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特表2022-542197通信リソースのプリエンプティブ予約
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-29
(54)【発明の名称】通信リソースのプリエンプティブ予約
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/02 20090101AFI20220921BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20220921BHJP
   H04W 72/02 20090101ALI20220921BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20220921BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20220921BHJP
【FI】
H04W74/02
H04W92/18
H04W72/02
H04W28/04 110
H04W84/18
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022520213
(86)(22)【出願日】2020-09-22
(85)【翻訳文提出日】2022-05-30
(86)【国際出願番号】 US2020051923
(87)【国際公開番号】W WO2021067063
(87)【国際公開日】2021-04-08
(31)【優先権主張番号】62/910,188
(32)【優先日】2019-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001106
【氏名又は名称】弁理士法人キュリーズ
(72)【発明者】
【氏名】カルハン アミット
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA11
5K067DD11
5K067DD34
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE25
5K067HH21
5K067JJ03
5K067JJ22
(57)【要約】
第1のユーザ機器(UE)装置は、送信のために第2のUE装置によって前もって予約されていた通信リソースを先制的に予約する。当該通信リソースが第2のUE装置の予約から解放されたことを示すインジケーションに応じて、第1のUE装置は、当該通信リソース上で送信する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のユーザ機器(UE)装置において行われる方法であって、
第2のUE装置から予約インジケータを受信することであって、前記予約インジケータは、送信時間における第2のUE装置からの将来の送信のために、前記第2のUE装置によって予約されている通信リソースのための通信リソース予約を、前記第2のUE装置が作成していることを示す、ことと、
前記送信時間における前記第1のUE装置からの送信ために、前記通信リソースを前記第1のUE装置が予約していることを示すプリエンプティブ予約を送信することと、
前記通信リソースが前記通信リソース予約から解放されているかを判定することと、
前記通信リソースが前記通信リソース予約から解放されていると判定することに応じて、前記リソース時間に前記通信リソースを使用して前記信号を送信することと、を含む
方法。
【請求項2】
前記通信リソースが前記通信リソース予約から解放されていないと判定することに応じて、前記リソース時間における前記通信リソースを使用した前記信号の送信を控えることをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記通信リソースが解放されているかを判定することは、肯定的な応答確認信号が受信されたかを判定することと、前記肯定的な応答確認信号が受信された場合に前記通信リソースが解放されていると判定することとを含み、
前記第2のUE装置に送信される前記肯定的な応答確認信号は、前記第2のUE装置からの前回の送信が正常に受信されていたことを示す、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記通信リソースが解放されているかを判定することは、否定的な応答確認(NACK)信号が受信されるかを判定することと、前記NACK信号が受信される場合に前記通信リソースが解放されていないと判定することとをさらに含み、
前記第2のUE装置に送信される前記NACK信号は、前記第2のUE装置からの前回の送信が正常に受信されていなかったことを示す、
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記予約インジケータは、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)通信の一部として送信される、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のUE装置及び前記第2のUE装置は、3rd Generation Partnership Project(3GPP)通信規格の少なくとも一つの改訂版に従って通信する、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記3GPP通信規格の少なくとも一つの改訂版は、LTE rel-14 V2X Mode 4通信規格及びNew Radio (NR) V2X Mode 2通信規格の少なくとも一つである、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
無線通信装置であって、
ユーザ機器(UE)装置から予約インジケータを受信する受信部と、
前記送信時間における前記無線通信装置からの送信ために、前記無線通信装置が前記通信リソースを予約していることを示すプリエンプティブ予約を送信する送信部と、
前記通信リソースが前記通信リソース予約から解放されているかを判定する制御部と、を含み、
前記予約インジケータは、前記送信時間における前記UE装置からの将来の送信のために、前記UE装置によって予約されている通信リソースのための通信リソース予約を前記UE装置が作成していることを示し、
前記送信部は、前記リソース時間に前記通信リソースが解放されている場合、前記通信リソースを使用して前記信号をさらに送信する、
方法。
【請求項9】
前記送信部は、前記通信リソースが前記通信リソース予約から解放されていない場合、前記リソース時間における前記通信リソースを使用した前記信号の送信をさらに控える、
請求項8に記載の前記無線通信装置。
【請求項10】
前記制御部は、肯定的な応答確認信号が受信される場合、前記通信リソースが解放されていると判定することによって前記通信リソースが解放されていると判定し、
前記UE装置に送信される前記肯定的な応答確認信号は、前記第2のUE装置からの前回の送信が正常に受信されていたことを示す、
請求項9に記載の前記無線通信装置。
【請求項11】
前記制御部は、否定的な応答確認(NACK)信号が受信されていると判定することによって、前記通信リソースが解放されていないと判定し、
前記UE装置に送信される前記NACK信号は、前記UE装置からの前記前回の送信が正常に受信されていなかったことを示す、
請求項10に記載の無線通信装置。
【請求項12】
前記予約インジケータは、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)通信の一部として送信される、
請求項8に記載の無線通信装置。
【請求項13】
前記無線通信装置及び前記UE装置は、3rd Generation Partnership Project(3GPP)通信規格の少なくとも一つの改訂版に従って通信する、
請求項8に記載の無線通信装置。
【請求項14】
前記3GPP通信規格の少なくとも一つの改訂版は、LTE rel-14 V2X Mode 4通信規格及びNew Radio (NR) V2X Mode 2通信規格の少なくとも一つである、
請求項13に記載の無線通信装置。
【請求項15】
無線通信システムであって、
予約インジケータを送信する第1のユーザ機器(UE)装置と、
前記通信リソースが前記予約から解放されているかを判定し、信号の優先度が閾値を超えている場合に、前記通信リソースに使用して信号を送信する第2のUE装置と、を含み、
前記予約インジケータは、送信時間における前記第1のUE装置からの将来の送信のために、前記第1のUE装置によって予約されている通信リソースのための通信リソース予約を前記第1のUE装置が作成していることを示す、
無線通信装置。
【請求項16】
前記第2のUE装置は、
予約インジケータを第1のユーザ機器(UE)装置から受信する受信部と、
前記送信時間における前記第2のUE装置からの送信ために、前記通信リソースを前記第2のUE装置が予約していることを示すプリエンプティブ予約を送信する送信部と、
前記通信リソース予約から前記通信リソースが解放されているかを判定する制御部と、を含み、
前記予約インジケータは、送信時間における前記第1のUE装置からの将来の送信のために、前記第1のUE装置によって予約されている通信リソースのための通信リソース予約を、前記UE装置が作成していることを示し、
前記送信部は、前記通信リソースが解放されている場合、前記リソース時間において前記通信リソース使用して前記信号をさらに送信する、
請求項15に記載の無線通信システム。
【請求項17】
前記送信部は、前記通信リソースが前記通信リソース予約から解放されていない場合、前記リソース時間における前記通信リソースを使用した前記信号の送信をさらに控える、
請求項16に記載の無線通信システム。
【請求項18】
前記制御部は、肯定的な応答確認信号が受信される場合、前記通信リソースが解放されていると判定することによって前記通信リソースが解放されていると判定し、
前記第1のUE装置に送信される前記肯定的な応答確認信号は、前記第1のUE装置からの前回の送信が正常に受信されていたことを示す、
請求項17に記載の前記無線通信システム。
【請求項19】
前記制御部は、前記第1のUE装置に送信される否定的な応答確認(NACK)信号を受信していると判定することによって、前記通信リソースが解放されていないと判定し、
前記第1のUE装置に送信される前記NACK信号は、前記第1のUE装置からの前回の送信が正常に受信されていなかったことを示す、
請求項18に記載の前記無線通信システム。
【請求項20】
前記予約インジケータは、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)通信の一部として送信される、
請求項15に記載の前記無線通信システム。
【請求項21】
前記無線通信装置及び前記UE装置は、3rd Generation Partnership Project(3GPP)通信規格の少なくとも一つの改訂版に従って通信する、
請求項15に記載の前記無線通信システム。
【請求項22】
前記3GPP通信規格の少なくとも一つの改訂版は、LTE rel-14 V2X Mode 4通信規格及びNew Radio (NR) V2X Mode 2通信規格の少なくとも一つである、
請求項21に記載の無線通信システム。
【請求項23】
無線通信システムであって、
第1のユーザ機器(UE)装置からの第1の優先度レベルを有する第1のデータの送信のための通信リソース予約を作成するために、予約インジケータを送信する第1のUE装置と、
第2のUE装置と、を含み、
前記第2のUE装置は、
前記第1の優先度レベル及び第2の優先度レベルに少なくとも部分的に基づいて、前記第2の優先度レベルを有する第2のデータの送信のために前記通信リソースを使用するかを判定し、
前記通信リソースが前記第2のデータの送信に使用することが可能であると判定することに応じて、前記第2のデータの送信のために前記通信リソースを先制的に予約し、プリエンプティブ予約インジケータを送信し、前記通信リソースを使用して前記第2のデータを送信する、
無線通信システム。
【請求項24】
前記第2のUE装置は、前記第2の優先度が前記第1の優先度レベルより高いかを判定することによって、第2のデータの送信のために前記通信リソースを使用するかを判定する、
請求項23に記載の無線通信システム。
【請求項25】
前記第1のUE装置は、前記プリエンプティブ予約の受信に応じて送信のために前記通信リソースを使用することをさらに控える、
請求項23に記載の無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【優先権の主張】
【0001】
本出願は、2019年10月3日に出願された仮特許出願第62/910188号「Pre-emptive Resource Reservation in NR-V2V Communication Network」、整理番号TPRO 00344 USに対する優先権を主張し、本明細書の譲受人に譲渡され、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般に無線通信に関し、より詳細には、通信リソースのプリエンプティブ予約に関する。
【背景技術】
【0003】
既存の通信システム及び提案されている通信システムは、通信装置がデータ送信のために自律的に通信リソースを選択するアドホックネットワークを確立するための技術を採用している。分散スケジューリングでは、通信装置が近隣の通信装置に予約を通知するメッセージを送信することで、将来発生する通信リソースを予約することができる。隣接する通信装置は、データ送信のための通信リソースを選択する際に、当該通信リソース予約を考慮する。
【発明の概要】
【0004】
第1のユーザ機器(UE)装置は、送信のために第2のUE装置によって前もって予約されていた通信リソースを先制的に予約する。当該通信リソースが第2のUE装置の予約から解放されたことを示すインジケーションに応じて、第1のUE装置は、当該通信リソース上で送信する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1A】予約された通信リソースが解放される複数のユーザ機器(UE)装置を含む通信システムの一例を示すブロック図である。
【0006】
図1B】プリエンプティブ予約を伴う送信とプリエンプティブ予約を伴わない送信との比較例を示す図である。
【0007】
図1C】優先度の高いデータを持つUE装置が、前もって通信リソースを予約していた他のUE装置による送信を先取りする送信を示す図である。
【0008】
図2】各通信装置として使用するのに適した通信装置の一例を示すブロック図である。
【0009】
図3】各UE装置として使用するのに適したUE装置の一例を示すブロック図である。
【0010】
図4】プリエンプティブ予約を使用した通信リソースの競合方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
上述したように、アドホックネットワークは、通信装置が将来の送信のために通信リソースを予約することによって確立することができる。例えば、3rd Generation Partnership Project(3GPP)(登録商標。以下同じ。)のRel-14通信規格では、通信装置が自律的に、データ送信のために、タイムスロット/周波数サブバンドリソースを選択するC-V2X(LTE rel-14 V2X)モード4及びNew Radio(NR)V2Xモード2での車両との通信が規定されている。時分割多重アクセス(TDMA)に基づく車両アドホックネットワーク(VANET)では、データ送信のためのタイムスロットを自律的に選択することで、2つ以上の機器が同じタイムスロットを選択した場合に衝突が発生することがある。分散スケジューリングシステムにおいて、データ送信に関心のある通信装置は、将来の時間(t+t)にデータ送信するために使用するリソースを示す予約信号を、時間tに送信する。隣接する装置は、衝突を避けるために、データ送信のための自身のリソース選択を考慮する前に、予約信号を受信及び復号する。本明細書の例では、ユーザ機器(UE)装置は、他のUE装置によって予約された通信リソースを先制的に予約し、他のUE装置による通信リソース予約が送信時間前に解放された場合に、当該通信リソースを送信のために使用する。
【0012】
図1Aは、予約された通信リソースが解放される複数のユーザ機器(UE)装置12、14、16を含む通信システム10の例のブロック図である。ここで説明する技術は、さまざまなタイプのシステム及び通信規格に適用できるが、本実施例における装置は、3GPP New Radio(NR)V2X及びLTE C2X(Rel-14)に従って動作する。
【0013】
本明細書の例では、3つのUE装置12、14、16は、同じ通信リソースが各UE装置12、14、16に利用可能である領域に配置されている。本実施例は、第1の通信装置20と通信18をしている第1のUE装置(UE装置1)12から始まる。通信装置20は、第1のUE装置12から信号を受信でき、第1のUE装置12に信号を送信することができる任意のタイプの装置であってもよく、例えば、他のUE装置、基地局、アクセスポイント、又はトランシーバ局であってもよい。通信18の間、第1のUE装置12は、通信リソースを予約し、領域内の他のUE装置が予約された通信リソースを使用して信号を送信しないようにする。例を続けると、予約された通信リソース22は、通信18のためには、もはや必要ではなく、通信リソース22は、他の装置が通信リソース22を使用できるように解放されたと見なされる。本明細書の例では、第2のUE装置(UE装置2)14は、第2の通信装置26との通信24を開始又は関与しており、第3のUE装置14は、第3の通信装置30との通信28を開始又は関与している。通信装置26、30のそれぞれは、第1のUE装置14、16から信号を受信でき、第1のUE装置14、16に信号を送信することができる任意のタイプの装置であってもよく、例えば、他のUE装置、基地局、アクセスポイント又はトランシーバ局であってもよい。通信装置20、26、30は別個の装置として示されているが、状況次第で、2つ以上の通信装置が同じ装置であってもよい。例えば、第1の通信装置20及び第2の通信装置26は、同じ装置であってもよい。従来のシステムでは、2つ以上のUE装置が、新しく解放された通信リソース22で送信を試みる可能性がある。例えば、第2及び第3のUE装置は、同時に、同じ周波数で送信し、送信された信号の衝突をもたらす可能性がある。
【0014】
以下でさらに詳細に説明するように、本明細書で説明された技術は、2つ以上のUE装置がプリエンプティブ予約を使用して直近で解放された通信リソース22で送信することを回避、又は少なくともその可能性を低減する。図1Aの例では、第2のUE装置14は、第1のUE装置12によって通信リソース22が予約された後、通信リソース22が解放される前に、通信リソース22を先制的に予約する。第3のUE装置16は、プリエンプティブ予約を検出し、解放された通信リソース22を使用する信号の送信は行わない。その結果、従来技術で発生するような、第2のUE装置14からの送信32と、第3のUE装置16からの送信34との衝突はない。
【0015】
図1Bは、プリエンプティブ予約を伴う送信102と、プリエンプティブ予約を伴わない送信104との送信比較例100を示す図である。図1Bを参照して説明した送信は、図1Aを参照して上述した通信配置によって実行することができる。プリエンプティブ予約を伴わない送信104では、第3のUE装置による予約から解放された同一の通信リソースを2つのUE装置が使用しようとすると、衝突が発生する。図1の例では、利用可能な周波数スペクトルを周波数部分(サブバンド)に分割し、及び時間で分割して、複数の周波数時間通信リソースを作成する。したがって、周波数と時間の各ブロックは、本明細書で説明する通信リソースである。複数のブロックを組み合わせて使用することで、より大きな通信リソースを作成することができる。特定のシステムは、任意の数の通信リソースを採用してもよいし、通信リソースのためにいくつかの異なる周波数部分長、及び継続時間のいずれかを使用してもよい。本明細書の例では、通信リソースは、Rel-14 LTE C-V2X及びRel-16 NR V2Xなどの3GPP通信規格に従ったものである。送信104の例では、予約しているUE装置(UE装置1)12は、時間tに、第1の信号106を送信し、当該第1の信号106は、データと、通信予約インジケーション108とを含み、当該通信予約インジケーション108は、予約しているUE装置が、将来の送信時間(t+t)112に通信リソース120を予約していることを示す。図1Bの通信リソースは、図1Aの通信リソース22の一例である。第1の信号106は、第1のUE装置12と、他のUE装置、基地局、又は無線トランシーバなどの通信装置20との間の通信18の一部である。本明細書の例では、予約とは、予約しているUE装置からのHARQに基づく送信の予約である。第1の信号が通信装置20で正確に受信されない場合、当該通信装置は否定応答(NACK)信号を送信する。本明細書の例では、NACK114は、第1の信号106に応じて送信される。その結果、第1のUE装置12は、予約された通信リソース110を使用して、第2の信号116を送信する。第2の信号116は、データと、通信予約インジケーション118とを含み、通信予約インジケーション118は、予約しているUE装置が、将来の送信時間(t+t+t)122に、通信リソース120を予約していることを示す。第2の信号116の受信が成功したことに応じて、通信装置20は、肯定応答(ACK)信号124を送信する。ACK信号124は、第2のUE装置(UE装置2)14及び第3のUE装置(UE装置3)16などの領域内のUE装置に対して、第1のUE装置12によって予約された通信リソース120が解放されたことを示す。その結果、第2のUE装置14及び第3のUE装置16は、新たに解放された通信リソース120を使用して、信号126、128を送信する。第2のUE装置14及び第3のUE装置16は、送信前に通信リソース120の予約を試みてもよいが、ACK信号124と送信時間112との間の比較的短い時間では、いずれのUE装置にとっても、当該リソースが予約されたと判定するには不十分である。その結果、信号126、128間に衝突が生じ、典型的には、いずれの信号も、第2の通信装置26及び第3の通信装置30などの意図された受信装置に正確に受信されない。
【0016】
これに対し、UE装置によるプリエンプティブ予約を伴う送信102では、衝突が回避される。送信102の例は、第2のUE装置が、第1のUE装置12による予約から解放された通信リソース120を先制的に予約すること以外は、プリエンプティブ予約を伴わない送信104の例と類似している。第2の信号116中の予約インジケータ118を検出した後、第2のUE装置は、プリエンプティブ予約インジケータ132を含む信号130を送信する。プリエンプティブ予約インジケータは、制御チャネルのSCIフィールド又はデータチャネル送信のメッセージのいずれかで送信されてもよい。第3のUE装置16などの領域内の他のUE装置は、プリエンプティブ予約インジケータ132を受信する。ACK信号124を受信した後、第2のUE装置14は、通信リソース120が第1のUE装置12によって入れられていた予約から解放されたと判定する。第2のUE装置14は、先制的に予約した通信リソース120を使用して信号134を送信する。第3のUE装置16などの領域内の他のUE装置は、プリエンプティブ予約インジケータ118を受信し、当該プリエンプティブ予約インジケータ118の受信に応じて、通信リソース120を介した送信を控える。その結果、信号の衝突を回避することができる。例を続けると、第2のUE装置14によって送信される信号134は、別の通信リソース138が予約されていることを示す予約インジケータ136を含む。信号134の意図された受信装置は、信号134が正常に受信されなかったことを示すNACK信号140を送信する。NACK信号140を受信した後、第2のUE装置14は、通信リソース138を使用して別の信号142を送信する。通信リソースは第2のUE装置によって予約されたため、他のUE装置は、通信リソース138を使用して送信しない。
【0017】
状況によっては、解放された通信リソース120は、優先度の高いデータ又はパケットの送信のためにのみ予約されてもよい。例えば、UE装置が通信リソースを先制的に予約する前に通信リソース上で送信する優先度の高いデータを有していることが必要であるようなルール又は手順が導入されていてもよい。場合によっては、新たに解放された通信リソース120は、通信リソース120が先制的に予約されていない場合、より優先度の低いデータの送信に使用されてもよい。公知技術にしたがって、データは、このような状況のために少なくとも2つの優先度で指定される。複数の優先度レベルが使用されてもよい。
【0018】
図1Cは、より高い優先度の高いデータを有するUE装置が、前もって通信リソースを予約していた他のUE装置による送信を先制する送信150を示す図である。状況によっては、より優先度の高いデータを送信するUE装置は、より優先度の低いデータを送信するUE装置によって予約された通信リソースを先制的に予約した後に通信リソースを使用し、より優先度の低いデータを有するUE装置は通信リソースの使用を控える。一例として図1Cを参照すると、第1のUE装置12は、通信リソース152を予約し、第2のUE装置14はプリエンプティブ予約インジケータ132を送信することによって通信リソース152を先制的に予約する。本明細書の例では、第2のUE装置14によって送信されるデータは、第1のUE装置12によって予約された通信リソース152上で送信されるデータの優先度よりも高い優先度を有している。第1のUE装置12からの前回の送信116が正常に受信されなかったことを示すNACK154が送信される。ただし、この例では、第1のUE装置12と第2のUE装置14とによって送信されるデータの相対的な優先度のため、第1のUE装置12は、通信リソース152での送信を控える。したがって、第2のUE装置14のプリエンプティブ予約132により、通信リソース152が解放される。本明細書の例では、データの優先度レベルは上位層から割り当てられ、データの優先度状態(レベル)は下位層に伝達される。各UE装置は、サイドリンク制御情報において、データの優先度を示す。そのため、第2のUE装置は、第1のUE装置から送信されるサイドリンク制御メッセージから第1のデータの優先度レベルを判定する。
【0019】
したがって、本実施例では、第1のUE装置12は、第1の優先度レベルを有する第1のデータの第1のUE装置12からの送信のために通信リソース152を予約するために、予約インジケータ118を送信する。第2のUE装置は、当該第1の優先度レベル及び当該第2の優先度レベルに少なくとも部分的に基づいて、当該第2の優先度レベルを有する第2のデータの送信のために通信リソースを使用するかを判定する。第2のUE装置が、通信リソースを第2のデータの送信のために使用できると判定した場合、第2の装置はプリエンプティブ予約インジケータをさらに送信する。プリエンプティブ予約インジケータは、第2のデータの送信のために、通信リソースを先制的に予約する。そして、第2のUE装置は、通信リソースを使用して第2のデータを送信する。
【0020】
図2は、通信装置20、26、30の各々として使用するのに適した通信装置200の一例のブロック図である。通信装置200は、制御部204、送信部206、及び受信部208のほか、その他の電子機器、ハードウェア、及びコードを備える。通信装置200は、本明細書に記載の機能を実行する任意の固定機器、モバイル機器、又は携帯用機器である。通信装置20、26、30、200を参照して説明されたブロックの様々な機能及び動作は、任意の数の装置、回路、又は要素で実装され得る。2つ又はそれ以上の機能ブロックは、単一装置に一体化されてもよく、任意の単一装置で実行されるように述べられる機能は、いくつかの装置に渡って実装されてもよい。通信装置200は、システム導入時に特定の場所に設置される固定された装置又は機器でもよい。そのような設備の実施例としては、固定基地局又は固定トランシーバ局が挙げられる。基地局は異なる用語で呼ばれることもあるが、3GPP NR 運用の1つ以上の通信規格に従って動作する場合、基地局は通常、gNodeB 又はgNB と呼ばれる。状況によっては、通信装置200は、特定の場所に一時的に設置されるモバイル機器であってもよい。このような機器の例としては、発電機、ソーラーパネル、バッテリーなどの発電機器を備えるモバイルトランシーバ局がある。そのような設備の大型で重いバージョンは、トレーラで輸送され得る。さらに他の状況では、通信装置200は、いかなる特定の場所にも固定されていないポータブル装置であってもよい。上述したように、通信装置200は、状況次第では、UE装置であってもよい。
【0021】
制御部204は、本明細書に記載された機能を実行するとともに、通信装置200の全体的な機能を促進するためのハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組合せを含む。最適な制御部204の一例は、メモリに接続されたマイクロプロセッサ又はプロセッサ配列上で実行されるコードを含む。送信部206は、無線信号を送信する電子機器を含む。状況によっては、送信部206は、複数の送信部を含むことができる。受信部208は、無線信号を受信する電子機器を含む。状況によっては、受信部208は、複数の受信部を含んでもよい。受信部208及び送信部206は、アンテナ210を通して、それぞれ信号を受信及び送信する。アンテナ210は、別個の送信アンテナ及び受信アンテナを含んでもよい。状況次第では、アンテナ210は、複数の送信アンテナ及び受信アンテナを含んでもよい。
【0022】
図2の例における送信部206及び受信部208は、変調及び復調を含む無線周波数(RF)処理を実行する。したがって、受信部208は、低雑音増幅器(LNA)及びフィルタなどの構成要素を含んでもよい。送信部206は、フィルタ及び増幅器を含んでもよい。他の構成要素には、アイソレータ、整合回路、その他のRF部品が含まれてもよい。これらの構成要素は、他の構成要素と組み合わせて又は協働して通信装置の機能を実行する。所要の構成要素は、通信装置が必要とする特定の機能に依存してもよい。
【0023】
送信部206は、変調器(図示せず)を含み、受信部208は、復調器(図示せず)を含む。変調器は、ダウンリンク信号の一部として送信される信号を変調し、複数の変調次数のうちの任意の1つを適用することができる。復調器は、通信装置200で受信した任意のアップリンク信号を、複数の変調次数のうちの1つに従って復調する。
【0024】
通信装置が基地局である場合、通信装置200は、他の基地局とメッセージを送信及び受信するための通信インターフェース212を含む。通信インターフェース212は、他の基地局との通信を可能にするバックホール又はネットワークに接続されてもよい。状況によっては、基地局間のリンクは、少なくともいくつかの無線部分を含んでもよい。したがって、通信インターフェース212は、無線通信機能を含んでもよく、送信部206及び/又は受信部208の構成要素の一部を利用してもよい。
【0025】
通信装置200は、1つ以上のチャネルを観察して、チャネルが現在占有されているかを判定する機能を有する。すなわち、通信装置200は、他の装置がチャネル内で送信しているかを判定することができる。本明細書の例では、受信部208は、チャネル内のエネルギーを検出し、制御部は、測定されたエネルギーが、チャネルが使用中であることを示すかの判定を行う。例えば、測定されたエネルギーは閾値と比較することができる。状況次第では、他の技術を用いることもできる。
【0026】
図3は、UE装置12、14、16の各々として使用するのに適したUE装置300の一例のブロック図である。いくつかの例では、UE装置300は、携帯電話、トランシーバモデム、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、タブレット、又はスマートフォンなどの任意の無線通信装置である。他の例では、UE装置300は、MTC(Machine Type Communication)通信装置又はIOT(Internet-of-Things)装置である。UE装置300、(106-109)は、したがって、本明細書に記載の機能を実行する任意の固定機器、モバイル機器、又は携帯用機器である。UE装置300を参照して説明したブロックのさまざまな機能及び動作は、任意の数の装置、回路、又は要素で実装されてもよい。また、2つ以上の機能ブロックが1つの装置に統合されていてもよく、任意の1つの装置で実行されるものとして説明した機能が、複数の装置にわたって実装されていてもよい。
【0027】
UE装置300は、少なくとも制御部302、送信部304、及び受信部306を含む。制御部302は、本明細書に記載された機能を実行し、通信装置の全体的な機能を促進するためのハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組合せを含む。適切な制御部302の一例は、メモリに接続されたマイクロプロセッサ又はプロセッサ配列上で実行されるコードを含む。送信部304は、無線信号を送信する電子機器を含む。状況によっては、送信部304は、複数の送信部を含むことができる。受信部306は、無線信号を受信する電子機器を含む。状況によっては、受信部306は、複数の受信部を含んでもよい。受信部304と送信部306は、アンテナ308を通して、それぞれ信号を受信及び送信する。アンテナ308は、別個の送信アンテナ及び受信アンテナを含んでもよい。状況次第では、アンテナ308は、複数の送信アンテナ及び受信アンテナを含むことができる。
【0028】
図3の例における送信部304及び受信部306は、変調及び復調を含む無線周波数(RF)処理を実行する。したがって、受信部304は、低雑音増幅器(LNA)及びフィルタなどの構成要素を含んでもよい。送信部306は、フィルタ及び増幅器を含んでもよい。他の構成要素には、アイソレータ、整合回路、その他のRF部品が含まれてもよい。これらの構成要素は、他の構成要素と組み合わせて又は協働して通信装置の機能を実行する。所要の構成要素は、通信装置が必要とする特定の機能に依存してもよい。
【0029】
送信部306は、変調器(図示せず)を含み、受信部304は、復調器(図示せず)を含む。変調器は、アップリンク信号の一部として送信される信号を変調し、複数の変調次数のうちの任意の1つを適用することができる。復調器は、当該ダウンリンク信号を複数の変調次数のうちの1つに従って復調する。
【0030】
UE装置300は、1つ以上のアップリンクチャネルを観察して、当該チャネルが現在占有されているかを判定する機能を有する。すなわち、UE装置300は、他の装置がチャネル内で送信しているかを判定することができる。本明細書の例では、受信部304は、チャネル内のエネルギーを検出し、制御部は、測定されたエネルギーが、チャネルが使用中であることを示すかの判定を行う。例えば、測定されたエネルギーは閾値と比較することができる。状況次第では、他の技術を用いることもできる。
【0031】
図4は、プリエンプティブ予約を使用した通信リソースの争奪方法の一例を示すフローチャートである。当該方法は、周波数帯域で送信する任意の装置によって実行されてもよい。本明細書の例では、当該方法は、上述したシステム10などのNR V2X又はLTE C-V2Xシステムで動作するUE装置によって実行される。したがって、当該方法は、UE装置14によって実行されてもよい。
【0032】
ステップ402において、他のUE装置による通信リソース予約が検出される。本明細書の例では、当該他の装置は、HARQに基づくデータ送信のために通信リソースを予約するための予約インジケータを送信する。
【0033】
ステップ404において、プリエンプティブ予約インジケータが送信される。プリエンプティブ予約インジケータは、HARQに基づく送信のために予約された同一の通信リソースが先制的に予約されていることを示す。プリエンプティブ予約インジケータは、制御チャネルのSCIフィールド又はデータチャネル送信のメッセージのいずれかで送信されてもよい。
【0034】
ステップ406において、通信リソースが解放されたかを判定される。本明細書の例では、UEは、当該他の装置からの受信に成功した送信に応じて、肯定応答(ACK)が当該他の装置に送信されたかを判定する。当該他の装置からの送信を受信した装置は、送信を正常に受信できなかった場合、ACK又は否定応答(NACK)で応答してもよい。ステップ406において、ACKが検出された場合、通信リソースが解放されたと判定される。ACKが検出されない場合、又は否定応答(NACK)が検出された場合は、通信リソースが解放されていないと判定される。通信リソースが解放されたと判定された場合、当該方法は、先制的に予約された通信リソースを使用して信号が送信されるステップ408に進む。そうでない場合、当該方法は、通信リソースは送信に使用されないステップ410に続く。
【0035】
本発明の他の実施形態及び修正形態が、これらの開示内容を踏まえれば当業者が容易に想到するものであることは明らかであろう。上記の説明は例示的であり、限定的なものではない。本発明は、上記の本明細書及び添付の図面と併せて考察すれば、そのような全ての実施形態及び修正形態を含む特許請求の範囲によってのみ制限されるべきである。したがって、本発明の範囲は、上記の説明に関連して決定されるべきではなく、代わりに、添付の特許請求の範囲及びそれらの等価物の全範囲に関連して決定されるべきである。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2022-05-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
本明細書の例では、3つのUE装置12、14、16は、同じ通信リソースが各UE装置12、14、16に利用可能である領域に配置されている。本実施例は、第1の通信装置20と通信18をしている第1のUE装置(UE装置1)12から始まる。第1の通信装置20は、第1のUE装置12から信号を受信でき、第1のUE装置12に信号を送信することができる任意のタイプの装置であってもよく、例えば、他のUE装置、基地局、アクセスポイント、又はトランシーバ局であってもよい。通信18の間、第1のUE装置12は、通信リソースを予約し、領域内の他のUE装置が予約された通信リソースを使用して信号を送信しないようにする。例を続けると、予約された通信リソース22は、通信18のためには、もはや必要ではなく、通信リソース22は、他の装置が通信リソース22を使用できるように解放されたと見なされる。本明細書の例では、第2のUE装置(UE装置2)14は、第2の通信装置26との通信24を開始又は関与しており、第3のUE装置16は、第3の通信装置30との通信28を開始又は関与している。通信装置26、30のそれぞれは、第のUE装置14、第3のUE装置16から信号を受信でき、第のUE装置14、第3のUE装置16に信号を送信することができる任意のタイプの装置であってもよく、例えば、他のUE装置、基地局、アクセスポイント又はトランシーバ局であってもよい。通信装置20、26、30は別個の装置として示されているが、状況次第で、2つ以上の通信装置が同じ装置であってもよい。例えば、第1の通信装置20及び第2の通信装置26は、同じ装置であってもよい。従来のシステムでは、2つ以上のUE装置が、新しく解放された通信リソース22で送信を試みる可能性がある。例えば、第2及び第3のUE装置は、同時に、同じ周波数で送信し、送信された信号の衝突をもたらす可能性がある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
図1Bは、プリエンプティブ予約を伴う送信102と、プリエンプティブ予約を伴わない送信104との送信比較例100を示す図である。図1Bを参照して説明した送信は、図1Aを参照して上述した通信配置によって実行することができる。プリエンプティブ予約を伴わない送信104では、第1のUE装置12による予約から解放された同一の通信リソースを2つのUE装置が使用しようとすると、衝突が発生する。図1Bの例では、利用可能な周波数スペクトルを周波数部分(サブバンド)に分割し、及び時間で分割して、複数の周波数時間通信リソースを作成する。したがって、周波数と時間の各ブロックは、本明細書で説明する通信リソースである。複数のブロックを組み合わせて使用することで、より大きな通信リソースを作成することができる。特定のシステムは、任意の数の通信リソースを採用してもよいし、通信リソースのためにいくつかの異なる周波数部分長、及び継続時間のいずれかを使用してもよい。本明細書の例では、通信リソースは、Rel-14 LTE C-V2X及びRel-16 NR V2Xなどの3GPP通信規格に従ったものである。送信104の例では、予約している第1のUE装置(UE装置1)12は、時間tに、第1の信号106を送信し、当該第1の信号106は、データと、通信予約インジケーション108とを含み、当該通信予約インジケーション108は、予約しているUE装置が、将来の送信時間(t+t)112に通信リソース120を予約していることを示す。図1Bの通信リソースは、図1Aの通信リソース22の一例である。第1の信号106は、第1のUE装置12と、他のUE装置、基地局、又は無線トランシーバなどの通信装置20との間の通信18の一部である。本明細書の例では、予約とは、予約しているUE装置からのHARQに基づく送信の予約である。第1の信号が通信装置20で正確に受信されない場合、当該通信装置20は否定応答(NACK)信号を送信する。本明細書の例では、NACK114は、第1の信号106に応じて送信される。その結果、第1のUE装置12は、予約された通信リソース110を使用して、第2の信号116を送信する。第2の信号116は、データと、通信予約インジケーション118とを含み、通信予約インジケーション118は、予約しているUE装置が、将来の送信時間(t+t+t)122に、通信リソース120を予約していることを示す。第2の信号116の受信が成功したことに応じて、通信装置20は、肯定応答(ACK)信号124を送信する。ACK信号124は、第2のUE装置(UE装置2)14及び第3のUE装置(UE装置3)16などの領域内のUE装置に対して、第1のUE装置12によって予約された通信リソース120が解放されたことを示す。その結果、第2のUE装置14及び第3のUE装置16は、新たに解放された通信リソース120を使用して、信号126、128を送信する。第2のUE装置14及び第3のUE装置16は、送信前に通信リソース120の予約を試みてもよいが、ACK信号124と送信時間112との間の比較的短い時間では、いずれのUE装置にとっても、当該リソースが予約されたと判定するには不十分である。その結果、信号126、128間に衝突が生じ、典型的には、いずれの信号も、第2の通信装置26及び第3の通信装置30などの意図された受信装置に正確に受信されない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
これに対し、UE装置によるプリエンプティブ予約を伴う送信102では、衝突が回避される。送信102の例は、第2のUE装置14が、第1のUE装置12による予約から解放された通信リソース120を先制的に予約すること以外は、プリエンプティブ予約を伴わない送信104の例と類似している。第2の信号116中の予約インジケータ118を検出した後、第2のUE装置14は、プリエンプティブ予約インジケータ132を含む信号130を送信する。プリエンプティブ予約インジケータは、制御チャネルのSCIフィールド又はデータチャネル送信のメッセージのいずれかで送信されてもよい。第3のUE装置16などの領域内の他のUE装置は、プリエンプティブ予約インジケータ132を受信する。ACK信号124を受信した後、第2のUE装置14は、通信リソース120が第1のUE装置12によって入れられていた予約から解放されたと判定する。第2のUE装置14は、先制的に予約した通信リソース120を使用して信号134を送信する。第3のUE装置16などの領域内の他のUE装置は、プリエンプティブ予約インジケータ118を受信し、当該プリエンプティブ予約インジケータ118の受信に応じて、通信リソース120を介した送信を控える。その結果、信号の衝突を回避することができる。例を続けると、第2のUE装置14によって送信される信号134は、別の通信リソース138が予約されていることを示す予約インジケータ136を含む。信号134の意図された受信装置は、信号134が正常に受信されなかったことを示すNACK信号140を送信する。NACK信号140を受信した後、第2のUE装置14は、通信リソース138を使用して別の信号142を送信する。通信リソース138は第2のUE装置14によって予約されたため、他のUE装置は、通信リソース138を使用して送信しない。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
したがって、本実施例では、第1のUE装置12は、第1の優先度レベルを有する第1のデータの第1のUE装置12からの送信のために通信リソース152を予約するために、予約インジケータ118を送信する。第2のUE装置14は、当該第1の優先度レベル及び当該第2の優先度レベルに少なくとも部分的に基づいて、当該第2の優先度レベルを有する第2のデータの送信のために通信リソースを使用するかを判定する。第2のUE装置14が、通信リソースを第2のデータの送信のために使用できると判定した場合、第2のUE装置14はプリエンプティブ予約インジケータをさらに送信する。プリエンプティブ予約インジケータは、第2のデータの送信のために、通信リソースを先制的に予約する。そして、第2のUE装置14は、通信リソースを使用して第2のデータを送信する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
通信装置200は、1つ以上のチャネルを観察して、チャネルが現在占有されているかを判定する機能を有する。すなわち、通信装置200は、他の装置がチャネル内で送信しているかを判定することができる。本明細書の例では、受信部208は、チャネル内のエネルギーを検出し、制御部204は、測定されたエネルギーが、チャネルが使用中であることを示すかの判定を行う。例えば、測定されたエネルギーは閾値と比較することができる。状況次第では、他の技術を用いることもできる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
図3は、UE装置12、14、16の各々として使用するのに適したUE装置300の一例のブロック図である。いくつかの例では、UE装置300は、携帯電話、トランシーバモデム、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、タブレット、又はスマートフォンなどの任意の無線通信装置である。他の例では、UE装置300は、MTC(Machine Type Communication)通信装置又はIOT(Internet-of-Things)装置である。UE装置300、(12、14、16)は、したがって、本明細書に記載の機能を実行する任意の固定機器、モバイル機器、又は携帯用機器である。UE装置300を参照して説明したブロックのさまざまな機能及び動作は、任意の数の装置、回路、又は要素で実装されてもよい。また、2つ以上の機能ブロックが1つの装置に統合されていてもよく、任意の1つの装置で実行されるものとして説明した機能が、複数の装置にわたって実装されていてもよい。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】
UE装置300は、少なくとも制御部302、送信部304、及び受信部306を含む。制御部302は、本明細書に記載された機能を実行し、通信装置の全体的な機能を促進するためのハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアの任意の組合せを含む。適切な制御部302の一例は、メモリに接続されたマイクロプロセッサ又はプロセッサ配列上で実行されるコードを含む。送信部304は、無線信号を送信する電子機器を含む。状況によっては、送信部304は、複数の送信部を含むことができる。受信部306は、無線信号を受信する電子機器を含む。状況によっては、受信部306は、複数の受信部を含んでもよい。受信部30と送信部30は、アンテナ308を通して、それぞれ信号を受信及び送信する。アンテナ308は、別個の送信アンテナ及び受信アンテナを含んでもよい。状況次第では、アンテナ308は、複数の送信アンテナ及び受信アンテナを含むことができる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】
図3の例における送信部304及び受信部306は、変調及び復調を含む無線周波数(RF)処理を実行する。したがって、受信部30は、低雑音増幅器(LNA)及びフィルタなどの構成要素を含んでもよい。送信部30は、フィルタ及び増幅器を含んでもよい。他の構成要素には、アイソレータ、整合回路、その他のRF部品が含まれてもよい。これらの構成要素は、他の構成要素と組み合わせて又は協働して通信装置の機能を実行する。所要の構成要素は、通信装置が必要とする特定の機能に依存してもよい。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
送信部30は、変調器(図示せず)を含み、受信部30は、復調器(図示せず)を含む。変調器は、アップリンク信号の一部として送信される信号を変調し、複数の変調次数のうちの任意の1つを適用することができる。復調器は、当該ダウンリンク信号を複数の変調次数のうちの1つに従って復調する。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
UE装置300は、1つ以上のアップリンクチャネルを観察して、当該チャネルが現在占有されているかを判定する機能を有する。すなわち、UE装置300は、他の装置がチャネル内で送信しているかを判定することができる。本明細書の例では、受信部30は、チャネル内のエネルギーを検出し、制御部302は、測定されたエネルギーが、チャネルが使用中であることを示すかの判定を行う。例えば、測定されたエネルギーは閾値と比較することができる。状況次第では、他の技術を用いることもできる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
図4は、プリエンプティブ予約を使用した通信リソースの争奪方法の一例を示すフローチャートである。当該方法は、周波数帯域で送信する任意の装置によって実行されてもよい。本明細書の例では、当該方法は、上述した通信システム10などのNR V2X又はLTE C-V2Xシステムで動作するUE装置によって実行される。したがって、当該方法は、第2のUE装置14によって実行されてもよい。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
ステップ406において、通信リソースが解放されたかを判定される。本明細書の例では、UE装置は、当該他の装置からの受信に成功した送信に応じて、肯定応答(ACK)が当該他の装置に送信されたかを判定する。当該他の装置からの送信を受信した装置は、送信を正常に受信できなかった場合、ACK又は否定応答(NACK)で応答してもよい。ステップ406において、ACKが検出された場合、通信リソースが解放されたと判定される。ACKが検出されない場合、又は否定応答(NACK)が検出された場合は、通信リソースが解放されていないと判定される。通信リソースが解放されたと判定された場合、当該方法は、先制的に予約された通信リソースを使用して信号が送信されるステップ408に進む。そうでない場合、当該方法は、通信リソースは送信に使用されないステップ410に続く。
【手続補正13】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
第1のユーザ機器(UE)装置が第1インジケータを第2のUE装置から受信することであって、前記第1インジケータは、第1優先度を有する第1データを第2のUE装置が送信するために通信リソースが予約されることを示す、ことと、
前記第1のUE装置が、前記第1優先度よりも高い第2優先度を有する第2データを送信するために前記通信リソースが予約されるかを判定することと、
前記第1のUE装置が、前記判定に応じて、前記通信リソースの衝突を示す第2インジケータを前記第2のUE装置に送信することと、を含む、
方法。
【請求項2】
前記第2のUE装置が、前記第2インジケータを受信することに応じて、前記通信リソースを使用した前記第1データの送信を控えることをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第1のユーザ機器(UE)装置であって、
第1インジケータを第2のUE装置から受信する受信部であって、前記第1インジケータは、第1優先度を有する第1データを第2のUE装置が送信するために通信リソースが予約されることを示す、受信部と、
前記第1優先度よりも高い第2優先度を有する第2データを送信するために前記通信リソースが予約されるかを判定する制御部と、
前記判定に応じて、前記通信リソースの衝突を示す第2インジケータを前記第2のUE装置に送信する送信部と、を含む、
第1のUE装置。
【請求項4】
前記第2インジケータは、前記第2のUE装置に、前記通信リソースを使用した前記第1データの送信を控えさせる
請求項3に記載の第1のUE装置。
【請求項5】
第1のユーザ機器(UE)装置を制御するプロセッサであって、
第1インジケータを第2のUE装置から受信する処理であって、前記第1インジケータは、第1優先度を有する第1データを第2のUE装置が送信するために通信リソースが予約されることを示す、処理と、
前記第1優先度よりも高い第2優先度を有する第2データを送信するために前記通信リソースが予約されるかを判定する処理と、
前記判定に応じて、前記通信リソースの衝突を示す第2インジケータを前記第2のUE装置に送信する処理と、を実行する
プロセッサ。
【請求項6】
前記第2インジケータは、前記第2のUE装置に、前記通信リソースを使用した前記第1データの送信を控えさせる
請求項5に記載のプロセッサ。
【国際調査報告】