(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-30
(54)【発明の名称】固定バックルと服飾
(51)【国際特許分類】
A44B 11/26 20060101AFI20220922BHJP
A44B 99/00 20100101ALI20220922BHJP
【FI】
A44B11/26
A44B99/00 611N
A44B99/00 611G
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021577662
(86)(22)【出願日】2020-06-19
(85)【翻訳文提出日】2021-12-27
(86)【国際出願番号】 CN2020097096
(87)【国際公開番号】W WO2021017681
(87)【国際公開日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】201910689823.2
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201921220928.5
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514000129
【氏名又は名称】香港多耐福有限公司
【氏名又は名称原語表記】DURAFLEX HONG KONG LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】陳翊輝
(72)【発明者】
【氏名】島田昌建
【テーマコード(参考)】
3B090
【Fターム(参考)】
3B090AD02
(57)【要約】
【課題】固定バックルと服飾
【解決手段】本出願は、固定バックルと服飾に関するものである。固定バックルは、ベース(100)とフェイスカバー(200)を含み、ベース(100)には、収容溝(110)及びベース(100)を貫通する貫通孔(120)が設けられ、貫通孔(120)は、収容溝(110)と連通する。フェイスカバー(200)は、リミット柱(230)を含み、リミット柱(230)の第一の端部は、収容溝(110)に挿入する。フェイスカバー(200)は、ベース(100)にネジ接続され、フェイスカバー(200)をベース(100)にネジ接続して回す過程において、第一の端部は、貫通孔(120)の中心線に対して近づく又は離れることができる。固定バックルにおいては、フェイスカバー(200)を回すことによって紐体(400)の調節可能な状態又はロック状態の切り替えを実現しつつ、フェイスカバー(200)を回すことによってリミット柱(230)が紐体(400)を放す時に、利用者がコア部を押し続けることなく、容易に紐体(400)を引いて紐体(400)の調節を実現することができ、調節過程全体が簡単で省力し、利用者の使用体験を向上させることができる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容溝及びベースを貫通する貫通孔が設けられ、前記貫通孔が前記収容溝と連通するベースと、
ミット柱を含み、前記リミット柱の第一の端部が前記収容溝に挿入するフェイスカバーと、を含み、
前記フェイスカバーが前記ベースにネジ接続され、前記フェイスカバーを前記ベースにネジ接続して回す過程において、前記第一の端部は、前記貫通孔の中心線に対して近づく又は離れることができることを特徴とする、固定バックル。
【請求項2】
前記貫通孔は、前記収容溝の側壁の底部に設けられることを特徴とする、請求項1に記載の固定バックル。
【請求項3】
前記貫通孔は、直線に沿って延び、前記貫通孔の中心線は、前記収容溝の中心線に垂直であることを特徴とする、請求項2に記載の固定バックル。
【請求項4】
前記フェイスカバーは、天井部と前記天井部の縁から延出する側部をさらに含み、前記リミット柱の第二の端部は、前記天井部に接続され、前記側部は、前記ベースにネジ接続されることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の固定バックル。
【請求項5】
前記収容溝の側壁には、第一のバーブが設けられ、前記貫通孔は、前記第一のバーブと前記収容溝の底部との間に位置し、
前記リミット柱には、前記第一のバーブに適合させる第二のバーブが設けられ、前記第二のバーブは、前記貫通孔と前記第一のバーブとの間に位置し、前記第一のバーブは、前記第二のバーブが前記収容溝から離脱するのを防止することができることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の固定バックル。
【請求項6】
前記第一のバーブの数は、2以上であり、且つ前記側壁の周方向に沿って分布していることを特徴とする、請求項5に記載の固定バックル。
【請求項7】
前記ベース又は前記フェイスカバーにリベット接合される固定釘をさらに含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の固定バックル。
【請求項8】
前記固定釘は、前記ベースにリベット接合され、前記ベースの前記収容溝から離れる一端の端面には、前記収容溝と連通するリベット孔が設けられ、
前記固定釘は、基部とリベット接合部を含み、前記基部の形状は、前記端面と同じであり、前記リベット接合部の一端は、前記基部に固定され、前記リベット接合部の他端は、前記リベット孔を貫通して前記ベースにリベット接合されることを特徴とする、請求項7に記載の固定バックル。
【請求項9】
服飾主体を含む服飾において、請求項1~6のいずれか一項に記載の固定バックルをさらに含み、前記固定バックルは、前記服飾主体に固定されることを特徴とする、服飾。
【請求項10】
固定釘をさらに含み、前記ベースの前記フェイスカバーから離れる一端の端面には、前記収容溝と連通するリベット孔が設けられ、前記固定釘は、基部とリベット接合部を含み、前記基部の形状は、前記端面の形状と同じであり、前記リベット接合部の一端は、前記基部に固定され、前記リベット接合部の他端は、前記リベット孔を貫通して前記ベースにリベット接合され、前記服飾主体は、前記ベースと前記固定釘との間に挟まれることを特徴とする、請求項9に記載の服飾。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、服飾分野に関し、特に固定バックル及び上記固定バックルを有する服飾に関する。
【背景技術】
【0002】
一部の帽子付きの服装において、同じ仕様の衣服における帽子を異なる体形の利用者に適させるために、固定バックルを貫通する紐体を用いて帽子のサイズを調節することがよくあり、固定バックルは、衣服に固定され、上記紐体をロック又は放すために用いられる。一般的には、紐体の中間部は、帽子縁の内部を貫通し、紐体の両端は、帽子の外部に位置して上記の固定バックルを貫通する。固定バックルは、シェルとコア部を含み、コア部は、シェルに弾性的に接続され、その一部がシェル内に設けられ、一部がシェルから伸び出す。コア部には、第一の貫通孔が開設され、シェルには、第一の貫通孔に適合させる第二の貫通孔が開設され、コア部を押し付ける又は放すことによって第一の貫通孔と第二の貫通孔の連通又はずれを実現することができる。二つの貫通孔が連通している時に、紐体が通ることができる。二つの貫通孔がずれる時に、紐体が通ることができない。
【0003】
紐体を引く過程においては、コア部を押し続ける必要があるので、このような固定バックルの使用に相当な力がかかり、特に、子供にとってより大きな力がかかり、これは利用者の使用体験への影響が大きい。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、従来の固定バックルが紐体を調節する時に力がかかるという技術的課題を解決しようとするために、固定バックルと服飾を提供する。
【0005】
本出願は、その技術的課題を解決するために、以下の技術的手段を用いる。
【0006】
収容溝及びベースを貫通する貫通孔が設けられ、前記貫通孔が前記収容溝と連通するベースと、
リミット柱を有し、前記リミット柱の第一の端部が前記収容溝に挿入するフェイスカバーと、を含み、
前記フェイスカバーが前記ベースにネジ接続され、前記フェイスカバーを前記ベースにネジ接続して回す過程において、前記第一の端部は、前記貫通孔の中心線に対して近づく又は離れることができる、固定バックル。
【0007】
上記技術的手段の更なる改良的手段としては、前記貫通孔は、前記収容溝の側壁の底部に設けられる。
【0008】
上記技術的手段の更なる改良的手段としては、前記貫通孔は、直線に沿って延び、前記貫通孔の中心線は、前記収容溝の中心線に垂直である。
【0009】
上記技術的手段の更なる改良的手段としては、前記フェイスカバーは、天井部と前記天井部の縁から延出する側部をさらに含み、前記リミット柱の第二の端部は、前記天井部に接続され、前記側部は、前記ベースにネジ接続される。
【0010】
上記技術的手段の更なる改良的手段としては、前記収容溝の側壁には、第一のバーブが設けられ、前記貫通孔は、前記第一のバーブと前記収容溝の底部との間に位置する。
【0011】
前記リミット柱には、前記第一のバーブに適合させる第二のバーブが設けられ、前記第二のバーブは、前記貫通孔と前記第一のバーブとの間に位置する。
【0012】
上記技術的手段の更なる改良的手段としては、前記第一のバーブの数は、2以上であり、前記側壁の周方向に沿って分布している。
【0013】
上記技術的手段の更なる改良的手段としては、前記ベース又は前記フェイスカバーにリベット接合される固定釘をさらに含む。
【0014】
上記技術的手段の更なる改良的手段としては、前記ベースの前記収容溝から離れる一端の端面には、前記収容溝と連通するリベット孔が設けられ、前記固定釘は、基部とリベット接合部を含み、前記基部の形状は、前記端面と同じであり、前記リベット接合部の一端は、前記基部に固定され、前記リベット接合部の他端は、前記リベット孔を貫通して前記ベースにリベット接合される。
【0015】
本出願は、その技術的課題を解決するために、以下の技術的手段を用いることもできる。
【0016】
服飾主体を含む服飾であって、前記服飾主体に取り付けられる上記の固定バックルをさらに含む服飾。
【0017】
上記技術的手段の更なる改良的手段としては、固定釘をさらに含み、前記ベースの前記フェイスカバーから離れる一端の端面には、前記収容溝と連通するリベット孔が設けられ、前記固定釘は、基部とリベット接合部を含み、前記基部の形状は、前記端面と同じであり、前記リベット接合部の一端は、前記基部に固定され、前記リベット接合部の他端は、前記リベット孔を貫通して前記ベースにリベット接合され、前記服飾主体は、前記ベースと前記固定釘との間に挟まれる。
【0018】
本出願の有益な効果は、次のとおりである。
【0019】
本出願に係る固定バックルでは、ベースとフェイスカバーが含まれ、両者がネジ接続されている。そのうち、ベースには、外部と連通する収容溝、及び、ベースを貫通して且つ収容溝と連通する貫通孔が設けられ、紐体は、貫通孔によってベースを貫通することができ、フェイスカバーは、リミット柱を含み、リミット柱の第一の端部が収容溝に挿入する。フェイスカバーをベースに対して回す過程において、リミット柱は、紐体を押し付ける又は放すことを実現するように、前記貫通孔の中心線に対して近づく又は離れることができる。
【0020】
コア部を押し付ける又は放すことにより紐体を調節可能な状態又はロック状態にさせる市販の固定バックルに比べると、本出願の実施例に係る固定バックルは、フェイスカバーを回すことによって上記二つの状態の切り替えを実現することができる。そして、フェイスカバーを回すことによりリミット柱が紐体を放す時に、利用者がコア部を押し続けることなく、容易に紐体を引いて紐体の調節を実現することができ、調節過程全体が簡単で省力し、利用者の使用体験を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本出願の実施例における技術的手段をより明らかに説明するために、以下、実施例を説明するのに用いられる図面を簡単に紹介し、勿論、以下に説明される図面は、本出願の幾つかの実施例に過ぎないが、当業者にとって、創造的な労働をすることなく、これらの図面に示される構造に基づいてその他の図面を得ることができる。
【
図1】
図1は本出願の一実施例に係る固定バックルの斜視模式図である。
【
図3】
図3は
図1におけるベースの一方向から見た斜視模式図である。
【
図4】
図4は
図1におけるフェイスカバーの断面模式図である。
【
図5】
図5は
図1における固定釘の一方向から見た斜視模式図である。
【
図6】
図6は紐体が調節可能な状態にある時の固定バックルの模式図である。
【
図7】
図7は紐体がロック状態にある時の固定バックルの模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本出願をわかりやすくするためには、以下、図面と具体的な実施例を組み合わせることにより、本出願をより詳細に説明する。なお、素子が別の素子に「固定される」/ 「固定して接続される」と表されると、直接に別の素子の上にあってもよいし、又はそれらの間には一つ又は複数の素子が介在してもよい。一つの素子が別の素子に「接続される」と表されると、別の素子に直接に接続されてもよいし、それらの間には一つ又は複数の素子が介在してもよい。本明細書に用いられる用語「垂直な」、「水平な」、「左」、「右」、「内」、「外」及び類似な表示は、単なる説明のためのものである。
【0023】
特に定義されない限り、本出願で使用される全ての技術的・科学的用語は、当業者が理解する通りの意味と同じである。本出願の明細書で使用される用語は、本出願を制限するためのものではなく、具体的な実施例を説明するためのものである。本明細書で使用される用語「及び/又は」は、挙げられた一つ又は複数の関連項目の任意や全ての組み合わせを含む。
【0024】
尚、以下に説明される本出願の異なる実施例に係る技術的特徴は、互いに矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。
【0025】
本明細書では、上記の「取付」は、溶接、ネジ接続、係合接続、接着等の方式により素子又は装置を所定の位置又は場所に固定又は制限することを含み、上記の素子又は装置は、所定の位置又は場所に固定的に保持されてもよく、限られた範囲で移動してもよく、上記の素子又は装置は、所定の位置又は場所に固定又は制限されてから取り外されることができてもよいし、できなくてもよく、本出願の実施例では制限されない。
【0026】
図1と
図2を参照する。
図1と
図2はそれぞれ、本出願の一実施例に係る固定バックルの一方向から見た斜視模式図と断面模式図を示し、当該固定バックルは、ベース100と、フェイスカバー200と固定釘300を含む。ベース100の一端がフェイスカバー200にネジ接続され、他端が固定釘300にリベット接合される。
【0027】
上記ベース100に関して、
図3を参照する。
図3は、ベース100の一方向から見た斜視模式図を示し、
図1、
図2をもあわせて参照すると、ベース100全体は、円柱形を呈し、そのフェイスカバー200に向ける一端の端面には、収容溝110が設けられ、収容溝110の側壁には、ベース100を貫通する貫通孔120が設けられ、貫通孔120が収容溝110と連通しており、且つ、収容溝110の側壁と二ビア構造を形成し、紐体は、貫通孔120によって全体としてベース100を貫通することができる。
【0028】
収容溝110の側壁には、第一のバーブ130がさらに設けられ、第一のバーブ130は、フェイスカバー200がベース100から離脱することを防止するために用いられる。好ましくは、第一のバーブ130の数が2以上であり、当該2以上の第一のバーブ130が収容溝110の周方向に沿って分布している。
【0029】
ベース100は、収容溝110から離れる一端の端面に収容溝110と連通するリベット孔が設けられ、当該リベット孔は、固定釘300を取り付けるために用いられる。尚、ベース100は、対応する収容溝110の側壁に雄ねじが設けられ、当該雄ねじによってフェイスカバー200に接続される。
【0030】
上記フェイスカバー200に関して、
図4を参照する。
図4は、フェイスカバー200の断面模式図を示し、
図1から
図3をもあわせて参照する。フェイスカバー200全体は、回転体状を呈し、天井部210と、側部220とリミット柱230を含む。
【0031】
天井部210全体は、扁平な円柱形を呈する。側部220は、天井部210の縁から垂直に延び、側部220の内壁には、上記雄ねじに適合させる雌ねじが設けられ、リミット柱230全体は、円柱形を呈し、リミット柱230の第一の端部は、上記収容溝110に挿入され、リミット柱230の第二の端部は、天井部210に固定して接続され、即ち、リミット柱230と側部220は、天井部210の同一側に位置する。いくつかの実施例では、リミット柱230の内部が中空であり、即ち、全体が筒状を呈し、当該形状は、リミット柱230が成形時、その第一の端部の端面の中央が突起することにより紐体のロック効果が良くないデメリットを回避することができる。
【0032】
リミット柱230の第一の端部には、上記第一のバーブ130に適合させる第二のバーブ231が設けられ、第二のバーブ231全体は、第一の端部に近づく一端から第一の端部を離れる一端まで直径が徐々に大きくなる錐台状を呈する。第二のバーブ231の外輪郭からリミット柱230の中心までの距離は、第一のバーブ130の外輪郭からリミット柱230の中心までの距離より大きい。リミット柱230の軸線方向に沿って、第二のバーブ231は、収容溝110の底部と第一のバーブ130との間に位置し、第一のバーブ130は、第二のバーブ231が収容溝110から離脱することを防止ことができるので、第二のバーブ231は、収容溝110底部と第一のバーブ130との間だけで移動することができる。本出願において、第一のバーブ130と第二のバーブ231の具体的な形状に具体的な制限がなく、第一のバーブ130は第二のバーブ231が収容溝110から離脱することを防止することができればよいと考えられる。
【0033】
即ち、フェイスカバー200とベース100は、上記の雌ねじ、雄ねじによってネジ接続され、フェイスカバー200をベース100にネジ接続して回す過程において、リミット柱230は、上記貫通孔120の中心線に近づく又は離れることによって紐体を押し付ける又は放すことを実現することができる。
【0034】
さらに、リミット柱230が紐体を押し付ける際に紐体が宙吊り状態になることを回避するために、貫通孔120は、収容溝110の側壁の底部に設けられ、収容溝110の底部が紐体を受け止めることができるようにする。
【0035】
さらに、紐体が引かれる過程において順調に移動できるようにするために、上記の貫通孔120の中心線は、収容溝110の中心線に垂直である。
【0036】
上記段落における上記の貫通孔120は、直線に沿って延びてもよく、この場合に、貫通孔120と収容溝110の側壁とが交差して同軸に設けられる二ビアを形成する。貫通孔120は、曲線に沿って延びてもよく、例えば、U形に沿って延び、この場合に、上記の二ビアは、同軸に設けられないものと理解すべきだ。
【0037】
上記実施例において、フェイスカバーの側部220に雌ねじを設け、ベースの収容溝110の側壁の外面に雄ねじを設けるが、本出願のその他の実施例において、フェイスカバーの側部220の外面に雄ねじを設け、それに応じて、ベースの収容溝110の側壁の内面に雌ねじを設けてもよいと理解すべきだ。ある場合には、フェイスカバー200の天井部210と側部220を省略してもよく、それに応じて、リミット柱230がベース100に直接にネジ接続され、例えば、リミット柱230には、雄ねじが設けられ、収容溝110の側壁には、対応の雌ねじが設けられる。
【0038】
上記固定釘300に関して、
図5を参照する。
図5は、固定釘300の一方向から見た斜視模式図を示し、
図1から
図4をもあわせて参照する。固定釘300は、基部310とリベット接合部320を含む。そのうち、基部310の形状は、ベース100の収容溝110から離れる一端の端面の形状と同じであり、そのベース100に向ける一側には、若干の刺状の補助位置決め釘311が設けられる。リベット接合部320の一端は、基部310に固定され、他端は、上記のリベット孔を貫通して収容溝110に入り、ベース100にリベット接合される。リベット接合部320は、具体的に
図5に示される刺状の釘頭構造をリベット孔に貫通させてから外部ツールで打って崩させて
図2に示される構造を形成する。基部310とベース100との間には、一定の移動隙間を有し、固定釘300とベース100は、当該隙間によって衣服や革かばんの革層を両者の間に挟み込む。
【0039】
本出願のその他の実施例において、固定釘300は、さらにフェイスカバー200にリベット接合されてもよいと理解すべきだ。
【0040】
図6及び
図7を参照する。
図6及び
図7はそれぞれ、紐体が調節可能な状態とロック状態にある時の固定バックルの断面模式図を示す。上記固定バックルを衣服に取り付けることを例として、以下、各図面を参照しながら、本出願の実施例に係る固定バックルの作動原理を簡単に説明する。
【0041】
まず、固定釘300の釘頭構造を、衣服を突き破ってベース100におけるリベット孔に貫通させてから打って崩させてリベット接合部320を形成し、これによって、ベース100を衣服に取り付け、補助位置決め釘311を衣服に突き刺してさらなる固定の補助を行う。
【0042】
次に、
図6に示されるように、紐体400をベース100における貫通孔120に貫通させる。
【0043】
その後、フェイスカバー200のリミット柱230を収容溝110に挿入し、当該過程において、第二のバーブ231が第一のバーブ130を越える。
【0044】
最後に、
図7に示されるように、フェイスカバー200を回転することによりリミット柱230が紐体400を押し付ける。
【0045】
紐体400を調整する必要がある場合に、先ずフェイスカバー200を回転してフェイスカバー200を紐体400から離させるとともに、リミット柱230も紐体400を放し、利用者は、必要に応じて紐体400を所定の位置まで引く。調整終了後、フェイスカバー200を逆に回転することによりリミット柱230が紐体400を押し付けるようになればよい。
【0046】
コア部を押し付ける又は放すことにより紐体を調節可能な状態又はロック状態にさせる市販の固定バックルに比べると、本出願の実施例に係る固定バックルは、フェイスカバーを回すことにより上記二つの状態の切り替えを実現することができる。そして、フェイスカバーを回すことによりリミット柱が紐体を放す時に、利用者は、片手で容易に紐体を引いて紐体の調節を実現することができ、1つの手でコア部を押し続けながら、もう1つの手で紐体を引く必要がなくなる。本出願の実施例に係る固定バックルの調節過程全体は、簡単で省力し、利用者の使用体験を向上させる。
【0047】
同様に、市販の固定バックルは装着時、作業者が1つの手で固定バックルを押し続けながら、もう1つの手で紐体を固定バックルに貫通させる必要があるが、本出願に係る固定バックルの装着過程において、先ず紐体をベースに貫通させ、その後、フェイスカバーを組み付けることになり、作業者は片手だけで働くことができ、且つ固定バックルを押して紐を引く力がかかることがないため、服装メーカーの生産率を効果的に向上させる。
【0048】
尚、本出願の実施例に係る固定バックルは、ばねなどの弾性部材を必要としないため、従来の固定バックルより、コストもより低い。
【0049】
上記実施例では、固定バックルの使用過程について紐体を例として簡単に説明したが、本出願のその他の実施例では、当該固定バックルは、紐体以外の長尺物、例えば、弾性のあるゴムストリップの調節にも適用できると理解すべきだ。
【0050】
本出願は、服飾主体、及び上記実施例における固定バックルを含み、当該固定バックルは、固定釘によって服飾主体に固定される服飾をさらに提供する。固定釘がベースにリベット接合された時、服飾主体が固定バックルのベースと固定釘の基部との間に挟まれる。固定釘がフェイスカバーにリベット接合された時に、服飾主体が固定バックルのフェイスカバーと固定釘の基部との間に挟まれる。
【0051】
上記服飾は、衣服、ズボンなどの服装だけでなく、リュックサック、手提げかばん、革かばん等の装飾品であってもよいと理解すべきだ。
【0052】
服飾主体をわかりやすくするために、以下、簡単に例を挙げて説明し、衣服、ズボンの場合に、上記の服飾主体は、衣服、ズボンの生地である。革かばんの場合に、上記の服飾主体は、革かばんの革層であり、服飾主体が上記物体に制限されないものと理解すべきだ。
【0053】
最後に、以上の実施例は、本出願の技術的手段を説明するためのものにすぎないが、制限的なものではないことが説明されるべきだ。本出願において、以上の実施例又は異なる実施例における技術的特徴を組み合わせることもでき、ステップを任意の順序で実現でき、上述したような本出願の異なる方面の多くのその他の変形が存在することが考えられるが、簡明にするために、それらを詳細に説明しない。上記の実施例を参照して本出願を詳しく説明したにもかかわらず、上記の各実施例に記載の技術的手段の修正、又はその一部の技術的特徴の同等な置換を行うことができることは、当業者にとって理解すべきだ。これらの修正又は置換は、対応の技術的手段の本質を本出願の各実施例の技術的手段の範囲から逸脱させることがない。
【国際調査報告】