(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-29
(54)【発明の名称】包装材料及びその製造プロセス
(51)【国際特許分類】
B65D 65/40 20060101AFI20220921BHJP
【FI】
B65D65/40 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022502827
(86)(22)【出願日】2020-07-16
(85)【翻訳文提出日】2022-03-07
(86)【国際出願番号】 EP2020070171
(87)【国際公開番号】W WO2021009296
(87)【国際公開日】2021-01-21
(32)【優先日】2019-07-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391053799
【氏名又は名称】テトラ ラバル ホールディングス アンド ファイナンス エス エイ
【住所又は居所原語表記】70 Avenue General Guisan,CH-1009 Pully,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100151105
【氏名又は名称】井戸川 義信
(72)【発明者】
【氏名】ニルス・トフト
(72)【発明者】
【氏名】ペル・ヨハンソン
【テーマコード(参考)】
3E086
【Fターム(参考)】
3E086AB01
3E086AC31
3E086AD08
3E086BA04
3E086BA13
3E086BA14
3E086BA15
3E086BB01
3E086BB51
3E086BB71
3E086CA11
3E086DA08
(57)【要約】
包装材料であって、コア層(201、201’、401、501)と、包装材料(200、200’、400、500)で作られた包装容器の外部に面するように配置された最外層(202、202’、402、502)と、包装容器の内部に面するように配置された最内層(203、203’、403、503)とを含む包装材料が提供される。最外層(202、202’、402、502)及び前記最内層(203、203’、403、503)は、コア層(201、201’、401、501)に積層される。積層包装材料(200、200’、400、500)は、最内層(203、203’、403、503)上に配置された局所的に分布するヒートシール可能材料部分(204、204’、404、504)をさらに含む。
【選択図】
図3a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装材料であって、コア層(201、201’、401、501)と、前記包装材料(200、200’、400、500)で作られた包装容器の外部に面するように配置された最外層(202、202’、402、502)と、前記包装容器の内部に面するように配置された最内層(203、203’、403、503)とを含み、前記最外層(202、202’、402、502)及び前記最内層(203、203’、403、503)は、前記コア層(201、201’、401、501)に積層される、包装材料において、前記最内層(203、203’、403、503)上に配置された局所的に適用されたヒートシール可能材料部分(204、204’、404、504)をさらに含むことを特徴とする包装材料。
【請求項2】
前記ヒートシール可能材料部分(204、204’、404、504)は、前記結果として生じる包装容器の横断方向シール(TS)の位置に対応するシーリング領域に配置される、請求項1に記載の包装材料。
【請求項3】
前記ヒートシール可能材料部分(204、204’、404、504)は、射出成形プロセス、焼結プロセス、溶接プロセス、溶射プロセス、インクジェットタイプのポリマー印刷プロセス、圧縮成形プロセス又は3D印刷プロセスである熱適用プロセスによって前記最内層(203、203’、403、503)に接着される、請求項1又は2に記載の包装材料。
【請求項4】
前記ヒートシール可能材料部分(204、204’、404、504)は、前記最内層(203、203’、403、503)に向かって増加する幅を有する断面を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項5】
前記ヒートシール可能材料部分(203、203’、403、503)の厚さは、2~50μm、好ましくは3~30μm、例えば3~20μm又は5~20μm、最も好ましくは5~15μmである、請求項1~4のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項6】
前記ヒートシール可能材料部分は、三角形又は切頭三角形の形状を有する断面を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項7】
前記ヒートシール可能材料部分は、非対称形状を有する断面を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項8】
前記ヒートシール可能材料部分(204、204’、404、504)は、前記横断方向シーリング領域の拡張部全体に沿って配置される、請求項2に記載の包装材料。
【請求項9】
前記ヒートシール可能材料部分は、前記横断方向シーリング領域の前記拡張部に沿って変化する断面を有するように配置される、請求項1~8のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項10】
前記ヒートシール可能材料部分は、前記横断方向シーリング領域の前記拡張部に沿った所定の位置においてより多い量のポリマー材料を提供する断面を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項11】
より多い量のヒートシール可能材料は、前記横断方向シーリング領域の前記拡張部に沿って前記包装材料の長手方向縁に近い位置に適用される、請求項1~10のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項12】
前記局所的に適用されたヒートシール可能材料部分の熱可塑性ポリマーのシール開始温度、すなわち軟化温度、例えばビカットポイント又はガラス温度(Tg)及び/若しくは融解温度(Tm)は、前記最内層の熱可塑性ポリマーの対応するシール開始温度未満である、請求項1~11のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項13】
前記ヒートシール可能材料部分(204、204’、404、504)は、ポリオレフィン及びポリエステルからなる群から選択される熱可塑性ポリマーで作られる、請求項1~12のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項14】
前記コア層(201、201’、401、501)と前記最内層(203、203’、403、503)との間に配置された遮蔽層(205’)をさらに含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項15】
前記コア層(201、201’、401、501)は、セルロース系材料、例えば紙又は板紙である、請求項1~14のいずれか一項に記載の包装材料。
【請求項16】
包装材料(200、200’、400、500)から包装容器を作製するための方法であって、
最内層(203、203’、403、503)及び最外層(202、202’、402、502)をコア層(201、201’、401、501)に積層すること(610)により、前記包装材料を提供するステップと、
ヒートシール可能材料部分(204、204’、404、504)を前記最内層(203、203’、403、503)に局所的に熱適用する(650)ステップと、
前記包装材料(200、200’、400、500)から包装容器を形成するステップと、
前記包装容器に充填するステップと、
閉鎖された包装容器を形成するために、前記ヒートシール可能材料部分(204、204’、404、504)によって前記包装容器をヒートシールするステップと
を含む方法。
【請求項17】
熱適用するステップ(650)は、射出成形プロセス、焼結プロセス、溶接プロセス、溶射プロセス、圧縮成形プロセス、インクジェットタイプのポリマー印刷プロセス又は3D印刷プロセスを使用して実施される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記最内層(203、203’、403、503)は、ヒートシール可能なポリマー、好ましくはポリオレフィン、例えばポリエチレン及びポリエステルから選択される熱可塑性ポリマーから選択される、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
前記ヒートシール可能材料部分(204、204’、404、504)は、断面が、前記最内層(203、203’、403、503)に向かって増加する幅を有するように適用される、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
コア層(201、201’、401、501)と、それに積層された最外層(202、202’、402、502)及び最内層(203、203’、403、503)とを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の包装材料で作られた包装容器であって、ヒートシール可能材料部分(204、204’、404、504)は、前記最内層(203、203’、403、503)上に局所的に配置される、包装容器。
【請求項21】
前記ヒートシール可能材料部分は、前記包装容器の1つ又は複数の横断方向シール(TS)の位置に局所的に配置される、請求項20に記載の包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装材料、特に積層包装材料及び積層包装材料を製造するための方法に関する。
【0002】
さらに、本発明は、積層包装材料で作られる包装容器に関する。
【背景技術】
【0003】
液状食品製品のためのカートンベース包装容器がよく知られている。例えば、Tetra Brik(登録商標)包装容器は、世界の多くの地域において牛乳、ジュース及び他の飲料のために使用されている。カートンをベースとした包装が人気を得ている理由は、いくつかある。例えば、包装が主に再生可能材料によって作製されるという包装の環境上の利点及びれんが形包装の効率的な物流は、消費者が、プラスチックボトルの代わりに、カートンをベースとした包装を選択するいくつかの理由である。カートンをベースとした包装に人気がある他の理由は、包装容器を作製する包機械が他の代替形態と比べて堅牢且つ費用効率的であり、及びカートンベース包装機械を稼働させるための総コストが、極めて競争力が高いことである。
【0004】
注ぐことのできる食品製品のための包装容器は、充填されており、開かれていない包装容器が適切に保存され得るためにいくらかの遮蔽特性を有しなければならない。必要とされる保存可能期間及び必要とされる遮蔽のタイプは、食品製品のタイプ、包装材料のタイプ、包装容器のタイプ、包装容器の開口デバイスのタイプなど、並びにまた無菌態様及び意図された収容条件に依存する。概して、全ての場合において、ある程度の酸素遮蔽が必要とされる。
【0005】
包装材料は、複数のポリマー層をカートン又は板紙のコア材料層に積層することによって作製される。ポリマー層は、典型的には、カートン又は板紙で作られたコア材料層を、結果として生じる包装容器の液体内容物及び湿気のある外部環境から保護する。包装材料製造プロセスが速度及び品質の点で改良され、且つポリマー層がなおより薄い層において積層されるように改良及び開発されると、包装材料の積層された層のためのポリマー材料の総量を減らすことが可能となる。しかしながら、内側ポリマー層は、独立した包装容器が形成及び充填されるときに包装材料をシールするためにも使用される。包装材料の内側のポリマー層厚さを減らすという一般的な要望は、したがって、包装材料の適切なシーリングを確実にするために十分に厚いポリマー層を有するという要件と相容れない。
【0006】
したがって、堅牢なシーリングを確実にする一方、ポリマー層材料の総量を依然として減らすことを可能にする改良された包装材料が必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
先行技術の上で特定された制限の1つ又は複数を少なくとも部分的に克服することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的を解決するために、液状食品製品のための包装材料が提供される。包装材料は、コア層と、包装材料で作られた包装容器の外部に面するように配置された最外層と、包装容器の内部に面するように配置された最内層とを含み、前記最外層及び前記最内層は、コア層に積層される。積層包装材料は、最内層上に配置された局所的に適用されたヒートシール可能材料部分をさらに含む。
【0009】
ヒートシール可能材料部分は、結果として生じる包装容器の横断方向シールの位置に対応するシーリング領域に配置されてもよい。
【0010】
ヒートシール可能材料部分は、熱適用プロセスによって最内層に接着されてもよい。
【0011】
熱適用プロセスは、射出成形プロセス、焼結プロセス、溶接プロセス、溶射プロセス、インクジェットタイプのポリマー印刷プロセス又は3D印刷プロセスであってもよい。
【0012】
ヒートシール可能材料部分は、最内層、すなわち基体表面のそのベースに向かって増加する幅を有する断面を有してもよい。
【0013】
ヒートシール可能材料部分は、三角形又は切頭三角形の形状を有する断面を有し得る。代替的に、ヒートシール可能材料部分は、円又は半円の頂部の形状を有する断面を有してもよい。
【0014】
ヒートシール可能材料部分は、非対称形状を有する断面を有してもよい。
【0015】
ヒートシール可能材料部分は、横断方向シーリング領域の拡張部に沿って変化する断面を有するように配置されてもよい。
【0016】
ヒートシール可能材料部分は、横断方向シーリング領域の拡張部に沿った所定の位置においてより多い量のポリマー材料を提供する断面を有してもよい。特に、このような断面は、より幅広のベース、すなわち最内層に向かってより大きい幅及び/又は断面の最高点若しくは頂部に向かってより急な傾きを有してもよい。
【0017】
ヒートシール可能部分は、横断方向シーリング領域の拡張部に沿ったいくつかの部分にのみ又は横断方向シーリング領域の拡張部全体に沿って適用されてもよい。
【0018】
ヒートシール可能材料部分は、囲まれた空洞を有してもよく、すなわち内部が空洞であってもよい。
【0019】
ヒートシール可能材料部分の厚さは、2~50μm、好ましくは3~30μm、例えば3~20μm又は5~20μm、最も好ましくは5~15μmであってもよい。
【0020】
ヒートシール可能材料部分は、熱可塑性材料、例えば熱可塑性ポリマーで作られてもよい。
【0021】
熱可塑性ポリマーは、ポリオレフィン及びポリエステルからなる群から選択されてもよい。
【0022】
熱可塑性ポリマーは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンフラノエート(PEF)、ポリ乳酸ポリマー又はコポリマー(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)及びその2つ以上のブレンド又はコポリマーからなる群から選択されてもよい。
【0023】
局所的に適用されたヒートシール可能材料部分の熱可塑性ポリマーは、低密度ポリエチレンLDPE、高密度ポリエチレンHDPE、リニア低密度ポリエチレンLLDPE又はシングルサイト触媒によるリニア低密度ポリエチレンm-LLDPE、極低密度ポリエチレン(VLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)並びにその2つ以上のブレンド及びコポリマーからなる群から選択されてもよい。
【0024】
熱可塑性ポリマーは、ポリ乳酸ポリマー又はコポリマー(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、セルロース又はセルロース誘導体及びその2つ以上のブレンド又はコポリマーからなる群から選択される生物分解性ポリマーであってもよい。PHAの例は、とりわけ、ポリ-3-ヒドロキシ酪酸(PHB)、ポリヒドロキシ吉草酸(PHV)及びポリヒドロキシカプロン酸(PHH)である。
【0025】
ヒートシール可能材料部分は、横断方向シーリング領域の拡張部全体又は横断方向シーリング領域の拡張部に部分的に沿って配置されてもよい。
【0026】
ヒートシール可能材料部分は、横断方向シーリング領域の拡張部に沿って変化する断面を有するように配置されてもよい。
【0027】
包装材料は、コア層と最内層との間に配置された遮蔽層をさらに含んでもよい。
【0028】
遮蔽層は、アルミニウム箔又は金属化アルミニウム層であってもよい。遮蔽体は、代替的に、非アルミニウム箔(「非箔」)遮蔽体、例えば無機酸化物、金属酸化物又はダイヤモンド状炭素(DLC)の蒸着コーティングなど、例えばポリビニルアルコール(PVOH)、エチレンビニルアルコール(EVOH)、デンプン若しくはデンプン誘導体、セルロース若しくはセルロース誘導体(例えば、ミクロ/ナノ繊維状セルロース)の分散被膜層又は例えばポリマー遮蔽体、例えばポリアミド若しくはエチレンビニルアルコール(EVOH)であってもよい。
【0029】
コア層は、セルロース系材料、例えば紙又は板紙であってもよい。
【0030】
第2態様によると、積層包装材料を使用して包装容器を作製するための方法が提供される。方法は、最内層及び最外層をコア層に積層するか、又はコア層に積層された最内層及び最外層を有する積層包装材料を提供するステップと、ヒートシール可能材料部分を前記最内層に局所的に熱適用するステップと、前記包装材料から、一端が開いた包装容器を形成するステップと、開いた端部を通して包装容器に充填するステップと、閉鎖された包装容器を形成するために、ヒートシール可能材料部分によって包装容器をヒートシールするステップとを含む。
【0031】
熱適用するステップは、射出成形プロセス、焼結プロセス、溶接プロセス、溶射プロセス、インクジェットタイプのポリマー印刷プロセス、圧縮成形プロセス又は3D印刷プロセスを使用して実施されてもよい。好ましい熱適用プロセスは、射出成形、例えば高圧ミクロ射出成形、インクジェットタイプのポリマー印刷及び3D印刷であり、なぜなら、これらのプロセスは、局所的に適用されたヒートシール可能材料部分の最終形状の成形をより良好な方法で可能にするからである。高圧ミクロ射出成形は、最も好ましいプロセスであり、なぜなら、それは、より高速の熱適用を可能にし、且つ極めて少量のポリマーを必要とし、したがって充填及び包装機械における高速の包装プロセスに好適であるからである。
【0032】
最内層は、ヒートシール可能なポリマー、好ましくはポリオレフィン、例えばポリエチレン及びポリエステルから選択される熱可塑性ポリマーであってもよい。
【0033】
最内層は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンフラノエート(PEF)、ポリ乳酸ポリマー又はコポリマー(PLA)、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)及びその2つ以上のブレンド又はコポリマーからなる群から選択されるヒートシール可能な熱可塑性ポリマーであってもよい。
【0034】
最内層は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンフラノエート(PEF)及びその1つ若しくは複数の任意のブレンド又はコポリマーからなる群から選択されるヒートシール可能な熱可塑性ポリマーであってもよい。最内層は、ポリエチレン(PE)又はポリエチレンテレフタレート(PET)からなる群から選択される熱可塑性ポリマーであり得、及びヒートシール可能材料部分の材料は、ポリエチレン(PE)であってもよい。
【0035】
最内層及び局所的に適用されたヒートシール可能材料部分の熱可塑性ポリマーは、同じタイプ又は異なるタイプのポリマーであってもよい。
【0036】
最内層は、低、中及び高密度ポリエチレン(LDPE、MDPE、HDPE)、リニア低密度ポリエチレン及びシングルサイト又はメタロセン触媒によるリニア低密度ポリエチレン(LLDPE、m-LLDPE)及びポリプロピレン(PP)並びにその2つ以上のブレンド及びコポリマーからなる群から選択される熱可塑性ポリマーを含んでもよい。
【0037】
ヒートシール可能材料部分の材料は、高/中密度ポリエチレン(HDPE、MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE、m-LLDPE)並びにその2つ以上のブレンド及びコポリマーからなる群から選択される熱可塑性ポリマーを含んでもよい。
【0038】
最内層の熱可塑性ポリマーは、低密度ポリエチレンLDPE、高密度ポリエチレンHDPE、リニア低密度ポリエチレンLLDPE又はシングルサイト触媒によるリニア低密度ポリエチレンm-LLDPE並びにその2つ以上のブレンド及びコポリマーからなる群から選択されてもよい。局所的に適用されたヒートシール可能材料部分の熱可塑性ポリマーのシール開始温度、すなわち軟化温度、例えばビカットポイント又はガラス温度(Tg)は、最内層の熱可塑性ポリマーの対応するシール開始温度以下であってもよい。局所的に適用されたヒートシール可能材料部分の熱可塑性ポリマーのシール開始温度は、最内層のそれぞれの又は対応する温度より4K、例えば5K、例えば10K低いことができる。
【0039】
局所的に適用されたヒートシール可能材料部分の熱可塑性ポリマーの融解温度(Tm)は、最内層の熱可塑性ポリマーの対応する融解温度以下であってもよい。局所的に適用されたヒートシール可能材料部分の熱可塑性ポリマーの融解温度は、最内層の融解温度より4K、例えば5K、例えば10K低いことができる。ヒートシール可能材料部分は、断面が、最内層に向かって増加する幅を有するように適用されてもよい。実施形態において、局所的に適用されたヒートシール可能材料部分は、三角形の断面又は切頭三角形の形状を有する断面を有する。局所的に適用されたヒートシール可能材料部分の三角形又は切頭三角形の断面構成は、運転効率、使用される材料の量及び結果として生じるヒートシールジョイントの強度に関して最適なヒートシール作業を提供する。
【0040】
ヒートシール可能材料部分は、三角形又は切頭三角形の形状を有する断面を有してもよい。代替的に、ヒートシール可能材料部分は、円の頂部又は半円の形状を有する断面を有してもよい。
【0041】
ヒートシール可能材料部分は、非対称形状を有する断面を有してもよい。
【0042】
ヒートシール可能材料部分は、横断方向シーリング領域の拡張部に沿って変化する断面を有するように配置されてもよい。
【0043】
ヒートシール可能材料部分は、横断方向シーリング領域の拡張部に沿った所定の位置においてより多い量のポリマー材料を提供する断面を有してもよい。特に、このような断面は、より幅広のベース、すなわち最内層に向かって増加した幅及び/又は断面の最高点若しくは頂部に向かってより急な傾きを有してもよい。
【0044】
ヒートシール可能部分は、横断方向シーリング領域の拡張部に沿っていくつかの部分にのみ又は拡張部全体に沿って適用されてもよい。
【0045】
ヒートシール可能材料部分は、囲まれた空洞を有し得、すなわち中空構造を有してもよい。
【0046】
第3態様によると、コア層と、それに積層された最外層及び最内層とを含む包装材料で作られた包装容器が提供される。ヒートシール可能材料部分は、最内層上に局所的に配置される。
【0047】
本発明のなお他の目的、特徴、態様及び利点は、以下の詳細な説明及び図面から明らかとなる。
【0048】
ここで、本発明の実施形態は、添付の概略図を参照して例として説明される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【
図1】液状食品製品の連続的ロール給紙包装のための包装機械の原理の概略図である。
【
図2a-b】異なる実施形態による包装材料の断面図である。
【
図3a】一実施形態による包装材料の平面図である。
【
図3b】
図3aに示された包装材料から形成された包装の等角図である。
【
図4a-c】一実施形態による、ヒートシール可能材料部分を包装材料の最内層に提供するための射出成形プロセスの3つの段階を説明する。
【
図5a-c】一実施形態による、ヒートシール可能材料部分を包装材料の最内層に提供するための射出成形プロセスの3つの段階を示す。
【
図6】包装材料を作製するための方法のフローチャートである。
【
図7a-d】
図4c及び5cにおける断面に対するさらなる代替形態を示す。
【
図8a】従来の積層包装材料から横方向にシールされることになる、先行技術の折り畳んで形成されたチューブの断面を示す。
【
図8b-c】代わりに積層包装材料の内側にヒートシール可能材料の極めて薄い層のみを有し、加えて、少なくとも横断方向シール領域の拡張部のいくつかの部分に沿って適用された、局所的に適用されたヒートシール可能材料部分を有する折り畳まれたチューブの断面の変形形態を示す。
【
図9】平らな包装材料のウェブの内側で上から見た横断方向シーリング領域を示す。
【
図10】局所的に適用されたヒートシール可能材料部分を備えた横断方向シール領域の拡張部に沿った等角図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
図1から開始すると、ロール給紙カートンベース包装機械の基本原理が示されている。包装機械は、液状食品製品などの連続的包装のために形成され、且つ様々な異なる包装システム、例えば商業的に成功したTetra Brik(登録商標)包装システムのために使用される一般的な技術的概念を形成する。包装機械は、包装材料100を連続的なウェブの形態のいずれかで受ける(
図1に示されるとおり)。
【0051】
包装材料100をリール110から巻き戻した後、その長手方向側縁101a~bが合わされて長手方向シールLSを形成し、それにより包装材料100の連続的なチューブ140も形成する。より詳細には、長手方向側縁101a~bは、互いに連続的に重複する方法で取り付けられる。チューブ140は、充填パイプ150から所望の製品、好ましくは液状食品製品を充填される。
【0052】
一連の包装160は、チューブ140の端部で横断方向シーリングTSを作り、且つシールされた部分を切り離すことによってチューブ140から形成され、それらが形成されると、それぞれのシールされた部分は、独立した包装160を表す。包装160を成形するために、異なる形成工具は、横断方向シーリング作業中に使用されるか、又は個別の形成プロセスは、横断方向シーリングが実施された後に実施されてもよい。
【0053】
代替的に、ブランク供給包装機械が使用される。折り畳まれてシールされたチューブ状スリーブが形成されるように2つの端部が一緒に溶接された、包装材料の予め切断された片の形態のブランクが充填機械に供給される。ブランクは、開いたスリーブ内に立てられ、次いで閉鎖された頂部又は底部が形成されるように折り畳まれてシールされる。これは、その後、製品を充填され、充填された包装容器が得られるように、開いた端部でシールされ且つ折り畳まれる。
【0054】
図2aは、一実施形態による積層包装材料200の断面を示す。これは、繊維系材料、例えばセルロース系材料であり得るバルク又はコア層201を含む。バルク層は、セルロース系材料、例えば紙又は板紙を含んでもよい。積層包装材料200は、バルク層201の外側に最外層202をさらに含む。したがって、最外層202は、前記積層包装材料200から形成された包装160の外部に面するように構成される。最外層202は、好ましくは、液体に対して遮蔽体として作用する保護熱可塑性ポリマー層であり、ヒートシール目的で熱可塑特性も有する。加えて、
図2aにおける積層包装材料200は、バルク又はコア層201の内側に最内層203を含む。最内層203は、したがって、積層包装材料200から作られた包装160の内部に面し、且つその内容物、例えば牛乳、ジュース又は他の食品製品と直接接触するように構成される。最内層203は、従来、ヒートシール可能材料部分であり、積層包装材料200の最内層203の2つの表面が互いに直接接触するように置かれ、圧縮され、加熱されると、それらは、少なくとも部分的に融解し、且つ互いに付着して、強い接合シールを形成する。これは、
図1を参照して説明された横断方向シールTSを形成するときに起きることである。最内層203は、ヒートシール可能なポリマー、好ましくはポリオレフィン、例えばポリエチレン及びポリエステルから選択される熱可塑性ポリマーであり得る。最内層203は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンフラノエート(PEF)及びその1つ若しくは複数の任意のブレンド又はコポリマーからなる群から形成されてもよい。最内層203は、充填された液状食品製品に向かって液密層を提供するために液体遮蔽特性も有する。
図2aにおける包装材料200は、最内層203の1つ又は複数の部分の頂部に配置されたヒートシール可能材料の局所的に適用された部分204をさらに含む。局所的に適用されたヒートシール可能部分204は、ポリオレフィン、例えばポリエチレン又はポリプロピレン及びポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリエチレンフラノエート(PEF)から選択されるヒートシール可能な熱可塑性ポリマーも含む。実施形態において、最内層及び局所的に適用されたヒートシール可能材料は、ポリエチレン、例えば低密度ポリエチレンLDPE、高密度ポリエチレンHDPE、リニア低密度ポリエチレンLLDPE又はシングルサイト触媒によるリニア低密度ポリエチレンm-LLDPE又はそのブレンド若しくはコポリマーを含む。
【0055】
図2bは、積層包装材料200’の断面のなお別の実施形態を示す。
図2aにおける積層包装材料200と同様に、
図2bにおける包装材料200’は、バルク層201’、最外層202’、最内層203’及びヒートシール可能材料部分204’を含む。加えて、包装材料200’は、最内層203’とバルク又はコア層201’との間に積層された遮蔽層205’、例えばアルミニウム箔又は薄い金属化アルミニウム層をさらに含んでもよい。
図2a及び2bの断面は、横断方向シールTS及び/又はシーリング要素204、204’の長手方向拡張部に垂直な方向のものである。これは、以下で
図3を参照してさらに示される。
【0056】
図2a及び2bに示された積層包装材料200、200’は、液密でガスの遮蔽として作用する層を提供する。積層包装材料200、200’は、追加的なプラスチック層又は他の遮蔽(図示せず)をバルク層201、201’の両側に含んでもよい。
【0057】
ヒートシール可能材料部分204、204’の寸法は、例証目的で誇張されていることに留意されたい。ヒートシール可能材料部分204、204’の幅は、包装160の長手方向において十分なシーリングを提供するように選択されるべきである一方、ヒートシール可能材料部分204、204’の長さは、包装160のシーリング全体に沿って延在するように選択されるべきである。ヒートシール可能材料部分204、204’の厚さは、十分な接合が得られるように選択されるべきであり、5~50μm、例えば5~30μm、例えば5~20μmであってもよい。
【0058】
図3aは、包装160に折り畳まれ、形成され、且つシールされることになる積層包装材料300を示す。包装材料300の最内層303の内面が示されている。包装材料300の最内層303の特定の横断方向シール領域TSAは、包装容器160を作製するときに形成される横断方向シールTSの部分である。これらの領域TSAは、
図3aにおいて散点領域によって示されている。散点領域TSAは、
図3aにおいて矢印によって示されている横断方向(TD)に延在し、ヒートシール可能材料部分304は、包装材料300の横断方向シール領域TSAに適用される。包装材料300には、
図3bに示されるとおり、包装160を形成するためにいずれの箇所で包装材料300を折り畳むかを示す折り目が設けられる。
図3bは、開示された積層包装材料200、200’で作られた、頂部が平らな包装160を示す。包装160は、長手方向シーリングLSと2つの横断方向シーリングTSとを含む(上の横断方向シーリングTSのみが示されている)。これは、最外面302、コーナ306及び底部側縁307を含む。
図3bに示された包装は、頂部が平らな包装であるが、本発明の包装材料200、200’は、横断方向シールTSを有するいずれのタイプの包装にも適用可能であることが理解されるべきである。包装160を形成する前に包装材料によって薄い液体遮蔽層を提供する場合、十分な液体遮蔽効果が包装160の全ての異なる部分で得られることが確実にされなければならない。横断方向シールTSを形成する最内層203、203’の厚さは、所望のシールを提供するために十分に厚い必要がある。しかしながら、ヒートシール可能なプラスチックである熱可塑性ポリマーの連続的な厚い最内層203、203’を適用することは、費用がかかり、実際には、ヒートシール性能のため及び結果として生じる包装の完全性のため、実際に必要とされるよりも多くのそのような熱可塑性ポリマーを必要とすることが分かっている。
【0059】
本発明者らは、したがって、最内層203、303’の総厚さを減少させるだけでなく、代わりに、例えば
図2a及び2bに示されたとおり、積層包装材料200、200’に、包装材料の最内層203、203’の特定の領域に局所的に適用されたヒートシール可能材料部分204、204’を提供すれば十分であり且つ資源節約的である、すなわち総原材料熱可塑性ポリマー量を節約することを驚くべきことに発見した。ヒートシール可能材料部分204、204’は、形成された包装のシール、例えば横断方向シールTSとなるものであり、堅牢なシールを得るために十分な量の熱可塑性ポリマー材料を提供する。このようにして、最内層203、203’のためにより少ない材料が使用され得、より薄い最内層203、203’、それによってより環境的に持続可能な包装を形成する。加えて、最内層203、203のために使用される材料がより少ないため、製造費も減少され得る。局所的に適用される追加的な量の熱可塑性ポリマーは、さらなる保護及び機械的特性が必要とされ得る包装の領域、例えば角を折り畳む領域及び積層包装材料が互いの上に複数回折り畳まれるように折り畳まれることになる領域(例えば、底部フラップ及びTS折り目の下)に適用されてもよい。
【0060】
ヒートシール可能材料部分204、204’は、積層包装材料200、200’上に非均一に適用されるため、それらは、好ましくは、包装材料110、300が作製された後に包装材料200、200’に提供されてもよい。ヒートシール可能材料部分204、204’なしで積層包装材料100、200、200’を形成するプロセスは、よく知られた製造プロセス、いわゆる積層作業を含む変換を通して実施される。バルク層201、201’、最内層203、203’及び最外層202、202’並びに任意選択的に遮蔽層205’、例えばアルミニウム箔若しくは金属化フィルム又は酸素遮蔽を提供する他の層と、追加的な積層とが変換プロセス中に一緒に積層される。最内層203、203’の厚さは、1~50μm、2~50μm、好ましくは2~40μm、2~30μm、3~30μm、3~20μm、5~20μm、3~15μm、5~15μmの範囲であってもよい。
【0061】
射出成形を使用するヒートシール可能材料部分204、204’、404の例示的な形態が
図4a~4cに示されている。ヒートシール可能材料部分204、204’、404を積層包装材料110、300の最内層203、203’、403に形成するために、射出成形ユニット40は、包装160を形成する前に用いられる。
【0062】
図4a~cにおいて、ヒートシール可能材料部分404がどのように射出成形プロセスを通して形成され得るかの第1例が示されている。本例における積層包装材料400は、バルク層401、最外層402及び最内層403を含む。
図4aに示された第1段階において、融解プラスチック材料410、例えばポリエチレンは、第1モールド414と第2モールド416との間に形成された空洞412内に移動される。
【0063】
図4bに示されたこの例の第2段階において、融解プラスチック材料410は、最内層403を、それが少なくとも部分的に融解するように加熱し、固形材料を示す散点領域が、融解した材料を示す破線領域に取って代わられたことで示されている。
【0064】
図4cに示されたこの例の第3段階において、プラスチック材料410及び最内層403は、両方とも固化し、第1モールド414及び第2モールド416は、除去されている。この段階において、ヒートシール可能材料部分404は、形成されている。ヒートシール可能材料部分404及び最内層403は、最内層403がヒートシール可能材料部分404の射出成形中に少なくとも部分的に融解したことに起因して一緒に接合される。
【0065】
図4cに示されたヒートシール可能材料部分404は、長方形断面を有する。しかしながら、いくつかの実施形態では、ベース及び基体、すなわち最内層に向かって増加する幅を有するために、すなわち三角形断面又は
図5a~cに示されるとおり切頭三角形の形状を有する断面を有するために、ヒートシール可能材料部分404を提供することが好ましい場合がある。ヒートシール可能部分の材料404が合わせられてシールを形成すると、連続的に増加した圧力が得られるため、これは、好ましい。これは、したがって、ポリマーが横断方向シール領域TSAの外側に流れ出ることを防ぐ。
【0066】
加えて、ヒートシール可能材料部分404と最内層403との間のより大きいインターフェイス領域は、最内層403に向かって増加する幅を有するヒートシール可能材料部分404の形状を使用して達成される。ヒートシール可能材料部分404の横断方向TDに垂直な三角形断面又は切頭三角形の形状を有する断面を提供することにより、より多くの熱エネルギーがインターフェイスに注がれ、それにより最内層403へのヒートシール可能材料部分404の接合を向上させる。これは、
図5a~cに示されている。
【0067】
図5a~cにおいて、積層包装材料500は、バルク層501、最外層502及び最内層503を含む。
図5aに示された第1段階において、融解プラスチック材料510、例えばPEは、モールド514と最内層503との間に形成された空洞512内に移動される。
【0068】
図5bに示された第2段階において、融解プラスチック材料510は、最内層503を加熱し、少なくとも部分的にそれを融解させている。これは、
図4bにおけるのと同じ方法において破線及び散点領域で示されている。
【0069】
図5cに示された第3段階において、プラスチック材料510及び最内層503は、両方とも固化され、モールド514は、除去されている。ヒートシール可能材料部分504は、形成されている。
【0070】
図4a~c及び
図5a~cのヒートシール可能材料部分404、504は、正確な縮尺でないことに留意されたい。
【0071】
最内層203、403、503とヒートシール可能材料部分204、404、504との間の接合の成功を促進するために、最内層203、403、503とヒートシール可能材料部分204、404、504との間のインターフェイスは、可能な限り長い間、所望の温度を有するべきである。断面の三角形形状又は切頭三角形の形状を有する断面は、シールを形成するためのヒートシール可能材料部分204、404、504の接合が増加した圧力を生じるため、ヒートシール可能材料部分204、404、504が横断方向シール領域TSAの外側に流出することを防ぐ。シーリング要素204、404、504を形成する同じ容積の材料が使用される場合、断面はまた、断面の長方形形状よりも、2つの表面間のインターフェイスにおいてより大きい表面領域を生じる。
【0072】
図6は、一実施形態による1つ又は複数のヒートシール可能材料部分204、204’、404、504を含む積層包装材料200、200’、400、500を形成するための方法600のブロック図を示す。方法は、積層包装材料100、300、例えば
図1に示されたウェブを提供するステップを含む。積層包装材料100、300は、例えば、同じ出願人による欧州特許第3409462A1号明細書又は国際公開第2018220134A1号パンフレットにおいて開示されたとおりに処理された変換を使用する変換プロセスで作製されてもよい。
【0073】
変換プロセスにおいて作製された提供される包装材料100、300は、そのロール110から巻き戻され、ヒートシール可能材料部分204、404、504を形成するために、ヒートシール可能材料部分を形成するステーション40、50に配置620される。ステーション40、50は、充填機械の内側又は充填機械に入る直前に置かれる。ステーション40、50は、
図4a~c及び5a~cに示される射出成形ステーションであるか、又は溶射ステーション、インクジェットタイプのポリマー印刷ステーション、焼結ステーション、溶接ステーション若しくは3D印刷ステーションであってもよい。
【0074】
任意選択的に、積層包装材料100、300は、少なくとも1つのモールド414、416、514と接触した状態で置かれる630。モールド414、416、514は、様々な形状を有してもよく、異なる幾何学的形状のヒートシール可能材料部分204、204’、404、504を形成する。モールド414、416、514は、例えば、三角形、長方形、半球状であるか、又は切頭三角形の形状を有するシーリング要素204、204’、404、504の拡張部に垂直な断面を有してもよい。好ましくは、
図5a~bに示されるとおり、前記断面は、最内層に向かって増加する幅を有する。
【0075】
続いて、ヒートシール可能材料部分204、204’、404、504は、ヒートシール可能材料410、510を積層包装材料110、300の最内層203、203’、403、503に適用することによって形成640される。任意選択的に、ヒートシール可能材料410、510は、
図4a~c及び5a~cに示されるモールド414、416、514の空洞412、512内に材料を注入することによって適用される。ヒートシール可能材料410、510は、液体又は固形材料であってもよい。例えば、これは、射出成形、溶射、コーティング中又はインクジェットプロセス中に使用される融解された材料であってもよく、これは、最内層203、203’、403、503に適用され、且つ最内層203、203’、403、503に付着するように焼結される粉末であってもよい。
【0076】
射出成形は、とりわけ、提案された材料、すなわちPE、PP及びPETのいくつかのために十分に確立された技術である。高圧ミクロ射出成形を使用して、充填及び包装機械において前進包装積層体材料上でこれらの材料から小さいデバイスのみを製造するとき、第1空洞を有する第1モールド半体は、繊維系包装積層体の第1側に配置され、第2空洞を有する第2モールド半体は、繊維系包装積層体の対向する側に配置される。通常、第1モールド空洞は、1つ又は複数の重複領域において第2モールド空洞に部分的に重複する。少量のポリマー融解物は、次いで、少なくとも第1空洞に注入される。圧力が第1空洞において高まることに起因して、融解物は、重複領域において繊維系包装積層体を貫通し、また包装積層体を通して延在する開口デバイスの生成のために第2空洞を充填する。
【0077】
この技術によって用いられる少量のプラスチックは、表面層のみが固化し始めたとしても、これが、デバイスの形状をそれが完全に固化するまで保持するために十分であることを保証し、これは、したがって、注入が終了すると直ちにモールドが開かれることを示唆する。プラスチック融解の最外表皮層は、モールド空洞の壁又は包装材料の最外層に接触すると直ちに固化する。複雑ではない設計について、これは、モールドが充填されると直ちに開かれ得ることを保証する。
【0078】
包装材料の各側に1つずつの2つの部分の接続、すなわち成形されたいわゆる「ブリッジ」により、開口デバイスの成形された部分のために極めて少ないポリマー材料を依然として使用しつつ、容易に開くことを促進するために相互作用的な方法において、開いている間に材料の両側に力をかけ得る開口デバイスが作り出されてもよい。さらに、高圧ミクロ射出成形技術は、包装が形成、充填及びシールされるのと同じ作業で高速充填機械において極めて時間効率的な成形プロセスを確実にする。
【0079】
ヒートシール可能材料410、510は、完成された積層包装材料200、200’、400、500から形成された包装で横断方向シールTSになるものに沿って適用される。
【0080】
ヒートシール可能材料410、510を適用した後、材料410、510は、積層包装材料100の最内層203、403、503と直接接触する。最内層203、403、503とヒートシール可能材料410、510との間のインターフェイスでの大きい表面領域は、ヒートシール可能材料部分410、510と最内層203、403、503の表面との間にシールを形成するために有利である。
【0081】
最後に、前記ヒートシール可能材料410、510が固化するとき、ヒートシール可能材料部分204、204’、404、504は、最内層に接合される。包装材料200、200’、300、400、500は、続いて、充填ステーションに進むことができ、包装容器160、例えば
図3bに示される包装容器160に形成されてもよい。
【0082】
局所的に分布するヒートシール可能材料部分204、204’、304、404、504を含む積層包装材料200、200’、300、400、500を作製するための方法600は、変換プロセス後に実施される。方法600は、充填機械の内部で実施されるか、又は包装材料100が充填機械に入る直前に、リール110から巻き戻された後に実施されるかのいずれかである。したがって、積層包装材料200、200’、300、400、500の供給は、取り付けられたヒートシール可能材料部分204、204’、304、404、504が固化することを可能にするために十分に遅くなければならない。包装材料の速度は、例えば、0.5m/sの範囲であり得る。速度が、包装材料が変換ステーションを通過するときと比べて低いとしても、より低い速度は、ヒートシール可能材料410、510を最内層203、203’、303、403、503に適用するためのいくつかの異なる適用方法の使用を可能にする。
【0083】
局所的に分布するヒートシール可能材料部分204、204’、304、404、504を含む積層包装材料200、200’、300、400、500は、もはや均一に平らでなくなるため、変換の積層/製造プロセス中にヒートシール可能材料部分204、204’、304、404、504を適用することは、同様に満足のいくものにならない。したがって、積層包装材料200、200’、300、400、500は、損傷及び問題のない材料リール110として巻き取られ得ない。追加されたヒートシール可能材料部分204、204’、304、404、504は、巻き取り中に「蓄積され」、一様でないリール110を提供する場合がある。
【0084】
さらに、上で言及したとおり、通常、変換時の運転速度は、充填機械においてよりもはるかに速く、これは、ヒートシール可能材料部分204、204’、304、404、504を適用することを困難にする。変換中に追加のヒートシール可能材料部分204、204’、304、404、504を局所的に適用することは、したがって、はるかに好ましくない。
【0085】
図7a~fは、横断方向シールTS及び/又はシーリング要素704a~fの長手方向拡張部に垂直な方向に見た、
図4c及び5cにおける断面に対するさらなる代替形態を示す。
【0086】
図7aにおいて、断面は、三角形であり、これは、超音波ヒートシール方法の利点である。上で言及したとおり、断面は、代替的に、同じ効果を提供する、切断されたそのような三角形の形状であってもよい。追加的な材料部分の適用されたプロファイルの最高点又はより幅が狭い頂部は、発熱がより集中する方法で生じることを確実にする。最高点又は頂部は、代替的に、丸い形、すなわち略三角形である断面であってもよい。
【0087】
図7bは、同じ目的のための、同様であるが、追加された材料のバルクがヒートシール可能材料の適用された部分の断面内で横方向にシフトされている非対称な断面図を示す。このプロファイルは、横断方向ヒートシールの拡張部全体又は追加された材料の量の追加が所望の位置でその一部に沿って使用されてもよい。液体内容物の大きい包装のヒートシールのために、より多い量のポリマー材料を加えるが、以下で
図10に関連して説明されるとおり、依然として、そのような余分な材料がシーリングフィン領域に流れ出して切断動作を妨害することを回避することが望ましい場合がある。
【0088】
図7cは、断面が非対称であるが、より多い量のヒートシール可能材料を保持することができる実施形態を示し、これは、
図7bに関してよりも、液体製品のためのより大きい包装容器にとって有利であってもよい。
【0089】
図7d、7e及び7fにおいて、それぞれ
図7a、7b及び5cと同様の断面を有するが、中空内部を有する実施形態が示されている。これらの実施形態は、より強度の低いヒートシールが好適であるか、又は最内層に向かってシールのより幅広のベースが望ましいとき、より小さい包装、例えば最大で300mlの液体飲料又は食品の部分的包装のヒートシールに適し得る。これらの実施形態により、より少ない量のヒートシール可能材料を有するが、同時に最適なシーリングプロセスのための熱の集中した発生のある広範な横断方向シールが可能となる。
【0090】
図8aは、最内ヒートシール可能層81が対向するチューブの壁でそれ自体に対してシールされるように横方向にシールされるプロセスにおいて、最内ヒートシール可能層81を有する従来の積層包装材料80からの先行技術の折り畳まれたチューブ(そのうち、折り畳まれた横断方向縁領域は図示せず)の断面を示す。チューブの内側の積層包装材料の開いた縁83を覆うために、ヒートシール可能材料の長手方向帯82が長手方向縁83の内側に適用されている。長手方向重複シール領域が、長手方向帯82により、チューブの内側で確実にシールされ、且つ充填された液体製品との接触から保護されるように、長手方向帯82は、開いた内側長手方向縁83上にシールされ、且つ包装材料80の外側縁84の内側にさらにシールされる。
【0091】
図8b~cは、積層包装材料の内側にヒートシール可能材料の極めて薄い層のみを有する代わりに及びそれに加えて、横断方向シール領域の拡張部に沿って少なくとも部分的に適用された、局所的に適用されたヒートシール可能材料部分を有する、横方向にシールされることになる折り畳まれたチューブの断面の変形形態を示す。チューブの内側の積層包装材料の開いた縁83を覆うために、依然としてヒートシール可能材料の長手方向帯82が上述のとおり内側長手方向縁83に適用されるが、可視性を理由として、これらの図では、長手方向帯82は、図示されない。
【0092】
図8bは、最内ヒートシール可能層81bを備えた内側表面が対向するチューブの壁でそれ自体にシールされ得るように横方向にシールされるプロセスにおいて、極めて薄い最内ヒートシール可能層81bを有する積層包装材料80bからの折り畳まれたチューブの断面(そのうち、折り畳まれた横断方向縁領域は図示せず)を示す。最内層81bの適用された厚さは、包装積層体の内側層、例えば板紙バルク又はコア層及び遮蔽層又はコーティングを担持しているフィルム又は箔を湿気及びゴミに対して保護するために十分であるが、液体カートン包装のための強くて耐久性があるヒートシールを提供するために十分ではない。局所的に適用されたヒートシール可能材料部分85は、予め適用された最内層81bに加えた局所的厚さとして、この図における観点から見られた横断方向シール領域の拡張部に沿って適用される。局所的に適用されたヒートシール可能材料部分85は、材料のストランドとして横断方向シールの拡張部全体領域に沿って適用される。断面プロファイルとは無関係に、適用されたストランドは、単にこの観点から追加的なより厚い層として現れる。加えて、強くて耐久性がある重複シール86bを同様に包装材料チューブの長手方向シームに沿って形成するために、ヒートシール可能材料の追加的な量87b及び88bは、包装材料のウェブの長手方向縁83及び84を閉じるために適用される。横断方向シーリングジョーのバーがチューブの壁を互いに押して、平らな横断方向シールを形成するとき、重複シームでの材料の二重層に起因してより高い圧力が長手方向シールLSの領域に作用することになる。十分にヒートシール可能材料がLS重複領域内に留まることを確実にするために、図示のとおり、追加的な量が縁領域に適用される。少なくともシール領域におけるより厚い最内層に対応するために、追加的な材料85bが横断方向シールの拡張部全体に沿って適用される。
【0093】
図8cは、最内ヒートシール可能層81cを備えた内面が対向するチューブの壁でそれ自体シールされ得るように横方向にシールされるプロセスにおいて、極めて薄い最内ヒートシール可能層81cを有する積層包装材料80cからの折り畳まれたチューブの代替的断面図(そのうち、折り畳まれた横断方向縁領域は図示せず)を示す。最内層81cの適用された厚さは、包装積層体の内側層、例えば板紙バルク又はコア層及び遮蔽層又はコーティングを担持しているフィルム又は箔を湿気及びゴミに対して保護するために十分であるのみであり、液体カートン包装のための強くて耐久性があるヒートシールを提供するために十分ではない。局所的に適用されたヒートシール可能材料部分85cは、この図における観点から、予め適用された最内層81cに加えた局所的な厚さとして見られる横断方向シール領域の拡張部のいくつかの部分に沿って適用される。局所的に適用されたヒートシール可能材料部分85cは、したがって、横断方向シール領域の拡張部の一部に沿った材料のストランドとして適用される。断面プロファイルとは無関係に、適用されたストランドは、単にこの観点から追加的なより厚い層として現れる。加えて、上述のとおりの同じ目的のために、強くて耐久性がある重複シール86cを同様に包装材料チューブの長手方向シームに沿って形成するために、追加的な量87c及び88cのヒートシール可能材料は、包装材料のウェブの長手方向縁83c及び84cの近くに適用される。
【0094】
図9は、平らな包装材料のウェブの内側で上から見た、上端部シール5a(その将来の位置は、太い線によって示されている)及び下端部シール5b(その将来の位置は、太い線によって示されている)を囲む横断方向シーリング領域140を示す。包装材料132aの、上端部シール5aの上方の領域は、1つの包装ユニットに対応し、後にその包装を折り畳んで形成することを可能にする、それに適用された折り目のセットを有する。端部シール5aは、通常、その形成された包装の頂部シールになり、これは、本発明者らがそれを「上」端部シールとも呼ぶ理由である。これは、しかしながら、代替的に、どのように充填機械が構成されるかに依存して、形成された包装の底部シールになり得る。包装材料136aの、下端部シール5bの下方の領域は、したがって、別の包装ユニットに対応し、後にその他の包装を折り畳んで形成することを可能にする、それに適用された折り目のセットを有する。端部シール5bは、通常、その形成された包装の底部シールとなり、これは、本発明者らがここでそれを「下」端部シールと呼ぶ理由である。
【0095】
チューブの、後に形成されることになる切断領域5cは、上端部シール5aと下端部シール5bとの間に延在する。
【0096】
したがって、横断方向シーリング領域140は、充填時にチューブにおいて位置付けられたとおり、下方の包装の下シールを形成するための下シーリング領域142と、充填時にチューブにおいて位置付けられたとおり、上方に包装の上シールを形成するための上シーリング領域144と、下及び上シーリング領域142、144間に配置された切断領域146とを含む。
【0097】
包装は、横断方向切断領域146の中心線、すなわち横断方向線形切断部148に沿って包装材料のチューブから切り離される。包装がチューブから切り離されると、それらは、それぞれ上及び下横断方向シール5a及び5bの下方及び上方に延在する包装材料の狭いフィンを有する。
【0098】
追加的なヒートシール可能材料は、下及び上端部シール5a及び5bの拡張部に沿って局所的に適用される。
【0099】
概して、より多い量のヒートシール可能材料は、チューブ150a、150bの長手方向シールの位置に対応する側方位置で端部シール領域5a、bの拡張部に沿って配置されてもよく、そこで、ウェブ形包装材料の長手方向縁は、互いに重複することになる。横断方向シーリングジョーのバーがチューブの壁を互いに押して、平らな横断方向シールを形成すると、重複シーム86での材料の二重層に起因して長手方向シールLSの領域により高い圧力がかかる。いくつかのヒートシール可能材料が重複部内で停止することを確実にするために、追加的な量がこの領域に適用される。追加的な量は、局所的に適用された部分でより高いか、又はこの図におけるとおり上から見られると、重複シームのすぐそばの位置でより幅が広い部分として目に見える。
【0100】
より多い量のヒートシール可能材料も、チューブがシーリング中に折り畳まれる位置に対応する側方位置、すなわちチューブの側稜に対応する位置で端部シール領域5a、bの拡張部に沿って配置され得る。追加的な量の熱可塑性ポリマー材料は、そのような位置150c、150dでのチューブのシール強度を高めることが分かっており、したがって最終的な包装の完全性及び外観も向上させる。
【0101】
同様のより多い量のヒートシール可能材料も、チューブ充填及びシーリング作業において形成された包装における適切で耐久性がある横断方向シールを確実にするために、端部シール領域5a、5bの拡張部に沿った他の位置に適用されてもよい。
【0102】
図10は、上横断方向シール5a、すなわち包装ユニット11から形成された第1包装の上シールになる横断方向シールで、ヒートシール可能材料の局所的に適用された部分10の拡張部に沿った等角図を示す。横断方向線形切断部148となる線形領域12が点線のそばに示されている。線形領域12の他方の側には、下横断方向シール5b、すなわち第1包装の下の隣接する包装ユニットから形成された包装の下シールを含む横断方向シール領域に、図示されていない対応するヒートシール可能材料の局所的に適用された部分がある。
図10に示されるとおり、シールされたとき、局所的に適用された追加的な材料が上シール5aの下方の、上シーリングフィン13内に流れ込み過ぎることを回避するために、ヒートシール可能材料の局所的に適用された部分10は、非対称断面を有する。シーリング中にこの方向において流れるヒートシール可能材料が多すぎる場合、これは、作動中の切断ナイフに到達し得、且つ例えば融解したヒートシール可能材料が切断動作中に固化し得ること、例えば切り取られた包装が依然として互いに付着するようにさせ得ること、鋭いナイフの追加的な摩耗を引き起こし得ること、及びナイフの前進及び格納機構の目詰まりを引き起こし得ることなどの問題を生じ得る。図示のこの特定の実施形態において、ヒートシール可能材料の局所的に適用された部分の断面は、三角形であり、したがって切断ラインに向かって傾いている表面を有する。加えて、上述のとおり、端部シールの拡張部に沿ったいくつかの位置、例えば長手方向重複シールを形成するための位置及び横断方向シール領域におけるチューブの折り畳まれた縁でより多い量のヒートシール可能材料が追加されてもよい。
【0103】
上の説明から、本発明の様々な実施形態が説明及び図示されたが、本発明は、それらに限定されず、むしろ以下の特許請求の範囲において定義される主題の範囲内の他の方法でも実現されてもよい。
【国際調査報告】