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特表2022-542099工作機械のためのモジュラーベッドのモジュールを位置決めする装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-29
(54)【発明の名称】工作機械のためのモジュラーベッドのモジュールを位置決めする装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   B23Q 1/00 20060101AFI20220921BHJP
   B23Q 1/01 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
B23Q1/00 T
B23Q1/01 W
B23Q1/01 G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022504542
(86)(22)【出願日】2020-07-21
(85)【翻訳文提出日】2022-01-21
(86)【国際出願番号】 EP2020070560
(87)【国際公開番号】W WO2021013837
(87)【国際公開日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】102019000012486
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522029512
【氏名又は名称】プロファチェーレ エッセ.エッレ.エッレ.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ブルツォーネ,アレサンドロ アルトゥーロ
(72)【発明者】
【氏名】モンティ,マルゲリータ
(72)【発明者】
【氏名】ロシャーノ,イヴァン
【テーマコード(参考)】
3C048
【Fターム(参考)】
3C048AA03
3C048BB01
3C048BB03
3C048EE00
(57)【要約】
工作機械のためのモジュラーベッド(4)のモジュールを、参照モジュール(41)に対して位置決めするための装置が、三自由度(Z,a,b)に従ったモジュール(41,42)の整列を可能にする液体ベースのレベリング装置(2)と、少なくとも三自由度(Z,a,b)に従った設置されることになるモジュール(42)の空間的移動を可能にするベース支持体(3)とを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作機械のためのモジュラーベッドのモジュールを位置決めするための装置であって、前記モジュラーベッドは、平行であり且つ水平面上に配置されたガイドを備える2つの縦部材を有する参照モジュールと、前記参照モジュールと空間的に整列された、設置されることになるモジュールとを含み、前記位置決めするための装置は、
- 液体ベースのレベリング装置であり、
少なくとも3つの位置決めバルブ、
少なくとも1つの参照バルブ、
を含み、
連通管のシステムを構成するように、前記3つの位置決めバルブ及び前記参照バルブは相互に流体連通しており、
三自由度に従った前記モジュールの整列を可能にするように、前記3つの位置決めバルブは前記設置されることになるモジュールに関連付けられ、前記参照バルブは前記参照モジュールに関連付けられる、
液体ベースのレベリング装置と、
- ベース支持体であり、
第1のプレート、及び
前記第1のプレートに接続された支持脚であり、前記ベース支持体が、少なくとも前記三自由度に沿った前記設置されることになるモジュールの空間的移動を可能にするように、前記支持脚の各々が、前記第1のプレートに対する延長において独立して調整可能である、支持脚、
を含むベース支持体と、
を含む位置決めするための装置。
【請求項2】
前記ベース支持体は、前記第1のプレートに機能的に結合され且つ少なくとも3つのボール型トランスファーユニットを含むインターフェース要素をさらに含み、さらなる三自由度に従った前記モジュールの整列を可能にするように、前記インターフェース要素は、前記第1のプレートと前記設置されることになるモジュールとの間に挟まれるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の位置決めするための装置。
【請求項3】
前記液体ベースのレベリング装置は、前記設置されることになるモジュール上に、前記位置決めバルブが結合される少なくとも2つのキャリッジ、及び前記参照モジュール上に、少なくとも1つの参照バルブを有する1つのキャリッジをさらに含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の位置決めするための装置。
【請求項4】
前記位置決めバルブ及び前記参照バルブは目盛り付きであることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の位置決めするための装置。
【請求項5】
前記位置決めバルブ及び前記参照バルブの内側の液体のレベルを測定するためのシステムを含むことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の位置決めするための装置。
【請求項6】
前記位置決めバルブ及び前記参照バルブと液体連通するタンクを含み、前記タンクには、測定液体で満たす及び空にするために弁が提供されることが好ましいことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の位置決めするための装置。
【請求項7】
前記インターフェース要素は、前記ボール型トランスファーユニットに加えて、第2のプレートも含み、前記第2のプレートは、前記第1のプレートと前記第2のプレートとの間に前記ボール型トランスファーユニットを挟んで、前記ボール型トランスファーユニットの上でスライドすることができることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の位置決めするための装置。
【請求項8】
工作機械のためのモジュラーベッドのモジュールを位置決めする方法であって、前記モジュラーベッドは、平行であり且つ水平面上に配置された少なくとも2つのガイド装備縦部材を有する参照モジュールと、前記参照モジュールと空間的に整列された、設置されることになるモジュールとを含み、前記位置決めする方法は、
(a)連通管のシステムを構成するために、相互に流体連通した3つの位置決めバルブ及び1つの参照バルブを含む液体ベースのレベリング装置を提供するステップと、
(b)前記位置決めバルブを、設置されることになるモジュールに結合し、前記参照バルブを参照モジュールに結合するステップと、
(c)第1のプレート、及び前記第1のプレートに接続された支持脚であり、各々が、前記第1のプレートに対する延長において独立して調整可能である、支持脚を含むベース支持体を提供するステップと、
(d)前記設置されることになるモジュールを、前記ベース支持体上で保留するステップと、
(e)前記位置決めバルブ及び前記参照バルブの流体の自由表面のレベルが相互に整列させられるまで、前記支持脚を調整するステップと、
(f)前記設置されることになるモジュールを所定の位置においてロックするステップと、
を含む方法。
【請求項9】
(g)前記第1のプレートに機能的に結合され且つ少なくとも3つのボール型トランスファーユニットを含むインターフェース要素を提供するステップと、
(h)さらなる三自由度に従った前記参照モジュールとの前記設置されることになるモジュールの整列を可能にするように、前記インターフェース要素を、前記第1のプレートと前記設置されることになるモジュールとの間に挟むステップと、
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工作機械のためのモジュラーベッドのモジュールを位置決めする装置及び方法に関し、さらに、関連するベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
知られているように、工作機械(例えば、フライス盤及び旋盤等)は、通常、ベッドによって構成され、このベッドは、次に、床又は土台の上に置かれる。場合によっては、ベッドは、機械自体と一体化されており、機械全体に対して1つしかない。この場合、工作機械メーカの規定に従ってベッドを正確に位置決めするのに十分であるため、その現場における機械の設置は、特定の難しさを必然的に伴うことはない。
【0003】
しかし、他の場合には、機械のベッドは、複数の部品又はモジュールで構成され、それらは、実際のベッドを形成するように相互に接続される。
【0004】
これらの場合、ベッド自体が応じなければならない空間的方向付け(例えば水平性等)に加えて、ベッドを構成する個々のモジュールは、幾何学的に正確な接続を可能にするために、相互に空間的に正確に位置決めされ(又は方向付けされ)なければならず、同時に、モジュールが位置決めされることになる床又は土台は不均一であることが多く、工作機械のベッド及び個々のベッドモジュールは特に重く、さらに、必要とされる幾何公差を確実にするために、アセンブリに最大限の安定性及び強剛性を与える必要があり、これらは、工作機械の機能性及び作業の正確さに対する基礎であるという事実も考慮して、デリケートで複雑な調整操作を回避しなければならない。
【0005】
さらにより複雑なケースは(問題がさらにより強く感じられるという観点から)、特許文献1において記載されているように提供されたベッドの場合である。この場合、ベッドを構成するモジュールの正確な方向付けは、個々のモジュールが機械の作動流体(例えば、冷却流体、潤滑剤等)に対する接続を有するというだけでなく、完成したベッドを通るガイドの方向に沿った機械のキャリッジ、ワークテーブル、及び/又は機械加工テーブルの線形移動を可能にするリニアガイドに結合する必要もあるという事実のために、さらにより難しくなる。
【0006】
この場合、モジュールの不正確な位置決めは、流体結合又はリニアガイドの接続を完全に妨げ、最終的に機械を使用するのを不可能にしている。
【0007】
例えば、すでに位置決めされたベッドにモジュールを加える必要があるケースを考慮されたい。新しいモジュールが置かれることになる場合、6自由度(3つの垂直軸、及びその軸を中心とした3つの角回転)に従って空間的に位置決めされなければならない。従って、そのタスクは特に複雑でデリケートであり、その結果、(機械の機能的動作を確実にする)正確な位置決めを得るために、位置決めの修正を複数回行うことが必要であることが多く、これは、長い組み立て時間を必然的に伴う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2019106104号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目標は、上記の態様のうち1つ以上における背景技術を改善することができる、工作機械のためのモジュラーベッドのモジュールを位置決めするための装置及び関連する位置決め方法、並びにモジュラーベッドを提供することである。
【0010】
この目標の範囲内で、本発明の目的は、比較的迅速な様式でベッドを構成するモジュールの方向付けを可能にするために有用な、工作機械のためのモジュラーベッドのモジュールを位置決めするための装置及び関連する位置決め方法、並びに、位置決め及び連結のためのモジュラーベッドを提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、比較的正確な様式でベッドを構成するモジュールの方向付けを可能にするために有用な、工作機械のためのモジュラーベッドのモジュールを位置決めするための装置及び関連する位置決め方法、並びに、位置決め及び連結のためのモジュラーベッドを提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、任意の既存の解決策に代わる様式で背景技術の欠点を克服することである。
【0013】
本発明の別の目的は、信頼性が高く、提供が比較的容易で、低コストである、工作機械のためのモジュラーベッドのモジュールを位置決めするための装置及び関連する位置決め方法、並びに、位置決め及び連結のためのモジュラーベッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
以下においてより明らかになるこの目標並びにこれら及び他の目的は、それぞれの独立請求項による、任意的に従属請求項の特徴のうち1つ以上が提供された、工作機械のためのモジュラーベッドのモジュールを位置決めするための装置及び関連する位置決め方法、並びに、位置決め及び連結のためのモジュラーベッドによって達成される。
【0015】
本発明のさらなる特徴及び利点が、付随の図面において非限定的な例として例示されている、本発明による工作機械のためのモジュラーベッドのモジュールを位置決めするための装置及び関連する位置決め方法、並びに、位置決め及び連結のためのモジュラーベッドの、好ましいが排他的ではない実施形態の記載からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】第1の実施形態における本発明による組み立て及び方向付け装置を用いて、既に取り付けられている参照モジュールに新しいモジュールが組み立てられることになる、組み立ての間のモジュラーベッドの斜視図である。
図2】第1の実施形態における、本発明による装置の液体ベースのレベリング装置の概略側面図である。
図3】第1の実施形態における本発明による装置のベース支持体の斜視図である。
図4】第2の実施形態における本発明による組み立て及び方向付け装置を用いて、既に取り付けられている参照モジュールに新しいモジュールが組み立てられることになる、組み立ての間のモジュラーベッドの斜視図である。
図5】第2の実施形態における装置のベース支持体の斜視図である。
図6図5に記載の装置のベース支持体及びベッドのモジュールの一部の断面図である。
図7】本発明により接続されることになる2つのベッドモジュールに属するガイド装備縦部材の末端部分の詳細な斜視図である。
図8】液体ベースのレベリング装置の第3の実施形態を有する本発明の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図を参照して、以下において、工作機械のためのモジュラーベッドのモジュールを位置決めするための装置がまず記載され、次に、関連する位置決め方法が記載されるが、どちらも本発明の特定事項である。
【0018】
一般的に参照番号1によって示されている、本発明による工作機械のためのモジュラーベッドのモジュールを位置決めするための装置は、実質的に、位置決めキットの形態であり、2つのアセンブリを含み、この2つのアセンブリは、物理的には相互に別個であるが、(例えば、既に設置されているモジュール等の)参照モジュール41に対する設置されることになるモジュール42の正確な位置決めを可能にするために互いに機能的に協働する。特に、ベッド4が、モジュール41及び42、並びに、類似しているためここでは記載されていない任意の他のさらなるモジュールを連結することによって提供される。
【0019】
組み立てられると、工作機械のためのベッド4には、水平の空間的方向付けを有する統合されたガイドを備えた縦部材45が提供される。
【0020】
位置決め装置1は、以下においてすぐ後に記載されることになる且つ基本的な形態で図2においても示されている第1の位置検証アセンブリを含む。
【0021】
この目的のために、実際、位置決め装置1は、液体ベースのレベリング装置2を含む。
【0022】
後者は、次に、図1及び2の基本的な形態で、3つの位置決めバルブ21、22、23及び参照バルブ24を含む。
【0023】
バルブ21、22、23、24全てが、連通管のシステムを構成するように、相互に流体連通しており、この様式で、液体ベースのレベリング装置2に含有される液体の自由表面のレベルは、バルブ21、22、23、24全てに対して同じである。
【0024】
位置決めバルブ21、22、23を、設置されることになるモジュール42に結合することができ、参照バルブ24を、参照モジュール41に結合することができる。
【0025】
この目的のために、図示されていない適応した結合要素(例えば、ねじ又はボルト等)によって、位置決めバルブ21、22、23を各々、設置されることになるモジュール42に独立して結合することができ、参照バルブ24を参照モジュール41に結合することができる。
【0026】
機械の機能的要素(例えば、作業ヘッド又はワークテーブル移動キャリッジ等)の移動を可能にするために、リニアガイド、又は、任意的に、一組の歯(例えば、螺旋状のもの、又はボールねじガイド若しくはラック等)が提供された縦部材45がモジュール41、42に提供される場合、バルブは、好ましくは、上記のガイド装備縦部材45に直接結合される。
【0027】
モジュール42に対して4つの位置決めバルブを有する非限定的な解決策に対する図8において示されている異形によると、液体ベースのレベリング装置2は、例えばモジュール42のガイド装備縦部材のガイド上で動かすことができる第1及び第2の移動キャリッジ27であって、位置決めバルブ21、22、23、23´(後者は、任意的に提供される場合)が結合される第1及び第2の移動キャリッジ27と、参照モジュール41の縦部材のガイド上で動かすことができる、参照バルブ24が結合される第3のキャリッジ(図示されていないが、最初の2つに類似している)とをさらに含む。
【0028】
この実施形態では、位置決めバルブ及び参照バルブは、モジュールのガイド装備縦部材に直接結合されないが、キャリッジ27によって間接的に結合される。
【0029】
キャリッジ27は、縦部材のガイドに沿って動くことができるように、縦部材のガイドに機能的に接続されている。この目的のために、ガイド45のタイプに応じて、キャリッジ27には、ガイドの結合要素と協働する結合要素が提供されることが好ましく、例えば、ガイド45が螺旋状の歯を有するラックを有するタイプのものである場合、キャリッジ27には、ラックとかみ合うウォームスクリューが提供されることが好ましい。
【0030】
図4において(及び図8の例においても)示されている液体ベースのレベリング装置2の進歩した実施形態によると、4つの位置決めバルブ21、22、23及び23´、及び/又は2つの参照バルブ24及び24´が存在する。
【0031】
さらに別の実施形態(図示せず)によると、5つ以上の位置決めバルブ及び3つ以上の参照バルブが存在する。
【0032】
本発明による装置の位置決めバルブの最小数は、3つの位置決めバルブであり、この考察は、空間において、1つの平面のみが3点を通過するという事実から生じ、従って、バルブ21、22、23及び参照バルブ24に含有される液体の自由表面を通過する平面の正確な位置決めは、空間において及び参照モジュール41に対して、3自由度に従って、3つの位置決めバルブ21、22、23が接続される設置されることになるモジュール42を正確に位置決めすることを可能にする。
【0033】
特に、(図1及び4において示されているように)3つのデカルト軸X、Y、Zのセットの垂直軸をZとして、及び、デカルト軸の各軸を中心とした回転角度をa、b、cとして示すと、液体ベースのレベリング装置2の使用は、Z軸に沿って及び回転角度a及びbに従ってモジュール42を正確に動かす及び方向付けさせることによって、ガイド装備縦部材が水平に配置された状態で既に位置決めされた参照モジュール41の位置に対してモジュール42の位置を整列させることを可能にし、従って、モジュール41に対するモジュール42の空間的位置決めにおける3自由度を排除している。
【0034】
実際、位置決めバルブ21、22、23の自由表面のレベル及び参照バルブ24の自由表面のレベルが同じになるまで、モジュール41に対してモジュール42を空間において動かすことによって、モジュール42の縦部材を有する平面の角度方向を定める角度a及びb並びにZ軸(高さ)に関して各モジュール41及び42の位置が同じになり、平面の水平状態が決定され、従って、平面はZ軸に垂直であり、従って、参照モジュール41のガイド装備縦部材を有する平面に対して同一平面上にある。
【0035】
当然ながら、理論的により正確な測定値が、位置決めバルブ又は参照バルブの数を増やすことによって得られるが、本質的には、上記の様式で排除することができる自由度は、Z、a、bである。
【0036】
好ましくは、流体の自由表面のレベルの視覚的な読み取りを可能にし、比較を可能にするように、バルブ(位置決めバルブ及び参照バルブの両方)は目盛り付きである。
【0037】
組み合わせて又は代替として、装置1は、バルブの内側の液体のレベルを測定するためのシステムを含み、このシステムは、自由表面のレベルを測定するための光センサを有する電気/電子タイプのものであってもよく、或いは、測定システムは、例えば、各バルブに含有された液体の電気パラメータ(例えば抵抗又は静電容量等)の測定によって、各バルブに含有された液体の量を検証するように適応したタイプのものであってもよい。この最後のケースにおいては、バルブ全てに対して、同じ容積を有することが好ましい。
【0038】
好ましくは、バルブに含有される液体は水であり、又は、代替として、導電性又は誘電性の液体である。
【0039】
好ましくは、バルブは、共通タンク28にチューブによって接続され、共通タンクを有する連通管のシステムを生成するように、この共通タンク28に向かって、バルブ全てのチューブ全てが開いている。
【0040】
好ましくは、液体の供給源から開始して導入される測定液体で満たされ及び空にするために、共通タンク28には弁29が提供されており、例えば、液体が通常の水である場合、供給源は、給水本管に接続された通常の蛇口とすることができ、これによって、非常に実用的な様式で、バルブ、タンク、及びチューブを含む連通管を有する液体回路(hydraulic circuit)を満たし及び空にすることが可能になる。
【0041】
残りの自由度X、Y、cは、原則として、例えば、照準又は測定システム(例えば、レーザー及び赤外線)等、異なる及びそれ自体が知られている装置との整列によって排除される。
【0042】
しかし、さらなる実施形態によると、残りの自由度は機械的キーシステム8によって排除され、機械的キーシステム8は、モジュラーベッド4の記載に関連して以下において記載されるが、これ以降、本発明による位置決め装置の一部として理解されることになる。
【0043】
次に、位置決め装置1の第2のアセンブリに進むと、これは、基本的な実施形態で図3の詳細図においても示されており、本質的には移動アセンブリである。
【0044】
この目的のために、位置決め装置1はベース支持体3を含み、このベース支持体3は、第1のプレート31と、第1のプレート31に接続された支持脚32とを含む。
【0045】
脚32は、プレート31に対する延長において調整可能であるため、それらが床の上に置いてあるときに、調整可能な床からの高さZでプレート31を支持する。
【0046】
この目的のために、脚32は、例えば、ねじ又は油圧若しくは空気圧手段等によって、個々に長さを延ばすことができ、この種の脚自体は知られており、これらの詳細は、さらに思案されない。
【0047】
好ましくは、図3において示されている実施形態のように、4つの脚32が存在し、これらは、個々の脚の調整を変えることによって、延長において独立して調整可能であり、プレートは、Z軸に沿って動くだけでなく、角度a及びbを中心として回転する。
【0048】
ベース支持体3は、床から持ち上げられた状態でベッド4のモジュール42を下から支持するように構成される。基本的な実施形態では、方向付けされているモジュール42は、ベース支持体3のプレート31上に直接置かれ、脚32の延長における個々の調整によって、3自由度Z、a、bに従って方向付けされる。
【0049】
この様式で、位置決め装置1の液体ベースのレベリング装置2とベース支持体3とを組み合わせて使用することによって、参照バルブ24が位置決めされたモジュール41とZ、a、bにおいて整列されたモジュール42を取り付けることが可能である。
【0050】
任意の特性によると、ベース支持体3は、任意的に、第1のプレート31に機能的に結合され、且つ第1のプレート31と設置されることになるモジュール42との間に挟まれるように設計されたインターフェース要素33を含む。
【0051】
インターフェース要素33は、その一般的な特徴において、少なくとも3つのボール型トランスファーユニット34を含む。
【0052】
ボール型トランスファーユニットは、この分野において「ボールトランスファーユニット」という用語によっても知られており、それ自体知られていると理解されるべきである。
【0053】
簡単に言えば、各ボール型トランスファーユニット34は、ボール341及びボールのローリングシート342を含み、これは、次に、適応した支持体に適用される。
【0054】
基本的な実施形態(図示せず)では、ボール型トランスファーユニット34は、設置されることになるベッド42のモジュールに結合されるために、取り外し可能な取り付け要素を含み、モジュール42が隣接するモジュール41に設置され且つ結合されると、ボール型トランスファーユニット34を、別のモジュールを取り付けるために取り外す及び再利用することができる。
【0055】
従って、この実施形態において、ボールのローリングシートはシート本体342に提供され、シート本体342は、設置されることになるモジュール42に(好ましくは着脱可能に)結合され、位置決めの際、ボール341は第1のプレート31の上に置かれ且つ回転し、脚32によって調整されなかった残りの自由度、すなわちX軸、Y軸、及び角度c(Zを中心とした回転)に従ったモジュール42の位置決めを可能にする。
【0056】
この様式で、得られるのは、ベース支持体3が、6自由度に従った設置されることになるモジュール42の空間的移動を可能にすることである。
【0057】
モジュール42がモジュール41に対して正確に位置決めされると、(例えば、調整可能な脚等)モジュール42自体の延長において調整可能な支持体49が、ベース支持体3の使用によって得られた位置に対応する所望の空間的位置において床又は土台の上に置くようにするために使用される。
【0058】
次に、後者を取り除き、別のモジュールの空間的位置決めのために使用することができる。
【0059】
添付の図に示されているもの等、他のより進歩した実施形態において、インターフェース要素33は、ボール型トランスファーユニット34に加えて、平らな対向する主表面を有する第2のプレート35も含み、ボール型トランスファーユニット34が、第1のプレート31と第2のプレート35との間に挟まれている。
【0060】
好ましくは、このケースにおける第1のプレート31は、ボール型トランスファーユニット34に固定され、モジュールは、第2のプレート35の上に置かれ、ボール341は、その上に置かれている。自由度X、Y、cに従った位置決めは、上述したものと実質的に類似している。
【0061】
シンプルなキャスターの代わりにボール型トランスファーユニット34を選ぶことは、キャスターに関して、ボール型トランスファーユニット34は、正確で正しい位置決めのために必要とされるX-Y平面上の移動及びZ軸を中心とする回転cを提供するために複数の操作を、キャスターの場合に、強制するであろう非ホロノミックな制約を有さないという事実から生じる。同様に、シンプルな摺動面の代わりにボール型トランスファーユニット34を選ぶことは、ボール型トランスファーユニットがより少ない摩擦を有し、容易で正確な位置決めであるという事実から生じる。
【0062】
本発明による方法は、以下のステップ、すなわち:
a- 3つの位置決めバルブ21、22、23及び参照バルブ24を含む液体ベースのレベリング装置2を提供するステップであって、連通管のシステムを構成するために、バルブは相互に流体連通している、ステップ;
b- 位置決めバルブ21、22、23を、設置されることになるモジュール42に、及び、参照バルブ24を参照モジュール41に結合するステップ;
c- 第1のプレート31と、第1のプレート31に接続され且つ各々が第1のプレートに対する延長において独立して調整可能な支持脚32とを含むベース支持体3を提供するステップ;
d- 設置されることになるモジュール42をベース支持体3の上で保留するステップ;
e- 位置決めバルブ21、22、23の流体の自由表面のレベル及び参照バルブ24の流体の自由表面のレベルが相互に整列されるまで、支持脚32を調整するステップ;
f- 設置されることになるモジュール42を所定の位置においてロックするステップ;
を含む。
【0063】
この様式で、少なくとも3自由度(Z,a,b)に従った参照モジュール41に対する設置されることになるモジュール42の空間的位置における整列が得られる。
【0064】
当該方法の進歩した異形によると、当該方法は、以下のステップ、すなわち:
g- 第1のプレート31に機能的に結合され、少なくとも3つのボール型トランスファーユニット34を含むインターフェース要素33を提供するステップ、
h- さらなる3自由度(X、Y、c)に従ったモジュール41、42の整列を可能にするように、第1のプレート31と設置されることになるモジュール42との間にインターフェース要素を挟むステップ、
をさらに提供する。
【0065】
本発明のさらなる目的は、第1のモジュール41及び第2のベッドモジュール42を含む、工作機械のためのモジュラーベッド4であり、第1のモジュール41及び第2のベッドモジュール42を相互に結合してベッド4を提供することができ、各モジュール41、42は、地面に置かれる脚と、好ましくはリニアガイド(好ましくは、ボールねじ又はラック等)を含む2つの平行なガイド装備縦部材45とを含み、これらは、機械の作業ヘッド(好ましくは、ツールホルダを有するスピンドルを含む)及び/又はワークテーブルを有するキャリッジを前進させるためのガイドの軸に沿った線形移動を可能にし、ベッドが組み立てられる状態では、モジュラーベッドの縦方向の延長に沿って延ばされるように、1つのモジュール41のガイド装備縦部材45は各々、隣接するモジュール42のそれぞれのガイド装備縦部材45と整列し且つ同軸になっている。
【0066】
本明細書において記載される組み立て条件においては、設置されたモジュール41は、水平方向に(又は実質的に水平方向に)延びる、すなわち、同じ水平面上に存在する平行なガイド装備縦部材45を有すると仮定される。
【0067】
図7も参照すると、本発明によるベッドは、隣接するモジュールのガイド装備縦部材45の各末端部分に対して、2つの隣接するモジュールのガイド装備縦部材の正確な同軸整列の接続及び保持を確実にすることができる結合のためのキーシステム8を含む。
【0068】
本発明によるキーシステム8は、結合されることになるガイド装備縦部材45の各対(第1のモジュール41の1つと第2のモジュール42の1つ)に対して、キー81と、各ガイド装備縦部材に設けられるシート82と、センタリングピン83とを含む。
【0069】
キー81はプリズム状であり、平行な平面を有する平行六面体として提供されることが好ましい。
【0070】
各シート82は、キー81の形状に相補的な形状と、そのほぼ半分に等しい延長部とを有するため、2つの隣接するガイド装備縦部材のシート82にキーが収容されるときには、1つのガイド装備縦部材45のシート82に実質的に半分、及び、他のガイド装備縦部材45のシート82に半分収容される。
【0071】
キー81の所定の位置での固定は、ガイド装備縦部材上に設けられた第1の穴に収容されるピン83によって生じ、第1の穴は、本質的に、ガイド装備縦部材の縦方向の延長に対して直角に延びている。ガイド装備縦部材が水平の縦方向の延長を有する好ましいケースにおいて、ピン83に対する穴は、垂直に配置される。
【0072】
同じことが、第2の穴が提供されたキー81についても生じ、第2の穴は、キーがシート82に収容される状態で、ガイド装備縦部材の同軸整列状態が達成されたときに、ガイド装備縦部材上の第1の穴と整列する。
【0073】
ピン83は、好ましくは円錐形であり、各シート82に対して、少なくとも2つのピン83が存在し、対応する数の第1及び第2の穴がガイド装備縦部材及びキー81上に設けられる。ガイド装備縦部材が、例えば、本発明による位置決め装置又は方法によって整列されると、円錐形のピン83が所定の位置に挿入され且つ強いられる。
【0074】
この様式で、ガイド装備縦部材の経時的な整列、対応するリニアガイドの同軸度、及びこのようにして提供されたモジュラーベッド上に取り付けられた工作機械の正確な動作が確実にされる。
【0075】
有利には、上述したキーシステム8は、自由度X、Y、cに従った2つのモジュール41、42の正確な整列も同時に検証することを可能にし、この様式で、第1のプレート31及びボール型トランスファーユニット34が提供されたベース支持体3を有するバージョンにおいて上記の装置1を使用することによって、得られるものは、(自由度Z,a,bに対する)液体ベースのレベリング装置2及び(自由度X,Y,cに対する)キーシステムによるモジュール41、42の整列の検証だけでなく、(Z,a,bにおける位置に対する)脚32の調整、及び、(X,Y,cにおける位置に対する)ボール型トランスファーユニット34を用いて得ることができる移動を介してベース支持体によって(6自由度X,Y,Z,a,b,cでの)位置を調整する可能性でもある。
【0076】
上述してきたことから明らかなように、概要を述べてきた解決策は、例えばレーザーガイドシステム等、はるかにより高価でデリケートなシステムを使用する必要なく、工作機械のためのモジュラーベッドのモジュールを(6自由度X,Y,Z,a,b,cに従って)正確に及び空間において整列させることを可能にする。
【0077】
一実施形態において、本発明によるモジュラーベッドには、少なくとも上記のモジュラーベッドの組み立てステップの間に、上記の位置決め装置が提供される。
【0078】
従って、この実施形態において、モジュラーベッドは、位置決め装置1(任意のものを含む)に関する上記の特性を含み、これらは、簡潔にするためにここでは繰り返されない。
【0079】
当然ながら、モジュール42に加えて、上記の装置1(又は関連する方法)によって空間的に方向づけられるさらなるベッドモジュールを設置することも可能である。
【0080】
実際には、本発明は、一度に迅速且つ正確であるモジュールの空間的な位置決めを可能にする工作機械のためのモジュラーベッドを位置決めするための装置及び方法を提供することによって、意図された目標及び目的を達成することが分かっている。
【0081】
このように考案された本発明は、多数の修正及び変形が可能であるが、これらの全てが、添付の特許請求の範囲の範囲内であり、詳細全てが、さらに、他の技術的に等価な要素で置き換えられてもよい。
【0082】
実際には、使用される材料(それらが特定の用途と両立する限り)、並びに付随的な形状及び寸法は、要件及び最高水準に従った任意のものであってもよい。
【0083】
本出願が優先権を主張する伊国特許出願第102019000012486号における開示を、参照により本明細書に援用する。
【0084】
任意の請求項において言及されている技術的特徴も参照符号が続く場合、それらの参照符号は、特許請求の範囲の明瞭性を高めることのみを目的として含まれており、従って、そのような参照符号は、そのような参照符号によって例として特定される各要素の解釈に対して制限するいかなる効果も有さない。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】