(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-30
(54)【発明の名称】光信号出力装置、方法及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04B 10/291 20130101AFI20220922BHJP
【FI】
H04B10/291
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022506197
(86)(22)【出願日】2019-12-04
(85)【翻訳文提出日】2022-03-28
(86)【国際出願番号】 CN2019123118
(87)【国際公開番号】W WO2021017355
(87)【国際公開日】2021-02-04
(31)【優先権主張番号】201910690822.X
(32)【優先日】2019-07-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511197800
【氏名又は名称】ウーハン・テレコミュニケーション・デバイシーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100195257
【氏名又は名称】大渕 一志
(72)【発明者】
【氏名】呂 ニ 娜
(72)【発明者】
【氏名】卜 勤 練
【テーマコード(参考)】
5K102
【Fターム(参考)】
5K102PB01
5K102PB11
5K102PC03
5K102PH13
5K102RD28
(57)【要約】
本出願の実施形態は、光信号出力装置、方法及び記憶媒体を開示する。装置は、プリセット角度ファイバグレーティング及び/又はプリセット周期ファイバグレーティングを有するターゲットファイバグレーティングと、ターゲットファイバグレーティングに接続された第1のファイバグレーティングと、第1のファイバグレーティングに接続された励起レーザとを含み、励起レーザは、ターゲット波長帯域光信号の伝送命令を受信すると、第1のファイバグレーティングに第1の光信号を伝送し、光信号調整命令を受信すると、第2の波長光信号を共振によりターゲット波長光信号に変換し、ターゲット波長光信号を出力するように構成され、第1のファイバグレーティングは、第1の光信号をフィルタリングして第1の波長帯域光信号を取得して、第1の波長帯域光信号をターゲットファイバグレーティングに伝送するように構成され、ターゲットファイバグレーティングは、第1の波長帯域光信号をフィルタリングして第2の波長帯域光信号及びターゲット波長帯域光信号を取得し、第2の波長帯域光信号又はターゲット波長帯域光信号を用いて光信号調整命令を励起レーザに伝送する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリセット角度光ファイバグレーティング及び/又はプリセット周期光ファイバグレーティングを有するターゲット光ファイバグレーティングと、
前記ターゲット光ファイバグレーティングに接続される第1の光ファイバグレーティングと、
前記第1の光ファイバグレーティングに接続される励起レーザと
を備え、
前記励起レーザは、ターゲット帯域光信号発出コマンドが受信されたときに、第1の光信号を前記第1の光ファイバグレーティングに伝送することであって、前記第1の光信号の中心波長は、ターゲット帯域光信号のターゲット波長であること、及び、光信号調整コマンドが受信されたたときに、第2の帯域光信号を共振を用いて前記ターゲット帯域光信号に変換して、前記ターゲット帯域光信号を出力することを行うように構成され、
前記第1の光ファイバグレーティングは、前記第1の光信号から第1の帯域光信号をスクリーニングして、前記第1の帯域光信号を前記ターゲット光ファイバグレーティングに伝送するように構成され、前記第1の帯域光信号の中心波長は前記ターゲット帯域光信号のターゲット波長であり、前記第1の帯域光信号の帯域幅は前記第1の光信号の帯域幅よりも小さく、
前記ターゲット光ファイバグレーティングは、前記第1の帯域光信号から前記第2の帯域光信号及び前記ターゲット帯域光信号をスクリーニングして、前記第2の帯域光信号又は前記ターゲット帯域光信号を用いて前記光信号調整コマンドを前記励起レーザに伝送するように構成される、光信号出力装置。
【請求項2】
前記プリセット角度光ファイバグレーティングは、プリセット角度がグレーティング平面と光ファイバ軸との交差角度である光ファイバグレーティングであり、前記プリセット周期光ファイバグレーティングは、周期長がプリセット周期長に合致する光ファイバグレーティングである、請求項1に記載の光信号出力装置。
【請求項3】
前記プリセット角度光ファイバグレーティングは、前記第2の帯域光信号から第1のプリセット帯域光信号を識別すること、前記第1のプリセット帯域光信号をプリセット角度によって処理すること、前記ターゲット帯域光信号を得ること、及び前記励起レーザをトリガして共振を発生させるように前記ターゲット帯域光信号を前記励起レーザに戻すことを行うようにさらに構成され、前記第1のプリセット帯域光信号は、前記第2の帯域光信号の一部である、請求項2に記載の光信号出力装置。
【請求項4】
前記プリセット周期光ファイバグレーティングは、前記ターゲット帯域光信号から第2のプリセット帯域光信号を識別すること、及び前記励起レーザをトリガして共振を発生させるように前記第2のプリセット帯域光信号を前記励起レーザに戻すことを行うようにさらに構成され、前記第2のプリセット帯域光信号は、前記ターゲット帯域光信号の一部である、請求項2に記載の光信号出力装置。
【請求項5】
前記プリセット角度光ファイバグレーティングの出力端が第2の光信号を受信すると、前記プリセット角度光ファイバグレーティングは、前記プリセット角度光ファイバグレーティングに対応するプリセット帯域幅に属さない第3の光信号を前記第2の光信号からスクリーニングし、前記第3の光信号を前記第1の光ファイバグレーティングの出力端に伝送するようにさらに構成され、
前記第1の光ファイバグレーティングは、前記第1の光ファイバグレーティングに対応するプリセット帯域幅に属するターゲット光信号を前記第3の光信号からスクリーニングするようにさらに構成される、請求項3に記載の光信号出力装置。
【請求項6】
前記プリセット角度光ファイバグレーティングは、第1のプリセット角度光ファイバグレーティング及び第2のプリセット角度光ファイバグレーティングの少なくとも1つを含み、
前記第1のプリセット角度光ファイバグレーティングの中心波長は、ターゲット中心波長よりも小さく、
前記第2のプリセット角度光ファイバグレーティングの中心波長は、前記ターゲット中心波長より大きい、請求項2に記載の光信号出力装置。
【請求項7】
前記プリセット周期光ファイバグレーティングは、一方向光信号伝送を特徴とする光ファイバグレーティングである、請求項1又は3に記載の光信号出力装置。
【請求項8】
ターゲット光ファイバグレーティングを備える光信号出力装置に適用される光信号出力方法であって、
ターゲット帯域光信号発出コマンドを受信したときに、中心波長がターゲット帯域光信号のターゲット波長である第1の光信号を発出するステップと、
前記ターゲット光ファイバグレーティングを用いて前記第1の光信号から第2の帯域光信号及び前記ターゲット帯域光信号をスクリーニングするステップと、
前記第2の帯域光信号又は前記ターゲット帯域光信号を用いて共振動作をトリガして、前記第2の帯域光信号を前記共振動作を用いて前記ターゲット帯域光信号に変換し、前記ターゲット帯域光信号を出力するステップと
を含む、方法。
【請求項9】
前記ターゲット光ファイバグレーティングを用いて前記第1の光信号から前記第2の帯域光信号及び前記ターゲット帯域光信号をスクリーニングするステップは、
中心波長が前記ターゲット帯域光信号のターゲット波長であり、かつ帯域幅が前記第1の光信号の帯域幅よりも小さい第1の帯域光信号を前記第1の光信号からスクリーニングすること、及び
前記ターゲット光ファイバグレーティングを用いて前記第1の帯域光信号から前記第2の帯域光信号及び前記ターゲット帯域光信号をスクリーニングすること
を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ターゲット光ファイバグレーティングは、プリセット角度を設けられたプリセット角度光ファイバグレーティングを含み、前記第2の帯域光信号又は前記ターゲット帯域光信号を用いて前記共振動作をトリガするステップは、
前記プリセット角度光ファイバグレーティングを用いて前記第2の帯域光信号から第1のプリセット帯域光信号を識別すること、
前記プリセット角度によって前記第1のプリセット帯域光信号を処理し、前記ターゲット帯域光信号を得ること、及び
前記ターゲット帯域光信号を用いて前記共振動作をトリガして、前記第2の帯域光信号を前記共振動作により前記ターゲット帯域光信号に変換すること
を含み、前記第1のプリセット帯域光信号は、前記第2の帯域光信号の一部である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ターゲット光ファイバグレーティングは、プリセット周期光ファイバグレーティングを含み、前記第2の帯域光信号又は前記ターゲット帯域光信号を用いて前記共振動作をトリガするステップは、
前記プリセット周期光ファイバグレーティングを用いて前記ターゲット帯域光信号から第2のプリセット帯域光信号を識別すること、及び
前記第2のプリセット帯域光信号を用いて共振動作をトリガして、前記第2の帯域光信号を前記共振動作を用いて前記ターゲット帯域光信号に変換すること
を含み、前記第2のプリセット帯域光信号は、前記ターゲット帯域光信号の一部である、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記光信号出力装置は、第1の光ファイバグレーティングをさらに備え、前記方法は、前記ターゲット帯域光信号を用いて前記共振動作をトリガした後で、
前記プリセット角度光ファイバグレーティングに対応するプリセット帯域幅に属さない第3の光信号を第2の光信号からスクリーニングし、前記プリセット角度光ファイバグレーティングの出力端が前記第2の光信号を受信すると、前記第3の光信号を前記第1の光ファイバグレーティングの出力端に伝送するステップと、
前記第1の光ファイバグレーティングに対応するプリセット帯域幅に属するターゲット光信号を前記第3の光信号からスクリーニングするステップと
をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
光信号出力装置に適用されるコンピュータプログラムが記憶された記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムは、請求項8~12のいずれか1項に記載の方法を実装するようにプロセッサによって実行される、記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光ファイバ通信の技術分野に関し、より詳細には、光信号出力装置、光信号出力方法及び記憶媒体に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本開示は、2019年7月29日に出願された”optical signal outputting device, method, and storage medium”という名称の中国特許出願第201910690822.x号の利益及び優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
近年、光ファイバ通信システムでは、エルビウム添加光ファイバ増幅器(EDFA)が長距離通信の重要部材となっており、長距離光ファイバ通信、高速通信、光ファイバアクセスケーブルテレビ(Community Antenna Television、CATV)等の分野で広く使用されているCバンド1550nm、Sバンド1480nm及びLバンド1610nmでの電力増幅を行うことができる。光ファイバ通信技術の発展に伴い、EDFAのコア要素としての励起レーザに対する帯域内電力の要求はますます高くなっている。
【0004】
既存の光ファイバ通信技術は、第1の光ファイバグレーティングを用いて励起レーザによって生成された光信号をフィルタリングする。
図1に示すように、励起レーザにより生成されたターゲット中心波長の光信号が第1の光ファイバグレーティングを通過する際に、第1の光ファイバグレーティングのフィルタリング精度が低いため、ターゲット中心波長に近い波長の光をフィルタリングすることができず、それにより、出力された光信号には非ターゲット中心波長の光信号が多く含まれることを許容し、非ターゲット中心波長の光信号がEDFAによって使用されることを無効にし、励起レーザによって出力される非ターゲット中心波長の光の品質を低下させる。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、励起レーザの出力スペクトルのターゲット中心波長の光の品質を向上させることができる光信号出力装置、光信号出力方法及びその記憶媒体を提供する。
【0006】
本開示は、光信号出力装置を提供し、これは、
【0007】
プリセット角度光ファイバグレーティング及び/又はプリセット周期光ファイバグレーティングを有するターゲット光ファイバグレーティングと、
【0008】
前記ターゲット光ファイバグレーティングに接続される第1の光ファイバグレーティングと、
【0009】
前記第1の光ファイバグレーティングに接続される励起レーザとを備え、
【0010】
前記励起レーザは、ターゲット帯域光信号発出コマンドが受信されたときに、第1の光信号を前記第1の光ファイバグレーティングに発出することであって、前記第1の光信号の中心波長はターゲット帯域光信号のターゲット波長であること、及び、光信号調整コマンドが受信されたたときに、第2の帯域光信号を共振を用いて前記ターゲット帯域光信号に変換して、前記ターゲット帯域光信号を出力することを行うように構成され、
【0011】
前記第1の光ファイバグレーティングは、前記第1の光信号から第1の帯域光信号をスクリーニングして、前記第1の帯域光信号を前記ターゲット光ファイバグレーティングに伝送するように構成され、前記第1の帯域光信号の中心波長は、前記ターゲット帯域光信号のターゲット波長であり、前記第1の帯域光信号の帯域幅は前記第1の光信号の帯域幅よりも小さく、
【0012】
前記ターゲット光ファイバグレーティングは、前記第1の帯域光信号から前記第2の帯域光信号及び前記ターゲット帯域光信号をスクリーニングして、前記第2の帯域光信号又は前記ターゲット帯域光信号を用いて前記光信号調整コマンドを前記励起レーザに伝送するように構成される。
【0013】
上記光信号出力装置において、前記プリセット角度光ファイバグレーティングは、プリセット角度がグレーティング平面と光ファイバ軸との交差角度である光ファイバグレーティングであり、前記プリセット周期光ファイバグレーティングは、周期長がプリセット周期長に合致する光ファイバグレーティングである。
【0014】
上記光信号出力装置において、前記プリセット角度光ファイバグレーティングは、前記第2の帯域光信号から第1のプリセット帯域光信号を識別すること、前記第1のプリセット帯域光信号をプリセット角度によって処理すること、前記ターゲット帯域光信号を得ること、及び前記励起レーザをトリガして共振を発生させるように前記ターゲット帯域光信号を前記励起レーザに戻すことを行うようにさらに構成され、前記第1のプリセット帯域光信号は、前記第2の帯域光信号の一部である。
【0015】
上記光信号出力装置において、前記プリセット周期光ファイバグレーティングは、前記ターゲット帯域光信号から第2のプリセット帯域光信号を識別すること、及び前記励起レーザをトリガして共振を発生させるように前記第2のプリセット帯域光信号を前記励起レーザに戻すことを行うようにさらに構成され、前記第2のプリセット帯域光信号は、前記ターゲット帯域光信号の一部である。
【0016】
上記光信号出力装置において、前記プリセット角度光ファイバグレーティングの出力端が第2の光信号を受信すると、前記プリセット角度光ファイバグレーティングは、前記プリセット角度光ファイバグレーティングに対応するプリセット帯域幅に属さない第3の光信号を前記第2の光信号からスクリーニングし、前記第3の光信号を前記第1の光ファイバグレーティングの出力端に伝送するようにさらに構成され、
【0017】
前記第1の光ファイバグレーティングは、前記第1の光ファイバグレーティングに対応するプリセット帯域幅に属するターゲット光信号を前記第3の光信号からスクリーニングするようにさらに構成される。
【0018】
上記光信号出力装置において、前記プリセット角度光ファイバグレーティングは、第1のプリセット角度光ファイバグレーティング及び第2のプリセット角度光ファイバグレーティングの少なくとも1つを含み、
【0019】
前記第1のプリセット角度光ファイバグレーティングの中心波長は、前記ターゲット中心波長よりも小さく、
【0020】
前記第2のプリセット角度光ファイバグレーティングの中心波長は、前記ターゲット中心波長より大きい。
【0021】
上記光信号出力装置において、前記プリセット周期光ファイバグレーティングは、一方向光信号伝送を特徴とする光ファイバグレーティングである。
【0022】
本開示の一実施形態は、ターゲット光ファイバグレーティングを備える光信号出力装置に適用される光信号出力方法を開示し、この方法は、
【0023】
ターゲット帯域光信号発出コマンドを受信したときに、中心波長がターゲット帯域光信号のターゲット波長である第1の光信号を発出するステップと、
【0024】
前記ターゲット光ファイバグレーティングを用いて前記第1の光信号から第2の帯域光信号及び前記ターゲット帯域光信号をスクリーニングするステップと、
【0025】
前記第2の帯域光信号又は前記ターゲット帯域光信号を用いて共振動作をトリガして、前記第2の帯域光信号を前記共振動作を用いて前記ターゲット帯域光信号に変換し、前記ターゲット帯域光信号を出力するステップとを含む。
【0026】
上記方法において、前記ターゲット光ファイバグレーティングを用いて前記第1の光信号から前記第2の帯域光信号及び前記ターゲット帯域光信号をスクリーニングするステップは、
【0027】
中心波長が前記ターゲット帯域光信号のターゲット波長であり、かつ帯域幅が前記第1の光信号の帯域幅よりも小さい第1の帯域光信号を前記第1の光信号からスクリーニングすること、及び
【0028】
前記ターゲット光ファイバグレーティングを用いて前記第1の帯域光信号から前記第2の帯域光信号及び前記ターゲット帯域光信号をスクリーニングすることを含む。
【0029】
上記方法において、前記ターゲット光ファイバグレーティングは、プリセット角度を設けられたプリセット角度光ファイバグレーティングを含み、前記第2の帯域光信号又は前記ターゲット帯域光信号を用いて前記共振動作をトリガするステップは、
【0030】
前記プリセット角度光ファイバグレーティングを用いて前記第2の帯域光信号から第1のプリセット帯域光信号を識別すること、前記プリセット角度によって前記第1のプリセット帯域光信号を処理し、前記ターゲット帯域光信号を得ること、及び
【0031】
前記ターゲット帯域光信号を用いて前記共振動作をトリガして、前記第2の帯域光信号を前記共振動作により前記ターゲット帯域光信号に変換することを含み、前記第1のプリセット帯域光信号は、前記第2の帯域光信号の一部である。
【0032】
上記方法において、前記ターゲット光ファイバグレーティングは、プリセット周期光ファイバグレーティングを含み、前記第2の帯域光信号又は前記ターゲット帯域光信号を用いて前記共振動作をトリガするステップは、
【0033】
前記プリセット周期光ファイバグレーティングを用いて前記ターゲット帯域光信号から前記第2のプリセット帯域光信号を識別すること、
【0034】
前記第2のプリセット帯域光信号を用いて共振動作をトリガして、前記第2の帯域光信号を前記共振動作を用いて前記ターゲット帯域光信号に変換することを含み、前記第2のプリセット帯域光信号は、前記ターゲット帯域光信号の一部である。
【0035】
上記方法において、前記光信号出力装置は、第1の光ファイバグレーティングをさらに備え、前記方法は、前記ターゲット帯域光信号を用いて前記共振動作をトリガした後で、
【0036】
プリセット角度光ファイバグレーティングに対応するプリセット帯域幅に属さない第3の光信号を第2の光信号からスクリーニングし、前記プリセット角度光ファイバグレーティングの出力端が前記第2の光信号を受信すると、前記第3の光信号を前記第1の光ファイバグレーティングの出力端に伝送するステップと、
【0037】
前記第1の光ファイバグレーティングに対応するプリセット帯域幅に属するターゲット光信号を前記第3の光信号からスクリーニングするステップとをさらに含む。
【0038】
本発明の一実施形態は、光信号出力装置に適用されるコンピュータプログラムを記憶する記憶媒体を提供し、前記コンピュータプログラムは、上記方法のいずれか1つを実現するようにプロセッサによって実行される。
【0039】
本出願の実施形態は、光信号出力装置、光信号出力方法及びその記憶媒体を提供する。この装置は、プリセット角度光ファイバグレーティング及び/又はプリセット周期光ファイバグレーティングを有するターゲット光ファイバグレーティングと、前記ターゲット光ファイバグレーティングに接続される第1の光ファイバグレーティングと、前記第1の光ファイバグレーティングに接続される励起レーザとを備え、前記励起レーザは、ターゲット帯域光信号発出コマンドが受信されたときに、第1の光信号を前記第1の光ファイバグレーティングに伝送することであって、前記第1の光信号の中心波長はターゲット帯域光信号のターゲット波長であること、及び、光信号調整コマンドが受信されたたときに、第2の帯域光信号を共振を用いて前記ターゲット帯域光信号に変換して、前記ターゲット帯域光信号を出力することを行うように構成され、前記第1の光ファイバグレーティングは、前記第1の光信号から第1の帯域光信号をスクリーニングして、前記第1の帯域光信号を前記ターゲット光ファイバグレーティングに伝送するように構成され、前記第1の帯域光信号の中心波長は、前記ターゲット帯域光信号のターゲット波長であり、前記第1の帯域光信号の帯域幅は前記第1の光信号の帯域幅よりも小さく、前記ターゲット光ファイバグレーティングは、前記第1の帯域光信号から前記第2の帯域光信号及び前記ターゲット帯域光信号をスクリーニングして、前記第2の帯域光信号又は前記ターゲット帯域光信号を用いて前記光信号調整コマンドを前記励起レーザに伝送するように構成される。第1の光ファイバグレーティングの後方にプリセット角度光ファイバグレーティング又はプリセット周期光ファイバグレーティングを設けることにより、上記の光信号出力装置により実現される実装では、プリセット角度光ファイバグレーティング又はプリセット周期光ファイバグレーティングがターゲット帯域光信号をスクリーニングすると共に、励起レーザの共振動作により第2の帯域光信号をターゲット帯域光信号に変換することが可能になり、これにより、高品質のターゲット帯域光信号が得られ、励起レーザにより出力されるターゲット中心波長の光の品質が向上する。
【0040】
以下、本出願の技術的解決策を図面及び実施形態によってさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1】本開示の実施形態によって提供される例示的な光信号出力装置の接続概略
図Iである。
【0042】
【
図2】本開示の実施形態によって提供される光信号出力装置の構造概略
図IIである。
【0043】
【
図3】本開示の実施形態によって提供される例示的な光信号出力装置の接続概略
図IIIである。
【0044】
【
図4】本開示の実施形態によって提供される例示的な光信号出力装置の接続概略
図IVである。
【0045】
【
図5】本開示の実施形態によって提供される例示的な光信号出力装置の接続概略
図Vである。
【0046】
【
図6】本開示の実施形態によって提供される例示的な光信号出力装置の接続概略
図VIである。
【0047】
【
図7】本開示の一実施形態によって提供される光信号の出力方法のフロー
図Iである。
【発明を実施するための形態】
【0048】
本開示の実施形態における技術的解決策は、本開示の実施形態における図面に関連して明確かつ完全に説明される。
【0049】
実施形態1
【0050】
本開示の一実施形態は、光信号出力装置1を提供する。
図2に示すように、光信号出力装置1は、
【0051】
プリセット角度光ファイバグレーティング及び/又はプリセット周期光ファイバグレーティングを有するターゲット光ファイバグレーティング13と、
【0052】
ターゲット光ファイバグレーティングに接続された第1の光ファイバグレーティング12と、
【0053】
第1の光ファイバグレーティングに接続された励起レーザ11とを備え、
【0054】
ここで、この励起レーザは、ターゲット帯域光信号発出コマンドが受信されたときに、第1の光信号を第1の光ファイバグレーティングに伝送するように構成され、第1の光信号の中心波長は、ターゲット帯域光信号のターゲット波長であり、かつ励起レーザは、第2の帯域光信号を共振によりターゲット帯域光信号に変換して、光信号調整コマンドが受信されたときにターゲット帯域光信号を出力するように構成され、
【0055】
この第1の光ファイバグレーティングは、第1の光信号から第1の帯域光信号をスクリーニングし、第1の帯域光信号をターゲット光ファイバグレーティングに伝送するように構成され、第1の帯域光信号の中心波長はターゲット帯域光信号のターゲット波長であり、第1の帯域光信号の帯域幅は第1の光信号の帯域幅よりも小さく、
【0056】
また、このターゲット光ファイバグレーティングは、第1の帯域光信号から前記第2の帯域光信号及び前記ターゲット帯域光信号をスクリーニングし、第2の帯域光信号又はターゲット帯域光信号を用いて光信号調整コマンドを励起レーザに伝送するように構成される。
【0057】
本出願の実施形態によって提供される光信号出力装置は、励起レーザによって生成された非ターゲット帯域光信号を変換することによってターゲット帯域光信号を得るシナリオに適している。
【0058】
本出願の一実施形態では、光信号出力装置は、ターゲット光ファイバグレーティングと、ターゲット光ファイバグレーティングに接続された第1の光ファイバグレーティングと、第1の光ファイバグレーティングに接続された励起レーザとを備え、ターゲット光ファイバグレーティングは、プリセット角度光ファイバグレーティング及びプリセット周期光ファイバグレーティングを備え、プリセット角度光ファイバグレーティングのグレーティング平面と光ファイバ軸との交差角度はプリセット角度であり、プリセット周期長光ファイバグレーティングの周期長はプリセット周期長に合致する。
【0059】
例えば、プリセット周期長光ファイバグレーティングは、長周期光ファイバグレーティング等の、1μmより長い周期長を有する光ファイバグレーティングとすることができる。具体的なプリセット周期長は、実際の状況に応じて特定されてもよく、本出願によって限定されるものではない。
【0060】
本出願の一実施形態において、励起レーザは、ターゲット中心波長を備えている。励起レーザが活性化されると、励起レーザは、ターゲット帯域光信号発出コマンドを受信し、ターゲット中心波長の光信号の生成を開始すると共に、非ターゲット中心波長の光信号を生成する。励起レーザは、励起レーザによって生成された全ての光信号を第1の光ファイバグレーティングに伝送する。すなわち、励起レーザは、第1の光信号を第1の光ファイバグレーティングに伝送する。
【0061】
なお、第1の光信号は、励起レーザにより生成された光信号である。
【0062】
例えば、励起レーザのターゲット中心波長は974nmである。励起レーザが活性化されると、励起レーザは、ターゲット帯域光信号発出コマンドを受信して、974nmの波長を有する光信号を生成すると共に、帯域幅960-973nmの光信号の一部と帯域幅975-980nmの光信号の一部とを生成する。すなわち、第1の光信号は、帯域幅960-980nmの波長を有する光信号であり、励起レーザは、帯域幅960-980nmの光信号を発出する。
【0063】
本出願の一実施形態では、共振空洞が励起レーザに設けられる。励起レーザが光信号調整コマンドを受信すると、励起レーザの共振空洞が共振し始める。光信号調整コマンドは、ターゲット帯域光信号であり、励起レーザによって受信されると、励起レーザは、第2の帯域光信号を共振によりターゲット帯域光信号に変換することができ、そのため、光信号出力装置は、ターゲット帯域光信号を得て、ターゲット帯域光信号を出力する。
【0064】
なお、ターゲット光信号は、ターゲット帯域光信号であってもよく、光信号出力装置によって出力されてもよい。例えば、光信号出力装置に設定されたターゲット帯域が974-975nmである場合、光信号出力装置によって出力される波長974-975nmを有する光信号がターゲット帯域光信号となる。
【0065】
なお、第2の帯域光信号は、第1の帯域光信号からターゲット光ファイバグレーティングによりスクリーニングされた、ターゲット帯域光信号以外の光信号である。
【0066】
例えば、ターゲット帯域光信号の波長範囲は974-975nmであり、第2の帯域光信号の波長範囲は976-978nmである。励起レーザは、974-975nmの波長範囲の光信号の調整コマンドを受信すると、976-978nmの波長範囲の光信号を974-975nmの波長範囲の光信号に変換するように共振を発生させ、同時に、光信号出力装置は、974-975nmの波長範囲のターゲット帯域光信号を得て、ターゲット帯域光信号を出力する。
【0067】
本出願の一実施形態では、第1の光ファイバグレーティングは、グレーティング反射率で特定される。第1の光ファイバグレーティングが励起レーザによって発出された第1の光信号を受信すると、第1の光ファイバグレーティングは、第1の光信号から第1の帯域光信号をスクリーニングし、第1の帯域光信号におけるグレーティング反射率と一致する光信号を励起レーザに戻して、励起レーザの共振空洞をトリガして共振を発生させ、それによって、第1の光信号における第1の帯域光信号以外の光信号を第1の帯域光信号に変換する。第1の帯域光信号の中心波長は、ターゲット帯域光信号のターゲット波長と同じであるので、第1の帯域光信号はスクリーニングされて、ターゲット光ファイバグレーティングに伝送される。
【0068】
なお、第1の帯域光信号は、第1の光ファイバグレーティングにより第1の光信号からスクリーニングされた光信号であり、第1の帯域光信号の中心波長は、ターゲット帯域光信号のターゲット波長であり、第1の帯域光信号の帯域幅は、第1の光信号の帯域幅よりも小さい。
【0069】
本出願の実施形態において、第1の光ファイバグレーティングは、通常のものであってもよく、実際の状況に応じて具体的に特定され得るが、本出願の実施形態に限定されるものではない。
【0070】
本出願の一実施形態では、ターゲット光ファイバグレーティングは、プリセット角度光ファイバグレーティングとプリセット周期光ファイバグレーティングとを含む。ターゲット光ファイバグレーティングが具体的にはプリセット角度光ファイバグレーティングであって、プリセット角度光ファイバグレーティングが第1の帯域光信号を受信する場合、プリセット角度光ファイバグレーティングは、第1の帯域光信号から第2の帯域光信号及びターゲット帯域光信号をスクリーニングし、第2の帯域光信号により光信号調整コマンドを励起レーザに伝送する。ターゲット光ファイバグレーティングが具体的にはプリセット周期光ファイバグレーティングであって、プリセット周期光ファイバグレーティングが第1の帯域光信号を受信する場合、プリセット周期光ファイバグレーティングは、第1の帯域光信号から第2の帯域光信号及びターゲット帯域光信号をスクリーニングし、ターゲット帯域光信号により光信号調整コマンドを励起レーザに伝送する。
【0071】
本出願の一実施形態において、ターゲット光ファイバグレーティングがプリセット周期光ファイバグレーティングである場合に、励起レーザと第1の光ファイバグレーティングとプリセット周期光ファイバグレーティングとの接続態様が
図3に示されている。励起レーザの出力端は、第1の光ファイバグレーティングの入力端に接続され、第1の光ファイバグレーティングの出力端は、プリセット周期光ファイバグレーティングの入力端に接続される。励起レーザのターゲット中心波長は974nmとすることができ、第1の光ファイバグレーティングの中心波長範囲及びプリセット周期光ファイバグレーティングのそれは974-975nmとすることができる。励起レーザは、ターゲット帯域光信号発出コマンドを受信すると、波長974nmの光信号と波長974nm以外の光信号とを含む第1の光信号を生成し、第1の光ファイバグレーティングに伝送する。第1の光ファイバグレーティングは、第1の光信号から974-975nmの波長範囲の光信号をスクリーニングし、974-975nmの波長範囲の光信号からグレーティング反射率と一致する光信号をスクリーニングした後で、励起レーザをトリガして共振を発生させるためにグレーティング反射率と一致する光信号を励起レーザに戻して、第1の光信号における974-975nm以外の波長範囲の光信号を974-975nmの波長範囲の光信号に変換する。第1の光ファイバグレーティングのフィルタリング精度が低いと、第1の光信号における974-975nm以外の波長範囲の光信号を全て変換することができず、これは、第1の光ファイバグレーティングによって出力される第1の帯域光信号が、974-975nmの波長範囲のターゲット帯域光信号と、976-978nmの波長範囲の第2の帯域光信号とを含むことを意味する。プリセット周期光ファイバグレーティングは、第1の帯域光信号を受信すると、ターゲット帯域光信号におけるプリセット周期反射率に一致する光信号を励起レーザに戻して励起レーザの共振をトリガし、第2の帯域光信号をターゲット帯域光信号に変換して得られたターゲット帯域光信号を出力する。
【0072】
選択的に、プリセット角度光ファイバグレーティングは、プリセット角度がグレーティング平面と光ファイバ軸との間の交差角度である光ファイバグレーティングである。プリセット周期光ファイバグレーティングは、周期長がプリセット周期長に合致する光ファイバグレーティングである。
【0073】
本出願の一実施形態では、プリセット角度光ファイバグレーティングは傾斜した光ファイバグレーティングであってもよく、プリセット周期光ファイバグレーティングは長周期光ファイバグレーティングであってもよく、その具体例は実際の状況に応じて特定されてもよく、本出願の実施形態に限定されるものではない。
【0074】
選択的に、プリセット角度光ファイバグレーティングは、第2の帯域光信号から第1のプリセット帯域光信号を識別すること、第1のプリセット帯域光信号をプリセット角度によって処理してターゲット帯域光信号を得ること、及びターゲット帯域光信号を励起レーザに戻して励起レーザの共振をトリガすることを行うようにさらに構成され、第1のプリセット帯域光信号は第2の帯域光信号の一部である。
【0075】
本出願の一実施形態では、プリセット角度光ファイバグレーティングは、プリセット反射率及びプリセット角度で特定される。プリセット角度光ファイバグレーティングは、第1の帯域光信号から第2の帯域光信号及びターゲット帯域光信号をスクリーニングするときに、ターゲット帯域光信号を出力し、プリセット反射率に応じて第2の帯域光信号から第1のプリセット帯域光信号を識別し、プリセット角度によって第1のプリセット帯域光信号をターゲット帯域光信号に変換し、励起レーザによる共振の発生をトリガするようにターゲット帯域光信号を励起レーザに戻す。
【0076】
なお、第1のプリセット帯域光信号は、第2の帯域光信号の一部である。
【0077】
選択的に、プリセット周期光ファイバグレーティングは、ターゲット帯域光信号から第2のプリセット帯域光信号を識別すること、及び励起レーザによる共振の発生をトリガするように第2のプリセット帯域光信号を励起レーザに戻すことを行うようにさらに構成され、第2のプリセット帯域光信号はターゲット帯域光信号の一部である。
【0078】
本出願の一実施形態では、プリセット周期光ファイバグレーティングは、プリセット周期反射率で特定される。プリセット周期光ファイバグレーティングは、第1の帯域光信号から第2の帯域光信号及びターゲット帯域光信号をスクリーニングするときに、プリセット周期反射率に応じて第2のプリセット帯域光信号をターゲット光信号からスクリーニングし、ターゲット帯域光信号から第2のプリセットバンドの光信号以外の光信号を出力し、励起レーザによる共振の発生をトリガするように第2のプリセット帯域光信号を励起レーザに戻す。
【0079】
なお、第2のプリセット帯域光信号は、ターゲット帯域光信号の一部である。
【0080】
選択的に、プリセット角度光ファイバグレーティングは、プリセット角度光ファイバグレーティングの出力端が第2の光信号を受信したときに、プリセット角度光ファイバグレーティングに対応するプリセット帯域幅に属さない第3の光信号を第2の光信号からスクリーニングし、第3の光信号を第1の光ファイバグレーティングの出力端に伝送するようにさらに構成される。
【0081】
また、この第1の光ファイバグレーティングは、第1の光ファイバグレーティングに対応するプリセット帯域幅に属するターゲット光信号を第3の光信号からスクリーニングするようにさらに構成される。
【0082】
本出願の一実施形態では、第2の光信号は、プリセット角度光ファイバグレーティングの出力端によって受信される光信号であり、第3の光信号は、第2の光信号における光信号であって、プリセット角度光ファイバグレーティングに対応するプリセット帯域幅に属するもの以外の光信号である。
【0083】
本出願の一実施形態では、第1の光ファイバグレーティングの出力端が第3の光信号を受信すると、第1の光ファイバグレーティングに対応するプリセット帯域幅に属するターゲット光信号が第3の光信号からスクリーニングされ、励起レーザに逆方向に伝送される。
【0084】
選択的に、プリセット角度光ファイバグレーティングは、第1のプリセット角度光ファイバグレーティング及び第2のプリセット角度光ファイバグレーティングのうちの少なくとも1つを含み、
【0085】
この第1のプリセット角度光ファイバグレーティングの中心波長は、ターゲット中心波長よりも小さく、
【0086】
この第2のプリセット角度光ファイバグレーティングの中心波長は、ターゲット中心波長より大きい。
【0087】
ターゲット光ファイバグレーティングが第1のプリセット角度光ファイバグレーティングを含む場合に、励起レーザと第1の光ファイバグレーティングと第1のプリセット角度光ファイバグレーティングとの接続態様が
図4に示されている。励起レーザの出力端は第1の光ファイバグレーティングの入力端に接続され、第1の光ファイバグレーティングの出力端は第1のプリセット角度光ファイバグレーティングの入力端に接続される。励起レーザのターゲット中心波長は974nmであってもよく、第1の光ファイバグレーティングの中心波長範囲及びプリセット周期光ファイバグレーティングのそれは974-975nmであってもよい。励起レーザは、ターゲット帯域光信号発出コマンドを受信すると、974nmの波長を有する光信号と974nm以外の波長を有する光信号とを含む第1の光信号を生成する。励起レーザは、第1の光信号を第1の光ファイバグレーティングに伝送する。第1の光ファイバグレーティングは、第1の光信号から974-975nmの波長範囲の光信号をスクリーニングし、974-975nmの波長範囲の光信号からグレーティング反射率に合致する光信号をスクリーニングし、グレーティング反射率に合致するスクリーニングされた光信号を励起レーザに戻して励起レーザによる共振の発生をトリガし、それによって、第1の光信号における974-975nm以外の波長範囲の光信号を974-975nmの波長範囲の光信号に変換する。第1の光ファイバグレーティングのフィルタリング精度が低いと、第1の光信号における974-975nm以外の波長範囲の全ての光信号を変換できず、これは、第1の光ファイバグレーティングによって出力される第1の帯域光信号が、974-975nmの波長範囲のターゲット帯域光信号と、976-978nmの波長範囲の第2の帯域光信号とを含むことを意味する。第1のプリセット角度光ファイバグレーティングは、第1の帯域光信号を受信すると、ターゲット帯域光信号を出力し、第2の帯域光信号のプリセット反射率に合致する光信号をプリセット角度によってターゲット帯域光信号に変換し、ターゲット帯域光信号を励起レーザに戻すことにより、励起レーザによる共振の発生をトリガし、第2の帯域光信号をターゲット帯域光信号に変換し、得られたターゲット帯域光信号を出力する。
【0088】
本出願の一実施形態において、ターゲット光ファイバグレーティングが第1のプリセット角度光ファイバグレーティング及び第2のプリセット角度光ファイバグレーティングを含む場合に、光信号出力装置の接続方法が
図5に示されている。励起レーザの出力端は、第1の光ファイバグレーティングの入力端に接続され、第1の光ファイバグレーティングの出力端は、第1のプリセット角度光ファイバグレーティングの入力端に接続され、第1のプリセット角度光ファイバグレーティングの入力端は、第2のプリセット角度光ファイバグレーティングの出力端に接続される。
【0089】
なお、ターゲット光ファイバグレーティングは、複数のターゲット光ファイバグレーティングの集合であってもよく、第1の光ファイバグレーティングも複数の第1の光ファイバグレーティングの集合であってもよい。
図6に示すように、相互に接続された4つのターゲット光ファイバグレーティング(第1のプリセット角度光ファイバグレーティング及び第2のプリセット角度光ファイバグレーティング)のうちの第1のターゲット光ファイバグレーティングの入力端は、相互に接続された2つの第1の光ファイバグレーティングのうちの最後の第1の光ファイバグレーティングの出力端に接続され、相互に接続された2つの第1の光ファイバグレーティングのうちの最初の光ファイバグレーティングの入力端は、励起レーザの出力端に接続される。本出願の実施形態におけるターゲット光ファイバグレーティングの量及び第1の光ファイバグレーティングの量は単なる例示であり、光信号出力装置における第1の光ファイバグレーティング及びターゲット光ファイバグレーティングの具体的な量は、実際の状況に応じて特定されてもよく、本出願の実施形態に限定されるものではない。
【0090】
選択的に、プリセット周期光ファイバグレーティングは、一方向光信号伝送を特徴とする光ファイバグレーティングである。
【0091】
本出願の一実施形態では、プリセット周期光ファイバグレーティングは、ファイバコア基本モードとクラッドモードとが共伝搬する結合光ファイバグレーティングであり、これは、プリセット周期光ファイバグレーティングにおける光信号の伝送方向が、プリセット周期光ファイバグレーティングの入力端から出力端へ向かうことを意味する。
【0092】
第1の光ファイバグレーティングの後方にプリセット角度光ファイバグレーティング又はプリセット周期光ファイバグレーティングを設けることにより、プリセット角度光ファイバグレーティング又はプリセット周期光ファイバグレーティングは、ターゲット帯域光信号をスクリーニングし、一方で、励起レーザの共振動作により第2の帯域光信号がターゲット帯域光信号に変換されることにより、高品質のターゲット帯域光信号を得ることができ、励起レーザによって出力されるターゲット中心波長を有する光の品質を向上させることができることが理解されよう。
【0093】
実施形態2
【0094】
本出願の一実施形態は、ターゲット光ファイバグレーティングを含む光信号出力装置に適用される光信号出力方法を提供する。
図7に示すように、この方法は、以下を含む。
【0095】
S101において、ターゲット帯域光信号発出コマンドを受信したときに、第1の光信号を発出し、ここで第1の光信号の中心波長はターゲット帯域光信号のターゲット波長である。
【0096】
本出願の一実施形態では、光信号出力装置は、ターゲット光ファイバグレーティングと、ターゲット光ファイバグレーティングに接続された第1の光ファイバグレーティングと、第1の光ファイバグレーティングに接続された励起レーザとを備える。ターゲット光ファイバグレーティングは、プリセット角度光ファイバグレーティングとプリセット周期光ファイバグレーティングとを備える。プリセット角度光ファイバグレーティングのグレーティング平面と光ファイバ軸との交差角度はプリセット角度であり、プリセット周期長光ファイバグレーティングの周期長はプリセット周期長に合致する。
【0097】
本出願の実施形態において提供される光信号出力装置は、生成された光信号を処理することによってターゲット帯域光信号を得るシナリオに適している。
【0098】
本出願の一実施形態では、励起レーザは、ターゲット中心波長で特定される。励起レーザが活性化されると、励起レーザは、ターゲット帯域光信号発出コマンドを受信し、ターゲット中心波長である波長を有する光信号を生成し始めると共に、ターゲット中心波長以外の波長を有する光信号の一部を生成する。励起レーザによって生成された光信号は第1の光信号であり、これは次に励起レーザによって発出される。
【0099】
なお、第1の光信号は、励起レーザにより生成された光信号であり、第1の光信号の中心波長は、ターゲット帯域光信号のターゲット波長である。
【0100】
例えば、励起レーザのターゲット中心波長は974nmである。励起レーザが活性化されると、励起レーザは、ターゲット帯域光信号発出コマンドを受信して、波長974nmの光信号を生成すると共に、帯域幅960-973nmの光信号の一部と帯域幅975-980nmの光信号の一部とを生成する。すなわち、第1の光信号は、960-980nmの帯域光信号であり、励起レーザは、960-980nmの帯域光信号を発出する。
【0101】
S102において、ターゲット光ファイバグレーティングを用いて第1の光信号から第2の帯域光信号及びターゲット帯域光信号をスクリーニングする。
【0102】
本出願の一実施形態では、光信号出力装置は、第1の光ファイバグレーティングをさらに含む。励起レーザが第1の光信号を発出すると、第1の光ファイバグレーティングは、第1の光信号を受信し、第1の光信号から第1の帯域光信号をスクリーニングし、第1の帯域光信号をターゲット光ファイバグレーティングに伝送する。光信号出力装置は、ターゲット光ファイバグレーティングを用いて、第1の帯域光信号から第2の帯域光信号及びターゲット帯域光信号をスクリーニングする。
【0103】
なお、第1の帯域光信号は、第1の光信号からスクリーニングされた光信号であり、第1の帯域光信号の中心波長は、ターゲット帯域光信号のターゲット波長であり、第1の帯域光信号の帯域幅は、第1の光信号の帯域幅よりも小さい。
【0104】
なお、ターゲット光信号は、ターゲット帯域光信号であり、光信号出力装置から出力されてもよい。例えば、光信号出力装置によって設定されたターゲット帯域が974-975nmである場合、光信号出力装置によって出力される波長974-975nmの光信号がターゲット帯域光信号となる。
【0105】
なお、第2の帯域光信号は、第1の帯域光信号からスクリーニングされた光信号であって、ターゲット帯域光信号以外の光信号である。
【0106】
S103では、第2の帯域光信号又はターゲット帯域光信号により共振動作をトリガし、その共振動作によって第2の帯域光信号をターゲット帯域光信号に変換し、ターゲット帯域光信号を出力する。
【0107】
本出願の一実施形態では、ターゲット光ファイバグレーティングは、プリセット角度を設けられたプリセット角度光ファイバグレーティングを含み、第2の帯域光信号又はターゲット帯域光信号によって共振動作をトリガするステップは、詳細には、以下の通りである。
【0108】
本出願の一実施形態では、光信号出力装置は、プリセット角度光ファイバグレーティングを用いて、第2の帯域光信号から第1のプリセット帯域光信号を識別する。
【0109】
本出願の一実施形態では、プリセット角度光ファイバグレーティングは、プリセット反射率によって特定される。プリセット角度光ファイバグレーティングは、第1の帯域光信号から第2の帯域光信号及びターゲット帯域光信号をスクリーニングするとき、ターゲット帯域光信号を出力し、プリセット反射率に応じて第2の帯域光信号から第1のプリセット帯域光信号を識別する。
【0110】
本出願の一実施形態では、光信号出力装置は、第1のプリセット帯域光信号をプリセット角度によって処理することにより、ターゲット帯域光信号を得る。
【0111】
本出願の一実施形態では、光信号出力装置は、ターゲット帯域光信号により共振動作をトリガして、第2の帯域光信号を共振動作によりターゲット帯域光信号に変換し、第1のプリセット帯域光信号は、第2の帯域光信号の一部である。
【0112】
本出願の一実施形態では、プリセット角度光ファイバグレーティングは、変換後に得られたターゲット帯域光信号を励起レーザに戻し、励起レーザは光信号調整コマンドを受信し、その後、励起レーザは共振を開始し、共振動作により第2の帯域光信号をターゲット帯域光信号に変換する。
【0113】
本出願の一実施形態では、ターゲット光ファイバグレーティングは、プリセット周期光ファイバグレーティングを含み、第2の帯域光信号又はターゲット帯域光信号によって共振動作をトリガするステップは、詳細には、以下の通りである。
【0114】
本出願の一実施形態では、第2のプリセット帯域光信号は、プリセット周期光ファイバグレーティングを用いてターゲット帯域光信号から識別される。
【0115】
本出願の一実施形態では、プリセット周期光ファイバグレーティングは、プリセット周期反射率で特定される。プリセット周期光ファイバグレーティングは、第1の帯域光信号から第2の帯域光信号及びターゲット帯域光信号をスクリーニングするとき、プリセット周期反射率に応じてターゲット光信号から第2のプリセット帯域光信号を識別する。
【0116】
なお、第2のプリセット帯域光信号は、ターゲット帯域光信号の一部である。
【0117】
本出願の一実施形態では、第2のプリセット帯域光信号により共振動作がトリガされて、第2のプリセット帯域光信号を共振動作によりターゲット帯域光信号に変換し、第2のプリセット帯域光信号はターゲット帯域光信号の一部である。
【0118】
本出願の一実施形態では、プリセット周期光ファイバグレーティングは第2のプリセット帯域光信号を励起レーザに戻し、励起レーザは光信号調整コマンドを受信し、その後、励起レーザは共振を開始して、共振動作により第2の帯域光信号をターゲット帯域光信号に変換する。
【0119】
本出願の一実施形態では、プリセット角度光ファイバグレーティングの出力端が第2の光信号を受信すると、プリセット角度光ファイバグレーティングは、プリセット角度光ファイバグレーティングに対応するプリセット帯域に属さない第3の光信号を第2の光信号からスクリーニングして第3の光信号を第1の光ファイバグレーティングの出力端に伝送する。
【0120】
本出願の一実施形態では、第2の光信号は、プリセット角度光ファイバグレーティングの出力端によって受信される光信号である。
【0121】
本出願の一実施形態では、第1の光ファイバグレーティングに対応するプリセット帯域幅に属するターゲット光信号は、第3の光信号からスクリーニングされる。
【0122】
本出願の一実施形態では、第1の光ファイバグレーティングの出力端が第3の光信号を受信すると、第1の光ファイバグレーティングは、第1の光ファイバグレーティングに対応するプリセット帯域幅に属するターゲット光信号を第3の光信号からスクリーニングして、ターゲット光信号を励起レーザに逆方向に伝送する。
【0123】
なお、第3の光信号は、第2の光信号のうち、プリセット角度光ファイバグレーティングに対応するプリセット帯域に属する光信号以外の光信号である。
【0124】
プリセット角度光ファイバグレーティング又はプリセット周期光ファイバグレーティングは、プリセット角度光ファイバグレーティング又はプリセット周期光ファイバグレーティングを第1の光ファイバグレーティングの後方に設けると共に、第2の帯域光信号が励起レーザの共振動作によりターゲット帯域光信号に変換されることにより、ターゲット帯域光信号をスクリーニングし、それによって、高品質のターゲット帯域光信号を得て、励起レーザによって出力されるターゲット中心波長を有する光の品質を向上させることが理解されよう。
【0125】
本出願の一実施形態は、コンピュータプログラムが記憶された記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体には、1つ以上のプロセッサによって実行可能であり、光信号出力装置に適用可能な1つ以上のプログラムが記憶される。コンピュータプログラムは、実施形態2で説明された光信号の出力方法を実現する。
【0126】
当業者は、本出願の実施形態が、方法、システム又はコンピュータプログラム製品として提供され得ることを理解するであろう。したがって、本出願は、ハードウェア、ソフトウェア、又はソフトウェア及びハードウェアの組み合わせ等の実施形態によって達成され得る。さらに、本出願は、コンピュータ利用可能なプログラムコードを含むコンピュータ利用可能な記憶媒体(限定されないが、ディスクメモリ、光学メモリ等を含む)上に実装されるコンピュータプログラム製品によって達成され得る。
【0127】
本出願は、本出願の実施形態による装置(システム)及びコンピュータプログラム製品の方法のフローチャート及び/又はブロック図を参照して説明される。フローチャート及び/又はブロック図における各フロー及び/又はブロック、並びにフローチャート及び/又はブロック図におけるフロー及び/又はブロックの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって達成され得ることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、埋込みプロセッサ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置に供給して機械を生成することができ、これにより、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサによって実行される命令は、フローチャート内の1つ以上のフロー及び/又はブロック図内の1つ以上のブロックによって設計された機能を達成するために使用される装置を生成することができる。
【0128】
また、これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置を起動して、このコンピュータ可読メモリに記憶された命令によって命令装置を含む製品を生成することができる特定のやり方で動作することが可能なコンピュータ可読メモリに記憶することができ、命令装置は、フローチャート内の1つ以上のフロー及び/又はブロック図内の1つ以上のブロックによって設計される機能を実現する。
【0129】
また、これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置上で一連のステップを実行して、コンピュータのような処理結果を達成することができるように、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置にロードすることが可能であり、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置上で実行される命令が、フローチャート内の1つ以上のフロー及び/又はブロック図内の1つ以上のブロックによって設計される機能を達成することができるステップを提供することを可能にする。
【0130】
上記の実施形態は、本開示の好ましい実施形態に過ぎず、本開示の保護範囲を規定することを意味するものではない。
【0131】
産業上の利用可能性
【0132】
第1の光ファイバグレーティングの後方にプリセット角度光ファイバグレーティング又はプリセット周期光ファイバグレーティングを設けることにより、プリセット角度光ファイバグレーティング又はプリセット周期光ファイバグレーティングはターゲット帯域光信号をスクリーニングし、それと同時に、励起レーザの共振動作により第2の帯域光信号がターゲット帯域光信号に変換され、それによって高品質のターゲット帯域光信号が得られ、励起レーザによって出力されるターゲット中心波長を有する光の品質が向上する。
【国際調査報告】