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特表2022-542249マイクロチャネルを有するニードルのための技術
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-30
(54)【発明の名称】マイクロチャネルを有するニードルのための技術
(51)【国際特許分類】
   A61M 37/00 20060101AFI20220922BHJP
【FI】
A61M37/00 514
A61M37/00 505
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022504143
(86)(22)【出願日】2020-07-17
(85)【翻訳文提出日】2022-03-22
(86)【国際出願番号】 US2020042510
(87)【国際公開番号】W WO2021016074
(87)【国際公開日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】62/877,060
(32)【優先日】2019-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/903,298
(32)【優先日】2019-09-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520477485
【氏名又は名称】ザ・トラスティーズ・オブ・インディアナ・ユニバーシティー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【弁理士】
【氏名又は名称】末松 亮太
(74)【代理人】
【識別番号】100195408
【弁理士】
【氏名又は名称】武藤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】セン,チャンダン・ケイ
(72)【発明者】
【氏名】スアン、イー
【テーマコード(参考)】
4C267
【Fターム(参考)】
4C267AA72
4C267BB02
4C267BB03
4C267BB10
4C267BB40
4C267BB42
4C267BB44
4C267BB45
4C267CC01
4C267CC05
4C267FF10
4C267GG02
4C267GG03
4C267GG22
(57)【要約】
標的レシピエントに薬剤を送達するための装置は、第1の表面および第2の表面を有する平面基板と、平面基板の第1の表面に画定されるリザーバと、平面基板の第2の表面から突出する複数の微細構造体とを含む。複数の微細構造体の各々は、リザーバから微細構造体の外面に画定されるチャネル開口部まで延びる送達チャネルを含む。いくつかの実施形態において、マイクロチャネルを有するニードルは、シリコンウェハを使用して製作され得る。一次チャネルが、ウェハ内へエッチングされ、次いで第2のシリコンウェハが、最初のウェハの上に接着され得る。マイクロチャネルは、ディープ反応性イオンエッチングを使用して一次チャネルからウェハの表面まで形成され得る。マイクロチャネルの直径は、薬物送達のために選択され得る。マイクロチャネルの例示的な直径は、4マイクロメートルである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面および第2の表面を有する基材と、
前記基材の前記第1の表面に画定されるリザーバと、
前記基材の前記第2の表面から先端へ突出する微細構造体であって、前記リザーバから前記先端の方へ延びる送達チャネルを有する、微細構造体と
を備える、装置。
【請求項2】
前記リザーバは、標的薬剤を保持するように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
標的薬剤は、ペプチド、タンパク質、炭水化物、核酸分子、脂質、有機分子、および生物学的に活性な無機分子のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
複数の微細構造体が、前記基材の前記第2の表面から先端へ突出し、前記微細構造体が各々、前記リザーバから前記先端の方へ延びる送達チャネルを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記微細構造体は、複数の送達チャネルを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記先端は尖っていない、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記チャネルは、前記尖っていない先端の中心を外れて位置付けられる、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記先端は尖っている、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記チャネルは、前記尖った先端の中心を外れて位置付けられる、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記微細構造体は、150μmよりも大きい高さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記微細構造体は、3よりも大きいアスペクト比を有する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記微細構造体は、約200μm~約1000μmの高さを有する、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記送達チャネルは、直径が約50nm~約5000nmである、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記リザーバは、多孔質材料を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記リザーバは、帰還構成要素を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記リザーバは、半透過性である、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記リザーバは、レシピエントからの生理信号における変化に対して感受性がある細胞を含有する、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
近位端から遠位端まで延びる心棒であり、前記心棒は、前記近位端から前記遠位端の方へ延びる前記心棒の内部の一次チャネルを画定し、前記一次チャネルは、前記近位端では開いており、前記遠位端では閉じている、心棒、を備える装置であって、
前記心棒は、1つまたは複数のマイクロチャネルをさらに画定し、前記1つまたは複数のマイクロチャネルの各々は、前記心棒の壁を通って前記一次チャネルから延び、前記1つまたは複数のマイクロチャネルの各々は、1,000マイクロメートル未満の直径を有する、装置。
【請求項19】
前記1つまたは複数のマイクロチャネルは、複数のマイクロチャネルを備え、前記複数のマイクロチャネルの各々は、前記心棒の側壁を通って前記一次チャネルから延びる、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記心棒は、シリコンである、請求項18に記載の装置。
【請求項21】
前記心棒は、ステンレス鋼である、請求項18に記載の装置。
【請求項22】
前記心棒は、プラスチックである、請求項18に記載の装置。
【請求項23】
前記1つまたは複数のマイクロチャネルの各々は、1~1,000マイクロメートルの直径を有する、請求項18に記載の装置。
【請求項24】
前記一次チャネルは、10~1,000マイクロメートルの直径を有する、請求項23に記載の装置。
【請求項25】
前記一次チャネルは、少なくとも1ミリメートルの長さを有する、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記1つまたは複数のマイクロチャネルは、複数のマイクロチャネルを備え、前記複数のマイクロチャネルの各々は、前記心棒の側壁を通って前記一次チャネルから延びる、請求項18に記載の装置。
【請求項27】
前記心棒は、(i)前記一次チャネルの底壁および2つの側壁を画定する第1のシリコンウェハ、ならびに(ii)前記第1のシリコンウェハに接着される第2のシリコンウェハを備え、前記第2のシリコンウェハは、前記一次チャネルの上壁を画定する、請求項18に記載の装置。
【請求項28】
前記心棒は、窒化チタンに被覆される、請求項18に記載の装置。
【請求項29】
複数の心棒をさらに備え、前記複数の心棒の各々は、導電性である外面を有し、前記複数の心棒の各々は、前記複数の心棒の互いと電気的に結合され、
前記複数の心棒の各々は、近位端から遠位端まで延び、前記複数の心棒の各々は、前記近位端から前記遠位端の方へ延びる、対応する前記心棒の内部の一次チャネルを画定し、前記一次チャネルは、前記近位端では開いており、前記遠位端では閉じており、
前記複数の心棒の各々は、1つまたは複数のマイクロチャネルをさらに画定し、前記1つまたは複数のマイクロチャネルの各々は、前記対応する心棒の壁を通って前記一次チャネルから延び、前記1つまたは複数のマイクロチャネルの各々は、1,000マイクロメートル未満の直径を有する、請求項18に記載の装置。
【請求項30】
複数の電極をさらに備え、前記複数の電極の各々は、前記複数の電極の互いと電気的に結合され、前記複数の電極は、前記複数の心棒と前記複数の電極との間に電圧が印加されるときに、電場が前記複数の心棒の各々の軸に垂直に作られるように、前記複数の心棒に隣接して配置される、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記心棒から電気的に絶縁される電極をさらに備え、前記電極は、前記心棒と前記電極との間に電圧が印加されるときに、電場が前記心棒の軸に垂直に作られるように、心棒に隣接して配置される、請求項18に記載の装置。
【請求項32】
前記一次チャネル内に配置される薬物をさらに備える、請求項18に記載の装置。
【請求項33】
注射器をさらに備え、前記注射器は、前記一次チャネルに対して流体的にある、請求項18に記載の装置。
【請求項34】
前記心棒に取り外し可能に機械的に結合されるハンドピースをさらに備える、請求項18に記載の装置。
【請求項35】
装置を製造する方法であって、
フォトリソグラフィの使用により第1のシリコンウェハ内に一次チャネルを作成するステップであり、前記一次チャネルは、少なくとも10マイクロメートルの深さおよび少なくとも5ミリメートルの長さを有する、ステップと、
前記一次チャネルの作成後、第2のシリコンウェハを前記第1のシリコンウェハに接着するステップと、
1つまたは複数のマイクロチャネルを作成するために前記第2のシリコンウェハをエッチングするステップであり、前記1つまたは複数のマイクロチャネルの各々は、前記第2のシリコンウェハを通って前記一次チャネルから延び、前記1つまたは複数のマイクロチャネルの各々は、1,000マイクロメートル未満の直径を有する、ステップと
を含む、方法。
【請求項36】
前記第2のシリコンウェハをエッチングするステップは、ディープ反応性イオンエッチングにより前記第2のシリコンウェハをエッチングすることを含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第1のシリコンウェハまたは前記第2のシリコンウェハの少なくとも1つの表面に窒化チタンのコーティングを堆積させるステップをさらに含む、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
薬物を送達する方法であって、
患者内に心棒を挿入するステップであり、前記心棒は、近位端から遠位端まで延び、前記心棒は、前記近位端から前記遠位端の方へ延びる前記心棒の内部の一次チャネルを画定し、前記一次チャネルは、前記近位端では開いており、前記遠位端では閉じており、前記心棒は、1つまたは複数のマイクロチャネルをさらに画定し、前記1つまたは複数のマイクロチャネルの各々は、前記心棒の壁を通って前記一次チャネルから延び、前記1つまたは複数のマイクロチャネルの各々は、1,000マイクロメートル未満の直径を有する、ステップと、
前記心棒に隣接した前記患者内に電極を挿入するステップと、
前記心棒と前記電極との間に配置される少なくともいくつかの細胞内にナノ細孔を作成するために、前記電極および前記心棒にわたって電圧を印加するステップと
を含む、方法。
【請求項39】
前記心棒は、少なくとも1ミリメートルの長さを有する、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記薬物を前記一次チャネルから前記1つまたは複数のマイクロチャネルを通って前記心棒の外へ流すために、注射器のプランジャを動かすステップをさらに含む、請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記電極および前記心棒にわたって電圧を印加するステップは、前記電極および前記心棒にわたって電圧の2つ以上のパルスを印加することを含み、前記2つ以上のパルスの各々は、2,000ミリ秒未満である、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
前記心棒は、ハンドピースに機械的に結合され、
前記方法は、
前記患者から前記心棒を取り外すステップと、
前記心棒から前記ハンドピースを切り離すステップと
をさらに含む、
請求項38に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2019年7月22日に出願された「MICRONEEDLE WITH NANOCHANNEL AND ASSOCIATED METHOD OF FABRICATION(ナノチャネルを有するマイクロニードルおよび関連製作方法)」という表題の仮特許出願第62/877060号、および2019年9月20日に出願された「TECHNOLOGIES FOR NEEDLES WITH MICROCHANNELS(マイクロチャネルを有するニードルのための技術)」という表題の仮特許出願第62/903,298号の利益を主張するものであり、これらの両方が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002]本開示は、概して、ナノテクノロジー、ならびにより詳細には、ナノチャネルおよびナノチャネルベースの送達方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]マイクロニードルアレイの使用は、生体組織にわたって、または生体組織内へ、治療薬を送達するための技術として提案されている。マイクロニードルは、生体組織のバリア機能を破壊し、バリア(例えば、組織の最も外側の細胞層)の下の細胞層内に治療薬を送達するように適合される。しかしながら、マイクロニードルのアスペクト比は、組織のより深い細胞層へ治療薬を送達する能力を著しく制限し得る。例えば、長いマイクロニードルほど、生体バリア(例えば、皮膚)に貫通して治療薬をより深い細胞層に送達するのを支援するためにより大きい直径を必要とし得るが、特定のしきい値よりも大きい直径を有するマイクロニードルは、バリア機能を不可逆的に破壊し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004]本出願は、特許を受けることができる主題を、単独で、または任意の組み合わせで含み得る、添付の特許請求の範囲に列挙される特徴および/または下記の特徴のうちの1つまたは複数を開示する。
【0005】
[0005]本開示の態様によると、標的レシピエントに薬剤を送達するための装置は、第1の表面および第2の表面を有する平面基板と、平面基板の第1の表面に画定されるリザーバと、平面基板の第2の表面から突出する複数の微細構造体とを含む。複数の微細構造体の各々は、リザーバから微細構造体の外面に画定されるチャネル開口部まで延びる送達チャネルを含む。リザーバは、送達チャネルを介して標的レシピエントへ送達されることになる薬剤を含有するように適合される。送達チャネルは、第1の直径を有する第1のチャネル、および第1の直径とは異なる第2の直径を有する第2のチャネルをさらに含む。
【0006】
[0006]本開示の別の態様によると、微細構造体アレイを製作するための方法は、第1の表面および第2の表面を有する略平面基板を形成するステップと、第2の表面から遠位先端へ斜めに突出する複数の微細構造体を形成するステップと、第1の表面に画定されるリザーバを形成するステップと、リザーバから、対応する微細構造体の外側に画定されるチャネル開口部まで延びる、微細構造体のうちの少なくとも1つにおける送達チャネルを形成するステップとを含む。様々な実施形態において、微細構造体を形成するステップは、半導体プロセス、3Dプリンティング、エンボス加工、射出成形、鋳造、光化学エッチング、電解加工、放電加工、精密スタンピング、高速コンピュータ数値制御フライス加工、スイスねじ加工、ソフトリソグラフィ、方向性の化学的に促進されたイオンエッチング、またはそれらの組み合わせを含み得る。
【0007】
[0007]本開示の別の態様によると、細胞の1つの層から細胞の別の層へ細胞外小胞を送達するための方法は、第1の表面および第2の表面を有する平面基板と、平面基板の第1の表面に画定されるリザーバと、平面基板の第2の表面から突出する複数の微細構造体とを有する微細構造体アレイを提供するステップを含む。複数の微細構造体の各々は、リザーバから微細構造体の外面に画定されるチャネル開口部まで延びる送達チャネルを含む。リザーバは、送達チャネルを介して標的レシピエントへ送達されることになる薬剤を含有するように適合される。
【0008】
[0008]本開示の別の態様によると、上に開示される装置を使用して薬剤を対象に投与するための方法は、本装置の微細構造体を対象の皮膚内に挿入し、薬剤がリザーバから微細構造体の送達チャネルを介して皮膚の角質層を通って輸送されるようにするステップを含む。
【0009】
[0009]本開示の1つの態様によると、装置は、近位端から遠位端まで延びる心棒を備え、心棒は、近位端から遠位端の方へ延びる心棒の内部の一次チャネルを画定し、一次チャネルは、近位端では開いており、遠位端では閉じており、心棒は、1つまたは複数のマイクロチャネルをさらに画定し、1つまたは複数のマイクロチャネルの各々は、心棒の壁を通って一次チャネルから延び、1つまたは複数のマイクロチャネルの各々は、1,000マイクロメートル未満の直径を有する。
【0010】
[0010]いくつかの実施形態において、1つまたは複数のマイクロチャネルは、複数のマイクロチャネルを備え、複数のマイクロチャネルの各々は、心棒の側壁を通って一次チャネルから延びる。
【0011】
[0011]いくつかの実施形態において、心棒は、シリコンである。
[0012]いくつかの実施形態において、心棒は、ステンレス鋼である。
[0013]いくつかの実施形態において、心棒は、プラスチックである。
【0012】
[0014]いくつかの実施形態において、1つまたは複数のマイクロチャネルの各々は、1~1,000マイクロメートルの直径を有する。
[0015]いくつかの実施形態において、一次チャネルは、10~1,000マイクロメートルの直径を有する。
【0013】
[0016]いくつかの実施形態において、一次チャネルは、少なくとも1ミリメートルの長さを有する。
[0017]いくつかの実施形態において、1つまたは複数のマイクロチャネルは、複数のマイクロチャネルを備え、複数のマイクロチャネルの各々は、心棒の側壁を通って一次チャネルから延びる。
【0014】
[0018]いくつかの実施形態において、心棒は、(i)一次チャネルの底壁および2つの側壁を画定する第1のシリコンウェハ、ならびに(ii)第1のシリコンウェハに接着される第2のシリコンウェハを備え、第2のシリコンウェハは、一次チャネルの上壁を画定する。
【0015】
[0019]いくつかの実施形態において、心棒は、窒化チタンに被覆される。
[0020]いくつかの実施形態において、本装置は、複数の心棒をさらに含み得、複数の心棒の各々は、導電性である外面を有し、複数の心棒の各々は、複数の心棒の互いと電気的に結合され、複数の心棒の各々は、近位端から遠位端まで延び、複数の心棒の各々は、近位端から遠位端の方へ延びる、対応する心棒の内部の一次チャネルを画定し、一次チャネルは、近位端では開いており、遠位端では閉じており、複数の心棒の各々は、1つまたは複数のマイクロチャネルをさらに画定し、1つまたは複数のマイクロチャネルの各々は、対応する心棒の壁を通って一次チャネルから延び、1つまたは複数のマイクロチャネルの各々は、1,000マイクロメートル未満の直径を有する。
【0016】
[0021]いくつかの実施形態において、本装置は、複数の電極をさらに含み得、複数の電極の各々は、複数の電極の互いと電気的に結合され、複数の電極は、複数の心棒と複数の電極との間に電圧が印加されるときに、電場が複数の心棒の各々の軸に垂直に作られるように、複数の心棒に隣接して配置される。
【0017】
[0022]いくつかの実施形態において、本装置は、心棒から電気的に絶縁される電極をさらに含み得、電極は、心棒と電極との間に電圧が印加されるときに、電場が心棒の軸に垂直に作られるように、心棒に隣接して配置される。
【0018】
[0023]いくつかの実施形態において、本装置は、一次チャネルに配置される薬物をさらに含み得る。
[0024]いくつかの実施形態において、本装置は、注射器をさらに含み得、注射器は、一次チャネルに対して流体的にある。
【0019】
[0025]いくつかの実施形態において、本装置は、心棒に取り外し可能に機械的に結合されるハンドピースをさらに含み得る。
【0020】
[0026]本開示の1つの態様によると、装置を製造する方法は、フォトリソグラフィの使用により第1のシリコンウェハ内に一次チャネルを作成するステップであり、一次チャネルは、少なくとも10マイクロメートルの深さおよび少なくとも5ミリメートルの長さを有する、ステップと、一次チャネルの作成後、第2のシリコンウェハを第1のシリコンウェハに接着するステップと、1つまたは複数のマイクロチャネルを作成するために第2のシリコンウェハをエッチングするステップであり、1つまたは複数のマイクロチャネルの各々は、第2のシリコンウェハを通って一次チャネルから延び、1つまたは複数のマイクロチャネルの各々は、1,000マイクロメートル未満の直径を有する、ステップとを含む。
【0021】
[0027]いくつかの実施形態において、第2のシリコンウェハをエッチングするステップは、ディープ反応性イオンエッチングにより第2のシリコンウェハをエッチングすることを含む。
【0022】
[0028]いくつかの実施形態において、本方法は、第1のシリコンウェハまたは第2のシリコンウェハの少なくとも1つの表面に窒化チタンのコーティングを堆積させるステップをさらに含み得る。
【0023】
[0029]本開示の1つの態様によると、薬物を送達する方法は、患者内に心棒を挿入するステップであり、心棒は、近位端から遠位端まで延び、心棒は、近位端から遠位端の方へ延びる心棒の内部の一次チャネルを画定し、一次チャネルは、近位端では開いており、遠位端では閉じており、心棒は、1つまたは複数のマイクロチャネルをさらに画定し、1つまたは複数のマイクロチャネルの各々は、心棒の壁を通って一次チャネルから延び、1つまたは複数のマイクロチャネルの各々は、1,000マイクロメートル未満の直径を有する、ステップと、心棒に隣接した患者内に電極を挿入するステップと、心棒と電極との間に配置される少なくともいくつかの細胞内にナノ細孔を作成するために、電極および心棒にわたって電圧を印加するステップとを含む。
【0024】
[0030]いくつかの実施形態において、心棒は、少なくとも1ミリメートルの長さを有する。
[0031]いくつかの実施形態において、本方法は、薬物を一次チャネルから1つまたは複数のマイクロチャネルを通って心棒の外へ流すために、注射器のプランジャを動かすステップをさらに含み得る。
【0025】
[0032]いくつかの実施形態において、電極および心棒にわたって電圧を印加するステップは、電極および心棒にわたって電圧の2つ以上のパルスを印加することを含み、2つ以上のパルスの各々は、2,000ミリ秒未満である。
【0026】
[0033]いくつかの実施形態において、心棒は、ハンドピースに機械的に結合され、本方法は、患者から心棒を取り外すステップと、心棒からハンドピースを切り離すステップと、をさらに含む。
[0034]詳細な説明は、特に、以下の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】標的細胞層に薬剤を送達するための複数の微細構造体を有する微細構造体アレイの1つの実施形態を示す概略図である。
図2A】尖っていない先端を有する複数の微細構造体を有する微細構造体アレイの1つの実施形態を示す概略図である。
図2B】尖った先端を有する複数の微細構造体を有する微細構造体アレイの1つの実施形態を示す概略図である。
図3-1】図3A-3Cは、リソグラフィおよびエッチング技術などの半導体プロセスを使用して図2Aの微細構造体アレイを製作する方法を例示する概略図である。
図3-2】図3D-3Gは、リソグラフィおよびエッチング技術などの半導体プロセスを使用して図2Aの微細構造体アレイを製作する方法を例示する概略図である。
図4-1】図4A-4Cは、リソグラフィおよびエッチング技術などの半導体プロセスを使用して図2Bの微細構造体アレイを製作する方法を例示する概略図である。
図4-2】図4D-4Gは、リソグラフィおよびエッチング技術などの半導体プロセスを使用して図2Bの微細構造体アレイを製作する方法を例示する概略図である。
図4-3】図4H-4Kリソグラフィおよびエッチング技術などの半導体プロセスを使用して図2Bの微細構造体アレイを製作する方法を例示する概略図である。ロセスを使用して図2Bの微細構造体アレイを製作する方法を例示する概略図である。
図5】マイクロチャネルを有するニードルの1つの実施形態の上から見た図である。
図6図5のニードルの側面図である。
図7A図3Aは、図5のニードルの一実施形態の断面図である。
図7B図3Bは、図5のニードルの一実施形態の断面図である。
図7C図3Cは、図5のニードルの一実施形態の断面図である。
図7D図3Dは、図5のニードルの一実施形態の断面図である。
図7E図3Eは、図5のニードルの一実施形態の断面図である。
図7F図3Fは、図5のニードルの一実施形態の断面図である。
図7G図3Gは、図5のニードルの一実施形態の断面図である。
図8図5のニードルの断面図である。
図9A図9Aは、図6のニードルの一実施形態の断面図である。
図9B図5Bは、図6のニードルの一実施形態の断面図である。
図10】マイクロチャネルを有するニードルのアレイの一実施形態を示す図である。
図11A】電極のアレイの隣のマイクロチャネルを有するニードルのアレイの一実施形態を示す図である。
図11B】電極のアレイの隣のマイクロチャネルを有するニードルのアレイの一実施形態を示す図である。
図11C】電極のアレイの隣のマイクロチャネルを有するニードルのアレイの一実施形態を示す図である。
図12】マイクロチャネルを有するニードルを作成するために使用可能なウェハの一実施形態を示す図である。
図13】ニードル内にチャネルがエッチングされている、マイクロチャネルを有するニードルを作成するために使用可能なウェハの一実施形態を示す図である。
図14図13のウェハに接着されることになる第2のウェハの一実施形態を示す図である。
図15】チャネルを形成する、別のウェハの上に接着されたウェハの一実施形態を示す図である。
図16】ウェハ内にマイクロチャネルが形成されている、図15のウェハの一実施形態を示す図である。
図17】ニードルを画定するフォトレジストを伴う、図16のウェハの一実施形態を示す図である。
図18図17のウェハから形成されるマイクロチャネルを有するニードルの一実施形態を示す図である。
図19】マイクロチャネルを有する1つまたは複数のニードルを有するローラシステムの一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
[0055]本出願全体を通して使用される用語は、当業者にとって通常および典型の意味で解釈されるものとする。しかしながら、出願人は、以下の用語が、以下に定義されるような特定の定義を与えられることを望む。
【0029】
[0056]本明細書および請求項で使用される場合、単数形「a(1つの)」、「an(1つの)」、および「the(その)」は、文脈が別途明白に述べない限り、複数への言及を含む。例えば、用語「a cell(細胞)」は、その混合物を含め、複数の細胞を含む。
【0030】
[0057]用語「約」および「およそ」は、当業者により理解されるような「~の近く」であると定義される。1つの非限定的な実施形態において、この用語は、10%以内であると定義される。別の非限定的な実施形態において、この用語は、5%以内であると定義される。さらに別の非限定的な実施形態において、この用語は、1%以内であると定義される。
【0031】
[0058]本明細書で使用される場合、用語「備える」は、組成物および方法が、列挙された要素を含むが、他を除外しないことを意味することが意図される。「から本質的になる」は、組成物および方法を規定するために使用されるとき、その組み合わせに対する任意の本質的な意義の他の要素を除外することを意味するものとする。故に、本明細書に規定されるような要素から本質的になる組成物は、単離および精製方法からの微量汚染物質、ならびにリン酸緩衝生理食塩水、防腐剤、および同様のものなど、薬学的に受容可能なキャリアを除外しない。「からなる」は、他の成分の微量要素、および本発明の組成物を投与するための実質的な方法ステップより多くを除外することを意味するものとする。これらの移行用語によって規定される実施形態は、本発明の範囲内である。
【0032】
[0059]「有効量」は、有益なまたは所望の結果をもたらすのに十分な量である。有効量は、1つまたは複数の投与、施用、または用量で投与され得る。用語「キャリア」または「薬学的に受容可能なキャリア」は、一般的に安全かつ非毒性である医薬または治療組成物を調製することに有用であるキャリアまたは賦形剤を意味し、動物および/またはヒト医薬または治療用途に受容可能であるキャリアを含む。本明細書で使用される場合、用語「キャリア」または「薬学的に受容可能なキャリア」は、リン酸緩衝生理食塩水溶液、水、乳濁液(油/水または水/油乳濁液)および/または様々なタイプの湿潤剤を包含する、含み得る。本明細書で使用される場合、用語「キャリア」は、任意の賦形剤、希釈剤、充填剤、塩、緩衝材、安定剤、可溶化剤、脂質、安定剤、または医薬製剤における使用のための当該技術分野においてよく知られている、および以下にさらに説明されるような他の物質を包含する。
【0033】
[0060]範囲は、「約」1つの特定の値から、および/または「約」別の特定の値までとして、本明細書内で表現され得る。そのような範囲が表現されるとき、別の実施形態は、1つの特定の値から、および/または他の特定の値まで、を含む。同様に、先行する「約」の使用により値が近似として表現されるとき、その特定の値が別の実施形態を形成するということを理解されたい。範囲の各々の終点は、他の終点に関連して、および他の終点とは独立して、有意であるということをさらに理解されたい。本明細書に開示されるいくつかの値が存在し、その各値は、その値自体に加えて、「約」その特定の値としても本明細書内に開示されるということも理解されたい。例えば、値「10」が開示される場合、「約10」も開示される。
【0034】
[0061]用語「治療上の有効量」または「治療上の有効用量」は、研究者、獣医、医師、または他の臨床医によって一般化された時間期間にわたって求められている、組織、系、動物、またはヒトの生体反応または医学的反応を引き出す、グルコース結合構造に結合するグルコース修飾インスリンなどの組成物の量を指す。場合によっては、所望の生体反応または医学的反応は、数日、数週、または数年という期間にわたる対象への複数用量の組成物の投与を受けて達成される。
【0035】
[0062]用語「対象」または「レシピエント」は、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、ネズミ、および同様のものを含むが、これらに限定されない、哺乳動物などの動物を含むことが本明細書において規定される。いくつかの実施形態において、対象は、ヒトである。
【0036】
[0063]用語「治療する(treat)」、「治療すること(treating)」、「治療(treatment)」、およびそれらの文法的変異形は、本明細書で使用される場合、病気もしくは病態の1つもしくは複数の付随する症状の強度を部分的もしくは完全に、遅らせること、緩和すること、軽減すること、もしくは低減すること、および/または病気もしくは病態の1つまたは複数の原因を緩和すること、軽減すること、もしくは妨げることを含む。本発明に従う治療は、防御的に、予防的に、緩和的に、または治療上、適用され得る。
【0037】
[0064]本開示の概念は、様々な修正および代替の形態の影響を受けやすいが、それらの特定の例示的な実施形態が、例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明されるものとする。しかしながら、本開示の概念を開示される特定の形態に限定する意図はなく、逆に、本発明は、添付の特許請求の範囲によって規定されるような本発明の趣旨および範囲内に入るすべての修正、等価物、および代替物を網羅することになるということを理解されたい。
【0038】
[0065]本明細書に開示される微細構造体アレイおよびこれを使用する方法は、生体バリア(例えば、細胞膜)内に、またはこれにわたって、薬剤を輸送することに有用である。本明細書に開示される微細構造体アレイは、組織内の細胞の特定の層に薬剤を送達する能力を有する。以下に詳細に説明されるように、微細構造体アレイは、バリア(例えば、生体バリア層)に貫通するように構成される複数の微細構造体を含む。各微細構造体は、微細構造体を囲む環境(例えば、組織内の細胞の特定の層)に到達するために1つまたは複数のチャネルを介して薬剤を送達するように適合される1つまたは複数の送達チャネルを含む。いくつかの実施形態において、微細構造体アレイの1つまたは複数の微細構造体は、薬剤が組織内の細胞の複数の層に同時に(または連続して)送達されることを可能にするために複数の送達チャネルを含み得る。そのような実施形態において、1つまたは複数の微細構造体は、微細構造体内での送達チャネルの異なる高さを可能にする角度の付いた微細構造体から出る複数の送達チャネルを有し得る。微細構造体が組織に貫通するとき、送達チャネルは、細胞の異なる層内に位置付けられ、したがって組織内の異なる層またはレベルで薬剤を送達することができる。微細構造体アレイは、皮膚(またはその部分)上で、血液脳関門、粘膜組織(例えば、口腔、鼻、眼、膣、尿道、胃腸、呼吸器官)、血管、リンパ管、細胞膜(例えば、細胞(複数可)の内側への材料の導入のため)、または他の生体バリアにわたって使用され得るということを理解されたい。生体バリアは、ヒトまたは他のタイプの動物、ならびに植物、昆虫、または、細菌、酵母、菌、および胚を含む他の有機体の中にあり得る。追加的に、微細構造体アレイは、カテーテルまたは腹腔鏡の助けを借りて内部的に組織へ適用され得る。内部組織への薬物送達などの特定の用途では、微細構造体アレイを有するデバイスは、外科的に埋め込まれ得る。
【0039】
[0066]図1に示されるように、対象への薬物の輸送のための微細構造体アレイ100は、上面112および上面112の反対の底面114を有する平坦基材110、ならびに平坦基材110の底面114から外向きに突出する複数の微細構造体120を含む。使用中、微細構造体アレイ100は、平坦基材110の底面114が対象の方を向くように、対象に対して位置付けられる。続いて、底面114側の複数の微細構造体120は、対象のバリアに貫通するため、またはこれに穴を開けるために使用される。対象に標的薬剤を送達するため、各微細構造体120は、本体126、リザーバ122、および本体126内で画定される1つまたは複数の送達チャネル124を含む。具体的には、図2Aおよび図2Bに示されるように、リザーバ122は、平坦基材102の上面112から内向きに延び、対象に送達されることになる標的薬剤を保持するように構成される。送達チャネル124は、平坦基材102の底面114から先端128まで延びる細長の本体126内で画定される。送達チャネル124は、リザーバ122内に置かれた標的薬剤がチャネル開口部130において微細構造体120を囲む環境へ送達されることを可能にするために、リザーバ122とチャネル開口部130との間の導管として作用するように適合される。
【0040】
[0067]微細構造体アレイ100は、異なる先端128を有する微細構造体120を含み得るということを理解されたい。細構造体アレイ100を製作する方法は、微細構造体120が有する先端128のタイプに応じて異なるということを理解されたい。微細構造体アレイ100を製作する例示的な方法は、図3および図4に説明される。
【0041】
[0068]例えば、図2Aに示されるように、微細構造体アレイ100は、尖っていない(blunt)先端128Aを有する微細構造体120Aを含み得る。そのような実施形態において、微細構造体120Aは、リザーバ122、およびリザーバ122の中心から尖っていない先端128Aの中心に位置付けられたチャネル開口部130Aまで延びる送達チャネル124Aを有する。微細構造体120Aを有する微細構造体アレイ100を製作する方法は、図3にさらに説明される。しかしながら、いくつかの実施形態において、チャネル開口部130Aは、尖っていない先端128Aの中心を外れて位置付けられ得るということを理解されたい。代替的に、図2Bに示されるように、微細構造体アレイ100は、尖った先端128Bを有し得る微細構造体120Bを含み得る。そのような実施形態において、微細構造体120Bは、リザーバ122、およびリザーバ122の中心を外れたところから、尖った先端128Bの傾斜した側に位置付けられたチャネル開口部130Bまで延びる送達チャネル124Bを有する。
【0042】
[0069]微細構造体120Bを有する微細構造体アレイ100を製作する方法は、図4にさらに説明される。しかしながら、いくつかの実施形態において、チャネル開口部130Bは、尖った先端128Bの中心に位置付けられ得るということを理解されたい。代替的に、他の実施形態において、微細構造体アレイ100は、微細構造体120A、120Bの両方のタイプを含み得る。
【0043】
[0070]以下にさらに説明されるように、各微細構造体120は、微細構造体アレイ100が、バリア機能を不可逆的に破壊することなく、送達チャネル124を介して、リザーバ122から生体バリア内に、またはこれにわたって、より深い細胞層へと標的薬剤を輸送するのを可能にする特定のアスペクト比を有し得る。本明細書で使用される場合、アスペクト比は、底面114から先端128A、128Bまでの距離を本体126の幅で割ったものと定義される。例示的な実施形態において、微細構造体120は、150μmよりも長い高さを有し、3超のアスペクト比を有する。いくつかの実施形態において、各微細構造体120は、高さがおよそ200~1000μmであり、直径50~5000nmである送達チャネル124を有する。
【0044】
[0071]加えて、送達チャネル124は、リザーバ122の直径D2よりも小さい直径D1を有する。例えば、送達チャネル124の直径D1は、約5000nm未満であり、リザーバ122の直径D2は、約25μmである。例示的な実施形態において、微細構造体120は、円筒形状の本体を有する。しかしながら、いくつかの実施形態において、細長の本体126は、リッジ、ヘリングボーンパターン、波形パターン、錐体、ピラミッド状、またはそれらの組み合わせなど、任意の形状にあり得るということを理解されたい。いくつかの実施形態において、微細構造体120は、複数の送達チャネル124を含み得るということを理解されたい。そのような実施形態において、複数の送達チャネル124は、薬剤が組織内の細胞の標的層に同時にまたは連続して送達されることを可能にするために同じ高さを有し得る。代替的に、他の実施形態において、微細構造体の複数の送達チャネル124は、細胞の異なる層内に位置付けられることになる異なる高さを有し得、したがって組織内の異なる層またはレベルに薬剤を送達し得る。
【0045】
[0072]いくつかの実施形態において、送達チャネル124は、接合点で接続される第1のチャネルおよび第2のチャネルによって画定され得る。具体的には、第1のチャネルは、チャネル開口部から接合点の方へ延び、第2のチャネルは、接合点からリザーバ122の方へ延び、その結果として、第1および第2のチャネルは、リザーバ122と流体連通状態にある。以下にさらに論じられるように、第1のチャネルは、第2のチャネルの内径よりも小さい内径を有する。例えば、例示的な実施形態において、第1のチャネルの内径は、約5000nm未満であり、第2のチャネルの内径は、約5~20μmである。
【0046】
[0073]例示的な実施形態において、リザーバ122は、平坦基材102と一体化され、単一の微細構造体120に供給するようにサイズ決定される。しかしながら、いくつかの実施形態において、リザーバ122は、2つ以上の微細構造体120に供給するようにサイズ決定され得る。例えば、そのような実施形態において、微細構造体アレイ100は、微細構造体アレイ100の複数の微細構造体120に供給するために単一の大きいリザーバを含み得る。いくつかの実施形態において、リザーバ122は、別個に製作されて、平坦基材102と界面を有し得るということを理解されたい。1つの実施形態において、リザーバ122は、多孔質材料を含み得、投与されることになる薬剤は、多孔質材料の孔に格納される。別の実施形態において、リザーバは封止される。この実施形態の1つの変異形において、微細構造体アレイは、平面基板の第1の表面から延びる少なくとも1つの穿孔用とげをさらに含み、この穿孔用とげは、封止されたリザーバに穴を開けるために使用され得る。
【0047】
[0074]リザーバ122は、放出機序により微細構造体120の送達チャネル124を通じて標的細胞層に送達されることになる任意の薬剤を含有するように適合される。バリア層にわたって送達されることになる薬剤は、ペプチド、タンパク質、炭水化物、核酸分子、脂質、有機分子、生物学的に活性な無機分子、およびそれらの組み合わせを含む群から選択され得る。例えば、広範の薬物が、微細構造体アレイ100を用いた送達のために処方され得る。
【0048】
[0075]本明細書で使用される場合、用語「薬物」または「製剤」は、任意の予防用、治療用、診断用、もしくはセラノスティックな薬剤、または、医薬賦形剤、ならびにタトゥー、化粧、および同様のもののための物質を含む、生体組織への導入に好適であり得る他の物質を指すために広く使用される。薬物は、生物活性を有する薬剤であり得る。製剤は、液体溶液、ゲル、固体粒子(例えば、マイクロ粒子、ナノ粒子)、またはそれらの組み合わせなど、様々な形態を含み得る。薬物は、小分子、大(すなわち、マクロ)分子、またはそれらの組み合わせを含み得る。代表的な、非限定的ではない実施形態において、薬物は、アミノ酸、ワクチン、抗ウイルス剤、遺伝子送達ベクタ、インターロイキン阻害剤、免疫調節薬、ニューロトロフィック因子、神経保護剤、抗腫瘍薬、化学療法剤、多糖類、抗凝血剤、抗生剤、鎮痛剤、麻酔剤、抗ヒスタミン剤、抗炎症剤、およびウイルスの中から選択され得る。薬物は、自然発生し得る、合成され得る、または組換え生成され得る、好適なタンパク質、ペプチド、およびそれらの断片から選択され得る。1つの実施形態において、製剤は、インスリンを含む。製剤は、pH調製剤、粘度調整剤、および希釈剤を含む、1つまたは複数の薬学的に受容可能な賦形剤をさらに含み得る。
【0049】
[0076]いくつかの実施形態において、薬剤は、電気的刺激剤であり得る。パルス電場は、再生医療などの多くの用途を有する。そのような実施形態において、微細構造体アレイ100は、組織厚にわたって異なるレベルでパルス電場を送達するために使用され得る。いくつかの実施形態において、リザーバ122は、標的レシピエントに輸送されることになる薬剤を生成するための手段を含み得る。例えば、リザーバ122は、レシピエントに投与または送達されることになる薬剤を生成することができる細胞を含有し得る。細胞は、ヒト細胞などの哺乳動物細胞であり得るか、または任意の他の源からの細胞であり得る。例えば、細胞は、膵β細胞、または幹細胞分化型ヒト膵臓細胞であり得る。
【0050】
[0077]放出機序は、電場、磁場、電磁場、圧力場、超音波エネルギー、張力、拡散注入、浸透、濃度勾配、真空、圧力、機械力もしくは剪断力、熱、化学反応、またはそれらの組み合わせに関与し得る。例えば、使用中、微細構造体アレイ100は、生体バリア層上に置かれ得、これにより、微細構造体120の先端128がバリア層に貫通し、リザーバ122内に受容された薬剤を、送達チャネル124を介して微細構造体120のチャネル開口部130を囲む環境(例えば、細胞内空間)に送達することを可能にする。それを行うため、ポレーション用電場が、生体バリア層(例えば、細胞膜)を破壊し、または変形させ、これにより薬剤が細胞内へ移行されることを可能にするために、微細構造体アレイ100にわたって印加され得る。移行に必要とされる電場の強度は、標的組織または系に依存し得る。他方で、薬剤は、チャネル開口部130の外側の環境から送達チャネル124を通じて引き込まれ、帰還通信のためにリザーバ122に堆積され得る。
【0051】
[0078]例示的な実施形態において、微細構造体アレイ100は、第1および第2の電極をさらに含んで、送達チャネル124の両側に位置付けられた電極間に電場を作り薬剤の送達を促進する。具体的には、第1の電極は、リザーバ122と接触状態にあり、第2の電極は、微細構造体120の遠位先端128に位置付けられ、その結果として、電場は、2つの電極間の組織にわたって生成される。電圧、周波数、および他の電場パラメータは、電極間の距離に基づいて選択され得る。
【0052】
[0079]電極構造体は、導電性パッドに接続される同心バンドとして形成され得る。各バンドおよびバンド付きのセグメントは、一緒にエレクトロポレーション電源に配線され得るか、または別個にエレクトロポレーション電源に配線され得、様々な幾何学的および時間パターンおよび配置で通電され得る。さらには、異なるバンドおよびバンドセグメントは、第1の電極構造体に対して異なる電位(電圧)に維持され得る。薬剤は、それが、ある領域において外向きに組織に浸透するように、遠位先端128においてチャネル開口部130を通じて送達され得る。この領域は、第1の電極構造体と第2の電極構造体との間に生成されている電場と一致し得る。電場が細胞透過性を促進し得、以て、細胞への所望の薬剤の送達を促進する、ということを理解されたい。
【0053】
[0080]エレクトロポレーションが可能な微細構造体アレイは、エレクトロポレーション電流を所望の電圧および周波数で電極構造体に送達するように適合され、典型的には、エレクトロポレーション電流を0.1V~30kVの範囲内の電圧で電極に送達するように選択される、交流(AC)電源を含み得る。いくつかの場合において、電圧は、約50~500V未満である。特定の電圧は、第1の電極構造体と第2の電極構造体との間の間隔に少なくとも部分的に依存する。周波数は、典型的には、10Hz~107Hz、通常、104Hz~106Hzの範囲にある。電流は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20ミリ秒ごとまたはそれ以上などのパルス間隔で印加され得、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20個以上のパルスなど、任意の量のパルスが、所与の間隔で印加され得る。この間隔は、所望の結果が達成されるまで繰り返され得る。
【0054】
[0081]リザーバ122は、生理信号に基づいて生体バリアにわたって輸送されることになる薬剤の体積または量を変更するために帰還構成要素を含み得るということを理解されたい。それを行うため、帰還構成要素は、信号の検出または不在に基づいて標的レシピエントに薬剤を放出するように放出機序を制御するように適合されるスイッチを含み得る。例えば、薬剤は、信号が検出されるまでリザーバ122に含有され得る(すなわち、送達チャネル124内に放出されない)。信号の検出時に、薬剤は、標的レシピエントに放出される。例えば、帰還構成要素は、対象における病原体の存在を検出し得、病原体が検出されるとき、帰還構成要素は、リザーバからの薬剤の放出を可能にする。代替的に、信号の検出は、反対の効果を有し得る。そのような例において、リザーバは、信号が検出されない限り、標的レシピエントへの薬剤の送達を履行せず、これは、リザーバ122が、レシピエントへの送達のために薬剤を放出しないということを引き起こす。
【0055】
[0082]いくつかの実施形態において、帰還構成要素は、生理信号(例えば、pHまたは温度)における変化を検出し得る。例えば、帰還構成要素は、生理信号が既定の量だけ変化した、または既定の数値に到達したという結果に応答して、薬剤を放出するかどうかを決定し得るか、または標的レシピエントに放出もしくは投与されることになる薬剤の体積もしくは量を変化させ得る。追加的または代替的に、帰還構成要素はまた、検出される信号の量に基づいて、放出されることになる薬剤の量または体積を調節し得る。例えば、検出される信号の量が大きいほど、より大きい量の薬剤が放出されるという結果をもたらし得、または逆に、検出される信号の量が大きいほど、より小さい量の薬剤が放出されるという結果をもたらし得る。検出された生理信号は、微細構造体アレイが適用されている標的レシピエントにおける物質の存在を示し得る。生理信号は、レシピエント内で自然に発生し得るか、または非内因性もしくは外来物質によってトリガされ得る。例えば、生理信号は、限定されるものではないが、グルコース、コレステロール、ビリルビン、クレアチン、代謝酵素、ヘモグロビン、ヘパリン、凝固因子、尿酸、がん胎児性抗原または他の腫瘍抗原、生殖ホルモン、酸素、アルコール、タバコ代謝産物、および違法薬物などの、標的レシピエント内に存在する物質の量を示し得る。
【0056】
[0083]いくつかの実施形態において、リザーバ122は、標的レシピエントとの流体の交換を可能にするために半透過性であり得る。そしてこれは、帰還構成要素が標的レシピエントと流体連通状態にあること、および以て、レシピエントの生理信号における変化を検出することを可能にする。例えば、リザーバ122は、レシピエントからの生理信号における変化に対して感受性がある細胞を含有し得る。レシピエントにおけるそのような生理学的変化は、帰還構成要素に関して上に説明されるように、薬剤を放出するように、または薬剤を放出するのを止めるように、細胞を刺激することができる。1つの例において、半透過性リザーバは、アルギン酸ミクロゲルで作製され得る。
【0057】
[0084]例示的な実施形態において、標的レシピエントに送達されることになるリザーバ内の薬剤は、治療用、予防用、診断用、または療法用の物質であり得る。追加的に、2つ以上の薬剤が、一度に送達され得る。追加的または代替的に、異なる薬剤が、連続して、または同時に、異なるチャネルを通じて一度に送達され得る。複数の送達チャネル124が細胞の異なる層に到達する実施形態において、異なる薬剤は、本明細書に開示される微細構造体アレイを使用して組織内の細胞の異なる層に同時に投与され得ることを理解されたい。具体的には、第1の薬剤は、第1の送達経路を介して細胞の第1の層へ送達され得、第2の薬剤は、第2の送達経路を介して細胞の第2の層へ送達され得る。
【0058】
[0085]これより図3を参照すると、フォトリソグラフィックおよびエッチング技術などの半導体製造技術を使用して、尖っていない先端128Aを有する複数の微細構造体120Aを有する微細構造体アレイ100を作成するための方法が示される。本方法は、ウェハ140上にリザーバ122を作成することにより開始する。例示的な実施形態において、ウェハ140は、300μmよりも大きい高さD7を有し、シリコンで作製され、酸化物層150は、二酸化ケイ素または他の酸化物で作製される。しかしながら、いくつかの実施形態において、ウェハ140は、ガラス、炭化ケイ素、プラスチック、ポリマー、および金属などの他の物質で作製され得ることを理解されたい。
【0059】
[0086]図3Aに例示されるように、酸化物層150は、酸化プロセスを使用してウェハ140の第1の表面142に堆積される。酸化プロセスは、化学蒸着または高温での湿式酸化を含み得る。化学蒸着は、費用効率が高いことから好ましい方法であり、高温(1,000℃超)を必要としかつ低成長率を有する湿式酸化と比較して、低温で実施され得、高蒸着速度を有する。次いで、フォトレジスト材料152が、図3Bに例示されるように、スピンコーティングによって酸化物層150の上に堆積され、フォトマスク(示されない)を用いて光学リソグラフィ器具内でUV光によって露光されて、フォトレジスト材料層152内にパターン(例えば、穴のアレイ)154を画定する。例示的な実施形態において、フォトレジスト層152に画定された各穴154は、約10~30μmの直径D3を有し、酸化物層150を通ってエッチングするためのマスクとして使用される。例えば、プラズマエッチング(例えば、プラズマガスを含有するフッ素を使用)は、微細構造体アレイ100のリザーバ122を作成するために使用されることになるマスクを生成するように実施され得る。マスクが作成されると、残りのフォトレジスト材料152は除去される。続いて、図3Cに例示されるように、ウェハ140は、ウェハ140内に中空チャネル(すなわち、リザーバ122)を作成するために、酸化物層150内の穴パターン154のアレイを使用してエッチングされ、酸化物層150は除去される。例示的な実施形態において、各リザーバ122は、約10~30μmの初期直径D3を有する。しかしながら、図3Gにおいて以下にさらに説明されるように、中空リザーバ122の直径は、さらに調節され得る。
【0060】
[0087]続いて、送達チャネル124が、微細構造体アレイ100を作成するためにウェハ140内に形成される。それを行うため、図3Dに例示されるように、酸化物層156が、酸化プロセス(例えば、化学蒸着または高温での湿式酸化)を使用して、ウェハ140の第2の表面144に堆積される。次いで、フォトレジスト材料158が、スピンコーティングによって酸化物層156に堆積され、フォトマスク(示されない)を用いて光学リソグラフィ器具内でUV光によって露光されて、各リザーバ122と整列するフォトレジスト層158内にディスク形状を画定する。例示的な実施形態において、各ディスク形状のフォトレジスト層(示されない)は、約50μmの直径D4を有するものであり、約50μmの直径D4を有するディスク形状の酸化物層160を生成するために酸化物層156を通ってエッチングするためのマスクとして使用される。続いて、図3Eおよび図3Fに例示されるように、同様のリソグラフィパターニングおよびエッチングプロセスが、各ディスク形状の酸化物層160の中心に狭いチャネル162を作成するために繰り返される。例示的な実施形態において、酸化物層162内の穴は、約0.05μm~5μmの直径D5を有し、各微細構造体120の送達チャネル124を画定するために使用される。
【0061】
[0088]次いで、各ディスク形状の酸化物層160は、送達チャネル138を有する尖っていないマイクロニードル先端128Aの外形を形成するように、ウェハ140を通ってエッチングするために使用される。送達チャネル124は、図3Fに例示されるように、尖っていないマイクロニードル先端128Aにおける開口部130Aから、微細構造体120Aの中心を通ってリザーバ122まで延びる。例えば、エッチングプロセスは、ウェハ140を通る中空チャネル124を掘削するために高度異方性ディープ反応性イオンエッチング(DRIE)を使用して実施される。いくつかの実施形態において、送達チャネル138は、微細構造体120の中心を外れて位置付けられ得るということを理解されたい。
【0062】
[0089]続いて、ディスク形状の酸化物層160は除去され、ウェハ140は清浄される。例示的な実施形態において、結果として生じる微細構造体120Aは、約2~10μmの初期直径を有する送達チャネル130Aを有し、150μmより大きい長さD6を有する。極端に高いアスペクト比で狭い送達チャネルをエッチングすることは、従来のドライエッチング技術では困難である。代わりに、いくつかの実施形態において、中空チャネルは、図3Gに例示されるように、より大きい内径でエッチングされ、次いで内径は、酸化物、シリコン、または窒化物膜を表面に堆積することによって、標的サイズへと縮小される。それらの材料は、構造化された表面をコンフォーマルに被覆することができる化学蒸着または原子層堆積技術によって堆積され得、以て、送達チャネルの直径を縮小するが、マイクロニードルの外寸を増加させる。例示的な実施形態において、送達チャネル138の標的直径は、0.05~5μmである。リザーバの直径は、およそ10~30μmである。
【0063】
[0090]これより図4を参照すると、フォトリソグラフィックおよびエッチング技術を使用して、鋭い先端128Bを有する微細構造体120Bを有する微細構造体アレイ100を作成するための方法が示される。本方法は、ウェハ140上にリザーバ122を作成することにより開始する。例示的な実施形態において、ウェハ140は、300μmより大きい高さD7を有し、シリコンで作製され、酸化物層150は、二酸化ケイ素または他の酸化物で作製される。しかしながら、いくつかの実施形態において、ウェハ140は、ガラス、炭化ケイ素、プラスチック、ポリマー、および金属などの他の物質で作製され得ることを理解されたい。
【0064】
[0091]図4Aに例示されるように、酸化物層150は、酸化プロセスを使用してウェハ140の第1の表面142に堆積される。酸化プロセスは、化学蒸着または高温での湿式酸化を含み得る。化学蒸着は好ましい方法である。次いで、フォトレジスト材料152が、図4Bに例示されるように、スピンコーティングによって酸化物層150の上に堆積され、フォトマスク(示されない)を用いて光学リソグラフィ器具内でUV光によって露光されて、フォトレジスト材料層152内にパターン(すなわち、穴のアレイ)154を画定する。例示的な実施形態において、フォトレジスト層152に画定された各穴154は、約10~30μmの直径D3を有し、酸化物層150を通ってエッチングするためのマスクとして使用される。例えば、プラズマエッチング(例えば、プラズマガスを含有するフッ素を使用)は、微細構造体アレイ100のリザーバ122を作成するために使用されることになるマスクを生成するように実施され得る。マスクが作成されると、残りのフォトレジスト材料152は除去される。続いて、図4Cに例示されるように、ウェハ140は、ウェハ140内に中空チャネル(すなわち、リザーバ122)を作成するために、酸化物層150内の穴パターン154のアレイを使用してエッチングされ、酸化物層150は除去される。例示的な実施形態において、各リザーバ122は、約10~30μmの初期直径D3を有する。しかしながら、図4Kにおいて以下にさらに説明されるように、中空リザーバ122の直径は、さらに調節され得る。
【0065】
[0092]続いて、送達チャネル124が、微細構造体アレイ100を作成するためにウェハ140内に形成される。それを行うため、図4Dに例示されるように、酸化物層170が、化学蒸着(例えば、化学蒸着または高温での湿式酸化)を使用して、ウェハ140の第2の表面144に堆積される。次いで、フォトレジスト材料172が、図4Eに例示されるように、スピンコーティングによって酸化物層170に堆積され、フォトマスク(示されない)を用いて光学リソグラフィ器具内でUV光によって露光されて、各リザーバ122と整列するフォトレジスト層内にディスク形状を画定する。例示的な実施形態において、各ディスク形状のフォトレジスト層は、約50μmの直径を有するものであり、ディスク形状を有しかつ約50μmの直径D8を有する酸化物ディスク174を生成するために、酸化層170を通ってエッチングするためのマスクとして使用される。続いて、図4Fに例示されるように、同様のリソグラフィパターニングおよびエッチングプロセスが、各酸化物ディスク174内に空洞176を作成するために繰り返される。例示的な実施形態において、空洞176は、約0.1μm~5μmの直径D9を有し、各微細構造体120の送達チャネル138を画定するために使用される。
【0066】
[0093]次いで、各酸化物ディスク174は、図4Gに例示されるように、等方性シリコンエッチングにより微細構造体120Bの尖ったマイクロニードル先端128Bを形成するように、ウェハ140を通ってエッチングするために使用される。尖ったマイクロニードル先端128Bが確立されると、酸化物ディスク174の空洞176は、図4Hに示されるように、空洞176が酸化物ディスク174の残部を突き抜けるまでさらにエッチングされる。続いて、ウェハ140は、図4Iに例示されるように、マイクロニードル先端128から微細構造体120を通ってリザーバ122まで延びる送達チャネル124を有する微細構造体120Bの外形を形成するためにさらにエッチングされる。
【0067】
[0094]続いて、図4Jに示されるように、酸化物ディスク172は除去され、ウェハ140は清浄される。例示的な実施形態において、結果として生じる微細構造体120Bは、約0.1~5μmの初期直径D11を有する送達チャネル124を有し、150μmより大きい長さD10を有する。送達チャネル124の直径のサイズを0.05~5μmの標的サイズまでさらに減少させるため、酸化物、シリコン、または窒化物層が、図4Kに例示されるように、微細構造体アレイ100に堆積され得る。上に説明されるように、そのような縮小プロセスはまた、リザーバ122の直径を標的サイズへと減少させ得る。例示的な実施形態において、送達チャネル124の標的直径は、0.05~5μmである。
【0068】
[0095]これより図5を参照すると、例示的な実施形態において、ニードル500は、シリコンから形成される。いくつかの実施形態において、ニードル500は、ステンレス鋼またはプラスチックなど、異なる材料から形成され得る。ニードル500は、心棒502および先端504を有する。ニードル500は、心棒の内側に沿って走る1つまたは複数の一次チャネル702(図3図5を参照)を有する。ニードル500は、1つまたは複数の一次チャネル702からニードル500の表面まで延びるいくつかのマイクロチャネル506を有する。例示的なマイクロチャネル506の各々は、およそ4マイクロメートルの直径を有する。使用中、ニードル500は、皮膚を通って、または器官内へなど、患者内へ挿入され得る。薬物は、マイクロチャネル506を通じて一次チャネル702から患者内へ流すことにより投与され得る。複数の一次チャネル702を有する実施形態において、異なる薬物は、異なる一次チャネル702内へ投与され得る。いくつかの実施形態において、電場が印加されて、組織細胞のエレクトロポレーションを引き起こし、所望の場所への薬物の流れを促進し得る。それらの実施形態において、ニードル500は、窒化チタンまたは他の生体適合性材料などの導電性コーティングで被覆され得る。追加的または代替的に、いくつかの実施形態において、電極が、薬物と接触状態にあり得、薬物自体が、電気泳動により電場とともに伝播し得る。いくつかの実施形態において、薬物を送達する代わりに、一次チャネル702のうちの1つおよび対応するマイクロチャネル506は、細胞外液、小胞など、患者から試料を抽出するために使用され得るか、またはニードル500は、温度、pHなどの組織環境をモニタするためのデバイスを統合し得る。
【0069】
[0096]マイクロチャネル506の幅は、遺伝子、DNA、またはタンパク質などの特定の薬物が所望の速度で投与され得るように、変化され得るということを理解されたい。追加的に、薬物は、マイクロチャネル506の位置付けに基づいて、様々な異なる深さまで投与され得る。例示的な実施形態において、単一の一次チャネル702が存在する。追加的または代替的に、いくつかの実施形態において、2つ以上の一次チャネル702が存在し得る。異なる一次チャネル702が、異なる薬物を送達するために使用され得るということを理解されたい。いくつかの実施形態において、同じニードル500における異なるマイクロチャネル506は、異なる直径を有し得る。例えば、1つの一次チャネル702に接続されるマイクロチャネル506は、第2の一次チャネル702に接続されるマイクロチャネル506と比較して異なる直径を有し得る。
【0070】
[0097]薬物は、任意の好適な様式で一次チャネル702内に挿入され得る。例えば、例示的な実施形態において、一次チャネル702は、注射器から出て一次チャネルの開口部に結合されるブロック(ポリジメチルシロキサンなど)に達する管の使用により、注射器に接続され得る。いくつかの実施形態において、注射器は、ハンドピース内に埋め込まれ得るか、またはハンドピースの一部を形成し得る。ハンドピースおよび注射器は、ニードル500が1回の使用後に破棄され得、ハンドピースおよび注射器が再使用され得るように、ニードル500に取り外し可能に接続され得る。
【0071】
[0098]上に説明される微細構造体アレイに関して、マイクロチャネル506を有するニードル500は、皮膚(またはその部分)上で、血液脳関門、粘膜組織(例えば、口腔、鼻、眼、膣、尿道、胃腸、呼吸器官)、血管、リンパ管、細胞膜(例えば、細胞(複数可)の内側への材料の導入のため)、または他の生体組織もしくはバリアにわたって使用され得るということを理解されたい。生体バリアは、ヒトまたは他のタイプの動物、ならびに植物、昆虫、または、細菌、酵母、菌、および胚を含む他の有機体の中にあり得る。追加的に、マイクロチャネル506を有するニードル500は、カテーテル、内視鏡、腹腔鏡などの助けを借りて内部的に組織へ適用され得る。内部組織への薬物送達などの特定の用途では、マイクロチャネル506を有するニードル500を有するデバイスは、外科的に埋め込まれ得るか、または手術器具に組み込まれ得る。
【0072】
[0099]例示的なニードル500は、およそ1ミリメートルの幅および0.5ミリメートルの高さで、およそ10ミリメートル長である。他の実施形態において、ニードル500は、1~500ミリメートルなどの任意の好適な長さ、ならびに0.1~5ミリメートルなどの任意の好適な幅および高さであり得る。例示的な一次チャネル702は、およそ100マイクロメートルの幅、およびおよそ100マイクロメートルの高さを有する。いくつかの実施形態において、一次チャネル702は、10~5,000マイクロメートルの幅および/または高さなど、異なる寸法を有し得る。マイクロチャネル506は、0.1~500マイクロメートルの直径など、4マイクロメートルの例示的な直径とは異なる直径を有し得る。
【0073】
[00100]例示的なニードル500は、図8図14に関して以下により詳細に論じられるように、フォトリソグラフィ、ウェハ接着、エッチングなどの従来の半導体プロセスの使用により、シリコンから形成される。追加的または代替的に、ニードル500は、本明細書に説明されるようなニードル500を形成するための製造技術に対応する任意の好適な材料(ステンレス鋼、プラスチック、ガラスなど)から形成され得る。
【0074】
[00101]これより図6を参照すると、ニードル500の側面図は、ニードル500が均一の厚さを有し得ることを示す。いくつかの実施形態において、ニードルの先端504は、先端504の終端で鋭く細くなるなど、可変の厚さを有し得る。
【0075】
[00102]これより図3A図3Gを参照すると、ニードル500のいくつかの断面図が示される。図7Aにおいて、単一の一次チャネル702が、一次チャネル702からニードル500の表面まで延びるマイクロチャネル506を伴って示される。図3B図3Dにおいて、一次チャネル702からニードル500の上面および底面の両方まで延びるマイクロチャネル506、ならびに/または一次チャネル702からニードル500の側面まで延びるマイクロチャネル506など、マイクロチャネル506の異なる構成が示される。いくつかの実施形態において、ニードル500は、図7Eに示されるように、2つ以上の一次チャネル702を含み得る。一次チャネル702の各々は、異なる薬物を送達するために使用され得る。
【0076】
[00103]マイクロチャネル506は、図3A図3Eに示される様々な構成で配置され得るということを理解されたい。例えば、図7Fに示される1つの実施形態において、ニードル500は、1つの一次チャネル702、および中心一次チャネル702から径方向に延びるいくつかのマイクロチャネル506を有する、円形形状を有し得る。図7Gに示される別の実施形態において、ニードル500は、いくつかの一次チャネル702を有する円形形状を有し得、一次チャネルの各々が、1つまたは複数の対応するマイクロチャネル506を有する。
【0077】
[00104]これより図5Aおよび図5Bを参照すると、1つの一次チャネル702を有するニードル500の上から見た断面図が図9Aに示され、いくつかの一次チャネル702を有するニードル500の上から見た断面図が図9Bに示される。いくつかの実施形態において、一次チャネル702は、一次チャネル702に垂直に延びる1つまたは複数の側方チャネル902を含み得ることを理解されたい。マイクロチャネル506のいくつかまたはすべては、側方チャネル902からニードル500の表面まで延び得る。
【0078】
[00105]これより図10を参照すると、いくつかの実施形態において、2つ以上のニードル500は、ニードル1000のアレイを形成するためにアンカー1002によって一緒に接合され得る。ニードル1000のアレイ内のニードル500の各々は、上により詳細に説明されるように、一次チャネル702および1つまたは複数のマイクロチャネル506を有し得る。例示的な実施形態において、ニードルは、それらの間に3ミリメートルの空隙を有し得る。いくつかの実施形態において、空隙は、0.1~50ミリメートルなど、より大きいまたはより小さい場合がある。
【0079】
[00106]これより図11Aを参照すると、いくつかの実施形態において、ニードル1000のアレイは、電極1100のアレイの反対側に配置され得る。電圧源1102(バッテリなど)が一対のワイヤ1104を介するなどして、ニードル1000のアレイおよび電極1100に接続され得る。電極1100は、金属、ニードル1000のアレイと同様の窒化チタンなどの生体適合性導電材料で被覆されたシリコンニードルなど、任意の好適な材料から形成され得る。ニードル1000のアレイおよび電極1100のアレイは、0.5~100ミリメートルなど、任意の好適な距離だけ離間され得る。間隔が小さいほど、比較的低い電圧が比較的大きい電場を導き得るということを理解されたい。
【0080】
[00107]使用中、ニードル1000のアレイおよび電極1100のアレイは、患者内に挿入され得る。電圧源1102は、ニードル1000のアレイおよび電極1100のアレイにわたって電圧を印加し得、電場1106を作る。印加された電圧は、0.1~30,000ボルトなど、任意の好適な電圧であり得、例えば、センチメートルあたり1~1,000ボルトの対応する電場を伴う。例示的な実施形態において、電場1106は、電場のエリア内の細胞のいくつかまたはすべてにおいてエレクトロポレーションを引き起こし得、一時的に細胞内にナノ細孔を作成し、例えば、電気泳動または拡散もしくは流体力によって、薬物を細胞内へ流す。いくつかの実施形態において、電場1106は、パルス化され得る。例えば、例示的な実施形態において、電場1106は、パルスごとに100ミリ秒の10個のパルスで印加され得る。いくつかの実施形態において、パルスは、異なる振幅を有し得る。例えば、各パルスの振幅は、前のパルスよりも小さい場合がある。パルスは、10~1,000ミリ秒など、任意の好適な時間の長さにわたって印加され得、1~30回など、任意の好適な回数繰り返され得、10~1,000ミリ秒など、パルス間に任意の好適な時間を有し得る。いくつかの実施形態において、電圧源1102は、逆電圧を印加し得、電場1106の方向を逆にするということを理解されたい。
【0081】
[00108]これより図7Bおよび図7Cを参照すると、ニードルおよび電極が、図11Aに示される構成とは異なって構成され得るということを理解されたい。例えば、1つの実施形態において、システムは、図11Bに示されるように、ニードル1000のいくつかのアレイおよび電極1100のいくつかのアレイを含み得る。追加的または代替的に、いくつかの実施形態において、図11Cに示されるように、単一のアレイ1108は、電極1110と入り混じったニードル500を含み得る。そのような実施形態において、各ニードル500は、電圧源1102の一方の側に接続され得、各電極1110は、電圧源1102の他方の側に接続され得、示されるような電場1106を結果としてもたらす。そのような実施形態において、ニードル500および電極1110は、絶縁素子1112によって分離され得る。
【0082】
[00109]これより図8図14を参照すると、ニードル500の製造の様々な段階が示される。図12において、プロセスは、シリコンウェハ1202で開始する。シリコンウェハは、それを溶剤で清浄すること、およびRCA清浄によってなど、標準技術を使用して準備され得る。
【0083】
[00110]次いで、図13に示されるように、ウェハ1202は、そこにエッチングされたチャネル1302を有する。チャネル1302は、標準的な半導体処理技術を使用してエッチングされ得る。例えば、1つの実施形態において、AZ1518などのフォトレジストが、ウェハ上にスピンされる。次いで、マスクが、所望のチャネルの場所にUV光源によるフォトレジストを露光するために使用され、チャネルを覆うフォトレジストは除去される。次いで、チャネル1302がエッチングされ、残りのフォトレジストは除去され得、ウェハ1202は再度清浄され得る。チャネル1302がウェハ1202の表面に沿って延びることから、チャネル1302の長さは、エッチングがウェハの表面下にどれくらい深く貫通し得るかによって制限されないということを理解されたい。いくつかの実施形態において、チャネル1302は、完全にウェハ1202沿って延びる単純な真っすぐのチャネルとは異なる形状を有し得るということを理解されたい。例えば、チャネル1302は、ウェハ1202の一方の端まで延びない場合があり、および/またはチャネルは、図9に示されるように、側方チャネルを有し得る。チャネル1302は、上に説明される一次チャネル702と同様の寸法を有し得る。
【0084】
[00111]図10および図11に示されるように、次いで、第2のウェハ1402が、ウェハ1202の上に接着されて、ウェハ1502の一方または両方の端における開口部を除きすべての側面が囲まれているチャネル1504を有する単一のウェハ1502を形成する。接着マシンを使用してウェハ1202、1402を接着し、次いで、ウェハを効率的に接着するために、ウェハ1502を400~1,200℃で2~8時間窒素ガス内でアニールすることによってなど、任意の好適な技術を使用して、ウェハ1402はウェハ1202に接着され得る。ウェハ1402は、10~1,000マイクロメートルなど、任意の好適な厚さであり得る。いくつかの実施形態において、ウェハ1402は、プラスチック、ポリマーフィルム、またはウェハ1202に適切に接着される、もしくはウェハ1202にコーティングされることができる透明材料など、任意の好適な材料であり得る。
【0085】
[00112]これより図16を参照すると、1つまたは複数のマイクロチャネル1602が、ウェハ1402の表面からチャネル1504まで延びて、形成される。マイクロチャネルは、フォトリソグラフィおよびディープ反応性イオンエッチング(DRIE)を使用して形成され得る。マイクロチャネル1602は、上に説明されるマイクロチャネル506と同様の寸法を有し得る。
【0086】
[00113]AZ9260などのフォトレジスト1702が、ニードルの最終形状を画定するためにウェハ1502に適用され得る。ウェハ1502の残りの露出部分をエッチングし、フォトレジスト1702を取り除いた後、チャネル1504およびマイクロチャネル1602を有するニードル1802が残る。いくつかの実施形態において、形成されるニードル1802は、図5に示されるように、尖った先端を有し得るということを理解されたい。
【0087】
[00114]上に説明される技術は、異なる形状およびサイズのニードル、ならびにニードル1000のアレイなど、ニードルのアレイを作成するために使用され得る。いくつかの実施形態において、単一のウェハ1202(第2のウェハ1402と組み合わせた)が、いくつかの別個のニードルを作成するために使用され得る。いくつかの実施形態において、ニードル1802は、追加の製作ステップを経てもよい。例えば、例示的な実施形態において、窒化チタンのコーティングが、ニードル1802に施され得る。
【0088】
[00115]図8図14に関して開示される技術だけが、ニードル500など、本明細書に開示されるニードルを製作するために使用され得る技術ではないということを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態において、ニードル500またはニードル1000のアレイは、3Dプリントまたは工業的に製造され得る。
【0089】
[00116]これより図19を参照すると、1つの実施形態において、薬物を投与するためのローラシステム1900は、1つまたは複数のニードル1904が装着されたローラ1902、およびローラ1902に接続されるハンドピース1906を含む。ニードル1904の各々は、ニードル500と同様であり得る。いくつかの実施形態において、図11Aに示される構成と同様に、電場を作るために、電圧がニードル1904および電極にわたって印加され得るように、電極が各ニードル1904の隣に配置される。薬物は、管を通じてなど、ニードル1904に流体的に結合される注射器のプランジャを動かすことによって投与され得る。ローラシステム1900は、ローラシステム1900を治療の標的とされるエリアに沿って回転させることにより、薬物がニードル1904を通って広いエリアに送達されることを可能にし得るということを理解されたい。
【0090】
[00117]ここに説明される技術は、明示的に説明されない追加の実施形態に好適であり得るということを理解されたい。例えば、いくつかの実施形態において、上に説明されるマイクロチャネル506と同様のマイクロチャネルを有する構造体が、カテーテルの使用により患者内に置かれ得るか、または内視鏡検査もしくはラブロスコピ(labroscopy)に使用されるものなど、他の手術器具に組み込まれ得る。電極は、同様に置かれ得、薬物は、より詳細に上に説明されるように、マイクロチャネル506を通って、およびエレクトロポレーションの使用により標的細胞内へ、送達され得る。
【0091】
[00118]本明細書に説明される方法、装置、およびシステムの様々な特徴から生じる本開示の複数の利点が存在する。本開示の方法、装置、およびシステムの代替の実施形態は、説明される特徴のすべてを含まなくてもよいが、そのような特徴の利点のうちの少なくともいくつかから依然として利益を得ることができるということに留意されたい。当業者は、本発明の特徴のうちの1つまたは複数を組み込み、また添付の特許請求の範囲に規定されるような本開示の趣旨および範囲に入る方法、装置、およびシステムの独自の実装形態を容易に考案し得る。
図1
図2A
図2B
図3-1】
図3-2】
図4-1】
図4-2】
図4-3】
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
【国際調査報告】