(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-29
(54)【発明の名称】モーダル・アンテナの制御方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
H01Q 3/26 20060101AFI20220921BHJP
H01Q 1/50 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
H01Q3/26
H01Q1/50
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021569025
(86)(22)【出願日】2020-07-31
(85)【翻訳文提出日】2021-11-19
(86)【国際出願番号】 US2020044478
(87)【国際公開番号】W WO2021022148
(87)【国際公開日】2021-02-04
(32)【優先日】2019-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519006872
【氏名又は名称】エイブイエックス・アンテナ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】エスラミ,ハミド
【テーマコード(参考)】
5J021
5J046
【Fターム(参考)】
5J021AA01
5J021AB02
5J021DA03
5J021FA13
5J021FA17
5J021FA24
5J021FA26
5J021GA02
5J046AA03
5J046AB06
5J046TA03
(57)【要約】
アンテナ・システムを提供する。一例では、このシステムは、被駆動エレメントと寄生エレメントとを有するモーダル・アンテナを含む。このシステムは、無線周波数回路を含む。このシステムは、無線周波数回路をモーダル・アンテナに結合する送信線を含む。無線周波数回路は、制御信号をRF信号上に変調して、送信線を通じて同調回路に伝達するための送信信号を生成するように構成される。制御信号は、選択されたアンテナ・モードと関連付けられた複数のビットを有するフレームを含むことができる。無線周波数回路は、コード化方式にしたがって、選択されたモードと関連付けられた複数のビットをエンコードするように構成される。コード化方式は、複数のモードの中の各モードに一意のコードを指定する。複数のモードの中の各モードの一意のコードは、複数のモードの中の他の各モードの一意のコードと比較して、少なくとも2ビットだけ異なる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ・システムであって、
被駆動エレメントと寄生エレメントとを含むモーダル・アンテナであって、複数のモードから選択したモードで動作可能であり、前記複数のモードの中の各モードが、異なる放射パターンまたは偏波と関連付けられる、モーダル・アンテナと、
前記寄生エレメントに伴う電気特性を制御し、前記モーダル・アンテナを前記複数のモードの各々で動作させるように構成された同調回路と、
無線周波数回路と、
前記無線周波数回路を前記モーダル・アンテナに結合する送信線と、
を備え、
前記無線周波数回路が、制御信号をRF信号上に変調して、前記送信線を通じて前記同調回路に伝達するための送信信号を生成するように構成され、前記制御信号が、前記アンテナの選択されたモードと関連付けられた複数のビットを有するフレームを含み、前記無線周波数回路が、コード化方式にしたがって、前記選択されたモードと関連付けられた前記複数のビットをエンコードするように構成され、前記コード化方式が、前記複数のモードの中の各モードに一意のコードを指定し、前記複数のモードの中の各モードの前記一意のコードが、前記複数のモードの中の他の各モードの一意のコードと比較して、少なくとも2ビットだけ異なり、
前記同調回路が、前記制御信号を復調し、少なくとも部分的に前記制御信号に基づいて前記モーダル・アンテナのモードを調節できるように構成される、アンテナ・システム。
【請求項2】
請求項1記載のアンテナ・システムにおいて、前記フレームが11ビットで構成される、アンテナ・システム。
【請求項3】
請求項1記載のアンテナ・システムにおいて、前記フレームが21ビットで構成される、アンテナ・システム。
【請求項4】
請求項1記載のアンテナ・システムにおいて、前記複数のモードの中の各モードの前記一意のコードが、前記複数のモードの中の前記他の各モードの一意のコードと比較して、少なくとも3ビットだけ異なる、アンテナ・システム。
【請求項5】
請求項1記載のアンテナ・システムにおいて、前記複数のモードの中の各モードの前記一意のコードが、前記複数のモードの中の前記他の各モードの一意のコードと比較して、少なくとも4ビットだけ異なる、アンテナ・システム。
【請求項6】
請求項1記載のアンテナ・システムにおいて、前記複数のモードが少なくとも4つのモードを含む、アンテナ・システム。
【請求項7】
請求項1記載のアンテナ・システムにおいて、前記複数のビットが前記コード化方式におけるいずれの一意のコードにも関連付けられていないとき、前記同調回路が前記制御信号においてエラーを検出するように構成される、アンテナ・システム。
【請求項8】
請求項5記載のアンテナ・システムにおいて、前記制御信号においてエラーが検出されたとき、前記同調回路が、前記モーダル・アンテナの現在のモードを維持するように構成される、アンテナ・システム。
【請求項9】
請求項1記載のアンテナ・システムにおいて、前記無線周波数回路が、第1フレーム・サイズを有する第1フレームと第2フレーム・サイズを有する第2フレームとを交互に変調することによって、制御信号をRF信号上に変調して、送信線を通じて前記同調回路に伝達するための送信信号を生成するように構成され、前記第2フレーム・サイズが前記第1フレーム・サイズとは異なる、アンテナ・システム。
【請求項10】
請求項9記載のアンテナ・システムにおいて、前記第1フレームが少なくとも11ビットであり、前記第2フレームが少なくとも21ビットである、アンテナ・システム。
【請求項11】
請求項1記載のアンテナ・システムであって、更に、第1回路ボードと、前記第1回路ボードから物理的に離れている第2回路ボードとを備え、前記無線周波数回路が前記第1回路ボード上に配置され、前記同調回路またはモーダル・アンテナの内少なくとも1つが前記第2回路ボード上に配置される、アンテナ・システム。
【請求項12】
請求項1記載のアンテナ・システムにおいて、前記無線周波数回路が、前記RF信号を生成するように構成されたフロント・エンド・モジュールと、前記制御信号を前記RF信号上に変調して前記送信信号を生成するように構成された制御回路とを含む、アンテナ・システム。
【請求項13】
モーダル・アンテナの制御方法であって、
制御信号をRF信号上に変調して、送信信号を生成するステップと、
前記送信信号を、単線同軸送信線を通じて、同調回路に伝達するステップと、
前記制御信号を復調するステップと、
モーダル・アンテナを複数のモードから選択したモードで動作させるために、少なくとも部分的に前記制御信号に基づいて、前記モーダル・アンテナの寄生エレメントに伴う電気特性を制御するステップであって、前記複数のモードの中の各モードが、前記モーダル・アンテナの異なる放射パターンと関連付けられる、ステップと、
を含み、
前記制御信号が、前記アンテナの選択されたモードと関連付けられた複数のビットを有するフレームを含み、無線周波数回路が、コード化方式にしたがって、前記選択されたモードと関連付けられた前記複数のビットをエンコードするように構成され、前記コード化方式が、前記複数のモードの中の各モードに一意のコードを指定し、前記複数のモードの中の各モードの前記一意のコードが、前記複数のモードの中の他の各モードの一意のコードと比較して、少なくとも2ビットだけ異なる、方法。
【請求項14】
請求項13記載の方法であって、更に、前記複数のビットが前記コード化方式におけるいずれの一意のコードとも関連付けられていないとき、前記制御信号におけるエラーを検出するステップを含む、方法。
【請求項15】
請求項14記載の方法であって、更に、前記制御信号においてエラーが検出されないとき、前記モーダル・アンテナの現在のモードを維持するステップを含む、方法。
【請求項16】
請求項13記載の方法において、前記フレームが11ビットで構成される、方法。
【請求項17】
請求項13記載の方法において、前記フレームが21ビットで構成される、方法。
【請求項18】
請求項13記載の方法において、前記複数のモードの中の各モードの前記一意のコードが、前記複数のモードの中の前記他の各モードの一意のコードと比較して、少なくとも3ビットだけ異なる、方法。
【請求項19】
請求項13記載の方法において、制御信号をRF信号上に変調して送信信号を生成するステップが、第1フレーム・サイズを有する第1フレームと、第2フレーム・サイズを有する第2フレームとを交互に変調するステップを含み、前記第2フレーム・サイズが前記第1フレーム・サイズとは異なる、方法。
【請求項20】
請求項19記載の方法において、前記第1フレームが少なくとも11ビットであり、前記第2フレームが少なくとも21ビットである、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
[0001] 本願は、“Method and System for Controlling a Modal Antenna”(モーダル・アンテナの制御方法およびシステム)と題し、2019年8月1日に出願された米国仮特許出願第62/881,464号の優先権を主張する。この特許出願をここで引用したことにより、その内容全体が本願にも含まれるものとする。
【0002】
分野
[0002] 本開示の態様例は、一般的には、アンテナ制御の分野に関し、実例をあげると、複数の異なるモードで動作するように構成されたモーダル・アンテナの制御に関する。
【従来技術】
【0003】
[0003] モーダル・アンテナは、ワイヤレス通信において、実例をあげると、スマートフォン・ハンドセットにおいて増々使用されつつある。このようなアンテナは、一般に、従前の受動アンテナよりも高い信号品質および小さいフォーム・ファクタが得られる。モーダル・アンテナ構成の1つでは、被駆動エレメントに伴う放射パターンを変更するように構成された寄生エレメントを含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004] 本開示の実施形態の態様および利点は、部分的に以下の説明において明記され、またはその説明から学習することができ、もしくは実施形態の実践によって習得することができる。
【0005】
[0005] 本開示の一態様例は、アンテナ・システムを対象とする。このシステムは、被駆動エレメントと寄生エレメントとを有するモーダル・アンテナを含む。このモーダル・アンテナは、複数のモードから選択されたモードで動作可能である。複数のモードの中の各モードは異なる放射パターンまたは偏波(polarization)と関連付けられる。このシステムは、モーダル・アンテナを複数のモードの各々で動作させるために、寄生エレメントに伴う電気特性を制御するように構成された同調回路(tuning circuit)を含む。このシステムは無線周波数回路を含む。このシステムは、無線周波数回路をモーダル・アンテナに結合する送信線を含む。無線周波数回路は、制御信号をRF信号上に変調し、送信線を通じて同調回路に伝達するための送信信号を生成するように構成される。制御信号は、アンテナの選択されたモードに関連付けられた複数のビットを有するフレームを含むことができる。無線周波数回路は、コード化方式にしたがって、選択されたモードに関連付けられた複数のビットをエンコードするように構成される。このコード化方式は、複数のモードの中の各モードに、一意のコードを指定する。複数のモードの中の各モードの一意のコードは、複数のモードの中の他の各モードの一意のコードと比較して、少なくとも2つのビットが異なる。同調回路は、制御信号を復調して、少なくとも部分的に制御信号に基づいて、同調回路がモーダル・アンテナのモードを調節することができるように構成される。
【0006】
[0006] 種々の実施形態のこれらおよびその他の特徴、態様、ならびに利点は、以下の説明および添付した請求項を参照すると、一層深く理解されよう。本明細書に組み込まれその一部を構成する添付図面は、本開示の実施形態を例示し、説明と共に、関係する原理を説明する役割を果たす。
【0007】
[0007] 添付図面を参照する明細書において、当業者を対象とする実施形態の詳細な論述を明記する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】本開示の実施形態例によるモーダル・アンテナの実施形態を示す。
【
図1B】
図1Aのモーダル・アンテナに伴う二次元アンテナ放射パターンを示す。
【
図1C】本開示の実施形態例による
図1Aのモーダル・アンテナの周波数プロット例を示す。
【
図2】本開示の実施形態例によるアンテナ・システム例の模式図を示す。
【
図3】本開示の実施態様例によるアンテナ・システムの制御回路例の模式図を示す。
【
図4】振幅偏移変調およびオン-オフ・キーイング変調の簡略化した例を表す一連の時間整列チャートを示す。
【
図5】本開示の実施形態例によるアンテナ・システムの同調回路例の模式図を示す。
【
図6】本開示の実施形態例によるアンテナ・システムの模式図を示す。
【
図7】本開示の実施形態例による方法例の流れ図を示す。
【
図8】本開示の実施形態例による複数のアンテナ・モードに対するコード化方式例を示す。
【
図9】本開示の実施形態例によるモーダル・アンテナ制御の一例を示す。
【
図10】本開示の実施形態例によるエラー検出の一例を示す。
【
図11】本開示の実施形態例による複数のアンテナ・モードに対するコード化方式例を示す。
【
図12】本開示の実施形態例によるモーダル・アンテナ制御の一例を示す。
【
図13】本開示の実施形態例によるエラー検出の一例を示す。
【
図14】本開示の実施形態例によるエラー検出の一例を示す。
【
図16】本開示の実施形態例によるモーダル・アンテナのエラー検出および制御の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0026] これより実施形態について詳しく説明する。その1つ以上の例を図面に示す。各例を提示するのは、本開示の限定ではなく、実施形態の説明のためである。実際、本開示の範囲からも主旨からも逸脱せずに、実施形態に種々の変更および変形が可能であることは、当業者には明白であろう。実例をあげると、一実施形態の一部として例示または記載された特徴が、他の実施形態と共に使用されて、更に他の実施形態を生み出すことができる。つまり、本開示の態様はこのような変更および変形もその範囲内に含むことを意図している。
【0010】
[0027] 本開示の態様例は、アンテナ・システムを対象とする。このアンテナ・システムは、被駆動エレメントと、この被駆動エレメントに近接して位置付けられた寄生エレメントとを含むモーダル・アンテナを含むことができる。モーダル・アンテナは、複数の異なるモードで動作可能であり(can be operable)、各モードを異なる放射パターンおよび/または偏波状態と関連付けることができる。このアンテナ・システムは、同調回路を含むことができる。同調回路は、モーダル・アンテナを複数の異なるモードで動作させるために、寄生エレメントに伴う電気特性を制御するように構成される。
【0011】
[0028] アンテナ・システムは、無線周波数回路と、無線周波数回路をモーダル・アンテナに結合する送信線(例えば、単線同軸ケーブル)とを含むことができる。無線周波数回路は、実例をあげると、振幅偏移変調または他の適した変調を使用して、制御信号をRF信号上に変調し、送信線を通じて同調回路に伝達するための送信信号を生成するように構成することができる。同調回路は、制御信号を復調して、少なくとも部分的に制御信号に基づいて、同調回路がモーダル・アンテナのモードを調節することができるように、構成することができる。実例をあげると、同調回路は、少なくとも部分的に制御信号に基づいて、複数のモードから選択されたモードで動作するように、モーダル・アンテナを制御することができる。
【0012】
[0029] 本開示の態様例によれば、制御信号は、送信線を通じて、1つ以上のフレームで伝達することができる。各フレームは、複数のビットを含むことができる。フレーム(1つまたは複数)は、実例をあげると、ヘッダと関連付けられた1つ以上のビット、および/またはペイロード(例えば、複数のモードから選択されたモード)と関連付けられた1つ以上のビットを含むことができる。同調回路は、フレームのペイロード内にある1つ以上のビットをデコードし、モーダル・アンテナを構成するために選択されたモードを抽出するように構成することができる。
【0013】
[0030] ある実例では、フレームは1つ以上のエラーを含む可能性がある。更に特定すると、フレームの1つ以上のビットは、送信線を通じた伝達ためのRF信号上への制御信号の変調および/または復調の結果、および/またはノイズおよび/または干渉の結果、不適正になるおそれがある。制御信号におけるエラーに基づいてモーダル・アンテナのモードを制御することにより、モーダル・アンテナの構成が不適正になるおそれがあり、通信エラー、モーダル・アンテナの効率低下、およびその他の懸念が生ずる。
【0014】
[0031] 本開示の態様例によれば、RF信号は、同調回路によるエラー検出を増やすエンコード方式にしたがって制御信号をエンコードするように構成することができる。実例をあげると、このコード化方式は、一意のコードを複数のモードの中の各モードに割り当てることができる。ある実施形態では、一意のコードは11ビット以上(例えば、11ビット、21ビット)を使用してエンコードすることができる。各モードの一意のコードは、複数のモードにおける他の各モードの一意のコードと比較して、少なくとも3ビットだけというように、少なくとも4ビットだけというように、少なくとも5ビットだけというように、少なくとも6ビットだけというように、少なくとも7ビットだけというように、少なくとも8ビットだけというように等、少なくとも2ビットだけ異なることができる。このように、複数のモードの中の各モードの一意のコードは、他のアンテナ・アンテナの各々の一意のコードから、有意な距離だけ(例えば、ビット数に関して)分離される。
【0015】
[0032] 制御信号を復調するとき、同調回路は、フレーム(1つまたは複数)における1つ以上のビットが、複数のモードの中の1つに割り当てられた一意のコードの1つと関連付けられているか否か判定するように構成することができる。関連付けられている場合、同調回路は、エラーが存在しないと判定することができ、一意のコードによって指定されたモードを選択し、このモードにしたがって、モーダル・アンテナを制御することができる。フレーム(1つまたは複数)における1つ以上のビットが、複数のモードの中の1つに割り当てられた一意のコードの1つと関連付けられていないと、同調回路が判定した場合、同調回路は、エラーが存在すると判定することができる。多数のビット(例えば、6ビット以上、11ビット以上、21ビット以上)を使用して複数のモードの各モードをエンコードすることによって、一意のコードは、複数のモードに対して、十分な距離だけ分離し、フレーム(1つまたは複数)におけるビットの内1つまたは2つだけにエラーがあるときでも、エラーを容易に検出することができる。
【0016】
[0033] エラーの検出時に、同調回路は、他の制御信号を受け取るまで、モーダル・アンテナをその現在のモードに維持するように構成することができる。あるいは、同調回路は、フレーム(1つまたは複数)において受け取った複数のビットに基づいて、最も近い一意のコードを決定することができる。同調回路は、最も近い一意のコードと関連付けられたモードにしたがって、モーダル・アンテナを制御することができる。
【0017】
[0034] ある実施形態では、システムのロバスト性を更に高めるために、RF回路は、異なるサイズのフレームを交互に使用して、制御信号(1つまたは複数)を伝達するように構成することができる。実例をあげると、RF回路は、第1フレーム・サイズ(例えば、11ビット)および第2フレーム・サイズ(例えば、21ビット)のフレームを交互に伝達することができる。第1フレームは、第1コード化方式にしたがって一意のコードがエンコードされた複数のビットを含むことができる。第1コード化方式は、複数のモードの中の各モードに、第1フレーム・サイズのビット数(例えば、11ビット)を有する一意のコードを割り当てることができる。第2フレームは、第2コード化方式にしたがって一意のコードがエンコードされた複数のビットを含むことができる。第2コード化方式は、複数のモードの中の各モードに、第2フレーム・サイズのビット数(例えば、21ビット)を有する一意のコードを割り当てることができる。
【0018】
[0035] 同調回路は、異なるサイズのフレームを交互に処理するように構成することができる。実例をあげると、同調回路は、第1コード化方式を使用して、第1フレーム・サイズと関連付けられた第1フレームを処理して、第1選択モードを抽出することができる。次いで、同調回路は、第2コード化方式を使用して、第2フレーム・サイズを有する第2フレームを処理して、第2選択モードを抽出することができる。フレームが、抽出されたコード化方式による一意のコードと一致しないとき、同調回路はエラーを検出するように構成することができる。
【0019】
[0036] 本開示の実施形態例によるシステムおよび方法は、多数の技術的効果および利点が得られる。実例をあげると、本開示の態様例にしたがって制御信号を伝達することによって、エラー検出を増やすことができ、実例をあげると、ノイズおよび/または干渉に起因する可能性がある動作エラーの低減に至る。加えて、ある実施形態では、フレームから正しいモードを識別できることの結果として、制御信号から正しいアンテナ・モードを抽出する頻度を高めることができ、一層ロバストで、効率的で、信頼性が高いアンテナ・システムが得られる。
【0020】
[0037]
図1Aは、本開示の態様によるモーダル・アンテナ10の実施形態例を示す。モーダル・アンテナ10は、回路ボード12(例えば、接地面を含む)と、回路ボード12上に配置された被駆動アンテナ・エレメント14とを含むことができる。回路ボード(例えば、そして接地面)と被駆動アンテナ・エレメントとの間に、アンテナ空間(volume)を定めることができる。少なくとも部分的にこのアンテナ空間内に、第1寄生エレメント15を位置付けることができる。第1能動同調エレメント16を寄生エレメント15と結合することができる。第1能動同調エレメント16は、受動または能動コンポーネント、もしくは一連のコンポーネントであってもよく、可変リアクタンスによって、または接地への短絡によってのいずれかで、第1寄生エレメント14上のリアクタンスを変化させ、その結果アンテナの周波数偏移を生じさせるように構成することができる。
【0021】
[0038] ある実施形態では、第2寄生エレメント18を回路ボード12に近接して配置することができ、アンテナ空間の外側に位置付けることができる。第2寄生エレメント18は、更に、第2能動同調エレメント20を含むことができる。第2能動同調エレメント20は、個別に1つ以上の能動および/または受動コンポーネントを含むことができる。第2寄生エレメント18は、被駆動エレメント14に隣接して位置付けることができ、アンテナ空間の外側に位置付けることもできる。
【0022】
[0039] 説明した構成は、リアクタンスを変化させることによって、被駆動アンテナ・エレメントの放射パターン特性を偏移させる機能を設けることができる。アンテナ放射パターンを偏移させることを「ビーム・ステアリング」(beam steering)と呼ぶことができる。アンテナ放射パターンがヌルを含む場合、同様の動作を「ヌル・ステアリング」(null steering)と呼ぶことができる。何故なら、アンテナ周囲における代わりの位置にヌルを偏移させることができるからである(例えば、干渉を低減するため)。ある実施形態では、第2能動同調エレメント20は、「オン」のときに第2寄生を接地に接続し、「オフ」のときに短絡を終わらせる(terminating the short)スイッチを含むことができる。しかしながら、例えば、第1または第2寄生エレメントのいずれかにおいて、可変キャパシタまたは他の可変同調コンポーネントを使用することによって、可変リアクタンスが、更に、アンテナ・パターンまたは周波数応答の可変偏移(variable shifting)にも対応できることは注記してしかるべきである。例えば、 第1能動同調エレメント16および/または第2能動同調エレメント18は、 調整可能なキャパシタ、MEMSデバイス、調整可能なインダクタ、スイッチ、調整可能な移相器、電界効果トランジスタ、またはダイオードの内少なくとも1つを含むことができる。
【0023】
[0040]
図1Bは、
図1Aのモーダル・アンテナに伴う二次元アンテナ放射パターンを示す。モーダル・アンテナ10の第1および第2寄生エレメント16、18の少なくとも1つに伴う電気特性を制御することによって、放射パターンを偏移させることができる。例えば、ある実施形態では、放射パターンを第1モード22から第2モード24に、または第3モード26に移行させることもできる。
【0024】
[0041]
図1Cは、本開示のある態様による、
図1Aのモーダル・アンテナの周波数プロット例を示す。アンテナの周波数は、モーダル・アンテナ10の第1および第2寄生エレメント16、18の少なくとも1つに伴う電気特性を制御することによって、偏移させることができる。例えば、アンテナの第1周波数(f
0)は、第1および第2寄生エレメントを「オフ」に切り替えたときに達することができ、周波数(f
L)および(f
H)は、第2寄生を接地に短絡させたときに生成することができ、周波数(f
4、f
0)は、第1および第2寄生エレメントを各々接地に短絡させたときに生成することができる。尚、本開示の範囲内において、他の構成も可能であることは理解されてしかるべきである。例えば、もっと多いまたは少ない寄生エレメントを採用してもよい。寄生エレメントの位置付けを変更することによって、異なる周波数および/または周波数の組み合わせを得ることができる更に別のモードを達成することもできる。
【0025】
[0042]
図1A~
図1Cは、例示および論述の目的に限って、複数のモードを有するモーダル・アンテナの一例を示す。本明細書において提供する開示を使用する当業者であれば、他のモーダル・アンテナおよび/またはアンテナ構成も、本開示の範囲から逸脱することなく、使用できることが理解できるであろう。本明細書において使用する場合、「モーダル・アンテナ」(modal antenna)とは、複数のモードで動作することができるアンテナを意味し、各モードが別個の放射パターンと関連付けられる。
【0026】
[0043]
図2は、本開示の態様例によるアンテナ・システム100の実施形態の模式図を示す。アンテナ・システム100は、モーダル・アンテナ102を含むことができる。モーダル・アンテナ102は、被駆動エレメント104と、被駆動エレメント104に近接して位置付けられた寄生エレメント106とを含むことができる。モーダル・アンテナ102は、複数の異なるモードで動作可能にすることができ、各モードは、例えば、
図1Aから
図1Cを参照して先に説明したように、異なる放射パターンおよび/または偏波特性と関連付けることができる。
【0027】
[0044] 同調回路108は、モーダル・アンテナ102を複数の異なるモードで動作させるために、寄生エレメント106に伴う電気特性を制御するように構成することができる。本開示の態様例によれば、同調回路108は、送信信号から制御信号を復調し、例えば、
図4および
図5を参照して更に詳しく説明するように、制御信号と関連付けられた制御命令に基づいて、寄生エレメント106の電気特性を制御するように構成することができる。
【0028】
[0045] 可変同調コンポーネント(tunable component)110を寄生エレメント106と結合することができ、同調回路108は、可変同調コンポーネント110を制御して、寄生エレメント106を接地と接続するというようにして、寄生エレメント106の電気接続状態(electrical connectivity)を、電圧ソースまたは電流ソースあるいは電圧シンクまたは電流シンクによって変化させるように構成することができる。
【0029】
[0046] 無線周波数回路112は、RF信号をモーダル・アンテナ102の被駆動エレメント104に送信するように構成することができる。例えば、送信線114が無線周波数回路112をモーダル・アンテナ102に結合してもよい。ある実施形態では、送信線114は単線同軸ケーブルでもよい。無線周波数回路112は、RF信号を増幅するまたそうでなければ生成するように構成することができ、RF信号(送信信号の成分として)は送信線114を通じてモーダル・アンテナ102の被駆動エレメント104に送信される。
【0030】
[0047] ある実施形態では、無線周波数回路112は、フロント・エンド・モジュール116および/または制御回路118を含むことができる。フロント・エンド・モジュール116は、RF信号を生成および/または増幅するように構成することができ、RF信号は、被駆動エレメント104に送信される、および/または非駆動エレメント104から受信される。フロント・エンド・モジュール116は、実例をあげると、1つ以上の電力増幅器、低ノイズ増幅器、インピーダンス整合回路等を含むことができる。制御回路118は、例えば、
図4を参照して以下で更に詳しく説明するように、振幅-偏移変調を使用して制御信号をRF信号上に変調し、送信信号を生成するように構成することができる。
【0031】
[0048] 送信線114は、種々の周波数帯域を占める信号の合体(combination)および/または分離を補助するように構成された種々のコンポーネントと結合することができる(例えば、バイアスT回路を使用して)。例えば、第1バイアスT回路120は、フロント・エンド・モジュール116および制御回路118を送信線114と結合することができる。第1バイアスT回路120は、送信線114をフロント・エンド・モジュール116と結合するキャパシタ122と、制御ユニット118を送信線114と結合するインダクタ124とを含むことができる。第2バイアスT回路126は、被駆動エレメント104および同調回路108を送信線114と結合することができる。第2バイアスT回路126は、送信線114を被駆動エレメント104と結合するキャパシタ128と、送信線114を同調回路108と結合するインダクタ130とを含むことができる。
【0032】
[0049] フロント・エンド・モジュール116は、第1バイアスT回路120のキャパシタ122を介して、RF信号を送信することができる。制御回路118は、第1バイアスT回路120のインダクタ124を介して、制御信号をRF信号上に変調し、送信線114内に制御信号を生成することができる。同調回路108は、第2バイアスT回路126のインダクタ130を介して、送信信号から制御信号を復調することができる。送信信号のRF信号成分は、第2バイアスT回路126のキャパシタ128を介して、モーダル・アンテナ102の被駆動エレメント104に送信することができる。
【0033】
[0050] ある実施形態では、アンテナ・システム100が、第1回路ボード129と、第1回路ボード129から物理的に分離した第2回路ボード131とを含むことができる。第1回路ボード129上には、無線周波数回路112が配置されてもよい。第2回路ボード131上には、同調回路108またはモーダル・アンテナ102の内少なくとも1つが配置されてもよい。これによって、複数の送信線を採用することなく、またアンテナ・システム100の動作に悪影響を及ぼすことなく、無線周波数回路112を同調回路および/またはモーダル・アンテナ102から物理的に分離させることができる。
【0034】
[0051] ある実施形態では、RF信号を第1周波数帯域内に定めてもよい。制御信号は、第1周波数帯域とは別個の第2周波数帯域内に定めてもよい。例えば、第1周波数帯域は、約500MHzから約50GHzまでの範囲に及んでもよく、ある実施形態では約1GHzから約25GHzまでの範囲、ある実施形態では約2GHzから約7GHz、例えば、約5GHzまでの範囲に及んでもよい。第2周波数帯域は、約10MHzから約1GHzまでの範囲に及んでもよく、ある実施形態では約20MHzから約800MHzまでの範囲、ある実施形態では約30MHzから約500MHzまでの範囲、ある実施形態では約50MHzから約250MHz、例えば、約100MHzまでの範囲に及んでもよい。
【0035】
[0052]
図3は、
図2に示したアンテナ・システム100の制御回路118の一実施形態の模式図を示す。制御回路118は、プロセッサ132を含むことができる。プロセッサ132は、モーダル・アンテナ102のモードを変更するための制御命令(
図2に示す)、またそうでなければモーダル・アンテナ102の放射パターンの方位または周波数を調節するための制御命令を生成もしくは受信するように構成することができる。例えば、プロセッサ132は、他のプロセッサ(
図3においてHOSTで表される)から制御命令を受信することもでき、命令を記述するデータ(
図3においてDATA
Nで表される)を含む出力を生成することもできる。データは、任意の適したビット深度を有することができる。例えば、ある実施形態では、データは二進フォーマットでもよい。他の実施形態では、データは、16進フォーマット、10進フォーマット等でもよい。 以下で詳しく論ずるが、データは、本開示の実施形態例にしたがって、エラー検出を増やすコード化方式でエンコードすることができる。
【0036】
[0053] また、制御回路118は搬送波信号ソース134も含むことができる。ある実施形態では、搬送波信号ソース134は、全体的に一定の周波数を有することができる正弦波を含む搬送波信号を生成するように構成することができる。他の実施形態では、搬送波信号は、任意の適した信号であればよく、または任意の適した信号を含んでもよい。例えば、ある実施形態では、搬送波信号は、任意の適した反復パターンであってもまたはそれを含んでもよく、正弦波であることや、全体的に一定の周波数を有することに限定されない。
【0037】
[0054] また、制御回路118は変調器136も含むことができる。変調器136は、搬送波信号上にプロセッサの出力を変調して、制御信号(
図3においてTXCH
Nで表される)を生成するように構成されている。変調器136は、マルチプレクサ138を含むことができる。マルチプレクサ138は、制御命令を記述することができるデータ(
図3においてDATANで表される)を含む出力を、搬送波信号ソース134からの搬送波信号と合体するように構成されている。例えば、変調器136は、例えば、
図4を参照して以下で更に詳しく説明するように、搬送波信号ソース134からの搬送波信号の振幅を調整し(scale)、例えば、振幅偏移変調(例えば、オン-オフ・キーイング変調)を実行することによって、制御信号を生成するように構成することができる。また、変調器136は、増幅器140とバイアスT回路142とを含むことができる。
【0038】
[0055]
図4は、振幅偏移変調およびオン-オフ・キーイング変調の簡略化した例を表す一連の時間整列チャート400を示す。 二進信号401は、二進データ集合を記述するように、第1電圧レベル402と第2電圧レベル404との間で交互してもよい。二進信号401は、プロセッサ132の出力を簡略化した例に対応することもでき、この出力は、例えば、
図3を参照して先に説明したような、制御命令を記述するデータを含むこともできる。振幅-偏移変調は、第1電圧レベル402を、可変振幅を有する正弦波信号406として表すことによって、二進信号401を表す動作を含むことができる。例えば、正弦波信号406は、二進信号401の第1電圧402を表す第1振幅408を有することができ、更に、二進信号401の第2電圧レベル404を表す第2振幅410を有することができる。
【0039】
[0056] オン-オフ・キーイング変調は、一種の振幅-偏移変調である。オン-オフ・キーイング変調では、可変振幅を有する正弦波信号411によって、二進信号401を表すことができる。正弦波信号411は、二進信号401の第1電圧レベル402を表す第1振幅412を有することができる。しかしながら、第2電圧レベル404は、正弦波信号410の欠如によって表すことができる。言い換えると、正弦波信号410は、二進信号401の第2電圧404を表すために、約ゼロの振幅を有することができる。
【0040】
[0057]
図5は、例えば、
図2を参照して先に論じた同調回路108に対応する、本開示の態様による同調回路500の一実施形態の模式図を示す。同調回路500は、復調器502およびバイアス504を含むことができる。復調器502は、バイアス504と結合されたバイアスT回路506と、通信線114(
図2に示す)と結合されたマルチプレクサ507とを含むことができる。
【0041】
[0058] また、同調回路500は、少なくとも1つの周波数帯域を濾波するように構成されたロー・パス・フィルタ508も含むことができる。例えば、ロー・パス・フィルタ508は、搬送波信号周波数の周波数よりも高い少なくとも1つの周波数帯域を濾波するように構成されてもよい。したがって、ロー・パス・フィルタ508は、搬送波信号周波数を分離する、またはその強度を相対的に高めることができる。また、復調器502は、ツェナー・ダイオードのような、ダイオード510を含むことができる。ダイオード510は、制御信号と関連付けられた(例えば、内部に収容された)制御命令を解釈するように構成された論理回路512と結合することができる。
【0042】
[0059] また、論理回路512(例えば、論理演算を実施するためにコンピュータ読み取り可能命令を実行するように構成されたプロセッサ、ASIC等)は、制御信号と関連付けられた(例えば、内部に収容された)制御命令に基づいて、スイッチ514の動作を制御するように構成することもできる。スイッチ514は、接地と接続され、複数の状態間で切り替えるように構成することができる。例えば、寄生エレメント106(
図2に示す)に伴う電気特性を制御し、モーダル・アンテナを複数の異なるモードで動作させるために、スイッチ514の出力516を接地と選択的に接続するように、またそうでなければ出力516の電気接続状態を変化させるように、スイッチ514を構成することができる。例えば、スイッチ514は、可変同調コンポーネント110(
図2に示す)の動作を調節して、寄生エレメント106のソースまたはシンクとの電気接続状態を変化させる(例えば、電圧ソース/シンクまたは電流ソース/シンク)ように構成することができる。例えば、スイッチ514は、寄生エレメント106を接地と選択的に接続するように構成することができる。
【0043】
[0060] 同調回路500(例えば、論理回路512)は、同調回路500と関連付けられたローカル・クロック周波数を供給するように構成された、ローカル同調高調波局部発振器(例えば、リング発振器)のような、同調可能な周波数ソースを含むことができる。論理回路512は、論理回路512が(例えば、ダイオード510から)受け取った信号をサンプリングし、この信号に関して周波数検索動作を実行するように構成することができる。周波数検索動作は、該当するサンプリング周波数を決定することができる。例えば、論理回路512は、予測フレーズ(phrase)に対応する時間期間にわたって、制御信号(またはダイオード510によって出力された、その調整バージョン)をサンプリングすることができる。予測フレーズは、制御信号内に存在すると予測される信号パターンを含むことができる。一例として、予測フレーズは、1つ以上の送信データ「フレーム」の先頭および/または終端に、「プリアンブル」または「ポストアンブル」として存在してもよい。論理回路512は、予測フレーズを認識または検出し、フレーム(1つまたは複数)の先頭または終端を突き止めるように構成することができる。次いで、論理回路512は、サンプル内に存在する局部発振器の「クロック・エッジ」数を、予測フレーズに基づいてサンプル内に存在することが予測される局部発振器の「クロック・エッジ」数と比較して、「クロック・エッジ」数に関して位相誤差を測定し判定することができる。
【0044】
[0061] 次いで、論理回路512は、周波数検索動作を実行することができる。例えば、周波数検索動作は、(1)予測フレーズの長さに対応する時間期間にわたってサンプリングするステップと、(2)サンプル内に存在するクロック・エッジの数を、クロック・エッジの予測数と比較することによって、位相誤差を判定するステップと、(3)ローカル・クロック周波数が、制御回路118と関連付けられたマスタ・クロック周波数と十分に同期されるまで、ローカル・クロック周波数(例えば、局部発振器の周波数)を調節するステップとを繰り返すステップとを含むことができる。例えば、ローカル・クロック周波数が十分に同期されたと判定できるのは、位相誤差が閾値(例えば、所定の閾値)未満になったときである。
【0045】
[0062] ある実施形態では、同調回路は、数値制御発振器を採用してもよい。数値制御発振器は、同調回路が受け取った信号のデータ・エッジ遷移を計数するように構成される。データ・エッジ遷移の数が、予測範囲(例えば、所定の範囲)から外れた場合、同調回路は、関連するデータ・フレームを拒否または無視することができる。データ・エッジ遷移のカウントが予測範囲内に納まる場合、同調回路は、この同調回路の内部発振器と関連付けられた周波数(例えば、ローカル・クロック周波数)を調節することができる。例えば、同調回路は、内部発振器の周波数を上昇または低下させて、同調回路の内部発振器周波数の周波数(the frequency of the internal oscillator frequency)と、RF回路および/または制御回路と関連付けられたクロックもしくは発振器周波数との間において、通常動作の間に発生する可能性がある、ドリフトを補償するように、構成することができる。
【0046】
[0063] また、論理回路512は、エラー検出を実行するように構成することもできる。論理回路512によって実施される技法例については、
図7~
図16を参照して論ずる。
【0047】
[0064]
図6は、本開示の態様によるアンテナ・システム600の他の実施形態の模式図を示す。アンテナ・システム600は、全体的に、
図2を参照して先に説明したアンテナ・システム100と同様に構成することができる。例えば、アンテナ・システム600は、被駆動エレメント604と寄生エレメント606とを含むモーダル・アンテナ602、同調回路608、RF回路612、送信線614、フロント・エンド・モジュール616、制御回路618、キャパシタ622とインダクタ624とを含む第1バイアスT回路620、およびキャパシタ628とインダクタ630とを含む第2バイアスT回路626を含むことができる。
【0048】
[0065] また、アンテナ・システム600は、被駆動エレメント634と寄生エレメント636とを含む第2モーダル・アンテナ632も含んでもよい。第2同調回路638は、モーダル632を複数の異なるモードで動作させるために、寄生エレメント636に伴う電気特性を制御するように構成することができる。例えば、第2可変同調コンポーネント640を寄生エレメント636と結合してもよく、同調回路638は、第2可変同調コンポーネント640を制御して、寄生エレメント106を接地と接続するというようにして、第2モーダル・アンテナ632の寄生エレメント636と電圧ソースまたは電流ソースあるいは電圧シンクまたは電流シンクとの電気接続状態を変更するように構成することができる。
【0049】
[0066] 無線周波数回路612は、第2フロント・エンド・モジュール642と第2送信線644とを含むことができる。第2フロント・エンド・モジュール642は、第2RF信号を生成および/または増幅するように構成することができる。制御回路618は、第2制御信号を第2RF信号上に変調し、第2送信信号を生成するように構成することができる。ある実施形態では、制御回路618は、例えば、
図3および
図4を参照して先に説明したように、振幅-偏移変調を使用して第2制御信号を第2RF信号上に変調することもできる。
【0050】
[0067] 第2送信線644は、 種々の周波数帯域を占める信号の合体および/または分離を補助するように構成されたバイアスTを使用して、種々のコンポーネントと結合することができる。例えば、第3バイアスT回路646は、第2フロント・エンド・モジュール642および制御回路618を第2送信線644と結合することができる。第3バイアスT回路646は、第2フロント・エンド・モジュール642を第2送信線644と結合するキャパシタ648と、制御ユニット618を第2送信線644と結合するインダクタ650とを含むことができる。
【0051】
[0068] 第4バイアスT回路652は、第2送信線644を第2モーダル・アンテナ632の被駆動エレメント634および同調回路108と結合することができる。第4バイアスT回路652は、第2送信線644を第2モーダル・アンテナ632の被駆動エレメント634と結合するキャパシタ654と、第2送信線644を第2同調回路638と結合するインダクタ656とを含むことができる。
【0052】
[0069] 第2フロント・エンド・モジュール642は、第3バイアスT回路646のキャパシタ648を介して、第2RF信号を送信することができる。制御回路618は、第3バイアスT回路646のインダクタ650を介して、第2制御信号を第2RF信号上に変調し、第2送信信号を生成することができる。第2同調回路638は、第4バイアスT回路652のインダクタ656を介して、第2送信信号から制御信号を復調することができる。第2送信信号のRF信号成分は、第4バイアスT回路652のキャパシタ654を介して、第2モーダル・アンテナ632の被駆動エレメント634に送信することができる。
【0053】
[0070] この実施形態では、制御回路618は、送信線614、644の各々と関連付けられた別個の出力を有することができる。制御回路618は、
図3を参照して先に説明した制御回路118と同様に構成することができ、更に、第2送信線644に別個の出力を供給するように構成された追加のコンポーネントを含むことができる。例えば、制御回路618は、第2出力を供給するように、第2プロセッサ132、正弦波ソース134、変調器136、マルチプレクサ138、増幅器140,および/またはバイアスT回路142を含むこともできる。
【0054】
[0071] ある実施形態では、アンテナ・システムは、多入力-多出力(MIMO: multiple-in-multiple-out)構成とした複数のアンテナを含んでもよい。複数対の制御回路および同調回路は、複数のモーダル・アンテナだけでなく、複数の受動アンテナも制御するように構成することができる。例えば、アンテナ・システムは、M個のモーダル・アンテナおよび(N-M)個の受動アンテナの動作を制御するように構成されたN個の同調回路(各々、それぞれの制御回路と対をなす)を含むことができる。ここで、NおよびMは各々正の整数であり、NはM以上である。加えて、ある実施形態では、例えば、
図6を参照して説明したように、1つの制御回路が複数の出力を含み、複数の同調回路と対をなすこともできる。いずれにしても、同調回路の数Nは、任意の適した数までに及んでもよい。例えば、ある実施形態では、Nは2から20までの範囲、またはそれ以上でもよく、Mも、2から20までの範囲、またはそれ以上でもよい。
【0055】
[0072] 尚、本開示の範囲内で種々の変形が可能であることは理解されてしかるべきである。例えば、他の実施形態では、別々の制御回路を各送信線614、644と関連付けてもよい。加えて、他の実施形態では、1つのフロント・エンド・モジュールが、それぞれのRF信号を生成するように構成することもできる。ある実施形態では、1つの同調回路が、システムの各モーダル・アンテナの寄生エレメントに伴う電気特性を制御するように構成することもできる。更にまた、ある実施形態では、システムが2つよりも多いモーダル・アンテナを含んでもよい。加えて、ある実施形態では、システムが1つ以上のモーダル・アンテナと、複数のモードで動作するように構成されていない1つ以上の非モーダル・アンテナ、即ち、受動アンテナとの組み合わせを含んでもよい。ある実施形態では、1つ以上のモーダル・アンテナが1つよりも多い寄生エレメントを含んでもよい。1つの制御回路が、寄生エレメントに伴うそれぞれの可変同調エレメントを調節し、寄生エレメントに伴う電気特性を制御し、モーダル・アンテナを複数の異なるモードで動作させるように構成することもできる。他の実施形態では、可変同調エレメントをそれぞれ調節するために、複数の制御回路を使用してもよい。尚、他の変形、変更、組み合わせ等も本開示の範囲内で可能であることは理解されてしかるべきである。
【0056】
[0073]
図7は、本開示の実施形態例による方法例700の流れ図を示す。
図7は、例示および論述の目的に限って、特定の順序で実行されるステップを示す。尚、本明細書において提示した開示を使用すれば、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書において説明する方法はいずれも、その種々のステップを省略すること、拡大すること、同時に実行すること、並び替えること、および/または変更することが様々な手段で可能であることは、当業者には理解されよう。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、種々のステップ(図示せず)を実行することもできる。加えて、方法700について、全体的に、
図2および
図6を参照して先に説明したアンテナ・システム200、600を参照しながら論ずることにする。しかしながら、本方法700の態様は、モーダル・アンテナを含む任意の適したアンテナ・システムにも応用できることは、理解されてしかるべきである。
【0057】
[0074] 方法700は、(702)において、制御信号をRF信号上に変調して送信信号を生成するステップを含むことができる。例えば、制御信号は、モーダル・アンテナのモードを変更するため、またはそうでなければモーダル・アンテナの放射パターンの向きもしくは周波数を調節するための制御命令を含むことができる。例えば、無線周波数回路112は、例えば、
図3および
図4を参照して先に説明したように、制御信号をRF信号上に変調して送信信号を生成するように構成された制御回路118を含むことができる。
【0058】
[0075] 制御信号は、1つ以上のフレームに実装することができる。各フレームは複数のビットを含むことができる。フレーム(1つまたは複数)は、複数のモードから、モーダル・アンテナの動作に対して選択されるモードを指定することができる。制御信号(例えば、命令)は、同調回路によってエラー検出を増やすコード化方式によってエンコードすることができる。実例をあげると、コード化方式は、一意のコードを複数のモードの中の各モードに割り当てることができる。
【0059】
[0076] ある実施形態では、11ビット以上(例えば、11ビット、21ビット)を使用して、一意のコードをエンコードすることができる。各モードの一意のコードは、複数のモードにおける他の各モードの一意のコードと比較して、少なくとも3ビットだけというように、少なくとも4ビットだけというように、少なくとも5ビットだけというように、少なくとも6ビットだけというように、少なくとも7ビットだけというように、少なくとも8ビットだけというように等、少なくとも2ビットだけ異なることができる。その結果、複数のモードの中の各モードの一意のコードは、他のアンテナ・コードの各々の一意のコードから、有意な距離だけ(例えば、ビット数に関して)分離されることになる。
【0060】
[0077] 実例をあげると、
図8は、本開示の実施形態例によるコード化方式例810を示す。コード化方式810は、一意の11ビット・コードを4つの異なるアンテナ・モード、モード0、モード1、モード2、およびモード3の各々に割り当てる。更に特定すると、コード802はモード0に割り当てられる。コード804はモード1に割り当てられる。コード806はモード2に割り当てられる。コード808はモード3に割り当てられる。
【0061】
[0078] 例示および論述の目的に限って、4つのモードを参照しながら本開示の態様について論ずる。尚、本開示の範囲から逸脱することなく、8モード、16モード、32モード等のような、任意の数のモードを使用できることは、本明細書において提供する開示を使用すれば、当業者には理解できよう。加えて、二進フォーマットで実装する一意のコードを参照しながら、本開示の態様について論ずる。尚、本開示の範囲から逸脱することなく、他の数値表(例えば、十進、十六進)も使用できることは、本明細書において提供する開示を使用すれば、当業者には理解できよう。
【0062】
[0079]
図8を参照すると、コード化方式806におけるコード802、804、806、および808は、互いと比較して、少なくとも5ビットだけというように、少なくとも2ビットだけ異なる。その結果、コード802、804、806、および808は、互いに有意な距離だけ分離される。これによって、以下で論ずるように、エラー検出がし易くなる。
【0063】
[0080]
図7を参照すると、方法700は、(704)において、単線同軸送信線を通じて、送信信号を同調回路に伝達するステップを含むことができる。例えば、無線周波数回路112を参照して先に説明したように、フロント・エンド・モジュール116を含むことができる。フロント・エンド・モジュール116は、第1バイアスT120のキャパシタ122を介して、送信線114を通じて、そして第2バイアスT128のキャパシタ128を介して、モーダル・アンテナ102の被駆動エレメント104にRF信号を伝達することができる。制御回路118は、第1バイアスT120のインダクタ124を介して、制御信号をRF信号上に変調することができ、送信線114を通じて、そして第2バイアスT128のインダクタ130を介して、同調回路108に伝達することができる。
【0064】
[0081] 方法700は、(706)において、同調回路において制御信号を復調するステップを含むことができる。例えば、
図2および
図5を参照して先に説明したように、同調回路108、500は、第2バイアスT126のインダクタ130を介して、送信信号から制御信号を復調するように構成することができる。また、同調回路108、500は、搬送波信号と関連付けられた搬送波信号周波数を分離するまたはその強度を相対的に高めるために、制御信号を濾波および/または増幅するように構成することができる。論理回路512は、制御信号と関連付けられた(例えば、その中に含まれる)制御命令を解釈するように構成することができる。
【0065】
[0082] 実例をあげると、(708)において、この方法は、エラー検出のために制御信号(例えば、制御信号におけるビット)のフレーム(1つまたは複数)を処理するステップを含むことができる。実例をあげると、論理回路512がフレーム(1つまたは複数)における複数のビットを処理して、一意のコードが、コード化方式においてモードに割り当てられた一意のコードと一致するか否か判定することができる。
【0066】
[0083] 説明に役立つ実例として、
図9は、送信線を通じて受信したフレーム(1つまたは複数)における複数のビットを処理する同調回路例の論理回路512を示す。論理回路512は、ビットを処理し、これらのビットが一意のコード806と一致すると判定することができる。その結果、論理回路512は、制御信号が、モーダル・アンテナをモード2で動作させるための制御命令を有すると判定することができる。
【0067】
[0084]
図10は、複数のビット812を処理する同調回路例の論理回路512を示す。複数のビット812は、1ビットだけ一意のコード806とは異なる。しかしながら、複数のビット812はコード化方式810における一意のコードと一致しないので、論理回路512は、1つのビットだけが正しくないのであっても、エラーを容易に検出することができる。このエラー検出は、コード化方式における一意のコードが有意な距離だけ分離されていることによって、やり易くなり、他の一意のコードと一致するエラーが減少する。
【0068】
[0085]
図7を参照すると、(710)において、エラーがない場合、この方法は(712)に進み、一意のコードによって指定されたモードを選択し、このモードにしたがってモーダル・アンテナを制御することができる。実例をあげると、方法700は、少なくとも部分的に、選択されたモードでモーダル・アンテナを制御するための制御信号に基づいて、モーダル・アンテナの寄生エレメントに伴う電気特性を制御するステップを含むことができる。
【0069】
[0086]
図7を参照すると、(710)において、エラーが検出された場合、この方法は(714)に進み、ここで同調回路はアンテナの現在のモードを維持する。言い換えると、同調回路は、エラーを含む制御信号に応答せず、モーダル・アンテナをその現在のモードに維持する。
【0070】
[0087]
図11は、本開示の実施形態例によるコード化方式例830を示す。コード化方式830は、一意の21ビット・コードを4つの異なるモード、即ち、モード0、モード1、モード2、およびモード3の各々に割り当てる。更に特定すると、コード822はモード0に割り当てられる。コード824はモード1に割り当てられる。コード826はモード2に割り当てられる。コード828はモード3に割り当てられる。コード化方式806におけるコード822、824、826、および828は、互いと比較して少なくとも5ビットだけというように、少なくとも8ビットだけというように、少なくとも2ビットだけ異なる。その結果、コード822、824、826、および828は、互いから有意な距離だけ分離される。これによってエラー検出がし易くなる。
【0071】
[0088] 説明に役立つ実例として、
図12は、送信線を通じて受信したフレーム(1つまたは複数)における複数のビットを処理する同調回路例の論理回路512を示す。論理回路512は、ビットを処理し、これらのビットが一意のコード824と一致すると判定することができる。その結果、論理回路512は、制御信号が、モーダル・アンテナをモード1で動作させる制御命令を有すると判定することができる。
【0072】
[0089]
図10は、複数のビット832を処理する同調回路例の論理回路512を示す。複数のビット832は、一意のコード824とは2ビットだけ異なる。しかしながら、複数のビット832はコード化方式810における一意のコードと一致しないので、論理回路512は、2つのビットだけが正しくないのであっても、エラーを容易に検出することができる。このエラー検出は、コード化方式における一意のコードが有意な距離だけ分離されていることによって、やり易くなり、他の一意のコードと一致するエラーが減少する。
【0073】
[0090] ある実施形態では、システムのロバスト性を更に高めるために、異なるサイズの交互フレームを使用する制御信号(1つまたは複数)を伝達するように、RF回路を構成することができる。実例をあげると、このRF回路は、第1フレーム・サイズ(例えば、11ビット)および第2フレーム・サイズ(例えば、21ビット)のフレームを交互に伝達することができる。第1フレームは、
図8に示したコード化方式810のような、第1コード化方式にしたがって、一意のコードをエンコードされた複数のビットを含むことができる。第1コード化方式は、複数のモードの中にある各モードに、第1フレーム・サイズ(例えば、11ビット)のビット数を有する一意のコードを割り当てることができる。
【0074】
[0091] 第2フレームは、
図11に示したコード化方式830のような、第2コード化方式にしたがって、一意のコードをエンコードされた複数のビットを含むことができる。第2コード化方式は、複数のモードの中にある各モードに、第2フレーム・サイズ(例えば、21ビット)のビット数を有する一意のコードを割り当てることができる。
【0075】
[0092] 同調回路は、異なるサイズのフレームを交互に処理するように構成することができる。説明に役立つ実例として、
図15は、送信線を通じて受信した11ビットの第1フレーム・サイズを有する第1フレームにおける複数のビットを処理する同調回路例の論理回路512を示す。論理回路512は、これらのビットを処理し、これらのビットが一意のコード802と一致すると判定することができる。その結果、論理回路512は、制御信号が、モーダル・アンテナをモード0で動作させる制御命令を有すると判定することができる。
【0076】
[0093] 同調回路例の論理回路512は、送信線を通じて受信した21ビットの第2フレーム・サイズを有する第2フレームにおける複数のビットを処理することができる。論理回路512は、これらのビットを処理し、これらのビットが一意のコード824と一致すると判定することができる。その結果、論理回路512は、制御信号が、モーダル・アンテナをモード1で動作させる制御命令を有すると判定することができる。
【0077】
[0094] 同調回路例の論理回路512は、送信線を通じて受信した11ビットの第1フレーム・サイズを有する第3フレームにおける複数のビットを処理する。論理回路512は、これらのビットを処理し、これらのビットが一意のコード808と一致すると判定することができる。その結果、論理回路512は、制御信号が、モーダル・アンテナをモード3で動作させる制御命令を有すると判定することができる。
【0078】
[0095] 同調回路例の論理回路512は、送信線を通じて受信した21ビットの第2フレーム・サイズを有する第2フレームにおける複数のビットを処理することができる。論理回路512は、ビット834を処理し、これらのビットがコード化方式830における一意のコードと一致しないと判定することができる。その結果、論理回路512はエラーを検出することができる。
【0079】
[0096]
図15は、本開示の実施形態例による方法例900の流れ図を示す。
図15は、例示および論述の目的に限って、特定の順序で実行されるステップを示す。尚、本明細書において提示した開示を使用すれば、本開示の範囲から逸脱することなく、本明細書において説明する方法はいずれも、その種々のステップを省略すること、拡大すること、同時に実行すること、並び替えること、および/または変更することが様々な手段で可能であることは、当業者には理解されよう。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、種々のステップ(図示せず)を実行することもできる。加えて、方法900について、全体的に、
図2および
図6を参照して先に説明したアンテナ・システム200、600を参照しながら論ずることにする。しかしながら、本方法900の態様は、モーダル・アンテナを含む任意の適したアンテナ・システムにも応用できることは、理解されてしかるべきである。
【0080】
[0097] 方法900は、(902)において、制御信号をRF信号上に変調して、送信信号を生成するステップを含むことができる。例えば、制御信号は、モーダル・アンテナのモードを変更する、またそうでなければモーダル・アンテナの放射パターンの向きもしくは周波数を調節するための制御命令を含むことができる。例えば、無線周波数回路112は、例えば、
図3および
図4を参照して先に説明したように、制御信号をRF信号上に変調して送信信号を生成するように構成された制御回路118を含むことができる。
【0081】
[0098] 制御信号は、1つ以上のフレームに実装することができる。各フレームは複数のビットを含む。フレーム(1つまたは複数)は、複数のモードから、モーダル・アンテナの動作に対して選択されるモードを指定することができる。制御信号(例えば、命令)は、同調回路によってエラー検出を増やすコード化方式によってエンコードすることができる。実例をあげると、コード化方式は、一意のコードを複数のモードの中の各モードに割り当てることができる。
【0082】
[0099] ある実施形態では、11ビット以上(例えば、11ビット、21ビット)を使用して、一意のコードをエンコードすることができる。各モードの一意のコードは、複数のモードにおける他の各モードの一意のコードと比較して、少なくとも3ビットだけというように、少なくとも4ビットだけというように、少なくとも5ビットだけというように、少なくとも6ビットだけというように、少なくとも7ビットだけというように、少なくとも8ビットだけというように等、少なくとも2ビットだけ異なることができる。その結果、複数のモードの中の各モードの一意のコードは、他のアンテナ・モードの各々の一意のコードから、有意な距離だけ(例えば、二進コードに関して)分離されることになる。
【0083】
[00100] 方法900は、(904)において、単線同軸送信線を通じて送信信号を同調回路に伝達するステップを含むことができる。例えば、無線周波数回路112を参照して先に説明したように、無線周波数回路112はフロント・エンド・モジュール116を含むことができる。フロント・エンド・モジュール116は、第1バイアスT120のキャパシタ122を介して、送信線114を通じて、そして第2バイアスT128のキャパシタ128を介して、RF信号をモーダル・アンテナ102の被駆動エレメント104に伝達することができる。制御回路118は、第1バイアスT120のインダクタ124を介して、制御信号をRF信号上に変調し、送信線114を通じて、そして第2バイアスT128のインダクタ130を介して同調回路108に伝達することができる。
【0084】
[00101] 方法900は、(906)において、同調回路において制御信号を復調するステップを含むことができる。例えば、
図2および
図5を参照して先に説明したように、同調回路108、500は、第2バイアスT126のインダクタ130を介して、送信信号から制御信号を復調するように構成することができる。また、同調回路108、500は、搬送波信号と関連付けられた搬送波信号周波数を分離するまたはその強度を相対的に高めるために、制御信号を濾波および/または増幅するように構成することができる。論理回路512は、制御信号と関連付けられた(例えば、その中に含まれる)制御命令を解釈するように構成することができる。
【0085】
[00102] 実例をあげると、(908)において、この方法は、エラー検出のために、制御信号(例えば、制御信号におけるビット)のフレーム(1つまたは複数)を処理するステップを含むことができる。実例をあげると、論理回路512は、フレーム(1つまたは複数)における複数のビットを処理して、一意のコードが、コード化方式においてモードに割り当てられた一意のコードと一致するか否か判定することができる。
【0086】
[00103] (910)において、エラーがない場合、この方法は(912)に進み、一意のコードによって指定されたモードを選択し、このモードにしたがってモーダル・アンテナを制御することができる。実例をあげると、方法700は、少なくとも部分的に、選択されたモードにおいてモーダル・アンテナを制御する制御信号に基づいて、モーダル・アンテナの寄生エレメントに伴う電気特性を制御するステップを含むことができる。
【0087】
[00104] (910)において、エラーが検出された場合、この方法は(914)に進み、同調回路は最も近い一意のコードを決定する。実例をあげると、同調回路は、ビットが、コード化方式における特定の一意のコードと1ビットまたは2ビットだけ異なることを判定することができる。同調回路は、コード化方式において指定された一意のコードと一致するように、エラー・ビットを訂正することができる。この方法は(916)に進み、最も近い一意のコードによって指定されたモードを選択し、このモードにしたがってモーダル・アンテナを制御することができる。
【0088】
[00105] 説明に役立つ実例として、
図16は、複数のビット815を処理する同調回路例の論理回路512を示す。複数のビット832は、一意のコード806とは1ビットだけ異なる。したがって、論理回路512は、2つのビットだけが正しくないのであっても、エラーを検出することができる。論理回路512は、ビットを訂正して最も近い一意のコード806と一致させることができる。次いで、論理回路512は、制御信号は、モーダル・アンテナをモード2で動作させる制御命令を有すると判定することができる。このように、本アンテナ・システムは、送信線を通じた制御信号の伝達においてエラーが生じたとしても、指定されたモードにしたがってモーダル・アンテナを制御することができる。
【0089】
[00106] 以上、本発明の主題を、その具体的な実施形態例に関して詳細に説明したが、当業者が、以上のことの理解が得られれば、このような実施形態に対する変更、変形、および等価物は容易に生み出すことができることは認められよう。したがって、本開示の範囲は、限定ではなく一例であり、当業者には容易に認められるように、本開示は、本発明の主題に対するこのような変更、変形、および/または追加の包含を除外することはない。
【国際調査報告】