(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-30
(54)【発明の名称】核磁気共鳴治療装置
(51)【国際特許分類】
A61N 2/04 20060101AFI20220922BHJP
A61H 1/02 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
A61N2/04
A61H1/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022504628
(86)(22)【出願日】2020-07-24
(85)【翻訳文提出日】2022-03-23
(86)【国際出願番号】 EP2020070935
(87)【国際公開番号】W WO2021013983
(87)【国際公開日】2021-01-28
(31)【優先権主張番号】102019119960.3
(32)【優先日】2019-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518398936
【氏名又は名称】ムンターマン,アクセル
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【氏名又は名称】川内 英主
(74)【代理人】
【識別番号】100202119
【氏名又は名称】岩附 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】ムンターマン,アクセル
【テーマコード(参考)】
4C046
4C106
【Fターム(参考)】
4C046AA02
4C046AA11
4C046AA46
4C046BB01
4C046BB03
4C046BB06
4C046BB08
4C046CC12
4C046DD02
4C046DD17
4C046DD41
4C046FF26
4C106AA06
4C106BB21
4C106CC03
4C106EE07
4C106FF02
(57)【要約】
本発明は、核磁気抵抗治療のための装置に関する。交番磁界を生成するための装置と、交番磁界に対して横方向に伸張する掃引磁界を生成するための装置と、ユーザをストレッチするための装置とを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
核磁気共鳴治療装置であって、
交番磁界を生成するための装置と、
交番磁界に対して横方向に伸張する磁界、特に掃引磁界を生成するための装置と、
ユーザをストレッチするための装置と、を含む核磁気共鳴治療装置。
【請求項2】
前記ユーザをストレッチするための前記装置は、
使用するためのストラップと、
ベルトのための少なくとも1つの引張り装置と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の核磁気共鳴治療装置。
【請求項3】
前記ユーザをストレッチするための前記装置は、可動ボード、特に可動中央部又は可動端部の形態をとるボードを含むことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の核磁気共鳴治療装置。
【請求項4】
前記ボードは、狭い端部における駆動装置、特に、ねじ付きスピンドルを有する駆動装置によって移動可能であることを特徴とする請求項3に記載の核磁気共鳴治療装置。
【請求項5】
前記ユーザをストレッチするための前記装置は、ケーシングに載置可能なモジュールの形態をとることを特徴とする、請求項3又は4に記載の核磁気共鳴治療装置。
【請求項6】
前記ユーザをストレッチするための前記装置によって、特に引張り装置によって、周期的に変化する力を発生させることができることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の核磁気共鳴治療装置。
【請求項7】
前記周期的に変化する力の前記周波数が5~1kHzであることを特徴とする請求項1から6に記載の核磁気共鳴治療装置。
【請求項8】
前記ユーザをストレッチするための前記装置は、前記引張り装置に振動を発生させるアクチュエータを備えることを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の核磁気共鳴治療装置。
【請求項9】
前記アクチュエータは、1Hz~500Hz、好ましくは30Hz~80Hzの周波数で振動するように構成されていることを特徴とする請求項8に記載の核磁気共鳴治療装置。
【請求項10】
交番磁界を発生させ、前記掃引磁界を制御するとともに、前記ユーザをストレッチするための前記装置を制御するための制御装置を含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の核磁気共鳴治療装置。
【請求項11】
引張り装置によって生成された周波数は、前記制御装置による前記掃引磁界の周波数に係属していることを特徴とする請求項10に記載の核磁気共鳴治療装置。
【請求項12】
前記核磁気共鳴治療装置は、ユーザ用のテーブルを備え、前記テーブルの前記側部に各々がコイルを有する2つの側部が配置され、前記2つの側部は前記掃引磁界を形成するための前記装置の一部を形成し、及び/又は前記ユーザをストレッチするための前記装置が力測定装置を含むことを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の核磁気共鳴治療装置。
【請求項13】
ケーシング上に配置することができるフレームを有し、テーブルを形成する少なくとも2つのボードを有し、一方の前記ボードを他方の前記ボードに対して駆動装置によって移動させることができる、ユーザをストレッチするための、請求項1から12のいずれか1項に記載の核磁気共鳴治療装置のためのモジュール。
【請求項14】
前記モジュールは、3つ以上、特に5つのボードを備え、少なくとも1つの中央又は前方ボード又は各前記ボードは、特にフレームに配置されたレール上で、少なくとも部分的に、前記非可動ボードの1つの下に伸張するバー又はスピンドルを含む駆動装置によって移動させることができることを特徴とする、請求項13に記載のユーザをストレッチするためのモジュール。
【請求項15】
前記ボードのうちの少なくとも1つ、好ましくは前記ボードのうちの1つ以上を、3つの空間方向に独立して移動させることができ、それによって、1つの方向、好ましくは垂直方向に、前記ボードの遠位端を持ち上げることができ、好ましくはリニアトランスレータが垂直方向に配置され、これによって、前記ボードは、その遠位端、すなわちそのアウトエンドで上昇及び下降させることができる請求項13又は14に記載のユーザをストレッチするためのモジュール。
【請求項16】
前記ボードのうちの少なくとも1つは、互いに直交する少なくとも2つの方向にかつ互いに独立して回転することができる、請求項13から15のいずれか一項に記載のユーザをストレッチするためのモジュール。
【請求項17】
前記ボードは、特に、5つ以上の個々のボードを含み、移動、特に、関連する軸周りに機械的又は電気的に作動される前記個々のボード又は前記テーブルの傾斜を可能にするために、好ましくは、前記各ボードは、前記ボードの前記長手方向に対して直角に配置された横方向の支点又は支柱を有する、請求項13から16のいずれか一項に記載のユーザをストレッチするためのモジュール。
【請求項18】
交番磁界及び前記交流磁界を横切る静的掃引磁界を生成することにより、ユーザの組織内に核磁気共鳴を発生させ、前記核磁気共鳴の生成の間に制御装置によって作動される引張り装置によりユーザをストレッチする、核磁気共鳴治療装置、特に請求項1から12のいずれか一項に記載の核磁気共鳴治療装置を制御する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核磁気共鳴治療のための装置及び該装置の制御方法に関する。本発明は、特に、骨格及び筋骨格系の退行性変化、靭帯、筋肉、筋及び神経の損傷、椎間板及び脊椎の病理学的変化、スポーツ損傷及び事故による傷害、骨構造の病理学的変化、並びに関節症患者の治療のための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
核磁気共鳴治療のための装置が知られている。特に、特許文献1は、治療のために組織内に核磁気共鳴を生成するための装置を示す。
【0003】
これは治療領域に均一な磁界強度の磁界を発生させる装置である。この磁界は、磁界に対して直角に照射された交番磁界によって覆われる。磁界強度の小さな変化の形、例えば鋸歯の形での第一の磁界の「掃引」は、周期毎に共鳴状態を生成する。また、急速な断熱的共鳴が達成されるこのいわゆる掃引周波数が治療の成功に寄与することも示されている。
【0004】
画像磁気共鳴スキャナとは対照的に、治療又は美容目的の核磁気共鳴を生成する装置は、一般に、比較的低い磁界強度、特にmT領域に存在する磁界強度で動作する。
【0005】
上述した核磁気共鳴治療の方法とは異なり、空芯コイルの内部に被治療体の一部を配置し、脈動直流電流を空芯コイルに流す方法も知られている。そのため、コイル内部で磁界は均一となる。特に、交番磁界が存在する。したがって、「PSTプロセス」(PST=脈動信号療法)としても知られるこの原理に従った装置では、これは、核磁気共鳴療法が基礎となる異なる活動及び応用分野である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】DE 10 2009 060 544 B4
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
先に説明した従来技術とは対照的に、本発明は核磁気療法をさらに改善するための装置に基づいている。
【0008】
本発明の1つの特定の目的は、特に骨格及び筋骨格の退行性変化、靭帯、筋肉、筋及び神経の損傷、椎間板及び脊椎の病理学的変化、スポーツ傷害及び事故による傷害、骨構造の病理学的変化、並びに関節症患者の治療の場合に、治療成果を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は、核磁気共鳴治療を目的とする装置、特にユーザの周期的又は不変的に計測された伸張を生成するためのモジュール、並びに独立請求項の1つに記載の核磁気共鳴治療を目的とする装置の制御のためのプロセスによって解決される。
【0010】
本発明の好ましい実施形態及び展開は、従属請求項の主題から得ることができる。
【0011】
本発明は、核磁気共鳴療法のための装置に関する。これは、交番磁界を生成するための構成要素と、交番磁界と交差するように伸張する磁界、特に掃引磁界を生成するための構成要素とを含む。
【0012】
交番磁界を生成するための装置は、特にコイルを含む。コイルは、例えば、治療中にユーザが横たわるテーブルの下に配置することができる。
【0013】
掃引場を形成するために、装置は、特にヘルムホルツ配置の2つのコイルを含むことができる。スプールは、内部に発生する一様な磁界が周期的に上下する基本値を有するように作動される。この構成の場合には、永久磁石を組み込むことにより、全体的または部分的に基本的な値を創出することも可能であることは明らかである。
【0014】
特に、この装置は、掃引場が鋸歯形状に変調され、掃引場の立下り時に交番場のスイッチが入れられるような形態をとる。
【0015】
本発明による装置はまた、好ましくは計測式又は制御式で設定することができるユーザの静的ストレッチ又は衝撃的ストレッチを提供する装置を含む。ユーザをストレッチするための装置は、牽引力、特にパルス力又は不変的な一定の力が、患者の身体の一部に長手方向に加えられる構成であると理解される。
【0016】
ユーザをストレッチするための装置は、特に、好ましくは、適用可能な異なる形状のストラップ及び留め具、並びに少なくとも1つのストラップのための少なくとも1つの引っ張り装置を含む。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つのストラップは、電気的又は機械的な解放システム又は急速解放システムを備える。解放手順は、音響信号又は光学メッセージによって、技術スタッフ又は患者を治療する医師に伝えることができる。
【0018】
ストラップは、設計によって決定された最大力及び/又は調節可能な最大力に達したときに解除される。このようにして、ユーザの意図しない過度のストレッチを回避することができる。さらなる安全解除は、背中の皮膚に適用されるセンサによって、又は他の測定装置を介して、例えば、筋肉収縮を測定することによって達成され得る。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、引っ張り装置は、電気的に駆動され、したがって、特に、好ましくは0~1kHzのインパルス周波数範囲で、3つの方向又は3つの平面上で、脈動及び/又は制御された不変的な牽引力をユーザに自動的に加えることができる。変位の程度は、音響又は光学フィードバックによって表示することができる。
【0020】
椎間板ヘルニアの場合、主に腰椎及び頸椎が治療に反応することが報告されており、個々のリクライニング面はこれらの要求を満たすように調整することができる。最大5つ又はそれ以上の個々のリクライニング面を有することができる実施形態では、横方向に配置されたベアリングポイント又はベアリングポストは、リクライニング面の個々のボードが機械的又は電気的に移動できるように各ボードの中央に配置される。このようにして、脊柱の一部、又は特に個々に患部の椎骨を、患部の椎骨のためのストレッチの最適な質及び強度に至らしめることができる。
【0021】
ストレッチのための装置は、一実施形態に係る装置によって、患者の脊柱を3つの平面で移動及び/又はストレッチすることができるように特に設計されている。これを達成するために、装置は、ユーザの足及び頭部だけでなく、上半身及び臀部の周りに固定することができるストラップを備える。特定のストラップは、電気的又は機械的な解放又は急速解放システムを備えており、それによってユーザの意図しない過度のストレッチを回避することができる。
【0022】
本発明の別の実施形態では、装置はユーザの脚をストレッチするように構成される。これを達成するために、装置は、ユーザの足首の周りに配置することができるストラップ及びループとともに、腰の周りに配置されるストラップを含む。
【0023】
また、張力運動は、スピンドル駆動装置によって3つの平面又は方向で機械的又は電気的に実行することもできる。
【0024】
このように、脊椎の変位又は筋肉の緊張を治療プログラムに含めることができる。
【0025】
スポーツ傷害や事故による傷害でよくみられる椎骨や筋肉の障害も、この方法で治療することができる。
【0026】
このようにして、運動及び支持装置による治療中に記録保管された必要な治療運動シーケンスを、安全に、効果的に、かつ問題なく実施することができる。
【0027】
また、患者の全身をストレッチすることも可能であり、この場合、頭、額、顎の領域にストラップ保持システムが固定されるか、又はストラップが上半身の周りに固定され、さらに2つのストラップが足首の周りに固定される。
【0028】
ストラップは任意の形状を有することができ、特に身体の周りに配置することができる強固な構成要素を使用することもできることは明らかである。
【0029】
特に、骨格系及び運動系の退行性変化、靭帯、筋肉、筋、腱及び神経の損傷、脊椎椎間板及び椎骨の病理学的変化、スポーツ傷害及び事故による傷害、骨構造の病理学的変化、並びに関節症患者の治療において、患部である身体の部分におけるストレッチとして0~1kHzの領域における不変的又は脈動的振動による機械的刺激の存在と同時に、治療される組織の領域、特に治療される骨、軟骨、筋肉、腱及び神経の領域、並びに脊柱の傷害又は損傷における核磁気共鳴の生成に関する相乗効果が存在し、この効果は、患部組織の顕著に早い再生につながることは、本発明に対する根本的な知見である。
【0030】
このように、脊椎の変位又は筋肉の緊張を治療プログラムに含めることができる。スポーツ傷害や事故による傷害でよくみられる椎骨や筋肉の損傷も、この方法で治療することができる。
【0031】
この方法で、運動及び支持装置による治療中に記録保管された必要な治療運動シーケンスを、安全に、効果的に、かつ問題なく実施することができる。
【0032】
より最近の調査及び研究は、核磁気共鳴効果の結果として、細胞の概日リズムの破壊サイクルが再同期化され、病理学的状況が有益に影響され、細胞内のATP及び酸素レベルが増加し、これらはすべて、細胞代謝に大きな恩恵を提供することを示している。
【0033】
核磁気共鳴治療中及びその補助として、牽引又は脈動振動による機械的な予張は、張力及び圧力(運動)による関節及び骨の部位における圧電効果を非常に有意に増加させ、その結果、患部組織における代謝プロセスを増加させる。
【0034】
本発明の一実施形態では、ユーザをストレッチする装置は、一実施形態ではユーザをストレッチするために3つの平面又は3つの方向に動かすことができるスピンドルによって直線方向に動かすことができる1つ又は少なくとも1つのボードを含む。
【0035】
ユーザをストレッチするための装置は、特に、ユーザをストレッチするために、リクライニング領域の可動ヘッド部、中間部、足部又は前部として、直線方向に移動可能であり、また1つ以上のスピンドルによって垂直及び/又は水平に移動可能であり、3平面又は3方向に直線方向に移動可能である少なくとも1つのボードを含む。
【0036】
椎間板ヘルニアの場合、特に腰椎及び頸椎が治療に反応すると言われているため、個々のリクライニング領域はこれらの要求に適合するように調整することができる。最大5つ又はそれ以上の可能な個々のリクライニング面を有することができる実施形態では、横方向に配置された支点又は支柱は、リクライニング面の個々のボードが支持点の軸線に沿って機械的又は電気的に移動できるように、各ボードの中央に配置される。このようにして、脊柱の一部、又は特に個々の患部である椎骨を、患部である椎骨のためのストレッチの最適な質及び強度に至らしめることができる。リクライニング面の一部は、ボードによって利用可能にすることができる。ボードは、特に、固定点又は保持点、又はストラップを通すことができるハトメなどの他の保持機能を備える。
【0037】
核磁気共鳴治療のために、装置は、一実施形態において、垂直及び/又は水平に、又は3つの平面内で移動可能な少なくとも2つ以上のボードを含み、そのうちの少なくとも1つのボードは、1つ以上のスピンドルによって、手動で、機械的に、又は電動モータによって、直線方向に移動可能である。
【0038】
本発明の一実施形態では、ボード/複数のボードは、頭端部若しくは足端部又はリクライニング若しくは牽引モジュールの一方の側にある少なくとも1つの作動装置によってスピンドルを用いて位置決めされる。
【0039】
牽引の引張力は、圧力計、歪みゲージ又は張力測定装置によって制御される。張力や伸縮の長さはアナログ又はデジタルの測定計器で0~30cm以上の範囲で設定することができる。
【0040】
本発明の別の一実施形態によれば、引張力、ねじれ点、伸張の長さ、ねじれ及び/又はインパルス周波数は、特に、電子チップカードリーダを用いて制御することができる。特に、複数のサーボモータ又はステップモータを起動し、プログラムサイクルを保存することができる。加えて、ねじり、経路又は張力の長さ、及び牽引の角度、0~60kgの牽引の引張力、0~1kHzの間の脈動牽引運動、時系列、保護安全装置及び緊急停止スイッチ、リクライニング面の人間工学的変化及び/又は足部及び頭部の高さの変化に関する情報は、制御装置に保存することができる。これらの各々は、メモリに保存されている患者データに割り当てることができる。従って、個々の治療が容易に保証される。
【0041】
治療前及び/又は治療中の値は、好ましくはディスプレイを有する制御コンピュータを介して設定、修正及び制御することができる。
【0042】
好ましい実施形態では、これらの値は、治療されようとしている患者のセンサによって治療前に自動的に確立され、対応するデータは、治療に関連する装置の電子システム又はチップカードを介して自動的に保存されることができる。
【0043】
上記の値の設定に関するデータは、患者ごとに電子メモリ又はチップカードに保存される。これにより、治療前、治療中、治療経過中に設定を再現することができる。その結果、装置は、センサを介して手動及び電子的にスイッチを切ることができる。
【0044】
ユーザは、例えば、ボード、特に中央ボード、特に調節可能な固定装置、例えば腰部において固定することができる。別のボードでは、ユーザは脚、肩、又は頭のいずれかで固定することができる。
【0045】
加えて、本発明による装置は、額又は頭部に適用されるように設計された保持ストラップシステムを含む。これは、顎及び額に適用され、頭部を固定し、頚椎を介して張力を適用することを可能にするカラーであり得る。
【0046】
あるボードを他のボードに対して変位させることによって、ユーザは、核磁気共鳴システムの有無にかかわらず、不変的に又はパルス状に伸張されることができる。
【0047】
ボードは好ましくはパッド、特に発泡プラスチックを備える。
【0048】
ボードの下またはボード間の1つ以上の保護継手部品、例えばゴム製又はプラスチック製のリップ又はベローズの形態のものは、ごみがボード間の間隙を通って下方に配置された治療装置内に落ちないことを保証することができる。
【0049】
可動ボードの位置及び配置は、特に、端部の1つ以上の駆動装置によって変更することができる。
【0050】
特に、1つのボードの位置を手動又は電気モータによって、特に不変的に又はパルス状に、異なる平面又は方向に直線方向に、変更及び/又は移動することができるねじ付きスピンドルを備えた駆動装置が提供される。
【0051】
本発明の一実施形態では、可動ボードを移動させる駆動装置、特にねじ付きスピンドル又はバーは、少なくとも部分的に異なる非可動ボードの下に配置される。
【0052】
特に、駆動装置は、核磁気共鳴治療装置の前面、すなわち前方若しくは後方、又は長手方向の一方側に配置され、それにより中央又は1つ以上の端部ボードを固定ボードの下に配置された機構によって移動させることができる。
【0053】
このようにして、核磁気共鳴治療装置の前方又は後方、すなわちユーザがストレッチされる側であり、またストラップが通常適用される側に配置される操作装置が有利に提供され得る。
【0054】
本発明の進展において、ユーザをストレッチするための装置は、ケーシング上に位置決めすることができるモジュールの形態をとる。
【0055】
本発明のさらなる実施形態によれば、足部のボードは、電気的又は機械的手段によって空気又は液体を充填することができるエアバッグ、プラスチックバッグ又はベローズに接続され、足部をリクライニング面の残りの部分と比較して1cmから60cmだけ垂直に持ち上げる。
【0056】
この目的のために、対応する機械的、電気的又は電子的装置を提供することができる。
【0057】
この機能は、例えば、足部を上昇させることができる機械式シザーリフト、伸縮式構成又は同様のリフティングシステムによっても達成することができる。
【0058】
この装置は、椎間板の病気や傷害が起きたときに脊柱にかかる負荷を軽減する。
【0059】
このようにして、治療中に立方体形状のパッド又は類似物のような他の支持物等が不要となり、従って、患者が横になっている間の快適性を大幅に向上させる。
【0060】
さらなる実施形態によれば、頭部は、手動又は機械的もしくは電気的な空気又は液体ポンプによって充填することができるエアバッグ、プラスチックバッグ又はベローズによって上昇させることができる。このようにして頭部領域を支持することができる。頭又は足を持ち上げるための空気量は、電子式又は機械式の圧力計又はその他の圧力測定システムによって制御及び監視することができる。
【0061】
本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの可動ボードが割り当てられるフレームを含むモジュールが提供される。
【0062】
このようにして、患者をストレッチさせるための装置は、装置のパッドを取り替えるか、又は装置のパッドの下に配置される、後付けセットとして供給され得る。
【0063】
特に、患者をストレッチするための装置は、引張り装置によって周期的に変化する力を作り出すことができるような形態をとる。
【0064】
例えば、電気駆動装置及び対応する制御システムによって生成され得る周期的に変化する力によって、振動は治療される身体の領域に集中され、軟骨及び組織は、治療される最も多様な種類の組織において、分裂速度及びそれによる体細胞の形成が有意に改善されるように治療中に核磁気共鳴によって刺激される。
【0065】
周期的に変化する力の周波数は、特に0.01から1kHzの間である。
【0066】
本発明の進展において、ユーザをストレッチするための装置は、引張り装置に加えられる振動を生成するためのアクチュエータを含む。
【0067】
したがって、本発明のこの実施形態は、力を発生させるための引張り装置と、引張り装置によって生成される力に重畳される振動を集中させるためのさらなるアクチュエータとを有する装置に関する。
【0068】
リフティングロッドを有する機械的偏心ディスクは、トラクションを作成するために有用である。この実施形態では、牽引速度は、電気的、機械的又は電子的に制御することができる。
【0069】
磁気的に刺激して振動させることができる錘を含むアクチュエータが提供される。特に、可動コイルアクチュエータを用いることができる。
【0070】
また、電気駆動装置を用いて周期的に変化する力を作り出すことも可能である。しかし、非常に高い周波数での力の変化は、アクチュエータを使用して非常に簡単な方法で発生させることができ、これは、引張り装置内の減衰によって著しく弱められる危険性がない。
【0071】
これは特に、アクチュエータがユーザ用のストラップの比較的近くに取り付けられている場合や、ストラップと一体化している場合に当てはまる。ストラップからのアクチュエータの距離は、好ましくは50cm未満である。
【0072】
アクチュエータは、0.1kHz~1kHz、好ましくは1Hz~200Hzの周波数で振動するように特に設計される。
【0073】
本発明の進展において、装置は、交番磁界を生成する構成要素及び掃引磁界のための制御装置を含み、該制御装置は、ユーザをストレッチするための装置を同時に制御するようにも構成されている。
【0074】
このようにして、全ての処理パラメータは、単一の制御装置を介して容易に入力することができ、必要であれば、例えばチップカード又は記憶装置を用いて自動的に入力することができる。
【0075】
また、ユーザをストレッチするために使用される力の周波数が掃引磁界の周波数に対して変調され、同期される場合、治療の成功に有益な効果がある可能性がある。このことから、伸張力が変調される周波数は、掃引磁界の変調周波数の完全な倍数又は分数であることも理解される。
【0076】
ユーザをストレッチするための力は、この力が掃引磁界の立下り側面において常に増加又は減少するように変調されることが考慮される。
【0077】
本発明の好ましい実施形態では、核磁気共鳴治療装置はテーブルとして設計され、それによって2つの側部がテーブルの側面に配置され、各側部がコイルを含む。側面に位置するこれらのコイルはヘルムホルツ型に配置され、掃引磁界を形成する。テーブルの下の少なくとも1つのコイルによって、掃引磁界内に交番磁界が横方向に照射される。
【0078】
また本発明は、特に上述した核磁気共鳴治療装置に使用することができるユーザをストレッチするためのモジュールに関する。
【0079】
このモジュールは、特に、核磁気共鳴治療装置のケーシング上に位置決めすることができる後付けセットの形態をとる。
【0080】
モジュールは、リクライニング面を形成する少なくとも2枚のボード、好ましくは3枚のボードを有するケーシング上に位置決め可能なフレームを備え、それによって、ボードの1つが駆動装置によって他の1つのボード又は複数のボードに対して移動可能である。
【0081】
別の実施形態では、モジュールは、3つ以上、特に5つのボードを備え、これにより、少なくとも1つの中央ボード、前面ボード、又は各ボードを、特にフレーム上に配置されたレール上で、特に、固定ボードの下で少なくとも部分的に伸張するスピンドル又はバーを有する駆動装置によって移動させることができる。
【0082】
ストラップは、可動ボード及び他のボードの少なくとも1つに取り付けることができる。
【0083】
そして、ユーザは、一方のボードの他のボードに対する変位によって測定された量だけストレッチされる。
【0084】
一実施形態では、モジュールは少なくとも2つのボードを備え、1つ、特に中央ボード又は複数のボードを移動させることができる。
【0085】
別の実施形態によれば、1つ以上の端部ボードを移動させることができる。
【0086】
特に、中央可動ボードを有する実施形態では、駆動装置の一部、特に力を測定する装置を、非可動ボードの1つの下に配置することが可能である。このようにして、コンパクトな構成が実現される。
【0087】
可動ボードは、特にフレーム上に配置されたレール上で移動可能である。
【0088】
駆動装置としては、特にスピンドル駆動装置が用いられる。
【0089】
伸張の長さ及びインパルスの力及び/又は引張力は、好ましくは、適切な測定及び制御装置によって監視及び確認することができる。音響的及び/又は光学的形態の状態表示が可能であり、特定の実施形態において提供される。
【0090】
本発明はまた、核磁気療法装置、特に上述の装置の制御のための方法に関する。
【0091】
交番磁界及び交番磁界を横切る静的掃引磁界は制御装置によって生成される。核磁気共鳴はこれらの磁界を用いてユーザの組織内に生成される。同時に、核磁気共鳴の生成中に制御装置によって作動される引張り装置によってユーザは引き伸ばされる。
【0092】
制御装置は、特に、治療の持続時間、掃引磁界の変調の周波数、及び任意に、ユーザをストレッチするために装置によって実行される力の変調の周波数に関してプログラム可能である。
【0093】
特に、治療を自動的に終了するための設備が設けられている。また、引張り装置は、好ましくは自動的にスイッチが切られる。
【0094】
また、特に、ユーザをストレッチするために使用される力の変調の周波数を掃引磁界の変調の周波数に対して、例えば、整数の分数又は倍数の形で調整するための設備も設けられる。
【0095】
以下、図面を参照することによって、実施形態に基づき、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【
図1】核磁気共鳴療法装置の初期実施形態の斜視図を示す。
【
図2】引張り装置に振動を集中させるためのアクチュエータを含む実施形態の変形例のさらなる斜視図を示す。
【
図3】ユーザを引き伸ばすための装置が後付け可能なモジュールとして示されている本発明のさらなる実施形態を示し、
図2の詳細図である。
【
図4】ユーザを引き伸ばすための装置が後付け可能なモジュールとして示されている本発明のさらなる実施形態を示し、核磁気共鳴治療用モジュールを装着した装置の斜視図である。
【
図5】ユーザを引き伸ばすための装置が後付け可能なモジュールとして示されている本発明のさらなる実施形態を示し、主延伸方向に沿った断面図である。
【
図6】ユーザを引き伸ばすための装置が後付け可能なモジュールとして示されている本発明のさらなる実施形態を示し、後付け可能なモジュールを斜視図で示す。 が、
図7~10にさらに詳細に示される。
【
図7】核磁気共鳴治療のための本発明による装置のさらなる実施形態を示す斜視図である。
【
図8】核磁気共鳴治療のための本発明による装置のさらなる実施形態を示し、尺度の詳細表示を含む平面図及び側面図である。
【
図9】核磁気共鳴治療のための本発明による装置のさらなる実施形態を示し、装置の軸方向断面図である。
【
図10】核磁気共鳴治療のための本発明による装置のさらなる実施形態を示し、ユーザをストレッチするために使用され、
図7~
図10に示されるモジュールの構成要素の分解表示を示す。
【
図11】
図7~
図10に示される、ストレッチを3つの平面又は方向に設定可能なユーザのストレッチのための装置に使用されるモジュールの構成要素を示すさらなる分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0097】
【0098】
核磁気治療装置1は、ユーザが横たわって頭部を頭部支持体4に載せることができるテーブル2を備える。
【0099】
この装置は、本実施形態では形状が湾曲し、テーブル2の端部に配置される2つの側部5、6を含む。
【0100】
制御装置8も配置された支持体7上に、テーブル2及び側部5、6が配置される。
【0101】
各側部5、6にはコイルが配置されている。掃引磁界は、これらのコイルによって生成される。コイル(不図示)は、制御装置によって作動される。
【0102】
テーブル2の下には別のコイル(不図示)が配置され、掃引磁界に直角に重なる交番磁界を生成する。
【0103】
核磁気共鳴治療装置は、ユーザ3をストレッチする装置も含む。これは、ユーザの腰の周りに配置されたストラップ9と、肩の下、ユーザの上半身の周りに配置されたストラップ10とを含む。
【0104】
ストラップ9は、テーブルの端にある滑車13上に延びる接続ストラップを介して、モータによって動力を供給される引張り装置12と接続される。
【0105】
接続ストラップ11は任意のデザインを有することができ、ロープ又はチェーンが可能であることを理解されたい。
【0106】
また、引張り装置12は、制御装置8によって起動される。ストラップ9及び10は、相反する方向に引っ張ることができるため、ユーザ3の脊柱に力を加えることができる。
【0107】
本発明のこの実施形態では、ストラップ10はまた、滑車の上に延びる接続ストラップ11を介して、別の引張り装置(不図示)に接続される。しかし、1つの引張り装置は力を加えるのに十分であることを理解されたい。
【0108】
滑車を使用することにより、引張り装置12をテーブル上に取り付けたり、テーブルに直接隣接させたりする必要がないという利点がある。
【0109】
特に、コンパクトな形状の引張り装置の場合には、滑車13を必要とせず、引張り装置をテーブルの端部に配置することができる。
【0110】
制御装置8は、オペレータインタフェース又はチップカード用スロットを含み、これによって自動的に治療を開始して実行することができる。このとき、制御装置8は、両側部5、6に配置された掃引コイルと交番磁界を発生させるためのコイルの両方を制御するとともに、引張り装置12も制御する。
【0111】
したがって、特に、引張り装置12によって周期的に変化する力を作り出すことができる。この力は特に、掃引磁界の変調周波数と同期させることができる。
【0112】
図2は、下記の相違点を除いて、
図1に対応する実施形態の変形例を示す。
【0113】
図1とは異なり、
図2ではユーザの脚がストレッチされる。これを実現するために、ストレッチのための装置は、ユーザの腰に固定されるストラップ9と、ユーザの足首に固定されるストラップ14とを備えている。側部5、6は、ユーザの脚の領域に配置されている。
【0114】
また、特に、側部5、6をテーブルに対して移動可能に配置することも可能である。このようにして、脚又は脊柱を治療するために装置を変更することができる。
【0115】
交番コイルは脚の下に配置されなければならないことを理解されたい。これを実現するためには、交流コイルを可動に設計するか、テーブルの下に複数の交流コイルを設けることが考えられる。
【0116】
図3は、
図2の詳細な表現を示し、ここでは、接続ストラップ11は、足首の周りに固定されたストラップ14のすぐ隣に配置されたアクチュエータ15を含むことが分かる。
【0117】
アクチュエータ15をストラップ(不図示)に組み込むことも考えられる。
【0118】
引張り装置12から見ると、アクチュエータは滑車の後ろに配置され、したがってユーザの近くに配置される。
【0119】
アクチュエータ15は、例えば電磁原理に基づいて動作し、例えば可動コイルアクチュエータとして配置される。重しを周期的に往復移動させることにより、アクチュエータによって周期的に変化する力を発生させることができる。この力は電動引張り装置12の力と重ね合わされる。
【0120】
これを達成するために、本実施形態では、アクチュエータ15は、引張り装置12を介して制御装置8に接続される。特に、力を変調するためにアクチュエータを介してより高い周波数の振動を生成することができる。一方で、これは、モータによって動力が供給される引張り装置12を介することでより困難があり、特に、より高い周波数の振動の場合には、接続ストラップ11における減衰効果の結果として、力の変調がストラップ14に到達しなくなる。
【0121】
図4は核磁気共鳴治療装置1の斜視図を示す。本実施形態では、核磁気共鳴治療装置のテーブルは、ボード17a~17cによって形成されている。
【0122】
中央ボード17bは、他のボード17a、17cに対して移動するように設計されている。
【0123】
なお、ボード17a~17cは、図示しないパッドを含んでいてもよい。
【0124】
図5に示された実施形態では、明示的に示されているボード17a~17cだけでなく、可能な限り個別のボードとして5つ以上のボードを含むことができ、したがって2つ以上の追加のボードを含むことができるが、簡略化のために
図5には示されておらず、機械的または電気的手段によって、テーブルの個々のボードを支点44の軸の周りに、したがって
図5に示す矢印Xの正または負の方向にボードを変位させ、特に傾けることを可能にするために、横方向の支点44または支柱44が、特にボード17a~17cの長手方向に対して直角に設けられる。このようにして、脊柱の一部に特定して到達することが可能であり、特に、患部である椎骨に個別に、患部である椎骨に対して最適な質及び強度のストレッチを施すことが可能となる。
【0125】
この性質の傾斜を可能にするために、モジュール30又はテーブル1の下に位置するアセンブリは、図面に示されているよりも幾分低い位置に配置することができ、このようにすることで傾斜の邪魔になることはない。
【0126】
掃引磁界のため、これは、全体的な結果としての磁界構成及び求められる治療の成功にとって重要ではない。
【0127】
本発明のこの実施形態では、核磁気治療装置1は、移動可能なキャリッジ上に配置される側部5、6を備えている。
【0128】
また、側部5、6には、テーブルに対して横方向に延在する磁界を発生させることができるコイルがある。
【0129】
さらなるコイル(不図示)が、テーブルの下のキャリッジ16に配置されている。磁界に対して横方向に延在し、側部5、6に配置されたコイルによって形成される治療領域内に、このコイルによって交番磁界が指向される。
【0130】
ユーザをストレッチするために、ボード17b、17cは、ストラップを通すことができるハトメを有する。
【0131】
本発明の一実施形態では、ボードのうちの1つに隆起、特に、ユーザが足を上げることができるくさび(不図示)の形の隆起が設けられることも想定される。
【0132】
ユーザをストレッチするために、端部に配置された駆動装置19を作動させることにより、中央ボード17bを水平方向に移動させることができる。
【0133】
駆動装置は、好ましくは、移動距離が50cm未満、好ましくは5cm未満に制限されるように設計され、ユーザによる誤りがあった場合でも装置1が安全であることを確保している。
【0134】
この実施形態では、ユーザをストレッチするための機構は、後付け可能であり、また、核磁気共鳴治療装置1のケーシング15上に載置可能なボード17a~17cを有するフレーム27を含むモジュールとして設計されている。
【0135】
図5は、
図4に示す核磁気共鳴治療装置1の主延伸方向に沿った断面図である。
【0136】
特に、後方に配置された3つのボード17a~17cを見ることができる。このうち、中央ボード17bは水平方向に移動可能である。
【0137】
側部及び交番磁界を生成するコイル31を有する可動キャリッジも移動可能である。
【0138】
ボード17bは、端部に配置された駆動装置19によって往復移動可能である。
【0139】
図6は、ケーシング上に配置可能なフレーム27を含むモジュール30の斜視図である。
【0140】
前方及び後方ボード(
図5の17a及び17c)は、この図からは省略されている。
【0141】
中央ボード17bは、レール26上をフレーム27に沿って移動可能なガイド20を備えている。
【0142】
レール26はフレームに取り付けられる。
【0143】
駆動装置19は、中央ボード17bを移動させるためにフレームの支柱29に取り付けられる。
【0144】
駆動装置19は、キャリッジ22を移動させることができるスピンドル28を備える。
【0145】
前方ボード(
図5の17c)の下方に位置するキャリッジ22は、バー25を介してコネクタ24によって中央ボード17bに連結されている。
【0146】
これにより、キャリッジ22は、駆動装置19によって移動され、次いでバー25を介して移動ボードを移動させる。
【0147】
モジュール30は、力測定装置も含む。
【0148】
本実施形態では、力センサ23は、特にS字型ロードセルとして形成され、キャリッジ22に搭載されている。
【0149】
したがって、力測定装置は、ボード(17c)の下に好適に配置されている。
【0150】
力センサ23によって測定された力は、ディスプレイ21に表示される。
【0151】
ディスプレイ21は、力表示及び/又は位置表示の形態をとることができる。
【0152】
特に、中央ボード17bの上方への移動は、ディスプレイ21によって判断することができる。
【0153】
また、例えば、電動モータ駆動によりボード17bを周期的に移動させるプログラムを起動することができる操作装置をディスプレイ21に設けることもできる。
【0154】
駆動装置のための制御装置(不図示)は、特に、力センサ23と連動して、例えば、上方への動きが力の関数として制御されるように作用することもできる。
【0155】
図7は、先に説明した実施形態に対応する側部6を含む核磁気共鳴治療装置1を斜視図で示す。
【0156】
この図では、反対側の部分は、わかりやすくするために省略されている。
【0157】
核磁気共鳴治療装置1もモジュール式の設計であり、パッド32a、32bで構成されるテーブルを備えている。
【0158】
そのため、テーブルは2つの領域に分割され、これらの領域を互いに相対的に移動させてユーザをストレッチすることができる。
【0159】
パッド32aの下方にはストラップ9が位置している。
【0160】
パッド32b上には、互いに離間した2つのストラップ10が載置されている。
【0161】
パッド32a及び32bは、
図8に平面図及び側面図で示されている取り付け可能なモジュールの一部である。
【0162】
モジュール30は、パッド32a、32bが配置されるレール34a、34bを含む。
【0163】
本実施形態では手動駆動として示される駆動装置19によって、パッド32aに対してレール34b、ひいてはパッド32bをストラップと共に移動させることが可能である。
【0164】
この実施形態では、駆動装置19は、モジュール30の狭い方の端部に配置することができる。
【0165】
右下の領域Aの詳細図に示すように、スケール33が端部に配置されていて、レール34b上に配置されたキャリッジの移動を読み取ることができる。
【0166】
これにより、スケール33を介してユーザのストレッチを読み取ることができる。
【0167】
【0168】
ボード36bは、直線方向に移動可能なように、レール34b上に軸受35を覆うように位置している。
【0169】
このため、ボード36bを、パッド32bとともに移動させることができる。
【0170】
【0171】
レール34aは、パッド32a及びボード36aを有するヘッド部を載置可能なフレームの一部である。
【0172】
この実施形態では、このヘッド部は、核磁気共鳴治療装置の残りの部分と強固に接続されており、したがって、ユーザをストレッチするために移動されない。
【0173】
一方、ボード36bは、主伸張方向に沿って軸受35上で軸方向に移動可能である。この実施形態では、この移動はスピンドル駆動装置19によって達成される。
【0174】
図8に示すように、パッド32a、32bを有し互いに対して移動可能な2つの部分は、リンク37によって互いに接続されている。リンク37は、例えば、他の可動部分に対していくつかの面及び方向において移動を可能にするコンチェルティーナのような折り畳み可能なプラスチック部分の形態をとることができる。リンク37は、伸張時に生じる部分間の隙間を、汚れや異物が下の装置に侵入できないように塞ぐ。
【0175】
図には明示的に示されていないが、この種類のリンクは、好ましくはモジュール30又はテーブル2の長手方向に、全てのボードの間に配置することができる。
【0176】
以下、
図11を参照する。さらなる分解図では、これは、
図7~
図10に示される装置に使用されるモジュールの構成要素を示しており、ユーザをストレッチするために使用されるが、ストレッチは3つの平面又は方向に設定することができる。
【0177】
さらなる軸受38によって、パッド32a及びボード36aを有するヘッド部分は、それらの長手方向に対して垂直に、したがって矢印Yの直線方向に移動することができる。軸受39及び40によって、ボード36bも、その主伸張方向に対して垂直に、したがって矢印Yの直線方向に移動することができる。
【0178】
軸受39及び40を用いて、少なくとも小さな角度範囲で、特に軸受40に対して軸受39を用いた非同一の運動によって、ボード36bを矢印43で示される回転方向に回転させることも可能である。本開示の枠組みにおいて、矢印43で示される回転方向により大きな角度を許容するために、軸受38及び39に加えて、又はそれに代わるものとして、回転可能な軸受上にボード36bを配置することが可能である。
【0179】
ボード36bは、その遠位端にある追加のリニアトランスレータ42によって矢印Zの方向に上昇又は下降させることができる。リニアトランスレータ42を異なるように起動させた場合には、基板を矢印41の方向に回転させることも可能である。
【0180】
したがって、ボード36bは、空間の少なくとも3つの方向に独立して移動することができる。第1の方向は、その長手方向軸に沿った方向として理解され、第2の方向は、
図11にYで表される方向であり、その長手方向軸に対して水平方向かつ交差する方向に伸張し、特に垂直角度90°でその長手方向軸に対して水平方向に伸張し、第三の方向は、その長手方向軸に対して垂直方向かつ交差する方向に伸張する
図11の矢印Zで示される方向であり、特に垂直角度90°で伸張することにより、この方向では、好ましくは、リニアトランスレータ42が配置されるボード36bの遠位端のみが上昇され、これにより、ボード36bを、その遠位端、すなわちアウトエンドで上昇及び下降させることができる。
【0181】
また、ボードは、互いに直交する少なくとも2つの方向にも独立して移動可能である。これらは、矢印41、43で示される方向である。航空電子工学では、矢印41で示される回転方向は、例えば、「ロール」又は「ロール方向」とも呼ばれ、矢印43で示される方向は、「ヨーイング」又は「ヨー方向」とも呼ばれる。
【0182】
要するに、ボードは、3つの直交する空間方向に独立して移動することができ、特に、それらの位置に画定され、設定される。
【0183】
最も好ましい実施形態は、上述した動きの可能性の全てを提示しているが、それにもかかわらず、上述した動きの可能性の1つ又は上述した動きの可能性の一部のみを提示する本開示の全ての従属的な組み合わせが含まれることは、本開示の枠組み内にある。
【0184】
特に、関節症患者の治療における成功は、本発明によって有意に改善され得る。
【符号の説明】
【0185】
1 核磁気共鳴治療装置
2 テーブル
3 ユーザ
4 頭部支持体
5 側部
6 側部
7 支持体
8 制御装置
9 ストラップ
10 ストラップ
11 接続ストラップ
12 引張り装置
13 滑車
14 ストラップ
15 ケーシング
16 搬器
17a~17c ボード
18 ストラップ用ハトメ
19 駆動装置
20 ガイド
21 ディスプレイ
22 搬器
23 力センサ
24 コネクタ
25 バー
26 レール
27 フレーム
28 スピンドル
29 支柱
30 後付け可能なモジュール
31 コイル
32a パッド
32b パッド
33 スケール
34a レール
34b レール
35 軸受
36a ボード
36b ボード
37 リンク
38 軸受
39 軸受
40 軸受
41 回転方向を示す矢印
42 リニアトランスレータ
43 回転方向を示す矢印
44 支点又は支柱
X 方向、特に傾斜の方向を示す矢印
Y 方向、特に移動方向を示す矢印
Z 方向、特に移動方向を示す矢印
【国際調査報告】