(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-30
(54)【発明の名称】半導体処理装置及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20220922BHJP
H05H 1/46 20060101ALN20220922BHJP
【FI】
H01L21/68 R
H05H1/46 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022504556
(86)(22)【出願日】2020-06-01
(85)【翻訳文提出日】2022-01-21
(86)【国際出願番号】 CN2020093782
(87)【国際公開番号】W WO2021012798
(87)【国際公開日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】201910671631.9
(32)【優先日】2019-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522029800
【氏名又は名称】拓▲荊▼科技股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】PIOTECH INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 卓
(72)【発明者】
【氏名】周 仁
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲賽▼▲謙▼
【テーマコード(参考)】
2G084
5F131
【Fターム(参考)】
2G084AA02
2G084AA05
2G084BB02
2G084BB05
2G084BB14
2G084CC12
2G084CC33
2G084DD02
2G084DD15
2G084DD23
2G084FF06
2G084FF15
2G084FF23
2G084FF39
2G084HH02
2G084HH05
2G084HH19
2G084HH30
5F131AA02
5F131BA03
5F131BA04
5F131BA19
5F131EA03
5F131EB14
5F131EB78
5F131EB81
(57)【要約】
第一の電極と、第二の電極とを含み、前記第一の電極は第一のスイッチを介して第一の接地側に選択的に連結され、前記第二の電極は第二のスイッチを介して第二の接地側に選択的に連結され、前記第一の電極と前記第二の電極とは互いに電気的に分離されている、半導体処理装置用のプレートを提供する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の電極と、
第二の電極とを含み、
前記第一の電極は第一のスイッチを介して第一の接地側に選択的に連結され、前記第二の電極は第二のスイッチを介して第二の接地側に選択的に連結され、前記第一の電極と前記第二の電極とは互いに電気的に分離されている、
半導体処理装置用のプレート。
【請求項2】
ウェハを搭載するための搭載面をさらに含み、前記第一の電極と前記第二の電極は前記搭載面の下側に位置する、請求項1に記載のプレート。
【請求項3】
前記第一の電極は第一の半径により定義され、前記第二の電極は第二の半径と第三の半径により定義され、前記第三の半径は前記第一の半径と前記第二の半径よりも大きい、請求項1に記載のプレート。
【請求項4】
前記第一の電極と、前記第二の電極とは同一平面に位置する、請求項3に記載のプレート。
【請求項5】
前記第一の電極と、前記第二の電極とは異なる平面に位置する、請求項3に記載のプレート。
【請求項6】
前記第一の電極は第一の半径により定義され、前記第二の下電極は第二の半径により定義され、前記第一の電極と、前記第二の電極とは異なる平面に位置する、請求項1に記載のプレート。
【請求項7】
前記第一の半径と前記第二の半径はほぼ等しい、請求項6に記載のプレート。
【請求項8】
前記第一の電極と、前記第二の電極とは同心状に配列されている、請求項1に記載のプレート。
【請求項9】
前記第一の電極と、前記第二の電極の少なくとも一つは円形状又はドーナツ形状の電極における区画であり、前記円形状又はドーナツ形状の電極は複数の区画を含む、請求項1に記載のプレート。
【請求項10】
前記第一の電極と、前記第二の電極の少なくとも一つは網目構造を含む、請求項1に記載のプレート。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載のプレートと、
無線周波生成・整合器に電気的に連結される第三の電極を含む第二のプレートと、
を含む、半導体処理装置。
【請求項12】
前記第一の電極から受信した信号に基づいて前記無線周波生成・整合器に第一のフィードバック信号を提供するように配置されている、第一のフィードバックコンポーネントと、
前記第二の電極から受信した信号に基づいて前記無線周波生成・整合器に第二のフィードバック信号を提供するように配置されている、第二のフィードバックコンポーネントと、
をさらに含む、請求項11に記載の半導体処理装置。
【請求項13】
プレート素地を提供する工程と、
前記第一の電極と前記第二の電極とを、それぞれ前記プレート素地中に焼結すること、又は
編成・組合せによって、前記第一の電極と前記第二の電極とを、一括で前記プレート素地中に成形プレスすることによって、
前記プレート素地において互いに電気的に分離されている第一の電極と第二の電極を形成する工程と、
を含む、半導体処理装置用の接地電極を製造する方法。
【請求項14】
前記第一の電極と前記第二の電極とを、それぞれ前記プレート素地に焼結することとは、前記第一の電極と前記第二の電極とを、前記プレート素地における同一平面に焼結形成することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第一の電極と前記第二の電極とを、それぞれ前記プレート素地に焼結することとは、前記第一の電極と前記第二の電極とを前記プレート素地における異なる平面に焼結形成することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
第一の処理に対して、前記第一の電極を前記第一の接地側に連結するように前記第一のスイッチを制御する工程と、
第二の処理に対して、前記第二の電極を前記第二の接地側に連結するように前記第二のスイッチを制御する工程と、
を含む、請求項11に記載の半導体処理装置を操作する方法。
【請求項17】
第三の処理に対して、前記第一の電極と前記第二の電極をそれぞれ前記第一の接地側と前記第二の接地側に連結するように前記第一のスイッチと前記第二のスイッチを制御する工程、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に半導体処理装置に関し、よく詳細には、調整可能な無線周波回路を有する半導体処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマ処理は、例えば、集積回路、フォトマスク、プラズマディスプレイ及び太陽エネルギー技術における製造に用いられる。集積回路の製造において、ウェハはプラズマチャンバ処理、例えばエッチング、プラズマ強化化学気相堆積(PECVD)又は物理気相堆積(PEPVD)により処理される。寸法のより微細な集積回路にとって、プラズマエネルギースペクトル、プラズマエネルギー径方向分布、プラズマ密度及びプラズマ密度径方向分布のような処理パラメータの制御がより精確になる必要がある。特にプラズマ密度は、ウェハ表面における堆積率とエッチング率を決定する。とりわけ、プラズマ密度径方向分布とプラズマエネルギー径方向分布は、堆積とエッチングの均一性に影響を及ぼす。従来の半導体処理装置において、一つの上電極と一つの下電極が設けられ、その両者の間でプラズマを生成することができる。しかしながら、従来の配置では、これらの精確な制御を達成することは容易ではなく、ひいてはプラズマの調整の自由度が制限されてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、プロセス設計の自由度を満たすために、異なる無線周波制御のストラテジーを提供できる半導体処理装置もしくは無線周波コンポーネントを開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一の側面では、本発明は第一の電極と、第二の電極とを含み、前記第一の電極は第一のスイッチを介して第一の接地側に選択的に連結され、前記第二の電極は第二のスイッチを介して第二の接地側に選択的に連結され、前記第一の電極と前記第二の電極とは互いに電気的に分離されている、半導体処理装置用のプレートを提供する。
【0005】
一部の実施例において、前記プレートはウェハを搭載するためのウェハ搭載面をさらに含み、前記第一の電極と前記第二の電極は前記搭載面の下側に位置する。
【0006】
一部の実施例において、前記第一の電極は第一の半径により定義され、前記第二の電極は第二の半径と第三の半径により定義され、前記第三の半径は前記第一の半径と前記第二の半径よりも大きい。前記第一の電極と、前記第二の電極とは同一又は異なる平面に位置する。
【0007】
一部の実施例において、前記第一の電極は第一の半径により定義され、前記第二の下電極は第二の半径により定義され、前記第一の電極と、前記第二の電極とは異なる平面に位置する。本発明の一つの実施例によれば、前記第一の半径と、前記第二の半径はほぼ等しい。
【0008】
一部の実施例において、前記第一の電極と、前記第二の電極とは同心状に配列されている。他の一部の実施例において、前記第一の電極と前記第二の電極の少なくとも一つは円形状又はドーナツ形状の電極における区画であり、前記円形状又はドーナツ形状の電極は複数の区画を含む。
【0009】
一部の実施例において、前記第一の電極と前記第二の電極の少なくとも一つは網目構造を含む。
【0010】
他の側面では、本発明は本発明に記載の実施例に係るプレートを含む、半導体処理装置を提供する。前記半導体処理装置は、無線周波の生成・整合器に電気的に連結される第三の電極を含む第二のプレートをさらに含む。
【0011】
一部の実施例において、前記半導体処理装置は、前記第一の電極から受信した信号に基づいて前記無線周波の生成・整合器に第一のフィードバック信号を提供するように配置されている第一のフィードバックコンポーネントと、前記第二の電極から受信した信号に基づいて前記無線周波の生成・整合器に第二のフィードバック信号を提供するように配置されている第二のフィードバックコンポーネントとをさらに含む。
【0012】
他の側面では、本発明は、プレート素地を提供する工程と、(1)前記第一の電極と前記第二の電極とを、それぞれ前記プレート素地中に焼結すること、又は(2)編成・組合せによって、前記第一の電極と前記第二の電極とを、一括で前記プレート素地中に成形プレスすることによって、前記プレート素地において互いに電気的に分離されている第一の電極と第二の電極を形成する工程と、を含む半導体処理装置用の接地電極を製造する方法を提供する。
【0013】
一部の実施例において、前記第一の電極と前記第二の電極とを、それぞれ前記プレート素地に焼結することとは、前記第一の電極と前記第二の電極とを、前記プレート素地における同一平面に焼結形成することを含む。他の一部の実施例において、前記第一の電極と前記第二の電極とを、それぞれ前記プレート素地に焼結することとは、前記第一の電極と前記第二の電極とを、前記プレート素地における異なる平面に焼結形成することを含む。
【0014】
さらに他の側面において、本発明は、第一の処理に対して、前記第一の電極を前記第一の接地側に連結するように前記第一のスイッチを制御する工程と、第二の処理に対して、前記第二の電極を前記第二の接地側に連結するように前記第二のスイッチを制御する工程とを含む、本発明の実施例に記載の半導体処理装置を操作する方法を提供する。一部の実施例において、前記方法は、第三の処理に対して、前記第一の電極と前記第二の電極をそれぞれ前記第一の接地側と前記第二の接地側に連結させるように前記第一のスイッチと前記第二のスイッチを制御する工程をさらに含む。
【0015】
以下、添付図面及び記述により、本発明に係る一つ又は複数の実例の詳細を示す。その他の特徴、目標及び優位性は、記載される記述、添付図面及び特許請求により明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本明細書における開示内容には、下記の各図が取り上げられて含まれる。
【
図1】
図1は、本発明の実施例による例示的な無線周波コンポーネントのブロック模式図を示す。
【
図1A】
図1Aは、本発明の実施例による例示的なフィードバック/制御装置の構造模式図を示す。
【
図2】
図2は、本発明の実施例による例示的な接地電極配置の模式図を示す。
【
図2A】
図2Aは、本発明の実施例による例示的な円形状の電極の模式図を示す。
【
図2B】
図2Bは、本発明の実施例による例示的なドーナツ形状の電極の模式図を示す。
【
図3】
図3は、本発明の実施例による例示的な半導体処理装置の模式図を示す。
【
図4】
図4は、本発明の実施例による他の例示的な半導体処理装置の模式図を示す。
【
図5】
図5は、本発明の実施例による半導体処理装置用の接地電極を製造する例示的な方法のフロー図を示す。
【
図6】
図6は、本発明の実施例による半導体処理装置を操作する例示的な方法のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
慣例により、図面は単なる例示に過ぎず、実例を制限したりそのすべてを網羅することは意図していない。図面における部材は必ずしも実際の寸法である必要はなく、図面で説明する各特徴は縮尺どおりに描かれていないこともある。したがって、明確にするために、各特徴の寸法を任意に拡大したり縮小することができる。また、明確にするために、図面で説明する実施方案を簡略化することができる。したがって、図面に所定のデバイス又は装置のコンポーネント全体を示していないことがある。最後に、明細書と図面の全体については、同じ参照符号を付して同じ特徴を示すことができる。
【0018】
以下、図面を参照して本発明をより具体的に説明し、また、例示によって所定の形態や具体的な実施例を示す。しかし、本主張の主旨は様々な態様によって具体的に実施することできるので、包含し、又は申請する主張の主旨の確立は、本明細書に開示されたいずれかの形態や具体的な実施例によって制限されず、形態や具体的な実施例はただの例示に過ぎない。同様に、本発明は申請し、又は包含する主張の主旨に合理的で幅広い範囲を提供する。それ以外に、例えば、主張の主旨は具体的に方法、装置又はシステムとして実施することができる。したがって、具体的な実施例は、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの任意の組合せ(ソフトウェアではないとされている)という形式を採用することできる。
【0019】
本明細書に用いられる「一つの実施例において」又は「一つの実施例によれば」という用語については、必ずしも同じ具体的な実施例を参照する必要がなく、保護を請求する発明は必ず実施例で述べたすべての特徴を含むことともせず、また、本明細書に用いられる「他の(一部/ある)実施例において」又は「他の(一部/ある)実施例によれば」については、必ずしも異なる具体的な実施例を参照する必要もない。その目的は、例えば、主張の主旨がすべて又は一部の形態や具体的な実施例の組合せを含むことにある。
【0020】
本明細書における「含む」と「包含」という用語は開放式で用いられるので、「…を含むが、それには限られない」ことを意図すると解釈すべきである。本明細書でいう「連結」とは、「直接接続」と「一つ又は複数の中間部材を介した接続」を含むものであることを理解すべきである。本明細書でいう「上」と「下」とは、図面で直接示している関係に限られず、明確な対応関係を有する記述、例えば「左」と「右」、もしくは「上」と「下」という逆転を包含すべきである。本明細書における「ウェハ」という用語については、「ウェーハ」、「ウェハー」、「サブストレート」、「基盤」、「シリコンウェーハ」、「基板」などの用語と互換して用いることができることを理解すべきである。本明細書において、ある用語を用いて所定のシステム部材を指定し、企業によって異なる名称で前記システム部材を指定することは、当業者にとって自明である。
【0021】
図1は、本発明の一部の実施例による無線周波コンポーネント100の模式図を示す。無線周波コンポーネント100は、半導体処理装置の一つのチャンバ(例えば、処理チャンバ、未図示)に位置する第一の電極101と、複数の第二の電極102、103と、無線周波生成・整合器104とを含む。
図1には一つの第一の電極と二つの第二の電極が示されているが、無線周波コンポーネント100はより多くの第一の電極及び/又はより多くの第二の電極を含むことができることは、当業者にとって自明である。
図1は単なる例示的な説明であり、各コンポーネントの実際のサイズや、形状、相対位置を制限するものではない。
【0022】
図1の例において、無線周波生成・整合器104は無線周波信号を提供するように第一の電極101に電気的に連結される(例えば、同軸ケーブルで接続される)。第二の電極102、103はそれぞれフィードバック/制御装置105、106を介して、無線周波生成・整合器104に電気的に連結される。前記フィードバック/制御装置105、106は、それぞれ第二の電極102、103から一つ又は複数の誘導信号を受信し、それに基づいて対応する複数のフィードバック信号を生成し、また、前記フィードバック信号を無線周波生成・整合器104に提供するように配置されている。フィードバック/制御装置105、106は、さらに、スイッチとして、第二の電極102、103を選択的に対応する接地側に電気的に連結させ、または対応する接地側に対して遮断するように配置されてもよい。第二の電極102、103が連結される接地側は同じ接地点でも異なる接地点でもよい。本発明において、第一の電極101を「無線周波電極」ともいい、第二の電極102、103を「接地電極」ともいう。
【0023】
一部の実施例において、第一の電極101は上電極であり、第二の電極102、103は下電極であってもよい。他の一部の実施例において、第一の電極101は下電極であり、第二の電極102、103は上電極であってもよい。一般的には、上電極はチャンバの上部に配置されている。
図1はチャンバの構造を示していないが、典型的には、チャンバは、上部と、底部と、壁部とにより定義されるチャンバ室を含む。通常、上部は複雑なインテクマニホールドと、ガスディスペンサーと、ガス通路と、シャワーヘッドとを含む。典型的な配置において、上電極はシャワーヘッドの構造に含まれる。チャンバの上部又はシャワーヘッドは上電極が無線周波源からの信号を受信するように無線周波生成・整合器104に電気的に連結される。
【0024】
下電極はウェハ支持台に配置されている。なお、
図1には示していないが、典型的なウェハ支持台は、ウェハをチャンバ室において一定の高さで支持するように、前記チャンバの底部と接続されている。上電極と下電極を含むウェハ支持台との間にプラズマ領域が形成されることができる。ウェハ支持台はウェハを搭載するための搭載面を含み、また、下電極は前記搭載面の下側に位置する。
【0025】
図示されないが、無線周波生成・整合器104は、無線周波生成器と無線周波整合器を含んでよい。一つの実施例において、無線周波生成・整合器104における無線周波生成器は低周波無線周波源、高周波無線周波源又は両者の組合せを含み、無線周波生成・整合器104における無線周波整合器は低周波専用の整合ネットワーク、高周波専用の整合ネットワーク又は両者の組合せを含んでよい。前記整合ネットワークは一つ又は複数のコンデンサと、インダクタと、いくつかの電子部品とを含み、その具体的な組成に関する説明を省略する。異なる処理によって低周波又は高周波無線周波を選択する操作が知られているので、ここでも説明を省略する。無線周波生成・整合器104は、チャンバ室におけるプラズマの特性を制御するために、フィードバック/制御装置105、106から提供される一つ又は複数のフィードバック信号を受信し、それに基づいて前記低周波又は高周波無線周波源の出力周波数及び/又は前記整合ネットワークにおける一つ又は複数の可変電子部品、例えば、可変コンデンサ、又は無線周波回路コンポーネントにおける他の可変素子を調整するように配置されている。一部の実施例において、無線周波生成・整合器104は、第一の電極101からの一つ又は複数のフィードバック信号を受信するように配置されてもよい。他の一部の実施例において、フィードバック/制御装置105、106の一つ又は複数は無線周波生成・整合器104にフィードバック信号を提供しない。
【0026】
なお、目的によっては、本発明におけるフィードバック/制御装置は第二の電極と関連する各操作、例えば、第二の電極を接地するか、関連する可変電子部品又は第二の電極に印加する電力を調整するか否かなどを決定するように用いられてもよい。
【0027】
図1Aは、本発明の実施例による例示的なフィードバック/制御装置115の構造模式図を示す。フィードバック/制御装置115は
図1におけるフィードバック/制御装置105又は106の実例であってよい。フィードバック/制御装置115はフィードバックコンポーネント116とスイッチ118を含んでよい。フィードバックコンポーネント116は、接地電極112(例えば、
図1に示す第二の電極102又は103)から受信した信号に基づいてフィードバック信号を生成し、前記フィードバック信号を無線周波生成・整合器114(例えば、
図1に示す無線周波生成・整合器104)に提供する。一部の実施例において、フィードバックコンポーネント116は、接地電極112から受信した信号をそのまま無線周波生成・整合器114に提供する。一部の実施例において、フィードバック/制御装置115はフィードバックコンポーネント116を含まない。即ち、フィードバック/制御装置115は無線周波生成・整合器114にフィードバック信号を提供しない。
【0028】
スイッチ118は、制御信号SCの制御の下で、接地電極112を選択的に接地側に連結させ、又は接地側に対して遮断する。制御信号SCは、少なくとも一部が接地電極112から受信した信号に基づいてもよく、または少なくとも一部が他の接地電極又は無線周波電極から受信した信号に基づいてもよく、または少なくとも一部が行われている又はこれから行われる処理のプロセス要求に基づいてもよい。制御信号SCはハードウェア又はソフトウェアにより生成されてよい。ある信号又はパラメータに基づいて制御信号を生成する方法は当業者が熟知しているので、ここでは説明を省略する。一部の実施例において、接地電極112と接地側との間に一つ又は複数の抵抗器、一つ又は複数のコンデンサ、一つ又は複数のインダクタなどの素子からなるインピーダンスネットワークを含んでよく、前記インピーダンスネットワークは無線周波回路において一定のインピーダンス又は(例えば、可変コンデンサなどにより)可変インピーダンスを提供することができる。
【0029】
図2は、本発明の実施例による例示的な接地電極配置の模式図(フィードバック/制御装置は省略)を示す。この模式図は接地電極の平面図を示す。なお、
図2には所定の数の電極が示されているが、本発明における接地電極の配置はより少なく又はより多くの電極を含んでもよいことは当業者にとって自明である。
【0030】
本実施例に示す接地電極は第一の電極201と、第二の電極202と、第三の電極203とを有するように配置されている。一部の実施例において、第一の電極201と、第二の電極202と、第三の電極203とは同心状に配列されている。第一の電極201は円形状の電極であり、第一の半径R1により定義されている。第二の電極202は、少なくとも第二の半径R2により定義されている。第三の電極203は、少なくとも第三の半径R3により定義されている。ただし、第二の半径R2は第一の半径R1より大きいが、第三の半径R3より小さい。一つの実施例において、第二の電極202は円形状の電極であり、他の実施例において、第二の電極202は第一の内径と第二の半径R2により定義されるドーナツ形状の電極でもよく、前記第一の内径は第一の半径R1に対して大きくても、等しくても、小さくてもよい。一つの実施例において、第三の電極203は円形状の電極であり、他の実施例において、第三の電極203は第二の内径と第三の半径R3により定義される他のドーナツ形状の電極でもよく、前記第二の内径は第二の半径R2に対して大きくても、等しくても、小さくてもよい。
【0031】
一部の実施例において、第一の電極201と、第二の電極202と、第三の電極203とは同じ水平面に位置(即ち、同一平面に位置)する。これらの実施例において、第二の電極202と第二の電極203はドーナツ形状の電極であり、かつ第二の電極202の内径は第一の半径R1に対して大きく、または等しく、第三の電極203の内径は第二の半径R2に対して大きく、または等しい。他の一部の実施例において、第一の電極201と、第二の電極202と、第三の電極203とはそれぞれ異なる水平面に位置(即ち、異なる平面に位置)してもよく、それについては後で例示する。第一の電極201と、第二の電極202と、第三の電極203とは互いに電気的に分離されている(例えば、各電極間の絶縁材料によって、もしくは各電極が空間上で互いに離間されている)。例えば、図示するように、第一の電極201、第二の電極202、第三の電極203の各電極はそれぞれ(フィードバック/制御装置を省略)接地側に選択的に接続されることができる。
【0032】
図2の例において、接地電極は円形状の電極でもドーナツ形状の電極であってもよい。他の実施例において、接地電極は円形状又はドーナツ形状の電極における区画であってもよい。
図2Aと2Bにはそれぞれ、本発明の実施例による複数の区画からなる例示的な円形状の電極210と、ドーナツ形状の電極220の模式図を示す。
図2Aと2Bでは、所定の方式によって区画された所定の数の区画が示されているが、円形状の電極210とドーナツ形状の電極220は他の方式によって区画されたより少なく又はより多くの区画を含んでもよいことは、当業者にとって自明である。
【0033】
円形状の電極210は区画212、214、216及び218を含む。ドーナツ形状の電極220は区画222、224、226及び228を含む。一部の実施例において、区画212、214、216及び218は絶縁材料によって互いに電気的に分離されているので、それぞれ独立して接地することできる。同様に、一部の実施例において、区画222、224、226及び228は絶縁材料によって互いに電気的に分離されているので、それぞれ独立して接地することもできる。例を挙げると、
図1に示す第二の電極202は区画212であり、第三の電極203は区画214、他の円形状もしくはドーナツ形状の電極、または他の円形状もしくはドーナツ形状の電極における区画であってよい。
【0034】
図3は、本発明の実施例による例示的な半導体処理装置の模式図を示す。
図3の例において、接地電極は下電極であり、ウェハ支持台に配置されている。処理チャンバを示していないが、前記ウェハ支持台は処理チャンバに実装されていることが理解されるだろう。ここで、ウェハ支持台はプレート300を含み、プレート300は各処理が行われるウェハを搭載するためのウェハ搭載面301を有する。上電極302はチャンバの上部に位置する。一つの実施例において、上電極302はチャンバの上部に位置するシャワーヘッドに含まれる。例えば、上電極302はシャワーヘッドの蓋もしくは筐体であってよい。上電極302は、無線周波源を受信するように無線周波生成・整合器303に電気的に連結され、その回路組成は例えば前述の
図1に示す無線周波生成・整合器104と同じであるので、重複した説明を省く。無線周波生成・整合器303はチャンバの上部もしくはチャンバの外部に配置されてよい。選択的に、前記無線周波生成・整合器303は一つ又は複数の下電極に電気的に連結される。又は、実施可能な実施例において、無線周波生成・整合器303は同時に上電極と下電極に電気的に連結されてもよい。前記無線周波生成・整合器の組成と組合せには様々な変化があり、本文の記述に限られない。一部の実施例において、プレート300は一つ又は複数の加熱素子をさらに含んでもよい。
【0035】
図3に示すウェハ支持台は複数の下電極を有する。本実施例において、プレート300に二つの下電極が埋設され、それぞれは第一の下電極304と第二の下電極305である。両者はウェハ搭載面301の下側に位置し、かつ構造上で互いに独立している(即ち、互いに接触せず、電気的な導通もなされていない)。第一の下電極304は、ウェハ搭載面301の下側に位置するが、第二の下電極305の上側に位置する。第一の下電極304と、第二の下電極305はほぼ同じ直径を有し、ウェハ搭載面301に相当する面積まで広がっている。他の実施例において、第一の下電極304は第二の下電極305よりも大きく、又は小さい直径を有してもよい。第一の下電極304と第二の下電極305とは同心状に配列されている。ここで、第一の下電極304と第二の下電極305は網目状の電極であり、焼結(sintering)及び加圧の製造手段によってプレート300中に成形されることができる。第一の下電極304と第二の下電極305のグリッド密度は同一でも異なってもよい。第一の下電極304と第二の下電極305は他の構造を有してもよく、第一の下電極304は第二の下電極305と同一又は異なる構造を有してもよいことを理解すべきである。
【0036】
第一の下電極304と第二の下電極305とはそれぞれ第一のフィードバック/制御装置306と第二のフィードバック/制御装置307に電気的に連結される。第一のフィードバック/制御装置306は、第一の下電極304からの誘導信号を受信し、それに基づいて第一のフィードバック信号を生成するための適当な回路組成を有するように配置されている。同様に、第二のフィードバック/制御装置307は、第二の下電極305からの誘導信号を受信し、それに基づいて第二のフィードバック信号を生成するための適当な回路組成を有するように配置されている。前記誘導信号は、各下電極(304、305)が上電極302から受信した無線周波電力と関係があるので、前記フィードバック信号はチャンバ室におけるプラズマの特性を反映することができる。第一のフィードバック/制御装置306は第一のフィードバック経路308を介して無線周波生成・整合器303と通信可能に接続されることで、第一のフィードバック信号を無線周波生成・整合器303に提供する。同様に、第二のフィードバック/制御装置307は第二のフィードバック経路309を介して無線周波生成・整合器303と通信可能に接続されることで、第二のフィードバック信号を無線周波生成・整合器303に提供する。さらに、第一のフィードバック/制御装置306と第二のフィードバック/制御装置307は、第一の下電極304と第二の下電極305を選択的に対応する接地側に電気的に連結させることができるように配置されている。なお、図示されないが、第一のフィードバック経路308と第二のフィードバック経路309は、低周波と高周波に対応する異なる処理を実現するように、それぞれ無線周波生成・整合器303における低周波と高周波の制御部分に電気的に接続されてもよい。
【0037】
無線周波生成・整合器303は、第一のフィードバック信号及び/又は第二のフィードバック信号を受信し、前記フィードバック信号に基づいてプラズマを調整するように配置されている。前記無線周波生成・整合器303は信号の処理と出力に用いられるコントローラをさらに含んでよい。実施可能な実施例において、無線周波生成・整合器303における無線周波生成器(例えば、高周波生成器又は低周波生成器)はコントローラのコマンドにしたがってその無線周波出力周波数を調整することができる。選択的に、無線周波生成・整合器303における無線周波整合器(例えば、高周波整合器又は低周波整合器)は適当な整合インピーダンスを得るように、コントローラのコマンドにしたがって可変容量の値を調整することができる。
【0038】
一部の実施可能な実施例において、無線周波生成・整合器303は他の回路モジュールをさらに含んでよく、例えば、バンドパス(bandpass)フィルタ及び/又はノッチ(notch)フィルタからなるインピーダンスコントローラは、一つ又は複数のコンデンサ、インダクタ及び可変コンデンサが接続されてなるものであってもよい。前記インピーダンスコントローラは、前記フィードバック/制御装置(306、307)、前記無線周波生成・整合器303、前記コントローラに含まれる、またはこれらのコンポーネントと独立した回路に含まれるように配置されてもよい。一つ又は複数のインピーダンスコントローラは、前記第一の下電極304又は第二の下電極305及び/又は上電極302に電気的に連結されるように配置されてもよい。それにより、前記コントローラは第一のフィードバック信号又は第二のフィードバック信号に基づいて、前記無線周波生成器、無線周波整合器及び/又は前記インピーダンスコントローラを制御することで、プラズマを調整するという目的を達成する。
【0039】
本発明が提供する接地電極は異なる寸法、形状、材質、埋め込み深さ又は網目状密度を有してよい。
図4は本発明の実施例による他の例示的な半導体処理装置の模式図を示す。
図3の実施例との相違点は下電極の配置であり、
図3と同じコンポーネントは同じ参照符号を採用するものとするので、ここでは重複した説明を省く。
図4の例は第一の下電極401と第二の下電極402を含む。両者は構造上で互いに独立し、そのうち、第一の下電極401はウェハ搭載面301の下側に位置するが、第二の下電極402の上側に位置する。断面図だけ示しているが、第一の下電極401は第一の半径R
1により定義されている円形状の下電極で、第二の下電極402は第二の半径R
2と第三の半径R
3により定義されているドーナツ形状の下電極であり、両者の面積の合計はほぼウェハ搭載面301の実効領域に相当する。ただし、第三の半径R
3は第一の半径R
1と第二の半径R
2よりも大きく、第二の半径R
2は第一の半径R
1に対して小さくても、等しくても、大きくてもよい。
図4の配置により、ウェハ中央に近いプラズマは少なくとも第一の下電極401に基づいて調整し、ウェハエッジに位置するプラズマは少なくとも第二の下電極402に基づいて調整することができる。他の実施可能な実施例において、第一の下電極401と第二の下電極402との位置は交換されてもよい。他の実施可能な実施例において、最もウェハ搭載面301に近い下電極は静電吸着能力を有するように配置されてもよい。下電極の数はより多くなってもよい。下電極は非対称であってもよく、すなわち、複数の下電極は形状が異なり、かつ一部の下電極は非回転対称である。例えば、下電極は異なる扇形であってもよい。
【0040】
以上をまとめると、本発明が提供する半導体処理装置は互いに電気的に分離されている複数の接地電極が埋設されているプレートを有し、かつこれらの接地電極はそれぞれスイッチを介して対応する接地側に選択的に連結されている。したがって、半導体処理装置で行われる処理に応じて、異なる接地電極の組合せを選択して接地側に連結させ、異なる無線周波回路を構成することによって、異なる電極位置付近のプラズマ密度を調節することができ、ひいては、堆積されるフィルムの厚さ又はエッチングの均一性を制御することができる。
【0041】
図5は、本発明の実施例による半導体処理装置用の接地電極(例えば、本明細書で記述されている実施例における各接地電極)を製造する例示的な方法500のフロー図を示す。
図5に示すように、ステップ502において、例えば窒化アルミニウム材料をプレスによって形成されたプレート素地を提供する。ステップ504において、プレート素地に互いに電気的に分離されている第一の電極と第二の電極を形成する。一部の実施例において、第一の電極と第二の電極はそれぞれ焼結プレスによって形成することができる。前記第一の電極と前記第二の電極とは前記プレート素地における同一平面又は異なる平面に焼結形成することができる。他の一部の実施例において、編成・組合せによって第一の電極と第二の電極とを、一括でプレート素地中に成形プレスしてもよい。
【0042】
図6は、本発明の実施例による半導体処理装置(例えば、
図3と
図4に示す半導体処理装置)を操作する例示的な方法600のフロー図を示す。本発明の実施例によれば、半導体処理装置は少なくとも第一の接地電極と第二の接地電極を含み、例えば、
図3に示す下電極304、305や
図4に示す下電極401、402を含む。第一の接地電極は第一のスイッチを介して第一の接地側に選択的に連結され、第二の接地電極は第二のスイッチを介して第二の接地側に選択的に結連され、前記第一の接地電極と前記第二の電極とは互いに電気的に分離されている。
【0043】
ステップ602において、半導体処理装置で行われる第一の処理に対して、前記第一の接地電極を前記第一の接地側に連結するように前記第一のスイッチを制御し、即ち、第一の処理の無線周波回路は少なくとも前記第一の接地電極を含むものとする。ステップ604において、半導体処理装置で行われる第二の処理に対して、前記第二の接地電極を前記第二の接地側に連結するように前記第二のスイッチを制御し、即ち、第二の処理の無線周波回路は少なくとも前記第二の接地電極を含むものとする。方法600は、第三の処理に対して、前記第一の接地電極と前記第二の接地電極をそれぞれ前記第一の接地側と前記第二の接地側に連結するように前記第一のスイッチと前記第二のスイッチを制御する工程をさらに含んでもよく、即ち、第三の処理の無線周波回路は少なくとも前記第一の接地電極と前記第二の接地電極の両者を含むものとする。
【0044】
本明細書の説明は、当業者が本発明を実施または使用できるように提供される。明らかに、当業者は本発明に対して容易に様々な修正を行うことができ、かつ本明細書により定義されている一般原理は本発明の精神又は範囲を逸脱することなく、その他の変形態様に応用することができる。したがって、本発明は本明細書に示された実例や設計に限られず、本明細書に開示された原理と新規な特徴と一致する最も幅広い範囲を含む。
【国際調査報告】