(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-30
(54)【発明の名称】配置装置に適したTシャツバッグおよびTシャツバッグの製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 33/10 20060101AFI20220922BHJP
B65D 30/16 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
B65D33/10
B65D30/16 F
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022504004
(86)(22)【出願日】2020-07-23
(85)【翻訳文提出日】2022-01-19
(86)【国際出願番号】 NL2020050484
(87)【国際公開番号】W WO2021020965
(87)【国際公開日】2021-02-04
(32)【優先日】2019-07-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522025776
【氏名又は名称】ニヴァープラスト ホールディング ビー ブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100143764
【氏名又は名称】森村 靖男
(72)【発明者】
【氏名】ニーウェンハイス、ヘリット ヤン
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AA13
3E064BA22
3E064HJ05
3E064HM01
(57)【要約】
前側ホイル層2と、後ろ側ホイル層3と、側面の折り返し4、5とを備えており、前側ホイル層2および後ろ側ホイル層3ならびに2つの側面の折り返し4、5は、下縁10および上縁11において互いに接合されており、2つの持ち手部12、13が、上縁11に凹部14によって形成され、連続した吊り下げ穴17、18が、両方の持ち手部12、13に設けられ、切り込み19.1、19.2;20.1、20.2を有する貫通穴17.1、17.2;18.1、18.2およびスポット接続部21、22が、前側ホイル層2および各々の持ち手部12、13の前側折り返し部分6、8に設けられているTシャツバッグ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Tシャツバッグ(1)であって、
前側ホイル層(2)と、
後ろ側ホイル層(3)と、
前側折り返し部分(6、8)および後ろ側折り返し部分(7、9)をそれぞれ含む左側面の折り返し(4)および右側面の折り返し(5)と
を備え、
前記前側ホイル層(2)および前記後ろ側ホイル層(3)ならびに両側面の折り返し(4、5)は、下縁(10)および上縁(11)において接合され、
前記Tシャツバッグ(1)の前記上縁(11)において、2つの持ち手部(12、13)が、前記上縁(11)から前記2つの側面の折り返し(4、5)へと延びて左右の搬送用開口部(15、16)を形成する凹部(14)によって形成され、
両方の持ち手部(12、13)は、前記Tシャツバッグ(1)が一組の支持ピン(19)に吊り下げて配置されるように、4つの貫通穴(17.1、17.2、17.3、17.4;18.1、18.2、18.3、18.4)からなる連続した吊り下げ穴(17、18)を含み、
前記前側ホイル層(2)および前記前側折り返し部分(6、8)の前記貫通穴(17.1、17.2;18.1、18.2)は、前記貫通穴(17.1、17.2;18.1、18.2)から延びる切り込み(19.1、19.2;20.1、20.2)を含み、
各々の持ち手部(12、13)が、前記前側ホイル層(2)と前記前側折り返し部分(6、8)との間のスポット溶接部(21、22)を有する
ことを特徴とするTシャツバッグ(1)。
【請求項2】
前記スポット溶接部(21、22)は、接着接合部、溶接接合部、またはパンチ接合部から選択される
請求項1に記載のTシャツバッグ。
【請求項3】
前記スポット溶接部(21、22)は、前記持ち手部(12、13)の前記吊り下げ穴(17、18)の付近に配置される
請求項1または2に記載のTシャツバッグ。
【請求項4】
前記スポット溶接部(21、22)は、前記持ち手部(12、13)において前記側面の折り返し(4、5)の上側(30、31)と前記吊り下げ穴(17、18)との間に設けられる
請求項1から3のいずれか一項に記載のTシャツバッグ。
【請求項5】
前記スポット溶接部(21、22)は、前記貫通穴(17.1、17.2;18.1、18.2)の前記切り込み(19.1、19.2;20.1、20.2)に整列している
請求項3または4に記載のTシャツバッグ。
【請求項6】
前記切り込み(19.1、19.2;20.1、20.2)は、本質的に、前記Tシャツバッグの側縁(23、24)に平行かつ前記上縁(11)に垂直に延びている
請求項5に記載のTシャツバッグ。
【請求項7】
前記スポット溶接部(21、22)と前記切り込み(19.1、19.2;20.1、20.2)とが、前記貫通穴(17.1、17.2;18.1、18.2)の垂直軸上で互いに対向している
請求項4または5に記載のTシャツバッグ。
【請求項8】
Tシャツバッグ配置装置において使用するためのTシャツバッグ(1)の製造方法であって、
筒状の可撓なホイルから側面の折り返し(4、5)を有するホイルバッグを形成するステップと、
筒状のホイル片をシールして、閉じた上縁(11)および閉じた下縁(10)を形成するステップと、
左右の搬送用開口部(15、16)ならびに左右の前側持ち手部(12.1、13.1)および左右の後ろ側持ち手部(12.2、13.2)が形成されるように、前記上縁(11)から2つの前記側面の折り返し(4、5)へと延びる凹部(14)を設けるステップと、
外側から2つの前記側面の折り返し(4、5)へとパンチプレートを挿入するステップと、
前記前側ホイル層(2)および両方の前側折り返し部分(6、8)に、切り込み(19.1、19.2;20.1、20.2)を有する貫通穴(17.1、17.2;18.1、18.2)を設け、前記後ろ側ホイル層(3)および2つの前記後ろ側折り返し部分(7、9)に、切り込みを持たない貫通穴(17.3、17.4;18.3、18.4)を設けるステップと、
前記前側ホイル層(2)と2つの前記前側折り返し部分(6、8)との間にスポット溶接部(21、22)を設けるステップと
を備える製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配置装置での使用に適したTシャツバッグに関する。
さらに、本発明は、Tシャツバッグを開き、広げ、ホルダ(容器)へと挿入する配置装置での使用に適したTシャツバッグの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
Tシャツ型運搬バッグ、略してTシャツバッグは、米国特許出願公開第2011/0164836号明細書および米国特許第4,676,378号明細書に記載および図示されているように、一体的に形成された持ち手部を有するTシャツ型のホイルバッグである。Tシャツバッグ(持ち手部バッグまたはベスト型ショッピングバッグ)を、筒状のホイル材料から、側面の折り返しを備えて形成する(ひだ付きバッグまたはガセットバッグ)ことも、備えずに形成することも可能である。上縁および下縁がシールされ、その後に、U字形部分がバッグの上部において切り取られる。これにより、2つの持ち手部を有するTシャツバッグが生み出される。側面の折り返しが用いられる場合、Tシャツバッグの前側および後ろ側の開いた持ち手部は、2層のホイルを含む。好ましくは、Tシャツバッグは、軽量、柔軟、かつ丈夫な熱可塑性材料で作られる。
【0003】
Tシャツバッグを束から人の手によって取り外すために、複数のTシャツバッグの持ち手部を貫いて突出するピンを備える支持体が使用される。これは、とりわけ、米国特許第4,676,378号明細書および第5,938,033号明細書ならびに米国特許出願公開第2009/0274396号明細書に記載されている。この目的のために、Tシャツバッグをピン上でスライドさせることができるように、持ち手部に穿孔または穴が設けられる。例えば、ショッピングバッグとして使用するためのバッグを開いて広げるために、Tシャツバッグの前側ホイル層が人の手によって束から引き離される一方で、Tシャツバッグの後ろ側ホイル層はピン上の同じ位置にとどまる。こうして、Tシャツバッグは持ち手部を開いて広げられ、両手でピンから持ち上げて外されたり、上部の開口部から入れられたりすることができる。
【0004】
本出願の出願人名義のオランダ特許出願公開第1012033号明細書には、ホイルバッグを箱または枠に配置するための方法および装置が記載されている。ホイルバッグは、側面に折り返しを備えており、上側に溶接部またはシールが設けられていないため、上側が完全に開いている。オランダ特許出願公開第1012033号明細書において、ホイルバッグは、上述の装置によって開かれて広げられ、次いで箱または枠などのホルダに配置および挿入される。箱または枠ごとに1つのホイルバッグが適用され、ホイルバッグの上縁が、箱または枠の側壁の周りに内側から外側へと折り返される。各ホイルバッグには2つの貫通穴が設けられており、これらの貫通穴によって、ホイルバッグの束を一組の支持ピンに取り付けてぶら下げることができる。本出願の出願人名義のオランダ特許出願公開第1022290号明細書は、オランダ特許出願公開第1012033号明細書による装置で使用するためのホイルバッグを開示しており、ホイルバッグに2つの貫通穴が設けられ、前側ホイル層および前側折り返し部分の貫通穴に切り込み(切れ目)が設けられ、後ろ側ホイル層および後ろ側折り返し部分には切り込みが設けられていない。これにより、ホイルバッグを配置装置によってより容易に開くことが可能となる。何故ならば、前側の貫通穴を支持ピン上で容易に移動させることができるが、後ろ側の貫通穴は支持ピンと実質的に同じ直径で設けられているため、これら後ろ側の貫通穴がキャリアピンに対して軽い締め付け力を及ぼしてわずかに詰まり、支持ピン上を移動するときに抵抗を受けるため、吊り下げピン上での移動がより困難なためである。
【0005】
ホイルバッグとは異なり、Tシャツバッグは、上側に溶接部またはヒートシールを備えている。結果として、Tシャツバッグは、枠などのホルダへ上縁を折り返して挿入することが不可能である。ホルダは、さまざまな物品を収容することができる開口した正方形または長方形の容器または枠であり、閉じた側壁または開口部のある側壁を備える。Tシャツバッグは、持ち手部にて、ホルダの対向する側壁の上側の凹部に取り付けられる。多くの場合、ホルダに2つ以上のTシャツバッグが配置され、吊り下げられる。持ち手部の一部分が、ホルダの側壁の外側に延在する。Tシャツバッグを開き、広げ、配置し、ホルダに挿入するためには、Tシャツバッグを開き、さらに2つの持ち手部も開く配置装置が必要である。
【0006】
オランダ特許出願公開第1012022号明細書の貫通穴を使用すると、Tシャツバッグ用の配置装置において問題が生じることが明らかになっている。何故ならば、持ち手部内の側面折り返し部分が前側ホイル層から離れてしまい、したがって持ち手部が適切に開かず、配置装置の開き機構の把持フックおよび/または持ち手部の広げ部材をTシャツバッグの搬送用開口部に適切に挿入することができないからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/0164836号明細書
【特許文献2】米国特許第4,676,378号明細書
【特許文献3】米国特許第5,938,033号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2009/0274396号明細書
【特許文献5】オランダ特許出願公開第1012033号明細書
【特許文献6】オランダ特許出願公開第1022290号明細書
【特許文献7】オランダ特許出願公開第1012022号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、Tシャツバッグを支持ピンに束ねた状態で配置することが可能であり、配置装置の開き機構により、持ち手部を容易かつ確実に高頻度に開くことができるTシャツバッグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明が提供するTシャツバッグは、
前側ホイル層および後ろ側ホイル層と、
前側折り返し部分および後ろ側折り返し部分をそれぞれ含む左側面の折り返しおよび右側面の折り返しと
を備え、
前側ホイル層および後ろ側ホイル層ならびに両側面の折り返しは、下縁および上縁において接合され、
Tシャツバッグの上縁において、2つの持ち手部が、上縁から2つの側面の折り返しへと延びて左右の搬送用開口部を形成する凹部によって形成され、
両方の持ち手部は、Tシャツバッグが一組の支持ピンに吊り下げて配置されるように、4つの貫通穴からなる連続した吊り下げ穴を含み、
前側ホイル層および前側折り返し部分の貫通穴は、貫通穴から延びる切り込みを含み、
各々の持ち手部は、前側ホイル層と前側折り返し部分との間のスポット接続部を有する。
【0010】
前側ホイル層と左右の前側折り返し部分との間にスポット接続部を設けることによって、搬送開口部を支持ピンにより確実に開かせ、配置装置の搬送用開口部用の開き機構を搬送用開口部へとより良好かつより確実に挿入することが可能になる。
【0011】
特に、スポット接続部は、接着接合部、溶接接合部、またはパンチ接合部から選択される。
【0012】
好ましくは、スポット接続部は、持ち手部の吊り下げ穴の近くに設けられる。特には、持ち手部内のスポット接続部は、側面の折り返しの上部と吊り下げ穴との間に設けられる。
【0013】
吊り下げ穴の近くにスポット接続部を設けることは、前側のホイル部分の貫通穴を一緒にまとめて支持ピン(の拡張された端部)を越えて容易に押すことができ、したがって搬送用開口部を適切に開くことができるという利点を有する。
【0014】
好ましい実施形態において、スポット接続部は、貫通穴の切り込みに整列され、好ましくは、切り込みは、本質的にTシャツバッグの側縁に平行かつ上縁に垂直に延びる。とくには、スポット接続部と切り込みとが、貫通穴の垂直軸上で互いに対向する。
【0015】
これらの対策により、切り込みは容易に開き、前側ホイル層は支持ピンならびに支持ピンの端部の膨出部または拡張部を容易にスライドできる一方で、前側ホイル層と前側の折り返しとが、相対的にずれることがなく、したがってTシャツバッグおよび持ち手部を開くときに、前側の貫通穴がキャリアピンの外側端からの等しい抵抗を受けることが判明した。
【0016】
さらに、本発明は、Tシャツバッグ配置装置において使用するためのTシャツバッグの製造方法に関し、この製造方法は、
筒状の可撓なホイルから側面の折り返しを有するホイルバッグを形成するステップと、
筒状のホイル片をシールして、閉じた上縁および閉じた下縁を形成するステップと、
左右の搬送用開口部ならびに左右の前側持ち手部および左右の後ろ側持ち手部が形成されるように、上縁から2つの側面の折り返しへと延びる凹部を設けるステップと、
外側から2つの側面の折り返しへとパンチプレートを挿入するステップと、
前側ホイル層および両方の前側折り返し部分に切り込みを有する貫通穴を設け、後ろ側ホイル層および2つの後ろ側折り返し部分に切り込みを持たない貫通穴を設けるステップと、
前側ホイル層と2つの前側折り返し部分との間にスポット溶接部を設けるステップと
を備える。
【0017】
両側の折り返しにおいてパンチプレートを使用することにより、貫通穴ならびに切り込みおよびスポット接続部を、前側ホイル層および前側折り返し部分に設けることができ、したがって、前側持ち手部を支持ピン上で支持ピンの外側端の拡張部を越えて容易に移動させることができ、Tシャツバッグを配置装置の開放機構の把持フックおよび持ち手部広げ部によって開くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】Tシャツバッグ配置装置において使用するためのTシャツバッグを示している。
【
図2】持ち手部の吊り下げ穴の付近にスポット接続部を有している
図1のTシャツバッグを示している。
【
図3】支持ピン上の開かれたTシャツバッグの左側持ち手部をより詳細に示している。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に、支持ピン29によってTシャツバッグ配置装置に吊り下げることができるTシャツバッグ1が示されている。Tシャツバッグ1は、前側ホイル層2、後ろ側ホイル層3、ならびに前側折り返し部分6、8および後ろ側折り返し部分7、9をそれぞれ有する左側面の折り返し4および右側面の折り返し5を備える。このようなTシャツバッグは、筒状のホイルからホイルバッグとして製造され、個々のホイルバッグは、筒状のホイルから、下縁および上縁の下部/上部溶接部/シールによって製造される。側面の折り返し(ガセット)が適用される場合、側面の折り返しも、下縁および上縁において前側および後ろ側ホイル層に接合される。ホイルバッグは単一の筒状ホイル片から製造されるため、ホイルバッグの異なるホイル層は、組成およびホイルの厚さを含む物理的特性において実質的に同一である。
【0020】
図1に、前側ホイル層2および後ろ側ホイル層3ならびに2つの側面の折り返し4、5が、下縁10および上縁11において互いに接合されることが示されている。前側折り返し部分6、8と後ろ側折り返し部分7、9との間の折り返し接続部を切り抜くことによって左側および右側の搬送用開口部15、16が形成され、上縁11から2つの側面の折り返し4、5へと延びる凹部14を設けることによって、Tシャツバッグ1の上側に、2つの持ち手部12、13が形成される。前側ホイル層2が、前側ホイル部分6、8と共に前側持ち手部12.1および13.1を形成し、後ろ側ホイル層3が、後ろ側折り返し部分7、9と共に後ろ側持ち手部12.2および13.2を形成する。2つの持ち手部12、13には、前側ホイル層2、前側折り返し部分6、8、後ろ側折り返し部分7、9、および後ろ側ホイル層3に対して、左側持ち手部12の4つの貫通穴17.1、17.2、17.3、17.4および右側持ち手部13の4つの貫通穴18.1、18.2、18.3、18.4で構成される連続した吊り下げ穴17、18がそれぞれ設けられる。結果として、Tシャツバッグ1は、一組の支持ピン29上に配置され、好適に吊り下げられる。
【0021】
前側ホイル層2および前側折り返し部分6、8における、左側持ち手部12の貫通穴17.1、17.2および右側持ち手部13の貫通穴18.1、18.2には、左側持ち手部12の切り込み19.1、19.2および右側持ち手部13の切り込み20.1、20.2がそれぞれ設けられる。切り込みは、左側の貫通穴17.1、17.2および右側の貫通穴18.1、18.2から延びる。これらの切り込みにより、持ち手部12、13の前側ホイル層2および前側折り返し部分6、8を、持ち手部の後ろ側ホイル層3および後ろ側折り返し部分7、9と比べて、支持ピン29で支持ピンの端部の突出部(膨出部)または拡張部を過ぎて容易にスライドさせることができる。これは、持ち手部を備えていないホイルバッグの場合、広げ装置をホイルバッグへと導入することができ、ホイルバッグを容易に開くことができるため有利である。2つの持ち手部12、13を有するTシャツバッグの場合、吊り下げ穴17、18が2つの持ち手部12、13においてTシャツバッグの狭い部分に設けられることが欠点である。即ち、支持ピン29および支持ピンの端部の拡張部における前側折り返し部分6、8の変位は、切り込み17.2、18.2の存在ゆえに制御されず、無作為となる。多くの場合に、前側折り返し部分6、8は、支持ピンの端部の拡張部にとどまり、したがって搬送用開口部15、16を再び完全に、または部分的に閉じてしまい、結果として、配置装置の開き機構の把持フックを持ち手部の搬送用開口部に適切に挿入することができず、持ち手部広げ部材がTシャツバッグの持ち手部を確実に開いて引っ張ることができない。
【0022】
図2に、各々の持ち手部12、13において、前側ホイル層2と前側折り返し部分6、8との間にスポット接続部21、22が設けられることが示されている。持ち手部にスポット接続部21、22を設けることによって、配置装置の開き機構の把持フックについて、Tシャツバッグの搬送用開口部15、16への横からの挿入を、高い信頼性および高い頻度で実行できることが明らかになった。
【0023】
例えば、スポット接続部21、22を、接着接合部、溶接接合部、またはパンチ接合部として、例えば貫通穴および切り込みを設けるときに同時に適用することができる。
【0024】
スポット接続部21、22が持ち手部12、13において吊り下げ穴17、18の近くに設けられると、前側ホイル層2および前側折り返し部分6、8は、等しい抵抗で、支持ピン29の拡張された端部を過ぎて、ホイル層の互いの移動を伴うことなく一緒にスライドする。側面の折り返し4、5の上側30、31と吊り下げ穴17、18との間に持ち手部12、13のスポット接続部21、22を設けることにより、持ち手部12、13がより確実に開かれる。スポット接続部21、22を貫通穴17.1、17.2;18.1、18.2の切り込み19.1、19.2;20.1、20.2に整列させて設けることによって、前側ホイル層の貫通穴17.1、18.1と前側折り返し部分6、8の貫通穴17.2、18.2とがさらに良好に互いに整列した状態にとどまり、したがって前側持ち手部12.1および13.1が、均等に、かつ大きな抵抗を受けることなく、貫通穴17.1、17.2、18.1、18.2および切り込み19.1、19.2、20.1、20.2によって支持ピン29(の拡張された端部)上を移動できることが明らかになった。切り込み19.1、19.2;20.1、20.2が、側縁23、24に実質的に平行に延在し、Tシャツバッグの上縁11に実質的に垂直に延在する場合、配置装置の把持フックおよび/または持ち手部広げ部材を搬送用開口部へと挿入する際の妨げまたはエラーはわずかであり、持ち手部12、13をきわめて滑らかに開くことができることが明らかになった。
【0025】
スポット接続部21、22および切り込み19.1、19.2;20.1、20.2がそれぞれの貫通穴17.1、17.2;18.1、18.2の垂直軸上に設けられている配置装置内のTシャツバッグにおいて、きわめて良好な結果が得られている。
【0026】
図3に、
図2のTシャツバッグ1の左側の持ち手部12が、より詳細に示されている。後ろ側持ち手部12.2は、突出部(膨出部)または拡張された端部が設けられてよい支持ピン29に依然として吊り下げられている。前側持ち手部12.1は、すでに支持ピンから引き出されている。スポット接続部21は、前側ホイル層2のうちで、左側の折り返し4の上側30と前側の貫通穴17.1との間に位置する部分に設けられている。結果として、持ち手部12の前側折り返し部分6が前側ホイル層2に当接するため、Tシャツバッグ配置装置の開き機構のための大きくてゆったりした左側の搬送用開口部15が形成される。
【0027】
Tシャツバッグ配置装置によって枠において使用するためのTシャツバッグを、以下の本発明の方法で製造することができる。
【0028】
まず、筒状の可撓なホイルから、側面の折り返し(ガセット)4、5を有するホイルバッグが形成される。この目的のために、筒状のホイル片に、封止(熱溶接)によって閉じた上縁11および閉じた下縁10が設けられる。続いて、左右の搬送用開口部15、16ならびに左右の前側持ち手部12.1、13.1および左右の後ろ側持ち手部12.2、13.2が形成されるように、上縁11から2つの側面の折り返し4、5へと延びる凹部14が設けられる。次いで、パンチプレートが、2つの側縁23、24の外側から2つの側面の折り返し4、5へと挿入され、前側折り返し部分および前側ホイル層に後ろ側折り返し部分および後ろ側ホイル層とは異なる切り込みおよび穴が設けられる。
【0029】
前側持ち手部12.1および13.1の前側ホイル層2および2つの前側折り返し部分6、8に、切り込み19.1、19.2;20.1、20.2を有する貫通穴17.1、17.2;18.1、18.2が設けられる。後ろ側ホイル層3および2つの後ろ側折り返し部分7、9に、切り込みを持たない貫通穴17.3、17.4;18.3、18.4が設けられる。
【0030】
続いて、または同時に、前側持ち手部12.1、13.1の前側ホイル層2と2つの前側折り返し部分6、8との間に、スポット接続部21、22が設けられる。好ましくは、スポット接続部21、22は、前側の貫通穴17.1、17.2;18.1、18.2の下方かつ側面の折り返し4、5の上縁30、31の上方に設けられ、それにより、Tシャツバッグの前側は支持ピン(の拡張された端部)を過ぎて容易にスライドし、前側持ち手部12.1および13.1を後ろ側持ち手部12.2および13.2から容易に離すことができる。
【0031】
切り込み19.1、19.2;20.1、20.2が、側縁23、24に実質的に平行に延在し、かつTシャツバッグの上縁11の方向に垂直に延在する場合、スポット接続部21、22との組み合わせにより、配置装置に適用された際に、不具合が少なくてエラー率が低いTシャツバッグが形成される。
【0032】
スポット接続部と切り込みとを、前側ホイルおよび前側折り返し部分において貫通穴17.1、17.2;18.1、18.2の垂直軸上の互いに反対側に設けることによって、持ち手部をTシャツバッグ配置装置によって容易かつ確実に開き、広げ、枠などのホルダへと挿入することができるTシャツバッグが得られる。
【国際調査報告】