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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-30
(54)【発明の名称】ヘアトリートメント組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/81 20060101AFI20220922BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20220922BHJP
   A61K 8/89 20060101ALI20220922BHJP
   A61K 8/06 20060101ALI20220922BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20220922BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20220922BHJP
   A61K 8/898 20060101ALI20220922BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20220922BHJP
【FI】
A61K8/81
A61Q5/00
A61K8/89
A61K8/06
A61K8/49
A61K8/46
A61K8/898
A61Q5/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022504656
(86)(22)【出願日】2020-07-23
(85)【翻訳文提出日】2022-03-02
(86)【国際出願番号】 EP2020070892
(87)【国際公開番号】W WO2021018747
(87)【国際公開日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】19188726.4
(32)【優先日】2019-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521042714
【氏名又は名称】ユニリーバー・アイピー・ホールディングス・ベスローテン・ヴェンノーツハップ
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【弁理士】
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100172683
【弁理士】
【氏名又は名称】綾 聡平
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【弁理士】
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】エーンジャー,ニコラス・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】コリンズ,ルイーザ・ゾーイ
(72)【発明者】
【氏名】ゴールディング,スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ,ルイーズ・ジャネット
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AC712
4C083AC781
4C083AC782
4C083AC792
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD092
4C083AD131
4C083AD132
4C083AD151
4C083AD161
4C083AD162
4C083AD352
4C083BB01
4C083CC31
4C083CC38
4C083DD33
4C083EE23
(57)【要約】
ヘアトリートメント組成物であって、i)界面活性剤を含むクレンジング相であって、全界面活性剤の少なくとも50重量%がエトキシル化アルキル硫酸塩アニオン界面活性剤を含むクレンジング相;ii)シリコーンを含む水中油型乳濁液;iii)当該組成物の0.15~1.5重量%のレベルのピロクトン化合物;及びiv)カチオン性ポリマーであって、当該カチオン性ポリマーがジメチルジアリルアンモニウム部分を当該組成物の0.1~1.0重量%のレベルで含むカチオン性ポリマーを含み、前記組成物中のフケ防止剤成分が、固体形態で50重量%未満であるヘアトリートメント組成物。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアトリートメント組成物であって、
i)界面活性剤を含むクレンジング相であって、全界面活性剤の少なくとも50重量%がエトキシル化アルキル硫酸塩アニオン界面活性剤を含むクレンジング相;
ii)シリコーンを含む水中油型乳濁液;
iii)当該組成物の0.15~1.5重量%のレベルのピロクトン化合物;及び
iv)カチオン性ポリマーであって、当該カチオン性ポリマーがジメチルジアリルアンモニウム部分を当該組成物の0.1~1.0重量%のレベルで含むカチオン性ポリマー
を含み、
前記組成物中のフケ防止剤成分が、固体形態で50重量%未満であるヘアトリートメント組成物。
【請求項2】
前記カチオン性ポリマーと前記ピロクトン化合物の重量比が少なくとも0.6:1である、請求項1に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項3】
前記カチオン性ポリマー(iv)がポリクオタニウム-6である、請求項1又は請求項2に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項4】
前記エトキシル化アルキル硫酸塩アニオン性界面活性剤がラウレス硫酸ナトリウムである、前記いずれかの請求項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項5】
カチオン性ポリマーとピロクトン化合物の重量比が1:1以上である、前記いずれかの請求項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項6】
シリコーンがアミノシリコーンである、前記いずれかの請求項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項7】
前記ピロクトン化合物がピロクトンオラミンである、前記いずれかの請求項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項8】
前記組成物中のフケ防止剤成分のいずれも固体形態ではない、前記いずれかの請求項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項9】
シャンプーである、前記いずれかの請求項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項10】
全組成物の好ましくは3~45重量%、より好ましくは5~25重量%、最も好ましくは7~20重量%のレベルで界面活性剤を含む、前記いずれかの請求項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項11】
請求項1~9のいずれか1項に記載のヘアトリートメント組成物を毛髪又は頭皮に適用することを含む、毛髪又は頭皮の非治療的処理方法。
【請求項12】
使用後に前記組成物を洗い落とす、請求項10に記載の非治療的方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアトリートメント組成物、特にフケ防止シャンプー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
フケは、世界的に多くの人に影響を及ぼしている問題である。この状態は、頭皮から死んだ皮膚細胞塊が剥がれ落ちることによって現れる。これは白色であり、審美的に不快な見た目を呈する。フケの原因となるのは、マラセチア属の酵母の特定の構成員である。これらに対抗するために、ふけ防止効果のある様々な活性物質を含むヘアトリートメント組成物が開発されている。ピロクトンオラミンのようなピロクトン化合物は、そのような活性剤の一つである。
【0003】
ピロクトン化合物の一般的な問題は、洗浄プロセス時の毛髪又は頭皮へのそれの沈着が困難であることである。これは、ラウレス硫酸ナトリウムのような効果的なアニオン性クレンジング界面活性剤が組成物中に存在する場合に特に当てはまる。過剰なリンスプロセスを行うと、その時にピロクトンの大部分は界面活性剤とともに洗い流される可能性が高い。不十分な沈着は、低い抗フケ活性と相関することから、フケの弊害はほとんど軽減されない。現在までに、ヘアトリートメント組成物中のピロクトンオラミンのレベルを上げることによって、この欠点を相殺しようとする試みがなされている。このようなアプローチは、コストの増加、製剤の潜在的な不安定性、及び毛髪の知覚特性への潜在的な悪影響など、様々な問題を引き起こす。それゆえ、それは業界が好むアプローチではない。
【0004】
DE102012203240A1には、抗フケ効果を高め、毛髪の櫛通り、光沢、弾力性を改善したヘアトリートメント組成物が記載されている。この組成物は、ジンクピリチオン、クリンバゾール、オクトピロックス、ケトコナゾール、二硫化セレン、セレン含有植物油、セレン含有植物エキス、及びカチオン性アミノシリコーンから選択される抗フケ剤を含んでいる。例としては、オクトピロックス(登録商標)(ピロクトンオラミン)、アミノシリコーン及び界面活性剤を含有するシャンプー及びコンディショナーなどがある。
【0005】
US2013/0059929A1には、塩化ベンゼトニウム、メチルイソチアゾリノン、ピロクトンオラミン、及びラウロイルエチルアルギネートのうちの少なくとも一つを含み、フェノール基を含む防腐剤を含有しない化粧品調製物又は皮膚科用調製物が記載されている。それらの調製物は、改善された知覚特性及び十分な微生物学的安定性を示す。
【0006】
EP0941061は、界面活性剤、ポリエチレンイミン、及びピロクトンオラミンを含むヘアシャンプーを記載している。組成物中のポリエチレンイミンの存在は、毛髪及び皮膚への活性ピロクトンオラミンの沈着を促進すると言われている。
【0007】
2016年から2019年にかけて中国で「Ultra Doux」及び「Nak」の商品名で販売されたとされる様々な市販品が、特にラウリルエーテル硫酸塩界面活性剤、ベタイン界面活性剤、ピロクトンオラミン、ポリクオタニウム-6及びアモジメチコンを含むとされている。しかしながら、特にNak製品の場合、その製品が商業的に入手可能となったのが本特許出願の優先日よりも前であるかどうかは明らかではない。
【0008】
本明細書における明らかに先行公開された文書の列挙又は記述は、その文書が最新技術の一部であること、又は共通の一般的知識であることを認めるものと必ずしも解釈されるべきではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】DE102012203240A1
【特許文献2】US2013/0059929A1
【特許文献3】EP0941061
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
先行技術にもかかわらず、ピロクトン化合物、特にピロクトン酸又はピロクトンオラミンの、洗浄プロセス時の頭皮及び/又は毛髪の表面への沈着を改善する必要性が未だに残っている。クレンジング及びコンディショニング成績に悪影響を与えることなく、毛髪及び/又は頭皮への沈着を改善するさらなる必要性も残っている。
【0011】
本発明は、以上で記載された1以上のニーズに対処するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の態様では、
i)界面活性剤を含むクレンジング相であって、全界面活性剤の少なくとも50重量%がエトキシル化アルキル硫酸塩アニオン界面活性剤を含むクレンジング相;
ii)シリコーンを含む水中油型乳濁液;
iii)ピロクトン化合物;及び
iv)カチオン性ポリマーであって、当該カチオン性ポリマーがジメチルジアリルアンモニウム部分を含むカチオン性ポリマー
を含むヘアトリートメント組成物が提供される。
【0013】
本発明の第2の態様では、上記で記載のヘアトリートメント組成物を毛髪又は頭皮に適用することを含む、毛髪又は頭皮を処理する非治療的方法が提供される。
【0014】
本発明の文脈では、「抗フケ活性」という用語は、ヒトのフケを防止、抑制、低減又は制限する効果を意味すると理解されるべきである。
【0015】
「ヘアトリートメント組成物」という用語は、哺乳動物、好ましくはヒトの毛髪及び/又は頭皮に局所適用するための組成物を意味すると理解されるべきである。そのような組成物は、液体、ローション、クリーム、フォーム、スクラブ、ゲル又はバーの形態であることができる。そのような組成物の非限定的な例には、ヘアローション、クリーム、シャンプー、美容液、又はコンディショナーなどがある。好ましくは、ヘアトリートメント組成物は、抗フケヘアシャンプーである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一つの態様において「好ましい」と記載された特徴は、本発明の他の態様において好ましい特徴であると理解されるべきである。「好ましい」と記載された特徴は、さらなる好ましい特徴又は複数の特徴と組み合わせると特に好ましいと理解されるべきである。
【0017】
本発明の特定の実施形態の任意の特徴は、本発明の任意の他の実施形態で利用することができ、その実施形態と組み合わせて開示されるとみなすことができる。
【0018】
全ての重量パーセント(重量%)は、別断の断りがない限り、組成物の最終重量に基づく。「x-y」という形式で表される数値範囲は、別断で指定がない限り、x及びyを含むと理解される。数値は、用語「約」によって修飾することができる。具体的な特徴について、複数の好ましい範囲が「xからyまで」という形式で記載されている場合、異なる終点を組み合わせた全ての範囲も企図されると理解される。
【0019】
ヘアトリートメント組成物
本組成物は、好ましくは、美容的に許容される担体を含む。「美容上許容される担体」とは、毛髪、皮膚、内臓又は粘膜と適合し、消費者が組成物の使用を思いとどまるような許容されない不快感を引き起こさない担体を意味する。好ましい担体は水である。
【0020】
組成物の好ましい形式は、フケ防止シャンプーである。フケ防止シャンプーは、好適には、シャンプー全体の50~90重量%、好ましくは60~80重量%の水を含んでいてもよい。
【0021】
クレンジング相
クレンジング相は、1種以上のクレンジング界面活性剤を含む。クレンジング界面活性剤は、毛髪及び/又は頭皮を洗浄する作用を有するものを指す。洗浄用界面活性剤の総レベルは、組成物の総重量の、好ましくは3~45重量%、より好ましくは5~25重量%、最も好ましくは7~20重量%である。
【0022】
好ましくは、クレンジング界面活性剤は、アニオン性界面活性剤を含む。アニオン性界面活性剤は、エトキシル化アルキル硫酸塩アニオン性界面活性剤を含む。
【0023】
好ましいアルキルエーテル硫酸塩は、下記式(I)のものである。
【化1】
【0024】
式中、Rは8~18(好ましくは12~18)個の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル鎖であり;nは平均エトキシル化度であり、0.5~3(好ましくは1~3)の範囲であり;Mはナトリウム、カリウム、アンモニウム又は置換アンモニウムなどの可溶化カチオンである。1例としては、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)がある。最も好ましい例は、0.5~3、好ましくは1~3の平均エトキシル化度を有するSLESである。
【0025】
このような界面活性剤の好ましいレベルは、組成物全量の2~20重量%、より好ましくは8~15重量%である。
【0026】
他の界面活性剤、例えばアルキル硫酸塩が組成物中に存在してもよい。好ましいアルキル硫酸塩は、C8-18アルキル硫酸塩、より好ましくはC12-18アルキル硫酸塩であり、好ましくはナトリウム、カリウム、アンモニウム又は置換アンモニウムのような可溶化カチオンとの塩の形態である。例には、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)およびドデシル硫酸ナトリウム(SDS)がある。
【0027】
クレンジング相は、美容上許容され、毛髪及び/又は頭皮への局所適用に適した1以上のさらなるアニオン性界面活性剤を含んでいてもよい。さらなるアニオン性界面活性剤の例としては、アルキルスルホン酸塩、アルキルコハク酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、N-アルキルサルコシン酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸及びその塩、特にそれらのナトリウム、マグネシウム、アンモニウム及びモノ、ジ及びトリエタノールアミン塩などがある。アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルリン酸塩及びアルキルエーテルカルボン酸並びにそれらの塩は、1分子当たり1~20個のエチレンオキシド単位又はプロピレンオキシド単位を含むことができる。
【0028】
本発明によるシャンプー組成物で使用される代表的なアニオン性洗浄界面活性剤には、オレイルコハク酸ナトリウム、ラウリルスルホコハク酸アンモニウム、ラウリルエーテルスルホコハク酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、ラウリルエーテルカルボン酸及びN-ラウリルサルコシン酸ナトリウム、ラウリルモノグリセリド硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウレス硫酸ナトリウム、コシル(cocyl)硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム及びこれらの混合物などがある。
【0029】
組成物は、組成物に美容特性、物理的特性又はクレンジング特性を付与するのを助けるために、共界面活性剤を含むことができる。共界面活性剤は、好ましくは、組成物のクレンジング相に含まれる。共界面活性剤の1例は、ノニオン性界面活性剤であり、それは組成物全量の0.5~10重量%、好ましくは2~重量8%、より好ましくは1~5重量%の範囲の量で含まれ得る。
【0030】
例えば、本発明のトリートメント組成物、好ましくはシャンプー組成物に含まれ得る代表的なノニオン性界面活性剤には、脂肪族(C-C18)一級若しくは二級直鎖若しくは分岐アルコール又はフェノールとアルキレンオキシド、通常はエチレンオキシド、一般的には6~30のエチレンオキシド基を有するものとの縮合生成物などがある。他の代表的なノニオン性界面活性剤には、モノ-又はジ-アルキルアルカノールアミドなどがある。例えば、ココモノ-又はジ-エタノールアミド、及びココモノイソプロパノールアミドなどがある。
【0031】
含まれ得るさらなるノニオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシド(APGs)である。代表的には、APGは、1以上のグリコシル基のブロックに(任意に架橋基を介して)連結されたアルキル基を含むものである。好ましいAPGは、下記式(II)によって定義される。
【化2】
【0032】
式中、R′は飽和又は不飽和であることができる分岐又は直鎖アルキル基であり、Gはサッカリド基である。R′は、約C~約C20の平均アルキル鎖長を表すことができる。好ましくは、R′は、約C~約C12の平均アルキル鎖長を表す。最も好ましくは、R′の値は、約9.5~約10.5である。Gは、C又はC単糖残基から選択することができ、好ましくはグルコシドである。Gは、グルコース、キシロース、ラクトース、フルクトース、マンノース及びそれらの誘導体を含む群から選択され得る。好ましくは、Gはグルコースである。重合度kは、約1~約10以上の値を有することができ;好ましくは、kの値は、約1.1~約2にあり;最も好ましくは、mの値は、約1.3~約1.5である。本発明で使用するのに好適なアルキルポリグリコシドは市販されており、例えばOramix NS10 ex.Seppic;Plantaren 1200及びPlantaren 2000、ex.Henkelと特定される材料などがある。
【0033】
本発明の組成物(好ましくはシャンプー)に含めることができる他の糖由来のノニオン性界面活性剤には、例えばWO92/06154及びUS5,194,639に記載されているようなC10-C18N-アルキル(C-C)ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、例えばC12-C18N-メチルグルカミド及びN-アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミド、及びC10-C18N-(3-メトキシプロジル)グルカミドのようなN-アルコキシポリヒドロキシ脂肪酸アミドなどがある。
【0034】
共界面活性剤の好ましい例は、両性又は双性イオン界面活性剤であり、組成物全量の0.5~約10重量%、好ましくは2~8重量%、より好ましくは1~5重量%の範囲の量で含まれることができる。
【0035】
両性又は双性イオン性界面活性剤の例としては、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン(スルタイン)、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート。アルキルアンホアセテート、アルキルアンホプロピオネート、アルキルアンホグリシネート、アルキルアミドプロピルヒドロキシスルタイン、アシルタウレート及びアシルグルタメートなどがあり、前記アルキル基及びアシル基は8~22個の炭素原子を有する。本発明のシャンプーに使用するための代表的な両性及び双性イオン界面活性剤には、ラウリルアミンオキシド、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタイン及びココアンホ酢酸ナトリウムなどがある。
【0036】
特に好ましい両性又は双性イオン性界面活性剤は、一般式(III)のアミドベタイン両性界面活性剤である。
【化3】
【0037】
式中、mは2又は3であり;RC(O)は8~22個の炭素原子を有する直鎖又は分岐の飽和又は不飽和アシル基及びそれらの混合物から選択され;R及びRはそれぞれ独立に、1~6個の炭素原子を有するアルキル基、ヒドロキシアルキル基又はカルボキシアルキル基及びそれらの混合物から選択される。1例としては、コカミドプロピルベタインである。このような界面活性剤の好ましいレベルは、組成物全量の0.5~10%であり、より好ましくは2~8重量%、最も好ましくは1~5重量%である。
【0038】
任意であるが好ましいさらなる界面活性剤は、アルキルグリシネート及び/又はアルキルカルボキシグリシネートである。存在する場合、それは1~8重量%、好ましくは2~6重量%のレベルで存在する。
【0039】
好ましくは、アルキルグリシネート及び/又はアルキルカルボキシグリシネートは、ナトリウム、カリウム、アンモニウム又は置換アンモニウムなどの可溶化カチオンとの塩の形態で、C8-22炭素原子のアルキル基を有する。好ましいグリシネートは、ココグリシン酸ナトリウム及びココイルグリシン酸ナトリウムである。
【0040】
前述の両性又は双性イオン性界面活性剤のいずれかの混合物も好適であり得る。好ましい混合物は、コカミドプロピルベタインと、上記のようなさらなる両性又は双性イオン性界面活性剤との混合物である。好ましいさらなる両性又は双性イオン性界面活性剤は、ココアンホ酢酸ナトリウムである。
【0041】
好ましい実施形態では、クレンジング相は、好ましくは組成物全量の8~15重量%のレベルで存在する硫酸アルキル及び/又はエトキシル化硫酸アルキルアニオン界面活性剤;及び好ましくは組成物全量の1~5%のレベルで存在し得るベタイン界面活性剤、好ましくはアルキルアミドプロピルベタインを含む。
【0042】
ヘアトリートメント組成物中の界面活性剤(あらゆる共界面活性剤を含む)の総量は、組成物全量の一般に1~50重量%、好ましくは2~40重量%、より好ましくは10~25重量%である。
【0043】
ピロクトン化合物
本発明で使用するためのピロクトン化合物には、ピロクトン酸、ピロクトン酸の1級、2級及び3級オラミン塩(例えば、ジエタノールアミン塩及びトリエタノールアミン塩)、及びそれらの混合物、好ましくはピロクトン酸、ピロクトン酸の1級オラミン塩(すなわち、オクトピロックス(登録商標)とも呼ばれるピロクトンオラミン)及びそれらの混合物などがあり得る。
【0044】
本発明で有用なピロクトン化合物は、代表的には、式(IV)によって定義される構造を含む。
【化4】
【0045】
式中、RはC-C17炭化水素ラジカルから選択され、RはC1-4アルキル、C2-4アルケニル又はアルキニル、水素、フェニル又はベンジルから選択され、Mは水素、モノエタノールアミン(MEA)、ジエタノールアミン(DEA)又はトリエタノールアミン(TEA)から選択される。好ましいR基は、(CHCCHCH(CH)CH-であり、好ましいRはメチルである。より好ましくは、Rは(CHCCHCH(CH)CH-であり、Rはメチルであり、Mは水素又はMEAである。最も好ましくは、Rは(CHCCHCH(CH)CH-であり、Rはメチルであり、Mはモノエタノールアミンである。
【0046】
ピロクトンオラミンが特に好ましい。
【0047】
組成物で使用されるピロクトン化合物は、フケ防止剤として作用する。本発明による組成物及び方法において、それは代表的には溶解型である。
【0048】
ピロクトン化合物の代表的なレベルは、組成物全量の0.01~5重量%、好ましくは0.05~2重量%、より好ましくは0.1~1.5重量%である。一部の実施形態では、それは0.2~0.75重量%であることができる。
【0049】
ピロクトン化合物の代表的なレベルは、全乳濁液の0.1~20重量%、好ましくは1~10重量%、より好ましくは1~5重量%である。
【0050】
好ましい実施形態では、本発明の組成物中のフケ防止剤成分は、50重量%未満の固体形態(例えば微粒子)、例えば組成物中のフケ防止剤成分の少なくとも50重量%は溶解形態である。好都合には、フケ防止成分の40重量%未満が固体形態であり(例えば、フケ防止成分の少なくとも60重量%が溶解形態であることができる)、好都合には、30重量%未満が固体形態であり(例えば、少なくとも70重量%が溶解形態であることができる)、好都合には20重量%未満が固体形態であり(例えば、少なくとも80重量%が溶解形態であることができる)、好都合には10重量%未満が固体形態である(例えば、少なくとも90重量%が溶解形態であることができる)。特定の実施形態では、組成物は、ジンクピリチオンなどの固体フケ防止剤を本質的に含まないものであることができ、例えば、組成物のフケ防止成分の本質的に全てが溶解形態であることができる。
【0051】
水中油型乳濁液
水中油型乳濁液は、本発明の必須の特徴である。
【0052】
乳濁液の水相は水を含む。好適には、乳濁液は、乳濁液全量の25~85%、好ましくは40~70%、より好ましくは45~60%の水を含む。
【0053】
シリコーンが、水中油型乳濁液中に存在する。シリコーンは、水で髪をリンスした後に残っている髪に沈着させることを意図したコンディショニング剤である。
【0054】
油中水型乳濁液内のシリコーン(D3,2)液滴の粒径は、好ましくは10nm~10μmであり、より好ましくは50nm~5μm、最も好ましくは100nm~5μmのD3,2平均液滴径を有している。D3,2平均液滴径は、例えばMalvern Instruments社からの2600D Particle Sizerを用いて、レーザー光散乱法によって測定することができる。
【0055】
シリコーンの代表的なレベルは、組成物全量の0.1~17重量%、好ましくは0.5~13重量%、より好ましくは1~10重量%である。
【0056】
代表的なシリコーンには、ポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン、ポリエーテルシロキサンコポリマー及びそれらの混合物などがあり得る。
【0057】
シリコーンは、官能化シリコーンを含んでいてもよい。好適な官能化シリコーンには、例えば、ヒドロキシル-、アミノ-、カルボキシ-、ベタイン-、4級アンモニウム-、カルボハイドレート-、ヒドロキシ-及びアルコキシ-置換シリコーンなどがある。官能化シリコーンは、複数の置換基を含んでいてもよい。好ましくは、特にピロクトン化合物をシリコーンに可溶化させるべき場合、官能化シリコーンはアミノシリコーンである。
【0058】
アミノシリコーンはEP455185に記載されており、以下に描かれているようなトリメチルシリルアモジメチコンなどがあり、乳濁液で有用であるようにするのに十分に水不溶性である。
【0059】
Si(CH-O-[Si(CH-O-]x-[Si(CH)(R-NH-CHCH-NH)-O-]y-Si(CH
式中、x+yは約50~約500の数であり、重量パーセントアミン官能性は約0.03%~約8%であり、Rは2~5個の炭素原子を有するアルキレン基である。好ましくは、数x+yは100~300であり、重量パーセントアミン官能性は約0.5%~4%である。本明細書で表現されるように、重量パーセントアミン官能性は、アミノシリコンのサンプルをアルコール性塩酸に対してブロモクレゾールグリーン終点まで滴定することによって測定される。重量パーセントアミンは、45の分子量(CH-CH-NHに相当する)を用いて計算される。
【0060】
ピロクトン化合物が油中水型乳濁液のシリコーン内で溶液として存在する場合、アミノシリコーンが好ましいシリコーンである。
【0061】
アミノシリコーンとは、少なくとも一つの1級、2級、3級アミン基、又は4級アンモニウム基を含むシリコーンを意味する。本発明の乳濁液で有用な市販のアミノシリコーンの1例は、Dow Corningから入手可能なDC2-8566(INCI:ジメチル、メチル(アミノエチルアミノイソブチル)シロキサン)である。好適なアミノシリコーンの例には、CTFA呼称「アモジメチコン」を有するポリシロキサンなどがある。本発明での使用に適したアミノ官能性シリコーンの具体例は、アミノシリコーンDC8220、DC8166、DC8466、及びDC8950-114、MEM1788及びMEM7128(すべてex. Dow Corning)及びGE1149-75(ex. General Electric Silicones)である。好適な4級シリコーンポリマーは、EP0530974Aに記載されている。好ましい4級シリコーンは、K3474(ex. Goldschmidt)である。
【0062】
また、アミノシリコーンと非アミノシリコーンのブレンドを使用することも可能である。
【0063】
組成物中の全シリコーンの少なくとも50重量%が乳濁液中に存在すれば好ましく、より好ましくは少なくとも75重量%である。
【0064】
組成物の残りの部分から分離したシリコーン又はシリコーンブレンドの粘度は、好適には、Brookfield LVF、スピンドル3、30rpm、1分による測定で、25℃で200~500,000mm/秒、好ましくは500~100,000、より好ましくは700~50,000、なおより好ましくは1000~10,000である。
【0065】
水中油型乳濁液はさらに、乳化剤、好ましくはノニオン性界面活性剤を含んでいてもよい。乳化剤の代表的なレベルは、全組成物の0.01~5重量%、好ましくは0.05~2.5重量%、より好ましくは0.1~1.5重量%である。乳化剤の代表的なレベルは、全乳濁液の0.1~20重量%、好ましくは0.5~10重量%、より好ましくは1~7.5重量%である。好適には、乳化剤とシリコーンの重量比は、1:1~1:50、好ましくは1:2~1:20、より好ましくは1:5~1:15である。
【0066】
乳化剤として作用するのに適したノニオン性界面活性剤には、ポリエチレングリコール(PEG)化合物、例えば、トリメチルノニルポリエチレングリコール(商品名Tergitol TMN-6、ex. DowChemical又はSigma-Aldrich)などがあり得る。
【0067】
水中油型乳濁液中のピロクトン化合物とシリコーンとの重量比は、好ましくは20:1~1:20、好ましくは1:15~15:1、より好ましくは1:10~10:1である。
【0068】
カチオン性ポリマー
ジメチルジアリルアンモニウム部分を含むカチオン性ポリマーは、本発明の必須の特徴である。
【0069】
好ましいカチオンポリマーは、ジメチルジアリルアンモニウム部分がモノマーの一つであるホモ又はコポリマーである。より好ましいカチオン性ポリマーは、ポリクオタニウム-6、ポリクオタニウム-7、及びポリクオタニウム-22である。特に好ましいカチオン性ポリマーは、ポリクオタニウム-6である。
【0070】
代表的には、カチオン性ポリマーは、全組成物の0.01~5重量%、好ましくは0.05~2重量%、より好ましくは0.1~1重量%のレベルで存在する。
【0071】
好ましい実施形態では、カチオン性ポリマーとフケ防止剤の重量比は、0.6:1以上、好都合には0.7:1以上、好都合には0.8:1以上、好都合には0.9:1以上である。他の好ましい実施形態では、カチオン性ポリマーとフケ防止剤の重量比は、1:1以上、好都合には1.05:1以上、好都合には1.10:1以上である。好ましい実施形態では、カチオン性ポリマーはポリクオタニウム-6であり;さらに好ましい実施形態では、フケ防止剤は少なくとも50重量%のピロクトンオラミンである。さらなる好ましい実施形態では、組成物は、ポリクオタニウム-6及びピロクトンオラミンを、0.6:1以上、好都合には0.7:1以上、好都合には0.8:1以上、好都合には0.9:1以上の重量比で含む。他の実施形態では、好都合にはカチオン性ポリマー(例えばポリクオタニウム-6)と抗フケ剤(例えばピロクトンオラミン)の重量比は1:1以上、好都合には1.05:1以上の重量比である。
【0072】
好都合には、カチオン性ポリマーとピロクトン化合物の重量比は、約3:1以下、好都合には約2:1以下、一部の実施形態では約1.75:1以下である。
【0073】
追加のカチオン性沈着ポリマーが含まれてもよいが、それらは好ましくない。
【0074】
他のカチオン性ポリマーには、ポリガラクトマンナン及び多糖類ポリマー、例えばカチオン性セルロース誘導体及びカチオン性デンプン誘導体などがある。
【0075】
懸濁剤
懸濁剤は、組成物の好ましい特徴である。好適な懸濁剤は、ポリアクリル酸、アクリル酸の架橋ポリマー、アクリル酸と疎水性モノマーとのコポリマー、カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとのコポリマー、アクリル酸とアクリル酸エステルとの架橋コポリマー、ヘテロポリサッカリドガムと結晶性長鎖アシル誘導体から選択される。長鎖アシル誘導体は、望ましくは、エチレングリコールステアレート、16~22個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカノールアミド、及びそれらの混合物から選択される。エチレングリコールジステアレート及びポリエチレングリコール3ジステアレートは、これらが組成物に真珠光沢を与えるので、好ましい長鎖アシル誘導体である。ポリアクリル酸は、Carbopol 420、Carbopol 488又はCarbopol 493として市販されている。多官能性剤で架橋されたアクリル酸のポリマーも使用することができ、これらはCarbopol 910、Carbopol 934、Carbopol 941及びCarbopol 980として市販されている。カルボン酸含有モノマーとアクリル酸エステルとの好適なコポリマーの1例としては、Carbopol 1342が挙げられる。すべてのCarbopol(商標名)材料は、Goodrichから入手可能である。アクリル酸及びアクリル酸エステルの好適な架橋ポリマーは、Pemulen TR1又はPemulen TR2である。好適なヘテロ多糖類ガムは、キサンタンガム、例えばKelzan muとして入手可能なものである。
【0076】
上記の懸濁剤のいずれかの混合物を使用してもよい。好ましいのは、アクリル酸の架橋ポリマーと結晶性長鎖アシル誘導体の混合物である。
【0077】
最も好ましい例は、架橋ポリアクリレートポリマーである。
【0078】
懸濁剤が含まれる場合、それは一般に、0.01~5重量%、好ましくは0.1~2.5重量%、より好ましくは0.25~1重量%のレベルで本発明のシャンプー組成物に存在することになる。
【0079】
組成物の粘度は、好適には、Brookfield V2粘度計(スピンドルRTV5、1分、20rpm)を用いて30℃で測定した場合に、3,000~10,000mPa・s、好ましくは4,000~8,000mPa・s、より好ましくは5,000~7,000mPa・sの範囲である。
【0080】
本発明の組成物のpHは、好ましくは3~9、より好ましくは4~7、なおより好ましくは4.5~6.5の範囲である。
【0081】
本発明の特に好ましい実施形態では、
i)界面活性剤を含むクレンジング相であって、全界面活性剤の少なくとも50重量%がエトキシル化アルキル硫酸アニオン界面活性剤を含み、前記クレンジング相が組成物全量の8~15重量%のレベルで存在するアルキル硫酸塩及び/又はエトキシル化アルキル硫酸アニオン界面活性剤;並びに全組成物の1~5%のレベルのベタイン界面活性剤、好ましくはアルキルアミドプロピルベタインを含むクレンジング相;
ii)シリコーンを含む水中油型乳濁液;
iii)ピロクトン化合物;及び
iv)カチオン性ポリマーであって、当該カチオン性ポリマーがジメチルジアリルアンモニウム部分を含むカチオン性ポリマー
を含み、
組成物中のフケ防止剤成分が固形形態で50重量%未満であるヘアトリートメント組成物が提供される。
【0082】
好都合には、カチオン性ポリマーとピロクトン化合物の重量比は、0.6:1以上、好都合には、1:1以上である。特定の実施形態では、組成物は、ジンクピリチオンなどの固体フケ防止剤を含まなくてもよい。好都合には、ピロクトン化合物はピロクトンオラミンである。好ましくは、カチオン性ポリマーは、ポリクオタニウム-6である。好都合には、シリコーンは、アモジメチコンである。
【0083】
他の任意成分
組成物は、任意に、ヘアトリートメント製品に使用するための1以上の成分を含んでいてもよいが、ただし、任意成分は、本明細書で前述した必須成分と物理的及び化学的に適合性であり、他の形で知覚、製剤レオロジー及びコンディショニング性能を不当に損なわないものである。このような任意成分の個々の濃度は、全組成物の0.001%~10重量%、好ましくは0.01%~5重量%の範囲であることができる。そのような成分としては、香料、色素及び顔料、pH調節剤、真珠光沢剤(pearlescers)又は乳白剤、粘度調整剤、防腐剤、並びに植物成分、果実エキス、糖誘導体及びアミノ酸のような天然毛髪栄養分などがあり得る。組成物は、水中油型乳濁液相に含まれない追加のシリコーンを含んでいてもよい。その追加のシリコーンは、乳濁液相に含まれるシリコーンと同一であっても異なっていてもよい。
【0084】
組成物は、ピリジンチオン塩、松根タール、硫黄、サリチル酸、アゾール類、硫化セレン、又はそれらの混合物などの追加のフケ防止剤及び/又は抗微生物剤も含んでいてもよい。
【0085】
使用方法
本組成物は、表面処理方法で使用される。有効量の組成物を、好ましくは水で濡らした毛髪及び/又は頭皮から選択される所望の表面に適用する。組成物は、それが効果を発揮するために、好ましくはマッサージと組み合わせて、所定時間表面上に留まらせてから、水で洗い流してもよい。その所定時間は、好ましくは20秒~2分、より好ましくは30秒~1分である。有効量は、代表的には1g~20g、好ましくは2.5g~10gの範囲である。
【0086】
以下の非限定的な実施例によって、本発明を説明することができる。
【実施例
【0087】
以下の実施例を調製した。
【0088】
表1
【表1】
【0089】
実施例組成物0.1g/g毛髪を、ヘアスイッチ上に均一に塗布した。ヘアスイッチを2回洗浄した。洗浄後、スイッチは乾燥するまで乾燥キャビネット(50℃)に置いた。乾燥後、スイッチをエタノール10mLが入ったジャーに移した。ジャーを密閉し、ボトルローラー上に一定時間置いた。注射器を用いて、分析に適した大きさのサンプルをジャーから取り出し、シリンジフィルターでろ過してバイアルに入れ、分析用HPLC-UV法を用いて、エタノール中の既知量のオクトピロックス(μg/mL)を含む一連の標準物質に対して分析した。
【0090】
表2-オクトピロックス沈着
【表2】
【0091】
本発明の実施例は、比較例に比べてより効果的にオクトピロックスを毛髪に沈着させる。
【0092】
実施例2
仕様通りに(組成物の重量基準で)ラウレス硫酸ナトリウム13.0%、コカミドプロピルベタイン1.5%、DC1788シリコーン乳濁液2.0%、Carbopol 980 0.4%、香料0.75%、ピロクトンオラミン0.5%、100%までの水、保存料、クエン酸及び水酸化ナトリウムを含むシャンプー組成物を、以下に示すレベルで広範囲の沈着ポリマーによるピロクトンオラミン沈着について調べた。記載されている量はppmの沈着量であり、括弧内に標準偏差を記載している。
【表3】
【0093】
沈着ポリマーとしてのポリクオタニウム-6によるピロクトンオラミンの沈着は、他のポリマーと比較して相対的に高いが、有益なことに、用量応答も示す。
【手続補正書】
【提出日】2021-06-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアトリートメント組成物であって、
i)界面活性剤を含むクレンジング相であって、全界面活性剤の少なくとも50重量%がエトキシル化アルキル硫酸塩アニオン界面活性剤を含むクレンジング相;
ii)シリコーンを含む水中油型乳濁液;
iii)当該組成物の0.1~1.5重量%のレベルのピロクトン化合物フケ防止剤;及び
iv)カチオン性ポリマーであって、当該カチオン性ポリマーがジメチルジアリルアンモニウム部分を当該組成物のレベルで含むカチオン性ポリマー
を含み、
カチオン性ポリマーとフケ防止剤の重量比は、1.10:1以上であり、
前記組成物中のフケ防止剤成分が、固体形態で50重量%未満であるヘアトリートメント組成物。
【請求項2】
記ピロクトン化合物のレベル全エマルジョンの0.1~20重量%である、請求項1に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項3】
前記カチオン性ポリマー(iv)がポリクオタニウム-6である、請求項1又は請求項2に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項4】
前記エトキシル化アルキル硫酸塩アニオン性界面活性剤がラウレス硫酸ナトリウムである、請求項1~3のいずれか1項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項5】
シリコーンがアミノシリコーンである、請求項1~4のいずれか1項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項6】
前記ピロクトン化合物がピロクトンオラミンである、請求項1~5のいずれか1項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項7】
前記組成物中のフケ防止のいずれも固体形態ではない、請求項1~6のいずれか1項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項8】
シャンプーである、請求項1~7のいずれか1項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項9】
全組成物の好ましくは3~45重量%、より好ましくは5~25重量%、最も好ましくは7~20重量%のレベルで界面活性剤を含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のヘアトリートメント組成物。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載のヘアトリートメント組成物を毛髪又は頭皮に適用することを含む、毛髪又は頭皮の非治療的処理方法。
【請求項11】
使用後に前記組成物を洗い落とす、請求項に記載の非治療的方法。
【国際調査報告】