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特表2022-542046セルラネットワークの基地局のための複数の同時帯域幅部分の帯域幅調整
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-29
(54)【発明の名称】セルラネットワークの基地局のための複数の同時帯域幅部分の帯域幅調整
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20220921BHJP
【FI】
H04W72/04 150
H04W72/04 132
H04W72/04 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022504050
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(85)【翻訳文提出日】2022-03-18
(86)【国際出願番号】 US2020042547
(87)【国際公開番号】W WO2021016084
(87)【国際公開日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】16/518,866
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521478407
【氏名又は名称】ディッシュ ワイヤレス エル.エル.シー.
【氏名又は名称原語表記】DISH WIRELESS L.L.C.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】バシラット ファルハド
(72)【発明者】
【氏名】ソロンド マリアム
(72)【発明者】
【氏名】ケヌモル シッダールタ
(72)【発明者】
【氏名】アラスティ メディ
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA12
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE66
(57)【要約】
基地局の帯域幅割当てを遷移するための様々な構成が提示される。4つの帯域幅部分が、基地局との通信のために定義されてもよい。所定の時に、それらの帯域幅部分のうちの2つが、基地局との通信のために異なるUEによる通信のためにアクティブに使用されてもよい。ネットワークトラフィックに応答して、帯域幅割当てを調整する決定がなされてもよい。一連の遷移は、干渉が発生しないように、それらの帯域幅部分のうちの第1の2つを帯域幅部分の第2の2つに移行するように実行されてもよい。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局によるユーザ機器の帯域幅割当てを遷移する方法であって、
セルラネットワークによって、前記セルラネットワークの前記基地局によるユーザ機器との通信のために使用される第1の帯域幅部分及び第2の帯域幅部分を定義することを含み、ここで、
前記第1の帯域幅部分及び前記第2の帯域幅部分は重ならず、
前記第2の帯域幅部分を使用した通信トラフィック量に基づいて、前記第1の帯域幅部分及び前記第2の帯域幅部分の帯域幅割当てを調整することを決定することと、
前記セルラネットワークによって、前記セルラネットワークの前記基地局によるユーザ機器との通信のために使用される第3の帯域幅部分及び第4の帯域幅部分を定義することとを含み、ここで、
前記第3の帯域幅部分及び前記第4の帯域幅部分は重ならず、
前記第4の帯域幅部分は前記第2の帯域幅部分よりも広い帯域幅を有し、
前記第3の帯域幅部分は前記第1の帯域幅部分よりも狭い帯域幅を有し、
前記セルラネットワークによって、前記第1の帯域幅部分を使用して前記基地局と通信しているユーザ機器の第1のセットの、前記第3の帯域幅部分への第1の遷移を実行することと、
前記第1の遷移後、前記第2の帯域幅部分を使用して前記基地局と通信しているユーザ機器の第2のセットの、前記第4の帯域幅部分への第2の遷移を実行することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の帯域幅部分及び前記第2の帯域幅部分を定義することは、第1の帯域幅部分定義及び第2の帯域幅部分定義を含む1つ又は複数のメッセージをユーザ機器の前記第1のセット及びユーザ機器の前記第2のセットに送信することを含む、請求項1に記載の基地局によるユーザ機器の帯域幅割当てを遷移する方法。
【請求項3】
前記第3の帯域幅部分及び前記第4の帯域幅部分に対する定義は、ユーザ機器の前記第1のセット及びユーザ機器の前記第2のセットに対して、前記1つ又は複数のメッセージの一部として送信される、請求項2に記載の基地局によるユーザ機器の帯域幅割当てを遷移する方法。
【請求項4】
前記帯域幅割当てを調整することを決定することは、前記通信トラフィック量を、事前に定義されたトラフィック閾値と比較することを含む、請求項1に記載の基地局によるユーザ機器の帯域幅割当てを遷移する方法。
【請求項5】
前記第1の帯域幅部分は、前記第2の帯域幅部分とは異なるサブキャリア間隔(SCS)を有する、請求項1に記載の基地局によるユーザ機器の帯域幅割当てを遷移する方法。
【請求項6】
前記第3の帯域幅部分は、前記第4の帯域幅部分とは異なるSCSを有する、請求項5に記載の基地局によるユーザ機器の帯域幅割当てを遷移する方法。
【請求項7】
前記第3の帯域幅部分は、前記第1の帯域幅部分と同一のSCSを有し、前記第4の帯域幅部分は前記第2の帯域幅部分と同一のSCSを有する、請求項6に記載の基地局によるユーザ機器の帯域幅割当てを遷移する方法。
【請求項8】
前記第4の帯域幅部分は、前記第1の帯域幅部分及び前記第2の帯域幅部分と重なる、請求項1に記載の基地局によるユーザ機器の帯域幅割当てを遷移する方法。
【請求項9】
第1の保護帯域が前記第1の帯域幅部分と前記第2の帯域幅部分との間に存在し、第2の保護帯域は前記第3の帯域幅部分と前記第4の帯域幅部分との間に存在する、請求項1に記載の基地局によるユーザ機器の帯域幅割当てを遷移する方法。
【請求項10】
前記第1の遷移が実行された後であるが、前記第2の遷移が実行される前に、拡大保護帯域が前記第2の帯域幅部分と前記第3の帯域幅部分との間に存在する、請求項9に記載の基地局によるユーザ機器の帯域幅割当てを遷移する方法。
【請求項11】
前記セルラネットワークは5G New Radio(NR)セルラネットワークであり、前記基地局はgNodeBである、請求項1に記載の基地局によるユーザ機器の帯域幅割当てを遷移する方法。
【請求項12】
前記第1の帯域幅部分は、前記第2の帯域幅部分よりも広い帯域幅を有する、請求項1に記載の基地局によるユーザ機器の帯域幅割当てを遷移する方法。
【請求項13】
ユーザ機器の帯域幅割当てを遷移するシステムであって、
セルラネットワークの一部として機能し、複数のユーザ機器(UE)と通信する基地局を含み、ここで、前記基地局は、
前記セルラネットワークの前記基地局によるユーザ機器との通信のために使用される第1の帯域幅部分及び第2の帯域幅部分を定義するように構成され、ここで、
前記第1の帯域幅部分及び前記第2の帯域幅部分は重ならず、
前記第2の帯域幅部分を使用した通信トラフィック量に基づいて、前記第1の帯域幅部分及び前記第2の帯域幅部分の帯域幅割当てを調整することを決定し、
前記セルラネットワークの前記基地局によるユーザ機器との通信のために使用される第3の帯域幅部分及び第4の帯域幅部分を定義するように構成され、ここで、
前記第3の帯域幅部分及び前記第4の帯域幅部分は重ならず、
前記第4の帯域幅部分は前記第2の帯域幅部分よりも広い帯域幅を有し、
前記第3の帯域幅部分は前記第1の帯域幅部分よりも狭い帯域幅を有し、
前記第1の帯域幅部分を使用して前記基地局と通信しているユーザ機器の第1のセットの、前記第3の帯域幅部分への第1の遷移を発生させ、
前記第1の遷移後、前記第2の帯域幅部分を使用して前記基地局と通信しているユーザ機器の第2のセットの、前記第4の帯域幅部分への第2の遷移を発生させる
ように構成された、システム。
【請求項14】
前記基地局が前記第1の帯域幅部分及び前記第2の帯域幅部分を定義するように構成されたことは、前記基地局が第1の帯域幅部分定義及び第2の帯域幅部分定義を含む1つ又は複数のメッセージをユーザ機器の前記第1のセット及びユーザ機器の前記第2のセットに送信するように構成されたことをさらに含む、請求項13に記載のユーザ機器の帯域幅割当てを遷移するシステム。
【請求項15】
前記第3の帯域幅部分及び前記第4の帯域幅部分に対する定義は、ユーザ機器の前記第1のセット及びユーザ機器の前記第2のセットに対して、前記1つ又は複数のメッセージの一部として送信される、請求項14に記載のユーザ機器の帯域幅割当てを遷移するシステム。
【請求項16】
前記基地局が前記帯域幅割当てを調整することを決定するように構成されたことは、前記基地局が前記通信トラフィック量を、事前に定義されたトラフィック閾値と比較するように構成されたことを含む、請求項13に記載のユーザ機器の帯域幅割当てを遷移するシステム。
【請求項17】
前記第1の帯域幅部分は、前記第2の帯域幅部分とは異なるサブキャリア間隔(SCS)を有する、請求項13に記載のユーザ機器の帯域幅割当てを遷移するシステム。
【請求項18】
前記第3の帯域幅部分は、前記第4の帯域幅部分とは異なるSCSを有する、請求項17に記載のユーザ機器の帯域幅割当てを遷移するシステム。
【請求項19】
前記第3の帯域幅部分は、前記第1の帯域幅部分と同一のSCSを有し、前記第4の帯域幅部分は前記第2の帯域幅部分と同一のSCSを有する、請求項18に記載のユーザ機器の帯域幅割当てを遷移するシステム。
【請求項20】
前記第4の帯域幅部分は、前記第1の帯域幅部分及び前記第2の帯域幅部分と重なる、請求項19に記載のユーザ機器の帯域幅割当てを遷移するシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願へのクロスリファレンス)
本出願は、2019年7月22日に出願された「BANDWIDTH ADJUSTMENT OF MULTIPLE CONCURRENT BANDWIDTH PARTS FOR A BASE STATION OF A CELLULAR NETWORK」という名称の米国特許出願第16/518,866号に対する利点及び優先権を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、本出願と同日に出願された「Multiple Concurrent Bandwidth Parts for a Base Station of a Cellular Network」という名称の米国特許出願第16/518,863号、弁理士ドケット番号P2019-04-02(1135558)に関連し、参照によりその全体の開示があらゆる目的で本明細書において組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
5Gセルラネットワーク基地局は、複数のサブキャリア間隔(SCS)をサポートし得る。より広いSCSは低レイテンシなどの特定の利点を有し得るが、より狭いSCSは、基地局がカバレッジをより大きい領域に広げることができるなどの他の利点を有し得る。さらに、UEの電池寿命は、UEと基地局との間の通信のために使用されている狭帯域幅及び狭SCSにより改善され得る。従来、単一の帯域幅部分(BWP)がUEとの通信のために使用された場合、それらの要素は妥協構成を決定するために、互いに重み付けされる場合がある。
【発明の概要】
【0004】
基地局によるユーザ機器の帯域幅割当てを遷移するための方法に関する様々な実施形態が説明される。いくつかの実施形態では、基地局によるユーザ機器の帯域幅割当てを遷移するための方法が説明される。方法は、セルラネットワークによって、セルラネットワークの基地局によるユーザ機器との通信のために使用される第1の帯域幅部分及び第2の帯域幅部分を定義することを含んでもよい。第1の帯域幅部分及び第2の帯域幅部分は重ならなくてもよい。方法は、第2の帯域幅部分を使用した通信トラフィック量に基づいて、第1の帯域幅部分及び第2の帯域幅部分の帯域幅割当てを調整することを決定することを含んでもよい。方法は、セルラネットワークによって、セルラネットワークの基地局によるユーザ機器との通信のために使用される第3の帯域幅部分及び第4の帯域幅部分を定義することを含んでもよい。第3の帯域幅部分及び第4の帯域幅部分は重ならなくてもよい。第4の帯域幅部分は第2の帯域幅部分よりも広い帯域幅を有してもよい。第3の帯域幅部分は第1の帯域幅部分よりも狭い帯域幅を有してもよい。方法は、セルラネットワークによって、第1の帯域幅部分を使用して基地局と通信しているユーザ機器の第1のセットの、第3の帯域幅部分への第1の遷移を実行することを含んでもよい。方法は、第1の遷移後、第2の帯域幅部分を使用して基地局と通信しているユーザ機器の第2のセットの、第4の帯域幅部分への第2の遷移を実行することを含んでもよい。
【0005】
そのような方法の実施形態は、以下の特徴の1つ又は複数を含んでもよい。第1の帯域幅部分及び第2の帯域幅部分を定義することは、第1の帯域幅部分定義及び第2の帯域幅部分定義を含み得る1つ又は複数のメッセージをユーザ機器の第1のセット及びユーザ機器の第2のセットに送信することを含んでもよい。第3の帯域幅部分及び第4の帯域幅部分に対する定義は、ユーザ機器の第1のセット及びユーザ機器の第2のセットに対して、1つ又は複数のメッセージの一部として送信されてもよい。帯域幅割当てを調整することを決定することは、通信トラフィック量を、事前に定義されたトラフィック閾値と比較することを含んでもよい。第1の帯域幅部分は、第2の帯域幅部分とは異なるサブキャリア間隔(SCS)を有してもよい。第3の帯域幅部分は、第4の帯域幅部分とは異なるSCSを有してもよい。第3の帯域幅部分は、第1の帯域幅部分と同一のSCSを有してもよく、第4の帯域幅部分は第2の帯域幅部分と同一のSCSを有してもよい。第4の帯域幅部分は、第1の帯域幅部分及び第2の帯域幅部分と重なってもよい。第1の保護帯域が第1の帯域幅部分と第2の帯域幅部分との間に存在してもよく、第2の保護帯域は第3の帯域幅部分と第4の帯域幅部分との間に存在してもよい。第1の遷移が実行された後であるが、第2の遷移が実行され得る前に、拡大保護帯域が第2の帯域幅部分と第3の帯域幅部分との間に存在してもよい。セルラネットワークは5G New Radio(NR)セルラネットワークでもよく、基地局はgNodeBでもよい。第1の帯域幅部分は、第2の帯域幅部分よりも広い帯域幅を有してもよい。
【0006】
いくつかの実施形態では、ユーザ機器の帯域幅割当てを遷移するシステムが説明される。システムは、セルラネットワークの一部として機能し、複数のユーザ機器(UE)と通信し得る基地局を含んでもよい。基地局は、セルラネットワークの基地局によるユーザ機器との通信のために使用される第1の帯域幅部分及び第2の帯域幅部分を定義するように構成されてもよい。第1の帯域幅部分及び第2の帯域幅部分は重ならなくてもよい。基地局は、第2の帯域幅部分を使用した通信トラフィック量に基づいて、第1の帯域幅部分及び第2の帯域幅部分の帯域幅割当てを調整することを決定するように構成されてもよい。基地局は、セルラネットワークによって、セルラネットワークの基地局によるユーザ機器との通信のために使用される第3の帯域幅部分及び第4の帯域幅部分を定義してもよい。第3の帯域幅部分及び第4の帯域幅部分は重ならなくてもよい。第4の帯域幅部分は第2の帯域幅部分よりも広い帯域幅を有してもよい。第3の帯域幅部分は第1の帯域幅部分よりも狭い帯域幅を有してもよい。基地局は、第1の帯域幅部分を使用して基地局と通信しているユーザ機器の第1のセットの、第3の帯域幅部分への第1の遷移を発生させるように構成されてもよい。基地局は、第1の遷移後、第2の帯域幅部分を使用して基地局と通信しているユーザ機器の第2のセットの、第4の帯域幅部分への第2の遷移を発生させるように構成されてもよい。
【0007】
そのようなシステムの実施形態は以下の特徴の1つ又は複数を含んでもよい。基地局が第1の帯域幅部分及び第2の帯域幅部分を定義するように構成され得ることは、基地局が第1の帯域幅部分定義及び第2の帯域幅部分定義を含み得る1つ又は複数のメッセージをユーザ機器の第1のセット及びユーザ機器の第2のセットに送信するように構成されたことをさらに含んでもよい。第3の帯域幅部分及び第4の帯域幅部分に対する定義は、ユーザ機器の第1のセット及びユーザ機器の第2のセットに対して、1つ又は複数のメッセージの一部として送信されてもよい。基地局が帯域幅割当てを調整することを決定するように構成されたことは、基地局が通信トラフィック量を事前に定義されたトラフィック閾値と比較するように構成されたことを含んでもよい。第1の帯域幅部分は、第2の帯域幅部分とは異なるサブキャリア間隔(SCS)を有してもよい。第3の帯域幅部分は、第4の帯域幅部分とは異なるSCSを有してもよい。第3の帯域幅部分は、第1の帯域幅部分と同一のSCSを有してもよく、第4の帯域幅部分は第2の帯域幅部分と同一のSCSを有してもよい。第4の帯域幅部分は、第1の帯域幅部分及び第2の帯域幅部分と重なってもよい。
【0008】
様々な実施形態の特性及び利点のさらなる理解は、以下の図を参照することによって実現され得る。添付図面において、類似の構成要素又は特徴は同一の参照符号を有する場合がある。さらに、同一の種類の様々な構成要素は、参照符号の後にダッシュを付し、その後に類似の構成要素を区別する第2の符号を付すことによって区別され得る。本明細書において第1の参照符号のみが使用されている場合、その記載は、第2の参照符号にかかわらず同一の第1の参照符号を有する類似の構成要素のいずれかに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】セルラネットワークのセルのために、どのようにサブキャリア間隔(SCS)が選択され得るかの実施形態を示す図である。
図2】基地局が複数のUEと通信するセルラシステム200の実施形態を示す図である。
図3】複数の帯域幅部分を使用してUEの異なるセットと通信するセルラ基地局の実施形態を示す図である。
図4A】基地局と同時に、使用のために割り当てられた複数の帯域幅部分の実施形態を示す図である。
図4B】基地局と同時に、使用のために割り当てられた複数の帯域幅部分の実施形態を示す図である。
図5】複数の帯域幅部分を同時に使用することによってセルラネットワーク基地局のカバレッジを改善するための方法の実施形態を示す図である。
図6】基地局と、基地局と通信しているUEとのために実行される帯域幅調整遷移の実施形態を示す図である。
図7】基地局の帯域幅割当ての遷移のための方法の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
基地局は、その基地局(BS)による通信のために利用可能なチャンネル帯域幅を、異なるユーザ機器(UE)との通信のためにそのBSによって同時に使用される複数の帯域幅部分に分割するように構成され得る。そのBSに比較的近接して配置されたUE(例えば、BSから高いレベルの信号強度を受信するUE)の場合、そのUEは第1の帯域幅部分(BWP)を使用するように割り当てられてもよい。第1のBWPは、第2のBWPよりも広い帯域幅を有してもよい。第1のBWPは広いサブキャリア間隔を有してもよく、それによってレイテンシが減少し得る。BSから比較的遠くに配置されたUE(例えば、BSから比較的低いレベルの信号強度を受信するUE)の場合、そのUEは第2のBWPを使用するように割り当てられてもよい。第2のBWPは、第1のBWPよりも狭い帯域幅を有してもよい。第2のBWPはより狭いサブキャリア間隔を有してもよく、それによって、第1のBWPが使用された時より、レイテンシが大きくなり得る。ただし、第2のBWPが第1のBWPよりも狭い帯域幅を有することが可能である。より狭い帯域幅を有する第2のBWPの帯域幅によって、結果的にUEの探索部が小さくなり、受信帯域におけるスケジュール済みデータの探索及びBSへの送信のためのUEにおける電力使用量は減少し得る(それによって電池寿命も延長され得る)。
【0011】
特定のBWPを使用するネットワークトラフィックが事前に定義された閾値を上回って増加した場合、高トラフィックが基地局によって検出されているBWPは、基地局によってその帯域幅が増加され得る。他のBWPは、基地局によってその帯域幅が減少されてもよく、それによってトラフィック量に基づいて帯域幅をより動的に割り当てる。いくつかの実施形態では、各UEは4つまでのBWP定義が与えられ得る。4つまでのBWP定義のうちで、1つのBWP定義のみが所定の時にUEによって使用される。基地局が第1及び第2のBWP定義の使用から第3及び第4のBWP定義の使用へ遷移することを決定した場合、その遷移は、帯域幅が減少されるBWPの第1の遷移を含み得る。帯域幅がより狭いBWP定義をすべての関連UEが使用すると、他のBWP定義は帯域幅がより広いBWPを使用するBWPに遷移されてもよい。そのような遷移に関するさらなる定義は、図6及び図7に関連して説明される。
【0012】
図1は、セルラネットワークのセルのために、どのようにサブキャリア間隔が選択され得るかの実施形態100を示す図である。帯域幅部分(BWP)は、キャリア上の隣接する物理的リソースブロックのサブセットとして理解されることが可能である。BWPは、基地局との通信のためのキャリア帯域幅を定義する。任意の時に、UEは、アップリンク通信のために単一のアクティブBWPを使用し、所定のセルのためのダウンリンク通信のために別の単一のアクティブBWPを使用して通信する。図1において、より大きなセルサイズを実現するために(またそれによってより大きな地理的領域にカバレッジを広げるために)、より狭いSCSが使用されてもよい。より狭いSCSが使用された時、レイテンシは増加し得る。ブロック101に示すように、セルサイズが大きい場合、BSは15KHzのSCSを用いてもよい。中間サイズのセルの場合、ブロック102に示すように、より低い周波数において、15KHz又は30KHzのSCSが使用可能である。また、中間サイズのセルの場合、ブロック103に示すように、中間周波数において、30KHzのSCSが使用可能である。小さいセルの場合、ブロック104、105、106、及び107は、異なる周波数において可能なSCSを示す。
【0013】
図2は、BSが複数のUEと通信するセルラシステム200の実施形態を示す図である。セルラシステム200は、UE210と、UE215と、BS235(BSタワー220及びgNodeB230を含み得る)と、コアセルラネットワーク240と、BWP管理システム250とを含み得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、セルラシステム200は、5G New Radio(NR)セルラシステムを表す。他の実施形態では、他の形態の無線アクセス技術(RAT)が使用されてもよい。
【0015】
UEは、BS235と通信する無線コンピュータ化デバイスを指す。例えば、それぞれのUEは、BS235と通信するために適切なRATを使用するように構成された、スマートフォン、セルラフォン、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ゲーム機器、スマートホームデバイス、IoTデバイス、又はいずれかの他のコンピュータ化デバイスであることが可能である。UEは、1つ又は複数のアクセスポイント(AP)を含んでもよい。アクセスポイントは、1つ又は複数の他のデバイスに対してネットワークアクセスを提供し得る。例えば、いくつかのデバイスは、Wi-Fiによって無線で通信可能でもよい。APは、Wi-Fiを使用してデバイスとローカルに通信してもよく、異なるRATを使用してBS235と通信してもよい。図示するように、2つのUE210及び215が示される。なお、BS235は、同時により多くのUEと通信し得ることを理解されたい。例えば、数百のUEが、所定の時にBS235によってサービス提供されてもよい。
【0016】
BS235は、セルラネットワークの特定のセルに対してサービスを提供してもよい。BS235は、BSタワー220及びgNodeB230を含んでもよい。具体的には、セルラネットワークが5G NRネットワークである場合に、gNodeB230のみが存在してもよい。他の実施形態では、4Gネットワークが使用された場合などに、eNodeBが存在してもよい。gNodeB又はeNodeBは、UEと無線で直接通信する携帯電話網に接続されたハードウェアを表し得る。アンテナは、BSタワー220に配置されてもよい。
【0017】
コアセルラネットワーク240は多くの基地局と通信状態でもよい。コアセルラネットワーク240、gNodeB230、又はコアセルラネットワーク240若しくはgNodeB230と通信状態にある分離したシステムによって、様々な処理機能が直接提供されてもよい。例えば、BWP管理システム250は、gNodeB230から分離されて、gNodeB230と通信状態でもよい。若しくは、BWP管理システム250は、コアセルラネットワーク240又はgNodeB230の一部として組み込まれてもよい。BWP管理システム250は、ネットワーク管理(NM)又はシステムレベル無線リソース管理(RRM)の一部であることが可能である。
【0018】
BWP管理システム250は、同時に所与のBSの異なるBWPに対して割り当てられた帯域幅量を管理してもよい。BWPは、各BWPに対する異なるトラフィック負荷に対応可能なように各BWPに対して割り当てられたBWを動的に変更してもよい。BWP管理システム250は、1つ又は複数のコンピュータサーバシステムを含んでもよい。
【0019】
図3は、複数の帯域幅部分を使用してUEの異なるセットと通信するセルラBSの実施形態300を示す図である。そのような構成は、BSによるセルカバレッジを改善することが可能である。実施形態300において、BS305はセルの中心近くに配置される。BS305は、図2のBS235の実施形態を表し得る。BS305は、UEと通信するために、異なるBWPを使用してもよい。BS305は、BS305の比較的近くに配置されたUEと通信(アップリンク又はダウンリンク伝送)するために、第1のBWPを使用してもよい。より正確には、どのUEがBS305と比較的近いかを判断するために、信号強度測定結果が使用されてもよい。
【0020】
UE311、312、313、及び314は、各UEによって比較的強い信号強度がBS305から受信される領域310内に存在する。それらのUEのそれぞれに対して、第1のBWP定義が使用されてもよい。第1のBWP定義は、比較的広帯域のBWPを定義してもよい。第1のBWPに対して、第1のSCSが使用されてもよい。SCSは、より低いレイテンシを可能とするために第2のBWPよりも広くてもよい。
【0021】
UE315、316、及び317は、各UEによって比較的弱い信号強度がBS305から受信される領域320内に存在する。それらのUEのそれぞれに対して、第2のBWP定義が使用されてもよい。第2のBWP定義は、(第1のBWPと比較した場合)比較的狭いBWPを定義してもよい。第2のBWPに対して、第1のSCSとは異なる第2のSCSが使用されてもよい。このSCSは、第1のBWPに対して使用されたSCSよりも狭くてもよい。そのような構成はレイテンシを増加させるが、BS305からのより低い信号強度を経験するUEとの通信を可能にすることによって、BS305のセルのカバレッジを実質的に増加させ得る。したがって、例えば、より広いSCSが使用された場合のみ、UE315、316、及び317が実質的にBS305との通信範囲外となってもよい。ただし、より狭いSCSを使用する通信を可能とするように定義された第2のBWPによって、UE315、316、及び317がBS305と実質的に通信可能である。
【0022】
BSと特定のUEとの間の通信のために第1のBWP又は第2のBWPのいずれが使用されるかは、そのUE(又はBS)によって測定される信号強度に依存してもよい。特に、UE313は方向308に移動する場合がある。UE313が移動すると、信号強度は降下する場合があり、BS305はUE313を、第1のBWPを使用した通信から第2のBWPを使用した通信に遷移してもよい。いくつかの実施形態では、このアクションは、第2のBWPの定義をUE313に送信することによって実現される。他の実施形態では、UE313は第1及び第2のBWPの両方の定義を既に格納しており、そのような実施形態では、BS305は、第1のBWPの代わりに第2のBWPをアクティブ化するようにUE313を構成するメッセージを送信してもよい。いくつかの実施形態では、そのメッセージは、第2のBWPがアクティブ化されるタイミングを定義するタイマを含んでもよい。
【0023】
同様に、UE317は方向309に移動する場合がある。UE317が移動すると、信号強度は増加する場合があり、BS305はUE317を、第2のBWPを使用した通信から第1のBWPを使用した通信に遷移してもよい。いくつかの実施形態では、このアクションは、第1のBWPの定義をUE317に送信することによって実現される。他の実施形態では、UE317は第1及び第2のBWPの両方の定義を既に格納しており、そのような実施形態では、BS305は、第2のBWPの代わりに第1のBWPをアクティブ化するようにUE317を構成するメッセージを送信してもよい。
【0024】
図3に示すように、第1及び第2のBWPの両方は、同時にBS305によって異なるUEと通信するために使用されている。したがって、UE311がBS305と通信するために第1のBWPを使用している間、UE316はBS305と通信するために第2のBWPを使用している。本文書の実施例はBS305によって定義及び同時使用されている2つのBWPに焦点を当てているが、2つのBWPよりも多い数のBWPがBS305によって同時に使用可能であることを理解されたい。
【0025】
図4A及び図4Bは、BSによる同時の使用のために割り当てられた複数の帯域幅部分の実施形態を示す図である。図4Aの実施形態400Aにおいて、保護帯域を有する2つのBWPが示される。第1の帯域幅部分420は、BWP410よりも広い帯域幅を有する。BWP420は、BWP410よりも広い第1のSCSを使用してもよい。例えば、BWP420が30KHzのSCSを使用してもよい一方、BWP410は15KHzのSCSを使用する。BWP420及びBWP410に割り当てられた帯域幅の相対量は、各BWPを使用するUEトラフィックの相対量に基づいてもよい。BWP420とBWP410との間に、保護帯域415が存在してもよい。保護帯域415は、BWP420及びBWP410に対して使用されている異なるSCSを原因とするヌメロロジー間干渉を回避するために必要な場合がある。
【0026】
図4Bの実施形態400Bにおいても同様に、保護帯域を有する2つのBWPが示される。第1の帯域幅部分440はBWP430よりも広い帯域幅を有する。BWP440は、BWP430よりも広い第1のSCSを使用してもよい。実施形態400Aと比較すると、BWP420及びBWP410に割り当てられた帯域幅の相対量は、発生しているBWP410の重い帯域幅使用を補償するように調整されている。保護帯域415に関連して詳述したように、BWP440及びBWP430で使用されている異なるSCSを原因とするヌメロロジー間干渉を回避するために、BWP440とBWP430との間に保護帯域435が存在してもよい。
【0027】
図1図3に関連して詳述されたシステム及び構成を使用して、様々な方法が実行されてもよい。具体的には、カバレッジ特性を改善するようにBSによる複数のBWPの同時使用を可能にするために、様々な方法が実行されてもよい。図5は、複数の帯域幅部分を同時に使用することによってセルラネットワークBSのカバレッジを改善するための方法の実施形態を示す図である。方法500は、図2のセルラシステム200を使用して実行されてもよい。より具体的には、方法500のブロックは、UE、BS、コアセルラネットワーク、及び/又はBWP管理システムを使用して実行されてもよい。
【0028】
ブロック510において、第1のBWP及び第2のBWPが定義されてもよく、BWPの標示がUEに提供されてもよい。第1のBWP及び第2のBWPは重ならず、両方がセルラネットワークによる使用のために全チャンネル帯域幅内に存在する。第1のBWP及び第2のBWPはBSによって同時に使用されるように定義されてもよく、したがって、いくつかのUEは第1のBWPを使用していることになり、残りのUEは第2のBWPを使用していることになる。ブロック510は、基地局(例えば、gNodeB)、コアセルラネットワークのコンポーネント、又はセルラネットワークのコンポーネントと通信状態にあるBWP管理システムによって実行されてもよい。第1のBWPは、1)第2のBWPよりも広いSCS、及び/又は、2)第2のBWPよりも広い帯域幅を有してもよい(例えば、図4Aの実施形態400Aと同様)。したがって、第2のBWPは、1)第1のBWPよりも狭いSCS、及び/又は、2)第1のBWPよりも広い帯域幅を有してもよい(例えば、図4Aの実施形態400Aと同様)。
【0029】
ブロック520において、UEは、基地局から受信した信号に基づいて信号強度測定を行ってもよい。UEは、測定した信号強度の標示を基地局に送信してもよい。他の実施形態では、BSはUEから受信した1つ又は複数の信号の信号強度を測定してもよい。
【0030】
ブロック530において、UE又は基地局のいずれかによる信号強度測定結果は、格納されている信号強度閾値と比較されてもよい。このブロック530の比較は、UEにおいてローカルで実行されてもよく、又は、信号強度測定結果が基地局に送信された場合、又は信号強度測定が基地局によって行われた場合、ブロック530は基地局によって実行されてもよい。いくつかの実施形態では、信号強度閾値は、ロードバランシングを実行するように調整されてもよい。すなわち、多数のUEが閾値より大きい、又は小さい、のいずれかの場合、閾値は、閾値よりも大きい、又は小さいUEの異なる分散を実現するように調整されてもよい。
【0031】
ブロック540において、所与のUEに対して、信号強度測定結果が信号強度閾値よりも大きいかの判断が行われてもよい。この判断は、UE又は基地局で行われてもよい。信号強度閾値よりも大きい場合、方法500はブロック550に進んでもよい。信号強度閾値よりも小さい場合、方法500はブロック570に進んでもよい。
【0032】
ブロック550において、UEは、通信のために第1のBWPを使用するように割り当てられてもよい。BSからのメッセージは、UEに対する、定義が格納されている第1のBWPを使用する命令を含むことが可能である。第1のBWPは、BSとUEとの間のアップリンク又はダウンリンク通信のために使用されてもよい。いくつかの実施形態では、使用されるSCSと、第1のBWPの一部としての使用のために利用可能なリソースブロックを示す第1のBWPの定義は、UEに送信される。
【0033】
ブロック560において、BSとUEとの間の通信は、第1のBWPを使用して実行されてもよい。UEは、より広いSCSが使用されていることに起因してより低いレイテンシを経験する場合がある。時折、又は定期的に、方法500は、信号強度測定を繰り返すためにブロック520に戻り、UEが第1のBWP又は第2のBWPを使用すべきかを再検討してもよい。
【0034】
ブロック570において、UEは、通信のために第2のBWPを使用するように割り当てられてもよい。これは、第2のBWPの使用へ切り換える命令がBSによってUEに送信されることを含むメッセージを含んでもよい。ダウンリンクチャンネル帯域幅及びアップリンクチャンネル帯域幅のそれぞれは、複数のBWPに分割されてもよい。BWPがアップリンク又はダウンリンク通信に対して割り当てられているかに応じて、この第2のBWPは、アップリンク又はダウンリンク通信のために使用されてもよい。第2のBWPが第1のBWPよりも狭い帯域幅を使用する場合、第2のBWPを使用して通信するために、UEは第1のBWPよりも少ない電力を必要とし得る。他の実施形態では、第1のBWP及び第2のBWPの定義は、UEに提供されるが、BWPのうちの1つのみが、BSからアクティブ化対象UEへのメッセージに示される。
【0035】
ブロック580において、BSとUEとの間の通信(例えば、アップリンク通信)は、第2のBWPを使用して実行されてもよい。UEは、より狭いSCSが使用されていることに起因してより高いレイテンシを経験する場合があるが、UEは電池寿命延長を経験する場合がある(第2のBWPが第1のBWPよりも帯域幅が狭い場合)。さらに、より狭いSCSが使用されているため、UEはBSと通信できる場合があるが、第1のBWPのみが利用可能な場合、UEはBSとの通信に成功できない場合がある。時折、又は定期的に、方法500は、信号強度測定を繰り返すためにブロック520に戻り、UEが第1のBWP又は第2のBWPのいずれを使用すべきかを再検討してもよい。
【0036】
何らかの数のUEがBSとの通信のために第1のBWPを使用している場合がある一方、他のUEはBSとの通信のために第2のBWPを使用している。したがって、BSはUEとの通信のために2つ(又はそれ以上)のBWP定義を同時に使用している。
【0037】
図4A及び図4Bに関連して詳述したように、異なるBWPに対して異なる帯域幅量を使用することが可能である。例えば、BWP410は、データ伝送のボリューム及び/又はBWP410を使用して通信しているUEの数に対して不十分な帯域幅を有すると判断される場合がある。したがって、基地局又はコアセルラネットワーク240の何らかのコンポーネントは、BWP410の帯域幅が増加される必要があることを判断する場合がある。それを実現するために、BWP420の帯域幅量の減少が必要な場合があり、保護帯域がBWP410とBWP420との間に維持される必要がある場合がある。BWP410及びBWP420が異なるサブキャリア間隔を使用するため、セルラネットワークは、ヌメロロジー間干渉を防ぐために、全UEが適切な保護帯域を使用することをまずは確実としなければならない。帯域幅部分定義間の遷移がどのように行われるかに関するさらなる詳細は図6及び図7に関連して説明される。
【0038】
図6は、基地局と、基地局と通信しているUEとのために実行される帯域幅調整遷移の実施形態600を示す図である。実施形態600の帯域幅調整は、BS235などの基地局によって実行可能である。総割当て帯域幅量は変更しないままでもよいが、特定のSCSを使用した帯域幅量が調整可能である。いくつかの実施形態では、BS235は、コアセルラネットワーク240による遷移を実行するように命令されてもよい。最初に、UEとの通信のために、異なるSCSを有する2つのBWP(BWP410及びBWP420)が基地局によって使用されてもよい。基地局は、BWP410がBWP430になるように拡大することを決定してもよい。したがって、BWP410及びBWP430は同一のサブキャリア間隔を有してもよいが、BWP430はより広い割当て帯域幅を有する。
【0039】
いくつかの実施形態では、BWP430の帯域幅が事前に定義される。すなわち、BWP410又はBWP430という2つのみの事前に定義されたオプションが可能でもよい。他の実施形態では、BWP430の帯域幅は、BWPの使用を図る通信トラフィック量及び/又はそのBWPを使用するUEの数などの要素に応じて、基地局がBWP430の一部となるように割り当てられた帯域幅量をカスタマイズできる点で動的でもよい。
【0040】
最初に、BWP構成601によって示すように、基地局は、保護帯域によって分離可能なBWP410及びBWP420に対応する2つのアクティブBWP定義を同時に有してもよい。図4Aの実施形態400Aに対応するBWP構成601において、BWP410及びBWP420は異なるサブキャリア間隔を使用し、したがってBWP410とBWP420との間の保護帯域415は、ヌメロロジー間干渉を防ぐために必要とされる。図6からわかるように、BWPの帯域幅が減少するため、BWP420の一部は、異なるSCSを有するBWP430と重なる。したがって、ヌメロロジー間干渉を防ぐために、UEは、UEがBWP430を使用して通信を開始する前に、BWP420の使用により通信することをスケジュールされない必要がある場合がある。
【0041】
BWP構成601からBWP構成602への第1の遷移が実行されてもよい。第1の遷移の一部として、UEは、BWP420の代わりにBWP440を使用して通信する命令を受信してもよい。いくつかの実施形態では、UEはBWPの4つの定義を割り当てられることが可能である。したがって、BWP420に対応する定義を非アクティブ化し、BWP440に対応するBWPをアクティブ化するメッセージが受信されてもよい。他の実施形態では、BWP420に対応する定義を非アクティブ化又は置換する、BWP440の新しい定義がUEに送信される。いくつかの実施形態では、BWP440を使用するメッセージが、そのBSと通信する全UEに提供される。したがって、UEがBWP410を使用して通信している場合、UEはBWP420に関係する変化の影響を受けないことが可能である。
【0042】
BWP構成602で示されるように、全UEと基地局との間の通信がBWP410及びBWP440で確実に発生するための時間が経過してもよい。したがって、BWP構成602がアクティブの時、一時的な適正保護帯域610が存在する。
【0043】
BWP構成602からBWP構成603への第2の遷移が実行されてもよい。第2の遷移の一部として、UEは、BWP410の代わりにBWP430を使用して通信する命令を受信してもよい。いくつかの実施形態では、UEはBWPの4つまでの定義が割り当てられ格納することが可能である。したがって、BWP410に対応する定義を非アクティブ化し、BWP430に対応する定義をアクティブ化するメッセージ(又はメッセージ群)が受信されてもよい。他の実施形態では、BWP410に対応する定義を非アクティブ化又は置換する、BWP430の新しい定義がUEに送信される。BWP430を使用するメッセージが、そのBSと通信する全UEに提供される。したがって、UEがBWP440を使用して通信している時、そのUEはBWP430と関係する変化の影響を受けないことが可能である(少なくとも初期状態において)。
【0044】
BWP構成603への遷移が完了すると、その遷移プロセスは完了となってもよい。BWP構成603の例は、図4Bの実施形態400Bに対応する。図4Bに関連して詳述したように、BWP430及びBWP440は異なるSCSを使用して動作する。必要とされる保護帯域435は、異なるSCSに起因するBWP430及びBWP440のうちの干渉を防ぐために維持される。
【0045】
遷移矢印604及び遷移矢印605によって示されるように、遷移は双方向である。したがって、BWP構成603はBWP構成602に遷移されることができ、その後、BWP構成601に遷移されることができる。そのような遷移は、(BWP440における通信トラフィックの増加、又はBWP430における通信トラフィックの減少に応答して、など)BWP440の帯域幅を増加させてBWP430の帯域幅を減少させるように使用可能である。
【0046】
図7は、図6に関連して詳述したように、基地局の帯域幅割当ての遷移のための方法700の実施形態を示す図である。方法700は、図2のセルラシステム200を使用して実行されてもよい。より具体的には、方法700のブロックは、UE、BS、コアセルラネットワーク、及び/又はBWP管理システムを使用して実行されてもよい。
【0047】
ブロック705において、第1のBWP及び第2のBWP(又はより多くのBWP)は、BS又はBSと通信状態にあるコアセルラネットワークによって定義されてもよい。第1のBWP及び第2のBWPの定義は、各BWPに割り当てられた帯域幅の一部を示してもよい。第1のBWP及び第2のBWPを定義することは、第1のBWP及び第2のBWPの定義をBSと通信しているUEに送信することを含み得る。したがって、各UEは、2つ(又はそれ以上)のBWP定義を受信し得る。所定の時に、単一のBWP定義のみがアクティブでもよい(方法500に関連して詳述した通り、など)。
【0048】
ブロック710では、何らかの期間(例えば、秒、分、時間、日、週)において、BSは、異なるSCSを有する第1のBWP及び第2のBWPを使用してUEと通信してもよい。例えば、図2を参照すると、電力効率、範囲、及び/又はデータスループットを増加するために、UEは異なるSCSを有する異なるBWPを使用してBSと通信してもよい。
【0049】
ブロック715において、基地局又はコアセルラネットワークのコンポーネントは、第1のBWP又は第2のBWPのいずれかが現在の通信状態に対して不十分な帯域幅を有することを判断してもよい。例えば、多数のUEが特定のBWPを使用して通信している場合があり、又は多量のデータが特定のBWPを介してBSに送信される場合がある。その判断は、特定のBWPを使用するUEの総数と格納されている閾値とを比較して、BS又はコアセルラネットワークのコンポーネントによって行われてもよい。判断は、特定のBWP上で受信されたデータ量と格納されている閾値との比較に基づいて、BS又はコアセルラネットワークのコンポーネントによって行われてもよい。いくつかの実施形態では、特定のBWPを使用するUEの数又は特定のBWP上で送信されたデータ量が閾値を上回ることに加えて、又は代替として、判断は、十分に活用されていない他のBWPに基づいてもよい(例えば、データスループットが格納されている閾値未満、及び/又は十分に活用されてないBWPを使用しているUEの数が格納されている閾値未満)。
【0050】
ブロック720において、第3のBWP及び第4のBWPは、BS又はBSと通信状態にあるコアセルラネットワークによって定義されてもよい。第3のBWP及び第4のBWPの定義は、各BWPに割り当てられた帯域幅の一部を示してもよい。第3及び第4のBWPの定義は、第1のBWP及び第2のBWPの割当てからの変化を表す。この実施例の目的のため、第1及び第3のBWPは同一の第1のSCSを有し、第2及び第4のBWPは第1のSCSとは異なる同一の第2のSCSを有する。第1のBWPの帯域幅は、第3のBWP定義への遷移によって増加されてもよい(それによって帯域幅量が増加する)。したがって、第2のBWPは第4のBWPへ遷移され、それによって必要とされるSCSを使用する帯域幅量が減少する。
【0051】
第3のBWP及び第4のBWPを定義することは、第3のBWP及び第4のBWPの定義をBSと通信しているUEへ送信することを含み得る。したがって、各UEは2つの追加BWP定義を受信し得る。いくつかの実施形態では、ブロック705及び720はともに実行されてもよい。すなわち、各UEは、単一のメッセージ又はメッセージ群の一部として4つのBWP定義を受信し得る。所定の時に、UEは、アクティブとなることが許可された一群から選択された単一のアクティブBWPを有してもよい。いずれかの特定の時に、UEは通信のために単一のBWP定義を使用することのみ可能である。他の実施形態では、第3及び第4のBWP定義が、後で提供されてもよい。そのような実施形態では、ネットワークトラフィック量に基づいて、各BWPに割り当てられた帯域幅量をカスタマイズすることが可能でもよい。
【0052】
ブロック725において、より狭い帯域幅に遷移されている第1のBWP又は第2のBWPのいずれかが遷移されてもよい。そのような遷移は、図6に示すBWP構成601からBWP構成602への遷移と同様でもよい。例えば、図6を参照すると、第1の遷移は、BWP420を使用した通信からBWP440を使用した通信へのUEの遷移を含み得る。この遷移を実行することは、使用されるBWP定義を示す命令をBSによってUEに送信することを含み得る。BSと通信している全UEは遷移の命令を受信し得るが、遷移されている特定のBWPを現在使用しているUEのみが影響を受ける場合がある。
【0053】
ブロック735において、帯域幅が拡大されるBWPは、各UEによって使用されている新しいBWP定義によって調整されてもよい。例えば、図6及びBWP構成602からBWP構成603への遷移を参照すると、各UEはBWP430を使用してもよい。図6の例を参照すると、この第2の遷移後、BWP430は、以前BWP420によって使用された帯域幅の一部を使用してもよい。
【0054】
ブロック740では、何らかの期間(例えば、秒、分、時間、日、週)において、BSは、異なるSCSを有する第3のBWP及び第4のBWPを使用してUEと通信してもよい。そのような通信は、異なるUEがBSと同時に通信するために異なるBWP(異なるSCSを有する)を使用するように発生してもよい。以後のいずれかの時点において、セルラネットワークの変化する必要性に起因して帯域幅を再割り当てするために、遷移の別のセットが実行されてもよい。
【0055】
上述した方法、システム、及び装置は例である。様々な構成が、必要に応じて様々な手続き又は構成要素を省略、置換、又は追加してもよい。例えば、代替の構成において、方法は、上述した順序と異なる順序で実行されてもよく、及び/又は様々な段階が追加、省略、及び/又は組み合わされてもよい。さらに、特定の構成に関して説明した特徴は、様々な他の構成において組み合わされてもよい。その構成の異なる態様及び要素が同様に組み合わされてもよい。また、技術は進化するものであり、したがって要素の多くは例であり、本開示の範囲又は特許請求の範囲を限定しない。
【0056】
例示の構成(実装を含む)の十分な理解を実現するために、本明細書において具体的な詳細が示されている。ただし、構成は、それらの具体的な詳細なしで実践され得る。例えば、よく知られている回路、プロセス、アルゴリズム、構造、及び技法は、構成を不明瞭とすることを避けるために、不要な詳細なく示されている。本明細書は、例示の構成のみを提示しており、特許請求の範囲、適用可能性、又は構成を限定しない。むしろ、構成の上記説明は、当業者に、上述した技法を実施するための実現説明を提供する。本開示の趣旨又は範囲から逸脱することなく、要素の機能及び構成に対して様々な変更がなされてもよい。
【0057】
また、構成は、フロー図又はブロック図として図示されるプロセスとして説明されてもよい。それぞれは、順次プロセスとして動作を説明する場合があるが、動作の多くは並列又は同時に実行可能である。加えて、動作の順序は並び替えられてもよい。プロセスは、図に含まれていない追加ステップを有してもよい。さらに、方法の実施例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、又はこの組み合わせによって実施されてもよい。ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、又はマイクロコードにおいて実施された場合、必要なタスクを実行するプログラムコード又はコードセグメントは、格納媒体などの非一時的コンピュータ可読媒体に格納されてもよい。プロセッサが上述のタスクを実行してもよい。
【0058】
いくつかの例示の構成について説明したが、本開示の趣旨から逸脱することなく、様々な修正、代替の構造、及び同等物が使用されてもよい。例えば、上述した要素は、より大きなシステムの構成要素でもよく、ここで他の規則は、本発明の適用よりも優先されてもよく、又は本発明の適用を別様に修正してもよい。さらに、上述した要素が考慮される前、間、後に、多くのステップが実行されてもよい。

図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
【国際調査報告】