検知電極又は指紋認識駆動電極に接続され、前記タッチ架橋金属帯が隣り合う前記タッチ検知電極又は前記タッチ駆動電極に接続され、前記ダミー電極が前記画素セルに覆われる請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記指紋認識架橋金属帯の形状が対応する前記画素セルの輪郭の等間隔の拡大パターン又は直線状である請求項15に記載の表示装置。
【請求項17】
前記第1金属層が、金、銀、銅、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アルミニウム及び亜鉛のうち少なくとも1種を含む非透明材であり、前記第1金属層が隣り合う前記画素セルの間に設けられる請求項14に記載の表示装置。
【請求項18】
前記第2金属層が透明導電材料であり、積層された第1酸化インジウムスズ層、銀層及び第2酸化インジウムスズ層を含み、前記第1酸化インジウムスズ層及び前記第2酸化インジウムスズ層の厚さが5nm~20nmであり、前記銀層の厚さが5nm~30nmである請求項14に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチ技術分野に関し、具体的に表示パネル及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のタッチパネルの応用方式の主流は、外付け式とインセル式(Direct on-cell touch,DOT)との2種類があり、外付け式とはタッチセンサが独立したモジュールとして設計され、カバーパネルと表示パネルとの間に設けられ、インセル式とはタッチセンサを表示パネルに直接設計した後、表示パネルと共にカバーパネルの下方に貼り付けられる。さらに表示技術の発展に伴い、携帯電話は、日常生活において重要な通信手段として必要不可欠となり、関連技術において指紋認識は、表面下フレーム、側面又は裏面などの非表示領域に独立したモジュールとして設けられ、これらの指紋認識の技術的手段がいずれも独立したモジュールとして組み立てられている。
【0003】
指紋認識モジュールを如何にインセルタッチパネルに設置するかは、この技術の難点となり、及び前記指紋認識モジュールを前記インセルタッチパネルに設置した後、高解像度製品の隣り合う画素セルの間の間隔が小さすぎることで、隣り合う指紋認識ユニットの間の間隔も小さすぎるようになる。そして、隣り合う前記指紋認識ユニットの間の間隔が小さすぎることで、感応量が低すぎて、後のカバーパネルを貫通することができず、認識効果が劣り、同様に前記指紋認識ユニットの間の間隔が大きすぎると、指紋認識の解像度が低くなり、指紋認識の精度が低くなる。そして直線の金属ブリッジもパール型の画素セルに適用できなく、画素セルの発光に影響を及ぼすなどの技術的な欠点を解決することが急務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、指紋認識モジュールをインセルタッチパネルに設置することが困難であるため、設置後の指紋認識効果が低く、指紋認識精度が低く、画素の発光に影響を及ぼすなどの技術的問題点がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例は、従来技術において、指紋認識モジュールをインセルタッチパネルに設置することが困難であるため、設置後の指紋認識効果が低く、指紋認識精度が低く、画素の発光に影響を及ぼすなどの技術的問題点を解消するための表示パネル及び表示装置を提供する。
【0006】
上記問題点を解消するために、第1態様において、本発明は、
複数の画素セルを含む表示基板と、
前記表示基板に設けられるタッチ層及び指紋認識層と、を含み、
前記タッチ層は少なくとも1つのタッチユニットを含み、
前記指紋認識層は少なくとも1つのメイン指紋認識ユニットを含み、前記メイン指紋認識ユニットのそれぞれがNSFPS個のサブ指紋認識ユニット、対応するNpixel個の前記画素セルを含み、NSFPS、Npixelは正の整数である表示パネルを提供する。
【0007】
本発明のいくつかの実施例において、前記タッチ層と前記指紋認識層とが同層に設けられる。
【0008】
本発明のいくつかの実施例において、隣り合う前記タッチユニットの間の間隔が5mm~20mmであり、隣り合う前記サブ指紋認識ユニットの間の間隔が50μm~150μmである。
【0009】
本発明のいくつかの実施例において、隣り合う前記メイン指紋認識ユニットの間の間隔PUFPSはPUFPS=Npixel×Ppixel又はPUFPS=NSFPS×PSFPSを満たし、且つNpixel×PpixelとNSFPS×PSFPSとの差分値が25μm未満であり、Ppixelは隣り合う前記画素セルの間の間隔であり、PSFPSは隣り合う前記サブ指紋認識ユニットの間の間隔である。
【0010】
本発明のいくつかの実施例において、前記表示パネルは、
前記表示基板に設けられる薄膜封止層と、
前記薄膜封止層に設けられる第1絶縁層と、
前記第1絶縁層に設けられる第1金属層と、
前記第1金属層に設けられて少なくとも1つの貫通孔が開口される第2絶縁層と、
前記第2絶縁層に設けられて前記貫通孔を通して前記第1金属層に接続される第2金属層と、
前記第2金属層に設けられる第3絶縁層と、を更に含む。
【0011】
本発明のいくつかの実施例において、前記第1金属層は前記タッチ層においてタッチ検知電極又はタッチ駆動電極であり、前記指紋認識層において指紋認識架橋金属帯であり、前記第2金属層は前記指紋認識層において指紋認識検知電極又は指紋認識駆動電極であり、前記タッチ層においてタッチ架橋金属帯又はダミー電極であり、前記指紋認識架橋金属帯が隣り合う前記指紋認識検知電極又は指紋認識駆動電極に接続され、前記タッチ架橋金属帯が隣り合う前記タッチ検知電極又は前記タッチ駆動電極に接続され、前記ダミー電極が前記画素セルに覆われる。
【0012】
本発明のいくつかの実施例において、前記指紋認識架橋金属帯の形状が対応する前記画素セルの輪郭の等間隔の拡大パターン又は直線状である。
【0013】
本発明のいくつかの実施例において、前記第1金属層が、金、銀、銅、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アルミニウム及び亜鉛のうち少なくとも1種を含む非透明材であり、前記第1金属層が隣り合う前記画素セルの間に設けられる。
【0014】
本発明のいくつかの実施例において、前記第2金属層が透明導電材料であり、積層された第1酸化インジウムスズ層、銀層及び第2酸化インジウムスズ層を含み、前記第1酸化インジウムスズ層及び前記第2酸化インジウムスズ層の厚さが5nm~20nmであり、前記銀層の厚さが5nm~30nmである。
【0015】
第2態様において、本発明は、表示パネルを含む表示装置を更に提供し、前記表示パネルは、複数の画素セルを含む表示基板と、
前記表示基板に設けられるタッチ層及び指紋認識層と、を含み、
前記タッチ層は少なくとも1つのタッチユニットを含み、
前記指紋認識層は少なくとも1つのメイン指紋認識ユニットを含み、前記メイン指紋認識ユニットのそれぞれがNSFPS個のサブ指紋認識ユニット、対応するNpixel個の前記画素セルを含み、NSFPS、Npixelは正の整数である。
【0016】
本発明のいくつかの実施例において、前記タッチ層と前記指紋認識層とが同層に設けられる。
【0017】
本発明のいくつかの実施例において、隣り合う前記タッチユニットの間の間隔が5mm~20mmであり、隣り合う前記サブ指紋認識ユニットの間の間隔が50μm~150μmである。
【0018】
本発明のいくつかの実施例において、隣り合う前記メイン指紋認識ユニットの間の間隔PUFPSはPUFPS=Npixel×Ppixel又はPUFPS=NSFPS×PSFPSを満たし、且つNpixel×PpixelとNSFPS×PSFPSとの差分値が25μm未満であり、Ppixelは隣り合う前記画素セルの間の間隔であり、PSFPSは隣り合う前記サブ指紋認識ユニットの間の間隔である。
【0019】
本発明のいくつかの実施例において、前記表示パネルは、
前記表示基板に設けられる薄膜封止層と、
前記薄膜封止層に設けられる第1絶縁層と、
前記第1絶縁層に設けられる第1金属層と、
前記第1金属層に設けられて少なくとも1つの貫通孔が開口される第2絶縁層と、
前記第2絶縁層に設けられて前記貫通孔を通して前記第1金属層に接続される第2金属層と、
前記第2金属層に設けられる第3絶縁層と、を更に含む。
【0020】
本発明のいくつかの実施例において、前記第1金属層は前記タッチ層においてタッチ検知電極又はタッチ駆動電極であり、前記指紋認識層において指紋認識架橋金属帯であり、前記第2金属層は前記指紋認識層において指紋認識検知電極又は指紋認識駆動電極であり、前記タッチ層においてタッチ架橋金属帯又はダミー電極であり、前記指紋認識架橋金属帯が隣り合う前記指紋認識検知電極又は指紋認識駆動電極に接続され、前記タッチ架橋金属帯が隣り合う前記タッチ検知電極又は前記タッチ駆動電極に接続され、前記ダミー電極が前記画素セルに覆われる。
【0021】
本発明のいくつかの実施例において、前記指紋認識架橋金属帯の形状が対応する前記画素セルの輪郭の等間隔の拡大パターン又は直線状である。
【0022】
本発明のいくつかの実施例において、前記第1金属層が、金、銀、銅、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アルミニウム及び亜鉛のうち少なくとも1種を含む非透明材であり、前記第1金属層が隣り合う前記画素セルの間に設けられる。
【0023】
本発明のいくつかの実施例において、前記第2金属層が透明導電材料であり、積層された第1酸化インジウムスズ層、銀層及び第2酸化インジウムスズ層を含み、前記第1酸化インジウムスズ層及び前記第2酸化インジウムスズ層の厚さが5nm~20nmであり、前記銀層の厚さが5nm~30nmである。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、従来の表示パネルと比べて、指紋認識層及びタッチ層を同層に設けて、異なる解像度の表示パネルにおける隣り合う画素セル間の間隔の違いに対して指紋認識ユニットのパターンを再設計することにより、同一のメイン指紋認識ユニットに整数個の画素セル及び整数個のサブ指紋認識ユニットが存在し、隣り合う前記サブ指紋認識ユニット間の間隔が最適な認識範囲に位置することにより、隣り合う画素セル間の間隔の違いによるインセル式指紋認識ユニットの制限を低減させると同時に、架橋金属帯の形状を変更し、画素セルの発光に対する影響を低減させ、発光領域の画面占有率を増大し、指紋認識センサの表示装置内へのインセル式集積化に対して大きな助力が得られ、ユーザ体験も大幅に向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
以下、本発明の実施例における技術的手段をより明確に説明するために、実施例の説明に使用する添付図面を簡単に紹介し、以下に説明する図面は、本発明の幾つかの実施例に過ぎず、当業者にとっては創造的努力なしにこれらの図面から他の図面を導き出すこともできることは明らかである。
【
図1】
図1は本発明の一実施例に係る表示パネルの概略図である。
【
図2】
図2は本発明の一実施例に係るタッチ層の構造概略図である。
【
図3】
図3は本発明の一実施例に係る指紋認識層の構造概略図である。
【
図4】
図4は本発明の一実施例に係る第2金属層の構造概略図である。
【
図5】
図5は本発明の一実施例に係る指紋認識層の平面図である。
【
図6】
図6は本発明の一実施例に係るタッチ層の平面図である。
【
図7】
図7は本発明の一実施例に係るメイン指紋認識ユニットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的手段を明確且つ完全に説明する。説明した実施例はすべての実施例ではなく、本発明の一部の実施例であることは明らかである。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な努力を行うことなく得られる他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0027】
本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」などの用語で示される方位又は位置関係は、図面に基づいて示される方位又は位置関係である。これらの用語は、本発明の説明を容易にするため、及び説明を簡略化するためのものに過ぎず、言及される装置又は要素が特定の方位を有し、特定の方位で構成及び動作しなければならないと指示又は暗示するためではなく、したがって、本発明を限定するものとして理解されるべきではない。さらに、「第1」、「第2」という用語は、単に説明するためのものであり、相対的な重要性を示すか、又は暗示するか、又は示される技術的特徴の数を暗示すると理解されるべきではない。したがって、「第一」、「第二」によって限定されている特徴は、1つ又は複数の前記特徴を含むことを明示又は暗示することができる。本発明の説明において、別途明確で具体的な説明がない限り、「複数」とは2つ以上を意味する。
【0028】
従来技術において、指紋認識は、全て独立したモジュールとして実装され、表面表示の占有率及び機械内部空間全体に影響を与える。
【0029】
これに基づいて、本発明の実施例は、表示パネル及び表示装置を提供する。以下、それぞれについて詳細に説明する。
【0030】
まず、本発明の実施例は、表示パネルを提供し、
図1に示すように、
図1は本発明の一実施例に係る表示パネルの概略図である。前記表示パネルは、複数の画素セル103を含む表示基板100と、
前記表示基板に設けられるタッチ層101及び指紋認識層102と、を含み、
前記タッチ層101は少なくとも1つのタッチユニットを含み、
前記指紋認識層102は少なくとも1つのメイン指紋認識ユニットを含み、前記メイン指紋認識ユニットのそれぞれがN
SFPS個のサブ指紋認識ユニット、対応するN
pixel個の前記画素セル103を含み、N
SFPS、N
pixelは正の整数である。
【0031】
本発明は、従来の表示パネルと比べて、異なる解像度の表示パネルにおける隣り合う画素セル103間の間隔の違いに対して指紋認識ユニットのパターンを再設計することにより、同一のメイン指紋認識ユニットに整数個の画素セル103及び整数個のサブ指紋認識ユニットが存在し、隣り合う前記サブ指紋認識ユニット間の間隔が最適な認識範囲に位置することにより、隣り合う画素セル103間の間隔の違いによるインセル式指紋認識ユニットの制限を低減させ、指紋認識センサの表示装置内へのインセル式集積化に対して大きな助力が得られ、ユーザ体験も大幅に向上させる。
【0032】
本発明の実施例において、前記タッチ層101と前記指紋認識層102とが同層に設けられる。前記表示パネルが指紋認識領域とタッチ領域とに分けられ、指紋認識領域と前記タッチ層101との出現位置が共に前記表示パネルの短手側辺に位置し、対向する両短手側辺にそれぞれ位置する。
【0033】
図2及び
図3に示すように、
図2は本発明の一実施例に係るタッチ層の構造概略図であり、
図3は本発明の一実施例に係る指紋認識層の構造概略図である。前記表示パネルは、前記表示基板100に設けられる薄膜封止層200と、前記薄膜封止層200に設けられる第1絶縁層301と、前記第1絶縁層301に設けられる第1金属層302と、前記第1金属層302に設けられて少なくとも1つの貫通孔が開口される第2絶縁層303と、前記第2絶縁層303に設けられて前記貫通孔を通して前記第1金属層に接続される第2金属層304と、前記第2金属層304に設けられる第3絶縁層305と、を更に含む。
【0034】
前記第1金属層302は前記タッチ層101においてタッチ検知電極302a又はタッチ駆動電極302bであり、前記指紋認識層102において指紋認識架橋金属帯302cであり、前記第2金属層304は前記指紋認識層102において指紋認識検知電極304c又は指紋認識駆動電極304dであり、前記タッチ層101においてタッチ架橋金属帯304a又はダミー電極304bであり、前記指紋認識架橋金属帯302cが隣り合う前記指紋認識検知電極304c又は指紋認識駆動電極304dに接続され、前記タッチ架橋金属帯304aが隣り合う前記タッチ検知電極302a又は前記タッチ駆動電極302bに接続され、前記ダミー電極304bが前記画素セル103に覆われる。
【0035】
前記タッチ層101及び前記指紋認識層102が共に単層架橋構造であり、即ち隣り合う2つの前記タッチ検知電極302a又は前記タッチ駆動電極302b、隣り合う2つの前記指紋認識検知電極304c又は前記指紋認識駆動電極304dがそれぞれ同層に設けられ、前記タッチ架橋金属帯304aにより前記第2絶縁層303の貫通孔を通して隣り合う2つの前記タッチ検知電極302a又は前記タッチ駆動電極302bを導通し、前記指紋認識架橋金属帯302cにより前記第2絶縁層303の貫通孔を通して隣り合う2つの前記指紋認識検知電極304c又は前記指紋認識駆動電極304dを導通することにより、離間して配置された前記タッチ検知電極302a又は前記タッチ駆動電極302b、前記指紋認識検知電極304c又は前記指紋認識駆動電極304dがそれぞれ完全な導通路を形成する。前記第1金属層302と前記第2金属層304との間及び両側に、前記第1絶縁層301、前記第2絶縁層303及び前記第3絶縁層305がそれぞれ設けられ、前記第1金属層302と前記第2金属層304とを絶縁保護するとともに、前記タッチ検知電極302aと前記タッチ駆動電極302bとの導通、前記指紋認識検知電極304cと前記指紋認識駆動電極304dとの導通を防止する。前記ダミー電極304bは、前記画素セル103よりも大きな寸法を有し、前記画素セル103を覆い、指紋認識領域の光学効果とタッチ領域の光学効果とを一致させることを目的とする。
【0036】
前記指紋認識層102中の電極は、相互容量方式を採用して、第1方向及び第2方向に対して規制していない。したがって、各図面における前記指紋認識検知電極304c及び前記指紋認識駆動電極304dの位置及び方向が交換可能である。本発明の実施例において、単層架橋方式を採用して、前記指紋認識検知電極304cと前記指紋認識駆動電極304dとを同層に設けることが好ましいが、単層架橋方式に限定されず、二層構造を更に採用してもよく、即ち前記指紋認識検知電極304cと前記指紋認識駆動電極304dとを異なる層に設けて、前記タッチ層101が同様である。
【0037】
本発明の実施例において、前記第1金属層302が、金、銀、銅、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アルミニウム及び亜鉛のうち少なくとも1種を含む非透明材であり、非透明材が前記画素セル103の発光を遮蔽することを防止するために、前記第1金属層302が隣り合う前記画素セル103の間に設けられる。
【0038】
図4に示すように、
図4は本発明の一実施例に係る第2金属層の構造概略図である。前記第2金属層304が透明導電材料であり、積層された第1酸化インジウムスズ層3041、銀層3042及び第2酸化インジウムスズ層3043を含み、好ましくは、前記第1酸化インジウムスズ層3041及び前記第2酸化インジウムスズ層3043の厚さが5nm~20nmであり、前記銀層3042の厚さが5nm~30nmである。
【0039】
図5に示すように、
図5は本発明の一実施例に係る指紋認識層の平面図である。前記表示パネルは表示領域及び非表示領域を含み、前記指紋認識層102が前記表示パネルのエッジに近接して配置される場合に、前記指紋認識層102の引き回し線は、一部が前記表示領域に位置し、一部が前記非表示領域に位置し、前記表示領域の引き回し線が透明な第2金属層304を用いて構成され、前記引き回し線の幅が5μm~30μmであり、階段状に配線され、前記指紋認識層102の引き回し線が占める面積を最小化し、パネルの表示領域内の指紋認識の引き回し線によるタッチパターンへの影響を低減するために、前記非表示領域の引き回し線は、非透明な第1金属層302を用いて構成され、前記引き回し線の配線抵抗を低減する。本実施例において、前記指紋認識層102の集積回路チップ(Integrated Circuit,IC)を前記表示パネルに直接ボンディングするが、チップオンフィルム(Chip On Film,COF)方式を用いて前記指紋認識層102の集積回路チップをフレキシブル回路基板(Flexible Printed Circuit,FPC)にボンディングしてもよい。
【0040】
図6に示すように、
図6は本発明の一実施例に係るタッチ層の平面図である。本実施例において、縦方向の電極を前記タッチ検知電極302a、横方向の電極を前記タッチ駆動電極302bと定義し、前記タッチ検知電極302a及び前記タッチ駆動電極302bはいずれも前記第1金属層302で構成され、前記第1金属層302が光を透過しないため、前記タッチ検知電極302a及び前記タッチ駆動電極302bの配線がいずれも隣り合う前記画素セル103の間に配置され、前記表示領域の発光に対する影響を低減する。
【0041】
好ましくは、前記タッチユニット及び前記サブ指紋認識ユニットのパターンが菱形であり、隣り合う前記タッチユニットの間の間隔が5mm~20mmであり、隣り合う前記サブ指紋認識ユニットの間の間隔が50μm~150μmである。高解像度製品において、隣り合う前記画素セル103の間の間隔は通常100μm以内であり、隣り合う前記タッチユニットの間の間隔が、隣り合う前記画素セル103の間の間隔よりも遥かに大きく、好ましい範囲が大きく、隣り合う前記サブ指紋認識ユニットの間の間隔が小さく、好ましい範囲が小さいため、前記第1金属層302及び前記第2金属層304は、前記タッチ層101において、いずれも隣り合う前記画素セル103の間に設けられてもよく、前記第2金属層304は、前記指紋認識ユニットにおいて、隣り合う前記画素セル103の間にも設けられると、前記サブ指紋認識ユニットの好ましい範囲を満たさず、指紋認識効果が低下するなどの欠陥をもたらす。
【0042】
指紋認識の効果が高く、画素セル103に対する遮蔽が少ないことをバランス良く実現するために、本発明の実施例では、前記メイン指紋認識ユニットの設置方式を提案する。
図7に示すように、
図7は本発明の一実施例に係るメイン指紋認識ユニットの概略図である。隣り合う前記メイン指紋認識ユニットの間の間隔P
UFPSはP
UFPS=N
pixel×P
pixel又はP
UFPS=N
SFPS×P
SFPSを満たし、且つN
pixel×P
pixelとN
SFPS×P
SFPSとの差分値が25μm未満であり、P
pixelは隣り合う前記画素セル103の間の間隔であり、P
SFPSは隣り合う前記サブ指紋認識ユニットの間の間隔である。即ち1つの前記メイン指紋認識ユニットに前記画素セル103及び前記サブ指紋認識ユニットを異なる個数で設けることにより、指紋認識効果に影響を与えることなく、且つ交差重複を完全に避けることができない場合に、隣り合う画素セル103の間にできるだけ多くの前記第2金属層304を設け、前記画素セル103を貫通する前記第2金属層304をできるだけ少なくすることが可能になる。前記第1金属層302が光を透過しないため、前記第1金属層302が前記画素セル103の発光を遮蔽することを防止するために、前記指紋認識架橋金属帯302cは、前記指紋認識層102において、直線状に直接接続されることに加えて、対応する画素セル103の輪郭に基づいて設計された等間隔の拡大パターンを含み、図に示すように、前記画素セル103は、円形の緑色画素セルと、4つの延在部を有する異形の赤色画素セル及び青色画素セルとを含み、前記指紋認識架橋金属帯302cは、前記画素セル103の形状で設計され、例えば、もっと大きな円形、同様に4つの延在部を有する異形又は直線状に設計され、前記画素セル103の周辺から通して導通される。
図7において、横方向RXに導通するパターンを前記指紋認識駆動電極304d、縦方向TXに導通する電極を前記指紋認識検知電極304cと定義し、同一の前記メイン指紋認識ユニットに横方向に導通される前記指紋認識架橋金属帯302cが存在し、縦方向に導通される前記指紋認識架橋金属帯302cが存在してもよい。
【0043】
本発明の実施例に係る表示パネルをよりよく実施するために、前記表示パネルに基づいて、本発明の実施例は、上記実施例に記載の表示パネルを含む表示装置を更に提供する。上記実施例に記載の表示パネルを採用することにより、該表示装置の性能を更に向上させる。
【0044】
上記の実施例において、各実施例の説明にいずれも重点をおいているが、ある実施例では詳細に説明されていない部分については、他の実施例における関連する説明を参照されたい。具体的に実施する際に、上記各ユニット又は構造は、独立した実体として実現してもよいし、任意の組み合わせを行って同一又は若干の実体として実現してもよく、上記各ユニット又は構造の具体的な実施は、前の方法の実施例を参照してもよく、ここではその説明を省略する。
【0045】
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発明の原理及び実施形態について具体例を用いて述べたが、以上の実施例の説明は、本発明の技術的手段及びその旨の理解を助けるためのものに過ぎず、当業者にとっては、対応する技術的手段の旨が本発明の各実施例の技術的手段の範囲から逸脱しない限り、依然として上記の各実施例に記載した技術的手段を修正するか、又はその一部の技術的特徴を同等に置き換えることができると理解すべきである。
【国際調査報告】