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特表2022-542337ディスクスクリーンのための鋳造物組立体及びシャフト組立体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-03
(54)【発明の名称】ディスクスクリーンのための鋳造物組立体及びシャフト組立体
(51)【国際特許分類】
   B07B 1/14 20060101AFI20220926BHJP
   B07B 1/46 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
B07B1/14
B07B1/46 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021570933
(86)(22)【出願日】2020-06-18
(85)【翻訳文提出日】2022-01-25
(86)【国際出願番号】 FI2020050440
(87)【国際公開番号】W WO2020254730
(87)【国際公開日】2020-12-24
(31)【優先権主張番号】20195544
(32)【優先日】2019-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521519250
【氏名又は名称】タナ オーワイ
【氏名又は名称原語表記】TANA OY
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ルオトサライネン, ジャーコ
(72)【発明者】
【氏名】ラウタコスキ, カリー
【テーマコード(参考)】
4D021
【Fターム(参考)】
4D021AA01
4D021AB12
4D021AC01
4D021AC02
4D021CA01
(57)【要約】
本発明は、ディスクスクリーンのためのシャフト組立体を提供するためのシャフト上の鋳造物及び隣接する鋳造物に関する。ディスクスクリーンのためのシャフト(200)上に配置可能な鋳造物(230)は、一体型スリーブ部分(231)を有するスクリーニング要素部分(232)を備える。ディスクスクリーンのためのシャフト組立体は、シャフト(200)上に配置された鋳造物(230)を備え、鋳造物(230)の各々が、スクリーニング要素部分(232)と一体型スリーブ部分(231)とを備え、2つの隣接する鋳造物(230)の当接するスクリーニング要素部分(232-1、232-2)がスクリーニング要素(210)を構成するように、及び2つの隣接する鋳造物(230)の当接するスリーブ部分(231-1、231-2)がシャフト上のスリーブ要素(220)を構成するように、鋳造物が互いに対向して配置される。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーニング要素部分(232)と一体型スリーブ部分(231)とを備える、ディスクスクリーンのためのシャフト(200)上に配置可能な鋳造物(230)において、
前記スクリーニング要素部分(232)が、前記シャフト(200)の周りのディスク状部分を構成し、2つの隣接する鋳造物(230)の当接する前記スクリーニング要素部分(232-1、232-2)が、スクリーニング要素(210)を構成することを特徴とする、鋳造物(230)。
【請求項2】
前記鋳造物(230)が鏡面対称であり、又は前記鋳造物が、前記鋳造物の対応部分を除いて実質的に鏡面対称であり、それによって2つの鋳造物が互いに係合される、請求項1に記載の鋳造物(230)。
【請求項3】
前記鋳造物が、前記鋳造物の回転軸線に関して、及び/又は前記シャフト(200)上に配置される別の鋳造物(230)に面する前記鋳造物の表面に関して、鏡面対称又は実質的に鏡面対称である、請求項1又は2に記載の鋳造物(230)。
【請求項4】
前記スクリーニング要素部分(232)と前記スリーブ部分(231)との間の接合面が、丸みを帯びている、請求項1~3のいずれか一項に記載の鋳造物(230)。
【請求項5】
前記スリーブ部分(231)の外面が円筒形又は円錐形であり、任意選択的に、前記スリーブ部分(231)の前記外面の直径が、前記スリーブ部分の外縁部から前記スリーブ部分の下部に向かって、1.1~3.5倍増加し、前記下部が、前記スクリーニング要素部分(232)に当接している、請求項1~4のいずれか一項に記載の鋳造物(230)。
【請求項6】
前記スクリーニング要素部分(232)が、前記シャフト(200)を、ディスク状部分の外縁部が、任意選択的に、ストレートサークル、アンギュラサークル、環状、六角形、八角形であるディスク状部分として、取り囲み、又は規則的又は不規則な、突起又は枝状部を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の鋳造物(230)。
【請求項7】
金属、プラスチック及び複合材のうちの1つ以上を含み、又は、金属、プラスチック、複合材又はこれらの混合物若しくは組み合わせから作られる、請求項1~6のいずれか一項に記載の鋳造物(230)。
【請求項8】
前記スクリーニング要素部分(232)が、前記シャフト(200)上の隣接する鋳造物(230)の前記スクリーニング要素部分(232)に接するように配置可能であり、及び/又は、前記スリーブ部分(231)が、前記シャフト上の隣接する鋳造物(230)の前記スリーブ部分(231)に接するように配置可能である、請求項1~7のいずれか一項に記載の鋳造物(230)。
【請求項9】
前記スクリーニング要素部分(232)が、前記スリーブ部分(231)から実質的に横断方向に延びるディスク状要素と、前記ディスク状部分から、実質的に横断方向に、前記スリーブ部分(231)と実質的に平行に、前記スリーブ部分(231)とは反対の方向に延びる外側フリンジとを備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の鋳造物(230)。
【請求項10】
前記外側フリンジが、隣接する鋳造物(230)の前記外側フリンジに接するように配置可能である、請求項7に記載の鋳造物(230)。
【請求項11】
対応部分によって前記シャフト(200)上の隣接する鋳造物(230)に接する様に配置可能である、請求項1~10のいずれか一項に記載の鋳造物(230)。
【請求項12】
別の鋳造物(230)と係合するための少なくとも1つの対応部分を備え、
前記対応部分が、代替的に、前記スクリーニング要素部分(232)において、前記スクリーニング要素部分の前記外側フリンジで、前記スクリーニング要素部分の前記ディスク状部分において、前記ディスク状部分の縁部で、及び/又は前記スリーブ部分(231)において設けられている、請求項1~11のいずれか一項に記載の鋳造物(230)。
【請求項13】
前記スリーブ部分(231)の外面には、前記スリーブ部分の長手方向に延び、任意選択的に、前記スクリーニング要素部分(232)の前記ディスク状部分まで延びる溝が設けられている、請求項1~12のいずれか一項に記載の鋳造物(230)。
【請求項14】
シャフト(200)上に配置される鋳造物(230)を備える、ディスクスクリーンのためのシャフト組立体であって、
前記鋳造物(230)の各々が、スクリーニング要素部分(232)と、2つの隣接する鋳造物(230)の当接するスクリーニング要素部分(232-1、232-2)がスクリーニング要素(210)を構成するように、及び2つの隣接する鋳造物(230)の当接するスリーブ部分(231-1、231-2)がシャフト上のスリーブ要素(220)を構成するように、一体化され、互いに対向して配置されたスリーブ部分(231)とを備える、シャフト組立体。
【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載の鋳造物(230)を備える、請求項14に記載のシャフト組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスクスクリーンのためのシャフト組立体を提供するためのシャフト上の鋳造物及びその隣接の鋳造物に関する。
【背景技術】
【0002】
材料を分離するための機械的スクリーン、より正確にはそのディスクスクリーン、すなわちスクリーニング面(screening surface)には、機械の長手方向に1つずつ順番に配置された隣接する回転シャフト組立体が設けられる。ディスクスクリーンは、スクリーニング要素が設けられた隣接するシャフト組立体を備える。スクリーニング要素は、ディスク又は星などの様々な形状を有してもよく、又はそれらの形状は不規則であってもよく、及び/又は突出部を含んでもよい。隣接するシャフト組立体のスクリーニング要素が噛み合わせられ、噛み合わせられることによってスクリーニングスロットがスクリーニング要素の間に残される。スクリーニングスロットよりも大きい粒径を有する小片がディスクスクリーン上に残り、回転スクリーニング要素は小片を、例えばディスクスクリーンの下流のコンベヤに移送する。スクリーニングスロットよりも小さい粒径を有する小片は、ディスクスクリーンのスクリーニングスロットを通って、例えば漏斗内に、又はディスクスクリーンの下のコンベヤ上に落下する。
【0003】
スクリーニング要素は、典型的には要素の中心に開口を備えて、シャフトが開口を通って延びるように、シャフト上にスクリーニング要素を配置することを可能にする。シャフトの輪郭は、例えば、円形又は角形であってもよい。シャフト上のスクリーニング要素の間にスリーブを設けて、スクリーニング要素をシャフト上の互いから所与の空間に保ってもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
目的は、ディスクスクリーンのシャフト組立体に適した、スクリーニング要素及びスリーブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、ディスクスクリーンのためのシャフト上に配置可能な鋳造物は、一体型スリーブ部分を有するスクリーニング要素部分を備える。
【0006】
本発明の一態様によれば、ディスクスクリーンのためのシャフト組立体は、シャフト上に配置される鋳造物を備え、2つの隣接する鋳造物の当接するスクリーニング要素部分がスクリーニング要素を構成し、2つの隣接する鋳造物の当接するスリーブ部分がシャフト上のスリーブを構成するように、鋳造物の各々が、一体型スリーブ部分を有するスクリーニング要素部分を備え、鋳造物が、互いに対向して配置される。
【0007】
以下では、本発明の実施形態が添付の図面によって提示される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態によるスクリーニング要素が設けられたシャフトを示す図である。
図2】本発明の一実施形態によるスクリーニング要素が設けられたシャフトを示す図である。
図3】本発明の一実施形態による鋳造物を示す図である。
図4】本発明の一実施形態によるスクリーニング要素を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面は必ずしも縮尺通りではない。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態によるスクリーニング要素が設けられたシャフトを示す。図1では、スクリーニング要素110がシャフト100上に設けられている。図1のスクリーニング要素110は、六角形のディスクである。スクリーニング要素は、ディスク又は星などの異なる形状を有してもよく、又は形状は不規則であってもよく、及び/又は突出部を含んでもよい。スクリーニング要素110間にはスリーブが設けられている。スリーブは、シャフト100の周りに配置され、シャフト100と平行に延びる中空の、すなわち管状又は環状の部品である。スリーブは、2つのスクリーニング要素間の軸線方向間隙を画定する。スクリーニング要素同士の間の間隙を増加させるために、補助スリーブをシャフト100上のスリーブ部分の間に配置してもよい。スクリーニング要素110とスリーブとの両方は、鋳造構成要素又は鋳造部品であってもよい2つの互いに当接する鋳造物を備えてもよい。これは、図2により詳細に示されている。
【0011】
図2は、本発明の一実施形態によるスクリーニング要素が設けられたシャフトを示す。スクリーニング要素210と、シャフト200上のそれらの間のスリーブ220とは、鋳造物230を備える。鋳造物230は、単一の均一な鋳造部品であってもよい。鋳造物230は、スクリーニング要素部分232とスリーブ部分231とを備えてもよい。鋳造物のスリーブ部分231の一方の端部は、スリーブ部分231と一体成形部品を形成するスクリーニング要素部分232に接合され、他方の端部は露出された取り付けされていない外縁部である。
【0012】
シャフト200上のスクリーニング要素210は、2つの鋳造物230の当接するスクリーニング要素部分232-1、232-2を含む。1つの鋳造物のスクリーニング要素部分232-1は、シャフト200上の隣接する鋳造物のスクリーニング要素部分232-2に対向して配置される。このようにして、2つの隣接する鋳造物の当接するスクリーニング要素部分232-1、232-2がスクリーニング要素210を構成する。
【0013】
シャフト200上のスクリーニング要素210間のスリーブ220は、2つの鋳造物230の当接するスリーブ要素231-1、231-2を備える。1つの鋳造物のスリーブ部分231-1は、シャフト200上の隣接する鋳造物のスリーブ部分231-2に当接する。当接するスリーブ部分231-1、231-2は、スクリーニング要素部分同士の間のスリーブ220を構成する。
【0014】
鋳造物は、金属、ポリマー、プラスチック、又は複合材料を含み、又は、それらからなっていてもよい。金属は、例えば、アルミニウム、軽金属合金、鋳鉄、又は鋳鋼であってもよい。プラスチックは、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)などのポリエチレン(PE)のような耐摩耗性プラスチック及び耐候性プラスチックであってもよい。複合材は、耐摩耗性材料、金属、セラミック、プラスチック、又はこれらの組み合わせ、例えば2つ以上の構成要素プラスチック/金属、金属セラミック、又はセラミックプラスチックを含んでもよい。鋳造物は、部分的に又は全体的にコーティングされてもよい。コーティングは、複合材を含んでもよく、又は例えば、混合物若しくは層のいずれかにおいて1つ以上の金属を含む物質を含んでもよい。コーティングは、摩耗から保護し、表面を滑らかにし、及び/又は表面を潤滑してもよい。鋳造物は、鍛造、鋳造、又は精密鋳造によって作成され得る。
【0015】
鋳造物、及び/又は鋳造物の製造方法によって、例えば使用に応じて、適切な方法における構造体及び構成要素を定めることが可能になる。例えば、鋳造物、及び鋳造物の構成要素の、材料強度は、適切になるように選択して調整することができる。したがって、鋳造物で形成されるスクリーニング要素の様々な部分において適切な材料強度を達成することができる。鋳造物は、使用中に、構造的に弱い点又は不連続点を構成し得る溶接接合部を有さない。鋳造物、及び/又は鋳造物の製造方法は、特定の選択された点での丸み付けなどの成形を可能にする。成形によって、使用中の構造及び機能に利点をもたらし得る。鋳造物の製造に適した材料の選択肢は、溶接部品の場合よりも多い。金属に加えて、例えばアルミニウム及びプラスチックが鋳造に適している。
【0016】
スリーブ部分231の外面の直径は、スリーブ部分の全長にわたって実質的に一定であってもよい。スリーブ部分231の外面の直径は、スクリーニング要素を接合するスリーブ部分231の端部よりも外縁部において狭くてもよい。スリーブ部分231の外面の直径は、その外縁部に向かって徐々に狭くなってもよい。スリーブ部分231の外縁部は、スリーブ部分231の最も狭い部分を構成してもよい。スリーブ部分231-1は、隣接する鋳造物のスリーブ部分231-2に対して、又はスリーブ部分231-1とスリーブ部分231-2との間に配置される補助スリーブに接するように配置することができ、その結果、スリーブ部分231-1の外縁部は、隣接するスリーブ部分231-2又は補助スリーブの外縁部に当接する。スリーブ部分、又は少なくともスリーブ部分の外縁部は、サイズ及び形状が実質的に等しく、それによってスリーブ部分の外縁部が当接するようにシャフト上に配置することができる。
【0017】
スクリーニング要素部分232は、ディスク状部分233と外側フリンジ234とを備える。ディスク状部分(「ディスク部分」ともいう)233は、スリーブ部分231から実質的に横断方向に延びている。ディスク部分233は、スリーブ部分の長手方向の被い(mantle)、ひいてはシャフト200を実質的に横断するディスク部分である。ディスク部分233は、円筒状スリーブ部分231のフランジを構成してもよい。ディスク部分233の外縁部は、直線状又は角状の周縁、例えば円形、六角形、又は八角形の周縁を構成してもよい。スクリーニング要素部分の外側フリンジ234は、ディスク部分233の外縁部から、実質的に横断方向に、スリーブ部分231と実質的に平行に、スリーブ部分231とは反対の方向に延びる。実質的に横断方向の外側フリンジ234が、ディスク部分の外縁部から延びており、実質的に横断方向のスリーブ部分232が、ディスク部分233の開口(シャフト開口)の縁部から延びている。外側フリンジ234及びスリーブ部分231は、実質的に平行であり、ディスク部分233から反対方向に延びる。
【0018】
スクリーニング要素部分とスリーブ部分とを有する一体型の一体成形鋳造物によって、1つのタイプの部品のみを使用してシャフト組立体とディスクスクリーンとを構成することが可能になる。さらに、鋳造物は、1つのタイプのみに製造することができる。鋳造物は鏡面対称であってもよい。鋳造物は、鋳造物の回転軸線に関して、又は同一のタイプの当接する鋳造物に関して鏡面対称であってもよい。鋳造物は、鋳造物の外観において鏡面対称であってもよく、及び/又は2つの鋳造物を互いに係合させるために鋳造物に設けられた対応部分に関係なく鏡面対称であってもよい。鋳造物は、鋳造物の嵌合外縁部、スリーブ部分の外縁部、又はスクリーニング要素部分の外側フリンジが互いに対向して配置されるように、シャフト上に互いに対向して配置される。
【0019】
互いに対向して配置された2つの外側フリンジ間に空間を残してもよい。2つの当接するスクリーニング要素部分で形成されたスクリーニング要素は、中空であってもよい。スクリーニング要素部分は、外周によって限定されたスクリーニング要素部分の縁部全体に当接することが可能であり、この場合、スクリーニング要素は中空ではない。スクリーニング要素は、中実材料からなる代わりに中空であってもよい。中空構造によって、材料の需要が低減される。中空スクリーニング要素により、使用に適した適切な強度、硬度、及び/又は摩耗強度を達成することが可能である。
【0020】
スクリーニング要素部分232とスリーブ部分231との間の接合部は、丸みを帯びていてもよい。スクリーニング要素部分232とスリーブ部分231との接合部、すなわちスクリーニング要素部分のディスク部品233に当接するスリーブ部分の下部で、大きく丸み付けされてもよい。丸み付けは、ディスク部品233とスリーブ部分231との間の角度をより浅くする。丸み付けによって、スリーブ部分231の外面の直径が増加される。スリーブ部分231の外面の直径は、ディスク部品233に当接するその下部において最大であってもよい。スリーブ部分231の外面の直径は、スリーブ部分231の最も外側の外面の直径と比較して、その下部でより大きくてもよく、又は下部に向かって、例えば1.1倍~3.5倍、例えば1.5倍に増加してもよい。スリーブ部分231の最も外側の面を、隣接するスクリーニング要素のスリーブ部分の対応する表面に当接させることができる。丸み付けは、スリーブ部分231の外面の直径がその外縁部に向かって徐々に減少するように、緩やかであってもよい。スリーブ部分231は、円錐形であってもよく、スリーブ部分231の下部は、ディスク部品233の壁に向かって拡張するように拡張していてもよい。実質的に真っ直ぐなディスク部品233の壁と実質的に真っ直ぐなスリーブ部分231の被いとの間に傾斜した接合面が設けられてもよい。接合面200が互いに当接した状態で鋳造物がシャフト上に配置されると、材料の流れは、スリーブの下部からスリーブ部分の接合部250、すなわちスリーブ部分の継ぎ目に向かって導かれ、スリーブ220の直径は最小である。このようにして、スリーブ部分231とスクリーニング要素部分232との間の接合部又は継ぎ目に材料が残らず、又は蓄積しない。これにより、処理される材料のねじれ、及びスクリーンの目詰まりが低減又は防止される。別個のスリーブが別個のスクリーニング要素の間に設けられる従来技術の解決策では、スリーブとスクリーニング要素との間の接合部に鋭い角度又は隙間が存在してもよい。スリーブとスクリーニング要素との間の接合部は、材料の、蓄積及び付着の影響を受けやすい。このことにより、材料のねじれ及びスクリーンの目詰まりの問題が引き起こされる可能性がある。この問題を解決するための試みは、補助スリーブ又は入れ子状スリーブを含み、それによって、最も外側のスリーブは、スクリーニング要素に関係なく自由に回転し、その結果、スクリーンされる材料がシャフトの周りでねじれることが防止され、又はそのねじれが低減される。しかしながら、これは補助部品の提供及び使用を必要とする。従来技術の解決策によるスリーブは、スクリーニング要素同士の間の間隙を決定する内側スリーブと、軸受を構成し、それによって摩耗部分を構成する中間スリーブと、回転が内側スリーブ又はシャフトの回転に依存しない最も外側のスリーブとを備える場合がある。
【0021】
鋳造物は鏡面対称であり、互いに同一である場合がある。その結果、ディスクスクリーンのシャフト組立体は、単一のタイプの鋳造物から構成することができる。異なるスクリーニング要素又はスリーブなどの異なる部品を製造したり、それらを互いに嵌合させたりする必要はない。鋳造物は、隣接する鋳造物のスクリーニング要素部分が互いに対向するように、互いに当接するように対をなして配置される。対になって配置されたこれらの鋳造部品は、シャフト上で隣接するように組み立てられる。このようにして、隣接する鋳造物の対のスリーブ部分が互いに対向して配置される。したがって、シャフト組立体は、スクリーニング要素及びスリーブが別個の部品である従来の実装形態の部品に対応する部品を備える。隣接する鋳造物のスリーブ部分は、シャフト上で互いに当接してもよい。隣接する鋳造物のスクリーニング要素部分は、嵌合される対応部分を構成してもよい。対応部分は、対応部分の相互の間隙が小さいように、又は最小化されるように嵌合される。
【0022】
図3は、本発明の一実施形態による鋳造物を示す。鋳造物330は、スクリーニング要素部分332及びスリーブ部分331を有する鋳造一体成形部品である。スクリーニング要素部分332とスリーブ部分331との間の接合部は、角張っていないが曲がった均一な表面であるように丸みを帯びている。スクリーニング要素部分332は、ディスク部分333と外側フリンジ334とを備える。ディスク部分333は、スリーブ部分331と外側フリンジ334との間に位置する。外側フリンジ334は、別の鋳造物、鋳造物の一対の、外側フリンジに接する様に配置することができる。鋳造物は、互いに対向して配置することができる。対向する鋳造物は、互いに対向して配置された嵌合部分又は対応部分を備えてもよい。対応部分によって接続された鋳造物は、互いに対して移動せず、少なくとも容易に移動せず、又は対応部分のない鋳造物に当接するほどは移動しない。対応部分は、例えば、同様に周縁上の回転に対して鋳造物を一緒に保つことによって、円周上の動力伝達を容易にしてもよい。対応部分によって、鋳造物を配置し、よりしっかりと、互いに対してあまり動かないままにすることができる。このようにして、シャフトの摩耗、及び鋳造物のがたつき、又はそれらの意図する経路からのずれを低減することが可能である。
【0023】
互いに対向して配置される2つの鋳造物の外側フリンジ334は、対応部分を構成することができる。外側フリンジ334の形状、又は隣接する外側フリンジに接する様に配置される側面は、鋳造物の一対の外縁部に対して正しい位置に配置されるような形状であってもよい。嵌合対応部分は、鋳造物の対応する対に対向して配置されるように、外側フリンジ334上、ディスク部分333の中、それらの側面、又はそれらの縁部に配置されてもよい。代替的に又は追加的に、対応部分は、鋳造物のスリーブ部分、例えばスリーブ部分の最も外側の縁部に設けられてもよい。対応部分によって、鋳造物の対は、互いに対して正しい位置に配置することができる。さらに、対応部分によって、鋳造物の対は、互いに対して正しい位置に置かれたときに、実質的に互いに対して移動しない。このようにして、鋳造物は、シャフトの周りで同時にかつ均一に回転するように配置することができる。
【0024】
対応部分又は嵌合部分は、例えば、噛み合い設計又はさね継ぎ設計によって形成することができる。図3には、外側フリンジ334の側にさね継ぎの対が示されており、これは、シャフト上にスクリーニング要素を形成するために隣接する鋳造物の対応部分に接するように配置することができる。対応部分はまた、場合によっては成形されたピン又は突起、及び場合によっては対応する方法で成形された対応部分の開口又は縁部であってもよい。対応部分は、溝及び細長い突起によって形成されてもよい。ディスク状突出部又はV字形突出部を互いに対向して配置して、対応部分を形成することもできる。
【0025】
スクリーニング要素は、対称的な、例えば六角形の形状を有してもよい。対称的なスクリーニング要素部分の外側フリンジにある対応部分は、例えば六角形の側面で交互になる2つのタイプの対応部分を含んでもよい。このようにして、スクリーニング要素は対称的であり、対応部分によって互いに対向して配置することができる。異なる対応部分が互いに対向して配置される。それらの外側フリンジは互いに当接し、スクリーニング要素部分は中空スクリーニング要素を構成する。鋳造物の一対におけるディスク部分の間には、何もない空間が残されている。ディスク部分の間には何もない空間が残らず、鋳造材料で充填されるように鋳造物を実装することが可能である。
【0026】
対応部分は、例えば、ディスク部分に配置されてもよい。別のディスク部分に面するディスク部分の壁部は、例えば、互いに対向して配置し得る、突出ピン及び/又は中空ピンを備えてもよい。互いに、噛み合い又は係合する、他の形状も可能である。ディスク部分における対応部分の配置は、例えば、スクリーニング要素部分の形状に自由度を与える。その外観は完全に対称である必要はないが、スクリーニング要素部分は、様々な突起、溝、又は枝状部を含む非対称スクリーニング要素を構成してもよい。
【0027】
図4は、本発明の一実施形態によるスクリーニング要素を示す。スクリーニング要素は、対になって配置された鋳造部分430を備える。鋳造部分430は、スクリーニング要素部分432とスリーブ部分431とを備える。スリーブ部分431の外面には、その長手方向に延びる溝435が設けられてもよい。溝435は、スクリーニング要素部分432のディスク部分の外面上に均一な溝として延びてもよい。溝435は、鋳造中に作ることができる。溝435は後で加工することができる。溝435は、いわゆる切断ラインとして機能してもよい。処理される材料がスリーブの周りでねじられている場合、切断ラインにおいてブレードで押圧することによって材料を切断することができる。これにより、ディスクスクリーンの清掃及びメンテナンスが容易になり、高速化される。鋳造物は、1つ以上の溝を備えてもよい。例えば、スリーブ部分の回転軸線に対して対称に2つの溝を設けてもよい。
【0028】
鋳造物により、効率的な製造方法を使用し、部品点数を削減することが可能になる。部品の数を減らすことにより、部品の製造、製造方法の選択、設置、及び部品の組立を単純化及び/又は加速してもよい。鋳造物により、単一の製造方法及び/又は1つのタイプのみの部品の製造を使用することを可能にすることが可能になる。鋳造物、及び鋳造物の製造方法によって、異なる材料を利用することが可能である。均一な鋳造物により、継ぎ目及び接合部による弱点を防止又は低減することが可能である。鋳造物及びシャフト組立体は、コスト効率を提供することができる。
【0029】
本発明を、図面、可能な実施例、及び実施形態によって上で説明している。これらは限定することを意図するものではないが、説明した部品又はそれらの順序は、本発明の態様に従って適用可能な限り、交換、対応部分との置き換え、又は省略することができる。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2021-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーニング要素部分(232)と一体型スリーブ部分(231)とを備える、ディスクスクリーンのためのシャフト(200)上に配置可能な鋳造物(230)であって、
前記スクリーニング要素部分(232)が、前記シャフト(200)の周りのディスク状部分を構成し、
2つの隣接する鋳造物(230)の当接する前記スクリーニング要素部分(232-1、232-2)が、スクリーニング要素(210)を構成し、
前記スリーブ部分(231)が、2つの隣接するスクリーニング要素(210)間に軸線方向の間隙を画定するように構成されている、鋳造物(230)において、
前記スクリーニング要素部分(232)と前記スリーブ部分(231)との間の接合面が丸みを帯びていることを特徴とする、鋳造物(230)。
【請求項2】
前記鋳造物(230)が、前記鋳造物の回転軸線に関して、及び/又は前記シャフト(200)上に配置される別の鋳造物(230)に面する前記鋳造物の表面に関して、少なくとも実質的に鏡面対称である、請求項1に記載の鋳造物(230)。
【請求項3】
前記スリーブ部分(231)の外面が円筒形又は円錐形であり、任意選択的に、前記スリーブ部分(231)の前記外面の直径が、前記スリーブ部分の外縁部から前記スリーブ部分の下部に向かって、1.1~3.5倍増加し、前記下部が、前記スクリーニング要素部分(232)に当接している、請求項1又は2に記載の鋳造物(230)。
【請求項4】
前記スクリーニング要素部分(232)が、前記シャフト(200)を、ディスク状部分の外縁部が、任意選択的に、ストレートサークル、アンギュラサークル、環状、六角形、八角形であるディスク状部分として、取り囲み、又は規則的又は不規則な、突起又は枝状部を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の鋳造物(230)。
【請求項5】
金属、プラスチック及び複合材のうちの1つ以上を含み、又は、金属、プラスチック、複合材又はこれらの混合物若しくは組み合わせから作られる、請求項1~4のいずれか一項に記載の鋳造物(230)。
【請求項6】
前記スクリーニング要素部分(232)が、前記シャフト(200)上の隣接する鋳造物(230)の前記スクリーニング要素部分(232)に接するように配置可能であり、
及び/又は、
前記スリーブ部分(231)が、前記シャフト上の隣接する鋳造物(230)の前記スリーブ部分(231)に接するように配置可能である、請求項1~5のいずれか一項に記載の鋳造物(230)。
【請求項7】
前記スクリーニング要素部分(232)が、前記スリーブ部分(231)から実質的に横断方向に延びるディスク状要素と、前記ディスク状部分から、実質的に横断方向に、前記スリーブ部分(231)と実質的に平行に、前記スリーブ部分(231)とは反対の方向に延びる外側フリンジとを備える、請求項1~6のいずれか一項に記載の鋳造物(230)。
【請求項8】
前記外側フリンジが、隣接する鋳造物(230)の前記外側フリンジに接するように配置可能である、請求項7に記載の鋳造物(230)。
【請求項9】
対応部分によって前記シャフト(200)上の隣接する鋳造物(230)に接するように配置可能である、請求項1~8のいずれか一項に記載の鋳造物(230)。
【請求項10】
別の鋳造物(230)と係合するための少なくとも1つの対応部分を備え、
前記対応部分が、代替的に、前記スクリーニング要素部分(232)において、前記スクリーニング要素部分の前記外側フリンジで、前記スクリーニング要素部分の前記ディスク状部分において、前記ディスク状部分の縁部で、及び/又は前記スリーブ部分(231)において設けられている、請求項1~9のいずれか一項に記載の鋳造物(230)。
【請求項11】
前記スリーブ部分(231)の外面には、前記スリーブ部分の長手方向に延び、任意選択的に、前記スクリーニング要素部分(232)の前記ディスク状部分まで延びる溝が設けられている、請求項1~10のいずれか一項に記載の鋳造物(230)。
【請求項12】
シャフト(200)上に配置される鋳造物(230)を備える、ディスクスクリーンのためのシャフト組立体であって、
前記鋳造物(230)の各々が、スクリーニング要素部分(232)と、2つの隣接する鋳造物(230)の当接するスクリーニング要素部分(232-1、232-2)がスクリーニング要素(210)を構成するように、及び2つの隣接する鋳造物(230)の当接するスリーブ部分(231-1、231-2)がシャフト上のスリーブ要素(220)を構成するように、一体化され、互いに対向して配置されたスリーブ部分(231)とを備え、
前記スリーブ部分(231)が、2つの隣接するスクリーニング要素(210)間に軸線方向の間隙を画定するように構成されている、シャフト組立体において、
前記スクリーニング要素部分(232)と前記スリーブ部分(231)との間の接合面が丸みを帯びていることを特徴とする、シャフト組立体。
【請求項13】
請求項2~11のいずれか一項に記載の鋳造物(230)を備える、請求項12に記載のシャフト組立体。
【国際調査報告】