(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-29
(54)【発明の名称】バックライト電池の枯渇を監視する携帯型試験測定器
(51)【国際特許分類】
G01R 31/392 20190101AFI20220921BHJP
G01R 31/378 20190101ALI20220921BHJP
G01R 31/3835 20190101ALI20220921BHJP
A61B 5/00 20060101ALI20220921BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
G01R31/392
G01R31/378
G01R31/3835
A61B5/00 102E
H01M10/48 P
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022504315
(86)(22)【出願日】2019-07-24
(85)【翻訳文提出日】2022-03-16
(86)【国際出願番号】 US2019043222
(87)【国際公開番号】W WO2021015756
(87)【国際公開日】2021-01-28
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519442612
【氏名又は名称】ライフスキャン アイピー ホールディングス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】エルダー デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】グスリー ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ハマー マルコム
【テーマコード(参考)】
2G216
4C117
5H030
【Fターム(参考)】
2G216AB03
2G216BA24
2G216BA42
2G216CB55
2G216CD04
4C117XB01
4C117XC11
4C117XE04
4C117XE20
4C117XG01
4C117XN07
5H030AA09
5H030AS14
5H030FF43
5H030FF44
(57)【要約】
ハウジング、コントローラ、バックライト付きディスプレイ、及び電池監視回路を含む試験測定器と、その測定器のバックライト電池の状態を監視するための関連する方法。測定器のオフ時間を測定し、バックライト電池の所定回復時間と比較する。測定器のオフ時間がバックライト電池の所定回復時間より大きい場合、バックライトに通電した後の所定時間におけるバックライト電池の電圧を測定し、測定された電圧を、バックライト電池の閾値電圧を超える第一の所定電圧と比較する。測定された電圧が第一の所定電圧より小さい場合、測定された電圧を、第一の所定電圧と閾値電圧との間の第二の所定電圧と比較する。測定された電圧が第二の所定電圧より小さい場合、電池枯渇警告を表示する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定器ハウジングと、
コントローラと、
前記測定器ハウジング上のディスプレイであって、薄膜トランジスタ(TFT)画面及びバックライトを備える、ディスプレイと、
前記バックライトに動作可能に接続されたバックライト電池と、
前記コントローラ及び前記バックライト電池に動作可能に接続された電池監視回路と、を備える、携帯型試験測定器であって、前記電池監視回路は、
前記携帯型試験測定器のオフ時間を測定し、前記携帯型試験測定器の測定された前記オフ時間を前記バックライト電池の所定回復時間と比較することと、
前記携帯型試験測定器の前記オフ時間が前記バックライト電池の前記所定回復時間より大きい場合、前記バックライトに通電した後の所定時間における前記バックライト電池の電圧を測定し、測定された前記電圧を第一の所定電圧と比較することであって、前記第一の所定電圧は前記バックライト電池の閾値電圧を超えている、ことと、
測定された前記電圧が前記第一の所定電圧より小さい場合、測定された前記電圧を第二の所定電圧と比較することであって、前記第二の所定電圧は前記第一の所定電圧と前記閾値電圧の間である、ことと、
前記バックライト電池の測定された前記電圧が前記第二の所定電圧より小さい場合、電池枯渇警告を表示することと、
を行う、携帯型試験測定器。
【請求項2】
前記バックライト電池は、電源投入時間とそれに続く前記所定回復時間にわたって定期的に負荷をかけように構成され、前記電源投入時間よりも長い時間にわたって前記バックライト電池に負荷をかけると、電池の内部電圧が前記バックライト電池の前記閾値電圧未満に低下する、請求項1に記載の携帯型試験測定器。
【請求項3】
前記電池監視回路は、前記バックライトに通電する前に、第二の所定時間における前記バックライト電池の第二の電圧を測定し、前記所定時間と前記第二の所定時間における前記バックライト電池の前記電圧の比較に応じて、前記携帯型試験測定器の画面上に電池枯渇警告を表示するようにさらに構成される、請求項1に記載の携帯型試験測定器。
【請求項4】
前記所定時間が、1ミリ秒~1000ミリ秒である、請求項1に記載の携帯型試験測定器。
【請求項5】
前記電池監視回路は、前記バックライトの電源投入動作の間に前記バックライト電池の累積消費電力を測定し、測定された前記累積消費電力が前記バックライト電池の所定定格電力を下回るとき、前記電池枯渇警告を表示する、請求項1に記載の携帯型試験測定器。
【請求項6】
前記電池監視回路は、前記バックライト電池の温度を測定し、前記温度が前記バックライト電池の所定動作温度範囲内にあるとき、前記電池枯渇警告を表示する、請求項1に記載の携帯型試験測定器。
【請求項7】
前記バックライト電池は、リチウム一次電池である、請求項1に記載の携帯型試験測定器。
【請求項8】
前記コントローラ及び前記TFT画面に動作可能に接続された主電池をさらに備え、前記主電池と前記バックライト電池とは、同じタイプの電池である、請求項1に記載の携帯型試験測定器。
【請求項9】
携帯型試験測定器のバックライト電池の状態を監視するための方法であって、前記携帯型試験測定器は、測定器ハウジングと、コントローラと、前記測定器ハウジング上のディスプレイと、を備え、前記ディスプレイはTFT画面及びバックライトを備え、前記バックライトは前記バックライト電池によって給電され、前記方法は、
前記携帯型試験測定器のオフ時間を測定し、前記オフ時間を前記バックライト電池の所定回復時間よりも大きいかどうかを決定するステップと、
前記バックライトに通電するステップと、
前記携帯型試験測定器の前記オフ時間が前記バックライト電池の前記所定回復時間よりも長い場合、前記バックライトに通電した後、所定時間に前記バックライト電池の電圧を測定するステップと、
測定された前記電圧を第一の所定電圧と比較するステップであって、前記第一の所定電圧は前記バックライト電池の閾値電圧を超えている、ステップと、
測定された前記電圧が前記第一の所定電圧より小さい場合、測定された前記電圧を第二の所定電圧と比較するステップであって、前記第二の所定電圧は前記第一の所定電圧と前記閾値電圧の間である、ステップと、
前記バックライト電池の測定された前記電圧が前記第二の所定電圧より小さい場合、前記携帯型試験測定器の前記TFT画面に電池枯渇警告を表示させるステップと、
を含む、方法。
【請求項10】
前記バックライト電池に、電源投入時間とそれに続く前記所定回復時間にわたって定期的に負荷をかけるステップをさらに含み、前記電源投入時間よりも長い時間にわたって前記バックライト電池に負荷をかけると、前記バックライト電池の内部電圧が前記閾値電圧未満に低下する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記バックライトに通電する前に、前記バックライト電池の第三の電圧を測定するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記携帯型試験測定器の前記TFT画面上に電池枯渇警告を表示するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記所定時間が、1ミリ秒~1000ミリ秒である、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記バックライトの電源投入動作の間に前記バックライト電池の累積消費電力を測定するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
測定された前記累積消費電力が前記バックライト電池の所定定格電力を下回るとき、前記電池枯渇警告を表示するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記バックライト電池の温度を測定するステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記温度が前記バックライト電池の所定動作温度範囲内にあるとき、前記電池枯渇警告を表示するステップをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記バックライト電池は、リチウム一次電池である、請求項9に記載の方法。
【請求項19】
前記コントローラ及び前記TFT画面に動作可能に接続された主電池をさらに備え、前記主電池と前記バックライト電池とは、同じタイプの電池である、請求項9に記載の方法。
【請求項20】
前記携帯型試験測定器は、患者の血糖値を定期的に測定するために使用される、請求項1に記載の携帯型試験測定器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、一般に、試験測定器の分野に関し、より具体的には、被検体の定期的な監視に使用される携帯型試験測定器と、その携帯型試験測定器で使用される電池の枯渇を監視するための関連する方法とを対象とする。
【背景技術】
【0002】
携帯型試験測定器などのハンドヘルド装置は、一般に、試験測定の結果を試験測定器のユーザに伝達するためのディスプレイを必要とする。暗い場所で読みやすくするために、このようなディスプレイにはバックライトを含むことができる。頻繁な電池交換を必要とせずに、コンパクトで軽量な長持ちする携帯型試験測定器が望まれている。
【0003】
薄膜トランジスタ(TFT)ディスプレイ技術などのいくつかの技術は、ユーザにとって望ましい強化されたカラーグラフィックスを提供する。しかしながら、これらのディスプレイは、バックライトなしでは完全に読み取れない場合があり、電池交換なしで数週間又は数か月間動作する携帯型試験測定器での使用には適してない。その理由は、電力を節約するために、バックライトを無効にできないからである。したがって、一定のバックライトを必要とするこのようなディスプレイは、通常、このような携帯型試験測定器で、利用されていないか、あるいは使用することが考慮されていない。
【0004】
さらに、試験測定器で一般的に使用されるディスプレイは、パッシブ液晶ディスプレイ(LDC)であり、これは、アクティブなバックライトがなくても依然として読み取ることができる。したがって、携帯型試験測定器の既存のアーキテクチャは、TFTディスプレイ画面を有する携帯型試験測定器で遭遇する実際の問題を考慮していない。これには、試験測定器への予測できない電力損失を防ぐために、バックライトサブシステムの監視と管理を強化する必要がある。
【0005】
さらに、一般的に使用される電池枯渇検出アルゴリズムで、電池電圧を見ることができるのは、起動前だけである。このような場合、電池の内部抵抗、イオン移動度、及び温度の影響は、考慮されていない。しかしながら、このような単純な試験では機能するが、比較的小さく安定した電流ドレインの影響を受ける電池に対してのみである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
本発明の特徴を理解することができるように、詳細な説明は、特定の実施形態を参照することによって得ることができ、そのいくつかは添付の図面に示されている。しかしながら、図面は、特定の実施形態のみを例示しているに過ぎず、したがって、開示された主題の範囲は他の実施形態も包含しているので、その範囲を限定すると見なされるべきではないことに留意されたい。図面は必ずしも一定の縮尺である必要はなく、一般に、特定の実施形態の特徴を説明することに重点が置かれている。図面において、同様の数字は、様々な図面の全体で同様のパーツを示すために使用されている。
【0007】
【
図1A】本明細書に記載された態様による、部分的に分解された携帯型試験測定器の背面図を示す。
【
図1B】本明細書に記載の態様による、携帯型試験測定器の正面図を示す。
【
図2A】
図1Aの携帯型試験測定器で使用され、電力が供給されるコントローラのブロック図である。
【
図3】
図1Aの携帯型試験測定器内に接続されたバックライト電池及び主電池の概略図を示す。
【
図4】試験測定器で使用するために、本明細書に記載の態様による、電池監視回路を有するバックライト駆動回路を示す。
【
図5A】本明細書に記載の態様による、試験測定器のバックライト電池として使用することを意図した電池の電圧回復特性を示す。
【
図5B】本明細書に記載の態様による、試験測定器のバックライト電池として使用することを意図した電池の電圧回復特性を示す。
【
図6】本明細書に記載の態様による、携帯型試験測定器で使用するために、
図5A~5Bに示される特性を有するバックライト電池のようなバックライト電池の状態を監視するための方法を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明は、図面を参照しながら読まれるべきものであり、異なる図面における同様の要素には同一の番号が付けられている。図面は、必ずしも一定の縮尺ではなく、選択された実施形態を示すものであり、本発明の範囲を制限することを意図するものではない。詳細な説明は、本発明の原理を、限定するためではなく、例として説明するものである。この説明により、当業者による本発明の実施及び使用が明確に可能になり、本発明のいくつかの実施形態、適用例、変形例、代替例、及び使用が記述され、その中には、本発明を実施する最良の形態であると現時点において考えられるものも含まれる。
【0009】
本明細書で使用する場合、任意の数値又はその範囲についての「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は集合が、本明細書で述べる意図された目的に沿って機能することを可能とする適切な寸法公差を示す。さらに、本明細書で使用される場合、用語「患者」、「宿主」、「ユーザ」、及び「被験体」は、任意のヒト又は動物の被験体を指し、システム又は方法をヒトで使用することに限定する意図はないが、ヒトの患者に対象技術を使用することは、好ましい実施形態を表すものである。
【0010】
本開示は、一部に、被験体の血糖値を定期的に測定するために使用されるような携帯型試験測定器に関するものである。これらの試験測定器のうちのあるものは、血糖を監視するための電気化学的試験回路などの任意の測定サブシステムとともに、試験測定器に含まれているコントローラ及びディスプレイに電気的に給電する主電池又は一次電池を備えている。TFT又は同様の形式のディスプレイを備えた携帯型試験測定器の場合、ディスプレイのバックライトに給電する必要性がさらにある。したがって、試験測定器は、専用バックライト電池をさらに含むことができ、バックライト電池の交換を枯渇する前に促進するために、電池監視を強化することができる。より具体的には、主電池は、試験測定器のコントローラ、ディスプレイロジック、及び任意の測定サブシステムに給電するために使用されてもよく、専用バックライト電池は、バックライトに給電するためにのみ使用されてもよい。このような構成により、TFTディスプレイが視認するためにバックライトを必要とするという問題にもかかわらず、携帯型試験測定器でTFTディスプレイを使用することが可能になる。一実施形態では、従来のコイン形電池をバックライト専用電池として使用することにより、携帯型試験測定器のフットプリントを縮小する。その理由は、通常はバックライトに使用できないコイン形電池は、本明細書で説明するような従来とは異なる方法で動作するからである。
【0011】
さらに、CR2032リチウム電池のようなコイン形電池は、携帯型試験測定器で一般的に使用されてきたが、バックライトのような高電力消費部品に使用するための定格はない。しかし、本明細書に記載の技術によって、これらの一般的な電池を使用できるようになる。その理由は、これらの技術が、糖尿病患者の血糖を測定するために定期的に使用するものなど、携帯型試験測定器の特定の使用パターンを利用するからである。
【0012】
一般的に述べると、一実施形態によれば、携帯型試験測定器が提供される。携帯型試験測定器は、電池監視回路などのバックライト電池を監視するための手段を含む。試験測定器は、例えば、被験者の血糖値を定期的に測定するためのコントローラを保持するハウジングを含む。試験測定器は、さらに、バックライトを有するTFTディスプレイなどのディスプレイと、専用バックライト電池を監視するための回路を含む。この監視回路を用いて、測定器のオフ時間を測定し、バックライト電池の所定回復時間と比較する。測定器のオフ時間がバックライト電池の所定回復時間より大きい場合、バックライトに通電した後の所定時間におけるバックライト電池の電圧を測定し、測定された電圧を、バックライト電池の閾値電圧を超える第一の所定電圧と比較する。測定された電圧が第一の所定電圧より小さい場合、測定された電圧を、第一の所定電圧と閾値電圧の間の第二の所定電圧と比較する。測定された電圧が第二の所定電圧より小さい場合、電池枯渇警告を表示する。
【0013】
別の実施形態では、本明細書は、携帯型試験測定器のバックライト電池の状態を監視するための方法について開示する。試験測定器は、コントローラを含む多数の部品を保持する測定器ハウジングを含み、ディスプレイは、測定器ハウジングに設けられる。ディスプレイは、TFT画面と、バックライトとを含む。バックライトは、バックライト電池によって給電される。本方法によれば、測定器のオフ時間を測定し、バックライト電池の所定回復時間と比較する。測定器のオフ時間がバックライト電池の所定回復時間より大きい場合、バックライトに通電した後の所定時間におけるバックライト電池の電圧を測定し、測定された電圧を、バックライト電池の閾値電圧を超える第一の所定電圧と比較する。測定された電圧が第一の所定電圧より小さい場合、測定された電圧を、第一の所定電圧と閾値電圧との間の第二の所定電圧と比較する。測定された電圧が第二の所定電圧より小さい場合、電池枯渇警告を表示する。
【0014】
上記の実施形態は、単なる例示であることを意図している。他の好適な実施形態が開示された主題の意図された範囲内にあることは、以下の議論から容易に明らかであろう。
【0015】
次に、具体的な作業例を説明する。初めに、
図1~
図6と関連して、携帯型試験測定器と、電池監視技術とについて説明する。
【0016】
図1Aは、測定器ハウジング11によって規定された携帯型試験測定器10の背面図を示し、測定器ハウジング11は、複数の部品を保持するように構成され、大きさが設定されている。内部を有する測定器ハウジング11によって規定されている。これらの部品には、コントローラ38(
図2A参照)と、主電池50と、バックライト電池52とを含む。
図1Bに示すように、本実施形態によるディスプレイ14は、薄膜トランジスタ(TFT)画面と、バックライトとを含み、同様の携帯型試験測定器10’の前面側に配置されている。一動作例では、主電池50は、コントローラ38だけでなく、TFTディスプレイロジックにも給電する。一方、バックライト電池52は、ディスプレイバックライトのみに給電する。
【0017】
構成によっては、バックライトは発光ダイオード(LED)であっても、LEDのアレイであってもよく、アレイは1~50個のLEDを含むことができる。他の実施形態では、バックライトは、蛍光装置、エレクトロルミネセンス装置、有機発光ダイオード(OLED)であっても、あるいは
図1A及び
図1Bの試験測定器10、10’のハウジング11内に配置され得る任意の他の光源であってよい。
【0018】
図1Bは、糖尿病管理システムを示し、これは、携帯型試験測定器10’とグルコース試験片62の形態のバイオセンサとを含む。携帯型試験測定器10、10’は、異なる物理的外観を有するが、一般に同じ方法で動作する。なお、測定器(測定器ユニット)は、分析物測定管理ユニット、グルコース測定器、測定器、分析物測定装置(図示せず)と呼ばれることもある。一実施形態において、測定器ユニットは、インスリン送達装置、追加分析物検査装置、及び薬物送達装置と組み合わされてもよい。測定器ユニットは、ケーブルを介して、あるいは例えばGSM(登録商標)、CDMA、Bluetooth(登録商標)、WiFiなどの適切な無線技術を介して遠隔コンピュータ又は遠隔サーバに接続されてもよい。このような管理システムは、2014年4月29日に発行され、「Analyte measurement technique and system」と題する米国特許第8,709,232号で、より詳細に説明されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0019】
図1Bに戻ると、グルコース測定器又は測定器ユニット10’は、ハウジング11の対面する表面上に配置された複数のユーザインタフェースボタン(16、18、20)を有するハウジング11によって規定されている。ディスプレイ14は、バイオセンサ(試験片62)を受け入れるように構成された試験片ポート開口部22に加えて提供される。ユーザインタフェースボタン(16、18、20)は、データの入力、メニューのナビゲーション、及びコマンドの実行を可能にするように構成されてもよい。ユーザインタフェースボタン18は、二方向トグルスイッチの形態であってもよい。ユーザインタフェースボタンの数及び方向は、様々な構成をとることができ、描かれている3つのインタフェースボタンは一例である。データには、分析物濃度を代表する値、及び/又は、個人の日常生活に関連する情報を含んでもよい。日常生活に関する情報には、個人の食事量、服薬状況、健康診断の受診状況、健康状態、及び運動レベルを含んでもよい。携帯型試験測定器10、10’の電子部品は、測定器ハウジング11、11’の内部に配置される回路基板34(
図2B)に配置されてもよい。
【0020】
図2Aは、携帯型試験測定器の部分ブロック図であり、電源220に接続されたコントローラ38を示す。コントローラ38は、中央処理装置(CPU)212、ランダムアクセスメモリ(RAM)214、アナログ/デジタル変換器(ADC)216、及び汎用入力/出力(GPIO)218を含む。ADC216は、バックライト電池監視回路に接続されており、その電圧を測定するために使用することができる。GPIO218は、バックライト60をオンにするためにディスプレイと通信すること(
図3参照)も、あるいは電池監視回路と通信すること(
図4参照)もできる。
【0021】
図2Bは、
図1Aの試験測定器10の内部に配置された回路基板34の上面に配置された電子部品を(簡略化して)示している。これらの電子部品は、試験片ポートコネクタ22、オペアンプ回路35、コントローラ38、ディスプレイコネクタ14a、不揮発性メモリ40、クロック42、及び第一の無線モジュール46を含む。回路基板34の下面において、電子部品は、電池コネクタ(図示せず)及びデータポート13を含んでもよい。コントローラ38は、試験片ポートコネクタ22、オペアンプ回路35、第一の無線モジュール46、ディスプレイ14、不揮発性メモリ40、クロック42、少なくとも1つの電池、データポート13、及びユーザインタフェースボタン16、18、20に電気的に接続されてもよい。
【0022】
オペアンプ回路35は、ポテンショスタット機能及び電流測定機能の一部を提供するように構成された2つ以上のオペアンプを含んでもよい。ポテンショスタット機能は、試験測定器と関連して使用される試験片の少なくとも2つの電極間の試験電圧の印加を指すことがある。電流機能は、印加された試験電圧から生じる試験電流の測定を指すことがある。電流測定は、電流-電圧変換器を用いて実行されてもよい。コントローラ38は、例えば、Texas Instrument社製MSP430のような混合信号マイクロプロセッサ(MSP)の形態であってもよい。TI社製MSP430は、ポテンショスタット機能及び電流測定機能の一部も実行するように構成されてもよい。さらに、コントローラ38は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを含んでもよい。別の実施形態では、電子部品の多くは、特定用途向け集積回路(ASIC)の形態でコントローラと一体化されてもよい。
【0023】
試験片ポートコネクタ22は、試験片62などの試験片への電気的接続を形成するように構成されてもよい。ディスプレイコネクタ14aは、ディスプレイ14に取り付けるように構成されてもよい。ディスプレイ14は、測定されたグルコースレベルを報告するために、またインタフェースボタン16、18、20を使用してライフスタイル関連情報の入力を容易にするために、液晶ディスプレイの形態であってよい。より具体的には、また本実施形態によれば、ディスプレイ14は、バックライトを含む。データポート13は、接続リード(図示せず)に取り付けられた適切なコネクタを受け入れることができ、それによって、試験測定器10をパーソナルコンピュータなどの外部装置にリンクさせることができる。データポート13は、例えば、シリアル、USB、又はパラレルポートなどのデータの伝送を可能にする任意のポートであってよい。クロック42は、ユーザが位置する地理的地域に関連する現在の時刻を保持し、また、時間を測定するために、構成されてもよく、これは、以下で詳述するとおりである。試験測定器は、
図3に従って示されるように、例えば、少なくとも1つの含まれる電池のような電源に電気的に接続されるように構成されてもよい。
【0024】
図3は、
図1の試験測定器10に対する電源構成の更なる詳細を概略的に示す。この構成において、コントローラ38は、コントローラ38に給電するための主電池50に接続される。バックライト電池52は、バックライト駆動回路54を介してディスプレイ14のバックライト60に給電するために利用される。
【0025】
図4は、電池監視回路420とともに使用されるような、実施形態によるバックライト駆動回路410を示す。例示的なバックライト駆動回路410は、定電流構成で動作するスイッチモード・ブースト・レギュレータを採用する。駆動回路410は、LED_A及びLED_Kを介してLEDバックライトに出力する。LED電流は、抵抗器R32によって制御される。このような場合、基準電圧、例えば、500mVを、U10のピンFBに維持して、約10mAのLED駆動電流を供給することができる。電池監視回路420は、アナログ-デジタル変換器(ADC)を介して電圧VBAT2を測定する。例えば、バックライト電池測定を容易にするために、コントローラは、信号EN_VBAT2_MEASを低電位に引き、したがって、MOSFET Q4をオンにすることができる。これにより、BT2からの電圧は、R34/R38で作成された分圧器に到達することができる。これら2つの抵抗の比率は、BT2電圧を1.7倍に分圧し、その後、この電圧をADCに供給する。分圧器は、BT2電圧がADC入力を飽和させないようにする。
【0026】
図5A~5Bは、本明細書に規定される態様に従って、リチウムコイン形バックライト電池の電気化学的電圧回復特性を示す。例えば、バックライト電池が0.8Vまで負荷される場合、負荷が除去されると、
図5Aは、電圧が約60秒後に2V超まで回復し始めることを示す。しかしながら、例えば、3Vの公称電池電圧の99%までの回復は、
図5Bに示すように、約3時間かかる場合もある。
【0027】
例えば、特定の電池モデルが、バックライト電池として携帯型試験測定器で使用するために選択される場合がある。そのような電池は、携帯型試験測定器の典型的な使用法の期間にわたって引き出された後、電池が電気化学的平衡に戻るのにかかる時間量を決定するために、工場試験を通じて特徴付けることができる。一度に約2~5分間、1日に3~4回典型的に使用される携帯型グルコース試験測定器の場合、電池サイクルは、完全な引き出しで5分間、回復に必要な時間を決定して、特徴付けることができる。
【0028】
特に、
図5A~
図5Bの特性を表示するリチウムコイン電池は、継続的に比較的長期間にわたって操作される装置のバックライト電池を給電するのに理想的ではない。しかしながら、グルコース測定器のような試験測定器は、通常、検査プロセス中に1日に数回、比較的短い時間だけ使用されるので、リチウムコイン電池は、本明細書に記載のような監視技術を採用することによって、そのような測定器においてバックライト電池として使用することができる。これらの監視技術により、枯渇した電池を検出し、適時に交換することができる。
【0029】
回復時間特性に加えて、電池は、その通常の動作範囲外の温度で保管されると、電圧の低下を示すことがある。そのような場合、電池が公称動作温度よりかなり低いが、本明細書に記載の技術は、そのようなサイクル中に電池枯渇メッセージを控えることによって、温度が動作範囲外であることを説明し得る。
【0030】
図6は、
図5A及び
図5Bと同様の特性を有するバックライト電池を使用する場合に、
図1A又は
図1Bの携帯型試験測定器10、10’のバックライト電池52の状態を監視するための方法600を示す。前述のように、グルコース測定器のような試験測定器は、食事や他のイベント(運動、睡眠など)に基づき、24時間の間に行われる定期的な測定を含む。したがって、試験測定器は、常時、給電されることはなく、グルコース測定値は、所定の24時間の間に数回得ることができ、測定は、しばしば、1分未満で行われ得る。本発明の目的及びバックライト電池の枯渇を決定するために、試験測定器のオフ時間は、バックライト電池が枯渇しているかどうかを決定するために利用することができる重要な要因であることが見い出された。方法600を説明する際に、具体的な作業例を例示のためにのみ示すことにする。
【0031】
一実施形態では、ブロック610における方法600は、測定器のオフ時間を測定し、測定器の測定されたオフ時間をバックライト電池の所定の回復時間と比較する。例えば、コントローラ38は、バックライト使用記録を不揮発性メモリに格納してもよい。
図6に関してここでフォローする説明のための具体的な作業例では、記録は、最後にバックライトに通電したのが日Xの午後1時8分であることを示し得る。次に、測定器が次にオンにされるとき、測定器は、コントローラのオンボードクロックから現在のシステム時刻を取得し得る。具体的な作業例では、現在のシステム時刻は、日Xの午後5時28分であり得る。次に、コントローラは、現在のシステム時刻から前回の通電時刻を減じてオフ時間を決定することができ、この具体的な作業例では4時間20分となる。
【0032】
試験測定器の収容電池が枯渇したかどうかを正確に測定するためには、電池が周期的なサイクルから回復できるときに、測定は最も正確になる。そのような場合、ブロック620における方法600は、測定器のオフ時間がバックライト電池の所定回復時間より大きいかどうかを決定する。具体的な作業例では、リチウムコイン電池は、回復するために4時間の時間を必要とする場合があり、したがって、この具体例では、コントローラは、実際のオフ時間を回復時間4時間と比較し、ブロック620のYESブランチを下へ進むことができる。その代わりに、電池が4時間いっぱい十分に回復することができなかった場合、ブロック620で方法600はブロック690に進み、警告メッセージは表示されない。そのような場合、測定器は、主測定器ルーチンを進め、血糖試験などの試験が実行されるようにしてもよい。
【0033】
別の例では、電池は、回復に10分から12時間まで必要とすることがある。特定の試験測定器で使用される特定の電池モデルの回復時間は、特徴付けられ、回復時間の適切な値は、このように予め決定されてもよい。電池の回復時間の特徴付けは、
図5A~5Bに関して説明したように、N個の電池複製物を用いた制御試験、及び電圧計を用いた電池の内部電圧の測定によってなされてもよい。
【0034】
引き続き、ブロック630における方法600は、試験測定器のバックライトをオンにし(通電し)、バックライトに通電した後の所定時間におけるバックライト電池の電圧を測定する。所定時間は、測定を行う前にバックライトを完全に通電させるように選択されてもよい。具体的な作業例では、電池監視回路410は、所定時間後に電圧を読み取ることができ、コントローラは、電圧を不揮発性メモリに格納することができる。所定時間は、高速電圧計を制御された環境で使用して、バックライトの動作の最初の数秒の間にバックライト電池電圧を監視し、電圧低下が安定するためにどれだけの時間が経過しなければならないかを決定する制御された試験によって選択され得る。
【0035】
次に、ブロック640における方法600は、測定された電圧を、バックライト電池の閾値電圧を超える第一の所定電圧と比較する。第一の所定電圧は、バックライト電池が枯渇に近いという可能性がほとんどないか、全くないほど高い電圧として選択されてもよい。逆に、閾値電圧は、バックライトに通電するために必要な最小限の可能な電圧として選択されてもよい。一つの具体例において、閾値電圧は0.8Vであり得、第一の所定電圧は2.5V(新しい電池の電圧)であり得る。
【0036】
ブロック650における方法600は、測定された電圧が第一の所定電圧より小さいかどうかを決定する。測定された電圧が第一の所定電圧以上である場合、方法600はブロック690に進み、警告は表示されない。その理由は、バックライト電池が枯渇に近づいていないためである。一例では、第一の所定電圧は、新たに設置された電池の全電圧に等しく設定されてもよい。
【0037】
ブロック650における方法600が、測定された電圧が第一の閾値電圧より小さいと決定した場合、方法600はブロック660に進み、測定された電圧を第二の所定電圧と比較する。第二の所定電圧は第一の所定電圧と閾値電圧の間である。第二の所定電圧は、N個(例えば、N=100)の複製の試験測定器及び電池の制御された試験を通じて選択されてもよい。第二の所定電圧は、ユーザによる介入を必要とするほど電池が枯渇に近づいている電圧を表す。例えば、第二の所定電圧は、電池が完全に枯渇する前に、特定の少数回、例えば、1回から5回の試験の典型的な測定器試験を実行し得る点まで制御された試験を通じて決定されることがある。一例では、第二の所定電圧は、1.0V~1.2Vの間であり得る。
【0038】
ブロック670における方法600は、測定された電圧が第二の所定電圧より小さいかどうかを決定する。測定された電圧が第二の所定電圧より小さくない場合、方法はブロック690に進み、警告は表示されない。
【0039】
逆に、測定された電圧が第二の所定電圧より小さい場合、方法はブロック690に進み、電池枯渇警告又はメッセージが測定器上に表示される。一例では、電池枯渇メッセージは、低電池アイコンとして測定器上に連続的に表示されてもよい。別の例では、測定器は、試験の実行を許可する前に、電池枯渇警告の確認を要求してもよい。さらなる例では、電池枯渇警告は、測定器の残りの試験サイクル数を表示することができる。さらに別の例では、電池枯渇警告は、残りの典型的な試験がどれだけ少ないかに基づいて、エスカレートされるか、又は繰り返されることもある。
【0040】
別の実施形態では、方法は、第二の所定時間にバックライト電池の第二の電圧を測定してもよい。例えば、第二の電圧は、第一の電圧を測定した後、1秒~1000秒後に測定して取得されてもよい。測定された第二の電圧は、バックライトに通電してから所定時間の間に発生する電池の電圧降下を決定するために使用されてもよい。バックライト電池が枯渇すると、使用サイクルのたびに、この電圧降下が大きくなる。バックライトの給電に低容量電池を使用する例では、そのような電池は、回復サイクルのためにオフにする必要が生じる前に、特定の持続時間だけバックライトを給電し得る。したがって、測定器は、バックライトが特定の時間間隔よりも長く給電され、回復できない場合、電池が恒久的に枯渇したのではなく、一時的に枯渇しただけであると決定することができる。再び、そのような電池の許容可能なオン時間は、電池を有するN個の複製測定器の制御された試験によって特徴付けられることができる。
【0041】
特に、ブロック610~ブロック680に関して上述した方法600は、典型的には、測定器のユーザが測定器で試験を実施する前に行われる。したがって、ユーザは、バックライト電池の警告を受け取ることができ、その時に、自己監視式血糖試験などの試験の実施を見送り、バックライト電池を直ちに交換することを決定し得る。別の例では、ユーザは、最初に試験を実施し、その後、バックライト電池を交換することを選択することができる。さらに別の実施形態では、バックライトを通電した後の電池の電圧レベルに基づいて、コントローラは、電池が完全に画面を点灯できなくなるまでに残り得る典型的な試験サイクルの回数を推定し、電池が完全に枯渇するまでに試験が残り何回可能かを示す警告を提供することができる。
【0042】
別の実施形態では、上述の電池枯渇チェックに加えて、又はその代わりに、いわゆるガスゲージ技術を採用することができ、この技術では、その寿命の間に電池によって使用される累積エネルギーが、新しい電池がシステムに取り付けられたときから開始して測定器が使用される各履歴時間間隔について電圧及び電流を測定することによって追跡される。このような技術を単独で使用すると、部分的に充電された電池が試験測定器に取り付けられる可能性があるため、誤差が生じやすくなる。しかしながら、上記の他のモニタリングと組み合わせることで、このような技術は、偽陽性及び偽陰性を排除することができる。例えば、既知の新しい電池が取り付けられている場合(例えば、製造業者を示す特定の識別コードを有するスマート電池)、測定器は、蓄積された使用データを使用して、電池枯渇警告を無効にすることができる。
【0043】
本発明を特定の変形例及び例示的な図面に関して説明してきたが、当業者は、本発明が説明された変形例又は図面に限定されないことを認識するであろう。加えて、上述の方法及びステップが特定のイベントが特定の順序で生じることを示す場合には、当業者は、特定のステップの順序が変更され得ることも、そのような変更が本発明の変形例によるものであることも認識するであろう。さらに、ステップの特定のものは、上述のような順序で行われるだけでなく、可能な場合には並行したプロセスで同時に行われ得る。したがって、本開示の精神の範囲内にあるか、あるいは特許請求の範囲に見出される本発明と等価である本発明の変形例が存在する限り、本特許は、それらの変形例も網羅することが意図される。
【0044】
特許請求の範囲が複数の要素に関して「の少なくとも1つ」という語句を引用する範囲において、これは列挙された要素のうちの少なくとも1つ以上を意味することを意図し、各要素のうちの少なくとも1つに限定されない。例えば、「要素A、要素B、及び要素Cのうちの少なくとも1つ」は、要素Aのみ、もしくは要素Bのみ、もしくは要素Cのみ、又はそれらの任意の組み合わせを指すことを意図する。「要素A、要素B、及び要素Cのうちの少なくとも1つ」は、要素Aの少なくとも1つ、要素Bの少なくとも1つ、及び要素Cの少なくとも1つに限定することを意図しない。
【0045】
本明細書は、実施例を用いて、最良の形態を含めて本発明を開示し、また任意の当業者が任意の装置又はシステムの作製及び使用も、任意の取り入れられた方法の実行も含めて本発明を実施できるようにするものである。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定められ、当業者が想起する他の例を含み得る。そのような他の例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、又は特許請求の範囲の文言と実質に異ならない等価な構造要素を含む場合には、本特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
【0046】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態を説明することを目的としたものにすぎず、限定することを意図したものではない。本明細書で使用される場合、単数形「1つの(a、an)」及び「その(the)」は、文脈により別段の明示がない限り、複数形も含むことを意図する。「備える(comprise)」(並びに「comprises」及び「comprising」のような備える(comprise)の任意の語形)、「有する(have)」(並びに「has」及び「having」のような有する(have)の任意の語形)、「含む(include)」(並びに「includes」及び「including」のような含む(include)の任意の語形)、及び「含有する(contain)」(並びに「contains」及び「containing」のような含有する(contain)の任意の語形という用語は、オープンエンドの接続動詞であるものとさらに理解される。その結果、1つ以上のステップ又は要素を「備える」、「有する」、「含む」又は「含有する」方法又は装置は、それらの1つ以上のステップ又は要素を保持するが、それらの1つ以上のステップ又は要素を保持することに限定されない。同様に、1つ以上の特徴を「備える」、「有する」、「含む」又は「含有する」方法のステップ又は装置の要素は、それらの1つ以上の特徴を保持するが、それらの1つ以上の特徴を保持することに限定されない。さらに、特定の方法で構成される装置又は構造は、少なくともその方法で構成されるが、列挙されていない方法で構成されてもよい。
【0047】
以下の特許請求の範囲の全てのミーンズプラスファンクション又はステッププラスファンクションの要素の対応する構造体、材料、行為、及び等価物は、存在する場合には、具体的に特許請求された他の特許請求要素との組み合わせにおいて機能を行うための任意の構造、材料、又は行為を含むことを意図する。本明細書に記載された説明は、例示及び説明の目的で提示されているが、網羅的であることも、あるいは開示された形態に限定されることも意図していない。当業者には、本開示の範囲及び精神から逸脱することなく、多くの修正例及び変形例が明らかであろう。実施形態を選択して、説明したが、それは、本明細書に記載の1つ以上の態様の原理及び実際の応用例を最も良く説明し、他の当業者が企図された特定の使用に適した様々な修正を伴う様々な実施形態について本明細書に記載された1つ以上の態様を理解できるようにするためである。
【国際調査報告】