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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-29
(54)【発明の名称】測定システム
(51)【国際特許分類】
   G01B 21/20 20060101AFI20220921BHJP
   B23Q 17/20 20060101ALI20220921BHJP
   G01B 11/24 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
G01B21/20 C
B23Q17/20 A
G01B11/24 A
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022511363
(86)(22)【出願日】2020-07-16
(85)【翻訳文提出日】2022-04-20
(86)【国際出願番号】 EP2020070132
(87)【国際公開番号】W WO2021032374
(87)【国際公開日】2021-02-25
(31)【優先権主張番号】102019122655.4
(32)【優先日】2019-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】509197276
【氏名又は名称】エムウントハー インプロセス メステクニク ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヴィエスト クリストフ
【テーマコード(参考)】
2F065
2F069
3C029
【Fターム(参考)】
2F065AA04
2F065AA53
2F065BB05
2F065FF01
2F065FF10
2F065HH13
2F065MM14
2F065MM24
2F065PP04
2F065PP22
2F069AA04
2F069AA42
2F069AA66
2F069GG01
2F069GG04
2F069GG07
2F069GG62
2F069HH09
2F069JJ08
3C029BB01
3C029BB10
(57)【要約】
走査によって複数の測定値を取得するための測定システム。測定システムは、測定システムを機械の制御ユニットに接続するためのインターフェースを有し、機械は、工作機械または測定機として具体化され、測定システムは測定器を有し、測定システムは機械の移動軸上に配置可能に具体化され、測定対象は測定器を用いて測定可能であり、測定対象の測定中、測定器は測定値を生成し、測定システムはコントロールユニットを有し、コントロールユニットは測定システムによって取得された測定値を格納するための記憶ユニットを有し、コントロールユニットは測定値を処理および格納可能であり、測定システムはタイマーを備え、コントロールユニットは制御モジュールを有し、制御モジュールはインターフェースを介して機械から位置座標を読み取り、読み取った位置座標を所定の座標目標領域と比較し、および/または制御モジュールはタイマーの時間を所定の時点と比較し、制御モジュールが位置座標が座標目標領域内に位置していると検知した場合、および/または制御モジュールがタイマーの時間が所定の時点に達した、または所定の時間を経過したと検知した場合に、制御モジュールはトリガ信号を発信することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走査によって複数の測定値を取得するための測定システム(8,23,43)であって、前記測定システム(8,23,43)は、前記測定システム(8,23,43)を機械(1,16,36)の制御ユニット(5,20,40)に接続するためのインターフェース(10,27,50)を備え、前記機械(1,16,36)は工作機械または測定機の形態をとり、前記測定システム(8,23,43)は測定器(9,24,44)を備え、前記測定システム(8,23,43)は、前記機械(1,16,36)の移動バー(4,19,39)に配置可能に設計されており、測定対象(7,22,42)は前記測定器(9,24,44)を用いて測定可能であり、前記測定器(9,24,44)は、前記測定対象(7,22,42)を測定する際に1つの測定値を生成し、前記測定システム(8,23,43)はコントローラユニット(11,29,52)を備え、前記コントローラユニット(11,29,52)は、前記測定システム(8,23,43)によって取得された前記複数の測定値を格納するための記憶ユニット(13,31,40)を有し、前記コントローラユニット(11,29,52)は、前記1つの測定値を処理および格納可能であり、
前記測定システム(8,23,43)はタイムジェネレータ(14,32,53)を備え、前記測定システム(8,23,43)は制御モジュール(12,30,54)を備え、
前記制御モジュール(12,30,54)は、前記インターフェース(10,27,50)を介して前記機械(1,16,36)から位置座標を読み取り、前記読み取った位置座標を所定の座標目標領域と比較し、および/または
前記制御モジュール(12,30,54)は、前記タイムジェネレータ(14,32,53)の時間を所定の時間と比較し、
前記制御モジュール(12,30,54)が、前記位置座標が前記座標目標領域内に位置していると判定した場合、および/または前記制御モジュール(12,30,54)が、前記タイムジェネレータ(14,32,53)の前記時間が前記所定の時間に達した、または前記所定の時間を経過したと判定した場合に、前記制御モジュール(12,30,54)はトリガ信号を発信する、測定システム(8,23,43)。
【請求項2】
前記コントローラユニット(11,29,52)は、前記トリガ信号を、前記トリガ信号の時間に取得された第1測定値とともに前記記憶ユニット(13,31,40)に格納し、トリガ信号と前記第1測定値との時間関係が、前記測定システム(8,23,43)に認識されることを特徴とする、先行する請求項1に記載の測定システム(8,23,43)。
【請求項3】
前記測定システム(8,23,43)、より具体的には前記測定システム(8,23,43)の前記コントローラユニット(11,29,52)は、前記トリガ信号を前記インターフェース(10,27,47,50)を介して前記機械(1,16,36)の前記制御ユニット(5,20,40)に送信するよう設計されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれかに記載の測定システム(8,23,43)。
【請求項4】
前記測定システム(8,23,43)は、前記機械(1,16,36)に配置された前記測定器(9,24,44)の、前記トリガ信号の前記時間に取得された第1位置座標を前記機械(1,16,36)から読み取るよう設計され、トリガ信号と前記第1位置座標との時間関係が前記測定システム(8,23,43)に認識され、前記測定システム(8,23,43)の前記コントローラユニット(11,29,52)は、前記第1位置座標と前記第1測定値との時間関係を構築するよう設計されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の測定システム(8,23,43)。
【請求項5】
前記第1測定値の前記第1位置座標との相互関係から、前記測定システム(8,23,43)は、位置座標を、前記測定器(9,24,44)によって取得されたさらなる複数の測定値に、認識されている前記複数の測定値を取得している間の前記測定器(9,24,44)の移動速度および移動方向のみに基づいて、割り当てるよう設計されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の測定システム(8,23,43)。
【請求項6】
前記第1測定値の前記第1位置座標との相互関係から、前記測定システム(8,23,43)は、さらなる位置座標を、前記測定器(9,24,44)によって取得された複数のさらなる測定値に、前記測定システム(8,23,43)に認識されている前記取得された複数の測定値の互いの空間関係に基づいて、割り当てるよう設計されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の測定システム(8,23,43)。
【請求項7】
前記第1測定値の前記第1位置座標との相互関係から、前記測定システム(8,23,43)は、さらなる位置座標を、前記測定器(9,24,44)によって取得されたさらなる複数の測定値に、前記測定システム(8,23,43)に認識されている前記取得された複数の測定値の互いの時間関係に基づいて、割り当てるよう設計されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の測定システム(8,23,43)。
【請求項8】
前記測定器(9,24,44)は、非接触で動作する測定器(9,24,44)として設計されていることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の測定システム(8,23,43)。
【請求項9】
前記インターフェース(10,27,50)は、標準インターフェース(10,27,50)の形態をとることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1つに記載の測定システム(8,23,43)。
【請求項10】
先行する請求項1~9のいずれか1つに記載の測定システム(8,23,43)を備える機械(1,16,36)、より具体的には工作機械および/または測定機であって、前記機械(1,16,36)は、トリガ信号に基づいてバーの移動を停止させるよう設計されていることを特徴とする、機械(1,16,36)。
【請求項11】
先行する請求項10に記載の機械(1,16,36)、より具体的には工作機械および/または測定機であって、より具体的には先行する請求項1~9のいずれか1つに記載の測定システム(8,23,43)を備える機械(1,16,36)であって、前記機械(1,16,36)の前記制御ユニット(5,20,40)は、前記機械(1,16,36)の記憶モジュール(6,21,41)に前記トリガ信号の受信時のバー位置を読み取り可能に格納することを特徴とする、機械(1,16,36)。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[従来技術]
走査によって複数の測定値を取得する測定システムが知られている。
既知の測定システムは、工具または測定機の移動バーに配置可能に設計された光学測定器を備える。例えば、複数の測定値を光学測定器によって連続して時系列に取得可能である。測定中に測定器が測定対象の上を移動する場合、測定器の移動中に測定対象の異なる点を測定器によって測定可能である。例として、測定対象の高さプロファイルをこのようにして生成することが可能である。
【0002】
これらの既知の測定システムにおいて、生成された測定値を対象物上の測定点、測定座標に対応させることは、比較的複雑なことである。既知の測定システムでは、測定中の測定器の移動速度は、測定点を決定する正確さに相関する。測定点をより正確に決定する必要があるほど測定は遅くなり、逆に、測定が速くなるほど測定点を決定する正確度は低くなる。
[発明の目的および利点]
本発明は、走査によって複数の測定値を取得するための代替的な測定システムを提供する、という目的に基づいている。
【0003】
この目的は請求項1に記載の特徴によって達成される。
本発明の有利で適切な実施形態は、従属請求項に記載される。
本発明は、走査によって複数の測定値を取得するための測定システムであって、測定システムは、測定システムを機械の制御ユニットに接続するためのインターフェースを備え、機械は工作機械または測定機の形態をとり、測定システムは測定器を備え、測定システム、具体的には測定システムの測定器、は機械の移動バーに配置可能に設計されており、測定対象は測定器を用いて測定可能であり、測定器は、測定対象を測定する際に1つの測定値を生成し、測定システムはコントローラユニットを備え、コントローラユニットは、測定システムによって取得された複数の測定値を格納するための記憶ユニットを有し、コントローラユニットは、上記1つの測定値を処理および格納可能であり、測定システムはタイムジェネレータを備える、測定システム、を出発点として用いる。
【0004】
記憶ユニットは、有利には従来の磁気または電子記憶ユニットとして存在する。例として、記憶ユニットは電子データメモリとして設計されている。例として、記憶ユニットは、DRAM記憶ユニットとして、ROM記憶ユニットとして、またはフラッシュEEPROM記憶ユニットとして存在する。
【0005】
機械は、例えばCNCマシニングセンタとして存在する。例として、工作機械はターニングセンタおよび/またはミーリングセンタとして設計されている。有利には、工作機械は、相対的に移動可能な複数の機械バーを備える。例として、工作機械は3軸工作機械の形態、または5軸工作機械の形態をとる。例として、測定機は座標測定機の形態をとる。
【0006】
例として、機械の制御ユニットは数値制御装置、例えばCNC(コンピュータ数値制御装置)として設計されている。
ここで、本発明の第1の変形例としては、測定システム、具体的には測定システムのコントローラユニット、は制御モジュールを備え、制御モジュールはインターフェースを介して機械から位置座標を読み取り、読み取った位置座標を所定の座標目標領域と比較し、制御モジュールにて位置座標が座標目標領域内に位置していると判定した場合、制御モジュールはトリガ信号を発信する、という点に見られるべきである。
【0007】
本発明の第2の変形例としては、測定システム、具体的には測定システムのコントローラユニット、は制御モジュールを備え、制御モジュールはタイムジェネレータの時間を所定の時間と比較し、制御モジュールにてタイムジェネレータの時間が所定の時間に達した、または所定の時間を経過したと判定した場合、制御モジュールはトリガ信号を発信する、という点に見られるべきである。
【0008】
測定器は、タイムジェネレータの時間を所定の時間と比較し、測定器にてタイムジェネレータの時間が所定の時間に達した、または所定の時間を経過したと判定した場合、測定器はトリガ信号を発信する、という点も有利である。
【0009】
タイムジェネレータの時間は、制御モジュールのみ、または測定器のみのどちらか一方によって所定の時間と比較される、ということも同様に考えられる。
しかしながら、制御モジュールと測定器との両方でタイムジェネレータの時間を所定の時間と比較するということも考えられる。測定器は、タイムジェネレータを備えることが好ましい。
【0010】
これに関連して、本発明に係る測定システムは、上述の2つの変形例のうちの一方、または上述の変形例の両方の組み合わせを有していてもよい。これにより、比較的に短い測定時間で比較的に正確な測定対象の測定が実現可能となる。
【0011】
例として、制御モジュールは演算器の形態で、例えばマイクロコントローラまたはマイクロプロセッサとして、設計されている。
例として、測定の開始時間および寸法の測定時間は、測定システムに認識されるおよび/または測定システムに設定可能である。例として、測定システムは、開始時間および測定時間から所定の時間を判定するよう設計されている。
【0012】
測定の開始時間、機械の移動バーの移動速度、および測定経路が、測定システムに認識されるということも考えられる。
例として、測定システムは開始時間、移動バーの移動速度、および測定経路から、所定の時間を判定するよう設計されている。
【0013】
所定の時間が測定システムに設定可能なように、測定システムを設計することも考えられる。
有利には、測定システムは、具体的には測定器の現在の位置座標が測定システムによって読み取り可能なように、インターフェースによって機械に接続可能である。例として、測定システムのタイムジェネレータと機械のタイムジェネレータは互いに同期可能である。
【0014】
例として、時間の遅延、例えば位置座標のクエリ時間と位置座標の受信時間との間の遅れは、測定器に認識される。
コントローラユニットは、トリガ信号を、トリガ信号時に取得された第1測定値ととともに記憶ユニットに格納し、トリガ信号と第1測定値との時間関係が測定システムに認識されるということも提案される。
【0015】
有利には、トリガ信号と測定器からの測定値の受信との間の遅れ、または遅延時間は測定システムに認識される。具体的には、この遅れまたは遅延は一定である。これにより、関連する測定点、例えば位置座標、に測定値を割り当てやすくなる。
【0016】
例えば、測定器はトリガ信号を発信した後に測定値の取得を終了する。例として、第1測定値は測定中に生成された最後の測定値である。例として、第1測定値はコントローラユニットによって処理された測定の最後の測定値である。
【0017】
コントローラユニットが、インターフェース、より具体的には上述のインターフェースを介して、トリガ信号を機械の制御ユニットに送信するよう設計されることがさらに提案される。これにより、機械のバーの移動が制御可能となる、具体的には、機械の移動バーの動きをトリガ信号に基づいて停止させることが可能になる。
【0018】
インターフェースは標準インターフェースの形態をとることが、さらに提案される。
有利には、インターフェースは、シリアルインターフェースの形態をとる。
【0019】
有利には、測定システムと機械との通信は、同期シリアルプロトコルに基づく。
インターフェースは標準インターフェースの形態、例えば標準データバスの形態をとるということも考えられる。例として、インターフェースはフィールドバス、例えばプロフィネットインターフェースとして、EnDatインターフェースとして、またはイーサネットインターフェースとして、存在する。
【0020】
例として、インターフェースはSPI(シリアルペリフェラルインターフェース)の形態をとる。
また、インターフェースが、機械とのシリアルデータ通信用に伝送路を有するということは有利である。伝送路は、有利には信号線の形態をとる。例として、インターフェースは、シリアルおよび/またはパラレルインターフェースの形態をとる。有利には、インターフェースはUSBインターフェースの形態、またはファイヤーワイヤーインターフェースの形態で存在する。
【0021】
インターフェースが専用インターフェースとして存在する、ということも考えられる。
インターフェースが有線インターフェースであることも、有利であると考えられる。これにより、比較的安定した伝達経路が実現する。インターフェースが制御ユニットの電力供給のための伝送路と、測定信号伝達のための伝送路とを有するということも、同様に有利であると考えられる。
【0022】
有利には、コントローラユニットは、標準プロトコルとして、インターフェースを介してトリガ信号を機械に送信するよう設計されている。
測定システムは2つのインターフェースを備え、測定システムは第1インターフェースを介してトリガ信号を機械の制御ユニットに送信し、第2インターフェースを介して機械から複数の位置座標を読み取ることが好ましい。第1インターフェースは有利には専用インターフェースとして存在する。例として、第1インターフェースはシリアルデータ転送を容易にするよう設計されている。例として、第2インターフェースは標準インターフェース、例えばバスインターフェースの形態をとる。例として、第2インターフェースはUSBまたはネットワークインターフェースとして存在する。第1および第2インターフェースが1つのインターフェースとして存在することも考えられる。
【0023】
測定システムは、測定器に加えて送受信ユニットを備え、送受信ユニットは測定器によって生成された測定値を受信および処理するよう設計されていることが好ましい。送受信ユニットは、第1インターフェースを有するということが考えられる。コントローラユニットは送受信ユニットの構成要素である、ということも考えられる。例として、送受信ユニットおよび/またはコントローラユニットは、第3インターフェースによって無線接続および/または光接続で測定器に結合される。
【0024】
例として、送受信ユニットは、測定器のための制御・評価ユニットの形態をとる。有利には、制御・評価ユニットは測定器を制御する。例として、制御・評価ユニットは測定器からの測定データを評価する、具体的には、測定器の測定データから測定値を判定するよう設計されている。
【0025】
例として、コントローラユニットおよび/または送受信ユニットは、無線通信チャネルを介して測定器と通信を行う。例として、コントローラユニットおよび/または送受信ユニットは、光信号によっておよび/または無線信号によって測定器と通信を行う。例として、光信号は赤外線信号である。例として、無線信号はブルートゥース信号である。
【0026】
さらに、送受信ユニットおよび測定器は、無線接続によって互いに通信を行うことが提案される。
コントローラユニットおよび/または送受信ユニット、および測定器は、無線LANインターフェース、ブルートゥースインターフェースおよび/または移動無線インターフェースを用いて通信を行うことが好ましい。
【0027】
例として、移動無線インターフェースはLTEインターフェースとして存在する。
コントローラユニットは、測定器および/または送受信ユニットから独立した演算器として、例えばコンピュータとして、設計されているということも考えられる。独立した演算器としてのコントローラユニットは、機械および送受信ユニットの両方、および/または測定器と接続可能であることが好ましい。
【0028】
測定システムについて考えられ得る設計において、測定器はコントローラユニットおよび/または少なくともインターフェースを備え、測定器は、これらによって機械の制御ユニットに接続可能となっている。
【0029】
例として、機械の制御ユニットおよび測定システム、具体的には測定器は、無線通信チャネルを通じて通信を行う。
例として、機械の制御ユニットおよび測定システムは、光信号によっておよび/または無線信号によって通信を行う。
【0030】
例として、光信号は赤外線信号である。
無線信号は、例えばブルートゥース信号である。
さらに、機械の制御ユニットおよび測定システム、具体的には測定器、は無線接続によって互いに通信を行うことが提案される。
【0031】
機械の制御ユニットおよび測定システム、具体的にはコントローラユニットは無線LANインターフェース、ブルートゥースインターフェースおよび/または移動無線インターフェースによって通信を行うことが好ましい。
【0032】
例として、移動無線インターフェースは、LTEインターフェースとして存在する。
コントローラユニットが独立した演算器として設計されている場合、測定システムはさらなるインターフェース、具体的には有利には第3インターフェースを備える。測定器は、第3インターフェースによってコントローラユニットに接続される。例として、測定器は、さらなるインターフェースを介して測定値をコントローラユニットに送信する。送受信ユニットがさらなるインターフェースを有する、ということが考えられる。例として、送受信ユニットは、さらなるインターフェースによってコントローラユニットに物理的に接続される。
【0033】
測定システムが、トリガ信号時に機械から取得された第1位置座標を読み取るように、具体的には機械において測定器が配置される位置座標を読み取るように、設計され、トリガ信号と第1位置座標との時間関係は測定システムに認識され、測定システムのコントローラユニットは第1位置座標と第1測定値との時間関係を構築するよう設計されていることも有利である。これにより、測定された測定対象の高さプロファイルが作成可能となる。
【0034】
例として、遅れ、例えば測定システムのコントローラユニットによる機械へのトリガ信号の出力と、機械によるトリガ信号の位置座標への関連付けとの間のタイムラグ、は測定システムに認識される。有利には、機械はトリガ信号を位置座標に関連付ける、またはトリガ信号を位置座標に結び付けるよう設計されている。有利には、このタイムラグは具体的には概して一定である。
【0035】
第1測定値の第1位置座標との相互関係から、測定システムは、位置座標、具体的には測定器の位置座標を測定器によって取得されたさらなる測定値に、認識されている測定値の取得中またはその範囲内の測定器の移動速度および移動方向のみに基づいて、割り当てるよう設計されていることは、同様に有利である。これにより、測定対象の比較的正確な測定が、測定システムを用いて比較的短い測定時間で実現される。
【0036】
有利には、測定値の取得中は測定器の移動方向および/または移動速度が一定であるである。例として、測定器は、測定値の取得中に、機械の1本または複数の移動バーによって一定の速度および/または一定の方向に動かされる。
【0037】
測定器の移動方向および/または移動速度は、測定される測定対象との関係において考えられることが好ましい。よって、測定器が測定中に、周囲、例えば測定器が配置された機械の周囲、に対して固定された位置に存在し、代わりに測定対象が測定器に対して、かつ周囲に対して動かされることが考えられる。
【0038】
測定システムによって測定値に割り当てられた各位置座標は、機械に配置された測定器の位置座標であることが好ましい。有利には、機械に配置された測定器の位置座標は、例えば正規化によって測定対象の空間座標に変形可能である。有利には、測定対象の空間座標は、測定器が測定対象を測定し、それによって測定値を生成した測定点である。
【0039】
本発明の有利な変形例は、第1測定値の第1位置座標との相互関係から、測定システムがさらなる位置座標を、測定器によって取得されたさらなる測定値に、測定システムに認識されている測定値の相互の空間関係に基づいて、割り当てるよう設計されていることである。
【0040】
その結果、第1測定値の位置座標から、対応する位置座標をさらなる測定値、具体的にはさらなる測定値の全てに、比較的容易に割り当て可能である。
また、第1測定値の第1位置座標との相互関係から、測定システムがさらなる位置座標を、測定器によって取得されたさらなる測定値に、測定システムに認識されている測定値の互いに対する時間関係に基づいて割り当てるよう設計されていることが有利であるということがわかった。有利には、測定で取得された2つの異なる測定値間の測定器の移動速度および移動方向が、測定システムに認識される。
【0041】
取得された測定値間の空間距離および/または時間間隔が、測定システムに認識されることが好ましい。有利には、空間関係は、単に空間距離または空間的な間隔を意味するだけでなく、空間方向、具体的には関連する空間方向も意味すると理解されるべきである。例として、測定システムは、さらなる位置座標を、測定器によって取得されたさらなる測定値に、時間関係、例えば時間間隔と、測定器の認識された移動速度および移動方向とに基づいて、割り当てる。具体的には、測定で取得された測定値の空間距離および/または時間間隔は、測定システムに認識される。有利には、測定システムは、認識された時間関係を互いに対して有する測定値を生成する。
【0042】
例として、測定システム、例えば測定器は、具体的には一定の空間および/または時間間隔で測定値を生成する。
有利には、第1測定値とさらなる測定値との空間関係および/または時間関係は、測定システムに認識される。具体的には、第1測定値とすべてのさらなる測定値との空間関係および/または時間関係は、測定システムに認識される。例として、機械の移動バー、具体的には機械のすべての移動バーの移動速度および移動方向は、測定システムに認識される。
【0043】
有利には、測定システムは、機械の移動バーの移動速度に較正および/または正規化される。具体的には、測定システムは、機械の移動バーの複数の移動速度に較正および/または正規化される。その結果、測定値の空間距離が測定システムに認識される。具体的には、測定値の空間距離は、測定器による測定値の取得または測定値の生成のサイクルタイムに基づいて、かつ、例えば移動バーの移動に基づいて、測定システムに認識される。
【0044】
本発明の有利な構成において、測定器は、非接触で動作する測定器として設計されている。
例として、測定器は測定センサとして存在する。例として、測定器は共焦点クロマティック距離センサとして、レーザスキャナとして、および/または撮像測定器、例えばCCDセンサとして設計されている。例として、測定器はラインスキャナとして存在する。有利には、測定器は、走査測定器、例えばスキャナとして存在する。例として、測定器は測定中、ポイントごと、ラインごと、または列ごとに測定値を生成する。
【0045】
しかしながら、測定器が接触式測定センサ、具体的には触覚の原理で動作する測定センサとして設計されていることも考えられる。例として、測定器は触覚の原理で動作する測定センサのプローブ要素の偏向の大きさを判定するよう、および/または触覚の原理で動作する測定センサのプローブ要素の力を判定するよう設計されている。
【0046】
本発明の有利な実施形態において、測定システムは以下の方法ステップを、連続して、具体的には以下に特定された順序で実行するよう設計されている。
-機械の移動バーに配置された測定器の移動速度を較正および/または正規化すること、
-座標目標領域および/または所定の時間の読み取り、要求および/または判定を行うこと、
-座標目標領域および/または所定の時間を、記憶ユニットに格納すること、
-測定方法または測定を開始すること、
-測定システムの測定器で測定値を生成すること、
-測定システムの制御モジュールで機械の移動バーの位置座標を読み取ること、および/または測定システムのタイムジェネレータの時間を読み取ること、
-読み取った位置座標を所定の座標目標領域と比較すること、および/またはコントローラユニットの制御モジュールで測定システムのタイムジェネレータの時間を所定の時間と比較すること、
-位置座標が座標目標領域に位置する場合、制御モジュールによりトリガ信号を発信すること、および/またはタイムジェネレータの時間が所定の時間に達した、または所定の時間を経過した場合、制御モジュールによりトリガ信号を発信すること、
-トリガ信号時に判定された測定値とともに、トリガ信号を記憶ユニットに格納することであって、トリガ信号と測定値との時間関係は測定システムに認識される、トリガ信号を格納すること、
-トリガ信号を測定システム、具体的には測定システムのコントローラユニットによって、機械の制御ユニットに送信すること、および
-機械によって格納された機械の移動バーのバー位置を、コントローラユニットを介して機械で読み取ること。
【0047】
本発明の有利な変形例は、上記のいずれかの実施形態に係る測定システムを備える機械、より具体的には工作機械および/または測定機であって、当該機械は、測定システムのトリガ信号に基づいてバーの移動を停止させるよう設計された機械に関する。その結果、測定方法は測定システムによって制御可能となる。
【0048】
有利には、機械は、測定システムによって発信されたトリガ信号に基づいてバーの移動を停止させるよう設計されている。
本発明のさらなる有利な構成は、上述の機械、より具体的には工作機械および/または測定機であって、機械の制御ユニットは、トリガ信号の受信時のバー位置を読み取り可能な形態で機械の記憶モジュールに格納する、機械に関する。
【0049】
有利には、機械の制御ユニットは、トリガ信号の受信時の受信時のバー位置を、トリガ信号とともに機械の記憶モジュールに格納する。例として、トリガ信号の受信時のバー位置は、読み取り可能な形態で、測定システムが認識可能なように、機械の記憶モジュールに格納可能である。
【0050】
コントローラユニットが機械に存在するということも考えられる。また、コントローラユニットが機械の構成要素であるということも考えられる。例として、コントローラユニットは制御ユニットの構成要素である。例として、制御ユニットはコントローラユニットを備える。
【0051】
本発明の有利な実施形態において、測定システムを有する機械は、以下の方法ステップを、連続して、具体的には以下に特定された順序で、実行するよう設計されている。
【0052】
-機械の移動バーに配置された測定器の移動速度を較正および/または正規化すること、
-座標目標領域および/または所定の時間の読み取り、要求および/または判定を行うこと、
-座標目標領域および/または所定の時間を、記憶ユニットに格納すること、
-測定方法または測定を開始すること、
-測定システムの測定器で測定値を生成すること、
-機械による移動バーの移動、具体的には連続したおよび/または一定の移動、を開始すること、
-機械の移動バーの位置座標を読み取ること、および/または測定システムの制御モジュールにより、測定システムのタイムジェネレータの時間を読み取ること、
-読み取った位置座標を所定の座標目標領域と比較すること、および/またはコントローラユニットの制御モジュールで測定システムのタイムジェネレータの時間と所定の時間とを比較すること、
-位置座標が座標目標領域に位置する場合、制御モジュールによりトリガ信号を発信すること、および/またはタイムジェネレータの時間が所定の時間に達した、または所定の時間を経過した場合、制御モジュールによりトリガ信号を発信すること、
-トリガ信号時に判定された測定値とともに、トリガ信号を記憶ユニットに格納することであって、トリガ信号と測定値との時間関係は認識される、トリガ信号を格納すること、
-トリガ信号を測定システム、具体的には測定システムのコントローラユニットによって、機械の制御ユニットに送信すること、
-機械の制御ユニットによりトリガ信号を受信および処理すること、
-機械の制御ユニットにより移動バーのバーの移動を停止させること、
-トリガ信号時における機械の移動バーのバー位置の読み取り、機械の記憶モジュールに格納すること、および
-機械によって格納された移動バーのバー位置を、コントローラユニットを介して機械で読み取ること。
【図面の簡単な説明】
【0053】
[例示的な実施形態の説明]
複数の例示的な実施形態を添付の概略図に基づいてより詳細に説明し、さらなる詳細および利点を明記する。
【0054】
図1】測定システムを備える、第1の実施形態の変形例に係る機械の概略図を示す。
図2】測定システムを備える、第2の実施形態の変形例に係る機械の概略図を示す。
図3】測定システムを備える、第3の実施形態の変形例に係る機械の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1は、ハウジング2と、機械テーブル3と、移動バー4と、制御ユニット5と、を備える概略的に示された機械1を示す。例として、機械1は、例えば制御ユニット5に接して存在する記憶モジュール6を備える。機械テーブル3には、測定対象7が例示的な方法で載置される。
【0056】
有利には、測定システム8が存在し、機械1に配置されている。測定システム8は、測定器9と、インターフェース10と、コントローラユニット11とを備える。例として、コントローラユニット11は、制御モジュール12を有する。また、測定システム8は、記憶ユニット13と、タイムジェネレータ14とを備えていてもよい。
【0057】
図1に係る実施形態の変形例では、例えばコントローラユニット11のような測定システム8のさらなる構成要素が、測定器9の隣に独立した小型ユニットを形成している。図1によると、測定システム8のさらなる構成要素は、小型のアセンブリとして、例えば機械1の移動バー4において1つのハウジング内に配置可能なように、設計されている。
【0058】
例えば、測定システム8は伝送路15によって、インターフェース10を介して機械1の制御ユニット5に接続される。
図2は、概略的に図示されたハウジング17と、機械テーブル18と、移動バー19と、制御ユニット20とを備える、さらなる実施形態の変形例における機械16を示す。例として、機械16は、例えば制御ユニット20に存在する記憶モジュール21を備える。機械テーブル18には、測定対象22が例示的な方法で載置される。
【0059】
有利には、測定システム23が機械16に配置されている。測定システム23は測定器24と、第1インターフェース25と、第2インターフェース26と、例えば第3インターフェース27とを備える。さらに、測定システム23は、例えば、送受信ユニット28を備える。例として、送受信ユニット28は制御モジュール30を備えるコントローラユニット29を備える。さらに、測定システム23は、記憶ユニット31と、タイムジェネレータ32とを備えていてもよい。
【0060】
図2のような実施形態の変形例において、測定器24は伝送路33によって、例えばインターフェース25,26を介して送受信ユニット28に結合される。例として、伝送路33は無線伝送路として存在する。例として、伝送路33は無線接続または無線チャネルとして設計されている。伝送路33を光接続、例えば光チャネルとして形成することも考えられる。また、送受信ユニット28は、インターフェース28によって機械16、具体的には機械16の制御ユニット20、にさらなる伝送路34を介して接続される。
【0061】
図2の実施形態の変形例によると、さらなるインターフェース35が送受信ユニット28に存在し、送受信ユニット28は、インターフェース35によって、さらなる伝送路60を介して機械16に接続可能になる、ということもさらに考えられる。
【0062】
2つのインターフェース27,35の一方が、標準インターフェース、例えばUSBまたはネットワークインターフェース、の形態をとることがさらに考えられる。例として、このインターフェースは、コントローラユニット29を介して機械16から位置座標を要求するよう設計されている。さらに、2つのインターフェース27,35の他方が専用インターフェースの形態をとることが考えられる。他方のインターフェース27,35が専用インターフェースである場合、コントローラユニット29が専用インターフェースを用いてシリアルデータ転送によって機械16と通信可能となることは有利である。
【0063】
図3は、概略的に図示されたハウジング37と、機械テーブル38と、移動バー39と、制御ユニット40とを備える、実施形態のさらなる変形例における機械36を示す。例として、機械36は、例えば制御ユニット40に存在する記憶モジュール41を備える。機械テーブル38には、測定対象42が例示的な方法で載置される。
【0064】
有利には、測定システム43は機械36に配置されている。測定システム43は、測定器44と複数のインターフェース45~50とを備える。さらに、測定システム43は、例えば送受信ユニット51とコントローラユニット52とを備える。有利には、送受信ユニット51およびコントローラユニット52は互いに離間して存在し、インターフェース48,49によって、例えばUSB接続、またはイーサネット接続、またはネットワーク接続によって互いに結合されている。例として、コントローラユニット52はコンピュータ、例えばラップトップとして存在する。
【0065】
例として、送受信ユニット51はタイムジェネレータ53を備える。コントローラユニット52がタイムジェネレータ(図示なし)を有するということも考えられる。
【0066】
コントローラユニット52は、例えば制御モジュール54と記憶ユニット55とを有する。送受信ユニット51が記憶ユニット(図示なし)を備えるということも同様に考えられる。
【0067】
インターフェース50は、対応する伝送路57を備える、例えばUSBまたはネットワークインターフェースといった標準インターフェースの形態をとるということがさらに考えられる。例として、このインターフェース50はコントローラユニット52を介して位置座標を要求し、機械36から読み取るよう設計されている。コントローラユニット52はタイムジェネレータ56を備え、コントローラユニット52、より具体的には制御モジュール54、は、タイムジェネレータ56の時間が所定の時間に達したか、または所定の時間を経過したか、および/または読み取った位置座標が所定の座標目標領域に位置しているかを監視および検査するということがさらに考えられる。
【0068】
トリガ信号をさらなる伝送路58によって機械36の制御ユニット40に送信するため、送受信ユニット51のインターフェース47は、有利には専用インターフェースの形態をとる。例として、トリガ信号はシリアルデータ転送によって機械36へと送信可能である。
【0069】
図3の実施形態の変形例では、測定器44はインターフェース45,46によって例示的な方法で伝送路59を介して送受信ユニット51に結合される。例として、伝送路59は無線伝送路として存在する。例として、伝送路59は無線接続または無線チャネルの形態をとる。伝送路59が光接続、例えば光チャネルの形態をとることも考えられる。
【符号の説明】
【0070】
1…機械、2…ハウジング、3…機械テーブル、4…移動バー、5…制御ユニット、6…記憶モジュール、7…測定対象、8…測定システム、9…測定器、10…インターフェース、11…コントローラユニット、12…制御モジュール、13…記憶ユニット、14…タイムジェネレータ、15…伝送路、16…機械、17…ハウジング、18…機械テーブル、19…移動バー、20…制御ユニット、21…記憶モジュール、22…測定対象、23…測定システム、24…測定器、25…インターフェース、26…インターフェース、27…インターフェース、28…送受信ユニット、29…コントローラユニット、30…制御モジュール、31…記憶ユニット、32…タイムジェネレータ、33…伝送路、34…伝送路、35…インターフェース、36…機械、37…ハウジング、38…機械テーブル、39…移動バー、40…制御ユニット、41…記憶モジュール、42…測定対象、43…測定システム、44…測定器、45…インターフェース、46…インターフェース、47…インターフェース、48…インターフェース、49…インターフェース、50…インターフェース、51…送受信ユニット、52…コントローラユニット、53…タイムジェネレータ、54…制御モジュール、55…記憶ユニット、56…タイムジェネレータ、57…伝送路、58…伝送路、59…伝送路、60…伝送路。
図1
図2
図3
【国際調査報告】