(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-03
(54)【発明の名称】レンズアセンブリを備える光学モジュール
(51)【国際特許分類】
G03B 11/00 20210101AFI20220926BHJP
H01L 27/146 20060101ALI20220926BHJP
H04N 5/335 20110101ALI20220926BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20220926BHJP
G02B 1/04 20060101ALI20220926BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20220926BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20220926BHJP
G02B 3/00 20060101ALI20220926BHJP
【FI】
G03B11/00
H01L27/146 D
H04N5/335
H04N5/225 400
H04N5/225 700
G02B1/04
G03B30/00
G02B7/02 B
G02B7/02 D
G02B7/02 A
G02B7/02 Z
G02B3/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021571317
(86)(22)【出願日】2020-07-14
(85)【翻訳文提出日】2022-01-27
(86)【国際出願番号】 US2020041925
(87)【国際公開番号】W WO2021011534
(87)【国際公開日】2021-01-21
(32)【優先日】2019-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515046968
【氏名又は名称】メタ プラットフォームズ テクノロジーズ, リミテッド ライアビリティ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】META PLATFORMS TECHNOLOGIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002974
【氏名又は名称】弁理士法人World IP
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ, ジェーソン ビクター
(72)【発明者】
【氏名】シャウブ, マイケル パトリック
【テーマコード(参考)】
2H044
2H083
4M118
5C024
5C122
【Fターム(参考)】
2H044AA18
2H044AB10
2H044AB17
2H044AB28
2H044AD01
2H044AJ03
2H044AJ04
2H044AJ05
2H083AA26
2H083AA32
4M118AA10
4M118AB01
4M118BA06
4M118CA02
4M118GC07
4M118GD03
4M118HA02
4M118HA09
4M118HA23
4M118HA31
5C024CX01
5C024CY48
5C024EX21
5C024EX22
5C024EX24
5C024EX42
5C122FB03
5C122FC00
5C122GE06
5C122GE22
5C122HB01
(57)【要約】
一例では、装置は、1つまたは複数のポリマー層を備えるレンズアセンブリであって、各層がレンズ部分と延在部分とを含む、レンズアセンブリと、レンズアセンブリの下方に配置され、接合層を介してレンズアセンブリに接合され、1つまたは複数のポリマー層のレンズ部分を通過する光を検知するように構成された画像センサーとを備える。
【選択図】
図8A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つまたは複数のポリマー層を備えるレンズアセンブリであって、各層がレンズ部分と延在部分とを含む、レンズアセンブリと、
前記レンズアセンブリの下方に配置され、接合層を介して前記レンズアセンブリに接合され、前記1つまたは複数のポリマー層の前記レンズ部分を通過する光を検知するように構成された画像センサーと
を備える装置。
【請求項2】
前記1つまたは複数のポリマー層の各々が、環状オレフィン共重合体(COC)材料で作られる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記1つまたは複数のポリマー層の各々が、ポリカーボネート材料またはポリエステル材料のうちの少なくとも1つで作られる、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記1つまたは複数のポリマー層の各々が、1つまたは複数の射出成形プロセスから作られる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記レンズアセンブリのフットプリントが、前記画像センサーのフットプリントと実質的に同等である、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記接合層が、前記1つまたは複数のポリマー層の前記レンズ部分に面する前記画像センサーの受光面を囲むように、前記画像センサーの外周の周りに分布される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記レンズアセンブリが、出光面をさらに備え、
前記接合層が、前記画像センサーの受光面を前記レンズアセンブリの前記出光面と接合するために、前記画像センサーの前記受光面にわたって分布される、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記1つまたは複数のポリマー層が、複数のポリマー層を含み、
前記複数のポリマー層のうちのポリマー層のペアの前記延在部分が、接着剤を介して接合される、
請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記1つまたは複数のポリマー層が、複数のポリマー層を含み、
前記レンズアセンブリが、第1のスペーサを含む複数のスペーサをさらに含み、前記第1のスペーサが、前記複数のポリマー層のうちのポリマー層のペアの前記延在部分間にはさまれる、
請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第1のスペーサが、ポリマー層の前記ペアの前記延在部分に接合される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記複数のスペーサが、ポリマーまたは金属のうちの1つを含む不透明材料で作られる、請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記1つまたは複数のポリマー層が、複数のポリマー層を含み、
前記複数のポリマー層のうちのポリマー層のペアの前記レンズ部分が、接着剤を介して接合される、
請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記レンズアセンブリの外面上の不透明コーティングをさらに備え、前記外面が前記画像センサーに面しない、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記1つまたは複数のポリマー層を保持するための不透明レンズホルダーをさらに備え、
前記不透明レンズホルダーが、ハウジングとリテーナとを備え、
前記ハウジングが、前記1つまたは複数のポリマー層を保持するように構成され、
前記リテーナが、前記ハウジング内に前記1つまたは複数のポリマー層を保つように構成され、
前記画像センサーが、前記ハウジングまたは前記リテーナのいずれかに接合される、
請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記リテーナの少なくとも一部が、前記ハウジングと前記画像センサーとの間にはさまれる、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記ハウジングが第1の底面を含み、前記第1の底面が、前記リテーナに面する前記ハウジングの底部開口を囲み、第1の接着剤を介して前記リテーナの上面と接合される、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記リテーナが、フィルタを取り付けるための中間面と、第2の接着剤を介して前記画像センサーと接合するための第2の底面とを含む、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記ハウジングの前記第1の底面が、第1の平坦でない面を備え、
前記リテーナの前記上面が、第2の平坦でない面を備え、
前記第1の平坦でない面と前記第2の平坦でない面とが、互いにコンプリメンタリーであり、前記第1の接着剤を介して互いに接合される、
請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記ハウジングが、バレルとベース部分とを備え、
前記ベース部分が、前記リテーナの前記第2の平坦でない面と接合するための前記第1の平坦でない面を含む、
請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記ハウジングおよび前記リテーナが、射出成形プロセスを使用してポリマー材料で作られる、請求項19に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、その両方が、本出願の譲受人に譲渡され、すべての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる、2019年7月15日に出願され、OPTICAL MODULE COMPRISING LENS ASSEMBLYと題する米国仮出願第62/874,452号、および2020年6月9日に出願され、OPTICAL MODULE COMPRISING LENS ASSEMBLYと題する米国仮出願第63/036,858号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
本開示は、一般に、光学モジュールに関し、より詳細には、1つまたは複数のレンズを備える光学モジュールに関する。
【0003】
光学モジュールは、たとえば、画像センサーモジュール、光プロジェクタモジュールなどを含むことができる。画像センサーモジュールは、一般に、画像センサーを含み、画像センサーは、1つまたは複数の画像センサーチップと、1つまたは複数のレンズとを含むことができる。1つまたは複数のレンズは、入射光を集め、画像センサーの受光面に向かって光を集束させることができる。画像センサーは、1つまたは複数のレンズを通過する入射光を受光面を介して受け取り、受け取られた光を電気信号に変換することができる光検知要素(たとえば、フォトダイオード)を含む。電気信号は、たとえば、シーンからの光の強度を表すことができる。電気信号に基づいて、画像プロセッサが、シーンの画像を生成することができる。一方、光プロジェクタモジュールは、光源と1つまたは複数のレンズとを含み得る。光源は光を放出することができ、光は、レンズを通過し、遠方界に伝搬することができる。画像センサー/光源との1つまたは複数のレンズのアセンブリが、光学モジュールの様々な特性に影響を及ぼすことができる。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、一般に、光学モジュールに関し、より詳細には、1つまたは複数のレンズを備える光学モジュールに関する。
【0005】
一例では、装置が提供される。本装置は、1つまたは複数のポリマー層を備えるレンズアセンブリであって、各層がレンズ部分と延在部分とを含む、レンズアセンブリと、レンズアセンブリの下方にあり、接合層を介してレンズアセンブリに接合され、1つまたは複数のポリマー層のレンズ部分を通過する光を検知するように構成された画像センサーとを備える。
【0006】
いくつかの態様では、1つまたは複数のポリマー層の各々は、環状オレフィン共重合体(COC)材料で作られる。
【0007】
いくつかの態様では、1つまたは複数のポリマー層の各々は、ポリカーボネート材料またはポリエステル材料のうちの少なくとも1つで作られる。
【0008】
いくつかの態様では、1つまたは複数のポリマー層の各々は、1つまたは複数の射出成形プロセスから作られる。
【0009】
いくつかの態様では、レンズアセンブリのフットプリントが、画像センサーのフットプリントと実質的に同等である。
【0010】
いくつかの態様では、接合層は、1つまたは複数のポリマー層のレンズ部分に面する画像センサーの受光面を囲むように、画像センサーの外周の周りに分布される。
【0011】
いくつかの態様では、レンズアセンブリは、出光面をさらに備える。接合層は、画像センサーの受光面をレンズアセンブリの出光面と接合するために、画像センサーの受光面にわたって分布される。
【0012】
いくつかの態様では、1つまたは複数のポリマー層は、複数のポリマー層を含む。複数のポリマー層のうちのポリマー層のペアの延在部分は、接着剤を介して接合される。
【0013】
いくつかの態様では、1つまたは複数のポリマー層は、複数のポリマー層を含む。レンズアセンブリは、第1のスペーサを含む複数のスペーサをさらに含み、第1のスペーサは、複数のポリマー層のうちのポリマー層のペアの延在部分間にはさまれる。
【0014】
いくつかの態様では、第1のスペーサは、ポリマー層のペアの延在部分に接合される。
【0015】
いくつかの態様では、複数のスペーサは、ポリマーまたは金属のうちの1つを含む不透明材料で作られる。
【0016】
いくつかの態様では、1つまたは複数のポリマー層は、複数のポリマー層を含む。複数のポリマー層のうちのポリマー層のペアのレンズ部分は、接着剤を介して接合される。
【0017】
いくつかの態様では、本装置は、レンズアセンブリの外面上の不透明コーティングをさらに備え、外面は画像センサーに面しない。
【0018】
いくつかの態様では、本装置は、1つまたは複数のポリマー層を保持するための不透明レンズホルダーをさらに備える。不透明レンズホルダーは、ハウジングとリテーナとを備える。ハウジングは、1つまたは複数のポリマー層を保持するように構成される。リテーナは、ハウジング内に1つまたは複数のポリマー層を保つように構成される。画像センサーは、ハウジングまたはリテーナのいずれかに接合される。
【0019】
いくつかの態様では、リテーナの少なくとも一部が、ハウジングと画像センサーとの間にはさまれる。
【0020】
いくつかの態様では、ハウジングは第1の底面を含み、第1の底面は、リテーナに面するハウジングの底部開口を囲み、第1の接着剤を介してリテーナの上面と接合される。
【0021】
いくつかの態様では、リテーナは、フィルタを取り付けるための中間面と、第2の接着剤を介して画像センサーと接合するための第2の底面とを含む。
【0022】
いくつかの態様では、ハウジングの第1の底面は、第1の平坦でない面を備える。リテーナの上面は、第2の平坦でない面を備える。第1の平坦でない面と第2の平坦でない面とは、互いにコンプリメンタリーであり、第1の接着剤を介して互いに接合される。
【0023】
いくつかの態様では、ハウジングは、バレルとベース部分とを備える。ベース部分は、リテーナの第2の平坦でない面と接合するための第1の平坦でない面を含む。
【0024】
いくつかの態様では、ハウジングおよびリテーナは、射出成形プロセスを使用してポリマー材料で作られる。
【0025】
以下の図を参照しながら、例示的な例が説明される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1A-C】ニアアイディスプレイ(near-eye display)の一例の図である。
【
図2】ニアアイディスプレイの断面の一例の図である。
【
図3】単一のソースアセンブリ(source assembly)をもつ導波路ディスプレイ(waveguide display)の一例の等角図である。
【
図4】導波路ディスプレイの一例の断面を示す図である。
【
図5】ニアアイディスプレイを含むシステムの一例のブロック図である。
【
図6A-B】画像センサーモジュールおよびその動作の例を示す図である。
【
図7】画像センサーモジュールの他の例を示す図である。
【
図8A-C】画像センサーモジュールおよびその作製の他の例を示す図である。
【
図9A-C】画像センサーモジュールの他の例を示す図である。
【
図10】画像センサーモジュールの別の例を示す図である。
【
図11A-C】画像センサーモジュールの他の例を示す図である。
【
図12A-C】画像センサーモジュールの他の例を示す図である。
【
図13A-B】画像センサーモジュールの例を示す図である。
【
図14A-D】プリント回路板(PCB)上に画像センサーを形成する方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図は、単に例示の目的で本開示の例を図示する。本開示の原理またはうたわれている利益から逸脱することなく、示される構造および方法の代替例が採用され得ることを、当業者は以下の説明から容易に認識されよう。
【0028】
添付の図において、同様の構成要素および/または特徴は、同じ参照ラベルを有し得る。さらに、同じタイプの様々な構成要素は、同様の構成要素間を区別するダッシュおよび第2のラベルを参照ラベルの後に続けることによって区別され得る。第1の参照ラベルのみが明細書において使用される場合、説明は、第2の参照ラベルには関係なく同じ第1の参照ラベルを有する同様の構成要素のいずれか1つに適用可能である。
【0029】
以下の説明では、説明の目的で、いくつかの発明の例の完全な理解を提供するために、具体的な詳細が記載される。ただし、様々な例がこれらの具体的な詳細なしに実践され得ることは明らかであろう。図および説明は、限定するものではない。
【0030】
光学モジュールは、たとえば、画像センサーモジュール、光プロジェクタモジュールなどを含むことができる。画像センサーモジュールは、一般に、画像センサーと1つまたは複数のレンズとを含む。1つまたは複数のレンズは、入射光を集め、画像センサーの受光面に向かって光を集束させることができる。画像センサーは、画像センサーによって受け取られた光強度の分布を表す電気信号を生成するためのピクセルセルのアレイを含むことができる。電気信号に基づいて、画像プロセッサが、シーンの画像を生成することができる。画像センサーモジュールはプリント回路板(PCB)上にはんだ付けされ得、プリント回路板(PCB)は、画像プロセッサをも含む。PCBは、画像センサーモジュールから画像センサーに電気信号を送信するための電気トレースを含み、画像センサーは、電気信号に基づいてシーンの画像を生成することができる。一方、光プロジェクタモジュールは、光源と1つまたは複数のレンズとを含み得る。光源は、PCB上にはんだ付けされ、光を放出するようにPCBからの電気信号によって制御され得る。光は、レンズを通過して、たとえば、平行光ビームになることができる。
【0031】
光学モジュールのレンズの物理的特性は、光学モジュールの光学特性ならびに性能を決定することができる。詳細には、レンズの曲率および屈折率が、レンズの焦点距離を決定することができ、レンズの焦点距離は、画像センサーモジュールの視野を画定することができる。視野は、画像センサーモジュールによってキャプチャされるべきシーンのエリアを決定することができる。その上、レンズのアッベ数が、屈折率対波長の変動を決定することができる。さらに、レンズの複屈折が、入射光の偏光および伝搬方向に関するレンズの屈折率の変動を決定することができる。アッベ数と複屈折の両方は、レンズによる光の分散を制御することができ、レンズの材料によって決定され得る。すべてのこれらの光学特性は、画像センサーモジュールによってキャプチャされる画像の品質(たとえば、キャプチャされる情報の量、ぼけ度、ひずみ)、光プロジェクタモジュールによってもたらされる光の分散などに影響を及ぼすことがある。
【0032】
画像センサーモジュールにおける1つまたは複数のレンズと画像センサーとのアセンブリも、画像センサーモジュールの光学特性ならびに性能に影響を及ぼすことがある。詳細には、レンズに対する画像センサーの整合(たとえば、相対配向、位置)も、画像センサーによる受光に影響を及ぼすことがある。たとえば、画像センサーの受光面は、レンズの焦点にあり、光軸と垂直である必要があり、したがって、受光面の異なる点が、集束された光を受け取り、画像センサーが、1つまたは複数のレンズの焦点距離によって画定された視野を有することを可能にすることができる。しかし、画像センサーの受光面が、1つまたは複数のレンズの焦点になく、および/または光軸に垂直でない場合、受光面の少なくともいくつかのロケーションが、発散/分散した入射光を受け取り得、得られた画像が、ぼけたおよびひずんだようになり得る。光プロジェクタモジュールの性能も、同様にして光源とレンズとの間の整合によって影響を及ぼされ得る。
【0033】
その上、画像センサーモジュールにおける画像センサーとのレンズのアセンブリは、画像センサーモジュールのフットプリントにも影響を及ぼすことがある。たとえば、レンズと画像センサーとを、それらのそれぞれの整合位置および配向において一緒に保持するために、ハウジングが使用され得る。しかし、ハウジングが画像センサーを囲む場合、ハウジングは、画像センサーモジュールが画像センサーよりもPCB上の大きいエリアを占有するように、画像センサーモジュールのフットプリントを増やすことがある。増加されたフットプリントは、特に、スペースがごく限られている、ウェアラブルデバイス、スマートグラスなど、モバイルデバイス中に画像センサーを組み込むことにとって望ましくないことがある。同じことが、モバイルデバイス中に光プロジェクタを組み込むことについて当てはまる。
【0034】
本開示は、改善された光学特性ならびに低減されたフォームファクタを提供することができる画像センサーモジュール、ならびにその画像センサーモジュールを作製する方法に関する。画像センサーモジュールは、1つまたは複数のレンズを含むレンズアセンブリと、画像センサーとを含む。複数のレンズの各々は、ハウジングによって保持され得、ハウジングは、バレルの形態であり得る。レンズは、レンズスタックを形成するように、スペーサによって分離され得る。(ハウジング、スペーサなどを含む)レンズスタック全体は、画像センサー上に配置され得、レンズホルダーおよび/またはスペーサは、画像センサーの受光面に対するレンズスタック中の各レンズの位置を画定する。レンズホルダーおよびスペーサは、画像センサーモジュールのフットプリントを増やすことなしに、画像センサーモジュールの全体的光学特性を劣化させることがあるレンズスタックの変形を防ぐための機械的支持および剛性を提供することができる。レンズアセンブリは、接着剤の層を介して画像センサーの受光面に接合され得るが、画像センサーは、PCB上にはんだ付けされ得る。受光面は、画像センサー上に置かれたガラス基板上にあり得る。レンズアセンブリの全体が画像センサー上に配置されるので、(PCB上の)画像センサーモジュールのフットプリントは、画像センサーのフットプリントと実質的に同等になるように低減され得る。
【0035】
いくつかの例では、レンズアセンブリの1つまたは複数のレンズは、ポリマー材料(たとえば、シクロオレフィン重合体)で作られ得、射出成形などの高精度プロセスを使用して作製され得る。1つまたは複数のレンズの高精度作製は、レンズの物理的特性(たとえば、曲率、形状、サイズなど)の改善された制御を提供し、ポリマー材料は、レンズのアッベ数および複屈折を低減することができ、その両方が、レンズの光学特性と画像センサーモジュールの全体的性能との改善された制御を提供することができる。
【0036】
いくつかの例では、画像センサーモジュールの光学要素は、レンズスタックに加えて、フィルタを含み得る。フィルタは、画像センサーによって検出されるべき光の異なる周波数成分、またはすべてのピクセルセルによって検出されるべき光の単一の周波数成分を選択するためのフィルタアレイを含むことができる。画像センサーは、フィルタアレイによって選択された光の異なる周波数成分を受光面を介して受け取り、周波数成分を電気信号に変換することができる光検知要素(たとえば、フォトダイオード)を含む。電気信号は、たとえば、シーンからの光の異なる周波数成分の強度を表すことができる。その上、フィルタアレイはまた、赤外周波数範囲など、出力光の周波数範囲を選択するためのプロジェクタの一部であり得る。
【0037】
画像センサーモジュールがフィルタを含む場合、画像センサーモジュールは、ハウジングに加えて、リテーナを含み得る。ハウジングとリテーナの両方は、たとえば、射出成形プロセスなどを使用して、ポリカーボネート(PC)材料、ポリマー材料(たとえば、液晶ポリマー(LCP))で作られ得、一緒にホルダー構造を形成することができる。フィルタは、リテーナ中に取り付けられ得、リテーナは、レンズスタックとハウジングの底部開口との間のハウジング内に取り付けられ得る。ハウジング内で、リテーナは、リテーナが底部開口から突出しないように、底部開口から離れて配置され得る。その上、リテーナはまた、レンズスタックに押しつけられる。そのような構成は、レンズスタックに追加の物理的支持を提供し、レンズスタックが底部開口から落下するのを防ぐことができる。底部開口の周りのハウジングの底面が、画像センサーに対するレンズとフィルタとの整合および配向を設定するために、画像センサーの受光面上に(たとえば、接着剤、その後の紫外光硬化を介して)接合され得る。次いで、光が、上部開口を介してハウジングに入り、レンズスタックによって集束され、フィルタによってフィルタ処理されるようになることができる。フィルタ処理された光は、次いで、底部開口から出、画像センサーに入ることができる。
【0038】
本開示の例では、画像センサーモジュールのフットプリントは、レンズアセンブリの全体が画像センサー上に配置され得るので、低減され得る。その上、画像センサーモジュールの光学特性は、たとえば、高精度プロセス(たとえば、射出成形)を使用して、ならびに低い複屈折およびアッベ数を提供する材料を使用して、作製されるレンズを含むことによって、改善され得る。画像センサーに対するレンズの整合も、画像センサーによって生成されたデータが画像センサーとレンズアセンブリとの間の整合度の正確な根拠(account)を提供することができるので、画像センサーによる光センサー動作を伴う整合プロセスによって改善され得る。
【0039】
上記の構成は、画像センサーモジュールのフットプリントを縮小することができるが、ハウジング内へのリテーナの取付けは、画像センサーモジュールのアセンブリならびに画像センサーモジュールの光学特性および性能に影響を及ぼすことがある、様々な問題点を作り出すことがある。詳細には、ハウジングの底面は、接着剤を塗布するためのごく限られた面積を提供し、これは、画像センサーへのハウジングの接合を困難にする。詳細には、底部開口は、より多くのピクセルセルがレンズおよびフィルタを通して光を受け取ることを可能にするために、拡大され得、これは、撮像解像度を改善することができる。しかし、底部開口とリテーナとを囲むハウジングの底面は、フットプリントを増やし、画像センサーモジュールのフットプリントを低減するために縮小される必要があり得る。その結果、接着剤を塗布するための利用可能な面積は低減され得る。低減された接合面積は、ハウジングと画像センサーとの間のより弱い接合につながることがある。その上、低減された接合面積により、塗布される接着剤の量、ならびに接着剤が塗布されるロケーションは、極めて高い精度で制御される必要がある。これは、ハウジングと画像センサーとが互いに合わせられるとき、ハウジングの底面に塗布された接着剤が底部開口にこぼれるのを防ぐためである。しかし、必須の精度は、画像センサーモジュールのフットプリントが縮小し続けるにつれて、達成不可能になり得る。ハウジングと画像センサーとの間のより弱い接合は、画像センサーに対するレンズとフィルタとの整合および配向の変動をもたらすことがある。その上、底部開口にこぼされた接着剤は、フィルタおよび/または画像センサーのピクセルセルを不明瞭にすることがある。これらのすべては、画像センサーモジュールの光検知性能を劣化させることがある。さらに、ハウジング内にリテーナを取り付けることによって、ハウジングの底面とリテーナの面とは合計され、画像センサーモジュールのフットプリントを増加させる。
【0040】
いくつかの例では、画像センサーのフットプリントをさらに低減するために、およびハウジングと画像センサーとの間の接合をさらに改善するために、リテーナは、ハウジング、リテーナ、および画像センサーがスタックを形成するように、ハウジングの底部開口においてハウジングの底面上に取り付けられ、ハウジングと画像センサーとの間にはさまれる。リテーナは、ハウジングの底面と接合するための第1の面を含む。第1の面はまた、レンズに追加の物理的支持を提供するために、およびレンズスタックが底部開口から落下するのを防ぐために、レンズスタックに対して積層される。リテーナは、第1の面とは反対の第2の面をさらに含む。第2の面は、たとえば、接着剤を介して、画像センサーの受光面に接合され得る。
【0041】
ハウジング、リテーナ、および画像センサーがスタックを形成する、開示される技法では。そのような構成は、フィルタを囲む表面積と、画像センサーモジュールのフットプリントとを低減することができる。その上、リテーナ面は、画像センサーと接合するための接着剤を塗布するためのより大きい面積を提供するために、より大きくされ得、これは、リテーナと画像センサーとの間の接合を改善し、接着剤の塗布のための精度要件を緩和することができる。リテーナは、ハウジングとは異なり、レンズスタックを囲まないので、リテーナ面は、画像センサーモジュールのフットプリントの対応する増加なしに増加され得る。その結果、画像センサーモジュールのフットプリントは低減され得、画像センサーと(ハウジングとリテーナとを含む)ホルダー構造との間の接合は改善されて、画像センサーに対するレンズとフィルタとの整合および配向の改善された制御を提供し得る。これらのすべては、さらに、フットプリントを低減し、画像センサーモジュールの性能を改善することができる。
【0042】
画像センサーは、ハウジング、レンズスタック、フィルタなどを含み得る、レンズアセンブリに、接着剤の層を介して接合され得る。画像センサーは、レンズアセンブリの、ハウジングに直接接合されるか、またはフィルタのリテーナに接合され得る。接合より前に、画像センサーは、一般に高温において行われるリフロープロセスを介してPCB上にはんだ付けされて、リフロープロセスがレンズアセンブリ中のレンズを変形するのを防ぎ得る。画像センサーモジュールの作製中に、接着剤は、レンズアセンブリおよび/または画像センサー上に塗布され得、画像センサーは、接合を形成するために接着剤を介してレンズアセンブリにアタッチされ得る。接着剤が依然として液体状態である間、レンズアセンブリに対する画像センサーの位置および/または配向を調整するために、画像センサーによる光検知動作を伴う整合プロセスが実施され得る。整合プロセスでは、光がレンズアセンブリに投影され得、画像センサーは、レンズアセンブリを通過する光に基づいてセンサーデータを生成するように動作され得る。センサーデータは、レンズアセンブリと画像センサーとの間の(たとえば、ぼけ度、ひずみの測定に基づく)整合度を反映することができる。画像センサーの位置および/または配向は、たとえば、ターゲット整合(target alignment)が達成されるまで、調整され得る。画像センサーは、次いで、接着剤を硬化させて接着剤を固めることに基づいて、その整合位置/配向において固定され得る。接着剤は、硬化プロセスもレンズを変形しないように、たとえば、紫外光、1つまたは複数のレンズの融点よりも低い温度における熱的プロセスなどによって、硬化され得る。上記で説明された技法は、低減されたフットプリントおよび改善された性能をもつ光プロジェクタシステムを形成するためにも使用され得る。
【0043】
開示される技法は、人工現実システムを含むか、または人工現実システムに関連して実装され得る。人工現実は、ユーザへの提示の前に何らかの様式で調整された形式の現実であり、これは、たとえば、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)、ハイブリッド現実、あるいはそれらの何らかの組合せおよび/または派生物を含み得る。人工現実コンテンツは、完全に生成されたコンテンツ、またはキャプチャされた(たとえば、現実世界の)コンテンツと組み合わせられた生成されたコンテンツを含み得る。人工現実コンテンツは、ビデオ、オーディオ、触覚フィードバック、またはそれらの何らかの組合せを含み得、それらのいずれも、単一のチャネルまたは複数のチャネルにおいて提示され得る(観察者に3次元効果をもたらすステレオビデオなど)。加えて、いくつかの例では、人工現実は、たとえば、人工現実におけるコンテンツを作り出すために使用される、および/または人工現実において別様に使用される(たとえば、人工現実におけるアクティビティを実施する)アプリケーション、製品、アクセサリ、サービス、またはそれらの何らかの組合せにも関連付けられ得る。人工現実コンテンツを提供する人工現実システムは、ホストコンピュータシステムに接続されたヘッドマウントディスプレイ(HMD)、スタンドアロンHMD、モバイルデバイスまたはコンピューティングシステム、あるいは、1人または複数の観察者に人工現実コンテンツを提供することが可能な任意の他のハードウェアプラットフォームを含む、様々なプラットフォーム上に実装され得る。
【0044】
図1Aは、ニアアイディスプレイ100の一例の図である。ニアアイディスプレイ100は、ユーザにメディアを提示する。ニアアイディスプレイ100によって提示されるメディアの例は、1つまたは複数の画像、ビデオ、および/またはオーディオを含む。いくつかの例では、オーディオは、外部デバイス(たとえば、スピーカーおよび/またはヘッドフォン)を介して提示され、この外部デバイスは、ニアアイディスプレイ100、コンソール、またはその両方からオーディオ情報を受け取り、そのオーディオ情報に基づいてオーディオデータを提示する。ニアアイディスプレイ100は、概して、仮想現実(VR)ディスプレイとして動作するように構成される。いくつかの例では、ニアアイディスプレイ100は、拡張現実(AR)ディスプレイおよび/または複合現実(MR)ディスプレイとして動作するように変更される。
【0045】
ニアアイディスプレイ100は、フレーム105とディスプレイ110とを含む。フレーム105は、1つまたは複数の光学要素に結合される。ディスプレイ110は、ユーザがニアアイディスプレイ100によって提示されたコンテンツを見るように構成される。いくつかの例では、ディスプレイ110は、1つまたは複数の画像からの光をユーザの眼に向けるための導波路ディスプレイアセンブリを備える。
【0046】
ニアアイディスプレイ100は、画像センサーモジュール120a、120b、120c、および120dをさらに含む。画像センサーモジュール120a、120b、120c、および120dの各々は、異なる方向に沿った異なる視野を表す画像データを生成するように構成されたピクセルアレイを含み得る。たとえば、センサーモジュール120aおよび120bは、Z軸に沿った方向Aに向かう2つの視野を表す画像データを提供するように構成され得、センサー120cは、X軸に沿った方向Bに向かう視野を表す画像データを提供するように構成され得、センサー120dは、X軸に沿った方向Cに向かう視野を表す画像データを提供するように構成され得る。
【0047】
いくつかの例では、センサーモジュール120a~120dは、ニアアイディスプレイ100を装着したユーザにインタラクティブVR/AR/MR体験を提供するために、ニアアイディスプレイ100のディスプレイコンテンツを制御するかまたはニアアイディスプレイ100のディスプレイコンテンツに影響を与えるための入力デバイスとして構成され得る。たとえば、センサーモジュール120a~120dは、ユーザが位置する物理的環境の物理的画像データを生成することができる。物理的画像データは、物理的環境におけるユーザのロケーションおよび/または移動の経路を追跡するためのロケーション追跡システムに提供され得る。システムは、次いで、インタラクティブ体験を提供するために、たとえば、ユーザのロケーションおよび向きに基づいて、ディスプレイ110に提供された画像データを更新することができる。いくつかの例では、ロケーション追跡システムは、ユーザが物理的環境内を移動するにつれて、物理的環境におけるおよびユーザの視野内の物体のセットを追跡するために、同時位置特定およびマッピング(simultaneous localization and mapping)アルゴリズムを動作させ得る。ロケーション追跡システムは、物体のセットに基づいて物理的環境のマップを構築および更新し、マップ内のユーザのロケーションを追跡することができる。複数の視野に対応する画像データを提供することによって、センサーモジュール120a~120dは、ロケーション追跡システムに物理的環境のより全体的なビューを提供することができ、これは、より多くの物体がマップの構築および更新に含まれることにつながり得る。そのような構成により、物理的環境内のユーザのロケーションを追跡することの正確さおよびロバストネスが改善され得る。
【0048】
いくつかの例では、ニアアイディスプレイ100は、物理的環境に光を投影するための1つまたは複数のアクティブ照明器130をさらに含み得る。投影された光は、異なる周波数スペクトル(たとえば、可視光、赤外光、紫外光など)に関連付けられ得、様々な目的を果たすことができる。たとえば、照明器130は、たとえば、ユーザのロケーション追跡を可能にするために、センサーモジュール120a~120dが暗い環境内の異なる物体の画像をキャプチャするのを支援するために、暗い環境において(または、低強度の赤外光、紫外光などを伴う環境において)光を投影し得る。照明器130は、ロケーション追跡システムがマップ構築/更新のために物体を識別するのを支援するために、環境内の物体上にいくつかのマーカーを投影し得る。
【0049】
いくつかの例では、照明器130は、立体撮像をも可能にし得る。たとえば、センサーモジュール120aまたは120bのうちの1つまたは複数は、可視光検知のための第1のピクセルアレイと赤外(IR)光検知のための第2のピクセルアレイの両方を含むことができる。第1のピクセルアレイは、色フィルタ(たとえば、バイエルフィルタ)でオーバーレイされ得、第1のピクセルアレイの各ピクセルが、特定の色(たとえば、赤色、緑色または青色のうちの1つ)に関連付けられた光の強度を測定するように構成される。また、(IR光検知のための)第2のピクセルアレイは、IR光の通過のみを可能にするフィルタでオーバーレイされ得、第2のピクセルアレイの各ピクセルが、IR光の強度を測定するように構成される。ピクセルアレイは、物体の赤緑青(RGB)画像およびIR画像を生成することができ、IR画像の各ピクセルが、RGB画像の各ピクセルにマッピングされる。照明器130は、物体上にIRマーカーのセットを投影し得、その画像は、IRピクセルアレイによってキャプチャされ得る。画像に示されている物体のIRマーカーの分布に基づいて、システムは、IRピクセルアレイからの物体の異なる部分の距離を推定し、その距離に基づいて物体の立体画像を生成することができる。物体の立体画像に基づいて、システムは、たとえば、ユーザに対する物体の相対位置を決定することができ、インタラクティブ体験を提供するために、相対位置情報に基づいて、ディスプレイ100に提供された画像データを更新することができる。
【0050】
上記で説明されたように、ニアアイディスプレイ100は、極めて広範囲の光強度に関連付けられた環境において動作され得る。たとえば、ニアアイディスプレイ100は、屋内環境または屋外環境において、および/あるいは1日の異なる時間において動作され得る。ニアアイディスプレイ100はまた、アクティブ照明器130がオンにされていてもいなくても動作し得る。その結果、画像センサーモジュール120a~120dは、ニアアイディスプレイ100のための異なる動作環境に関連付けられた極めて広範囲の光強度にわたって適切に動作すること(たとえば、入射光の強度と相関する出力を生成すること)が可能であるために、広いダイナミックレンジを有する必要があり得る。
【0051】
図1Bは、ニアアイディスプレイ100の別の例の図である。
図1Bは、ニアアイディスプレイ100を装着したユーザの(1つまたは複数の)眼球135に面するニアアイディスプレイ100の側面を示す。
図1Bに示されているように、ニアアイディスプレイ100は、複数の照明器140a、140b、140c、140d、140e、および140fをさらに含み得る。ニアアイディスプレイ100は、複数の画像センサーモジュール150aおよび150bをさらに含む。照明器140a、140b、および140cは、(
図1Aの方向Aと反対である)方向Dに向かってある周波数範囲の光(たとえば、近赤外範囲(NIR))を放出し得る。放出された光は、あるパターンに関連付けられ得、ユーザの左眼球によって反射され得る。センサーモジュール150aは、反射された光を受け取り、反射パターンの画像を生成するためのピクセルアレイを含み得る。同様に、照明器140d、140e、および140fは、パターンを搬送するNIR光を放出し得る。NIR光は、ユーザの右眼球によって反射され得、センサーモジュール150bによって受け取られ得る。センサーモジュール150bも、反射パターンの画像を生成するためのピクセルアレイを含み得る。センサーモジュール150aおよび150bからの反射パターンの画像に基づいて、システムは、ユーザの注視点を決定し、ユーザにインタラクティブ体験を提供するために、決定された注視点に基づいて、ディスプレイ100に提供された画像データを更新することができる。
【0052】
上記で説明されたように、ユーザの眼球に損傷を与えることを回避するために、照明器140a、140b、140c、140d、140e、および140fは、一般的に、極めて低強度の光を出力するように構成される。画像センサーモジュール150aおよび150bが
図1Aの画像センサーモジュール120a~120dと同じセンサーデバイスを備える場合、画像センサーモジュール120a~120dは、入射光の強度が極めて低いときに入射光の強度と相関する出力を生成することが可能である必要があり得、これは、画像センサーモジュールのダイナミックレンジ要件をさらに増加させ得る。
【0053】
その上、画像センサーモジュール120a~120dは、眼球の移動を追跡するために高速で出力を生成することが可能である必要があり得る。たとえば、ユーザの眼球は、ある眼球位置から別の眼球位置への素早いジャンプがあり得る極めて急速な移動(たとえば、サッカード運動(saccade movement))を実施することができる。ユーザの眼球の急速な移動を追跡するために、画像センサーモジュール120a~120dは、高速で眼球の画像を生成する必要がある。たとえば、画像センサーモジュールが画像フレームを生成するレート(フレームレート)は、少なくとも、眼球の移動の速度に一致する必要がある。高いフレームレートは、画像フレームを生成することに関与するピクセルセルのすべてについての短い総露光時間、ならびに、画像生成のためにセンサー出力をデジタル値に変換するための高い速度を必要とする。その上、上記で説明されたように、画像センサーモジュールは、低光強度を伴う環境において動作することが可能である必要もある。
【0054】
図1Cは、ニアアイディスプレイ100のクローズアップビューを示す。
図1Cに示されているように、フレーム105が、画像センサーモジュール120aと照明器130とを収容し得る。画像センサーモジュール120aおよび照明器130は、プリント回路板(PCB)に接続され得、プリント回路板(PCB)は、ニアアイディスプレイ100の異なるサブシステム間の電気的接続を提供する。PCB160上の(たとえば、x軸およびy軸に沿った)画像センサーモジュール120a、ならびにPCB160に接続された他のサブシステムのフットプリントは、PCB160を収容するために必要とされるフレーム105の(
図1C中で「t」と標示された)厚さを決定することができる。フレーム105の厚さを低減して、フレーム105の重量を低減し、ディスプレイ110の面積を増加させ、美しさを改善することが望ましいことがあり、それらのすべてはユーザ体験を改善することができる。フレーム105の厚さを低減するために、画像センサーモジュール120a、照明器130など、PCB160上のサブシステムのフットプリントは、低減される必要があり得る。
【0055】
図2は、
図1に示されているニアアイディスプレイ100の断面200の一例である。ディスプレイ110が、少なくとも1つの導波路ディスプレイアセンブリ210を含む。射出瞳230は、ユーザがニアアイディスプレイ100を装着したときにユーザの単一の眼球220がアイボックス(eyebox)領域中に配置されるロケーションである。例示の目的で、
図2は、眼球220と単一の導波路ディスプレイアセンブリ210に関連付けられた断面200を示すが、第2の導波路ディスプレイがユーザの第2の眼のために使用される。
【0056】
導波路ディスプレイアセンブリ210は、画像光を、射出瞳230に位置するアイボックスに、および眼球220に向けるように構成される。導波路ディスプレイアセンブリ210は、1つまたは複数の屈折率をもつ1つまたは複数の材料(たとえば、プラスチック、ガラスなど)から構成され得る。いくつかの例では、ニアアイディスプレイ100は、導波路ディスプレイアセンブリ210と眼球220との間に1つまたは複数の光学要素を含む。
【0057】
いくつかの例では、導波路ディスプレイアセンブリ210は、制限はしないが、積層導波路ディスプレイ、可変焦点導波路ディスプレイなどを含む、1つまたは複数の導波路ディスプレイのスタックを含む。積層導波路ディスプレイは、それぞれの単色ソースが異なる色のものである導波路ディスプレイを積層することによって作り出された多色ディスプレイ(たとえば、RGBディスプレイ)である。積層導波路ディスプレイは、複数の平面上に投影され得る多色ディスプレイ(たとえば、多平面カラーディスプレイ)でもある。いくつかの構成では、積層導波路ディスプレイは、複数の平面上に投影され得る単色ディスプレイ(たとえば、多平面単色ディスプレイ)である。可変焦点導波路ディスプレイは、導波路ディスプレイから放出された画像光の焦点位置を調整することができるディスプレイである。代替例では、導波路ディスプレイアセンブリ210は、積層導波路ディスプレイと可変焦点導波路ディスプレイとを含み得る。
【0058】
図3は、導波路ディスプレイ300の一例の等角図を示す。いくつかの例では、導波路ディスプレイ300は、ニアアイディスプレイ100の構成要素(たとえば、導波路ディスプレイアセンブリ210)である。いくつかの例では、導波路ディスプレイ300は、画像光を特定のロケーションに向ける何らかの他のニアアイディスプレイまたは他のシステムの一部である。
【0059】
導波路ディスプレイ300は、ソースアセンブリ310と、出力導波路320と、コントローラ330とを含む。例示の目的で、
図3は、単一の眼球220に関連付けられた導波路ディスプレイ300を示すが、いくつかの例では、導波路ディスプレイ300とは別個の、または部分的に別個の別の導波路ディスプレイが、ユーザの別の眼に画像光を提供する。
【0060】
ソースアセンブリ310は、画像光355を生成する。ソースアセンブリ310は、画像光355を生成し、出力導波路320の第1の側面370-1上に位置する結合要素350に出力する。出力導波路320は、拡大された画像光340をユーザの眼球220に出力する光導波路である。出力導波路320は、第1の側面370-1上に位置する1つまたは複数の結合要素350において画像光355を受け取り、受け取られた入力画像光355を方向付け要素360に導く。いくつかの例では、結合要素350は、ソースアセンブリ310からの画像光355を出力導波路320に結合する。結合要素350は、たとえば、回折格子、ホログラフィック格子、1つまたは複数のカスケード型反射器、1つまたは複数のプリズム表面要素、および/またはホログラフィック反射器のアレイであり得る。
【0061】
方向付け要素360は、受け取られた入力画像光355が分離要素365を介して出力導波路320から分離されるように、受け取られた入力画像光355を分離要素365に向け直す。方向付け要素360は、出力導波路320の第1の側面370-1の一部であるか、または出力導波路320の第1の側面370-1に付けられる。分離要素365は、方向付け要素360が分離要素365に対向するように、出力導波路320の第2の側面370-2の一部であるか、または出力導波路320の第2の側面370-2に付けられる。方向付け要素360および/または分離要素365は、たとえば、回折格子、ホログラフィック格子、1つまたは複数のカスケード型反射器、1つまたは複数のプリズム表面要素、および/またはホログラフィック反射器のアレイであり得る。
【0062】
第2の側面370-2は、x次元およびy次元に沿った平面を表す。出力導波路320は、画像光355の内部全反射を促進する1つまたは複数の材料から構成され得る。出力導波路320は、たとえば、シリコン、プラスチック、ガラス、および/またはポリマーから構成され得る。出力導波路320は、比較的小さいフォームファクタを有する。たとえば、出力導波路320は、x次元に沿って幅約50mm、y次元に沿って長さ約30mm、およびz次元に沿って厚さ約0.5~1mmであり得る。
【0063】
コントローラ330は、ソースアセンブリ310のスキャン動作を制御する。コントローラ330は、ソースアセンブリ310のためのスキャン命令を決定する。いくつかの例では、出力導波路320は、拡大された画像光340を大きい視野(FOV)でユーザの眼球220に出力する。たとえば、拡大された画像光340は、60度のおよび/またはそれよりも大きい、ならびに/あるいは150度のおよび/またはそれよりも小さい(xおよびyにおける)対角FOVでユーザの眼球220に提供される。出力導波路320は、20mm以上および/または50mm以下の長さ、ならびに/あるいは10mm以上および/または50mm以下の幅をもつアイボックスを提供するように構成される。
【0064】
その上、コントローラ330は、画像センサーモジュール370によって提供される画像データに基づいて、ソースアセンブリ310によって生成される画像光355をも制御する。画像センサーモジュール370は、第1の側面370-1上に位置し得、たとえば、(たとえば、ロケーション決定のための)ユーザの前にある物理的環境の画像データを生成するために
図1Aの画像センサーモジュール120a~120dを含み得る。画像センサーモジュール370はまた、第2の側面370-2上に位置し得、ユーザの(たとえば、注視点決定のための)眼球220の画像データを生成するために
図1Bの画像センサーモジュール150aおよび150bを含み得る。画像センサーモジュール370は、導波路ディスプレイ300内に位置しないリモートコンソールとインターフェースし得る。画像センサーモジュール370は、画像データをリモートコンソールに提供し得、リモートコンソールは、たとえば、ユーザのロケーション、ユーザの注視点などを決定し、ユーザに表示されるべき画像のコンテンツを決定し得る。リモートコンソールは、決定されたコンテンツに関係する命令をコントローラ330に送信することができる。命令に基づいて、コントローラ330は、ソースアセンブリ310による画像光355の生成および出力を制御することができる。
【0065】
図4は、導波路ディスプレイ300の断面400の一例を示す。断面400は、ソースアセンブリ310と、出力導波路320と、画像センサーモジュール370とを含む。
図4の例では、画像センサーモジュール370は、ユーザの前にある物理的環境の画像を生成するために、第1の側面370-1上に位置するピクセルセル402のセットを含み得る。いくつかの例では、ピクセルセル402のセットの露光を制御するために、ピクセルセル402のセットと物理的環境との間に挿入された機械的シャッター404があり得る。いくつかの例では、機械的シャッター404は、以下で説明されるように、電子シャッターゲートと置き換えられ得る。ピクセルセル402の各々は、画像の1つのピクセルに対応し得る。
図4には示されていないが、ピクセルセル402の各々はまた、ピクセルセルによって検知されるべき光の周波数範囲を制御するために、フィルタでオーバーレイされ得ることを理解されたい。
【0066】
リモートコンソールから命令を受け取った後に、機械的シャッター404は、露光期間において開き、ピクセルセル402のセットを露光することができる。露光期間中に、画像センサーモジュール370は、ピクセルセル402のセットに入射した光のサンプルを取得し、ピクセルセル402のセットによって検出された入射光サンプルの強度分布に基づいて画像データを生成することができる。画像センサーモジュール370は、次いで、画像データを、ディスプレイコンテンツを決定するリモートコンソールに提供し、ディスプレイコンテンツ情報をコントローラ330に提供することができる。コントローラ330は、次いで、ディスプレイコンテンツ情報に基づいて画像光355を決定することができる。
【0067】
ソースアセンブリ310は、コントローラ330からの命令に従って画像光355を生成する。ソースアセンブリ310は、ソース410と光学システム415とを含む。ソース410は、コヒーレント光または部分的にコヒーレントな光を生成する光源である。ソース410は、たとえば、レーザーダイオード、垂直キャビティ面発光レーザー、および/または発光ダイオードであり得る。
【0068】
光学システム415は、ソース410からの光を調節する1つまたは複数の光学的構成要素を含む。ソース410からの光を調節することは、たとえば、コントローラ330からの命令に従って拡大し、コリメートし、および/または向きを調整することを含み得る。1つまたは複数の光学的構成要素は、1つまたは複数のレンズ、液体レンズ、ミラー、開口、および/または格子を含み得る。いくつかの例では、光学システム415は、光ビームを液体レンズ外の領域にシフトするためにしきい値のスキャン角度を伴う光ビームのスキャンを可能にする複数の電極をもつ液体レンズを含む。光学システム415(同じくソースアセンブリ310)から放出される光は、画像光355と呼ばれる。
【0069】
出力導波路320は、画像光355を受け取る。結合要素350は、ソースアセンブリ310からの画像光355を出力導波路320に結合する。結合要素350が回折格子である例では、内部全反射が出力導波路320中で発生し、画像光355が、分離要素365に向かって、(たとえば、内部全反射によって)出力導波路320中を内部的に伝搬するように、回折格子のピッチが選定される。
【0070】
方向付け要素360は、出力導波路320から分離するために、画像光355を分離要素365のほうへ向け直す。方向付け要素360が回折格子である例では、回折格子のピッチは、入射画像光355が、分離要素365の表面に対して(1つまたは複数の)傾斜角において出力導波路320を出ることを引き起こすように選定される。
【0071】
いくつかの例では、方向付け要素360および/または分離要素365は、構造的に同様である。出力導波路320を出た拡大された画像光340は、1つまたは複数の次元に沿って拡大される(たとえば、x次元に沿って延長され得る)。いくつかの例では、導波路ディスプレイ300は、複数のソースアセンブリ310と複数の出力導波路320とを含む。ソースアセンブリ310の各々は、原色(たとえば、赤、緑、または青)に対応する、波長の固有の帯域の単色画像光を放出する。出力導波路320の各々は、多色である拡大された画像光340を出力するために、離間距離を伴って一緒に積層され得る。
【0072】
図5は、ニアアイディスプレイ100を含むシステム500の一例のブロック図である。システム500は、各々制御回路要素510に結合された、ニアアイディスプレイ100と、撮像デバイス535と、入出力インターフェース540と、画像センサーモジュール120a~120dおよび150a~150bとを備える。システム500は、ヘッドマウントデバイス、ウェアラブルデバイスなどとして構成され得る。
【0073】
ニアアイディスプレイ100は、ユーザにメディアを提示するディスプレイである。ニアアイディスプレイ100によって提示されるメディアの例は、1つまたは複数の画像、ビデオ、および/またはオーディオを含む。いくつかの例では、オーディオは、外部デバイス(たとえば、スピーカーおよび/またはヘッドフォン)を介して提示され、この外部デバイスは、ニアアイディスプレイ100および/または制御回路要素510からオーディオ情報を受け取り、そのオーディオ情報に基づいてオーディオデータをユーザに提示する。いくつかの例では、ニアアイディスプレイ100はまた、ARアイウェアグラスとして働き得る。いくつかの例では、ニアアイディスプレイ100は、コンピュータ生成された要素(たとえば、画像、ビデオ、音など)を用いて、物理的現実世界の環境のビューを増強する。
【0074】
ニアアイディスプレイ100は、導波路ディスプレイアセンブリ210、1つまたは複数の位置センサーモジュール525、および/または慣性測定ユニット(IMU)530を含む。導波路ディスプレイアセンブリ210は、ソースアセンブリ310と、出力導波路320と、コントローラ330とを含む。
【0075】
IMU530は、位置センサーモジュール525のうちの1つまたは複数から受け取られた測定信号に基づいて、ニアアイディスプレイ100の初期位置に対するニアアイディスプレイ100の推定位置を指示する高速較正データを生成する電子デバイスである。
【0076】
撮像デバイス535は、様々なアプリケーションのための画像データを生成し得る。たとえば、撮像デバイス535は、制御回路要素510から受け取られた較正パラメータに従って低速較正データを提供するために画像データを生成し得る。撮像デバイス535は、たとえば、ユーザのロケーション追跡を実施するために、ユーザが位置する物理的環境の画像データを生成するために
図1Aの画像センサーモジュール120a~120dを含み得る。撮像デバイス535は、たとえば、ユーザの関心物体を識別するために、ユーザの注視点を決定するための画像データを生成するために、
図1Bの画像センサーモジュール150a~150bをさらに含み得る。
【0077】
入出力インターフェース540は、ユーザが制御回路要素510にアクション要求を送ることを可能にするデバイスである。アクション要求は、特定のアクションを実施するための要求である。たとえば、アクション要求は、アプリケーションを開始または終了するためのものであるか、あるいはアプリケーション内で特定のアクションを実施するためのものであり得る。
【0078】
制御回路要素510は、撮像デバイス535、ニアアイディスプレイ100、および入出力インターフェース540のうちの1つまたは複数から受け取られた情報に従って、ユーザへの提示のためのメディアをニアアイディスプレイ100に提供する。いくつかの例では、制御回路要素510は、ヘッドマウントデバイスとして構成されたシステム500内に収容され得る。いくつかの例では、制御回路要素510は、システム500の他の構成要素と通信可能に結合されたスタンドアロンコンソールデバイスであり得る。
図5に示されている例では、制御回路要素510は、アプリケーションストア545と、追跡モジュール550と、エンジン555とを含む。
【0079】
アプリケーションストア545は、制御回路要素510が実行するための1つまたは複数のアプリケーションを記憶する。アプリケーションは、プロセッサによって実行されたとき、ユーザへの提示のためのコンテンツを生成する命令のグループである。アプリケーションの例は、ゲームアプリケーション、会議アプリケーション、ビデオ再生アプリケーション、または他の好適なアプリケーションを含む。
【0080】
追跡モジュール550は、1つまたは複数の較正パラメータを使用してシステム500を較正し、ニアアイディスプレイ100の位置の決定における誤差を低減するために、1つまたは複数の較正パラメータを調整し得る。
【0081】
追跡モジュール550は、撮像デバイス535からの低速較正情報を使用して、ニアアイディスプレイ100の移動を追跡する。追跡モジュール550はまた、高速較正情報からの位置情報を使用して、ニアアイディスプレイ100の基準点の位置を決定する。
【0082】
エンジン555は、システム500内でアプリケーションを実行し、追跡モジュール550から、ニアアイディスプレイ100の位置情報、加速度情報、速度情報、および/または予測された将来の位置を受け取る。いくつかの例では、エンジン555によって受け取られた情報は、ユーザに提示されるコンテンツのタイプを決定する導波路ディスプレイアセンブリ210への信号(たとえば、ディスプレイ命令)をもたらすために使用され得る。たとえば、インタラクティブ体験を提供するために、エンジン555は、(たとえば、追跡モジュール550によって提供される)ユーザのロケーション、または(たとえば、撮像デバイス535によって提供される画像データに基づく)ユーザの注視点、(たとえば、撮像デバイス535によって提供される画像データに基づく)物体とユーザとの間の距離に基づいて、ユーザに提示されるべきコンテンツを決定し得る。
【0083】
図6Aおよび
図6Bは、画像センサーモジュール600およびその動作の例を示す。画像センサーモジュール600は、
図1Aおよび
図1Bの画像センサーモジュール120a~120dおよび150a~150bの一部であり、
図3の画像センサーモジュール370の一部であり得る。
図6Aに示されているように、画像センサーモジュール600は、1つまたは複数のレンズ602と、画像センサー604とを含み、画像センサー604は、1つまたは複数の画像センサーダイ/チップを含むことができる。1つまたは複数のレンズ602は、(たとえば、
図6Aおよび
図6Bに示されている)単一のレンズ602、または光の伝搬方向に沿って(たとえば、z軸に沿って)スタックにおいて整合された複数のレンズを含むことができる。1つまたは複数のレンズ602は、光606および光608を集め、画像センサー604に向かって光606および光608を集束させることができる。画像センサー604は、集束された光606を受け取るための受光面610を含む。受光面610は、距離fだけレンズ602から分離され得る。
図6A中の距離fは、レンズ602から無限距離離れた物体の画像をキャプチャするための、レンズ602と画像センサー604との間の距離に対応することができる。距離fは、たとえば、物体とレンズ602との間の距離に基づいて、調整され得る。受光面610がレンズ602から距離fにあり、受光面610がレンズ602の光軸612に垂直であり、受光面610の中心が光軸612と整合するとすれば、受光面610は、レンズ602の長さfに基づいて画定された視野620で、集束された光を受け取ることができる。画像センサー604は、集束された光606を電気信号に変換するための、受光面610の下のピクセルセル605のアレイをさらに含む。異なるピクセルセルが、レンズ602を介して異なる強度の光を受け取って、電気信号を生成し得、ピクセルセルからの電気信号に基づいて、視野620の画像が構築され得る。
【0084】
視野620などの画像センサーモジュール600の光学特性は、レンズ602の物理的特性によって決定され得る。詳細には、レンズ602の曲率および屈折率が、焦点距離fを決定することができる。その上、レンズ602のアッベ数が、屈折率対波長の変動を決定することができる。さらに、レンズ602の複屈折が、入射光の偏光および伝搬方向に関するそのレンズの屈折率の変動を決定することができる。アッベ数と複屈折の両方は、レンズ602による光606の分散を制御することができ、レンズ602の材料によって決定され得る。すべてのこれらの光学特性は、画像センサーモジュール600によってキャプチャされる画像の品質(たとえば、視野においてキャプチャされる情報の量、光の分散によって引き起こされるぼけ度およびひずみ)に影響を及ぼすことがある。
【0085】
画像センサーモジュール600における1つまたは複数のレンズ602と画像センサー604とのアセンブリも、画像センサーモジュール600の光学特性ならびに性能に影響を及ぼすことがある。詳細には、レンズに対する画像センサーの整合(たとえば、相対配向、位置)も、画像センサー604による受光に影響を及ぼすことがある。上記で説明されたように、適切な整合のために、受光面610は、距離fだけレンズ602から分離されるべきである。その上、受光面610は、レンズ602の光軸612に垂直であるべきであり、受光面610の中心は、光軸612と整合するべきである。
図6Bは、レンズ602と画像センサー604との間の不整合と、それらの影響との例を示す。
図6Bに示されているように、画像センサー604(および受光面610)は、光軸612およびレンズ602に対して傾いたようになることがある。その結果、受光面610の様々なロケーション(たとえば、「P」および「Q」と標示されたロケーション)が、距離fよりも短いまたは距離fよりも長いのいずれかである距離だけ、レンズ602から分離され得る。その結果、受光面610は、ロケーションPおよびQにおいて分散光606を受け取り得、得られた画像は、それらのロケーションにおいて焦点はずれであるように見え、ひずんだようになり得る。さらに、受光面610の中心は光軸612と整合せず、これは、受光面610によってキャプチャされる視野を低減することがある。
【0086】
図7は、レンズ602と画像センサー604との間の改善された整合を提供することができる画像センサーモジュール700の一例を示す。
図7に示されているように、画像センサーモジュール700は、1つまたは複数のレンズ602と、基板703(たとえば、ガラス基板)と、画像センサー604とを収容する、ハウジング701を含む。1つまたは複数のレンズ602は、レンズスタックを形成し、ハウジング701の内壁上に取り付けられた、複数のレンズを含むことができる。ハウジング701は、画像センサー604の垂直側面(たとえば、受光面610に垂直である側面)上にあるショルダー構造(shoulder structure)706をさらに含む。画像センサー604の垂直側面とショルダー構造706の垂直側面との間にエアギャップ716があり、1つまたは複数のレンズ602と画像センサー604の受光面610との間にエアギャップ718があり得る。エアギャップ716とエアギャップ718の両方は、画像センサー604に対して1つまたは複数のレンズ602を整合させるためのスペースを提供することができる。
【0087】
ハウジング701と画像センサー604の両方は、PCB720上に接合される。たとえば、ショルダー構造706は、接着剤接合線722を介してPCB720に接合され得るが、画像センサー604は、導電性接合を形成するために、はんだボール724を介してPCB720上にはんだ付けされ得る。接合線722は、画像センサー604に対して1つまたは複数のレンズ602を整合させるために使用され得る。詳細には、接合線722は、液体状態にあるときに柔軟であるが硬化されるときに固まることができる接着剤を含むことができる。接合線722が液体状態にあるとき、(1つまたは複数のレンズ602が内側に取り付けられた)ハウジング701は、画像センサー604と整合するように、x方向、y方向、およびz方向に移動され、ならびに/または、x軸、y軸、およびz軸の周りに回転され得る。ターゲット整合は、たとえば、1つまたは複数のレンズ602の光軸612が画像センサー604の中心と整合し、受光面610が、光軸612に垂直であり、所定の距離dだけ1つまたは複数のレンズ602から分離されるなどのようなものであり得る。ターゲット整合が達成されると、接着剤は硬化されて、接合線722を形成して、画像センサー604に対する1つまたは複数のレンズ602のロケーションおよび配向を固定することができる。
【0088】
図7のハウジング701は、1つまたは複数のレンズ602と画像センサー604との間の改善された整合を提供することができるが、ハウジング701のショルダー構造706は、画像センサーモジュール700のフットプリントを増加させ、これは、ニアアイディスプレイ100などのウェアラブルデバイスにとって望ましくない。上記で説明されたように、画像センサーモジュール700の増加されたフットプリントは、フレーム105の厚さの増加につながることがあり、これは、フレーム105の重量を増加させ、ディスプレイ110の面積を低減し、美しさに影響を及ぼすことがあり、それらのすべてはユーザ体験を劣化させることがある。一方、画像センサーモジュール700のフットプリントを縮小するために、画像センサー604のフットプリントは縮小する必要があり得、これは、画像センサー604中に含まれるピクセルセルの数を低減し、画像キャプチャの解像度を低減することがある。その結果、画像センサーモジュール700の性能が劣化され得る。
【0089】
図8Aは、低減されたフットプリントをもつ画像センサーモジュール800の別の例を示し、
図8Bおよび
図8Cは、画像センサーモジュール800の例示的な作製方法を示す。
図8Bに示されているように、画像センサーモジュール800は、ガラス基板802上に形成された(1つまたは複数のレンズ602のうちの)レンズ602aを含み得る。ガラス基板802は、たとえば、接合層804を介して、画像センサー604に接合され得る。追加のガラス基板が、ガラス基板802の上に積層されて、追加のレンズを含むことができる。たとえば、キャビティ808を有するガラス基板806が、ガラス基板802の上に積層され得、キャビティ808はレンズ602aに適応し、レンズ602bを含む別のガラス基板810が、ガラス基板806および802の上に積層され得、レンズ602aと602bとは、同じ光軸612に沿って整合される。画像センサー604は、導電性接合を形成するために、はんだボール724を介してPCB720上にはんだ付けされ得る。
【0090】
図7の画像センサーモジュール700と比較して、画像センサーモジュール800は、低減されたフットプリントを提供することができる。詳細には、
図8Aに示されているように、ガラス基板802、806、および810のフットプリントは、ショルダー構造706が画像センサー604から外側に延在する画像センサーモジュール700とは異なり、画像センサー604と実質的に同じであるか、または画像センサー604よりも小さくなり得る。その結果、(L
800によって表された)画像センサーモジュール800のフットプリントは、(L
604によって表された)画像センサー604のフットプリントと実質的に同じであり得る。
【0091】
画像センサーモジュール700中のガラス基板は、レンズと画像センサーダイとの間の(
図8A中で「d」と標示された)垂直距離を画定するなど、レンズ602と画像センサー604との間のある整合度をも提供することができる。しかしながら、整合度は、一般にウエハレベルオプティクスプロセスに基づく、画像センサーモジュール700の作製によって制限され得る。
【0092】
図8Bは、ウエハレベルオプティクスプロセスの一例を示す。
図8Bに示されているように、複数のレンズ602aが、ガラスウエハ822上に形成され得る。その上、複数のキャビティ808が、ガラスウエハ824上に形成され得、複数のレンズ602bが、ガラスウエハ826上に形成され得る。ガラスウエハ822、824、および826は積層され得、各ガラスウエハは、
図8Aに示されているように、同じ光軸612に沿って、各レンズ602a、キャビティ808、およびレンズ602bを整合させるために、x軸およびy軸に沿って移動され得る。整合プロセスが、ガラスウエハ822、824、および826を整合させるために実施され得る。詳細には、それぞれ、ガラスウエハ822、824、および826上の、整合マーク832、834、および836の画像が、カメラ840および842によってキャプチャされ得、ウエハの間の整合度が、画像に基づいて決定され得る。各ウエハは、整合マーク832、834、および836の画像が、ターゲット整合度に達したことを指示するまで、互いに対して移動され得る。ガラスウエハが積層され、整合された後に、ガラスウエハスタックは、次いで、複数の画像センサーダイ852を含む半導体ウエハ850上に積層され得、各ダイは、画像センサー604に対応する。ガラスウエハスタックも、レンズを画像センサーダイ604と整合させるために、x軸およびy軸に沿って移動され得る。半導体ウエハ850に対するガラスウエハスタックの整合も、カメラ840および842によってキャプチャされた、ガラスウエハスタックの整合マーク832/834/836および半導体ウエハ850上の整合マーク854の画像に基づくことができる。整合プロセスが完了した後に、ガラスウエハスタックおよび画像センサーダイは、個々の画像センサーモジュール800を形成するために、ダイシングされ得る。
【0093】
図8B中の整合プロセスは、レンズ602と画像センサー604との間の限られた整合度を提供することができるにすぎない。これは、その整合が、ウエハレベルに関するものであり、異なる画像センサーモジュール間のレンズ602のロケーション/配向差を完全にはなくすことができないからある。
図8Cは、限られた整合の一例を示す。
図8Cに示されているように、2つのレンズ602a1と602a2とが、ガラスウエハ822上で水平距離d1および垂直距離Δzだけ分離され、2つの画像センサーダイ852aと852bとが、半導体ウエハ850上で水平距離d2だけ分離される。ガラスウエハ822と半導体ウエハ850との間の整合に基づいて、レンズ602a1および602a2の各々は、それぞれ、d1とd2との間の差の1/2だけ、画像センサーダイ852aおよび852bと不整合し得る。その上、ウエハ826は、半導体ウエハ850と整合するように、x/y軸に沿って移動されるにすぎないので、Δzによって引き起こされた垂直軸に沿った不整合は、画像センサーダイ852bについて残り得る。その上、整合を補正するための、x軸、y軸、およびz軸の周りの、ウエハ626(または画像センサー604)の回転もない。
【0094】
いくつかの例では、ウエハレベルオプティクスプロセスにおける、ガラス基板802、806、および810のスタックと、画像センサー604との間の整合は、ガラス基板スタックがダイシングされて、各画像センサー604について(ダイシングされたガラス基板802、806、および810、ならびにレンズ602aおよび602bを含む)レンズスタックを形成した後に、実施され得る。レンズスタックは、たとえば、レンズスタックのエッジと画像センサー604の特徴との間の整合に基づいて、画像センサー604に対して、およびx/y軸に沿って移動され得る。しかしながら、また、整合を補正するための、x軸、y軸、およびz軸の周りの、ウエハ626(または画像センサー604)の回転がない。したがって、レンズ602と画像センサー604との間の限られた整合度が達成され得るにすぎない。
【0095】
図9A~
図9Cは、低減されたフットプリントと改善された光学特性の両方を提供することができる、画像センサーモジュールの例を示す。
図9Aに示されているように、画像センサーモジュール900が、レンズアセンブリ902と、
図7の画像センサー604とを含むことができる。画像センサー604は、レンズアセンブリ902の下方に配置され得、接合層904を介してレンズアセンブリ902に接合され得る。レンズアセンブリ902は、画像センサー604の側面に隣接するいかなるショルダー構造をも含まないので、レンズアセンブリ902は、画像センサーモジュール900のフットプリントを増やさない。画像センサーモジュール900のフットプリントは、大部分が画像センサー604によって寄与される。
【0096】
レンズアセンブリ902は、1つまたは複数の層908と、1つまたは複数のスペーサ910とを含むことができ、各層は、レンズ602として形成されたレンズ部分と、延在部分911とを有する。レンズ部分は、光を集め、画像センサー604のほうへ向けるように構成され、延在部分911は、レンズ部分に機械的支持を提供することができる。たとえば、延在部分911は、スペーサ910に載っているか、またはスペーサ910によって支持され得、スペーサ910は、層908のレンズ部分を適合させるための開口を含む。各層は、たとえば、環状オレフィン共重合体(COC)材料などのポリマー材料で作られ得、これは、より低いアッベ数および低減された複屈折を提供することができ、その両方は、レンズ602による光分散を低減することができる。層908を作製するために使用され得る他のポリマー材料は、たとえば、APEL5014CL、OKP1、OKP4、EP8000を含み得る。APEL5014CLはCOCであり得る。OKP1およびOKP4はポリエステルであり得、EP8000はポリカーボネートであり得る。各層は、たとえば、ガラスなど、他の材料でも作られ得る。スペーサ910は、たとえば、不透明ポリマー、金属など、不透明材料でも作られ得る。
【0097】
レンズアセンブリ902が、複数のレンズ602(たとえば、
図9Aに示されている3つのレンズ602a、602b、および602c)を含む場合、各層908(たとえば、層908a、908b、および908c)は、互いの上に積層し、スペーサ910に接合され得、これは、機械的支持を提供し、レンズアセンブリ902内のレンズ602のロケーションおよび配向を画定することができる。たとえば、層908aの延在部分911aが、スペーサ910aに接合され得、スペーサ910aは、画像センサー604に光を出力するための開口920を含む。いくつかの例では、開口920は、出光面を形成するために、レンズ602aの一部で埋められ得る。その上、スペーサ910bが、層908bと層908aとの間に挿入され得、層908bの延在部分911bが、スペーサ910bに接合され、スペーサ910cが、層908cと層908bとの間に挿入され得、層908cの延在部分911cが、スペーサ910cに接合される。レンズアセンブリ902は、入射光を受け取るためのアパーチャ916を含む上部カバー914をさらに含む。
【0098】
いくつかの例では、(
図9Bに示されている)不透明/暗いコーティング層930が、レンズアセンブリ902の外部垂直面上に塗布されて、光がレンズアセンブリ902の側面を通って入るのを防いで、光がアパーチャ916のみを通って入ることを確実にすることができる。いくつかの例では、
図11Bに示されているように、
【0099】
いくつかの例では、層908間のスペーサ910のうちのいくつかが、レンズアセンブリ902において省略され得る。2つの層908の延在部分911および/またはレンズ602は、スタックを形成するために接合され得る。たとえば、レンズアセンブリ902を形成するために、層908cの延在911cと層908bの延在911bとが互いに接合され得、層908bの延在911bと層908aの延在911aとが同じく互いに接合され得る。別の例として、レンズアセンブリ902を形成するために、レンズ602cとレンズ602bとが互いに接合され得、602bと602cとが同じく互いに接合され得る。
【0100】
層908a、908b、および908cは、レンズ602a、602b、および602cの物理的寸法(たとえば、曲率)と、レンズアセンブリ902の得られた光学特性とにわたる、改善された制御を提供するために、射出成形などの高精度プロセスによって作製され得る。その上、スペーサ910a、910b、および910c、ならびに上部カバー914も、射出成形によって作製されて、層、スペーサ、およびカバー間のより緊密な適合を提供することができ、これは、レンズアセンブリ902の剛性を改善することができる。いくつかの例では、スペーサ910a、910b、および910c、ならびに上部カバー914は、打ち抜き加工(stamp)されたまたは機械加工された金属で作られ得る。
【0101】
(図中で別個の構成要素として示される)ガラス基板703を含むことができる、画像センサー604が、接合層904を介してレンズアセンブリ902に接合され得る。接合層904は、画像センサー604がリフロープロセスにおいてはんだボール724を介してPCB720上にはんだ付けされた後に、画像センサー604上に接着材料の層を塗布することによって形成され得る。(PCB720上にはんだ付けされる)画像センサー604とレンズアセンブリ902とは、次いで、スペーサ910aが接着材料に接触するように、互いに合わせられ得る。接着材料は、次いで、硬化プロセスにおいて固められて、接合層904を形成することができ、これは、画像センサー604とレンズアセンブリ902との間の永続的接合を提供することができる。
【0102】
接合層904は、接着材料が液体状態のままであるとき、硬化プロセスより前の整合プロセスから取得された、画像センサー604とレンズアセンブリ902のレンズ602との間の整合を維持するために使用され得る。
図9Bは、レンズアセンブリ902に対する画像センサー604の位置および配向が、整合度を反映する画像センサー604によって生成されたセンサーデータに基づいて調整され得る、整合プロセスの一例を示す。
図9Bを参照すると、画像センサー604は、整合プロセス中にレンズアセンブリ902を通過する光を検知するために有効にされ(電源投入され)得る。一例では、レンズアセンブリ902は、固定ロケーションおよび固定配向において保持され得るが、画像センサー604(およびPCB720)は、(
図9Bに示されていない)プラットフォーム上で支持され得、そのプラットフォームは、x軸、y軸、およびz軸の各々に沿った線形移動、ならびにx軸、y軸、およびz軸の各々を中心とする回転を含む、6次(degree)の移動を支持することができる。別の例では、画像センサー604(およびPCB720)は、固定ロケーションおよび固定配向において保持され得るが、レンズアセンブリ902は移動/回転され得る。光プロジェクタ940が、光パターン950(たとえば、画像の2次元光パターン)をレンズアセンブリ902に投影することができ、レンズアセンブリ902は、光パターン950を画像センサー604のほうへ向けることができ、画像センサー604は、光パターン950の検知に基づいて画像のセンサーデータ960を生成することができる。上記で説明されたように、画像センサー604とレンズ602との間の整合度(たとえば、画像センサー604がレンズ602の焦点からどのくらい遠いか、またはレンズ602の光軸612に対する画像センサー604の配向および位置)は、光パターン950の検知から画像センサー604によって生成される画像の品質を決定することができる。コントローラ970が、センサーデータ960を分析して、センサーデータ960によって表された画像の、たとえば、ぼけ度の度合い、ひずみの度合いなどを決定することができ、それらから、コントローラ970は、画像センサー604とレンズ602との間の整合度を決定することができる。整合度に基づいて、コントローラ970は、画像センサー604とレンズアセンブリ902との間の接着剤が液体状態のままであるとき、レンズアセンブリ902に対して画像センサー604を整合させるために、(たとえば、x軸、y軸、およびz軸の各々に沿った線形移動、x軸、y軸、およびz軸の各々を中心とする回転などに基づく)レンズアセンブリ902および/または画像センサー604の移動を制御することができる。接着剤は、移動を可能にするために、圧搾または伸張され得る。
【0103】
コントローラ970は、ターゲット整合度に達するまで、整合を調整するために、画像センサー604またはレンズアセンブリ902のうちの少なくとも1つを移動し続けることができる。たとえば、1つまたは複数のレンズ602の(
図9Aに示されていない)光軸612が画像センサー604の中心と整合し、受光面610が、光軸612に垂直であり、所定の距離だけ1つまたは複数のレンズ602から分離されるなどのとき、ターゲット整合度に達する。ターゲット整合度に達したとき、接着剤は、硬化プロセスにおいて固められ得る。硬化プロセスは、たとえば、紫外光、(レンズを変形することを回避するための)ポリマーレンズの融点よりも低い温度における熱的プロセス、またはその両方に基づき得る。接着剤が固められるとき、レンズアセンブリ902に対する整合された位置および配向において画像センサー604を維持しながら、画像センサー604をレンズアセンブリ902と接合するように、接合層904が形成され得る。画像センサー604は、x軸、y軸、およびz軸の各々に沿った線形移動、x軸、y軸、およびz軸の各々を中心とする回転に基づいて、ならびに瞬間の整合度の正確な根拠を提供することができる画像センサー604によって生成されたセンサーデータに基づいて、レンズアセンブリ902に対して移動され得るので、レンズ602と画像センサー604との間の達成可能な整合の達成可能な度合いが、実質的に増加され得る。
【0104】
接合層904を形成するための接着剤を分布させる様々なやり方がある。一例では、
図9Cの左図に示されているように、接合層904は、領域932を囲む画像センサー604の外周の周りに形成され得る。領域932は、画像センサー604の受光面610にわたることができ、レンズアセンブリ902のスペーサ910aの開口920に面する。そのような構成では、固まると不透明になるかまたはさもなければ低い光透過率を有する接着剤が使用されて、光が画像センサー604に達するのを遮断することなしに接合層904を形成することができるが、接着剤の塗布は、整合プロセス中に圧搾されるときに接着剤が領域932にこぼれないように制限される。別の例では、
図9Cの右図に示されているように、接合層904は、たとえば、開口920を埋めるレンズ602aの一部と接合するように、領域932にわたって形成され得る。そのような構成では、画像センサー604上での接着剤の塗布に対する制限がほとんどないことがあるが、接着剤は、硬化プロセスによって固まると、透明であるかまたは少なくとも高い光透過率を有する必要がある。いくつかの例では、接着剤はまた、画像センサー604と接合するように、レンズアセンブリ902上に(たとえば、画像センサー604に面するスペーサ910aの面上に)形成され得る。
【0105】
図10は、低減されたフットプリントと改善された光学特性の両方を提供することができる、画像センサーモジュールの別の例を示す。
図10に示されているように、画像センサーモジュール1000は、レンズアセンブリ1002と、
図7の画像センサー604とを含むことができる。レンズアセンブリ1002は、不透明/暗いレンズハウジング1004を含むことができ、ハウジング1004は、1つまたは複数のレンズ602を保持するバレルの形態であり得る。ハウジング1004は、たとえば、ポリマー材料、金属などで作られ得る。画像センサー604は、ハウジング1004の下方に配置され得、接合層904を介してレンズアセンブリ1002に接合され得る。レンズアセンブリ1002は、画像センサー604の側面に隣接するいかなるショルダー構造をも含まないので、レンズアセンブリ1002は、画像センサーモジュール1000のフットプリントを増やさない。画像センサーモジュール1000のフットプリントは、大部分が画像センサー604によって寄与される。
【0106】
いくつかの例では、
図10に示されているように、1つまたは複数のレンズ602の各々は、延在部分1008を含む層1006の一部であり得る。レンズアセンブリ1002は、1つまたは複数のスペーサ1010をも含み得る。層1006のレンズ部分は、光を集め、画像センサー604のほうへ向けるように構成され、延在部分1008は、レンズ部分に機械的支持を提供することができる。たとえば、延在部分1008は、スペーサ1010に載っているか、またはスペーサ1010によって支持され得、スペーサ1010は、層1006のレンズ部分を適合させるための開口を含む。各層1006およびスペーサ1010は、ハウジング1004の内壁に(たとえば、接着剤を介して)機械的に結合される。各層1006は、たとえば、ポリマー材料(たとえば、COC、ポリカーボネート)、ガラス材料などを含む、層908と同じ材料で作られ得る。スペーサ1010も、ポリマーおよび金属など、不透明材料で作られ得る。レンズアセンブリ902が、複数のレンズ602(たとえば、
図10に示されている3つのレンズ602a、602b、および602c)を含む場合、各層1006(たとえば、層1006a、1006b、および1006c)は、互いの上に積層し、スペーサ1010によって分離され得、これは、機械的支持を提供し、レンズアセンブリ1002内のレンズ602のロケーションおよび配向を画定することができる。たとえば、層1006aの延在部分1008aと層1006bの延在部分1008bとが、スペーサ1010aによって分離され得、層1006bの延在部分1008bと層1006cの延在部分1008cとが、スペーサ1010bによって分離され得る。ハウジング1004は、入射光を受け取るためのアパーチャ1016をさらに含む。
【0107】
画像センサーモジュール900と同様に、各層1006は、レンズ602a、602b、および602cの物理的寸法(たとえば、曲率)と、レンズアセンブリ1002の得られた光学特性とにわたる、改善された制御を提供するために、射出成形などの高精度プロセスによって作製され得る。その上、スペーサ1010も、射出成形、機械加工された/打ち抜き加工された金属などによって作製されて、層およびスペーサ間のより緊密な適合を提供して、レンズアセンブリ1002の剛性を改善することができる。その上、接合層904は、
図9Bで説明されたように、整合プロセスから取得された、(画像センサー604の)画像センサー604とレンズアセンブリ1002のレンズ602との間の整合を維持するために使用され得る。
【0108】
いくつかの例では、
図7~
図10の画像センサーモジュール700、800、900、および1000など、画像センサーモジュールの光学要素は、フィルタを含み得る。フィルタは、画像センサーの異なるピクセルセルによって検出されるべき光の異なる周波数成分、またはすべてのピクセルセルによって検出されるべき光の単一の周波数成分を選択するためのフィルタアレイを含むことができる。画像センサーは、フィルタアレイによって選択された光の異なる周波数成分を受光面を介して受け取り、周波数成分を電気信号に変換することができる光検知要素(たとえば、フォトダイオード)を含む。電気信号は、たとえば、シーンからの光の異なる周波数成分の強度を表すことができる。
【0109】
図11A、
図11B、および
図11Cは、フィルタを含む画像センサーモジュール1100の例を示す。画像センサーモジュール1100は、
図1A、
図1B、および
図1Cの画像センサーモジュール120a~120dおよび150a~150bの一部であり、
図3の画像センサーモジュール370の一部であり得る。画像センサーモジュール1100は、1つまたは複数のレンズ602および画像センサー604など、
図7~
図10の画像センサーモジュール700、800、900、および1000の構成要素を含み得る。画像センサーモジュール1100の内部側面図を表す
図11Aの左側に示されているように、画像センサーモジュール1100は、1つまたは複数のレンズ602と、フィルタ1103と、
図6Aに示されているピクセルセル605のアレイを含む画像センサー604とを含む。(簡単のために
図11A中で統合体(unified body)として示される)1つまたは複数のレンズ602は、
図7~
図10に示されている、単一のレンズ、または、スペーサによって分離され、光を通すために光の伝搬方向に沿って(たとえば、z軸に沿って)スタックにおいて整合された複数のレンズを含むことができる。いくつかの例では、光は、集束され得、焦点において収束することができる。光はフィルタ1103によってフィルタ処理され得、フィルタ1103は、画像センサー604によって検出されるべき光の1つまたは複数の周波数成分を選択することができる。いくつかの例では、フィルタ1103は、画像センサー604によって検出されるべき光の単一の周波数範囲(たとえば、可視周波数範囲、赤外周波数範囲など)を選択することができる。いくつかの例では、フィルタ1103は、画像センサー604によって検出されるべき光の異なる周波数範囲(たとえば、赤色周波数範囲、青色周波数範囲、緑色周波数範囲、赤外周波数範囲)を選択するためのフィルタアレイを含むことができる。
【0110】
画像センサー604の受光面610の下のピクセルセル605のアレイは、光の異なる周波数成分を電気信号に変換することができる。電気信号は、たとえば、シーンからの光の異なる周波数成分の強度を表すことができる。電気信号に基づいて、画像プロセッサが、シーンの画像を生成することができる。画像センサーモジュールはプリント回路板(PCB)720上にはんだ付けされ得、プリント回路板(PCB)は、画像プロセッサ(図に示されていない)をも含む。PCB720は、
図7で説明されたように、画像センサーモジュールから画像プロセッサに電気信号を送信するための電気トレースを含み、画像プロセッサは、電気信号に基づいてシーンの画像を生成することができる。
【0111】
画像センサーモジュール1100は、1つまたは複数のレンズ602およびフィルタ1103を保持し、物理的に支持するためのホルダー構造1120を含む。詳細には、
図11Aに示されているように、ホルダー構造1120は、
図10のハウジング1004を含むことができるハウジング1122と、リテーナ1124とを含み得る。ハウジング1122とリテーナ1124の両方は、たとえば、射出成形を使用して、ポリカーボネート(PC)材料、および/またはポリマー材料(たとえば、液晶ポリマー(LCP))で作られ得る。バレルの形態であり得るハウジング1122は、光を受け取るための上部開口1132と、画像センサー1104に光を出力するための底部開口1134とを含む。
図11Bを参照すると、1つまたは複数のレンズ602は、(「A」と標示された方向によって指示された)上部開口1132に向かって、底部開口1134を通して、ハウジング1122中に装填され得る。1つまたは複数のレンズ602は、レンズスタックを形成するように上部開口1132と底部開口1134との間のハウジング1122内の所定の位置において取り付けられ得、ハウジング1122は、レンズスタックに物理的支持を提供することができる。さらに、ハウジング1122は、z軸に沿って画像センサー604上に積層される。
【0112】
再び
図11Aを参照すると、底部開口1134を囲むハウジング1122の底面1136が、
図8A~
図10における接合層804/904の形成と同様に、たとえば、接着剤1138、その後の接着剤を固めるためのUV硬化を介して、画像センサー604の受光面1110に接合され得る。画像センサー604との接合に基づいて、ハウジング1122は、画像センサー604に対する1つまたは複数のレンズ602の配向および位置を設定することができる。いくつかの例では、底面1136は、画像センサー1104の画像センサーダイに接合される。いくつかの例では、底面1136は、ガラス基板703(
図11Aに示されていない)、画像センサー604のパッケージなど、画像センサー604の他の構成要素に接合される。
【0113】
さらに、リテーナ1124が、レンズスタックと底部開口1134との間のハウジング1122内に取り付けられ得る。
図11Cを参照すると、リテーナ1124は、レンズが底部開口1134から落下するのを防ぐために1つまたは複数のレンズ602を支持するための(点線で強調された)上面1139と、(たとえば、図に示されていない接着剤の層を介して)フィルタ1103を取り付けるための(点線で強調された)中間面1140とを含むことができる。リテーナ1124は、ハウジング1122内でのリテーナ1124の配置における許容差を考慮するとき、リテーナ1124がハウジングから突出するのを防ぐために、底部開口1134から離れて配置され、凹形底面1141をさらに含む。そのような構成は、ホルダー構造1120が画像センサー604上に置かれるとき、ハウジング1122の底面1136が画像センサー604と接触しているが、リテーナ1124のどの部分も画像センサー604と接触していないことを確実にすることができる。ハウジング1122内のリテーナ624の位置を維持するために、接着剤1142が、リテーナ1124の凹形底面641およびハウジング1122の内壁上に塗布され、その後にUV硬化が続いて、ハウジング1122をリテーナ1124と接合することができる。
【0114】
図11Aは、ハウジング1122が円筒形部分と矩形/正方形部分とを含むことと、底部開口1134が円形形状を有することとを示すが、ハウジング1122および底部開口1134は他の幾何学的形状を有することができることを理解されたい。たとえば、ハウジング1122は、円筒形バレル、矩形/正方形バレルなどのみを含むことができるが、底部開口は、矩形/正方形形状を有することができる。
【0115】
ハウジング1122が画像センサー604上にアタッチされてスタックを形成する、
図11A~
図11Cの構成は、PCB720上の画像センサーモジュール1100のフットプリントを低減することができる。低減されたフットプリントは、特に、スペースがごく限られている、ニアアイディスプレイ100など、モバイルデバイス中に画像センサーモジュール600を組み込むために望ましいことがある。たとえば、再び
図1Cを参照すると、画像センサーモジュール1100をフレーム105に適合させるために、画像センサーモジュール1100の幅が、フレーム105の厚さ(t)よりも短くされる必要がある。その上、照明器130とセンサー120とを伴う撮像動作(たとえば、3D検知、立体撮像)を改善するために、画像センサー604のピクセルセル605が照明器130の近くに配置され得るように、(たとえば、センサー120aの)画像センサー600の長さも低減される必要がある。画像センサーモジュール1100のフットプリントを縮小することによって、画像センサーモジュール1100をニアアイディスプレイ100に適合させる可能性が高くなる。
【0116】
ホルダー構造1120が画像センサー604とともにスタックを形成する、
図11A~
図11C中の構成は、
図8A~
図10に示されているのと同様にして画像センサーモジュール1100のフットプリントを縮小することができるが、ハウジング1122内へのリテーナ1124の取付けは、様々な問題点を作り出すことがある。それらの問題点は、画像センサーモジュールのアセンブリならびに画像センサーモジュールの光学特性および性能に影響を及ぼすことがある。詳細には、上記で説明されたように、ハウジング1122は、底面1136を介してのみ画像センサー604に接合されるが、リテーナ1124は、画像センサー604と接触していない。しかし、ハウジング1122の底面1136は、接着剤638を塗布するためのごく限られた面積を提供し、これは、画像センサー604へのハウジング1122の接合を困難にする。その上、底部開口1134は、画像センサー604のより多くのピクセルセル605が光を受け取ることを可能にするために、拡大され得、これは、撮像解像度を改善することができる。しかし、ハウジング1122がレンズおよびリテーナ1124を囲み、これがフットプリントを増加させるとすれば、ハウジング1122の厚さは、フットプリントを低減するために低減される必要がある。しかし、ハウジング1122の厚さを低減することは、ハウジング1122の底面1136、ならびに接着剤1138を塗布するための利用可能な面積を低減する。一例では、画像センサー604のx/y寸法が約4ミリメートル(mm)である、
図11Aおよび
図11Cに示されているように、ハウジング1122の底面1136の最小幅は、約0.12mmまで縮小され得る。低減された接合面積は、ハウジング1122と画像センサー604との間のより弱い接合につながることがある。弱い接合は、ハウジング1122が画像センサー604に対してシフトすることを可能にし得、これは、画像センサー604に対するレンズスタックの配向および整合を変更し、画像センサーモジュール1100の光検知性能を劣化させる。
【0117】
その上、低減された接合面積により、塗布される接着剤1138の量、ならびに接着剤1138が塗布される底面636上のロケーションは、極めて高い精度で制御される必要がある。これは、ハウジング1122と画像センサー604とが互いに合わせられるとき、ハウジング1122の底面1136に塗布された接着剤が底部開口1134にこぼれるのを防ぐためである。しかし、必須の精度は、画像センサーモジュール1100のフットプリントを低減するために底面1136の面積が縮小するにつれて、達成不可能になり得る。たとえば、底面1136の0.12mm領域における接着剤1138の塗布を制御することは、たとえば、接着剤を塗布するノズルの直径によって課される限界により、極めて困難になる。底部開口1134にこぼされた接着剤は、フィルタ1103および/または画像センサー604のピクセルセル605を不明瞭にすることがある。これらのすべては、画像センサーモジュールの光検知性能を劣化させることがある。
【0118】
図12A、
図12B、および
図12Cは、上記の問題点のうちの少なくともいくつかに対処することができる画像センサーモジュール700の例を示す。
図12Aは、画像センサーモジュール1200の外部側面図を示し、
図12Bは、画像センサーモジュール1200の内部側面図を示す。
図12Aおよび
図12Bに示されているように、画像センサーモジュール700は、もう1つのレンズ602およびフィルタ1103を保持し、物理的に支持するためのホルダー構造1120を含む。ホルダー構造1220は、画像センサー604上に取り付けられ得、画像センサー604は、PCB720上に取り付けられる。ホルダー構造1220は、ハウジング1222とリテーナ1224とを含む。
図11A~
図11Cの画像センサーモジュール1100の場合のように、ハウジング1222は、1つまたは複数のレンズ602がレンズスタックを形成するように取り付けられるバレルの形態であり得、フィルタ1103が、リテーナ1224上に取り付けられ得る。しかしながら、リテーナ1124がハウジング1122内に取り付けられる、画像センサーモジュール1100の場合とは異なり、画像センサーモジュール1200では、リテーナ1224の少なくとも一部は、ハウジング1222、リテーナ1224、および画像センサー604が、(たとえば、z軸に沿って)スタックを形成するように、ハウジング1222と画像センサー604との間にはさまれる。さらに、リテーナ1224は、画像センサー604に対する1つまたは複数のレンズ602の配向および位置を設定するために、接着剤を介して画像センサー604と接合される。
【0119】
図12Bを参照すると、バレルの形態であり得るハウジング1222は、光を受け取るための上部開口1232と、画像センサー604に光を出力するための底部開口1234とを含む。画像センサーモジュール1100の場合のように、1つまたは複数のレンズ602は、上部開口1232に向かって、底部開口1234を通して、画像センサーモジュール1200のハウジング1222中に装填され得る。1つまたは複数のレンズ602は、レンズスタックを形成するように上部開口1232と底部開口1234との間のハウジング1222内の所定の位置において取り付けられ得、ハウジング1222は、レンズスタックに物理的支持を提供する。ハウジング1222は、底面1236をさらに含み、底面1236は、底部開口1234を囲み、接着剤層740を介してリテーナ1224の上面1239と接合され得る。
【0120】
図12Cは、リテーナ1224の拡大された内部側面図(左図)および底面図(右図)を示す。
図12Cに示されているように、リテーナ1224は、上面1239に加えて、中間面1241と底面1242とを含む。リテーナ1224の上面1239の外側部分は、接着剤1240を介してハウジング1222の底面1236に接合され、上面1239の内側部分は、レンズがハウジング1222の底部開口1234から落下するのを防ぐために1つまたは複数のレンズ602を支持する。その上、中間面1241は、フィルタ1103を取り付けるための面を提供する。さらに、リテーナ1224の底面742は平坦であり、接着剤1138を介して画像センサー604の受光面610と接合される。接着剤1138と接着剤1240の両方は、たとえば、UV光によって硬化されて、接合層を形成することができる。
【0121】
図11Aのハウジング1122の底面1136と比較して、リテーナ1224の底面1242の幅、ならびにハウジング1222の底面1236の幅は、リテーナ1224と画像センサー604との間の接合面積を増加させるように拡大され得る。さらに、画像センサーモジュール1200のフットプリントは、リテーナ1224の底面1242の幅にあまり制限を課さない。詳細には、再び
図11Aを参照すると、ハウジング1122の底面1136は、リテーナ1124とフィルタ1103の両方を囲む。その結果、底面1136は、所与のフットプリントについてリテーナ1124およびフィルタ1103の幅に適応するためにより狭くされる必要がある。対照的に、
図12A~
図12Cでは、リテーナ1224の底面1242は、フィルタ1103のみを囲み得、ハウジング1222の底面1236は、1つまたは複数のレンズ602のみを囲む。したがって、同じフットプリントについておよび同じフィルタ1103を用いても、
図12A~
図12Cのリテーナ1224の底面1242は、
図11A~
図11Cのハウジング1122の底面1136と比較して、より広くされ、リテーナ1224と画像センサー604との間のより大きい接合面積を提供することができる。その上、ハウジング1222の底面1236も、
図11A~
図11Cのハウジング1122とリテーナ1124との間の接合面積と比較して、より広くされ、ハウジング1222とリテーナ1224との間のより大きい接合面積を提供することができる。
【0122】
一例では、
図11Cに示されているように、4mm×4mmのフットプリント(たとえば、画像センサーモジュール600と同じ)では、リテーナ1224の底面1242の最小幅は、約0.45mm、ハウジング1122の底面1136の最小幅の約4倍である。さらに、ハウジング1222の底面1236の最小幅は、約0.25mm、ハウジング1122の底面1136の最小幅の約2倍である。その結果、拡大された接合面積が提供されて、リテーナ1224と画像センサー604との間の、およびハウジング1222とリテーナ1224との間の接合を改善することができる。さらに、より大きい接合面積により、底面1242上への接着剤1138の塗布のための精度要件も緩和され得る。また、接着剤1138が底面742からこぼれ、フィルタ1103および/または画像センサー604のピクセルセル605を不明瞭にする可能性が低くなる。これらのすべては、画像センサーモジュール1200の性能を改善することができる。
【0123】
図12Cは、リテーナ1224が矩形フットプリントを有することと、フィルタ1103が円形形状を有することとを示すが、リテーナ1224およびフィルタ1203は他の幾何学的形状を有することができることを理解されたい。たとえば、リテーナ1224は、円筒形状を有することができるが、フィルタ1203は、矩形/正方形形状を有することができる。
【0124】
図13Aおよび
図13Bは、ハウジング1222とリテーナ1224との間の接合を改善するための追加の特徴を有する画像センサーモジュール1200の例を示す。
図13Aの左側は、画像センサーモジュール1200の外観図を示し、
図13Aの右側は、画像センサーモジュール1200の部分内部図を示す。
図13Aに示されているように、ハウジング1222は、バレル1302、ならびに、バレル1302の一部を囲み、リテーナ1224と接合する矩形ベース1304を含むことができ、バレル1302は、1つまたは複数のレンズ602を囲み、保持する。ハウジング1222およびリテーナ1224は、コンプリメンタリーな平坦でない接合面を含むことができる。平坦でない接合面は、接着剤1240を塗布するための総面積を増加させ、これは、ハウジング1222とリテーナ1224との間の接合を改善することができる。
【0125】
コンプリメンタリーな平坦でない接合面は、ハウジング1222およびリテーナ1224の様々なロケーションにおいて提供され得る。たとえば、
図13Aに示されているように、矩形ベース1304の底部は、平坦でない底面1236を提供するために突出部1306を含むことができ、リテーナ1224の上部は、平坦でない上面1239を提供するためにコンプリメンタリーノッチ1308を含むことができる。別の例として、
図8Bに示されているように、リテーナ1224の上部は、平坦でない上面1239の一部として、外側上面1310と内側上面1312とを含むことができる。外側上面1310は、矩形ベース1304の底面と同じ矩形フットプリントおよび寸法を有し、矩形ベース1304の底面と接合することができる。その上、内側上面1312は、バレル1302の底面と同じ矩形フットプリントおよび寸法を有し、バレル1302の底面と接合することができる。外側上面1310および矩形ベース1304の矩形フットプリントは、接合面積を増加させ、ハウジング1222とリテーナ1224との間の接合をさらに改善することができる。
【0126】
図11A~
図13Bにおいて上記で説明された技法は、
図1Cの照明器130などの光プロジェクタモジュールのフットプリントを低減し、性能を改善するためにも使用され得る。たとえば、画像センサーモジュール1100および1200中の画像センサー604は、光源(たとえば、発光ダイオード(LED)、レーザーダイオード)によって置き換えられ得る。光源によって放出された光は、フィルタ1103および1つまたは複数のレンズ602を通過して、たとえば、ある周波数範囲(たとえば、赤外線)を有する平行光ビームを形成することができる。
【0127】
図14A~
図14Dは、
図9A~
図13Bの画像センサーモジュール900、1000、1100、および1200など、画像センサーモジュールをPCB720上に形成する方法1400を示す。
図14Aを参照すると、方法1400は、ステップ1402から開始することができ、1つまたは複数のレンズを備えるレンズアセンブリが形成される。いくつかの例では、
図14Bを参照すると、画像センサーモジュール900のレンズアセンブリ902は、最初に、ステップ1402aにおいて、射出成形プロセスによって層908およびポリマースペーサ910を作製することと、その後に、ステップ1402bにおいて、レンズスタックを形成するために層およびスペーサを積層することと、次いで、その後に、ステップ1402cにおいて、コーティング層930を形成するために不透明材料でレンズスタックの4つの側面をコーティングすることとによって、形成され得る。
【0128】
いくつかの例では、
図14Cを参照すると、画像センサーモジュール1000のレンズアセンブリ1002は、最初に、ステップ1402eにおいて、(たとえば、射出成形プロセスによって)ハウジング1004、層1006、およびスペーサ1010を作製することと、その後に、ステップ1402fにおいて、レンズアセンブリ1002を形成するために、層1006およびスペーサ1010をハウジング1004中に挿入することとによって、形成され得る。いくつかの例では、
図11Bを参照すると、レンズアセンブリ902を含むことができる1つまたは複数のレンズ602は、ハウジングの底部開口を通してハウジング(たとえば、ハウジング1122/1222)中に装填され得、その後、ステップ1402fにおいて、ハウジング内にリテーナ(たとえば、
図11A~
図11Cの場合のようなリテーナ1124)を取り付けること、またはハウジングの底面上にリテーナ(たとえば、
図12A~
図13Bの場合のようなリテーナ1224)を取り付けることのいずれかが続き、リテーナは、フィルタをアタッチするための面を提供する。
【0129】
再び
図11Aを参照すると、画像センサー604は、ステップ1404において作製され得る。画像センサー604の作製は、画像センサーダイを作製することと、フリップチップパッケージ中に画像センサーダイをパッケージングすることと、フリップチップパッケージ上にはんだボール724を付着させることとを含み得る。画像センサー604の作製は、画像センサーダイの受光面610上にガラス基板703を形成することをさらに含む。
【0130】
ステップ1404に続いて、ステップ1406において、画像センサースタックを形成するために、PCB720上に画像センサー604を導電的に接合するためのリフロープロセスが実施され得る。リフロープロセスは、フリップチップパッケージのはんだボール724を液体状態にリフローして、PCB720のコンタクトパッドとの導電性接合を形成するために実施され得る。
【0131】
ステップ1406に続いて、接着剤の層が、画像センサースタックまたはレンズアセンブリのうちの少なくとも1つの上に形成され得る。
図9Cに示されているように、接着剤が硬化すると不透明である場合、接着剤は、たとえば、レンズアセンブリの出光面に面する領域932の周りの(画像センサー604の)ガラス基板703の外周上に形成され得る。その上、接着剤が硬化するとクリア/透明である場合、接着剤は、ガラス基板703をレンズアセンブリの出光面と接合するために、領域932中にも形成され得る。いくつかの例では、
図12A~
図13Bに関して説明されたように、接着剤(たとえば、接着剤1138)は、リテーナの底面上に形成され得る。接着剤は、後続のステップにおいて、接合層を形成するために硬化され得る。
【0132】
図14Aは、ステップ1404~1408における、画像センサー604の作製、リフロープロセス、および接着剤層の形成が、ステップ1402におけるレンズアセンブリの形成の後に行われることを示すが、ステップ1402は、ステップ1404、1406、または1408のいずれかと同時に、またはその後に形成され得ることを理解されたい。
図14Dを参照すると、ステップ1408の終了時に、レンズアセンブリ900/1000、および/またはホルダー構造1120/1220を備える画像センサーモジュール1100/1200と、画像センサー604と、PCB720とが形成される。
【0133】
ステップ1410において、レンズアセンブリと画像センサースタックとは、接着剤の層を介して、互いに合わせられ、接続され得る。ステップ1412において、レンズアセンブリまたは画像センサースタックのうちの少なくとも1つは、画像センサースタックがレンズアセンブリと接続される間、画像センサーを1つまたは複数のレンズと整合させるために、移動され得る。再び
図9Bを参照すると、画像センサースタック(および/またはレンズアセンブリ)の移動は、整合プロセスに基づくことができ、その整合プロセスでは、画像センサーは、1つまたは複数のレンズを介して画像センサーによって受け取られた光のセンサーデータを生成するように制御され得る。画像センサースタックと1つまたは複数のレンズとの間の整合度が、センサーデータに基づいて決定され得る。レンズアセンブリに対する画像センサースタックの位置および配向は、ターゲット整合度に達するまで、調整され得る。
【0134】
ステップ1414において、画像センサースタックおよびレンズアセンブリが、それらのそれぞれの整合位置および配向にある状態で、接合層904を形成して画像センサースタックをレンズアセンブリと接合するために、接着剤層を固めるための硬化プロセスが実施され得る。硬化プロセスは、紫外光、および/または1つまたは複数のレンズの融点よりも低い温度における熱プロセスに基づくことができる。
【0135】
図9A~
図11Dにおいて上記で説明された技法は、
図1Cの照明器130などの光プロジェクタモジュールのフットプリントを低減し、性能を改善するために使用され得る。たとえば、画像センサーモジュール900および1000中の画像センサー604は、光源(たとえば、発光ダイオード(LED)、レーザーダイオード)によって置き換えられ得る。光源によって放出された光は、レンズアセンブリ902を通過して、たとえば、平行光ビームを形成することができる。光ビームの光学特性(たとえば、分散、方向)は、光源に対するレンズアセンブリ902の(たとえば、相対ロケーションおよび配向に基づく)整合によって影響を及ぼされ得る。上記で説明された技法を使用して、改善された改良につながることができる、低減されたフットプリントと、レンズアセンブリ902と光源との間の改善された整合とをもつ、光プロジェクトモジュールが提供され得る。
【0136】
追加の例
いくつかの例では、装置が提供される。本装置は、1つまたは複数のポリマー層を備えるレンズアセンブリであって、各層がレンズ部分と延在部分とを含む、レンズアセンブリと、レンズアセンブリの下方にあり、接合層を介してレンズアセンブリに接合され、1つまたは複数のポリマー層のレンズ部分を通過する光を検知するように構成された画像センサーとを備える。
【0137】
いくつかの態様では、1つまたは複数のポリマー層の各々は、環状オレフィン共重合体(COC)材料で作られる。
【0138】
いくつかの態様では、1つまたは複数のポリマー層の各々は、ポリカーボネート材料またはポリエステル材料のうちの少なくとも1つで作られる。
【0139】
いくつかの態様では、1つまたは複数のポリマー層の各々は、1つまたは複数の射出成形プロセスから作られる。
【0140】
いくつかの態様では、レンズアセンブリのフットプリントが、画像センサーのフットプリントと実質的に同等である。
【0141】
いくつかの態様では、接合層は、1つまたは複数のポリマー層のレンズ部分に面する画像センサーの受光面を囲むように、画像センサーの外周の周りに分布される。
【0142】
いくつかの態様では、レンズアセンブリは、出光面をさらに備える。接合層は、画像センサーの受光面をレンズアセンブリの出光面と接合するために、画像センサーの受光面にわたって分布される。
【0143】
いくつかの態様では、1つまたは複数のポリマー層は、複数のポリマー層を含む。複数のポリマー層のうちのポリマー層のペアの延在部分は、接着剤を介して接合される。
【0144】
いくつかの態様では、1つまたは複数のポリマー層は、複数のポリマー層を含む。レンズアセンブリは、第1のスペーサを含む複数のスペーサをさらに含み、第1のスペーサは、複数のポリマー層のうちのポリマー層のペアの延在部分間にはさまれる。
【0145】
いくつかの態様では、第1のスペーサは、ポリマー層のペアの延在部分に接合される。
【0146】
いくつかの態様では、複数のスペーサは、ポリマーまたは金属のうちの1つを含む不透明材料で作られる。
【0147】
いくつかの態様では、1つまたは複数のポリマー層は、複数のポリマー層を含む。複数のポリマー層のうちのポリマー層のペアのレンズ部分は、接着剤を介して接合される。
【0148】
いくつかの態様では、本装置は、レンズアセンブリの外面上の不透明コーティングをさらに備え、外面は画像センサーに面しない。
【0149】
いくつかの態様では、画像センサーは、実質的に平坦な基板と集積回路ダイとを備える。画像センサーによって検知された光は、基板を通過する。レンズアセンブリは、基板に接合される。
【0150】
いくつかの態様では、本装置は、プリント回路板(PCB)をさらに備える。画像センサーダイは、PCBに導電的に接合される。
【0151】
いくつかの態様では、画像センサーは、リフロープロセスによってはんだボールを介してPCBと導電的に接合される。
【0152】
いくつかの態様では、リフロープロセスの温度は、1つまたは複数のポリマー層の融解温度よりも高い。
【0153】
いくつかの態様では、接合層は、画像センサーをレンズアセンブリに接合するために、リフロープロセスの温度よりも低い温度における硬化プロセスによって形成される。
【0154】
いくつかの態様では、PCBは、画像センサーに機械的支持を提供する。PCB、画像センサー、および接合層は、レンズアセンブリに機械的支持を提供する。
【0155】
いくつかの態様では、接合層は、画像センサーをレンズアセンブリに接合するために、紫外光を伴う硬化処理によって形成される。
【0156】
いくつかの例では、装置が提供される。本装置は、第1の層と第2の層とを備えるレンズアセンブリであって、第1の層および第2の層の各々がレンズ部分と延在部分とを含み、レンズスタックを形成するために、第1の層の少なくともレンズ部分または延在部分が、それぞれ、第2の層のレンズ部分または延在部分と接合される、レンズアセンブリと、レンズアセンブリの下方にあり、接合層を介してレンズアセンブリに接合され、第1の層および第2の層のレンズ部分を通過する光を検知するように構成された画像センサーとを備える。
【0157】
いくつかの態様では、第1の層および第2の層の各々は、ガラス材料で作られる。
【0158】
いくつかの例では、装置が提供される。本装置は、第1の層と、第2の層と、第1の層と第2の層との間にはさまれたスペーサとを備えるレンズアセンブリであって、第1の層および第2の層の各々がレンズ部分と延在部分とを含み、第1の層の延在部分と第2の層の延在部分とがスペーサで接合される、レンズアセンブリと、レンズアセンブリの下方にあり、接合層を介してレンズアセンブリに接合され、第1の層および第2の層のレンズ部分を通過する光を検知するように構成された画像センサーとを備える。
【0159】
いくつかの態様では、第1の層および第2の層の各々は、ガラス材料で作られる。
【0160】
いくつかの例では、装置が提供される。本装置は、1つまたは複数のレンズと、1つまたは複数のレンズを保持するための不透明レンズホルダーと、レンズアセンブリの下方にあり、接合層を介してレンズアセンブリに接合された画像センサーであって、画像センサーが、1つまたは複数のレンズを通過する光を検知するように構成された、画像センサーとを備える。
【0161】
いくつかの態様では、1つまたは複数のレンズは、ポリマー材料を含む。
【0162】
いくつかの態様では、レンズアセンブリのフットプリントが、画像センサーのフットプリントと実質的に同等である。
【0163】
いくつかの態様では、接合層は、画像センサーの外周とレンズホルダーとの間に分布される。
【0164】
いくつかの態様では、レンズアセンブリは、レンズホルダーによって囲まれた出光面をさらに備える。接合層は、レンズアセンブリの出光面を画像センサーの受光面と接合するために、画像センサーの受光面にわたって分布される。
【0165】
いくつかの態様では、レンズホルダーは、1つまたは複数の第1のロケーションにおいて1つまたは複数のレンズを保持し、1つまたは複数のレンズの1つまたは複数の第1の配向を設定する。
【0166】
いくつかの態様では、画像センサーは、第2のロケーションにおいてレンズホルダーに接合され、レンズアセンブリに対して第2の配向を有している。画像センサーの第2のロケーションおよび第2の配向は、それぞれ、1つまたは複数のレンズの1つまたは複数の第1のロケーションおよび1つまたは複数の第1の配向に基づく。
【0167】
いくつかの態様では、1つまたは複数のレンズは、複数のレンズを含む。
【0168】
いくつかの態様では、レンズアセンブリは、複数のスペーサをさらに備え、複数のスペーサのうちの第1のスペーサが、複数のレンズのうちのレンズのペア間にはさまれる。
【0169】
いくつかの態様では、複数のスペーサは、ポリマーまたは金属のうちの1つを含む不透明材料で作られる。
【0170】
いくつかの態様では、不透明レンズホルダーは、ハウジングとリテーナとを備える。ハウジングは、1つまたは複数のレンズを保持するように構成される。リテーナは、ハウジング内に1つまたは複数のレンズを保つように構成される。
【0171】
いくつかの態様では、リテーナは、ハウジング内に配置される。
【0172】
いくつかの態様では、リテーナの少なくとも一部が、ハウジングと画像センサーとの間にはさまれる。
【0173】
いくつかの態様では、ハウジングは、光を受け取るための上部開口と、画像センサーに光を出力するための底部開口とを含む。1つまたは複数のレンズは、上部開口と底部開口との間のハウジング内の所定の位置において取り付けられる。ハウジングは第1の底面を含み、第1の底面は、底部開口を囲み、第1の接着剤を介してリテーナの上面と接合される。
【0174】
いくつかの態様では、ハウジングの第1の底面は、接着剤の第1の層を介してリテーナの上面の外側部分と接合される。リテーナの上面の内側部分は、1つまたは複数のレンズが底部開口から落下するのを防ぐために、1つまたは複数のレンズと接触している。
【0175】
いくつかの態様では、リテーナは、光が画像センサーによって検出される前に光をフィルタ処理するためのフィルタを保持するようにさらに構成される。
【0176】
いくつかの態様では、リテーナは、フィルタを取り付けるための中間面と、第2の接着剤を介して画像センサーと接合するための第2の底面とを含む。
【0177】
いくつかの態様では、フィルタは、フィルタのアレイを含む。
【0178】
いくつかの態様では、画像センサーは、画像センサーダイを備え、第2の底面は、第2の接着剤を介して画像センサーダイと接合される。
【0179】
いくつかの態様では、PCB上の装置のフットプリントの長さおよび幅は、5ミリメートル(mm)よりも小さい。リテーナの第2の底面の最も狭い幅は、0.4mmよりも長い。
【0180】
いくつかの態様では、ハウジングの第1の底面は、第1の平坦でない面を備える。リテーナの上面は、第2の平坦でない面を備える。第1の平坦でない面と第2の平坦でない面とは、互いにコンプリメンタリーであり、第1の接着剤を介して互いに接合される。
【0181】
いくつかの態様では、ハウジングは、バレルとベース部分とを備える。ベース部分は、リテーナの第2の平坦でない面と接合するための第1の平坦でない面を含む。
【0182】
いくつかの態様では、ハウジングは、バレルと、バレルの少なくとも一部を囲むベース部分とを備える。ベース部分およびバレルは、それぞれ、第1の平坦でない面として、外側底面および内側底面を含む。リテーナの上面は、第2の平坦でない面として、外側上面と内側上面とを含む。ベース部分の外側底面は、第1の接着剤を介してリテーナの外側上面と接合される。バレルの内側底面は、第1の接着剤を介してリテーナの内側上面と接合される。
【0183】
いくつかの態様では、ハウジングおよびリテーナは、射出成形プロセスを使用してポリマー材料で作られる。
【0184】
いくつかの例では、方法は、1つまたは複数のレンズを備えるレンズアセンブリを形成することと、画像センサースタックを形成するために、プリント回路板(PCB)上に画像センサーを導電的に接合するためのリフロープロセスを実施することと、画像センサースタックまたはレンズアセンブリのうちの少なくとも1つの上に接着剤の層を形成することと、接着剤の層を介してレンズアセンブリと画像センサースタックとを接続することと、画像センサーを1つまたは複数のレンズと整合させるために、レンズアセンブリまたは画像センサースタックのうちの少なくとも1つを移動することと、画像センサースタックおよびレンズアセンブリが、それらのそれぞれの整合位置および配向にある状態で、画像センサースタックをレンズアセンブリと接合するために接着剤の層を硬化させることとを含む。
【0185】
いくつかの態様では、レンズアセンブリを形成することは、モールド射出プロセスを使用して1つまたは複数のレンズの各々を作製することを含む。
【0186】
いくつかの態様では、レンズアセンブリを形成することは、レンズアセンブリを形成するために不透明レンズホルダー中に1つまたは複数のレンズを封入することを含む。
【0187】
いくつかの態様では、レンズアセンブリを形成することは、ハウジング中に1つまたは複数のレンズを装填することと、1つまたは複数のレンズがハウジングから落下するのを防ぐために、ハウジングの底面上にリテーナをアタッチすることとを含む。
【0188】
いくつかの態様では、1つまたは複数のレンズは、複数のレンズを含む。レンズアセンブリを形成することは、レンズスタックを形成するために複数のスペーサとともに複数のレンズを積層することであって、複数のレンズのうちのレンズの各ペアが、レンズスタック中の複数のスペーサのうちの不透明スペーサによって分離される、複数のレンズを積層することと、不透明材料でレンズスタックの4つの側面をコーティングすることとを含む。
【0189】
いくつかの態様では、本方法は、画像センサーダイを作製することと、フリップチップパッケージ中に画像センサーダイをパッケージングすることと、フリップチップパッケージ上にはんだボールを付着させることと、はんだボールを有するフリップチップパッケージをPCBのコンタクトパッドに接触させることとをさらに含む。リフロープロセスは、フリップチップパッケージのはんだボールを液体状態にリフローして、コンタクトパッドとの導電性接合を形成するために実施される。
【0190】
いくつかの態様では、本方法は、画像センサーダイの受光面上にガラス基板を形成することをさらに含む。
【0191】
いくつかの態様では、接着剤の層は、ガラス基板の外周上に形成される。
【0192】
いくつかの態様では、レンズアセンブリは、出光面をさらに備える。接着剤の層は、出光面と接合するようにガラス基板の領域上に分布される。
【0193】
いくつかの態様では、画像センサーを1つまたは複数のレンズと整合させるためにレンズアセンブリまたは画像センサースタックのうちの少なくとも1つを移動することは、1つまたは複数のレンズを介して画像センサーによって受け取られた光のセンサーデータを生成するように画像センサーを制御することと、センサーデータに基づいて画像センサーと1つまたは複数のレンズとの間の整合度を決定することと、整合度に基づいてレンズアセンブリまたは画像センサースタックのうちの少なくとも1つを移動することとを含む。
【0194】
いくつかの態様では、接着剤の層を硬化させることは、接着剤の層を紫外光に当てることを含む。
【0195】
本明細書において使用される言い回しは、主に読みやすさおよび教育目的で選択されており、本明細書において使用される言い回しは、本発明の主題を定めるかまたは制限するように選択されていないことがある。したがって、本開示の範囲はこの詳細な説明によって限定されるのではなく、むしろ、本明細書に基づく出願に関して生じる請求項によって限定されることが意図される。したがって、例の開示は、以下の特許請求の範囲に記載される本開示の範囲を例示するものであり、限定するものではない。
【国際調査報告】