IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グレイ オレンジ ピーティーイー. リミテッドの特許一覧

特表2022-542044保管施設内でのオペレーションを容易にするための方法およびシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-29
(54)【発明の名称】保管施設内でのオペレーションを容易にするための方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20220921BHJP
   G06Q 10/06 20120101ALI20220921BHJP
   G06Q 10/08 20120101ALI20220921BHJP
【FI】
B65G1/137 A
G06Q10/06
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022504021
(86)(22)【出願日】2020-07-30
(85)【翻訳文提出日】2022-01-20
(86)【国際出願番号】 IB2020000633
(87)【国際公開番号】W WO2021019300
(87)【国際公開日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】16/525,646
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】517276321
【氏名又は名称】グレイ オレンジ ピーティーイー. リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】アクタル,サミ
(72)【発明者】
【氏名】コウダリー,スリジャン
【テーマコード(参考)】
3F522
5L049
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB01
3F522BB06
3F522BB25
3F522BB35
3F522CC01
3F522CC05
3F522DD03
3F522DD04
3F522DD05
3F522DD33
3F522FF03
3F522FF06
3F522GG24
3F522GG47
3F522HH02
3F522HH30
3F522JJ02
3F522JJ04
3F522LL22
3F522LL51
3F522LL54
3F522LL56
3F522LL57
3F522LL59
5L049AA06
5L049AA16
(57)【要約】
保管施設内のオペレーションを容易にするための方法。サーバーは、保管施設内で第1のオペレーションを実行するためのサービス要求を受信する。サーバーは、サービス要求に基づいて第1の収納ユニットを識別する。サーバーは、第1のオペレーションを実行するために第1の収納ユニットのオペレーションゾーンを識別する。サーバーは、オペレーションゾーンの特徴および対応するオペレータの疲労度に基づいて、第1のオペレーションを実行するために各オペレータに対する人間工学的スコアを決定する。サーバーは、決定された人間工学的スコアに基づき、第1のオペレーションを実行するために第1の収納ユニットを第1のオペレータに割り当て、それにより保管施設のさらに高いスループットを確実にする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管施設内の1つ以上のオペレーションを容易にするための方法であって、
サーバーにより、前記保管施設内で第1のオペレーションを実行するためのサービス要求を受信することと、
前記サーバーにより、前記サービス要求に基づいて、前記保管施設内の複数の収納ユニットから第1の収納ユニットを識別することと、
前記サーバーにより、前記第1のオペレーションを実行するために前記第1の収納ユニットのオペレーションゾーンを識別することと、
前記サーバーにより、前記保管施設内の複数のオペレータに対してそれぞれ、複数の人間工学的スコアを決定することであって、前記複数のオペレータの各オペレータに対する人間工学的スコアは、前記オペレーションゾーンの1つ以上の特徴および前記対応するオペレータの疲労度に基づいて決定されることと、
前記サーバーにより、前記複数の人間工学的スコアに基づき、前記第1のオペレーションを実行するために、前記第1の収納ユニットを、前記複数のオペレータのうちの第1のオペレータに割り当てることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記オペレーションゾーンの前記識別は、前記第1のオペレーションと関連付けられた第1の品物に基づいており、前記第1のオペレーションは、(i)前記第1の品物を前記第1の収納ユニットからピッキングすること、および(ii)前記第1の品物を前記第1の収納ユニット内に配置すること、の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記オペレーションゾーンは、前記第1のオペレーションが実行される前記第1の収納ユニットの第1の領域であり、前記オペレーションゾーンの前記1つ以上の特徴は、前記第1の領域の第1の寸法および前記第1の領域の前記保管施設の床面からの高さを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記複数のオペレータの各オペレータに対して、活動ゾーンを決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
各オペレータの前記活動ゾーンは、前記対応するオペレータの身長、年齢、性別、力のレベル、医学的状態、または前記疲労度の少なくとも1つに基づいて決定される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
各オペレータの前記活動ゾーンは、前記第1のオペレーションと関連付けられた第1の品物のサイズ、形状、重量、またはタイプの少なくとも1つに基づいて決定される、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
各オペレータの前記活動ゾーンは、前記対応するオペレータと関連付けられたピックアンドプレイスステーションの第1の寸法および高さに基づいて決定される、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
各オペレータの前記人間工学的スコアは、前記対応するオペレータの前記活動ゾーンの1つ以上の特徴に基づいて決定される、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
各オペレータの前記人間工学的スコアは、前記オペレーションゾーンと、前記対応するオペレータの前記活動ゾーンとの間の重なりに基づいて決定される、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
各オペレータの前記疲労度は、時間および前記対応するオペレータによって実行された1つ以上の過去のオペレーションの関数である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
保管施設内の1つ以上のオペレーションを容易にするためのシステムであって、
前記保管施設内で第1のオペレーションを実行するためのサービス要求を受信することと、
前記第1のサービス要求に基づいて、前記保管施設内の複数の収納ユニットから第1の収納ユニットを識別することと、
前記第1のオペレーションを実行するために前記第1の収納ユニットのオペレーションゾーンを識別することと、
前記保管施設内の複数のオペレータに対してそれぞれ、複数の人間工学的スコアを決定することであって、前記複数のオペレータの各オペレータに対する人間工学的スコアは、前記オペレーションゾーンの1つ以上の特徴および前記対応するオペレータの疲労度に基づいて決定されることと、
前記複数の人間工学的スコアに基づいて、前記第1のオペレーションを実行するために、前記第1の収納ユニットを前記複数のオペレータの第1のオペレータに割り当てることと
を行うように構成されたサーバー
を備える、システム。
【請求項12】
前記オペレーションゾーンの前記識別は、前記第1のオペレーションと関連付けられた第1の品物に基づいており、前記第1のオペレーションは、前記第1の品物を前記第1の収納ユニットからピッキングすること、または前記第1の品物を前記第1の収納ユニット内に配置すること、の少なくとも1つを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記オペレーションゾーンは、前記第1のオペレーションが実行される前記第1の収納ユニットの第1の領域であり、前記オペレーションゾーンの前記1つ以上の特徴は、前記第1の領域の第1の寸法および前記第1の領域の前記保管施設の床面からの高さを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記サーバーは、前記複数のオペレータの各オペレータに対して、活動ゾーンを決定するようにさらに構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項15】
前記サーバーは、各オペレータの前記活動ゾーンを、前記対応するオペレータの身長、年齢、性別、力のレベル、医学的状態、または前記疲労度の少なくとも1つに基づいて決定する、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記サーバーは、各オペレータの前記活動ゾーンを、前記第1のオペレーションと関連付けられた第1の品物のサイズ、形状、重量、またはタイプの少なくとも1つに基づいて決定する、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記サーバーは、各オペレータの前記活動ゾーンを、前記対応するオペレータと関連付けられたピックアンドプレイスステーションの第1の寸法および高さに基づいて決定する、請求項14に記載のシステム。
【請求項18】
前記サーバーは、各オペレータの前記人間工学的スコアを、前記対応するオペレータの前記活動ゾーンの1つ以上の特徴に基づいて決定する、請求項14に記載のシステム。
【請求項19】
前記サーバーは、各オペレータの前記人間工学的スコアを、前記オペレーションゾーンと、前記対応するオペレータの前記活動ゾーンとの間の重なりに基づいて決定する、請求項14に記載のシステム。
【請求項20】
各オペレータの前記疲労度は、時間および前記対応するオペレータによって実行された1つ以上の過去のオペレーションの関数である、請求項11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による組込み
本出願は2019年7月30日に出願された米国特許出願第16/525,646号、「METHOD AND SYSTEM FOR FACILITATING OPERATIONS IN STORAGE FACILITIES」の優先度の利益を主張し、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本開示は一般に、保管施設の管理に関し、より詳細には、保管施設でのオペレーションを容易にするための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
組織(例えば、電子取引実体、クーリエ便配送業者、または同様のもの)は、品物を対応する宛先に配達する前に、品物を保管施設内に保管し得る。かかる保管施設内でのオペレーションのスループットは、組織にとって関心のある様々なビジネス測定基準(例えば、配達を完了するためにかかる時間、期間内に完了した配達の総数、顧客満足、または同様のもの)と直接関係があり得る。例えば、保管施設のスループットは、配達を完了するためにかかる時間、完了した配達数等に影響を及ぼし得る。従って、保管施設における最大スループットを実現するためにこれらの保管施設で実行される様々なオペレーションを最適化する必要がある。
【0004】
典型的には、保管施設は、その保管施設でオペレーションを実行するために様々なオペレータを伴う。各オペレータが割り当てられたタスク(例えば、保管施設の収納ユニット内に品物を置くこと、または収納ユニットから品物を取り出すこと)を実行する速度は、保管施設におけるオペレーションで重要なボトルネックを構成する。オペレータに対するタスクの最適とは言えない割当ては、保管施設の最大スループットを実現できない結果となり得る。典型的には、保管施設では、タスクをオペレータに割り当てる間に、オペレータの身体的特徴(例えば、年齢、力、作業期間、または同様のもの)は考慮に入れられない。従って、オペレータへのタスクの割当ては最適化されず、それは、保管施設で実行されるオペレーションの非効率性となり、対応する組織のビジネス測定基準に悪影響を及ぼし得る。
【0005】
前述を考慮すると、前述の問題を解決して、保管施設でのオペレータへのタスクの割当てを最適化する技術的解決法に対するニーズが存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態では、保管施設内で1つ以上のオペレーションを容易にするための方法が提供される。本方法は、サーバーにより、保管施設内で第1のオペレーションを実行するためのサービス要求を受信することを含む。保管施設内の複数の収納ユニットから、サーバーにより、サービス要求に基づいて第1の収納ユニットが識別される。第1のオペレーションを実行するために、サーバーにより第1の収納ユニットのオペレーションゾーンが識別される。保管施設内の複数のオペレータに対する複数の人間工学的スコアがサーバーによって決定される。各オペレータに対する人間工学的スコアは、オペレーションゾーンの1つ以上の特徴および対応するオペレータの疲労度に基づいて決定される。第1の収納ユニットは、サーバーにより、複数の人間工学的スコアに基づき、第1のオペレーションを実行するために、複数のオペレータのうちの第1のオペレータに割り当てられる。
【0007】
本開示の別の実施形態では、保管施設内の1つ以上のオペレーションを容易にするためのシステムが提供される。本システムは、保管施設内で第1のオペレーションを実行するためのサービス要求を受信するように構成されたサーバーを含む。サーバーは、サービス要求に基づいて、保管施設内の複数の収納ユニットから第1の収納ユニットを識別する。サーバーは、第1のオペレーションを実行するために第1の収納ユニットのオペレーションゾーンを識別する。サーバーは、保管施設内の複数のオペレータに対する複数の人間工学的スコアをそれぞれ決定する。複数のオペレータの各オペレータに対する人間工学的スコアは、オペレーションゾーンの1つ以上の特徴および対応するオペレータの疲労度に基づいて決定される。サーバーは、複数の人間工学的スコアに基づき、第1のオペレーションを実行するために、複数のオペレータのうちの第1のオペレータに第1の収納ユニットを割り当てる。
【0008】
添付の図面は、本開示のシステム、方法、および他の態様の様々な実施形態を例示する。図に例示される要素の境界(例えば、ボックス、ボックスのグループ、または他の形状)は境界の一例を表すことが当業者には明らかであろう。いくつかの例では、1つの要素が複数の要素として設計され得るか、または複数の要素が1つの要素として設計され得る。いくつかの例では、1つの要素の内部構成要素として示されている要素は、別の要素の外部構成要素として実装され得、逆の場合も同じである。
【0009】
本開示の様々な実施形態は例として示されており、添付の図によって限定されず、図中、同様の参照番号は類似の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態に従った、模範的な環境を例示するブロック図である。
図2A】本開示の一実施形態に従った、図1の保管施設内の収納ユニットの前面図を示すブロック図である。
図2B】本開示の一実施形態に従った、保管施設内のピックアンドプットステーション(pick-and-put station)の前面図を示すブロック図である。
図3】本開示の一実施形態に従った、収納ユニットを運搬する図1の輸送車両を例示するブロック図である。
図4A】本開示の一実施形態に従った、収納ユニットのオペレーションゾーンを識別するための方法を説明する模範的なシナリオのブロック図である。
図4B】本開示の別の実施形態に従った、収納ユニットのオペレーションゾーンを識別するための方法を説明する模範的なシナリオのブロック図である。
図4C】本開示の別の実施形態に従った、収納ユニットのオペレーションゾーンを識別するための方法を説明する模範的なシナリオのブロック図である。
図5A】本開示の一実施形態に従い、第1の時間インスタンスにおいて図1の制御サーバーで保持された、図1の第1~第3のオペレータの情報を示す模範的なテーブルである。
図5B】本開示の一実施形態に従い、第2の時間インスタンスにおいて制御サーバーで保持された、第1~第3のオペレータの更新された情報を示すテーブルである。
図6A】本開示の一実施形態に従い、第1のオペレータの第1の活動ゾーンを決定するための方法を説明する模範的なシナリオのブロック図である。
図6B】本開示の一実施形態に従い、第2のオペレータの第2の活動ゾーンを決定するための方法を説明する模範的なシナリオのブロック図である。
図6C】本開示の一実施形態に従い、第3のオペレータの第3の活動ゾーンを決定するための方法を説明する模範的なシナリオのブロック図である。
図7】本開示の一実施形態に従った、保管施設内のオペレータの活動ゾーンと疲労度との間の関係を示す模範的なシナリオのブロック図である。
図8A】本開示の一実施形態に従い、保管施設内でオペレーションを実行するために収納ユニットをオペレータに割り当てるための方法を説明する模範的なシナリオのブロック図である。
図8B】本開示の別の実施形態に従い、保管施設内でオペレーションを実行するために収納ユニットをオペレータに割り当てるための方法を説明する模範的なシナリオのブロック図である。
図9】本開示の一実施形態に従った、図1の制御サーバーを例示するブロック図である。
図10】本開示の一実施形態に従った、コンピュータシステムのシステムアーキテクチャを例示するブロック図である。
図11A】本開示の一実施形態に従った、保管施設内で1つ以上のオペレーションを容易にするための方法を例示する流れ図をまとめて表す。
図11B】本開示の一実施形態に従った、保管施設内で1つ以上のオペレーションを容易にするための方法を例示する流れ図をまとめて表す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の適用可能性のさらなる領域は、以下で提供される詳細な説明から明らかになるであろう。模範的な実施形態の詳細な説明は、説明だけを目的としており、それ故、本開示の範囲を必ずしも制限することを意図していないことが理解されるはずである。
【0012】
本開示は、本明細書で記載される詳細な図および説明を参照して最も良く理解される。様々な実施形態が、図を参照して以下で説明される。しかし、方法およびシステムは説明される実施形態を超えて拡張し得るので、本明細書で図に関して与えられる詳細な説明は、単に説明目的であることを当業者は容易に理解するであろう。一例では、提示される教示および特定の用途の必要性は、本明細書で説明される任意の詳細の機能を実装するために複数の代替および適切なアプローチをもたらし得る。従って、任意のアプローチは、説明されて示される以下の実施形態における特定の実装選択肢を超えて拡張し得る。
【0013】
「一実施形態」、「別の実施形態」、「さらに別の実施形態」、「一例」、「別の例」、「さらに別の例」、「例えば」等への言及は、そのように記述される実施形態(複数可)または例(複数可)は、特定の特徴、構造、特性、プロパティ、要素、または制限を含み得ることを示すが、全ての実施形態または例はその特定の特徴、構造、特性、プロパティ、要素、もしくは制限を必ずしも含まないことを示す。さらに、「一実施形態では」という句の反復使用は、必ずしも同じ実施形態に言及していない。
【0014】
概要
本開示の様々な実施形態は、保管施設内のオペレーションを容易にするための方法およびシステムを提供する。保管施設と関連付けられた、サーバーは、保管施設内で第1のオペレーションを実行するためのサービス要求を受信し得る。サービス要求の例は、1つ以上の品物の保管施設内への配置、または1つ以上の品物の保管施設からの取出しを含み得るが、それらに限定されない。サービス要求に基づいて、サーバーは第1のオペレーションを実行するために第1の収納ユニットを識別し得る。サーバーは、第1のオペレーションを実行するために第1の収納ユニットのオペレーションゾーンをさらに識別し得る。第1の収納ユニットのオペレーションゾーンは、第1のオペレーションが実行される第1の収納ユニットの領域であり得る。保管施設内の各オペレータに対して、サーバーは、第1の収納ユニットに対応する活動ゾーンを決定し得る。各オペレータの活動ゾーンは、対応するオペレータの様々な身体的特徴(例えば、身長、年齢、性別、力のレベル、医学的状態、または疲労度)に基づいて決定され得る。各オペレータの活動ゾーンの決定は、第1のオペレーションと関連付けられた品物の品物特徴(例えば、サイズ、形状、重量、またはタイプ)ならびに/または対応するオペレータと関連付けられたピックアンドプレイスステーションの寸法および高さにさらに基づき得る。オペレーションゾーンおよび各オペレータの活動ゾーンに基づいて、サーバーは、第1のオペレーションを実行するために各オペレータに対して人間工学的スコアを決定し得る。オペレータに対する人間工学的スコアは、そのオペレータが第1のオペレーションを実行し得る容易さの程度を示し得る。各オペレータの人間工学的スコアに基づいて、サーバーは第1のオペレーションを実行するのに最も適した第1のオペレータを識別し得る。その識別に基づいて、サーバーは、第1のオペレーションを実行するために第1の収納ユニットを第1のオペレータに割り当て得る。
【0015】
サーバーは、品物の配置または品物の保管施設からの取出しなどであるが、それらに限定されず、様々なオペレーション(例えば、第1のオペレーション)またはタスクを容易にし得る。サーバーは、タスクのオペレータへの最適な割当てを容易にして、オペレータによる身体労作を減らすことにより、各オペレータの生産性および効率性を向上させてオペレータの利便性を改善する。各オペレータの生産性および効率性の向上は、組織が所望のビジネス成果を達成する(例えば、保管施設から宛先への配送時間を短縮する)のを可能にし得る。サーバーは、本開示で開示される方法に取って代わることもあれば、そうでないこともある、一般的パラメータが満足されることも確実にする。これらの一般的パラメータは、注文を履行する時間、注文量、注文処理速度、発注サイズの考慮事項等であり得るが、それらに限定されない。
【0016】
用語説明(明白な辞書的定義に加えて)
以下は本開示で使用される用語の限定されない実施形態である。
【0017】
「保管施設(Storage facility)」は、品物を保管するための様々な収納ユニットを含む。保管施設は、輸送車両が保管施設内を移動するための通路をさらに含み得る。保管施設の例は、出荷倉庫(forward warehouse)、後方倉庫、または小売店を含み得るが、それらに限定されない。
【0018】
「収納ユニット(Storage unit)」は、様々な品物を保管する、保管施設内の物理的構造である。収納ユニットは、品物を保管するための、棚、スロット、および/またはパーティションを含み得る。収納ユニットは可搬型または固定であり得る。
【0019】
「オペレーションゾーン(Operation zone)」は、オペレーションが実行される収納ユニットの領域である。例えば、品物が収納ユニットの第1の棚に置かれるシナリオでは、オペレーションゾーンは第1の棚を含み得る。オペレーションゾーンは第1の棚の寸法および第1の棚の保管施設の床面からの高さによって定義され得る。
【0020】
オペレータの「活動ゾーン(Activity zone)」は、オペレーションのために、過度の身体的ストレスを働かせる必要なく、オペレータによってアクセス可能な収納ユニットの領域を指す。オペレーションのためのオペレータの活動ゾーンは、オペレータの身体的特徴、オペレーションに対応する品物の品物特徴、収納ユニットの特徴、または同様のもの等であるが、それらに限定されず、様々な要因によって決まる。例えば、オペレーションに対して、収納ユニットの上2段の棚を含む領域は、オペレーションのためのオペレータの活動ゾーンを構成し得る。
【0021】
「人間工学的スコア(Ergonomic score)」は、オペレータが、品物の配置または品物の収納ユニットからの取出し等であるが、それらに限定されないオペレーションを実行し得る容易さの程度を示すスコアである。人間工学的スコアは、オペレーションと関連付けられた収納ユニットのオペレーションゾーンの特徴およびオペレータの活動ゾーンの特徴に基づいて決定され得る。人間工学的スコアは、絶対数として、百分率として、またはカテゴリとして表現され得る。
【0022】
「疲労度(Fatigue level)」は、オペレータの疲労のレベルまたはエネルギー不足に関する測定を指す。非限定的例では、オペレータの疲労度は、より高い値の疲労度がより高いレベルの疲労に対応するように、数値的に定量化され得る。
【0023】
図1は、本開示の一実施形態に従った、模範的な環境100を例示するブロック図である。環境100は、保管施設102を示す。保管施設102は、保管エリア104、第1~第3のオペレータステーション106a~106c(以下、第1~第3のオペレータステーション106a~106cは「オペレータステーション106」と呼ばれる)、輸送車両108、および制御サーバー(CS)110を含む。CS110はオペレータステーション106および輸送車両108と、通信ネットワーク112を経由して、またはそれらの間に確立された別個の通信ネットワークを通して、通信する。
【0024】
保管施設102は、複数の在庫品を履行および/または販売のために保管する。保管施設102の例は、出荷倉庫、後方倉庫、フルフィルメントセンター、または小売店(例えば、スーパーマーケット、衣料品店等)を含み得るが、それらに限定されない。在庫品の例は、食料品、衣料品等を含み得るが、それらに限定されない。在庫品は保管エリア104内に保管される。保管エリア104は、任意の形状、例えば、長方形であり得る。保管エリア104は、様々な収納ユニットを直線的に配列することによって形成される(図2Aに示されるような)第1~第3のラック114a~114cを含む。以下、第1~第3のラック114a~114cは「ラック114」と総称される。1つ以上の在庫品が各収納ユニットに割り当てられて、各収納ユニットは対応する割り当てられた在庫品を保管する。一実施形態では、収納ユニットは異なる形状、サイズ、および寸法を有し得る。以下、用語「在庫品」および「品物」は区別しないで使用される。ラック114はハードウェア構造ではなく、単に収納ユニットの組合わせを表すことが当業者には明らかであろう。
【0025】
ラック114は、第1~第4の通路116a~116dがその間に形成されるように配列される。以下、第1~第4の通路116a~116dは「通路116」と総称される。第1の通路116aは、第1と第2のラック114aと114bとの間に形成される。第2の通路116bは、第2と第3のラック114bと114cとの間に形成される。第3および第4の通路116cおよび116dは、ラック114の側面と保管エリア104の側壁との間に形成される。通路116は、顧客または輸送車両108によって保管エリア104内を移動するために使用される廊下である。ラック114の配列は、当業者に知られている任意の所望の構成で実行される。非限定的例では、ラック114は、通路116のレイアウトが長方形のスペース内に仮想グリッドを形成するように配列されると仮定する。従って、各通路116は水平通路または垂直通路の1つである。例えば、第1の通路116aは垂直通路であり、第4の通路116dは水平通路である。水平通路と垂直通路の交差は交差通路(cross-aisle)を形成する。
【0026】
一実施形態では、保管施設102は、様々な基準マーカー(例えば、基準マーカーFM、FM、RM、およびRM)で印を付けられ得る。基準マーカーは、保管施設102内の異なる位置、ラック114の各々、または同様のものを一意的に識別するために保管施設102内に付けられるマーカーである。簡単にするために、保管エリア104は、複数の基準マーカーを含むことが示されており、基準マーカーFM、FM、 RM、およびRMだけがラベルを付けられている。保管施設102全体は、本開示の範囲から逸脱することなく、基準マーカーを含み得ることが当業者には明らかであろう。各基準マーカーは、2つのタイプ-位置マーカー(例えば、基準マーカーFMおよびFM)およびラックマーカー(例えば、基準マーカーRMおよびRM)のうちの1つに対応し得る。位置マーカー(例えば、基準マーカーFMおよびFM)は保管施設102内の事前に決定された位置に置かれる。事前に決定された位置は、いかなる特定のパターンにも従っていない可能性があり、保管施設102の構成に依存し得る。例えば、基準マーカーFMおよびFMは、それぞれ第1および第2の通路116aおよび116bに沿って第1および第2の位置(例えば、保管エリア104の床上)に置かれる。ラックマーカー(例えば、基準マーカーRMおよびRM)は、ラック114を構成する各収納ユニットを一意的に識別し得る。例えば、基準マーカーRMおよびRMは、それぞれ第1および第2のラック114aおよび114bを部分的に構成する収納ユニットを一意的に識別する。基準マーカーの例は、バーコード、クイックレスポンス(QR)コード、無線周波数識別装置(RFID)タグ等を含むが、それらに限定されない。一実施形態では、基準マーカーの配置は均一である(すなわち、連続した基準マーカー間の距離が一定である)。別の実施形態では、基準マーカーの配置は不均一であり得る(すなわち、連続した基準マーカー間の距離は可変である)。他の実施形態では、保管施設102はいずれの基準マーカーでも印を付けられていない可能性がある。かかるシナリオでは、保管施設102内の異なる位置は、全地球測位システム(GPS)座標または他の位置確認技術に基づく座標を使用して決定され得る。
【0027】
保管施設102内のオペレータステーション106は、収納ユニット内に配置すべき在庫品または収納ユニットから取り出される在庫品を保持するためのピックアンドプットステーション(PPS)を含む。各オペレータステーション106は、1人以上のオペレータによって受け持たれ得る。例えば、第1~第3のオペレータステーション106a~106cはそれぞれ、第1~第3のオペレータ118a~118cによって受け持たれる。収納ユニットは輸送車両(例えば、輸送車両108)によってオペレータステーション106に運ばれる。保管施設102は3つのオペレータステーション106を含むことが示されているが、保管施設102は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の数のオペレータステーションを含み得ることが当業者には明らかであろう。オペレータステーション106は、在庫品を収納ユニット内に配置するか、または在庫品を収納ユニットから取り出すために、CS110から様々なコマンドもしくは命令を受信するオペレータ装置を含み得る。受信したコマンドまたは命令に基づいて、オペレータステーション106にいる第1~第3のオペレータ118a~118cは、在庫品を収納ユニット内に配置するか、または在庫品を収納ユニットから取り出す。品物配置オペレーションは、いくつかの例では、1つ以上の在庫品をPPSからピックアップして、ピックアップした在庫品を収納ユニット内に置くことを伴う。同様に、品物取出しオペレーションは、1つ以上の在庫品を収納ユニットから取り出して、取り出した在庫品をPPS上に置くことを伴う。別の実施形態では、オペレータステーション106は、本開示の範囲から逸脱することなく、品物配置および品物取出しオペレーションを実行するためにロボットオペレータを含み得る。
【0028】
輸送車両108は、保管施設102内を移動するロボット車両である。例えば、輸送車両108は、CS110から受信したコマンドに応答する無人搬送車(AGV)である。輸送車両108は、CS110から受信したコマンドに基づいて保管施設102内でペイロード(例えば、収納ユニットまたはラック114)を運ぶために、回路によって実行可能な、適切な論理、命令、回路、インタフェース、および/またはコードを含み得る。例えば、輸送車両108は、注文の履行、在庫品の収納ユニットへの積込み、および/または同様のことのために、収納ユニットを保管エリア104からオペレータステーション106へ、およびオペレータステーション106から保管エリア104へ搬送および輸送し得る。輸送車両108は、基準マーカー(例えば、基準マーカーFM、FM、RM、およびRM)を読み取るように構成され得る。輸送車両108は、基準マーカーを読み取るために様々なセンサー(例えば、画像センサー、RFIDセンサー、および/または同様のもの)を含み得る。輸送車両108は、保管施設102内で輸送車両108の相対位置を判断するため、および/またはラック114もしくは収納ユニットを識別するために、基準マーカーを利用し得る。簡単にするために、保管施設102は単一の輸送車両(すなわち、輸送車両108)を有することが示されている。保管施設102は、本開示の範囲から逸脱することなく、任意の数の輸送車両を含み得ることが当業者には明らかであろう。
【0029】
CS110は、サーバー実装を作成するために一般化アプローチを提供し得る、コンピュータのネットワーク、ソフトウェアフレームワーク、またはそれらの組合わせであり得る。CS110の例は、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、マシン可読コードを実行できる任意の非一時的有形マシン、クラウドベースサーバー、分散サーバーネットワーク、またはコンピュータシステムのネットワークを含むが、それらに限定されない。CS110は、Javaウェブフレームワーク、.NETフレームワーク、個人ホームページ(PHP)フレームワーク、または任意のウェブアプリケーションフレームワークなどであるが、それらに限定されない、様々なウェブベース技術を通して実現され得る。CS110は、保管施設102に対する在庫管理オペレーションを促進する倉庫管理者または第三者機関によって維持され得る。CS110は、在庫管理オペレーションと一緒に他の倉庫管理オペレーションも実行し得ることが当業者には明らかであろう。
【0030】
CS110は、CS110のメモリ内に、保管施設102の仮想マップおよび在庫保管データ(図9に示されるとおり)を含み得る。仮想マップは、ラック114、収納ユニット、オペレータステーション106、保管施設102の入り口および出口点、保管施設102内の基準マーカー、または同様のものの現在の位置を示す。在庫保管データは、保管施設102内に保管された在庫品と、保管施設102内の収納ユニットとの間の関連付けを示す。CS110は、第1~第3のオペレータ118a~118cの身体的特徴に関する情報をさらに保持し得る。例えば、第1のオペレータ118aの身体的特徴は、第1のオペレータ118aの身長、第1のオペレータ118aの年齢、第1のオペレータ118aの性別、第1のオペレータ118aの任意の時間インスタンスにおける力のレベル、第1のオペレータ118aの現在の疲労度、第1のオペレータ118aの医学的状態、または同様のものを含み得るが、それらに限定されない。同様に、第2および第3のオペレータ118bおよび118cの身体的特徴に関する情報がCS110で保持され得る。
【0031】
CS110は、保管施設102からの品物取出しおよび保管施設102内への品物配置のために、様々なサービス要求を外部通信サーバーから受信し得る。受信したサービス要求に基づいて、CS110は、受信したサービス要求によって示された在庫品と関連付けられている保管施設102内の1つ以上の収納ユニットを識別し得る。CS110は次いで、各受信したサービス要求に対して、対応するサービス要求と関連付けられたオペレーション(例えば、品物配置オペレーションまたは品物取出しオペレーション)を実行するために最も適したオペレータ(例えば、第1~第3のオペレータ118a~118c)を識別し得る。その識別に基づいて、CS110は、対応するオペレーションを実行するために1つ以上の収納ユニットを各識別されたオペレータに割り当て得る。CS110の様々な構成要素および構成要素の機能は図9に関連して後で説明される。
【0032】
通信ネットワーク112は、コンテンツおよびメッセージがそれを通して、CS110、オペレータステーション106、および輸送車両108の間で送信される媒体である。通信ネットワーク112の例は、Wi-Fiネットワーク、Li-Fi(light fidelity)ネットワーク、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、衛星ネットワーク、インターネット、光ファイバー網、同軸ケーブルネットワーク、赤外線(IR)ネットワーク、無線周波数(RF)ネットワーク、およびそれらの組合わせを含むが、それらに限定されない。環境100内の様々な実体は、伝送制御プロトコルおよびインターネットプロトコル(TCP/IP)、ユーザーデータグラムプロトコル(UDP)、ロングタームエボリューション(LTE)通信プロトコル、またはそれらの任意の組合わせなどの、様々な有線および無線通信プロトコルに従って、通信ネットワーク112に接続し得る。
【0033】
動作中、CS110は、外部通信サーバーから、第1および第2の品物を保管施設102内に保管するためのサービス要求を受信し得る。受信したサービス要求に基づいて、CS110は第1および第2の品物を保管するために保管施設102内で収納ユニットを識別し得る。CS110は次いで、第1および第2の品物を保管するために識別された収納ユニットのオペレーションゾーンを識別し得る。オペレーションゾーンは、識別された収納ユニットの領域であり得、そこに第1および第2の品物が保管される。CS110は、第1および第2の品物の品物特徴(例えば、サイズ、形状、重量、またはタイプ)、および/または識別された収納ユニットの特徴(例えば、棚の寸法、棚の保管施設102の床面からの高さ)に基づいてオペレーションゾーンを識別し得る。オペレーションゾーンの識別後、CS110は、第1および第2の品物を識別された収納ユニット内に置くために、第1~第3のオペレータ118a~118cの各々に対して人間工学的スコアを決定し得る。各オペレータ118a~118cに対する人間工学的スコアは、対応するオペレータ118a~118cの、第1および第2の品物を識別された収納ユニットのオペレーションゾーン内に置くための容易さの程度を示し得る。従って、より高い人間工学的スコアは、第1および第2の品物の識別された収納ユニットのオペレーションゾーン内への置き易さに対応する。オペレータ(例えば、第1のオペレータ118a)の人間工学的スコアは、対応するオペレータの1つ以上の身体的特徴、識別された収納ユニットのオペレーションゾーンの特徴、対応するPPSの特徴、または第1および第2の品物の品物特徴の関数であり得る。各オペレータ118a~118cの人間工学的スコアは、疲労度(例えば、第1のオペレータ118aの現在の疲労度)などであるが、それに限定されず、様々な時間依存パラメータの関数であり得ることが当業者には明らかであろう。その結果として、各オペレータ118a~118cに対する人間工学的スコアは、時間の関数であり得る。言い換えれば、各オペレータ118a~118cの人間工学的スコアは動的であり得る。
【0034】
第1~第3のオペレータ118a~118cの人間工学的スコアに基づいて、CS110は次いで、第1および第2の品物を識別された収納ユニットのオペレーションゾーン内に置くために、第1~第3のオペレータ118a~118cのうちの1人のオペレータ(例えば、第1のオペレータ118a)に第1の収納ユニットを割り当て得る。一例では、CS110は、識別された収納ユニットを最も高い人間工学的スコアをもつオペレータ(例えば、第1のオペレータ118a)に割り当て得る。その割当てに基づき、CS110は輸送車両108にコマンドを伝達して、輸送車両108に、識別された収納ユニットを対応するラックから取り出し、その識別された収納ユニットを第1のオペレータ118aの第1のオペレータステーション106aに運ぶように指示し得る。コマンドは、輸送車両108が、輸送車両108の現在の位置から、識別された収納ユニットの位置へ、その後第1のオペレータステーション106aの位置へ到達するためのナビゲーション情報を含み得る。言い換えれば、ナビゲーション情報は、識別された収納ユニットが輸送車両108によって取り出された後に、第1のオペレータステーション106aに到達するための最適経路を定義し得る。いくつかの実施形態では、最適経路は、輸送車両108によってトラバースされる必要がある様々な基準マーカー(またはGPS座標)によって特徴付けられる。言い換えれば、最適経路は、識別された収納ユニットの取出し後に、現在の位置から第1のオペレータステーション106aに到達するために、輸送車両108によってトラバースすべき一連の基準マーカーによって定義される。ナビゲーション情報は、輸送車両108によって運ばれる識別された収納ユニットの識別子(例えば、ラックマーカー)をさらに含み得る。CS110はさらに、第1のオペレータ118aの第1のオペレータ装置にコマンドを伝達して、第1のオペレータ118aに第1および第2の品物を識別された収納ユニット内に置くように指示し得る。コマンドはさらに、第1のオペレータ118aに第1および第2の品物を第1のオペレータステーション106aの第1のPPSから取り出すように指示し得る。識別された収納ユニットを運んでいる輸送車両108が第1のオペレータステーション106aに到着すると、第1のオペレータ118aは第1および第2の品物を第1のPPSから取り出し、その第1および第2の品物を識別された収納ユニットのオペレーションゾーン内に置き得る。他の実施形態では、CS110は、基準マーカーの代わりに、GPSベースのナビゲーションまたは他の位置確認技術に基づくナビゲーションを採用して、輸送車両108が保管施設102をトラバースするのを可能にし得る。
【0035】
図2Aは、本開示の一実施形態に従った、保管施設102内の第1の収納ユニット202の前面図200Aを示すブロック図である。図2Aに示されるように、第1の収納ユニット202は高さ「h1」であり、在庫品を保管するための第1~第4の棚204~210を含む。第1、第3、および第4の棚204、208、および210はそれぞれ、第1~第3のパーティション212~216を含む。示されている第1の収納ユニット202は模範に過ぎないこと、および第1の収納ユニット202は本開示の範囲から逸脱することなく任意の形状またはサイズであり得ることが当業者には明らかであろう。非限定的例では、第1の収納ユニット202は、第1のラック114aを部分的に構成する。第1の収納ユニット202は空であることが示されているが、当業者は、第1の収納ユニット202は任意の所望の量の品物で満たされ得ることを理解するであろう。
【0036】
図2Bは、本開示の一実施形態に従った、保管施設102内の第1のPPSの前面図200Bを示すブロック図である。以下、第1のPPSは「第1のPPS218」と指定される。図2Bに示されるように、第1のPPS218は高さ「h2」であり、在庫品を保管するための第1および第2のPPS棚220および222を含む。第1および第2のPPS棚220および222はそれぞれ、第1および第2のPPSパーティション224および226を含む。別の実施形態では、第1のPPS218はコンベヤシステムで補完され得る。示されている第1のPPS218は模範に過ぎないこと、および第1のPPS218は本開示の範囲から逸脱することなく任意の形状またはサイズであり得ることが当業者には明らかであろう。それぞれ第2および第3のオペレータステーション106bおよび106cと関連付けられた第2および第3のPPSは、第1のPPS218と機能的に同様であり得る。
【0037】
図3は、本開示の一実施形態に従った、第1の収納ユニット202を運搬する輸送車両108を例示するブロック図300である。輸送車両108は、CS110から受信したコマンドに基づいて、第1の収納ユニット202の位置に到達し、第1の収納ユニット202を運搬し得る。非限定的例では、第1の収納ユニット202は空である。図3に示されるように、輸送車両108の第1の接触板302が上げられて、第1の収納ユニット202を持ち上げる。第1の収納ユニット202は、輸送車両108によって、床面(以下、「床面228」と呼ばれる)から「h3」の高さだけ挙げられる。結果として、第1の収納ユニット202の上端は今や、床面228から「h4」の高さである。
【0038】
図4Aは、本開示の一実施形態に従った、収納ユニットのオペレーションゾーンを識別するための方法を説明する模範的なシナリオ400のブロック図である。シナリオ400は、第1の収納ユニット202、輸送車両108、およびCS110を伴う。
【0039】
CS110は、品物配置要求である、第1のサービス要求を、外部通信サーバーから受信し得る。第1のサービス要求に基づいて、CS110は、第1および第2の品物を保管エリア104内に配置する必要があると判断し得る。CS110は、保管エリア104内の複数の収納ユニットから、第1および第2の品物と関連付けられている収納ユニットの第1のセットを識別し得る。例えば、収納ユニットの第1のセットは、第1および第2の品物を保管するために割り当てられている収納ユニットを含み得る。別の例では、収納ユニットの第1のセットは、第1および第2の品物を保管するために現在利用可能であるような収納ユニットを含み得る。収納ユニットの第1のセットを識別した後、CS110は、第1および第2の品物を保管するために収納ユニットの第1のセットから1つ以上の収納ユニットを選択し得る。例えば、CS110は、第1の品物を保管するために1つの収納ユニットを、第2の品物を保管するために別の収納ユニットを選択し得る。別の例では、CS110は、第1および第2の品物の両方を保管するために単一の収納ユニットを選択し得る。便宜上、CS110は第1および第2の品物を保管するために第1の収納ユニット202を選択すると仮定する。以下、第1および第2の品物の第1の収納ユニット202内への配置は「第1のオペレーション」と呼ばれる。
【0040】
第1の収納ユニット202を選択した後、CS110は、第1の収納ユニット202の第1のオペレーションゾーン402aを識別する。第1のオペレーションゾーン402aは、第1および第2の品物が保管のために置かれる第1の収納ユニット202の領域である。CS110は、第1および第2の品物の品物特徴および/または第1の収納ユニット202の特徴に基づいて、第1のオペレーションゾーン402aを識別し得る。第1および第2の品物の品物特徴は、第1および第2の品物の寸法、第1および第2の品物の重量、または第1および第2の品物のタイプを含み得るが、それらに限定されない。第1の収納ユニット202の特徴は、第1の収納ユニット202内の棚の寸法、第1の収納ユニット202の各棚の床面228からの高さ、または第1の収納ユニット202の重心を含み得るが、それらに限定されない。第1および第2の品物のタイプは、例えば、電子機器、印刷媒体、消耗品等の品物のカテゴリに基づき得る。
【0041】
一例では、CS110は、第1の収納ユニット202の重心を許容範囲内に維持するために、第1の品物は、第1のパーティション212の左の第1の棚204の第1の部分上に置く必要があり、第2の品物は、第2のパーティション214の右の第3の棚208の第2の部分上に置く必要があることを識別し得る。かかるシナリオでは、CS110によって識別された第1のオペレーションゾーン402aは、第1および第2の部分を包含し得る。別の例では、CS110は、第1の棚204を除いて第1の収納ユニット202内の他の棚は、第1および第2の品物の重量およびサイズを収容するために適合しないことを識別し得る。このシナリオでは、CS110によって識別された第1のオペレーションゾーン402aは、第1の収納ユニット202の第1の棚204と上端との間の第1の収納ユニット202の領域を包含する(図4Aに示されるとおり)。CS110は、第1の品物は、第1のパーティション212の左の第1の棚204の部分上に保管され得、第2の品物は、第1のパーティション212の右の第1の棚204の別の部分上に置かれ得るとさらに判断し得る。第1のオペレーションゾーン402aは、長さ「d1」(すなわち、第1の棚204の長さ)および幅「d2」(すなわち、第1の棚204の幅)であり得る。第1の棚204は床面228から高さ「h5」であるので、第1のオペレーションゾーン402aは床面228から高さ「h5」である。
【0042】
CS110は、第1~第3のオペレータ118a~118cの各々に対して人間工学的スコアを決定するために第1のオペレーションゾーン402aを利用し得る。第1のオペレータ118aの人間工学的スコアの決定は、図8Aに関連して後で説明される。
【0043】
図4Bは、本開示の別の実施形態に従った、収納ユニットのオペレーションゾーンを識別するための方法を説明する模範的なシナリオ404のブロック図である。シナリオ404は、輸送車両108、CS110、第1の収納ユニット202、および第1の収納ユニット202内に保管された第3の品物406を伴う。
【0044】
模範的なシナリオ404では、CS110は、品物取出し要求である、第2のサービス要求を、外部通信サーバーから受信し得る。第2のサービス要求に基づいて、CS110は、品物注文を履行するために第3の品物406を保管エリア104から取り出すべきであると判断し得る。CS110は次いで、第3の品物406がその中に保管されている保管エリア104内の収納ユニットを識別し得る。1つの模範的なシナリオでは、保管施設102内の全ての収納ユニットのうち、第1の収納ユニット202だけがその中に保管された第3の品物406を有し得る。第3の品物406は、第2の棚206上に保管されている可能性がある。従って、CS110は、第1の収納ユニット202を識別して、第1の収納202を第2のサービス要求と関連付け得る。言い換えれば、CS110は、第3の品物406を取り出すために第1の収納ユニット202を識別し得る。CS110は次いで、第3の品物406を取り出すために第2のオペレーションゾーン402bを識別し得る。以下、第3の品物406の第2の棚206からの取出しは「第2のオペレーション」と呼ばれる。第2のオペレーションゾーン402bは、第2のオペレーションを実行すべき第1の収納ユニット202の領域を指す。言い換えれば、第2のオペレーションゾーン402bは、第3の品物406がそこから取り出される第1の収納ユニット202の領域である。CS110は、第3の品物406の品物特徴(例えば、第3の品物406の寸法および/または第3の品物406の重量)、および第3の品物406が現在保管されている位置に基づいて第2のオペレーションゾーン402bを識別し得る。第3の品物406は第1の収納ユニット202の第2の棚206上に保管されているので、第2のオペレーションゾーン402bは、第1の収納ユニット202の第2の棚206を包含し得る。第2のオペレーションゾーン402bは、長さ「d1」(すなわち、第2の棚206の長さ)および幅「d3」(すなわち、第2の棚206の幅)であり得る。さらに、第2の棚206は床面228から高さ「h6」であるので、第2のオペレーションゾーン402bは床面228から高さ「h6」である。
【0045】
図4Cは、本開示の別の実施形態に従った、収納ユニットのオペレーションゾーンを識別するための方法を説明する模範的なシナリオ408のブロック図である。シナリオ408は、輸送車両108、CS110、および第1の収納ユニット202を伴う。
【0046】
CS110は、品物配置要求である、第3のサービス要求を、外部通信サーバーから受信し得る。第3のサービス要求に基づいて、CS110は、第4の品物を保管エリア104内に配置する必要があると判断し得る。CS110は、保管エリア104内の複数の収納ユニットから、第4の品物と関連付けられている収納ユニットの第2のセットを識別し得る。収納ユニットの第2のセットを識別した後、CS110は、第4の品物を保管するために収納ユニットの第2のセットから1つの収納ユニットを選択し得る。非限定的例では、CS110は、第4の品物を保管するために第1の収納ユニット202を選択すると仮定される。以下、第4の品物の第1の収納ユニット202内への配置は「第3のオペレーション」と呼ばれる。CS110は、第4の品物の品物特徴および第1の収納ユニット202の特徴に基づいて、第3のオペレーションを実行するために第3のオペレーションゾーン402cを識別し得る。1つの模範的なシナリオでは、CS110は、第1の収納ユニット202の重心を維持するために、第4の品物は、第3のパーティション216の右の第4の棚210の部分上に保管され得ると判断し得る。かかるシナリオでは、第3のオペレーションゾーン402cは、第4の棚210と第3の棚208との間に位置し得、第3のパーティション216の右の第4の棚210の部分を包含し得る。第3のオペレーションゾーン402cは、長さ「d4」(すなわち、第1の収納ユニット202の第3のパーティション216と右側壁との間の距離)および幅「d5」(すなわち、第4の棚210の幅)であり得る。第4の棚210は床面228から「h7」の高さであるので、第3のオペレーションゾーン402cは床面228から「h7」の高さである。
【0047】
従って、CS110は、異なるサービス要求(例えば、第1~第3のサービス要求)に対して、対応するサービス要求と関連付けられた品物の品物特徴および対応するサービス要求に対してCS110によって識別された収納ユニットの特徴に基づき、異なるオペレーションゾーン(例えば、第1~第3のオペレーションゾーン402a~402c)を識別し得る。
【0048】
図5Aは、本開示の一実施形態に従い、第1の時間インスタンスにおいて(すなわち、t=tにおいて)CS110で保持された、第1~第3のオペレータ118a~118cの情報を示す模範的なテーブル500Aである。テーブル500Aは、第1~第6の列502a~502f(以下、第1~第6の列502a~502fは「列502a~502f」と呼ばれる)および第1~第3の行504a~504c(以下、第1~第3の行504a~504cは「行504a~504c」と呼ばれる)を含む。
【0049】
テーブル500Aは、CS110のメモリ内に格納され得る。テーブル500Aは、保管施設102内の様々なオペレータ(例えば、第1~第3のオペレータ118a~118c)のオペレータ名および身体的特徴を示す。列502a~502fは、第1~第3のオペレータ118a~118cのオペレータ名、年齢、性別、身長、現在の疲労度(すなわち、t=tにおける疲労度)、および医学的状態(すなわち、t=tにおける医学的状態)を示す。行504aは、「John Doe」という名前の第1のオペレータ118aは24歳の男性で、身長1.9メートル(m)であることを示す。行504aはさらに、第1のオペレータ118a「John Doe」は現在の疲労度「1」を有していて、健康であることを示す。行504bは、「Jane Doe」という名前の第2のオペレータ118bは43歳の女性で、身長1.6mであることを示す。行504bはさらに、第2のオペレータ118b「Jane Doe」は現在の疲労度「1」を有していて、健康であることを示す。行504cは、「Mark Smith」という名前の第3のオペレータ118cは59歳の男性で、身長1.4mであることを示す。行504cはさらに、第3のオペレータ118c「Mark Smith」は現在の疲労度「1」を有していて、健康であることを示す。
【0050】
テーブル500Aは、各オペレータ118a~118cに関して静的情報および動的情報の両方を示す。静的情報は、一定であるような第1~第3のオペレータ118a~118cの特徴を表して、列502a~502dを含み、他方、動的情報は、時間と共に変化するような第1~第3のオペレータ118a~118cの特徴を表して、列502eおよび502fを含む。テーブル500A内に含まれる動的情報は、第1の時間インスタンス(すなわち、t=t)に対応する。1つの模範的なシナリオでは、第1の時間インスタンス(すなわち、t=t)は、保管施設102内の第1~第3のオペレータ118a~118cの勤務シフトの開始時間であり得る。CS110は、指定の期間内に各オペレータ118a~118cによって実行されたオペレーション数、各オペレータ118a~118cからのフィードバック、各オペレータ118a~118cのジェスチャ認識、または同様のものに基づいて、第1~第3のオペレータ118a~118cの現在の疲労度を決定し得る。
【0051】
1つの模範的なシナリオでは、CS110は、第1~第3のオペレータ118a~118cの疲労度およびフィードバックと第1~第3のオペレータ118a~118cのジェスチャとの間のマッピングを示す情報を、CS110のメモリ内に格納している可能性がある。CS110は、指定の期間内に第1のオペレータ118aによって実行されたオペレーション数を判断し得、第1のオペレータ118aのジェスチャをライブカメラフィードで記録し得る。CS110はさらに、第1のオペレータ118aが、現在の疲労度(すなわち、フィードバック)を第1のオペレータ118aの第1のオペレータ装置の第1の画面上に表示され得る疲労度のリストから手動で選択することを要求し得る。記録されたジェスチャおよび受信したフィードバックに基づいて、CS110は、第1のオペレータ118aの現在の疲労度を決定し得る。例えば、CS110は、CS110が記録されたジェスチャをCS110のメモリ内に格納され得る標準ジェスチャと照合するのを可能にするジェスチャ認証ソフトウェアを採用し得る。標準ジェスチャは、様々な疲労度を示す既知のジェスチャ(例えば、前かがみ等)である。例えば、オペレータが前かがみになり始めるとオペレータは疲れていると見なされる。記録されたジェスチャと標準ジェスチャの1つが一致すると、CS110は、第1のオペレータ118aの現在の疲労度を決定するのが可能になり得る。非限定的例では、各オペレータ118a~118cの現在の疲労度は「1~10」の範囲内であり得、「1」は最も低い疲労度を示し、「10」は極度の疲労を示す。テーブル500Aに示されるとおり、第1の時間インスタンスにおける(すなわち、t=tにおける)各オペレータ118a~118cの疲労度は「1」である。各オペレータ118a~118cの疲労度は勤務シフトが進むにつれて変化し得る。従って、CS110は、テーブル500A内の各オペレータ118a~118cの疲労度を更新するために、各オペレータ118a~118cによって指定の期間内に実行されたオペレーション数を定期的に判断し、各オペレータ118a~118cのジェスチャを記録し得る。
【0052】
疲労度は、現在の疲労度を推測するために様々なアルゴリズムが適用され得る様々な他の要因にさらに依存し得る。一例では、疲労度の決定は、オペレータの実績を時刻、勤務時間数または環境条件に対して動的にプロットすることによって実行され得る。別の例では、疲労度は外部条件の1つ以上の既知の値を式に入れることによって決定されるか、または遡って追跡され得る。他の例では、疲労度は、同様の人口動態労働力に対して、休憩のない勤務時間数だけに対する実績のベンチマークを含み得る。疲労度はさらに、その日、またはオペレータが具合の悪い日の間の、オペレータの実績の変化を考慮に入れ得る。
【0053】
CS110は、医学的状態(例えば、「健康」または「体調不良」)のリストを各オペレータ装置上に表示して、対応するオペレータ118a~118cに対応する医学的状態およびその医学的状態を正当化する理由を選択するように要求し得る。テーブル500Aに示されるとおり、第1~第3のオペレータ118a~118cは健康である。別の実施形態では、1つ以上の生体認証センサー(例えば、心拍数モニター、血圧モニター、体温モニター、呼吸数モニター、または同様のもの)が、各オペレータ118a~118cの医学的状態および疲労度を検出するために利用され得る。テーブル500Aは模範に過ぎず、別の実施形態では、例えば、各オペレータ118a~118cの「力のレベル」等の追加の情報を含み得ることが当業者には明らかであろう。
【0054】
図5Bは、本開示の一実施形態に従い、第2の時間インスタンスにおいて(すなわち、t=tにおいて)CS110で保持された、第1~第3のオペレータ118a~118cの更新情報を示すテーブル500Bである。テーブル500Bは、列502a~502fおよび行504a~504cを含む。第2の時間インスタンス(すなわち、t=t)は、勤務シフト中のt=tにおける第1の時間インスタンスの後の、任意の時間インスタンスであり得る。
【0055】
列502a~502dは、第1~第3のオペレータ118a~118cの静的情報を示すので、テーブル500Bの列502a~502d内の値はテーブル500Aの列502a~502d内の値と同じである。列502eは、時間の関数である、第1~第3のオペレータ118a~118cの動的情報を示す。従って、テーブル500Bの列502e内の値は、テーブル500Aの列502e内の値と異なる。例えば、t=tにおいて、CS110は、第1~第3のオペレータ118a~118cの疲労度はそれぞれ、「7」、「2」、および「4」であると決定し得、それらはt=tにおける第1~第3のオペレータの疲労度と異なる。列502fも第1~第3のオペレータ118a~118cの動的情報を示す。従って、テーブル500Bの行504bによって示される第2のオペレータ118bの医学的状態は、テーブル500Aの行504bによって示される第2のオペレータ118bの医学的状態とは異なる。CS110は、各オペレータ118a~118cが対応するオペレータ装置を用いて対応する医学的状態を報告するのを可能にし得る。例えば、第2の時間インスタンス(すなわち、t=t)において、第2のオペレータ118bは、第2のオペレータ118bのタスクにとって悪影響を及ぼす医学的状態(例えば、関節痛)を対応するオペレータ装置を用いて報告し得る。従って、第2の時間インスタンス(すなわち、t=t)において、CS110は、テーブル500B内の第2のオペレータ118b(すなわち、Jane Doe)の医学的状態を更新して、第2のオペレータ118bは「体調不良」であることを示し得る。テーブル500Bにさらに示されるとおり、第1および第3のオペレータ118aおよび118cは、第2の時間インスタンス(すなわち、t=t)において「健康」である。言い換えれば、第1および第2のオペレータ118aおよび118cの医学的状態は、第1と第2の時間インスタンスの間で変わらないままである。疲労度および医学的状態は2つの異なる動的パラメータであることが当業者には明らかであろう。例えば、任意の所与の時点において、オペレータは、疲れていない(すなわち、疲労度は「1」であり得る)にもかかわらず、体調不良の可能性がある。同様に、別のオペレータは、健康であっても、非常に高い疲労度、例えば、「8」を有し得る。
【0056】
CS110は、テーブル500Aおよびテーブル500Bを利用して、それぞれ第1および第2の時間インスタンスにおける第1~第3のオペレータ118a~118cの活動ゾーンを決定し得る。活動ゾーンの決定は、図6A図6Cに関連して詳細に説明される。
【0057】
図6Aは、本開示の一実施形態に従い、第1のオペレータ118aの第1の活動ゾーン602を決定するための方法を説明する模範的なシナリオ600のブロック図である。シナリオ600は、CS110、輸送車両108、第1の収納ユニット202、および第1のオペレータ118aを伴う。
【0058】
CS110は、第1および第2の品物を保管施設102内に保管するための第1のサービス要求を受信している可能性があり、CS110は、第1および第2の品物を保管するために第1の収納ユニット202を選択している可能性がある(図4Aで説明されているとおり)。CS110は、第1のサービス要求に対して、各オペレータ118a~118cの活動ゾーンを決定するようにさらに構成され得る。言い換えれば、CS110は、第1のオペレーション(すなわち、第1および第2の品物を第1の収納ユニット202内に置くこと)を実行するために、各オペレータ118a~118cの活動ゾーンを決定するように構成され得る。
【0059】
第1の収納ユニット202に対応する第1のオペレータ118aに対して第1の活動ゾーン602を決定するために、CS110は、第1および第2の品物の品物特徴(例えば、重量、寸法、またはタイプ)、現在の時間インスタンスにおける第1のオペレータ118aの身体的特徴、第1のオペレータ118aに割り当てられた第1のPPS218の特徴、第1のオペレータ118aの履歴データ、または同様のものに関する情報を取得し得る。一例では、CS110は、第1および第2の品物の品物特徴を取得するためにCS110のメモリ内に格納された在庫保管データを参照し得る。別の例では、第1のサービス要求は、第1および第2の品物の品物特徴を含み得る。CS110は、現在の時間インスタンスに対してCS110のメモリ内に格納されたオペレータ118a~118cの情報を取得し得る。非限定的例では、現在の時間インスタンスはt=tであると仮定され、従って、CS110は、第1のオペレータ118aの身体的特徴に関する情報を取得するために、CS110のメモリ内に格納されたテーブル500Aを参照する。CS110は、第1のPPS218の特徴(例えば、第1のPPS218の寸法、第1および第2のPPS棚220および222の寸法、第1および第2のPPS棚220および222の床面228からの高さ)に関する情報をCS110のメモリからさらに取得し得る。第1のオペレータ118a履歴データは、CS110のメモリから取得され得る。第1のオペレータ118a履歴データは、第1のオペレータ118aに対するオペレーションの好ましい領域(すなわち、最大効率と関連付けられた第1の収納ユニット202の領域)、第1のオペレータ118aに対するオペレーションの好ましくない領域(すなわち、最小効率と関連付けられた第1の収納ユニット202の領域)、第1のオペレータ118aの作業の好み、または同様のものなどであるが、それらに限定されない、情報を示し得る。1つの模範的なシナリオでは、第1のオペレータ118aは第1のプラットフォームを保有して、第1の収納ユニット202へのアクセスを向上させ得る。言い換えれば、第1のプラットフォームは、第1のオペレータ118aの身長を増強し得る。かかるシナリオでは、CS110は第1のプラットフォームの特徴(例えば、第1のプラットフォームの高さ)に関する情報もCS110のメモリから取り出し得る。
【0060】
テーブル500Aによって示される第1のオペレータ118aの身長に基づいて、CS110は、第1のオペレータ118aの第1の到達ゾーンをさらに決定し得る。第1の到達ゾーンは、第1のオペレータ118aによって支障なくアクセスされ得る第1の収納ユニット202の領域を示し得る。言い換えれば、第1のオペレータ118aの第1の到達ゾーンは、第1のオペレータ118aと関連付けられた静的情報(例えば、年齢、性別、および身長)の関数である。このシナリオでは、第1のオペレータ118aの第1の到達ゾーンは、第1の収納ユニット202の第1~第4の棚204~210を包含し得る。第1の活動ゾーン602は、第1のオペレータ118aの履歴データ、第1の到達ゾーン、第1のオペレータ118aと関連付けられた動的情報、第1および第2の品物の品物特徴、第1のPPS218の特徴、または同様のものの関数であり得る。図6Aに示されるとおり、CS110によって決定された第1の活動ゾーン602は、第1の収納ユニット202の第1~第3の棚204~208を包含する。第1の活動ゾーン602は例示を目的として示されており、本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではないことが当業者には明らかであろう。
【0061】
別の例では、第1のオペレータ118aの現在の疲労度が「1」(すなわち、最も低い疲労度)で、第1のオペレータ118aが健康である場合、第1の活動ゾーン602は第1の到達ゾーンと同じであり得る。別の例では、第1のオペレータ118aの現在の疲労度が「7」である場合、第1の活動ゾーン602は第1の到達ゾーンよりも小さい可能性があり、第1のオペレータ118aが第1の閾値レベルを下回って腰を曲げることを要求されないような第1の収納ユニット202の領域内にあり得る。別の例では、第1および第2の品物が重たい場合、第1の活動ゾーン602は第1の到達ゾーンよりも小さい可能性があり、第1のオペレータ118aが第2の閾値レベルを下回って腰を曲げることを要求されないか、または第1および第2の品物を第3の閾値レベルを上回って持ち上げることを要求されないような第1の収納ユニット202の領域内にあり得る。別の例では、第1のオペレータ118aは現在の疲労度を「5」として有し得、第1および第2の品物は第2のPPS棚222に保持され得る。かかるシナリオでは、CS110は、第1の活動ゾーン602が、第2のPPS棚222の床面228からの高さに類似した高さになるような方法で、第1の活動ゾーン602を決定し得る。言い換えれば、第1の活動ゾーン602は、第1および第2の品物の重量、第1のオペレータ118aの現在の疲労度、ならびに第1のオペレータ118aの医学的状態と負の相関を有し得る。従って、第1の活動ゾーン602のサイズは、配置されるか、もしくは取り出される品物の重量および/もしくはサイズにおける増加、第1のオペレータ118aの現在の疲労度における上昇、ならびに/または第1のオペレータ118aによって実行される任意のオペレーションを妨げ得る第1のオペレータ118aの任意の医学的状態によって悪影響を受け得る。前述の例は説明目的であり、本開示の範囲を制限すると解釈されるべきではないことが当業者には明らかであろう。
【0062】
図6Bは、本開示の一実施形態に従い、第2のオペレータ118bの第2の活動ゾーン606を決定するための方法を説明する模範的なシナリオ604のブロック図である。模範的なシナリオ604は、輸送車両108、CS110、第1の収納ユニット202、および第2のオペレータ118bを伴う。模範的なシナリオ604は、第1の時間インスタンスにおいて(すなわち、t=t0において)第1のオペレーション(すなわち、第1および第2の品物を第1の収納ユニット202内に配置すること)を実行するためにCS110によって決定された第2のオペレータ118bの第2の活動ゾーン606を例示する。
【0063】
CS110は、第2のオペレータ118bの履歴データ、第2のオペレータ118bの第2の到達ゾーン、第2のオペレータ118bと関連付けられた動的情報、第1および第2の品物の品物特徴、第2のPPSの特徴、または同様のものに基づいて、第2の活動ゾーン606を決定し得る。非限定的例では、CS110によって決定された第2の活動ゾーン606は、第1の収納ユニット202の第2および第3の棚206および208を包含し得る。CS110は、図6Aで説明されている第1の活動ゾーン602の決定と同様の方法で、第2の活動ゾーン606を決定し得ることが当業者には明らかであろう。さらに、第1のオペレータ118aの第1の活動ゾーン602とは異なり、第2の活動ゾーン606は第1の収納ユニット202の第1の棚204を包含しない可能性がある。
【0064】
図6Cは、本開示の一実施形態に従い、第3のオペレータ118cの第3の活動ゾーン610を決定するための方法を説明する模範的なシナリオ608のブロック図である。模範的なシナリオ608は、輸送車両108、CS110、第1の収納ユニット202、および第3のオペレータ118cを伴う。模範的なシナリオ608は、第1の時間インスタンスにおいて(すなわち、t=t0において)第1のオペレーション(すなわち、第1および第2の品物を第1の収納ユニット202内に配置すること)を実行するためにCS110によって決定された第3のオペレータ118cの第3の活動ゾーン610を例示する。
【0065】
CS110は、第3のオペレータ118cの履歴データ、第3のオペレータ118cの第3の到達ゾーン、第3のオペレータ118cと関連付けられた動的情報、第1および第2の品物の品物特徴、第3のPPSの特徴、または同様のものに基づいて、第3の活動ゾーン610を決定し得る。非限定的例では、CS110によって決定された第3の活動ゾーン610は、第1の収納ユニット202の第3および第4の棚208および210を包含し得る。CS110は、図6Aおよび図6Bで説明されている第1および第2の活動ゾーン602および606の決定と同様の方法で、第3の活動ゾーン610を決定し得ることが当業者には明らかであろう。さらに、第1のオペレータ118aの第1の活動ゾーン602とは異なり、第3の活動ゾーン610は第1および第2の棚204および206を包含しない可能性がある。
【0066】
従って、同じオペレーション(例えば、第1のオペレーション)に対して、活動ゾーン(例えば、第1~第3の活動ゾーン602、606、および610)は異なるオペレータ(例えば、第1~第3のオペレータ118a~118c)に対して異なり得、対応するオペレータの身体的特徴に基づく(図6A図6Cに示されるとおり)。
【0067】
図7は、本開示の一実施形態に従った、保管施設102内のオペレータの活動ゾーンと疲労度との間の関係を示す模範的なシナリオ700のブロック図である。模範的なシナリオ700は、輸送車両108および第1の収納ユニット202を伴う。CS110は、第1および第2の品物を保管施設102内に保管するための第1のサービス要求を受信し得る。第1のサービス要求に基づいて、CS110は、第1および第2の品物を保管するために第1の収納ユニット202を選択し得る。
【0068】
第1のサービス要求が第1の時間インスタンスにおいて(すなわち、t=t0において)受信されて、第1のオペレータ118aの現在の疲労度が「1」であるシナリオでは、CS110によって決定された第1の活動ゾーン602は第1~第3の棚204~208を包含し得る。
【0069】
別のシナリオでは、第1のサービス要求は、第2の時間インスタンスにおいて(すなわち、t=tにおいて)受信され得る。保管施設102内での勤務に起因して、第1のオペレータ118aの現在の疲労度は第2の時間インスタンス(すなわち、t=t)において「1」が「7」に上昇している可能性がある。従って、CS110が、第1のサービス要求に対して第2の時間インスタンス(すなわち、t=t)における第1の活動ゾーン702を決定する場合、第1の活動ゾーン702は、第1および第2の棚204および206を包含し得る。第2の時間インスタンス(すなわち、t=t)における第1の活動ゾーン702は、第1のオペレータ118aの現在の疲労度が第2の時間インスタンス(すなわち、t=t)においてより高いので、第1の時間インスタンス(すなわち、t=t)における第1の活動ゾーン602よりも小さい。第3および第4の棚208および210に手を伸ばすことは、第1のオペレータ118aが過度に腰を曲げることを伴い得、既に現在の疲労度「7」を有している、第1のオペレータ118aに不快感を引き起こし得るので、第2の時間インスタンス(すなわち、t=t)における第1の活動ゾーン702は、第3および第4の棚208および210を包含しない。
【0070】
別のシナリオでは、第1のサービス要求は第3の時間インスタンスにおいて(すなわち、t=tにおいて)受信され得る。第3の時間インスタンス(すなわち、t=t)は、第2の時間インスタンス(すなわち、t=t)の後であり得、第3の時間インスタンスにおける(すなわち、t=tにおける)第1のオペレータ118aの現在の疲労度は「7」よりも大きい可能性がある。従って、CS110が、第1のサービス要求に対して第3の時間インスタンスにおける(すなわち、t=tにおける)第1の活動ゾーン704を決定する場合、第1の活動ゾーン704は、第2の棚206だけを包含し得る。前述のとおり、第1の活動ゾーン(例えば、第1の活動ゾーン602、702、および704)は、第1のオペレータ118aの現在の疲労度と負の相関を有し、第1のオペレータ118aの現在の疲労度が変化するにつれて勤務シフトを通して変わり得る。前述の模範的なシナリオは説明目的であり、本開示の範囲を制限すると解釈されるべきではないことが当業者には明らかであろう。
【0071】
図8Aは、本開示の一実施形態に従い、保管施設102内でオペレーションを実行するために収納ユニットをオペレータに割り当てるための方法を説明する模範的なシナリオ800のブロック図である。模範的なシナリオ800は、輸送車両108、CS110、および第1の収納ユニット202を伴う。図8Aは、図4A、および図6A図6Cと関連して説明される。
【0072】
第1のサービス要求に対する第1のオペレーションゾーンおよび第1~第3のオペレータ118a~118cの第1~第3の活動ゾーン602、606および610をそれぞれ決定した後、CS110は第1のオペレーションを実行するために第1~第3のオペレータ118a~118cに対して第1~第3の人間工学的スコアを決定し得る。模範的なシナリオ800は、第1のオペレーション(すなわち、第1および第2の品物を第1の収納ユニット202内に配置すること)を実行するための第1のオペレータ118aに対する第1の人間工学的スコアの決定を例示する。
【0073】
第1の人間工学的スコアを決定するために、CS110は第1のオペレーションゾーン402aと第1の活動ゾーン602との間の重なりを識別し得る。図8Aでは、第1のオペレーションゾーン402aと第1の活動ゾーン602との間の重なりは、陰影部によって示されている。第1のオペレーションゾーン402aは第1の活動ゾーン602内に含まれているので、第1のオペレーションゾーン402aと第1の活動ゾーン602との間の重なりは「100%」である。非限定的例では、第1の人間工学的スコアは絶対数として表され得る。別の実施形態では、第1の人間工学的スコアは百分率として表され得、第1のオペレーションゾーン402aと第1の活動ゾーン602との間の重なりに等しい可能性がある。例えば、人間工学的スコアに対して定義された範囲が「0~100」の場合、CS110は、第1のオペレーションゾーン402aと第1の活動ゾーン602との間の「100%」の重なりに基づいて、第1の人間工学的スコアは「100」に等しいと決定し得る。第1の人間工学的スコアの決定は、第1のオペレータ118aの現在の疲労度によって決まる第1の活動ゾーン602に基づくので、第1の人間工学的スコアは本質的に動的であり、勤務シフトが進むにつれて変わり得ることが当業者には明らかであろう。別の実施形態では、人間工学的スコアはカテゴリのセットの特定のカテゴリ(例えば、「カテゴリA」、「カテゴリB」「カテゴリC」、または「カテゴリD」)として表され得る。カテゴリのセット内の各カテゴリは、第1のオペレーションゾーン402aと第1の活動ゾーン602との間の重なりの程度に対応し得る。例えば、「カテゴリA」は、第1のオペレーションゾーン402aと第1の活動ゾーン602との間の「0~25%」の重なりに対応し得る。「カテゴリB」は、第1のオペレーションゾーン402aと第1の活動ゾーン602との間の「26~50%」の重なりに対応し得る。同様に、「カテゴリC」は、「51~75%」の重なりに対応し得、「カテゴリD」は、「76~100%」の重なりに対応し得る。従って、第1のオペレーションゾーン402aと第1の活動ゾーン602との間の重なりが「100%」である、1つのシナリオでは、CS110は、第1の人間工学的スコアは「カテゴリD」に対応すると判断し得る。
【0074】
第1のオペレーションを実行するための第2および第3のオペレータ118bおよび118cに対する第2および第3の人間工学的スコアの決定は、第1の人間工学的スコアの決定に類似し得ることが当業者には明らかであろう。図6Bおよび図6Cに示されるとおり、第2および第3の活動ゾーン606および610は、第1の棚204を包含しない。それ故、CS110は、第2および第3の活動ゾーン606および610は、第1のオペレーションゾーン402aと重ならないことを識別し得、従って、CS110は、第2および第3の人間工学的スコアは「0」に等しいと判断し得る。
【0075】
第1、第2、および第3の人間工学的スコアに基づいて、CS110は、第1のオペレーション(すなわち、第1および第2の品物を第1の収納ユニット202内に配置すること)を実行するために第1の収納ユニット202を第1のオペレータ118aに割り当て得る。言い換えれば、第1のオペレータ118aは最も高い人間工学的スコアを有しているので、CS110は、第1のオペレーションを実行するために第1の収納ユニット202を第1のオペレータ118aに割り当て得る。その割当てに基づいて、CS110は、第1のオペレータ装置上の第1のオペレータ118aにコマンドを伝達して、第1のオペレータ118aに第1のオペレーションを実行するように指示し得る。さらに、CS110は、コマンドを輸送車両108に伝達して、輸送車両108に第1の収納ユニット202を第1のオペレータステーション106aに運搬するように指示し得る。
【0076】
図8Bは、本開示の別の実施形態に従い、保管施設102内でオペレーションを実行するために収納ユニットをオペレータに割り当てるための方法を説明する模範的なシナリオ802のブロック図である。シナリオ802は、輸送車両108、CS110、および第1の収納ユニット202を伴う。図8Bは、図4C、および図6A図6Cと関連して説明される。
【0077】
第3のサービス要求に対する第3のオペレーションゾーン402cおよび第1~第3のオペレータ118a~118cの第1~第3の活動ゾーン602、606および610をそれぞれ決定した後、CS110は第3のオペレーション(すなわち、第4の品物を第1の収納ユニット202内に配置すること)を実行するために第1~第3のオペレータ118a~118cに対して第4~第6の人間工学的スコアを決定し得る。第1の活動ゾーン602は第1のオペレーションゾーン402aを含んでいないので、第3のオペレーションゾーン402cと第1の活動ゾーン602との間の重なりは「0%」である。従って、人間工学的スコアの定義された範囲が「0~100」である場合、CS110は、第3のオペレーションゾーン402cと第1の活動ゾーン602との間の「0%」の重なりに基づいて、第1のオペレータ118aの第4の人間工学的スコアは「0」に等しいと判断し得る。図6Bに示されるとおり、第2の活動ゾーン606は第4の棚210を包含していない。それ故、CS110は、第2のオペレータ118bの第5の人間工学的スコアは「0」であると判断し得る。図6Cに示されるとおり、第3の活動ゾーン610は、第4の棚210を包含する。従って、第3の活動ゾーン610は第3のオペレーションゾーン402cを含む。言い換えれば、第3のオペレーションゾーン402cと第3の活動ゾーン610との間に「100%」の重なりがある。CS110は、第6の人間工学的スコアは第3のオペレーションゾーン402cと第3の活動ゾーン610との間の「100%」の重なりに基づいて、第6の人間工学的スコアは「100」に等しいと判断し得る。第4~第6の人間工学的スコアに基づいて、CS110は、第3のオペレーション(すなわち、第4の品物を第1の収納ユニット202の第3のオペレーションゾーン402c内に配置すること)を実行するために第1の収納ユニット202を第3のオペレータ118cに割り当て得る。その割当てに基づいて、CS110は、第3のオペレータ118cの第3のオペレータ装置上の第3のオペレータ118cにコマンドを伝達して、第3のオペレータ118cに第3のオペレーションを実行するように指示し得る。さらに、CS110は、コマンドを輸送車両108に伝達して、輸送車両108に第1の収納ユニット202を第3のオペレータステーション106cに運搬するように指示し得る。
【0078】
別の実施形態では、履歴データに基づいて、CS110は、将来、CS110により外部通信サーバーから受信され得るサービス要求を予測し得る。その予測に基づいて、CS110は、オペレーション(例えば、第1~第3のオペレーション)またはタスクの第1~第3のオペレータ118a~118cへの割当てを、各オペレータの平均疲労度が最小限にされて、保管施設102のスループットが最大限にされるような方法で、最適化し得る。
【0079】
図9は、本開示の一実施形態に従った、CS110を例示するブロック図である。CS110は、第1の通信バス908によって相互に通信するプロセッサ902、メモリ904、および送受信機906を含む。プロセッサ902は、第2の通信バス918によって相互に通信する在庫マネージャ910、要求ハンドラ912、レイアウトマネージャ914、および割当てマネージャ916を含む。CS110は説明目的であり、任意の特定の組合わせまたはハードウェア回路および/もしくはソフトウェアに限定されないことが当業者には明らかであろう。
【0080】
プロセッサ902は、在庫もしくは倉庫管理オペレーション、調達オペレーション、または同様のものなどの、様々なオペレーションを実行するための適切な論理、命令、回路、インタフェース、および/またはコードを含む。プロセッサ902の例は、特定用途向け集積回路(ASIC)プロセッサ、縮小命令セットコンピューティング(RISC)プロセッサ、複数命令セットコンピューティング(CISC)プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および同様のものを含み得るが、それらに限定されない。プロセッサ902は、保管施設102内の様々なオペレーション(例えば、第1~第3のオペレーション)を容易にするために、オペレーションゾーンおよび活動ゾーンの識別、人間工学的スコアの決定、ならびに収納ユニットの第1~第3のオペレータ118a~118cへの割当て(図4A図4C図6A図6C、および図8A図8Bの前述の説明で説明されるように)を実行するように構成され得る。
【0081】
メモリ904は、在庫リスト920、レイアウト情報922、在庫保管データ(以下、「在庫保管データ924」と呼ばれる)、輸送車両データ926、およびオペレータ情報928を格納するための適切な論理、命令、回路、インタフェース、および/またはコードを含む。メモリ904の例は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、取外し可能ストレージドライブ、ハードディスクドライブ(HDD)、フラッシュメモリ、ソリッドステートメモリ、および同様のものを含み得る。一実施形態では、メモリ904は、Microsoft(登録商標)SQL、Oracle(登録商標)、IBM DB2(登録商標)、Microsoft Access(登録商標)、PostgreSQL(登録商標)、MySQL(登録商標)およびSQLite(登録商標)などであるが、それらに限定されない、様々なデータベース技術を通して実現され得る。本開示の範囲は、本明細書で説明されるように、CS110内のメモリ904を実現することに限定されないことが当業者には明らかであろう。他の実施形態では、メモリ904は、本開示の範囲を逸脱することなく、CS110と共に動作する外部データベースサーバーまたはクラウドストレージの形で実現され得る。
【0082】
在庫リスト920は、保管施設102内に保管された在庫品のリストおよび保管施設102内に保管された各在庫品のユニット数を含む。レイアウト情報922は、保管施設102の仮想マップを含む。仮想マップは、基準マーカーの位置などの、保管施設102のレイアウトに関する情報を含み得る。レイアウト情報922は、基準マーカーと、ラック114およびラック114を構成する収納ユニット(例えば、第1の収納ユニット202)との間の関連付けをさらに含む。レイアウト情報922は、ラックマーカーに基づいて、ラック114および/または収納ユニット(例えば、第1の収納ユニット202)のリアルタイム位置を示す。レイアウト情報922は、保管施設102内の様々な経路のリアルタイムの経路可用性情報をさらに含む。例えば、レイアウト情報922は、1つ以上の経路(例えば、通路116)が保守のために閉鎖されていることを示し得る。
【0083】
在庫保管データ924は、在庫品と収納ユニットとの間の関連付けを示す。在庫保管データ924は、ラック114の各収納ユニット内に保管された在庫品の詳細を含む。前述で説明されるとおり、各収納ユニットおよび/または各ラック114はラックマーカーと関連付けられ得る。在庫保管データ924に基づいて、CS110は、収納ユニットおよびラック114内に保管された在庫品の保管位置を知っている。
【0084】
輸送車両データ926は、輸送車両108の詳細を示す。輸送車両108の詳細は、輸送車両108のサイズ、寸法、収容能力、最高および最低速度、または同様のものを含み得る。詳細は、輸送車両108と関連付けられた識別子(例えば、数値または英数字コード)、リアルタイム位置などのリアルタイム情報、輸送車両108が収納ユニット(例えば、第1の収納ユニット202)を運搬しているかどうかを示すインジケータ、収納ユニットの重量、または同様のものをさらに含み得る。オペレータ情報928は、保管施設102内のオペレータ(例えば、第1~第3のオペレータ118a~118c)の身体的特徴を示す。例えば、オペレータ情報928はテーブル500Aまたはテーブル500Bを含み得る。
【0085】
送受信機906は、1つ以上の通信プロトコルを使用し、通信ネットワーク112を経由してデータを送受信する。送受信機906は、様々な要求およびメッセージを輸送車両108およびオペレータステーション106に送信し、要求およびメッセージを輸送車両108およびオペレータステーション106から受信する。送受信機906の例は、アンテナ、無線周波数送受信機、無線送受信機、ブルートゥース送受信機、イーサネットベース送受信機、ユニバーサルシリアルバス(USB)送受信機、またはデータを送受信するように構成された任意の他の装置を含むが、それらに限定されない。
【0086】
プロセッサ902は、在庫マネージャ910、要求ハンドラ912、レイアウトマネージャ914、および割当てマネージャ916によって、在庫または倉庫管理オペレーションを実行する。在庫マネージャ910は、メモリ904内に格納された在庫リスト920を管理する。例えば、在庫マネージャ910は、新しい在庫品が保管エリア104内に保管されると新しい在庫品を在庫リスト920に追加し、保管エリア104内に保管された在庫品に関して変更があるとき(例えば、注文の履行のために品物が収納ユニットから取り出されるとき)にはすぐに在庫リスト920を更新する。
【0087】
要求ハンドラ912は、外部通信サーバーから受信した全てのサービス要求(例えば、第1~第3のサービス要求)を処理する。要求ハンドラ912は、外部通信サーバーから受信したサービス要求に基づいて、そのサービス要求に関する在庫品を識別する。要求ハンドラ912は、要求と関連付けられた在庫品を保管する収納ユニットをさらに識別する。一実施形態では、要求ハンドラ912は、様々なサービス要求(例えば、第1および第2のサービス要求)を併合してサービス要求の履行を最適化する。
【0088】
レイアウトマネージャ914は、レイアウト情報922を管理する。例えば、保管施設102のレイアウトに変更(例えば、ラック114または収納ユニットの配列における変更)がある場合、レイアウトマネージャ914はレイアウトにおける変更に基づいてレイアウト情報922を更新する。割当てマネージャ916は、受信したサービス要求に基づいてオペレーションゾーン(例えば、第1~第3のオペレーションゾーン402a~402c)を識別する。さらに、割当てマネージャ916は保管施設102内のオペレータ(例えば、第1~第3のオペレータ118a~118c)の活動ゾーン(例えば、第1~第3の活動ゾーン602、606、および610)を識別する。割当てマネージャ916は、第1~第3のオペレータ118a~118cの人間工学的スコア(例えば、第1~第3の人間工学的スコア)を決定して、人間工学的スコアに基づき、対応するオペレーションを実行するために収納ユニットを第1~第3のオペレータ118a~118cに割り当てる。割当てマネージャ916はさらに、前述で説明されるように、コマンドをオペレータ装置(例えば、第1のオペレータ装置)および輸送車両108に伝達し得る。
【0089】
プロセッサ902は図9ではハードウェア構成要素として示されているが、当業者は、本開示の範囲はプロセッサ902をハードウェア構成要素として実現することに限定されていないことを理解するであろう。別の実施形態では、プロセッサ902の機能は、本開示の精神から逸脱することなく、メモリ904内に格納されたコンピュータ実行可能コードまたはコンピュータ可読命令のセットによって実装され得る。
【0090】
図10は、本開示の一実施形態に従った、コンピュータシステム1000のシステムアーキテクチャを例示するブロック図である。本開示の一実施形態、またはその部分は、コンピュータシステム1000上のコンピュータ実行可能コードとして実装され得る。一例では、オペレータステーション106および輸送車両108は、コンピュータシステム1000内で実装され得る。ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの任意の組合わせが、図11A図11Bの方法を実装するために使用されるモジュールおよび構成要素を具現化し得る。コンピュータシステム1000は、通信インフラ1004に接続され得るプロセッサ1002を含む。コンピュータシステム1000は、主メモリ1006および二次メモリ1008をさらに含み得る。コンピュータシステム1000はさらに、入力/出力(I/O)インタフェース1010および通信インタフェース1012を含む。通信インタフェース1012は、コンピュータシステム1000と、コンピュータシステム1000に通信可能に結合されている様々な装置との間のデータ転送を可能にし得る。
【0091】
図11Aおよび図11Bは、本開示の一実施形態に従った、保管施設102内の1つ以上のオペレーションを容易にするための方法を例示する流れ図1100をまとめて表す。図11Aおよび図11Bは、図4A図4C図5A図5B図6A図6C図8A、および図8Bと関連して説明される。
【0092】
ステップ1102で、CS110は、オペレーション(例えば、第1のオペレーション)を実行するためのサービス要求(例えば、第1のサービス要求)を外部通信サーバーから受信する。ステップ1104で、CS110は、受信したサービス要求に関する品物(例えば、第1および第2の品物)を識別する。ステップ1106で、CS110は、サービス要求および在庫保管データ924に基づいて、保管施設102内の複数の収納ユニットから収納ユニット(例えば、第1の収納ユニット202)を識別する。ステップ1108で、CS110は、オペレーションを実行するために識別された収納ユニットのオペレーションゾーン(例えば、第1のオペレーションゾーン402a)を識別する。ステップ1110で、CS110は、各オペレータ118a~118cの活動ゾーン(例えば、第1~第3の活動ゾーン602、606、および610)を識別する(図6A図6Cの前述で説明されるとおり)。ステップ1112で、CS110は、オペレーションゾーン(例えば、第1のオペレーションゾーン402a)と各オペレータ118a~118cの活動ゾーン(例えば、第1~第3の活動ゾーン602、606、および610)との間の重なりを識別する。ステップ1114で、CS110は、オペレーションゾーン(例えば、第1のオペレーションゾーン402a)と対応する活動ゾーン(例えば、第1~第3の活動ゾーン602、606、および610)との間の重なりに基づいて、オペレーションを実行するために各オペレータ118a~118cに対して人間工学的スコアを決定する。ステップ1116で、CS110は、第1~第3のオペレータ118a~118cの決定された人間工学的スコアに基づいて、識別された収納ユニットを、そのオペレーションを実行するために最も高い人間工学的スコアを有するオペレータ(例えば、第1のオペレータ118a)に割り当てる。一例では、CS110は、識別された収納ユニットを、最も高い人間工学的スコアを有するオペレータに割り当て得る。ステップ1118で、CS110は、コマンドを第1のオペレータ装置に伝達して、第1のオペレータ118aにそのオペレーションを実行するように指示する。さらに、CS110は、識別された収納ユニットを、最も高い人間工学的スコアを有するオペレータのオペレータステーション(例えば、第1のオペレータステーション106a)に運搬するためのコマンドを輸送車両108に伝達する。
【0093】
CS110は、保管施設102内の様々なオペレーション(例えば、品物の配置または品物の取出し)を容易にする。CS110は、タスク(例えば、第1および第3のオペレーション)のオペレータ(例えば、第1~第3のオペレータ118a~118c)への最適な割当てを容易にする。タスクのオペレータへの最適な割当ては、保管施設102のスループットを向上させ、同時にオペレータの利便性を高めてオペレータによる身体労作を減らす。スループットの向上は、組織が所望のビジネス成果を達成する(例えば、保管施設から宛先への配送時間を短縮する)のも可能にし得る。本開示は、柔軟で拡張性があり、任意の数のオペレータ、収納ユニット、サービス要求、および/または輸送車両に対応できる。その上、本開示は、インフラのアップグレードを導入することなく、任意の既存の保管施設内に実装できる。
【0094】
開示された主題の実施形態は、マルチコアマルチプロセッサシステム、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、分散機能とリンクまたはクラスタ化されたコンピュータ、および仮想的に任意の装置に組み込まれ得るパーベイシブまたは小型コンピュータを含む、様々なコンピュータシステム構成で実施できることを当業者は理解するであろう。さらに、オペレーションは、逐次プロセスとして説明され得るが、オペレーションの一部は実際には、並行して、同時に、および/または分散環境で、単一もしくはマルチプロセッサマシンによるアクセスのためにローカルまたはリモートに格納されたプログラムコードで、実行され得る。加えて、いくつかの実施形態ではオペレーションの順序は、開示された主題の精神から逸脱することなく、再配置され得る。
【0095】
本開示と一致する技術は、他の特徴の中で特に、保管施設内の1つ以上のオペレーションを容易にするためのシステムおよび方法を提供する。開示されるシステムおよび方法の様々な模範的な実施形態が上で説明されてきたが、それらは、制限ではなく、例のみを目的として提示されていることが理解されるべきである。それは網羅的ではなく、本開示を開示される正確な形に限定しない。幅もしくは範囲から逸脱することなく、修正および変形が前述の教示の観点から可能であるか、または本開示の実施から取得され得る。
【0096】
本開示の様々な実施形態が例示されて説明されてきたが、本開示はこれらの実施形態だけに限定されないことは明らかであろう。クレーム内で説明されるとおり、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、多数の修正、変更、変形、置換、および同等物が、当業者には明らかであろう。
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
【国際調査報告】