(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-29
(54)【発明の名称】車両制御方法、装置、電子機器及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20220921BHJP
B60W 30/09 20120101ALI20220921BHJP
【FI】
G08G1/16 D
B60W30/09
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021564791
(86)(22)【出願日】2021-04-23
(85)【翻訳文提出日】2021-11-01
(86)【国際出願番号】 CN2021089379
(87)【国際公開番号】W WO2022001322
(87)【国際公開日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】202010619835.0
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519290264
【氏名又は名称】シャンハイ センスタイム インテリジェント テクノロジー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー ジンウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ワン ジョー
【テーマコード(参考)】
3D241
5H181
【Fターム(参考)】
3D241BA33
3D241CE04
3D241DC33Z
5H181AA01
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC11
5H181CC12
5H181CC14
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF27
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL09
5H181LL14
5H181MB02
(57)【要約】
本願の実施例は、車両制御方法、装置、電子機器及び記憶媒体を提供する。該車両制御方法は、目標車両におけるレーダー装置により収集されたポイントクラウドデータを取得することと、前記ポイントクラウドデータに基づいて、前記目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報を決定することと、前記レーダー装置が発射するビームのビーム情報及び決定された前記障害物の情報に基づいて、前記目標車両のレーダー死角エリア情報を決定することと、前記目標車両のレーダー死角エリア情報に従って、前記目標車両を制御することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両制御方法であって、
目標車両におけるレーダー装置により収集されたポイントクラウドデータを取得することと、
前記ポイントクラウドデータに基づいて、前記目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報を決定することと、
前記レーダー装置が発射するビームのビーム情報及び決定された前記障害物の情報に基づいて、前記目標車両のレーダー死角エリア情報を決定することと、
前記目標車両のレーダー死角エリア情報に従って、前記目標車両を制御することと、を含む、車両制御方法。
【請求項2】
前記ポイントクラウドデータに基づいて、前記目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報を決定することは、
前記ポイントクラウドデータに基づいて、前記目標車両からの所定の範囲内の障害物の輪郭情報を決定することと、
前記所定の範囲内の各障害物の輪郭情報に基づいて、該障害物の、予め構築されたラスター地図における各ラスターでの障害物高さを決定することと、
各障害物の、予め構築されたラスター地図における各ラスターでの障害物高さに基づいて、現在の障害物ラスター地図を得ることであって、前記現在の障害物ラスター地図は、前記目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報を表すためのものである、ことと、を含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ビーム情報は、前記レーダー装置が発射するビームの、前記予め構築されたラスター地図における各ラスター内のビーム高さを含み、前記レーダー装置が発射するビームのビーム情報及び決定された前記障害物の情報に基づいて、前記目標車両のレーダー死角エリア情報を決定することは、
前記予め構築されたラスター地図における各ラスターに対応するビーム高さ、及び前記現在の障害物ラスター地図に基づいて、現在のレーダー死角エリアラスター地図を決定することと、
前記現在のレーダー死角エリアラスター地図及び予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、前記目標車両の、該予め設定された目標対象に対するレーダー死角エリア情報を決定することと、を含むことを特徴とする
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記予め構築されたラスター地図における各ラスターに対応するビーム高さ、及び前記現在の障害物ラスター地図に基づいて、現在のレーダー死角エリアラスター地図を決定することは、
前記現在の障害物ラスター地図に含まれる障害物のサイズ情報、及び前記レーダー装置が発射するビームの、前記現在の障害物ラスター地図への投影によって得られた光路情報に基づいて、いずれか1つの障害物により遮蔽される光路を抽出して更新光路集合を得ることと、
前記更新光路集合内の各光路に対して、該光路の発射方向に沿って、該光路に対応するラスターインデックス系列を決定することであって、前記ラスターインデックス系列は、複数のラスターを光路発射方向の順番に従って順に順序付けることによって得られた各ラスターのインデックスを表す、ことと、
各ラスターインデックス系列に対して、該ラスターインデックス系列に対応する光路に関連する各ビームの、各ラスターでのビーム高さ及び該ラスターに対応する障害物高さに従って、該ラスターインデックス系列により示される各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整し、最後の1つのラスターインデックス系列における各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数の調整が完了するまで継続し、現在のレーダー死角エリアラスター地図を得ることと、を含むことを特徴とする
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
1つのラスターインデックス系列により示される各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整することは、
1つのラスターインデックス系列における現在のラスターに対して、該ラスターインデックス系列に対応する各ビームの、現在のラスターにおけるビーム高さと現在のラスターに対応する障害物高さを順に比較し、ビーム高さが障害物高さよりも高いビームを現在のラスターに対応する有効ビームとすることと、
現在のラスターに対応する有効ビームのビーム高さに基づいて、現在のラスターの最低ビーム高さに対して調整を行い、該ラスターインデックス系列に対応するビームのうちの現在のラスターに対応する有効ビームの数量に基づいて、現在のラスターに対応する有効ビーム数を調整することと、
現在のラスターに対応する有効ビームを該ラスターインデックス系列における次のラスターに入射するビームとし、前記次のラスターを現在のラスターとし、引き続き、該現在のラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整することを実行し、現在のラスターに入射する各ビームのビーム高さがいずれも現在のラスターに対応する障害物高さより低くなるまで実行を継続し、該ラスターインデックス系列における各ラスターの、本回の調整後に対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を得ることと、を実行する方式による、ことを特徴とする
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記現在のレーダー死角エリアラスター地図及び予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、前記目標車両の、該予め設定された目標対象に対するレーダー死角エリア情報を決定することは、
予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、前記レーダー装置が前記予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数及び最高ビーム高さを決定することと、
前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における、各ラスターに対応する前記有効ビーム数と前記予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数に基づいて、前記予め設定された目標対象の、前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアを決定し、又は、前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における、各ラスターに対応する最低ビーム高さと前記予め設定された目標対象が走査できている最高ビーム高さに基づいて、前記予め設定された目標対象の、前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアを決定し、又は、前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における、各ラスターに対応する前記有効ビーム数と前記予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数、及び前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における、各ラスターに対応する最低ビーム高さと前記予め設定された目標対象が走査できている最高ビーム高さに基づいて、前記予め設定された目標対象の、前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアを決定することと、を含むことを特徴とする
請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記目標車両のレーダー死角エリア情報に従って、前記目標車両を制御することは、
前記目標車両の現在位置姿勢情報及び前記レーダー死角エリア情報に基づいて、前記目標車両と前記所定の範囲内のレーダー死角エリアとの距離情報を決定することと、
前記距離情報に基づいて、前記目標車両を、減速して障害物を回避するように制御することと、を含むことを特徴とする
請求項1から6のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
車両制御装置であって、
目標車両におけるレーダー装置により収集されたポイントクラウドデータを取得するように構成されるデータ取得部と、
前記ポイントクラウドデータに基づいて、前記目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報を決定するように構成される第1決定部と、
前記レーダー装置が発射するビームのビーム情報及び決定された前記障害物の情報に基づいて、前記目標車両のレーダー死角エリア情報を決定するように構成される第2決定部と、
前記目標車両のレーダー死角エリア情報に従って、前記目標車両を制御するように構成される車両制御部と、を備える、車両制御装置。
【請求項9】
前記第1決定部は更に、
前記ポイントクラウドデータに基づいて、前記目標車両からの所定の範囲内の障害物の輪郭情報を決定し、
前記所定の範囲内の各障害物の輪郭情報に基づいて、該障害物の、予め構築されたラスター地図における各ラスターでの障害物高さを決定し、
各障害物の、予め構築されたラスター地図における各ラスターでの障害物高さに基づいて、現在の障害物ラスター地図を得るように構成され、前記現在の障害物ラスター地図は、前記目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報を表すためのものであることを特徴とする
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記ビーム情報は、前記レーダー装置が発射するビームの、前記予め構築されたラスター地図における各ラスター内のビーム高さを含み、前記第2決定部は更に、
前記予め構築されたラスター地図における各ラスターに対応するビーム高さ、及び前記現在の障害物ラスター地図に基づいて、現在のレーダー死角エリアラスター地図を決定し、
前記現在のレーダー死角エリアラスター地図及び予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、前記目標車両の、該予め設定された目標対象に対するレーダー死角エリア情報を決定するように構成されることを特徴とする
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第2決定部は更に、
前記現在の障害物ラスター地図に含まれる障害物のサイズ情報、及び前記レーダー装置が発射するビームの、前記現在の障害物ラスター地図への投影によって得られた光路情報に基づいて、いずれか1つの障害物により遮蔽される光路を抽出して更新光路集合を得て、
前記更新光路集合内の各光路に対して、該光路の発射方向に沿って、該光路に対応するラスターインデックス系列を決定し、前記ラスターインデックス系列は、複数のラスターを光路発射方向の順番に従って順に順序付けることによって得られた各ラスターのインデックスを表し、
各ラスターインデックス系列に対して、該ラスターインデックス系列に対応する光路に関連する各ビームの、各ラスターでのビーム高さ及び該ラスターに対応する障害物高さに従って、該ラスターインデックス系列により示される各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整し、最後の1つのラスターインデックス系列における各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数の調整が完了するまで継続し、現在のレーダー死角エリアラスター地図を得るように構成されることを特徴とする
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第2決定部は更に、
1つのラスターインデックス系列における現在のラスターに対して、該ラスターインデックス系列に対応する各ビームの、現在のラスターにおけるビーム高さと現在のラスターに対応する障害物高さを順に比較し、ビーム高さが障害物高さよりも高いビームを現在のラスターに対応する有効ビームとすることと、
現在のラスターに対応する有効ビームのビーム高さに基づいて、現在のラスターの最低ビーム高さに対して調整を行い、該ラスターインデックス系列に対応するビームのうちの現在のラスターに対応する有効ビームの数量に基づいて、現在のラスターに対応する有効ビーム数を調整することと、
現在のラスターに対応する有効ビームを該ラスターインデックス系列における次のラスターに入射するビームとし、前記次のラスターを現在のラスターとし、引き続き、該現在のラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整することを実行し、現在のラスターに入射する各ビームのビーム高さがいずれも現在のラスターに対応する障害物高さより低くなるまで実行を継続し、該ラスターインデックス系列における各ラスターの、本回の調整後に対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を得ることを実行するように構成されることを特徴とする
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第2決定部は更に、
予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、前記レーダー装置が前記予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数及び最高ビーム高さを決定し、
前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における、各ラスターに対応する前記有効ビーム数と前記予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数に基づいて、前記予め設定された目標対象の、前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアを決定し、又は、前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における、各ラスターに対応する最低ビーム高さと前記予め設定された目標対象が走査できている最高ビーム高さに基づいて、前記予め設定された目標対象の、前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアを決定し、又は、前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における、各ラスターに対応する前記有効ビーム数と前記予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数、及び前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における、各ラスターに対応する最低ビーム高さと前記予め設定された目標対象が走査できている最高ビーム高さに基づいて、前記予め設定された目標対象の、前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアを決定するように構成されることを特徴とする
請求項10に記載の装置。
【請求項14】
前記車両制御部は更に、
前記目標車両の現在位置姿勢情報及び前記レーダー死角エリア情報に基づいて、前記目標車両と前記所定の範囲内のレーダー死角エリアとの距離情報を決定し、
前記距離情報に基づいて、前記目標車両を、減速して障害物を回避するように制御するように構成されることを特徴とする
請求項8から13のうちいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
電子機器であって、前記電子機器は、プロセッサと、メモリと、バスと、を備え、前記メモリに、前記プロセッサによる実行可能な機器可読命令が記憶されており、電子機器が動作する時に、前記プロセッサと前記メモリとは、バスを介して通信し、前記機器可読命令が前記プロセッサにより実行される時に、請求項1から7のうちいずれか一項に記載の方法のステップを実行する、電子機器。
【請求項16】
コンピュータ可読記憶媒体であって、該コンピュータ可読記憶媒体に、コンピュータプログラムが記憶されており、該コンピュータプログラムがプロセッサにより実行される時に、請求項1から7のうちいずれか一項に記載の方法のステップを実行する、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、コンピュータ可読コードを含み、前記コンピュータ可読コードがコンピュータ機器において実行される時に、前記コンピュータ機器におけるプロセッサは、請求項1から7のうちいずれか一項に記載の方法のステップを実行する、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2020年6月30日に提出された、出願番号が202010619835.0である中国特許出願に基づく優先権を主張し、該中国特許出願の全内容が参照として本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、レーダー技術分野に関し、特に車両制御方法、装置、電子機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
レーダーは、解析度が高く、探知性に優れているなどの利点を有し、自動運転自動車における最も重要なセンサである。
【0004】
一般的には、車両に搭載されているレーダーに基づいて障害物を検出することができ、それにより障害物と車両との位置関係を決定するが、障害物による遮蔽及びレーダー自体の垂直角解像度による影響を受けるため、レーダーにより収集されたポイントクラウドデータにレーダー死角エリアが存在する。死角エリアを合理的に推定することは、車両制御に対して重大な意義を持つ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は少なくとも、車両制御の解決手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様によれば、本願の実施例は、車両制御方法を提供する。前記方法は、
目標車両におけるレーダー装置により収集されたポイントクラウドデータを取得することと、
前記ポイントクラウドデータに基づいて、前記目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報を決定することと、
前記レーダー装置が発射するビームのビーム情報及び決定された前記障害物の情報に基づいて、前記目標車両のレーダー死角エリア情報を決定することと、
前記目標車両のレーダー死角エリア情報に従って、前記目標車両を制御することと、を含む。
【0007】
本願の実施例において、目標車両が走行するプロセスにおいて、常に、目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報及びレーダー装置が発射するビームのビーム情報に基づいてレーダー死角エリア情報を決定する。このように、目標車両が走行するプロセスにおいて、変化する障害物の情報により、絶え間なく、目標車両が走行するプロセスにおけるレーダー死角エリア情報を決定することができる。それにより、これに基づいて、目標車両の走行プロセスを効果的に制御し、目標車両に衝突を発生する確率を低減させ、安全性を向上させることができる。
【0008】
第2態様によれば、本願の実施例は、目標車両制御装置を提供する。前記装置は、
目標車両におけるレーダー装置により収集されたポイントクラウドデータを取得するように構成されるデータ取得部と、
前記ポイントクラウドデータに基づいて、前記目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報を決定するように構成される第1決定部と、
前記レーダー装置が発射するビームのビーム情報及び決定された前記障害物の情報に基づいて、前記目標車両のレーダー死角エリア情報を決定するように構成される第2決定部と、
前記目標車両のレーダー死角エリア情報に従って、前記目標車両を制御するように構成される車両制御部と、を備える。
【0009】
第3態様によれば、本願の実施例は、電子機器を提供する。前記電子機器は、プロセッサと、メモリと、バスと、を備え、前記メモリに、前記プロセッサによる実行可能な機器可読命令が記憶されており、電子機器が動作する時に、前記プロセッサと前記メモリとは、バスを介して通信し、前記機器可読命令が前記プロセッサにより実行される場合、第1態様に記載の方法のステップを実行する。
【0010】
第4態様によれば、本願の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。該コンピュータ可読記憶媒体に、コンピュータプログラムが記憶されており、該コンピュータプログラムがプロセッサにより実行される場合、第1態様に記載の方法のステップを実行する。
【0011】
第5態様によれば、本願の実施例は、コンピュータプログラムを更に提供する。前記コンピュータプログラムは、コンピュータ可読コードを含み、前記コンピュータ可読コードがコンピュータ機器において実行される場合、前記コンピュータ機器におけるプロセッサは、第1態様に記載の方法のステップを実行する。
【0012】
本願の上記目的、特徴及び利点をより明確かつ分かりやすくするために、以下、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら、以下のように、詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本願の実施例による車両制御方法を示すフローチャートである。
【
図2】本願の実施例によるビーム分布を示す概略図である。
【
図3A】本願の実施例による障害物の情報の決定を示すフローチャートである。
【
図3B】本願の実施例によるレーダー死角エリア情報の決定を示すフローチャートである。
【
図4】本願の実施例による現在のレーダー死角エリアラスター地図の生成を示すフローチャートである。
【
図5A】本願の実施例による光路を示す概略図である。
【
図5B】本願の実施例による光路に対応するラスターインデックス系列を示す概略図である。
【
図6A】本願の実施例による車両走行シーンを示す概略図である。
【
図6B】本願の実施例によるラスター地図を示す図である。
【
図6C】本願の実施例による現在の障害物ラスター地図を示す図である。
【
図6D】本願の実施例による現在のレーダー死角エリアラスター地図を示す図である。
【
図6E】本願の実施例による障害物により遮蔽される光路を示す概略図である。
【
図7】本願の実施例によるレーダー死角エリアの決定を示すフローチャートである。
【
図8】本願の実施例による車両走行の制御方法を示すフローチャートである。
【
図9】本願の実施例による車両制御装置の構造を示す概略図である。
【
図10】本願の実施例による電子機器の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本願の実施例の技術的解決手段をより明確に説明するために、以下、実施例に必要な図面を簡単に説明する。ここで添付した図面は、明細書に引き入れて本明細書の一部を構成し、本願に適合する実施例を示し、かつ、明細書とともに本願の技術的解決手段を解釈することに用いられる。下記図面は、説明のみの目的で本願の幾つかの実施形態を図示しており、本願を制限するものではないことが理解されるべきである。当業者は、創造的労働を行うことなく、これらの図面に基づいてその他の関連する図面を得ることもできる。
【0015】
本願の実施例の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明瞭かつ完全に説明する。勿論、記述される実施例は、全ての実施例ではなく、ただ本出願の一部の実施例である。一般的には、図面に説明されて示されている本願の実施例のコンポーネントは、多岐にわたる異なる構成で配置及び設計することができる。従って、図面を参照しながら提供される本願の実施例の下記詳細な説明は、特許請求されている本願の範囲を限定するものではなく、本願の選択された実施例を示すためのものに過ぎない。本願の実施例に基づいて、当業者が創造的な労力なしに得られる他の実施例の全ては、本願の保護の範囲に含まれる。
【0016】
下記図面において、類似した符号及び文字は、類似した要素を表すため、1つの要素が1つの図面において定義されていると、後続の図面において、これに対して定義及び説明を行う必要がないことに留意されたい。
【0017】
自動運転分野において、一般的には、レーダー装置により障害物を検出する。それにより、走行プロセスにおいて、検出された障害物の位置に基づいて、障害物回避走行を如何に行うかを判定する。しかしながら、車両が走行するプロセスにおいて、レーダー装置は、障害物による遮蔽の影響及びレーダー自体の垂直解像度による制限を受けるため、レーダーにより収集されたポイントクラウドデータにレーダー死角エリアが存在する。レーダー死角エリアを如何に決定するか、更にレーダー死角エリアに基づく車両走行の制御は、本開示が検討しようとする技術的課題である。上記レーダーは、レーザーレーダー、ミリ波レーダー及び超音波レーダーなどを含む。
【0018】
上記検討によれば、本願の実施例は、車両制御方法を提供する。目標車両が走行するプロセスにおいて、レーダー装置により収集されたポイントクラウドデータを取得し、該ポイントクラウドデータに基づいて、目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報を決定することができる。例えば、障害物の高さ、幅及び深さ情報を決定できる。続いて、更に、決定された障害物の情報及びレーダー装置が発射する無線電波のビーム情報に基づいて、該目標車両に対するレーダー死角エリア情報を決定する。本願の実施例において、目標車両が走行するプロセスにおいて、常に、目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報及びレーダー装置が発射する無線電波のビーム情報に基づいてレーダー死角エリア情報を決定する。このように、目標車両が走行するプロセスにおいて、目標車両に対する障害物の情報が変化する場合、目標車両が走行するプロセスにおけるレーダー死角エリア情報をいつでも決定することができる。それにより、これに基づいて、目標車両の走行プロセスを効果的に制御し、目標車両に衝突を発生する確率を低減させ、安全性を向上させることができる。
【0019】
本願の実施例を理解しやすくするために、まず、本願の実施例が開示する車両制御方法を詳しく説明する。本願の実施例が提供する車両制御方法の実行主体は、一般的には、一定のコンピューティング能力を持つコンピュータ機器である。該コンピュータ機器は例えば、端末機器、サーバ又は他の処理機器を含む。端末機器は、ユーザ機器(User Equipment:UE)、移動機器、ユーザ端末、コンピューティング機器、車載機器などであってもよい。幾つかの可能な実現形態において、該車両制御方法は、プロセッサによりメモリに記憶されたコンピュータ可読命令を呼び出すことで実現してもよい。
【0020】
本願の実施例は、実行主体が車載機器であることを例として、車両制御を如何に行うかを詳しく説明する。
【0021】
図1を参照すると、
図1は、本願の実施例による車両制御方法を示すフローチャートである。前記方法は、ステップS101~S104を含む。
【0022】
S101において、目標車両におけるレーダー装置により収集されたポイントクラウドデータを取得する。
【0023】
レーダー装置は、目標車両の所定の位置に設けられてもよく、目標車両が走行するプロセスにおいて、ポイントクラウドデータを継続的に収集し、収集されたポイントクラウドデータを車載機器に伝送する。
【0024】
例示的に、レーダー装置は、64ラインのレーザーレーダー装置であってもよい。即ち、該レーザーレーダー装置のレーザー送信機に、64個のレーザーダイオードが含まれ、同一の平面上にある64本のレーザービームを発射することができる。適用プロセスにおいて、レーザーレーダー装置の装着位置及び装着角度を調整し、また、レーザー送信機の配置角度を調整することによって、これらの64本のレーザービームの所在平面を地面に垂直にし、更に、所定の方向での高さが異なる障害物を探測することができる。レーザー送信機の機械的な回転に伴い、レーザー送信機は、所定の時間間隔に従ってその360度の回転範囲内で得られたポイントクラウドポイントの位置情報を収集し、該ポイントクラウドデータを得る。
図2に示すように、レーザー送信機は、8本のレーザービームを発射し、8本のレーザービームの所在平面は、地面に垂直である。
【0025】
S102において、ポイントクラウドデータに基づいて、目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報を決定する。
【0026】
目標車両におけるレーダー装置の装着位置、装着角度及びレーザー送信機の配置角度を調整した後、レーダー装置の走査領域を決定することができる。このように、目標車両からの所定の範囲内の障害物を走査することができる。更に、障害物輪郭を構成する各ポイントの、所定の座標系での位置情報を障害物情報として取得することができる。所定の座標系は、必要に応じて設定されてもよい。例えば、目標車両を中心として座標系を設定し、車体座標系などとする。これに対して、本願の実施例は、これを限定しない。本願の実施例において、該方式によれば、該ポイントクラウドデータに基づいて、該目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報を得ることができる。
【0027】
S103において、レーダー装置が発射するビームのビーム情報及び決定された障害物の情報に基づいて、目標車両のレーダー死角エリア情報を決定する。
【0028】
ビーム情報は、レーダー装置が各回転角度で発射する無線電波ビームの数及び地面からの高さを含んでもよい。幾つかの実施例において、ビーム情報は、予め構築されたビーム高さ地図で表されてもよい。例示的に、目標車両を含み、且つ目標車両までの距離が所定の範囲内にある地表領域の、鳥瞰図でのラスター地図を予め構築し、続いて、レーダー装置が発射するビームのビーム情報に基づいて、該ラスター地図に対応するビーム高さ地図を生成することができる。ビーム高さ地図は、3つの次元を含み、最初の2つの次元は、各ラスターの、該ビーム高さ地図における行位置及び列位置を表し、3番目の次元は、各ラスターに含まれるビーム数を表す。また、該ラスターに、含まれる各ビームの、該ラスター内の高さが更に記録されている。
【0029】
各ラスターに対応するビーム数は、該ラスターに障害物が存在することを考慮しない場合、レーダー装置の装着位置、装着角度及びレーザー送信機の配置角度のみに基づいて決定された、レーダー装置から発射されたビームのうちの該ラスターに入射されたビームの数である。例示的に、該ラスターに入射されたビームを、ラスターの中心点を通過して且つラスター平面に垂直である直線と交差する位置までに並進移動した後、該交点と該ラスターの中心点位置との距離を該ビームの、該ラスターでのビーム高さとすることができる。
【0030】
本開示の実施例において、ビーム高さ地図を決定する場合、ラスターにおける対応する障害物を考慮しなくてもよく、即ち、最も完全なビームを含むビーム高さ地図を取得する。該ビーム高さ地図は、後続でレーダー死角エリア情報を決定する場合、各ラスターに対応するオリジナルビームを提供することができる。本開示の実施例において、下記方式で、ビーム高さ地図を生成することができる。
【0031】
(1)目標車両からの所定の範囲内の地表ラスター地図を予め構築し、該地表ラスター地図に複数のラスターが含まれる。
【0032】
(2)レーダー装置の内部パラメータ及び外部パラメータを調整する。内部パラメータは、無線電波送信機の垂直方向での所定の角度を含んでもよく、外部パラメータは、無線電波送信機の、目標車両上での装着位置及び装着角度を含んでもよく、続いて、調整された内部パラメータと外部パラメータに基づいて、レーダー装置が発射するビームが経過する複数のラスター、及び各ラスターを経過する場合に該ラスターでのビーム高さを算出することができる。
【0033】
(3)各ラスターに対応するビーム数及びビーム高さを記録して保存し、ビーム高さ地図を得ることができる。
【0034】
S104において、目標車両のレーダー死角エリア情報に従って、目標車両を制御する。
【0035】
例示的に、異なるタイプの目標対象に対して、レーダー死角エリア情報は異なる可能性がある。例えば、体積が比較的に大きい目標対象に対して、該目標対象の輪郭情報の走査に必要なビームが多い。この場合、対応のビームが少ないラスターと、対応の最低ビーム高さが該目標対象高さよりも低いラスターと、のうちの少なくとも1つが該タイプの目標対象に対する死角エリアであると理解することができる。例えば、目標対象が身長1.8メートルの目標対象であり、該目標対象の走査が3本のビームを必要とし、且つ各ビームの、地面からの高さが1.8メートル以下である場合、1つの領域内のすべてのラスターに対応する最低ビーム高さがいずれも1.8メートルよりも高い場合及び有効ビーム数が3本未満である場合のうちの少なくとも1つの場合に、該領域は、該目標車両が走行するプロセスにおいて、1.8メートルの目標対象に対する死角エリアである。
【0036】
体型が小さい目標対象、例えば高さが1メートルである目標対象に対して、該目標対象の走査が2本のビームを必要とし、且つ各ビームの、地面からの高さが1メートル以下であり、1つの領域内の全てのラスターに対応する最低ビーム高さがいずれも1メートルよりも高い場合及び有効ビーム数が2本未満である場合のうちの少なくとも1つの場合に、該領域は、該目標車両が走行するプロセスにおいて、1メートルの目標対象に対する死角エリアである。
【0037】
上記S101~S104において、目標車両が走行するプロセスにおいて、常に、目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報及びレーダー装置が発射するビームのビーム情報に基づいてレーダー死角エリア情報を決定する。このように、目標車両が走行するプロセスにおいて、変化する障害物の情報により、絶え間なく、目標車両が走行するプロセスにおけるレーダー死角エリア情報を決定することができる。それにより、これに基づいて、目標車両の走行プロセスを効果的に制御し、目標車両に衝突を発生する確率を低減させ、安全性を向上させることができる。
【0038】
以下、具体的な実施例を参照しながら、上記S101~S104を説明する。
【0039】
上記S102に対して、ポイントクラウドデータに基づいて、目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報を決定することは、
図3Aに示すように、下記S1021~S1023を含んでもよい。
【0040】
S1021において、ポイントクラウドデータに基づいて、目標車両からの所定の範囲内の障害物の輪郭情報を決定する。
【0041】
例示的に、ポイントクラウドデータは、各ポイントクラウドポイントの、車体座標系での座標値を含んでもよい。ポイントクラウドデータにおける各ポイントクラウドポイントの座標値に基づいて、目標車両からの所定の範囲内の障害物の、車体座標系での輪郭情報を得ることができる。例えば、1つの歩行者の輪郭、1台の車両の輪郭又は1つの建築物の輪郭を得る。
【0042】
例示的に、一実施形態において、各障害物の輪郭情報は、該障害物に対応する3D境界枠のサイズで表されてもよい。該3D境界枠は、3D矩形枠であってもよく、3D凸多面体で形成される3D多角形検出枠であってもよく、以下、3D矩形枠及び3D凸多面体の決定プロセスを簡単に説明する。
【0043】
例示的に、該障害物に対応するポイントクラウドデータに基づいて、地面上での、該障害物に対応する領域の矩形検出枠を決定し、続いて、該障害物の、該矩形検出枠に垂直な方向又は地面に垂直な方向に沿って、該矩形検出枠を、障害物の高さに達するまで引っ張ると、該3D矩形枠を得る。
【0044】
例示的に、該障害物に対応するポイントクラウドデータに基づいて、地面上での、該障害物に対応する領域の包絡多角形検出枠を決定し、続いて、該障害物の、該多角形検出枠に垂直な方向又は地面に垂直な方向に沿って、該多角形検出枠を、障害物の高さに達するまで引っ張ると、該3D凸多面体を得る。
【0045】
S1022において、所定の範囲内の各障害物の輪郭情報に基づいて、該障害物の、予め構築されたラスター地図における各ラスターでの障害物高さを決定する。予め構築されたラスター地図は、目標車両の形状及びサイズ、目標車両上でのレーダーの検出範囲及びラスター解像度に基づいて決定される。
【0046】
例示的に、各障害物に対応する3D境界枠の底部領域の、車体座標系における対応する座標範囲により、予め構築されたラスター地図において、該障害物が占めるラスターを決定することができる。例示的に、例えば、ラスター地図において該障害物が占めるラスター領域に6個のラスターを含み、更に、該障害物に対応する3D境界枠の高さに基づいて、該障害物の、予め構築されたラスター地図における各ラスターでの障害物高さを決定する。
【0047】
本願の実施例において、レーダー装置は、検出された所定の範囲内の障害物に対して障害物リストを生成することができる。このように、レーダー装置は、障害物リストにおける各障害物に対して、該障害物の、予め構築されたラスター地図における各ラスターでの障害物高さを順次に決定し、全ての障害物をトラバースするまで継続することができる。
【0048】
本願の実施例において、レーダー装置は、目標車両におけるレーダーにより走査された検出範囲の、地面での投影領域に対して、ラスター地図を構築することができる。レーダーが目標車両に取り付けられる場合に形成される投影領域は、目標車両の、地面での投影を含まない。ラスター地図のサイズ及び形状は、該投影領域によって決定されてもよい。ラスター地図に含まれるラスター数は、予め設定されたラスター解像度によって決定されてもよい。ラスター解像度は、一つのラスターの辺長の逆数を表すことができると同時に、単位面積内に含まれるラスター数を表すことができる。
【0049】
ラスター解像度を決定した後、ラスター地図に含まれるラスター数は決定される。ラスター解像度が高いほど、単一のラスターのサイズが小さくなり、障害物の、関連する各ラスターでの対応するサイズが小さくなる。従って、障害物の、各ラスターでの対応する上表面が平面との差が小さく、この場合、各ラスターでの障害物高さを決定する場合に正確になる。しかしながら、ラスター数が多いほど、効率がそれに応じて低下する。ここで、ビッグデータに基づいて正確度と効率とのバランスを取り、更に、合理的なラスター解像度を選択することができる。
【0050】
S1023において、各ラスターの、予め構築されたラスター地図における各ラスターでの障害物高さに基づいて、現在の障害物ラスター地図を得て、現在の障害物ラスター地図は、目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報を表すためのものである。
【0051】
例示的に、各障害物の、予め構築されたラスター地図における各ラスターでの障害物高さに基づいて、予め構築されたラスター地図における各ラスターに対して障害物高さを記録して現在の障害物ラスター地図を得ることができる。
【0052】
本願の実施例において、ポイントクラウドデータに基づいて、障害物の輪郭情報を決定し、更に、障害物の輪郭情報により、障害物位置及び高さを表す障害物ラスター地図を生成することによって、目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報をわかりやすく得ることができ、それにより、後続で該障害物ラスター地図及びビーム情報に基づいて、各ラスターに対応する有効ビーム高さ及び有効ビーム数を更に決定し、レーダー死角エリア情報の決定に備える。
【0053】
幾つかの実施例において、上述したビーム情報は、レーダー装置が発射するビームの、予め構築されたラスター地図における各ラスター内のビーム高さを含む。各ラスター内のビーム高さは、上述したビーム高さ地図から取得されてもよい。上記S103に対して、レーダー装置が発射するビームのビーム情報及び決定された障害物の情報に基づいて、目標車両のレーダー死角エリア情報を決定する場合、
図3Bに示すように、以下のS1031~S1032を含んでもよい。
【0054】
S1031において、予め構築されたラスター地図における各ラスターに対応するビーム高さ、及び現在の障害物ラスター地図に基づいて、現在のレーダー死角エリアラスター地図を決定する。
【0055】
予め構築されたラスター地図における各ラスターに対応するビーム高さは、上記構築されたビーム高さ地図から取得されてもよい。続いて、各ラスターに対応するビーム高さ、及び該ラスターの、現在の障害物ラスター地図における対応する障害物高さに基づいて、該ラスターに対応する有効ビーム数及び最低ビーム高さを決定することができ、即ち、現在のレーダー死角エリアラスター地図を得る。
【0056】
いずれか1つのラスターに対応する有効ビーム数は、該いずれか1つのラスターに入射可能なビームの数である。例示的に、1つのラスターに障害物が存在すると、該ラスターに対応する有効ビームは、該ラスターで対応するビーム高さが該ラスターにおける障害物高さよりも高いビームである。1つのラスターに対応する最低ビーム高さは、該ラスターにおける対応する有効ビームのうちの高さが最も低いビームである。
【0057】
S1032において、現在のレーダー死角エリアラスター地図及び予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、目標車両の、該予め設定された目標対象に対するレーダー死角エリア情報を決定する。
【0058】
例示的に、予め設定された目標対象は、具体的には、目標車両の適用シーンによって決定されてもよい。該目標車両が無人運転車両である場合、該目標車両が主に、所定の軌道領域内で走行して貨物運搬を行い、該所定の軌道領域内に歩行者が出現する確率が極めて小さく、貨物が出現する確率が大きいため、この場合の予め設定された目標対象は、単に貨物を指してもよい。
【0059】
例示的に、該目標車両が主に住宅地域において走行する場合、住宅地域において子供が多いため、この場合、予め設定された目標対象は、子供であってもよい。
【0060】
幾つかの実施例において、現在のレーダー死角エリアラスター地図及び予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、目標車両の該予め設定された目標対象に対するレーダー死角エリア情報を決定する。現在のレーダー死角エリアラスター地図における各ラスターに対応する有効ビーム数及び最低ビーム高さ、及び目標対象が走査できている場合の有効ビーム数及び最高ビーム高さによって決定される。1つのラスターに対応するすべての最低ビーム高さが、目標対象が走査できている最高ビーム高さより高い場合、該ラスターは、該目標対象に対してレーダー死角エリアである。具体的には、上記記述を参照する。ここで、詳細な説明を省略する。
【0061】
本願の実施例において、予め構築されたラスター地図における各ラスターに対応するビーム高さ及び現在の障害物ラスター地図における該ラスターに対応する障害物高さにより、各ラスターに対応する有効ビーム数及び最低ビーム高さを迅速に決定することによって、目標車両の現在のレーダー死角エリアラスター地図を得ることができる。続いて、予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、レーダー死角エリア情報を迅速に決定し、それにより後続で該レーダー死角エリア情報に基づいて目標車両の走行プロセスを制御することが容易である。
【0062】
上記S1031における予め構築されたラスター地図における各ラスターに対応するビーム高さ、及び現在の障害物ラスター地図に基づいて、現在のレーダー死角エリアラスター地図を決定する1つの実施形態は、
図4に示すように、S10311~S10314を含んでもよい。
【0063】
S10311において、現在の障害物ラスター地図に含まれる障害物のサイズ情報、及びレーダー装置が発射するビームの、現在の障害物ラスター地図への投影によって得られた光路情報に基づいて、いずれか1つの障害物により遮蔽される光路を抽出して更新光路集合を得る。
【0064】
各障害物のサイズ情報は主に、該障害物の、現在の障害物ラスター地図における投影サイズを含む。
図5Aは、2つの障害物(それぞれ障害物A及び障害物Bと表記される)を含む現在の障害物ラスター地図である。図面から分かるように、障害物Aにより遮蔽される最大角度の2本の光路はそれぞれL1及びL2と表記され、障害物Bにより遮蔽される最大角度の2本の光路はそれぞれL3及びL4と表記されると、ここで、L1とL2で構成される挟角に位置する全ての光路を抽出し、また、L3とL4で構成される挟角に位置する全ての光路を抽出することができる。
図5Aから分かるように、L1とL2で構成される挟角に位置する一部の光路とL3とL4で構成される挟角に位置する一部の光路は重なっている。ここで、重なっている光路に対して、一回だけ抽出すればよい。
【0065】
各光路は、1つの回転角度の複数本のビームに対応する。64ビットレーダー装置を例として、各光路は、1つの回転角度の64本のビームに対応する。L1とL2で構成される挟角に10本の光路が含まれ、L3とL4で構成される挟角に5本の光路が含まれると、L1とL2で構成される挟角と、L3とL4で構成される挟角と、の重なり部分において、
図5AにおけるL2とL3で構成される挟角に2本の光路が存在し、且つ該2本の光路が重なり、これら2本の重なる光路に対して1本のみを抽出する。このように、ここで得られた更新光路集合に14本の光路が含まれる。
【0066】
S10312において、更新光路集合内の各光路に対して、該光路の発射方向に沿って、該光路に対応するラスターインデックス系列を決定し、ラスターインデックス系列は、複数のラスターを光路発射方向の順番に従って順に順序付けることによって得られた各ラスターのインデックスを表す。
【0067】
例示的に、更新光路集合におけるいずれか1本の光路に対して、障害物を考慮しない場合、該いずれか1本の光路が現在のラスター地図において100個のラスターを通過すると、該いずれか1本の光路に対応するラスターインデックス系列は、該100個のラスターをいずれか1本の光路の発射方向に従って順序付けることで得られた各ラスターのインデックスである。
【0068】
理解しやすくするために、
図5Bを取り入れ、ラスター地図の各ラスターの、X軸における位置は、該ラスターの、ラスター地図における行位置を表すことができ、ラスター地図の各ラスターの、Y軸における位置は、該ラスターの、ラスター地図における行位置を表すことができ、いずれか1本の光路Lが発射方向に沿って通過するラスターは、ラスターA~Mを含み、ラスターAの、ラスター地図における行位置は、7であり、列位置は、6である。従って、(7,6)で、該ラスターAに対応するインデックスを表すことができる。同様に、該いずれか1本の光路Lが通過する他のラスターのインデックスを決定することができる。ここで、ラスターA~Mの順番に従って、該いずれか1本の光路Lに対応するラスターインデックス系列を決定することができる。
【0069】
S10313において、各ラスターインデックス系列に対して、該ラスターインデックス系列に対応する光路に関連する各ビームの、各ラスターでのビーム高さ及び該ラスターに対応する障害物高さに従って、該ラスターインデックス系列により示される各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整する。
【0070】
S10314において、最後の1つのラスターインデックス系列における各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数の調整が完了したかどうかを判断し、完了していない場合、S10313に戻り、完了した場合、現在のレーダー死角エリアラスター地図を得る。
【0071】
各ラスターインデックス系列に対して、まず、該ラスターインデックス系列に対応する光路に関連する各ビームを取得し、該ラスターインデックス系列における1番目のインデックスに対応するラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整する場合、該光路に関連する全てのビームをビーム高さの昇順に従って順序付けた後、最低ビーム高さから、該ラスターに対応する障害物高さと順に比較し、ビーム高さが該障害物高さ以上のビームを該ラスターに対応する有効ビームとし、ビーム高さが該障害物高さよりも低いビームを該ラスターに対応する無効ビーム(無効ビームは、障害物により遮蔽されるビームである)とすることができる。該方式により、該ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整し、調整が完了した後、引き続き、該ラスターインデックスの次のインデックスにより標識されるラスターを調整し、該ラスターインデックス系列により示される各ラスターの調整を完了した後、引き続き、他のラスターインデックス系列における各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整した後、現在のレーダー死角エリアラスター地図を得ることができる。
【0072】
例示的に、
図6Aに、目標車両S及び4つの障害物O1-O4が示される。目標車両S及び4つの障害物をいずれもラスター地図に配置することによって、
図6Bを得ることができる。図面から分かるように、各障害物は、ラスター地図において、対応するラスターを占有する。目標車両Sのレーダー装置は、360度走査した後、
図6Cに示すように、現在の障害物ラスター地図を得ることができる。現在の障害物ラスター地図に、目標車両S及び4つの障害物がそれぞれ占有するラスター、各ラスターにおける障害物高さが含まれる。続いて、レーダー装置は、障害物ラスター地図及び各ラスターのビーム高さに基づいて、現在のレーダー死角エリアラスター地図を決定することができる。
図6Dに示すように、レーダー装置は、4つの障害物のうちの各障害物により遮蔽される最大角度の2本の光路をトラバースする必要があり、更に、障害物により遮蔽される更新光路集合を得て、更新光路集合に基づいて、現在のレーダー死角エリアラスター地図を決定する。
図6Eを参照すると、
図6Eは、障害物O1、O2及びO3により遮蔽される光路を例示的に示す。
【0073】
本願の実施例において、各光路に対応するラスターインデックス系列により示されるラスターに対して順に調整を行うことを提案する。また、該調整方式では、ビーム発射方向に従って各ラスターを順に調整することができる。それにより、各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を順に更新する方式を提供する。
【0074】
幾つかの実施例において、上記S10313に対して、以下の方式に従って、1つのラスターインデックス系列により示される各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整することができる。
【0075】
(1)1つのラスターインデックス系列における現在のラスターに対して、該ラスターインデックス系列に対応する各ビームの、現在のラスターにおけるビーム高さと現在のラスターに対応する障害物高さを順に比較し、ビーム高さが障害物高さよりも高いビームを現在のラスターに対応する有効ビームとする。
【0076】
1つのラスターインデックス系列は、複数のラスターインデックス系列のうちのいずれか1つのラスターインデックス系列であってもよい。例示的に、1つのラスターインデックス系列における現在のラスターに対応する有効ビームを調整する前に、まず、現在のラスターに入射できるビームを取得し、現在のラスターに入射できるビームは、該ラスターインデックス系列における、現在のラスターの前に位置する1つ前のラスターの有効ビームであってもよい。該ラスターインデックス系列に対応する光路に関連する全てのビームを比較する必要がない。それにより調整速度を向上させることができる。
【0077】
(2)現在のラスターに対応する有効ビームのビーム高さに基づいて、現在のラスターの最低ビーム高さに対して調整を行い、該ラスターインデックス系列に対応するビームのうちの現在のラスターに対応する有効ビームの数量に基づいて、現在のラスターに対応する有効ビーム数を調整する。
【0078】
ここで、現在のラスターが唯一のラスターインデックス系列のみに対応しているわけではないことを考慮して、現在のラスターが複数のラスターインデックス系列に対応する場合、現在のラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数に対して調整する時、この前に該現在のラスターを調整した後、該現在のラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム高さを保存していることを考慮して、ここで、現在のラスターに対して調整を行う場合、現在の調整により決定される現在のラスターの有効ビームのビーム高さに基づいて、現在のラスターに対応する保存された最低ビーム高さに対して調整を行うことができる。また、該ラスターインデックス系列に対応するビームにおいて、同様に、現在のラスターに対応する有効ビーム数に基づいて、現在のラスターに対応する保存された有効ビーム数を調整することができる。
【0079】
例示的に、現在のラスターに対応する有効ビームのビーム高さ及び現在のラスターに対応する保存している最低ビーム高さのうちの最低のビーム高さを今回のラスターの調整後の、該現在のラスターに対応する最低ビーム高さとする。今回の調整時に得られた現在のラスターに対応する有効ビーム数及び現在のラスターに対応する保存している有効ビーム数に基づいて、該現在のラスターに対応する最大有効ビーム数を、現在のラスターに対する今回の調整後の該現在のラスターに対応する有効ビーム数として得る。
【0080】
例示的に、現在のラスターが1つのみのラスターインデックス系列に対応する場合、現在のラスターに対応する保存した最低ビーム高さは、予め設定された比較的大きい値であってもよい。なお、現在のラスターに対応する保存した有効ビーム数は、予め設定された比較的小さい値、例えば0であってもよい。
【0081】
(3)現在のラスターに対応する有効ビームを該ラスターインデックス系列における次のラスターに入射するビームとし、次のラスターを現在のラスターとし、引き続き、該現在のラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整することを実行し、現在のラスターに入射する各ビームのビーム高さがいずれも現在のラスターに対応する障害物高さより低くなるまで実行を継続し、該ラスターインデックス系列における各ラスターの、本回の調整後に対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を得る。
【0082】
現在のラスターに対応する有効ビームを得た後、該有効ビームを該ラスターインデックス系列における次のラスターに入射できるビームとする。このように、該次のラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整する場合、現在のラスターに対応する無効ビームを考慮する必要がなく、それにより後続のラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数に対する調整速度を速くすることができる。
【0083】
現在のラスターに入射する各ビームの高さがいずれも現在のラスターに対応する障害物高さよりも低い場合、該現在のラスターに有効ビームがないことを表す。この場合、該ラスターインデックス系列における次のラスターに対して、該光路に関連するビームにおいて、入射した光線がないため、引き続き、後続のラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整する必要がない。ここで、該現在のラスターの最低ビーム高さに比較的大きい値を与え、該現在のラスターに対応する有効ビームを0とすることができる。
【0084】
本願の実施例において、1つのラスターインデックス系列により示される各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整する場合、各ラスターに対して、該ラスターの1つ前のラスターに対応する無効ビームをフィルタリングし、それにより調整速度を向上させることができる。
【0085】
別の実施形態において、本願の実施例は、同時に上記方式に従って、各ラスターインデックス系列により示される各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整し、最終的に現在のレーダー死角エリアラスター地図を得ることもできる。同時に調整を行う場合、同様に光路発射方向に従って、各ラスターに対して調整を行う。
【0086】
特に、複数本の光路を同時に含むラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整する場合、各光路に関連するビームと該ラスターに対応する障害物高さを同時に考慮する必要がある。ここで、詳細な説明を省略する。
【0087】
上記S1032に対して、現在のレーダー死角エリアラスター地図及び予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、該予め設定された目標対象に対する目標車両のレーダー死角エリア情報を決定する場合、
図7に示すように、下記S10321~S10322を含んでもよい。
【0088】
S10321において、予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、レーダー装置が予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数及び最高ビーム高さを決定する。
【0089】
ここでの予め設定された目標対象の輪郭情報は同様に予め設定された目標対象に対応する3D境界枠のサイズ情報で表されてもよい。レーダーにより、該3D境界枠に対応する予め設定された目標対象を走査する場合、サイズが異なる3D境界枠は、異なる有効ビーム数及び最高ビーム高さを有し、ここで、最高ビーム高さは、該予め設定された目標対象が走査できている最高ビーム高さである。該最高ビーム高さ以下のビームを用いて予め設定された目標対象を走査する場合、該3D境界枠に対応する予め設定された目標対象を走査することができる。該最高ビーム高さよりも高いビームを用いて予め設定された目標対象を走査する場合、該予め設定された目標対象を走査することができない。
【0090】
例示的に、目標車両の適用シーンにより、予め設定された目標対象の輪郭情報を決定した後、レーダー装置が予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数及び最低ビーム高さを決定することができる。
【0091】
S10322において、現在のレーダー死角エリアラスター地図における、各ラスターに対応する有効ビーム数と予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数に基づいて、予め設定された目標対象の、現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアを決定し、又は、現在のレーダー死角エリアラスター地図における、各ラスターに対応する最低ビーム高さと予め設定された目標対象が走査できている最高ビーム高さに基づいて、予め設定された目標対象の、現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアを決定し、又は、現在のレーダー死角エリアラスター地図における、各ラスターに対応する有効ビーム数と予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数、及び現在のレーダー死角エリアラスター地図における、各ラスターに対応する最低ビーム高さと予め設定された目標対象が走査できている最高ビーム高さに基づいて、予め設定された目標対象の、現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアを決定する。
【0092】
例示的に、対応する有効ビーム数が予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数よりも小さいラスターを、予め設定された目標対象の、現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアとすることができる。対応する最低ビーム高さが予め設定された目標対象が走査できている最高ビーム高さよりも高いラスターを、予め設定された目標対象の、現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアとすることができる。対応する有効ビーム数が予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数よりも少なく、且つ対応する最低ビーム高さが予め設定された目標対象が走査できている最高ビーム高さよりも高いラスターを、予め設定された目標対象の、現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアとすることができる。
【0093】
本願の実施例において、異なる予め設定された目標対象に対して、異なるレーダー死角エリアを決定することができる。様々な適用シーンにおいて、レーダー死角エリアを適時に更新することが容易であり、それにより車両を、障害物を回避するように効果的に制御する。
【0094】
上記S104に対して、目標車両のレーダー死角エリア情報に従って、目標車両を制御することは、
図8に示すように、下記S1041~S1042を含んでもよい。
【0095】
S1041において、目標車両の現在位置姿勢情報及びレーダー死角エリア情報に基づいて、目標車両と所定の範囲内のレーダー死角エリアとの距離情報を決定する。
【0096】
例示的に、レーダー死角エリア情報は、レーダー死角エリアの境界線の、目標車両を原点とした車体座標系での対応する座標範囲を含み、目標車両の現在位置姿勢情報は、目標車両の位置情報及び向き情報を含んでもよい。続いて、レーダー死角エリアに対応する座標範囲に基づいて、該目標車両と所定の範囲内のレーダー死角エリアとの距離情報を決定することができる。ここで、目標車両の向きに基づいて、目標車両の、レーダー死角エリアに最も近い一側及び間隔距離を決定することができる。
【0097】
S10412において、距離情報に基づいて、目標車両を、減速して障害物を回避するように制御する。
【0098】
本願の実施例において、距離情報を得た後、上記決定された距離情報に基づいて、該レーダー死角エリアを安全に避けるために目標車両が如何に走行するかを決定することができる。例えば、向きの変動及び速度の変動を決定することができる。幾つかの実施例において、距離情報が属する安全距離レベルに基づいて決定することができる。安全距離レベルが低いほど、目標車両がレーダー死角エリアに近くなることを表す。
【0099】
例示的に、該距離情報が属する安全距離レベルが低い場合、この時に、急ブレーキをかけることができる。該距離情報が属する安全距離レベルが高い場合、元方向に沿って減速して走行することができる。
【0100】
本願の実施例において、目標車両の現在位置姿勢情報及びレーダー死角エリアに基づいて障害物を回避することができ、それにより目標車両の走行上の安全性を向上させる。
【0101】
具体的な実施形態の上記方法において、各ステップの記述順番は、厳しい実行順番を意味して実施プロセスを何ら限定するものではなく、各ステップの実際の実行順番はその機能及び可能な内在的論理により決まることは、当業者であれば理解すべきである。
【0102】
同一の技術的思想によれば、本願の実施例は、車両制御方法に対応する車両制御装置を更に提供する。本願の実施例における装置による課題を解決するための原理は、本願の実施例における上記車両制御方法と類似するため、装置の実施は、方法の実施を参照することができる。重複の説明を省略する。
【0103】
図9を参照すると、
図9は、本願の実施例による車両制御装置900の構造を示す概略図である。該車両制御装置900は、データ取得部901と、第1決定部902と、第2決定部903と、車両制御部904と、を備える。
【0104】
データ取得部901は、目標車両におけるレーダー装置により収集されたポイントクラウドデータを取得するように構成され、
第1決定部902は、ポイントクラウドデータに基づいて、目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報を決定するように構成され。
【0105】
第2決定部903は、レーダー装置が発射するビームのビーム情報及び決定された障害物の情報に基づいて、目標車両のレーダー死角エリア情報を決定するように構成され、
車両制御部904は、目標車両のレーダー死角エリア情報に従って、目標車両を制御するように構成される。
【0106】
可能な実施形態において、第1決定部902は更に、
ポイントクラウドデータに基づいて、目標車両からの所定の範囲内の各障害物の輪郭情報を決定し、
所定の範囲内の各障害物の輪郭情報に基づいて、該障害物の、予め構築されたラスター地図における各ラスターでの障害物高さを決定し、予め構築されたラスター地図は、目標車両の形状及びサイズ、目標車両におけるレーダーの検出範囲及びラスター解像度によって決定され、
各障害物の、予め構築されたラスター地図における各ラスターでの障害物高さに基づいて、現在の障害物ラスター地図を得るように構成され、現在の障害物ラスター地図は、目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報を表すためのものである。
【0107】
可能な実施形態において、ビーム情報は、レーダー装置が発射するビームの、予め構築されたラスター地図における各ラスター内のビーム高さを含み、第2決定部903は更に、
予め構築されたラスター地図における各ラスターに対応するビーム高さ、及び現在の障害物ラスター地図に基づいて、現在のレーダー死角エリアラスター地図を決定し、
現在のレーダー死角エリアラスター地図及び予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、目標車両の、該予め設定された目標対象に対するレーダー死角エリア情報を決定するように構成される。
【0108】
可能な実施形態において、第2決定部903は更に、
現在の障害物ラスター地図に含まれる障害物のサイズ情報、及びレーダー装置が発射するビームの、現在の障害物ラスター地図への投影によって得られた光路情報に基づいて、いずれか1つの障害物により遮蔽される光路を抽出して更新光路集合を得て、
更新光路集合内の各光路に対して、該光路の発射方向に沿って、該光路に対応するラスターインデックス系列を決定し、ラスターインデックス系列は、複数のラスターを光路発射方向の順番に従って順に順序付けることによって得られた各ラスターのインデックスを表し、
各ラスターインデックス系列に対して、該ラスターインデックス系列に対応する光路に関連する各ビームの、各ラスターでのビーム高さ及び該ラスターに対応する障害物高さに従って、該ラスターインデックス系列により示される各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整し、最後の1つのラスターインデックス系列における各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数の調整が完了するまで継続し、現在のレーダー死角エリアラスター地図を得るように構成される。
【0109】
可能な実施形態において、第2決定部903は更に、
1つのラスターインデックス系列における現在のラスターに対して、該ラスターインデックス系列に対応する各ビームの、現在のラスターにおけるビーム高さと現在のラスターに対応する障害物高さを順に比較し、ビーム高さが障害物高さよりも高いビームを現在のラスターに対応する有効ビームとすることと、
現在のラスターに対応する有効ビームのビーム高さに基づいて、現在のラスターの最低ビーム高さに対して調整を行い、該ラスターインデックス系列に対応するビームのうちの現在のラスターに対応する有効ビームの数量に基づいて、現在のラスターに対応する有効ビーム数を調整することと、
現在のラスターに対応する有効ビームを該ラスターインデックス系列における次のラスターに入射するビームとし、次のラスターを現在のラスターとし、引き続き、該現在のラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整することを実行し、現在のラスターに入射する各ビームのビーム高さがいずれも現在のラスターに対応する障害物高さより低くなるまで実行を継続し、該ラスターインデックス系列における各ラスターの、本回の調整後に対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を得ることを実行するように構成される。
【0110】
可能な実施形態において、第2決定部903は更に、
予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、レーダー装置が予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数及び最高ビーム高さを決定し、
現在のレーダー死角エリアラスター地図における、各ラスターに対応する有効ビーム数と予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数に基づいて、予め設定された目標対象の、前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアを決定し、又は、前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における、各ラスターに対応する最低ビーム高さと予め設定された目標対象が走査できている最高ビーム高さに基づいて、予め設定された目標対象の、現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアを決定し、又は、前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における、各ラスターに対応する前記有効ビーム数と前記予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数、及び前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における、各ラスターに対応する最低ビーム高さと前記予め設定された目標対象が走査できている最高ビーム高さに基づいて、前記予め設定された目標対象の、前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアを決定するように構成される。
【0111】
可能な実施形態において、車両制御部904は更に、
目標車両の現在位置姿勢情報及びレーダー死角エリア情報に基づいて、目標車両と所定の範囲内のレーダー死角エリアとの距離情報を決定し、
距離情報に基づいて、目標車両を、減速して障害物を回避するように制御するように構成される。
【0112】
本願の実施例及び他の実施例において、「コンポーネント」は、一部の回路、一部のプロセッサ、一部のプログラム又はソフトウェアなどであってもよい。無論、ユニットであってもよく、モジュールであってもよく、非モジュール化のものであってもよい。
【0113】
装置における各モジュールの処理フロー及び各モジュール間のインタラクションフローに関する説明は、上記方法の実施例における関連説明を参照することができ、ここで、詳細な説明を省略する。
【0114】
図1における車両制御方法に対応して、本願の実施例は、電子機器1000を更に提供する。
図10に示すように、
図10は、本願の実施例による電子機器1000の構造を示す概略図である。前記電子機器は、
プロセッサ101と、メモリ102と、バス103と、を備え、メモリ102は、実行命令を記憶するように構成され、内部メモリ1021と、外部メモリ1022と、を含み、ここで、内部メモリ1021は、内メモリとも呼ばれ、プロセッサ101におけるコンピューティングデータ、及びハードディスクなどの外部メモリ1022と交換されるデータを一時的に記憶するように構成され、プロセッサ101は、内部メモリ1021を介して外部メモリ1022とデータ交換を行う。電子機器1000が動作する時、プロセッサ101とメモリ102とは、バス103を介して通信を行い、プロセッサ101に下記命令を実行させる。目標車両が走行するプロセスにおいて、レーダー装置により収集されたポイントクラウドデータを取得し、前記ポイントクラウドデータに基づいて、前記目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報を決定し、前記レーダー装置が発射するビームのビーム情報及び決定された前記障害物の情報に基づいて、前記目標車両のレーダー死角エリア情報を決定し、前記目標車両のレーダー死角エリア情報に従って、前記目標車両を制御する。
【0115】
本願の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。該コンピュータ可読記憶媒体に、コンピュータプログラムが記憶されており、該コンピュータプログラムがプロセッサにより実行される場合、上記方法の実施例に記載の車両制御方法のステップを実行する。ここで、該記憶媒体は、揮発性又は不揮発性コンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
【0116】
本願の実施例が提供する車両制御方法のコンピュータプログラム製品は、プログラムコードを記憶したコンピュータ可読記憶媒体を含み、前記プログラムコードに含まれる命令は、上記方法の実施例に記載の車両制御方法のステップを実行するために用いられ、具体的には、上記方法の実施例を参照することができる。ここで、詳細な説明を省略する。
【0117】
本願の実施例は、コンピュータプログラムを更に提供する。該コンピュータプログラムは、プロセッサにより実行される時、前記実施例のいずれか1つの方法を実現させる。該コンピュータプログラム製品は、具体的には、ハードウェア、ソフトウェア又はその組み合わせにより実現してもよい。1つの選択可能な実施例において、コンピュータプログラム製品は、コンピュータ記憶媒体として具現化され、もう1つの選択可能な実施例において、コンピュータプログラム製品は、具体的には、例えば、ソフトウェア開発キット(Software Development Kit:SDK)等のようなソフトウェア製品として具現化される。
【0118】
説明上の便宜及び簡素化を図るために、上記説明されたシステム及び装置の具体的な作動過程は、前記方法の実施例における対応した過程を参照することができることは、当業者にはっきり理解されるべきである。本発明で提供する幾つかの実施例で開示したシステム、装置及び方法は、他の方式によって実現できることを理解すべきである。以上に記載した装置の実施例はただ例示的なものであり、例えば、前記ユニットの分割はただロジック機能の分割で、実際に実現する時は他の分割方式によってもよい。また例えば、複数のユニット又はコンポーネントを組み合わせてもよいし、別のシステムに組み込んでもよい。又は若干の特徴を無視してもよいし、実行しなくてもよい。また、示したか或いは検討した相互間の結合又は直接的な結合又は通信接続は、幾つかの通信インタフェース、装置又はユニットによる間接的な結合又は通信接続であってもよく、電気的、機械的または他の形態であってもよい。
【0119】
分離部材として説明した前記ユニットは、物理的に別個のものであってもよいし、そうでなくてもよい。ユニットとして示された部材は、物理的ユニットであってもよいし、そうでなくてもよい。即ち、同一の位置に位置してもよいし、複数のネットワークユニットに分布してもよい。実際の需要に応じてそのうちの一部又は全てのユニットにより本実施例の方策の目的を実現することができる。
【0120】
また、本願の各実施例における各機能ユニットは1つの処理ユニットに集積されてもよいし、各ユニットが物理的に別個のものとして存在してもよいし、2つ又は2つ以上のユニットが1つのユニットに集積されてもよい。
【0121】
前記機能はソフトウェア機能ユニットの形で実現され、かつ独立した製品として販売または使用されるとき、プロセッサによる実行可能な不揮発性コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよい。このような理解のもと、本願の技術的解決手段は、本質的に、又は、従来技術に対して貢献をもたらした部分又は該技術的解決手段の一部は、ソフトウェア製品の形式で具現化することができ、このようなコンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶しても良く、また、1台のコンピュータ機器(パソコン、サーバ、又はネットワーク機器など)に、本願の各実施例に記載の方法の全部又は一部のステップを実行させるための若干の命令を含む。上述した記憶媒体は、USBメモリ、リムーバブルハードディスク、読み出し専用メモリ(Read-only Memory:ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)、磁気ディスク、又は光ディスクなど、プログラムコードを記憶可能な各種の媒体を含む。
【0122】
最後に説明しておきたいこととして、上記実施例は本願の実施形態に過ぎず、本願の技術的解決手段を説明するためのものであり、これを限定するものではなく、本願の保護範囲はこれに制限されるものではない。前記実施例を参照しながら、本願を詳細に説明したが、本技術分野を周知するいかなる当業者であれば、本願で開示された技術的範囲内で、前記実施例に記載の技術的解決手段に対して修正を行うことができるか又は変更を容易に思いつくことができ、又は一部の技術的特徴に対して均等物による置換を行うこともでき、これらの修正、変更又は置換は、対応する技術的解決手段の本質を本願の実施例の技術的解決手段の精神及び範囲から離脱させるものではなく、本願の保護範囲内に含まれるものとすることは、理解すべきである。従って、本願の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲を基準とするべきである。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本願の実施例において、目標車両が走行するプロセスにおいて、目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報及びレーダー装置が発射するビームのビーム情報に基づいてレーダー死角エリア情報を決定することができる。このように、目標車両が走行するプロセスにおいて、変化する障害物の情報により、絶え間なく、目標車両が走行するプロセスにおけるレーダー死角エリア情報を決定することができ、それにより、これに基づいて、目標車両の走行プロセスを効果的に制御し、目標車両に衝突を発生する確率を低減させ、安全性を向上させることができる。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両制御方法であって、
目標車両におけるレーダー装置により収集されたポイントクラウドデータを取得することと、
前記ポイントクラウドデータに基づいて、前記目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報を決定することと、
前記レーダー装置が発射するビームのビーム情報及び決定された前記障害物の情報に基づいて、前記目標車両のレーダー死角エリア情報を決定することと、
前記目標車両のレーダー死角エリア情報に従って、前記目標車両を制御することと、を含む、車両制御方法。
【請求項2】
前記ポイントクラウドデータに基づいて、前記目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報を決定することは、
前記ポイントクラウドデータに基づいて、前記目標車両からの所定の範囲内の障害物の輪郭情報を決定することと、
前記所定の範囲内の各障害物の輪郭情報に基づいて、該障害物の、予め構築されたラスター地図における各ラスターでの障害物高さを決定することと、
各障害物の、予め構築されたラスター地図における各ラスターでの障害物高さに基づいて、現在の障害物ラスター地図を得ることであって、前記現在の障害物ラスター地図は、前記目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報を表すためのものである、ことと、を含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ビーム情報は、前記レーダー装置が発射するビームの、前記予め構築されたラスター地図における各ラスター内のビーム高さを含み、前記レーダー装置が発射するビームのビーム情報及び決定された前記障害物の情報に基づいて、前記目標車両のレーダー死角エリア情報を決定することは、
前記予め構築されたラスター地図における各ラスターに対応するビーム高さ、及び前記現在の障害物ラスター地図に基づいて、現在のレーダー死角エリアラスター地図を決定することと、
前記現在のレーダー死角エリアラスター地図及び予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、前記目標車両の、該予め設定された目標対象に対するレーダー死角エリア情報を決定することと、を含むことを特徴とする
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記予め構築されたラスター地図における各ラスターに対応するビーム高さ、及び前記現在の障害物ラスター地図に基づいて、現在のレーダー死角エリアラスター地図を決定することは、
前記現在の障害物ラスター地図に含まれる障害物のサイズ情報、及び前記レーダー装置が発射するビームの、前記現在の障害物ラスター地図への投影によって得られた光路情報に基づいて、いずれか1つの障害物により遮蔽される光路を抽出して更新光路集合を得ることと、
前記更新光路集合内の各光路に対して、該光路の発射方向に沿って、該光路に対応するラスターインデックス系列を決定することであって、前記ラスターインデックス系列は、複数のラスターを光路発射方向の順番に従って順に順序付けることによって得られた各ラスターのインデックスを表す、ことと、
各ラスターインデックス系列に対して、該ラスターインデックス系列に対応する光路に関連する各ビームの、各ラスターでのビーム高さ及び該ラスターに対応する障害物高さに従って、該ラスターインデックス系列により示される各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整し、最後の1つのラスターインデックス系列における各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数の調整が完了するまで継続し、現在のレーダー死角エリアラスター地図を得ることと、を含むことを特徴とする
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
1つのラスターインデックス系列により示される各ラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整することは、
1つのラスターインデックス系列における現在のラスターに対して、該ラスターインデックス系列に対応する各ビームの、現在のラスターにおけるビーム高さと現在のラスターに対応する障害物高さを順に比較し、ビーム高さが障害物高さよりも高いビームを現在のラスターに対応する有効ビームとすることと、
現在のラスターに対応する有効ビームのビーム高さに基づいて、現在のラスターの最低ビーム高さに対して調整を行い、該ラスターインデックス系列に対応するビームのうちの現在のラスターに対応する有効ビームの数量に基づいて、現在のラスターに対応する有効ビーム数を調整することと、
現在のラスターに対応する有効ビームを該ラスターインデックス系列における次のラスターに入射するビームとし、前記次のラスターを現在のラスターとし、引き続き、該現在のラスターに対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を調整することを実行し、現在のラスターに入射する各ビームのビーム高さがいずれも現在のラスターに対応する障害物高さより低くなるまで実行を継続し、該ラスターインデックス系列における各ラスターの、本回の調整後に対応する最低ビーム高さ及び有効ビーム数を得ることと、を実行する方式による、ことを特徴とする
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記現在のレーダー死角エリアラスター地図及び予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、前記目標車両の、該予め設定された目標対象に対するレーダー死角エリア情報を決定することは、
予め設定された目標対象の輪郭情報に基づいて、前記レーダー装置が前記予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数及び最高ビーム高さを決定することと、
前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における、各ラスターに対応する前記有効ビーム数と前記予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数に基づいて、前記予め設定された目標対象の、前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアを決定し、又は、前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における、各ラスターに対応する最低ビーム高さと前記予め設定された目標対象が走査できている最高ビーム高さに基づいて、前記予め設定された目標対象の、前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアを決定し、又は、前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における、各ラスターに対応する前記有効ビーム数と前記予め設定された目標対象が走査できている有効ビーム数、及び前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における、各ラスターに対応する最低ビーム高さと前記予め設定された目標対象が走査できている最高ビーム高さに基づいて、前記予め設定された目標対象の、前記現在のレーダー死角エリアラスター地図における対応するレーダー死角エリアを決定することと、を含むことを特徴とする
請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記目標車両のレーダー死角エリア情報に従って、前記目標車両を制御することは、
前記目標車両の現在位置姿勢情報及び前記レーダー死角エリア情報に基づいて、前記目標車両と前記所定の範囲内のレーダー死角エリアとの距離情報を決定することと、
前記距離情報に基づいて、前記目標車両を、減速して障害物を回避するように制御することと、を含むことを特徴とする
請求項1から6のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
車両制御装置であって、
目標車両におけるレーダー装置により収集されたポイントクラウドデータを取得するように構成されるデータ取得部と、
前記ポイントクラウドデータに基づいて、前記目標車両からの所定の範囲内の障害物の情報を決定するように構成される第1決定部と、
前記レーダー装置が発射するビームのビーム情報及び決定された前記障害物の情報に基づいて、前記目標車両のレーダー死角エリア情報を決定するように構成される第2決定部と、
前記目標車両のレーダー死角エリア情報に従って、前記目標車両を制御するように構成される車両制御部と、を備える、車両制御装置。
【請求項9】
電子機器であって、前記電子機器は、プロセッサと、メモリと、バスと、を備え、前記メモリに、前記プロセッサによる実行可能な機器可読命令が記憶されており、電子機器が動作する時に、前記プロセッサと前記メモリとは、バスを介して通信し、前記機器可読命令が前記プロセッサにより実行される時に、
前記プロセッサに請求項1から7のうちいずれか一項に記載の方法のステップを実行
させる、電子機器。
【請求項10】
コンピュータ可読記憶媒体であって、該コンピュータ可読記憶媒体に、コンピュータプログラムが記憶されており、該コンピュータプログラムがプロセッサ
に、請求項1から7のうちいずれか一項に記載の方法のステップを実行
させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項11】
コンピュータプログラムであって、前記コンピュータプログラムは、コンピュータ可読コードを含み、前記コンピュータ可読コードがコンピュータ機器において実行される時に、前記コンピュータ機器におけるプロセッサ
に、請求項1から7のうちいずれか一項に記載の方法のステップを実行
させる、コンピュータプログラム。
【国際調査報告】