(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-03
(54)【発明の名称】放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造及びその製造方法並びに基板
(51)【国際特許分類】
H01L 23/12 20060101AFI20220926BHJP
H01L 23/00 20060101ALI20220926BHJP
H01L 23/34 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
H01L23/12 501P
H01L23/00 C
H01L23/34 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021545754
(86)(22)【出願日】2020-07-24
(85)【翻訳文提出日】2021-08-04
(86)【国際出願番号】 CN2020104571
(87)【国際公開番号】W WO2021253573
(87)【国際公開日】2021-12-23
(31)【優先権主張番号】202010546032.7
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520350546
【氏名又は名称】珠海越亜半導体股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHUHAI ACCESS SEMICONDUCTOR CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 先 明
(72)【発明者】
【氏名】謝 炳 森
(72)【発明者】
【氏名】黄 本 霞
(72)【発明者】
【氏名】馮 磊
【テーマコード(参考)】
5F136
【Fターム(参考)】
5F136BB00
5F136FA03
5F136FA04
5F136GA21
(57)【要約】
本出願は放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造及びその製造方法並びに基板を開示し、該放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造は、上面と下面を備え、内部に少なくとも1つのキャビティユニットが設けられる誘電体層と、キャビティユニット内に設けられる絶縁層であって、キャビティユニットが絶縁層により部分充填される絶縁層と、一端が絶縁層内に埋め込まれ他端がキャビティユニット内に露出し、端子を含む電子部品と、誘電体層の上面と下面を貫通し端子に連通するスルーホールと、誘電体層の6つの表面とスルーホール内を被覆し、それぞれシールド層と回路層を形成する金属層であって、シールド層は電子部品の露出した一端を被覆し、シールド層と回路層は誘電体層で隔てられる、金属層と、を備える。本出願の放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造及びその製造方法並びに基板は良好な電磁放射シールド及び放熱機能を同時に実現できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造であって、
上面及び下面を備え、内部に少なくとも1つのキャビティユニットが設けられる誘電体層と、
前記キャビティユニット内に設けられる絶縁層であって、前記キャビティユニットが前記絶縁層により部分的に充填される、絶縁層と、
一端が前記絶縁層に埋め込まれ、他端が前記キャビティユニット内に露出し、端子を含む電子部品と、
前記誘電体層の上面及び下面を貫通し、前記端子に連通するスルーホールと、
前記誘電体層の6つの表面及び前記スルーホール内を被覆し、それぞれシールド層及び回路層を形成するための金属層であって、前記シールド層は前記電子部品の露出した一端を被覆し、前記シールド層と前記回路層は前記誘電体層によって隔てられる、金属層と、を備えることを特徴とする放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造。
【請求項2】
前記誘電体層は少なくとも1層を備え、各層の前記誘電体層の表面に回路層が設けられることを特徴とする請求項1に記載の放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造。
【請求項3】
前記電子部品の露出した一端を被覆するシールド層及び前記誘電体層表面のシールド層はさらにスルーホールを介して連通することができることを特徴とする請求項1に記載の放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造。
【請求項4】
前記金属層はシード層及び被覆層を備え、前記シード層は前記被覆層の底部に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造。
【請求項5】
前記絶縁層は高温で硬化可能な液体感光性誘電体材料であることを特徴とする請求項1に記載の放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造。
【請求項6】
放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の製造方法であって、
スルーホール及びキャビティユニットを備える第1の誘電体層を提供するステップであって、前記第1の誘電体層の周面及び前記スルーホール内は金属層で被覆されているステップと、
キャビティユニット内に絶縁層を設け、電子部品を前記絶縁層の底部に実装し、前記絶縁層を硬化させ且つそれにフォトリソグラフィを行って電子部品の端子を露出させるステップであって、前記電子部品の上端は前記絶縁層から露出するステップと、
前記第1の誘電体層の上面及び下面に第1の金属層を形成し、前記第1の金属層に対してフォトリソグラフィを行って第1の回路層及び第1のシールド層を形成するステップであって、前記第1の回路層は前記端子及び前記スルーホールに連通し、前記第1のシールド層は前記第1の誘電体層の周面の金属層に連通するステップと、を含むことを特徴とする放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の製造方法。
【請求項7】
キャビティユニット内に絶縁層を設け、電子部品を前記絶縁層の底部に実装し、前記絶縁層を硬化させ且つそれにフォトリソグラフィを行って電子部品の端子を露出させるステップは、
前記第1の誘電体層の下面にテープを積層するステップと、
一定量の感光性液体誘電体材料をキャビティユニットに充填して絶縁層を形成するステップと、
電子部品を前記絶縁層の底部に実装するステップと、
前記絶縁層を半硬化させるステップと、
前記テープを取り外すステップと、
前記絶縁層を高温で硬化させ且つそれにフォトリソグラフィを行って電子部品の端子を露出させるステップと、を含むことを特徴とする請求項6に記載の放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の製造方法。
【請求項8】
前記第1の金属層を形成するステップは、
金属及び/又は金属合金材料であるシード層を前記第1の誘電体層の上面に形成するステップと、
一定の厚さの金属材料である被覆層を前記シード層の表面に形成するステップと、を含むことを特徴とする請求項6に記載の放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の製造方法。
【請求項9】
前記第Nの金属層の表面に第N+1の誘電体層を形成し、前記第N+1の誘電体層に対してフォトリソグラフィ及びコーティングを行って第N+1の金属層を形成するステップと、
前記第N+1の金属層に対してフォトリソグラフィを行って第N+1の回路層及び第N+1のシールド層を形成するステップであって、前記第1の回路層、……前記第N+1の回路層(520)は前記スルーホールに連通し、前記第1のシールド層、……前記第N+1のシールド層は前記誘電体層の周面の金属層に連通する(N≧1)ステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項6~8のいずれか一項に記載の放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の製造方法。
【請求項10】
前記第1のシールド層は前記第N+1のシールド層及び前記誘電体層の周面の金属層に連通し、前記第1のシールド層と前記第N+1のシールド層との連通方式は、
前記キャビティユニットの上面に位置する対応する第N+1の誘電体層を完全にエッチ除去し、金属を充填することで前記第1のシールド層及び前記第N+1のシールド層を金属によってシームレスに接続する方式、
前記キャビティユニットの上面に位置する対応する第N+1の誘電体層を部分的にエッチ除去してスルーホールウィンドウを形成し、金属を充填することで前記第1のシールド層及び前記N+1のシールド層をスルーホールによって連通させる方式、のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項9に記載の放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の製造方法。
【請求項11】
請求項1~5のいずれか一項に記載の放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造を備える基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は半導体パッケージ技術分野に関し、特に放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造及びその製造方法並びに基板に関する。
【背景技術】
【0002】
電子製品の体積が日に日に軽く且つ薄くなり、集積度が日増しに高くなり、埋め込みパッケージ技術もますます人気になってきているが、集積度の増加や、演算能力の向上につれて、パッケージの放熱性、電磁干渉耐性への要件も次第に高くなっている。
【0003】
現在の市場では、放熱性は電子部品の1つの表面において接続銅柱によって実現され、電磁干渉耐性は基板の外部において金属パッケージハウジングを用いて実現されることが多く、従来のパッケージ技術では、放熱と抗電磁干渉の機能を両立させて設計することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本出願は関連技術における技術的課題の1つを少なくともある程度を解決することを目的とする。このために、本出願は放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造及びその製造方法並びに基板を提供し、以下は本明細書で詳しく説明された主題の概要である。本概要は特許請求の範囲を限定するためのものではない。前記技術的解決手段は以下のとおりである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様によれば、本出願の実施例は、
上面及び下面を備え、内部に少なくとも1つのキャビティユニットが設けられる誘電体層と、
前記キャビティユニット内に設けられる絶縁層であって、前記キャビティユニットが前記絶縁層により部分的に充填される、絶縁層と、
一端が前記絶縁層に埋め込まれ、他端が前記キャビティユニット内に露出し、端子を含む電子部品と、
前記誘電体層の上面及び下面を貫通し、前記端子に連通するスルーホールと、
前記誘電体層の6つの表面及び前記スルーホール内を被覆し、それぞれシールド層及び回路層を形成するための金属層であって、前記シールド層は前記電子部品の露出した一端を被覆し、前記シールド層と前記回路層は前記誘電体層によって隔てられる、金属層と、を備える放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造を提供する。
【0006】
本出願の第1の態様の実施例に係る放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造は、少なくとも以下の有益な効果を奏する。一方では、誘電体層の6つの表面にシールド層を形成することで、電磁放射から全方位的に保護する効果を達成する。他方では、スルーホールが電子部品の端子に連通し且つ上下面の回路層まで引き出すことで効率的な放熱を実現する。なお、電子部品の端子の裏面に位置するシールド層は電磁シールド機能を実現できるだけではなく、放熱機能も備える。
【0007】
任意選択で、本出願の1つの実施例では、前記誘電体層は少なくとも1層を備え、各層の前記誘電体層の表面に回路層が設けられる。
【0008】
任意選択で、本出願の1つの実施例では、前記電子部品の露出した一端を被覆するシールド層及び前記誘電体層表面のシールド層はさらにスルーホールを介して連通することができる。
【0009】
任意選択で、本出願の1つの実施例では、前記金属層はシード層及び被覆層を備え、前記シード層は前記被覆層の底部に設けられる。
【0010】
任意選択で、本出願の1つの実施例では、前記絶縁層は高温で硬化可能な液体感光性誘電体材料である。
【0011】
第2の態様によれば、本出願の実施例は、
スルーホール及びキャビティユニットを備える第1の誘電体層を提供するステップであって、前記第1の誘電体層の周面及び前記スルーホール内は金属層で被覆されているステップと、
キャビティユニット内に絶縁層を設け、電子部品を前記絶縁層の底部に実装し、前記絶縁層を硬化させ且つそれにフォトリソグラフィを行って電子部品の端子を露出させるステップであって、前記電子部品の上端は前記絶縁層から露出するステップと、
前記第1の誘電体層の上面及び下面に第1の金属層を形成し、前記第1の金属層に対してフォトリソグラフィを行って第1の回路層及び第1のシールド層を形成するステップであって、前記第1の回路層は前記端子及び前記スルーホールに連通し、前記第1のシールド層は前記第1の誘電体層の周面の金属層に連通するステップと、を含む放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の製造方法を提供する。
【0012】
本出願の第2の態様の実施例に係る放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の製造方法は、少なくとも以下の有益な効果を奏する。一方では、誘電体層の6つの表面にシールド層を形成することで、電磁放射から全方位的に保護する効果を達成する。他方では、電子部品の端子を上下面の回路層に接続することによって効率的な放熱を実現する。なお、電子部品の端子の裏面に位置するシールド層は電磁シールド機能を実現できるだけではなく、放熱機能も備える。
【0013】
任意選択で、本出願の1つの実施例では、キャビティユニット内に絶縁層を設け、電子部品を前記絶縁層の底部に実装し、前記絶縁層を硬化させ且つそれにフォトリソグラフィを行って電子部品の端子を露出させるステップは、
前記第1の誘電体層の下面にテープを積層するステップと、
一定量の感光性液体誘電体材料をキャビティユニットに充填して絶縁層を形成するステップと、
電子部品を前記絶縁層の底部に実装するステップと、
前記絶縁層を半硬化させるステップと、
前記テープを取り外すステップと、
前記絶縁層を高温で硬化させ且つそれにフォトリソグラフィを行って電子部品の端子を露出させるステップと、をさらに含む。
【0014】
任意選択で、本出願の1つの実施例では、前記第1の金属層を形成するステップは、
金属及び/又は金属合金材料であるシード層を前記第1の誘電体層の上面に形成するステップと、
一定の厚さの金属材料である被覆層を前記シード層の表面に形成するステップと、を含む。
【0015】
任意選択で、本出願の1つの実施例では、
前記第Nの金属層の表面に第N+1の誘電体層を形成し、前記第N+1の誘電体層に対してフォトリソグラフィ及びコーティングを行って第N+1の金属層を形成するステップと、
前記第N+1の金属層に対してフォトリソグラフィを行って第N+1の回路層及び第N+1のシールド層を形成するステップであって、前記第1の回路層、……前記第N+1の回路層は前記スルーホールに連通し、前記第1のシールド層、……前記第N+1のシールド層は前記誘電体層の周面の金属層に連通する(N≧1)ステップと、をさらに含む。
【0016】
任意選択で、本出願の1つの実施例では、前記第1のシールド層は前記第N+1のシールド層及び前記誘電体層の周面の金属層に連通し、前記第1のシールド層と前記第N+1のシールド層との連通方式は、
前記キャビティユニットの上面に位置する対応する第N+1の誘電体層を完全にエッチ除去し、金属を充填することで前記第1のシールド層及び前記第N+1のシールド層を金属によってシームレスに接続する方式、
前記キャビティユニットの上面に位置する対応する第N+1の誘電体層を部分的にエッチ除去してスルーホールウィンドウを形成し、金属を充填することで前記第1のシールド層及び前記N+1のシールド層をスルーホールによって連通させる方式、のうちの少なくとも1つを含む。
【0017】
第3の態様によれば、本出願の実施例は、上記第1の態様に記載の放熱兼電磁シールド埋め込みパッケージを備える基板を提供する。
【0018】
本出願の第3の態様の実施例に係る基板は、少なくとも以下の有益な効果を奏する。一方では、基板の6つの表面にシールド層を形成することで、電磁放射から全方位的に保護する効果を達成する。他方では、基板内部のスルーホールが電子部品の端子に連通し且つ上下面の回路層まで引き出すことで効率的な放熱を実現する。なお、電子部品の端子の裏面に位置するシールド層は電磁シールド機能を実現できるだけではなく、放熱機能も備える。
【0019】
本出願の他の特徴及び利点は以下の明細書で説明され、その一部は明細書によって明らかになり、或いは本出願を実施することで分かるようになる。本出願の目的及びその他の利点は、明細書、特許請求の範囲及び図面において特別に指摘された構造で実現し且つ取得する。
【0020】
図面は本出願の技術的解決手段をさらに理解するためのものでありながら、明細書の一部となり、本出願の実施例とともに本出願の技術的解決手段を説明することに用いられ、本出願の技術的解決手段を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本出願の一実施例によって提供される放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の断面図である。
【
図2】本出願のもう1つの実施例によって提供される放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の製造方法のフローチャートである。
【
図3】本出願のもう1つの実施例によって提供される放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の製造方法におけるステップS100に対応する断面図である。
【
図4】本出願のもう1つの実施例によって提供される放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の製造方法におけるステップS200に対応する断面図である。
【
図5】本出願のもう1つの実施例によって提供される放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の製造方法におけるステップS200に対応する断面図である。
【
図6】本出願のもう1つの実施例によって提供される放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の製造方法におけるステップS300に対応する断面図である。
【
図7】本出願のもう1つの実施例によって提供される放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の製造方法におけるステップS300に対応する断面図である。
【
図8】本出願のもう1つの実施例によって提供される放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の製造方法の中間状態に対応する断面図である。
【
図9】本出願のもう1つの実施例によって提供される放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の製造方法の中間状態に対応する断面図である。
【
図10】本出願のもう1つの実施例によって提供される放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の断面図である。
【
図11】本出願のもう1つの実施例によって提供される放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の製造方法の中間状態に対応する断面図である。
【
図12】本出願のもう1つの実施例によって提供される放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の製造方法の中間状態に対応する断面図である。
【
図13】本出願のもう1つの実施例によって提供される放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の断面図である。
【
図14】本出願のもう1つの実施例によって提供される放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本出願の目的、技術的解決手段及び利点をより明確にするために、以下は図面及び実施例に合わせて、本出願をさらに詳しく説明する。なお、ここで説明された具体的な実施例は本出願を説明するためのものに過ぎず、本出願を限定するものではないため、技術上の実質的な意味を持たず、いかなる構造の修飾、比例関係の変更又は大きさの調整は、本出願が達成可能な効果及び達成可能な目的に影響を及ぼさない限り、本出願で開示された技術内容の範囲内にあるべきだということを理解されたい。
【0023】
この部分は本出願の具体的な実施例を説明し、本出願の好ましい実施例は図面に示され、図面は、本出願の各構成要素及び全体の技術的解決手段が直観的且つ具体的に理解されるように、明細書の文字部分の説明を図形で補足するものであり、しかし、それを本出願の保護範囲を限定するものとして理解すべきではない。
【0024】
明細書において、「若干」の意味は1つ又は複数であり、「複数」の意味は2つ及び2つ以上であり、「より大きい」「より小さい」「超える」などはその数を含まないと理解され、「以上」「以下」「以内」などはその数を含むと理解される。「第1」「第2」という記述があれば、それは構成要素を区別することだけを目的とし、相対的な重要性を指示もしくは示唆する、又は、示された構成要素の数もしくは示された構成要素の順番を暗黙的に示すものではないと理解すべきである。
【0025】
図1を参照すると、本出願は、上面及び下面を備え、内部には少なくとも1つのキャビティユニット130が設けられる誘電体層100と、前記キャビティユニット130内に設けられる絶縁層200であって、前記キャビティユニット130が前記絶縁層200により部分的に充填される、絶縁層200と、一端が前記絶縁層200に埋め込まれ、他端が前記キャビティユニット130内に露出し、端子310を含む電子部品300と、前記誘電体層100の上面及び下面を貫通し、前記端子310に連通するスルーホール400と、前記誘電体層100の6つの表面及び前記スルーホール400内を被覆し、それぞれシールド層510及び回路層520を形成するための金属層500であって、前記シールド層510は前記電子部品300の露出した一端を被覆し、前記シールド層510と前記回路層520は前記誘電体層100によって隔てられる、金属層500と、を備える放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造を提供する。
【0026】
一実施例において、誘電体層100の内部には1つ又は複数のキャビティユニット130が設けられ、キャビティユニット130は、必要とされる電子部品300の数に応じて配置され、アレイ配列であっても、非アレイ配列であってもよく、キャビティユニット130が形成された後に絶縁層200を充填し、絶縁層200はキャビティユニット130を完全に満たすのではなく、電子部品300を配置し且つ金属で被覆するための一定の空間が予め確保される。電子部品300は接続端子310があるか否かによって正面と裏面に分けられ、正面には、絶縁層200の底部に設けられ且つキャビティユニット130の下面に近い接続端子310が設けられ、裏面は絶縁層200の上に露出する。金属層500はシールド層510及び回路層520を備え、シールド層510は誘電体層100の周囲及び上下の6つの表面を被覆するだけではなく、さらに電子部品300の裏面の上部を被覆する。シールド層510を配置することによって電磁放射から全方位的に保護する効果を達成することができる。また、誘電体層100の内部にはスルーホール400が設けられ、スルーホール400は電子部品300の接続端子310に連通し、かつ誘電体層100の上面及び下面の回路層520まで延在する。電子部品300の片面放熱技術に対して、スルーホール400が誘電体層100の上面及び下面の回路層520に連通するという放熱方式によって電子部品300の放熱面積を増加させ、放熱効率を向上させ、そして、電子部品300の裏面を被覆するシールド層510は同様に放熱機能を備えるため、電子部品300の放熱効率をさらに向上させる。さらに、絶縁層200材料を用いてキャビティユニット130に予め充填し、実装した後の積層後薄化プロセスを必要とされず、生産サイクルを大幅に短縮し、生産コストを削減するとともに材料の使用量を減らし、環境への汚染を軽減する。
【0027】
なお、電子部品300はデバイスやチップを含むが、これらに限定されず、アクティブデバイスであってもパッシブデバイスであってもよく、独立したチップやデバイスであっても複数のチップやデバイスの組み合わせであってもよい。用途別に分類すると、異なる電源デバイスであってもよいし、無線周波数チップ又はロジックチップであってもよい。チップ又はデバイスの種類及び数は、実際の需要に応じた、3D背合わせ積み重ね式複数のチップの組み合わせ、あるいは上下左右にある単層のアレイ組み合わせによって設計することができる。電子部品300は正面を下に向けてキャビティユニット130内に取り付けることができ、下面回路層520と連通することで電気伝導と放熱を行い、また、裏面を下に向けてキャビティユニット130内に取り付けてもよく、この場合、端子310は上に向かって上面に設けられる回路層520に連通して電気伝導と放熱を行うことができる。電子部品310の具体的な取付方向は設計の需要に応じて設定することができ、いずれも本出願の保護範囲内にある。
【0028】
図14を参照すると、本出願の一実施例は放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造を提供し、前記誘電体層100は少なくとも1層を備え、各層の前記誘電体層100の表面にも回路層520が設けられる。
【0029】
一実施例において、誘電体層100は、単層電子部品300の埋め込みパッケージを実現する単層であってもよく、積層電子部品300の埋め込みパッケージを実現する複数層であってもよく、各層誘電体層100の表面にも回路層520が設けられ、各層誘電体層100の間の回路層520はスルーホール400を介して連通し、最終的には最外層の誘電体層100の上面又は下面及び周面にシールド層510及び回路層520を形成し、シールド、放熱及び電気的インターフェース引出という機能を実現する。
【0030】
本出願の一実施例は放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造を提供し、前記電子部品300の露出した一端を被覆するシールド層510及び前記誘電体層100表面のシールド層510はさらにスルーホールを介して連通することができる。
【0031】
図10及び
図13を参照すると、一実施例において、前記電子部品300の露出した一端を被覆するシールド層510及び誘電体層100表面のシールド層510は一体の金属層500であってもよく、金属層500の中間には誘電体層100を挟むように誘電体層100を充填して、元々一体に接続されていた金属層500の中間に金属スルーホール400を形成して連通させてもよく、いずれもシールド及び放熱の機能を達成することができ、また、離間して誘電体層100を充填する方式は、金属及び電子部品300の表面の熱膨張率の相違による応力ダメージを軽減することができる。
【0032】
図6~
図13を参照すると、本出願の一実施例は放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造を提供し、前記金属層500はシード層530及び被覆層540を備え、前記シード層530は前記被覆層540の底部に設けられる。
【0033】
一実施例において、金属層500は比較的に薄いシード層530及び比較的に厚い被覆層540で構成され、シード層530は被覆層540の底部に設けられ、シード層530は被覆層540のために良好な被覆基盤を提供して、被覆層540の品質を向上させることができる。シード層530はチタン、銅、チタンタングステン合金などの金属材料であってもよいが、これらに限定されない。被覆層540は金属の銅であってもよいが、これに限定されない。
【0034】
図1を参照すると、本出願の一実施例は放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造を提供し、前記絶縁層200は高温で硬化可能な液体感光性誘電体材料である。
【0035】
一実施例において、絶縁層200は液体感光性誘電体材料であり、ディスペンス、印刷などの方式で充填することができる。液体感光性誘電体材料は高温硬化の性能を備え、液体状態では電子部品300の実装位置及び露出高さを容易に調整し、調整した後に硬化させて電子部品300をより正確に取り付けることができる。絶縁層200の材料はインクであってもよいが、インクに限定されない。また、液体感光性誘電体材料を用いてキャビティユニットに予め充填し、実装した後の積層後薄化プロセスを必要とされず、生産サイクルを大幅に短縮し、生産コストを削減するとともに材料の使用量を減らし、環境への汚染を軽減する。
【0036】
上記放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造に基づいて、本出願の放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の製造方法の各実施例を提供する。
【0037】
図2を参照すると、本出願のもう1つの実施例は放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の製造方法のフローチャートをさらに提供し、当該方法は以下のステップを含むが、これらのステップに限定されない。
【0038】
S100では、スルーホール400及びキャビティユニット130を備える第1の誘電体層110を提供し、前記第1の誘電体層110の周面及び前記スルーホール400内は金属層500で被覆されている。
【0039】
図3に示すように、第1の誘電体層110を用いて有機フレームを作製し、フレームは内部の少なくとも1つのスルーホール400及び少なくとも1つのキャビティユニット130を備え、キャビティユニット130の体積及び数は、埋め込む必要のある電子部品300のサイズと設計要件に応じて設定し、スルーホール400の数及び位置は電子部品の位置及び放熱量に基づいて設定することができる。
【0040】
S200では、キャビティユニット130内に絶縁層200を設け、電子部品300を前記絶縁層200の底部に実装し、前記絶縁層200を硬化させ且つそれにフォトリソグラフィを行って電子部品300の端子310を露出させ、前記電子部品300の上端は前記絶縁層200から露出する。ステップS200をさらに細分化すると、当該ステップS200は、
前記第1の誘電体層110の下面にテープ600を積層するステップS210と、
一定量の感光性液体誘電体材料をキャビティユニット130に充填して絶縁層200を形成するステップS220と、
電子部品300を前記絶縁層200の底部に実装するステップS230と、
前記絶縁層200を半硬化させるステップS240と、
前記テープ600を取り外すステップS250と、
前記絶縁層200を高温で硬化させ且つそれにフォトリソグラフィを行って電子部品300の端子310を露出させるステップS260と、を含むが、これらに限定されない。
【0041】
図4~
図5に示すように、
図4では、第1の誘電体層110の下面にテープ600を積層して、キャビティユニット130の底部を封止し、液体感光性誘電体材料からなる絶縁層200を充填し、液体材料を充填することは絶縁層200の充填量および充填高さを制御するのに役立ち、電子部品300の実装を容易にするだけではなく、電子部品300を実装した後の積層後薄化プロセスを必要とせず、生産サイクルを大幅に短縮し、コストを削減する。最後に電子部品300を絶縁層200の底部に実装し、電子部品300の端子310は下を向き、第1の誘電体層110の下面に近く、電子部品300の頂部は絶縁層200より高く、この後に金属層500に接続して放熱およびシールドを行うことを容易にする。
図5では、液体の絶縁層200を凝固させて、テープ600を取り外すのを容易にするために、充填が済んだ絶縁層200を半硬化させる。半硬化温度はテープ600に損傷を与えることがなく、テープ600を取り外した後に絶縁層200を高温で硬化させ、さらに硬化後の絶縁層200の表面においてフォトリソグラフィを行って電子部品の端子310を露出させる。
【0042】
なお、テープ600は支持の役割を果たし、高温硬化処理が必要とされないため、支持テープ600に対する高い性能要件を低減し、生産コストを削減できる。それに、支持テープ600を高温で処理する必要がないため、支持テープ600の複数回の再利用を実現することができ、従来において電子部品300と支持テープ600とが直接接触して高温で硬化し、テープ600を除去する際に電子部品300の表面に一定の割合の接着剤が残留して不良になるのと異なって、この方法は高温硬化時にテープ600と直接接触する必要がないため、電子部品300に接着剤が残留するリスクを無くし、製品の歩留まりを向上させる。
【0043】
S300では、前記第1の誘電体層110の上面及び下面に第1の金属層501を形成し、前記第1の金属層501に対してフォトリソグラフィを行って第1の回路層521及び第1のシールド層511を形成し、前記第1の回路層521は前記端子310及び前記スルーホール400に連通し、前記第1のシールド層511は前記第1の誘電体層110の周面の金属層500に連通する。
【0044】
図6に示すように、一実施例において、前記第1の金属層501を形成するステップは、
金属及び/又は金属合金材料であるシード層530を前記第1の誘電体層110の上面に形成するステップと、
一定の厚さの金属材料である被覆層540を前記シード層530の表面に形成するステップと、を含む。
【0045】
図6に示すように、ステップS200をもとに、無電解銅メッキ又はスパッタリングの方法を用いて、第1の誘電体層110の上面及び下面全体に薄い金属シード層530を形成し、よく用いられるシード層530金属はチタン、銅、チタンタングステン合金であるが、上記金属に限定されない。さらに、金属シード層530に金属被覆層540のめっきを施し、金属の良好な電気及び熱伝導率を考慮すると、銅という金属を用いて電気めっきを行い、電子部品300の裏面及び絶縁層200の上方の側壁部をすべて金属で被覆するために、穴埋め電気めっきプロセスによってキャビティユニット130及びすべての金属シード層530に一定の厚さの銅という金属を形成し、且つ電子部品300を周面の金属層500に接続することで、パッケージの外面まで熱をより良好に伝達して、部品の動作温度を効果的に低下させることができる。
【0046】
本出願のいくつかの実施例では、シード層530は被覆層540のために良好な被覆基盤を提供して、被覆層540の品質を向上させることができるため、本出願の1つの実施例では、好ましくは、シード層530の厚さは1000ナノメートルであり、被覆層540の厚さは8000ナノメートルである。シード層530及び被覆層540の厚さは相対的設計され、設計の具体的な厚さパラメータは実際のプロセス及び設計要件を満たせばよく、いずれも本出願の請求範囲内である。
【0047】
図7に示すように、第1の金属層501に対してフォトリソグラフィを行って第1の回路層521及び第1のシールド層511を形成し、第1の金属層501の表面にフォトレジスト又は感光性ドライフィルムを貼り付け、フォトレジスト又は感光性ドライフィルムを露光、現像する方式によって回路パターンを形成し、エッチングの方式でパターンに対応する部分の被覆層540及びシード層530を除去し、第1の回路層521及び第1のシールド層511を形成する。第1の回路層は電子部品の端子310に連通し且つ第1の誘電体層110の両端の表面に位置し、電子部品300の電気ピンの外部への引出を実現でき、その後に電子部品300に電気を導通させ又はテストすることを容易にする。第1のシールド層511は第1の誘電体層の周面の金属層500に直接連通し、抗電磁干渉及び放熱の役割を実現する。最後に、フィルム剥離という方式でフォトレジスト又は感光性ドライフィルムを除去する。
【0048】
図8~
図10を参照すると、本出願のもう1つの実施例によって提供される放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の製造方法は以下のステップをさらに含んでも良い。
【0049】
前記第1の金属層501の表面に第2の誘電体層120を形成し、前記第2の誘電体層120に対してフォトリソグラフィコーティングを行って第2の金属層502を形成する。
図8では、ステップS300に基づく第2の誘電体層120は上下2つの部分を有し、上下2つの部分を有する第2の誘電体層120の外側の表面にフォトレジスト又は感光性ドライフィルムを貼り付け、フォトレジスト又は感光性ドライフィルムに対してフォトリソグラフィを行って金属スルーホール400を形成し、さらに電気めっきを施して金属柱及び周面金属層500を形成する。まず第2の誘電体層120材料を圧着して接続をより強固にして、次にプラズマエッチング又はつや出しなどのプロセスを用いて第2の誘電体層120材料を薄くして、金属柱の上下面及び誘電体材料の上下面を露出させる。
図9では、化学めっき又は物理的スパッタリングの方式によって第2の誘電体層120材料の周囲及び上下面に第2の金属層502を形成し、第2の金属層502は金属シード層530及び被覆層540を備え、さらにパターン電気めっき又はネガティブエッチングの方式によって前記第2の金属層502に対してフォトリソグラフィを行って第2の回路層522及び第2のシールド層512を形成する。前記第1の回路層521及び前記第2の回路層522は前記スルーホール400に連通し、前記第1のシールド層511及び前記第2のシールド層512は前記第1の誘電体層110の周面の金属に連通する。
図10に示すように、外層の両面に非導電性の誘電体材料であるソルダーレジストを塗布又は圧着し、露光及び現像によってソルダーレジストに特定のソルダーレジスト開口部700を空ける。回路層520は電子部品300と連通し、ソルダーレジスト開口部700を介して回路層520とシールド層510を隔離し、内部の電子素子の電気ピンと周面シールド層との間の電気的隔離を実現でき、それによって、内部電子素子のレイアウトとテストを行う。
【0050】
図14を参照すると、本出願の1つの実施例では、多層パッケージ構造として構成することもでき、即ち、前記第Nの金属層500の表面に第N+1の誘電体層100を形成し、前記第N+1の誘電体層100に対してフォトリソグラフィコーティングを行って第N+1の金属層500を形成する。
【0051】
前記第N+1の金属層500に対してフォトリソグラフィを行って第N+1の回路層520及び第N+1のシールド層510を形成し、前記第1の回路層521、……前記第N+1の回路層520は前記スルーホール400に連通し、前記第1のシールド層511、……前記第N+1のシールド層510は前記第の誘電体層110の周面の金属に連通する(N≧1)。本出願の放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の層数は基盤レイアウト及び配線層数の需要に応じて複数層を設けてもよく、内部回路層520の間は内部スルーホール400を介して最終的に外層誘電体層100の表面に連通し、シールド層510は各誘電体層100の周面の金属層500及び内部スルーホール400を介して連通する。
【0052】
図8~
図13を参考すると、本出願のもう1つの実施例によって提供される放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造の製造方法であって、前記第1のシールド層511及び前記第2のシールド層512は前記第1の誘電体層110の周面の金属に連通し、前記第1のシールド層511と前記第2のシールド層512との連通方式は以下のうちの少なくとも1つを含む。
【0053】
前記キャビティユニット130の上面に位置する対応する第2の誘電体120を完全にエッチ除去し、上記実施例で説明された
図8~
図10に示すように、前記第1のシールド層511及び前記第2のシールド層512をシームレスに接続する。
【0054】
一実施例において、前記第1のシールド層511と前記第2のシールド層512との連通方式はさらに以下のとおりであってもよい。前記キャビティユニット130の上面に位置する対応する第2の誘電体層120を部分的にエッチ除去して、前記第1のシールド層511及び前記第2のシールド層512に第2の誘電体120を充填し、
図11に示すように、ステップS300に基づく第2の誘電体層120の上下面にフォトレジスト又は感光性ドライフィルムを貼り付け、フォトレジスト又は感光性ドライフィルムに対してフォトリソグラフィを行って金属スルーホール400を形成する。前記金属スルーホール400は回路層520に接続される金属スルーホール400を含むだけではなく、キャビティユニット130上面の金属層500に位置する金属スルーホール400も含む。さらに、電気めっきを行って金属柱と周面の金属層500を形成し、第2の誘電体層120材料を圧着し、プラズマエッチング又はつや出しなどのプロセスを用いて第2の誘電体層120材料を薄くし、金属スルーホール400の上面又は下面及び第2の誘電体層120の上面と下面を露出させる。
図12に示すように、化学めっき又は物理的スパッタリングの方式によって第2の誘電体層120材料の表面に金属シード層530及び被覆層540を備える第2の金属層502を形成し、さらにパターン電気めっき又はネガティブエッチングの方式によって第2の回路層522及び第2のシールド層512を形成する。なお、キャビティユニット130の上面に位置する第2のシールド層512は、金属をスルーホール400に充填する方式によって垂直方向の第1のシールド層511に連通する。金属スルーホール400及び誘電体を離間して設置する連通関係は電子部品300の表面応力の均一な拡散に役立ち、パッケージ構造全体の応力効果を向上させる。
図13に示すように、外層の両面に、非導電性の誘電体材料であるソルダーレジストを塗布又は圧着し、露光及び現像によってソルダーレジストに特定のソルダーレジスト開口部700を空ける。回路層520は電子部品300と連通し、ソルダーレジスト開口部700を介して回路層520及びシールド層510を隔離し、内部電子素子の電気ピンと周面シールド層との間の電気的隔離を実現でき、それによって、内部電子素子のレイアウトとテストを行う。
【0055】
本出願のもう1つの実施例は、上記いずれかの実施例に係る放熱兼電磁シールドの埋め込みパッケージ構造を備える基板をさらに提供する。
【0056】
以上は本出願の好ましい実施例を詳しく説明したが、本出願は上記実施形態に限定されず、当業者であれば、本出願の趣旨から逸脱しない限り、様々な同等の変形又は置換を行うことができ、これらの同等の変形又は置換はいずれも本出願の特許請求の範囲により限定される範囲内に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
100 誘電体層
110 第1の誘電体層
120 第2の誘電体層
130 キャビティユニット
200 絶縁層
300 電子部品
310 端子
400 スルーホール
500 金属層
501 第1の金属層
502 第2の金属層
510 シールド層
511 第1のシールド層
512 第2のシールド層
520 回路層
521 第1の回路層
522 第2の回路層
530 シード層
540 被覆層
600 テープ
700 ソルダーレジスト開口部
【国際調査報告】