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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-29
(54)【発明の名称】細胞治療および療法再注入方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/13 20150101AFI20220921BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220921BHJP
   A61K 35/32 20150101ALI20220921BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
A61K35/13
A61P35/00
A61K35/32
A61P37/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022504530
(86)(22)【出願日】2020-07-21
(85)【翻訳文提出日】2022-03-17
(86)【国際出願番号】 US2020042913
(87)【国際公開番号】W WO2021016261
(87)【国際公開日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】62/877,011
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522029213
【氏名又は名称】アラミン, トッド
(71)【出願人】
【識別番号】522029224
【氏名又は名称】エディディン, アブラム アラン
(71)【出願人】
【識別番号】522029235
【氏名又は名称】マランダン, ユーグ
(71)【出願人】
【識別番号】522029246
【氏名又は名称】モンタギュー-アラミン, ヒーリー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】アラミン, トッド
(72)【発明者】
【氏名】エディディン, アブラム アラン
(72)【発明者】
【氏名】マランダン, ユーグ
(72)【発明者】
【氏名】モンタギュー-アラミン, ヒーリー
【テーマコード(参考)】
4C087
【Fターム(参考)】
4C087AA01
4C087AA03
4C087BB33
4C087BB46
4C087BB63
4C087CA04
4C087NA14
4C087ZB09
4C087ZB26
(57)【要約】
軟および/または骨組織を含む、腫瘍組織が、対象から採取され、細切除去される。細切除去された組織は、腫瘍組織処理デバイスの格納チャンバ内に設置される、カートリッジ内に設置される。細切除去された腫瘍組織内の癌細胞は、その中の腫瘍抗原を破壊することなく、破壊される。これらの細胞は、液体窒素等の冷却流体にカートリッジを暴露することによって、随意に、加温サイクルを用いて、随意に、1つを上回る凍結/融解サイクルを用いて、極低温で破壊される。治療された組織および/または細胞は、次いで、カートリッジから抽出され、それらが閾値条件に到達した後、対象に再導入される。治療された組織および/または細胞は、格納スリーブまたは再埋込バッグを介して再導入されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
癌を治療するための方法であって、前記方法は、
対象から採取された腫瘍組織を対象の中に再導入することを含み、前記再導入される腫瘍組織は、その癌細胞であって、前記癌細胞中の腫瘍抗原を破壊することなく、非活性化される、癌細胞を有している、方法。
【請求項2】
前記対象から採取された前記腫瘍組織は、軟組織または骨組織のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記対象から前記腫瘍組織を採取することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記対象の中に前記腫瘍組織を再導入することに先立って、前記対象から採取された前記腫瘍組織を細切除去することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記腫瘍組織を細切除去することは、前記採取された腫瘍組織を格納チャンバ内に設置することを含み、前記腫瘍組織は、前記格納チャンバ内で細切除去される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記対象から採取された前記腫瘍組織内の癌細胞を非活性化することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記腫瘍組織内の癌細胞を非活性化することは、前記癌細胞を破壊することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記腫瘍組織内の癌細胞を非活性化することは、前記腫瘍組織を冷却することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記腫瘍組織は、細切除去された後に冷却される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記冷却された腫瘍組織を加温することをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記腫瘍組織に対して1つ以上の冷却および加温サイクルを繰り返すことをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記1つ以上の冷却および加温サイクルは、腫瘍抗原を破壊することなく、細胞を非活性化または死滅させるように最適化される、冷却および加温の速度の規定される範囲に適合する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
非活性化された前記癌細胞を伴う前記腫瘍組織は、前記腫瘍組織が閾値数の冷却および加温サイクルに到達した後、前記対象の中に再導入される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
非活性化された前記癌細胞を伴う前記腫瘍組織は、前記腫瘍組織が閾値温度に到達した後、前記対象の中に再導入される、請求項8に記載の方法。
【請求項15】
非活性化された前記癌細胞を伴う前記腫瘍組織は、前記腫瘍組織が所定の時間周期にわたって前記閾値温度に到達した後、前記対象の中に再導入される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記腫瘍組織を冷却することは、前記腫瘍組織を極低温で治療することを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項17】
前記腫瘍組織は、液体窒素を用いて極低温で治療される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
非活性化された、その前記癌細胞を伴う前記腫瘍組織は、格納要素とともに再導入される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記格納要素は、格納スリーブを備える、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
療法再注入のための組織または細胞を治療するためのシステムであって、前記システムは、
採取された腫瘍組織を貯蔵および処理するためのカートリッジと、
前記カートリッジを除去可能に保持するための格納チャンバを含む、筐体と、
前記カートリッジを冷却するための前記格納チャンバの中への冷却剤の導入のための、前記格納チャンバに流体的に結合される、冷却流体ポートと、
(i)時間、前記格納チャンバ内の温度、または凍結/融解サイクルの位相のうちの1つ以上を表示すること、または
(ii)タイマまたは前記格納チャンバ内の前記温度のうちの1つ以上を制御すること、または
(iii)1つ以上の凍結/融解サイクルの特性を監視および駆動すること
のうちの1つ以上のためのユーザインターフェースと
を備える、システム。
【請求項21】
前記カートリッジ内に組織細切除去器をさらに備え、前記筐体は、前記組織細切除去器のための駆動部を含む、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記ユーザインターフェースは、前記採取された腫瘍組織の細切除去ステータスを表示するように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項23】
前記ユーザインターフェースは、前記組織細切除去器のための前記駆動部を制御するように構成される、請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
前記カートリッジを加温または融解させるための前記格納チャンバへの加温空気の導入のための、前記格納チャンバに流体的に結合される、加温空気ポートをさらに備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項25】
前記カートリッジは、管を備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項26】
前記カートリッジは、トレイを備える、請求項20に記載のシステム。
【請求項27】
前記カートリッジは、メッシュシリンダを備える、請求項20に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(相互参照)
本PCT出願は、参照することによって本明細書に完全に組み込まれる、2019年7月22日に出願された、米国仮出願第62/877,011号の優先権を主張する。
【0002】
(背景)
癌は、米国、他の国、および世界において、主要な死因である。従来的に、癌は、外科手術、化学療法、放射線療法、またはそれらの組み合わせを用いて治療されている。近年では、免疫療法ベースのアプローチが、成功および牽引力を獲得している。これらは、モノクローナル抗体、非特異的免疫療法、腫瘍分解性ウイルス療法、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法等のT細胞療法、および腫瘍抗原ワクチンを含む。これらの療法の有効性は、主に、標的患者に対するこれらの療法のパーソナル化に起因する。注目に値する進展にもかかわらず、癌のための「治癒方法」は、まだ実現されておらず、癌療法に対する改良が、依然として、所望される。
【0003】
関連のある公開文書は、第US20190023670号と、第US20180362519号と、第US20180044630号と、第US20140227781号と、第US20130122049号と、第US6036681号とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2019/0023670号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2018/0362519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
(要約)
本開示は、多くの場合、癌を治療するための腫瘍抗原ワクチンとして、対象に戻すような後続の療法注入のために、対象から抽出される組織および/または細胞を治療するための、方法、システム、ならびにデバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の側面は、療法再注入のために組織または細胞を治療するための方法を提供する。軟および/または骨組織を含む、腫瘍組織が、対象から採取されてもよい。腫瘍組織は、概して、格納チャンバまたは具体的な細切除去デバイス内で細切除去されてもよい。細切除去された腫瘍組織内の癌細胞は、その中の腫瘍抗原を破壊することなく、破壊される、または別様に非活性化されてもよい。癌細胞は、液体窒素等によって(例えば、極低温で)冷却することによって破壊されてもよい。細胞の本非活性化または破壊は、1つ以上の凍結/融解サイクルによって増強されてもよく、これらのサイクルは、凍結/融解サイクル内での冷却および加温の率、および/または凍結/融解サイクルの長さ、数、および/またはパターンを調節することによってさらに最適化されてもよい。凍結/融解サイクルは、細切除去された組織を収納する、格納チャンバを伴って実装されてもよい。非活性化または破壊された癌細胞と、保存された抗原とを伴う、腫瘍組織は、次いで、格納チャンバから抽出され、対象に再導入されてもよい。本組織は、処理チャンバ内の閾値温度または浸漬レベル、および/または規定された長さおよび/またはパターンの凍結/融解サイクルの数等の閾値条件に到達して初めて、抽出されてもよい。ある場合には、本組織は、再埋込される組織への免疫応答を強化するように最適化され得る、スリーブ等の格納要素とともに再導入される。
【0007】
本開示の側面はまた、療法再注入のために組織または細胞を治療するためのシステムおよびデバイスも提供する。例示的システムは、採取された腫瘍組織を貯蔵および処理するための、カートリッジ、カートリッジ内の、カートリッジに動作可能に結合可能である、またはカートリッジから独立して動作される、組織細切除去器、カートリッジを除去可能に保持するための格納チャンバと、随意に、組織細切除去器のための駆動部とを含む、筐体、カートリッジを冷却するための格納チャンバの中への冷却剤の導入のための、格納チャンバに流体的に結合される、冷却流体ポート、および/または(i)時間、格納チャンバ内の温度、および/または細切除去ステータスのうちの1つ以上を表示すること、および/または(ii)タイマ、温度、および/または組織細切除去器のための駆動部のうちの1つ以上を制御すること、および/または(iii)1つ以上の凍結/融解サイクルの特性を監視および駆動することのうちの1つ以上のためのユーザインターフェースのうちの1つ以上を備えてもよい。これらの特性は、凍結の率および持続時間、融解のための率ならびに持続時間、凍結および融解のための標的温度等を含んでもよい。本システムはさらに、カートリッジを加温または融解させるための格納チャンバへの加温空気もしくは流体の導入のための、格納チャンバに流体的に結合される、加温空気または流体ポートを備えてもよい。代替として、または組み合わせにおいて、誘導および/または抵抗加熱要素等の加温要素が、カートリッジを加温または融解させるために提供されてもよい。カートリッジは、管、トレイ、および/またはメッシュシリンダの形態にあってもよい。
【0008】
本開示の側面は、癌を治療するための方法を提供する。例示方法は、対象から採取された腫瘍組織を対象の中に再導入するステップを含んでもよく、再導入される腫瘍組織は、その癌細胞であって、該癌細胞中の腫瘍抗原を破壊することなく、非活性化される、癌細胞を有している。
【0009】
対象から採取された腫瘍組織は、軟組織または骨組織のうちの1つ以上を含んでもよい。本方法はさらに、対象から腫瘍組織を採取するステップを含んでもよい。本方法はさらに、対象の中に腫瘍組織を再導入することに先立って、対象から採取された腫瘍組織を細切除去するステップを含んでもよい。腫瘍組織は、腫瘍組織が細切除去される、格納チャンバ内に採取された腫瘍組織を設置することによって細切除去されてもよい。
【0010】
本方法はさらに、対象から採取された腫瘍組織内の癌細胞を非活性化するステップを含んでもよい。腫瘍組織内の癌細胞を非活性化することは、癌細胞を破壊することを含んでもよい。腫瘍組織内の癌細胞を非活性化することは、腫瘍組織を冷却することを含んでもよい。腫瘍組織は、細切除去された後に冷却されてもよい。冷却された腫瘍組織は、加温されてもよい。本方法はさらに、腫瘍組織に対して1つ以上の冷却および加温サイクルを繰り返すステップを含んでもよい。1つ以上の冷却および加温サイクルは、腫瘍抗原を破壊することなく、細胞を非活性化もしくは死滅させるように最適化される、冷却および加温の速度の規定される範囲に適合してもよい。非活性化された癌細胞を伴う腫瘍組織が、該腫瘍組織が閾値数の冷却および加温サイクルに到達した後、および/または該腫瘍組織が閾値温度に到達し、随意に、所定の時間周期にわたって閾値温度に到達した後、対象の中に再導入されてもよい。腫瘍組織は、液体窒素等を用いて腫瘍組織を極低温で治療することによって冷却されてもよい。非活性化された、その癌細胞を伴う腫瘍組織は、格納スリーブ等の格納要素とともに再導入されてもよい。
【0011】
本開示の側面は、療法再注入のための組織または細胞を治療するためのシステムを提供する。例示的システムは、採取された腫瘍組織を貯蔵および処理するための、カートリッジと、カートリッジを除去可能に保持するための格納チャンバを含む、筐体と、
【0012】
カートリッジを冷却するための格納チャンバの中への冷却剤の導入のための、格納チャンバに流体的に結合される、冷却流体ポートと、ユーザインターフェースとを備えてもよい。ユーザインターフェースは、(i)時間、格納チャンバ内の温度、または凍結/融解サイクルの位相のうちの1つ以上を表示すること、もしくは(ii)タイマまたは格納チャンバ内の温度のうちの1つ以上を制御すること、もしくは(iii)1つ以上の凍結/融解サイクルの特性を監視および駆動することのうちの1つ以上のために構成されてもよい。
【0013】
本システムはさらに、カートリッジ内に組織細切除去器を備えてもよい。筐体は、組織細切除去器のための駆動部を含んでもよい。ユーザインターフェースは、採取された腫瘍組織の細切除去ステータスを表示するように構成されてもよい。ユーザインターフェースは、組織細切除去器のための駆動部を制御するように構成されてもよい。
【0014】
本システムはさらに、カートリッジを加温または融解させるための格納チャンバへの加温空気の導入のための、格納チャンバに流体的に結合される、加温空気ポートを備えてもよい。
【0015】
カートリッジは、管、トレイ、メッシュシリンダ、または同等物等の種々の形態にあってもよい。
【0016】
(参照による組み込み)
本明細書に言及される全ての公開文書、特許、および特許出願は、各個々の公開文書、特許、または特許出願が参照することによって組み込まれると具体的かつ個々に示された場合と同程度に、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本開示の新規の特徴は、添付の請求項において詳細に記載される。本開示の特徴および利点のより深い理解が、本開示の原理が利用される例証的実施形態を記載する、以下の詳細な説明と、付随の図面とを参照することによって得られるであろう。
【0018】
図1A図1Aは、本開示の実施形態による、腫瘍組織処理デバイスの概略図である。
【0019】
図1B図1Bは、図1Aの腫瘍組織処理デバイスの格納チャンバの上面図である。
【0020】
図2図2は、本開示の実施形態による、腫瘍組織処理デバイスのための例示的格納チャンバの側面図である。
【0021】
図3図3は、本開示の実施形態による、腫瘍組織の処理および再注入方法のフローチャートである。
【0022】
図4A図4Aは、本開示の実施形態による、組織処理システムの斜視図を示す。
【0023】
図4B図4Bは、図4Aの組織処理システムの分解図を示す。
【0024】
図4C図4C、4D、および4Eは、それぞれ、図4Aの組織処理システムのコンソールシェルの斜視図、(左)側面図、ならびに(右)側面図を示す。
図4D図4C、4D、および4Eは、それぞれ、図4Aの組織処理システムのコンソールシェルの斜視図、(左)側面図、ならびに(右)側面図を示す。
図4E図4C、4D、および4Eは、それぞれ、図4Aの組織処理システムのコンソールシェルの斜視図、(左)側面図、ならびに(右)側面図を示す。
【0025】
図4F図4Fおよび4Gは、図4Aの組織処理システムの多目的蓋の斜視図を示す。
図4G図4Fおよび4Gは、図4Aの組織処理システムの多目的蓋の斜視図を示す。
【0026】
図4H図4Hは、図4Aの組織処理システムの蓋ロックの斜視図を示す。
【0027】
図4I図4I、4J、および4Kは、それぞれ、極低温/冷却サイクル位置、遷移位置、ならびに加温サイクル位置にある、図4Aの組織処理システムの斜視図を示す。
図4J図4I、4J、および4Kは、それぞれ、極低温/冷却サイクル位置、遷移位置、ならびに加温サイクル位置にある、図4Aの組織処理システムの斜視図を示す。
図4K図4I、4J、および4Kは、それぞれ、極低温/冷却サイクル位置、遷移位置、ならびに加温サイクル位置にある、図4Aの組織処理システムの斜視図を示す。
【0028】
図4L図4Lは、本開示の実施形態による、図4Aの組織処理システムの例示的使用方法のフローチャートを示す。
【0029】
図5A図5Aは、本開示のさらなる実施形態による、組織処理システムの斜視図を示す。
【0030】
図5B図5Bは、図5Aの組織処理システムの正面図を示す。
【0031】
図5C図5Cは、図5Aの組織処理システムの変換チャンバの上面図を示す。
【0032】
図5D図5D、5E、および5Fは、それぞれ、極低温/冷却サイクル位置、遷移位置、ならびに加温サイクル位置にある、図5Aの組織処理システムの変換チャンバの側面断面図を示す。
図5E図5D、5E、および5Fは、それぞれ、極低温/冷却サイクル位置、遷移位置、ならびに加温サイクル位置にある、図5Aの組織処理システムの変換チャンバの側面断面図を示す。
図5F図5D、5E、および5Fは、それぞれ、極低温/冷却サイクル位置、遷移位置、ならびに加温サイクル位置にある、図5Aの組織処理システムの変換チャンバの側面断面図を示す。
【0033】
図5G図5Gは、図5Aの組織処理システムの被覆されていない変換チャンバの底部斜視図を示す。
【0034】
図5H図5Hおよび5Iは、それぞれ、図5Aの組織処理システムの変換チャンバのための組織トレイの斜視図ならびに側面図を示す。
図5I図5Hおよび5Iは、それぞれ、図5Aの組織処理システムの変換チャンバのための組織トレイの斜視図ならびに側面図を示す。
【0035】
図5J図5Jは、図5Aの組織処理システムの変換チャンバのためのカバーの斜視図を示す。
【0036】
図5K図5Kは、本開示の実施形態による、図5Aの組織処理システムの例示的使用方法のフローチャートを示す。
【0037】
図6A図6Aおよび6Bは、それぞれ、本開示のさらなる実施形態による、組織処理システムの斜視図ならびに側面図を示す。
図6B図6Aおよび6Bは、それぞれ、本開示のさらなる実施形態による、組織処理システムの斜視図ならびに側面図を示す。
【0038】
図6C図6Cおよび6Dは、それぞれ、「低温ガスオン」位置ならびに「低温ガスオフ」位置にある、図6Aおよび6Bの組織処理システムの側面断面図を示す。
図6D図6Cおよび6Dは、それぞれ、「低温ガスオン」位置ならびに「低温ガスオフ」位置にある、図6Aおよび6Bの組織処理システムの側面断面図を示す。
【0039】
図6E図6Eおよび6Fは、それぞれ、本開示の実施形態による、図6Aならびに6Bの組織処理システムに関する、処理されるべき組織を保持するためのメッシュアセンブリの斜視図および側面図を示す。
図6F図6Eおよび6Fは、それぞれ、本開示の実施形態による、図6Aならびに6Bの組織処理システムに関する、処理されるべき組織を保持するためのメッシュアセンブリの斜視図および側面図を示す。
【0040】
図6G図6Gは、本開示の実施形態による、図6Eおよび6Fのメッシュアセンブリとの併用のために好適な、リング組織/骨充塞器の斜視図を示す。
【0041】
図6H図6Hは、被覆されていない、6Eおよび6Fのメッシュアセンブリの斜視図を示す。
【0042】
図6I図6Iは、図6Aおよび6Bのメッシュアセンブリとの併用における、図6Gのリング組織/骨充塞器の斜視図を示す。
【0043】
図6J図6Jは、本開示の実施形態による、図6Aおよび6Bの組織処理システムの例示的使用方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0044】
(詳細な説明)
本開示は、多くの場合、癌を治療するための腫瘍抗原ワクチンとして、対象に戻すような後続の療法注入のために、対象から抽出される組織および/または細胞を治療するための、方法、システム、ならびにデバイスを提供する。特に、提供されるものは、腫瘍への免疫応答を刺激するために、患者への死滅された腫瘍細胞の再埋込(本明細書では、「再注入」または「再導入」とも称される)を可能にするために、腫瘍抗原を保存しながら、腫瘍細胞を死滅させるように構成される、デバイスである。
【0045】
好適な腫瘍組織処理デバイスが、多くのデバイス要件を充足させるべきである。デバイスは、多くの場合、随意に、1つ以上の凍結/融解サイクルを伴う、極低温治療を含むであろう、腫瘍細胞を死滅させるための組織処理方法のステップにわたって、組織を予測通りに調製するべきである。デバイスは、細胞の生存能力の破壊をもたらす、細胞溶解が続く、組織の完全な凍結を可能にするための、予測通りの方法における腫瘍組織の極低温治療を促進するべきである。デバイスは、再埋込または再注入のために結果として生じる組織を送達することが可能であるべきである。デバイスは、腫瘍組織の格納および再埋込または再注入のし易さのための、埋込カフを有してもよい。
【0046】
腫瘍組織処理デバイスの多くの主要となる要素が、例示的腫瘍組織処理デバイス100を示す、図1Aに示される。重要となるコンポーネントは、組織細切除去、組織貯蔵、および/または他の処理のための交換可能なカートリッジとインターフェースをとり得る、格納チャンバ110である。採取された腫瘍組織は、その中で腫瘍組織治療の段階が実施され得る、カートリッジ内に設置されてもよい。腫瘍組織は、したがって、完全な治療が、治療されていない組織の汚染なく保証されるように、治療全体にわたってカートリッジ内に存在することができる。典型的には、組織は、治療が終了されるまで、カートリッジから退出することは決してないが、いくつかの事例では、組織は、独立的なデバイスを用いて細切除去され、冷却および加温サイクル等を伴う治療にわたって、カートリッジ内に設置されてもよい。カートリッジの2つのタイプ、すなわち、骨および硬組織のための1つと、軟組織のための1つとが、提供されてもよい。
【0047】
いくつかの実施形態では、組織は、下流(冷却および加温)治療のためのものと同一のカートリッジ内で細切除去される。骨/硬組織カートリッジは、図1Bに示されるような、旋回し、組織を、液体窒素または他の極低温/冷却流体によって予測通りに治療され得る、より小さい部片に粉砕する、機械的ブレード130を有してもよい。部片のサイズは、完全な治療を保証するために時間経過にわたって(典型的には、図1Aに示されるような漏斗140によって導入されるような液体窒素を用いた)極低温治療浸透の深度を考察する、実験室検査によって判定されることができる。ブレード130は、要求される時間量にわたってブレード130を旋回させる、デバイス100の上側部分内のドリル150と相互作用することができる。
【0048】
軟組織カートリッジは、組織を、再び温度浸透検査に基づいて要求されるサイズに切断するだけではなく、取扱要件のためにも、より容易に取り扱うために小さい部片に切断する、一連の鋭的な篩を有することができる。これらの鋭的な篩は、本デバイスの機能を開始するように臨床医によって押下される、または自動化されている、機械的レバー150によってアクティブ化されることができる。
【0049】
腫瘍組織処理デバイスは、初期デバイス機能が稼働することを可能にする、すなわち、カートリッジが本デバイス内に設置され、次いで、カートリッジ(例えば、図2に示されるような初期格納チャンバ120a)の補助を用いて組織細切除去機能を実施することを可能にするための、第1の部分を有してもよい。腫瘍組織処理デバイスは、展開され、カートリッジを、カートリッジを液体窒素(またはある他の冷却剤)中に浸漬する、デバイス100の第2の部分の中に移動させ得、次いで、要求される時間にわたって完全に浸漬される(例えば、図2に示されるような最終格納チャンバ120b)、(例えば、上部/前面プレートの形態にある)レバーもしくはプランジャ150を含んでもよい。図1Aに示されるように、デバイス100上に、治療が行われるときに視覚および/または可聴信号を生産する、タイマ160が、存在してもよい。図1Aに示されるように、デバイス100はまた、(温度ならびにpH、酸素化、水分含有量等の他の条件を測定し得る、センサ180によって測定されるような)温度読出部170ならびに凍結/加熱サイクルの数を読み出すものを有してもよい。冷却剤が、次いで、本デバイスの組織格納チャンバ(図1Bに示されるような、廃液のための吸込/重力ポート190)から廃液され、臨床医を熱傷させる尤度を最小限化することができ、カートリッジが、次いで、組織の再埋込または再注入を可能にするように本デバイスから送達されることができる。随意に、本装置は、規定される特性の1つ以上の凍結/融解サイクルを促進してもよい。随意に、腫瘍組織は、次いで、再埋込を促進するための埋込可能バッグの中に送達されることができる。再埋込バッグは、容易な外植を可能にするための吸収性材料または非吸収性材料のいずれからも成ることができる。本材料は、再移植された組織に対する免疫応答を高める、または増強するように最適化されてもよい。バッグは、多くの場合、免疫応答を刺激するために重要となる、容易な生物学的利用能を可能にするために、多孔性であってもよい。バッグまたはスリーブは、チャンバの上部が除去もしくは開放された後、格納チャンバの上部にわたって嵌合されてもよい。本デバイスはさらに、腫瘍細胞を死滅させるだけではなく、臨床医が、温度が、安全な取扱および再埋込を可能にするように室温に戻ったときを把握することを可能にもするための適切な温度循環が達成されたことを確認するための、カートリッジ温度モニタも含んでもよい。
【0050】
図3は、腫瘍組織処理および再注入方法300のフローチャートを示す。腫瘍組織は、例えば、ステップ310において、最初に採取されてもよい。腫瘍組織は、骨組織、軟組織、または両方であり得る。採取された腫瘍組織は、次いで、例えば、ステップ320において、格納チャンバ内、典型的には、カートリッジの中に設置されてもよい。腫瘍組織は、次いで、例えば、ステップ330において、細切除去されてもよい。腫瘍組織は、次いで、例えば、ステップ340において、液体窒素等の極低温剤を用いて治療され、それらの腫瘍抗原を破壊することなく、細胞を死滅させる、または別様に非活性化してもよい。腫瘍組織は、-50℃またはそれを下回る温度まで冷却され、細切除去された組織内の癌性細胞を死滅させる、破壊する、もしくは別様に非活性化してもよい。治療された組織の温度および/または浸漬レベが、監視されることができ、いったん-50℃またはそれを下回る温度等の閾値温度に、1分等の少なくとも所与の時間周期にわたって到達すると、治療された組織は、ステップ350において、融解(すなわち、加熱もしくは加温)されてもよい。いったん-50℃またはそれを下回る温度等の閾値温度が、1分等の少なくとも所与の時間周期にわたって再び到達されると、治療された組織は、再び冷却されてもよい。ステップ360における、凍結/加熱サイクルまたはステップ340および350の繰り返しのうちの1つ以上の後に、治療された組織が、収集されてもよい。いくつかの実施形態では、繰り返される冷却および加熱が、必要ではない場合がある。ステップ370において、治療された組織は、カートリッジおよび組織治療システムから除去されることができる。治療された組織は、次いで、例えば、ステップ380において、再埋込されることができる。治療された組織は、典型的には、組織格納スリーブまたはバッグ内に再埋込されるが、単独でも再埋込されることができる。1つの使用は、癒合手技における骨移植のためのものであり得る。
【0051】
上記のステップは、多くの実施形態に従って組織を採取、処理、および再導入する特定の方法を説明するが、当業者は、本明細書に説明される教示に基づく、多くの変形例を認識するであろう。ステップは、異なる順序において完了されてもよい。ステップは、追加または省略されてもよい。ステップのうちのいくつかが、サブステップを含んでもよい。ステップのうちの多くのものが、治療に対して有益な回数だけ繰り返されてもよい。
【0052】
図4A-4Mを参照すると、組織処理システム400およびシステム400のための例示的使用方法4000が、説明される。組織処理システム400は、図4Bに示されるように、変換チャンバコンソール410と、蓋420と、細切除去された組織を保持するための管432のためのカルーセル430とを備えてもよい。代替として、または細切除去された組織を保持するための管432を伴うカルーセル430の使用との組み合わせにおいて、本明細書に説明されるようなメッシュアセンブリ、例えば、さらに下記に図6A-6Jを用いて説明される、メッシュアセンブリが、使用されてもよい。チャンバコンソール410は、図4Aに示されるように、電源ボタン412と、グラフィックディスプレイを含み得る、ユーザインターフェース414とを含んでもよい。システム400はさらに、蓋420に動作可能に結合可能な蓋カバー422を含んでもよい。チャンバコンソール410は、コンソールシェル416を備え、変換チャンバ440および(冷却/加温)サイクルスイッチ450を画定してもよい。図4C-4Eに示されるように、コンソールシェル416は、空所460を画定してもよい。空所460は、一側において極低温または冷却ガス送達システム、反対側において加温空気送達システム、ならびにシステム400の電子制御コンポーネントを収容してもよい。システム400はさらに、極低温または冷却ガス入口470と、融解および/または加温空気入口480とを備えてもよい。
【0053】
蓋420は、多目的蓋であり、変換チャンバ440を閉鎖すること、極低温/冷却サイクルと加温/融解サイクルとの間でシステム400を切り替えること、極低温/冷却ガスまたは加温空気のいずれかが変換チャンバに進入することを可能にすること、および/または換気を提供することを含む、複数の目的を有してもよい。図4Fおよび4Gに示されるように、蓋420は、通気孔424と、極低温ガス入口470と整合され得る、極低温または冷却ガス入口426と、加温ガス入口480と整合され得る、加温ガス入口428とを備えてもよい。図4Hに示されるように、蓋ロック422は、楔形シャフト423と、(通気孔)開放位置にある蓋420の通気孔424と整合され得る、開口部425とを備えてもよい。蓋420は、(比較的に定常状態の)蓋ロック422に対して回転され、通気孔424を開放および閉鎖してもよい。楔形シャフト423は、424の蓋が作動されるにつれて、その予測通りの開放および閉鎖を可能にするために、窓または開口部425を配向することができる。蓋ロック422は、例えば、変換チャンバ440の底部における希土類元素磁石等の磁石によって、定位置に保持されてもよい。
【0054】
図4I-4Kに示されるように、蓋420は、回転され、通気孔424、425を開放および閉鎖する、ならびにサイクルスイッチ450とインターフェースをとることによって冷却機能と加温/融解機能との間でシステム400を切り替えてもよい。蓋420は、通気孔424が図4AIにおけるように閉鎖されている状態で、極低温または冷却サイクル位置450c内に位置付けられてもよい。通気孔424が、閉鎖されている間、通気孔424は、いくつかの実施形態では、圧力蓄積が少なく存在する状態から全く存在しない状態であるように、完全にシールされない。極低温または冷却サイクル位置450cでは、蓋420の極低温ガス入口426は、極低温ガス入口470と整合され、極低温もしくは冷却ガスが、図4Fにおけるように変換チャンバ440に進入することを可能にしながら、加温ガス入口428を加温ガス入口480と不整合にし、加温ガスが変換チャンバ440に進入しないように防止してもよい。
【0055】
蓋420は、通気孔424を伴う蓋が、図4Jにおけるように部分的に開放されている状態で、遷移位置内に位置付けられてもよい。本遷移位置では、蓋420の極低温ガス入口426は、極低温ガス入口470と不整合にされ、極低温または冷却ガスが変換チャンバ440に進入しないように防止してもよく、加温ガス入口428は、加温ガス入口480と不整合にされ、加温ガスが変換チャンバ440に進入しないように防止してもよい。
【0056】
蓋420は、通気孔424が(完全に)開放された状態で加温または融解サイクル位置450w内に位置付けられてもよい。高流量の加温空気が、変換チャンバ440の中に押し込まれてもよく、開放している通気孔424が、圧力蓄積を防止し、また、熱交換を可能にすることもできる。本加温または融解サイクル位置では、蓋420の極低温ガス入口426が、極低温ガス入口470と不整合にされ、極低温もしくは冷却ガスが変換チャンバ440に進入しないように防止しながら、加温ガス入口428が、加温ガス入口480と整合され、加温ガスが、図4Gにおけるように、変換チャンバ440に進入することを可能にしてもよい。加温空気は、変換チャンバ440の中に押し込まれる、熱い空気から成ってもよい。加温空気は、例えば、滅菌状態であり、カニスタから調達されてもよい。加温空気は、例えば、加温された窒素ガスから成ってもよい。いくつかの実施形態では、誘導コイル等の加温要素が、加温ガス入口428および/または加温ガス入口480の近傍に提供され、流入空気を独立して加温してもよい。いくつかの実施形態では、UV光エミッタが、提供され、流入する加温空気を滅菌してもよい。
【0057】
図4Lを参照すると、システム400等を用いた、組織を処理するための方法4000が、ここで説明される。ステップ4010において、管432のうちの1つ以上に、細切除去された組織が装填されてもよい。細切除去された組織は、任意の組織細切除去デバイスから提供され、細切除去された形態において、1つ以上の管432の中に装填されてもよい。上記に記載されるように、代替として、または細切除去された組織を保持するための管432を伴うカルーセル430の使用との組み合わせにおいて、本明細書に説明されるようなメッシュアセンブリ、例えば、さらに下記に図6A-6Jを用いて説明される、メッシュアセンブリが、使用されてもよい。ステップ4020において、装填された管432が、カルーセル430内に設置されてもよい。ステップ4030において、カルーセル430は、変換チャンバ440の中に設置されてもよい。ステップ4040において、多目的蓋420が、変換チャンバ440内のカルーセル430にわたって設置されてもよい。ステップ4050において、カルーセル430および蓋420が、蓋ロック422を挿入することによって固着されてもよい。ステップ4060において、蓋420が、極低温または冷却サイクル位置450c内に位置付けられてもよい。ステップ4070において、細切除去された組織が、細切除去された組織内の癌性細胞を死滅させる、破壊する、または別様に非活性化するように、極低温もしくは冷却サイクル内で極低温で治療または冷却されてもよい。組織は、方法300に関してさらに上記に説明されるように、閾値温度まで冷却されてもよい。ステップ4080において、システム400は、極低温または冷却サイクルが完了したことのアラートを提供してもよい。ステップ4090において、蓋420が、融解または加温サイクル450w内に位置付けられてもよい。ステップ4100において、組織は、融解または加温サイクル内で融解および/または加温されてもよい。組織は、方法300に関してさらに上記に説明されるように、閾値温度まで加温されてもよい。加温空気の使用が、説明されているが、組織は、同様に、加熱要素、例えば、誘導または抵抗加熱要素等を用いて、他の方法において加温されてもよい。システム400は、融解または加温サイクルが完了したことのアラートを提供してもよく、ステップ4110において、冷却/加温(すなわち、凍結/融解)が、システム400によって命令されるように繰り返されてもよい。いくつかの実施形態では、繰り返される冷却および加熱が、必要ではない場合がある。ステップ4120において、治療された組織が、管432および組織治療システム400から除去されることができる。治療された組織は、次いで、例えば、ステップ4130において、再埋込されることができる。治療された組織は、典型的には、組織格納スリーブまたはバッグ内に再埋込されるが、単独でも再埋込されることができる。1つの使用は、癒合手技における骨移植のためのものであり得る。
【0058】
上記のステップは、多くの実施形態に従って組織を処理する特定の方法を説明するが、当業者は、本明細書に説明される教示に基づく、多くの変形例を認識するであろう。ステップは、異なる順序において完了されてもよい。ステップは、追加または省略されてもよい。ステップのうちのいくつかが、サブステップを含んでもよい。ステップのうちの多くのものが、有益な回数だけ繰り返されてもよい。
【0059】
図5A-5Kを参照すると、組織処理システム500およびシステム500のための例示的使用方法5000が、説明される。図5Aおよび5Bに示されるように、システム500は、蓋通気孔512を伴う蓋510と、変換チャンバ520と、ユーザインターフェースおよび/またはディスプレイを含み得る、制御ユニット530とを備えてもよい。図5C-5Fに示されるように、変換チャンバ520は、図5Dの矢印526によって示されるもの等、加温パン524と冷却パン525との間で(図5Hおよび5Iにより詳細に示される)細切除去された組織を保持するための組織トレイ523を搬送し、移動させるための、吊下ロッド522に結合される、発振アーム521を備えてもよい。図5Dはまた、加温液体および冷却液体による保持される組織の汚染を防止するように、組織トレイ523が下に設置されない、加温パン524ならびに冷却パン525のための液体レベル527も示す。冷却液体は、例えば、液体窒素であってもよい。図5Dは、冷却パン525内に設置される、組織トレイ523を示し、図5Eは、冷却パン525から移動されるプロセスにあり、中立位置にある、組織トレイ523を示し、図5Fは、加温パン524内に設置される、組織トレイ523を示す。図5Gに示されるように、変換チャンバ520の本体は、例えば、図5Jに示される、加温および冷却パン524、525のための一対の隔離された鋼鉄パン523を備えてもよい。変換チャンバ520はまた、ステップモータおよび電子制御部534と、ステップモータならびに発振アーム521に結合され、冷却/加温サイクルの現在の位相に従って発振アーム521を制御し、移動させるための、作動シャフト536とを含んでもよい。図5Hおよび5Iに示されるように、組織トレイ523の底部表面は、広い表面積を提供し、冷却ならびに加温の間のエネルギー伝達を最適化するために波型であってもよい。
【0060】
図5Kを参照すると、システム500等を用いた、組織を処理するための方法5000が、ここで説明される。ステップ5010において、細切除去された組織が、組織トレイ523内に設置されてもよい。細切除去された組織は、任意の組織細切除去デバイスから提供され、細切除去された形態において、組織トレイ523の中に装填されてもよい。細切除去された組織は、波型底部表面内の全ての空洞が、充填され、表面と同一平面上にある、またはそれと同一平面未満であるように、トレイ523内に設置されてもよい。ステップ5020において、吊下ロッド522が、組織トレイ523に結合されてもよい。ステップ5030において、システム蓋510が、開放されてもよい。ステップ5040において、組織トレイ523が、典型的には、中立位置にある、発振アーム520上に吊下することによって変換チャンバ520内に設置されてもよい。ステップ5050において、冷却/加温サイクルが、システム500によって開始されてもよい。組織は、方法300に関してさらに上記に説明されるように、閾値温度まで冷却および加温されてもよい。組織の冷却/凍結は、細切除去された組織内の癌性細胞を死滅させる、破壊する、または別様に非活性化することができる。冷却/加温サイクルにおいて、アーム521は、所定の間隔において極低温/冷却パンから融解/加温パンまで発振し、組織が凍結および融解することを確実にしてもよい。サイクルは、1回または数回発生してもよい。トレイ内での加温液体の使用が、説明されるが、組織は、同様に、加熱要素、例えば、誘導または抵抗加熱要素等を用いて、他の方法において加温されてもよい。ステップ5070において、冷却/加温サイクルが、システム500によって終了されてもよい。ステップ5080において、治療された組織が、組織トレイ523および組織治療システム500から除去されることができる。治療された組織は、次いで、例えば、ステップ5090において、再埋込されることができる。治療された組織は、典型的には、組織格納スリーブまたはバッグ内に再埋込されるが、単独でも再埋込されることができる。1つの使用は、癒合手技における骨移植のためのものであり得る。
【0061】
上記のステップは、多くの実施形態に従って組織を処理する特定の方法を説明するが、当業者は、本明細書に説明される教示に基づく、多くの変形例を認識するであろう。ステップは、異なる順序において完了されてもよい。ステップは、追加または省略されてもよい。ステップのうちのいくつかが、サブステップを含んでもよい。ステップのうちの多くのものが、有益な回数だけ繰り返されてもよい。
【0062】
図6A-6Jを参照すると、組織処理システム600およびシステム600のための例示的使用方法6000が、説明される。図6Aおよび6Bに示されるように、システム600は、システム筐体610と、変換チャンバ620と、作動ボタンまたは制御部630と、ディスプレイもしくはスクリーン640と、低温ガスのための可撓性管類650と、加温空気入口コネクタ660と、通気孔670と、低温タワー蓋680とを備えてもよい。図6Cおよび6Dに示されるように、低温タワー蓋680は、開放されてもよく、低温ガスカニスタ682は、システム600の低温タワー内に設置されてもよい。低温ガスカニスタ682は、例えば、窒素ガス等の冷却ガスを保持してもよい。システム600は、低温ガスカニスタ682に結合可能であり、カム686と動作可能である、ピストン684を備えてもよい。図6Cに示されるように、「オン」位置において、カム686が、作動され、ピストン684および低温ガスカニスタ682を調節可能なハード停止部688まで前進させ、低温ガスカニスタの上部弁を開放し、低温ガスが、可撓性管類650を介して変換チャンバ620に進入することを可能にしてもよい。変換チャンバ620は、細切除去された組織を含有するためのメッシュシリンダまたはメッシュアセンブリ621を除去可能に収納してもよい。低温空気拡散器622が、変換チャンバ620内に提供され、低温ガスキャニスタ682から低温空気を拡散してもよい。図6Dに示されるように、「オフ」位置において、カム686が、作動され、ピストン684および低温ガスカニスタ682を後退させ、低温ガスカニスタの上部弁が、閉鎖し、低温ガスが可撓性管類650を介して変換チャンバ620に進入しないように防止してもよい。本「オフ」位置において、加温空気が、加温空気入口(ボール)弁662および加温空気入口コネクタ660を介して変換チャンバ620の中に入ることを可能にされ得る。加温空気は、変換チャンバ620の中に押し込まれる、熱い空気から成ってもよい。加温空気は、例えば、滅菌状態であり、カニスタから調達されてもよい。加温空気は、例えば、加温された窒素ガスから成ってもよい。いくつかの実施形態では、誘導コイル等の加温要素が、加温空気入口弁662および/または加温空気入口コネクタ660の近傍に提供され、流入空気を独立して加温してもよい。いくつかの実施形態では、UV光エミッタが、提供され、流入する加温空気を滅菌してもよい。
【0063】
図6E-6Iは、メッシュシリンダまたはメッシュアセンブリ621および/またはメッシュアセンブリ621と併用されるべきリング(骨)組織充塞器626を示す。メッシュアセンブリ621は、外側メッシュ層623と、内側メッシュ層624と、基部627とを備えてもよい。リング組織充塞器626は、外側メッシュ層623と内側メッシュ層624との間の空間内に細切除去された組織を位置付け、充塞するために使用されてもよい。除去可能な漏斗625および蓋629が、メッシュアセンブリ621上に設置され、組織充塞を誘導してもよい。細切除去された組織が、該空間内に充塞された後、メッシュアセンブリ621は、変換チャンバ620内に設置されてもよい。漏斗629および蓋625は、変換チャンバ620の中へのメッシュアセンブリ621の設置の前に、除去されてもよい。
【0064】
図6Jを参照すると、システム600等を用いた、組織を処理するための方法6000が、ここで説明される。ステップ6010において、除去可能な漏斗629および蓋625が、メッシュアセンブリ621の内側ならびに外側メッシュ上に設置されてもよい。ステップ6020において、細切除去された組織が、除去可能な漏斗629および蓋625上に設置されてもよい。細切除去された組織は、任意の組織細切除去デバイスから提供され、細切除去された形態において、除去可能な漏斗および蓋629上に設置されてもよい。ステップ6030において、リング充塞器626が、使用され、細切除去される(骨)組織を内側メッシュと外側メッシュとの間の空所または空間の中に押し込んでもよい。ステップ6040において、リング充塞器626および漏斗629ならびに蓋625が、メッシュアセンブリ621から除去されてもよい。ステップ6050において、メッシュアセンブリ621は、変換チャンバ620の内側に挿入されてもよい。ステップ6060において、変換チャンバ620の蓋が、閉鎖されてもよい。ステップ6070において、メッシュアセンブリ621および組織を伴う変換チャンバ620が、コンソールまたはシステム筐体610内に設置されてもよい。ステップ6080において、低温ガスカニスタ682が、コンソールまたはシステム筐体610内に設置されてもよく、タワー蓋680が、閉鎖されてもよい。ステップ6090において、可撓性管650が、変換チャンバ蓋の中に差し込まれてもよい。ステップ6100において、加温空気管が、加温空気入口コネクタ660に接続されてもよい。ステップ6110において、冷却/加温サイクルが、システム600によって開始されてもよい。組織は、方法300に関してさらに上記に説明されるように、閾値温度まで冷却および加温されてもよい。組織の冷却/凍結は、細切除去された組織内の癌性細胞を死滅させる、破壊する、または別様に非活性化することができる。サイクルは、1回または数回発生してもよい。加温空気の使用が、説明されるが、組織は、同様に、加熱要素、例えば、誘導または抵抗加熱要素等を用いて、他の方法において加温されてもよい。ステップ6120において、冷却/加温サイクルが、システム600によって終了されてもよい。ステップ6130において、治療された組織が、メッシュアセンブリ621および組織治療システム600から除去されることができる。治療された組織は、次いで、例えば、ステップ6140において、再埋込されることができる。治療された組織は、典型的には、組織格納スリーブまたはバッグ内に再埋込されるが、単独でも再埋込されることができる。1つの使用は、癒合手技における骨移植のためのものであり得る。
【0065】
上記のステップは、多くの実施形態に従って組織を処理する特定の方法を説明するが、当業者は、本明細書に説明される教示に基づく、多くの変形例を認識するであろう。ステップは、異なる順序において完了されてもよい。ステップは、追加または省略されてもよい。ステップのうちのいくつかが、サブステップを含んでもよい。ステップのうちの多くのものが、有益な回数だけ繰り返されてもよい。
【0066】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書に示され、説明されているが、そのような実施形態が、実施例としてのみ提供されることが、当業者に明白となるであろう。多数の変形例、変更、および代用が、ここで、本発明から逸脱することなく、当業者に想起されるであろう。本明細書に説明される発明の実施形態への種々の代替物が、本発明を実践する際に採用され得ることを理解されたい。以下の請求項が、本発明の範囲を定義すること、およびこれらの請求項ならびにそれらの均等物の範囲内の方法および構造が、それによって網羅されることが意図される。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図4K
図4L
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図5I
図5J
図5K
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
図6J
【国際調査報告】