(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-29
(54)【発明の名称】肛門及び直腸の障害の処置のための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
C07D 233/22 20060101AFI20220921BHJP
A61K 31/4164 20060101ALI20220921BHJP
C07D 451/10 20060101ALI20220921BHJP
A61K 31/46 20060101ALI20220921BHJP
C07D 409/12 20060101ALI20220921BHJP
A61K 31/4178 20060101ALI20220921BHJP
C07D 339/04 20060101ALI20220921BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20220921BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
C07D233/22 CSP
A61K31/4164
C07D451/10
A61K31/46
C07D409/12
A61K31/4178
C07D339/04
A61P1/00
A61P15/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022505541
(86)(22)【出願日】2020-07-16
(85)【翻訳文提出日】2022-03-22
(86)【国際出願番号】 IB2020056687
(87)【国際公開番号】W WO2021019350
(87)【国際公開日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】201941030819
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517111044
【氏名又は名称】セリックス バイオ プライヴェート リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CELLIX BIO PRIVATE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カンドゥラ マヘシュ
【テーマコード(参考)】
4C063
4C086
【Fターム(参考)】
4C063AA01
4C063BB08
4C063CC97
4C063DD25
4C063EE01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC38
4C086CB05
4C086GA04
4C086GA07
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA55
4C086MA57
4C086MA60
4C086MA63
4C086MA66
4C086NA14
4C086ZA66
4C086ZA81
(57)【要約】
本発明は、化合物又はその薬学的に許容可能な多形、溶媒和物、鏡像異性体、立体異性体、プロドラッグ、水和物及び/又は誘導体、有効量の式I、式II、式III、式IV、式V、式VI又は式VIIの化合物を含む医薬組成物、並びに肛門及び直腸に影響を及ぼす障害を処置するために上記組成物を使用する方法に関する。該組成物は、経口投与、直腸投与、局所投与、経粘膜投与、経皮投与、噴霧剤、注射、又は当該技術分野において既知の他の製剤のために配合することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】
(式中、
RHは独立して、
存在しない、Cl
-、Na
+、ピリドキシン、R-リポ酸、メチルセルロース、グルタミン酸、アスパラギン酸、バルプロ酸、プロスタグランジンF2a、ドーパミン、モルヒネ、ロペラミド、b-ブロッカー、バルプロ酸ナトリウム、リン酸コデイン、N-アセチルシステイン、システイン、5-ヒドロキシトリプタミン、Zn
+2、Mg
+2、Mn
+2、I
-、Ag
+2、Na、K、メサラミン、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2,2-ジクロロ酢酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、2-オキソグルタル酸、4-アセトアミド安息香酸、4-アミノサリチル酸、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳酸、カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸(デカン酸)、カプロン酸(ヘキサン酸)、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、チオシアン酸、トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、n-アセチルシステイン(nac)、フロエート、メチルフロエート、エチルフロエート、アミノカプロン酸、カプリル酸、アルファリポ酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、リノールエライジン酸、アラキドン酸、
【化2】
を表し、
但し、
R
6、R
7及びR
8は各々独立して、
【化3】
を表し、
但し、
n=0~80であり、
R
1は、存在しない、
【化4】
を表し、
R
2は、
【化5】
を表す)の化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、立体異性体及び誘導体。
【請求項2】
式II:
【化6】
(式中、
RHは独立して、
存在しない、Cl
-、Na
+、ピリドキシン、R-リポ酸、メチルセルロース、グルタミン酸、アスパラギン酸、バルプロ酸、プロスタグランジンF2a、ドーパミン、モルヒネ、ロペラミド、b-ブロッカー、バルプロ酸ナトリウム、リン酸コデイン、N-アセチルシステイン、システイン、5-ヒドロキシトリプタミン、Zn
+2、Mg
+2、Mn
+2、I
-、Ag
+2、Na、K、メサラミン、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2,2-ジクロロ酢酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、2-オキソグルタル酸、4-アセトアミド安息香酸、4-アミノサリチル酸、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳酸、カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸(デカン酸)、カプロン酸(ヘキサン酸)、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、チオシアン酸、トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、n-アセチルシステイン(nac)、フロエート、メチルフロエート、エチルフロエート、アミノカプロン酸、カプリル酸、アルファリポ酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、リノールエライジン酸、アラキドン酸、
【化7】
を表し、
但し、
R
6、R
7及びR
8は各々独立して、
【化8】
を表し、
但し、
n=0~80であり、
R
1は、存在しない、
【化9】
を表し、
R
2は、
【化10】
を表す)の化合物、並びにその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、立体異性体及び誘導体。
【請求項3】
式III:
【化11】
(式中、
RHは独立して、
存在しない、Cl
-、Na
+、ピリドキシン、R-リポ酸、メチルセルロース、グルタミン酸、アスパラギン酸、バルプロ酸、プロスタグランジンF2a、ドーパミン、モルヒネ、ロペラミド、b-ブロッカー、バルプロ酸ナトリウム、リン酸コデイン、N-アセチルシステイン、システイン、5-ヒドロキシトリプタミン、Zn
+2、Mg
+2、Mn
+2、I
-、Ag
+2、Na、K、メサラミン、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2,2-ジクロロ酢酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、2-オキソグルタル酸、4-アセトアミド安息香酸、4-アミノサリチル酸、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳酸、カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸(デカン酸)、カプロン酸(ヘキサン酸)、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、チオシアン酸、トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、n-アセチルシステイン(nac)、フロエート、メチルフロエート、エチルフロエート、アミノカプロン酸、カプリル酸、アルファリポ酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、リノールエライジン酸、アラキドン酸、
【化12】
を表し、
但し、
R
6、R
7及びR
8は各々独立して、
【化13】
を表し、
但し、
n=0~80である)の化合物、並びにその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、立体異性体及び誘導体。
【請求項4】
式IV:
【化14】
(式中、
RHは独立して、
存在しない、Cl
-、Na
+、ピリドキシン、R-リポ酸、メチルセルロース、グルタミン酸、アスパラギン酸、バルプロ酸、プロスタグランジンF2a、ドーパミン、モルヒネ、ロペラミド、b-ブロッカー、バルプロ酸ナトリウム、リン酸コデイン、N-アセチルシステイン、システイン、5-ヒドロキシトリプタミン、Zn
+2、Mg
+2、Mn
+2、I
-、Ag
+2、Na、K、メサラミン、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2,2-ジクロロ酢酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、2-オキソグルタル酸、4-アセトアミド安息香酸、4-アミノサリチル酸、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳酸、カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸(デカン酸)、カプロン酸(ヘキサン酸)、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、チオシアン酸、トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、n-アセチルシステイン(nac)、フロエート、メチルフロエート、エチルフロエート、アミノカプロン酸、カプリル酸、アルファリポ酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、リノールエライジン酸、アラキドン酸、
【化15】
を表し、
但し、
R
6、R
7及びR
8は各々独立して、
【化16】
を表し、
但し、
n=0~80である)の化合物、並びにその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、立体異性体及び誘導体。
【請求項5】
式V:
【化17】
(式中、
RHは独立して、
存在しない、Cl
-、Na
+、ピリドキシン、R-リポ酸、メチルセルロース、グルタミン酸、アスパラギン酸、バルプロ酸、プロスタグランジンF2a、ドーパミン、モルヒネ、ロペラミド、b-ブロッカー、バルプロ酸ナトリウム、リン酸コデイン、N-アセチルシステイン、システイン、5-ヒドロキシトリプタミン、Zn
+2、Mg
+2、Mn
+2、I
-、Ag
+2、Na、K、メサラミン、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2,2-ジクロロ酢酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、2-オキソグルタル酸、4-アセトアミド安息香酸、4-アミノサリチル酸、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳酸、カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸(デカン酸)、カプロン酸(ヘキサン酸)、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、チオシアン酸、トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、n-アセチルシステイン(nac)、フロエート、メチルフロエート、エチルフロエート、アミノカプロン酸、カプリル酸、アルファリポ酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、リノールエライジン酸、アラキドン酸、
【化18】
を表し、
但し、
R
6、R
7及びR
8は各々独立して、
【化19】
を表し、
但し、
n=0~80である)の化合物、並びにその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、立体異性体及び誘導体。
【請求項6】
式VI:
【化20】
(式中、
RHは独立して、
存在しない、Cl
-、Na
+、ピリドキシン、R-リポ酸、メチルセルロース、グルタミン酸、アスパラギン酸、バルプロ酸、プロスタグランジンF2a、ドーパミン、モルヒネ、ロペラミド、b-ブロッカー、バルプロ酸ナトリウム、リン酸コデイン、N-アセチルシステイン、システイン、5-ヒドロキシトリプタミン、Zn
+2、Mg
+2、Mn
+2、I
-、Ag
+2、Na、K、メサラミン、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2,2-ジクロロ酢酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、2-オキソグルタル酸、4-アセトアミド安息香酸、4-アミノサリチル酸、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳酸、カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸(デカン酸)、カプロン酸(ヘキサン酸)、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、チオシアン酸、トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、n-アセチルシステイン(nac)、フロエート、メチルフロエート、エチルフロエート、アミノカプロン酸、カプリル酸、アルファリポ酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、リノールエライジン酸、アラキドン酸、
【化21】
を表し、
但し、
R
6、R
7及びR
8は各々独立して、
【化22】
を表し、
但し、
n=0~80であり、
R
1は、存在しない、
【化23】
を表し、
R
2は、
【化24】
を表す)の化合物、並びにその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、立体異性体及び誘導体。
【請求項7】
式VII:
【化25】
(式中、
RHは独立して、
存在しない、Cl
-、Na
+、ピリドキシン、R-リポ酸、メチルセルロース、グルタミン酸、アスパラギン酸、バルプロ酸、プロスタグランジンF2a、ドーパミン、モルヒネ、ロペラミド、b-ブロッカー、バルプロ酸ナトリウム、リン酸コデイン、N-アセチルシステイン、システイン、5-ヒドロキシトリプタミン、Zn
+2、Mg
+2、Mn
+2、I
-、Ag
+2、Na、K、メサラミン、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2,2-ジクロロ酢酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、2-オキソグルタル酸、4-アセトアミド安息香酸、4-アミノサリチル酸、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳酸、カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸(デカン酸)、カプロン酸(ヘキサン酸)、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、チオシアン酸、トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、n-アセチルシステイン(nac)、フロエート、メチルフロエート、エチルフロエート、アミノカプロン酸、カプリル酸、アルファリポ酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、リノールエライジン酸、アラキドン酸、
【化26】
を表し、
但し、
R
6、R
7及びR
8は各々独立して、
【化27】
を表し、
但し、
n=0~80である)の化合物、並びにその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、立体異性体及び誘導体。
【請求項8】
請求項1に記載の化合物と薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物。
【請求項9】
請求項2に記載の化合物と薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物。
【請求項10】
請求項3に記載の化合物と薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物。
【請求項11】
請求項4に記載の化合物と薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物。
【請求項12】
請求項5に記載の化合物と薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物。
【請求項13】
請求項6に記載の化合物と薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物。
【請求項14】
請求項7に記載の化合物と薬学的に許容可能な担体とを含む医薬組成物。
【請求項15】
有効量を必要とする患者に経口投与、直腸投与、頬内投与、皮下投与、非経口投与、全身投与、遅延若しくは徐放投与、又は経皮投与によって投与することで基礎にある病因を処置するために配合されている、請求項8に記載の医薬組成物。
【請求項16】
有効量を必要とする患者に経口投与、直腸投与、頬内投与、皮下投与、非経口投与、全身投与、遅延若しくは徐放投与、又は経皮投与によって投与することで基礎にある病因を処置するために配合されている、請求項9に記載の医薬組成物。
【請求項17】
有効量を必要とする患者に経口投与、直腸投与、頬内投与、皮下投与、非経口投与、全身投与、遅延若しくは徐放投与、又は経皮投与によって投与することで基礎にある病因を処置するために配合されている、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項18】
有効量を必要とする患者に経口投与、直腸投与、頬内投与、皮下投与、非経口投与、全身投与、遅延若しくは徐放投与、又は経皮投与によって投与することで基礎にある病因を処置するために配合されている、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項19】
有効量を必要とする患者に経口投与、直腸投与、頬内投与、皮下投与、非経口投与、全身投与、遅延若しくは徐放投与、又は経皮投与によって投与することで基礎にある病因を処置するために配合されている、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項20】
有効量を必要とする患者に経口投与、直腸投与、頬内投与、皮下投与、非経口投与、全身投与、遅延若しくは徐放投与、又は経皮投与によって投与することで基礎にある病因を処置するために配合されている、請求項13に記載の医薬組成物。
【請求項21】
有効量を必要とする患者に経口投与、直腸投与、頬内投与、皮下投与、非経口投与、全身投与、遅延若しくは徐放投与、又は経皮投与によって投与することで基礎にある病因を処置するために配合されている、請求項14に記載の医薬組成物。
【請求項22】
肛門及び直腸の障害の処置のために配合されている、請求項15に記載の医薬組成物及び請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
肛門及び直腸の障害の処置のために配合されている、請求項16に記載の医薬組成物及び請求項2に記載の化合物。
【請求項24】
肛門及び直腸の障害の処置のために配合されている、請求項17に記載の医薬組成物及び請求項3に記載の化合物。
【請求項25】
肛門及び直腸の障害の処置のために配合されている、請求項18に記載の医薬組成物及び請求項4に記載の化合物。
【請求項26】
肛門及び直腸の障害の処置のために配合されている、請求項19に記載の医薬組成物及び請求項5に記載の化合物。
【請求項27】
肛門及び直腸の障害の処置のために配合されている、請求項20に記載の医薬組成物及び請求項6に記載の化合物。
【請求項28】
肛門及び直腸の障害の処置のために配合されている、請求項21に記載の医薬組成物及び請求項7に記載の化合物。
【請求項29】
構造:
【化28】
の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[優先権]
本出願は、2019年7月30日出願のインド仮特許出願第201941030819号の利益を主張するものであり、その開示内容全体が、引用することにより本出願の一部をなす。
【0002】
本開示は概して、肛門部及び直腸部に影響を及ぼす病態、並びにその関連の合併症の処置のための化合物及び組成物に関する。より詳細には、本発明は、薬学的に許容可能な用量の化合物、塩、結晶、溶媒和物、鏡像異性体、立体異性体、エステル、水和物、誘導体、又はそれらの混合物を用いた被験体の処置に関する。
【背景技術】
【0003】
肛門及び直腸の障害は、主に肛門管及び直腸に影響を及ぼす広範な障害からなる。肛門及び直腸の障害には、痔核、膿瘍、瘻孔、披裂、肛門そう痒、一過性直腸神経痛、便失禁(FI)及び肛門直腸痛が含まれる。
【0004】
頻発する制御不能な糞便物質の通過である便失禁又は腸失禁は、多くの男女に影響を与え、社会的不名誉を生じるために治療不十分及び過小診断となることが多い。高齢患者を自宅で介護することができない親族にとっては、便失禁が患者を老人ホームに入所させる決定的要因となることがある。長期介護施設の45%もの入居者が便失禁を罹患していると推定される。
【0005】
便失禁は、脊髄の損傷又は疾患、先天性異常、事故による直腸及び肛門の損傷、糖尿病、重度認知症、宿便、広範な炎症過程、腫瘍、並びに肛門括約筋の損傷に起因する。
【0006】
便失禁は、特徴が重複する以下の3つのサブタイプに分類することができる:
(i)受動失禁:患者の自覚のない糞便の不随意排出によって定義される。このタイプの失禁は、内肛門括約筋若しくは外肛門括約筋の衰弱、神経障害、知覚の喪失、又は反射障害によって引き起こされ得る。受動便失禁は、経膣分娩による括約筋損傷の結果であるか、又は鉗子を用いた分娩に起因すると考えられる。
(ii)切迫失禁:能動的な試みにもかかわらず、糞便物を保持することができないこと。このタイプは通例、直腸過敏症又は直腸コンプライアンスの障害とともに認められる。外肛門括約筋の損傷は、切迫失禁として現れ、容量を低下させ、頻度の増加を引き起こす可能性がある。
(iii)漏便(Fecal seepage)、すなわち正常な排便後に患者の自覚なしに漏出する糞便。このタイプは、男性により多く見られ、おそらくは奇異性の括約筋静止圧の上昇のためである。肛門括約筋の緊張及び機能は通例、正常であるが、診断検査により糞便の不十分な排出及び直腸感覚の何らかの障害が示される場合がる。
【0007】
便失禁は複雑であることから、各患者の治療計画を立てるためには、詳細な病歴及び個々に合わせた診断検査が必要とされる。便失禁の危険因子としては、女性、妊娠、分娩時の外傷、出産経歴、肛門周囲の外科手術、神経学的原因、肥満、煙草喫煙、糖尿病、及びCOPDが挙げられる。下痢は、便失禁の一般的な修正可能な危険因子であり、オッズ比は53であり(95%CI、6.1~471)、切迫及び頻度の増加に寄与する。
【0008】
急性の病状の管理は、多くの場合、疾患の基礎病状及び症状の対処に依存する。現在、肛門及び直腸の病態、特に(more special)全タイプの便失禁及びその関連の合併症の進行を処置するための新たな組成物を当該技術分野において必要としている。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、肛門及び直腸の障害に関連した病態、並びにその関連の合併症及び兆候を処置し、予防し、及び/又はそれらの影響を改善するための式I、式II、式III、式IV、式V、式VI又は式VIIの化合物、これらの化合物を含有する組成物、及びこれらを使用する方法を提供する。
【0010】
本開示を通して、RHは独立して、
存在しない(null)、Cl
-、Na
+、ピリドキシン、R-リポ酸、メチルセルロース、グルタミン酸、アスパラギン酸、バルプロ酸、プロスタグランジンF2a、ドーパミン、モルヒネ、ロペラミド、b-ブロッカー、バルプロ酸ナトリウム、リン酸コデイン、N-アセチルシステイン、システイン、5-ヒドロキシトリプタミン、Zn
+2、Mg
+2、Mn
+2、I
-、Ag
+2、Na、K、メサラミン、1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2,2-ジクロロ酢酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、2-オキソグルタル酸、4-アセトアミド安息香酸、4-アミノサリチル酸、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳酸、カンファー-10-スルホン酸、カプリン酸(デカン酸)、カプロン酸(ヘキサン酸)、炭酸、桂皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、イソ酪酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸、サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、チオシアン酸、トルエンスルホン酸、ウンデシレン酸、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、n-アセチルシステイン(nac)、フロエート、メチルフロエート、エチルフロエート、アミノカプロン酸、カプリル酸、アルファリポ酸、ミリスチン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、リノールエライジン酸、アラキドン酸、
【化1】
を表し、
但し(within the proviso)、
R
6、R
7及びR
8は各々独立して、
【化2】
を表し、
但し、
n=0~80である。
【0011】
組成物は通例、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI又は式VII及び[RH]部分を含有する化合物の水和物又は溶媒和物又は誘導体又はプロドラッグの形態の化合物であり、ここで、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI又は式VIIは、誘導体の官能性に基づいてプロトン化され/プロトン化されず、薬学的に許容可能な塩の[RH]部分が少なくとも部分的にイオン形態である。しかしながら、場合によっては、例えば環境のpHに応じて、組成物は、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI又は式VIIと[RH]によって表される構成要素との混合物の形態であってもよい。本発明は、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI又は式VIIの化合物と薬学的に許容可能な添加剤とを含む医薬組成物も提供する。
【0012】
本発明は、本明細書において、式Iの化合物、又はその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、立体異性体及び誘導体を含む組成物を提供する。本発明は、式Iの化合物又はその中間体と、不活性のビヒクル又は希釈剤を含む薬学的に許容可能な添加剤及び/又は薬学的に許容可能な担体の1つ以上とを含む医薬組成物も提供する。これらの組成物は、肛門及び直腸の障害、並びにその関連の合併症の処置に使用することができる。
【化3】
(式中、
R
1は、存在しない、
【化4】
を表し、
R
2は、
【化5】
を表し、
RHは、段落[0009]に規定される通りである)並びにその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、立体異性体及び誘導体。
【0013】
或る特定の実施形態において、式IIの化合物は、下記のとおりである:
【化6】
(式中、
R
1は、存在しない、
【化7】
を表し、
R
2は、
【化8】
を表し、
RHは、段落[0009]に規定される通りである)並びにその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、立体異性体及び誘導体。
【0014】
或る特定の実施形態において、式IIIの化合物は、下記のとおりである:
【化9】
(式中、RHは、段落[0009]に規定される通りである)並びにその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、立体異性体及び誘導体。
【0015】
或る特定の実施形態において、式IVの化合物は、下記のとおりである:
【化10】
(式中、RHは、段落[0009]に規定される通りである)並びにその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、立体異性体及び誘導体。
【0016】
或る特定の実施形態において、式Vの化合物は、下記のとおりである:
【化11】
(式中、RHは、段落[0009]に規定される通りである)並びにその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、立体異性体及び誘導体。
【0017】
或る特定の実施形態において、式VIの化合物は、下記のとおりである:
【化12】
(式中、
R
1は、存在しない、
【化13】
を表し、
R
2は、
【化14】
を表し、
RHは、段落[0009]に規定される通りである)並びにその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、立体異性体及び誘導体。
【0018】
或る特定の実施形態において、式VIIの化合物は、下記のとおりである:
【化15】
(式中、RHは、段落[0009]に規定される通りである)並びにその薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、立体異性体及び誘導体。
【0019】
本発明は、活性成分としての治療有効量の式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VIIの化合物、又はその中間体、薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、立体異性体若しくは誘導体と薬学的に許容可能な添加剤とを含む医薬組成物も提供する。
【0020】
本発明は、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VIIの化合物、又は中間体、薬学的に許容可能な塩、水和物、溶媒和物、プロドラッグ、鏡像異性体、立体異性体若しくは誘導体を含み、少なくとも1つの担体、希釈剤、添加剤又はそれらの組合せを更に含む医薬組成物も提供する。
【0021】
本出願はまた、薬学的に許容可能な担体と本明細書の化合物、混合物及び組成物のいずれかとを含む医薬組成物を開示する。医薬組成物は、投与経路に応じて製剤であってもよい。
【0022】
幾つかの態様においては、医薬化合物及び組成物は、長時間作用型制御放出製剤、徐放製剤、生体付着性製剤、粘膜付着性製剤、徐放性製剤及び放出調節製剤、又はそれらの組合せのために配合される。
【0023】
幾つかの態様においては、医薬組成物は溶液、懸濁液、シロップ、乳濁液、錠剤、カプセル、顆粒/散剤(sprinkles)、制御放出錠剤、鼻内噴霧剤、滴剤、エアロゾルクリーム(aerosol creams)、坐剤、軟膏、坐剤、フォーム、噴霧剤、軟膏、皮膚軟化剤、パッチ、噴霧剤、静脈注射、筋肉内注射、皮下注射、微乳濁液、脂質製剤、注射製剤、経皮製剤、経粘膜製剤及び/又は経皮パッチ等、並びに当業者に既知であるようなそれらの組合せに配合される。
【0024】
幾つかの態様においては、剤形は、医薬化合物及び組成物と薬学的に許容可能な好適な担体とを含む。
【0025】
本明細書に記載される組成物は、幾つかの用途を有する。本出願は例えば、被験体に活性成分として治療有効量の式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VIIの化合物、若しくはその中間体、誘導体、又はそれを含む医薬組成物を投与することによって肛門及び直腸の障害、又は代謝的若しくは遺伝的な病態若しくは障害、消化器疾患、慢性疾患若しくは障害から現れるその関連合併症に罹患している患者を処置する方法を提供する。
【0026】
本明細書において、本出願はまた、本明細書に開示の医薬組成物のいずれかを含むキットを提供する。キットは、肛門及び直腸の障害、特に腸/便失禁、肛門痛、肛門直腸炎症性疾患、痔核、肛門疣贅、裂肛、肛門直腸膿瘍及び痔瘻、並びにその関連の合併症の処置に使用するための説明書を含むことができる。
【0027】
例示的な実施の形態においては、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI又は式VIIの化合物の例は、以下に記載される通りである:
【化16】
【0028】
各実施形態は、本発明の限定ではなく、本発明を説明する目的で提示される。実際に、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、本明細書に記載の化合物、組成物及び方法に様々な修正及び変更を加えることができることが当業者には明らかである。例えば、或る実施形態の一部として説明又は記載された特徴を別の実施形態に適用し、更なる実施形態を得ることができる。このため、本開示がかかる修正及び変更、並びにそれらの等価物を含むことが意図される。
【発明を実施するための形態】
【0029】
定義
本明細書において使用される以下の用語及び語句は、以下に記載の意味を有するものとする。他に定義されない限り、本明細書において使用される全ての技術用語及び科学用語は、当業者により通常理解されるものと同じ意味を有する。
【0030】
本明細書において使用される場合、当該技術分野において用いられる以下の一般的な用語及び語句、例えば「異性体」、「立体異性体」、「ジアステレオマー」、「鏡像異性体」、「ラセミ混合物」、「多形」、「プロドラッグ」、「患者」、「被験体」又は「宿主」、「薬学的に許容可能な」、「予防の又は治療の」、「予測する」、「処置する」、「徐放」、「非経口投与」及び「非経口により投与する」、「全身投与」、「全身に投与する」、「末梢投与」及び「末梢に投与する」等は、当業者に理解されるものと同じ意味を有する。
【0031】
「肛門及び直腸の障害/肛門直腸疾患」という語句は、当該技術分野において認められている語句であり、便失禁、肛門直腸炎症性疾患、痔核、肛門疣贅、裂肛、肛門直腸膿瘍、肛門直腸痛及び痔瘻等の障害群、並びに他の関連疾患、又は当該技術分野において理解されている任意の他の医学的状態を含む。「プロドラッグ」という用語は、生理学的条件下において、本発明の治療活性剤に変換される化合物を包含することを意図する。プロドラッグを作製する通常の方法は、生理学的条件下において加水分解されると、所望の分子が現れるよう選択された部分を含むものである。他の実施形態において、プロドラッグは宿主動物の酵素活性により変換される。
【0032】
本開示はまた、本明細書に開示の組成物のプロドラッグ及び該プロドラッグの薬学的に許容可能な水和物又は溶媒和物を検討する。
【0033】
「薬学的に許容可能な添加剤及び担体」という語句は、当該技術分野において認められており、体内の一器官又は一部分から体内の別の器官又は一部分に任意の対象となる組成物を運搬又は輸送することに関与する、例えば薬学的に許容可能な物質、組成物、又はビヒクル、例えば液体若しくは固体の充填剤、希釈剤、溶媒又は封入材を含む。各担体は、対象となる組成物の他の成分と相溶性があり、患者に有害でないという意味で、「許容可能」でなければならない。さらに、使用される添加剤及び/又は担体は、医薬配合物に使用され、当業者に通常理解される非発熱性かつ非毒性の相溶性物質である。
【0034】
医薬組成物は、安定剤、担体、ビヒクル、希釈剤、界面活性剤、充填剤、保湿剤、吸着剤、付着防止剤(anti-adherent)、結合剤、滑沢剤、滑剤、スーパー崩壊剤、崩壊剤、防腐剤、抗酸化剤、溶解遅延剤、吸収促進剤、湿潤剤、吸収剤、着色剤、風味剤、収着剤、コーティング剤、甘味剤、緩衝剤、噴射剤等及びそれらの混合物から選択される薬学的に許容可能な添加剤の少なくとも1つを更に含み得る。
【0035】
「治療有効量」という語句は、当該技術分野において認められている用語である。或る特定の実施形態において、この用語は、任意の医学的処置に適用可能な合理的なベネフィット/リスク比にて或る程度の所望の効果が得られる、本明細書に開示の溶媒和物又は水和物又は組成物の量を指す。或る特定の実施形態において、この用語は、一定期間における医学的症状を排除又は低減させるのに必要な又は十分な量を指す。有効量は、処置対象の疾患若しくは病態、投与する特定の標的構築物、被験体の大きさ、又は疾患若しくは病態の重症度等の因子に応じて変化し得る。当業者であれば、過度の実験を必要とせずに特定の組成物の有効量を経験的に決定することができる。
【0036】
多くの実施形態において、本明細書に記載の医薬組成物に式I、式II、式III、式IV、式V、式VI又は式VIIの開示の化合物及び組成物を組み込み、予防の又は治療の処置の一部として治療有効量の式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VIIの化合物又は組成物を患者に送達させるのに十分な量を送達する。式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VIIの化合物、又はその薬学的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物の所望の濃度は、薬剤の吸収、不活性化、及び排泄率並びに対象となる組成物からの水和物又は溶媒和物及び組成物の送達率に左右される。投与量の値も、軽減させる病態の重症度に伴い変化し得ることに留意されたい。任意の特定の被験体において、特定の投与量の投薬計画は、個人の必要量及び組成物を投与する者又は投与を監督する者の専門的な判断により経時的に調節すべきであることが更に理解される。通例、投薬は当業者に既知の技術を用いて決定される。
【0037】
さらに、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI又は式VIIの任意の特定の化合物の最適な濃度及び/又は数量すなわち量を、処置のパラメータのばらつきを適合させるよう調節することができる。このような処置のパラメータには、製剤の臨床用途、例えば処置部位、患者の種類、例えばヒト又は非ヒト、成人又は小児、及び疾患又は病態の性質が挙げられる。
【0038】
式I、式II、式III、式IV、式V、式VI又は式VIIの任意の化合物の濃度及び/又は量を、動物、例えばラットにおける日常的なスクリーニングにより、適切なアッセイを用いて目的の物質の濃度及び/又は量の範囲をスクリーニングすることにより容易に同定することができる。既知の方法も、本明細書に開示の治療用配合物の投与前及び投与後の局部組織濃度、水和物又は溶媒和物又は組成物の拡散率、及び局部血流量をアッセイするのに利用可能である。本明細書に開示のような式I、式II、式III、式IV、式V、式VI又は式VIIの化合物をループに近接して注射すると、放出された薬物は局部組織濃度に比例して透析物に回収される。水和物又は溶媒和物又は組成物の拡散の進み具合を水和物又は溶媒和物又は組成物の既知の濃度を用いて適切な較正方法を用いることにより決定することができる。或る特定の実施形態において、本明細書に挙げられる式I、式II、式III、式IV、式V、式VI又は式VIIの対象となる化合物の投与量は、治療用組成物又は他の封入材の血漿濃度を参照して決定することができる。例えば、最大血漿濃度(Cmax)及び0時間から無限時間までの血漿濃度時間曲線下面積を使用することができる。
【0039】
式I、式II、式III、式IV、式V、式VI又は式VIIの化合物のいずれかを含む医薬組成物は様々な経路、例えば、限定するものではないが、非経口、静脈内、冠動脈内、筋肉内、腹腔内、関節内、動脈内、胸膜内、心膜内、心臓内、腔内、動脈内、髄内、軟骨内、皮内、嚢内、眼窩内、皮内、髄腔内(intrathecal)、眼内、髄腔内(intraspinal)、滑液嚢内、胸腔内、気管内、子宮内、硬膜外、経皮、血管内、経気管、表皮下、関節内、被膜下、胸骨内、くも膜下若しくは皮下注射;吸入;又は経口、局所、経鼻、頬内、経直腸、点眼(ophthalmic)、耳内(otic)、経尿道、膣内若しくは舌下投与によって投与することができる。本発明の範囲内で企図される、かかる投与方法等は、当業者に既知である。
【0040】
概して、本明細書に記載の組成物を経口、又は非経口、肛門若しくは直腸投与することができ、これには静脈内、筋肉内、皮下、又は髄内経路が含まれる。例えば患者が、経口投与が阻まれる胃腸障害に罹患している場合、又は担当医が決定した通りの組織若しくは器官の表面に医薬を最も良好に適用しようとする場合に局所/直腸投与を提示することもできる。例えば、標的組織又は器官に高用量を必要とするときに局部(Localized)投与を提示することもできる。頬内投与において、活性組成物は、従来の方法において配合された錠剤又はトローチ剤の形態をとることができる。
【0041】
さらに、組成物を、制御放出の剤形(即時、持続、遅延若しくはパルス又はそれらの組合せ)、部位特異的薬剤送達、経皮薬剤送達、パッチ(能動的/受動的)介在性薬剤送達により、定位的注入により、又はナノ粒子において、処置を必要とする被験体に投与することができる。
【0042】
本出願は、活性成分として治療有効量の式I、式II、式III、式IV、式V、式VI又は式VIIの化合物と薬学的に許容可能な添加剤とを含む医薬組成物を開示し、医薬組成物は種々の剤形に配合される。
【0043】
本出願は、錠剤、カプレット、ゲル、ジェルカプセル、浣腸剤、舌下錠、フラッシュ、粘膜付着性錠剤/パッチ、多層錠剤、カプセル、錠剤含有カプセル、注射剤、静脈注射、蓄積注射、エアロゾル、濃縮物、包帯剤、シロップ、薄膜、顆粒、制御放出形態、徐放形態、坐剤、タンポン、ペッサリー、丸剤、ゼリー、フォーム、ペースト、パステル剤、ペレット、噴霧剤、口内錠、潅注液、吸入剤、トローチ、粉末、ビーズ、顆粒、ナノ粒子、口腔噴霧剤、経口溶液又は懸濁液、鼻内噴霧剤、粘膜付着性噴霧剤、鼻腔内噴霧剤、鼻吸入器、溶液、エリキシル、乳濁液、微乳濁液、坐剤、皮下自己注射器、筋肉内自己注射器、注射、定位的注入、液体懸濁液、静脈内懸濁液、滅菌非経口溶液、滅菌非経口懸濁液、滅菌非腸管外溶液、滅菌非腸管外懸濁液、局所軟膏、局所ペースト、局所クリーム、局所ローション、局所ゲル、経皮パッチ、皮膚パッチ、インプラント、子宮内器具、並びに好適な量の本発明に開示される化合物及び/又は組成物を含有する既知の剤形からなる群から選択される剤形に配合された医薬組成物を開示する。経口投与については、固体又は液体のいずれの単位剤形も調製することができる。本明細書において企図される剤形を調製する方法は、標準的な薬学において記載されており、その開示全体を引用することにより本明細書の一部をなす。本製剤に使用されるいずれの成分も、本明細書に開示される化合物の相当部分を投与前に劣化させない又は分解しないものとする。
【0044】
一実施形態においては、本開示は、肛門直腸疾患、便失禁、痔核、肛門疣贅、裂肛、肛門直腸膿瘍及び痔瘻、又は関連の合併症を処置、予防又は改善する方法も開示し、該方法は、被験体に活性成分として治療有効量の式I、式II、式III、式IV、式V、式VI若しくは式VIIの化合物、又はそれを含む医薬組成物を投与することを含む。
【0045】
概して、本出願に詳述された方法を実行する際の、式I、式II、式III、式IV、式V、式VI又は式VIIの化合物の有効な投与量は、単回用量又は分割用量において約0.01mg/kg/日~約100mg/kg/日、例えば単回用量又は分割用量において0.01mg/kg/日~約50mg/kg/日の範囲である。式I、式II、式III、式IV、式V、式VI又は式VIIの化合物を、例えば0.2mg/kg/日、0.5mg/kg/日、1.0mg/kg/日、5mg/kg/日、10mg/kg/日、20mg/kg/日、30mg/kg/日、又は40mg/kg/日未満の用量にて被験体に投与することができる。式I、式II、式III、式IV、式V、式VI又は式VIIの化合物を、例えば1日当たり0.1mg~1000mg、5mg~80mg、又は1.0mg、9.0mg、12.0mg、20.0mg、50.0mg、75.0mg、100mg、300mg、400mg、500mg、800mg、1000mg、2000mg、5000mg未満の用量にてヒト患者に投与することもできる。或る特定の実施形態において、本明細書の組成物を、同じ治療効果に必要な式I、式II、式III、式IV、式V、式VI又は式VIIの化合物の95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、又は10%未満の量にて投与する。
【0046】
本明細書に記載の式I、式II、式III、式IV、式V、式VI又は式VIIの化合物の有効量は、疾患を阻害又は予防することが可能な上記水和物又は溶媒和物又は組成物の1つの量を指す。
【0047】
組成物は、単独で又は薬学的に許容可能な担体、ビヒクル若しくは希釈剤と組み合わせて、単回用量又は複数回用量のいずれかで投与することができる。式I、式II、式III、式IV、式V、式VI又は式VIIの化合物は、製薬分野においてよく知られているポリマー、ヒドロゲル及び/又はリポソーム等も含み得る。
【0048】
別の実施形態においては、錠剤は、例えば1mg~100mg、50mg~250mg、150mg~500mg又は350mg~800mg、例えば10mg、50mg、100mg、300mg、500mg、700mg、800mgの本明細書に開示される式I、式II、式III、式IV、式V、式VI又は式VIIの化合物、例えば式I、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VIIの化合物、又は式I、式II、式III、式IV、式V、式VI若しくは式VIIの化合物の薬学的に許容可能な水和物若しくは溶媒和物、塩若しくは誘導体を含み得る。
【0049】
投与量は、便失禁、肛門直腸障害、痔核、肛門疣贅、裂肛、肛門直腸膿瘍及び痔瘻の強さ;年齢、健康状態、及び体重を含む宿主に関する特徴(type);併用して処置中であればその種類;処置頻度及び治療可能比に左右される。
【0050】
例として、投与される活性成分の投与量のレベルは、被験体体重の、静脈内では0.1mg/kg~約200mg/kg、筋肉内では1mg/kg~約500mg/kg、経口では5mg/kg~約1000mg/kg、鼻腔内滴下では5mg/kg~約1000mg/kg、及びエアロゾルでは5mg/kg~約1000mg/kgである。
【0051】
濃度で表す場合、本発明の活性成分は医薬組成物に、真皮、鼻腔内、経咽頭、経気管支、膣内、経直腸、又は眼内に対する局部使用において、組成物の約0.01%(重量/重量)~約50%(重量/重量)、好ましくは組成物の約1%(重量/重量)~約20%(重量/重量)の濃度、及び非経口使用において、組成物の約0.05%(重量/体積)~約50%(重量/体積)、好ましくは約5%(重量/体積)~約20%(重量/体積)の濃度で存在することができる。
【0052】
一実施形態において、第1の部分は第1の薬学的に活性な薬剤を含有し、第2の部分は第2の薬学的に活性な薬剤を含有する。一実施形態において、それらの部分の一方は、第3の薬学的に活性な薬剤を含有する。一実施形態において、それらの部分の一方は素錠に含有するものと同じ薬学的に活性な薬剤の第2の即時放出部分を含有する。
【0053】
それぞれの剤形は治療有効量の活性剤を含有する。1日2回の投与プロファイルを模倣する剤形の一実施形態において、剤形中の活性剤の総量のおよそ30重量%~70重量%、好ましくは40重量%~60重量%を第1のパルスで放出し、それに対応して、剤形中の活性剤の総量のおよそ70重量%~3.0重量%、好ましくは60重量%~40重量%を第2のパルスで放出する。1日2回の投与プロファイルを模倣する剤形において、第2のパルスは投与後およそ3時間~14時間未満、より好ましくはおよそ5時間~12時間で放出されることが好ましい。
【0054】
別の剤形は、薬物を含有する即時放出投与の単位、遅延放出投与の単位、及び任意の第2の遅延放出投与の単位を有する圧縮錠剤又はカプセルを含有する。この剤形では、即時放出投与の単位は、第1の用量をもたらす、実質的に経口投与直後に薬物を放出する複数のビーズ、顆粒、粒子を含有する。遅延放出投与の単位は複数のコーティングしたビーズ又は顆粒を含有し、第2の用量をもたらす、経口投与のおよそ3時間~14時間後に薬物を放出する。
【0055】
経皮(例えば局所)投与において、希釈された滅菌の水溶液又は部分水溶液(通常約0.1%~5%の濃度)、又は上記非経口溶液に類似のものを調製することができる。
【0056】
或る特定の量の、1つ以上の式I、式II、式III、式IV、式V、式VI若しくはVIIの化合物又は他の活性剤を含む種々の医薬組成物を調製する方法が当業者に知られており、又は本開示に照らして明らかとなる。医薬組成物を調製する方法の例として、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Company, Easton, Pa., 19th Edition (1995)を参照されたい。
【0057】
さらに、或る特定の実施形態において、本出願の対象となる組成物を凍結乾燥させ、又は該組成物に噴霧乾燥等の別の適当な乾燥法を行うことができる。対象となる組成物を1回投与することができ、又は複数のより少量の用量に分け、組成物の放出の割合及び所望の投与量に一部応じて種々の時間間隔にて投与することができる。
【0058】
これらの配合物又は組成物を調製する方法は、対象となる組成物、すなわち或る特定の量の式I、式II、式III、式IV、式V、式VI又は式VIIの化合物と薬学的に許容可能な担体及び場合により、1つ以上の補助成分とを会合させる工程を含む。一般に、配合物は、対象となる組成物と液状担体とを均一及び密接に会合させ、又は固体担体を微粉化し、又はその両方によって調製し、必要な場合は生成物を成形する。
【0059】
本明細書に記載の式I、式II、式III、式IV、式V、式VI若しくは式VIIの化合物、又はそれを含む医薬組成物は、吸入剤又はエアロゾル製剤の形態で配合し、投与することができる。吸入剤又はエアロゾル製剤は、1つ以上の薬剤、例えば吸入療法に有用なアジュバント、診断薬、造影剤、又は治療剤を含むことができる。最終のエアロゾル製剤は、例えば製剤の総重量に対して0.005%(重量/重量)~90%(重量/重量)、例えば0.005%(重量/重量)~50%(重量/重量)、0.005%(重量/重量)~5%(重量/重量)、又は0.01%(重量/重量)~1.0%(重量/重量)の医薬を含有することができる。
【0060】
経直腸投与用又は膣内投与用の製剤を坐剤として与えることができ、対象となる組成物を、例えばココアバター、ポリエチレングリコール、坐剤ワックス、又はサリチル酸を含む1つ以上の適切な非刺激性担体と混合することにより調製することができ、この坐剤は、室温では固体であるが体温では液体となるため、適切な体腔内で融解し、封入された化合物(複数の場合もある)及び組成物(複数の場合もある)を放出する。膣内投与に適した製剤にはまた、当該技術分野において適当であると知られているような担体を含有する、ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、又は噴霧製剤が含まれる。
【0061】
活性成分として治療有効量の式I、式II、式III、式IV、式V、式VI若しくは式VIIの化合物、又は本明細書に記載の医薬組成物と、肛門直腸疾患及びその関連の合併症の処置に使用するための説明書とを含むキットも開示される。
【実施例】
【0062】
合成方法
実施例1:CLX-SYN-G162D-C01
CLX-SYN-G162D-C01のIUPAC名:6-(tert-ブチル)-3-((4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)-2,4-ジメチルフェニルドデカノエート
CLX-SYN-G162D-C01の化学構造
【化17】
【0063】
CLX-SYN-G162D-C01の合成
CLX-SYN-G162D-C01の合成は、オキシメタゾリン塩酸塩から開始する4工程プロセスである。第1の工程は、アンモニア水溶液を用いたオキシメタゾリン塩酸塩の遊離塩基化(free basing)である。第2の段階は、塩化ベンジルによるオキシメタゾリンのベンジル保護である。塩化ラウロイルによるフェノールのエステル化に続く、メタノール中のPd/Cを用いたベンジル脱保護により、スキーム1に示すようにCLX-SYN-G162D-C01が生成する。全ての段階の詳細な実験手順を下記セクションに提示する。
【化18】
スキーム1:CLX-SYN-G162D-C01の合成のための合成経路
【0064】
段階-1のCLX-SYN-G162D-C01の合成
【化19】
実験手順
水(20.0容量)中のオキシメタゾリン塩酸塩(1.0当量)の撹拌溶液に、アンモニア水溶液(1.0容量)を25℃~30℃で添加し、反応塊を25℃~30℃で1時間~2時間撹拌した。沈殿した固体を濾過し、水(5容量)で洗浄し、1時間~2時間吸引乾燥した。湿った化合物を真空下にて60℃~65℃で約16時間乾燥させ、オキシメタゾリンをオフホワイト色の固体として得た。
【0065】
段階-2のCLX-SYN-G162D-C01の合成:
【化20】
実験手順
DMF(14.0容量)中のSt-1(1当量)の撹拌溶液に、塩化ベンジル(1.05当量)を添加し、0℃~5℃に冷却した。反応塊(RM)にNaH(1.05当量)を0℃~5℃で少量ずつ(3回に分けて)添加し、同じ温度で2時間撹拌した。反応を水(20容量)でクエンチし、酢酸エチル(EtOAc)(20容量)で抽出した。有機層を水(2×10容量)及びブライン溶液(10容量)で洗浄し、減圧下で濃縮し、n-ヘプタンを添加することで生成物を単離した。単離した固体を濾過し、真空下で乾燥させ、所要の化合物をクリーム色の固体として得た。
【0066】
段階-3のCLX-SYN-G162D-C01の合成:
【化21】
実験手順
乾燥テトラヒドロフラン(THF)(14.0容量)中のSt-2(1当量)の撹拌溶液に、NaH(1.5当量)を0℃~5℃で少量ずつ添加し、10分間~15分間撹拌した。塩化ラウリル(1.1当量)を0℃~5℃で添加し、同じ温度で2時間撹拌した。反応を水(20容量)でクエンチし、EtOAc(20容量)で抽出した。有機層を水(2×10容量)及びブライン溶液(10容量)で洗浄した。有機層を濃縮し、生成物をn-ヘプタン中で単離した。固体を濾過し、真空下で乾燥させ、所要の化合物を淡黄色の固体として得た。
【0067】
段階-4のCLX-SYN-G162D-C01の合成:
【化22】
実験手順
メタノール(10.0容量)中のSt-3(1当量)の撹拌溶液に、10%Pd/Cを25℃~30℃で添加し、反応物質、段階3の物質をH
2雰囲気下にて25℃~30℃で12.0時間撹拌した。反応物質をセライトで濾過し、濃縮し、EtOAc/ヘキサンを溶離液として用いた中性アルミナでのカラムクロマトグラフィーによって粗化合物を精製し、所要の化合物を淡黄色の液体として得た。実行した全ての段階-4の詳細を下記表1に示す。
【0068】
【0069】
CLX-SYN-G162D-C01の構造特性評価データ
CLX-SYN-G162D-C01の化学構造は、IR、NMR、Mass及び13C NMR等の様々な分光学的手法を用いて確立されており、結果を下記にまとめる。
【0070】
赤外分光光度法:CLX-SYN-G162D-C01のFT-IRスペクトルは、FT-IR分光光度計において塩化ナトリウムセルを用いて記録され、下記表に示すように、その化学構造に特徴的な以下のIR吸収帯を示す。
IR(cm-1):特徴的な吸収帯:
【0071】
【0072】
CLX-SYN-G162D-C01の
1H NMR(400MHz,DMSO-D
6):
【化23】
プロトンの化学シフトの割当て
【0073】
【0074】
13C NMR(100MHz,DMSO-d
6):炭素原子への化学シフトの割当て
【化24】
【0075】
【0076】
実施例1A:CLX-SYN-G162D-C01の合成
合成経路
【化25】
手順:
工程-I:
水素化ナトリウム(1.1当量)をオキシメタゾリン(1.0当量)、ジ-tert-ブチルビカーボネート(1.0当量)及びジメチルホルムアミド(10mL)の溶液に0℃~5℃で5分~10分かけて添加した。塊を40分間~60分間撹拌した。氷水を0℃~5℃で添加する間に固体が分離し、固体を濾過した。固体化合物を酢酸エチルに溶解した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して固体を得た。
【0077】
工程-II
水素化ナトリウム(1.5当量)を工程-I(1.0当量)及びジメチルホルムアミド(10mL)の溶液に0℃~5℃で5分~10分かけて添加した。塊を30分間~40分間撹拌した。バルプロ酸塩化物(1.5当量)を上記の塊に0℃~5℃でゆっくりと添加し、40分間~60分間維持した。氷水を反応塊に0℃~5℃で添加し、酢酸エチル(50mL×2回)で抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、真空下で濃縮して油状の塊を得た。この化合物を、酢酸エチルとヘキサンとの混合物を用いたカラムクロマトグラフィーによって精製し、揮発分を濃縮して固体を得た。
【0078】
工程-III
酢酸エチルHCl溶液を酢酸エチル(1mL)中の工程-IIの溶液に20℃~25℃で2分~5分かけて添加した。塊を3時間~5時間撹拌し、真空下で濃縮して油状の塊を得た。この化合物を、酢酸エチルとヘキサンとの混合物を用いたカラムクロマトグラフィーによって精製し、揮発分を濃縮して固体を得た。
【0079】
実施例2:CLX-SYN-G162D-C02
CLX-SYN-G162D-C02のIUPAC名:6-(tert-ブチル)-3-((4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-2-イル)メチル)-2,4-ジメチルフェニル(R)-5-(1,2-ジチオラン-3-イル)ペンタノエート
CLX-SYN-G162D-C02の化学構造:
【化26】
【0080】
CLX-SYN-G162D-C02の合成
提案されるCLX-SYN-G162D-C02の合成経路は、オキシメタゾリン塩酸塩から開始する4工程プロセスである(スキーム1)。
【化27】
【0081】
スキーム1:CLX-SYN-G162D-C02の合成
第1の工程は、アンモニア水溶液を用いたオキシメタゾリン塩酸塩の遊離塩基化である。第2の段階は、塩化ベンジルによるオキシメタゾリンのベンジル保護である。リポ酸による段階-2のフェノールのエステル化(段階-3)に続く、メタノール中のPd/Cを用いたベンジル脱保護(段階-4)により、スキーム1に示すようにCLX-SYN-G162D-C02が生成する。全ての段階の詳細な実験手順を下記セクションに提示する。
【0082】
段階-1のCLX-SYN-G162D-C02の合成
【化28】
実験手順
水(20.0容量)中のオキシメタゾリン塩酸塩(1.0当量)の撹拌溶液に、アンモニア水溶液(1.0容量)を25℃~30℃で添加し、反応塊を25℃~30℃で1時間~2時間撹拌した。沈殿した固体を濾過し、水(5容量)で洗浄し、1時間~2時間吸引乾燥した。湿った化合物を真空下にて60℃~65℃で約16時間乾燥させ、オキシメタゾリンをオフホワイト色の固体として得た。
【0083】
段階-2のCLX-SYN-G162D-C02の合成:
スキーム-3:段階-2の合成経路
【化29】
実験手順
DMF(14.0容量)中の段階-1(1当量)の撹拌溶液に、塩化ベンジル(1.05当量)を添加し、0℃~5℃に冷却した。RMにNaH(1.05当量)を0℃~5℃で少量ずつ(3回に分けて)添加し、同じ温度で2時間撹拌した。反応を水(20容量)でクエンチし、EtOAc(20容量)で抽出した。有機層を水(2×10容量)及びブライン溶液(10容量)で洗浄し、減圧下で濃縮し、n-ヘプタンを添加することで生成物を単離した。単離した固体を濾過し、真空下で乾燥させ、所要の化合物をクリーム色の固体として得た。
【0084】
段階-3のCLX-SYN-G162D-C02の合成:
リポ酸塩化物経路を使用:
段階-3の化合物の合成を、初めにスキーム-4に示すような酸塩化物経路に従って試みた。リポ酸塩化物は、リポ酸を塩化チオニルで処理することによって生成する。
【0085】
スキーム-4:段階-3の調製のための酸塩化物経路
【化30】
酸塩化物の調製を、溶媒としてのDCM中の塩化オキサリルを用いて試みた。完了後に溶媒を蒸発させ、粗物質を次の反応に直接使用した。
【0086】
アミドカップリングを介した合成:
酸塩化物経路が所要の生成物の形成をもたらさなかったため、更なる試みではリポ酸と段階-2のアミンとのカップリング反応に焦点を合わせた。この目的で、溶媒としてのDCM中のDCC/DMAPの存在下にて段階-IIをリポ酸で処理することによって最初の反応を試みた。反応の完了後にワークアップを行い、ヘキサン/EtOAcを溶離液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって粗化合物を精製し、所要の生成物を約35%の収率で得た。
【0087】
段階-3の合成については、DCCの存在下でのカップリング反応によって所要の生成物が生成するため、段階-3の物質の生成のためにスケールアップした。段階-3の調製のために従った詳細な実験手順を下記に示す。
【0088】
段階-3の合成のための実験手順
乾燥DCM(20.0容量)中の段階-2(1当量)の溶液に、DMAP(1.0当量)、DCC(1.0当量)及びリポ酸(1.0当量)をN2雰囲気下にて20℃~30℃で添加し、同じ温度で18時間撹拌した。反応をTLCによってモニタリングした。水(20.0容量)を投入し、層を分離した。有機層を水(20容量)で洗浄し、濃縮乾固した。粗化合物を、ヘキサン/EtOAcを溶離液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製し、生成物をオフホワイト色の固体として得た。
【0089】
段階-4のCLX-SYN-G162D-C02の合成:
【化31】
段階-4の脱ベンジル化反応の実行可能性
段階-4脱ベンジル化反応を、初めに水素雰囲気下にて溶媒としてのメタノール中の10%Pd/C(50%ウェット)(50%(重量/重量))を用いた通常の条件下で試みた。段階-1の反応、すなわちオキシメタゾリン塩酸塩の形成は、アンモニア水溶液を用いて首尾よく達成され、生成物が高収率(90%超)で得られた。また、段階-1の生成物の段階-2のベンジル保護反応は、溶媒としてのDMF中の水素化ナトリウム及び塩化ベンジルを用いて約50%の収率で達成された。溶媒としてのDCM中のDCC及びDMAPの存在下にて所要の段階-3の生成物の形成が観察され、所要の生成物が得られた。
【0090】
実施例3:CLX-SYN-G162D-C04
CLX-SYN-G162D-C04のIUPAC名:3-(((1R,5S)-8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)オキシ)-3-オキソ-2-フェニルプロピル5-((R)-1,2-ジチオラン-3-イル)ペンタノエート
CLX-SYN-G162D-C04の化学構造:
【化32】
【0091】
CLX-SYN-G162D-C04の合成
CLX-SYN-G162D-C04の合成は、主な主要原料としてアトロピン及び(R)-リポ酸を用いる1工程プロセスである。
【0092】
CLX-SYN-G162D-C04の合成のためのスキーム
【化33】
CLX-SYN-G162D-C04の合成は、溶媒としてのジクロロメタン(DCM)中のピリジンの存在下でのリポ酸塩化物とアトロピンとのカップリングを含む。詳細な実験手順を下記セクションに提示した。
【0093】
段階-Iの合成スキーム
【化34】
実験手順
ベンゼン(3.0容量)中の(R)-リポ酸(1.5当量)の溶液にDMF(0.1容量)、続いて塩化チオニル(1.3当量)をN
2雰囲気下にて25℃~30℃で添加した。RMを同じ温度で2時間撹拌した。溶媒を蒸発乾固し、残渣をN
2雰囲気下で別にして取っておいた。
【0094】
0℃~5℃のDCM(10.0容量)中のアトロピン(1.0当量)及びピリジン(10.0当量)の溶液に、上記の調製したベンゼン(4容量)中の酸塩化物溶液をN2雰囲気下で添加した。反応混合物を同じ温度で1時間~2時間撹拌した。反応をTLCによってモニタリングした。反応塊を水(8容量)でクエンチし、層を分離した。有機層を飽和NaHCO3水溶液(4容量)で洗浄した。有機層を濃縮し、5%MeOH/DCMを溶離液として用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、生成物をゴム状の液体として得た。液体化合物をMTBE(3.0容量)中で1時間スラリー化し、得られた固体を濾過し、乾燥させて、化合物を淡いクリーム色の低融点固体(低温で固化する)として得た。
【0095】
CLX-SYN-G162D-C04の構造特性評価データ
CLX-SYN-G162D-C04の化学構造は、IR、NMR、Mass及び13C NMR等の様々な分光学的手法を用いて確立されており、結果を下記にまとめる。
【0096】
赤外分光光度法:CLX-SYN-G162D-C04のFT-IRスペクトルは、FT-IR分光光度計を用いてKBrペレットにおいて記録され、下記表に示すように、その化学構造に特徴的な以下のIR吸収帯を示す。
IR(cm-1):特徴的な吸収帯
【0097】
【0098】
1H NMR(400MHz,DMSO-d
6)δppm:
【化35】
プロトンへの化学シフトの割当て
【0099】
【0100】
13C NMR(100MHz,DMSO-d6):
炭素原子への化学シフトの割当て
【0101】
【0102】
CLX-SYN-G162D-C04は、アトロピン及び(R)-リポ酸から開始して1工程で約10%の収率、HPLCによる純度97%超で合成した。
【0103】
実施例4:CLX-SYN-G162D-C06
CLX-SYN-G162D-C06のIUPAC名:(1S,5S)-3-((3-ヒドロキシ-2-フェニルプロパノイル)オキシ)-8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-8-イウム(R)-5-(1,2-ジチオラン-3-イル)ペンタノエート
CLX-SYN-G162D-C06の化学構造:
【化36】
【0104】
CLX-SYN-G162D-C06の合成
CLX-SYN-G162D-C06の合成は、主な主要原料としてアトロピン及び(R)-リポ酸を用いる1工程プロセスである。
【0105】
CLX-SYN-G162D-C06の合成のためのスキーム
【化37】
CLX-SYN-G162D-C06の合成は、エタノール中の(R)-リポ酸によるアトロピンの処理を含む。詳細な実験手順を下記セクションに提示する。
【0106】
段階-Iの合成スキーム
【化38】
実験手順
エタノール(10容量)中のアトロピン(1.0当量)の撹拌溶液に、(R)-リポ酸(1.0当量)を添加し、反応混合物を25℃~30℃で17.0時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮して溶媒を除去し、所要の化合物を淡黄色の液体として得た。
【0107】
CLX-SYN-G162D-C06の構造特性評価データ
CLX-SYN-G162D-C06の化学構造は、IR、NMR、Mass及び13C NMR等の様々な分光学的手法を用いて確立されており、結果を下記にまとめる。
【0108】
赤外分光光度法:CLX-SYN-G162D-C06のFT-IRスペクトルは、FT-IR分光光度計において塩化ナトリウムセルを用いて記録され、下記表に示すように、その化学構造に特徴的な以下のIR吸収帯を示す。
IR(cm-1):特徴的な吸収帯:
【0109】
【0110】
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δppm:
【化39】
プロトンへの化学シフトの割当て
【0111】
【0112】
13C NMR(100MHz,DMSO-d6):
炭素原子への化学シフトの割当て
【0113】
【表10】
MS:290(M+H)+veモード及び205(M-H)-veモード。
【0114】
結論として、CLX-SYN-G162D-C06は、アトロピン及び(R)-リポ酸から1工程で合成された。単離された塩化合物は、液体であることが見出され、最終化合物、すなわちアトロピンリポエートの固体単離のための様々な試みは失敗したが、これは反応中のアトロピンリポエートのジアステレオマー塩の形成に起因し得る。
【0115】
等価物
本開示は、特に肛門直腸疾患、及びそれらの合併症を処置するための組成物及び方法を提供する。本開示の特定の実施形態について詳述したが、上記の明細書は例示的なものであり、制限するものではない。本明細書の系及び方法の多くの変形例について、本明細書を検討すれば当業者には明らかとなるであろう。特許請求した系及び方法の全範囲は、特許請求の範囲とその等価物の全範囲、及び明細書とそのような変形例を参照して決定するものとする。
【0116】
参照による引用
上記に挙げたものを含む本明細書で言及した全ての刊行物及び特許は、各々の刊行物又は特許が詳細にかつ個々に参照により引用されると示されているかのように、その内容全体を引用することにより本明細書の一部をなす。矛盾する場合、本明細書における任意の定義を含む本出願に従うものとする。
【国際調査報告】